1/6日経『台湾の最大野党、初の過半数視野 立法院選が告示』について

1/16台湾総統選の記事です。国民党の立法委員の議席目標が113議席中の50議席とのこと、民進党+無所属で過半数は取れると思います。蔡英文は陳水扁時代と違い、台湾国民のための政治ができると思います。馬英九国民党政権は外省人(蒋介石が大陸から連れて来た中国人)で反日ばかりでなく、中国に擦り寄り過ぎたため、一昨年の太陽花学運と「九合一」統一地方選挙での惨敗を喫しました。国民党の終わりの始まりです。そもそも蒋介石が台湾統治の正統性を持っていたかも疑わしい。サンフランシスコ講和条約で日本は台湾の領有権は放棄しましたが、中華民国が統治するとは書いていません。台湾の法的地位は未確定です。ましてや、中共が台湾は中国の一部というのは中共得意の歴史の改竄でしょう。

外省人といえども3世以降になれば「自由のない」中共と一緒になりたいと思う人は少なくなっていくと思います。それでも中国とくっついていたいと思うのは、裏で金で結びついているからだと思います。それも中国経済が崩壊すると言われていますので、どこまで続くのか。金の切れ目が縁の切れ目になるのでは。香港の銅鑼湾書店の5人が失踪した事件は、蒋介石の白色テロを台湾国民に思い起こさせるのに充分です。蒋経国が戒厳令を解除して、李登輝総統が民主主義、自由を回復した台湾国民にとって後戻りする選択をするとは到底思えません。

安倍首相は蔡英文総統候補の望むように「産業同盟」を結び、TPPに加盟できるようにしていってほしい。また、南シナ海のように既成事実が出来上がらないように、尖閣を含めて中国の手出しができないような安全保障上の結びつきを深めていくようにしてほしい。米中密約も中国は米国の覇権に挑戦しているので反故にすれば良い。米国は台湾関係法、日米同盟を誠実に履行すべき。日本も当然膨張主義の中国を抑えるように法整備、運用していかないと。

昨日麗澤大学に行き、12/22「中国時報」を見ました。やはり自由時報以外は国民党を応援しているような印象の記事でしたが。「桃(桃園?)竹(新竹?)苗(ミヤオ族?)の客家人の住む地域で国民党の朱候補は7割の支持を固めた」と言うのと「蔡英文候補はその地域で4議席中2議席は有望」という内容です。台湾事情が分からないので正確かどうか分からないのが難点ですが。それでも日経記事を補強するものと考えます。

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記事

【台北=山下和成】16日の台湾総統選挙と同時に実施する立法院(国会、定数113)選が5日、告示された。総統選で独走する蔡英文主席(59)が率いる台湾独立志向の最大野党・民進党が、初の過半数獲得を視野に入れている。2000~08年の民進党政権は少数与党だったが、今回は議会でも多数派を握る「強い政権」になる見通しが強まっている。

 「立法院で過半数を取らなければ蔡氏は実力を発揮できない」。昨年12月30日の夕暮れ時、台湾中部、台中市の沙鹿区。民進党の立法委員(国会議員)候補、陳世凱氏(38)は、蔡氏と2人で撮影した写真を貼った選挙カーの前で約100人の支持者に訴えた。

 陳氏は14年末の台中市議選でトップ当選した若手の有望株。立法院選は2度目の挑戦だ。蔡氏をはじめ党内の大物も続々と応援に入っており、「有権者の関心が高まっている」と手応えを語る。

 迎え撃つ与党・国民党の現職、顔寛恒氏(38)は父親の地盤を譲り受けて13年1月の補選で初当選した。総統候補の朱立倫主席(54)が劣勢で逆風が吹くなか「個人の実力で勝つしかない」と覚悟する。「台中港に続く幹線道路を整備してきた」などと実績を訴え、地域をくまなく回る。

 台湾は地域で政党支持が分かれる傾向があり、外省人(中国大陸出身者とその子孫)が多い台北を中心とした北部では国民党が強い支持基盤を持つ。これに対し民進党は本省人(戦前からの台湾住民とその子孫)が多い南部で強い。中間に位置する中部の行方が、全体の選挙戦を占う重要なカギになるとされてきた。

 台中はここ十数年は国民党が優勢だったが、総統選の前哨戦とされた14年末の統一地方選で民進党の林佳龍市長(51)が誕生した。今回の立法院選でも、民進党は「中部の勝利は台湾全土の勝利だ」(台中市党部の劉文欽・主任委員)として最重点区と位置付ける。

 台中は8選挙区のうち現在は国民党が5議席、民進党が3議席だが、民進党が過半数を制する可能性が高まる。ある国民党候補の選対本部幹部は「総統選は民進党に投票しても、立法院は国民党候補を選んでもらう『分裂投票』に期待するしかない」と弱気だ。

 民進党は00~08年の陳水扁政権時代は少数与党にとどまり政治の停滞を招いた。過半数を取れば苦い過去を繰り返さずに済む。中国は独立志向の民進党へのけん制を繰り返しているが、議会で多数派を握れば「中国も蔡氏を揺さぶるのが難しくなる」との見方がある。

 国民党は昨年10月中旬に総統候補を、支持率が低迷する洪秀柱・立法院副院長(国会副議長、67)からエース格の朱氏に急きょ差し替えた。朱氏の出馬で「せめて立法院は過半数を確保したい」との狙いがあったが、台中では「混乱に失望した支持者が離反した」(顔・立法委員)との声も上がる。

 朱氏が市長を務める北部の新北市でも民進党の議席増が確実視される。国民党幹部も「現時点では50議席が目標」としており、過半数割れを覚悟しているのが実態だ。