5/7日経ビジネスオンライン 福島香織『安倍首相の米議会演説、中国はどう報じたか 対立と駆け引き、「新冷戦」の始まりは低調に』記事について

日本が強くなることに、中国・韓国と日本のメデイアがまともに報じるとは思えません。そういう意味では中国の報道は分かり易いのでは。日本を韓国のように属国にしないまでも、弱い儘であれば金を強請れますので。それでいつも「歴史を鑑」と馬鹿の一つ覚えのように言う訳です。「歴史を鑑」にしたらウイグル、チベット、内蒙古等困った問題が出るのでは。それでも臆面もなく、日本に強弁できるのが中国人の凄い所です。

今回は習近平がAIIBに日本を引き込もうと思っているから批判のトーンが和らいだとの見立てですが、それもあると思います。何とかして日米分断を図りたいと中国は思っているはずですから。日本人の中にもアメリカでなく、中国とくっついた方が良いと思っている人もいます。中国のように裏切るのが当たり前という国と付き合ったら大変と言うのは戦前戦中戦後も体験して分かっているのに。

5/10宮崎正弘メルマガに「中国三大メジャーのトップ全員が交代  「石油派」の利権は、最後に誰が掌握するか」の記事が載っていました。習・王体制VS軍(団派)+上海派の争いです。今は内部での権力闘争が熾烈で、日本を叩きすぎると、後で政権が変わった時に粛清されるかもしれないので報道機関は様子見しているのではという気がします。まあ誰が権力を握ろうと反日は変わらないでしょう。日米同盟を確固たるものにして中国の野望を挫くようにしないと。中韓と日本のメデイアの逆をやる事が正しい。

宮崎記事

『中国の三大石油メジャーとは「シノペック」「ペトロチャイナ」、そして「中国海洋石油」である。中国語では「三桶柚」が三大メジャーを意味する。これまでは江沢民一派が「三桶柚」のトップを独占し、利権を独占して、いわゆる「石油派」のボスとして君臨したのが周永康だった。実際の裏のボスは曽慶紅(江沢民の右腕、元国家副主席)だった。江沢民の家来だった周永康(中国共産党政治局元常務委員)が曽慶紅の禅譲により、トップについてからは露骨に一族で利権を握りしめ、金庫番の蒋潔敏らを駆使して、好き放題をやってきた。

とろこが、習近平の反腐敗キャンペーンで真っ先に血祭りに上げられ、周永康の子分たち400名(三大メジャーの役員クラス、幹部)がその座から転がりおちた。習近平は兄貴分だが、煙たい存在で、目の上のたんこぶだった薄煕来(重慶市書記)を、夫人の外国人殺害事件を口実に逮捕し、党籍剥奪して裁判にかけた。まず自分の権力の邪魔になる厄介者を消した。

 つぎに標的としたのは悪評さくさくだった周永康だった。かれは公安系、司法系を司る政治法政系を牛耳っていたため、つまりは取り締まり側の総元締めだから、誰も手を出せないアンタッチャブルの存在だった上、背後に江沢民がいる。反面、周が君臨したお陰で温家宝首相(当時)の金銭スキャンダルなどは握りつぶされた。

 そこで習近平は辣腕政治家の王岐山とコンビを組んで「反腐敗キャンペーン」を本格化させ、周りから攻め込んだ。石油メジャーの不正経理と乱脈の捜査によって外堀を埋め、さらには周の子分達を経済犯罪を立証しつつ裁判にかけて、五名を処刑した。周の息子もこれらのマフィアと共謀していた。

 周は慌てて王岐山らに懇請したが聞き入れられず、泣きつかれた江沢民が習近平に電話すると途中で切ったという噂も流れた。江沢民一派は追い詰められたことを認識し、反撃に出る。

盛んに地方巡察などと嘯いてマスコミに動静を写真入りで報道させる一方、ヒットマンを送り込み、暗殺を狙った。王岐山への暗殺未遂は数件、もっとも師匠格の朱容基元首相は、暗殺未遂事件が十数回もあった。

 習近平は自分のボディガード軍団を入れ替え、さらに中南海の警備陣を、江蘇省、福建省時代に培った子飼いの公安系に入れ替え、万全なものとした。暗殺を懼れるからである。王岐山に至ってはスケジュールを明かさず、神出鬼没の行動をとる。

 ついで習近平が狙ったのは軍である。中央軍事委員会で習近平の子分はひとりしか居ない。ほかは胡錦涛派、とくに副主任の氾長龍と許基亮。参謀総長の房峰輝の三人が習近平になびかない。そこで、これら軍トップの副官クラスと弁辞処(中央軍事委員会事務局)の高官を入れ替え、軍幹部の独自の動きに注意をはらう人事構造とした。つまり軍事クーデターを警戒する態勢である。あまつさえ習近平は外遊時に、これらの幹部の何人かを引き連れていくようになった。

留守中の動きを封じ込めるためで、たとえば5月8日からのモスクワ、ベラルーシ訪問では氾長龍(軍事委員会副主任)を随行した。

 ▼迂回捜査だったから、本丸を囲まれたことに江沢民は気がつかなかった

 このたびの人事で三大メジャーのトップがすべて交代したことが分かった。

 中国石油のトップは王宣林で、前トップだった周吉平は辞職し、前社長だった寥永遠は失脚した。

 中石化のトップは未発表。前幹部の傳成玉は辞職し、前社長の王天普は失脚、同系工程院副院長だった王玉普は左遷された。中国海洋石油は新トップに楊華が繰り上がり、王宣林は「中国石油」のトップに横滑り、副経理(副社長)だった呉振芳は失脚した。

 この動きから推測できること。習近平は石油派を締め上げることによって、鉄道利権に続いて、江沢民派の利権を取り上げ、つぎに李鵬ら守旧派が握る発電利権、そして江沢民の息子が握る通信の利権を奪回するため、その腐敗構造へのメス入りをしている最中である。

 また利権構造とは言えないが、江沢民残党の影響力がつよく残る行政、地方政府、国有企業にもメスを入れており、外交関係部署では江沢民色の強い楊潔チ国務委員(前外相)と外交部助理の張昆生(令計画と親密だった)らが取り調べを受けた気配がある。げんに王毅外相のまわりからも、多くの幹部が拘束、逮捕されている。

 ▼上海派の牙城、上海市政府の人事にも介入

 上海政府の行政幹部に関しては「調査の対象」(取り調べ)となった幹部が目立つ、戴海波(上海市政府副秘書長)、崔健(実鋼集団副社長)と同社の33名の幹部が取り調べを受けた。

上海政府は、江沢民一派の牙城であり、これまではアンタッチャブルの存在。数年前に陳良宇が失脚した折は、胡錦涛政権だったが、上海で最も汚い手口のデベロッパー逮捕に連座させて、経済スキャンダルを立証したのだった。

 同市の上海光明集団元理事長の王宗南も、江沢民一族と濃密な関連があったが、失脚した、江沢民の長男、江綿恒は中国科学院上海分院長のポストを免職となったうえ、彼のもとに出入りしていた、怪しげな政商らも多数が拘束された。

 周永康の牛耳った法政法(公安関係)でも李東生(弁王室全主審)、馬建(公安部腹部省)らが取り調べを受け、事実上失脚した。馬建失脚直後に郭文貴が外国へ逃亡、令計画の弟の令完成も機密書類を持ち出して、米国へ逃亡した。

 まさに闇の世界に手を付けた結果、計り知れない闇の奥底が広がる。悪魔の生息する伏魔殿へ、本気で習近平の特捜部隊は突入するのだろうか。もしそうなれば地獄の決戦が開始されることを意味し、中国共産党の瓦解が始まる。』

福島記事

日本の安倍晋三首相の訪米と議会での演説についての、日本や海外のニュースを拾い読みしている。日本の報道では主に二通り。高校生よりひどい英語だ、米議会の8割が聞き取れなかったらしい、謝罪の言葉なかった、アメリカに擦り寄っただけ、といった嘲笑・批判の報道。そして、見事な演説だった、10回以上のスタンディングオベーションで共感が示された、米国の信頼取り戻した、というべた褒めの真逆の報道が相半ばしていたかと思う。中身に関しては、日米同盟強化・深化を、TPP交渉の成立と安保関連法案の夏までの成立をもって進めていくという目標提示でもって訴えた。これに対しては日本の世論でも、大きく賛成反対に分かれているテーマなので、本当に政権の思惑どおりすんなりといくかはまた別ではあるが、演説で公言したことは米国としては安倍政権の決意として受けとめられたことだろう。

 個人的な感想を言えば、日本の首相らしからぬうまい演説だと思った。言葉の強弱や息継ぎまで指示されたカンペを見ながらの演説であったことがウォールストリート・ジャーナルで写真付きで報じられたのはご愛嬌だが、アメリカ人の心に響きそうなフレーズを小憎たらしいまでにちりばめたスピーチ原稿や、的確な演技指導をうけてこの日に備えた心構えは非難されることではなく、対米外交に対する安倍政権の真剣さを物語るものとしてむしろポジティブに受け取られるものではないだろうか。

演説のキモは中国へのメッセージ性

 正直、歴史認識に関わる部分、第二次大戦メモリアルのくだりや硫黄島の和解の演出など、日本人の私も不覚にも目が潤んでしまった。ベイナー議長やバイデン副大統領も硫黄島のくだりでは目頭を押さえていたそうだ。泣かせるつもりやな、とわかっていても、思わず目頭が熱くなる、そういうスピーチ原稿を短時間で書けと言われて自分に書けるかというと、これはなかなか難しい。すなおに、いいスピーチであったと思う。

 ただし、この演説のキモは、感傷を盛り上げるような表現のうまさでもなく、謝罪のあるなしでもない。当然、英語のうまいへたでもない。スピーチ上に名前も出てこない国に対するメッセージ性だろう。言う間でもなく、中国に対するものである。そこで中国ではこの演説がどのように報じられているのか、まずそこを見てみたい。

例えば国営通信新華社である。

「日本首相安倍晋三は4月29日に米国議会において演説したが、侵略の歴史と慰安婦問題については謝罪せず、国際世論と専門家から安倍に対する批判があいついだ」

「日本の元首相・村山富市は安倍の演説は日本が歴史を隠蔽しているとの印象を人々に与えたと非難した。村山談話で提示した植民統治と侵略の歴史に対するお詫びの言葉を回避したのは、歴史認識を砂糖衣で包み歴史を隠蔽しているような印象を与え、むしろ外界の不信感を増加させた、と西日本テレビで語っていた」

「安倍の演説は、日本の世論からも批判を受けている。朝日新聞は、(安倍が)アメリカに迎合しアジアに対しては冷ややかで、演説中に“侵略”と“謝罪”という言葉を出さなかったのは歴史のくびきから急いで逃れようとしていると指摘した。日刊現代は安倍演説原稿に、顔を上げて拍手を促すなどの官僚の指示が書き込まれていたことをあげて、笑いものにしていた。東京新聞は安倍の演説内容は中国への対抗心があらわであると指摘した。米国との軍事安保協力を強化し、日米で経済秩序主導権を握ると宣言し、徹頭徹尾、米国へのリバランス政策支持を表明している、としていた」

「米国のニューヨークタイムズ(ネット)は4月30日にこのように報じている。『日本の歴史的役割は今までにすでに明確になっているが、安倍およびその右翼政治の盟友たちは絶えずこの事実を疑い、この後に及んで改ざんを試みている。…』…英国のフィナンシャルタイムズ4月30日付の駐米主席評論員のコラムはこう指摘している。『安倍の演説には何の新鮮味もない。叙述の貴重は濃厚な“軍国主義的色彩”を帯びている。安倍は“慰安婦”問題についての一歩進んだ言及もなく、日本の教科書の歴史修正主義傾向が覆る保証もなく、人を失望させる演説であった』…」

お決まりの批判も低調、保留する政権に同調

 日米のリベラルメディアの報道を引用する形で、国際的な評価は低い、謝罪がなかった、といった形でお決まりの批判は展開しているものの、あまり力の入ったものではない。どちらかというと低調な報道という印象を受けた。目下の中国では、新華社報道の調子からあまりはずれて、各メディアが自由な論評を展開することはない。新華社報道はおおむね、習近平政権の姿勢に合致している。訪中した日中友好議連に応対した唐家璇元国務委員は「歴史について総理の積極的な姿勢を一定程度表したものだと思うが、村山談話などと比べると入っていない要素もあり、依然と差がある」と、比較的穏やかな表現で受け止めている。つまり、習近平政権は、日本に対する出方を保留している感じである。

しかし、この演説の政治的意味について、日本メディアよりも的確に受け止めているようだ。新華社はこうも報じている。

「中国に対する意図が行間ににじみ出ている」

「安倍の演説では明確に中国について指摘している部分はないが、行間に中国に対する意図がにじみ出ている。上海交通大学の日本研究センターの王少普は『安倍の演説の重点は、日米同盟の強調であり、米国に対して明確な政治的シグナルを発している。すなわち、日本は米国の忠実なる盟友であり、米国とアジア太平洋地域の協力を展開して米国の戦略を支持したいということだ』と指摘。…また、中国外交学院副教授の牛仲君は『安倍の演説は、日本が終始、米国の弟分であり、米国の戦略に甘んじて協力するということを米国民に表明した。日米がなぜ同盟強化する必要があるか、安倍は明確に説明しなかったが、中国に対する意図が透けて見える』と指摘した」

 この両専門家が、中国に向けてのメッセージが透けて見えると指摘した演説箇所は例えば、

“アジア太平洋地域の平和と安全のため、米国の「リバランス」を支持します。徹頭徹尾支持するということを、ここに明言します” “アジアの海について、私がいう3つの原則をここで強調させてください。第一に、国家が何か主張をするときは、国際法にもとづいてなすこと。第二に、武力や威嚇は、自己の主張のため用いないこと。そして第三に、紛争の解決は、あくまで平和的手段によること” といった部分や、 “日本と米国がリードし、生い立ちの異なるアジア太平洋諸国に、いかなる国の恣意的な思惑にも左右されない、フェアで、ダイナミックで、持続可能な市場をつくりあげなければなりません。太平洋の市場では、知的財産がフリーライドされてはなりません。過酷な労働や、環境への負荷も見逃すわけにはいかない。許さずしてこそ、自由、民主主義、法の支配、私たちが奉じる共通の価値を、世界に広め、根づかせていくことができます。その営為こそが、TPPにほかなりません” といった部分である。

 報道の自由がある中国の外の華字のメディア、たとえば香港に拠点を置く独立系華字メディア「ボイスオブアメリカ」はもう少し踏み込んでいる。米国の台湾・香港メディア特派員や反共亡命中国人論客を招いた対談ではこんな意見を披露している。

香港独立系メディアが予感する「新冷戦」

「この同盟強化が中国にどんな反応を引き起こすか。もし日米同盟と中露同盟の対立という形になれば、あらたな冷戦時代が到来する。その時、韓国はどちらの陣営につくのか」(中国時報駐ワシントン特派員・劉屏)

「経済領域・安全保障領域での日米同盟強化はともに中国に直接的影響を与える。日米防衛協議では釣魚島(尖閣諸島)問題も明確に日米安保協定内に含まれるが、米国は南シナ海の問題や世界その他の問題にも日本の介入を求めるだろう。…日米同盟のリスクは日本と隣国の領土および歴史領域での衝突だが、これに米国を引き込むことになる。米国が支払う代価も増加する」(香港中天ニュース駐ワシントン特派員・臧国華)

「米日の防衛協力の新指針は、地域の問題がグローバルな問題に変化し、今後、国際的な、特にアジアの地縁政治に深刻な変化をもたらすだろうことを示している。米日同盟関係の深化は安倍外交の重大な勝利であることはもとより、オバマ外交にとっても重大な成果だ。…第二次大戦で、米中同盟は日本と対抗した。その時は東京が軍国主義を奉り、アジアの侵略者だった。今は米日が同盟を結び中国に対抗している。今の北京が独裁国家であり、突出してアジアの多くの国家にとっての不安となっているからだ」(亡命華人政治評論家・陳破空)

「オバマと安倍の会談で、中国をめぐる問題は不可避であっただろう。経済と安全保障の議題は、米日軍事同盟の現代化とTPPを含めて、中国の近年来の拡張姿勢、特に東アジアでの強硬姿勢が背景にある。米国は安倍が日本をアジアの権力の中心に返り咲かそうとしている意図を見抜いているし、日本がさらに積極的な軍事外交政策をとることがオバマのアジアリバランス政策に有利だと見ている。安倍は日本が戦後、民主、自由、人権、人道援助、経済技術援助などの貢献をしてきたことを強調し、米日同盟を体制と価値観を同じくするものとしている。これは中国と違うということの暗示でもある。価値観と利益がともに共通することが米日のゆるぎない関係の基礎である」(亡命華人の民主化活動家・楊建利)

 つまり、安倍演説のキモは、中国が掲げる中華民族の偉大なる復興、つまりアジアにおける新中華秩序の確立を、米国とともに積極的に阻むつもりだというメッセージを米国民と中国に示したことである。その行く先には新たな冷戦時代の到来や地縁政治の劇的変化が待ち受けているかもしれないという予感もある。

 明確に中国に対する牽制ではあるが、中国側があまりムキになって反論していないように見えるのはどうしてだろうか。

対立と駆け引き、外交戦はこれからが本番

 4月22日、インドネシアで短いながらも安倍習近平両首脳は会談しているが、中国の報道ぶりをみても、その雰囲気は悪くなかったようだ。その理由に、習近平が権力掌握、軍権掌握を順調にしており余裕が出て来たため、という解説もあったが、今の中国の内政状況に余裕を持てるならば、それは政治家として相当鈍感である。私は余裕ではなく、嫌々でも戦略として関係改善策にシフトする選択をせざるを得ないからではないかと見ている。

 背景には、昨年の参院選以降、安倍政権長期化の予測がある。そしてその安倍政権が発表する戦後70年の歴史談話の内容がまだ見えていない。AIIBへの日本参加もまだ説得の余地があるかもしれない、と見ていることなどが、批判報道の低調につながっているのではないかと、勝手に想像している。もう一つ言えば、中国はすでに、鄧小平式の韜晦戦略は捨てており、米国秩序に対抗する中華秩序の確立の野心は隠していない。日米が中国を脅威とみなすことは別に心外なことではない。日本が忠実に米国のリバランス政策を支えることも織り込みずみだ。ただ、中国の元官僚から以前に聞いた話では、中国の政治家は、その場しのぎの体裁の良いことを言う人間より、例え対立的でもぶれない方針を持っている相手の方を好む、という。その方が駆け引きをしやすいからだ。中国は安倍政権をちゃんと外交できる政権だと見始めているということではないだろうか。

 中国が本当に手ごわくなるのは、反日世論を盛り上げて感情任せに激しく攻撃してくるときではなく、むしろこういう相手の出方を見極めようと慎重な姿勢を見せるときではないだろうか。

 日本のリベラルメディアの報道で目立った英語の発音がどうだとか、謝罪がなかったとか、国会を無視して安保委関連法案の夏までの成立を公言したとか、実はあまり重要な話ではない。中国の野心やそれに伴うアジアの地政学的変化への対応の仕方として、安倍政権の方針に反対ならば反対だとして、では、どういう代案があるのか議論を促す視点があまりなかったのは残念である。

5/7・8日経ビジネスオンライン 鈴置高史『朴槿恵外交に噴出する「無能」批判 「日本の孤立化」に失敗、ついに身内も「NO!」 ナポレオン3世に擬された朴槿恵 「扇動メディアが国を亡ぼす」と悲鳴を上げる大物記者たち』記事について

置氏の言いたいことは最後のパラグラフにあるとおり韓国とは「適度な間合い」を取って付き合うという事です。小生が思っていますのは1000年「非韓三原則」(=助けず、教えず、関わらず)を貫くことです。今まで付き合って良いことがあったでしょうか。歴史的に見て禍を齎しただけです。平気で嘘を世界に撒き散らし、それで「謝罪」と「賠償」(「道徳的劣等民族の烙印」と「金くれ」)要求です。個人的にもこんな人達を友達にしたいとは思わないでしょう。韓国が好きな日本人は日本国籍を抹消して韓国人になったらよい。ロジャー・パルパースと四方田犬彦の対談集『こんにちは、ユダヤ人です』を読みましたが、四方田は国民国家の存在と日本が嫌いと言うのが読むほどに分かり、不快な気分になりました。日本は国籍を移す自由があります。大江もそうですが、どうして日本が嫌いな人達は他の国の国籍を取得しないのでしょう。アメリカでも、中国でも、朝鮮半島でも好きな国に行けばよい。よその国は日本ほど甘くないし、反日を言えば稼げるのが分かっているからでしょう。我が身を安全地帯に置いて人を悪しざまに言うと言うのは卑怯者のやる事です。自分だけが正しいと思い、国民を見下した物言いは傲慢としか言いようがない。国民は安倍首相の政策を選挙の結果で見れば支持している訳ですから。東大卒は反権力を標榜するのを目的にしているのでは。愚かなことです。

記事

「日本の孤立化」に失敗した朴槿恵(パク・クンヘ)外交。韓国で「無能」と糾弾されるに至った。それも身内の保守系紙からだ。

「2年間の無能と無気力」

—韓国紙が朴槿恵政権の外交を「無能」と批判したそうですね。

鈴置:最大手紙、朝鮮日報が社説「米日新同盟、北東アジアに対決の構図を作ってはならぬ」(4月30日、韓国語版)の結論部分で「無能」という単語を使いました。以下です。

  • 朴槿恵大統領は今年夏頃に米国を訪問する予定だ。韓米同盟を強化できる絶好の機会となる。一方、韓中関係もまた疎かにしてはならない。韓国外交が過去2年あまりの無能と無気力から脱却し、国家生存戦略を掲げ、これを行動に移すべき時だ。

 朴槿恵外交の全否定です。この厳しい書き方には驚きました。朝鮮日報は、保守系紙の中でも政権に最も近いと見られていたのです。

 同紙は続いて、5月4日付の社説「外交も、経済も、改革もできない無気力な青瓦台(大統領府)」(韓国語版)で、結語に「無能」を使いました。以下です。

  • 人事の刷新を通じて国を率いる力を取り戻さなければ、この政権は「無気力」という批判に晒され続けることになろう。そして結局は「無能な政権」という汚名をそそがざるを得なくなるのだ。

許せない指揮官

 朴槿恵外交に関し「無能」という言葉をいち早く使ったのは、同紙の姜天錫(カン・チョンソク)論説顧問でした。「日本の後進外交、韓国の無能外交」(4月24日、韓国語版)というコラムで、です。

 姜天錫論説顧問は日本の外交を「周辺国の恨みを買う子供っぽい外交」と決めつける一方、自国の外交当局も厳しく批判しました。

 韓国の執拗な反日に対し米国が発していた警告と、首脳会談に向け動いていた日中の動きを察知できなかった鈍感さを槍玉に挙げました。そして「この政権は許せない」とまで書いたのです。以下です。

  • 「戦闘に敗れた指揮官を許すことはできても、警戒を怠った指揮官は許すことができない」という言葉は、軍隊だけで適用されるものではない。

—朝鮮日報が「無能攻撃」をかけている感じですね。

与党も「外相更迭論」

鈴置:保守系紙が保守政権に「無能」というレッテルを貼るのは異例です。政権との全面戦争を意味するからです。

 政権末期ならともかく、朴槿恵大統領の任期はまだ2年半以上残っているのです。朴槿恵外交への苛立ちがいかに大きいか分かります。

 朝鮮日報だけではありません。ほかの新聞も「外交敗北」などの単語を日常的に使うようになりました。

 社説だけではなく、シニア記者や社外の識者のコラム、果ては座談会まで、大手紙だけをチェックしても毎日どこかに必ず「失敗続きの外交」を叩く記事に出くわす感じです。

 メディアでここまで「外交敗北論」が盛り上がると、与党、セヌリ党も放っておけなくなりました。尹炳世(ユン・ビョンセ)外相に対し、与党重鎮が辞任する考えはないか、と問い質すまでになりました。

 尹炳世外相や外交部スポークスマンは、記者会見やシンポジウムで「敗北」を追及されては「失策していない」と弁解する羽目に陥っています。それに同意する韓国人はほとんどいないようですけれど。

素人は外交に口を出すな

—ついこの前まで、韓国紙は「米中両大国と過去最高の関係を結び、それをテコに日本を孤立させている」と朴槿恵外交を褒め讃えていました。豹変ぶりというか、しょげぶりには驚きます。

鈴置:3月30日の尹炳世外相の発言が引き金になりました。尹炳世外相は「米中の間に挟まれた韓国の境遇は厄介なことではなく、双方からラブコールを受ける祝福として受け止めるべきだ」と語ったのです。

 韓国は二股外交の結果、終末高高度防衛ミサイル(THAAD=サード)やアジアインフラ投資銀行(AIIB)など多くの問題で、米中板挟みに陥りました(「米中星取表」参照)。

米中星取表~「米中対立案件」で韓国はどちらの要求をのんだか

(○は要求をのませた国、―はまだ勝負がつかない案件、△は現時点での優勢を示す。2015年5月6日現在)

案件 米国 中国 状況
日本の集団的自衛権 の行使容認 2014年7月の会談で朴大統領は習近平主席と「各国が憂慮」で意見が一致
米国主導の MDへの参加 中国の威嚇に屈し参加せず。代わりに「韓国型MD」を採用へ
在韓米軍への THAAD配備 青瓦台は2015年3月11日「要請もなく協議もしておらず、決定もしていない(3NO)」と事実上、米国との対話を拒否
日韓軍事情報保護協定 中国の圧力で署名直前に拒否。米も入り「北朝鮮の核・ミサイル」に限定したうえ覚書に格下げ
米韓合同軍事演習 の中断 中国が公式の場で中断を要求したが、予定通り実施
CICAへの 正式参加(注1) 正式会員として上海会議に参加。朴大統領は習主席に「成功をお祝い」
CICAでの 反米宣言支持 2014年の上海会議では賛同せず。米国の圧力の結果か
AIIBへの 加盟 (注2) 米国の反対で2014年7月の中韓首脳会談では表明を見送ったものの、英国などの参加を見て2015年3月に正式に参加表明
FTAAP (注3) 2014年のAPECで朴大統領「積極的に支持」

 

(注1)中国はCICA(アジア信頼醸成措置会議)を、米国をアジアから締め出す組織として活用。

(注2)中国はAIIB(アジアインフラ投資銀行)設立をテコに、米国主導の戦後の国際金融体制に揺さぶりをかける。

(注3)米国が主導するTPP(環太平洋経済連携協定)を牽制するため、中国が掲げる。

 当然、これに対しては韓国メディアも不安の声を上げていました。というのに外相が「板挟み」ではなく「米中双方からのラブコールだ」と強弁したのです。

 また「外交の素人が余計な口を出すな」的な言い方もしたため、メディアの外交批判に火が付いたのです。

米中の賭博の舞台に

 中央日報の裵明福(ペ・ミョンボク)論説委員の「自画自賛の韓国外交」(3月31日、日本語版)は、2つの新聞マンガを転載しました。マンガもネット版で見ることができます。

 1つは、3月にニューヨーク・タイムズ(NYT)がオピニオン欄に載せたものです。米中が、賭博場のテーブルに広げた韓国の地図の上で賭けている図です。

 米国は賭け金としてミサイルの束を、中国は現金を出しています。ミサイルはTHAAD、中国の現金はAIIBを意味します。

 韓国人はこれにいたくプライドを傷つけられたようで、いくつかの韓国紙がこのマンガを報じました。

 彼らは「米中の2大大国を競わせることにより、双方から利益を引き出している」と政府から説明を受けていた。つまり、韓国は「したたかな中堅国外交」を展開していることになっていた。

 だのにNYT――韓国では権威そのものです――が大国同士のギャンブルの舞台として、つまり従属的な国として韓国を描いたのです。

日露の間で悲鳴を上げた朝鮮人

 もう1つのマンガは、100年以上も前の日露戦争当時に、西洋の新聞に載ったものです。日本人とロシア人が朝鮮人に綱を付け、両側から引っ張っている図です。朝鮮人は悲鳴を上げています。

 裵明福論説委員は2つのマンガを並べることにより、下手すると韓国は日本に植民地化される前のように、再び大国が取ったり取られたりする勢力圏争いの場にされるぞ、と警告したのです。

 そして尹炳世外相の「ラブコール」に言及、韓国がこれほど際どい状況に突入しているというのに、外交当局の現状認識がいかに甘いことか、と手厳しく批判したのです。

 尹炳世外相の呑気な自画自賛発言で外交批判が燃え上がったところに、日本が油を注いだ形になりました。

 4月22日、安倍晋三首相がインドネシアのジャカルタで開かれたバンドン会議で習近平主席と会いました。4月29日には米上下院合同会議で演説しました。

 韓国人はこれこそが「外交敗北」の明白な証拠と受け止めました。こんな空気の中、ついに保守系紙が政権に「無能」のレッテルを貼り出したのです。

ハードルに激突した朴槿恵

—「敗北」と言っても、日本が戦争を仕掛けたわけではありません。

鈴置:確かにそうです。韓国がいつものように独り相撲をして、勝手に土俵から転げ落ちただけなのです。

 安倍首相の米議会での演説は日米間の問題だし、日中首脳会談も日中の問題です。そもそも韓国が口出しするのがおかしいのです。

 でも、朴槿恵政権は日本の足を引っ張ることにより内外で得点を稼ごうと、安倍演説に対し反対運動を展開し、失敗しました。

 韓国は無理筋の外交ハードルを設定した挙句、ハードルに激突してしまったのです(「『アベの米議会演説阻止』で自爆した韓国」)。

 5月4日、外遊疲れのため1週間休養していた朴槿恵大統領が、久しぶりに公の席で発言しました。この中で、安倍首相の米議会演説は真の謝罪ではない、と批判しました。

 予想された発言でしたが、大統領は「(演説内容に対しては)米国でも批判がある」と付け加えたのです。「外交敗北」との批判を意識し「完敗したわけではない」と言いたかったのでしょう。

「我が国は孤立した!」

 日中首脳会談も「韓国外交敗北の証拠」と韓国では見なされています。韓国は中国と「反日歴史同盟」を結び「アベとは会ってやらない」と口を揃えて、日本を大いに苛めているつもりでした。

 しかし2014年11月10日、習近平主席は北京で安倍首相と会いました。韓国人は「裏切られた」と大きなショックを受けました(「中国の掌の上で踊り出した韓国」参照)。

 ただ、この会談では習近平主席が苦虫を噛み潰した顔だったこともあり、韓国政府は「廊下の片隅で会った非公式の会談に過ぎない」と説明して世論の鎮静化を図りました。

 でも、今回のジャカルタでの首脳会談は誤魔化しようがありませんでした。習近平主席が薄ら笑いを浮かべる写真が配信されたし、正式の会談でした。

 韓国メディアは「中国は日本と本気で関係を改善するつもりだ。我が国は孤立した!」と大騒ぎしたのです。

—しかし、韓国にも「二股外交なぞはうまくいくはずがない」と指摘する人がだいぶん前からいましたよね(「米国も見透かす韓国の『卑日一人芝居』」参照)。

トラの威を借りて威張る韓国

鈴置:ええ、趙甲済(チョ・カプチェ)ドットコムなど保守派サイトは「朴槿恵政権の米中等距離外交、あるいは親中反日外交は危険だ」と警鐘を鳴らしていました。

 親中反日は反米につながる。韓米関係が悪化すれば中国も韓国を軽く扱うだろう――と韓国保守運動の指導者である趙甲済氏や、趙甲済ドットコムの金泌材(キム・ピルジェ)記者、匿名の外交評論家、ヴァンダービルド氏らは2013年から繰り返し指摘していました。

 日本からしても、トラの威を借りて日本を脅す韓国への対応は簡単です。キツネは無視して、トラたる米中との関係さえしっかりしておけばいいからです。2014年夏頃から、安倍政権は「韓国は放っておく」方針を固めたようです。

 そもそも、キツネのような国との関係を無理に改善しなくとも、日本は困りません。一時期は「日―米―韓」の同盟強化を目指す米国から「韓国との関係を良くしろ。謝ったらどうか」などと打診があった模様です。

 が、さすがに今になると米国政府は「韓国を刺激するな」とは言っても「謝罪しろ」とは言ってこなくなったそうです。「韓国は、日本に歴史戦を仕掛ける中国の使い走り」と気づいたからでしょう。

朝鮮日報は扇動メディア

—趙甲済氏らは「ほら見ろ!」という心境でしょうね。

鈴置:朴槿恵外交というか、韓国における意思決定に関し、趙甲済氏が最近も興味深い記事を書いています。「朝鮮日報は反日を主導した扇動メディアだ」というのです。

(次回に続く)

(前回から読む)

 韓国の大物記者2人が相次ぎ「事実よりも感情を優先して書く」と韓国メディアを批判した。矛先は、その扇動型メディアに動かされる朴槿恵(パク・クンヘ)大統領にも及ぶ。

朝鮮日報は扇動メディアだ

—前回は、韓国で朴槿恵政権の外交が「無能」と批判されている、という話でした。

鈴置:保守派指導者の1人、趙甲済(チョ・カプチェ)氏は朴槿恵政権がスタートした2013年から「米中等距離」や「親中反日」外交は反米につながる危険なものだ、と繰り返し主張してきました(「米国も見透かす韓国の『卑日一人芝居』」参照)。

 その意見が韓国でようやく理解され始めた時、趙甲済氏は「国内外で見捨てられる朴槿恵の親中反日路線」(4月23日、韓国語)を自身のネットメディアに載せました。

 この記事が興味深いのは朴槿恵政権だけではなく、「反日」を扇動した主犯として、最大手紙の朝鮮日報を厳しく批判したことです。

 趙甲済氏はまず、朝鮮日報の社説「5カ月ぶりにまた開いた中・日首脳会談、孤立避ける戦略はあるのか」(4月23日、韓国語版)を引用します。この社説も朴槿恵外交への批判が目的でした。趙甲済氏が引用したのは以下の部分です。

  • 「米中双方からのラブコール」などと外交当局のトップが言い、日本との首脳会談を3年間も避けているうちに、中・日首脳会談が相次いで開かれた。
  • 政府は日本の歴史に関する退行的な言動に対しては原則を持って対応しつつも、安保や経済問題についてはもう少し柔軟性のある現実的な打開策を考える必要がある。

手のひら返しで「反日の失敗」と批判

 この社説を引用した後、趙甲済氏は返す刀で次のように朝鮮日報に筆誅を加えます。

  • 朝鮮日報をはじめとする韓国メディアの一方的、感情的、非戦略的な反日報道に迎合し、親中反日の外交路線を堅持してきた朴槿恵大統領が、この社説を読んだらさぞ複雑な思いにとらわれたであろう。
  • もし、朴大統領が条件なしで安倍首相と会談しようとしたら、歴史戦争をそそのかしてきた朝鮮日報などのメディアは「自尊心のない外交」と猛烈に非難したことだろう。
  • (朴大統領の反日外交は)中国のラブコールと韓国メディアの反日報道に忠実に従ったものだ。しかし、日中和解ムードと米日の蜜月関係の進展によって韓国が孤立した姿を見せるや否や、その事態の展開に責任のあるメディアが朴大統領の反日外交に背を向け始めた。

 確かに朝鮮日報は、先頭に立って韓国を「反日」に誘導してきました。それなのに反日路線が破綻すると、突然に手のひらを返し「反日政権」を批判したのです。「いくら何でもご都合主義ではないか」と趙甲済氏は問い質したのです。

世界を知らない韓国人

—朝鮮日報にことさらに厳しい感じですね。

鈴置:「反日」に限らず内政に関しても、朝鮮日報の扇動的な報道がひどくなる一方だ――と、保守層の一部は問題視していました。趙甲済ドットコムでも、しばしば話題になります。

 趙甲済氏はこれまでも、韓国メディアの無責任さを厳しく追及してきました。例えば「安倍が勝ち、韓国言論人が負ける日!」(2014年12月13日、韓国語)です。

 日本の総選挙での自民党大勝に韓国人は驚く。韓国紙が「安倍は内外で四面楚歌に陥っている」と偏向報道してきたからだ。韓国メディアの感情的で偏った反日報道により、韓国人は世界がどう動いているか知らないのだ――との内容でした。

 この記事に関しては「『慰安婦』を無視されたら打つ手がない」で引用、解説してあります。

実利より人気、事実より扇動

 趙甲済氏の「国内外で見捨てられる朴槿恵の親中反日路線」の批判は「扇動メディア」だけではなく「それに迎合する大統領」に及びます。以下です。

  • 指導者が扇動的メディアや扇動的な世論に従うことほど危険なことはない(ナポレオン3世はそうして普仏戦争を起こし、プロシアに大敗北したのだ)。
  • 朴大統領は実利よりも人気、事実よりも扇動に弱い体質を見せてきた。セウォル号に関連した海洋警察の解体、いったんは首相に内定した文昌克(ムン・チャングク)氏の処遇。いずれもメディアの(事実と異なる)攻撃を基にした判断だ。
  • 朴大統領は核武装した北朝鮮の政権に対しては条件なしでの対話を提案する一方、友好国の日本には条件付きの対話を提議した。誰が見ても従軍慰安婦問題は、韓国人の生存自体を脅かす北の核問題よりも優先順位が低いはずなのだが。

 朴槿恵大統領を、おじの七光りで権力を握り大衆迎合で国を治めようとして失敗したナポレオン3世になぞらえる韓国人に会ったことがあります。

 でも、それは私的な席での発言でした。しかし今や、読者の少ないネットメディアとはいえ、公開の場で語られるようになったのです。

強面だから信念がある?

 なお、保守系大手紙は政権を「無能外交」と批判しても、さすがに大統領本人を追い詰めるような攻撃はしません。

 「大統領は外交に明るくない。そこで周辺の人々が外交をやっているのだろうが、この人たちが間違っている」的な書き方が多いのです。

—大統領の意向を忖度して新聞が「反日」記事を書くのではなく、新聞が「反日」だから大統領がそれに引っ張られる、という趙甲済氏の分析は興味深いですね。

鈴置:そこです、この記事の面白い点は。いつも強面で他人を非難する朴槿恵大統領は、何やら確固たる信念があるように見えます。韓国の指導層も外国人にそう説明しますし、米国や日本のアジアハンズにもそう見る人が多い。

 でも実は「反日」を含め、この大統領の激しい言動はメディアや中国に煽られているに過ぎないのだ――と趙甲済氏は断じたわけです。

 そして大統領を煽る韓国メディアも、ご都合主義的にくるくると主張を変える、と批判しているのです。

「信じたいこと」を書く新聞

 趙甲済氏のメディア批判に応えたかのように、朝鮮日報の金大中(キム・デジュン)顧問が2月17日「李首相承認の敗者はメディアだ」(韓国語版)を書きました。金大中顧問はもちろん同名の元大統領とは別人で、韓国保守言論の大御所的存在です。

 李完九(イ・ワング)前首相の就任を巡る騒動から書き起こしていますが、本質はメディア批判――自己批判です。ハイライトは以下です。

  • メディアの最も危険な要素は「虚偽報道」である。自分の信じたいこと、したいことだけに執着し、事実から目を背け、国民を誤った道に導く「虚偽メディア」は「権力に迎合して書けないメディア」よりも害が大きい。

 金大中顧問は「虚偽メディア」の具体例として「安倍首相の歴史認識に同調する日本の右翼メディア」と、虚報を繰り返した米NBCのアンカーを挙げています。

ナッツリターンも世論に迎合

 しかしこのくだりの少し前を読むと、一番批判したかったのは韓国メディアだったと思えてきます。以下をご覧下さい。

  • 新聞・放送は第4の権力と称されてきたが、今や交流ソフト(SNS)などのインターネット言論が第5の権力を形成したと言っても過言ではない。
  • 今日の新聞・放送はネットが作る“世論”というか、ポピュリズムと戦わなくてはならなくなった。どこかで誰かが作った“世論”の顔色を、メディアはうかがわなくてはならないのだ。
  • 対北朝鮮、旅客船「セウォル号」、ナッツリターン、慰安婦、福祉と税、高齢化などの敏感な問題で、世論によって何らかの雰囲気が醸し出されると、メディアはそれを意識して発言の水位を調節する傾向がある。

 ここを読むと明らかに自己批判です。ただ、同時に“ネット世論”に配慮せざるを得ない、大手メディアの立場を弁解しているようにも見えます。

—「発言の水位を調節する」とは?

鈴置:韓国のネットに書かれる意見は、もちろん既存のメディアと比べ、より感情的で過激です。この結果、既存メディアは“ネット世論”に引っ張られ、主張が過去にも増して感情的で過激になっている――ということでしょう。

ネットと過激さ競う韓国紙

—日本のネットも、既存メディアと比べ過激で感情的です。でも、既存メディアの主張がネットに引っ張られているという話は聞いたことがありません。

鈴置:韓国ではものごとが理屈よりも感情で決まりがちです。既存メディアが“ネット世論”以上の社会的影響力を保とうとすると、それに負けない激しい感情論を展開せざるを得ないのです。

 もともと韓国の新聞やテレビは日本や西欧と比べ、論理よりも感情を基に主張します。それがインターネットとの競争で、ますます感情的、情緒的になったのです。

 趙甲済氏と金大中顧問という、韓国の2人の超大物記者は立場は異なります。が、情緒的になる一方のメディアが国を誤らせる、との危機感では期せずして一致したのです。

 2人の記事を補助線に、韓国という国の「今」を描くと以下の図式が浮かびます。

 大衆迎合的な指導者が登場した。この指導者は民意に極めて敏感で、過激な“ネット世論”と、それに引きずられる既存メディアに動かされている。その結果、韓国は時に常識を超えて暴走する――。

日本の産業遺産登録も阻止

—確かに「反日」を見ても、最近の韓国の行動はこれまでの「争い方の常識」をはるかに超えています。

鈴置:産経新聞の前支局長を在宅起訴して8カ月も出国禁止にする。盗んだ仏像を日本に返さない。戦時徴用者への補償など、国交正常化時に完全に解決した問題を再び蒸し返す。安倍晋三首相の米議会演説は国を挙げて邪魔する。明治日本の産業遺産が世界遺産に登録されそうになると、外交部が「全力で阻止」と宣言――。

 こうした常軌を逸した行いの数々には首をひねらざるを得ません。韓国人の気分は一時的に満足させるでしょうが、長期的には韓国の国益に大いに反するからです。

 ただ「日本をやっつけろ」という激しい“ネット世論”と、それに影響された既存メディアが、大衆迎合的な指導者の背中を押していると考えると、納得がいきます。少なくとも「朴槿恵大統領は頑固だから」といった単純な説明よりは説得力があるのです。

奇妙な動きは止まらない

—内政でも同じ構図なのですね。

鈴置:もちろんそうです。「セウォル号」が沈没した際、“ネット世論”と既存メディアが感情に任せ「海洋警察の不手際」を叩きました。すると朴槿恵大統領は真相究明が始まってもいないのに、海洋警察の解体を決めてしまいました。

 文昌克氏という中央日報の元主筆が首相候補になったことがあります。一部のメディアが文昌克氏を「親日派」と決めつけたら、完全な虚偽報道であるのに、この政権は候補から降ろしてしまったのです。

 いずれも趙甲済氏が「国内外で見捨てられる朴槿恵の親中反日路線」で指摘した「メディアに扇動された大統領の失政」です。

 「国全体が情緒に振り回される」という構造が続く限り、韓国は内政でも外交でも奇妙な動き――韓国の国益にさえ沿っていない行動を続ける可能性が大です。

強硬路線を変える素振り

その韓国が日本との関係改善に動く、との報道があります。

鈴置:「2トラック戦略」などと称し、韓国は日本に対し「歴史問題では対日要求を降ろさないが、安保や経済では協力しよう」と言い出しています。

 「外交的孤立から脱せよ」との“世論”が韓国に充満したからです。“世論”に敏感なこの政権は、少なくとも路線を変える素振りは必要と判断したのでしょう。

 日本に対しては、慰安婦での強硬姿勢は変えないが、通貨スワップは結んでほしいし、北朝鮮の軍事情報は持ってこい――と言ってくるのではないかと思われます。

情緒不安定な人との間合い

—日本はどう対応すればいいのですか?

鈴置:日本の悪口を世界で言いつつ「仲良くしようぜ」と言い出す韓国の虫のよさは、とりあえず横に置きます。先ほどからくどいほど述べたように、韓国という国はますます感情や情緒で動く国になりました。

 今現在は「外交的孤立を恐れる」情緒で動いています。しかし、中国から少し優しくされたら「やはり中国は我が国の味方だ」とそっくり返って、対日協調路線などはすっ飛ぶ可能性があります。

 反対に、中国から「日本などと仲良くするな」と脅されても、韓国の世論は縮み上がり、再び日本叩きに乗り出すかもしれません。

 今の韓国を人間に例えれば、信念がありそうで実は自信がなく、情緒が不安定な人と考えておくべきです。そういう人との付き合いは、適度の間合いを置くのが常道です。

 米国も韓国の、特にこの政権の性格を見切ったのでしょう、非常に慎重に――距離感を持って、韓国を取り扱うようになっています。ことに米大使襲撃事件以降は。

5/7日経ビジネスオンライン 山田泰司『ゴーストタウンで見た中国失速の実態 活気なき建設ラッシュ・楽観と倦怠感が交錯する農村部』記事について

中国の鬼城(ゴ-ストタウン)の記事です。写真で分かるように建物の周りに人影は殆ど見えず、車も少ないです。でも小生が中国にいた1997~2005年の間でもマンションに入っている人は少なかったです。それでもバブル崩壊しないのだから不思議です。やはりお札を刷ることでバブル崩壊を止めているのでしょうか?お札が打ち出の小槌になっています。それもどこまで続くかです。土地の使用権も買う人がいて成り立ちます。バブルがはじけると思えば誰も買わないでしょう。

高速バスで手前の駅で降ろされた経験はありません。そんなに乗らなかったからかもしれません。でも飛行機は乗客が少ないと良くキャンセル、或は他の飛行機と一緒にして乗せていました。合理的と言えば合理的。資源の無駄使いを防ぎます。でも契約の概念からは外れます。元々中国には法治の概念がありませんので。

中国では社会保障が無きに等しいので、老後は子供の世話になる親が多いという事です。でも親と一緒に暮らすのは嫁は嫌がるでしょう。金があれば養老院に入れるでしょうけど。結局嫁や子供を誘拐、トラフッキングするのは自分の老後を誰に見せるかという所から発している気がします。危ないのは男女比が大きく崩れている所です。自己中心ですから、他国からトラフッキングするか戦争を起こして男女比を調整するかが心配です。

2020年,5个男性中将有一个找不到配偶?(2020年、5人の男性中1人は配偶者を見つけられない?)

2020年中国将有3000万到4000万光棍漢(独身男子)找不到老婆(奥さんを見つけられず),這絶不是危言聳听(これは大げさでない)。1月20日,国家統計局発布的数据顕示,大陸人口超13.6億。2014年末,中国大陸人口為136782万人,比上年末(前年末と比べ)增加710万人,其中男性人口70079万人,女性人口66703万人,中国大陸男性比女性多3376万人。

記事

中国人観光客が温水洗浄便座やスナック菓子を日本で爆買いする様子を伝える報道が増えるのと比例するように、昨年あたりから日本のネット上で再び目立ち始めていることがある。中国語で「鬼城」、すなわちゴーストタウンが中国の各地に増え始めているというものである。たいていはまず中国のメディアがどこかのゴーストタウンを取り上げ、日本のメディアがそれを転載し、それを見た中国在住の人たちが、報道されていたゴーストタウンを実際に訪れたり、自分の周囲のゴーストタウンを写真に撮ってブログにアップしたりする、というパターンで広まっている。

「爆買い」の裏で増殖するゴーストタウン

 一口にゴーストタウンといっても、100万都市を目指して開発を始めたものの実際には3万人しか住んでいないといわれる内モンゴル自治区オルドスのように町全体がゴーストタウンになっているところもあれば、売れ行きの悪い分譲マンション、さらに、テナントも客も入らず廃虚のようになっているショッピングモールやデパートなど取り上げる対象は様々だ。そしてこれらの報道に共通するのは、「中国経済、大丈夫か」という懸念で締めくくられていることだろう。

 先に「再び目立ち始めた」と書いた通り、中国のゴーストタウンがクローズアップされるのは最近が初めてではない。オルドスのゴーストタウン化が言われ始めたのは2010年頃のこと。同じ2010年には、浙江省の省都(県庁所在地に相当)杭州の郊外に、パリの町並みを再現しエッフェル塔まで建てた大規模な分譲地がそっくりゴーストタウンになっているという話が広まった。私も当時、日本からのこの「中国のパリ」を取材しにやってきた日本の写真家を案内して現地を訪れたのだが、確かに見事なゴーストタウンっぷりだった。パリのアパルトマンを模した町にはゴミを収集する人しか見当たらない。むき出しの土に岩と雑草だらけという整地されない荒れ果てた地面にポツンと建つエッフェル塔の下で、ウェディングドレスとモーニングに身を包んだカップルが記念写真を撮っているというシュールな光景に出くわしたりした。

 中国でゴーストタウンの話が盛り上がると、上海でも時を同じくして、「空き店舗が目立つようになったな」「店に客が減ったな」と不景気を感じるようになる。そして、メディアや市場で、中国経済は果たしてハードランディングするのか、それともソフトランディングで落ち着くのかという話が活発になってくる。

物差しはアジア金融危機とリーマンショック

 ただ、とりわけ日本のメディアにおける議論は、近年の日中関係を反映して、まるでハードランディングを期待するかのような、初めからバイアスがかかったものが予想以上に多い。そこで私は自分自身の家計がハードにランディングした2度の経験に照らして、「まだ大丈夫」「そろそろヤバい」ということを計るようにしている。

 1度目は、当時住んでいた香港をアジア金融危機が襲った1997年から98年にかけてのこと。「繁栄した返還」を演出するために中国から流入したマネーで、返還の年の1997年の香港は、株式、不動産市場とも活況を呈し、株価を示すハンセン指数は連日のように最高値を更新していた。ところが、返還直後にタイの通貨暴落を機に始まった影響が、投機マネーの流入で株や不動産が実態以上の水準にまで上っていた香港を襲った。1997年8月7日に史上最高値(当時)の1万6673ポイントに達したハンセン指数は、1998年6月10日には7979ポイントと1年足らずで半分以下にまで落ち込んだ。不動産価格も1997年秋をピークに、1年後には35~40%暴落した。

 株もやらず不動産も持っていなかった私は当初、アジア金融危機を我が身に関わることとして実感してはいなかった。しかし、あれは97年の暮れ頃のことだっただろうか。上品な身なりをしたいかにも資産家といった雰囲気を持つ初老の婦人が香港の金融街・セントラルの路上にひざまずき、がっくりと首を落として物乞いをしている姿に衝撃を受けた。カシミアのような柔らく暖かそうな水色のセーターとベージュのウールのスラックスを着ていたが、残されたモノはその身に付けている服だけという雰囲気が伝わってきた。物乞いをして得たお金でどうにかなるような損失ではなかったはずだが、既に万策尽きて進退窮まってのことだったのだろう。成り金風では全くない旧家の夫人のような女性が路上で物乞いしなければらなないほどの切迫した状況にあるのかと、急所が縮こまる思いがした。

 それからほどなくして、私の勤めていた出版社も広告出稿の急減などにより急速に資金繰りが悪化。給料の遅配、一部媒体の廃刊と矢継ぎ早にリストラが進み、30人いた社員も半減した。なぜだか私はリストラの対象にはならなかったのだが、「こんな人を大切にしない会社にいられるか」と自ら辞めてフリーになったものの、不況下で全く仕事がなくたちまち窮し、蓄えを切り崩す生活が続くことになった。

 2度目は2008~09年にかけてのリーマンショックの時のこと。一時帰国した私は、所要で武蔵野線のある駅を訪れた。そこは、日雇い派遣を多く雇う物流会社の倉庫がある町で、駅前は派遣社員たちの集合場所になっているようだった。多くは目立たない色をしたジャンパーや作業着を着込んでいたが、その中に、トレンチコートにダークスーツの丸の内のサラリーマン然としたアラフォーと思しき男性が紛れていた。リーマンショックの影響でリストラに遭ったサラリーマンだろうか。集団から距離をとって1人たたずみ、おれの居場所はここじゃないんだとでもいうような気を全身から発していた。「影響は正社員にも及び始めているのか。これは深刻だ」、と思ったら急所が縮こまる思いがした。あれ? これはいつか来た道、はていつだったか、と思いを巡らせているうちに、私も日本の出版社からの仕事が急減。丸の内サラリーマン風の彼を目撃した2カ月後、私もその駅前に集合し、日雇い派遣として数カ月、日本で「出稼ぎ」することに相成ったのである。

ゴーストなのにさらにマンションを建てる町

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【広徳ではガランとした町にガラガラのマンションが並び、さらなる建築も進む】

 先に書いたように、上海で廃虚のようなショッピングモールや住人の少ないマンションが増えたなと感じ、景気が悪くなっているのかなと警戒したことは2010年以降何度かあった。ただ、アジア金融危機やリーマンショックの時に感じた、急所がキュン、と縮こまる感覚を感じたことは今までのところなかった。ところが今年の4月末、安徽省のある田舎町を訪れ、その町の見事なゴーストタウンの様子には、いささか不安を覚えた。

 その田舎町とは安徽省の広徳という、浙江省との省境にある県。中国の県は、市の下部に来る行政区画である。人口は51万。上海からは220キロの距離にある。県のホームページによると、工業では自動二輪の部品とプリント配線基板の企業が多く、農業では「中国栗の郷」「中国竹の郷」と呼ばれると強調している。ただ、工業も農業も、その産業が「ある」という程度で、例えば竹林の面積は全国6位だが、栗は全国有数と具体的な数字をぼかしている。県のホームページでは、上海、浙江省杭州、江蘇省南京、安徽省合肥と4つの省の省都(県庁所在地に相当)から高速道路を使っていずれも2時間半圏内にあることと、安徽省の県のなかで「潜在力を秘めた10の県」の1つに選ばれたということを前面に打ち出している。言い換えれば、今のところこれといった産業がない、ということにほかならない。

 それに、大都市までのアクセスがいいというのも、ただ「距離がそう遠くない」、というだけのこと。事実、上海からの直行便も少なく、私の乗った高速バスは、広徳で降りる客が私を含めて3人のみだということを確認すると、広徳のサービスエリアで降りるのを無駄だといって嫌がり、手前の浙江省のサービスエリアで私たち3人を他のバスに「売り払って」走り去ってしまった。

 私はこれまで中国で100回以上は高速バスに乗っていると思うが、サービスエリアで放り出されたのは初めての経験だ。中国人はこの手のことに慣れているのだろうが、例え言葉ができても外国人はビックリしてしまうし、言葉ができなければ全くのお手上げだろう。高速バスが行くのを面倒がるような町に喜んで進出する企業はそう多くはない。最低賃金は930元(約1万8000円)で上海の約半分だが、地元の人に聞いたところ、デパートやコンビニの店員の給料で比べると実質は上海の3分の1から4分の1といったところだそうだ。

「資産価値のないマンションなんて誰も買わない」

 というわけで広徳では、上海、南京、杭州といった周辺の大都市に出稼ぎに行く人が圧倒的に多い。町を歩いても、いったいどこに51万人もの人がいるのだろうというほど閑散としている。そんな広徳の町で今、旧市街の再開発や、町の中心部に残る農地を掘り返してせっせと新築マンションを建てているのだが、とにかく空き家が目立つ。価格は1平米あたり5500元(約11万円)が最近の相場。入居が始まって既に2年はたったというマンションでも、入居率は外目に見て平均でざっと5割程度、少ないところでは2割に満たないという印象だ。既に入居しているマンションでさえこうなのに、周囲ではその何倍ものマンションの建設がガンガン進んでいる。

 目下のところ広徳最大級のショッピングモールも、土曜と日曜というのに、まるで客がいない。開業して1年半だというが、まばらという表現で追いつかないほどテナントも入っていない。商店はそれなりに多いが、床材、塗料、壁紙、水周りの設備など家の内装関係を扱う店と、美容院ばかりが目立つ。前者は言うまでもなく建築ブームを当て込んだもの、後者は中国において、最少の資金と技術で手っ取り早く始められる商売の代表。そして、これらの店にもほとんど客の姿がない。

 3年前に上海から妻の実家のある広徳に移り住んできたという30代のある男性は、「広徳の人も、最近の全国的な相場からして、価格が特に高いとは思っていない。出稼ぎに行って稼げば、手が出ない値段じゃない。でも、普段の生活は働きに出ている大都市だから、買ったマンションは誰かに貸す必要がある。その点、地元に産業のない広徳は、賃貸の需要がほとんどない。政府による不動産価格の抑制策も重なって、値上がりもそれほど期待できない。すなわち買っても資産価値が上がらない。そんなマンションを買おうという人は少ないですよね」と話す。

 広徳と同じ程度に閑散としている町やマンション群は、これまで中国のいくつかの町で見てきた。ただ、ここまで入居している人がいないのに、さらに猛烈な勢いでマンションを建てまくっている町を見るのは初めてのことだ。

AIIB推進・金融緩和の背景は内需不振

 中国人観光客の爆買いだけを見れば、「中国経済、どこが心配なの?」という印象を持つのは事実。ただ一方で、利下げや銀行準備金の引き下げなどの相次ぐ金融緩和や、話題のアジアインフラ投資銀行(AIIB)を推進する背景には、内需を刺激し、海外に稼ぎの場を求めることで、失速が鮮明になってきた経済を下支えする狙いがあると指摘されている。高度成長が終わりを告げ、低成長の「新常態」の時代に入った今、広徳のような町で、このようなペースでマンションを建てていては、本当のゴーストタウンになってしまうのではないだろうか。

 と懸念を覚えつつも、ある理由から、この時点ではまだ、私の急所はキュン、とはしなかった。ただ、上海にだけいて感じるよりも、状況は悪いのではないかと心配になったのも事実。そこで、ゴーストタウンでは広徳の先輩格である「中国のパリ」は5年後の今、どうなっているのかを見に行くことにした。

 中国のパリこと「天都城」という分譲地は、杭州市の郊外にある。杭州は中国有数の豊かな都市で、2015年の1人当たりGDP(国内総生産)は1万6936ドルと、上海の1万5847ドルを上回っているほど。ただ、中国のパリは杭州の都心部から20キロほど離れた山に囲まれた農村にあり、直通の交通手段は市バスしかない。ここを手がけたデベロッパーは2001年、7000ムー(約467ヘクタール)というから東京ドーム約100個分の土地に10年間で人口10万の都市を造ることを目標に開発を始め、エッフェル塔を模した鉄塔をアパートが放射状に取り巻く町の建設を始めた。ただ、今年初めの中国メディアの報道によると、15年後の現在、人口は4万人前後で、目標の半分以下にとどまっているという。

 さて、5年ぶりに中国のパリを訪れてみると、相も変わらぬゴーストっぷりだった。白亜のマンションが並ぶメーン通りのあるマンション群は、1階部分がどの棟も店舗用になっているのだが、テナントの入居率は1割にも満たない。住宅の入居率も白亜のマンション群で3割程度といったところだろう。目抜き通りは石畳と芝生が敷き詰められ噴水や広場が数カ所あるのだが、子供を連れた老人たちがちらほらいる程度。平日の午前中ということを割り引いても人の住んでいる気配が伝わってこない。新聞報道の4万人というのも、業者の発表した数字をそのまま書いたのではないかと思えるほどだ。

中国のパリに生じた変化

 一方で、5年前とは違っていたのは、その後に新たに建設したマンション群が何十棟かできていたことである。ただ、入居が始まって2年目というマンションでも、入居率はぱっと見5割程度というところで、はかばかしくない。そしてさらに、周囲では新たなマンション群の建設も進んでいる。5年前は荒れ地だったエッフェル塔の真下でもちょうど、基礎打ちが始まっていた。既存のマンションの入居率が低いのに新たなマンションをボンボン建て始めているのは広徳と同じだ。

 そこで地元の不動産屋に飛び込み、エッフェル塔が見える物件を2軒見せてもらった。いずれも3LDKの130平米で価格は90万元(約1800万円)。中国のマンションは内装がされていないので費用は別途かかり、浴槽や家具のグレードにもよるが、最低限暮らせるような仕上げにするのに15万元程度、トータルで2000万円ちょっとということになる。これを頭金25万元(約500万円)、最長30年のローンで月々3000元台(約6万円)、というのが平均的な返済のモデルだそうだ。

 入居率は古い方で3割、この5年で新しくできた方は6割に届かないぐらい?と尋ねると「まあ、そんなところです。ただ、ゴーストタウンという汚名のせいで値段の上がり方が他の地域よりも低いことで、買っても借りても値ごろ感があるという評判が広まり、ここに住んで杭州の市街地にクルマやバスで通勤するサラリーマンが増えてきています」とのこと。店員が4人のこの小さな不動産屋の成約件数は昨年、ひと月に平均15軒ほどだったが、今年は上向いていて18~20件ほどあるらしい。ちなみに、見せてもらったものと同等の物件を賃貸すると、家賃は月額1000元(約20万円)。駐車場に並んでいたクルマは、現代自動車のソナタとエラントラ、ホンダのフィットとシティ、ビュイックのエクセラなど、200万円前後のものが多かった。

入居率と成約率の差が生み出すゴーストタウン感

案内してくれた不動産屋の店員は、同じ浙江省の象山という海沿いの町から専門学校を出てこの町に働きに来た21歳の男の子。実家は農家だという。キミも将来はこの中国のパリに家を買うの? と尋ねると、「今後もここか杭州で仕事をしようと思いますから普段住むのはここになるでしょうが、買うとなるとやはり、故郷の実家の近く、ということになりますね。中国の田舎出の人間はみんなそうでしょう。結婚するにあたって実家の近くに家を買う。この中国のパリも、上海や北京で働いている地元の農家出身の人たちが、結婚にあたって故郷に家を買ったというケースも多いんです」と言う。

 そう。中国でゴーストタウンと呼ばれるマンション、特に地方の物件は、入居率と成約率が結構離れている場合が少なくない。この中国のパリでも、入居率は5割でも、成約率は7割前後、中には8割を超す棟もあるそうだ。つまり、見た目はとてつもなくゴーストタウンでも、実際には見た目よりは売れているということが多い。これは、中国の農村部でも、息子が嫁をもらうにあたり、マンションは買わなくとも、最低でも15万~20万元(約300万~400万円)かけて、実家をリフォームしなければ、嫁の来手がない、という近年の結婚事情が背景にある。

地元に産業がなく通勤圏にも働き口がない広徳の場合は、中国のパリよりも事態は深刻だろう。ただ、農村の結婚事情を背景に、入居率よりも成約率の方が高いという事情は同じ。新築マンションをボンボン建てている一因は、こうした需要を考慮に入れているということがあるのだろう。広徳のゴーストタウンを見て、私の急所がキュン、としなかったのは、上海にいる農村出身の友人たちから、こうした事情を聞いていて、見た目ほどのゴーストタウンではないということをある程度知っていたためである。「マンションやモノが売れなくてヤバい」という焦燥感や悲壮感のようなものは、中国のパリ、広徳どちらの町や人からも感じることができなかった。

 ただそれでも今回、2つのゴーストタウンを見て、高度成長が終わったというのに本当に大丈夫なのか? という懸念は、見る前よりも確実に強くなった。それは、2つのゴーストタウンがどちらも、「建設ラッシュ」という形容をあてておかしくないほど町中でマンションを建てているにもかかわらず、活気や熱気というものが全く感じられなかった、ということだ。それはやはり、実需を上回る需要を無理に作り出しているというところから発しているものなのだろう。

農村の婚礼需要が支える構図にも限界

 それでも、中国のパリにはまだ、経済が活発に動いている杭州に出勤する人たちのベッドタウンとしての役割が見えてきたことによる明るさのようなものが町にも人にもあった。一方で広徳には、町にも人にもある空気が濃厚に漂っていた。それは倦怠感だ。

 先に紹介した広徳に住む男性は、「広徳では、もちろんぜいたくはできないけれども、月に2000元(約4万円)もあれば、町の中心部にアパートを借りて生活までできてしまう。農家で家を借りる必要がないならなおさらお金はかからない。中国はこれまで一人っ子が原則だったけど、地方の農村では2人以上が当たり前。子供を都会に働きに行かせて2人から仕送りさせれば、親は働かなくても食べられてしまう。広徳には40歳そこそこで、子供の仕送りだけで日がなマージャンをしている人も増えていますよ」という。

 一日でも早く仕送りをさせようと、子供の教育には力を入れず、中卒で出稼ぎに行かせて自分は働き盛りに仕事を辞め遊んで暮らす。そういう大人が、地方の農村部で増殖すれば、子供の結婚にあたってマンションを買ったり実家をリフォームしたりする蓄えも当然できなくなる。こうした人たちが増殖したら、建てまくっているマンションはどうなるのか。

 内陸の農村部でも今や、「食えない」人はごく少数になった。ただ、広徳のような町では、「食えるようになったその先」の展望がない。それならば、これ以上働いたり勉強したりするよりも、働かずにマージャンや株の売買でもした方がマシ? こういう思いが倦怠感の出所なのだろう。倦怠感などつかみ所のない話ではあるが、無視もできない、と思うのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Facebookからの記事『東方之舟(ネット論壇の一つ)>了解東瀛(日本を理解)>靖国神社真的是戦争宣伝和軍国主義的吗?』紹介

これがまだ削除されずに残っているのが不思議なくらいです。周恩来が靖国参拝したとの記事は水間政憲氏のブログにもあります。

http://plaza.rakuten.co.jp/paradise55/4005/

これが中国で広まるかどうかですが、実証を重んじない中国のことですから関係ないのかも。何せ1969年国が発行した地図で尖閣の日本領を認めていても、「釣魚島が中国に属するのは否定できない事実だ。1、2枚の地図を 探し出したところで覆せるものではない」と乱暴なことが平気で言える国ですから。まあ、乱暴(虐殺も含む)しないと出世できない国です。胡錦濤もチベット弾圧して鄧小平に認められ、江沢民の次の主席に推されました。

外務省が勝負しないのが問題です。ドンドン発信すべきなのに。役人根性で安倍内閣が終わった後、誰が政権を取るか分からないので何もしたくないという発想かも。そういう意味で自民党の罪は重い。保守を標榜しながら売国に手を貸してきて平気でいられたのだから。外務省だけを責めるわけには行きません。でもうそいう政治家を選んで来たのは国民です。今後選挙は18歳からになりますが、キチンと自分の頭で判断して選ぶようにしないとダメというのを教えて行きましょう。

記事

http://eastern-ark.com/read.php?tid=22312&page=e

東京博士 2013/10/26投稿・・・環球時報の記事について

中国人对靖国神社的认识五花八门(中国人の靖国対する多様な意見)

日本媒体今天就靖国神社参拜介绍了《环球时报》的文章,介绍了中国人民大学陈先奎教授的观点:“要制作一份参拜靖国神社的日本政客名单,对这些人采取长期不许进入中国的制裁措施”,对此建议,中国网上出现了一些支持的声音,日本媒体还介绍了不少中国人的不同意见:

(日本のメデイアは本日「環球時報」の靖国神社参拝についての中国人民大学の陳先奎教授の見方を紹介した。「日本の靖国参拝した政治家のリストを作り、中国に長期に入国できないよう制裁を加えるべき」という意見にネットでは支持する声もあるが、日本のメデイアは多くの中国人の反対意見を紹介した)

“每年这么抗议,有什么实际意义?”(毎年こんな抗議をして実際どんな意味がある)

“开着日本车,看着日本的电视机,用着日本空调,大喊反日,真不知羞耻。”(日本車を運転し、日本製TVを見、日本製エアコンを使い、反日を叫んでいるのはホント恥知らず)

“日本人参拜靖国神社那是他们的英雄,我们有什么根据说这说那的?”(日本人が靖国参拝しているのは彼らが英雄だからでしょう。我々があれこれ言う根拠は?)

“先把自己家里的事情搞好了,别转移视线。“(まず自分の頭の蠅を追え。他に転嫁するな)

“应该制作中国贪官黑名单,他们整天酒池肉林地在生活。”(中国の腐敗官僚のリストを作るべき。彼らは一日中酒池肉林の生活をしているのに)

“说穿了日本人干吗要来中国,来呼吸污染的空气?吃有毒食品?还是来听GCD唱赞歌?”

(ズバリ言おう、日本人は何故中国に来る必要があるのか。汚染された空気を吸いに、毒入りの食べ物を食べに、或は中国共産党を讃える歌を聞きに来るのか?)

日本媒体还介绍了新中国创始人之一的周恩来总理1918年留学日本时写过的感想:

“早晨读书,午饭后,睡了半小时,晚上在九段一带闲逛,正好遇上靖国神社的春季例大祭,看到这一切让我深受感动”。周恩来知道那里祭祀着日清日俄战争的战死者,还写下了“深受感动”这样的事实。(日本のメデイアは新しい中国を作った人の一人である周恩来が1918年に日本に留学していた時の感想を紹介した。「朝早くから勉強し、昼を食べてから30分ほど午睡した。夕には九段の辺りをブラブラしていたら、丁度靖国の春季例大祭だったのでこれを見て、凄く感動した」と。彼は日清・日露戦争の戦死者を祀っていることを知った上で感動したと言っている)

周恩来与日本留学

1917年周恩来在南开中学毕业后赴日留学。相继参加第一高中(现东京大学)和东京高等师范学校(现筑波大学)考试失败后,先后在东亚高等预备学校(日华同人共立东亚高等预备学校),东京神田区高等预备校(法政大学附属学校),明治大学政治经济科(旧证学部:现政治经济学部)学习。

赴日留学时期,周恩来于1918年5月1日参加了靖国神社的大祭祀,他在6月2日的日记里关于此次访问【游就馆】中写道,“看到这一切让我感触颇深”,对靖国神社有种亲切的感觉。

东京日报记者神近市子(大杉栄の愛人。伊藤野枝に大杉を奪われ、大杉を刺す)对周恩来的采访中写道,“他在下宿读报纸和书,外出穿着碎白点衣服和腰带,带着俄国风的帽子,相当时髦。(日本人中的周恩来),描述了周恩来接受日本风俗的样子。

由于父亲去世回中国,再次来日时周恩来成为了京都大学的旁听生。后来因喝酒的时候被朋友斥责回国。回国后进入南开大学文学部,因热衷于学生运动而被中途退学。参加五四运动被逮捕。

周恩来性格温和,所以受到外国人的喜爱。1972年尼克松大统领访问中国负责膳食的Henry Alfred Kissinger,说周恩来是【至今遇到让他印象最深的人】,并评价他【人品好,忍耐力强,知书达理,感情细微】。

很多日本政治也佩服周恩来。1972年在日本周恩来与当时的日本首相田中角荣签订了中日共同声明。(2013/10/26)

5/5ブログ狼魔人日記『オスプレイがネパール救援に出動!普天間基地のオスプレイ』 と4/12レコードチャイナ『日本の護衛艦「いずも」が空母になる日、中国がこれを左右する―米メディア』 記事について

日本の新聞と言うのは殆どが嘘を書きまくっているという事です。沖縄タイムズは大江健三郎の「沖縄ノート」を刊行、「沖縄戦における集団自決」を扱った裁判にもなりました。そもそもは沖縄タイムズの「鉄の暴風」という記事をヒントに書かれたもので大江は元軍人に取材をせず一方的に「軍命による自決強要」と断罪したもの。

2011年4月22日の産経新聞によると「太平洋戦争末期の沖縄戦で旧日本軍が「集団自決」を命じたとするノーベル賞作家、大江健三郎さんの「沖縄ノート」などの記述をめぐり、旧日本軍の元戦隊長らが名誉を傷つけられたとして、岩波書店と大江さんに出版差し止めなどを求めた訴訟の上告審で、最高裁第1小法廷(白木勇裁判長)は元戦隊長らの上告を退ける決定をした。集団自決についての軍の関与を認め、名誉毀損を否定した大江さん側勝訴の1、2審判決が確定した。決定は21日付。原告は元座間味島戦隊長で元少佐の梅沢裕さんと、元渡嘉敷島戦隊長の故赤松嘉次元大尉の弟の秀一さん。「沖縄ノート」と、歴史学者の故家永三郎さんの「太平洋戦争」の集団自決に関する記述をめぐり、「誤った記述で非道な人物と認識される」として提訴していた。争点は軍や元戦隊長らによる住民への命令の有無だったが、同小法廷は「原告側の上告理由は事実誤認や単なる法令違反の主張。民事訴訟で上告が許される場合に当たらない」として、判断を示さなかった。1審大阪地裁は「集団自決に軍が深く関与したのは認められる」と指摘して請求を棄却。2審もこれを支持し、控訴を棄却していた。」とあり、最高裁はノーベル賞の権威に恐れをなしたか、「軍の関与」ということにして、08年10月の大阪高裁判決で、集団自決の「軍命の有無」については強制はなかった言っているにも拘わらず、「表現の自由」を優先させました。「従軍慰安婦」と同じ構図です。「軍の関与」はあるのが当たり前でしょう。戦闘地域or配備されている地域なのですから。問題は「強制性の有無」です。

米軍のオスプレイがネパール地震で活躍しています。日本のような地震の多い国の物資輸送には最適でしょう。本年佐賀空港に配備されるそうですが、素人考えですが、やはり離島対策で沖縄に配備するのが良いのでは。与那国島に陸自が配備されるのでそこに駐機場、格納庫を造るのはどうでしょうか?そうすれば尖閣にも近く、物資供給にも役立つのでは。

またヘリ搭載護衛艦「いずも」には対潜ヘリやアパッチ、F-35Bが登載されるようです。オスプレイやいずもが抑止力となって中国の野望を挫くことになるでしょう。

狼魔人記事

沖縄2紙や翁長県知事が、声高に叫んでいた「危険な欠陥機オスプレイ」の反対運動は、寂として声なし。

何処へ消え去ったのだろう。

普天間飛行場を飛び立った「欠陥機オスプレイ」は、海を超え、あの山超えて谷超えて、ネパールの地震被災地に行ったとさ。

何のため?

勿論被災地のネパール住民を救援するため。

あれ? オスプレイって、「危険な欠陥機」ではなかったの?

それはねぇー、嘘つき新聞の琉球新報と沖縄タイムスがばら撒いた大嘘だったの。

何のため?

尖閣諸島収奪の野望を持つ中国様のため。

滑走路の要らないオスプレイは、沖縄のような離島の多い地域の防衛には最適なのよ。

【ネパール内陸山岳地震にオスプレイの有用性、普天間基地のオスプレイ派遣】

日本国内、特に沖縄でもマスコミは大きく報道していないが、普天間基地のオスプレイがネパールに派遣された。

道路素質が悪く、山岳地帯や高地での災害対処では、ヘリの運用は極めて有用だが、国際社会のヘリ支援には課題がある。ネパールは内陸国故に隣国のインド等の港に艦船でヘリを輸送してもそこから、ヘリコプター自身で、標高が高く、気圧が薄くかつ気象が変化しやすい山岳地帯を越えてネパールに移動しなければならず、日本の国際緊急援助隊登録のUH-1タイプではかなり厳しい。

その点、航続距離が長く、固定翼と回転翼の両方の機能を有するオスプレイは、滑走路がなくともある程度の空き地があれば着陸可能なので、艦船輸送やネパール国際空港の混雑の影響も受けにくい。将来の陸自にオスプレイが配備された際には国内の離島災害対処だけでなく、国際緊急援助隊の一部としても活躍が期待されるだろう。

今回、空自はCー130輸送機6機を運用し医療物資を輸送するが、航続距離の関係もあり、小牧基地を出てから4日かけてネパールに移動する。また、Cー130はCー2と違いUHー1を搭載することはできない。Cー2の早期開発と実運用が待たれる。

在日米空軍もCー17輸送機2機を運用してネパール災害派遣を始めたという。Cー17で支援物資をネパール国際空港等に輸送し、そこからオスプレイで各地に輸送する作戦も可能となる。また、Cー17は必要とあらばCH-47を搭載することも可能だ。エンジン出力や搭載量も比較的大きく、アフガンでの高地運用実績もあるCH-47の運用がネパールで開始されれば、支援のスピードアップも期待されるだろう。

贅沢な選択肢かもしれないが 、国内の離島対処にはオスプレイとC-1、離島以外の国内対応にはC-130とC-2、国外対応にはC-2、C-17 、KC -767を主体とする運用構想も望まれる。災害を含め事態発生時迅速な部隊展開や物資輸送は作戦運用の肝であり、輸送力の確保は統合機動防衛力の鍵でもある。

5/3 Nepal quake: US aid planes arrive in Kathmandu – BBC News

http://www.bbc.com/news/world-asia-32572533

Troops and emergency aircraft from the United States have arrived in Nepal to help deliver aid to remote areas hit by last week’s devastating earthquake.

Relief efforts near the epicentre have been hampered by a lack of aircraft.

About 100 US marines, two helicopters and four Ospreys capable of vertical take-off are now in Kathmandu.

Their arrival comes as Nepal’s only international airport has banned larger aircraft carrying aid from landing because of concerns over its runway.

More than 7,000 people died in the magnitude 7.8 earthquake. More than 14,021 people were injured.

The epicentre was in the Gorkha region, and many roads to the hilly district are impassable due to landslides.

The six aircraft are due to begin aid flights on Monday.

Helicopters at Kathmandu’s Tribhuvan airport

Brig Gen Paul Kennedy said: “We’ve got search and rescue teams waiting to go out to the remote areas, we’ve got relief supplies, especially shelters.”

New restrictions on planes landing at Kathmandu airport will not affect aid flights, a Nepali government spokesman said.

Planes heavier than 196 tonnes had been allowed to land since the earthquake but restrictions have been imposed because of potholes on the runway, officials say.

Also on Sunday, the United Nations said the problem of customs controls holding up aid deliveries from the airport was “diminishing”.

“The government has taken note of some of the concerns that we’ve expressed to them and they’ve addressed those,” said Jamie McGoldrick, who is co-ordinating the UN relief effort in Kathmandu.

Landslides and poor weather have hampered efforts to deliver aid to isolated areas.

The death toll could go up, as search and rescue efforts continuing in several hill districts including Dhading, Rasuwa and Sindhupalchok, the government has said.

While the vast majority of casualties were in Nepal, about 100 people are reported to have died in neighbouring India, China and Bangladesh.

On Sunday, Nepali police released a list of foreigners who had been killed or injured. The largest group of nationals affected is Indians, with 39 known to have died and 10 injured.

The EU envoy to Nepal, Rensje Teerink, said on Friday that the whereabouts of 1,000 EU citizens was still unknown.

osprey

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Two helicopters and four Ospreys have been sent by the US to Nepal

victims for Nepal earthquake

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Victims from the Sindhupalchok district were airlifted to Kathmandu on Sunday

レコードチャイナ記事

2015年4月9日、環球網は米メディアの記事を引用し、海上自衛隊の最新護衛艦「いずも」が空母に増強されるかどうかは、中国の戦闘機配備が大きなかかわりを持ってくると紹介した。

先月25日に就役した「いずも」は、中国をはじめとする多くの国から空母だとの指摘が上がっているが、実際にこれを空母に増強するには莫大な費用がかかる。現在、F35B戦闘機が1機当たり1億1600万ドル(約140億円)といわれる中、空母とするには十数機の戦闘機調達が発生するほか、甲板の強化も必要となるため、最終的には「いずも」本体と同等のコストがかかる見通しだ。

ただ、「いずも」がこの先、どの方向に舵を切るかは中国にかかっており、中国が殲-20や殲-31など第5戦闘機の規模を拡大し続ければ、日本にとってはこれが都合の良い口実となる。

日本側は「いずも」をヘリコプター搭載護衛艦だと説明しているが、通常の護衛艦の長さは248メートルに届かない。排水量の規模や甲板の形状、ヘリコプター搭載能力からみても、「いずも」は諸外国から空母と見なされ、特に中国は警戒感を募らせている。日本は「防衛」を強調するが、同様の理由は空母にも適用できる。日本は世界3位の経済大国だが、国防に多額の資金を投入できるほどの余力はない。中国の軍備拡大に対抗するというのであれば、日本はいっそうの検討が必要だろう。

10年後、「いずも」の甲板にヘリコプターだけがあるのであれば、東アジアの情勢は比較的平和だと判断できる。しかし、戦闘機の姿があれば、それは日本と中国の緊張状態がさらに強まったということだ。(翻訳・編集/野谷)

izumo

 

 

 

 

 

 

 

 

9日、環球網は、海上自衛隊の最新護衛艦「いずも」が空母に増強されるかどうかは、中国の戦闘機配備が大きなかかわりを持ってくると紹介した。写真は「いずも」。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

佐藤優『修羅場の極意』を読んで

佐藤優の本で思い出すのは「アメリカの情報将校が言った言葉“秘密情報の98%は公開情報から得られる”」というフレーズです。ですからいろんな情報をネットから取るだけでも、外国の公開情報を集めなくても、ある程度の動きが掴めると思います。日本のマスメデイアは偏向しているので、これだけだと偏った見方が刷り込まれます。バランスを取るうえでネットは大事です。情報弱者にならないためにも。こういう不断のチエックが選挙の時の判断に役立つと考えます。

さて、本の内容ですが、確かにプーチンは裏切り者は許さないでしょう。でもだからと言って利用しないことはないでしょう。中国同様いろいろと聞いたと思います。

4/30「西村眞悟の時事通信 安倍総理、よく健闘されたなあ」の中から抜粋します。 

http://www.n-shingo.com/jiji/

【ナポレオンが言った言葉を思い起こさせたであろう。  「余は、優柔不断の味方よりも、果敢な敵を愛する」

マックス・ウェーバーが、戦後(第一次世界大戦)の心構えとして言ったことも書いておこう(「職業としての政治」)。

「男らしく峻厳な態度をとる者なら、戦後になって『責任者』を追及するなどという愚痴っぽいことはせず、敵に向かってこう言うであろう。

 『われわれは戦いに敗れ、君たちは勝った。さあ、決着はついた。』  ・・・これ以外の表現は総て品位を欠き、禍根を残す。」】

やはり名を残す人は違います。戦争と言うゲームに勝ったとしても敵の敢闘精神を讃える余裕と気位の高さは尊敬を集めるでしょう。どこかの国々のように逃げ回るか抵抗もしないで、敗戦国の敢闘精神を讃えることもなく、歴史の改竄・捏造に血道を上げているのは愚かなことです。

命を賭けても守るべき存在を昔の日本人は皆持っていました。靖国神社に掲載されている「遺書」を読めば分かります。昭和40年代くらいまででしょうか。三島が自決した後は、精神的頽廃が始まったのでしょう。

英語を日本語に替えて学ぶ愚かさに気づかない日本人が増えて来たという事でしょうか?白人が世界を支配してきた歴史を学べばそうはならないでしょう。キチンと日本史、世界史を学んだ上で英語を勉強し、批判の目を養えるようになればよいと思います。勿論、外国語を話すことができるのは楽しいことです。小生も英会話と中国語会話を習っています。外国旅行に便利ですから。それと日本人の立場を外国語で表現できたらとの思いで習っています

内容

P.100~102

インテリジェンス•オフィサーの職業的良心は、国家のためにすべてを捧げることだ。この観点で、インテリジェンス機関は、アナーキストに対して先天的な忌避反応を持っている。

「裏切り者は敵よリ悪い」というプーチンの信念

六月二十一日までに米司法当局はスノーデンを訴追した。同二十三日、スノーデンは香港を出発し、ロシアを経由して、中南米に向かおうとした。しかし、米政府が

同日、スノーデンの旅券(パスボート)を無効にしたため、同人はモスクワのシェレメーチエボ国際空港で乗り継ぎの飛行機の切符を購入できなくなった。有効な旅券を持たないので、ロシアに入国することもできない。六月二十三日以後、スノーデンはシェレメーチェボ空港の国際線トラ ンジット(通過)地区に滞在している。

もっともトランジット地区には一般利用者とは切り離された政府高官や外国要人のみが利用できる特別室がある。ここはマスメディアを完全に遮断することができる。このような場所にスノーデンは隔離されているのであろう。当然、FSBの完全な監視下に置かれている。米政府はスノーデンの引き渡しを要求したが、同二十五日、フィンランドのナーンタリで会見したロシアのプーチン大統領は、〈米国との間に犯罪者引き渡し条約がないなどと説明。 また、スノーデン容疑者が国境を越えておらず、査証(ビザ)を必要としないことから拘束もしないとの考えを示した。/さらに、「(容疑者を支援しているとの)ロシアに対するいかなる非難も常軌を逸しており、ばかげている」と述べ、米国をけん制した。 (六月二十六日、ロイター)。

ただし、プーチンはスノーデンにまったく好意を寄せていない。プーチンは、「元インテリジェンス・オフイサーは存在しない」という発言を好む。「インテリジェンス機関に勤務した者は、一生、この世界の掟に従うべきだ」というのがプーチン大統領の信念だ。「裏切り者は敵より悪い」というのがこの世界の掟だ。プーチンが勤務した旧KGB (ソ連国家保安委員会)の場合、敵陣営に逃げ込んだ裏切り者に対しては、非公開で行われる欠席裁判にかけられ、死刑が宣告された。

もっとも実際に殺し専門部隊が編成され、裏切り者を消す場合は、ごく一部に限られた (KGBも役所なので、予算と人員に限りがある。小物にまでかかわっている暇はなかった)。 それでも死刑判決を言い渡されたという事実は、逃亡した元インテリジェンス・オフイサーにとって心理的重圧になった。いつKGBの魔の手が迫ってくるかと怯えながら生活することになるからだ。また、このような厳しい対応は、KGB現役職員の裏切りに対する抑止要因になった。インテリジエンス機関に勤務した経験のある者は、生涯現役で、国家のために尽くすべきだというのがプーチンの倫理観だ。プーチンはKGB第一総局(SVRの前身)の工作員として東ドイツで勤務した経験がある。それだからインテリジエンスの掟の厳しさを皮膚感覚で知っている。

スノーデンはロシア国家に協力したスパイではなく、自ら手を挙げて米国のインテリジェンス機関に勤務しながら、国家に反逆した裏切り者だ。国家主義者であるプーチンは、「米政府が世界中の人々のプライパシーやインターネット上の自由、基本的な権利を極秘の調査で侵害することを良心が許さなかった」というような素朴な正義感を強調するインテリジェンス•オフイサーが存在してはならないと考えているのであろう。

P.122~125

絶対的価値感を持つ者は克服できる(内村剛介について)

外務官僚も、特捜検事も、内村氏がいう意味で、「人間的」なのである。そういえば、ソ連時代にソ連共産党官僚やKGB機関員がいかに「人間的」であるかを筆者は目の当たりにした。裏返して言うと、こういう「人間性」を克服するために、筆者は神に身を委ねることの重要性を再認識した。内村氏は、神を失った人間を結びつける鍵となる概念がロシア語の「ブラート」であると考えた。

〈「ブラトノイ」=またの名を「ヴォール」ともいう。この語は「ブラートの人」「結び合った人」「血盟の人」を意味する。

「ブラート」=コネ。有用な結びつき。おそらくイデイシ(ユダヤ人のことば)が起りである。十九世紀からオデッサで用いられはじめたが、その後「一般」のロシア語にも用いられるようになる。オデッサは古来ロシア犯罪人たちの故郷、犯罪人たちの首都でこの状態は二十世紀三〇年代の終りまでつづいた。この犯罪者たちの頭目に伝統的英雄が多々あり、それはしばしばユダヤ人であった。イデイシの「ブラート」が採りあげられるようになるのは自然な成りゆきであろう。

プラトノイがロシア全土にわたる組織を作ったのは一九一七年政変のはるか以前である。ブラトノイ同士の連帯は固く、彼らは他のブラトノイを文字通り命をかけて衛る。ブラトノイの間で紛争が起れば、トルコヴィシチエと称する裁判にかけるが、その判事パハンの決定は最終的で控訴は許されない。戦いはブラトノイの常だ。ブラトノイはみずから犯罪者界のエリートをもって任じ、彼ら以外のものをマスチ(毛並)によって区別する。〉 (前掲書三七〜三八頁)

ロシア人同士で、「ブラート」と言うと、通常、コネを指す。コネで不正に何か物やポストを得たときに、ロシア人は片目をつぶって「パ•ブラートゥ」と言う。あるいは結束の強いマフィアのような集団も「ブラート」と言うが、これは日常的にはあまり使わない。内村氏が呼ぶ「ロシア無頼」とはブラトノイ集団のことだ。この集団が持つ独自の掟について内村氏はこう説明する。

〈ブラトノイは「法」なるものを、「規範」一般を深く軽蔑する。自分たちの不文律だけが彼らの法なのである。ブラトノイは彼ら以外の者=ブラトノイでない者、すなわち権力の手先やほかの犯罪者一般、いわゆるフライエル(「フライ」「フリー」「自由」から出た語=「とうしろう」)その他を無視している。監房へ連れてこられるとドアが閉まらぬうちにもうブラトノイはこういう–              「リユージおるか?」。リユージとは一般には人の複数形、つまり「ひとびと」を意味するが、特殊ブラトノイ的には彼ら自身のみを指す。そこに何百人いようとブラトノイは「リユージおるか?」と言ってのけ、この数百人の囚人を「ひと」と認めないことを宣言するのである。囚人の群れのなかのブラトノイが答える。「こっちへこい」。こうして特殊な訊問がはじまる。ほんものかどうかをしらべるのである。

ブラトノイのふりをするのはとても危険である。自称ブラトノイはこうしてやがて切り殺される。フライエルに対してブラトノイぶるだけならリスクはない。フライエルたちは自分をおどす者をブラトノイだと思い込むからである。〉 (前掲書三九頁)

要するにブラトノイは、国家によって定められた法規範よりも、自らの掟を優先させる人々ということだ。その意味で、イエス・キリストによって定められた掟を国家の法規よりも重視するキリスト教徒も、ブラトノイ集団の一種だ。筆者は獄中でキリスト教信仰を内村氏の知的遺産を強化するために用いたのである。

7章のことば

「恐いと思うときでもなお己の臆病風を克服し己のモラルに立って歯向っていく」(内村剛介)

■解説

命を賭けてでも守らなくてはならない絶対的価値を持っている人は、どのような試練であっても克服することができる。

P.147~148

個人が個として書きことばにむかいあう(藤原智美)

藤原氏は、インターネットの普及による人類の知的構造の変化について、存在論的な考察を展開している。哲学、言語学、歴史学の専門的な知識がない読者も十分についていくことができるていねいな文体だ。ただし、思想の内容は高度である。まず、英語の普遍化が日本語力を弱める危険性についての考察が鋭い。

〈日本語の土台の上に接ぎ木するようにして得た道具程度の英語力は、しよせんそれを母語とする人たちにはかなわない。英語と言う土俵に上がるまえに決着がついています。つまりその土俵とは思考そのものであり、日本語で考える人は圧倒的に不利なわけです。言語のルールは常に母語を使えるものに有利になっています。このルール上の優劣が英語化への圧力をさらに強めています。

将来を悲観的に見るなら、英語を母語のように使う人々と、日本語「しか」使えない人々との階層分化が起こるかもしれません。英語が巧みで英語的思考をするほうがその人にとって利益を生むと考えれば、日本語を学習することにエネルギーと時間を使うことは浪費と考えられるでしょう。

実際にその時代のその土地における経済力、覇権構造によって、多くの言語が消えていきました。グローバルネットワーク拡大のもうひとつの側面は「英語」対「他の母語」という言語間の戦争なのです。それは静かに、しかし急速に進行しています。〉

(藤原智美『ネットで「つながる」ことの耐えられない軽さ』 文藝春秋、2014年、三三〜三四頁)

5/2 ZAKZAK『習主席に脅威 側近に“黒いカネ”爆弾 「反腐敗運動」トップ自ら汚職疑惑』記事について

権力闘争の凄まじさです。中国で賄賂を取らない人はいないので、皆臑に傷を持つ身。政敵を倒すための手段だから、窮鼠猫を噛む場面は出てきます。悪がお互いに潰れることはいいこと。中国国民も喜ぶのでは。でも誰が為政者になっても「悪」そのものに変わりはないので、可哀想と言えば可哀想。日本はいい国ですよ。悪しざまに言う人間の気がしれません。よその国に旅行でなく、住んでみればすぐに分かります。

王岐山がアメリカに行って、犯罪者の引き渡しを要請すると言うのは聞いていましたが、スキャンダル潰しとは思いませんでした。習政権の幹部のSEXビデオがアメリカで出されれば、“厳打”はやむかもしれません。でもアメリカは出さずに、外交取引の材料とするでしょう。でも香港にいたスノーデンから中国もアメリカのCIAの傍受情報を握っていると思われるので相討ちになるかも。でも薄熙来の部下だった王立軍から成都のアメリカ総領事館で情報を取っているので、アメリカ有利か?

9月に習近平が国家主席として初の訪米をしますが、本当にそれまで持つかどうかです。北朝鮮の金正恩が訪露を止めたのも、クーデターを懸念してのことだろうと思います。ゴルバチョフの例もありますから。行ったとしても、国連で演説するのか、上下院で演説するのか知りませんが(自由主義陣営の敵対勢力としての共産党首脳に演説させるとしたらフルシチョフ、ゴルバチョフ以上の扱いになる。上下院とも共和党優勢だからそれはないと思いますが)、今度の安倍首相の米議会演説で、「昨日の敵は今日の友、日米同盟の確個たる紐帯」を示した以上、戦勝国クラブの一員としての演説はしにくくなったというか、やったら馬鹿にされると思います。安倍外交の勝利でしょう。青山繁晴氏は優柔不断のオバマついて心配していますが。

「ぼやきくっくり」の青山繁晴氏の安倍首相の訪米と習主席の訪米についてのコメント

http://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri2/log/eid1715.html

記事

 「一族が巨額資産を保有」と米紙に暴露された中国・習近平国家主席。その権力基盤が揺るぎかねない重大懸念が浮上している。「反腐敗運動」を主導する腹心、王岐山・中国共産党中央政治局常務委員ら政権中枢幹部のスキャンダルが炸裂(さくれつ)しそうなのだ。背後で暗躍するのは「権力ハンター」「闇の帝王」などの異名を持つ謎多き政商と、失脚した大物幹部を兄に持つ実業家。中南海(党・政府所在地)に激震をもたらす爆弾情報とは-。

 「スキャンダルが公になれば、『反腐敗運動』は頓挫しかねない。それだけに、われわれの同胞はみな事の成り行きに注目している」

 中国共産党の高級幹部の子弟「太子党」関係者はこう声を潜める。

 中国人社会の間で注目を集める「スキャンダル」とは、習政権を支える氏に関するものだ。

 習氏が推し進める「反腐敗運動」で、腐敗官僚たちを次々と血祭りに上げている「党中央規律検査委員会」。その書記を務める王氏は、取り締まり側の現場責任者として辣腕(らつわん)をふるってきた。運動を、政敵潰しと国民の人気集めに利用してきた習氏にとって、政権の屋台骨を支えるキーマンともいえる。

 その王氏に関する不穏な情報が出回っている。

 「郭文貴氏という中国人実業家が、亡命先の米国で受けた米国メディアでのインタビューが発端だ。このなかで郭氏が、王氏自身も過去に汚職に関与していた…とほのめかした。事実なら、『反腐敗運動』の取り締まり側のトップが腐敗していたことになり、運動そのもの、ひいては習政権の正当性が問われることになる」(先の太子党関係者)

 習政権中枢の大物幹部のスキャンダルを握っているとされるこの郭氏。最近まで謎多き人物として正体が知られていなかった。

 複数の中国メディアによると、年齢は48歳で、「謎の実業家」「権力ハンター」などの異名を持ち、155億元(約2976億円)の資産を持つとされる。

 中国事情に詳しい評論家の宮崎正弘氏は、「北京経済界で『闇の帝王』といわれる政商だ。表向きは北京政泉証券の経営者だが、株価操作などを介して大企業の幹部らと親しく、あらゆる汚職、収賄事件に関与した疑いがある。2008年の北京五輪に絡む開発プロジェクトで暗躍し、『バンゲ会』という秘密結社のような利権集団を組織して、巨万の富を得たともいわれている。14年末に中国を出国し、英国に短期滞在後、米国に入ったことが確認されている」と話す。

 王氏は、03年から07年まで北京市長代行、同市長を歴任しており、北京五輪組織委員会執行主席も務めた。中国メディアによれば、この時期に郭氏と関係を持ち、汚職に絡んだ疑惑があるという。

 習政権にとっての脅威はこれだけではない。

 習氏に失脚させられた令計画・人民政治協商会議副主席の弟、令完成氏の存在だ。

 『月刊中国』の発行人である鳴霞(めいか)氏は、「令完成氏は、新華社通信の記者を経て、広告会社のトップにまで上り詰めた。兄の威光をバックにメディア産業で巨万の富を形成し、この過程で習政権の幹部のスキャンダルを握ったとみられている。彼は、幹部の情事の一部始終を収めたビデオを隠し持っているとも噂されている。一時は中国当局に身柄を拘束されたともいわれたが、米国に亡命を果たした可能性が高い。習氏は、隠し球として彼が持つ政権幹部のスキャンダルが公表されることを恐れている」と解説する。

 習氏の意向を受けて渦中の王氏が、近く米国を訪問する意向であるとも伝えられている。この場で、米連邦捜査局(FBI)に米国に亡命した腐敗官僚の摘発への協力を求める見込みで、郭氏と令完成氏の存在がその念頭にあるのは明らかだ。

 「2人の動向にピリピリしているのは間違いない。習政権は『反腐敗運動』への国民の支持によって持っているようなもので、その正当性を覆すようなスキャンダルがこのタイミングで出るのはまずい。政権運営に響く、そうした事態だけは避けたいと思っているはずだ」(鳴霞氏)

 赤い帝国に衝撃は走るか。

5/3 日経AIIB関連記事について

またまた財務官僚と日経の悪い癖が出ました。両方とも中国に対する見方が甘いです。中尾総裁はアメリカと下打ち合わせした上で発言しているとは思いますが、歴史観・世界観に乏しいです。オバマもそうですが。孫文に騙され、西原借款で段祺瑞に騙され、今も中国に南京虐殺、慰安婦という改竄・捏造された歴史問題で糾弾されているというのに。アメリカが衰退しているからといって韓国のように中国に擦り寄るのでは道義も何もあったものではない。ましてや相手は共産国。中国が民主化するかどうかは分かりませんが、なったとしても韓国と同じようになるだけ。選挙が行われるだけで、基本的人権(言論の自由を含む)や法治(司法権の独立を含む)は韓国同様、確保されないと言えば分かり易いでしょう。両方の概念は自己中心の中国人には多分理解されることはないでしょう。民主化される場合、今の中国の版図のままかどうかも分かりませんが。

中国は100年後に覇権をアメリカから奪おうと考えていると思います。「韜光養晦」です。ジワリ、ジワリとアメリカが許容するところまで攻めてきて、気がついたら逆転しているという構図を描いていると思います。オバマは有能な弁護士かもしれませんが、アメリカの最高司令官としては不適です。次はヒラリーと言われていますが、中国人の政治献金で味噌がついた人間に中国に対して厳しい政策は採れません。選ぶのはアメリカ人でどうしようもないですが。

AIIBに協力するというセンスが分かりません。共産党統治の延命を図ることになります。それが本当に世界のためになるのでしょうか?中国は日本が入ればイザと言うときに日本が肩代わりしてくれると思ってるハズです。それで誘っています。日本の信用で自分の目的である覇権を達しようとするのですから。いい加減お人好し日本人は卒業した方が良い。日経のASEAN高官から聞いた話と言うのは華僑の末裔ではないですか。中国に郷愁を持っている人たちだから祖国が有利になることを願っていると思った方が良い。やがて中国が強大になれば、国が奪われるかもしれないのに。大体インフラ投資と言いながら自分たちが賄賂を取る機会を増やし、額を大きくしたいだけでしょう。ADBの融資基準に合わないものに本当にAIIBが融資しないでいられるか、ありえないでしょう。中国の乱脈経営に巻き込まれるだけです。三重帳簿、偽装倒産が当たり前の国なのに。日経こそ、過去に中国進出を煽って、企業に損をさせた張本人なのに。少しは「反省」した方が良い。そうでなければ、中国撤退セミナーがはやるはずがありません。

アジア投霞と協調融資 アジア開銀国際基準尊重で一致

【パクー(アゼルパイジャン東部)=佐竹実】 アジア開発銀行(ADB) =3面きょうのことば=の年次総会が2日、アゼルバイジャンの首都パクーで開幕した。中尾武彦総裁は記者会見で、中国主導で創設されるアジアインフラ投資銀行(AIIB)と協調融資を実施する考えを表明した。AIIB側と融資の際に国際基準を尊重することで一致したためだ。ADB の増資についても前向きだ。(関連記事3面に) 中尾総裁はAIIB総裁に就任する見通しの金立群•中国元財政次官と1日に会談した。中尾氏は「社会環境保全などの基準の重要性について意見が一致した」と述べた。 ADBは自行と同等の国際墓準を満たすことを協調融資の条件と表明しており、AIIB側がこれを受け入れた形だ。アジアでは年間8000億ドル(約96兆円)のインフラ需要が見込まれる。ADBだけ満たすのは難しいため、中尾総裁はAIIBとの協調融資に「様々な相乗効果が期待できる」と語った。

ADBは2日、自己資本と低所得国向け基金を2017年に統合し、融資枠を1•5倍の200 億$に拡大することで正式に合意した。総裁は「近い将来の増資や出資比率の見直しについても引き 続き検討する」と述べた。

アジア開銀迫られる改革 アジア投資銀を意識 民間資金活用急ぐ

【パクー(アゼルバイジャン東部) =中村亮】アジア開発銀行(A D B) の年次総会が2日開幕し、中尾武彦総裁は記者会見で業務の改革を加速させる考えを表明した。中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)が求心力を高めるなかで「利用される銀行」への改革を迫られる。採算が取れる案件の提供などで、民間マネーをどれだけ引き出せるかがカギを握りそうだ。(1面参照)

総裁、将来の増資に言及

「(民間資金などの) リソ—スの有効活用を進める」。中尾総裁は会見でこう力説した。「AIIB創設を前提にした長期戦略が必要になる」(日本の財務省幹部)なかで、 ADBは返済が確実な案件をつくり、民間マネーを呼び込むことに重点を置く。

中尾総裁は「我々には50年の歴史がある」と述ベ、1966年の設立から蓄積したインフラ向け|融資の経験やノウハウ、人材を強みに挙げた。A IIBに足りない利点を生かすことで、返済が確実で民間が参加しやすい案件をつくる考えだ。

■3メガ銀などと提携へ

年次総会では、日本3メガバンクや欧米の金融機関とインフラ案件づ<りで提携する見通し。具体的には、ADBと日米欧の金融機関が新興国の入札手続きや事業者の選定などで助言し、民間企業が参入しやすい案件づくりを支援する。 官民でつくったインフラ事業に資金を提供する新基金の構想もある。

ADBが民間との協力を急ぐのは、途上国のインフラ需要を満たすカギを握るからでもある。経済協力開発機構(OECD)によると、先進国から途上国への民間投資は直近で年間3000億ドルほど。リーマン•シヨックで落ち込んだ2008 年から2倍以上増えた。これに対し、政府開発援助(ODA)は約1割の増加にとどまる。

ADBは16年から融資案件の審査期間を15カ月間と12年比で6カ月ほど早めるほか、教育や保健分野への融資比率を上げる。融資枠も17年から5割増やし、融資の「質と量」の改革を急ぐ。

■新興国の動きに焦りADBの動きの裏にあるのは、新興国が独自路線を打ち出していることへの焦りだ。AIIBは今年末の設立を目指す。

それ以外にも中国単独の「シルクロード基金」や中国やインド、ブラジルなどが出資する「BRICS銀行」など、新興国による開発金融機関創設が相次ぐ。ADBが割安な資金を提供する貸し手の役割を続けるだけでは、存在感が低下しかねない。

「将来の増資をあきらめていない」。中尾総裁は記者会見で、09年以来の増資の可能性にも言及 した。国際通貨基金(I MF)は米議会の反対で実現していないが、10年に新興国の発言権を増やす改革案に合意済み。ADBはこうした改革が手つかずだ。新興国の不満は根強く、AIIB支持を表明した新興国に配慮を迫られた。

ADBも「経済規模に応じて国際機関の発言権を変えないと、将来的には立ち行かなくなる」(国際金融筋)との声が多い。出資比率(14年末時点) は15.7%の日本がトップで、15. 6%の米国が続く。一方、中国は6 .5%、インドは6.4% にとどまる。新興国の発言権を強める形での増資に踏み切れるか。増資計画はADB改革の試金石にもなる。

【ADB改革とA I IBを巡る中国の主張】

(ADB改革の概要)

・2017年に融資枠を1.5倍の200億ドルに拡大

・特に教育と保健分野への融資を拡大

・現地事務所の権限強化などで融資の審査期間を短く

・民間金融機関との連携を強化

(AIIBを巡る中国の主張)

・アジアの膨大なインフラ需要に応えたい

・ADBや世界銀行よりも迅速に意思決定する

・ADBや世界銀行に取って代わるのではなく補完する

・日本も参加してほしい

日曜に考える 中外時評 アジアの中でどう生きる 国開き耳傾ける努力を 論説副委員長 実 哲也

一言でいえば「残念」ということになろうか。

日本が中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)に創設メンバーとして加わらないことについて、東南アジアの識者らに感想を聞いた話だ。

インドネシアのハッサン元外相は「我が国のインフラ需要は増しているが、財源には限りがある」とAIIBへの期待を表明。そのうえで「日本は既存の国際金融秩序の恩恵を受けている。AIIBの意思決定のあり方を懸念するのもわかる。だが、中に入って改善策を議論する道もあるはずだ」と指摘する。

シンガポールのストレーツ• タイムズ紙のW.フエルナンデス編集長も「中国のための組織にしないように、日米豪などが早い段階から影響力を行使すベきだ」と語る。「世界が動いているのに日本の外交は古いまま。米国に追随したということだろう」(シンガポール国立大公共政策学院のK•マブバニ院長)と辛辣な声もあった。公正な融資の決定や環境へのアジアの利益を考えたうえでの判断か。いや、そうではなく中国の台頭阻止や日米関係強化が先に立った判断なのではないか。識者の声からはそんな疑念ものぞく。

円借款によるインフラ建設や人材育成などの支援を進めてきた日本への信頼が、AIIB不参加によって損なわれることはなかろう。海洋権益拡大に動く中国への警戒感が増しているのも事実。対抗勢力としての日米の存在は地域にとって重要だ。

だが、そうした状況に安住していいのか。日本はアジアの中で前向きな役割を果たしていくという強い意思をここで改めて示す必要があるように思える。

そのためにはアジアの声に耳をすまし、現実やニーズをもっと理解しなければならない。

「東南アジア諸国連合(ASEAN)は経済の発展や統合で自信を深めている。上から目線は通用しない」。ASEANの 統合過程などに詳しい大庭三枝東京理科大教授は語る。

2000年に日本の13%しかなかったASEANの経済規模は19年には3分の2に達すると国際通貨基金(IMF)は予測する。地場企業が伸び、米中欧など世界から企業が集まり競う熱気あふれる場になっている。

その中でどの大国にもなびかず、パランスよくつきあって果実を得るしたたかさを身につけてきた。日本は相手国の1つにすぎず、経済協力をしてきたから言うことを聞いてくれるはずという気持ちが少しでも出れば、反発を招<という。

国際交流基金の小川忠•東南アジア総局長は「1974年のジャカルタ反日暴動を経て、心と心のふれあいをうたった福田ドクトリンに沿って日本が動いたことで東南アジアで親日感情が育まれた。これにあぐらをかかず、相互理解の種をまき続けないといけない」と強調する。 気になるのは、インドネシアで増えている労働争議でロウムシャという言葉が時に飛び出すことという。日本占領期に強制徴用された人々をさす。新しく進出してくる日本企業は歴史にも目を配るべきだと説<。

日本に求められるのは何か。インフラ支援や企業の投資は今後も重要だが、それだけではない。インドネシアの経済誌「グローブ•アジア」のS.力グダ編集長は「日本と東南アジアは双方向の関係強化が必要。日本はもっと農産品などのモノを買ったり、看護師など人材を受け入れたりしてほしい」と言う。 「高齢化が進む日本と若者が多い東南アジアでは人材を補完し合える」(ハッサン元外相) のは確かだろう。日本への留学生も増やしたい。東南アジアからの留学先としては日本より米国や中国の方が圧倒的に多い。

アジアの対日投資も促すべきだ。シンガボール企業の出資を受けた車両輪送会社「ゼロ」の北村竹朗社長は「アジア市場での展開がしやすくなった」と語る。強いアジア企業の投資は日本経済の活性化につながる。

日本の期待も適切に伝える必要がある。例えば事業の妨げになる不透明な規制•慣行の撤廃や知的財産権保護などだ。インフラ投資の優先順位や資源輸出では双方の利害が食い違うこともある。要求をうのみにする必要はないが、長期的視野に立って対応すべき局面もあろう。

成長するアジアの活力を取り込むことは日本経済を強<する前提条件だ。それには懐に深く入り込み、物心両面で結びつきを強めなければならない。

5/1泉 ユキヲの 国際派時事コラム『日米はともに戦勝国だ @ 安倍総理演説』について

日本のメデイアはいつも中韓がこういうことを言ってる、NYTがこう言っていると馬鹿の一つ覚えのように言っています。進歩の言葉を知らない人達です。そういう言説は中国の日米分断を利すると考えたこともないのですかねえ。それでは知性が泣くでしょう。やはり不買を進めないと分からないのでしょう。

「エイブ」の話は「honest Abe」(リンカーン)から取ったものです。原稿を作成した方達はいろんなことを考えて作っている気がします。中韓からの批判が出ても受け流せる内容と思います。

8/15の70年談話もこの線で発表されるでしょう。「侵略」と「お詫び」はなしです。オバマ大統領、上下院でお墨付きを得たのですから、中韓が何を言おうと関係ありません。マイクホンダのような韓国系アメリカ人の票を当てにしてる議員はブツブツ言って来るでしょうが、相手にしないことです。首相の言う「戦後レジームからの脱却」がやっとスタートしたという事です。中国は日米分断の為、子分の韓国を使いながら、いろいろ仕掛けて来るでしょう。特に日本のメデイアを使いながら。

日本人もいい加減気が付いた方が良い。中韓の言ってきたことが正しいのかどうか?自分で調べればすぐ分かります。慰安婦は朝日が取消し、韓国の女性家族省も「強制性なし」と明言するに至りました。南京虐殺もすぐ嘘と分かります。当時の南京市民は20万しかいなくてどうやって30万も殺せるのか?また遺体処理は?孫子の遺伝子を持つ民族です。嘘を世界に広める情報戦で圧倒的に日本は負けています。戦闘レベルの優秀さを追求するだけでなく、世界観や戦略レベルでも勝たないと。やはり、日米豪印、ASEANの同盟が大事です。

南沙諸島の軍事基地で4/29中国海軍の呉勝利司令官は米海軍制服組トップのグリナート作戦部長とのTV会議で「米国を含む関係国や国際組織が施設を利用することを歓迎する」と言ったとニュースで流れていますが、領土係争地域で中国の領有を認めさせればいいという所でしょうか?この論理でいけば「尖閣に中国の基地を造り、日本にも使わせてやる」と言うことになるでしょう。おかしな話です。オバマが何もできないと足元を見ての発言です。南沙を他人事と思うのは危険です。

記事

 安倍首相の「希望の同盟へ」演説をわが外務省のサイトで読んで、目がうるうるした。まことにみごとな演説で、全文を教科書に載せてもいいと思う。

(全文、というのがポイントで、教科書執筆者の恣意に任せようものなら、自衛隊の国際貢献について具体的に語った箇所など、真っ先に削除されかねない。)

(英文原文)

http://www.mofa.go.jp/na/na1/us/page4e_000241.html

(外務省の和訳)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/na/na1/us/page4_001149.html

 前半はユーモアに満ち、米国人の心をぐっとつかむ。 安倍総理の人間味も伝わってくる語り口だ。日本そして安倍総理と関わった大ぜいの米国人の名を挙げることで、この日の演説の内容には数多くの証人がいるのだという印象を与える。この構成も秀逸。 

  一読してわかるのは、単に霞が関の外務官僚らが切り貼りした和文を英訳したものではないこと。 英語原作の憲法はサイテーだが、英語の演説はやはり英語原作でなければダメだ。

■ 日本は戦勝国だ ■

 日米がともに戦勝国であることをうたっているのが良い。

In the end, together with the U.S. and other like-minded democracies, we won the Cold War.

That’s the path that made Japan grow and prosper.

And even today, there is no alternative.

≪そしてついに、米国および志を同じくする民主主義諸国とともに、われわれは冷戦に勝利しました。この道を歩むことで日本は成長し繁栄するに至ったのです。これ以外の道がないことは、今日も同様です。≫

(なお、和訳は泉が英文から訳した。以下、同じ)

 第二次大戦時そもそも存在しなかった共産中国と韓国が「戦敗国の日本はオレたちにひれ伏せ」

と かまびすしい昨今であるが、とんでもない話で、「冷戦終結を以て日本は戦勝国となった。中国は、ちがうよね」という正しい歴史認識ののろしを上げたものと言ってよろしい。

 中国はもとより、韓国もすでに like-minded democracy とは言えまい。残念なことである。

■ 自責の念は、戦後すぐの話 ■

 この豊穣な内容の演説を読むにつけ、メディアがこぞって取り上げた例の箇所をことさらに論じるのは、あまりに「ためにする」ことと忸怩(じくじ)たる思いだが、わたしなりに語ろう。

Post war, we started out on our path bearing in mind feelings of deep remorse over the war. Our actions brought suffering to the peoples in Asian countries. We must not avert our eyes from that.

I will uphold the views expressed by the previous prime ministers in this regard.

≪戦争直後、日本国民はあの戦争に対してやるせない自責の念を心の中に抱きつつ歩み始めました。われわれの行為でアジア諸国の国民に苦しみをもたらしたのです。そのことから日本国民は目をそらしてはなりません。この点に関してわたしは、わが国の首相たちがこれまで表明してきた見解を引き継ぐものです。≫

 外務省訳が「戦後の日本は、先の大戦に対する痛切な反省を胸に、歩みを刻みました」とあるが、誤訳である。原文の英語は started out on our path とあるのだから「歩みを刻み始めました」である。つまり、外務省訳にいう「先の大戦に対する痛切な反省」は、あくまで、歩みを刻み「始めた」時点に抱いたものであり、今日なお deep remorse を抱いているとは、どこにも言っていない。

 それでよろしい。

 今回使われた remorse という単語も、上手に選んだものだ。 「内心に宿す自責の念」としては相当に強いことばだ。あくまで個々の人間の内心に属する感情であり、国家機構としての意思を言うものではない。内心に属するものであるがゆえに、謝罪という行為とは別である。

 それでいて、安倍総理の演説を聞く米国人らは、安倍総理自身が現在進行形で deep remorse を抱いているという印象を持つ。 「アベはアブナイ政治家だ」と触れ回る中・韓のエージェントらによる中傷を払拭するために大いに役立つことばを選んだものだ。

■ これっきりですね、の思いを引き継ぐ ■

 村山総理も小泉総理も、例の「おわび」を述べたときは、「これっきり」と思って述べたに違いない。ここまで繰り返し平身低頭を要求されることなど想像もしていなかったし、ましてやサンフランシスコ平和条約や日韓基本条約、日中友好条約を反故(ほご)にせんばかりの「賠償要求」を受けることなど想定もしていなかった。

 ≪この点に関してわたしは、わが国の首相たちがこれまで表明してきた見解を引き継ぐものです≫ と安倍総理は言ったのである。

 英語原文を読んでいると、東京都硫黄島(いおうとう)のことを Ioto と呼び、そのあと米国人の言を引用するなかでIwo Jima の名を使っている。日本では硫黄島(いおうじま)は鹿児島県の薩南諸島北部に位置する小島だ。 わが軍が祖国防衛戦を繰り広げた島は、硫黄島(いおうとう)なのである。

 ところが米国人にとっては、聖戦を繰り広げたのは Iwo Jima ということになっていて、この日本領の島に星条旗を立てる兵士らの姿の記念彫刻も Iwo Jima と称する。

 Iwo Jima という名称にも言及しつつ、正しい名称の Ioto を米国で正式にデビューさせたあたりも、この演説の起草者の偉いところだ。

演説全文(日本語)

米国連邦議会上下両院会議における安倍総理大臣演説

「希望の同盟へ」 平成27年4月30日(2015年4月29日(米国東部時間))

はじめに

 議長、副大統領、上院議員、下院議員の皆様、ゲストと、すべての皆様、 1957年6月、日本の総理大臣としてこの演台に立った私の祖父、岸信介は、次のように述べて演説を始めました。

 「日本が、世界の自由主義国と提携しているのも、民主主義の原則と理想を確信してい

るからであります」。

 以来58年、このたびは上下両院合同会議に日本国総理として初めてお話する機会を与えら

れましたことを、光栄に存じます。お招きに、感謝申し上げます。

 申し上げたいことはたくさんあります。でも、「フィリバスター」をする意図、能力ともに、ありません。

 皆様を前にして胸中を去来しますのは、日本が大使としてお迎えした偉大な議会人のお名前です。 マイク・マンスフィールド、ウォルター・モンデール、トム・フォーリー、そしてハワード・ベイカー。 民主主義の輝くチャンピオンを大使として送って下さいましたことを、日本国民を代表して、感謝申し上げます。 キャロライン・ケネディ大使も、米国民主主義の伝統を体現する方です。大使の活

躍に、感謝申し上げます。 私ども、残念に思いますのは、ダニエル・イノウエ上院議員がこの場においでにならないことです。日系アメリカ人の栄誉とその達成を、一身に象徴された方でした。

アメリカと私

 私個人とアメリカとの出会いは、カリフォルニアで過ごした学生時代にさかのぼります。家に住まわせてくれたのは、キャサリン・デル-フランシア夫人。寡婦でした。亡くした夫のことを、いつもこう言いました、「ゲイリー・クーパーより男前だったのよ」と。心から信じていたようです。

 ギャラリーに、私の妻、昭恵がいます。彼女が日頃、私のことをどう言っているのかはあえて聞かないことにします。デル-フランシア夫人のイタリア料理は、世界一。彼女の明るさと親切は、たくさんの人をひきつけました。その人たちがなんと多様なこと。「アメリカは、すごい国だ」。驚いたものです。

 のち、鉄鋼メーカーに就職した私は、ニューヨーク勤務の機会を与えられました。上下関係にとらわれない実力主義。地位や長幼の差に関わりなく意見を戦わせ、正しい見方なら躊躇なく採用する。

 ──この文化に毒されたのか、やがて政治家になったら、先輩大物議員たちに、アベは生意気だと随分言われました。

アメリカ民主主義と日本

 私の苗字ですが、「エイブ」ではありません。アメリカの方に時たまそう呼ばれると、悪い気はしません。民主政治の基礎を、日本人は、近代化を始めてこのかた、ゲティスバーグ演説の有名な一節に求めてきたからです。 農民大工の息子が大統領になれる──、そういう国があることは、19世紀後半の日本を、民主主義に開眼させました。 日本にとって、アメリカとの出会いとは、すなわち民主主義との遭遇でした。出会いは150年以上前にさかのぼり、年季を経ています。

第二次大戦メモリアル

 先刻私は、第二次大戦メモリアルを訪れました。神殿を思わせる、静謐な場所でした。耳朶を打つのは、噴水の、水の砕ける音ばかり。 一角にフリーダム・ウォールというものがあって、壁面には金色の、4000個を超す星が埋め込まれている。

 その星一つ、ひとつが、斃れた兵士100人分の命を表すと聞いたとき、私を戦慄が襲いました。 金色(こんじき)の星は、自由を守った代償として、誇りのシンボルに違いありません。しかしそこには、さもなければ幸福な人生を送っただろうアメリカの若者の、痛み、悲しみが宿っている。家族への愛も。

 真珠湾、バターン・コレヒドール、珊瑚海…、メモリアルに刻まれた戦場の名が心をよぎり、私はアメリカの若者の、失われた夢、未来を思いました。

 歴史とは実に取り返しのつかない、苛烈なものです。私は深い悔悟を胸に、しばしその場に立って、黙祷を捧げました。 親愛なる、友人の皆さん、日本国と、日本国民を代表し、先の戦争に斃れた米国の人々の魂に、深い一礼を捧げます。とこしえの、哀悼を捧げます。

かつての敵、今日の友

 みなさま、いまギャラリーに、ローレンス・スノーデン海兵隊中将がお座りです。70年前の2月、23歳の海兵隊大尉として中隊を率い、硫黄島に上陸した方です。 近年、中将は、硫黄島で開く日米合同の慰霊祭にしばしば参加してこられました。

こう、仰っています。

 「硫黄島には、勝利を祝うため行ったのではない、行っているのでもない。その厳かなる目的は、双方の戦死者を追悼し、栄誉を称えることだ」。

 もうおひとかた、中将の隣にいるのは、新藤義孝国会議員。かつて私の内閣で閣僚を務めた方ですが、この方のお祖父さんこそ、勇猛がいまに伝わる栗林忠道大将・硫黄島守備隊司令官でした。

 これを歴史の奇跡と呼ばずして、何をそう呼ぶべきでしょう。

 熾烈に戦い合った敵は、心の紐帯が結ぶ友になりました。スノーデン中将、和解の努力を尊く思います。ほんとうに、ありがとうございました。

アメリカと戦後日本

 戦後の日本は、先の大戦に対する痛切な反省を胸に、歩みを刻みました。自らの行いが、アジア諸国民に苦しみを与えた事実から目をそむけてはならない。これらの点についての思いは、歴代総理と全く変わるものではありません。 アジアの発展にどこまでも寄与し、地域の平和と、繁栄のため、力を惜しんではならない。自らに言い聞かせ、歩んできました。この歩みを、私は、誇りに思います。

 焦土と化した日本に、子ども達の飲むミルク、身につけるセーターが、毎月毎月、米国の市民から届きました。山羊も、2,036頭、やってきました。 米国が自らの市場を開け放ち、世界経済に自由を求めて育てた戦後経済システムによって、最も早くから、最大の便益を得たのは、日本です。

 下って1980年代以降、韓国が、台湾が、ASEAN諸国が、やがて中国が勃興します。今度は日本も、資本と、技術を献身的に注ぎ、彼らの成長を支えました。一方米国で、日本は外国勢として2位、英国に次ぐ数の雇用を作り出しました。

TPP

 こうして米国が、次いで日本が育てたものは、繁栄です。そして繁栄こそは、平和の苗床です。

 日本と米国がリードし、生い立ちの異なるアジア太平洋諸国に、いかなる国の恣意的な思惑にも左右されない、フェアで、ダイナミックで、持続可能な市場をつくりあげなければなりません。太平洋の市場では、知的財産がフリーライドされてはなりません。過酷な労働や、環境への負荷も見逃すわけにはいかない。 許さずしてこそ、自由、民主主義、法の支配、私たちが奉じる共通の価値を、世界に広め、根づかせていくことができます。

 その営為こそが、TPPにほかなりません。

 しかもTPPには、単なる経済的利益を超えた、長期的な、安全保障上の大きな意義があることを、忘れてはなりません。 経済規模で、世界の4割、貿易量で、世界の3分の1を占める一円に、私達の子や、孫のために、永続的な「平和と繁栄の地域」をつくりあげていかなければなりません。日米間の交渉は、出口がすぐそこに見えています。米国と、日本のリーダーシップで、TPPを一緒に成し遂げましょう。

強い日本へ、改革あるのみ

 実は・・・、いまだから言えることがあります。

 20年以上前、GATT農業分野交渉の頃です。血気盛んな若手議員だった私は、農業の開放に反対の立場をとり、農家の代表と一緒に、国会前で抗議活動をしました。ところがこの20年、日本の農業は衰えました。農民の平均年齢は10歳上がり、いまや66歳を超えました。

 日本の農業は、岐路にある。生き残るには、いま、変わらなければなりません。

 私たちは、長年続いた農業政策の大改革に立ち向かっています。60年も変わらずにきた農業協同組合の仕組みを、抜本的に改めます。 世界標準に則って、コーポレート・ガバナンスを強めました。医療・エネルギーなどの分野で、岩盤のように固い規制を、私自身が槍の穂先となりこじあけてきました。

 人口減少を反転させるには、何でもやるつもりです。女性に力をつけ、もっと活躍してもらうため、古くからの慣習を改めようとしています。

 日本はいま、「クォンタム・リープ(量子的飛躍)」のさなかにあります。

 親愛なる、上院、下院議員の皆様、どうぞ、日本へ来て、改革の精神と速度を取り戻した新しい日本を見てください。

 日本は、どんな改革からも逃げません。ただ前だけを見て構造改革を進める。この道のほか、道なし。確信しています。

戦後世界の平和と、日本の選択

 親愛なる、同僚の皆様、戦後世界の平和と安全は、アメリカのリーダーシップなくして、ありえませんでした。 省みて私が心から良かったと思うのは、かつての日本が、明確な道を選んだことです。その道こそは、冒頭、祖父の言葉にあったとおり、米国と組み、西側世界の一員となる選択にほかなりませんでした。

 日本は、米国、そして志を共にする民主主義諸国とともに、最後には冷戦に勝利しました。

 この道が、日本を成長させ、繁栄させました。そして今も、この道しかありません。

地域における同盟のミッション

 私たちは、アジア太平洋地域の平和と安全のため、米国の「リバランス」を支持します。徹頭徹尾支持するということを、ここに明言します。

 日本は豪州、インドと、戦略的な関係を深めました。ASEANの国々や韓国と、多面にわたる協力を深めていきます。

 日米同盟を基軸とし、これらの仲間が加わると、私たちの地域は格段に安定します。

 日本は、将来における戦略的拠点の一つとして期待されるグアム基地整備事業に、28億ドルまで資金協力を実施します。

 アジアの海について、私がいう3つの原則をここで強調させてください。

 第一に、国家が何か主張をするときは、国際法にもとづいてなすこと。第二に、武力や威嚇は、自己の主張のため用いないこと。そして第三に、紛争の解決は、あくまで平和的手段によること。 太平洋から、インド洋にかけての広い海を、自由で、法の支配が貫徹する平和の海にしなければなりません。

 そのためにこそ、日米同盟を強くしなくてはなりません。私達には、その責任があります。

 日本はいま、安保法制の充実に取り組んでいます。実現のあかつき、日本は、危機の程度に応じ、切れ目のない対応が、はるかによくできるようになります。

 この法整備によって、自衛隊と米軍の協力関係は強化され、日米同盟は、より一層堅固になります。

それは地域の平和のため、確かな抑止力をもたらすでしょう。

 戦後、初めての大改革です。この夏までに、成就させます。

 ここで皆様にご報告したいことがあります。一昨日、ケリー国務長官、カーター国防長官は、私たちの岸田外相、中谷防衛相と会って、協議をしました。

 いま申し上げた法整備を前提として、日米がそのもてる力をよく合わせられるようにする仕組み

ができました。一層確実な平和を築くのに必要な枠組みです。 それこそが、日米防衛協力の新しいガイドラインにほかなりません。昨日、オバマ大統領と私は、その意義について、互いに認め合いました。皆様、私たちは、真に歴史的な文書に、合意をしたのです。

日本が掲げる新しい旗

 1990年代初め、日本の自衛隊は、ペルシャ湾で機雷の掃海に当たりました。後、インド洋では、テロリストや武器の流れを断つ洋上作戦を、10年にわたって支援しました。

 その間、5万人にのぼる自衛隊員が、人道支援や平和維持活動に従事しました。カンボジア、ゴラン高原、イラク、ハイチや南スーダンといった国や、地域においてです。

 これら実績をもとに、日本は、世界の平和と安定のため、これまで以上に責任を果たしていく。

そう決意しています。そのために必要な法案の成立を、この夏までに、必ず実現します。

 国家安全保障に加え、人間の安全保障を確かにしなくてはならないというのが、日本の不動の信念です。

 人間一人ひとりに、教育の機会を保障し、医療を提供し、自立する機会を与えなければなりません。紛争下、常に傷ついたのは、女性でした。わたしたちの時代にこそ、女性の人権が侵されない世の中を実現しなくてはいけません。

 自衛隊員が積み重ねてきた実績と、援助関係者たちがたゆまず続けた努力と、その両方の蓄積は、いまやわたしたちに、新しい自己像を与えてくれました。

 いまや私たちが掲げるバナーは、「国際協調主義にもとづく、積極的平和主義」という旗です。

 繰り返しましょう、「国際協調主義にもとづく、積極的平和主義」こそは、日本の将来を導く旗印となります。

 テロリズム、感染症、自然災害や、気候変動──。日米同盟は、これら新たな問題に対し、ともに立ち向かう時代を迎えました。

 日米同盟は、米国史全体の、4分の1以上に及ぶ期間続いた堅牢さを備え、深い信頼と、友情に結ばれた同盟です。

 自由世界第一、第二の民主主義大国を結ぶ同盟に、この先とも、新たな理由付けは全く無用です。

それは常に、法の支配、人権、そして自由を尊ぶ、価値観を共にする結びつきです。

未来への希望

 まだ高校生だったとき、ラジオから流れてきたキャロル・キングの曲に、私は心を揺さぶられました。 「落ち込んだ時、困った時、・・・目を閉じて、私を思って。私は行く。あなたのもとに。たとえそれが、あなたにとっていちばん暗い、そんな夜でも、明るくするために」。

 2011年3月11日、日本に、いちばん暗い夜がきました。日本の東北地方を、地震と津波、原発の事故が襲ったのです。

 そして、そのときでした。米軍は、未曾有の規模で救難作戦を展開してくれました。本当にたくさんの米国人の皆さんが、東北の子供たちに、支援の手を差し伸べてくれました。

 私たちには、トモダチがいました。

 被災した人々と、一緒に涙を流してくれた。そしてなにものにもかえられない、大切なものを与えてくれた。

 ──希望、です。

 米国が世界に与える最良の資産、それは、昔も、今も、将来も、希望であった、希望である、希望でなくてはなりません。

 米国国民を代表する皆様。私たちの同盟を、「希望の同盟」と呼びましょう。アメリカと日本、力を合わせ、世界をもっとはるかに良い場所にしていこうではありませんか。

 希望の同盟──。一緒でなら、きっとできます。

 ありがとうございました。

 

4/30日経ビジネスオンライン 福島香織『郭伯雄も失脚、不安定化する中国 軍の長老排除の先は、江沢民追及かクーデターか』記事について

中国の権力闘争が熾烈さを増してきているという事です。習近平・王岐山は生き延びれるかという所です。勝てば太子党の天下がずっと続き、国民はひもじい儘です。(でも誰が政権を握ろうが政権に対するチエックが働かない共産党政権では国民は蚊帳の外でしょうけど)。以前述べたように上海派の大物・曽慶紅の逮捕が間近であるとすれば、流石に主席経験者の江沢民の逮捕はないと思いますが。過去には主席である劉少奇や華国鋒が文化大革命や四人組打倒の流れで逮捕や更迭されましたが。中国が動乱の時代でしたので。今はネットで瞬時に情報が駆け巡る時代です。いくら中国政府がネット遮断しても。

何清漣は『中国 現代化の落とし穴』の中で、「権銭交易」(quan2qian2jiao1yi4で権と銭の発音が似ているためこう言った)=「権力の市場化」と言って政治の自由がないのに、経済的自由が認められたたためポストが金で取引されるようになったことを批判しています。軍も官僚組織ですから当たり前で、昇進するためには上官に賄賂を贈らなければ如何に能力があろうとも上には行けません。まあ賄賂を贈る能力(当然部下から人事権を行使して賄賂を取り、それをかき集めて上官の賄賂とする)も含めた能力という事でしょう。ただ、周永康もそうでしたが、日本が賄賂で逮捕或は報道される額とは桁違いです。兆円単位ですから。

上海派打倒の後は団派との戦いとなれば、習・王が生き延びるのは難しいのでは。太子党には「血」の正統性しかありません。共産主義で「血」の正統性を訴えても笑われるだけです。北朝鮮の金王朝を相手にしない習近平が「血」を言うことは自己矛盾です。団派はそれに引き換え、共産党の思想を忠実に守ることを誓約して集まった組織です。(殆ど出世のためにフリをしているだけでしょうけど)。小生は共産主義が嫌いですのでどちらにも肩入れはしませんが。上海派の残党が狙うし、団派も追い込まれれば窮鼠猫を噛むでしょうから。

記事

 中国の権力闘争がますますきな臭い。いよいよ、郭伯雄・元中央軍事委副主席失脚の正式発表も秒読みのようだ。元中央軍事副主席で党籍を剥奪されて軍事法廷での起訴準備が進められているうち、膀胱がんで死亡した東北の虎こと徐才厚と並んで、西北の狼と称された江沢民時代から軍を牛耳っていた上将である。産経新聞の情報を信じるならば、北京市内で軟禁状態にあった郭伯雄を、杜金才・党中央規律検査委員会副書記が4月9日に訪ね、「双規」(党内における取り調べ、事実上の身柄拘束)を通告した、という。この情報を裏付けるように、解放軍七大軍区幹部らに9日に中央軍事委および解放軍規律検査委が郭伯雄とその家族に対する取り調べを決定したという通達があったとサウスチャイナ・モーニングポスト(20日付)も報じている。七大軍区幹部らは思想教育の名目でこの日、北京に召集されていた。米国に本部を置く華字ニュースサイト博訊によれば、郭伯雄は北京の秦城監獄に収容されているとか。

 徐才厚に続いて郭伯雄という解放軍元制服組トップ2の長老を排除したことは、習近平政権の今後にどのように影響を与えるのか、考えてみたい。

江沢民の代理人、不正蓄財100億元超、愛人多数

 郭伯雄とはどんな人物であったか。

 1942年、陝西省出身で16歳の時、地元の軍工場学徒労働者となる。3年の勤務満期後、解放軍陸軍第19軍55師団に配属、64年に兵役満期後も軍残留を認められ、幹部コースに昇進。実戦経験はないが、江沢民国家主席に見出されて、順調に出世し、解放軍総後勤部(装備部)部長、北京軍区副司令、蘭州軍区司令などを歴任。2002年には中央軍事委副主席となり、中央政治局委員、解放軍常務副参謀長まで務めた。

 徐才厚とならんで、江沢民が自分の軍内における権力固めに出世させた上将であり、解放軍における江沢民の代理人ともささやかれた。江沢民が総書記、国家主席、そして中央軍事委主席を引退した後も彼らを通じて解放軍に強い影響力を持ち続けたため、胡錦濤政権は事実上、ほとんど解放軍における実権を握れなかった。

 彼は、江沢民政権時代に軍内における利権をほしいままにしたと言われている。特に、すでに失脚している元総後勤部副部長の谷俊山(元中将)と組んで、大量の軍事用地を売りさばき、周永康(失脚済、元政治局常務委)や賀国強(引退、元中央規律検査委書記)と共謀して不正蓄財を謀ったとか。郭伯雄の蓄財額は2010年の段階ですでに100億元を超え、広東、福建、江蘇、北京、雲南、広西、陝西、甘粛などに100を超える不動産を所有。いずれも億を超える豪華マンション、別荘であったとか。しかも郭伯雄は精力絶倫であり、愛人を十数人も抱えていたとか。郭伯雄は自分のお気に入りの愛人を徐才厚を通じて軍の歌舞団に入団させてもいたとか。

こうした話は、博訊が北京の三つの異なるソースから確認したものだという。

 香港報道を総合すると、郭伯雄が問われるであろう罪状は主に三つあると言われている。まず谷俊山から郭家に大量の金品が賄賂として贈られていること。また郭伯雄の妻、秘書、息子も大量の賄賂を受け取っていると言うこと。三つ目は軍常務副主席として、軍全体の腐敗の責任を問われるということ。解放軍内では昇進に具体的な賄賂額が暗黙に決まっており、事実上の将官位の売買が行われていた。目下、郭伯雄だけでなく、妻、息子、娘、秘書らの立件も準備に入っているという。

 本来なら、今年3月の両会(全人代と政治協商会議、国会に相当)直後に、郭伯雄の失脚が公式に発表される予定だったらしいが、徐才厚の死によって延期になったと言われている。

“恩”ある徐才厚を非情に追い詰めた習近平

 習近平の軍の汚職退治では、最初に失脚させられた大物が谷俊山で、2012年からの谷俊山の汚職取り調べが本格化、その過程で徐才厚が谷から少なくとも3600万元の賄賂を受け取っていることが証拠固めされた。2014年6月、徐才厚が史上最高額の軍汚職容疑で逮捕された。ちなみに、徐才厚は逮捕当時、末期の膀胱がんであったが、それでも容赦なく厳しい取り調べが行われた。

 徐才厚は、習近平がまだ国家主席になる前、軍内における後見人役として習近平をバックアップし、習近平夫人で元軍属歌手(少将)の彭麗援とも親しい間柄であった。その恩ある徐才厚に対する習近平の非情さについては、徐才厚のかつての愛人が、今の習近平の弟・習遠平の妻・張瀾瀾(元解放軍属歌手)であるという私怨が関係していたのではないかと言われている。一説によれば、徐才厚は、江沢民に習近平政権の軍における後見人を頼まれてはいたが、「五年(一期)たったら、やめさせる」と郭伯雄に語っていたという噂が、軍内に広がっていて、それが習近平の耳に入っていたという話もある。

 ちなみに習遠平が、徐才厚の愛人だった張瀾瀾の清純な容姿に惑わされて、習家の大反対を押し切って「できちゃった婚」によって2008年に結婚を果たしたいきさつは、やはり元軍属の歌姫・湯燦(失脚済、服役中)の獄中記「我的壮麗青春」の中に妙に生々しく書かれていた。湯燦は、徐才厚や谷俊山、周永康、李東生、令計画ら習近平の反汚職キャンペーンで失脚した要人たちの間を渡り歩いた「公共情婦」とも呼ばれ、2011年12月に中央規律検査委の呼び出しを受けて以降、行方不明となっている。一時、要人の秘密を知り過ぎたために秘密裡に処刑されたという噂も流れたが、その後、湖北省の刑務所で米CIAに国家・軍事情報を漏らした罪などで服役中だと香港メディアが報じていた。その後、彼女の獄中記なるものが今年2月に出版されているが、これが本物か偽物か確かめるすべはない。

 徐才厚の失脚によって、郭伯雄は自らの身に危険を感じたので昨年7月、国外脱出を図ったと噂されている。7月14日夕方、南京軍区の軍事演習による管制という理由で北京と上海間の飛行機100機以上の離陸の取り消し遅延があり、道路封鎖やテレビやネットで情報統制も敷かれた事態があったが、この時ネットに流れた噂では、郭伯雄が女装して国外脱出を図ろうとしたのを取り押さえたのだと言われていた。後にこの情報はガセであるとわかった。だが、郭伯雄が次なる「大虎」であることは、この頃からほぼ確定していたという。

江沢民まで追及か、クーデターの懸念増幅か

 今年3月の香港誌「動向」によれば、郭伯雄の息子・郭正鋼(解放軍浙江省軍区副政治委員、少将)は9冊のパスポートを用意して海外逃亡を画策したのだが、その逃亡計画が実行される前の2月に逮捕されたという。郭正鋼と妻は、偽名で杭州から深圳までの飛行機チケットを買い、陸路で香港に入り、香港かスウェーデンに行く予定だった。だが、郭正鋼にはすでにひそかな監視がついており、計画は実行されないまま、規律違反容疑で逮捕されたという。この息子の逃亡計画失敗によって、規律検査委側は郭伯雄の拘束(双規)に踏み切ったという。

 「動向」の分析によれば、9冊ものパスポートを用意したというのは、かなり異常なことであり、徐才厚の逮捕、そして取り調べ中の死亡によって、郭伯雄一族がいかに危機感に焦っていたかがうかがえる。

 今後の予想としては、徐才厚や郭伯雄ら長老だけでなく現役国防部長の上将・常万全ら現役軍幹部にまで粛正の手が伸びるのではないかともいわれている。徐才厚失脚後から今年3月までの間に失脚した軍幹部は33人以上で、現役少将以上の軍幹部は14人以上という。それ以外にも100~200人が取り調べを受けているともいう。前国防部長で退役上将の梁光烈の失脚も近いと噂されている。彼も江沢民政権時代に南京軍区司令から総参謀部長に抜擢された江沢民派の大物軍人である。ひょっとすると、元中央軍事委主席で元総書記の江沢民にまで、習近平の反汚職キャンペーンの追及の手は伸びるのではないか、という憶測もある。

 こうした状況から、習近平政権と軍の関係についての見方はおおむね二つに分かれている。根強い江沢民派の軍長老・現役幹部の影響力、利権構造を根こそぎ排除した習近平は、自分のお気に入りの若手幹部を七大軍区などの主要地位につけて、解放軍内に新たな秩序を築いて軍の掌握をほぼ完ぺきにした、という意見。もう一つは、粛正の恐怖により表向きは習近平への忠誠をうたう軍幹部が増えているが、内心の不満はたまっており、これが一気に噴出する、つまりクーデターなどの懸念はむしろ高まっているのではないかという意見だ。

 ここで、気になるのは、胡錦濤に連なる李克強、李源潮、汪洋といった共産主義青年団派閥(団派)と、政権の主導力を握る習近平・王岐山グループとの対立との兼ね合いだ。

 薄熙来、周永康、徐才厚らと並ぶ「新四人組」の一人として汚職・規律違反で失脚した令計画は、実際のところ胡錦濤の腹心であり団派である。周永康との関係が失脚の原因と表向きは報道されるも、習近平の権力闘争の矛先が最終的には団派に向かっているということのシグナルだというのが一般の見方だ。

 普通ならば、次の党大会で現在の7人の政治局常務委員のうち5人が引退し、現在の政治局委員の中から繰り上げ昇進となるのだが、現政治局委員の実力派メンバーは団派、李源潮(国家副主席)、汪洋(副首相)、胡春華(広東省党委書記)らである。中でも胡春華は次期総書記、国家主席にもっとも近いポジションにいるといっていい。習近平としては、自分の後に総書記となる人間は、自分の意をくんだ腹心をつけたいはずで、そのためには胡春華つぶし、胡春華を次期総書記の座につけようと画策する団派勢力を抑える必要がある。これは江沢民政権時代の陳希同事件、胡錦濤政権時代の陳良宇事件を振り返るまでもなく、何度も繰り返されてきた権力闘争のパターンと言える。令計画の失脚後、次のターゲットは李源潮だといわれ、実際、李源潮の腹心らが次々と失脚している。

著者不明の『誰が習近平を謀殺するのか』

 習近平は解放軍内の江沢民派と長老排除を急速に進める一方で、次の党大会をにらんだ団派との権力闘争も激化させる、いわば二面作戦を展開している。いや、もっと言えばメディア・ネットの締め付け強化、ウイグル・チベットの少数民族弾圧強化なども進めている。習近平・王岐山の敵は国内だけでも数知れない。香港メディアによれば、2013年以降、習近平は6回以上、王岐山は十数回の暗殺未遂に遭っているとか。習近平の暗殺のうち2回は周永康が企てたものだとか。会議室に爆弾が仕掛けられたり、北京301病院に赴いたときに毒針をさされそうになったという。

 今年2月ごろ、著者不明の電子書籍『誰が習近平を謀殺するのか』がネット上に話題になったのだが、それは習近平政権の容赦ない反腐敗キャンペーンが恨みを買ったり、反習近平勢力の結束を生んだりして、政変、軍事クーデター、暗殺を引き起こす可能性がある、そう考えている人が中国共産党内部に増えていると訴えている。

 こういった言説を信じるべきか否かは、判断の難しいところだが、ただ表向きに喧伝されているように、習近平が順調に権力基盤を固め、軍の掌握を進めているというものではないだろう。むしろ、中国の政治も社会も天安門事件以来もっとも不安定な時代が到来しているといえそうだ。