『中国での日本人母子刺傷事件は本当に「偶発」か?弱腰日本は格好のターゲット、反日高揚の危険な周期に 当局は「中国は世界で一番安全な国」と主張』(6/28JBプレス 福島香織)について

6/29The Gateway Pundit<REPORT: Democrat Bigwigs Discuss “Intervention” to Remove Joe Biden from Ticket Against His Will and They Want Barack Obama to Lead the Effort=レポート:民主党の有力者たちは、ジョー・バイデンを彼の意志に反して公認候補から外すための「介入」について議論しており、彼らはバラク・オバマにその取り組みを主導させたいと考えている>

オバマが言う「生涯を通じて一般の人々のために戦ってきた人(=トランプ)と、自分のことしか考えていない人(=バイデン)との選択だ」とすれば、納得する。

認知症のジョー・バイデン氏の討論会でのパフォーマンスと、選挙戦からの撤退を頑なに拒否したことを受けて、民主党側には絶望感が広がり続けている。

今、彼らの孤独な目は、選挙の惨事から自分たちを救うためにバラク・オバマに向けられている。

デイリーメール紙は土曜日、民主党の寄付者が、ジョー・バイデン氏に退陣を説得するためにオバマ氏が介入する案を話し合っていると報じた。第44代大統領は、クリントン氏、ペロシ氏、シューマー氏とともに、民主党内でバイデン氏を追い出す力を持つ数少ない人物の一人とみなされている。

さらに、彼らは、バイデン氏を彼の意に反して公認候補から外し、8月の民主党全国大会で代替することになる難解な規則について民主党の寄付者と面会した。

デイリーメールより:

一方、討論会の余波を受けて、民主党の寄付者は、トランプ氏に対するパフォーマンスが広く嘲笑された現職大統領に分別を持たせるためにオバマ氏が主導する「介入」の案を浮かべている。

事情に詳しい人物によると、バイデン氏を本人の意に反して公認候補から外し、8月の民主党全国大会までに交代させるという難解なルールについて政治顧問らが協議していたという。

オバマ大統領が彼らの申し出を受け入れるかどうかは時が経てばわかるだろうが、ゲートウェイ・パンディットが昨日報じたように、第44代大統領は今のところバイデン氏を支持している。

「討論会の夜はつまらないこともある」とオバマ氏はXに書いた。「だが今回の選挙は、生涯を通じて一般の人々のために戦ってきた人と、自分のことしか考えていない人との選択だ」

https://www.thegatewaypundit.com/2024/06/report-democrat-bigwigs-discuss-intervention-remove-joe-biden/

6/29看中国<英媒:没有抛弃盟友 川普支持深化日本韩国传统联盟(图)=英メディア:トランプは同盟国を捨てない、日韓の伝統的な同盟関係の深化を支持している(写真)>英国メディアの報道によると、過去数週間にわたる会話の中で、米共和党大統領候補トランプの政策顧問は日本と韓国の政府当局者に対し、トランプが選挙に勝てば日韓関係の発展継続と世界的な緊張を緩和するための軍事・経済・外交の協力推進を支持すると述べた。

トランプ大統領は日本と韓国の二国間関係の発展を支持し、伝統的な同盟関係を深化させることに意欲を示している

6/29、ロイター通信は、トランプ大統領の盟友が日本と韓国の政府当局者に対し、共和党大統領候補はバイデン時代に三国関係を深め、中国と北朝鮮の当局の努力に対抗するのを支持することを保証していると、この問題に詳しい関係者5人の話として伝えた。

日本と韓国の政府当局者と米国の共和党議員(一部は直接関与)がロイターに会話を明らかにした。これらはトランプの同盟国外交協力の一部で、アジアにおける米国政府の最も親しい友人である日本と韓国に対し、トランプ大統領がインド太平洋地域における伝統的な同盟を全面的に支持することを両国に信頼してもらう目的である。

インド太平洋地域では、米国は台湾海峡と南シナ海での緊張の高まり、中国とモスクワの新たなパートナーシップ、ロシアのプーチン大統領と北朝鮮の指導者金正恩との間の包括的戦略パートナーシップ協定の署名に直面している。

トランプ政権で国家安全保障会議首席補佐官を務めたフレッド・フライツは日本政府関係者らと会談するため東京を訪れた。フライツは「伝統的な同盟関係は強力であり、米国の同盟国と緊密に連携して彼らの利益を守る必要があることをトランプ大統領も認識していることを保証する」と述べた。

6/27の第1回大統領選挙討論会でバイデン米大統領が悲惨な出来だったことを受けて、トランプの同盟者間のこうした会話は特に重要であり、迷っている米国の有権者がトランプを支持するよう動く可能性がある。

今年5月にはトランプ前政権の外交当局者らがイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と会談した。今年11月の米大統領選でトランプの勝利が見込まれる中、盟友はロシア・ウクライナ戦争の和平案やNATO資金再編案など一連の外交政策案を提案している。日本と韓国に対する米国の国家安全保障への取り組みはさらに強化されるだろう。

トランプ大統領の陣営はまだこの提案を受け入れるかどうかを明らかにしていない。

トランプ陣営の上級顧問クリス・ラシビタは、上記の一連の外交政策について問われ、「ドナルド・トランプ大統領に代わって外国政府と協議し、決定を下す権限は誰にもない」と述べた。選対ウェブサイトの政府政策の部分では、この外交政策の話題は取り上げられていない。

元国家安全保障会議首席補佐官のフライツは、トランプを代表して発言しているのではなく、共和党大統領候補と協力した個人的な経験に基づいて評価を提供していると述べた。今年の米大統領選挙でトランプが勝てば、トランプの新任期中に米国、日本、韓国が共同して中国と北朝鮮と対抗する可能性がある。

関係者によると、日本と韓国の政府最高レベルは、米国第一政策研究所、ヘリテージ財団、ハドソン研究所などの保守系シンクタンクと数十回の会合を予定している。これらのシンクタンクはトランプが2025年に実施する可能性のある政策を計画していることが知られている。

最近トランプ同盟国との地域会合について説明を受けたアジア政府当局者は、自国政府は会合の内容を慎重に検討しており、会合はトランプ大統領の予想される立場を合理的に表明したものであると信じていると述べた。

トランプは左翼と違い自由・民主主義・法治を守るのを支援する。但し、ただ乗りは許さないということ。義務を果たせば、防衛条約は守られる。

https://www.secretchina.com/news/gb/2024/06/29/1064562.html

6/29阿波羅新聞網<川普预言“拜登再烂也不会退选”= トランプ「バイデンはどんなに劣勢でも選挙から撤退しない」と予言>トランプはバージニア州での集会で「昨夜の討論会の後、バイデンが大統領選挙から撤退すると多くの人が考えているが、実際のところ、私はそんなことはないと信じている。なぜなら、世論調査でバイデンが他の民主党候補の誰よりも良い実績が既に出ているからだ」と率直に語った。トランプはまた、ハリス副大統領を批判し、「バイデンが彼女を副大統領に任命したことは、彼がこれまで下した最良の決断かもしれないが、誰も彼女を望んでいない。しかし、私はそう希望する。 私はとても幸せである」と述べた。

確かに、世論調査でトランプ対民主党候補者(M.オバマ、ニューサム、カマラ・ハリス)よりバイデンの支持率が高かったと思っていましたが、実際はM.オバマの方が高い。

https://www.aboluowang.com/2024/0629/2073387.html

6/29阿波羅新聞網<对抗中共 共和党军援台湾至少5亿美元 美众院通过拨款法案=中共と対抗するため、共和党が台湾に少なくとも5億ドルの軍事援助、米下院が歳出法案可決>下院は午前中、台湾に少なくとも5億ドルの提供を義務付ける2025年度の「国務省、外交業務および関連プログラム支出」法案の可決に賛成212票、反対200票というほぼ党の方針に沿った採決を行った。台湾海峡における台湾の抑止力を強化するために、外国軍事融資と最大20億米ドルの融資および融資保証を提供する。

民主党が反対に回ったのはどういうことか?民主党議員1名が賛成し、上院は民主党が多数なので、この法案とは違った法案を出すだろうとのこと。

https://www.aboluowang.com/2024/0629/2073361.html

何清漣が再投稿

「北米保守評論」NACR  @NAConservative9  22h

「最高裁判所はたった今、3つの素晴らしい重要な判決を発表した。」

https://nacr.info/WordPress/index.php/2024/06/28/the-supreme-court-just-published-three-wonderful-consequential-decions/

最高裁判所は次の 3つの偉大な意見を発表した。

1) 行政府に40年間ほぼ無制限の権限を与えた1984年のシェブロン訴訟を覆す。 1984年の「シェブロン事件」では・・・

もっと見る

何清漣 @HeQinglian 6時間

バイデンは米国極左でグレートリセットの政治思想の実行者であり、彼の失敗はこれらの思想の失敗である。たとえ人を換えてこれらの概念を実行したとしても、結果がより良くなるわけではない。

私が言ったことを繰り返すが、バイデンの認知症は民主党の重要な戦略的資産であり、現時点では、それが極左の政治思想の実行の失敗を覆い隠すために利用されている。9割近くの人は見えておらず、それを個人的な間違いだと考えているので、極左の思想は存在し続けている。

引用

何清漣 @HeQinglian 6時間

2020年と2024年の2つの討論会の最大の違いは、バイデンのパフォーマンスがいかに悪かったかではなく、メディアがバイデンの投薬隠蔽に協力しなくなったことを含め、バイデンの隠蔽にもはや協力しなくなったことだ。公正な環境が与えられれば、バイデンの選挙運動上の主張はすべて疑問視される可能性があるが、メディアは顧みずえこひいきしている。

2つ目の違いは、2020年の彼の政策はビジョンだったが、今では悪夢のような現実となってしまったということだ。

主流メディアの集団的な支持がなければ、バイデンは何もできない。

何清漣 @HeQinglian 6時間

2020年と2024年の2つの討論会の最大の違いは、バイデンのパフォーマンスがいかに悪かったかではなく、メディアがバイデンの投薬隠蔽に協力しなくなったことを含め、バイデンの隠蔽にもはや協力しなくなったことだ。公正な環境が与えられれば、バイデンの選挙運動上の主張はすべて疑問視される可能性があるが、メディアは顧みずえこひいきしている。

2つ目の違いは、2020年の彼の政策はビジョンだったが、今では悪夢のような現実となってしまったということだ。

主流メディアの集団的な支持がなければ、バイデンは何もできない。

何清漣 @HeQinglian 1時間

ニュースを読んだ後の感想:

6/28にWSJが掲載した一連の記事と、同日にNYTが掲載した「国のためにバイデン大統領は選挙戦から撤退すべきだ」という社説は、私の👇疑念を裏付けた:過去3年半の失敗は左派の政治思想によるものではなく、バイデンの無能によるものである。左翼思想は依然として人類の将来の方向性を導く灯台で、もし人を換えれば、未来は明るくなる。

米国は4年間にわたる極左の虐めに耐えることができるだろうか?

引用

何清漣 @HeQinglian 8時間

バイデンは米国極左でグレートリセットの政治思想の実行者であり、彼の失敗はこれらの思想の失敗である。たとえ人を換えてこれらの概念を実行したとしても、結果がより良くなるわけではない。

私が言ったことを繰り返すが、バイデンの認知症は民主党の重要な戦略的資産であり、現時点では、それが極左の政治思想の実行の失敗を覆い隠すために利用されている。9割近くの人は見えておらず、それを個人的な間違いだと考えているので、極左の思想は存在し続けている。

x.com/HeQinglian/sta…

福島氏の記事では、やはり今までの日本政府の対中事なかれ・弱腰外交のつけが回ってきたと言える。それに加えて日本企業の経営者は中国の現場の厳しさへの理解に乏しい。共産主義国でも日本と同じシステムと錯覚しているのでは。小生が中国勤務していたのは97年~2005年ですが、自殺や宴席後の事故死、精神を病む人の話を何度か聞きました。当時と比べ、中国経済の伸びに随い、駐在員も増えているのでそういうケースも増えていると思います。自殺や事故死は報道されないし、統計も取っていないので分かりませんが。法治が効かない(事後法あり)、賄賂が当たり前の社会(小生は賄賂を授受したことはありませんが)、日本の本社と中国式の仕事の進め方の違いで間に入りストレスが溜まるのがあります。

また中国が日本を経済で追い抜いて世界第二位になった2010年以降、中国は日本を見下すようになった。軍事的にも1989年~2015年まで国防予算は2桁の伸びできていた。日本の揉み手外交・取引が侮蔑を産み、襲撃しても対抗措置が取られないので、やりやすいと思わせている所はあるでしょう。似非平和主義にどっぷり汚染され、日本人としての誇りを忘れた結果が、世界に於ける今の日本の評価につながっていると思います。

記事

中国は監視社会だが…(写真:Zapp2Photo/Shutterstock)

  • 江蘇省蘇州市で6月24日、日本人の母親と男児が中国人男性に切りつけられた。スクールバスを待っていたという。
  • 当局は「偶発事件」と説明するが、2週間前には吉林省吉林市の公園で米国人4人が襲撃されており、外国人排斥の機運が高まっているのではないか。
  • そもそも日本はこうした事件に対して弱腰で狙われやすい。数年おきに反日機運が高まる周期にいま突入しており、警戒が必要だ。(JBpress)

(福島 香織:ジャーナリスト)

江蘇省蘇州市で6月24日、スクールバスの停留所で待っている日本人の母親と男児が中国人男に突然切りつけられ負傷した。男はスクールバスに乗り込もうとしたが、バス案内係の中国人女性が体を張って阻止。女性も刺されて意識不明の重体という。

日本人母子には生命の危険はないという。日本の子供たちを守るために大けがを負った中国人女性の早い回復を祈るばかりだ。

犯人はすぐ捕まったが、動機はまだ明らかにされていない。容疑者は52歳の蘇州に出稼ぎにきていた現在無職の男。2週間前に、吉林省吉林市の北山公園で米国人4人を含む5人がやはり失業中の55歳の男に突然切りつけられて負傷した。わずか2週間の間に、外国人が被害者となる襲撃事件がかさなり、中国社会に蔓延する排外的感情からくる現代版義和団事件ではないか、という見方も広がった。

吉林省の事件については私もこのコラムで紹介したが、その時に感じた、次に被害者になるのは日本人ではないかという嫌な予感が的中してしまった。

【関連記事】
米国人講師4人はなぜ中国で刺されたか?吉林省の公園で白昼に襲撃、当局は偶発事件として処理するが背景を探ると…

外交部報道官の毛寧は、この事件について記者から質問を受けて、「偶発事件」であると強調。日本人が狙われた事件なのか、という質問に対して「世界中どこでも起こっている事件だ」と正面からの回答をさけた。そして「中国は世界で一番外国人にとって安全な国の一つ」と主張した。

だが、私はこれは、起こるべくして起きた必然的事件だと思う。注意喚起の意味もこめて、改めてその根拠を説明したい。

中国は「世界一安全な国」はある意味正しいが…

中国が外国人にとって世界で最も安全な国の一つである、という主張はある意味正しい。だがそれは過去の話になりつつある。

中国は世界有数の監視国家。AI監視カメラは全国津々浦々に配置され、犯罪者の検挙率は格段に上がった。また外国人記者や駐在員の行動、言動は特に緻密に監視されているので、その分、犯罪に巻き込まれにくいともいえる。

江蘇省蘇州市で日本人の母子が切り付けられた。現場と見られるバス停(写真:共同通信社)

私が北京に駐在していた2000年代の初めは、まだ監視カメラはそんなになかったが、当局の尾行などが普通にあり、おかげで夜道も安心だった。ときに「あなたの安全のために」という理由で、あそこに行くな、ここに近づくなと注意を受けたことも度々あった。

軍事管制区内の友人宅に行こうとすると、突然携帯電話が鳴って、当局の監視員らしい人が、「君は自分がどこにいるのかわかっているのか」と注意された。だが、そのおかげで、スパイ容疑をかけられて身柄を拘束されることもなかった。

「あなたの安全のため」というのは、半分くらい本音だろう。2008年夏季五輪を控えた当時の中国は国際社会の新たな大国として台頭しはじめていたころであり、国際社会に対する大国の責任を果たし、メンツを守ることに非常なこだわりを持っていた。当時は確かに、外国人の安全は中国人の安全より重視されていたと実感できた。

だが、中国における「外国人の安全」は国際社会に対するメンツから、やがて外交駆け引きのカードになっていった。

習近平政権で「外国人はスパイ」に

それがはっきり可視化されたのは、尖閣諸島周辺海域で起きた日本の海上保安庁巡視船と中国漁船が衝突したときだ。中国人船長が逮捕された報復に、日本のゼネコン・フジタ社員がスパイ容疑で拘束された事件が起きた。

この時、中国のやり方は「人質外交」と非難されたが、船長釈放という目的をかなえることができ「人質外交」は成功体験となった。中国は国内の外国人駐在者らを保護しつつ、外交カード、人質予備軍とみなすようになった。

習近平政権で排外主義は強まった(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

さらに習近平政権になってイデオロギー統制が強化されると、西側の価値観、文化を批判、否定、攻撃することで中国の伝統的価値観、文化を持ち上げるというゆがんだ愛国教育が強化されていく。習近平政権は2014年にあらゆる分野で国家安全を最重視する総体的国家安全保障観を打ち出し、国家安全教育日を制定。幼稚園児や小学生にまで外国人をスパイと疑えと教えるような排外主義的な洗脳教育が導入されていった。

こうした習近平政権のイデオロギー教育の中で、「小粉紅(ぴんくちゃん)」と呼ばれる民族主義的愛国的若者がネット上で活動するようになっていく。彼らは、文化大革命時代の毛沢東の紅衛兵のように習近平の指示に忠実で、またヒステリックに外国を批判するので、ネット紅衛兵などと呼ばれることもある。

こうした習近平政権の10年のイデオロギー教育のたまものとして、外国人に敵意をもつ「仇外情緒」の強い中国人民が増えていった。同時に、習近平政権下で、中国社会の中国人の生活環境がどんどん悪化した。

経済は悪化し、生活物価は上昇し、賃金はカットされ、失業者があふれた。言論統制や行動規制が強化され、贅沢が戒められ、不当に搾取され、社会の底辺に未来に希望が持てず、怒りや不満が常にくすぶる状況が発生した。

習近平政権は、こうした怒りや不満の矛先を党や政府、習近平自身に向かうことを恐れ、あたかも、今の中国の不幸のすべてが米国や西側社会のせいであるような宣伝をした。

日本人は攻撃ターゲットにうってつけ

中国経済が悪化するのは米国の制裁のせいであり、米国は中国の大国化を妨害しようとしているのだ、というわけだ。中国の知的な人民はそれを鵜呑みにしているわけではない。だが反論するような政治的リスクを犯すことはできない。

信じているふりをすることで身を守ろうとするだろう。こうして今の中国の排外主義的情緒は、改革開放以来最高潮となった。それが現代版義和団事件と呼ばれるような事件が起こりうる下地をつくっていた。

外国人に向けられる敵意の中で、日本に向けられるものはやはりちょっと特殊だ。日中の歴史解釈を利用した反日教育は江沢民時代からすでに強化されていた。反米意識より反日意識の方が、幅広い世代にわたって強烈に植え付けられている。

少なからぬ中国人が日本人のお人よしさと表裏一体の弱腰ぶりを知っているが、だからこそ、攻撃を受けやすい。中国人はよくケンカするが、相手を選ぶ。自分より強い人間にはあまり歯向かわない。今の中国で一番の強者は中国共産党だ。

なので、今の中国社会の問題の根源が中国共産党政治にあるとわかっていても、共産党に刃向かう人民はほとんどいない。ごくまれにいるが、たいてい、跡形もなく消されてしまう。その共産党が敵はあちらだ、と指さす方に、まさに因縁をつけて攻撃するにうってつけの日本と日本人がいるのだ。

反日が盛り上がる周期に入った

反日デモで、日本企業を焼き討ちしても、あまり怒られない。米国なら、報復や制裁という手段をとるようなことでも、日本政府なら遺憾を述べるだけだ。そういう日本の「弱腰」が攻撃を誘導する。

そもそも日本人自身の中に、自虐史観で中国に対して罪悪感をもつ人たちが一定数いる。中国人から仇恨をぶつけられても、怒るより謝る人がいるから、中国人としては安心して日本人に悪意を向けられるのだ。

中国人民の悪意が日本に向かうタイミングは数年ごとに周期的にやってくるが、今がまさにその周期に入ってきている。

今回、事件が起きた蘇州は日系企業が600社近く進出する日本企業集積地の親日都市だ。蘇州市高新区の淮海区は「日本人風情街」と呼ばれる日本料理レストランや居酒屋の並ぶ通りで、観光スポットにもなっている。日本のアニメ好きやコスプレイヤーたちがインスタ映え写真を狙って自撮りにくる。

そんな親日都市で2022年8月、この日本人風情街で、アニメコスプレの浴衣姿で撮影をしていた中国人女性が警察官から「挑発罪」で身柄拘束される事件があった。この事件はネットで広く議論のテーマになったが、声の大きいネット紅衛兵に言わせれば、中国人のくせに日本の民族衣装をきて屋外を歩き回る奴は売国奴、という。

親日的中国人の声は小さくなり、政治的安全のために自分の親日趣味を表面に出さないようになる。そして民族主義的愛国者の声がさらに大きくなって、それが世論を代表するかのようなムードになっていく。

日本人襲撃事件はまた起きる

今回、日本人が襲撃される事件があの親日都市蘇州で起きたことは、多くの人にショックを与えただろう。私は、日本人が狙われる事件は、また起きると思っている。

今回、過去におきた反日デモ・反日暴動の時の日本人攻撃とはかなり違う。

中国の経済状況、社会状況の悪さが過去の反日ムーブのときと比べものにならないほど悪い。また抖音(ドウイン)などのSNSの影響力が過去と比較できないほど強い。

靖国神社を冒涜した中国人インフルエンサーが一夜のうちに数百万イイネを受けたり、広島で日本人サラリマーンを殴って土下座させ逮捕された中国人男が抖音のショート動画ニュースで報じられるや大バズリして「好漢」と英雄扱いされたり、中国人をいじめる日本人がぼこぼこにやっつけられるショートストーリが大拡散されたりしている。

また過去の反日デモなどに日本人への攻撃は、ある程度、きっかけを当局がつくり誘導していた感があり、最終的にコントロールを失うことはあってもある程度当局の想定内に収めることができた。だが、今回の蘇州の日本人母子襲撃事件は、おそらく中国当局も予想していなかった。

国内で報道統制を敷いたのは、報道によって当局がコントロールできない形の犯行の連鎖が起こりかねないと心配したのかもしれない。

もう一つ重要なのは、今の日本の岸田政権に、いざというとき中国と水面下で交渉して、日本人の安全を確保できるようなパイプを持つ政治家がいないことだ。

吉林市の米国人事件襲撃も、蘇州市の日本人母子襲撃も外国人被害者をまもろうとした中国人が負傷した。排外主義的イデオロギーの蔓延する中でも、外国人のために身を挺してかばってくれる中国人もたくさんいることは間違いない。中国人と日本人の間の不信と仇恨を煽動しようというつもりは毛頭ない。

だが、今の中国の状況は、過去の反日ムードの盛り上がった時期に比しても、とても不確実性が高く危うい。

日本政府はきちんと危機感と責任をもって、はっきりとこの危うさを在中国日本人にアナウンスすべきだし、なによりも本気の怒りをもって、これまでの反日誘導のイデオロギー教育に対して抗議すべきではないだろうか。

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