『米中対立、国家資本主義 VS 国家資本主義 「PTA包囲網」による中国封じ込めは危うい選択』(1/11日経ビジネスオンライン 岡部直明)について

軍事が分からない人間のコメント程、害のあるものはないでしょう。日経の論説主幹だっただけに、中国べったりです。何故尖閣や沖縄を強奪しようとしている中国の味方をするのか分かりません。利敵行為であることは間違いありません。金かハニーで籠絡されたかと思ってしまいます。中国を助けることに、論理的な説明がほしいです。中国と戦争を避けるには軍拡を止めさすことです。そのためには中国の経済を崩壊させることでしょう。ソ連が崩壊したように。そんなことすら分からないようであれば、目先の利益で国を売る売国奴と言われても仕方がないでしょう。

地政学で言えばランドパワーの中国は海洋に出て行くとシーパワーの国(米国)に打ち負かされると言われています(海上封鎖、制海権がシーパワーに取られる)。海洋に出て行く中国を肯定的に見る見方は世界の標準からずれているのでは。

また、米国:中国=「国家資本主義」:「国家資本主義」と位置付けていますが、トランプは口先介入だけで、制度的に国家が企業に介入できるようにはなっていません。況してや米国は三権分立が厳格に行われており、議会の助けを借りなければ、大統領のできることは限られます。オバマはそれで大統領令を乱発しました。それで今回議会共和党主導で、2017年予算案の中でオバマケア(2010年上下院で通過した法案であるが)は廃止、代替案の作成が決められました。それを「国家資本主義」と呼ぶのは如何なものか。

中国は「国家資本主義」と呼ぶのも正しくないのでは。「社会主義市場経済」ならぬ「共産主義市場経済」が正しいでしょう。日経出身者が「国家資本主義」と呼び「共産主義市場経済」を埋没させているのは、中国の持つ共産主義(国民に政治的自由を持たせない、人権弾圧、粛清、虐殺のシステム)の悪いイメージを覆い隠そうとしているのでは。中国は世界で最悪の弱肉強食である市場経済システムを取っていますが、民主主義国家ではありません。そう言う国を民主主義と親和性の高い資本主義と言い換えるのは間違っていると思います。

金融グローバリズムに乗せられている人が多いのでトランプをバッシングするのが正義のように刷り込まれていますが、日米メデイアは偏向しています。BBCが一番真面かと。トランプがツイッターを多用するのも、メデイアが歪曲報道するためです。IoTの時代にメデイアの果たすべき姿勢を再定義できない限り、凋落していくことは間違いありません。それに気づいていないメデイア経営者が多いのでは。老害です。

中国に時間の利益を与えることの無いように、早く日米露、岡部氏は「PTA(プーチン・トランプ・アベ)」包囲網と言っていますが、これを作るべきです。岡部氏は「包囲網による中国封じ込めは危うい選択である。中国の海洋進出に強く警告するのは当然だが、不測の事態を招かないよう慎重な姿勢こそ肝心だ。日米同盟を強化しつつ、偶発的事故を防ぐため中国とのパイプを太くする必要がある。」と主張していますが、尖閣に対する中国の航空機や艦船の威圧をご存じないのですか?日本が何もしていないのに、現状変更しようとしているのは中国ですよ。ヤクザが脅しているのに話し合いで解決は出来ないでしょう。多国間の同盟、準同盟で中国包囲網形成、中国経済を崩壊させることが世界平和の為には一番良いと考えます。それによって世界経済がダメージを受けようとも。戦争になるより良いと思います。

記事

ドナルド・トランプ米大統領の登場は世界をリスクにさらすことになるが、なかでも米中対立は最も深刻である。第2の経済大国である中国を為替操作国とし中国の対米輸出に高関税を課すといった対中強硬姿勢は、海洋強国を掲げる中国の海洋進出をあおる恐れがある。経済と安全保障の複合危機を招きかねない。なによりトランプ次期大統領が個別企業への介入主義に傾斜すれば、「国家資本主義」対「国家資本主義」の対立に発展する危険がある。それはグローバル経済を揺るがすことになる。

「資本主義」対「資本主義」から大転換

冷戦終結後、経済システムをめぐる対立は「資本主義」対「資本主義」になった。それは「資本主義」対「社会主義」の対立構造の終わりを意味していた。提起したのはフランスの実業家、ミシェル・アルベール氏で、その著書『資本主義対資本主義』はベストセラーになった。米英によるアングロサクソン型の市場経済と独仏など欧州大陸のライン型(集団や合意を重視、投資において中・長期の展望に立ち、社会貢献にも配慮する共同体型)の混合経済の対立である。日本はライン型に属すると分類された。

もっとも、資本主義の枠内での対立にはそれほど大きな差異は認められなかった。グローバル化が進展するなかで、資本主義のすり寄りが行われたからでもある。経済システムをめぐる論議に衝撃を与えたのは、国家資本主義(ステート・キャピタリズム、国家が資本主義に介入し管理する経済)の台頭である。国家資本主義に寄り掛かる中国が第2の経済大国になるなかで、好むと好まざるにかかわらず無視できない存在になった。「資本主義」対「国家資本主義」の対立である。

トランプ米大統領の登場はこの経済システム論議に異次元の衝撃を与えることになる。市場経済の先頭を走っていたはずの米国だが、トランプ氏は企業の自由という大原則を無視して個別企業の経営にあからさまに介入している。国家資本主義の中国顔負けの介入主義である。米国版の国家資本主義といえるだろう。

冷戦後の「資本主義」対「資本主義」から、「資本主義」対「国家資本主義」になり、いま米中による「国家資本主義」対「国家資本主義」の時代を迎えたといわざるをえない。

トヨタ自動車やフォードのメキシコでの新工場建設への“恫喝”など、トランプ氏のツイッターでの発言により、メキシコでの事業リスクが顕在化してきた(写真:Drew Angerer/Getty Images)

メキシコから中国へ飛び火の危険

トランプ氏の恫喝ともいえる企業に対する介入はいまメキシコに照準を合わせている。メキシコとの国境に壁をつくり、その費用はメキシコに払わせるという大統領選での公約に連動する介入である。まず空調大手、キャリアのメキシコへの工場移転を中止させた。介入は基幹産業である自動車にも広がった。フォードのメキシコでの新工場建設を「恥知らず」となじり、撤回させた。ゼネラル・モーターズにも「メキシコでつくる車には高関税をかける」とすごんだ。

あからさまな介入は米企業だけでなく、ついに日本企業にも及んだ。トヨタ自動車のメキシコでの新工場建設を「ありえない」と語り、高関税をちらつかせている。これに対して、トヨタの豊田章男社長が米国内の雇用に貢献している点を強調し、メキシコでの新工場建設を変更しないとしているのは当然だ。合わせて豊田社長は米国において今後5年間で100億ドルを投資する計画を表明し、トランプ政権への配慮もにじませた。

トランプ氏が主張する北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しが実現すれば、メキシコに進出している多くのグローバル企業のサプライチェーンを分断することになる。それはメキシコ経済だけでなく、米国経済を含めグローバル経済全体に深刻な打撃を与える。米国の雇用拡大どころか雇用悪化を招く結果になるだろう。

もちろん、NAFTAの見直しは米議会の承認が前提であり、簡単には進まないとみられるが、トランプ氏が引き続き大統領権限を振りかざして、個別企業への介入を強化する恐れは消えない。問題は、トランプ流の介入がメキシコから中国に飛び火する危険があることだ。

対中強硬派そろえるトランプ政権

第1の経済大国である米国と第2の経済大国である中国の相互依存は、グローバル経済の土台である。それはウィン・ウィンの関係にあるはずだが、トランプ政権は米中間の貿易不均衡をどう是正するかを最優先しているようにみえる。中国の対米輸出は年50兆円であるのに対して、米国の対中輸出は10兆円にとどまる。「輸出は善・輸入は悪」と考えがちなトランプ流からすると、許せない不均衡ということになる。中国を人民元を安値に誘導する為替操作国と位置付けるのもそこからきている。

トランプ政権の通商布陣は「対中強硬派」で固められている。米通商代表部(USTR)の代表には、ロバート・ライトハイザー氏を起用する。米鉄鋼業界に通じており、中国に対してダンピング(不当廉売)の制裁措置を重ねて求めてきたことで知られる。

新設の通商政策の司令塔「国家通商会議」のトップに就くのは、対中強硬論で名をはせたピーター・ナバロ米カリフォルニア大教授である。商務長官は著名投資家のウィルバー・ロス氏が起用される。いずれも「管理貿易」を支持している。保護主義の風潮は超大国から広がりかねない。

通商チームはトランプ氏が主張しているNAFTA見直し、環太平洋経済連携協定(TPP)離脱とともに、強硬な対中戦略を実践するとみられる。メキシコに続いて中国をめぐって、米企業の進出をけん制する恐れがある。米中間の相互依存が崩れれば、グローバル経済の土台が揺らぐことになりかねない。

経済と安全保障の複合危機

こうしたトランプ氏の対中強硬姿勢に、2017年後半の共産党大会で再任をめざしている中国の習近平国家主席は過剰反応する危険がある。米国の強硬姿勢に対して弱腰と受け止められるのは国家主席として命とりと考えるだろう。

リスクをはらむのは台湾問題である。台湾の蔡英文総統と電話会談し、中国から反発を受けたトランプ氏は「なぜ一つの中国に縛られないといけないのか」と表明した。中国の核心的利益である「一つの中国」を米中経済関係のけん制材料に使うのは危険なかけである。中国の琴線に触れる台湾問題をあえて持ち出せば、貿易不均衡是正へのおどしになると考えるとすれば、外交音痴のそしりを免れないだろう。

海洋強国をめざす習近平政権は、トランプ氏の対中姿勢を読んで、海洋進出をさらに活発化している。空母「遼寧」が南シナ海での発着訓練を行うなど、示威行動を広げている。旧ソ連製空母を改造した「遼寧」は、かつて大連港で見たことがある。いかにも旧式で専門家の間ではこれで軍事行動は可能かといわれていたが、空母を保有するというデモンストレーション効果はあるのだろう。

旧尖閣列島周辺での海洋進出も目立ってきている。中国の海洋進出は硬軟両様のオバマ米政権下で本格化し始めたが、トランプ政権の出方しだいでさらに拡大する恐れがある。それは米中関係をいたずらに緊張させかねない。

中国経済は成長減速の過程で、難題に直面している。トランプ政権から目の敵にされる鉄鋼の過剰生産をどう軟着陸させるかは至難である。アジアインフラ投資銀行(AIIB)の融資だけでは、需要拡大は望めない。成長減速のおありで不良債権問題も深刻化しかねない。資本流出が続けば、外貨準備を取り崩して、人民元を買い支えざるをえなくなる。

こうしたなかで、トランプ政権が介入主義にもとづいて対中投資の抑制に動けば、中国経済はさらに難題に直面する。それは米国経済を含めてグローバル経済全体にはねかえることになる。

トランプ氏の対中強硬姿勢に、2017年後半の共産党大会で再任をめざしている中国の習近平国家主席は過剰反応する危険がある。「弱腰」と受け止められると命とりとなるためだ。(写真:Feng Li/Getty Images)

米中対立を防ぐ日本の責任

米中対立で最も深刻な打撃を受けるのは、はざまにある日本である。安倍晋三政権にはトランプ政権の誕生を受けて、プーチン・ロシア政権とも組んで、中国包囲網を築こうという狙いが見え隠れする。「PTA(プーチン・トランプ・アベ)」包囲網である。しかし、包囲網による中国封じ込めは危うい選択である。中国の海洋進出に強く警告するのは当然だが、不測の事態を招かないよう慎重な姿勢こそ肝心だ。日米同盟を強化しつつ、偶発的事故を防ぐため中国とのパイプを太くする必要がある。

いま求められるのは、米中対立を防ぐため米中双方に物申すことである。「国家資本主義」VS「国家資本主義」の対立構造をやめさせることが先決だ。トランプ政権には資本主義、市場経済の原則を踏み外す企業への介入をやめるよう申し入れることだ。NAFTA見直しは避け、TPPに戻るよう粘り強く説得するしかない。

中国にも国家資本主義からの卒業を求めることだ。国営企業の改革なしに、中国経済の再生はない。人民元を国際通貨にしたいなら、変動相場制の導入など国家資本主義に寄り掛からない大改革が必要だ。

「国家資本主義」対「国家資本主義」の行きつく先は、保護主義の蔓延によるグローバル経済の崩壊である。保護主義の危険を防ぎ、自由貿易を立て直すには、TPPと東アジア地域包括的経済連携(RCEP)を結合させるしかない。双方に参加する日本の歴史的使命はかつてないほど重い。

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