『AI暴走事故が投げかけた自衛の課題、NVIDIAなど米IT大手が「オープン型」防御同盟 安全規制の死角と中国製モデルの功罪、問われるインフラの自律性』(8/14JBプレス 小久保 重信)について

8/14The Gateway Pundit<At the Front in Ukraine, It’s a Battle of Drones=ウクライナの最前線では、ドローン同士の戦いが繰り広げられている>

悪の枢軸国は弱体化させるべき。日本はウクライナのドローン企業を応援しよう。テラドローン社はウクライナ企業に出資して、迎撃ドローンを日本に輸出するとある。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR2645Y0W6A320C2000000/

ドローンはウクライナ戦争を特徴づける存在となった。ウクライナはドローンの製造と配備において世界をリードする存在となったが、ロシアのミサイル攻撃に対抗するための高度な防空システムを依然として切実に必要としている。

キエフから前線までの道路では、最後の80キロメートルにわたって頭上に網が張られており、ロシアの光ファイバードローンを阻止するように設計されている。信号を利用した無人航空機(UAV)には妨害装置が有効だが、物理的な網は有線式の光ファイバードローンに対する最も安価な防御策であることが証明されている。現在、世界中の軍事施設周辺では網が一般的になっているが、高速道路全体に網が張られているのはウクライナだけかもしれない。

高速道路から市街地に入ると、歩道にも網が張り巡らされており、歩行者が渡れるように大きな隙間が設けられていた。わずか1年前、前線が数キロメートル先にあった頃は、市街地はほぼ無傷で機能していた。しかし、戦闘が数百メートル圏内に迫った今、多くの家屋が破壊され、住民のほとんどが避難を余儀なくされている

生き残った人々は、無差別に降り注ぐ容赦ない砲撃に耐え、地下室に避難する時間が増えている。数少ない商店やレストランは土嚢の山に囲まれ、窓は板で覆われているものの、ドアは営業のために開け放たれている。

爆発音は一日中響き渡るが、夜間はさらにひどい。日が暮れると、ロシア軍はウクライナ兵が飛来するドローンを発見するのに苦労する状況を利用する。赤外線センサーを搭載した無人機は、真っ暗闇の中でも昼間と同じように容易に標的を捕捉できる。民間人にとって、容赦ない夜間の砲撃は睡眠を困難にし、途切れ途切れにさせる。

疲労は、絶え間ない危険と愛する人を失う悲しみに重なり、人間の精神を徐々に蝕んでいく。私が話を聞いた軍関係者によると、これはロシアの戦略の一環だという。つまり、地域から民間人がいなくなるまで消耗させ、その後、少しずつ、区画ごとに前進して占領していくのだ。

運転中は、ドローン探知機に頼ることが不可欠です。運が良ければ、路肩に車を停め、車から飛び降り、身を隠すのに十分な警告が得られるでしょう。民間人の家の比較的安全な場所から最前線までの最後の区間を越えると、ドローンは獲物を狙う致命的なスズメバチの群れのように、ますます執拗になります。しかし、昆虫とは異なり、これらの空飛ぶ捕食者は致命的なペイロードを運んでいます。歩兵を粉砕するための改造された40mmグレネード、重いRPG弾頭、熱圧爆薬、そして装甲車両を一瞬で破壊できる対戦車地雷などです。

車両を隠した後、私たちは木々の陰を抜けて、地面に偽装された穴へと向かった。その穴はトンネルに通じており、地下のドローン部隊作戦センターへと続いていた。内部には2台の大型コンピュータ画面があり、ロシアとウクライナのドローンを追跡していた。1台はロシア軍の動きを監視し、もう1台は早期警戒情報を提供していた。

写真:アントニオ・グレースフォ

画面には、木立の中にロシア兵がはっきりと映っていた。数人しか確認できなかったが、彼らの動きから、小規模な偵察部隊ではなく、近くにいる大規模な攻撃部隊の一部であることは明らかだった。この場所から戦争の展開を見守るのは身の毛もよだつ思いだった。ロシア軍もウクライナ軍や我々の様子を同様の映像で監視しているのだということを改めて思い知らされた。

どちらの映像にも、無数の無人機が空を縦横無尽に飛び交う混沌としたドローンの往来が映し出されていた。爆発音も聞こえ、大小さまざまな音、遠くから聞こえる音、近くから聞こえる音など様々だった。最も長く生き残った熟練兵士たちは、音だけでドローンが味方か敵か、そしてどれくらい離れているかを正確に判断できた。しかし、ビルマと中東での戦闘経験がほとんどだった私と私のチームにとって、これらの音は馴染みがなく、区別がつかなかった。身を隠すのが常に最善の策だった。

ドローン部隊の指揮官は、「偵察ドローンは、我々を攻撃しているロシア軍の大砲を探し出そうとしている。彼らの働きのおかげで、我々の砲兵部隊とドローン部隊は、この地域を攻撃していた多くの大砲を破壊することができた」と語った。

司令官は、2014年の最初のロシア侵攻以来、軍に所属していると説明した。自身のチームについて、「彼らは若いが、非常に頭が良い」と述べた。また、ロシア軍が夜間に住宅前に駐車されていた車16台を爆破したことにも触れた。攻撃のほとんどは夜間に行われるため、チームの一部メンバーは夜通し監視モニターを見張っているという。

兵士たちは、3Dプリンターとダクトテープを組み合わせて製作したウクライナ製のドローンを披露した。ウクライナ軍は、低コストのドローン製造における急速な技術革新で国際的に高い評価を得ている。最前線の作業場や分散型ネットワークは、尾翼、爆弾投下機構、バッテリーマウント、筐体アダプターなどのカスタム部品を大量生産するために、3Dプリンターに大きく依存している。

さらに、現場チームは、軽量の機体を組み立てたり、ペイロードを固定したり、戦闘地域で直接迅速な修理を行ったりするために、ダクトテープ、電気テープ、結束バンド、PVCパイプなどの即席の材料を頻繁に利用する。

この分散型で低コストなアプローチにより、ウクライナ軍部隊は変化する電子戦環境や目標要件に合わせて装備を迅速に調整できる。しかし、こうした低コストシステムが広く配備されている一方で、ウクライナの防衛産業は、複合材料と強化された電子機器で構築された長距離攻撃プラットフォームや特殊偵察システムなど、高度な軍用無人航空機も製造している。

司令官が要約したように、「この戦争は技術戦争になった。もはや小火器による戦闘ではなく、我々の技術と彼らの技術のぶつかり合いだ。」

ドローンはウクライナの軍事作戦において極めて重要な役割を果たしている。なぜなら、ドローンは非対称的なコスト優位性をもたらし、低コストのプラットフォームで装甲車両、砲兵システム、歩兵陣地を破壊できるからだ。ドローンは、標的に精密な運動エネルギー攻撃を行うことで、砲弾不足を補う。また、リアルタイムの情報収集・監視・偵察(ISR)機能を提供し、指揮官が部隊の動きを監視し、火力支援を調整することを可能にする。さらに、長距離攻撃ドローンによって、ウクライナは前線後方の兵站拠点、エネルギーインフラ、軍事施設を攻撃することもできる。

しかし、ドローンは運用面および物理的な制約により、単独で勝利を収めることはできない。戦術ドローンは、改良型手榴弾やRPG弾頭などの小型爆発物を搭載するが、重要塞を破壊したり地雷原を掃討したりするのに必要な爆発力は備えていない。また、ドローンは雨、強風、視界不良などの悪天候に加え、制御信号やGPS航法を妨害する電子戦妨害にも脆弱である。

さらに、ドローンは領土を占領または保持することができないため、歩兵、地上装甲車両、および諸兵科連合作戦が必要となる。最後に、戦術無人航空機は飛来する弾道ミサイル、巡航ミサイル、滑空爆弾を迎撃することができないため、インフラや軍事拠点を守るには重武装の防空システムが必要となる。

ロシア軍の活動が活発化したため、兵士たちは再び任務に戻る必要があった。出発前に、私たちはチームと共に祈りを捧げ、彼らの心の内を尋ねた。リーダーは「私たちは祖国のために、主権を失わないために祈り、そして国民のために祈ります」と答えた。

アントニオ・グレーセッフォがウクライナから報告します。

https://www.thegatewaypundit.com/2026/08/front-ukraine-its-battle-drones/

8/14Rasmussen Reports<Midterms: Economy, Anti-Trump Mood Are Top Motivators=中間選挙:経済状況と反トランプ感情が主な動機>

中間選挙まであと4か月を切った今もなお、「経済こそがすべてだ」という状況が続いており、ドナルド・トランプ大統領の政策に対しては、支持する有権者よりも反対する有権者の方が10ポイントも多い。

ラスムセン・レポートが実施した最新の全国電話・オンライン調査によると、米国の有権者の46%が中間選挙での投票行動を決定する上で経済が最も重要な問題になると回答しており、これは2月以降ほとんど変化していない。移民問題を最重要課題と捉えているのは16%、国家安全保障を11月の最重要課題と捉えているのは11%、医療制度改革を10%としている。その他の問題はすべて一桁台にとどまり、教育(3%)、気候変動(3%)、税金(2%)、エネルギー政策(1%)となっている。また、4%は他の問題が今年の秋の投票行動を決定する上で最も重要だと回答している。

https://www.rasmussenreports.com/public_content/politics/trump_administration_second_term/midterms_economy_anti_trump_mood_are_top_motivators?utm_campaign=RR08142026DN&utm_source=criticalimpact&utm_medium=email

8/15阿波羅新聞網<一记重拳:乌军把战火打到新罗西斯克=強力な打撃:ウクライナ軍、ノヴォロシスクへ戦火を拡大>

ロシア・ウクライナ戦争が長期化する中、戦場の様相は従来の戦争の概念とは大きく異なるものへと変化している。

戦車、大砲、戦闘機が依然として役割を果たしているのは確かだが、戦況を大きく左右する真の主役は、ドローン、無人艇、長距離ミサイル、そして情報・偵察システムへと移行しつつある。8/12深夜に行われたロシアの港湾都市ノヴォロシスクへの攻撃は、この変化を如実に物語る事例と言える。

艦隊が後方へ逃げても、追いかけられる。

https://www.aboluowang.com/2026/0815/2421051.html

8/15阿波羅新聞網<赖清德演练“战时逃亡”?北京信以为真=頼清徳は「戦時の逃亡」を予行演習したのか? 北京はこの噂を本当と思っている>

最近、インターネット上で「頼清徳総統が『漢光演習』の最中に『逃亡計画』の予行演習を行った」という噂が流れたが、後にこれは誤情報であることが確認された。それにもかかわらず、中共国防部は14日、この「戦時逃亡」疑惑について反応し、漢光演習は大袈裟であり、国民の金の無駄遣いに過ぎない」と主張した。さらに同部は、今年の演習によって、頼氏の「防衛を装いながら実際には逃亡を画策するという臆病な本性」が露呈したと非難した。

頼氏が「脱出計画を公式に予行演習した」という主張は、中国のソーシャルメディアで広く拡散された。しかし、台湾ファクトチェック・センターは、頼氏が参加した「万鈞演習」は脱出ルートの訓練ではなく、指揮所への移動を伴うものであったと明らかにしている。「万鈞計画」の目的は、戦時下においても総統が指揮権を行使し続けられるようにし、意思決定に支障をきたさないようにすることにある。

中国人だったらこうすると考えることを相手に摩り替える。南京事件や三光作戦と同じ。

https://www.aboluowang.com/2026/0815/2421037.html

8/15阿波羅新聞網<局势骤然升级 北约战机突然开火!=事態が急展開:NATO戦闘機が突然発砲!>

ラトビア軍は金曜日(8/14)、同国東部でNATOの戦闘機がドローンを撃墜したと発表し、この事案を「ロシアの電子戦」に関連するものと指摘した。ドローンはバルヴィ(Balvi)地域で破壊され、関与した航空機はNATOのバルト海領空警備任務に就いていた機体だった。

ラトビア当局は、事件発生後、同国東部、南部の複数の地域で一時的に空襲警報が発令されたものの、現地時間の午前4時50分に解除されたと発表した。また、ラトビア側は、撃墜された物体は「外国の無人機(UAV)」であり、「ロシアによる電子戦の影響でラトビア領空に侵入した」と主張した。現時点で、ラトビア軍はこの件に関する詳細を明らかにしていない。

ロシアがやったかどうかは確信がないが、可能性は十分ある。先ず、性格が悪すぎる。

https://www.aboluowang.com/2026/0815/2421035.html

8/15阿波羅新聞網<被这国扒个精光,北京跳脚=この国に実態を暴かれ、北京は地団駄を踏む>

ニュージーランドのトップ情報機関は、同国内で大規模なスパイ活動を行っている唯一の国として中国を名指しする報告書を発表した。これに対し中国側は、この主張を「断固として受け入れず、強く反対する」と表明した。

嘘つき中国人の面目躍如。

https://www.aboluowang.com/2026/0815/2420994.html

8/15阿波羅新聞網<日本铁心摆脱中共控制!美日拟联手打破中共王牌—美日拟联手开采深海稀土矿 打破中共垄断=日本、中共の支配からの脱却を堅く決意!日米が連携し中共の「切り札」を打ち砕く計画――深海レアアースの共同採掘で中共の独占を打破へ>

今年3月、トランプ米大統領はWHで日本の高市早苗首相と会談し、中共によるレアアースの世界的独占・支配を打破することを目指し、日本近海の南鳥島周辺における深海レアアース資源開発での日米協力について協議した。

米ディープ・リーチ・テクノロジー社が日本に協力と。8/15日経朝刊は日本のレアアースについて不安を煽る記事(EV・半導体レアアース輸入、26年上期は中国規制前の2割 代替進まず)を書いている。中共の肩を持ちすぎ。本記事のように日米の取り組みを紹介したらどうか。

https://www.aboluowang.com/2026/0815/2420976.html

8/15阿波羅新聞網<中国以后更难了!巨头标志性大逃离—字节跳动最大金主关闭中国风投团队=中国にとって今後更に厳しい状況に!巨大企業の象徴的な撤退――ByteDanceの最大出資者が中国でのベンチャーキャピタル・チームを閉鎖へ>

米金融グループのサスケハナ・インターナショナル・グループ(SIG)は、20年以上にわたり中国で活動してきたベンチャーキャピタル・チーム(サスケハナ・アジア)を段階的に閉鎖している。セコイア(Sequoia)やGGVに続き、またしても米国の主要投資機関が中国でのベンチャーキャピタル事業を段階的に縮小することになった。同社が最も大きな投資成功を収めたのは2012年のことで、ByteDance(バイトダンス)の初期段階における唯一の機関投資家兼エンジェル投資家として、約600万ドルを投じ、同社の株式の約15%を取得した。この投資はピーク時に、当初の投資額の最大1万5000倍(評価額900億ドル超)という含み益を生み出し、世界のベンチャーキャピタル史上、伝説的な偉業となった。しかし、これほどの巨額の利益を手にしたSIGは今や中国市場からの撤退を選び、もはや「次のByteDance」を探そうとはしていない。

三重帳簿の中国企業を信頼するわけにはいかないし、経済崩壊が始まっている中国で新たな稼ぎ頭は見つからないということ。

https://www.aboluowang.com/2026/0815/2421009.html

8/14阿波羅新聞網<突发!川普深夜祭王牌打击中共!打破数十年禁区—重大转变:美允许私企黑客攻击外国网络犯罪团伙=速報!トランプ、深夜に中共を叩く「切り札」を切る!数十年来のタブーを破る重大な転換:米国、民間企業による外国サイバー犯罪集団へのサイバー攻撃を許可>

トランプ政権は深夜、国家安全保障に関する覚書に署名し、特定の米国企業に対し、外国のサイバー犯罪集団への対抗ハッキング作戦(カウンター・ハッキング)の実施を初めて奨励した。これは数十年にわたる米国のサイバーセキュリティ政策における大きな転換点であり、長年にわたり民間ハッカーを利用してきた中国やロシアの諜報機関を標的としている。この動きは、攻撃的なサイバー作戦は軍や諜報機関のみが行うものとしてきた従来の慣例を覆すものである。

日本の民間企業に期待してもダメ?アサヒビールやアスクルがハッキングされたのに。

https://www.aboluowang.com/2026/0814/2420819.html

小久保氏の記事では、中国がAIをオープンモデル化したのは、米国AIの蒸留(パクリ)で開発コストがかかっておらず、また、使ったデータを中国に戻して利用し、軍事に使おうとしているから。米国AIはクローズドにして蒸留したら金を取り、製作者の下に情報を上げる仕組みにしないと、開発コストが賄えない。国家主権の議論もあるが、他国は自前で開発していたら遅れるだけ。米国は敵対国には蒸留させないよう厳しい規制が必要。米国の企業には、中国製AIは使用禁止にしないとリスクがある。また緊急事態に米国AI関連企業が協力できるように政府がしておくことも大事。

記事

オープンセキュアAIアライアンス参加企業のロゴ一覧(NVIDIAの発表資料より)

目次

7月下旬、米オープンAIの自律型モデルが実験環境を脱出し、米ハギングフェイスのシステムに侵入するサイバー事故が発生した。

この事象は、制御を離れたAIの危険性を浮き彫りにするとともに、サイバー防衛における安全規制(ガードレール)のあり方に大きな議論を巻き起こした。

事故を受け、米エヌビディア(NVIDIA)を中心に米IT大手が結集し、オープン型の技術で自衛を図る新たな企業連合を発足させた。

自衛を阻んだ「安全ガードレール」の死角

事故の過程では、従来型の安全対策が抱える課題が露呈した。

被害を受けたハギングフェイスは当初、侵害状況を分析するために米アンソロピックなどのクローズド型モデルを使おうとした。

だが、それらのモデルはサイバー攻撃に関連するデータの解析自体を「悪用目的」と判定し、作業を拒否した。

せっかく設けた安全ガードレールだったが、それが攻撃側と防御側を識別できず、防御側の自衛措置を阻害する結果となった。

ハギングフェイスは事態打開のため、自社インフラで運用可能な中国Z.AI(北京智譜華章科技)のオープンウェイトモデルを採用した。

外部の制限を受けないモデルを用いて攻撃手順を解明し、不正アクセスの遮断とネットワークの再構築に成功した。

エヌビディア主導で結成された防衛同盟

この教訓を踏まえ、エヌビディアは7月27日、サイバー防御ツールを共同開発・共有する「オープンセキュアAIアライアンス(Open Secure AI Alliance)」の設立を発表した

参加企業には米マイクロソフト、米スペースX、米パランティア・テクノロジーズ、米シスコシステムズのほか、事故当事者のハギングフェイスなど数十社が名を連ねる。

自律的に処理を行う「AIエージェント」の普及に伴い、単一のサービス提供会社に依存する体制は、突然の利用停止や機能制限といったリスクを伴う。アライアンスでは、ソースコードやモデルの重み(ウェイト)が公開されたオープン技術を活用し、自社環境で制御できる防御基盤の普及を目指す。

エヌビディアは、ソフトウエア開発プラットフォーム「GitHub(ギットハブ)」上でAIエージェントの動作を管理・検証する自社フレームワークを無償公開した。

企業が自力で弱点の修復やセキュリティー運用を行える環境を整えることで、特定のインフラへの依存を減らし、攻撃に対する復元力を高める狙いがある。

対中規制議論と「蒸留」を巡る業界の分断

今回の事案は、米政権や議会が進めるオープンモデル規制議論にも大きな影響を与えている。

米国では、中国企業が開発した高性能なオープンモデルの台頭に対し、国家安全保障上のリスクを懸念する声が強い。

特に、米国製モデルの出力データを繰り返し取得して自国モデルの学習に利用する「蒸留(distillation)」行為に対し、ベッセント米財務長官などは制裁措置を警告している。

これに対し、エヌビディアや米メタなど20社以上のIT企業は7月下旬、オープンモデルへの一律規制に反対する共同書簡を公開。過度な制限は米国の競争力を削ぎ、安価な中国技術へのシフトを促すと主張した。

一方、クローズドモデルを主軸とするアンソロピックのダリオ・アモデイCEO(最高経営責任者)は7月27日、自社のウェブサイトで「オープン型の全面禁止は求めていない」と釈明した。

ただし、同氏は産業規模の無断学習(蒸留)の阻止や、高度なモデルに対する安全テストの義務化が必要だとの持論を崩していない。

問われる安全基準と「インフラ自律化」の行方

7月下旬の一連の動きは、AIセキュリティーの主導権を巡る企業間の思想的対立を改めて浮き彫りにした。

自社環境で改変できるオープン型モデルは自由な自衛手段を提供する一方、安全ガードレールが外され悪用される危険性も伴う。

対してクローズド型モデルは安全面で優れるものの、供給元の意向やAIによる判断によって、利用企業の防衛行動が制限されるリスクを残す。

今秋9月には、最先端AIの安全基準や知的所有権の保護を主要議題とする初の米中AI協議が予定されている。

地政学的リスクや規制の不確実性が高まるなか、利用企業にとって、外部プロバイダーの動向に揺らがない「インフラの自律化」と、自前で制御できる防御体制の構築が喫緊の課題となっている。

(参考・関連記事)「9月に初の米中AI協議、無断学習疑惑とオープンモデル規制が焦点 | JBpress (ジェイビープレス)

(参考・関連記事)「米技術圏に迫る中国製オープンソースAIの波、高価格・規制リスクへの自衛策として広がる採用 | JBpress (ジェイビープレス)

(参考・関連記事)「米中政府の『AI囲い込み』が招く2つのリスクとは コスト高騰と供給網遮断に揺れる企業戦略 | JBpress (ジェイビープレス)

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