12/17 ミアシャイマー教授公開講演要旨

「士気の会」代表の山田健司氏のメールから転載します。(許可取らずに掲載しております。山田さん申し訳ありません)。

地政学の大家のミアシャイマー教授ですが、地政学とはリアリズムに徹した学問です。Balance of powerを重視します。日本の左翼シンパに多い、意識的or無意識的に拘わらず現実を直視しない脳内お花畑の人達の考えとは全く違います。中国の台頭は歴史の必然、その阻止のためルトワックと同じようにロシアを日本の味方に付ける、核保有こそが日本の安全に繋がると言うのがミアシャイマー教授の言いたいことかと。

転載部分

◯Chinaの台頭の行方、ウクライナ危機の背景

・Chinaの台頭について

平和的な台頭はあり得ない。

中長期での経済成長継続を想定して検討している。

国家の生存を高めるため地域大国を目指す。その為に戦争も辞さず。

そもそも、国家こそ国際社会の主体であり、世界は無警察状態。

どんな国も生存のために強国を目指す。

米国も米国大陸での地域大国となってから、超大国となり他の覇権国を潰してきた。

Chinaも必ず真似る。

・ウクライナ危機について

実質は欧米対ロシアの戦い。主原因は欧米にあり。

ロシア勢力圏を侵し続けてきたNATO拡大への当然な防衛反応。

最大脅威はChinaであるのに、ロシアをChinaに寄らせてしまう米国の大失策。

しかもアジア重視といいながら、中東で手一杯でアジアで動けない。

日本は無核ながら周辺は核大国ばかり。国民に危機感があれば核保有も当然の選択肢。

ウクライナをみれば米国の協力確約は疑問。

Chinaが成長途上であるのがまだ助けであり、分析が外れるために成長鈍化を希望する。

12/17日経ビジネスオンライン 福島 香織氏『周永康は死刑になるのか?中国法治、権力闘争、その先は恐怖政治か』記事について

周永康が本当に死刑になるとすれば、権力闘争は激しくなるでしょう。彼以上に悪いのはいっぱいいる訳で、枕を高くして眠れなくなりますので。「虎も蠅も」と言っている習近平、追及の先頭に立っている王岐山だって周ほどではないにしろ賄賂を取っていることは中国人だったら誰でも知っています。そうしなければ権力の中枢には絶対行けませんので。受領拒否した時点で仲間はずれです。そういう清廉な人が出世を重ね、権力を握るのは中国の歴史では絶対無理です。『清官三代』なる言葉もあるくらいです。それでも日本の賄賂の額とは桁違いです。何清漣によれば「中国共産党は歴代王朝の中で一番腐敗が進んだ統治機構」だそうです。習が狙っているのは多分曽慶紅(上海派)でしょう。江沢民は実権を握っていなかったので。団派がどう動くか見物です。胡錦濤は党主席時代、上海派の横やりになす術もなく、自分の思いを実現できなかった恨みがあるので、上海派は潰したいと思っているはずです。しかし、習の独り勝ちを認めると次は彼らの番になりますので兼合いが難しいです。軍を団派が取るか、習近平が取るかで決まるでしょう。上海派の復活はないでしょう。彼らは共産党のエリート(団派)でも太子党(革命の相続人)でもなく、天安門事件の後に鄧小平から選ばれた利権集団ですので正統性がありません。もっと言えば時代の遺物である共産党なんて正統性があるはずがありません。悔しかったら中国でも真の民主選挙をしたらどうでしょう。香港にすら与えないのですから。多様な価値観を認めない社会は、この科学が進んだ世界にあっては長い目でみれば存続できません。

記事

かつて中国で警察・武装警察権力のトップにいた元政治局常務委員の周永康の党籍剥奪と逮捕がこのほど、ついに発表された。周永康については、元重慶市党委書記の薄熙来失脚に連座する形で転落への道筋が見えてはいたが、党籍剥奪と司法機関への身柄送致の正式発表を聞くと、さすがに習近平政権はここまでやりきったか、という感慨がわいてくる。しかも、その容疑の中に収賄などと並んで、女性関係、党と国家の機密漏洩といったきな臭いものが並び、「反党的な重大規律違反」を犯したという。国家機密漏洩がかかわっているとなると、おそらくは周永康の裁判は非公開となるのではないか。薄熙来は中国の法治国家ぶりをアピールする見世物サーカス的な公判で、結局は執行猶予付き死刑という判決であったが、新華社や人民日報の報道ぶりをみれば、周永康については死刑判決が出るのではないか、という憶測も流れている。周永康の死刑はありえるのか、考えてみたい。

党員は厳格な規律を要求され、それ自体が党の本質

新華社で周永康の処分が発表になった後、人民日報の微信アカウントが出した論評がすこぶる厳しく、周永康死刑説の裏付けになっている。以下抄訳をあげる。12月5日、習近平の虎狩りはさらに劇的な状況を更新した。中央政治局会議は中央規律検査委「周永康に関する重要規律違反審査報告」を審議、採択し、周の党籍剥奪とその犯罪容疑について、司法機関に身柄を送致することを決定。中央が発表した周の紀律違反行為の中で、「重大な反党的政治紀律、組織紀律、秘密保持紀律に違反した」「党と国家の機密を漏えいした」という部分は注目に値するだろう。かつて政治局常務委として、国家指導部幹部として、周が党と国家のどんな機密を誰に漏洩したというのか? 党の政治紀律、組織紀律、秘密保持紀律とはどのようなものか? 目下は知るすべもないが、周がしでかしたことは、党の歴史においてかつて出現した「叛徒」と大した差はないだろう。中国共産党と世界の多くの政党は同じではない。党員は厳格な規律を要求され、それ自体が党の本質であり、長期の闘争の経験における総括なのだ。このため、今日の入党誓詞の中に、「党の秘密を守る」「永遠に党に謀反を起こさない」「党への忠誠」「常に党と人民のために一切の犠牲を払う覚悟」などの言葉が散見するのである。党史上、多くの命を懸けて信条を守る誓いがあり、党の秘密を守った英雄的人物があった。しかし、敵の拷問に耐えられず、誘惑に負けて変節した叛徒もあり、その中には党の高級幹部も少なくなかった。…

こういう論評とともに、1930年代に党中央秘密特務組織の責任者でありながら国民党に投降し大量の党機密を漏えいした顧順章など党歴代の叛徒5人の名前を列挙している。「叛徒」「売国奴」というのは、中国共産党政治において死刑に値する罪であり、フェニックステレビなどが、この激しい論評が何を意味するのか、盛んに取り上げて解説している。「周永康が叛徒であると決めつける文章のあと、中国共産党史上の高級幹部叛徒5人の名を列挙し、その5人がいずれも死刑になっている。…では、この5人が例外なく死刑になっているということは、周永康の最後はどうなるのか? 非常に意味深な文章である」

巨額汚職、愛人たちが情報収集

ところで周永康はいったい何をしたと言われているのだろうか。もう一度整理してみたい。まず巨額汚職である。これまで中国メディアに報じられているところを総合すると、周永康は石油企業トップから政界入りし、党中央に石油閥を形成し、石油企業との癒着により巨万の富を得ていた。その汚職規模は数千億元に上るといわれている。また四川省の書記時代に築いた人間関係を四川閥と言う形でまとめあげ、後に周が中央政法委員会書記(公安・武装警察のトップ)の地位につくと公安関係人事も把握し、石油閥、四川閥、公安閥、そして彼の秘書経験をもつ側近たちのグループを束ねて、広範囲の利権グループを掌握していた。また家族・親族、友人、愛人たちを汚職や情報収集の手駒にも使っていた。中でも「百鶏王」と呼ばれる精力絶倫の周永康には大勢の愛人がおり、その中には軍属歌手で習近平国家主席夫人の彭麗媛の妹分にあたる湯燦や、CCTVの美人キャスター葉迎春、沈冰といった軍や報道の中枢にいる女性たちも多くいた。こういった女性たちをパイプに使い、軍との関係強化やメディアコントロールも行っていたと見られている。

また殺人容疑も噂されている。周永康の最初の妻・王淑華は不審な交通事故で死亡。これは周永康が仕組んだ謀殺ではなかったかといわれている。もちろん、裏のとれていない話ではあるが、当時、周永康は別の愛人と付き合っており、その愛人が今の妻でCCTV編成部に勤務していた賈暁燁で、彼女が妊娠した(後にウソだとばれた)と言ったことから、いつまでも離婚してくれない王淑華を殺害したというのがもっぱらの噂である。一説によると賈暁燁が、江沢民の妻の王冶平の妹の娘であり、江沢民の親戚になり中央権力へのコネを得るために、周永康が長年連れ添った妻を殺害したという見立てもある。

殺人容疑、クーデター首謀、機密漏洩…

周永康の妻が江沢民の親族であるという噂はかねてから流れていたが、それが最初の妻か二番目の今の妻かは情報が錯そうしていた。以前、このコラムでは王淑華が王冶平の姪であるという噂を紹介したと思うが、最近信じられているのは、四川省党書記時代の周永康に2001年に後妻に入った賈暁燁が、周永康と江沢民をつなげる女性であったという話である。また彼女の姉・賈暁霞は、中国石油カナダ支社の首席代表というポスト(現在離職、行方はしれず)についており、周永康事件の石油閥汚職に連座しかねない立場にある。そして、すでに失脚、服役中の薄熙来とともに、習近平政権からの権力奪取の計画に加担していたという噂がある。いわゆるクーデター首謀説である。もし「反党的」と言われる謀反の疑いがあるとしたら、このことではないか、とみられている。これらの容疑はすでに、中国メディアでも海外メディアでもふれられていたが、新華社発表では「党と国家の機密漏洩」という、いままでにあまり聞かなかった容疑がふくまれている。これは、何を指すのか。一つ推測されるのが、2012年6月にブルームバーグが報じた、習近平ファミリーの不正蓄財疑惑で、習近平の姉らが3.76億元を蓄財しているというスクープだ。この報道が習近平の逆鱗に触れ、ブルームバーグが強制捜査を受けたことはすでに報道されているとおりである。ブルームバーグのネタ元は、香港紙蘋果日報が報じているように李東生・元公安副部長(失脚済)らしい。李東生は元CCTV局長でテレビマン時代に周永康にCCTV美人キャスターらを愛人にあっせんした功績で、公安副部長に取り立てられた周永康の側近中の側近。また同じキャスターの愛人を共有する“義兄弟”関係にあり、また周永康と賈暁燁を引き合わせて結婚させた“仲人”とも言われている。李東生に習近平スキャンダルをブルームバーグに流させたのが周永康ではなかったか、と言われている。

もう一つは、2014年1月に世間を騒がせた「中国オフショア金融の秘密」報告。これは国際調査報道ジャーナリスト連合に匿名で送り付けられたデータを連合に加盟するメディア記者たちが手分けして裏をとり、習近平や温家宝の親族がどれほどの財産を租税回避地のオフショア金融に隠し持っていたかを報じたもの。誰がこの特ダネデータを送り付けたかは不明ながら、このオフショア金融リストに、当然入っているはずだと思われてきた江沢民、周永康、曽慶紅の名前が入っておらず、上海閥、つまり周永康筋がネタ元であるという推測はされていた。

愛人のスパイ容疑もリンクか

もう一つ興味深いのは、今年に入って、周永康や徐才厚・元中央軍事委員会副主席(失脚済)らの愛人であった軍属歌手の湯燦が、実は生きていて国家機密漏洩などのスパイ容疑で懲役15年の判決で服役中という情報が相次いで香港メディアに流れたことである。彼女については拙著『現代中国悪女列伝』(文春新書)でも紹介しているが2011年12月以降、突如行方不明となっており、秘密裡に処刑されたという噂も流れていた。だが、周永康の処分が発表される前後から香港紙で彼女が実は生きており、湖北省武漢の刑務所に服役中で、囚人たちに声楽指導をしているという情報が流れ始めた。報道によると、彼女は軍や党の幹部との愛人関係を通じて得た、中南海内の最高指導部の居宅や事務所の地図、軍事・経済情報を米国に渡していたという。彼女は米国に遊学中に、米国から工作員としての教育を受けたという話も伝えられている。 また最近、湯燦が周永康の秘書の一人・余剛(失脚し服役中)と同棲していたという情報も流れており、彼女のスパイ罪と周永康の国家機密漏洩がリンクする可能性もあるかもしれない。

在米亡命華人学者の何清漣氏が自分のブログでこんな指摘をしている。「少し前に中国が反スパイ法を発表し、すべての兆候からみると周永康が極めて重い刑を受ける可能性はあるだろう。類似事件ではこの10年以上の間、中共高官で外国への機密漏洩で死刑に処せられたのは劉連昆少将だけ。台湾に情報を漏らしたかどで1999年に死刑にされた。ほかに姫勝徳少将がアモイ遠華密輸事件で軍事情報を売って2000万以上の暴利を得たという事件では、検察側は収賄、汚職、公費横領罪など多数の罪名で起訴したが、軍事法廷一審では執行猶予付き死刑だった。姫勝徳の量刑はその父親が共産党元老の姫鵬飛であることを考慮し処置を軽減したものと思われる。周永康が、これまでの共産党の暗黙のルール“常務委員は罰せず”を考慮するかどうかによってその刑の重さが決まる」

恐怖政治の始まりか、権力闘争は続く

文革の終結とともに江青ら四人組が逮捕され1981年に裁判が行われたが、江青は死刑にはならなかった。この裁判について人民日報などは当時「法治国家到来の始まり」と評価している。とすれば、周永康に死刑判決が出るようなことがあれば、文革以前に戻るという言い方もできるかもしれない。“常務委員は罰せず”という最高権力者だけが優遇される暗黙のルールがなくなり法の平等が実現するというよりは、共産党体制内に、不満分子が増え、“死刑”という厳しい見せしめ無しでは、党の団結が守れない“恐怖政治”時代に入ってきたともいえないか。だが、実力を伴わない強権の発動は、内なる敵をさらに増やす可能性もある。周永康事件で江沢民氏の連座は免れたとしても、胡錦濤の大番頭と呼ばれた令計画・党中央統一戦線部長への包囲網はじりじりと狭まっているという話も聞く。反腐敗キャンペーンを建前にした権力闘争はまだ続くはずだ。こういう状況で、周永康事件は、中国法治の行方と共産党体制の盤石さを占う上でも重要な裁判になりそうだ。

12/11日経ビジネスオンライン 鈴置高史『閉塞感広がる韓国社会  「分水嶺の韓国」を木村幹教授と読む』について

日経記者の鈴置高史氏は日経の記者の中で春原剛氏と共に反日に染まっていない優れた記者です。鈴置氏の書いた『中国に立ち向かう日本、つき従う韓国』を読みましたが日米韓の問題を浮き彫りにした素晴らしい著作です。日経は経済専門紙のように思われますが、政治記者の汚染度はひどく、例の「富田メモ」なるものを全文掲載せずに憶測で報道したりしています。本日(12/17)の日経1面で秋田浩之記者が「安倍政権への注文」の中で「経済を入口に  ならば、まずは経済交流の「血液」を循環させ、日中関係の体温を上げつつ、首脳交流を回復していくのが次善の策だ。その間、衝突を防ぐため、危機管理の体制づくりも急ぎたい。従軍慰安婦問題でぶつかる日韓関係にも、同じことが言える。すぐに打開できないなら、とにかく経済から、両国の氷を溶かすしかない」と述べております。今の世界の国際力学が全く分かっていません。現在武力を用いての戦争は国際世論のバッシングに遭い、なかなかできません。アメリカ、ロシアがやっているのは局地戦です。それで各国は通商外交で「武器なき戦争」を戦っているのです。韓国が以前外交通商部を持っていたのはそれが分かっていたからです。日本を慰安婦問題や南京虐殺で貶め、不道徳な民族の烙印のイメージを世界に広めることで直接戦争しなくても彼らには強い日本製品へのダメージを与えることができます。そこが丸きり秋田氏というか大半の記者が分かっていません。相手国を経済的に富ませればそれが軍事力の拡大に繋がることが脳内お花畑の人達には見えないのです。日本は「中国・韓国と付き合わなくても経済的に困ることはない」ことを三橋貴明氏が論理的に証明しております。両国とも法治国家でなく暴力団国家です。個人で考えれば誰がヤクザに進んでみかじめ料を払いますか?自分の家の名誉を傷つける輩と付き合いたいと思いますか?今度の衆院選で自民党が圧倒的に支持を受けたのは他の政党では中韓にまともに対峙できないという国民の判断があったからです。中韓と経済面で付き合って日本にいいことは少しもありません。技術をパクられ、低価格・不安全な商品が日本に流入してきます。池尾慶大教授は「経済成長は資本の投入、労働力の投入、生産性の向上よりなる」と言っております。田村日経記者の言うように中国での工場を日本に回帰させ、池尾教授の言う3要素を伸ばすようにするのが正解と思います。

記事

韓国社会に急速に広がる閉塞感。木村幹・神戸大学大学院教授と読み解く(司会は坂巻正伸・日経ビジネス副編集長)。

名門大学も就職難

木村:2014年9月、高麗大学で1カ月間教えました。「韓国の早稲田」と言われる私立の名門校です。韓国の大学からは時々、講義を頼まれるのですが、以前と比べ、学生に元気がなくなったとの印象を強く持ちました。ひとことで言えば、閉塞感が漂っているのです。直接的な原因は卒業しても職に就けないことです。高麗大学は大規模の大学の中では一番就職率が高いのですが、それでも70%に達しません。非正規職を入れてです。3分の1弱の学生に職がないのです。 ただ、若者の就職難は5年ほど前――李明博(イ・ミョンバク)政権の時も同じでした。しかし、当時の学生はまだ、何かしらの希望を持っていた気がします。例えば、次のような感じです。入るのは難しいけれど、サムスン電子のような大財閥に入れば前途が大きく開ける。財閥企業は世界の強豪の一角として、成長し続けているのだから……。財閥に入らなくともベンチャー企業を起こせばよい。韓国は世界に誇る情報技術(IT)を持っているのだ……。彼らはこう考えていたのです。でも今や、財閥企業のフラッグシップたるサムスン電子でさえ、中国企業に押され、かつての勢いがなくなりました。 ベンチャーの方はもっと深刻かもしれません。一時期もてはやされたITベンチャーブームは、すっかり過去のものとなりました。その象徴が、ベンチャーの旗手的存在だった安哲秀(アン・チョルス)氏の権威失墜でしょう。政界入りして以降の彼は、人が変わったかのように輝きを失ってしまいました。

盛り上がらなかったアジア大会

–韓国の若者は元気がいい、というのが日本での通説でした。米国や中国の大学に、日本人とは比べものにならない大量の若者が学んでいます。

木村:「グローバル化」に関しても挫折感が広がっています。確かに韓国からは、大量の学生が米国や中国に留学します。でも当然ながら、すべての人が外国で成功できるわけではありません。海外で取得した学位を持っている人も増えましたから、希少価値も減りました。苦労して海外で勉強しても、韓国で簡単に就職できる状況ではなくなっています。だからこそ、不景気もあいまって韓国から留学する人の数さえ、この数年間、減少を続けています。韓国の若者は「脱出口をどこにも見いだせない」状況に陥っています。だから強い「閉塞感」を抱いているのです。

鈴置:若者だけでしょうか。

木村:「閉塞感」は韓国社会全体に広がっています。2014年9月から10月に仁川でアジア競技大会が開かれました。韓国でのアジア大会は1986年のソウル、2002年の釜山に続き3回目です。でも、今回は全く観客が集まりませんでした。韓国人からも「これだけ盛り上がらないのは予想外だった」との声があがりました。アジア大会はしょせん“ローカルな大会”だから、というのも原因でしょうが、それだけでは説明できません。今回の大会では南北が対決するサッカーや、韓国選手が大活躍するアーチェリーなど見どころがいくつかありました。注目すべきは、そのような会場にも観客がさほど集まらなかったことです。

「突破口」がない

鈴置:それはニュースですね。韓国選手が金メダルを取りそうな競技を韓国人が見に行かないとは。

木村:簡単に言えば、今の韓国人はスポーツイベントを通じてさえ、夢を見ることが難しくなっているのだと思います。 2002年のワールドカップでは「テーハンミング(大韓民国)!」と叫ぶ人々がソウルの中心街を埋め尽くしました。当時の韓国人は躍進する韓国チームに、自らの将来を重ねて興奮したのです。それに比べ、今の韓国人は明らかに白けています。

鈴置:ワールドカップは1997年の通貨危機の少し後でした。韓国社会には「国も個人も大きな犠牲を払いながら、力を合わせ危機から脱出した。世界よ、見よ」――との高揚感がありました。

木村:あの頃と比べ、今は韓国という国家の信用も高まったし、経済規模も飛躍的に拡大しました。でも、皮肉なことに国の安定感が増すと同時に、閉塞感も高まっているのです。

–なぜでしょうか。

木村:韓国は大きく、強くなりました。しかし「突破口が見いだせない」という、これまで経験しなかった悩みに直面しているのです。

タプタプハダ

鈴置:通貨危機の脱出法は自明でした。金融部門の不良債権を処理し、ゾンビ企業を潰し、残った企業も従業員を整理解雇する――。大きな苦痛を伴いましたが、進むべき道は分かっていました。実行力の有無だけが問題でした。韓国人の自信の源泉である、1960年代以降の急速な経済成長は、もっと簡単でした。すぐ隣に日本というお手本があって、その通りにすればいいのですから。でも、今抱えるのは「解決策が見当たらない問題」ばかりです。朝鮮日報の楊相勲(ヤン・サンフン)論説主幹のコラム「タプタプハダ」(韓国語、10月30日)が、それを鮮明に描いています(注1)。

(注1)この記事は朝鮮日報の有料会員だけが読める。

「タプタプハダ」という韓国語の形容詞は、日本語の1つの言葉には置き代えにくいのですが「心配事があるのだが、解決する方法もないのでますます憂鬱になる」といったニュアンスです。コラムの骨子は以下です。

中国製スマートフォンに負ける

•韓国が世界に誇ったスマートフォンも、中国の無名の企業が恐ろしく安い価格で売るようになった。産業研究院は4年以内に半導体と自動車を除いた全産業が中国に追い越されると予想している。

  • 1990年前後に生まれた子供は、小学校に入る頃、通貨危機に出会った。高校を卒業する頃、リーマンショックを経験した。受験地獄を乗り越えて入った大学を卒業しても、いい職に就くのは難しい。これが世界最低の出生率と、世界最悪の高齢化を生み出している。

•過去10年間で廃業した自営業は800万社に肉薄する。韓国銀行総裁は「家計負債が1000兆ウォン(約108兆円)を超え、消費を委縮させる段階に至った」と診断する。

•ある経営者は「我が国はピークを越えたようだ」と言う。国内外ともに低成長の今、官僚も「打てる政策手段はない」と打ち明ける。

•一時は世界で11位の規模だった韓国経済が15位に後退した。ブラジル、ロシア、インドに抜かれたのだ。さらに落ち込むのは時間の問題だ。

–問題は中国からの追い上げと少子高齢化で未来がない、ということですね。

高齢化への備えがない韓国

鈴置:ええ。いずれの問題も「未知との遭遇」です。韓国は日本の産業構造と技術を模倣することで成長を実現しました。常に追う側だったのですが、初めて追われる側に回ったのです。今度はお手本にすべき青写真がありません。ことに追撃者が巨大な中国ですから、恐怖感もひとしおでしょう。後者の少子高齢化も日本が“先輩”なのですが、その日本にも解決策がない。ことに韓国は公的年金や介護保険など、高齢化への備えが不十分です。このままでは国全体が、日本とは比べものにならない悲惨な状況に直面することは目に見えています。 楊相勲論説主幹が自営業の廃業数に触れたのは理由があります。韓国の民間企業の社員は、多くが50歳代半ばで退職を余儀なくされます。しかし、年金だけでは生活できない人がほとんど。そこで慣れない自営業に手を出し、失敗するケースが相次いでいます。大量の廃業は少子高齢化問題の、韓国独特の症状なのです。膨れ上がる家計負債を指摘したのは、低成長で所得が増えないため借金する人が増え、社会問題になっているためです。低成長も少子高齢化が最大の原因です。このところ、韓国紙に「タプタプハダ」を訴えるコラムが増えていました。ただ、韓国人は喜怒哀楽が極端です。新聞も一喜一憂します。昨日「韓国経済は絶好調」と書いていた新聞が、今日は「お先真っ暗」と嘆くのです。韓国紙を額面通り受け取ると間違えます。しかし、楊相勲論説主幹がそう書いたので「閉塞感は一時的な感情論ではなく、根深い問題になったのだな」と確信しました。楊相勲論説主幹は韓国には珍しく、情緒に流されないで記事を書く記者だからです。

財閥の総帥は悪者

木村:今回のソウル滞在中に驚いたことがあります。それはサムスン電子の李健熙(イ・ゴンヒ)会長の入院を、多くの韓国メディアが大事件として報じていたことです。会長の健康回復を、普通の韓国人が心から祈っているように見えました。

鈴置:興味深い観察ですね。韓国で財閥のオーナーは“悪者”。李健熙会長の父親で、サムスングループの創業者の李秉喆(イ・ビョンチョル)氏が1987年に亡くなりました。この時、ほとんどの韓国紙は訃報を1面トップで扱いませんでした。 その少し後に松下幸之助氏が亡くなったのですが、日本の各紙は当然、1面トップ。対照的な報道ぶりでした。当時ソウルに住んでいた私は、日本をよく知る、韓国有力紙の編集局長に「日本における幸之助の存在よりも、韓国における李秉喆の存在の方がはるかに大きい。だのになぜ、1面トップにしないのか」と聞いたものです。答えは「確かにそうだが、韓国では財閥は政権と癒着して儲けた悪い奴、というイメージが強い。大きく扱えば、読者から必ず反発を食う」でした。

木村:鈴置さんの指摘通り、韓国では財閥の総帥は「悪い奴」として扱われてきました。でも、今では多くの韓国人が「李健熙会長後のサムスン」に懸念を抱き、このカリスマ経営者の回復を心から祈っているのです。「この先どうなるか分からないのに、これでサムスンまでこけたら大変だ」という韓国人の不安が現れているように思います。

「人口オーナス期」に突入

–少子高齢化はもっと前から予測できたのではありませんか?

鈴置:その通りです。グラフは『老いてゆくアジア―繁栄の構図が変わるとき』を書いた日本総研の大泉啓一郎・上席主任研究員が作ったものです。グラフ1を見ると、日本と同様に韓国で急速な高齢化が進んでいることが分かります。

グラフ1:日中韓の高齢化率の比較

comparison of elderly rate

グラフ2からは、人口構成が経済成長にマイナスの影響を与える「人口オーナス」の時期に韓国も突入し始めたことがよく分かります。働かない年代の人口の数を働く年代のそれで割った「従属人口比率」が底を打ったのです。

グラフ2:日中韓の従属人口比率の推移(中位推計)

subordinate population rate

大泉さんは「韓国の専門家が真剣な顔で日本の状況を聞いてくるようになった」と語っています(「日本より重い『日本病』に罹る韓国」参照)。2012年には韓国の一部メディアも、日本の例をあげて警告を発しました(「『日本病にかかった』とついに認めた韓国」参照)。卸売物価上昇率も前年同月比で、2012年9月から2014年5月まで20カ月連続でマイナスを記録するなど、明らかに少子高齢化の症状が出ていました。ただ、その警告は世論に火を付けませんでした。「日本を追い越した」と韓国メディアは大声で謳いあげていたので「あの落ちぶれた日本と同じ道をたどる」ことを意味する予測は嫌われたのです。

「下り坂の韓国」に気づく

木村:韓国人は言わば「坂の上の雲」を目指し、ひたすら走ってきました。それは日本の背中を追うことでもあったのですが、ある日突然、前を走る日本の姿がかき消えた。 おかしいな、と思いながら走り続けていると突然、下り坂を降りていく――人口減少という名の坂を転げ落ちている――日本が視野に入った。「ああ、自分も今、峠を越えたのだ、後は下るしかないのだ」と、ようやく気がついた感じでしょうか。

鈴置:保守論壇の大御所、朝鮮日報の金大中(キム・デジュン)顧問も2014年11月11日に「韓国の行き詰まり」を書いたのですが、そのコラムの見出しが、まさに「我々は下り坂を行く」(韓国語)でした(注2)。(注2)この記事は朝鮮日報の有料会員だけが読める。なお、韓国の高齢化のスピードはこれから加速するので、“下り坂”では日本を追い越してしまうかもしれない、との恐怖感が韓国の専門家の間には生まれています。

セウォル号のトラウマ

–ではなぜ、少子高齢化が今になって、ようやく語られ始めたのでしょうか。

木村:現在の韓国の不安感、閉塞感の「公論化」のきっかけは、2014年4月の旅客船「セウォル号」沈没事件だと思います。

鈴置:悲惨な事故でした。テレビが中継する中、300人以上を乗せた船がなすすべもなく沈んでいく。多くは高校生で、船長以下多くの船員がわれ先に逃げ出す中、「船に留まれば安全だ」との指示を無心に信じて死んでいったのです。

木村:「若者が死んでいくというのに何もしてやれない」という無力感が国全体を覆いました。韓国の人たちが自らの国を見つめ直す、大きな契機になったと思います。

鈴置:韓国のメディアは「発展途上国型の事故だった」と声をそろえました。転覆しやすい構造に改造しても、簡単に荷崩れするやり方で貨物を積んでも、国の検査を通っていた。救命ボートも使える状態にはなかったのに、これも検査をパス。 そして船長以下の船員は乗客に向かって「船内にいれば大丈夫」と言い残して先に逃げたのです。救命ボートを使えないことが発覚するのを恐れたためだ、と指摘した韓国紙もあります。これら一連の無責任な行動に対し、韓国人は「我が国は一流の先進国になったはずではなかったのか」と怒り始めたのです。

より攻撃的になる韓国人

木村:事故の処理でも韓国人のトラウマは広がりました。国会で真相究明委員会を立ち上げようとしたのですが、一部の強硬な遺族の要求もあって、与野党は半年間近くも委員会を構成できなかった。その間、国会は完全にマヒし、経済活性化など緊急に処理せねばならない重要法案はたなざらしになりました。韓国人はここでも「我が国は本当に大丈夫なのか」と考え込みました。セウォル号による極めて深刻な「社会的ショック」を契機に、韓国人は少子高齢化や中国の追撃といった、これまであまり目を向けてこなかった問題に関して議論を始めたのです。

鈴置:木村先生と同じ時期に訪韓し、韓国の記者から「閉塞感の蔓延した韓国」を聞いた日本の専門家がいます。韓国記者は「この重苦しさを振り払うために、韓国人は攻撃的になるだろう」と予測したそうです。

閉塞感のはけ口は?

–今以上にですか? さらに反日をやるのですか?

鈴置:反日も続けるでしょうが、それに限らないと思います。政権としては、閉塞感へのはけ口が自分に向かないようにできるのなら何でもいいのです。歴代政権の定番の手口ですが、前の大統領を叩こうと考えるかもしれません。あるいは国内の左翼集団の“陰謀”を暴き、北朝鮮に対する国民の怒りに火を付ける手もあります。

木村:「反日」は今や、国内的に人気のあるテーマではない――正確には「あまりにしばしば用いられたために、飽きられつつあるイシュー」になってしまいました。朴槿恵(パク・クンヘ)政権が使うとしたら「北朝鮮カード」ではないかと思います。このところ韓国政府の対北政策が強硬姿勢に振れており、南北関係は悪化しつつあります。国民の「憂さ晴らし」を実行するにはちょうどいい環境が生まれつつあります。

 

決断できない大統領

–対北強硬策をさらに強める可能性があるということですね。

木村:ええ。ただ、こうした機会主義的ではあるものの、政権にとっては合理的でもある判断を、今の韓国政府が実行に移せるかは疑問が残ります。北朝鮮カードを使うなら「セウォル号事件」で政権批判が高まっていた時にこそ使うべきだったのに、そうはしなかった――あるいはできなかったのです。少子高齢化や中国の追い上げなどの経済問題も同様です。2013年2月に発足して以来、大統領選挙で公約したことを含めて、この政権は大きな成果をほとんどあげていません。 もちろんこれらは難問です。だから解決するには利害対立を調整する強いリーダーシップが必要なのです。ただ、朴槿恵大統領がそれを発揮しているとは見られていません。この「何も決断できない」朴槿恵大統領への不安こそが今、韓国社会で膨れ上がる閉塞感の温床になっているのだと思います。 はたして、分水嶺にある韓国をいい方向に引っ張っていく指導力が朴槿恵大統領にあるのか――。韓国の人々は今、青瓦台(大統領府)を不安の眼差しでじっと見つめているのです。

(次回に続く)

 

 

 

12/14産経ニュース 田村 秀男『日本企業は中国に見切りを』 記事について  

産経の田村記者の記事です。彼は元日経記者ですが日経とは肌が合わなかったのでしょう。日本のマスコミは狂っていますから。他社から産経に移ったのは古森義久氏、伊藤正氏がいます。中国批判の記事は日経では書きにくいのがあるでしょうから。日経は経団連の御用新聞で、経団連が中国進出を煽っていました。中国と言うモンスターを造り、軍事力で日本を制圧しようとする意図を持たせるまでの力を与えたのは間違いなく彼らです。「恥を知れ」と言いたい。会社のトップ連中の集まりがこの程度です。幕末から昭和にかけて真のエリートはいましたが、今は存在しません。自分のことと金儲けだけ。愛国的経営者は殆どいません。三島が言った「無機的な、からつぽな、ニュートラルな、中間色の、富裕な、抜目がない、或る経済的大国が極東の一角に残るのであらう。」の予言の通りです。

日本人が豊かさを実感できるよう田村記者が言うように中国進出している日本企業は中国から撤退し、日本に工場を作るべきと思います。「海外で稼いだ金は日本人には分配できない」と考える経営者は自分を生んでくれた大地に対して感謝の念が足りません。

記事

今から29年前の1985年9月、ニューヨーク・セントラルパーク脇のプラザ・ホテルで日米欧5カ国の財務相・中央銀行総裁が集まって、ドル高是正で合意した。外国為替市場では円高ドル安が急速な勢いで進行していく。日本の某新興不動産業者一行はナマオケ楽団を引き連れ訪米し、夜はホテルで演歌に興じながら全米を回り、物件を見つけては札びらを切って買い漁った。米側は、日本企業に押されていた自動車や半導体・スーパーコンピューターなどハイテク部門で巻き返そうと躍起になっていた。円高ドル安に加えて、中央情報局(CIA)まで動員して半導体の海外市場のデータを収集して日本の半導体業界のダンピングの証拠をそろえ、通商法を活用して制裁条項を発動するほど徹底していた。結果は、日本の自滅同然だった。不動産業者はことごとく米市場で巨額の損失を出し、軒並み撤退。日本経済自体は成り上がり企業の失敗談で済むはずはなかった。

日銀による金融緩和マネーは株式や不動産市場に流れて、バブルを膨張させ、90年代初めに崩壊。今なお脱し切れていない慢性デフレの淵源(えんげん)はプラザ合意にあると言ってよいだろう。それほど、通貨水準の変更は一国の運命を狂わせる可能性がある。そこで、少し気になったのが、最近の急速な円安ドル高の進行だ。過去の円高期に大変な勢いで日本企業が中国に進出した。その通貨、人民元の方はドルに対して小刻みに上昇している。アベノミクスが始まって以来の1円当たりの元相場と、プラザ合意後の1ドル当たりの円相場の推移を照合したのがグラフである。円・元のトレンドはかなりの程度、プラザ合意後のドル・円に似通っている。プラザ合意当時の日本は今の中国、米国は日本とでも言うべきか。例えば、チャイナ・マネーによる不動産投資だ。カナダ、豪州やシンガポールでは、中国人による買いの影響で、住宅価格が上がり過ぎたとして、市民の間で反発が高まっているほどだ。今後は東京都心などの不動産の買い漁りに拍車がかかるかもしれない。元は円に対して50%以上も高くなったから、中国人にとって東京などの不動産は割安もいいところだ。中国国内の不動産市況が悪化しているのに比べ、中国人投資家の間では2020年の東京五輪に向け、相場が上昇するとの期待も高い。

肝腎なのは、日本企業である。プラザ合意後、米半導体産業はドル安に技術開発戦略の強化などを組み合わせてインテル、マイクロンが息を吹き返した。自動車ビッグ3も小型車開発の時間を稼いだ。今回、日本企業はどうするのか。円安に伴う収益増を国内外の株主への配当に回して喜ばせるだけなら、日本全体への波及効果に乏しい。割高になった中国での生産に見切りを付けて、本国にカムバックする戦略に本格的に取り組んだらどうか。 (産経新聞特別記者)

産経ニュース【お金は知っている】2014.12.14

$andRMB

 

12/13日経『中国景気、減速感なお強く 生産など伸び鈍化』記事について

日経にも中国経済の減速記事が載り出すようになってきました。あれだけ中国進出を煽っていたのが様変わりです。7%成長なんてありえないと思います。外国企業の投資誘致と官僚の出世のため、必ず上げ底をしています。前にも書きましたように21兆$もの借金を国の経済主体が負っています。この債務をどのように返済しようとしますか?多分踏み倒すだけでしょう。中国国内でやり合う分にはいいですが、外国企業の債務も勿論踏み倒されるでしょう。みかけ利益が出ている企業は配当、ロイヤルテイで早く資金を日本に還流させた方が良いです。下の若干古い2012年の融資と輸送量のグラフ(夕刊フジより)ですが、趨勢は変わらないと見ていいでしょう。李首相が言ったのは「電力消費、鉄道貨物輸送量、銀行融資を見ないと本当に経済成長しているかどうか判断できない」とのことですが、これを見ますと中国が嘘を言っているのが良く分かります。新規投資は避けるべきで、投下資本を如何に損を少くなくするかを考えた方が良いでしょう。ロイターの記事も似たように書いています。

WRAPUP 2-China’s factory and investment growth flagging, more stimulus seen Fri Dec 12, 2014 4:36am EST

BEIJING, Dec 12 (Reuters) – China’s economy showed further signs of fatigue in November, with factory output growth slowing more than expected and growth in investment near a 13-year low, putting pressure on policymakers to unveil fresh stimulus measures. In a sign that banks were already responding to Beijing’s instructions to reflate the economy, however, new lending jumped 56 percent in the month. Weighed down by a sagging housing market, China’s economic growth had already weakened to 7.3 percent in the third quarter, so November’s soft factory and investment figures suggest full-year growth will miss Beijing’s 7.5 percent target and mark the weakest expansion in 24 years. ”The data bodes ill for GDP growth in the fourth quarter, which is bound to slow further,” said Dariusz Kowalczyk, senior economist at Credit Agricole CIB in Hong Kong.

Growth in real estate investment also slipped for the first 11 months of 2014, though property sales registered their best month this year, buoyed by Beijing’s efforts to revive a sector on which so much of the economy depends.

After September’s move to cut mortgage rates and downpayments for some home buyers, the People’s Bank of China cut interest rates on Nov. 21 for the first time in two years. The surprise rate cut signalled policymakers’ growing concern that a sharper slowdown in the economy would raise the risk of job losses and loan defaults. Factory output rose 7.2 percent in November from a year earlier, down from October’s 7.7 percent, the National Bureau of Statistics said on Friday, and missing analysts’ forecasts of 7.5 percent. Fixed-asset investment, an important driver of growth, grew 15.8 percent in the first 11 months from the same period last year, slipping from 15.9 percent in the first 10 months.

FREER LENDING

The rise in new loans comes after sources told Reuters on Thursday that the People’s Bank of China (PBOC) had instructed banks to lend more and had quietly relaxed the enforcement of loan-to-deposit ratios to further that end. ”The lending numbers give hope that investment will pick up now that there is more funds available to pay for capital spending projects,” said Kowalczyk. Not all the new lending is being put to productive use, however, as some will just replace existing debt, and there is evidence that speculators are ploughing some of it into a wild stock market rally of recent weeks. Other data this week showed China’s export growth slowed sharply in November, while imports unexpectedly shrank. And despite the resulting expansion in the money supply, consumer inflation hit a five-year low, stoking expectations that Beijing may move more aggressively to stave off deflation, including a cut to banks’ reserve requirement ratio (RRR), which would allow them to lend still more. ”We’re ready for an RRR cut at any point. We think there will be 100 basis points of cuts over the next couple of quarters,” said Tim Condon, head of Asia research at ING in Singapore.

The closure of many factories in northern China early in November to reduce air pollution as Asia-Pacific leaders met in Beijing likely curbed industrial output, but demand for products such as concrete and steel was also hit by slackening growth in export orders and the cooling housing market. A bright spot in November was retail sales, where growth ticked up to 11.7 percent from 11.5 percent in October, which was the slowest pace since early 2006. Analysts expect further interventions by Beijing in 2015 after top leaders at the annual Central Economic Work Conference on Thursday pledged to make fiscal policy “more forceful” while keeping monetary policy “not too tight or too loose”. Economists who advise the government have recommended that China lower its economic growth target to around 7 percent in 2015. (Writing by Will Waterman; Editing by Kim Coghill)

China loan transportation

記事

【北京=大越匡洋】中国国家統計局が12日発表した11月の主要経済統計によると、生産と投資の伸びが一段と鈍った。建材や乗用車の生産の落ち込みが目立ち、雇用情勢にも影が差しつつある。中国人民銀行(中央銀行)は11月、2年4カ月ぶりの利下げに踏み切ったが、当面は減速感が強い景気の下支えに向けて緩めの金融政策を続ける構えだ。11月の工業生産は前年同月に比べ7.2%増となり、伸びが前月より0.5ポイント鈍った。住宅販売の不振を受け11月のセメントの1日当たり生産量は4.0%減り、減少幅が前月より2.9ポイント広がった。粗鋼や板ガラスの生産も前年水準を割り込んでいる。乗用車の生産量も4.5%減と、今年初めて前年を下回った。11月に北京で開いたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の影響を挙げる声もある。中国政府は期間中の大気汚染を減らそうと北京、天津、河北省など広い地域で工場の操業や建設を停止・制限した。交通規制で資材を運べず、減産を迫られた企業もある。一時的な減速とは言い切れない面もある。住宅はその典型例だ。1~11月の不動産販売額は前年同期比7.8%減った。1~11月の不動産開発投資は11.9%増と、伸び率はリーマン・ショック後の2009年1~7月以来の低水準に沈んだ。11月の利下げをきっかけに上海など大都市で住宅価格が下げ止まる気配はある半面、住宅市況の不振を背景にした景気の下押し圧力はなお強い。建設・設備投資の合計である固定資産投資も1~11月は15.8%増と、1~10月より伸びが0.1ポイント鈍った。2割近かった昨年通年の伸びを大きく下回る。消費の動向を示す社会消費品小売総額は11月に前年同月比11.7%増と、前月の伸びを0.2ポイント上回ったが、景気減速を押しとどめるほどの力強さはない。「高望みはしていないが、楽観もしていない」。12月初め、重慶市内の就職フェアに訪れた大学4年生の女性は不安げな表情を浮かべた。来年の大学卒業生は750万人近くで前年より20万人以上多いとされ、若者の就職戦線は厳しさを増す。浙江省の金融会社、陝西省の食品会社、広東省の照明会社……。10月以降、中国国内では経営者が「夜逃げ」したニュースが相次いだ。山西省の民営鉄鋼大手も破産した。連鎖倒産が広がるような深刻さはないものの、不振企業の増大によって習近平指導部が重視する雇用の確保に悪影響が及ぶ恐れはくすぶる。景気の一段の悪化を防ぐため、中国政府は鉄道などインフラ案件の着工を矢継ぎ早に認可した。一方で来年の経済成長率の目標は今年の「7.5%前後」から下げ、「7%前後」が軸となる見通しだ。習指導部は安定成長の軌道に軟着陸させる考えだが、中国経済の気流の乱れは増している。

 

 

 

西尾幹二著『アメリカと中国はどう日本を「侵略」するのか』を読んで

西尾氏の本を読んでつくづく感じますのはアメリカの悪意です。一番悪いのは戦後占領政策として採った検閲です。二番は憲法の押付けです。第三は戦中の原爆投下です。一は人権侵害、二と三は国際法違反です。もっと言えば戦前の1941年7月23日、FDR(ローズベルト)はフライングタイガースによる日本本土爆撃計画に署名しました。中立国義務違反です。当然、真珠湾攻撃の前です。検閲政策はアメリカの都合の悪い部分を焚書して日本人を洗脳したわけです。WGIP(ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム)の一環です。もういい加減歴史の真実に日本国民は気が付くべきです。アメリカに安全を全面的に委ねるのは危険です。勿論中国と対峙するにはアメリカの力を借りねばなりませんが。

中国は昔から民族的特性は変わりません。韓国もですが。しかし、日本の経済人のレベルは間違いなく下がっています。目先の利益に拘り、自分だけ(或は自分の企業だけ)が良い思いをすればいいという経営者が多いのでは。日本の名誉について無関心、歴史についても学ぼうとせず、ハウツーのものだけ。中国の進出熱は収まったように見えますが、これから投資したものの回収をどうやるつもりなのでしょう。

本の内容

中国の持ち駒となる韓国、北朝鮮、台湾、そしてアメリカ

「中国海軍レーダー照射事件」(ニ〇一三年一月)が起こったとき、私は「盧溝橋事件」一九三七年)に似ていると思った。なんとかして日本に先に手を出させようする、昔の支那人のやり方とそっくりだった。日本国憲法の前文で、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」という言葉がある。この言葉は、中国や韓国や北朝鮮の公正と信義に期待する、ということだとしたら、あまりにもまぬけで馬鹿馬鹿しい条文であることは最近ではみなわかってきている。 しかし、「諸国民」がその三国に限られるなら馬鹿げた前提だと嘲るだけでいいがそこにはアメリカも入っているのではないか。アメリカの公正と信義に信頼して、これらの安全と生存を保持するというのが、日本の現実なのではないか。だとしたら条文を嘲るだけでは済まない。すごく真に迫った、無責任な空手形を頼りにして生きている、薄氷を踏む思いのこの国の「不安の正体」に直面するのである。 アメリカ政府は、日本の安全保障や北朝鮮政策についてはあやふやである。ヒラリー・クリントン前国務長官は「日米安保条約第五条に適応する」と言ったし、バラ ク・オバマ大統領も二〇一四年四月の訪日で、ついにそう明言した。しかし中国は、表向き怒ってみせているが、「アメリカの信頼を勝ち得ているのは、 日本よりむしろわが国だ」と言わんばかりの態度もとっている。日本のうろたえぶりが外目に見えているのであろう。 韓国はすっかり中国寄りになっていて、アメリカの言うことをあまり聞かない。 「日韓秘密情報保護協定」(ニ〇一二年六月)をアメリカが要求したが、韓国は土壇場で拒否している。

翌々月(ニ〇 一二年八月)には、尖閣問題で日本国内が乱れているのを見て、韓国大統領李明博が竹島に上陸した。韓国は、日本がすぐ中国に屈服すると見越した。日本が全面敗北すると想定して、中国に擦り寄ったのだと見ていい。それが李明博の動きだった。韓国は昔もロシアに擦り寄り、清に擦り寄り、日本にも擦り寄り、いつでも事大主義で強いほうにつく。中国は今や労せずして、日韓分断に成功している。北朝鮮もにわかに混乱している。中国とアメリカが裏で動いている証拠ではないか。中国が北朝鮮を制裁するような国連決議にサインした。これはかなりアメリカに同調している。北朝鮮を処理することにおいて、米中で話し合いが進んでいるのかもしれない。しかし現実には、アメリカが中国に北朝鮮の処理を委ねている現状をそう簡単に変えることはできないだろう。北朝鮮が中国に反抗的になることはあつても、中国から完全に離れられないのも現実である。エネルギーと食糧供給で縛られている。ただ、韓国の中国への擦り寄りはかなり決定的で、今後動かない方向のように見える。台湾もまた、馬英九政権になって以来、中国寄りになっている。台湾が尖閣沖で「水鉄砲発射」(ニ〇一ニ年九月)をやったのを覚えている人は多いだろう。台湾がやったことが、私はショックだった。台湾もまた、中国から見ると使いやすい手駒のひとつになっている。台湾を手なづけた中国は、沖縄を奪取するために、利用価値を次第に高めるだろう。中国はずるい国で、威嚇はするが、実際にはなかなか軍事的に行動しない。へタすると、中国共産党が崩壊してしまうからだが、中国は自ら日本を侵略する必要はない。韓国、北朝鮮、台湾に侵略させればいい。その三国も反日勢力になってきている。 「三国(韓北台)を利用すればいい」。中国はそう考えているに違いない。

「真実」より「宣伝力」が物を言う国 (抜粋) 長野朗の『支那三十年』より

習近平はドイツ訪問に先立って、ホロコーストの犠牲者の施設で「反安倍」の演説をやろうと企てたが、さすがにこれはドイツ政府が断った。李克強は「尖閣は日清戦争のドサクサに日本が盗んだ」と、欧州旅行で言って歩いた。こういうとき、中国政府は各国駐在の外交官を総動員する。習近平の先の例において、 五十力国の在外公館が同じ内容の政治宣伝を繰り広げたらしい。何ともおぞましい限りだが、このような宣伝は中国の国内では有効でも、平和な地域の国際社会では、かえって逆効果となることも考えられる。ただ、「南京虐殺」は当時の国民党の「宣伝」がつくった虚構であり、それに「東京裁判」が悪乗りしたのであるが、今に至るも信じている人がいるのは、「宣伝」も激しく長くやれば「現実」になりかねないという恐ろしさがある。

「支那では車賃が非常に安い。一里で十銭ぐらいだから、日本から支那に行った人は、これでは可哀想だというので、二十銭も与える。すると支那人のほうでは、これに感謝するというよりも、「こいつは十銭でいいところにニ十銭も与えるのは馬鹿なやつだ。もう少し催促したらもっとくれるだろう」というので、「少ないからもっとくれ」と言ってどこまでもついてくる。それをくれると、またついてくる。ところが反対に、一里十銭のところに八銭ぐらい与えると、「こいつはなかなか喰えない」とそのまま引き下がっていく。ある米国の宣教師夫妻が山東を旅行しているときに、道に乞食がいたので、可哀想だと思って 一円銀貨を与えた。その乞食は大いに感謝すべきはずだが、彼が考えたのは、「一円あれば一力月くらい食える(普通、乞食が貰うのは、たかだか一銭銅貨一枚くらい)。乞食に一円銀貨を投げ出すような人は、余程の金持ちに相違ない」 というので、早速仲間を語らい、先回りして宣教師夫妻を殺してしまったという事実がある。これらが車夫と同じく、「支那人の考え方が日本人とまったく異なっている」ことを示している。カネのことでちょっと書いておかねばならぬことは、支那人はカネに非常に執着を持っていて、カネを見たら一種の魅惑を感じて頭が変になるらしい。買い物に行って、十円のものを三、四円くらいにまけろと言ってもなかなかまけない。そこで カネを三円出して、これを握らせ、「これでいいだろう」と言っても聞かない。「それならそのカネを返せ、品物はいらない」とやると、もう握ったカネを離したくないのでたいていまけてしまう。支那人にカネを見せるのは危険で、長く使っているボーイでも、カネを見ると気が変わって何をするかわからない。ある日本人の小学校の先生が、月給とボーナスを貰ってきて大金を持っているところを自分のボーイに見られて殺された。〈中略〉 話が脇道に外れたが、車夫の話で知るような支那人の気持ちは、外交の上によく現れている。山東問題が喧しかったときに、山東問題を中心に大正八年以来、排日が支那全国に起こり、九年にも再発して慢性的となり、日支間に一種の暗影を投げかけ、低気圧の中心は山東問題だから、これを解決すれば日支間の暗雲はすべて一掃され、日支親善は期せずして実現するだろうと思われた。そこで華府(ワシントン)会議で山東を日支に返した結果はどうであったか。なるほど返した当座十一一力月は支那側でも日支親善みたいなことを言っていたが、十二カ月すると今度は「旅大回収」を叫び出した。日本人の考え方からすれば、山東を返して支那人の要求を受け人れてやったから、支那人も感謝して日支親善ができるだろうと思ったのは、車夫に車賃を余分にやって車夫が感謝するだろうと考えたのと同じである。ところが支那人のほうでは、われわれがちよっと騒いだから山東を返した。今度はもっと騒いだら、旅順・大連も返すだろうと言うので、また騒ぎ出した。支那人は、日本人が予期した感謝の代わりに、日本に対して軽侮の念を生じたのだ。最近、旅大問題が日支問の癌のように見えるので、旅大を返したら日支関係は一 変するだろうと言っている人がいるが、それは支那人を知らない者の言うことで旅大を返せば、次は台湾、朝鮮と進んでくることは明らかである。」

実に驚くべき洞察で、支那人のこの現代に通じる正体を一九三〇年代に、しっかり見抜いている。靖國参拝で、最初に譲歩したのが間違いだった。中曾根康弘内閣最大の失敗である。このまま日本が首相の靖國参拝をもし止めたら、次に「靖國神を廃社にせよ」と言ってくるだろう。靖國をなくしたら、次に「皇室をなくせ」と言ってくる。それが彼らの論法である。このことをよく知っておかなければいけない。こちらが一歩後退すれば、二歩前進してくる。「相手が一歩後退したのだから、自分は控え目にしよう」とか、「恩義に感じる」という感覚はまったくない。逆に、軽蔑する。下手に出るとカサにかかってくる。日本流に言えば、「雲助の徒輩」の論理である。追い詰められたヤクザや盗人との取引である。こちらは彼らに、徹底して強く対応しなくてはいけない。 謙虚、へりくだり、控え目などの美徳は、露ほどの効果も上げない。

中国サイドからの「経済制裁」なんて笑うべきこと (抜粋)

中国のGDP (国内総生産)の約八割は、官製企業が握っている。内需をつくるのは民間企業である。これでは、内需が拡大するわけがない。そこで中国の成長する官製企業は、アメリカや日本などの先進国に進出し、外貨を稼ごうとし始めている。はっきり言っておきたいのは、中国に対して譲歩する姿勢で領土問題の落としどころを探り合うようなやり方をすれば、必ず相手はカサにかかって威嚇してくる。力で押しまくってくる相手には力で押し返すしかないのだが、日本のカは今のところ軍事力ではない。投資や技術の力である。これを政治の力ードとして、なぜ使おうとしないのか。中国経済は、日本から多額の援助をもらっているときでも、アフリカに援助していた。そして、その援助を楯に恫喝しながらアフリカを味方につけてきた。中国経済はそのあと大きくなってますます牙を持ってきている。アメリカ経済にも当然牙がある。日本経済にだけ牙がない。経済人に言っておきたいが、尖閣諸島を失えば、国際社会の中で日本は軽視される。 国債は暴落し、株は投げ売りされ、国家の格は地に墜ちる。その影響はたちどころに他の経済活勛に影響を及ぼす。経済は経済だけで成り立っているのではない。戦後の日本において「経済力が国家の格を支えてきた」ことは間違いないが、 逆に言えば「“国家の格”が経済力を支えてきた」とも言えるわけである。だからこそ、尖閣諸島は経済のためにも死に物狂いで守らなければいけないのである。そうい ことを、経済人はわかっていない。私はわが国の指導層を見ていると、将来が本当に危ういように思えてならない。

ヨーロツパの「地球分割」とアメリカの「グローバリズム」

今にしてよくわかったことがある。それは、世界帝国アメリカは「地域の覇権国家を許さない」ということだ。まずイギリスをつぶし、次にドイツをつぶし、それから日本をつぶし、ロシアをつぶしてきた。そして今、中国をどうしようかと思案している。一体こんなことがいつまで続くのであろうか。こういうアメリカの体質や思考を一言で表現すると、何と言うのか。これをグローパリズム」と称するのである。グローバリズムは、最近の日本人は何か新しいよいことだと思っているようだがその正体はアメリカン•スタンダードの全面拡大に過ぎない。「世界政府アメリカの基準」を「国際基準」にするということである。そもそも「グローブ」とは「地球」である。地球を人間が全体として支配するといいう発想はアジア人にはまったくない。空間を幾何学的に分割して統治することもアジア人には考えつかないが、これを最初に実行したのは、スペインとポルトガルの間で結ばれた一四九四年の「トルデシリヤス条約」である。両国による統治方式は、カトリックのローマ法王の勅許を得て実現したのである。両国の西海岸から一定の距離を取った地点から地上をずっと縦に真っ直ぐ線を引いて、 その線をぐるっと地球の裏側まで回して、これを分割線とするのである。驚くべき大胆な計画であり、行動であった。どうしてそんなことが起こったか。当時、ヨーロツバ人は東方へ出て行こうと懸命に努力したのだが、地中海の東の出口はイスラム教徒に完全に押さえられていて、インドに抜けたいと思っても抜けられなかった。しかもイスラム教徒は、次第にヨーロ ッパの内部に侵略さえしていた。何とか情勢を脱却したいと考えていたとき、クリストファー・コロンブスとバスコ・ダ・ガマが登場したのである。コロンブスは、スペインを出発して西へ西へと進んで新大陸に到達していた。一方、ポルトガルのバスコ・ダ・ガマは、アフリカの海岸を南へ南へと下って、喜望峰を回ってインド洋へ出てきた。ポルトガルはインド洋を東へ行き、イン ドへ出る。スペインは西へどんどん行って、やがてアジアに出てくる。両者はどこでぶつかるかというとモルッカ諸島、地球の反対側のインドネシアのセレベス島(最近はスラウエシ島と言う)の東側の諸島である。そこは香辛料の集産地だから、世界中の人々がそこを狙っていた。ぶつかって両国の争いになり、やがて線引きで分けっこをしたのである。そして最終の目的地は日本だった。やがてスペインとポルトガルは国力を失い、代わりにオランダが登場し、イギリス が登場し、そしてフランスが登場することになる。この地球分割で面白いのは、南アメリカ大陸にさしかかると、ブラジルに当たるところだけが境界線上にかかって、ポルトガル側に分割されてしまう。大陸の出っ張りにブラジルがあるからだ。そのようにして、ポルトガル領に相当するとわかると、ポルトガルは大喜びして、「ああ、俺のものだ」と言って植民地にした。今でもブラジルの国語がポルトガル語である所以である。他のラテンアメリカの国々の国語は、スペイン語か英語かのどちらかである。こんなとんでもないことが起こったのも、単純に幾何学的に線を引いたからだ。地球を分割するという発想、しかも占有する権利をローマ法王庁が与えたというそのような考え方は、アジア人にはなく、西欧を越えて、アメリカに真っ直ぐつながっている。 グローパリズムとは端的に言ってこのようなことなのである。このグローバリズム思考によって、次の時代にはイギリスとロシアが中近東から東へずーっと線を引いて、地球を南北に分割するように侵略した。どこでぶつかるかというと、再び日本列島である。日本はいつも運命的な位置にある。その結果が、「日露戦争」である。イギリスとロシアの戦いを、日本がいわば代理戦争させられたようなものなのだ。英露が線を引いたとき、どちらにも属さなかった国がある。アフカニス夕ンだった。一九七九年になって突然、ソ連がアフガニスタンを侵略したのは、じっと地図を見て「そういえば、ここはロシアとイギリスのどちらにも入らない場所だったな。それじゃあ、一発やってやろうじゃないか」ということで、ソ連が侵攻したのである。隙を見せると、そういうことが起こる。アフガニスタンは中間緩衝地帯だった。それ以外の国々はすでに一度は分割統治されていて、他国は手出しできないという暗黙の約束になっていたというわけだろう。制空権を決めることは、アメリカが今実行しているが、元をただせばスペィンとポルトガルによる地球分割計画に端を発するのである。それでは次章より、日本を初めとするアジア諸国がいかに、西欧列強やアメリカ、 ロシア(ソ連)に侵略されてきたかを見ていこう。何度も言うが、日本は侵略した国ではなく、侵略された国である。否、侵略された国々の中で、そうされまいと抵抗し、戦った唯一の国である。それで独立は成功したかに見えたが、残念ながら現在、必ずしもそうはなっていない。アメリカに多数の軍事基地を許している国である。これを異常と見做す感覚をすら失っているのは異常である。日本はアジアを西欧列強から解放したと自認しているが、その日本が未だ解放されていない唯一の国なのである。だからこそ今、「歴史観の転換」をしなければならない。

Tratado de Tordesilhas

12/11日経ビジネスオンライン加藤嘉一氏『“周永康逮捕”が経済改革に与える影響は 「四中全会の成果を強調する狙いがあった」』記事について

加藤嘉一氏についてWikiを見ますと「2012年10月31日、中国国内で「東京大学法学部への合格を蹴って中国に留学していた」と発言するなど複数の経歴詐称をおこなっていた事実が『週刊文春』誌上で報じられた」とあります。中国に長く関わっていると騙すのが普通になるので、何の違和感もなくこういうことが言えるのでしょう。まあ、東大法学部と言ったって大したことはありませんが。北京大学、同大学院修了とのこと、習近平だって理科系で最高学府と言われている清華大学に裏口で入ったと言われていますから。中国では裏口は当り前。家族の地位か金を積めば入れます。加藤氏のTVでの発言を聞いていると「自制しているなあ」と感じます。中国の情報を取るには、相手に媚び諂わないと次から情報が取れません。遠藤誉や富坂聰辺りにも言えることですが。操作された情報が日本国内で流通されることになります。よく眉に唾して吟味しましょう。

さて、記事ですが薄熙来は無期懲役(2000万元の収賄)なので、周永康は執行猶予付き死刑(1000億元)になるのではないかと思われます。腐敗撲滅で習近平は「虎も蠅も」と言ってますが、庶民は誰も信じないでしょう。権力闘争の手段で使われているだけです。政敵を倒すため、今回は江沢民一派の権力中枢からの追い出しが狙いです。野中広務と仲が良く裏から実権を握っていた曽慶紅辺りが狙われていると思われます。「法治」重視と言いますが、ご都合主義の国で法で統治できるとは思いません。今回も相手の力を慮って四中全会でのテーマにするかどうかと言ったレベルの話ですから。民主主義国の法治ではなくこれも権力闘争の一環です。贅沢禁止で軍の不満が蓄積していますので、それに江沢民一派が組めば、権力闘争で習近平が打倒されることもあり得ます。考えられるのは暗殺でしょう。

記事

12月6日0時、国営新華社通信は周永康・元政治局常務委員の党籍を剥奪し、刑事責任を追及するという記事を配信した。5日、中国共産党の最高意思決定機関である中央政治局が、中央規律検査委員会(書記は王岐山)から上がってきた《周永康が犯した重大な規律違反に関する審査報告》を審議した上で決定を下した。中央規律検査委員会は政治家・役人の汚職や腐敗に関する捜査・立案を担当する部署。この決定を受けて、最高人民検察院は周氏の逮捕に踏み切った。この記事によれば、中央政治局常務委員会(トップセブン)が2013年12月1日、周氏の容疑を本格的に捜査する旨を決定した。その後、2014年7月29日、中央政治局は周氏の立件・審査を決定。そして、今回の逮捕に至っている。中央規律検査委員会の捜査によれば、周氏は「党の政治規律、組織規律、保秘規律に重大な違反を犯した」。重大な規律違反は、権力乱用、収賄、金銭・女性問題、そして党と国家の秘密漏洩など多岐に及び、同委員会は「周永康の行動は党のイメージを著しく傷つけ、党と人民の事業に重大な損失をもたらした。その影響は極めて悪質である」としている。12月6日、党機関紙《人民日報》が掲載した評論記事《党の規律・規則に厳格に基づき、断じて腐敗を罰する》は全国各地のメディアによって転載された。同記事には以下のパラグラフが含まれている。「全党員が思想・政治・行動すべての分野で習近平同志を総書記とする党中央と高度な一致を保持し、中国共産党の権威を死守する自覚を持たなければならない。党の組織・規律を厳格かつ明確にし、派閥や特定のグループを結成することに断じて反対する。党内におけるいかなる形式の非組織的活動も断じて許さない。党の団結と統一を守るのだ」

習近平国家主席の今後の政権運営を占う上で示唆に富んでいる。筆者が指摘したいポイントは以下の3つだ。

(1)共産党指導部というよりは、習主席のリーダーシップと統率力に重点が置かれている。

(2)習主席は共産党の権威を高めるために反腐敗闘争を行っている。

(3)周氏の党籍剥奪・逮捕にまで至った重要な理由の1つは、周氏が共産党内で自らの地位や権力を濫用し、党指導部内の足並みや求心力を脅かすような動きをとったことにある。

3つ目に関して、周氏は薄煕来・元重慶市共産党委員会書記・政治局委員(当時)を支持していたとされる。同氏は2012年、共産党第十八党大会が開催された年に“落馬”(筆者注:政治家や役人、国有企業の幹部などが、汚職や収賄といったスキャンダルが原因で職を解かれ、かつ中央規律検査委員会による調査を受けること)、その後、刑事責任を追及された。薄氏は重慶の地で“打黒唱紅”というマフィア撲滅運動や毛沢東を過剰に礼賛する宣伝活動などを展開し、一般大衆の心をつかもうとした。そのやり方は文化大革命時代の“極左”を彷彿させ、共産党指導部が実行している改革開放政策に逆行するものと思われた。党指導部の方針に逆らい“路線闘争”を挑もうとしたことが、薄氏が“落馬”した核心的な原因であるとされる。そんな薄氏を、周氏が支持しようとした事実は、共産党指導部にとって脅威に映った。周氏は胡錦濤政権において政治局常務委員(序列9位)を務めた重鎮。加えて、政敵を粉砕する力を持つ公安システムを統括する立場にあったからだ。周氏と故郷を同じくする共産党幹部は“薄煕来落馬”前夜の情景をこう振り返る。「薄熙来が“落馬”する前、周永康はあらゆる場で薄煕来に対する支持を示していた。政治局常務委員が薄煕来の“落馬”を検討する際にも、他の8人が全員賛成するなか、周永康だけは最後の最後まで薄煕来をかばっていた」。共産党内で絶大な権力を握る周氏と、“打黒唱紅”を通じて大衆世論に絶大な人気を誇る薄氏がスクラムを組んだとき、党指導部や知識人、市場関係者の間に深刻な懸念が広まった。党指導部の分裂、共産党の団結力・求心力低下を招くのではないか? 下手をすれば、中国を文化大革命時代に引き戻してしまうのではないか?

習近平は党内権力基盤を強固にした

本稿は、かつて掲載したコラム《“周永康落馬”は中国をどこへ導くか》のアップデート版である。“落馬”から逮捕に至った4カ月強の間に起こった事象を元に、3つの問題を提起し、それぞれ検証を加えたい。まず、“落馬”→逮捕というプロセスを習主席の権力基盤という観点からとらえた場合、その基盤は“落馬”当時よりも強固になったと言える。この4カ月間、筆者が共産党関係者や中国の有識者、市場関係者と意見交換を重ねる中で、様々な意見を耳にした。「習近平は必ず刑事責任追及に踏み切る」、「党内バランスを考えた場合、逮捕は回避するだろう。“落馬”くらいが相当だ」、「なんとも言えない。習近平は何を考えているかわからない」。ただ一つだけ言えることは、周氏逮捕に踏み切るためには、相当程度強固な権力基盤が必要であることだ。江沢民・元国家主席や曽慶紅・元国家副主席をはじめ、周氏に近いと目されてきた大物政治家たちの反発や逆襲に耐えうるだけの権力を持たなければ、逮捕に踏み切った途端、逆に基盤を損ねてしまうリスクがあるからだ。周氏逮捕で習主席の権力基盤や党内統率力が相当程度強固であることが証明された。ただし、いくら習主席といえども、この逮捕によって生じるリスク、即ち反対勢力からの巻き返しには引き続き注意を払っていく必要がある。権力基盤を強化したことは、権力闘争が収束したことを必ずしも意味しない。習主席の権力基盤が万全だと言う根拠はどこにもない。

四中全会の意義を高める習近平の意図

次に、法治を集中討議した四中全会(2014年10月20~23日)と周永康逮捕の関係を考えてみたい。奇しくも、“周永康落馬”と“四中全会で法治を討議”は同じ日(2014年7月29日)に公表された。その後、この関係を巡って3つのシナリオが浮上した。

(1)習主席が、周氏やその側近・グループらの逆襲に遭い、法治を集中討議するというアジェンダが取り上げられなくなる。

(2)周氏を“落馬”させてからも反対勢力を抑えこみつつ権力基盤を固め、四中全会において予定通り法治を集中討議する。

(3)法治を集中討議する四中全会の場で、周氏に対する追加の処分を公表する。

(1)は習主席の権力基盤が最も脆弱な状態を、(3)は習主席の権力基盤が最も強固な状態を指す。今から振り返れば、結果は(2)であった。四中全会では“党による指導”“中国の特色ある社会主義”といった政治色・イデオロギー色の強い前提が付いていたものの、予定通り法治を集中討議した。

四中全会という政治の大舞台で周氏に対する追加の処分を回避した理由に関して、筆者は「反対派からの逆襲を懸念したから」「共産党内の権力均衡の維持することを優先したから」「江沢民・元国家主席や曽慶紅・元国家副主席など周氏に近い長老たちに配慮したから」という3つを考えている。 四中全会が閉幕して1カ月強が経ったタイミングで周永康逮捕を公表した背景として、中国検察関係者は筆者に次のように語った。「法治を扱った四中全会からあまり時間が経っていない時期に周氏に対する法的措置を行使することで、四中全会の成果を強調し、共産党の威信を高揚させる狙いが習主席にはあったのだろう」。ただし、法治が制度として根付くかどうかに関しては、引き続き情勢を注視していかなければならない。今後、薄煕来事件のときと同様、周氏が法廷に姿を現し、裁かれる模様が全国ネットで中継される可能性もある。だが、それでは習主席が“法治”に名を借りて、人民からの支持獲得を画策していることが露呈する。ポピュリズムである。と同時に、習主席が進める反腐敗闘争は依然として権力闘争という側面が強い。

萎縮する経済官僚たち

最後に、反腐敗闘争が経済政策に与える影響を考える。習主席の権力基盤が固まり、党内求心力・統率力が高まることは、改革を進める上で基本的に追い風だと言えるだろう。“法の支配の下で市場の活力を生かす経済政策”を推進するため、既得権や地方の保護主義などを突破するべく、権力を行使する。行政改革、財税改革、都市化、上海自由貿易区(パイロット版)構想などを進めるためには、既得権益層や地方政府を説得するだけの強い権力基盤が求められる。財税改革とは、財政と税制に関する改革を指す。一方でデメリットもある。習主席による“虎もハエも叩く”“腐敗分子を見つけたら断固として捜査する”という反腐敗闘争は、経済政策・改革事業に関わる多くの中央・地方官僚たちを怯えさせている。習主席による恐怖政治が経済官僚たちの事なかれ主義を招き、経済政策・改革事業を停滞させるリスクは軽視できない。北京市のある地方幹部は以下のように述べる。「我々が政策を進めるにあたって、地元の企業に接待されたり、中央の官僚を接待したりすることは不可欠だ。最近は、このプロセスに規律検査委員会による捜査が入る前提で動かなければならない。接待にしても、出張にしても、他機関とのやりとりにしても、全てが対象だ。当然、プロジェクトが進むスピードは鈍る。我々も慎重にならざるを得ない」。また、習主席が反腐敗闘争と同時に贅沢禁止令を進める過程で打撃を受けているのが、政府機関や公務員による消費活動である。政府機関や公務員による消費活動である。接待や贈り物を介して、政府・公務員は依然として重要な消費アクターの役割を担っている。このため、中国の消費市場、ひいては経済情勢の先行きをネガティブに捉える知識人や投資家は少なくない。今年4月、米コーネル大学で開催された中国フォーラムにて、筆者は貴州茅台(マオタイ)酒の季克良名誉会長とご一緒させていただいた。「反腐敗闘争は、多くの政府機関・役人をお客さんとして抱える御社にとって打撃なのではないですか?」と質問すると、季会長はこう答えた。「茅台酒も変わらなければならない。政府ではなく、日増しに購買力をつける一般の消費者に飲んでもらう銘柄になる必要がある。茅台酒は体に良い。茅台酒を飲み続けたおかげで、私の体はこんなに健康だ」。75歳の季会長は胸を張り、習主席による反腐敗闘争への支持を表明した。

12/10日経ビジネスオンライン福島香織氏『サンゴ密漁は軍と関係あるか 密漁船の拠点で聞いてみた』記事について

元産経記者で中国への突撃記事で有名な福島香織女史の記事です。小生北京在勤時、05年反日暴動について福島氏より「事実と違っていたら新華社相手に裁判を」と言われ、「国を相手に裁判はできない」と答えた経緯があることは既報のとおりです。中国はまともな日本人の感覚からすれば、総て狂っていると感じるはずです。逆に中国人からすれば日本人は愚かでどうしようもないと思っているのではないかと。「珊瑚の密漁船について海上民兵かどうか」は大した議論でなく、“Rogue State”なのだから「何でもあり」と考えた方が良いと言うのが福島氏の言いたいことではないかと思います。彼らの行動は多義的な目的があって、一つに絞ることはできないということです。平松茂雄軍事評論家は早くから「中国の尖閣奪取の目的は石油だけではなく軍事基地を作ること」と喝破していました。太平洋二分割論に基づいての行動です。珊瑚だけでなくあらゆる技術をパクって、恬として恥じない「泥棒国家」かつモンスターを造ったのは紛れもなくアメリカと日本です。人口の多さに幻惑されて経済進出して中国を豊かにしたのが間違いの基です。「豊かになれば民主化する」なんて中国の歴史を知らないものの発想です。世界が目標とする共通の理念や価値観といったものが中国にはありません。それはそうでしょう。ここに書かれていますように「上から下までアウトロー」なのですから。いつも言ってますように「上から下に至るまで賄賂を取る。ただ金額が違う」と言うのが少しは理解いただけたかと。中国に駐在すればすぐ分かります。分からない人は仕事をしていないか出世のために自分を偽っているだけでしょう。やはり経済崩壊させるしかありません。

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ちょっと、旬を過ぎた話題だが、中国漁船による小笠原の珊瑚密漁問題について考えたい。というのも先月半ば、福建省寧徳市霞浦県三沙鎮という、密漁漁船の拠点にふらりと訪れたからだ。霞浦県三沙というのは中国で一番美しい干潟として、ナショナルジオグラフィックにも紹介された景勝地で、実は国内外の観光客はそれなりに多い。霞浦というだけあって、普段は霞がかかって見通しの悪い海だが、晴れあがると、きらめく海にノリ養殖のいかだが並ぶ複雑な海岸線は確かに絶景だ。ちょうどAPEC首脳会議の場で開かれた短い日中首脳会談で、小笠原の珊瑚密漁問題に触れたこともあって、地元では、反珊瑚密漁摘発大キャンペーンが開かれ、あちこちに、珊瑚密漁に関するタレこみ奨励の張り紙や、珊瑚違法密漁を批判する垂れ幕を見かけることができた。三沙鎮出身のタクシー運転手が、私を日本人と知ってか知らずか、「先日、珊瑚密漁の船長が、釣魚島(尖閣諸島)の近くで、日本に逮捕されたそうだ」と耳打ちした。それで、私も以前から気になっていた疑問を、実家が漁師だというタクシー運転手にぶつけてみた。「珊瑚密漁は『海上民兵』も関わっているって本当?」

「海上民兵」ではないのか?

小笠原諸島付近の珊瑚密漁問題は、すでに繰り返し報道されているので、あまり説明する必要もないだろう。秋ごろからこの海域に急激に密漁船が増え、10月30日には200隻をこえる大漁船集団となった。それがAPECの日中首脳会談当日以降、急激に減少した。なので、日本の少なからぬ識者が、この密漁漁船は普通の漁船ではなく「海上民兵」であり、軍の総参謀部の指示で動いているのではないか、と指摘していた。密漁というのは建前で、本当は来るべきときに、尖閣諸島を奪うべく、海上民兵を動員した訓練、あるいは、APEC前の陽動作戦とみるべきではないか、というのだ。

ちなみに、タクシー運転手の先の質問に対する答えは「海上民兵だって普通の漁師だ。そりゃ密漁くらいするさ」というものだった。タクシー運転手によれば、「三沙だけで、珊瑚密漁船は200隻以上ある。そこに民兵が混じっていても不思議じゃないだろう」という。「でも、海上民兵って密漁を取り締まる任務もあるよね。三沙の民兵偵察部隊の建物の前に、赤サンゴの違法漁を厳しく取り締まる、と電光掲示板で告知がながれていたもの」と問い返すと、「海上民兵も解放軍の部隊も、そりゃ建前で密漁はいけない、と取り締まる立場だが、正直みんな顔見知りだからなあ、見逃すのが普通だろう」とうそぶくのだった。

漁をしながら領海主張、敵を探る

「珊瑚密漁漁船は海上民兵」説には、確かにいくつかの腑に落ちるところがある。小笠原諸島周辺で密漁している漁船は、霞浦県三沙鎮や浙江省象山県石浦鎮などの港から来ているが、いずれも比較的大きな海上民兵基地がある。 「民兵」は簡単にいえば、国家の予備武装兵力。普段は一般市民として生活しながら、省軍区、県(市)軍区の人民武装部の指揮下に入り、軍備軍務、防衛作戦や社会治安維持に協力する。基幹民兵と普通民兵に分けられており、基幹民兵は28歳以下で兵役を経験し軍事訓練を受けた経験がある男性、普通民兵は18歳から35歳までの公民男性。女性民兵もある。年に一回訓練があり、訓練時や軍務に従事するときは、旅費、給与なども支給される。基幹民兵は30年前まで3000万人もいたが、今は800万人に減らされた。 海上民兵に関しては、中国の海洋権益を守る尖兵としての役割があり、その任務の中には、「漁をしながらの海上偵察」や「海に漂う主権碑」といったものがある。普通に漁を行いながら領海を主張し、敵の軍事能力を探る、ということだ。

三沙には、尖閣(釣魚島)周辺に漁にでかける船も多いのだが、この場合、魚の豊かな尖閣周辺の海に出かけて漁をするという漁師としての実入りと、領海の主権を守るという軍務も兼ねており、軍部から旅費(燃料費)や給与補てんまで出ることになる。海上民兵が全体でどのくらいの規模になるのかは不明だが、南シナ海方面に繰り出している海上民兵組織の拠点である海南省では約2300人と報道されている。福建省寧徳市では海上民兵偵察部隊が256人、海上民兵輸送部隊が1436人、海上民兵救援部隊が354人。船の数にすれば58隻という。(寧徳市政府のオフィシャルサイト)。

建前もなく、中国の法律にも違反

尖閣界隈の漁が、自国の海を主張する任務を兼ねて、軍部より燃料費などの支援を受けているというのはまだわかるのだが、では、小笠原の海は中国にも文句の言い様のない日本の海であり、「領海の主権を守る」という任務には合致しないではないか。そこに入って貴重な珊瑚を密漁し、世界自然遺産に指定されている小笠原の自然を破壊しているとなると、それは何の建前もない海賊行為だ。しかも中国では赤サンゴは国家一級重要保護動物として漁を禁止している。尖閣周辺海域でサンゴ密漁をしているという話も聞いたが、それならば、中国の法律にも違反している、という話になる。誇りある海上民兵がそんなことをしていいのか。この質問にからんで、先のタクシー運転手はこんな面白いことを言っていた。

サンゴ密漁は10年前からポツポツあった。だが、200隻もの船が先を争って密漁するようになったのはここ2、3年のこと。当然、密漁サンゴ長者の噂が昨年暮れくらいから流れたからだ。霞浦のある船主は2億元分の密猟サンゴを売り抜けたとか、石浦のある船主は5000万元分を売り抜けたとか。それで、三沙の漁師たちはみな、自分もサンゴ密漁をしてサンゴ長者になりたいと考えた。ただ、漁船の建造は国家の補助が出るが、船籍がすべて登録されるので、密漁しにくい。密漁には新しく無籍の船を造って、漁政局の監視を逃れねばならない。そのための造船資金は最低でも200万元。漁師は親戚、友達に頼み込んで出資者をかき集める。では、どういうやつらが、サンゴ密漁でひと山当てる博打話に出資する余裕資金をもっているか。役人か軍人かマフィアじゃないか、という。

「出資」できるのは役人か軍人かマフィア

霞浦に来る前に、霞浦県城に住む会社員に、霞浦はどんな町なのか?と聞いたとき、こう説明した。鎮の書記までマフィア出身の汚職の町。しかも、三沙は解放軍の部隊が駐屯。海上民兵基地もあるという複雑な土地柄で、県民の人柄も、外部の人間にかならずしも善良友好的というわけではない。… タクシー運転手にその話をすると、「霞浦県の県書記をやると3年で1億の金がたまる」と冗談にも聞こえないことを言っていた。要するに、汚職役人、汚職軍人、マフィアがみなつながっている、という印象である。「役人も軍人も地元の漁師も顔見知りさ。今は中央からサンゴ密漁を取り締まれ、という命令があるから急に厳しくなったが、漁師が日本にサンゴを採りに行っていることは誰もが知っている」。またネット上に、こんな話も流れていた。 サンゴ密漁は船主や船長にとっては一攫千金を狙えるものだが、一方で雇われ漁師の労働条件は良くない。50日の航海で賃金1万元前後だが、密漁なので保険が掛けらず、事故のときの保障がない。 「サンゴ密漁船の安全設備はお粗末なものだ。しょっちゅう漁師が死んでいる。数日前にまた一人死んだ。だが保障はなにもない」「漁業企業が違法なサンゴ密漁を行っているのに、役人は咎めもしない。雇われの出稼ぎ漁師が賃金を踏み倒されて、漁政局に調停を頼んでも、密漁をやめさせようともせず、自業自得だと言い放つ。汚職役人が多すぎる」…

三沙には3日ほど滞在していたのだが、ある時、密漁サンゴの売人に出合った。彼らは、自分が経営する工場で、漁師から買い取った密漁サンゴを研磨し、指輪やペンダントにして北京から来た宝飾店経営者や観光客などに売りさばいていた。店舗を持っておらず、好奇心から教えてもらった電話番号にかけると、待ち合わせの場所が県城郊外の建設工事現場だった。なんか、マフィア映画にある麻薬密売の取引き現場みたいだなあ、と思っていたら、本当にやってきたのが、スキンヘッドの子分を2、3人従えた、スジモノみたいな雰囲気の男たちで驚いた。彼自身も指に大きな赤サンゴの指輪をしていた。聞けば、建設工事現場の作業員を監督するのが本業で、副業としてサンゴの研磨工場をやっているという。

「ほら、見事なアカだろう」

「ほら、見事なアカだろう」と、指輪とペンダントトップを見せた。アカと言うのは日本語の赤と同じ発音。サンゴの色は、アカ、モモと日本語を使うのはサンゴ漁そのものが、日本発祥だから、という。表面はつややかな血の赤。裏をみると、白いフが若干はいっている。私が見る限りホンモノで、日本の宝飾店ではプラチナの台にいれて、ダイヤで飾って50~100万円くらいの商品になるのではないかと思われる。安物のダイヤのついた18金のあまりセンスの良くない台に収められて、ペンダントと指輪で2万元(約40万円)と、言われた。おそらく本気で値切れば1万元くらいまでにはいくかもしれない。北京で購入する3分の1位の安さだ。彼らは、漁師が採ってきた赤サンゴのうち、特にいいものだけを買い取っている、すべて日本産だと言っていた。「北京人は赤サンゴを欲しがる。北京で売られているサンゴはほとんどモモだろう。牛血(血赤サンゴ)はめったにお目にかからないだろう」と胸を張って見せたが、私が、珊瑚を彼に売っている船長の居所などについて、いろいろ質問しはじめると、警戒したように、俺は忙しいから、買わないんなら、いいよ、と行ってしまった。 「最近は、警察がサンゴの密売にうるさくなっているからな」とも言っていた。

サンゴ密漁、サンゴ密売買の町を歩いて、なんとなくわかったのは、少なくとも三沙、霞浦という場所では、役人も警察も軍も海上民兵もマフィアも漁師もみんなつながっている。堅気の世界とスジモノの世界は、緩やかに混ざっている、というのが、中国の地方の漁師町の状況だろう。「三沙の漁師のほとんどは台湾に出稼ぎにいったことがある。その際、サンゴ漁のやり方なども覚えてくるし、海上貿易で密輸入などにも関わる。それが違法かどうかなんて、関係ないさ。海の上では法律など関係ないのさ」。霞浦で出会った別の運転手から、そんな話も聞いた。

上から下までアウトロー

そういえば、福建といえば、アモイ遠華事件と呼ばれる中国史にのこる解放軍海軍が密接にかかわった大密輸汚職事件もあった。権力があれば、その権力に頼って法を犯すし、権力をもたない庶民であれば、法をすり抜ける知恵を絞る。結局、上から下まで誰もが法を守らないアウトローの世界なのである。そう考えると、サンゴ密漁にたとえ海上民兵が混じっていたとしても、それが中央の政府や解放軍のトップから指令が下りた戦略的なものかというと、そうではないかもしれない。中国に蔓延する汚職体質が産んだ、官民グルの犯罪、というものにすぎないかもしれない。だが、彼らが中央の政治の風向きを見て、日中関係が悪化すれば、多少日本に無法を働いても、さほど取締が厳しくない、と舐めてかかるという傾向はあるだろう。正直、上からの指令で統率をもって動く組織とは全く違う、こういう政治的空気に左右される利権と犯罪の癒着との方が、日本にとって、厄介な状況と言えるかもしれない。日本は、自国の主権が及ぶ海域で起きた犯罪は、自国の警察力と司法でもって断固対応するしかないということなのだ。

12/8ZAKZAK『韓国大揺れ 平昌五輪の単独開催危機…日本にすり寄り? 準備遅れ深刻』記事について

2020年東京オリンピックで競技種目に空手が入ることを祈念しております。さて、表題の件ですが、韓国は平昌冬季五輪を一部日本に肩代わりさせ、経費を浮かせた上に2026札幌冬季五輪の目を潰そうと考えているかも知れないというありそうな話です。ここまで騙されると言うと正直も度を超しているとしか言いようがありません。バッハIOC会長も平昌五輪が失敗したら自分の責任になるので日本に救いを求めて来ているのでしょう。でも、2002サッカーワールドカップ共催でひどい目にあい、また本年9月の仁川アジア大会の運営のまずさとおかしな判定は記憶に新しいところです。JOCはアジア大会で水泳の富田選手も守らず日和見した連中です。富田選手は組織がバックアップしないため個人で訴訟に踏み切りました。JOCというのはダメな大人の集まりです。今の日本の縮図です。しかし中韓と付き合うと碌なことはありません。乞食だって金を恵んだ人には感謝するのに「金は貰って当然」という姿勢というか貰ったら「コイツは脅せばもっと金を出す」と思う連中ですので、暴力団と一緒。こんな品性下劣な人達と付き合う必要はありません。日本人も上品ぶってないで主張すべきは主張しないと。いくら大人(タイジン)ぶっても戦う勇気のないものを臆病者、卑怯者と言います。西郷が言いましたように「正しい道を踏み、国を賭しても倒れてもやるという精神がないと、外交はこれをまっとうすることはできない。外国の強大なことに恐れ、縮こまり、ただ円滑に事を納めることを主眼にして自国の真意を曲げてまで外国の言うままに従うならば、侮りを受け、親しい交わりがかえって破れ、しまいには外国に制圧されるに至るであろう。」ことを胸に刻んで交渉すべきです。先人に合わせる顔がなくなります。時事の記事は煙幕かも知れないので要注意。東京の財政難何て誰が言っているのか?舛添辺りが裏で言っている?

ZAKZAK記事

韓国で2018年に開かれる平昌(ピョンチャン)冬季五輪が大揺れだ。財政難から、国内の一部関係者や五輪関係者らから、膨大な費用が見込まれるそり競技の会場建設に懸念が囁かれ、日本での分散開催論が急浮上した。ウォン高などで低迷する経済に有効な手を打てない朴槿恵(パク・クネ)大統領の責任も大きく、専門家からは冬季五輪そのものを返上すべきだとの声も出ている。平昌五輪は財政難から準備の遅れが指摘されている。開閉会式会場についても、コスト面から一時、平昌から約60キロ離れた江陵の既存施設を改装する案が出た。だが、開閉会式は開催都市で行う五輪憲章に反するなどの理由で当初の計画に。台所事情は非常に厳しい。そんな背景から、12月に入ってボブスレーなどのそり競技を長野五輪で実績のある日本で開催する分散案が、韓国内の一部関係者や国際オリンピック委員会(IOC)の関係者らの間で浮上。IOCのリンドベリ調整委員長は6日、「そり競技施設の建設は大きな負担になり、大会後の利用も難しい。平昌は賢明な判断をすべきだ」と、海外の既存施設利用を促す考えを示唆。平昌五輪組織委員会の趙亮鎬(チョ・ヤンホ)会長は「海外の12の会場で(日本も)選択肢の1つ」と説明した。もっとも、韓国内では、分散開催案に対する拒否感も強く、聯合ニュースは関係者の話として「長野五輪後、競技場の活用に難航する日本側が分散開催案を流して回っている」などと否定的に伝えている。新著『ディス・イズ・コリア』(産経新聞出版)がベストセラーのジャーナリスト、室谷克実氏は「財政が苦しいのならいったん、五輪を返上するのが筋だろう。また、仮に日本との分散開催となれば、先日、(26年)冬季五輪に手を挙げた札幌の線は、前々回でそり競技が長野で行われたのだから…という理由で消える。韓国は国際的な情報戦が非常にうまい国でもあるということも頭の隅においておいた方がいい」と解説する。IOCはモナコで8日(現地時間)と9日(同)に臨時総会を開き、競技の分散解散などを含めた中長期改革案を審議する予定。動向が注目されている。

平昌五輪の日本分散開催、朴大統領「ダメ」 韓国紙報道 時事 2014年12月8日19時51分、

2018年に韓国で開かれる平昌冬季五輪で、国際オリンピック委員会(IOC)がボブスレーなどそり競技の日本開催を検討していることについて、韓国の朴槿恵大統領は7日、「分散開催は駄目。あれこれ話が出ないよう、全力を尽くしてほしい」と与党議員に語った。聯合ニュースが8日伝えた。平昌の地元江原道の崔文洵知事も8日、「新設の競技場6カ所全てが着工しており、開催場所の変更は事実上不可能」と述べた。韓国ボブスレー・スケルトン連盟会長も「施設を着工したのに、日本に会場を移すことはあり得ない」と反発している。そり競技の施設は3月に着工し、工事の進捗(しんちょく)率は30%という。一方で、8日付の韓国紙・朝鮮日報は「平昌・東京五輪の一部種目交換は検討に値する」と題する社説を掲載。「平昌は、江原道と中央政府が費用負担をめぐり激しく対立している。東京も財政難で競技場三つの建設計画を取り消した」と指摘した。社説は「平昌と東京が一部の種目を(相手国に)移し、費用を削減する現実的な方法があるのか考える必要がある」と主張した。

宮崎正弘著『台湾烈烈 世界一の親日国家がヤバイ』を読んで

親日国家台湾にも外省人の反日教育が少しずつ効いてきて、学生は日本よりはアメリカへ向かうそうです。ただ、お年寄り世代から孫の代に日本統治時代の良さが口伝として伝わっているようでもあり、この財産を活かさねばなりません。11/29の6大市長選(閣僚級)では国民党は一市しか取れませんでした。宮崎氏の12/1メルマガによれば「6つの直轄市で中国国民党候補が勝ったのは新北市のみ。それも民進党候補に約2万4千票差に迫られる接戦だった。この直轄市6市を含む22の県・市で、中国国民党は15席から6席となり、民進党が6席から13席に倍増、無所属も1席から3席に増えた。中央選挙委員会によると、投票率は67.59%、有権者数は1851万1356人。29日夜11時25分にすべての開票作業が終わった。今回選挙の最大の特徴は台北市に現れている。組織に頼らない無所属の柯文哲候補が24万票もの大差をつけ、中国国民党の連勝文候補を下した。連候補は、中国国民党の正統を象徴する連戦・中国国民党名誉主席の御曹司。一方の柯候補は台湾大学医学部の外科医で無所属。いわゆる藍(ブルー)と緑(グリーン)という2大政党によるイデオロギーのぶつかり合いとはならなかった」とのこと。実は2010年の5大市長選(台北、新北、台中、台南、高雄)では辛うじて国民党が勝利したが、得票率では民進党が5%上回った。国民党は336万9052票(44.54%)に対して民進党は377万2373票(49.87%)であった。選挙区割りの妙と国民党の選挙テクニックのうまさが勝因とのこと。今年の選挙は流れから言って民進党系が勝つ方向であったということ。馬総統が余りに中国に近づきすぎたため、3月から4月には「太陽花運動」と呼ばれる国会の占拠を学生が中心になって行い、中国との「サービス貿易協定」に反対する「反服貿」集会が開かれました。この後の選挙であるから民進党系の勝利は動きませんでした。台湾のマスコミは日本以上にひどく、9割が国民党系とのこと。それでも民進党を選んでいるのですから。中国人ではなく台湾人という意識の人が増えているそうです。2016年の総統選では蔡英文女史(民進党)が勝つかも知れません。香港のデモも正しく「太陽花運動」に影響を受けていますが、悲しいかな一国二制度を認めたため、中国が将来分裂しない限り、香港の自治はあり得ないでしょう。宮崎氏によれば台湾独立も中国分裂のタイミングでと考えているようです。台湾は中国に近づけば近づくほど香港と同じ運命を辿ります。日本と台湾は運命共同体(中国の太平洋覇権の抑止という意味で)なのに、アメリカ・日本の政府とも台湾に優しくありません。中国のハニーと賄賂工作が実を結んでいると思われます。

本の内容紹介

中国崩壊が独立最大のチャンス

台湾独立論は奇矯な言論ではない。可能性としては中国そのものが将来、大分裂をおこすときが最大のチャンスになるだろう。 かつてソ連帝国が頑強な軍事力の下に外見的な「団結」を誇っていた頃、外交評論家の那須聖は『ソ連の崩壊』を予測してベストセラーとなった。同じ頃、フランスで本格的な社会学的研究によるソ連解体論、分裂予測がでた。エマニュエル・トッドというフランス人の人口学者の予測の基軸は軍事力の負担に耐えかねるという一般論ではなく、ソ連国内でロシア人の出生率が異様に低い反面でイスラム圏に人口爆発があり、いずれ民族間の軋櫟が統一国家の維持を難しくするという、データ重視の予想だった。最近、このトッドは「中国共産党は脳幹が腐り始めた」と中国を批判している。ニ〇〇八年には「アメリカが六つに分裂する」という衝撃的な文明論がロシア人学者からなされ、世界的評判を呼んだ。欧米や台湾・香港、シンガポールなどではハンチントンの『文明の衝突』並みに持て囃された。しかし日本ではさっぱり評判を呼んでいない。日米同盟を重視する余り、この論を黙殺するのだろうか。提唱者はパナリン(元KGBアナリスト)、現在ロシア外交学院長というれっきとした学者である。そんじょそこらのセンセーション狙いとは違い本格的研究なのだ。

趣旨は大多数の新移民に大不況の失業が重なり、社会からモラルが消える。2010年6月から7月にかけて米国に大規模な内戦が勃発し、 (もう過ぎていますが)

㈠アラスカはロシアの影響下に戻り、

(ニ)カリフォルニアから西海岸、ユタ州からアリゾナ州を含めての地域は中国の影響を受けた「カリフオルニア独立国」となる。

(三)北東部(メーン州からNY、ワシントンを経てサウスカロライナ州の、昔のコモンウェルズ)は「大西洋アメリカ」になる。

(四)中西部からモンタナ、ワイオミング、コロラド州は「中北アメリカ」となってカナダの数州を包摂する。

(五)テキサス、ルイジアナ、フロリダなど南部アメリカは旧メキシコ領をふくめて独立する。

(六)ハワイは中国と日本の影響下に入る

という壮大なシナリオである。

米国マスコミは「あまりにバカバカしい予言のたぐいで問題に値しない。こういう荒唐無稽のシナリオを大不況、株価低迷の米国に対してロシアがなすという、このタイミング はロシア国民の喝采受けを狙うもの」と冷ややかだった。当のパナリンは「資料は米国情報担当部署やFAPSI (ロシア政府通信情報局)のデータを使った。この予言的中率は四五~五五パーセントの間だ」と冷静である。また「連邦政府の予算配分が地域的に不平等であり不況対策、とりわけ地域振興の予算配分を巡る対立が生じ、アメリカ人の多くも『分裂が最適』と思うようになるだろう」という。台湾の『自由時報』が大きく取り上げて、「一九七六年にソ連崩壊を予言したフランス人学者エマニュエル・トツドの説を当時、誰もが笑ったように、このロシア人学者、じつはクレムリン宮殿にも呼ばれて講演し、テレビにも出演する、ロシア有数のアメリカ通。笑って済ませるだけで良いのか」とコメントしている。中国が分裂するというシナリオを本書で詳しく論ずる紙幅はないが(ご興味の向きは拙著『中国大分裂』(文春ネスコ刊)を参照)、歴史的に見ても歴史の空間の半分近くは中国は分裂していた。南北朝、三国志、群雄割拠、燕朝一六国等々。戦後もウィグル、チベット、南モンゴルなど不釣り合いな地域を無理矢理に地図に算入しているため、統合力がいったん失われ、放心力が加わると分裂は加速度的に、旧ソ連型のようになるだろう。そのときは自動的に台湾は独立を宣言するだけでよい。

激変する中国人女性の人生観

女性の人生観も凄まじいほどに荒んできた。ちょっと綺麗な女は外国人の伴侶を捜す努力を惜しまず、「たとえ禿げでもジジイでも構わない。海外へ出たい」というのが最大の人生目標である。このことは筆者が過去四〇年、合計二百回は渡航した中華圏で、カラオケに限らずホテルの従業員や売り子らとの会話からの結論である。「なぜ外国へ出たいか」という質問には公害、貧富の差、独裁という理由を挙げず、彼女らが鸚鵡返しに逆質間してきたのは「日本の女性もそうでしょ?」というものだった。「日本ほど外国に住みたがらない民族は珍しいですよ」と答えるとキョトンとしていた。 彼女らが目的とするのは、たとえば新聞王のルパート・マードックの三番目の後妻にまんまと納まったウェンデイ・デンである。彼女の波瀾万丈の上昇人生、その生々しくも野心的な生き方が彼女らの目標である。実際のテインは徐州生まれの貧乏娘、苦労してアメリカに渡り世話になったスポンサーの老人を寝取って戸籍を取得したらバイバイ。当時、マードックが世界の新聞王を目指して英国から米国へ進出し、FOXテレビ、ウオールストリート・ジャーナルなど次々と買収していた時期に香港のテレビに通訳で入るや、色仕掛けでマードックに近づいたと噂されたが三二年連れ添ったアンナ失人を離婚させ正妻の地位を得た。四○近い年齢差がある。前妻の子らとは新たに子供を作らないと誓約しながら、堂々と二人の子供を産んで、マードック死後の世界一のマスコミ帝国の財産相続を担保した。その凄まじいまでの腕前(性技?)、このデンこそが彼女らの人生目標の一つ、生き方の規範である。女性の勝ち組のなかには「愛人業」も盛んである。スポンサーがいくら小遣いをくれる、マンションを買ってくれた、私は名勝地にリゾ—トも買って貰ったわーなどとあからさまに自慢しあう。自家用飛行機でどこへ連れて行ってくれた、今度は日本の富士山と箱根にファ.―ストクラスでつれていってくれる、って。北京師範大学門前は「愛人」を週末に迎えにくる黒塗り高級車がならぶ。カリフォルニアにはれっきとした中国人だけの「妾村」がある。そして若い女性は権力者、金持ちなら愛人でも構わないというあっけらかんと割り切る人生観なのである。こういう短絡的、単細胞思考は中国人がいかにカネと権力を愛しても、純愛を信じていないかの証拠でもある。

しかし勝ち組など例外的で大方は負け組である。美貌にも恵まれず愛人として自分を高く売り込めなかった女性らは売春街へでて稼ぐ。カラオケ、マッサージ、怪しげなサウナ、曖昧宿。目的はカネだけである。「からだが売れるうちに金を得たい」と呻くような生き様は福島香織の『中国の女』(文藝春秋)に譲るとして、こうなると男性側も相手の遊び方は露骨でえげつなく、バアでの会話は「やるか、やらないか。 いくら」だけの世界だ。即物的、情緒がはいりこむ余地はない。のんびり文学論議などする銀座の文壇バーは中国では存在しない。手も握らないで会話を楽しんで数万円を支払う銀座紳士なんて中国人男性からみれば宇宙人だ。こうした状況下に渡辺淳一が切り込んだわけだから斬新、新鮮な衝撃と捉えられた。これまで考えられない世界が中国人の若者世代に提示されたのだ。なにしろ渡辺作品の主人たちと言えば、左遷された編集者とか、うだつの上がらない建設会社の部長とか、冴えない男たち。他方、女性主人公らは性愛で開発され男に惹かれる時期もあるが、 人生の姿勢に凜としたところがあり、そのうえ自己を確立した女性が多いのでカネとか 権力は興味の対象ですらない。言ってみれば中国的価値判断からは「落ちこぼれ」である。ところが全編、「愛」というテ ―マをめぐる心理の変化が克明に描かれ、人生始まってから経験をしたことのない世界だから、 若い中国人が読み始めたのだ。文革体験とその後遺症が残る習近平、李克強世代から上は読まない。青少年は圧倒的に日本のアニメ、二○代前半の中国人はゲームとスマホに狂うが。