『中国がハワイ海域に向けてICBMをぶっ放したワケ…核抑止力の誇示か、それとも解放軍の威信回復か』(9/28JBプレス 福島香織)について

9/29The Gateway Pundit<HUGE: Leaked Conversation Between Arizona’s Democrat Gov, Attorney General, and Secretary of State Reveals Attempt to Cover Up 98,000 Voter Registration Glitch – Officials Worried About Calls for New 2020 and 2022 Elections=ビッグニュース:アリゾナ州の民主党知事、司法長官、州務長官の間の会話が漏洩し、98,000人の有権者登録の不具合を隠蔽しようとしたことが明らかに – 当局は2020年と2022年の選挙のやり直しを求める声を懸念>

米国の不正選挙が全米の話題になればよいですが、左翼メデイアと左翼SNSは報ぜず、検閲するでしょう。ケイティ・ホッブズが州知事になったときに、不正との話は出ていた。米国の司法は当てにならない。

2022年11月12日の本ブログの「11/11看中国<亚利桑那州计票太慢 川普质疑舞弊重现(图)=アリゾナ州は票を数えるのが遅すぎる、トランプは詐欺の再発を疑う(写真)>」の記事参照。

http://dwellerinkashiwa.net/2022/11/12

アリゾナ州の民主党州公職者間の電話会話が新たに漏洩し、約10万人の有権者の市民権を承認する州全体の誤りを発表する前に、彼らがいかにして物語を見つけようと奮闘したかが明らかになった。

「これで、選挙での不正投票に関する彼らの理論がすべて立証されることになる」と、ワシントン・ポストとの電話での遣り取りでアリゾナ州知事ケイティ・ホッブズ氏は語った。「彼らは2020年と22年の選挙もやり直すよう要求するだろう」とホッブズ氏は、前回の中間選挙でカリ・レイク氏から不正に票を盗んだ自身の選挙に言及し、懸念を示した。

民主党のクリス・メイズ司法長官は、州が有権者の市民権を確認していないため、 「これらの選挙はすべて異議を申し立てられる可能性がある」と認めた。

それでも、誰がこの電話をリークしたのかは不明だ。これは企てられた電話と、選挙の公正性と透明性を確保するために当局が最善を尽くしているように見せるために、体制側メディアへの「リーク」だった可能性がある。

電話に出た3人の幹部は全員、2022年の選挙で勝利したとされている。州最大の郡であるマリコパ郡では投票日に機械の60%が故障し、偽造または違法な郵便投票が何十万通も数えられたとみられている。特に、当時のケイティ・ホッブズ州務長官は、2020年と2022年の選挙を監督する責任を負っていた。

9月10日の電話会談の漏洩は、選挙管理当局が国民に信じさせていたよりも1週間以上早くこの問題を知っていたことも証明している。

アリゾナ州共和党委員長のジーナ・スウォボダ氏は2日前、ゲートウェイ・パンディット紙に「長官は9月6日にこの件を知って知事に報告したと理解している」と語った。しかし、マリコパ郡記録官のスティーブン・リチャー氏は9月17日までこの不具合を公表しなかった。

ゲートウェイ・パンディットは、リチャー氏が発表したアリゾナ州自動車局(MVD)のシステムにおけるエラーについて報じた。このエラーにより、登録者の国籍を確認せずに約10万人の有権者登録が承認されたという。

しかし、この誤りは新しいものではありません。実際、20年間にわたり、システムの抜け穴により、1996年以前に運転免許証を取得した個人は、市民権の確認なしに投票することができました。

アリゾナ州は2004年から投票に市民権を証明する書類の提示を求め始めたため、アリゾナ州が1996年に運転に市民権の証明を求める前に発行された免許証は、市民権の有無にかかわらず、MVDに提出された書類上で市民権の証明として記載されていたと選挙管理当局は主張している。

「1996年以前に免許証を受け取ったドライバーは、市民権を証明する書類をファイルに保管していませんでした。しかし、免許証を紛失した場合など、重複した免許証を受け取った場合、MVDとの州全体の有権者登録インターフェースで発行日が更新されます」とリチャー氏は述べた。

ワシントン・ポスト紙によると、40分間の電話会談で、民主党幹部らはホッブズ氏が「緊急かつ悲惨な状況」と表現した状況でどう対処するかを議論した。

クリス・メイズ司法長官とエイドリアン・フォンテス州務長官も、2024年に選挙詐欺の疑いをかけられ、「何をしても叩かれる」のではないかと懸念している。

「これが公になれば、世界中の陰謀論者が、少なくともアリゾナ州では過去3回の選挙を再び争うことになるだろう」とケイティ・ホッブズ知事は述べ、選挙における不法移民の投票問題が「立証される」ことになると指摘した。

クリス・メイズ氏は、市民権取得要件が実施される前に運転免許証を発行されていた可能性が高いとされる共和党支持者の選挙権を剥奪したとして非難されるのではないかと懸念を表明したと報じられている。

ホッブズ氏は、この問題が「政治化」されることを恐れて、影響を受ける有権者の政党支持について議論したがらなかったが、クリス・メイズ氏と面会した際、信じられないといった口調でこう言ったと伝えられている。「ケイティ、この件を政治化しないというあなたの意見は理解できますが、現実は、もしこれを許せば、これらの選挙はすべて異議申し立ての対象になります。彼らは新たな選挙を求めるでしょう。」

この問題に対する彼らの解決策は、民主党のエイドリアン・フォンテス州務長官が提案した「友好的な訴訟」であり、ゲートウェイ・パンディット紙が報じたように、マリコパ郡記録官のスティーブン・リチャーが訴訟を起こした。民主党指導者らは、より多くの共和党支持者に影響を与えるこの問題が政治化されることを懸念していたため、共和党員(RINO)のリチャーを訴訟の起用として利用したのは理にかなっている。

リチャー氏の訴訟は、影響を受ける有権者(ほとんどが共和党員)を「連邦のみ」の有権者として登録するよう求めている。州法の下では、市民権を証明する書類を提出していないため、これらの有権者は地方選挙で投票することができない。

州最高裁判所に提起された緊急訴訟はすぐに判決が下され、影響を受ける有権者は引き続き全投票を行うことが認められる。

これは発展途上の物語です・・・。

https://www.thegatewaypundit.com/2024/09/huge-leaked-conversation-between-arizonas-democrat-gov-attorney/

9/30阿波羅新聞網<困兽犹斗!习近平炮舰外交—习近平的炮舰外交:经济困境下的“困兽犹斗”= 閉じ込められた獣はまだ戦う!習近平の砲艦外交—習近平の砲艦外交:経済的困難の下でも「閉じ込められた獣はまだ戦っている」>「砲艦外交」という言葉は、帝国主義による中国への屈辱を非難し、中国人民にいわゆる愛国心(実際には中共への愛)を教育するために、中共当局によって長い間使われてきた。

しかし、「砲艦外交」と「戦狼外交」は、最近、中国の行動、特に南シナ海と東シナ海における中国の行動を表すために国際的に使用される用語となっている。

習近平の「砲艦外交」

9/21、英国の『ガーディアン』紙は「習近平の『砲艦外交』はいじめられている隣国を敵側に追いやる可能性がある」と題する署名付き評論を掲載した。評論には次のように書かれていた。

「実際、アジア太平洋の安全保障上のホットスポットに対する西側の評価は北朝鮮の核兵器とミサイルに焦点を当てていることが多く、その一方で南シナ海紛争は無視されることが多いが、爆発的な問題であることに変わりはない」と。

中共、北朝鮮、ロシアは現・旧共産帝国主義国だから侵略しようとする。

https://www.aboluowang.com/2024/0930/2109137.html

9/30阿波羅新聞網<习近平梦碎一地!砸巨资难救回了【阿波罗网报道】—困难超想象!砸963亿美元难救半导体 习近平梦碎技术天花板=習近平の夢は砕かれた!莫大な資金を投じても、救うのは難しい【アポロネット報道】 – その大変さは想像を超える! 963億ドルを費やしても半導体を救うのは難しい 習近平の夢は技術の天井で砕かれる。>アポロネット王篤若記者の報道:米国メディアによると、中共国が米国のチップ禁止に懸命に対処し、半導体の自給自足の達成に努め、業界支援に963億米ドル(約3兆0500億台湾ドル)を費やしていることを明らかにした。しかし、重要な半導体装置は、投資にお金を投じるだけでは入手できない。これを解決するには、中共国が技術の天井を突破したいと思っても、大きな困難に直面する。

米メディアCNBCは、米国が2022年10月に厳格な輸出禁止措置を発動して以降、オランダ政府も半導体製造装置大手ASMLの中共国への先端装置の輸出を禁止したと報じた。規制に対抗して、中共国は米国とその同盟国が課した半導体禁止令を打破するために多額の資金を投じて半導体産業を支援してきた。

半導体製造装置は中共国のチップ産業の現地化推進の鍵となるため、CNBCは半導体産業を支援する中共国の3大国家基金の規模は963億ドルに上ると推計している。先週、中共国は最新の露光機が65nmの解像度(約65nmのプロセスノードを指す)をサポートできると発表したが、これは2022年に開発された90nmよりも改善されているが、依然としてASMLの先進的な露光機には遠く及ばない。

台湾、日本の技術も漏れないように。

https://www.aboluowang.com/2024/0930/2109151.html

9/30阿波羅新聞網<日益严峻!中国经济面临重大挑战=日に日に厳しくなる!中国経済は大きな課題に直面している>国立台湾大学政治学部名誉教授の明居正は最近、YouTube番組「政治経済フロンティア」で、中国は国内の経済問題に加えて、増大する国際的な環境圧力にも直面していると述べた。中でも、米中貿易戦争は中国の輸出主導の経済に大きな影響を与えている。 2018年の貿易戦争勃発以降、米国は多くの種類の中国製品に追加関税を課しており、これにより中国企業の海外市場シェアは大幅に低下した。これは中国の輸出減少につながっただけでなく、一部の製造企業がベトナムやインドなどの低コスト国に生産を移転することを促し、中国の世界的なサプライチェーンの地位はさらに低下した。

同時に、中国と米国の間の技術競争も中国経済に大きな課題をもたらしている。米国は一連の制限措置を通じて、先端半導体や通信技術などのハイテク製品への中国のアクセスを阻止してきた。この技術封鎖は、5G、人工知能、チップ製造などの分野における中国の技術進歩を大きく制限し、関連企業を前例のない圧力と開発のボトルネックにさらしている。

米国だけでなく欧州諸国も中国に対する警戒を強めている。 EUと中国の経済関係はグローバリゼーションの過程で重要な役割を果たしているが、近年、欧州は市場アクセスと技術保護に関する中国の政策に対する疑問を提起している。中国企業は低価格競争戦略で世界市場に参入しており、欧州の中小企業に多大な影響を与えており、EUは中国輸入製品に対する監視を強化し、段階的により厳しい措置を講じるようになっている。

日本はTemuやSHEINをザルのように商売させている。日本の商品が駆逐されてしまう。規制せよ。

https://www.aboluowang.com/2024/0930/2109232.html

9/30阿波羅新聞網<全球哗然!伊朗间谍通报真主党领袖行踪给以色列—法媒:是伊朗间谍!通报真主党领袖行踪给以色列=世界は大騒ぎ!イランのスパイがイスラエルにヒズボラ指導者の居場所を通知-フランスメディア:イランのスパイだ!イスラエルにヒズボラ指導者の居場所を知らせる>NDTVは、フランスのメディア、ル・パリジャンの報道として、レバノンのヒズボラ指導者サイード・ハッサン・ナスルラが27日にイスラエルの空爆で殺害される数時間前に、イランのスパイがナスルラの居場所をイスラエル当局に通報したと伝えた。

レバノンの治安筋によると、スパイはイスラエル当局にナスルラの居場所を知らせ、ナスルラは他の多くの幹部らと会うため首都ベイルートの南郊外にあるヒズボラ地下本部に行こうとしていたという。

これに先立ち、イスラエル軍は28日、ナスルラがヒズボラ地下本部で多数の上級司令官と会談することを知って攻撃を開始したと発表していた。攻撃はイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の承認を得て行われた。

モサドのヒューミントは凄い。

https://www.aboluowang.com/2024/0930/2109141.html

何清漣が再投稿

米国暁言フォーラム Cheyenne’s Forum Q TOWN @cheyennexli 1 時間

この電話の漏洩は全体の局面をほぼ一変させる可能性があり、アリゾナ州知事、州務長官、司法長官は責任を逃れることはできないだろう。

この3人はアリゾナ州の選挙に重大な欠陥があることを共に知っており、さらに深刻なことは、それを隠蔽するために協力したのだ。

これは単なる犯罪ではなく、重罪である!

福島氏の記事では、中国人の言う「核先制不使用」は当てにならない。超限戦を標榜している人民解放軍は国際ルールに関係なく、使えるものは何でも使う。ロシアのプーチンだって、困窮すれば、世界の非難を浴びても使うでしょう。

これに対し、日本はどうかと言うと、自民党の中で権力争いしているだけ。核抑止を真剣に考える人が内閣に入らないといけないと思っていますが、岩屋外相、中谷防衛相では望むべくもない。10/27衆院選が決まったようですが、裏金議員を候補から外したら、新人で勝てる人物はこの短期間では選べない。自民党は自公で過半数を落とすことはないと思いますが、惨敗は既定路線。石破は超短命の総理になるのでは。

記事

「解放軍はポンコツ」とみられている(写真:VCG/アフロ)

中国解放軍は9月25日、ロケット軍による大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射実験を行った。翌日、発射テストの写真を公開し、このミサイル発射実験が完全に合法かつ合理的なものであることを強く主張。いったいこの突然のミサイル発射の目的は何なのか。

(福島 香織:ジャーナリスト)

中国中央電視台(CCTV)の微博公式アカウントを通じて公表されたメディア向け写真を見ると、だだっ広い草原から、火炎と濃煙を挙げてミサイルが発射されている様子が映っている。このミサイルの型式、射程、軌道については公式に発表されていないが、中国メディアの報道を整理すると、東風41(DF-41)、射程1万2000キロで、おそらく海南島付近から発射され、ポリネシアのハワイ南方、そう遠くないあたりに落下したようだ。

日本の防衛省は日本上空を通過せず、としている。ちなみに日本政府には中国当局からICBM発射実験の事前通知はなかったが、海上保安庁へは23日、宇宙ゴミ落下の予定が通知されていたという。

26日の中国国防部の定例記者会見では、模擬(核)弾頭を搭載しており、予定された太平洋上海域に正確に着水した、と発表された。テスト発射の目的は武器装備性能と訓練レベルの確認ということで、通常の軍事演習に属するものだと説明した。

国防部報道官の張暁剛は「中国は終始、核兵器による先制攻撃を行わないという核政策を厳守しており、核防御戦略は断固として自衛のためとしている。軍拡競争には参加せず、自身の核パワーを国家安全に必要な最低レベルで断固維持する」と述べた。

果たして、この説明を素直に受け止めてよいのだろうか。

中国がぶっ放したICBM「DF-41」(写真:ロイター/アフロ)

今回、テスト発射されたICBMは、火炎の色からみて固形燃料が使用されているとみられる。ボイス・オブ・アメリカ(VOA)が引用した台湾の国防安全研究院国防戦略資源研究所所長、蘇紫雲のコメントでも「全くの新型でない限り、DF-41」としている。

公式資料によれば、DF-41は2019年の中国建国70周年の軍事パレードで初公開され、10個の核弾頭搭載可能だ。射程は1万2000~1万5000キロで、全米に到達可能なICBMだという。中国では洋上に向けて長距離ミサイルを発射することは非常に珍しく、通常は内モンゴルの砂漠地帯で非公開のテストが実施されてきた。

解放軍が国際水域に大陸間弾道ミサイルを発射したのは1980年であり、南太平洋の予定海域に着水させることに成功していた。

つまり、44年ぶりに、中国は国際水域、国際社会に向けてICBMをぶっ放したのだ。これが通常演習に属するものなわけがなかろう。

では狙いはなにか。

「核抑止力を持っている」と誇示

VOAなどが引用する軍事専門家の分析を見ると、DF-41の改良版テストが目的である、という見方がある。DF-41の改良版DF-51が開発中で、これは射程距離1万5000キロ以上、搭載可能核弾頭数14個で同時に複数の目標を攻撃することができる、らしい。このDF-51のテストをかねて、米国ら国際社会に向けて中国の核パワーを誇示してみせた、のではないか。

台湾の中華戦略フォーサイト学会研究員の王信がVOAに語ったところによると、「目的は射程がいわゆる『第二列島線』を超えてハワイ海域まで届き、米国本土を攻撃する可能性があることを米国に知らせるためだろう。同時に、発射した弾頭を回収し、着弾地点との誤差を計測するためだ。今後、関連情報が公開されたり、情報が洩れ伝えられたりしたとき、西側諸国は中国共産党のミサイル能力の成長に驚くだろう」という。

習近平国家主席の狙いは?(写真:新華社/アフロ)

カーネギー財団研究員のアンキット・パンダはAFPの取材に対し、今回のテストは「中国がこの分野で現代化を進めており、新たなテスト発射が必要であったということを意味するかもしれない」と語った。

フランス国際関係研究所(IFRI)アジアセンター主任のマルク・ジュリアンは、「中国からワシントンに向けたシグナル」と分析。「ミサイルの着水点が米軍基地のあるグアムから遠くなく、中国としては競争相手の米国に対して自国がすでに、『核抑止力』を持っており、完全にオペレーションでき、その射程、照準の正確さも、信頼できるのだということを示したかったのではないか」という。「中国の兵器庫にはすでに、米国本土とインド太平洋地域を目標にできるだけのものがあるのだ、と示したかったのだ」と。

もう一つアングルの違う見方がある。もちろん、軍事実力アピールには違いないのだが、それは他国に対する威嚇というより、自国軍の尊厳を守るためのパフォーマンスである可能性だ。

というのもこのコラムでも何度か取り上げたが、昨年から解放軍はロケット軍を中心に大規模粛清が展開されてきたのだ。

世界に広がった「解放軍はポンコツ」

まず、この夏の三中全会前に党籍、軍籍、個人財産のすべてを剥奪された元国防部長の魏鳳和はロケット軍出身軍だ。魏鳳和はロケット軍が第二砲兵部隊と呼ばれた時代から司令を務め、2015年にロケット軍に再編成されたのちもロケット軍第一期司令となった。その次の司令の周亜寧、その次の司令の李玉超も魏鳳和の信頼する部下で、ロケット軍は魏鳳和一家と言えなくもなかった。

だが、2023年7月までにまず李玉超の突然の失脚が明らかになり、続いて周亜寧も失脚。2023年12月までにロケット軍司令経験者、政治委員経験者を含めた幹部の失脚者数は少なくとも9人にのぼった。

またこのころ、ロケット軍の人事表から細かいオペレーションスケジュールまで米軍に漏れていたことが明らかになり、ロケット軍幹部から米軍に情報がもれた可能性が噂になった。李玉超らロケット軍幹部に続いて現役国防部長だった李尚福も失脚し、解放軍幹部の大粛清が展開された。

また、彼らの失脚理由の建前は汚職、腐敗で、ロケット軍の汚職があまりにひどく、予算が横領されたことによってミサイル発射の開閉口が整備不良で開かなくなったり、液体燃料タンクに水が入っていたり、といった米情報当局の話がブルームバーグによって報じられたこともあった。

このことから、解放軍でもっとも優秀とされていたロケット軍までが機能不全に陥っている、つまり解放軍全体がポンコツである、という評判が国内外に流布されたのだった。

オーストラリアの反共的な華人法学者、袁紅冰によれば、魏鳳和とその部下たちが芋づる式に失脚した背景には、魏鳳和が習近平の国際戦略に反対したことがある、という。

習近平は国防部長になったばかりの魏鳳和を当初は信頼して、台湾武力統一やロシアからの旧清朝領地域奪還計画の具体的タイムスケジュールを語ったところ、魏鳳和が強く抵抗したのだという。それどころか、部下たちに「習近平がこのような愚かな国際戦略を考えている」と馬鹿にするような言動があり、それが盗聴によって習近平にばれたことから、習近平と魏鳳和の関係に亀裂が入った。そこから魏鳳和への不信がはじまり、さまざまな不正、汚職容疑が洗い出されることになった、という。

実際、魏鳳和の党籍、軍籍剥奪が発表されたときに公表された調査書によれば、「不忠誠(忠誠失節)」問題があったことは事実のようだ。

軍幹部の本音は「米国とは戦争したくない」

この情報が単なる流言飛語かどうかはさておき、解放軍内のほとんどの軍幹部のコンセンサスとしては米軍とは戦争したくない、というのがある。これは事実で私もかつて、何度も現役退役の軍関係者からそんな話を聞いている。

理由は簡単で、絶対に勝てない戦争はしたくないというのが、軍人の本音なのだ。戦わずして勝つのが最善の戦略であるというのは孫子の兵法の真髄でもある。もし、習近平から、2027年までに台湾武力統一を実現するにはどうしたらいいか、と相談されたら、まっとうな軍幹部は、無理です、無茶です、と完全否定するだろうし、信頼する部下や側近に後で「習近平は軍事音痴でこまったもんだ」ぐらいの愚痴は言いそうだ。

ちなみに解放軍で最も精鋭が集まり、米国通が集まっているのがロケット軍と言われている。なぜなら中国の核ミサイル戦略は米国に学び、米国を模倣してきたからだ。

つまり、習近平とロケット軍、解放軍の信頼関係はいったん、徹底的に破壊され、習近平は解放軍を掌握できていない、そして解放軍はポンコツ化しているという評価が外国だけでなく、人民の間にも広がってしまった。

今のタイミングで、ロケット軍のICBM発射テストを行った狙いを想像すると、まず習近平がロケット軍をしっかり掌握しており、オペレーションも問題なく、機能していることをアピールする狙いがあるのではなかろうか。

フランスのル・モンド紙は「中国の今回のICBM発射は中国軍内の深刻な動揺、軍内の腐敗、汚職、規律違反が起きた背景の中で行われた」と指摘。このテスト発射の目的は中国の軍部の尊厳を取り戻すためのパフォーマンスではないか、というわけだ。

すでにグレーゾーンの侵略が始まっている

だとすると、タイミングを合わせて26日、米ウォール・ストリート・ジャーナルが、複数の米政府当局者の話として、中国で5月下旬から6月上旬にかけて、最新鋭の原子力潜水艦が沈没したことを報じたのもうなずける。中国はICBM発射実験で、解放軍の尊厳、習近平の尊厳を回復しようとしたが、その尊厳を米国が最新鋭原潜沈没という中国が隠蔽している情報を暴露して、追い打ち式に解放軍の尊厳を潰しにかかっているのだ。

ただ、私は日本人としてはそんなふうに、ただのパフォーマンスだとして、中国のICBM発射実験を軽く見てはならない、と思っている。そもそも、日本上空を通らなかったとしても、隣国日本政府に対しては事前通達すべきであり、いきなりの発射実験は、北朝鮮と同じように、日本に対する威嚇ととらえてよい。

日本は、最近、解放軍や中国海警局から領空、領海、接続水域への侵犯を受ける頻度が増えており、先日も空母・遼寧が初めて日本の接続水域に入った事件があった。私自身は、これは日本としてはグレーゾーンの侵略がすでに始まっていると深刻にとらえるべきだと考えている。

そういう中で模擬弾頭とはいえ、核ミサイル実験を行ったことの意味は軽んじるべきではない。実験を行うのは、習近平政権としての尊厳回復、解放軍の面子回復の意味もあるかもしれないが、将来的に核ミサイルを使用しうるという意思があることの表明だ。

そして、もし、中国が核弾頭を使う可能性があるとしたら、自国の領土が侵略されたとき、つまり、中国が自国の領土だと主張し続けている台湾の統一を実行に移そうとして、米国や日本が妨害したときも含まれる。日本は中国の核ミサイルの標的の一つであるということをこの際、思い出してほしい。

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