『米大統領選、今トランプ選対本部内で何が起きているのか』(7/28日経ビジネス 宮家邦彦)について

7/30WHよりのメール「

LIVE: President Trump discusses restoring American energy dominance

🎬 Watch live at 4:20 p.m. ET: President Trump speaks in Texas

Today, President Trump will address Americans from the Permian Basin in Texas, which stretches nearly 86,000 square miles into New Mexico. Both these states have helped America lead the shale oil and natural gas revolution that is changing the world.
Upon taking office, President Trump ended the war waged on American energy by the previous administration. Rather than expand the reach of bureaucrats, President Trump rolled back overregulation, ended stifling rules, and unleashed energy resources.
The results of American energy dominance couldn’t be clearer:

  • America is leading the world in oil and natural gas production.
  • U.S. energy exports reached an all-time high last year, marking the first time in 67 years that our annual gross energy exports exceeded imports.
  • Oil production has soared, surpassing records that stood for nearly half a century.

This energy dominance means more affordable utilities and gas prices for families, more jobs for American workers, and less reliance on unstable foreign energy sources.
Shale-driven improvements have reduced the global price of oil by 10 percent. According to the Council of Economic Advisers, these price decreases alone save American consumers $203 billion annually—an average of $2,500 for a family of four.
These savings equal nearly 7 percent of income for the poorest fifth of U.S. households.
Most important, President Trump’s agenda of U.S. energy dominance is good for both for the economy and for our environment. Key pollutant concentrations are down since 2017, with lead down 28 percent and sulfur dioxide down 10 percent. Additionally, the electricity sector has reduced per unit carbon dioxide emissions by 15 percent relative to 2017 government forecasts when President Trump took office.
President Trump wants even more of this American innovation to drive results for consumers, workers, and our environment. The left, meanwhile, wants more government mandates to create jobs for lawyers, lobbyists, and politically connected industries.
American energy dominance may be bad news for the bureaucrats, but it’s great news for your family, your community, and our country.
MORE: The value of U.S. energy dominance!

“On a nightly basis, hordes of rioters attack federal law enforcement officers who are guarding Portland’s Mark O. Hatfield Federal Courthouse . . . On Monday night, one of [the rioters] threw a bomb at the courthouse,” Victor Joecks writes. “The rampant violence isn’t a small part of the story. It is the story—just not one the mainstream media want to talk about.” Read more in the Las Vegas Review-Journal.   」(以上)

7/30希望之声<川普不再让中共占便宜 美国或在近期大量裁减中共外交人员=トランプはもはや中共が米国を利用することを許さず 多くの中共外交官は近い内に削減される>米国高官は、外交上の相互主義の原則に基づき、トランプ政権は米国に駐在する中国外交官の数を大幅に削減することを命じる準備をしていることを明らかにした。これは中国に駐在する米国外交官の数と同じレベルに合わせるべきなので。この決定は来週正式に発表される予定である。

米国政府は、米国に駐在する中国外交官の数を8/1までに中国に駐在する米国外交官と同数に削減することを望んでおり、米国外交官に中国で「平等な待遇」を享受することを要求していると報じられている。米国はヒューストンの中国領事館を閉鎖し、北京は報復で成都の米国領事館を閉鎖したので、米中当局は先週、外交官の対等問題に関する交渉を開始した。

ヒューストンの中国領事館は悪行により閉鎖された後、トランプ大統領は米国内の中国領事館をもっと閉鎖する可能性を排除しないと述べた。

一方、中国の米国外交官の数は米国の中国外交官の数よりもはるかに少なく、移動の自由はあまりない。

中国の米国外交官は地元の役人にアクセスすることができず、学術機関、研究機関等の要員へのアクセスも制限されているが、米国のオープンな社会にいる中共外交官は自由に移動でき、ほとんど制限はない。今、トランプはまた、双方が対等となることを要求している。

現在、中共ワシントンの大使館だけで、米国国務省のリストには245人の外交官がいる。ニューヨーク、サンフランシスコ、ロサンゼルス、シカゴの中国領事館には、さらに多くの中国の外交官がいる。

現在、米中は1つの大使館と4つの領事館を持つ。ただし、中共はまた、ニューヨーク市に国連代表団がいる。

ヒューストンの中国領事館は米国によって先週閉鎖されたばかりであり、米国はヒューストンの中国領事館を米国での中共のスパイセンターだと非難した。しかし、今週、米国のメディアは、元米国情報当局者を引用してニューヨークとサンフランシスコが米国における中共のより大きく、真のスパイのセンターであると報道した。

7/28(火)に米国国務省の上級幹部は、米国の中国外交官を大幅に削減するトランプ大統領の決定の別の目的は、FBI対諜報要員の負担を軽減することであると述べた。

レイFBI長官は7/7の重大なスピーチの中で、全米で5,000近いFBIの諜報活動事件のほぼ半分は中共に関連していると述べた。 中共スパイの主なターゲットは、米国人の生命と安全に関係している新型コロナウイルス(中共ウイルス)の研究に従事している米国人および米国の医療機関、製薬会社、学術機関である。

米国中の中国のスパイを捕まえるため、この数か月間、FBIの諜報部隊は2,000人の特別捜査官を派遣しており、FBI長官のクリストファーA.レイは、この部門は中共に関連する新しいスパイ事件を平均10時間おきに立件すると語った。これは、中国の膨大な数のスパイと彼らの悪い行動によって米国にもたらされた脅威である。

今まで中共のスパイが野放しだったということです。米国人は中国人の阿漕さと共産主義の邪悪さについて分かっていません。特にクリントン以降が酷い。ヤンキーはグローバリストが多いので、阿漕さにおいて気が合うのかもしれません。トランプはグローバリズムも共産主義も止めようと一所懸命です。敵は多いですが、挫けず戦っています。日本の首相とは大違い。

https://www.soundofhope.org/post/406048

7/30希望之声<美媒报导:中共在美更大间谍中心在纽约和旧金山=米国メディア報道: 中共の大規模なスパイセンターはニューヨークとサンフランシスコにある>先週、米国政府は、中共にヒューストンの領事館を閉鎖するよう要請した。国家安全委員会は、この動きは「米国の知的財産権と米国人の個人情報を保護すること」であると述べた。しかし、メディアは7/29(水)に、中共の米国のより大きなスパイセンターはニューヨーク市とカリフォルニア州サンフランシスコの2つの領事館であると報道した。

先週金曜日(7/24)に、中共はヒューストンの中共領事館を管理していたが、米国は中共にこの領事館の閉鎖を命じ、メディアや各界の注目を集めた。 「米国の知的財産権と個人情報を保護する」という米国政府の意図に加えて、ヒューストンの中国領事館は、ヒューストン周辺の研究機関からの研究結果を盗むために中共の担当者を調整およびトレーニングしていることを示唆し、メディアは情報を引用して、ヒューストンの中国領事館は、全米の多くの都市における現在の暴動に関連している可能性もあるが、ヒューストンの中国領事館は、中共はスパイ活動を実施せず、米国内の各種情報を収集する最大のセンターであると言っている。米国で最大の中国のスパイセンターは、ニューヨークとサンフランシスコの中国領事館である。

「サンフランシスコは(中共スパイネットワーク)の真の宝石であるが、米国はそれを閉鎖させない」と米国の元情報当局者はオンラインメディアのアキシオンに語った。

中共の大使館と領事館には、反体制派や団体に関する情報を収集し、中国の学生を統制するという長い歴史がある。 2018年、中国学生学者連合会の会長は雑誌《外交政策》にこう語った。「傾向として、領事館が中国学生学者連合会への締め付けはますます厳しくなっていると思う」と。

中国学生学者連合会は、米国での中国学生と学者の団体であり、各地の中国領事館の指導を直接受け、毎年一定量の活動資金を得ることができる。彼らは通常、中国の祭日等にパーティーイベントを開催し、中共の指導者を歓迎し、空港やその他の場所で特定の人々や団体に抗議するという仕事も引き受ける。連合会は、領事館の指示に従って、中共の方針や思想を学ぶように手配する。各地の大学の連合会の会長と副会長は、通常、中共から世話と利益を受ける。

《ニューヨークポスト》は、サンフランシスコの中国領事館がニューヨークの中国領事館よりスパイ活動で有名であると言った。時事ウェブサイト《Politico》によると、サンフランシスコベイエリアでの中共の諜報活動は、営業秘密と科学技術に焦点を当てている。シリコンバレーに近いため、「情報収集の形式は非常に精緻であり、企業との関係も密接である」。 「(中共の)スパイの多くは日常の環境の中にいる人々だ」と諜報当局者は2018年に《Politico》に語った。

科学・技術情報に加えて、中共当局者は長い間、米国の国内政治情報を収集してきた。 《Politico》は2018年に、カリフォルニア上院議員のダイアンファインスタインの選挙事務所の助手と華人コミュニティ連絡係が中共に採用され、中共のアメリカ政治に関する情報を収集したと報じた。当時、《サンフランシスコクロニクル》が事件を報道しており、上院議員を代表して中国領事館の活動に参加したとも報道された。

ファインスタインの報道官は当時、彼女の事務所は個人的な問題についてコメントするのを望まないと述べた。

BLM(Black Lives Matter)運動と中共の関係は、7/29ブログ「正しい歴史認識・国益重視外交・核武装実現」<支那が米BLMに自動小銃を提供・ANTIFAなど過激派テロリストを支援・日本もスパイ防止法必要>に載っています。

http://deliciousicecoffee.jp/blog-entry-7971.html

世界抗日戦争史実維護連合会は1994年にサンフランシスコで結成され、南京や慰安婦問題で日本を糾弾してきました。94年はクリントン時代。同盟国の日本を蔑ろにして、金に転んだと思われます。流石ロックフェラーの隠し子の噂のある人物。子ブッシュは共和党ですが、デイープステイトに操られた大統領でした。民主党が中共に近いのはマイクホンダ(中韓)やダイアンファインスタインを見れば分かります。

カリフォルニアとニューヨ-クは民主党の知事と市長が中共と裏で繋がり悪さをしていると思います。両方とも閉鎖すべきです。

https://www.soundofhope.org/post/406012

7/29希望之声<与孟晚舟反差大 唐娟未请律师 官媒噤声 女儿引关注=孟晩舟とは大きな差、唐娟は弁護士をつけず、公式メディアは口を噤み、娘は注目された>米国によってビザ詐欺の罪で告訴され、一度はサンフランシスコの中共領事館に隠れていた中共兵士である唐娟が27日に法廷に出廷した。報道によると、彼女は弁護士を雇わなかったが、連邦の公設弁護人によって弁護された。報道はまた、彼女の娘は中国領事館から中国に送り返されたことを明らかにした。現在、中共当局者は唐娟の逮捕について何も言及しておらず、大陸メデイアも口を噤み報道をしていない。ネチズンはそれを中共に支援されている孟晩舟と比較し、誰もが孟晩舟にはなれないと嘆き、彼女の娘は中共の人質になることを恐れていると嘆いた。

唐娟は軍事背景を隠したとしてビザ詐欺で告発された後、6/20にサンフランシスコの中共領事館に隠れ、7/23の夜に米国に逮捕された。当時ある評論は、中共は、ヒューストン領事館のように自分の領事館が閉鎖されるのを防ぐため、駒を放棄し、本体を助けたとコメントした。

唐娟は27日に訊問のため裁判所に出廷したが、その過程で一言も発言しなかった。 AP通信によると、彼女は弁護士を雇わず、連邦の公設弁護人であるヘザー・ウィリアムスによって弁護された。

ウィリアムズは、唐娟は娘とともに2019年12月に米国に入国し、サンフランシスコの中国領事館に隠れた後、彼女の娘は領事館から中国に送り返されたと述べた。

このニュースはネチズンの間で多くの議論を巻き起こした:

「華為の王女の訴訟に数千万カナダドルかけて有名な弁護士チームを組んだのに、唐娟は何と公設弁護士しかいない。それはもともとニラ(刈ってもすぐ別のニラが出てくる)で、ニラの正体を隠した低級品である!」

「良い祖父と悪い祖父の差である。孟晩舟は金融詐欺の重罪を犯している犯罪者であり、中共は国運がかかっているので救出を焦っている。これは本当に中共に替わって働いていた。良い祖父がいなければ、走狗は烹らるになる」

「待遇は夢碗粥(孟晩舟と発音が同じ)とは大きく異なる。スパイをするにも背景がなければ、刑務所を訪れる人はいない。」

「中共にとって、それは既に利用価値のない廃棄物なだけ。まさか大衆動員はしないだろう?誰もがこの碗粥ではない。この人が任務を実行しに出かけたとき、私は、彼女の行動と書いたものが明らかになれば、党と国とは無関係になると思う」

「中共は、臼を曳き終わったロバを殺すまでには深刻ではない?これらの人はまだ先が見通せない?この唐娟は幸運であり、まだ息をしていられる。」

「しかし、彼女の家族の命は中共の手にある・・・」

「彼女の家族はす​​でに、中共の人質になっている、悲しい」

どんな中共スパイでも大陸には親戚がいる。人質のことを考えたら米国に投降はできない。自死するのみ。唐娟は裁判でどこまで頑張れるか。

https://www.soundofhope.org/post/405937

7/30阿波羅新聞網<亚投行年会习近平不提援助 中国经济外强中干 与第三世界国家关系或生变=習近平は、アジアインフラ投資銀行の年次総会で支援については言及しなかった 第三世界の国との関係に変化が起きるかも>だいぶ前に世界で防疫物資の需要が急上昇したとき、中国はいわゆる「マスク外交」を通じて大国のイメージを作ろうとしたが、7/28(火)に開かれたアジアインフラ投資銀行の年次総会で、習近平国家主席は新たな援助措置を発表せず、外部は中国の経済は結局「外面は良いが内面は悪い」のではとの憶測を呼び起こした。 今年下半期、中国は国内の不確実性、景気低迷、大規模失業、民間企業の倒産に直面し、特に米中関係は未曾有の課題に直面している。 強い経済力がなければ、中国と第三世界の国との関係は変化するかもしれない。 中国とアフリカの第三世界諸国との関係が以前とは異なっているのは、先月の中国・アフリカ団結防疫特別サミットから垣間見ることができる。 中国のアフリカへの経済的支援が減少するにつれて、中国とアフリカの関係は次第に衰えてきた。

7/30宮崎正弘氏のメルマガによれば、中国の地方政府の債務は1000兆円を超すとありました。支払えるめどは立たないので地方も国も放置するだけでしょう。米国のハゲタカが乗り込む?

やはり中国の貿易を締め上げ、$を使わせないようにすれば、軍拡や債務の罠のようなことはできなくなります。

https://www.aboluowang.com/2020/0730/1482937.html

宮家氏の記事では、世論調査通りバイデン勝利に本音があり、万一トランプが勝利しても逃げ道を用意しておくスタンスと見ました。

ただ、共和党内が団結せず、隠れトランプ支持派が減っているとしたら、トランプは苦しい。バイデンになれば容共で中共とは真面に戦えないのに。

記事

トランプ陣営がオクラホマ州タルサで開いた選挙集会は、空席の目立つ寒々としたイベントに終わった(写真:AP/アフロ)

ドナルド・トランプ大統領の支持率低下が止まらない。日本語メディアでは早くも、「米大統領選、民主バイデン候補の優位が揺らぎそうにない理由」「トランプ氏の支持率、経済運営でもバイデン氏に抜かれる」「バイデン氏の優位歴然、州レベルの世論調査を分析」といった推測記事が流れ始めた。だが、本当なのか。投票3カ月前の世論調査が参考情報でしかないことは、4年前にヒラリー・クリントン候補が「予想外の敗北」を喫したことからも明らかだろう。

確かに世論調査は有力な判断材料だが、当然、当たり外れがある。しかも、選挙キャンペーンは生き物だ。特に、米大統領選は規模も活動範囲も半端ではない。民主・共和両党の選挙対策本郡(以下、選対)が組織として、分裂することなく、一つの政治目的のため有機的に機能するか否か。過去40年間、選挙結果を占う上で筆者が最も重視してきたのがこの視点だ。そこで今回はトランプ選対の内部に焦点を当てつつ、今秋の大統領選を占ってみよう。

選対本部長交代で混乱するトランプ陣営

6月20日、トランプ陣営はオクラホマ州タルサで数万人規模の選挙集会を企画した。新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)騒ぎで中断していた選挙キャンペーンの再開を華々しく打ち上げる、はずだった。前評判では10万人、いや100万人集会だと喧伝(けんでん)されたが、蓋を開ければ、何と参加者はわずか6200人。空席の目立つ寒々としたイベントに終わった。当時の選対本部長はブラッド・パースケール氏、トランプ氏が激怒したことは想像に難くない。

7月15日、トランプ氏はパースケール本部長をデジタルキャンペーン部長に降格させ、ビル・ステピエン副本部長を昇格させた。新本部長は共和党ストラテジストとして長年活動し、2016年8月からトランプ陣営に参加。ホワイトハウスで政治部長を務めた後、2018年12月からトランプ再選選対に加わった人物だ。普通なら、長い選挙戦ではよくある信賞必罰の人事異動にすぎないところだが、実はこの話、もっと根が深そうである。

SNSで笑う者はSNSに泣く

パースケール前本部長は2016年トランプ陣営のソーシャルメディア戦略を成功させた立役者。もともとはインターネットのウェブデザイン業者で、2011年からトランプ系企業のウェブサイトを担当。2016年にはトランプ陣営のデジタルメディア部長に就任した。今回、選対本部長に就任したのは、トランプ氏の息子エリック氏とも親しいうえ、前回大統領選挙でのデジタル発信を含むメディア戦略全般とオンラインによる献金集めに成功したことがトランプ家に評価されたようだ。

ところが、そのパースケール氏が前述のオクラホマ州タルサで大失敗してしまう。トランプ選対はネット上で出席予約を受け付けた。これに対し、10代の若者のネットワークが各種SNS(交流サイト)などを通じ無料入場チケットを「大量偽予約」して、実際には出席しなかったらしい。この新手の「集会ボイコット」作戦は大成功。「SNSで笑う者はSNSに泣く」を地で行く大失態を演じたパースケール氏はあの晩、恐らく一睡もできなかったのではないか。

パースケール氏の失敗はこれだけではない。トランプ選対の戦術は今回も、「ラストベルト」と呼ばれる中西部の疲弊した工業地帯で暮らす白人労働者層の不満を吸い上げる一方、SNSを駆使して真実を歪曲(わいきょく)し、ワシントンの「影の政府」につながる勢力と戦うアウトサイダーをトランプ氏が演じることだといわれる。でも、それでは2016年大統領選時の戦術を、一種の成功体験として、今年も踏襲しているだけではないか。

真の選対本部長は大統領の娘婿?

トランプ選対について別の見方もある。陣営の日々の活動を統括している真の選対本部長はパースケール氏でもステピエン氏でもなく、トランプ大統領の娘婿ジャレッド・クシュナー氏だというのだ。クシュナー氏は選対本部にめったに姿を現さず、あからさまに影響力を行使することはしない。だが、トランプ選対内部でトランプ候補の本能的直観に対応できる人物はクシュナー氏以外にないとの評価がワシントン政治雀(すずめ)の間では根強い。

しかし、いくら優秀でも、若輩クシュナー氏の政治経験は乏しい。「トランプ候補はクシュナー氏の意見ばかり尊重せず、共和党の多くの識者の声に耳を傾けるべきだ」とする意見も党内には少なくない。そもそもパースケール前本部長の抜てきはクシュナー氏の提案だったが、ここ数週間でクシュナー氏とも疎遠になったという。されば、クシュナー氏の政治感覚には限界があり、パースケール氏はクシュナー氏の犠牲になったとも言えるだろう。

トランプ選対は大丈夫なのか。こう考えたら、ふと、4年前の2016年8月を思い出した。当時のトランプ選対も大混乱に陥っていたからだ。ポール・マナフォート選対本部長が解任され、スティーブ・バノン氏が選対CEO(最高経営責任者)に、ケリーアン・コンウェイ氏が選対本部長に抜てきされた。彼らが主張してきた「保守・強硬姿勢と白人労働者重視」の戦術でヒラリー・クリントン氏に不満を持つ白人層の票を掘り起こし、トランプ候補は逆転勝利したのである。

トランプ氏本人を誰が制御できるのか

2016年と同じ戦術を破綻させた要因の一つが新型コロナウイルスのまん延であったことは間違いない。しかし、最近のトランプ大統領の支持率低下の最大の原因はトランプ氏の言動そのものだ。典型例は、トランプ氏が4月23日のコロナウイルス・タスクフォースの記者会見で「患者の治療法として家庭用消毒液を注射してはどうか」と提案し冷笑を浴びたことだろう。それ以来つい最近まで、トランプ氏はコロナ関連の定例記者会見を開いていない。

報道では、それ以来トランプ陣営は「新型コロナ問題など無視し、経済回復などより有利な問題についてのみ発言するよう大統領に働きかけた」とされている。果たして本当にそうなのだろうか。トランプ氏は2月以降、ほぼ一貫して「ウイルスは消える」「ワクチンは年内にできる」といった迷言を続けた。これがプロの選対責任者たちが組織として考えた選挙戦術だとは到底思えない。

今のトランプ選対には真の意味での選対本部長などそもそも存在しないのではないか。トランプ陣営の選挙戦術とは、実はトランプ氏自身が、日々の状況に応じて、その場しのぎの思い付きで決めてきたものであり、クシュナー氏や選対本部長も含め周囲の者はトランプ氏の意見を丸のみしただけではないのか。筆者がそう考え始めたのは、トランプ氏の姪(めい)メアリー・トランプ博士が最近出版した暴露本を読んでからだ。

精神科医であるメアリー博士はトランプ氏を、「原理原則を持たず」「ウソを平気でつき」「成長せず、学習せず、進化せず、感情を律せず、自己の反応を制御できず、情報を再合成できない3歳児」で、「決断できず、責任を取ろうとせず、孤独を嫌い、他人の支持を過度に求める依存性人格障害」であり、「犯罪性ある、傲慢で、他人の権利を無視する反社会性人格障害」でもある「自己愛の強い社会病質者」だと描写している。

事実であれば、こんな性格を持つ人物を候補者として担がざるを得ない選対本部長は「お気の毒」としか言いようがない。パースケール氏がトランプ氏を振り付けるのではなく、トランプ氏自身が具体的な選挙戦術を決めている可能性が高いからだ。そうであれば、後任のステピエン新本部長も前任者と同じジレンマに直面するだろう。共和党関係者の一部には「トランプ再選キャンペーンは終わった」と言い放つ向きすらあるそうだ。

バノン氏の再登板はあるのか

4年前に大活躍したコンウェイ氏とバノン氏が最近トランプ選対に関する発言を強めている。コンウェイ氏は今もホワイトハウスで大統領顧問を務めている。一方、バノン氏は、2016年トランプ選対のCEOとしてトランプ氏当選に貢献した後、トランプ政権で首席戦略官に就任したが、2017年8月にはホワイトハウス首席補佐官らとの対立が表面化しトランプ政権を去っている。現在、トランプ氏とどの程度連絡を取っているかはよく分からない。

コンウェイ氏は最近、トランプ氏が「記者会見の場に戻り、米国経済回復に向けた方途をより明確化するとともに、新型コロナ危機に関する米国民の懸念に答え、大統領としてのリーダーシップを示すべきだ」と述べた。バノン氏も「今年の大統領選では大規模集会など不要だ。トランプは現職大統領として、法と秩序、中国からの脅威、ブルーカラー労働者の生活を重視することに精力を集中すべし」などと公言している。

こうしたバノン氏の動きを、共和党の関係者は「ホワイトハウスへの影響力拡大を狙っているのか」と冷ややかに見ている。しかし、共和党・トランプ陣営が今のままで11月の大統領選挙、連邦議員選挙を有利に戦えるとは到底思えない。多くの共和党系選挙アナリストが指摘する通り、最大の懸念材料は、2016年に比べ、トランプ氏に対する「郊外の白人高学歴中産階級層」、特に女性の支持率が低迷していることだ。

あえて大統領選挙を占う

コンウェイ氏やバノン氏の声が届いたかどうかは不明だが、トランプ氏は7月20日に自身のマスク姿を初めてツイートし、21日には新型コロナ危機に関する公式大統領記者会見を約3カ月ぶりで開いた。発言は相変わらず不安定だが、戦術を一部変更したことは間違いない。

最後に、本年2月にご紹介した筆者の「米大統領選を占う7カ条」(関連記事「有力政治家に指南した米大統領選を展望するための7カ条」)に基づき、11月の大統領選挙に関する筆者の独断と偏見を書いておこう。

1)無党派層の意思決定は9月以降となる
9月まで2カ月を切ったが、トランプ陣営に希望はまだ残っている。ただし、勝つためにはトランプ氏も一目置く人物の強力なリーダーシップの下で選対の戦術と組織を早急に立て直す必要がある。今さらバノン氏が選対に戻ってきても2016年8月のような奇跡は起きないだろうが、それに匹敵するようなテコ入れがなければ、失われつつある郊外の高学歴白人中産階級層の支持を回復することは難しいかもしれない。

2)失敗した大統領の後は反対党に投票する
今のままではトランプ氏は典型的な「失敗した大統領」の一人となるだろう。

3)分裂した政党は敗れる
良くも悪くも共和党はトランプ党。民主党もジョー・バイデン氏の下で団結を回復できれば勝負は互角だろう。

4)有権者の関心事は常に経済、福祉
新型コロナ感染により失速した米国経済が9月以降にどの程度回復するかがカギになる。経済の底打ちとその後の回復が11月3日の投票とタイミングが合えば、トランプ陣営にも希望が見えてくる。逆に、第2波による経済情勢のさらなる悪化が投票日と重なったり、回復が12月以降にずれ込んだりすれば、トランプ陣営に希望はないだろう。

5)世代交代が進む民主党
77歳のバイデン氏では世代交代は難しいが、今後発表されるであろう民主党の副大統領候補の人選次第では民主党の印象が変わる可能性はある。

6)保守合同が崩れる共和党
今のままでは共和党内の分断が一層進む。仮にトランプ氏が再選されても、共和党が上院で過半数を失う可能性すらあるだろう。

7)モメンタムのスピードが速まる
パンデミックの影響により、ネット空間を従来以上に使いこなした側が勝利するだろう。大規模集会が開けない中、SNSを使った新たな戦術を編み出すことができれば、共和党にもまだ希望はある。

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