『トランプ大統領の就任演説への評価は真っ二つ 自らが招いたこの「分断」を克服することはできるのか?』(1/23 日経ビジネスオンライン 高濱賛)について

トランプの発言は誤りが多いです。意図的にやっているとすれば凄いものですが。ツイッターの多用は危険です。スタッフにアカウントを任せて発信した方が良いのでは。世界のマスメデイアは反トランプで結束していますので、自分の意見を広く知らしめるのにツイッターは便利な道具ではありますが。

米国民はオバマ時代には既に2つに分断されていました。共和党支持(小さな政府)と民主党支持(大きな政府)とにです。肌の色は関係ありません。TEAパーテイもオバマになってからできました。都市部のエリート達は民主党支持者が多いようです。ジョン・グリシャムの『評決のとき』を読むと露骨に共和党支持者を侮蔑しているように感じました。“red neck”という言葉も使われていました。元々、黒人奴隷を解放したのは共和党のリンカーンなのに、いつの間にか南部の黒人は民主党支持になってしまいました。KKKも元は南軍の白人兵士が戦争に負けて落ち込む家族を励ますために作ったと言われています。ですからKKKは黒人だけでなく、共和党支持者もリンチしたりしていました。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%8D%E3%83%83%E3%82%AF

http://bylines.news.yahoo.co.jp/maeshimakazuhiro/20160425-00057003/

2/25産経ニュースには<マティス米国防長官が2月上旬訪日で調整 稲田防衛相と会談へ

マティス米国防長官(ロイター)

【ワシントン=加納宏幸】マティス米国防長官が2月上旬に就任後初めて日本、韓国を訪問する方向で調整が進められていることが24日、関係筋の話で明らかになった。トランプ政権の主要閣僚としては初の訪日となる見通しだ。

訪日が実現すれば、マティス氏は稲田朋美防衛相と会談。安倍晋三首相にも表敬訪問するとみられる。

マティス氏は上院軍事委員会での公聴会で同盟重視の姿勢を明確にし、アジア太平洋地域を「優先事項であり続ける」と述べた。訪日では日米同盟の重要性を再確認し、北朝鮮の核・ミサイル開発、中国の南シナ海進出、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題を協議する意向だ。

韓国では韓民求国防相と会談し、北朝鮮問題や米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の韓国配備を協議するとみられる。>(以上)

マティス国防長官の訪日は、いよいよ中国との対決姿勢をハッキリさせ、同盟国にも応分の負担と覚悟を求めるのでは。日本も尖閣防衛の為に何を為すべきかを考えて、実行に移していかなければ。石垣島・宮古島・奄美大島に陸自を配備して、装備も敵の意図を挫くものを設置した方が良いでしょう。

1/24産経ニュース<中国「米国は言行を慎め」 南シナ海めぐり米大統領報道官に反論

北京の中国外務省で記者会見する華春瑩副報道局長=2016年12月26日(共同)

【北京=西見由章】中国外務省の華春瑩報道官は24日の記者会見で、スパイサー米大統領報道官が中国による南シナ海島嶼の占拠を阻止する姿勢を示したことについて「米国は南シナ海をめぐる争いの当事者ではない。米側が事実を尊重し、言行を慎み、地域の平和と安定を損なわないよう促す」と反論した。

華氏は「中国は各国の航行の自由をしっかり守る」とする一方で、「他国にどのような変化が起きようと自らの南シナ海の領土主権と海洋権益を守る決意は変わらない」と強調した。

中国は南シナ海への関与強化を明言するトランプ新政権への対抗策を急いでいる。高虎城商務相は23日、フィリピンのドミンゲス財務相ら訪中団との間で総額37億ドル(約4200億円)規模の民生改善プロジェクトで合意したことを明らかにした。領有権をめぐる係争国との良好な関係をアピールし、米国の「介入」を牽制する構えだ。>(以上)

盗人猛々しいというのは中国のことを指すのでは。国際仲裁裁判所の判決も蔑ろにして。口先だけのオバマと違い、トランプは中国の違法活動を許さないでしょう。時間の利益を中国に与えてはなりません。2015年5月28日のZAKZAKには、<米中激突なら1週間で米軍が制圧 中国艦隊は魚雷の餌食 緊迫の南シナ海>という記事が載っています。戦闘に入る前に、中国艦船のみを標的にしたフロート型の機雷による中国沿岸の海上封鎖と経済制裁で中国経済を崩壊させるのが先のような気がします。

http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20150528/frn1505281140001-n1.htm

高濱記事

就任演説に臨んだトランプ大統領(写真:Abaca USA/アフロ)

—ドナルド・トランプ第45代米大統領が誕生しました。ワシントンはじめ全米各地で抗議デモが繰り広げられたり、下院議員60人が就任式をボイコットしたり、異例づくめの就任式でしたね。注目の16分間の就任演説をどうみますか。

高濱:演説に対する米市民の評価は真っ二つです。演説直後、保守的な人とリベラルな人、2人ずつに電話とインターネットでコメントを求めました。

「まさに白人の本音を代弁してくれた」

保守的な2人は電話口で声を震わせながら歓びを語りました。

その一人、テキサス州在住の白人の主婦(53歳)は次のように話してくれました。「トランプ大統領は、予備選段階から言ってきたことをそのまま貫き通しました。私たちのように、黒人大統領から8年にわたって忘れ去られていた白人のホンネをはっきりと言ってくれました」。

「トランプ大統領は、米企業が低賃金を求めて外国に逃げていった結果、職を失った白人労働者のことを考えてくれる初めての大統領だと信じています。演説を聞いて確信が持てました」

「今、何が私の身の回りに起こっているか、ですって。私の住んでいる田舎町にまで、肌の浅黒い見知らぬ外国人がどんどん入ってきて、治安が悪くなっているんですよ。トランプさんはこんな状況から私たちをきっと救い出してくれると信じています」

もう一人はテネシー州に住む、白人の零細企業従業員(62)。「新大統領は、反エスタブリッシュメント(既得権層・支配勢力)、反エリート(主流メディアや言論界)、反ワシントン(連邦政府官僚、共和党保守本流や民主党)、外国を敵に回して戦うぞ、という意気込みを熱っぽく話してくれた。胸がスーとしたよ。オバマが大統領だった閉塞の8年間からやっと解放されたって感じだね」。

「最初は俺たちみたいな、小さくて貧しく、力のない白人たちだけにしか支持されなかったトランプが、『トランプ主義』の旗を高々と掲げてワシントンに凱旋するなんて、信じられないよ。演説はまさに俺の思っていることを100%代弁してくれていた。嬉しいね」

「パクリ表現並べたてる」

一方、民主党の大統領候補としてバーニー・サンダース氏を支持した、IT関連企業で働く35歳のエンジニア(国際政治学修士号も取得している)は、正反対な意見を聞かせてくれました。「こんなお粗末な大統領就任演説を聞いたのは初めてだ。内容は中学校の生徒会長に選ばれた生徒の挨拶と同じレベルだ」。

「分かりやすいと言えば分かりやすいが、予備選や大統領選の時の自分の支持者だけに話しているわけじゃないはず。演説の中に出てくる表現はどこかで聞いたようなパクリばかり。例えば、『Make America Great Again』という表現はロナルド・レーガン(第40代大統領)が最初に使ったのをパクっただけだし、『America First』*は第二次大戦への参戦に反対した若者たちが言い出した言葉」。

「一人で鉛筆舐め舐め書いたと側近は言っているが、言っている内容は大統領上級顧問になった右翼反動のスティーブ・バノン(保守系メディア「ブライトバート・ニュース」の元会長)がサイトで論じていたことのコピーだ」

*:America Firstは、40年代、英軍を支援すべく米国が欧州戦線に軍隊を送ることに反対した東部名門校の学生たちが行なった政治活動。ジェラルド・フォード(のちに第38代大統領)やポッター・スチュワート(のちの最高裁判事)、大西洋単独無着陸飛行をしたチャールズ・リンドバーグ飛行士らが参加した。彼らは「米国の国益を第一」に考え、ナチス・ドイツのアドルフ・ヒトラー総統との交渉を提案していた。

「演説前にトランプ氏の側近は『トランプ大統領が自分で起草した。具体的な政策ではなく、大統領自身の哲学を米国民と世界に示す演説になる』と言っていた。その意味では、トランプの哲学がこの程度だったのか、と改めて確認したよ」

ボストンに住む政治学専門の大学教授(59)のコメントは、さらに手厳しい。「改めて、われわれ米国民はひどい人間に核のボタンを押す権限を与えてしまったもんだと思う。米国がこれまで営々と培ってきた世界のリーダーの地位から降りる兆候をこの演説ははっきりと示した。中国とロシアはあざ笑い、世界の同盟国は頭を抱えているはずだ」。

「どこの国のリーダーも自国民の利益を最優先に考えている。しかしそれが通らないのが国際政治であり、外交であり、通商だ。そんなことも分からぬ男が大統領になっちゃうこと自体、米国は今異常だよ」

この4人のコメントを聞くにつけ、本当にこの国は「分裂国家」になってしまったと痛感します。

就任式の前日、権威ある超党派の世論調査機関ピュー・リサーチ・センターが、米国がいま置かれた状況について米国民に尋ねました。その結果、回答者のなんと86%が「米国が政治的にこれほど分裂したことはない」と答えています。バラク・オバマ第44代大統領が08年に就任した時に「分裂状態にある」と答えた人は46%でした。

「米国はいま修羅場のど真ん中にいる」

—トランプ氏が標的に挙げている米メディアの反応はどうでしょう。

高濱:これも保守とリベラルでは異なります。選挙中、一貫してトランプ氏を支持してきた保守系新聞「ワシントン・エグザミナー」(電子版)は、トランプ氏の演説を次のように絶賛しています。「トランプ大統領はワシントン(既得権を持つ支配勢力)よりも平均的米市民の利益を優先して考えるという公約を就任に際しても堅持した。(海外に流れた)仕事を取り戻し、『米国第一主義』を掲げ、『米国を再び偉大にする』という初心を引っ提げてホワイトハウス入りした」。

一方、リベラル系メディアの雄、ニューヨーク・タイムズは演説直後、トランプ新大統領に対し、就任演説の以下の下りを引用しつつ「ご自身の演説の中で何が最も注目に値する箇所か、お教え願いたい」とした質問状を電子版に載せた。

「米国のこの修羅場*(carnage)は今ここで終わらせねばならない。今直ぐにだ。我々は一緒に米国を再び強くする、再び豊かにする、再び誇りを持てるようにする、再び安全な国家にする。そうだ、我々は手を携えて米国を再び偉大にするのだ」

*:トランプ大統領が言う「修羅場」は、大都市の低所得層が居住する地域の貧困と犯罪、工場閉鎖、大学の高額授業料、麻薬と犯罪などの状況を指す。

—さて就任演説に合わせて「トランプ・ホワイトハウス」のウェブサイトに、環太平洋経済連携協定(TPP)からの離脱、北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉という方針が掲載されました。選挙中に主張していた西太平洋条約機構(NATO)や日韓など同盟国との防衛分担拡大の話もいよいよ出てくるわけですね。

高濱:就任演説でもこう指摘しています。「米国は長年にわたり、米産業の犠牲のもとに外国の産業を豊かにしてきた。我々の軍隊が消耗しきっているにもかかわらず、外国の軍隊を支援してきた。われわれは自分の国を守ることなく、他の国の国境を守り続けてきた。米国内のインフラが衰退し破損しているにもかかわらず、海外で何兆ドルものカネを使ってきた。米国の富と力と自信が拡散する中で、米国は他の国を豊かにしてきた」。

この批判の対象に「日米安保条約の片務性」が指摘されている日本も入っていることは間違いありません。ということは早晩、日米外交防衛担当閣僚による2プラス2でこうした問題が取り上げられる可能性が大です。

準閣僚ポストなかなか埋まらず

トランプ大統領就任演説をめぐる米国内の対立と分裂を見ると、トランプ政権が外交、安全保障問題で他国との交渉に入るにはまだまだ時間がかかる気がします。人事面でも課題があります。新政権発足と同時に約4000人の連邦職員が総入れ替えになります。しかし、準閣僚レベル、つまり次官や次官補といったポストがなかなか埋まらないようです。準閣僚レベルのうち50人近くは、オバマ政権の人間が留任するといった情報も流れています。

オバマ政権で準閣僚を務めた政府高官の一人は、筆者に話しました。「ここ当分、世界は新大統領のツィッターに一喜一憂する日が続くだろうね。けど、トランプ大統領はツイッターに無責任な『願望』を打ち込んでいるだけで、それが実際に政策として実行に移されるまでには数か月かかるんじゃないか」。

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