1/6日経ビジネスオンライン 鈴置高史『韓国も核武装か、中国に走るか 「北の核」に背を押される南』について

北の今回の爆発は水爆程の規模ではないので水爆ではないと思っていますが、原爆実験したことは間違いないと思います。日本は周りを核保有国に囲まれています。ロシア、中国、北朝鮮と。日本は非核三原則なるものを金科玉条としていますが、米軍基地に今は置かなくても、米軍の原潜に配備してあるから、日本の安全が守られて来たと言うだけ。リアリズムのない人間はそこに気が付かないだけです。

北は今度のサウジとイランの断交をみて、両方に核を売り込むつもりという記事も見ました。日本が思うほどに北は貧窮していないと。ただ日本海に北と思われる木造船が漂流してきた事件が続いているのは、それ程豊かにはなっていないと思いますが。TVで辺真一が「北の地下には鉱物資源が埋まっており、それを売れば財政は持つ」と言っていましたが、経済制裁を厳格化して密輸を認めなければ苦しくなります。中露がどれだけ真剣に取り組むかでしょうけど。

日本も早く核武装に動いて行かないと。周囲3ケ国以外に韓国も保有したら、「恨」の国だから本当に日本に復讐のために原爆を投下するかもしれません。本当は千年属国の中国に向けて発射すべきでしょうけど。北と言い、南と言い、中国もですが人民の生命は凄く軽く感じます。それを糊塗するために反日をしているのでしょう。自国政府に恨みを向けない為、日本を敵に祭り上げる訳です。ここを押えた上で特亜3ケ国とどう付き合うかを考えなければなりません。何せ韓国はまた約束を破る(口約束だけれど)可能性が高いと読んでいます。特亜3ケ国が約束を守るはずはありません。何せ「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」の文化ですので。日本は何事も善意で解決しようとし過ぎですし、対応が遅すぎです。朝日新聞等左翼メデイアに刷り込みを受け、現実を見ない平和ボケが余りに多すぎるせいです。彼らは中国か北朝鮮から核ミサイルが飛んで来たらどう思うのでしょう。ミサイル防衛だけでは中国の核ミサイルは防ぎきれません。米国にニュークリアシエアリングを要求すべきです。これであればNPTにも違反しないでしょう。欧州では既にやっていますので。その後、地道に核を持つステップを探っていかないと。そもそもで言えば、P5だけ核を保有できると言う論理がおかしいのでは。彼らはそれだけ善良なのか?歴史をみれば植民地経営や侵略してきた国家でしょう。それとレーザーの研究開発をして核を無効化できるようにできれば良いと思います。

記事

朝鮮が「1月6日10時(現地時間)、初の水爆実験を行った」と発表した。4回目の核実験となる。北朝鮮は“核保有国”への道をさらに一歩踏み出した。韓国も核武装に走るか、あるいは中国に急接近する可能性が出てきた。

「核選択権」を宣言しよう

 北朝鮮国営の朝鮮中央テレビは日本時間1月6日12時半から「特別重大報道」として、「6日10時(現地時間)に北東部で初めての水爆の実験を行った」と発表した。

 韓国では、北朝鮮の核に対抗し自らも核武装すべきだとの意見が一気に高まるだろう。4回目の核実験の前から、保守派が核武装を主張し始めている(「ついに『核武装』を訴えた韓国の最大手紙」参照)。

 2015年5月21日には最大手の保守系紙、朝鮮日報の楊相勲(ヤン・サンフン)論説主幹が、署名コラム「金正恩も、恐れさせてこそ平和を守る」(韓国語版)で「核武装」を訴えた。

 厳密に言えば、米国の核で守られないことが確認された瞬間に韓国も即座に核武装すると宣言しておく「核選択権」の主張だ。宣言時期は「北が4回目の核実験を実施し、核ミサイルの実戦配置が確認された瞬間」を想定している。

 なお、「核選択権」に関しては拓殖大学の矢野義昭客員教授が詳しい(「米国も今度は許す?韓国の核武装」参照)。

若い独裁者に「核抑止」は働くか

 この記事が掲載される少し前の5月12日には保守運動の指導者、趙甲済(チョ・カプチェ)氏が同様の「核選択権」を唱える記事「核ミサイル実戦配備に対応する政策を国民投票に付せ!」(韓国語)を自らが主宰するネットメディアに掲載した。

 趙甲済氏は「国民投票にかけることで核選択権の権威を増そう」とも主張した。さらに「必要なら核拡散防止条約(NPT)を脱退する権限を政府に付与すべきだ」と訴えた。韓国の保守指導層は「核選択権」の合意を固め終えた感がある。

 韓国は米国の核により守られていることになっている。北朝鮮が韓国を核攻撃すれば、米国は直ちに北に核で反撃する、との約束だ。論理的には、米国の核による報復を恐れ、北朝鮮は韓国を核で攻撃しないと想定されている。

 しかし、若い独裁者に「核抑止力」は働かないのではないか、と韓国人は懸念する。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が正常な判断力を持つのか、あるいは彼が非合理的な判断を下した時に側近が止められるかは不明なのだ。

 金正恩率いる北朝鮮なら、米国から核攻撃を受ける可能性を無視して南を核攻撃するのではないかとの恐れである。

 となると、そんな非合理的な国からグアムや本土を核攻撃されるリスクを冒してまで、米国が韓国をちゃんと守ってくれるのか――と韓国人は疑う。

韓国はMDには参加できない

 具体的な懸念がある。北朝鮮が核兵器を「見せ金」にして通常戦力を行使するとのシナリオだ。

 北が通常戦力だけで韓国を奇襲攻撃し、ソウルまで占領する。米韓連合軍が反撃に出ようとした際に北朝鮮が「核を使うぞ」と脅したら、米国は核戦争に巻き込まれることを嫌がり、休戦に応じるかもしれない。韓国は首都であり、経済力の過半を占めるソウルを奪われてしまう――との悪夢である。

 米国も韓国人のこの悪夢を十分に承知している。4回目の核実験後、すぐにでも韓国に対する核の傘の保証を改めて宣言するであろう。ただ、韓国人がそれに納得するかは分からない。

 日本は米国の核の傘に加え米国と共同で、ミサイルを撃ち落とす仕組み、ミサイル防衛(MD)システムを構築中だ。これらにより中国や北朝鮮の核に対抗する。

 米国は韓国に対しても、米主導のMDシステムに参加するよう呼びかけてきた。しかし韓国はそれが「中国包囲網」の一環となることから、中国に遠慮し参加を断ってきた。

 MDの一部である終末高高度防衛ミサイル(THAAD)を、米国が在韓米軍に配備をしようとしたら、韓国はそれさえも拒否した。習近平主席が朴槿恵(パク・クンヘ)大統領に直接「反対せよ」と申し渡しているためだ。

米国も韓国の核を許す

 韓国では、自分たちも核を持ってしまえば、米国もそれを認めるだろうとの本音が今後、公然と語られるかもしれない。また、今すぐに核は持たなくとも「核選択権」くらいは直ちに宣言すべきだとの世論が盛り上がり、政権をつき動かす可能性が高い。

 カーター(James Earl “Jimmy” Carter, Jr.)政権(1977-1981年)時代に大統領国家安全保障担当補佐官を務めたブレジンスキー(Zbigniew Kazimierz Brzeziński)氏が、2012年に「Strategic Vision: America and the Crisis of Global Power」を書いた。

 この本の114ページでブレジンスキー氏は「米国の力が弱まると、その核の傘の信頼性が落ちる。すると韓国や台湾、日本、トルコ、ひいてはイスラエルでさえ新たな核の傘を求めるか、自前の核武装を迫られる」と指摘している。

 安全保障の専門家として名高いブレジンスキー氏が、韓国の核武装を自然な流れと認識したうえで、食い止めるべき対象とは書かなかったのである。

 そしてこの本を、当時の韓国各紙は一斉に社説で取り上げている(「『中国に屈従か、核武装か』と韓国紙社説は問うた」参照)。

 韓国の核武装の可能性は、日本人が考える以上に高い。被爆国、日本とは大いに異なり、韓国人には核兵器への忌避感が薄いからだ。

 世論調査では3分の2の韓国人が核武装に賛成する。3回目の核実験(2013年2月12日)の直後、韓国ギャラップと、峨山政策研究院が国民に聞いている。

 核武装に賛成した人はそれぞれ64%と66.5%に上った(「今度こそ本気の韓国の『核武装論』」参照)。

北の抑制を中国に頼む

 韓国のもう1つの選択は中国による核抑止だ。米国の核による抑止が効かないなら、北朝鮮経済の生殺与奪の権を握る中国に頼もう、との発想だ。

 朴槿恵大統領は2015年9月4日、中国から帰国する飛行機の中で「中国と協力し統一を目指す」と語った(「統一は中国とスクラム組んで」参照)。

 9月2日に習近平主席と会談し、3日に天安門から軍事パレードを参観した直後の出来事だ。韓国の保守は「米韓同盟を破棄してでも統一に動くつもりか」とパニックに陥った。

 中国が韓国主導の統一に協力、つまり北朝鮮を捨てる以上、代わりに米韓同盟の破棄を要求するというのが常識だからだ。

 大統領の真意は不明だ。が、将来の統一問題で「スクラムを組む」ほどに中国を頼みとするのなら当然、差し迫った核問題で中国を頼みにするだろう。もちろんその時、中国は米韓同盟の破棄、あるいは事実上の無効化を韓国にのませるに違いない。

 2014年4月23日、朴槿恵大統領は突然、中国の習近平国家主席に電話し「北朝鮮のさらなる核実験は域内の軍備競争と核ドミノを引き起こす。(核実験を実施しないよう)北朝鮮に対する説得を一段と努力して欲しい」と要請した(韓国の通信社、ニュース1による)。

 北朝鮮の核武装阻止をも話し合う、米韓首脳会談の開催を2日後に控えての“事件”だった。朴槿恵政権がもはや同盟国の米国だけを頼みにするわけにはいかない、と考えている明確な証拠である。

4割弱が親中派

 韓国には3番目の選択肢もある。「現状維持」である。これは北の核への抑止を、現在の同盟国である米国に全面的に依存することを意味する。

 もっとも、米国と「完全なスクラム」を組むためにはTHAAD配備を容認したうえ、米主導のMDにも参加する必要がある。

 韓国の保守派の一部は、戦術核兵器の韓国への再配置を米国に要求しようと言い出すだろう。自前の核武装よりも手っ取り早く、かつ米国との摩擦も少ないからだ。

 だが、すっかり中国に取り込まれた朴槿恵政権が、中国が嫌がるそんな選択をとる可能性は低い(「『中国の尻馬』にしがみつく韓国」参照)。

 政権だけではない。4割近い韓国人が「落ち目の米国」ではなく「浮上する中国」とともに生きる決意を固めている。

 韓国の世論調査会社、リアルメーターの2015年7月29日の調査によると、「米中どちらが重要か」との問いに対し、韓国人の50.6%が米国と答え、37.9%が中国と答えている(「どうせ、中国の属国だったのだから」参照)。

韓国の動揺を待つ中国

 今現在は「北の核」への恐怖が韓国を支配している。しかし「米国を頼り続けるか」あるいは「中国を新たなパートナーに選ぶか」で、論争が起こる可能性が高い。

 いくら米国が頼りないからといって、傲慢な独裁国家に身を寄せるものだろうか――と日本人は思う。その答えは歴史にある。

 韓国の歴代王朝は19世紀末まで、中華王朝の冊封体制下にあった。外から見れば属国だが、韓国人の集団的な記憶では「中国に守られ、結構うまくやっていた」のである。

 中国も韓国人のそんな心情は知り尽くしている。中国と近い朴槿恵政権の時代、それも北の核への不安が一気に増した今、韓国を取り込んでおこうとするに違いない。

 “核保有国”となった北朝鮮に世界の目が注がれる。だが、極度の不安に陥った南の動きにも注意を払うことが必要だ。実はこの韓国の動揺こそを、中国は「待っていた」のかもしれない。