『ロシア疑惑捜査、トランプ氏と弁護団「勝利」の裏側』(4/3ダイヤモンドオンライン ロイター)、『ロシア疑惑「シロ」で地団駄の反トランプメディア 歴史的フェイクニュースに終わった「トランプとロシアの共謀」』(4/3JBプレス 古森義久)について

4/2希望之声<川普望2020年大选夺回众议院 然后马上彻底改革医保法案=トランプは、2020年の大統領選挙で下院の過半数を取り戻し、その後すぐに医療保険法案を徹底改革することを望んでいる>トランプ大統領は議会共和党議員と連絡を取った後、4/1(月)に、「2020年大統領選後、オバマの医療保険に代わる法案に議会が投票できるようにし、共和党議員が新法案制定に充分な時間を確保するようにする」と述べた。下のツイッターにあるようにオバマケアより保険料を安く実用的にすると。新医療保険法案の投票は2020年大統領選後に、一致結束して通すようにしたい。共和党が上院を押えたまま下院も過半数を取り戻すと。

https://www.soundofhope.org/gb/2019/04/02/n2775816.html

4/3阿波羅新聞網<川普密西根州集会 民主党选民占34% 支持阵营扩大=トランプのミシガン集会 民主党員が34%を占める 支持者が拡大>トランプの2020年大統領選挙運動部長Brad Parscaleは、「先週ミシガンの集会でトランプの支持者の34%が民主党登録有権者であった」と述べた。

Brad Parscaleは3/28ツイッターで、「ミシガン州グランドラピッズでのトランプの集会に参加申込した人の数は10万人に達し、最終的には14,000人が会場を埋め、2万人が場外にいた」と述べた。 「トランプの再選を支持する陣地は拡大し、勢いは順調」と。

ParscaleはFox ニュースに対し、「毎月重要なスイングステートから100万人以上の有権者のデータを受け取っている」と述べた。 ミシガン州の集会に参加登録した人の情報が得られるのは、登録者が携帯電話番号を記入する必要があるためである。それでParscaleが有権者の過去の投票した記録と情報を追跡できるようになった。

Parscaleは、「ミシガン州の集会に参加した人のうち、民主党登録者が34%を占めていたと信じている。この数字は大したものだと思う。これらの人々の半分は直近の4回の大統領選で1回しか投票したことがない」と語った。

ミシガン州でのトランプの集会は、ムラー特別検察官のロシアゲートの調査が正式に終了した後で初めての集まりだった。ほぼ2年間の調査の結論は、トランプと選挙チームは2016年の大統領選挙でロシア側と共謀したり、選挙を妨害したりしなかったということである。

1ヵ月前、テキサス州エルパソでのトランプの集会は、より多くの民主党登録者を集め、観客の50%を占めた。 Parscaleは、「これが2016年の総選挙以来、民主党員の参加人員が最大の集会である」と言った。

共和党全国委員会のデータによると、約30,000人がエル・パソ集会にオンライン登録し、その70%がヒスパニックと推定される。

Parscaleは、「テキサス州とミシガン州の2つの集会のデータには多くの類似点がある」と述べた。 「1ケ月前のテキサスの集会でもそうだが、ミシガンの集会でもより多くの新顔が入って来ていることを表している。民主党員が30%、40%、50%を占める場合もある。我々はブルーカラーの民主党員やアフリカ系・ラテンアメリカ系アメリカ人を見ている。トランプの陣地は拡大している」と。

Parscaleは、「トランプの経済政策がうまく行っているので、2020の選挙の勢いは良好である」と述べた。

「ミネソタ州、ニューハンプシャー州、ニューメキシコ州、ネバダ州はトランプの地図に載っていると思う。大統領の2020年の選挙地図は徐々に広がって来ている」と。

ミシガン州の集会で、トランプは「ロシアゲートの捜査は反対勢力によって仕組まれた“最も邪悪な”手段である」と述べた。「彼らの詐欺行為は既に暴露されており、このペテン師たちの信用は永遠に戻らないだろう。 彼らが今直面している問題は大きい。現在および過去にこの史上最大の詐欺行為を支持、推進、継続してきた関係者は全員責任を負わなければならない」とも。

https://www.aboluowang.com/2019/0403/1269633.html

4/2 Andy Chang氏メルマガ<オバマは「闇の帝国」の黒幕か?>

http://melma.com/backnumber_53999_6804192/

上述の中国語記事のようにトランプは民主党に反撃することを考えているようです。オバマ・ヒラリー・スーザン・ライスが刑務所送りになるのを見てみたい。

4/4ダイヤモンドオンライン 窪田順正<「令和」はツッコミどころ満載、日本政府は“想像力”が足りない>

https://diamond.jp/articles/-/198757

小生は「令和」を「令人和平」=和製中国語で「人をして穏やかにせしむ」の意と捉えました。「令(ling4)」と「零(ling2)」が同じ音でと文句をいう中国人は多くないでしょう。中国語の「令人」の後には、「令人感動」「令人吃驚」「令人満意」「令人愉快」のように感情表現の動詞や形容詞が来ますが(英語の”be impressed with” ”be surprised at” の用法に近いのでは)、「令人和平」とは言わないようです。下のfacebookの記事に毛骨悚然身と言うのが出てきますが「身の毛がよだつ,鳥肌が立つ」の意味です。

4/4中国观察 吴怀云 20時間前

令人毛骨悚然的人脸识别系统】中国人工智能技术有多牛?这副眼镜可让中国百姓无处遁形,一个交警一年收入几千万乃至上亿,但是小孩丢了,P2P诈骗犯,制毒食品假疫苗等犯罪分子却逍遥法外,一个找不到!

[身の毛がよだつ顔認証システム]中国の人工知能技術は自慢できるか? この眼鏡は, 中国の大衆を逃げ隠れできないようにしている。一人の交通警察官の年収は数千万元~1億元の収入があるが, 子供の誘拐, P2P詐欺, 有害食品、偽ワクチンなどの犯罪者は大手を振って活動し, 一人として見つけることができていない!

https://www.facebook.com/100029533635919/videos/166686644325789/

本郷和人も中国語に疎いのか、知識人にありがちな反体制を気取る連中の一人なのか分かりません。また窪田氏は左翼の言う「独裁者」安倍の立場とは違うと言っていますが、独裁者というのは自由を認めず簡単に粛清する共産主義者の習近平、金正恩、マドウロ達を言います。自分は左翼でないと思っているようですが、「危機管理面での想像力の欠如」に話をすり替えているのを見ると左翼臭く感じます。政府は「令和」を“beautiful harmony”と説明しているではないですか。中心の座標軸が左に寄っているので自分が左翼と自覚できていないのかも。まあ、日本は自由の国で、何を言っても逮捕されることはないし、言論の自由は尊重したいと思いますが。ただ、左翼は人を騙します。この手に引っかからないのが肝要。自分の頭で考えなければ。

ロイター記事ではトランプの弁護団の「トランプの事情聴取なし、大陪審召喚状対策」の作戦がうまく行ったという事でしょう。やはり罰せられるべきはロシアゲートをでっち上げたデイープステートの連中では。

古森記事では、共和党がメデイアと民主党に反撃に打って出て来たと言うもの。日本もメデイアや野党にやられ放しにならず、彼らのやり方を学んだら良い。放送免許や新聞の優遇策等の見直しを図るべき。また中国や韓国の理不尽な物言いに対しても毅然として対応すべきである。安倍政権は分かっているのかしらん。

ロイター記事

3月26日、バー米司法長官がモラー特別検察官によるロシア疑惑捜査報告書の概要を連邦議会に通知したとき、トランプ大統領(写真)の弁護団は、議事堂に近いオフィスに顔をそろえていた。ワシントンで撮影(2019年 ロイター/Brendan McDermid)

[ワシントン 26日 ロイター] – バー米司法長官がモラー特別検察官によるロシア疑惑捜査報告書の概要を連邦議会に通知したとき、トランプ大統領の弁護団は、議事堂に近いオフィスに顔をそろえていた。

彼らはこの日まもなく、祝杯を挙げるべき理由を手にすることになる。これには恐らく、重要な戦略的判断が寄与していた。モラー特別検察官は、2016年の米大統領選挙でトランプ氏またはその側近がロシアと共謀したか否かについて、22ヵ月に及ぶ捜査を行い、証人500人に事情聴取した。トランプ氏の弁護士たちは、大統領本人への事情聴取が行われないよう手を尽くした。

この戦略は功を奏し、特別検察官の捜査チームから本格的な事情聴取を受けるという司法上の危機からトランプ氏を守った。もっともトランプ氏自身は、喜んで事情聴取に応じると公言しており、今年1月27日に聴取を行うという仮の日程まで組まれていたほどだ。

しかしトランプ氏の弁護士の1人はロイターに対し、モラー氏による大統領への聴取を認めるつもりは全くなかったと語った。モラー氏も、証言を求める召喚状を発行することはなかった。

写真は弁護団メンバーのジュリアーニ氏(左)とセクロー氏。ワシントンで24日撮影。提供写真(2019年 ロイター/Courtesy of Peter Halmagyi/Handout via REUTERS)

トランプ氏の主要弁護士たち、ジェイ・セクロー氏、ルディ・ジュリアーニ氏、ジェーン・ラスキンおよびマーチン・ラスキン夫妻は24日、会議用円卓を囲んでコンピューターの画面を開き、バー司法長官による報告書概要の発表を待った。ついにその概要がネット上に公開されたとき、彼らは歓喜に沸いた。

モラー氏はロシアとの共謀の証拠を見いだせなかった、とバー司法長官は言った。また、トランプ氏が捜査を邪魔しようと試みて司法妨害を行ったという証拠も不十分だったと結論した。モラー特別検察官は、この点はまだ未解明の問題だとしている。

この結果は、捜査がトランプ政権に大きな影を落としていただけに、大統領にとって大きな政治的勝利となった。

セクロー氏は26日、ロイターに対し、ジュリアーニ氏が抱きついてきたと明かした。セクロー氏によれば、彼は他のメンバーに「この上なく素晴らしい」と言ったという。ジュリアーニ氏はバー司法長官が捜査結果を発表した数分後、「予想していたよりも良い結果だ」とロイターに話した。

トランプ氏の弁護団は、同氏に対する本格的な事情聴取を求めるモラー氏の度重なる要請を巧みに拒否し、大統領が大陪審で証言するよう召喚されることを回避した。その代わりに、トランプ氏が文書による回答を提示することで合意し、これは昨年11月に実現している。

この違いは大きかった。何人かの弁護士は、トランプ氏が事情聴取に応じたら、彼が連邦捜査局(FBI)に対してうそをついていた、法律用語で言えば「虚偽の陳述」をしていたと主張される可能性があった。ジュリアーニ氏は、モラー特別検察官がトランプ氏に対し、ロシアとの共謀について尋ねるだけにとどまらず、それ以外の事項にも脱線するようなことがあれば、事情聴取は「偽証のわな」になると公言していた。

トランプ氏は、事実のわい曲やあからさまなうそを指摘されることが頻繁にある。

弁護団の戦略に詳しい2人の情報提供者が匿名で語ったところでは、この1年間、トランプ氏の弁護士たちは両面作戦を推進してきたという。つまり、ジュリアーニ氏が、ケーブルテレビの報道番組でモラー特別検察官による「魔女狩り」を公然と攻撃する一方、ラスキン夫妻が水面下でモラー氏のチームと交渉する、というアプローチだ。

モラー氏の報道官は、コメントの求めに応じなかった。

「二の舞はごめんだ」

3月26日、バー米司法長官がモラー特別検察官(写真)によるロシア疑惑捜査報告書の概要を連邦議会に通知したとき、トランプ大統領の弁護団は、議事堂に近いオフィスに顔をそろえていた。ワシントンで2017年6月撮影(2019年 ロイター/Joshua Roberts)

2017年5月にモラー氏が捜査を開始したとき、弁護団は当初、捜査に協力する方が最短距離で幕引きに至ると判断していたと、当時、大統領に関する捜査への対応を担当していたホワイトハウスの法律顧問タイ・コブ氏は言う。ホワイトハウス職員20人以上が特別検察官による事情聴取に応じ、政権側は2万点以上の文書を提出した。

トランプ氏自身が事情聴取に応じるかどうかも切迫した問題となっていた。聴取の日程が暫定的に決められたにもかかわらず、トランプ氏の法律顧問たちの意見は分かれていた。当時、トランプ氏の個人弁護団のトップを務めていたジョン・ダウド氏は、事情聴取はあまりにもリスクが高いと懸念していた。

海兵隊出身で好戦的なダウド氏は、トランプ大統領自身が意欲を見せているにもかかわらず、事情聴取に応じることに反対した状況を回想して、「ノコノコ出ていって下手を打つわけにはいかない」と語った。

ダウド氏によれば、彼はモラー氏のチームに「彼らがフリン氏やパパドプロス氏に対してやったことについて」話をしたという。国家安全保障担当大統領補佐官だったマイケル・フリン氏と、選挙の際にトランプ氏の側近だったジョージ・パパドプロス氏は、特別検察官による事情聴取に応じた末に、結局FBIに対する偽証について有罪を認めた。

ダウド氏は「彼らの二の舞を演じるつもりはなかった」と、あるインタビューで話している。

ダウド氏によれば、モラー特別検察官から、事情聴取で16の分野について協議したいと言われ、あまりにも話が広がりすぎていると考えたという。トランプ氏の弁護団は、暫定的な聴取日程に合意しつつ、捜査陣がすでに把握している内容を知ろうと同氏に探りを入れていたという。

「彼らが実際に何を考えているかを知りたかった。彼らはそれを胸の内に隠していた。われわれの狙いは、協議を重ねるうちに、彼らの考えがだんだん分かってくるだろうということだった。それが、協議を続けていた狙いだ」とダウド氏。トランプ氏を事情聴取に応じさせるつもりはまったくなかったと同氏は付け加えた。

大統領を守る

コブ氏によれば、事情聴取が中止になった後は、捜査プロセスが長引くことは明らかだったという。

「大統領の弁護団が、事情聴取に応じないがその可能性は残しておくと2018年1月に決めた以上、捜査がかなり長引くことは明らかだった」と同氏は言う。

また弁護団は、モラー氏がトランプ氏に証言を義務付ける召喚状を発行するのではないかと日々心配しなければならなかった。もし召喚状が発行されたら、裁判官に召喚状の無効化を求めるというのが彼らの計画だった。そうなれば最高裁にまで至る司法の場での争いが予想される。だが、召喚状は結局来なかった。

「われわれは最初から、召喚状が来たらその無効を申し立てるつもりだった」とセクロー氏は言う。「法律上はこちらが有利だと自信を持っていた」

専門家が皆これに同意するわけではないが、トランプ氏の弁護団の見解では、他の情報源から情報を得ることが不可能な場合、あるいは極めて例外的な事態を除けば、大統領に証言を強制することはできない、というものだった。

2018年春の時点では、トランプ氏には2つの選択肢があるように思われた。事情聴取に応じるか、召喚状を受けるか、である。

この時点までに、すでに弁護団は再編されていた。ダウド氏は3月に辞任。ラスキン夫妻とジュリアーニ氏が4月に加わった。ホワイトハウスでは、5月にコブ氏に代わりエメット・フラッド氏が就任した。一貫して主要メンバーであったのはセクロー氏だけだ。

捜査当局との交渉に詳しい情報提供者によれば、新たな弁護団はモラー氏に対し、大統領の事情聴取を正当化するような段階まで捜査が達していることを示すように求めたという。

この情報筋によれば、弁護団は「犯罪の証拠をつかんだと言えるような立場にあるのか」と尋ねたという。

2018年秋を通じて、弁護団はこの立場を固守する一方で、トランプ氏の事業や財務その他の事項に波及するような聴取ではなく、2016年の選挙以前におけるロシアとの共謀の可能性についてという限定的なテーマに関してのみトランプ氏が文書による質問に回答する、という落とし所に向けて交渉を続けた。

重大な岐路

モラー氏が、質問リストの提示に同意したことが重大な岐路となった。情報筋によれば、同氏が事情聴取の要請をやめたわけではなかったが、文書による回答を渋々認めたことは、大きな転機となった。

「『彼らは召喚状の発行を決意するだろうか』と絶えず悩む状況から、『文書での質問に答えている』という状況になった」と情報筋は語る。

当時ロシア疑惑の捜査を指揮していたコミーFBI長官を解任し、セッションズ司法長官が捜査を終結させないことについて頻繁に公然たる批判を浴びせたことで、トランプ氏が司法妨害を試みたかどうかという点については、トランプ氏の弁護団は質問を受け入れなかった。

弁護団は、大統領が自身の政権で働くよう任命した人物を自ら解雇したからといって、司法妨害で有罪とされることはあり得ないと考えていた。

写真は報告書の概要。ワシントンで24日撮影(2019年 ロイター/Jim Bourg)

事情に詳しい情報筋によれば、「それは質問項目から外され」、選挙におけるロシアの干渉を巡る質問に対する回答についてモラー氏との交渉が続いたという。

「最終的に、戦略はうまくいった。事情聴取なし、大陪審召喚状もなし、だ」

トランプ氏は昨年11月20日、モラー特別検察官への回答書に署名し、フロリダ州の別荘「マール・ア・ラーゴ」で感謝祭の祝日を過ごすため、ワシントンを離れた。

当時ジュリアーニ氏はロイターに対し、「われわれは提示された質問にすべて回答した。当然ながら選挙前の時期に関する、ロシアに的を絞った質問だった」と語っている。「選挙後については何もなかった」

ジュリアーニ氏によれば、モラー氏のチームは交渉の間、トランプ氏本人に対して、できれば直接追加の質問を行う機会を求めてきたという。だが最終的にモラー氏は、何の条件も追加質問の機会もなしに、単に文書による回答のみを受け入れることに同意した、とジュリアーニ氏は言う。

昨年末の時点では、トランプ氏の弁護団はモラー氏の捜査陣とほとんど接触を持たなくなっていた。

弁護団の戦略についてセクロー氏は、「うまくいったのではないか。飛行機は無事に着陸した」と語った。

(Karen Freifeld/翻訳:エァクレーレン)

古森記事

米首都ワシントンで記者会見を行うドナルド・トランプ大統領(2019年3月24日撮影)。(c)Eric BARADAT / AFP〔AFPBB News

(古森 義久:産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授)

米国の2016年大統領選挙でトランプ陣営がロシア政府と共謀して得票を不正に操作したという「ロシア疑惑」は実際にはなかったことが、ロバート・モラー特別検察官の捜査によって示された。つまり、これまでの2年以上もの「ロシア疑惑」報道はフェイクニュースだったということになる。

この新展開によって、米国の国政の場での民主党とトランプ政権の攻守の構図は一気に逆転し、トランプ政権や共和党側はフェイクニュースを広めた犯人の糾弾を開始した。

トランプ大統領は就任当初からロシアとの“不正な関係”を疑われていた。司法長官が任命したモラー特別検察官による捜査が始まってからこの3月末で22カ月、実際にはその前の2016年夏ごろから連邦捜査局(FBI)による捜査が開始されていたから、実に2年半もの間、フェイクニュースが流されていたことになる。日本でも同様だったから他人事ではない。

「ロシア政府との共謀」は完全にシロと判定

モラー特別検察官事務所の捜査報告の骨子は3月24日、ウィリアム・バー司法長官により発表された。

モラー報告書には、捜査の最大対象だった「ロシア政府機関とトランプ陣営の共謀」という疑惑について、「2016年の米国大統領選挙にトランプ陣営のメンバーとロシア政府が共謀、あるいは協力して介入したことは裏づけられなかった」ことが明記された。「ロシア疑惑」についての捜査はこれで終了し、これ以上の起訴はないという。

2016年米大統領選挙でのドナルド・トランプ陣営とロシアの共謀疑惑をめぐる捜査を指揮するロバート・モラー特別検察官(左)とトランプ大統領(右、2018年1月8日撮影)。(c)SAUL LOEB and Brendan Smialowski / AFP〔AFPBB News

トランプ大統領がジェームズ・コミーFBI(連邦捜査局)長官を解任したことに対する司法妨害の容疑については、起訴とも赦免とも判断を下さないという灰色の記述だった。だが、この捜査の最終責任を持つウィリアム・バー司法長官は「起訴の対象にはならない」というシロの判断を打ち出した。

こうした結果、「疑惑」の主対象だった「トランプ陣営とロシア政府との共謀」は完全にシロと判定されたのである。このことは、捜査の標的だったトランプ大統領自身はもちろん、息子のドナルド・トランプ・ジュニア氏や義理の息子のジャレッド・クシュナー氏なども特別検察官の刑事訴追はされず、無罪の判定が下されたことを意味する。

「反トランプ」メディアの論調の変化

では、この2年間にわたる連日連夜の米国主要メディアによる「ロシア疑惑」報道とは一体なんだったのか(おまけにその大部分は「疑惑」というよりも、トランプ大統領を「有罪」と決めつける「トランプ陣営とロシア政府の共謀」報道だった)。

共和、民主両党の衝突がこれで終結したわけではない。最終的な捜査報告書が公表されても、反トランプの主要メディアは簡単には自分たちの非は認めない。反トランプ陣営は、民主党支持層の厚いニューヨーク州の検事局や裁判所を巻き込んださらなる攻撃も検討している。

だが、モラー報告書の概要が発表されてから1週間ほどの4月2日の時点では、「ロシア疑惑」を大々的に報道してきたニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストの紙面にも顕著な変化が現われてきた。

1つは当然ながら「ロシア疑惑」に関する記事ががっくりと減り、ほぼゼロになりつつあることだ。トランプ大統領への批判も医療保険改革や違法移民などの内政問題へとシフトしてきた。

2つ目は、たまに出る「ロシア疑惑」関連記事においてもゴールポストや焦点を変えて、「疑惑を流した犯人をトランプ大統領が追求するのは逆に民主党を利することになる」「ロシア側は、トランプ陣営との共謀などないことは最初から知っていた」などという趣旨の論評が見られるようになったことである。

しかしそうした論評は、トランプ陣営側の「『ロシア疑惑』は反トランプ勢力によるでっちあげである」とする主張の説得力を、結果的に一段と強める結果となっている。

民主党への反撃に出る共和党陣営

モラー氏が「ロシア疑惑」の特別検察官に任じられたのは2017年5月だった。ただしFBI(連邦捜査局)による同疑惑の捜査は前年の2016年から始まっていた。モラー検察官はこれまでの刑事訴追34人(うちロシア人が26人)のうち6人を有罪確定、あるいは有罪自認とした。

だがこれまでに起訴された人たちの罪状は、選挙期間中の「ロシア機関との共謀」とはまったく関係がなかった。みな脱税や横領という個人レベルでの罪状だったのである。

また選挙に不当に介入したとされるロシア側の工作員は、みなロシア独自の干渉とされ、トランプ陣営との共謀や共同の違法行為はなにも指摘されなかった。いずれにしろロシア人容疑者はみなロシア国内にいるため、今後追及することは現実的には困難である。

与党の共和党陣営も今回の展開に喜びを隠さない。それどころか「この報告書によって『ロシア疑惑』が民主党側の捏造、でっちあげだという事実が証明された」という激しい反撃を開始した。

トランプ大統領は、この2年余り一貫して叫んできた「ロシア疑惑は魔女狩りだ」という主張をさらに強め、中西部ミシガン州の大集会でも、1時間以上熱気をこめた演説で自らの無実と民主党側の陰謀を訴えた。

「疑惑」をでっちあげた面々とは

共和党側で「ロシア疑惑」はそもそも民主党側のでっちあげだと主張してきた下院情報委員会の筆頭メンバーのデビン・ヌーネス議員は、3月下旬に「この捜査終了によって『ロシア疑惑』は今世紀最大の政治スキャンダルであることが証明された」と述べ、この捏造事件の特別捜査の必要性を訴えた。

下院情報委員会は2018年11月の中間選挙で民主党が下院の多数派となり、委員長も民主党のアダム・シフ議員となった。シフ議員も、議会で「トランプ陣営とロシア政府の共謀」を再三主張してきた1人である。そのため同委員会の共和党議員は、全員でシフ議員の委員長解任を求めている。

一方、トランプ大統領の2020年の再選を目指す「トランプ再選委員会」はモラー報告書の骨子が発表された直後、主要テレビ局に書簡を送り、「以下の6人の議員、元政府高官はトランプ大統領に対して証拠のない不当な誹謗を再三、述べてきた。今後、テレビ番組で起用する際には、ジャーナリズムの正しい規範を適用して慎重にしてほしい」と要請した。この6人には前述のシフ議員のほか、オバマ政権でCIA(中央情報局)長官を務めたジョン・ブレナン氏らも含まれていた。

トランプ陣営ではブレナン氏のほか、オバマ政権の国家情報長官だったジェームズ・クラッパー氏、FBI長官だったジェームズ・コミー氏らに対しても「トランプ陣営とロシア政府との共謀」説を有形無形に広めたという疑いを深めており、その責任の追及を検討している。

日本でもこの2年ほど、主要メディアの多くが「トランプ陣営はロシアと共謀していた」という趣旨の報道をしてきた。その具体的な事例は数えきれない。今となれば、その種の報道はみなフェイクニュースだったということにもなろう。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『韓国で囁かれ始めた「クーデターが必要」の主張 3・1独立記念日で見えた「反日勢力」の実相』(4/3JBプレス 赤石 晋一郎)、『韓国の「反日感情」がこれほど高まるのは自国社会への不満が要因だ』(4/2ダイヤモンドオンライン 真壁昭夫)について

4/2阿波羅新聞網<共军4战机过台海中线 习近平警告川普蔡英文?对手让他难堪? 暗藏4重目的=中共の4機(2機の間違い、台湾軍が4機で迎えうった)の戦闘機が台湾海峡の中間線を通過 習近平がトランプと蔡英文に警告した? 内部の敵が習を辱めるため? 隠された4つの重大な目的>2機の中国戦闘機は3/31(日)に台湾海峡の中心線を越えて飛行し、約10分間台湾軍機と対峙した。台湾の蔡総統は、主権を堅く守ると表明した。 台湾の政治学者・明居正は、「習が米国と台湾に警告したのかもしれないし、習の敵対者が彼を辱めるためかもしれない」と言った。 アポロネットの特別評論家の王篤は、「①中共は米中貿易交渉の譲歩の失地挽回のために何かをすべき②米国は66機のF-16戦闘機を台湾に売却する計画③米軍は頻繁に台湾海峡を通過④台湾に圧力、これら4つの要因が台湾海峡での戦闘機の挑発行為の重要な理由である。 今や、米国のステルスF-35A戦闘機はこっそり韓国清州基地にも配備されている。

中共はいろんな地域で冒険主義的な動きをしています。世界平和を乱すトンデモ国家です。世界が中共を非難、経済的に封じ込めないと。口先だけで、人口の多さに幻惑されるようではダメです。

https://www.aboluowang.com/2019/0402/1269450.html

4/2阿波羅新聞網<一带一路遇阻 中国地产商心凉 7成房企1季度销售完2成 股市虽大涨3迹象突出风险=一帯一路は阻まれる 中国の不動産業は冷え込んでいる 不動産業の7割の第1四半期の売上は2割だけ 株式市場は暴騰しているが3つの現象はリスクを際立たせている>第1四半期が終わったばかりだが、中国の不動産業の7割が年間売上目標の20%を下回り、今年の売上増の幅をずっと縮めている。 中共が推進している一帯一路の投資計画は世界的に阻まれ、中国の不動産業者も一帯一路の沿線で資産売却を余儀なくされている。米国商務省は初めて、中国のステンレス製ビール樽は不当に政府補助金を受けていると認定。この他、中国の株式市場は急激に上昇しているが、3つの現象がリスクを示している。

①今年3月、外資のA株購入の鈍化②証券会社のA株売出の格付報告書が今年になって突然急増③、銀行株の急騰のせいで主力となる資金は吸い取られた。

中国株が上がっている理由が分かりません。官製相場でしょうか?でもそろそろ不動産バブルが弾けそうな数字ですね。早く崩壊してほしい。

https://www.aboluowang.com/2019/0402/1269606.html

4/3阿波羅新聞網<持中国护照女子闯川普海湖庄园 携带恶意软体 遭特勤逮捕=中国のパスポートを持っている女がトランプの別荘マルアラーゴに侵入 悪意のあるソフトウェアを持っていた シークレットサービスによって逮捕>トランプ大統領が先週フロリダのマルアラーゴの別荘で休暇中に、2つの中国のパスポートと1つのコンピュータマルウェアデバイスを保持している女性が侵入しようとし、その場でシークレットサービスによって逮捕された。 既に連邦検察官によって起訴されている。

メディアの報道を総合すると、「裁判所の文書によれば、3/30午後に、32歳の張玉静は2つの中国のパスポート、4つの携帯電話、1つのノートパソコン、1つの外付ハードディスク、そして1つのコンピュータマルウェアUSBを所持して、マルアラーゴに入ろうとした。そのセキュリテイチェックの所で、シークレットサービスに自称クラブメンバーで泳ぎに来たと言った。しかし、メンバー名簿に女の名はなく、クラブマネージャーが「メンバーの娘」か尋ねた。マネージャーとシークレットサービスは、女には言葉の壁があると考え、入ることを許可した。

クラブに入った後、張は「自分はクラブ内での国連中国系アメリカ人協会の活動に参加するよう招待された」と受付係に言った。しかし受付係は「そのような活動はない」とシークレットサービスに引き渡した。

張は、シークレットサービスから質問を受けたとき、英語がとても上手であった。「WeChatで知り合った男性、”Charles”を通じてこのイベントに出席するよう招待された」と言った。 シークレットサービスは、張が虚偽の発言をし、違法に管理区域に立ち入った罪で告発、張は現在拘束されており、来週4月8日の審理前聴聞を待っている。

USBドライブは、標的のコンピュータに接続されるとマルウェアが自動的に起動され、検出されないことが多いため、長い間ハッカーにとって一般的なツールと見なされてきた。

USBドライブは、特にネットワークに繋がっていないコンピュータで、問題のある国の攻撃に使用されてきた。 メディアが広く報じたのは、米国が主導して、Stuxnetコンピュータワームによるイランの核遠心分離機への攻撃はUSBフラッシュドライブに依存していたとのこと。

間抜けなスパイと言うか、シークレットサービスももっとキチンと調べなければ。でも中共はダメモトでスパイを送った可能性があります。どの程度警備が厳しいのかを探るため。拘留されても民主主義国家であれば刑期も長くはないと踏んでいる筈。女は刑期を終えて放免されれば英雄として中国大陸に帰れると思っているのでしょう。

https://www.aboluowang.com/2019/0403/1269797.html

赤石氏の記事では、反日に勤しんでいるのは従北の一部と捉えているようですが、これは日本人をミスリードする論法では。では反日教育を韓国がずっとしてきているのは何故?保守派だって反文在寅の声は上げるけど反・反日の声は上げないでいるではないですか。李明博や朴槿恵の時も反日に勤しんだのでは。世論に逆らえないというのであれば、世論と言うのは国民の声なので、韓国人は全体が反日と捉えるべきでしょう。何でも問題があれば、事大・他責にする民族です。日本が大人ぶって助けたり、放置して来たのが所謂慰安婦や所謂徴用工に繋がってきている訳です。子々孫々に不名誉を引き継がないよう、国際社会に反撃して行きませんと。韓国には『非韓三原則』から一歩進んで経済制裁すべきです。

真壁氏の論考は、学者の限界を感じさせるものです。相手が嫌がらせしてきているのに慎重な対応をと言うのであれば、日本が何もしないよう圧力をかけているのと同じでは。また国際社会に訴えるというのであれば、先ず自分が率先してやってみたら。韓国では民間が主導して嫌がらせしているのだから、日本の反撃も政府でなく民間の学者がやっても良いのでは。自分の身を安全地帯に置いて何もしない学者は“曲学阿世”と言うのでしょう。

日本政府の迅速なる韓国への制裁が望まれます。

赤石記事

3・1独立運動記念日に反文在寅のデモも行われていた(筆者撮影)

(赤石晋一郎:ジャーナリスト)

韓国の3・1独立運動記念日から約1カ月、相変わらず日韓関係の緊張が続いている。本稿ではこれまでマスコミで報じられなかった、3・1独立運動記念日の裏側ついてレポートをしたい。

3月1日、記念式典に登壇した文大統領の顔色は冴えなかった。イベント会場で登壇し、長々と演説を続けたものの、声に力がなかったのだ。

「文大統領は演説では日韓の協力を呼びかけるなど、日韓の融和を滲ませる言葉が目立ちました。当初、確実視されていた元徴用工裁判の話や慰安婦問題などの懸案事項については言及しなかったのは意外でした」(ソウル特派員)

文在寅の頭の中の8割は北朝鮮!?

「3・1独立運動」とは日本植民地支配時代に起きた運動のことである。いわゆる、現在語られる「反日」活動の原点ともいえる運動であり、100年を記念した今回の式典では、文大統領がより過激な日本批判を口にするのではないかと、日本政府側からは警戒されていた。

タレントが総動員されたような華やかなステージからは、国家的な記念日であることを強く認識させられる。しかし肝心のメインゲストである文大統領は、ウダウダと演説を続けるだけで言葉が冴えず、唯一、言及したのが、植民地時代に日本が韓国人独立運動家を鎮圧した際に多数の死傷者が出たことを、「蛮行」や「虐殺」といった言葉で紹介したときだった。そして「親日残滓(ざんし)の清算はあまりに長く先送りされた宿題だ」と語ったのだ。

私はイベントが行われていた光化門近くで現場の様子を取材していた。数万人の聴衆が集まっていたが、会場に流れる空気の冷ややかさはどうにも否定できなかった。大統領の歯切れ悪い演説が、現場の空気をしらけさせているようにも思えた。

それには理由がある、と語るのは韓国人ジャーナリストだ。

「大統領の言葉に勢いがなかったのは、前日まで行われていた米朝会談が物別れに終わったことが大きかった。韓国政府は米朝会談が成功し、南北統一の機運が高まると期待していただけに、文大統領としては期待外れの結果に終わった。大統領の顔色が冴えなかったのもそのせいだ、という論調は韓国内でも多く見られました」

文大統領が大々的に反日宣言をしたかったであろうことは、容易に予想できた。イベントの列席者のうち、メインゲストとなる大統領夫妻のすぐ横に席を用意されていたのが元慰安婦・イ・ヨンス氏だったからだ。

「おそらく米朝会談が成功裏に終わっていれば、元慰安婦イ・ヨンス氏による反日的な演説が行われ、大統領も慰安婦問題に言及するはずだったであろうことはゲストの席順からも明らかでした。しかし、結果、目立った発言はなかった。それだけ米朝会談のショックが大きかったのだと思います」(前出・ソウル特派員)

朝鮮戦争の終戦宣言も、との観測もあった米朝交渉の「決裂」は、想像以上に文大統領の大きなダメージを与えていたのだ。ブルームバーグが文大統領を「金正恩の報道官」と評して韓国内で大騒動になったことは記憶に新しいが、実は韓国内でも、文在寅は「頭の中の8割が北朝鮮で占められている」(韓国紙記者)と評されるほど、親北朝鮮であることがよく知られている。

「文在寅大統領の周りは、『チュサパ(主思派)』で固められています。チュサパは北朝鮮よりも強い主体思想(金日成が提唱した独自の社会主義理念)を持つ人達のことで、文大統領が、北朝鮮が核放棄する前から38度線の武装解除を始めたのはその思想に基づいてのこと。さらに、文政権が反日姿勢を強めているのも主思派の影響と見られています。つまり『親北』=『反日』であり、北朝鮮と近づけば近づくほどに文政権は反日姿勢を強めていくはずです」(前出・韓国人ジャーナリスト)

そのような状況下にある韓国で、3・1独立運動記念日のさなか、同国の知られざる一面を、私は現地で見ることになる。つまり韓国国内はいま分裂の危機にあるのではないか――という光景だ。

露わになった民族の分断

「Moon Jaein OUT!」

3月1日、ソウル市内では大々的なデモ行進が行われていた。大音量で音楽を響かせ、参加者は熱いシュプレヒコールをあげる。「反日デモ」ではなく「反文在寅デモ」だ。

3・1独立運動記念日に「文在寅 アウト!」のプラカードを掲げてデモする人々(筆者撮影)

軍服に身を包んだ参加者はこう胸を張った。
「この集会には30万人の韓国人が集まっている(*現地報道では数万人)。われわれはアカの政権を打倒する!」

「太極旗部隊」と名乗るデモの行列がソウル市内を埋め尽くしていた様子は確かに壮観だった。人々を観察していると韓国軍OBや、中高年の男性や地方出身者が多い。いわゆる保守層、右派によるデモが太極旗部隊であるようだ。

〈ムンジェインは北朝鮮のスポークスマンだ!〉というプラカードを掲げた中年男性もいた。デモの所々で韓国国旗である太極旗と、米国国旗である星条旗がはためいていた。彼らを勢いづかせたのが、前日の米朝会談の決裂であることは明らかだった。

3月1日、ソウルで目立ったのは「反日デモ」ではなく「反文在寅デモ」だった(筆者撮影)

いま韓国で、右派と左派による分断が深く進行していることをうかがわせる光景だった。左派政権である文政権が反日姿勢を見せる背景には、北朝鮮の姿が色濃くあるのは先に述べた。

その様子は左派陣営でも確認できた。

3月1日の在韓日本大使館前。こちらで見られたのは、もちろん左派のデモ隊の姿だ。しかし、その数は50名ほどと、かなり少ない。参加者の多くが若者で、うち半数ほどは動員された学生のようだ。

リーダーの運動家は、マイクでこうシュプレヒコールを上げる。
「日本は謝罪しろ!」

聴衆も拳を振り上げてはいるが、その様子はシュプレヒコールに合わせたコンサート的なノリに見える。「怒りで拳を突き上げる」といった風情ではない。

3・1独立運動記念日の日本大使館前の様子。反文在寅デモに比べ明らかに人が少ない。(筆者撮影)

そしてリーダーはこう演説を始めた。
「アメリカのトランプ大統領は北朝鮮の金正恩を友達だという。それならなぜ、制裁をするのか! 制裁をやめるべきだ!」

いまも確実にある北朝鮮の核保有問題の存在を無視しためちゃくちゃな暴論なのだが、リーダーは大真面目にそう主張しているのだ。理屈もなにもあったものではないが、韓国左派がいかに親北であるかということだけは、この演説によく表れている。

そして、左派デモの人数の少なさが示唆するものは、韓国内における反日派は実は少数であるという事実だ。

過去に植民地支配された歴史があるので韓国内には公に「親日だ」とは言いづらい雰囲気があるが、熱く拳を振り上げているのは一部の左派政治家と市民運動家だけでしかない。

「親北朝鮮政権を倒すためクーデターを起こすべき」との声

問題は文政権がそうした国内情勢を知ってか知らずか、反日姿勢を維持するために強権的になっていることにある。

2月15日、文在寅は大統領府本館中武室で行われた「国家情報院・検察・警察改革戦略会議」に出席した。そこで次のような「宣言」を行った。

「今年は特別な年です。100年前、独立運動によって正義に満ちた大韓民国が建設された。日帝強占期(植民地支配時代)、警察と検察は独立運動家を弾圧する植民地支配を補完する機関だった。いまも残る暗い影を改革し、完全に脱ぎ捨てなげればならない。そのために大統領、青瓦台は常に監視、牽制する」

つまり政権は権力機関の掌握に力を注ごうというのだ。こうした姿勢に右派は反発を強めているという。

「いま『親北朝鮮、アカの政権を倒すためにクーデターを起こすべきだ』という意見までが右派や韓国軍関係者の中で囁かれるようになっているのです。韓国軍や国家情報院はこれまで北朝鮮を『敵国』とみなし、演習・情報収集をしてきたわけです。それだけに、無条件に北朝鮮に歩み寄る文政権を危険視しているのです」(韓国メディア記者)

文在寅大統領の任期はあと3年以上ある。このまま親北路線を突き進むのならば、深刻な左右激突は避けられないのかも知れない――。

真壁記事

Photo:YONHAP NEWS/AFLO

元徴用工問題で日本企業の資産差し押さえが始まった

韓国大法院(最高裁)の元挺身隊員と元徴用工への賠償命令を受けて、韓国の裁判所は日本企業の資産を差し押さえ始めた。新日鉄住金と工作機械メーカーの不二越では合弁会社の株式、三菱重工では商標権と特許権が差し押さえられた。

現在の韓国政府には、反日感情を強める世論を鎮静化し事態の収拾を図ることはできそうにない。今後も、韓国世論のわが国に対する感情剥き出しのスタンスは増幅することが予想される。

反日感情がこれほど高まる大きな要因の1つに、韓国国民の心理構造があると見られる。社会心理学的に見ると、韓国の人々の心の深い部分に“恨み”“怨念”などの感情があるように思えてならない。それは、これまでの大きな事件が発生した時に、被害者やその関係者が見せた行動を見ても分かるような気がする。

そしてもう一つ見逃せないのは、韓国の人々が自国社会に大きな不満を持っていることかもしれない。韓国経済は財閥中心に経済が回ってきた。そのため、財閥以外の分野に対する経済的な富の分配が必ずしも公平ではなかった。また、特に若年層の失業率が高く、学校を卒業しても思ったような職に就けないケースが多いようだ。

そうした不満のはけ口の1つが、対日批判として噴出している可能性がある。それだけ問題が根深いと、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が解決することは容易ではない。27日に文喜相(ムン・ヒサン)国会議長が再度、日本に謝罪を求めたことを見ても、政治家の世論配慮姿勢はより鮮明化している。日韓関係は一段と冷え込みそうだ。

日本は一貫して、韓国に1965年の日韓請求権協定を遵守した対応を求めてきた。わが国は、冷静にこの姿勢を貫けばよい。同時に、日本は冷静かつ明確に自国の主張の正当性に関する理解と支援を国際社会から得ることに努めるべきだ。それが、日本企業への実害が発生する展開を阻止するために必要な発想だ。国内で反韓感情が高まっているだけに、拙速な対応は避けなければならない。

文政権が国内の反日世論を抑えることは難しい

韓国世論が反日感情を強める中、日本の企業に実害が及ぶ恐れは高まっている。状況は深刻さを増している。

日本が対抗措置を準備し始めたことを受けて、韓国の原告団は売却命令の申請を先送りした。同時に原告側は、日本政府の対応を国連などに問題提起するとまで主張し始めた。文政権は、この状況を静観している。わが国は文政権に日韓請求権協定に基づく対応を求めているが、韓国側からは何の返答もない状況が続いている。

見方を変えれば、文政権は反日感情を高める世論をどうすることもできないほど行き詰まっている。さらに、世論に迎合すること以外、文大統領が政治家としての命脈を保つ手段も見当たらない。

文政権の政策の目玉は、国内の格差解消と、北朝鮮との融和だった。

文政権は、最低賃金の引き上げ目標を定めた。韓国の政治や企業経営に強い影響力を持つ労働組合はこの政策を歓迎した。一方、企業は政府主導で賃金を引き上げることに反発した。最終的に文政権は経済界に配慮して最低賃金の引き上げを断念せざるを得なくなった。文氏の判断は労組や若年層からの批判を買った。

それに加えて、目玉政策の一つである北朝鮮との融和策も行き詰まっている。北朝鮮は中国との関係を修復できた。その上、北朝鮮はロシアとの関係強化にも動き始めている。金正恩委員長は中ロとの関係を両立しつつ、米国に制裁を解除させたい。その議論の枠組みに韓国が割って入る余地はない。

目玉政策が失敗した文大統領にとって、残された支持率回復の手段は世論にこれまで以上に配慮することだ。

経済運営に関して文氏は、海外経済が好転し、韓国経済が持ち直すのを待つしかない。韓国経済が減速する中で日本が対抗措置を発動すれば、経済にはかなりの衝撃が走るだろう。文政権はそれを避けるために、日本に一応の配慮を示し始めた。

ただ、文政権は、反日感情を高める世論に何かができる状況ではない。支持の確保を考えると、文氏はわが国への配慮よりも、世論を優先せざるを得ないはずだ。

機会に恵まれる日本vs機会が限られる韓国

韓国世論は政権への不満を相当に強めている。その背景には、韓国では就業など経済的な機会が限られていることが強く影響していると見られる。

韓国からの留学生と話をしていると、それがよくわかる。大学を卒業しても、日本に残って就職する韓国人留学生は多い。理由を聞くと、「韓国よりもチャンスが多い」、「日本で仕事をしたほうが、韓国より待遇が良い」という答えが多い。

これは、韓国経済の根本的な問題の1つを端的に示している。

財閥に経済を牛耳られてきた韓国では、経済的な富を公平に分配するメカニズムが十分に整備されていない。韓国の受験戦争は、非常に熾烈だ。その背景には、サムスンをはじめとする財閥企業に入らなければ、高い所得を得ることができない事情があるという。韓国の友人に聞くと、一握りの財閥企業に就職できない場合、ゆとりある人生を送ることは難しいようだ。それほど、韓国では経済的な資源や富が、一握りの財閥企業(既得権益層)に集中してしまっている。

また、韓国では労働組合の力が強い。労組は既存就業者の経済的利害を重視する。その結果、若年層の就業機会が制限されてしまった。文政権下、政府が最低賃金の引き上げを強硬に進めたため、若年層の就業機会は一段と制限されている。

韓国人留学生の証言を踏まえると、韓国に比べ、日本では就業などの機会が恵まれているといえる。日本には富を公平に分配し、就業機会を創出する相応のメカニズムがあるということだろう。

これは、文政権にとって重大な示唆だ。選挙戦の中、文氏は公平に所得を分配し、労働市場の改革などが重要と主張した。その本心は、大衆に迎合し、不満を取り込むためだった。文氏は、世論に耳当たりの良い主張を展開し、一時の高支持率を獲得することはできた。

しかし、メッキがはがれるようにして、政策運営力の低さが露呈している。過去の政権同様、文氏は経済的な機会が限られている問題を解消できないだろう。韓国の政府は、世論の不満が海外に向かう状況に何も言わず、黙って見ているしかない。

日本は韓国に対して“大人の対応”をとればよい

今後、韓国経済は一段と厳しい状況を迎える可能性が高い。近年の韓国経済を支えてきたサムスン電子では、第1四半期決算が市場予想を下回る模様だ。中国は半導体の内製化を進めている。韓国経済の停滞リスクは高まっている。人々の不満も一段と強まるかもしれない。文政権は世論に配慮せざるを得ない。韓国の対日批判は激化する恐れがある。

日本は韓国に対して、過去の政府間の合意に基づいた対応のみを求めればよい。感情論を排し、国家間の協定を尊重する“大人の対応”が重要だ。同時に政府は、可及的速やかに国際世論からわが国の対応が正当であることへの理解と支持を獲得しなければならない。

日本が第三国を交えた紛争解決や、韓国への対抗措置の発動を目指すためには、国際世論からの支持や賛同を取り付けることが欠かせない。すでに韓国の原告団は国際世論への訴えを重視している。日本は、客観、冷静、かつ明確に、自国の行動が正当であるだけでなく、やむを得ないものであることを国際社会に伝え、納得を得なければならない。

わが国は、韓国の対応に対して毅然としたスタンスで臨まなければならない。特に、それなりの制裁措置が必要になることはあるかもしれないが、“韓国憎し”の心情におされ安易な制裁発動で国際社会の信認を失うようなことは避けなければならない。

政府には、世界経済のダイナミズムとして期待を集めるアジア新興国との関係強化を期待したい。政府はアジア各国に、極東情勢の安定のために日韓関係の正常化が必要であること、日韓両国によって元徴用工などに関する問題が“最終的かつ不可逆的”に解決済みであることを伝え、わが国への支持を獲得すればよい。

中国も日本との関係強化を重視している。米中の通商交渉の不透明感が増す状況を、わが国はチャンスととらえるべきだ。その状況を生かして、日本を中心とする多国間の経済連携を進めるべきだ。

長い目で考えると、そうした取り組みが自力で国力を引き上げることにつながる。わが国は冷静に、韓国が日本との関係強化を目指さざるを得ない状況の実現に注力する必要がある。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『第三回米朝首脳会談に向けた準備は始まっている?』(4/1日経ビジネスオンライン 酒井吉廣)について

4/1阿波羅新聞網<中共草木皆兵 紧急令高校生登记各社媒账户=中共は草木悉皆兵とする大学生のSNSアカウントを登録させる緊急令を発布>最近、中共当局は言論の自由を主張する中国人教師や外国人教師を処罰・追放するだけでなく、学生に自分のWeiboアカウントやさまざまなSNSの WeChat、QQ等のアカウントを登録させようとしている。ある分析は、「6月4日の天安門30周年記念のときに、中共当局が民主化を求めたカラード革命を厳重に防ごうとしている」と見ている。

清華大学の有名な法律家兼教授である許章潤は先日停職となり、調査されて注目を集めた。中国のオンライン教育会社VIPKidの2人の外国人教師は台湾と天安門事件について学生と話し合ったため解雇されたと米国メデイアが 明らかにした。

https://www.aboluowang.com/2019/0401/1268778.html

3/31阿波羅新聞網<习近平李克强唱“红白脸”?中文世界几乎没报道:中资捐款布什总统弟弟引哗然=習近平と李克強は立場を使い分ける? 中国語メデイアがほとんど報道していないのは、ブッシュ大統領の弟への中国の寄付で騒然>米中両国の公式データによると、「2018年の中国人留学生の内36万人が米国にいる。中共の高官も逃亡先に米国を選ぶ」。米国の国家安全保障に対する中共の対外拡張の脅威は、米国をますます警戒させている。最近明らかになったブッシュ大統領の弟への中国人による政治献金は大きな注目を集めた。 評論家の横河は、「民主的選挙こそが米国の国体の中で最も重要な部分であり、外国資本が米国の主権と社会制度の基盤に抵触するのは米国のボトムラインを侵すもの」と分析。米中の8回目の貿易交渉の結果について、多くの評論家は「中共は常に両手を使ったやり方をしている。権力から遠ざけられた李克強は“白顔(京劇)”として善玉を演じ、国際社会を宥め、もう一つの手で実権を握っている習近平が“紅顔(京劇)”として悪役を演じる。

先般亡くなったブッシュ父はCIA長官をやり、米中連絡事務所所長も務めたことから中国贔屓だったでしょう。それでブッシュの弟が中国人から金を受け取ったと思われます。民主党も共和党も既存のエスタブリッメントに繋がる連中は皆中国の金に汚染されていると見た方が良い。道徳心の無い民族を豊かにすればこうなることは見えていたでしょうに。

https://www.aboluowang.com/2019/0331/1268741.html

4/1阿波羅新聞網<贸易磋商细节曝光 中方红笔删改美方提议=貿易協議の詳細が明らかに 中国側は米国の提案に赤字で筆を入れた>第8回米中大臣クラス貿易協議は3/29(金)に北京で終了したが、どちらも詳細を明らかにしなかった。英国メデイアは、両当事者間の協議プロセスの詳細を報道、「米国の草案の一部が中国側によって削除され、米国商品の購入増や外国人投資家の参入条件の緩和等、議論の余地の少ない部分でも歩み寄るのは困難である」と。 トランプは、「良い協議にだけ署名する」と強調した。

FTは事情通の言葉を引いて「米国が中国を世界貿易機関(WTO)に加盟させて18年経つが、米国はWTOの歴史上、最も重要な貿易協定草案を提出するかもしれない」と報道した。 両国は最近の協議で新しい交渉のやり方を採った。米国側が最初に貿易協定案を提出し、中国側は赤字で修正を施し、米国が1月かけて詰めて来た知財保護を含む内容の一部を取り消し、代わりに自分達で草案を書き直し、草案を返すつもりである。

まあ、下手に妥結するより、このまま膠着状態が続き、関税賦課のままで、中国経済がおかしくなるのが理想です。軍拡や治安維持に膨大な予算を組んでいますので、それを止めさせるためにも、中国に制裁賦課は有効な手立てです。不動産バブル崩壊→金融のシステミックリスク(取付騒ぎ)が起きるのでは。

https://www.aboluowang.com/2019/0401/1268799.html

4/1阿波羅新聞網<新西兰总理访京 压缩计划突变“一日游” 不带商务代表团=ニュージーランド首相の北京訪問は“1日ツアー”に短縮変更された ビジネス界の帯同はなし>ニュージーランドのアーダーン首相は先日北京を訪問した。 当初予定されていた6〜7日間の訪問は彼女によって1日に短縮されたことは注目に値する。 外部から見ると、「両国間の冷たい関係を考えれば、アーダーン首相の初めての北京訪問は多くの分野で課題に直面しているので、ビジネス代表団は連れていかず、行くなら自分達でとした」と。

安倍訪中とは趣が大分違います。彼は財界や大衆に阿りすぎです。まあ、メデイアに洗脳され続けている日本人の民度が低いとも言えますが。記事によるとニュージーランドの最大貿易国はオーストラリアを抜いて中国になったとのこと。それでも国家安全の立場から華為の使用はリスクが大きいと去年の11月に発表。今回の訪問で中国はこれに不満を述べたが、ニュージーランドは現在立場を明らかにしていない。本来去年訪中する予定を引き延ばした。

https://www.aboluowang.com/2019/0401/1269092.html

日経ビジネスオンラインの酒井氏の記事では、宮本悟氏の記事を受け、「金正恩が4月の最高人民会議で大統領に選出」、米国と非核化合意し、その後中国の軍門に下るストーリーのように見えます。先ず、①本当に大統領になるのか②米国と真剣に非核化合意できるのか③核なしで中国の世話になれるのかと言うのが小生の疑問点です。4月の最高人民会議でどうなるのかをウオッチしていきたいと思っています。

記事

(写真:ユニフォトプレス)

2月末のハノイ・サミットが決裂した後、北朝鮮の完全非核化や朝鮮戦争を終了させるための合意が容易ではないことを示すような情報が発信されている。

例えば、会談翌日の3月1日に北朝鮮の李外相と崔外務次官が今後の米朝関係につき楽観できない雰囲気になったことを述べたほか、同22日には韓国政府が昨年9月に南北共同で設置した連絡事務所からの撤収の通告を北朝鮮から受けたと発表した。同24日には中国の中共中央党校の張教授が、金委員長は米国が事前の認識と異なって未発表分を含めた全核施設のリストを提示し、その全ての破棄を迫ったことにショックを受けたと話した。張教授はまた、崔外務次官がサミット後の数週間を双方の意思を知るための試験期間だと考えているとともに、北朝鮮が米国の思い通りにはならないと話したことを明かした。一方、米国務省関係者は、米側は核に加えて化学兵器の廃棄も求めたと語った。

しかし、両首脳は基本的に沈黙を続けており、両国の関係が完全に悪化したことを示唆するような発表もまだ出てきていない。

米朝間で続けられてきた北朝鮮の核廃棄交渉とは?

現在の米国の外交戦略は基本的にゲーム理論を応用して作られると言われている。トランプ大統領が韓国大使への任用を検討したと伝えられるジョージタウン大学のチャー教授が、米誌に「北朝鮮は(核保有を武器に)昔と同じく米国にプレッシャーをかけるゲームを行っている」と語った背景にもこの発想がある。

一方、北朝鮮は、1960年代から現在まで核兵器とそれを運ぶミサイルの開発を続けてきたが、特にミサイル関連兵器は同国の重要な外貨獲得手段でもある。このため北朝鮮が完全非核化とミサイル施設や技術を廃棄するためには、自国の安全だけでなく経済支援が必要で(3月6日付の拙稿「『ラストワンマイル』で先送りに転じた米朝首脳会談」参照)、この二つは絶対に譲れない条件である。

米朝両国が長期にわたり行ってきた交渉は、米国にとっては、要求を完全非核化という一点に絞り、大統領の任期を無視すれば自分から攻撃せず半永久的に現状を続けるという持久戦が可能なものである。これに対し、北朝鮮の要求は、米国からできるだけ長く確実性の高い安全保障とできるだけ多い額の経済支援を引き出すという二つであり、どちらも金政権の生命線だ。ただし、35歳と若い金委員長には時間があるのも事実である。

ちなみに、金委員長は軍事・経済両面において米国が到底太刀打ちできる相手ではないと分かっている。このため北朝鮮の核保有の意味は、命中度に不確実性の残る大陸間弾道弾で乾坤一擲を賭した勝負を米国に仕掛ける可能性と、核兵器を日本や韓国など近隣の米国の同盟国国民の大量殺戮に使う可能性の二つである。しかし、現行の北朝鮮の技術を前提とすれば前者の可能性はほぼ皆無であるほか、後者についても万一先制攻撃を行った場合の反撃を考えれば選択肢とはなりえないため、実は抜かずの宝刀なのだ。

これが米朝間で行われてきた北朝鮮の核廃棄交渉(ゲーム)の大きな枠組みである。

リスクと隣り合わせの安定を変更したトランプ大統領のディール

北朝鮮の核開発は、金日成主席が期待した通り同国の守り神となり、米朝両国によるブラフの投げ合いや北朝鮮による非人道的な措置は続いたものの、北朝鮮からの戦争開始のリスクを常にはらみつつも、結果的には安定した半島情勢を醸し出したとの評価も可能である。

米朝は過去に一度、北朝鮮が核拡散防止条約に加盟してから十年後の1994年に平和への対話を開始したことがある。同年6月にカーター元大統領が金日成主席と平壌で会談した後、10月にクリントン政権が金正日政権と交わした合意だ。これは米国では条約でも法的拘束力を持つ協定でもなかったが、合意内容自体は、北朝鮮による寧辺の主要核施設閉鎖と他の二つの廃棄と引き換えに、核兵器生産への転用が難しい軽水炉の新設など基本的には双方の要求を含んでおり、今回のハノイ・サミットで準備されていた合意書の原型だとの指摘もある。

しかし、その際にはお互いの疑心暗鬼もあって双方とも行動が伴わず、またブッシュ政権発足直後に911テロが起こったこともあって、北朝鮮は悪の枢軸の一つとされ、成果を見ることはなかった。その後、2003年に北朝鮮は核拡散防止条約から脱退している。なお、その後も交渉が行われる中、朝鮮半島では特段の事件は起こっていない。

こうした状況下、トランプ大統領は2017年4月に二隻の空母打撃群を、11月には三隻の空母打撃群を日本海に展開させ、自衛隊や韓国軍との共同演習を行ったほか、戦略爆撃機の攻撃訓練も行うなど、いつでも北朝鮮を撃滅できるという事実を金正恩委員長に突きつけた。これまでの北朝鮮の核ミサイル攻撃を示唆したブラフを放置せず、いつでも真剣に行動する意思があることを見せることで、朝鮮半島における危険の上の安定状態を続けたゲームの内容を変更したのである。

これを受けて金正恩委員長が何を考えたかは不明だが、事実として2018年6月と今年2月に米朝首脳会談が行われた。

ハノイ後の両国の動向は第三回サミットへの準備?

北朝鮮専門家による米朝首脳会談に関連した分析は、ベールに包まれた北朝鮮も実はかなりの部分が日本人にも見えていることを示している。例えば、聖学院大学の宮本教授は3月10日に実施された第14回最高人民会議代議員選挙に金正恩委員長が立候補しなかった事実を基に、同委員長の大統領就任への可能性という優れた分析を行っている。

一方、米国は韓国との大軍事演習を行わない旨を発表しているほか、次回米朝会談への期待を発信し続けるトランプ大統領は、財務省が発表した中国企業二社の経済制裁リスト入りを取り消した。米国は相手の反応を静かに待つ戦術のように見えるが、これは、既述のようにゲームのルールを変更して双方がそれに応じて動いた以上、つまり、お互いにルビコン川を渡った以上、後戻りがないとの考え方に基づいていると思われる。スイスで教育を受けた金正恩委員長もこの理屈は理解しているはずだ。

ちなみに、外交戦略は、当事者とその関係者に対する分析に加えて、歴史からの教訓を参考に立てられるのが基本であり、ゲーム理論はそれらの情報を使ってどういうミスをしなければ、自分に有利な目的を達成できるかを考えるためのツールである。

若い金正恩委員長には、従来通りの長期戦という選択肢があった。カーター元大統領との面談直後に死去した金日成主席による米朝対話開始の判断はその逆だ。クリントン政権と金正日総書記の核廃棄合意では、米国自身の対応の遅れも発生して、約束を守らない金総書記に理由を与える結果となった。

また、米国の空母打撃群等を使った威嚇行動は、北朝鮮を中国との関係再構築に復帰させ、習近平国家主席による保護を確実にした金委員長の退路を断つことにもつながった。彼がシンガポールまで中国機を使い、ハノイまで中国経由の列車で行ったのも、中国のバックアップを示すためだと思われるが、それは米中が協力すれば北朝鮮の完全非核化が実現できることも包含している。朝鮮戦争時には敵国で、今では反米の旗頭でもある中国だが、ここでは世界平和という大義名分を米国と共有する協力者なのだ。

トランプ大統領は2020年の選挙のためにも、米朝会談を成功させたい。冒頭の会談後の情報を見ると、米国は自分たちの要求を明確に示したのであり、次はそれへの回答を待つのみである。そして、金正恩委員長にとって重要なことは、祖父と父が築いた守り神に代わって、米国が安全保障と経済の守り神として絶対に約束を守る合意をするように誘導することである。それは、この合意を条約とすることだ。

金委員長としては、国家元首になってトランプ大統領と米朝安全保障条約(仮名)に署名し、それを米議会が批准すれば金一族と北朝鮮の安全に対する米国の保証は不可逆的なものとなる。これは、日米安全保障条約や台湾に対する米国の台湾関係法と同じで米国に法的拘束力を持たせる役割を果たす。冒頭の北朝鮮勢の反応からすれば根回しに失敗したと考えられているであろう金英哲副委員長(現国家元首)は、一国に二人の国家元首は不要だとの理屈から退陣させられるのかもしれない。

米国が実行する合意内容への金委員長の備え

米国CIAによれば、2015年の北朝鮮のGDP(PPPベース)は、総額で400億ドルと韓国の4.5%、一人当たりでは1700ドルと韓国の2%で、どちらも非常に小さい。貿易相手国は輸出入ともに約九割が中国だ。より最新のデータは韓国政府や一部のエコノミストが2017年分まで発表しているが、極端な場合は前年比のプラスとマイナスがおのおので異なるなど、どれもあまり信用のおける数字ではない。なお、2016年からは経済制裁が強化されているほか、完全非核化の範囲を考えれば主要産業を複数失うことでもあり、既に北朝鮮の疲弊している経済状況は一段と悪化するはずだ。ちなみに、人口は2500万人で韓国の半分弱であり、国土も日本よりはるかに狭い。

この現実を熟知する金正恩委員長が考えておかなければならないことがもう一つある。北朝鮮が外国に開放された際、外からの刺激を受けて国民が反体制になっていくこと、そしてソ連崩壊後に経験した東欧諸国のような経済面でのスランプの回避だ。これについては、市場重視型の資本主義国である米国には救いの手を出すすべがない。東西ドイツ統一後には、西ドイツが世界第三位の経済力(当時)でカバーしたものの、それは国家を統一した西ドイツが政権維持をできたからで、北朝鮮にとってはモデルにならない。

結局、金政権は、完全非核化とともに朝鮮戦争の終結を実現した後を、シンガポール型の強いリーダーに管理された経済政策を志向し始めた中国からの支援を受ける必要がある。逆を言えば、これらの手はずが整うまで第三回首脳会談は行われない一方、もし行われるとすれば、その準備を金正恩委員長なりに達成したことと考えることが出来る。

4月に開催されるであろう一回目の最高人民会議は、彼にとっての最初のマイルストーンである。4月以降はこれまで以上に注目である。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『緊迫する南シナ海:中国の進出阻止に本気の米国 米軍、中東のテロ対策から対中戦略へ本格シフト』(3/29JBプレス 堀田佳男)について

3/31看中国<美挺台动作不断 学者:互信坚强前所未见(图)=米国は台湾支援の動きを活発化 学者:相互信頼は強く前例がないほど>米国は最近、台湾でかなり活発に活動しており、ポンペオ国務長官は、台湾旅行法(以下、台旅法)をさらに進めていくと発表した。学者は、「米国と台湾は現在緊密に連携しており、強力な相互信頼関係を保っていて、1979年以来“前例がない”。米国は台湾をインド・太平洋戦略の要と看做している」と。

CAN(中央通訊社)によると、「パラオ、マーシャル諸島等の友好国への最近の蔡総統の訪問時に米国大使が面会したことを含めて、米国と台湾の関係が深まった。ハワイで国境を越えるときには、ハワイ州兵司令兼民間防衛庁長官のアーサー・ローガン少将が、緊急事態管理センターを案内した。米国滞在中に米軍と会ったのは初めてであった」と報道。

これだけでなく、ポンペオ国務長官は、3/27下院聴聞会で、「台旅法は重要な法律であり、米国はこの法を執行するためより多くの措置をとる。台湾が他国と国交を維持するのを支援する方法として、米国はそれに全力を尽くした。経済的、外交的な政治的手段を含んで他の国が台湾と断交するのは良くないと説得した。また台湾の国家承認にも全力で取り組んだ」と答弁した。

先日、台湾の桃園市長の鄭文灿、基隆市長の林右昌、台北市長の柯文哲は相次いで訪米した。党派に関係なく、国務省はカウンターパートに当たる職員を派遣、同様の接遇をした。

今、米国は台湾を直接的にインド太平洋戦略のパートナーと見なし、かつパートナーとしてのやり方で、台湾との協力関係を作っており、今後米国は実質的に意味のある行動を採るだろう。

中国の台湾への圧力に対して、米国の台湾を守るとの決意は、台湾海峡問題に対する“戦略的曖昧さ”を過去のものとする象徴である。 今や米国は“戦略の明確化”に向かって走っており、「中国に明確に指摘して初めて、中国は米国のボトムラインがどこかを探り、台湾海峡でより不穏な行動を引き起こすことを止めるようになる」と考えている。

米国の態度変化の理由は、米国が米中関係の中で米台関係を考慮しなくなり、むしろ米中関係と米台関係を区別してみるようになったから。 米国は「米台関係の発展はそれぞれの論理があり、台湾が両岸関係に依存しなくて済み、かつ米国と共に動くことを奨励している」と考えている。

日米の支援がなければ、台湾は簡単にとられてしまうでしょう。習の任期制撤廃を長老が認めたのは、習が「任期中に必ず台湾を取る」と約束したからと言う話がありますので。台湾が取られたら日本の命脈は保てません。「関係ない」とほざいていると後で痛い目に遭いますよ。チベット、ウイグル、モンゴル同様の運命を辿ります。侵略国家・中共を打倒しなければ。

https://www.secretchina.com/news/gb/2019/03/31/889049.html

3/31希望之声<北约成员国已就5G网络安全标准达成一致=NATO加盟国は5Gネットワークの安全基準に合意>ポーランドが中共スパイを逮捕してから、ポーランドはNATOとEUに華為に対し共通の立場を取るよう求めた。 先日、NATO加盟国は5Gネットワーク安全基準について合意に達し、NATO事務局長のJens Stoltenbergはこれを確認した。

彼は「我々は紛うことなく、中国と付き合っていく。しかし、中国は成長している経済大国であり、一方軍事大国でもある。中国は世界に軍事力、新しい武器系統、新しいミサイルを広めている。 だがINF条約の適用は受けない」と述べた。

彼によると、「問題はNATOを南シナ海に展開するかどうかではなく、却って中国が益々我々に近づき地中海、バルト海、北極圏で軍事演習を行っている」ことだと。

NATOですから、英・伊も共同歩調を取るという事でしょう。悪の権化・中共を助けることはない。

https://www.soundofhope.org/gb/2019/03/31/n2770011.html

4/1阿波羅新聞網<俄爆发反中资示威有内因?川普会联俄抗共?白宫发警告=ロシアで中華資本反対デモは内部的な要因があるのか? トランプはロシアと手を組み中共に対抗するのだろうか? ホワイトハウスは警告を出す>ロシアでは最近50の都市でデモが起きており、バイカル湖のほとりに水詰ボトル工場を建設しようとしている中国資本に抗議するためで、ロシア共産党もそれに関与している。 27日、評論家の文昭はSNSで、「ロシア人が如何にバイカル湖事件を重視しているか、ロシア人が如何に中国人を嫌悪しているか」を分析した。北米 “世界日報”の副編集長である魏碧洲と政論作家の陳破空は、「中共モデルを世界に輸出したところ、役人が汚職まみれになり、大衆は塗炭の苦しみになった」と分析。 米国の謝田教授は「トランプがロシアと手を組みたいという希望は持っているが、ロシアと一緒に中共に対抗するのは容易ではない」と分析した。 数日前、ロシアはベネズエラに軍隊を送り、WHは「ロシアに対する更なる制裁は除外されない」と警告した。

現地に投資している中国企業は環境保護問題を抱えている:多くの中国人が現地の観光に行くが、観光業も中国人自身によって運営されている。ホテルは中国人によって建てられ、レストランは中国人によって開かれ、旅行代理店も中国人自身によって運営され、そして雇用された従業員はすべて中国人である。

日本に来る中国人観光客も同じでしょう。在日中国人を富ますだけです。中国人運転の白タク、ガイド資格のないガイド、食事は中国人経営の中華、お土産購入はラオックスでは。国防動員法がある限り、戦時になったら、彼らは敵に豹変するという事を日本人はもっと真剣に考えませんと。

https://www.aboluowang.com/2019/0401/1269060.html

4/1日経<中国の不良債権に外資が食指 政府主導に限界

【上海=張勇祥】中国で外資系ファンドが不良債権の購入を拡大している。中国の銀行が抱える不良債権額は膨らみ続け、広義の市場規模は150兆円に上る。景気減速で新たな不良債権が一段と増え、政府主導の国内勢に頼った処理スキームに限界も見え隠れする。商機とみる外資の積極姿勢は中国債務問題の深まりを映している。

上海から西へ車で2時間。江蘇省蘇州市の紡織工場は2017年に経営破綻した。10万平方メートルを超す敷地は放置され建屋内に資材が散乱する。

国有大手銀の一角、中国農業銀行系の不良債権処理会社が3月上旬に売りに出した案件の一つだ。同社は200件余りの貸出債権を一括して売却する「バルクセール」方式で買い手を募った。簿価59億元(約970億円)に対し、売却額は「簿価の2~3割が目安」(不良債権取引の仲介会社)という。

中国銀行保険監督管理委員会によると、中国の商業銀行が抱える不良債権は18年末に2兆元(約33兆円)。最近は年1兆元ペースで処理を進めているものの新規発生が上回り、残高は1年で3千億元も増えた。

このほかに日本の債権区分で「要注意先」に当たる「関注類」債権が3兆4千億元ある。劣化している案件も多いとされ、関注類を加えた額は18年末で5兆4千億元に達する。14年に比べ1.8倍に膨らんだ。

不良債権市場はこれだけではない。中国は1990年代後半、四大国有商銀が持つ不良債権を処理する受け皿として資産管理会社「AMC」を設立した。プライスウォーターハウスクーパース(PwC)の推計ではAMCの保有分は4兆3千億元。関注類などにこれを加えたのが最終的に外部売却などの必要な「広義の不良債権」だ。市場は「1兆4千億ドル(約154兆円)と世界最大」(PwC中国法人の郭庭廷パートナー)という。

「154兆円市場」を巡り、活発になっているのが欧米ファンドの動きだ。米オークツリー・キャピタルのジェイ・ウィントロブ最高経営責任者(CEO)は「18年10~12月期に中国の不良債権に投資した」と言明。ローンスター・ファンズやベインキャピタル、ゴールドマン・サックスなどもそれぞれ不良債権を複数購入、外資が買い手のバルクセールは18年に10件超に上ったようだ。

不良債権仲介の深圳前海金融資産交易所によると「中国全体で18年の外資の不良債権購入額は簿価で220億元」(李嘉琦・高級総監)という。17年から倍増し、19年も増加が見込まれる。

外資ファンドでは2000年代初め、ゴールドマンを中心にまとまった額の不良債権を買った例がある。その後の外資の購入額は16~17年ごろまで限定的だった。中国内のリスクマネーがAMCを中心に潤沢で競合が激しく、価格が高止まりしていた影響が大きい。

その環境が変わりつつある。18年の国内総生産(GDP)の実質伸び率は6.6%と28年ぶりの低水準だった。19年1~3月に6.2%まで下がるとの見方もある。景気減速でAMCの処理能力も低下しており、AMCの一つの中国華融資産管理の18年12月期は9割の最終減益になった。

表面上、銀行の財務は健全だ。大手行の自己資本比率は10%を大きく上回る。ただ地銀に当たる中小銀行では不良債権比率が10~20%に達する例がある。金融システムに綻びが生じる可能性も排除できない。>(以上)

4/1宮崎正弘氏メルマガ<世界のGDPの320%が負債。大暴落の引き金はどうみても中国 世界金融恐慌に備えは出来ていますか?>

http://melma.com/backnumber_45206_6803933/

4/1日経ビジネスオンライン 飯山辰之介バンコク支局長<アジアの動揺誘う、中国「一帯一路」の欧州攻勢>

https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00019/032800036/?n_cid=nbpnb_mled_mre

日経の張氏の記事と宮崎氏のメルマガの記事を読み合わせると、やはり中国発の金融危機が訪れるのではという気がしますが、何故米国の外資ファンドがハゲタカのように安く買い叩いて不良債権を購入しようとしているのか分かりません。中共相手に儲かるのでしょうか?不動産の所有権はなく使用権だけなのに。安く買い叩いても債権回収できるかどうか?

飯山氏の記事では、中国の毒牙に噛まれた国は悲惨な運命を辿るという事です。個人でもうまい投資話を持ち掛けられて身ぐるみ剥がれるパターンと同じです。この世の中にうまい話が転がっている筈がありません。騙される方が悪い。しかも相手は悪巧みの得意な中国人ですよ。相手を選ぶべき。日本はASEANがもっと一体化するよう動かないと。日米共同でASEANの中国切り離し作戦を展開しないとしてやられる国が増えるのでは。

堀田氏の記事と上述の台湾の記事でやっと米国も中共打倒に本腰を入れ始めたかと感じます。直接対決はまだ先でしょうけど。自由主義VS共産主義の理念上の違いがある限り、戦いは続きます。悪の共産主義が勝利しないようにしませんと。米国が民主党大統領でなくて良かったと思っています。

記事

米空軍のB52戦略爆撃機(1997年9月1日撮影)。(c)AFP PHOTO / US AIR FORCE〔AFPBB News

南シナ海で軍事拠点化を進める中国に対し、米軍が対中政策により力を入れ始めている。

3月19日、ハワイのフォート・シャフター陸軍基地で開かれた会議で、米太平洋軍司令官のロバート・ブラウン陸軍大将が中国に対抗するため、本土から数千から万単位の兵士をアジアに配備する用意があると述べたのだ。

「南シナ海で問題(有事)が起きた時には陸海空および海兵隊の兵力が協力し合って対処していくことになります」

この発言が海軍大将ではなく陸軍大将から出たところに注目したい。

中国が南シナ海で人工島を造成し、軍事基地化を進めている中で、ブラウン大将は陸軍の出動も念頭に入れているということだ。

米軍準機関紙『星条旗新聞』によると、実際の有事になった時にはハワイ州、ワシントン州、アラスカ州などから陸軍兵士を短期間、アジアに配備することになるという。

同大将は具体的な兵数を口にしていないが、準備を整えている。

「誰も紛争を望んでいません。我々も望みませんが、有事の際にはどんなシナリオにも対応できる体制を整える必要があります」

海洋でも最終的には陸軍の出動が必要になるとの見方だ。さらにブラウン大将は同会議で「最優先は中国です」と明言した。

これは過去20年ほど、米軍が第一義として精力を注いできた中東でのテロリズムとの戦いから、対中政策へと戦略がシフトしてきたということでもある。

特にイラクとアフガニスタンに派遣していた兵力を世界の別地域に向かわせる中で、中国がプライオリティーになったのだ。

今月に入ってから、米軍は南シナ海上空に「B52」戦略爆撃機を3回も飛行させている。

「定例訓練」であるが、米軍はわざわざ公表する義務がない。しかし3回とも公式発表している。

最初は3月4日で、2機が米領グアムのアンダーセン空軍基地を飛び立ち、1機は南シナ海上空を「定例訓練」し、もう1機は航空自衛隊と共同訓練をして帰還した。

14日にも2機のB52戦略爆撃機が、さらに19日にも同様に2機を飛ばしている。

米太平洋軍報道官は「米航空機は同盟国や友好国、さらに自由で開かれたインド・太平洋地域を守るために恒常的に同地域で作戦行動を行う」と述べて、南シナ海での中国の行動をけん制した。

さらに米第7艦隊は11日、イージス駆逐艦「スプルーアンス」と「プレブル」を南シナ海に派遣。これは「航行の自由」作戦の一環で、今後も定期的に行っていく予定である。

作戦の目的は中国が南沙(スプラトリー)諸島で過度な海洋進出をしていることへの「異議申し立てと国際法に準拠した航路を維持するため」だ。

今月の米軍によるこうした動きを見ると、前述したブラウン大将の「陸海空および海兵隊の兵力が協力し合って対処する」プランは着実に前に進んでいるかにみえる。

米軍のこうした行動に中国はすぐに反発。

外務省報道官は米イージス駆逐艦の派遣直後、「米軍艦が中国の許可なく海域に進入したことは中国の主権を侵す行為」と嫌悪感を露わにした。

さらに「米国は南シナ海で挑発し、緊張を生み出し、平和と安定を脅かしている」と挑発した。

しかし中国こそが挑発を繰り返す平和と安定の破壊者であるとの見方は、米国では広く支持されている。

首都ワシントンにある新アメリカ安全保障センターのイーリー・ラトナー副所長は、米国が南シナ海を含めたインド太平洋地域で効果的な防衛体制を維持することは中国の拡張をけん制する意味で重要であると説く。

「米国の抑止力が同地域でなくなったら、台湾をはじめとする所地域に政治的不安定がもたらされることになる」

いますぐに南シナ海で有事が勃発する可能性は低いが、文字どおり万難を排して準備しておく必要性は高い。

ただやっかいなことは、中国は南沙諸島の人工島を軍事基地だけでなく非軍事基地としても使用する意図がある点だ。

民生基地としての併用であれば、米軍は民間人をむやみに殺傷できないとの思惑がある。

南シナ海は地政学的に重要な場所であると同時に、海洋資源の宝庫であることは広く知られている。

中国の貿易額の64%の貨物は南シナ海を通過しているし、南シナ海経由の原油のうち23%は日本にも来ている。

海洋資源という点に目を向けると、原油と天然ガスの埋蔵量が豊富である。

米エネルギー情報局(EIA)の調査によると、原油の未発見埋蔵量は112億バレル。ところが中国政府が見積もる埋蔵量はさらに多い。

中国海洋石油総公司が算出した埋蔵量は、EIAの10倍以上にあたる1250億バレルに達する。

また天然ガスの埋蔵量はEIAの調査では190兆立方フィート。一方の中国海洋石油総公司の見積もりは500兆立方フィートで、やはり中国の方が2倍以上も多い。

埋蔵量を正確に算出することは難しいが、大量の天然資源が埋もれているとことは間違いない。

世界の他地域と比較しても、原油と天然ガスは中東、ロシアの埋蔵量にはかなわないが、天然資源の宝庫と呼んで差し支えない。

中国政府がそれを狙わないわけがない。地政学的、資源的、軍事的に南シナ海を内海したいとの野心は強まる一方なのだ。

米専門家からは、南シナ海が「中国のクリミア半島」になりつつあると危惧が聞こえてくる。

ロシアが2014年、力ずくでクリミア半島を併合した手法を中国は手本にしているとの見方だ。

中国による明らかな国際法違反を、米国だけでなく関係国がともに異議として唱えると同時に、圧力を加えていく必要がある。

前出のブラウン陸軍大将は「すべての領域でいいポジショニングを得るために、陸軍が果たす役割もある」と、米軍はすでに普段から南シナ海を眺め、陸海空および海兵隊が総合的に対中国戦略を練っていることを示唆した。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『中国の工場が爆発事故を繰り返す根深い理由 政治体制と社会の価値観が変わらなければまた起きる』(3/28JBプレス 福島香織)について

3/30希望之声<中共党媒被曝花重金购法媒版面 伪造法国前总理专访=中共の党メディアは、仏メディアの広告を買い切ったのを暴露される 仏元総理(ジャン=ピエール・ラファラン)のインタビューもデッチ上げ>習近平の訪仏に当たって、仏メデイアは、「中共の党メディアは少なくとも百万強のユーロを払い、仏のいくつかのメディアで広告を掲載、そして仏元首相のインタビューをデッチ上げた記事も含んで、中共と中仏関係の美化に関する記事を集中的に発表した。

共産主義者はメデイアを私物化します。映像の中で人物のトリミングや埋め込みは当り前です。事実より権力者の都合優先です。ソ連時代だったらいざ知らず、今時中共のやっていることは裏を簡単にとられてすぐばれるというのに気が付かないのでしょう。まあ、「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」と言う民族ですからダメモトでやっている可能性はありますが。大衆は愚かだから簡単に騙されると思っているのでしょうけど、誤りの報道がなされれば中共への信頼は失われます。マクロンが「欧州がナイーブな時代は終わった」と言ったのもその流れでしょう。

https://www.soundofhope.org/gb/2019/03/30/n2767870.html

3/31阿波羅新聞網<内斗激烈?习近平“隐私”被曝光?网友:「有人脑袋要掉了」=内部闘争は激烈?習近平のプライバシーが暴露される? ネチズン:脳みそがないのでは>習近平は、今月26日、パリで開催された「多国間主義の課題に関するハイレベル会合“high-level meeting on the challenges of multilateralism”」に独・仏・EUトップと共に出席した。 習の演説原稿はネットで広く伝えられたが、ピンイン(漢字の読み方)が注記されており、ネチズンたちはそれを見て、「脳みそがないのでは」と。

やはり習の清華大学卒業と言うのは裏口入学だったことを証明する知的レベルだという事です。何でも偽物が罷り通り、デジタルを利用した入学試験の不正対策(替え玉受験も含む)も半端でない国ですが、国のトップがこうでは示しがつかないでしょう。

https://www.aboluowang.com/2019/0330/1268118.html

3/31阿波羅新聞網<中共严控下新疆沦地狱 汉族公务员也崩溃上吊=中共の厳格な統制で新疆は地獄と化した 漢人の公務員も精神崩壊して首吊り自殺した>中共は新疆のウイグル人を厳しく統制するだけでなく、ウイグル人を統治する漢人公務員にも“結対認親”(=民族の団結を高めるためウイグル人の家庭に住み、苦楽を共にする)で多大な圧力をかけている。もし、辞職申請すれば、「教育学習所」に送られる。 ある公務員は、ずっと自由ではないと感じ、妻が入院時にも休暇を許されず、挙句は圧力の為、首吊り自殺した。

別の公務員は、新疆では政府の悪い話は絶対に言えないと述べた。ある時、彼がWeChatで新疆に来ていた親戚とおしゃべりした時に、彼が「あなたは何をしているの?新疆は良くない」と言った。 結果はすぐ警察が来て警告した。「あなたが再びこのようなことを話すならすぐ逮捕される」と脅した。

漢人の大衆が中共の理不尽さにもっと怒らないと。より精神的な豊かさを求めるのであれば、中共を打倒するしかないという事に気付いてほしい。少数民族もそれで助かる可能性があります。

https://www.aboluowang.com/2019/0331/1268357.html

3/31阿波羅新聞網<抗衡中共 俄同吉尔吉斯加强关系并扩充军事基地=中共に対抗し、キルギスとの関係を強化し、軍事基地を拡大する>ロシアはキルギスの軍事基地を拡大した。 ロシアのメディアは、「モスクワは、この地域の軍事的存在は中共に対抗するため」と考えている。 ロシアも新疆 – キルギス – ウズベク鉄道プロジェクトに参加し、中共の影響にバランスを取ろうとしている。 プーチン大統領の最近のキルギス訪問で、キルギスの指導部は、「キルギスは親ロシア政策を続けるであろう」と強調した。

首都ビシュケク近郊のカント空軍基地とイシククル湖海軍基地は両方とも中国国境に近い。中国を睨んだ基地の拡張である。ただ下の写真のように、自然が侵され、鉄条網で基地が仕切られるため入れず、基地拡張に反対する人もいる。

プーチンは旧ソ連の衛星国に土足で踏み込んでくる中国を許しがたいと思っているでしょうが、欧米からの制裁で、石油やガスを買ってくれる中国を蔑ろにできない弱みがあります。でも中露が離間するのが理想です。

https://www.aboluowang.com/2019/0331/1268361.html

3/31阿波羅新聞網<10天连3爆!中国山东又发生工厂爆炸 造成5死3伤=10日連続で3回も爆発が! 山東省で工場爆発が起きる 5人死亡 3人負傷>中国では最近爆発事故が頻発しており、3/29の夕方には山東省青州市でも工場爆発が起こり、少なくとも5人が死亡した。現地政府が言うには、「工場爆発の原因は天然ガスの漏洩によるもの」と発表している。 この10日間で3回目の工場爆発事故である。

https://www.aboluowang.com/2019/0331/1268356.html

上述の記事は福島氏の予言通りで、中国では何度も爆発事故を起こすという例の記事です。まあ、記事中にあるように金と性接待で何とでもなる世界だし、役人も賄賂や性接待でお目こぼしは当り前の世界です。だから事前にいつ検査に行くと教えるのです。或は罰金を払ってでも操業を続けた方が儲かるような社会です。真面な社会でありません。

習家軍を守るのが優先で、国民の命は後回し、一党独裁の共産主義の悪しき点が出ています。如何に人民の命が軽いかです。鴻毛の如し。被災者救援ボランテイアを不当逮捕して、政府に都合の悪い事実を知らせないようにするのですから何をかいわんやです。共産主義者に国民を統治する正統性はありません。

福島氏の言うように、もし中国沿海部に造る原発が事故を起こしたら、偏西風に乗り核汚染物質が日本に運ばれてくるのではと危惧します。中国人は細かいことに拘らないといえばその通りですが、杜撰・いい加減な管理をします。温州の新幹線事故のように、事故を隠蔽しようとしますから。でも放射能を追跡して行けばばれるでしょうけど。左翼の人は中国に移住をしたら如何?

日本も中国を笑ってはいられないほど劣化しています。官僚の統計の誤魔化しや稟議の誤魔化し、企業の不祥事がごく普通となってきました。以前にあった問題解決能力が全然なくなったという事です。人が足りないなら、高齢者や女性を雇用、それでも人が集まらなければ賃金を上げるしかないのでは。外国人を雇うより企業の内部留保を吐き出して日本人を雇用して責任を持たせるのもひとつの解決法だと思うが。考えられる経営者がいないのでしょう。

記事

病院で手当てを受ける中国江蘇省の化学工場爆発事故の負傷者(2019年3月23日撮影)。(c)CNS/泱波〔AFPBB News

(福島 香織:ジャーナリスト)

中国江蘇省で3月21日に化学工場で大爆発がおきた。死者は25日の段階で78人、35人が重態の危険な状態で、60人以上が重傷者だ。2015年に天津で大爆発が起きて、公表されているだけで165人が死亡したが、それに次ぐ大爆発事故となった。

実は中国では、2桁、3桁の死者が出る「生産安全事故」(生産現場の安全に関わる事故)は決して少なくない。なぜ大量の死者を出す事故がなくならないのか? というのは中国の古くて新しいテーマである。

突如火の玉が盛り上がり、爆風が周囲を直撃

新華社、北京青年報、新京報、澎湃新聞などの報道およびSNSに上がっている情報をもとに、事故の概要を簡単にまとめてみよう。

江蘇省鹽城市响水県の陳家港生態化工園区にある江蘇天嘉宜化工有限公司の農薬製造工場で、3月21日午後2時50分ごろ、大爆発が起きた。爆発の直接的な原因は倉庫内の危険廃棄物の中のベンゼン系燃焼物によるものと見られている。新華社報道によれば3月25日の段階で死者は78人、負傷者は617人で、うち35人が意識不明の重体という。

SNSにスマートフォンで撮影された爆発の様子が上がっている。そこには突如火の玉が盛り上がり、大爆音とともに爆風が周辺を吹き飛ばす様子が映っていた。被害は周辺十数キロにおよび、近くの住宅地のマンションや学校も爆風で損壊、子供たちや女性を含む一般住人が血まみれになってあちこちに倒れている爆発直後の映像もSNSにあふれていた。周辺で観測された揺れは震度2.2という。化学物質の異臭は40キロ離れた地点でも漂っていたそうである。国務院は「特別重大事故」として現地に調査チームを派遣し、習近平も外遊先のイタリアから迅速な救援と原因究明、責任者の厳重処罰などを指示した。

爆発した化学工場付近(2019年3月22日撮影)。(c)CNS/泱波〔AFPBB News

以前から事故多発地域だった

現地の住人の話では、この事故は起こるべくして起きたといわれている。この化学工場がある工園区では、これまでも爆発事故や化学物質漏れの事故が続いていた。その中には上場企業も少なくないという。

2000年以降、江蘇省のこの地域には大量の化学工場が移転されており、江蘇北部沿海区の環境汚染問題の最大の理由にもなっていた。2019年の現在にいたるまで、江蘇省が中国最大の農業化学産品工場の集積地域でもある。

そして以前から事故多発地域でもあった。2007年11月27日は江蘇聯化科技有限公司で爆発事故が起き、8人死亡した。このとき、地元県政府は、賄賂のばらまき、あるいは性接待によってメディア取材を封じ込めたので、ほとんど報道されなかったという。「本当の死者数は100人を超えていた」「トラックで遺体の山を運んでいた」という“噂”だけが広がっていた。

2010年11月23日には江蘇大和塩素アルカリ化工公司の塩素漏れ事故で30人以上が中毒になった。2011年2月10日には、化学工場が爆発したというデマが流れて1万人以上の周辺住民がパニックとなって夜逃げする事件があった。このとき交通事故で4人が死亡しているという。このパニックは、2007年の爆発事故の時に当局が情報隠蔽したことで、住民が疑心暗鬼に陥っていたことが原因だといわれている。さらに2011年5月18日には南方化学工場で大火災があり、7月26日にも再び爆発と火災が発生した。

社長は環境汚染の罪で何度も摘発を受けていた

今回、爆発事故を起こした天嘉宜化工(以下「天嘉宜」)は2007年4月に設立。もともとは江蘇省江陰市にあったが、2009年に太湖の水質汚染事件を引き起こし、この陳家港に移転してきた。この工場地帯は、問題を起こした企業が吹きだまる場所でもあった。

天嘉宜の代表取締役はかつて環境汚染罪で何度も摘発を受けた張勤岳。6回の行政処罰記録があり、その中には個体廃棄物管理制度違反、大気汚染防止管理制度違反などが含まれている。

2012年に天嘉宜は化学廃棄物100トン以上を誤った方法で処理して重大な環境汚染を引き起こし、100万元の罰金支払いを命じられている。また、2017年9月にも公共安全管理に関わる規定違反で処罰を受けた。

2018年2月に地元国家安全生産管理当局が名指しで安全問題があると指摘した企業の中に、ここも含まれていた。このとき指摘された天嘉宜の安全問題の中には、特殊作業員が必要な審査に合格していないこと、生産装置操作規定の基準が満たされていないこと、機械および監視コントロール室の設置について規定違反があったこと、現場管理がずさんで、現場に必要な安全警告表示が不足し、発火を伴う作業管理にルールが設けられていないことなどが挙げられている。

2017年から2018年まで、天嘉宜は幾度となく市および県の環境保護当局から行政処罰を受け、その罰金総額は101万元となっていた。2018年4月には、この化学工場園区内で水質汚染問題が発生し、天嘉宜を含む園区内の化学工場複数が環境保護当局から操業停止命令を受けている。その後、8月に問題が改善されたとして操業が再開していた。

地元政府は対策として、今年3月1日から14日にかけて4回にわたって地域の工業安全生産問題について警告を発し、この地域の潜在的リスクについて全面調査・改善措置に取り掛かっていたという。爆発が起きた当日の午前も、県の安全生産委員会が県内重点企業の生産責任者を招集して、安全生産研修講座を開いていた。爆発当時、2人の安全監督人員が工場内を検査しており、彼らも爆発に巻き込まれて負傷している。

情報統制を強める中国当局

では、これだけ過去に問題を起こしている企業がなぜ、いまだに普通に経営できているのか。「生産安全に問題アリ」と何度も指摘され、当局が立ち入り検査を行って改善命令も行っているのになぜ改善されていなかったのか。

一部の報道では、現地政府がこうした環境保護当局や生産安全監督当局が調査をするとき、数日前から企業に調査日程と内容を通知することが問題だとしている。つまり、「きっちり準備をしておくように」とばかりに、当局サイドが企業工場に問題を隠蔽する猶予を与えていたわけだ。また派遣される調査・監督人員には工場内の機器の操作法や原理を知らない者が多く、立ち入り検査をするにも実は必要な知識や評価能力を持たないケースも多いという。安全に対する調査・検査・改善命令も、すべて形式的なものであったといえる。こうしたことを総合して「今回の爆発事故は起こるべくして起きた」と誰もが思っているわけだ。

中国中央電視台(CCTV)は、今回の事件について、地元官僚にとって出世の基準となる政府業績がGDP成長率など経済発展を基準にしていることから、業績の良い企業の環境汚染問題や安全生産問題に対して態度が甘くなっていることがこうした事故の多発につながっていると批判していた。中国においては、工場労働者や周辺住民の安全、健康よりも企業の発展、売り上げを優先する人命軽視が改革開放、いやそれ以前から続いている。

中国の生産安全の問題は、こうした中国当局および産業界の経済利益優先、人命軽視の体質だけではない。重大事故が発生したとき、きわめて政治的な要因で世論を封じようとする動きがあり、これが問題の本質の検証や洗い出し、改善を妨げる結果になっているともいわれている。

今回の事件でも当局は治安維持と情報コントロールと世論封鎖に腐心した。まず地元の民間環境保護ボランティアの張文斌らを「挑発罪」というわけの分からない容疑で身柄拘束した。彼らは爆発後、地元の水質汚染調査および汚染拡大予防措置を行いながら被災者の救援なども行っていた。だが彼らは25日になって姿を消し、複数の目撃情報によれば制服警官に連行されたという。新京報などによれば、爆心地の様子をネットにアップしたことなどが“挑発罪”容疑に問われ身柄拘束された模様だ。地元警察当局はメディアらが爆発現場をドローンなどで撮影しないようにドローン妨害装置を設置するなどして報道を統制。共産党の高級幹部からも、爆発に対する報道・世論のコントロール指示がでている。被災者は周辺県のホテルなどに分散して避難させているが、メディアと接触できないように管理されているという。世論の批判の矛先を工場だけに集中させ、環境汚染の噂などのよる周辺住人のパニックや抗議活動を引き起こさないための措置のようだ。

中国当局がこうして報道統制、世論コントロールを強めるのは、不安がそれだけ広がっていることの表れだともいえる。地元では、基準値を超える発がん性物質で大気や水が汚染されているという噂が広がり、ペットボトル飲料水の買い占めなども起きている。また、死者数、負傷者数が隠蔽されているに違いない、といった噂も流れている。こうした状況で周辺の小学校などが25日から再開されたことに対し、住民たちはますます当局に対する不満を募らせている。

子飼いの部下を守りたい習近平

さらに中国の場合、ここに権力闘争の要素も加わってくる。

“習近平はこの事故の責任を江蘇省長の呉政隆に押し付けようとしている”という見方を香港蘋果日報などが報じている。

江蘇省の書記である娄勤倹は“習家軍”とも呼ばれる習近平に忠実な子飼いの部下集団の1人。もとは陝西省長だ。

実は今中国で2つの政治スキャンダルが注目されているのだが、それらに絡む事件がともに陝西発である。1つが秦嶺別荘開発問題、もう1つが千億鉱権事件だ。いずれも陝西省の党委員会の利権が根深く絡むとみられ、下手をすれば当時の書記であった趙楽際(現政治局常務委員で中央規律検査委員会書記)や当時の省長の娄勤倹の進退にも影響を与えかねない。特に秦嶺別荘開発問題は娄勤倹の関与が疑われていると香港の明報などは報じている。

こうしたスキャンダルの芽を抱えている娄勤倹にとって、今回の爆発事故はさらに立場を危うくしかねない。

今回の事故は起こるべくして起きたものであり、しかもその原因は江蘇省の生産安全監督管理における怠慢と癒着が背景にある。また、爆発直後に娄が現場に駆けつけず、習近平に指示されて1日遅れで現場入りしたことを「当事者意識が薄い」と党内から批判する声も出ている。もし、この爆発事故の処理がこじれて重大環境問題や地域住民のデモなど治安問題に発展すれば、書記である娄の責任が問われることになる。

だからこそ、習近平としては娄を守るために、早々に事態を鎮静化させたい。そのための報道統制と世論封鎖指示なのだという。さらには、省長の呉政隆に責任を押し付けてしまおうとしているというわけだ。呉政隆はかつて薄熙来の部下であったが、薄熙来失脚に巻き込まれずに習近平政権下で順調に出世を遂げてきた。だが、必ずしも習近平から信頼を得ているわけではないといわれている。

事故は今後もなくならない

こうして見てくると、この爆発事故は20年来続く中国の生産安全問題のほんの1つにすぎず、環境汚染問題や中国社会が直面する他の問題と同様、その病巣は政治体制と人命軽視という中国社会の体質の問題に集約される。

そう考えると、こうした事故というのはこれからもなくならない。それこそ政治体制が変わり、社会の価値観が根底から変わらない限り、状況は改善しないだろう。

そこで私が非常に怖く思うのは、今後10年ほどで国内外に100基以上はできるであろうと予測されている中国製原発の安全運転の問題なのだが、それはまた別の機会に紹介するとしよう。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『中国に改革迫るトランプ氏に「一定の理」、内外で支持拡大』(3/27ダイヤモンドオンライン ロイター)について

3/29看中国<意大利签一带一路 美:最终代价沉重 北京否认债务陷阱(图)=イタリアは一帯一路に署名 米国:決断の代価は重い 北京は債務の罠を否定>イタリアは先日習近平と共に一帯一路の覚書に調印し、欧州で最初の加入国となった。 それに対して、米国のポンペオ国務長官は3/27(水)、「イタリアは、最初は“気分が良い”かもしれないが、その結果生じる政治的代価は経済的価値をはるかに超えるだろう」と述べた。

サウスチャイナモーニングポストによると、イタリアと中国の間で一帯一路の覚書に調印したので、ポンペオ米国国務長官は27日、「中国と国営企業は共同で“債務の罠外交”を行っている。中国自身の利益の為。中国の協議は目先良い気分になるかもしれないが、低価格品や低コストの橋・道路建設が為され、その結果生じる政治的コストは経済的価値をはるかに超えるだろう」と述べた。

https://www.secretchina.com/news/gb/2019/03/29/888787.html

3/28阿波羅新聞網<中国百年机遇中共百年危机 贸易战显成果美逆差大降 制造业撤出中国此国抢手=中国の百年目の機会は中共の百年目の危機、貿易戦争の結果はアメリカの貿易赤字が大幅ダウン、製造業は中国から撤退>米中貿易戦争は世界の経済と政治の構造を変化させており、米国はこの過程を経てより強くなってきている。客観的に見て、米国もこの期間に多くの損失と不便を被った。 しかし、中国にとっては、この百年間には起こらなかった機会であるが、中共にとっては、それは本当の危機である。①改革開放しないのが中国経済の最大のリスク②地方政府の融資平台が借り換えできなければ流動性のリスクに③中国不動産業の巨頭である恒大グループの1年以内に返済すべき債務は1140億元④貿易戦争の結果はアメリカの貿易赤字を大幅ダウン⑤製造業は中国から撤退、メキシコ工場から喜んで買う。

中共が潰れるには良い機会という事でしょう。

https://www.aboluowang.com/2019/0328/1267415.html

3/29阿波羅新聞網<韩媒:美中情局保护金正男儿子 落脚纽约=韓国メディア:米CIAが金正男の息子を守る NYにいる>韓国メディアの報道によれば、「北朝鮮の指導者金正恩の兄・金正男が、2017年2月にクアラルンプール国際空港で毒殺され、彼の息子の金漢率は、米国情報局の保護の下、現在ニューヨーク近郊にいる」と。

韓国の東亜日報は今朝の1面で「金漢率は、北朝鮮の金政権に対する反対派勢力グループ「自由朝鮮」の支援を受けて、北朝鮮当局の追跡を免れた。その過程ではCIAが介入し、彼の安全を保証した」と報じた。

報道は多くの事情通の話を引用し、「金正男はクアラルンプール国際空港で北に雇用されたベトナム人女性に毒殺された際、マカオにいた金漢率は「自由朝鮮」のメンバーの協力で第三国の台湾桃園空港に行こうとしたが、搭乗の遅れのためにアメリカに迂回しなければならなかった」と伝えた。

報道によると、「当時「自由朝鮮」は金漢率を安全に空港に送るために10万ドル以上を費やし、その過程で、米国のCIAが関与し、金漢率の身元を確認した後、彼は米国に連れて行かれた」と。

これに先立ち、WSJは、2017年10月に、「「自由朝鮮」関係者がEメールでインタビューを受け、金漢率の逃亡の情報を明らかにした」と報じた。 しかし、「自由朝鮮」は、金漢率が桃園空港で30時間取り置かれた理由を明らかにしていない。

報道によると、別の筋は、金漢率は現在、1998年に米国に亡命した金正恩の叔母高容淑と共に、連邦捜査局(FBI)の保護の下、ニューヨーク州近くのコミュニティに住んでいる。

https://www.aboluowang.com/2019/0329/1267460.html

3/29阿波羅新聞網<28年前立陶宛民众爆发势同六四的示威 今天审判当年镇压者=28年前、リトアニアの人々は天安門6 4デモ同様立上った 本日当時の鎮圧者を裁く>3/27(水)、リトアニアは、本年は6月4日の天安門大虐殺の30年に当たるため、元ソビエト元帥や現場指揮官を含む民衆デモの鎮圧した責任者のグループに刑を宣告した。 1991年に、リトアニアは自由且つ民主を求めてデモをして6月4日のような動きした。 ある分析では、「ソビエト時代に、共産党政権が民衆の抗議鎮圧のために軍事力を使用したが、責任者は罰せられていないと考えている。リトアニアはその先例になるかもしれない」と。

まあ中共も打倒されたらそうなるでしょう。だから必死なのでしょうけど

https://www.aboluowang.com/2019/0329/1267491.html

ロイターの記事では、米中貿易戦でEUも心の中ではトランプを応援しているとのこと。マクロンが「欧州がナイーブな時代は終わった」と言ったのも、もう中国には騙されないという意思表示でしょう。習近平は韜光養晦路線から有所作為路線に切り替えたため、中国の野心を白日の下に晒しました。大きな功績です。彼がいなければ中国人の「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」という民族的特質に他の国が気付くことはなかったでしょう。約束してもハナから守る気がないのは当り前。白人社会は善意を前提として判断してきたように見えます。中国人理解が全然できていなかったという事。

トランプという既存のやり方に拘らない破天荒なやり方の人物が出て来て、ルールを守らない(自分で創造できない価値あるものを盗むことも含まれる)中国に懲罰を課すことによってやっと展望が見えて来たという所でしょう。トランプに反対している人達は中国からの金かハニーに転んだと思った方が良い。日本にもいるでしょう、中国に味方する言論を吐くのが。まず間違いなく中国から便宜供与受けていると思った方が良いです。

トランプのロシアゲート疑惑に対してムラーは無罪としました。今後は民主党のヒラリーのメールサーバー問題に着手してほしい。デイープステイトなるものが存在するなら叩き潰してほしい。

記事

3月25日、トランプ米大統領(写真)が「米国第一主義」推進のために真綿で首を絞めるように関税を駆使する行為は、企業経営者から同盟諸国、米議会の与野党双方の議員まで多方面の怒りを買ってきた。ホワイトハウスで撮影(2019年 ロイター/Carlos Barria)

[ワシントン/ブリュッセル/北京 25日 ロイター] – トランプ米大統領が「米国第一主義」推進のために真綿で首を絞めるように関税を駆使する行為は、企業経営者から同盟諸国、米議会の与野党双方の議員まで多方面の怒りを買ってきた。

しかしトランプ氏の政策にほとんど反対している人たちから幅広く支持されている取り組みが1つ存在する。中国に対して、市場原理をゆがめる貿易や補助金に関する各種慣行の修正を強く迫っていることだ。

米中貿易協議が続く中で、さまざまな政治家や企業経営者、外交官らは、米国やその他の外国企業とその社員に痛手を与えてきた諸問題を解決するために、トランプ氏と通商担当チームにあくまで中国に意味のある構造改革を要求するよう促している。

米国と中国を含む39ヵ国で自動車の座席や電子部品を生産するリア幹部のスティーブン・ガードン氏は、トランプ氏の「貿易戦争」は、企業や外国政府が不公正とみなす政策の改革を中国に強制してくれるとの期待を解き放ったと話す。「これらの問題がすべて提起された今、解決に乗り出すことについて米国内で政治的支持がより広がっており、後戻りはできなくなっている」という。

ガードン氏の発言は、中国の経済政策や通商政策に向けられる米国内外の企業の心持ちが、トランプ氏の戦術とまでは言わないまでも目指す結果に沿う方向に変化していることの表れだ。

米中協議において習近平国家主席は、米国の圧力に屈して構造改革を実施するのを嫌っているもようで、関税を課される方が中国の経済発展モデルを変えるよりもましだと考えるかもしれない。

また中国は譲歩の一環として、対米貿易赤字解消のために多額の米国製品購入を申し出ている。ただ米製品の買い入れはトランプ政権にとって抗しがたい魅力かもしれないものの、米企業が中国で地元勢との不公平な競争を余儀なくされているという問題の解決には全く役に立たない。

米企業から不満が出ているのは、中国が知的財産権を組織的に盗み出し、外国企業に技術移転を強要している点だ。これを改めるには、習氏と共産党指導部に方針を転換してもらう必要がある。

よろめきと説得

トランプ氏が当初今月1日に設定していた新たな対中関税導入期限を延期した際に、同氏が中国からの巨額な米製品購入提案によろめき、構造問題を放置したまま協議に合意してしまうのではないかとの懸念が生じた。

ところがそれ以降、多数のロビイストや企業幹部、外交官、米与野党議員らが入れ代わり立ち代わり、トランプ氏に構造改革要求を堅持するよう働き掛けている。

自由貿易推進派の急先鋒でトランプ氏の関税政策を批判してきた共和党のケビン・ブレイディ下院議員も最近こうした説得に加わり、「われわれは中国がより多くの米製品を買うのを望んでいるとはいえ、もっと大事なのは中国に知的財産権や補助金、過剰設備など世界経済を歪めてきた分野で高い国際基準を守る責任を果たさせることだ」と強調した。

先週には長年の対中貿易強硬派として知られる民主党のチャック・シューマー上院議員が、構造問題で引きさがり、米国産大豆などを中国に買ってもらうことで安易に妥協しないようくぎを刺した。

EUも内心は共感

欧州連合(EU)は、トランプ政権が今後、輸入自動車に関税を導入する事態を警戒しつつも、中国の技術移転強要や市場アクセス制限などに不満を抱いているという面では米国と変わらない。

あるEU高官は北京でロイターに「われわれには域内企業から連日苦情が寄せられている」と語り、中国政府は再三にわたって外国企業の事業環境を改善すると約束しながら、ほとんど進展がないと指摘した。

欧州委員会のマルムストローム委員(通商)は、中国が国際的な貿易ルールを自分たちに都合良く気ままに利用していると非難しており、まるで米通商代表部(USTR)の声明を聞くかのようだ。

一方でマルムストローム氏は、EUは米国と違って貿易問題には多国間主義で対処する意向であり、具体的に世界貿易機関(WTO)の改革を進めると説明した。

それでも複数のEUの外交官や当局者は、トランプ氏が関税という好ましくない手段を用いていても、中国に構造改革を実行させるという目標自体は渋々ながら賛成であると認めている。非公式な形ではトランプ氏の成功を応援する声が多いのだ。

ある外交官は「われわれは一方的な措置には反対だが、誰も中国に同情しない。要求内容に関して、われわれはトランプ氏に一定の理があると考える。中国政府は、改革なしでは今のシステムがただ機能しなくなる可能性があると理解しなければならない」と述べた。

(David Lawder、Philip Blenkinsop、Michael Martina記者)

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『中国のエリートや若者に漂う習近平に惚れ込む「空気」』(3/26ダイヤモンドオンライン 加藤嘉一)について

3/28阿波羅新聞網<美官员将领齐发声:中共专制政权 对国际秩序构成挑战=米高官は発言:中共の専制政権は国際秩序への挑戦をもたらす>米軍インド・太平洋司令官のデイビッドソンは本日、「中共軍は第一列島線を超えて急速に影響力を増しており、台湾を含む米国の同盟国にとって最大の脅威である」と述べた。 国防総省アジア太平洋局次官補のシュライバーは、「台湾とのパートナーシップを強化する必要がある」と述べた。

中国は沖ノ鳥島に海洋科学調査船を派遣したりして、日本に米国の航行の自由作戦の意趣返しをしています。また米国のテッド・ヨーホー共和党下院議員は蔡総統とのビデオ会話で「台湾を国と認めるときが来た」と述べ、コリー・ガードナー共和党上院議員はペロシ下院議長に蔡総統の議会演説への招請についての書簡を送ったとのこと。米中は動いているのに、日本の対応は大丈夫か?韓国への制裁対応の遅さを見ていると有事が起きたときに心配。日本は台湾を支援しなければ。台湾軍が国民党軍であったとしても。

https://www.aboluowang.com/2019/0328/1267191.html

3/28阿波羅新聞網<王州迪提交新证据 将与特鲁多对抗到底=Jody Wilson Raybould,JWRは新しい証拠を提出し、トルドーと徹底抗戦>3/27、元司法長官のJWRが書面による声明を議会の司法委員会に提出した。SNC-LAVALIN事件に関する多くのEメール、テキストメッセージおよびその他の証拠である。 現時点では、これらの文書がいつ一般に公開されるのかはわからない。 内閣の元財務省理事会議長のPhilpott氏は、「SNC-LAVALIN事件にはまだ多くの謎が残っているので、カナダ国民は事件をもっとよく理解するべきだ」と述べた。

孟晩舟の引渡訴訟に影響が出るかどうか?中共はこれを利用することは目に見えています。裏金と人質で揺さぶりをかけて来ると思います。

https://www.aboluowang.com/2019/0328/1267135.html

3/28希望之声<库德洛:美国可能取消部分关税 也可能延期美中谈判=クドロー:米国は一部の関税は取消できる 貿易交渉も延期できる>北京とワシントンでの交渉の落としどころなのかも。ただ構造改革追及の手を緩めてはダメ

https://www.soundofhope.org/gb/2019/03/28/n2763232.html

加藤氏の記事を読んで、加藤氏も少しは真面だったかという気がしました。共産主義肯定ではなく民主主義肯定と言う意味において。北京大学のエリートが保身でなく、「なぜ習近平思想に異を唱える必要があるのか。習近平総書記はこれだけ大きくて、国情が複雑な中国をまとめている。すごいことだ。私は習近平を心から尊敬している。そんな習近平を全面的に支持することが愛国者としてあるべき姿です」と何故言い切れるのか?洗脳の結果で、歴史を知らないせいでしょう。反右派闘争・大躍進・文革・天安門と国民が犠牲になったことを知らないのでは。またチベット・ウイグル・モンゴル人がどう扱われているかについても無知なのでしょう。こういう血の通わないエリートだから血の粛清や拿夏ができるのだと思います。そもそもで言えば愛国者とは国並びに国を構成する国民を愛する人と言う意味でしょう。世界革命を標榜する共産主義者が愛国と言うのもおかしい。

記事

Photo:AP/AFLO

思想政治理論の授業について習近平総書記が“重要談話”

3月18日、中国の習近平総書記は、北京で開催された「学校思想政治理論課教師座談会」で自ら司会をし、“重要談話”を発表した。座談会には中国全土にある大学、高校、中学、小学校などで思想政治理論の授業を担当する教師たちが上京、習近平に向かって日頃の取り込みや考えなどについて報告した。

「思想政治理論課」には政治思想やイデオロギー、中国共産党の歴史などが含まれる。例えば、同理論に関するサイト「高校思想政治理論カリキュラム」の「教学動態」の一番上には『習近平新時代中国特色社会主義思想』に関する授業ビデオが30回分掲載されている(http://www.xinhuanet.com/politics/xjpsxkj/index.html)。

その他、同サイトには『マルクス主義基本原理概論』『毛沢東思想と中国の特色ある社会主義理論体系概論』『中国近現代史綱領』などが含まれる。要するに、中国共産党が約14億人の中国人民を統治していく上で主観的に必要不可欠だと認識・定義する、政治色やイデオロギー色が強烈で濃厚な授業科目である。

重要談話において、習近平は思想政治理論という授業・課目が達成すべき目標について次のように主張した。

「青少年は祖国の未来であり、民族の希望である。我々の党は中華民族の千秋偉業という志に立っている。中国共産党による領導と我が国の社会主義制度を守り、中国の特色ある社会主義事業に終身奮闘する人材を世代ごとに育成していかなければならない。この根本的な問題の前では立場をはっきりさせる必要があり、少しの曖昧さも決して許されない」

「そのために、われわれは次の世代をしっかりと育てていかなければならない。学校から、そして幼児の頃から着手し、小学校、中学校、高校、大学と順を追いながら思想政治理論課を開設していくことは非常に必要であり、それはすなわち世代ごとに社会主義の建設者と継承者を育成する重要な保証となるのである」

非常に明白な説明に聞こえる。

中国共産党政治にとっての最大の目標であり、内政・外交を含め、全ての戦略、政策を実行していく上での目的である「党の正統性」を断固として死守し、安定的に強化していくプロセスに教育の現場、教師の立場から貢献すること。それが思想政治理論課にとって最大の目標ということである。

習近平は「政治色が強くなければならない。信仰のある人間に信仰を語らせるのだ。政治の観点から問題を観察することに長けている必要がある。是非に関わる問題を前にして政治的に明晰(めいせき)でなければならない」と語り、同課目のカリキュラムを作成し、それに基づいて教師が生徒に教える上で“政治”がいかに重要であるかを指摘している。

「敵か、友か」という2分法で相手を定義

中国共産党にとっての指導思想であるマルクス・レーニン主義、それを“中国化”する中で生まれた中国の特色ある社会主義という体制・イデオロギー下で、中国共産党による絶対的領導によってのみ中国は安定し、発展する、それに危害を与えうる一切の思想、宗教、価値観を断じて受け入れず、排除するという政治的信仰を持ち、生涯を通じてそれを実際の行動に反映し続けられる人間を育成するための“教材”となるのが思想政治理論課ということであろう。

この点は習近平の次の問題提起にも表れている。

「思想観念における“何を堅持し、何に反対するか”という肝心な問題を解決しなければならない。価値観の引導を知識伝達のプロセスに組み込み、主流のイデオロギーを伝導し、各種誤った観点や思想の潮流を打破する姿勢と覚悟を持ち、悪事・悪人を指弾し、善事・善人を褒めたたえ、正しいことは支持し、誤ったことを是正することに勇敢でなければならない」

このセンテンスを読みながら、筆者は「敵か、友か」という二分法で相手を定義し、付き合う上での原則・基準とする中国の外交政策を想起した。

例えば、台湾問題、南シナ海問題、チベット問題など中国の“核心的利益”に当たる分野で、中国共産党の立場を支持する国家や人物は友であり、それを尊重しない国家や人物は敵とみなされる。

中国共産党に敵とみなされる人物をいくつか挙げてみると、チベットのダライ・ラマ14世と会談する外国の首脳、現行の靖国神社を参拝する日本の首脳、中国の“崩壊”を公に発言する外国の学者、台湾を“国家”だと記述する外国の企業などである。敵に対しては往々にして制裁措置が科せられる。該当する学者に中国訪問のビザが出ない、同企業の中国市場へのアクセスが制限されるといった具合である。

教師たちは心の奥底で何を考えているのか

この敵か友かという判断基準が、思想政治理論課にも応用されている。“敵”となる価値観は西側諸国をはじめ昨今では多くの国家で制度として実践されている自由民主主義、多党制、普通選挙、司法の独立などである。

例えば、中国国内で「中国も台湾のように西側の選挙を取り入れ、民主化すべきである」「中国の法治も司法の独立を前提とすべきである」「共産党が憲法をりょうがするような権力を持ってはならない」といった思想や考え方を伝播する学者は、中国共産党によって“誤った思想”を宣伝する“悪人”とみなされ、場合によっては国家転覆罪で逮捕される。

仮に1人の教師が中国の学校でそのような思想を学生たちに伝播しようものなら、その教師は瞬く間に学生や同僚によって告発され、懲戒解雇されるか、状況次第では国家転覆罪で逮捕されるに違いない。そういう事態を回避すべく、全国全土の学校で“統一戦線”を引くための布石が、今回習近平が自ら司会を務めた座談会ということであろう。

もちろん、「党が全てを領導する」という掛け声の下、政治的引き締めがあらゆる分野で徹底強化されている昨今の習近平新時代において、党の方針に背く、言い換えれば党を敵に回すような言動を取る教師が出てくるとは到底思えない。

ただ、教師たちが心の奥底で何を考えているのかは別問題である。

現在、上海の某進学校で数学を教えている女性教師(52歳)に思想政治理論課についてどう考えているのかを聞いてみると、次のような答えが返ってきた。

「中国において、それは学術や教育の分野で、“道徳教育”という名の下で展開される“洗脳運動”のことを指す。空洞的だ。政治を学術や教育の領域に浸透させ、学生たちの独立的思考を抹殺するものである。と同時に、それは“習近平思想研究”といった虚偽的な文化現象すらも製造してしまう恐ろしいものである」

「学術においても、社会科学か自然科学かを問わず、すべての学科に“スローガンを叫ぶ”やり方が強要され、唯一無二の思想に統一される。学者たちにそれにならう以外の選択肢はない」

この女性教師は思想的にリベラルであり、多くの中国人教師が思想政治理論課に対して同様の見方をしているわけでは決してない。昨今の政治情勢下において、このような見方はむしろ少数派であろう。

そして、たとえそのような考えを持っていたとしても「それを口に出すことは決してできない。We Chatで知人と文字で会話する際にも書かないようにしている。当局はそれを監視する手段を完全に持っているし、仮に見られたら身の安全は保証されない」(同数学教師)

中国人は遅くとも小学生から思想政治理論の授業を受ける

筆者は中国留学時代に「毛沢東思想」「鄧小平理論」「マルクス主義基本原理」という名の必修科目を受講した。中国における“思想政治理論”がどういうもので、教育の現場でどのように伝授されているのかを観察する絶好の機会だと捉え、そういう姿勢で毎回の授業に臨んだ。

最も興味があったのは、壇上に立っている教師がどういう教材を使って何をどう語るかよりも、中国人の学生たちがそれをどう受け止め、どういう姿勢で授業に臨んでいるかであった。

習近平の言葉にもあるように、中国の人々は遅くとも小学校から思想政治理論の授業を受けてきている。大学に入学する頃になると、多くの学生はその内容や性質を“熟知”した状態になる。

筆者の周りにいた中国人学生のうち半分くらいはそれにもううんざりというか、嫌気がさしているように見えた。

4分の1が比較的平常心で、それはそれで受け止め向き合っているという感じで、残りの4分の1がそれは中国の政治や教育にとって必要であると理解を示し、比較的前向きな姿勢で向き合っているように見えた。

ただ、それらの授業を楽しそうに、好奇心を持って受けている学生はほぼ皆無のように見受けられた。

これらの光景を、筆者はある意味健全だと受け止めた。前出の数学教師が言うように、これらの授業を中国共産党が自らの政治的目的を達成するために行っている“洗脳運動”だと認識しているクラスメートは多かった。

筆者が中国の大学で学んだのは胡錦濤時代(2003~2012年)であり、昨今の習近平新時代とは政治的雰囲気や学術や表現の自由度など多くの点で異なる(過去記事参照:『習近平の北京大学視察での「後継者」発言を軽視できない理由』)。前出の数学教師は言う。

「加藤さんと同世代の1980年代生まれの同僚たちの多くは、習近平思想を一生懸命勉強し、忠誠を誓っているように見える。彼らはそれが政治的に正しく、職場で昇進できるという理由だけでそう振る舞っているのではなく、本当に習近平の人柄や政治にほれ込んでいるようにすら見える」

エリート大学の教師や学生は習近平思想をどう考えているのか

この指摘は、筆者の昨今における観察と相当程度一致する。北京大学、清華大学、復旦大学といったエリート大学の教師や学生と話していても、彼らの多くが習近平思想や中国の特色ある社会主義といったイデオロギーを自ら進んで擁護しているように見える。

キャリアや身の安全のためだけではなく、なんというか、一種の“空気”としてあらゆる現場で蔓(まん)延し、そこで仕事をしている人々を引き込んでいるように映るのである。

「なぜ習近平思想に異を唱える必要があるのか。習近平総書記はこれだけ大きくて、国情が複雑な中国をまとめている。すごいことだ。私は習近平を心から尊敬している。そんな習近平を全面的に支持することが愛国者としてあるべき姿です」

北京大学で政治学を学ぶ男子学生(21歳)は筆者にこう語る。

昨今における中国の大学のキャンパス内では普遍的な見方であるように思われる。言うまでもなく、中国共産党がどのようなイデオロギーを持ち、どのような思想教育を行うか、それを現場の人間たちがどう受け止め、行動するかは中国、そして中国人自身の問題である。

ただ、中国民主化研究という本連載の核心的テーマからすれば、本稿で描写してきた“現状”は中国政治の将来に不安要素を投げかけると言わざるを得ない。

ただ1つのイデオロギーを支持し、それと異なる価値観を敵や悪と見なし排除する、あるいはそうすることを強要される空間に民主主義は根づかないであろう。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします

『韓国・文大統領が目指す「日韓首脳会談」に日本は応じるべきではない』(3/26ダイヤモンドオンライン 真壁昭夫)について

3/26希望之声<美成功测试导弹防御双拦截系统 可摧毁朝鲜伊朗洲际导弹攻击=米国は北朝鮮とイランの大陸間弾道弾を破壊するためのWミサイル防衛迎撃システムのテストを首尾よく成功させた>3/25、米国国防総省が戦略ミサイル防衛システムのテストをした。2発の陸上基地から発射された迎撃ミサイルが首尾よく6,400キロメートルを超える宇宙空間からの目標を破壊した。(目標となるミサイルはマーシャル群島から打ち上げ、2発の防衛ミサイルはVandenberg空軍基地から発射され、1発目は大気圏に入って来た目標物を破壊、2発目はその残余物破壊の役目であったが致命的なものは見つからなかった。この防衛システムは現在、北朝鮮とイランからのミサイル攻撃に対抗するものである。 トランプ大統領は、中国とロシアからのミサイル攻撃にも対抗できるようになることを願っている。

そのミサイル防衛システムはICBM用だから日本向けではないかも。敵のミサイルは中国大陸と朝鮮半島からなので。

https://www.soundofhope.org/gb/2019/03/26/n2757886.html

3/27阿波羅新聞網<哗然!脸书承认与华为联想等四家中国企业分享用户资料=騒然! Facebookは華為、レノボを含む4つの中国企業とユーザーのデータを共有してきたことを認める>中国の通信大手華為が米国の司法紛争に巻き込まれたように、Facebookは3/26(火)に華為、レノボ、OPPO、TCLの4社とデータ共有契約を結び、既にデータは共有されていることを認めた。NYTは先日、「Facebookはユーザーの知らないうちにいくつかの国際的なハイテク企業とデータを共有している。米国の検察は既に調査に入り、Facebookは3/26(火)に華為、レノボ、OPPO、TCLの4社とデータ共有契約を結び、既にデータは共有されていることを認めた」と報道した。

やはりかと言う感じです。結局ユーザーの同意も得ずに敵国・中国にデータを渡すなんて。ザッカーバーグの嫁が中国系米国人だからさもありなんでしょう。罰金賦課と中国企業との契約の撤回、ユーザ-へのお詫び金を出すべきでは。

https://www.aboluowang.com/2019/0327/1266942.html

3/28看中国<名校入学丑闻:八所大学遭调查 耶鲁开除一学生(图)=入学スキャンダル:8大学(エール大学、ウェイクフォレスト大学、スタンフォード大学、ジョージタウン大学、サンディエゴ大学、テキサス大学オースティン校、UCLAロス校、南カリフォルニア大学)が調査され、エールは学生を追放した>米国のアイビーリーグの大学で入学スキャンダルが明らかにされた後、メディアは「米国教育省は8大学の入学許可のプログラムを調査している。その中には50名の刑事告発を受けているのも含まれている」と報道した。名門校も入学スキャンダルで初めて行動を起こし、エール大学は女子学生1名を追放した。

米国の “Fox News”は3/27調査関係者の言葉を引用し、「米国教育省の予備調査の重点は高等教育法第4章の調査で、連邦学生資金援助項目に違反しているかどうかである」と報道した。

日本の大学は入学スキャンダルより研究資金の方が問題では。中国からのひも付きは止め、中国人留学生も情報窃取の恐れがあり、止めるべきです。

https://www.secretchina.com/news/gb/2019/03/28/888678.html

3/27日経ビジネスオンライン<米朝物別れ、「安易な妥協がなくよかった」ではすまない 薮中 三十二>コメントにある通り所詮無能の外務省元トップの戯言。真面には聞けません。日本は頭から腐っているという事でしょう。

https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00023/032500027/?n_cid=nbpnb_mled_m

真壁記事を読んで感じることは、①韓国に世論があるなら日本にも世論があるという事。韓国が反日なら日本には嫌韓がある②政府の対応の遅さ。彼らは体で覚え込まさないと駄目な民族。中国のようにお仕置きして初めて理解できるのだから矢継ぎ早に制裁を課すべき。韓国が国際社会に発信する以上の質と量を以て③断交すれば良いでしょうが日本から言いだす必要はない。制裁賦課をして韓国がそれをストップするためには“反日教育を止める。慰安婦像・所謂徴用工像を撤去し、世界に嘘でしたと謝罪する”条件を付ければ良い。

3/27ZAKZAK<「外交断絶すべきだ」徴用工訴訟めぐり 自民党部会>

http://www.zakzak.co.jp/soc/news/190327/soc1903270020-n1.html?ownedref=not%20set_not%20set_newsList

政府の対応が遅すぎるのでは。

記事

Photo:YONHAP NEWS/AFLO

韓国政府が日韓首脳会談を目指す意味は

現在、韓国政府は、文在寅(ムン・ジェイン)大統領と安倍晋三首相との首脳会談の実現を目指しているという。19日には、李洛淵(イ・ナギョン)首相が「年内に2回、日韓首脳会談を行うチャンスがある」との認識を示した。

ただ、日本では“反韓国”の世論が盛り上がっており、今すぐ、日韓首脳会談を実現することは簡単なことではないだろう。

今後のポイントは、韓国政府が国内の厳しい反日感情と、日本との関係改善をいかにバランスさせるかだ。現在、文政権は、支持率が低下する中で経済(GDP)成長率も低下する難しい状況に追い込まれている。

国民に対するアピールとしては、北朝鮮との融和政策を促進することなのだが、金正恩・朝鮮労働党委員長が核武装を諦めないスタンスを明確にしていることで、米朝間の関係がぎくしゃくし始めている。

一方、韓国が依存してきた中国経済は、成長の限界に直面している。また、元徴用工への賠償問題から日韓関係は戦後最悪になっており、日本は関税率の引き上げなどの対応方法を検討している。それに伴い、韓国の経済界は先行きへの危機感を強めている。韓国政府はその心理に配慮し、日韓関係の修復および改善を意識し始めたようだ。

ただ、最終的に文政権が生き残るためには、世論優先の姿勢を示さざるを得ない。文大統領が反日感情を強める世論に背を向け、世論が求めることとは異なる政策を進めるとは考えにくい。わが国としては、“本当の意味”での関係改善を韓国に期待するのは難しいと見るべきだ。

経済安定のために対日関係の修復を目指す文政権

現在、韓国の経済は、まるで下り坂を転がり落ちるような勢いで減速している。文政権は、一段の景況感の悪化と景気の減速、あるいは失速を防ぐために、日本との関係修復を目指し始めた。

それは、韓国が経済の安全策(バックストップ)を手に入れるために重要だ。

韓国経済の特徴の1つは、貿易への依存度が高いことだ。2017年、韓国のGDPに占める輸出入の合計割合は80%だった。これは世界的に見てかなり高い。韓国の経済は資材などを輸入し、それを国内で加工して製品を作り、輸出することで成長してきた。近年の成長を支えたのは、サムスン電子の半導体事業だった。

2018年に入ると、中国経済が減速した。公共事業の中断に加え、世界的なスマートフォン販売の不振や米中貿易戦争への不安から、中国の企業業績が悪化した。加えて、世界的にデータセンター向けの設備投資が一巡し、半導体需要が急速に落ち込んだ。

これがサムスン電子の業績を悪化させ、韓国経済を直撃した。年初来、韓国の輸出・輸入ともに前年同月比で減少している。中国には、韓国にかまうだけのゆとりもない。中国政府は、米国との通商協議や景気減速の食い止めに必死だ。

韓国の経済界では、今後の企業業績に加え、ドルの調達能力への懸念も高まっている。大手信用格付け機関は、韓国企業の信用力が悪化し始めたと指摘している。元徴用工の賠償問題などを理由にわが国が制裁を発動すれば、韓国経済はボディーブローのようなかなりのダメージを受けるだろう。

文大統領としては、首脳会談を通して日韓の関係を修復・改善し、経済への影響を抑えたい。韓国には“日韓通貨スワップ取極”の再開を目指したいとの目論見も見え隠れする。

日韓通貨スワップ取極は、相手国が持つドルと自国通貨を融通しあう協定だ。韓国が豪中などと結ぶスワップ協定には、ドルと自国通貨の交換が含まれていない。

日韓通貨スワップ協定が再開できれば、韓国は経済の安全策を手に入れることができるだろう。文政権はそれを目指して、日本との関係改善を目指し始めたように見える。

期待できない本当の意味での関係改善

このように考えると、韓国は国内の厳しい反日世論と、日本との関係にいかに折り合いをつけるかという問題に直面している。

徐々に韓国政府は、自国の要求が日本の“我慢の限界”を超えてしまったことを察知し、危機感を持ち始めてはいる。

ただ、韓国政府がその危機感を根本から解決するためには、反日感情を高める世論をなだめる必要がある。その上で、韓国政府は対日関係の修復が自国に重要であることを、世論に納得させなければならない。

だが、いまの文政権がその取り組みを進めることは難しい。

現実的に考えると、文大統領は日本との関係よりも、世論への配慮を優先せざるを得ないだろう。過去、韓国の政治家は世論に迎合せざるを得なかった。それができないと、政治家生命が絶たれてしまう恐れがあるからだ。

結果的に、韓国の政治家は、世論の求める方向に動かざるを得なかったのである。

韓国の市民団体などは、元徴用工問題に関する追加訴訟を準備し始めた。世論の反日感情は増している。文大統領が世論をどのようになだめることができるか、有効かつ現実的な方策は見当たらない。また、韓国世論も許容できないはずだ。文大統領の支持率は、就任後最低の水準に落ち込んでいる。結局、怒る世論に一段と迎合せざるを得ないだろう。

ということは、「本当の意味」で韓国が、日本との関係改善を重視し、目指していると考えることは難しい。ここでいう「本当の意味」とは、韓国が国家間の最終的かつ不可逆的合意を順守するということだ。それは、韓国が政治と経済を安定させ、長期の視点で政策を進めるために必要だ。

しかし、政府が求めに応じないということそのものが、韓国の世論には受け入れられない。世論にとってその状況は、大統領が人々の要求に耳をふさいでいることと映るだろう。

そう考えると、今後、日韓関係が一段と冷え込む可能性が高いといえる。

日本は韓国の真意を見極め必要な措置をとればよい

まず、日本は文政権の真意を見極めなければならない。それと同時に、国際世論から自国の主張への理解と支持を獲得するために努力すべきだ。

文政権が日韓首脳会談の実現を重視し始めたのは、表向き、日本との関係をつなぎとめるためだ。それは、韓国の対日姿勢が根本から改められることとは異なる。韓国国内で文大統領が直面する状況を考えると、首脳会談の実現を境に韓国が1965年の日韓請求権協定の順守などにコミットするとは考えられない。

これまで韓国政府は、日韓の2国間協議への対応を求めるわが国からの督促に返答していない。韓国が“最終的かつ不可逆的”な政府間合意を守る確たる意思を表明していない以上、日本は、首脳会談開催の求めに応じる必要は特に認められない。

同時に、日本は自国の利益を守らなければならない。政府は、国家間の協定に明記された権利の行使を真剣に検討すべきだ。元徴用工の賠償請求問題に関して、韓国の原告団が、日本企業の資産を差し押さえるという“実害発生”の恐れが高まっている。

日韓請求権協定の規定に従い、日本は第三国委員を交えた仲裁委員会の設置申請の実行などを検討し、事態悪化を防ぐべきだ。原告団が日本企業の資産差し押さえに踏み切るなら、日本は、韓国への対抗措置を発動し、国内企業の経営を守らなければならない。

そのために、日本は何よりも、国際世論の支持や納得感を取り付けなければならない。その努力は必須だ。国際的にみて、日本の政治は安定感を維持している。政府はそれをフルに生かし、世界経済のダイナミズムとしての期待を集めるアジア新興国との関係を強化し、TPPなど多国間の経済連携の深化を目指せばよい。

同時に、関係強化に必要な経済支援や国内での構造改革は、積極的に進めるべきだ。日本はそうした取り組みを通して国際世論からの支持を取り付け、自国の利益を守ることを目指すべきだ。

(法政大学大学院教授 真壁昭夫)

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『英国のEU離脱がもたらす軍事的危機、尖閣略奪も 経済的問題にばかり焦点を当てて喜ぶのはロシアと中国』(3/25JBプレス 中谷 寛士)について

3/25希望之声<中国经济环境恶化 台商回台投资近千亿=中国の経済環境は悪化し、台湾企業は大陸から撤退し、投資が1000億元近く台湾に戻る>米中貿易戦争の影響で、中国は景気が低迷、また生産コストの上昇により、大陸の外資は次々と資産を中国から移し、台湾企業もその中に含まれる。台湾経済部の最新のデータによると、台湾企業の撤退は1000億元近くに上り、1万近くの就業機会を増やしている。

https://www.soundofhope.org/gb/2019/03/25/n2753050.html

3/25阿波羅新聞網<川普强硬北京承诺放松管制 美军舰再穿台湾海峡出人意外 白宫宣布伊斯兰国控制区被解放=トランプの強硬策は北京のガードを緩めさせる 米国の軍艦が再度台湾海峡に現れたのは意外 ホワイトハウスはIS支配区域が解放されたと宣言>3/28から中国での米中貿易交渉が始まる前に、トランプは、双方合意に達したとしても、米国は500億ドル相当の中国製品に継続して関税を課すことを公に表明した。 3/24米軍艦は今年3度目であるが台湾海峡を通過、これまでの年をはるかに超える頻度でこの敏感な海域で航海を続けた。 而も沿岸警備艇というのは意外であった。米国は、「これは“自由で開かれたインド太平洋地域”に対する米国の取り組みを反映している」と強調した。 トランプは23日、「IS支配地域を解放したが、今後も警戒を続ける」と述べた。

https://www.aboluowang.com/2019/0325/1265851.html

3/26阿波羅新聞網<美国形成广泛共识支持特朗普迫使中共改变结构性不公平贸易行为=米国はトランプを支持し、中共に構造的な不正取引慣行の変更を強制するための広範な合意を形成した>3/25(月)ロイター社は、「トランプが“米国優先”の貿易政策を進めるために関税を使い、北京が政府補助金で市場を歪める不公平な貿易慣行を変えるように迫っているのは、幅広い支持を受けている」との分析を報道した。

米中貿易交渉が最終段階に入ると、米国の政治家や企業幹部、外国の外交官は、トランプと交渉代表団に、「中国が米国や他の国、企業、従業員に及ぼす不公平な貿易での損害を解決するため、意味のある構造改革を行うこと」をずっと主張するよう促している。

報道によると、米国および国際的にビジネスを展開する企業は、中国の経済・貿易政策に対する不満が現れ、それが広がりを見せ、トランプの目標とますます一致してきた。

https://www.aboluowang.com/2019/0326/1265872.html

中谷氏の記事で、トランプが「ゴラン高原の主権はイスラエルにある」と認めたことは、ロシアのクリミアも実効支配しているため、領土と認めざるを得なくなるのでは。戦争で奪ったものは、強奪者の主権となり、その意味では北方領土も竹島も相手国の領土になってしまうのでは。南シナ海の人工島も認めざるを得なくなります。トランプのこの行為は良かったのかどうか?

英国のEU離脱で軍事的な問題と捉えたときに、EU内部での軍事費の負担について米国に依存し過ぎは如何なものかと思います。専制国家からの侵略の脅威に対抗するには多国間同盟が有効で、その効果に見合ったボデイガード料を払うべきでは。

英国がEU離脱しても米国がバックにいる限り、侵略は避けられると思いますが、心配すればキリがありません。各国それぞれ核を持とうと言うことになります。核不拡散を唱える国は其の責任をかみしめ、悪が蔓延らないようにしないと。

記事

英ロンドンで、議会の前に掲げられたEUの旗と英国旗の前を通り過ぎる男性(2019年3月4日撮影)。(c)Tolga Akmen / AFP〔AFPBB News

いよいよ英国の欧州連合(EU)からの離脱が目前となってきた。EUからの離脱は、英国の国際的な地位を低下させると懸念されている。

そうしたなか、一部の意見ではあるが、英国の国際的地位低下を防ぐ手段の一つとして、米国出身のメーガン妃の夫であるヘンリー王子を次の米国大使として任命すべきだとの意見さえ出てきた。

英国のEU離脱に関する話題の中心は、離脱後の経済問題、貿易、景気の動向、国境管理などである。

例えば、今年に入ってから英国国内で話題となっているのは、コードレス掃除機で有名な英国のダイソンが本社をシンガポールに移転するといった発表や、ホンダが英国南部スウィンドンにある工場を2021年に閉鎖すると発表したことなどだ。

両社とも、それぞれの決定に関しては、英国のEU離脱とは関係がないとしているが、専門家は英国のEU離脱の影響が出始めていると見る。

英国のEU離脱は、ヨーロッパ大陸への玄関口であった英国が扉を閉めることになり、投資先としての魅力が落ちるという見方は間違いではない。

このように英国のEU離脱に関しては経済問題に関する報道が多く、一般国民も実際に今後の生活に直接影響を与える経済に関連した問題を注視している。

景気動向、経済活動や国境管理などの直近の問題がより重要なため、注目されることはないが長期的に見れば、英国のEU離脱とは欧州の安全保障を巡る問題でもある。

英国のEU離脱と欧州の安全保障は全く関連がないように見えるかもしれないが、欧州の政治情勢の不安定化はこれを敵視するロシアにとっては好都合である。

また、歴史的にも英国が欧州の安全保障に貢献してきたことを忘れてはならない。

例えば、欧州の安全保障の専門家であるベアトリス・ホイザーに言わせれば、英国のEU離脱とは、本質的には経済上の問題ではなく安全保障の問題なのである。本稿では、この忘れさられた安全保障という観点から英国のEU離脱問題を考えてみたい。

政治と安全保障

そもそも政治情勢と安全保障が、どう関連しているかをまず考える必要があるであろう。ここで言う政治情勢とは、国と国との関係性だと考えてほしい。

身近な例を挙げれば、昨年6月にシンガポールで行われた初の米朝首脳会談を思い出してほしい。会談の数カ月前までは、ドナルド・トランプ大統領と金正恩総書記は、お互いを激しく挑発し、緊張関係が高まっていた。

さらに遡れば2017年には、北朝鮮はミサイル発射実験や核実験を行っていたが、会談以降、実験は一切行われていない。

つまり、この会談以降、米朝の政治関係はある程度落ち着いたということだ(もちろん何も具体的な進展はないが)。

もし、米朝のような対立関係にある国の政治関係が悪くなれば、最悪の場合、衝突が起きる危険性がある。

また、日本ではあまり知られていないが、1983年11月に行われた北大西洋条約機構(NATO)の定例演習(Able Archer)を旧ソ連側が、NATOが自らに対する先制攻撃を準備していると勘違いし、警戒態勢を敷き、自らも先制攻撃の準備を高めたという事件もあった。

この演習は、新冷戦と呼ばれ、米ソ間に緊張関係が高まっている時期に行われた。

演習前には、当時のロナルド・レーガン大統領がソ連を「悪の帝国」と呼んだこと、昨今、話題となっているINF条約締結のきっかけともなった、米国のNATO諸国へのパーシングII(中距離)ミサイル配備が目前と迫っている状況、そして「スターウォーズ計画」と呼ばれた米国の戦略防衛構想の発表といった背景があった。

このような政治情勢の悪化があったため、演習自体は定例演習であったにもかかわらず、ソ連は演習をNATO側の先制攻撃だと勘違いし、NATO側が知らないところで危機が高まっていたことは、注目に値するであろう。

敵対している者同士の関係が悪くなれば、武力衝突の可能性が高まるというのは自明の理かもしれないが、同盟国同士の政治関係が悪くなることが、果たして安全保障にどう影響を与えるのであろうか。

ここで、先述のNATOが実質的には欧州の安全保障に貢献しており、EUは地域統合体であり、特に経済統合がEUの主要な役割というように理解するのは自然であろう。

つまり、英国がNATOに加盟している限り、英国がEUから抜けようが、あまり影響がないのではないかという疑問がわくかもしれない。

確かに、この2つの組織は、本質的にも性格的にも2つの異なる組織である。実際に、英国のEU離脱が欧州の安全保障に与える影響はないと考える専門家も少なくない。

NATOは北大西洋条約機構という名前の通り、大西洋を越え、米国とカナダの北米国も含む軍事同盟である。

これに対し、EUは欧州連合、つまり欧州独自の地域統合体である。重要なことは、EUが地域統合という特徴を持っているからこそ、英国のEU離脱は長期的な安全保障上の問題なのだ。

現在、トランプ大統領のNATO軽視、最近では、昨年数回にわたって米国のNATOからの撤退を示唆していたことが報道されている。

こうした中で、ロシアの軍事的脅威は日々高まり、欧州は一つに結束する必要がある。このような悪化する政治情勢の中で、欧州統合の象徴を否定した英国を欧州諸国は頼ることができるだろうか。

ドイツのアンゲラ・メルケル首相は英国のEU離脱を受け、欧州は今こそ団結が必要な時だと述べた。

また、NATOの事務総長であるイェンス・ストルテンベルグ氏は、2016年6月のEU離脱の是非を問う国民投票を前に、英国のEU離脱は、EUだけでなくNATOにとっても欧州の分裂を招く恐れがあるので、望ましくないといった旨の発言をした。

英国のEU離脱は欧州に大きな亀裂を作るきっかけとなると言われている。それはNATOに加盟する欧州諸国内での亀裂にも自ずと繋がるという見方があるのも事実だ。

実際、NATO加盟29カ国中、22カ国はEU加盟国でもある。英国のEU離脱は「英国と欧州諸国との離婚」と称されることがあるが、たとえ円満離婚であろうと離婚は離婚なのである。

冷戦中、英国は欧州諸国の「団結」がソ連との戦争を抑止するためには必要だという考えを持っていた。

皮肉なことに、抑止に必要だと考えていた欧州の結束をEU離脱で自ら壊すこととなる。英国のEU離脱によって、NATOの予算の約80%がEU加盟国外から来ることになる。

これは、どういう意味があるのか。

具体的に英国のEU離脱が欧州の安全保障に与える影響を理解するために、英国が欧州の安全保障にどのように歴史的に貢献してきたかを簡単に見ていきたい。

英国と欧州の安全保障

英国は、地理的に見れば、日本と同じく島国であり、ヨーロッパ大陸とは海で隔てられている。

しかし、2度の未曾有の世界大戦が英国に教えた教訓は、ヨーロッパ大陸で起きた戦争は、英国の安全保障にも直接影響を与えるということだ。

特に第2次世界大戦中、航空機が発達しロンドンはドイツ軍の激しい空襲を受けた。このことは、英国とヨーロッパ大陸を隔てる海は、安全保障上の障壁とはならないことを証明した。

つまり、欧州大陸の安定が英国の安定と繁栄にも直接影響するということを英国は学んだのだ。

第2次大戦後、欧州諸国は戦争によって疲弊し、英国もかつて誇った大英帝国の栄光にも陰りが見え、ドイツが破れたことで生じたヨーロッパ大陸内の「力の空白」を単体で埋める力をすでに失っていた。

この戦争で生じた「力の空白」を最大限に利用したのが、ソ連であった。

ソ連は、ドイツが第2次大戦中攻め入った東ヨーロッパの国々(ポーランド、ルーマニア、チェコなど)を自分の支配下に吸収した。

加えて英国だけでなく、西ヨーロッパ諸国が2度の世界大戦から学んだことは、欧州の安全保障には、米国の力は欠かすことができないということだ。

特に、米国は両大戦において、戦争が始まった後に参戦したことから、戦時同盟ではなく、米国を平時から欧州の安全保障に関与させる必要性があった。

NATOとは、本質的には欧州の安全保障のために、米国を戦時ではなく平時から軍事同盟に含めるという安全保障上、非常に重要な考えを体現した組織である。

この軍事同盟創設に深く貢献したのが、英国であった。

英国が中心となり、1948年に相互防衛を定めたブリュッセル条約が英国、フランス、ベルギー、オランダ、ルクセンブルグの間で締結された。

この条約は2つの点において重要であった。第1に、この条約は、翌年1949年に締結された北大西洋条約の先駆けとなった。

米国を含む軍事同盟を作るにあたり、まずは当然ながら西ヨーロッパ諸国が西ヨーロッパの安全保障に自ら責任を持つことが重要であった。

米国自身もこれらの国々の力だけでは、西ヨーロッパの安全を維持するのには不十分であることをよく理解していた。

また、ドイツに対する「宥和政策」が第2次世界大戦のきっかけとなったことから、米国は経済、外交、軍事力などを使ってソ連共産主義を「封じ込める」戦略を採用するに至った。

これらのことから、ヨーロッパ大陸における共産主義拡張に危機感を抱いていた米国は、英国とフランスの誘いを受け、1949年北大西洋条約を締結することに合意した。

第2に、この条約は西ドイツを含んだ西欧同盟創設へと繋がり、EU発足後は西欧同盟が定めた相互防衛条項はリスボン条約42条7項へと受け継がれた。詳しくは、のちほど見ていくが、この条項は英国のEU諸国への「核の傘」の提供でもある。

冷戦中、ソ連の通常戦力に圧倒されたNATO加盟国は、戦争の疲弊からまだ抜け出しておらず、軍事予算の大幅な増強を望まず、米国の核戦力がヨーロッパの安全保障上の頼みの綱であった。

また、1962年英国は米国との「特別な関係(両国の密接な政治的関係性を表す)」を使い、米国が持つ潜水艦発射弾道ミサイル(ポラリス)を英国に供給(売却)することを米国に合意させる。

当初、当時のジョン・F・ケネディ政権は、英国に自らの弾道ミサイルを売却することに難色を示した。

それでも米国政府は英国との「特別な関係」を維持する重要性、そして、売却するにあたり、英国のポラリスミサイルは、特に平時においては、NATOの安全保障に関与することを条件に、ミサイルの供給に合意した。

つまり、1962年より英国の核戦力は、西ヨーロッパ諸国に「核の傘」を提供しており、英国は一種の「大西洋の架け橋」となったのだ。

ただ、上記で「特に平時」と記したように、英国の「至高の国益」が侵害されうる状況下においては、ミサイル発射の権利は、英国政府のみに与えられている。

つまり、究極的には英国は、他の核保有国と同じく、核使用に関しては独立した意思決定権を持っているのだが、英国は自らの核戦力をNATOの抑止のために提供しているのも事実だ。

もっと端的に言えば、NATOの「核の傘」は二重になっているのだ。

冷戦中、特にこの点は重要であった。米国はヨーロッパのために本当に核を使う覚悟があるのかという不安が常に欧州内には存在した。

そこで、もし米国が仮に核使用を躊躇した場合には、英国が持つ核戦力を使用するという決意を英国が示すことで、NATO内の不安の解消を図った。

また、戦略的に見た場合、NATO用の英国の核戦力の存在は「第2の神経中枢」であり、ソ連の核使用を複雑にする役割があった。

つまり、ソ連が、米国がヨーロッパのために核使用することはないと確信したとしても、まだ英国の核戦力という存在を見過ごすことができない状況を作ったのだ。

また、「核の傘」に加えて、英国はNATO諸国の核政策に関する不安を聞き入れ、米国と調整するという役割も担っていた。

そして、英国が米国と協力して創設したのがNATO内の核計画グループであった。

これにより、NATO内にNATOの核政策を核保有国と非核保有国が直接協議する場所を設けたのであった。このように英国は「大西洋の架け橋」となったことで、欧州内の調整を図る重要な役割を担ってきた。

英国は、この米国との「特別な関係」に加え、G7、国連安保理の理事国、EUの主要加盟国でもある。このような要の立場を持つ国がEUから抜けると、EU全体に影響を及ぼすというのは当然と言えよう。

英国のEU離脱のヨーロッパの安全保障への影響

このように、英国は歴史的に欧州の安全保障において重要な役割を担ってきた。それでは、英国のEUからの離脱には、具体的にどのような影響があるのだろうか。

最も身近な例を挙げれば、EUが2008年からソマリア沖で行ってきた海賊対処活動から英国は撤退することになる。実際に、この海賊対処の司令本部は英国からスペインへと移転する。

また、昨年3月に英国南部ソルズベリーでロシアの元スパイがノビチョクというロシアが開発した神経剤によって、ロシアのスパイによって毒殺されそうになった事件があったのは、記憶に新しい。

この事件に対し、今年1月、EUは特定のロシア高官を対象にした制裁(EU内の渡航禁止及び資産の凍結)を科した。当然、今後このようなロシアの英国に対する主権侵害行為にEUは共同で対処することができなくなる。

今後、ロシアによるEU諸国と英国の結束を試すような事件が再び起きるかもしれない。

この事件に対する英国とEUの対応次第では、欧州におけるロシアの軍事的な挑発行動がより活発になる恐れがある。

2014年のロシアによるクリミア併合以降、欧州においてロシアの脅威が再び高まっている。

このような悪化する欧州の安全保障環境を反映し、2016年2月、BBC(英国放送協会)はドキュメンタリー風ドラマ「World War Three: Inside the War Room(第3次世界大戦を想像する)」を放映した。

このドラマにおいては、2014年のウクライナ危機と同じようなことが、ロシアと直接国境を接するバルト三国でも起きることが想定された。

そして、バルト三国(エストニア、ラトビア、リトアニア)の安全保障を巡って、NATOとロシアが核戦争へと近づいていくといった非常にショッキングな内容であった。

実際に、欧州の安全保障の専門家は、ロシア軍に対し小規模な軍事力しか持たないバルト三国の安全を危惧している。

重要なことは、ウクライナと違いバルト三国はNATO加盟国ということだ。つまり、バルト三国への武力攻撃は、集団防衛を基礎とするNATOに対する武力攻撃でもあるのだ。

また同じく、2016年5月には、NATOの副最高司令官を務めた英国陸軍元大将のリチャード・シレフ氏が書いた「War with Russia(ロシアとの戦争)」という小説が出版され、話題となった。

本書は題名の通り、ロシアとNATOが欧州で戦争するという内容だ。本書はあくまで小説ではあるが、作者の経歴からNATO内の現在の雰囲気、ロシアの脅威といった点が現実的に描写されている。

作者の一番重要なメッセージは欧州の安全保障は危機に陥っているということだ。

シレフ氏はロシアとの戦争は避けられると考えているが、そのためには、NATO加盟国は軍事予算を増加するなど、ヨーロッパの安全保障により積極的になる必要があり、何よりNATO内の団結が必要だと強調する。

シレフ氏は英国のEUからの離脱に反対している。同氏が自身の小説を通して強調したことは、冷戦下と違い集団防衛という意識がNATO内で欠如しているということだ。

具体的には、同じNATO加盟国でもロシアに対する脅威認識が異なる。

バルト三国やポーランドなど冷戦時代、ソ連の支配下にあり、ロシアと国境を接する国は、ロシアを非常に脅威として見ているが、南ヨーロッパの国々、イタリア、ギリシャ、スペインなどは、ロシアよりも自国の課題(経済問題など)がより重要である。

つまり、ロシアをそこまで脅威として見ていないのだ。

また、これらの南ヨーロッパの国々だけでなくバルト三国のような冷戦後NATOに加盟した小国をなぜ、NATO全体で守らなければいけないのか、という意見があるのも事実だ。

そして、NATOの安全保障上の支柱である米国の大統領がNATOを「時代遅れ」と呼んだり、NATOから撤退したいと個人的に発言したりなど、米国の同盟国としての信頼性が疑問視されている。

このような背景の中での、英国のEUからの離脱である。

タイミングが悪すぎたと言うべきか。本来であれば、英国はEUに残ることで、欧州の結束を訴えなければならなかった。

そして、米国との「特別な関係」を生かし「大西洋の架け橋」としての役割が期待されたのだが、EU離脱により英国の欧州における地位の低下は避けられない。

すでに2017年の時点でドイツのメルケル首相は、米国と英国にもはや頼ることはできないと示唆している。

注目すべきは、ドイツではトランプ政権の米国第1主義やNATO軽視から、ごく一部ではあるが、ドイツの核武装も必要だという意見が出てきたことだ。

もちろん、ドイツの核武装などドイツ国民の大半が望んでいないことであるが、このような意見が出てきたこと自体が、ヨーロッパの不安を反映していると見るべきであろう。

英国のEU離脱はEU内の政治的な亀裂を作り、他のEU加盟国のEU懐疑派を勢いづける可能性がある。

現に、2017年のフランス大統領選では、反EUを掲げたルペン候補が決選投票まで残り、EU離脱のドミノ現象が起きるのではないかとEU内では不安視された。EU内で生じた政治的な亀裂はNATO内の亀裂へと繋がる可能性もある。

というのも、先述した通りNATO加盟国の大半はEU加盟国でもあるからだ。このような不安定な政治情勢では、EUもNATOも得をしない。

あるEU加盟国の高官に言わせれば、欧州内の政治的な亀裂こそ弱点となるのだ。この状況で得をするのは、NATOを敵視するロシアである。

ロシアとしては、欧州内の政治的分裂を加速させたい。実際に、ロシアが反EUの活動家たちに金銭的な援助を行っていることが疑われ、EU加盟国の総選挙では、EU懐疑派を裏で支持しているとも言われている。

もちろん、このような裏工作はソ連時代にも存在した。冷戦下においては、欧州内(ドイツなど)の反核運動をソ連が裏で奨励していたことは、よく知られている。

ロシアとしては、ライバルが勝手に自己分裂してくれた方が望ましいというのは当然であろう。

もっとも、ロシアはNATOが本当に消滅するとまで考えているかは疑問であるが、ロシアが現実的に望むことは、NATOを軍事同盟ではなく、単なるディベートクラブにすることである。

つまり、議論は行っても実質的な軍事行動を取らせないようにさせることだ。より端的に言えば、NATOを中立化、または少なくとも弱体化させたいのだ。

逆にロシアが最も望まないのは、ロシアという巨大な熊にキツネやタヌキなどの小動物でも一枚岩となって向かってくることだ。

また、この小動物の集団の後ろには米国という大怪獣がいる。この構図が欧州における抑止の論理である。

この抑止の論理からすれば、皆が右を向く必要があるのに、英国だけ真っ先に左を向いたことになる。誰かが左を向けば、他にも左を向く者たちが出てきてもおかしくはない。

英国が、今後も欧州の安全保障に貢献していくと宣言しても、欧州諸国はこの宣言を懐疑的に見るのは当然である。

また、英国は、EUから離脱することによって、EUの改革条約であるリスボン条約42条7項が定める相互防衛義務からも抜けることになる。

この条約の原型は、相互防衛を定めたブリュッセル条約である。この42条7項の特徴は、EU加盟国に対する武力攻撃が生じた場合、加盟国は「すべての手段」を使用し、加盟国を支援、そして援助する「義務」があることだ。

ただ、EUには、軍事的に中立国であるアイルランドなどの国も存在するため、必ずしも全加盟国による軍事支援などが行われるわけではない。

また、どのような行動を取るかは加盟国次第であり、軍事行動を絶対に必要としているわけではない。

この点においては、NATOの集団防衛を定めた第5条(加盟国に対する武力攻撃は、全加盟国への攻撃と見なす)と大差はない。第5条も必ずしも加盟国に軍事行動を取るように定めているわけではない。

ただ、リスボン条約においては、「すべての手段」と明確に定められているため、この条約は、EU諸国に対する英国の「核の傘」の提供とも理解されている。

むろん先述の通り、英国はNATOを通して「核の傘」を提供してきたので、NATO加盟国に対する「核の傘」がなくなることはないが、このような条約から抜けることで傘への信頼性だけでなく、英国の同盟国としての信頼性を低下させることとなる。

実に、この条項は相互防衛を宣言することによってEU内の結束を強める目的を持っているのだ。

フランスのマクロン大統領が昨年11月発言したように、英国のEUからの離脱は欧州の政治的な分裂を明確にしたのである。

2度の世界大戦を経て、ヨーロッパ大陸の問題は、英国の問題でもあると理解した英国は戦後欧州の安全保障に深く貢献した。

冷戦中、米国との「特別な関係」を持つ英国は欧州の安定に寄与したが、皮肉なことに21世紀の現在においては、逆に英国自体が不安定要因となっている。

英国が欧州から距離を置いても、欧州で起きた問題から離れられるわけではない。英国がEUから離脱しても、英国は西ヨーロッパの端に位置する島国であることに変わりはない。

本稿では、あくまで欧州の安全保障を中心に論じたが、最後に日本への影響を簡単に見てみたい。

ロシアが欧州諸国と戦争したいなどと考えているわけではないが、仮に欧州でロシアと戦争が始まった場合、遠い日本に影響を与えることなどないと思うかもしれない。

だが、可能性は少ないながらも、2つのことが言える。

まず、欧州で起きた戦争が、アジアに飛び火する可能性は非常に低いがゼロではない。つまり、対岸の火事と傍観を決め込んではいられない。

ただ、この点に関しては、飛び火しない可能性も大いにあるので、不用意に危機を煽るつもりはない。

次に、火事場泥棒的な活動があり得る。戦争が飛び火すると述べたが、飛び火する理由としては、欧州で生じた混乱に乗じて、領土紛争を抱える国々が、領土をわが物にしようと軍事行動を開始するといったものだ。

1962年10月に起きたインドと中国の国境紛争は、キューバ危機で世界の注目がキューバに集まっている間に中国が計算的に始めた戦争との分析もある。

また、1950年10月の中国のチベット侵攻は、朝鮮戦争に世界の注目が集まっている時に起きた。

このような火事場泥棒的なことが尖閣諸島、南シナ海、台湾で起きるかもしれない。

火事場泥棒的に開始された軍事侵略がエスカレートして戦争にまで発展しない可能性はゼロではないのだ

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『北朝鮮、「ハノイ会談決裂」で消されそうな側近の名 漂流する東アジアを撃つ』(3/25JBプレス 右田 早希)について

3/26阿波羅新聞網<数十栋大楼被炸空 江苏大爆炸到底死了多少人=数10棟のビルが爆発で吹っ飛ぶ 江蘇省化学工場の爆発で一体何人が死亡したのだろうか>爆発した工場の労働者が“大紀元”に明らかにしたのは、「工場従業員は190人」と。 専門家は、「化学爆発によってできた高圧空気が人体を粉砕し、遺体を見つけられない可能性がある」と述べた。3/25中共の公式発表は「江蘇省爆発事故の死者は78人と増え、周辺2平方キロ内の20社が捜索救助に当たり、14名の新たな犠牲者が見つかった」と。航空写真によると、爆発地の20のビルは破壊され、ネチズンたちは死者・行方不明者の公式発表数字の信憑性について疑問を投げかけた。

公開された爆発シーンの多くの映像は、爆発が強力だったことを表している。 江蘇省消防救助隊の参謀長は、「爆発の威力は強力であり、中心地域の犠牲者は瞬間的に気化した可能性も排除できない」と語った。

大陸の専門家は“大紀元”に次のように説明した。「核爆発の中心は100万度にもなり、鉄塔すら気化してしまうが、化学物の爆発は通常数千度である。気化の可能性はそれほど大きくないが、人体が高圧粉砕されれば、遺体が見つからない可能性もある」と述べた。

昨日、本ブログでも取り上げましたが、遺体数の正確な所は分からないという事でしょう。温州での新幹線事故があっても、平気で生き埋めにしようとするお国柄ですから。人民の命は軽いという事です。

https://www.aboluowang.com/2019/0326/1265885.html

3/25阿波羅新聞網<贸易战冲击 日本家电商Iris中国部份生产移至南韩=米中貿易戦争は日本のアイリスオーヤマに中国生産の一部を韓国に移転させる>日経新聞によると、アイリスオーヤマの大山晃弘社長は「日米貿易戦争に対応するため、2020年までに中国の生産の一部を韓国に移転する計画である。リスク分散の為、現在蘇州、広州で製造しているファンは、来年一部の生産を韓国に移す予定」と述べた。

アイリスオーヤマは主にLED照明や空気清浄機などの家電製品を生産している。来年、中国から米国への輸出が困難になるかもしれず、それを避けるために、中国生産の約5%を韓国に移転する計画である。

どうして反日国家に生産拠点を移すのでしょうか。よりによって韓国とは。日本人が嫌韓になっているというのに。日本に工場を造れば良いでしょう。アイリスオーヤマ製品は安くても買わないようにした方が良い。日本企業とは思わない方が良いでしょう。

https://www.aboluowang.com/2019/0325/1265866.html

3/26看中国<是何用意?美财政部对朝鲜加新制裁 川普下令撤回(图)=意図は何? 米国財務省は北朝鮮に追加制裁を課そうとしたが、トランプは撤回を命じた>3/22トランプはツイッターで米国財務省が北朝鮮に追加制裁を課そうとしたがそれを取り下げさせた。政治評論家の陳破空はトランプがこう出た動きの深い意味を分析した。トランプ政権が北に対する制裁を解除したと聞いて、多くの人が理解できなかったが、実際にはそうではなく、追加制裁を取消しただけである。トランプは、「私は金正恩が本当に好き」という理由で、この追加の制裁は不要であると簡単に述べた。陳破空は、「これは非常に礼儀正しく、ビジネス的で、外交的な修辞である」と述べた。実際、一方を引き寄せ、もう一方を攻撃することになる。北朝鮮を引き寄せ、中共とは戦う。トランプは主敵が誰であるかを知っており、下位の敵とはうまくやりたいと考えている。トランプは金正恩との首脳会談を昨年6月にシンガポールで、そして今年はベトナムで開催した。二度目の首脳会談はうまくいかず、金正日は体調を崩し、すぐには北朝鮮に戻ることができなかった。「トランプは得るものもなく去った」と言う人もいるが、そうではない。トランプのアプローチは、北朝鮮を安定させ、主敵である共産主義者北京に対処することである。彼の戦略意図は非常に明確であり、金正恩が米中貿易交渉において問題になることを望んでいない。

金正日に親切で友好的である理由を誰かが尋ねると、トランプは「私は不動産ビジネス出身だから何が最重要かを良く知っている。地位、地位、地位だ」と答えた。陳破空が解説するのは、「北朝鮮の地政学的位置は中国へのゲートであり、中共のバッファーゾーンである。北京は北を手駒として使おうとしているがトランプは手なずけようとしている。一方、中国企業の2社に制裁が課され、他方、北への追加制裁措置は取消された。 二度目のトランプ・金会談が破局後、金正恩の外務次官は「ミサイルや核実験を再開する」と脅したが、そうは行動せず、北が一方的に韓国との連絡事務所から職員の引き上げをした。トランプは金をすぐに宥めたが、これがトランプ政権の戦略的意図である」と。

https://www.secretchina.com/news/gb/2019/03/26/888468.html

右田氏の記事で4月11日に最高人民会議を開催するとあります。3/24本ブログで紹介しました宮本悟氏の論考では「憲法改正して大統領になるのでは」と言うものでした。まあ、習近平も呼称は、海外では“General Secretary”でなく“President”です。金が大統領に拘るとすれば、如何にも民主的手続きで選ばれたと世界に誤認させるためでしょう。でも100%近い信任票が民主的に選ばれた代表となる事はあり得ないです。愚かとしか言えませんが。

金英哲も張成沢と同じ運命を辿るのか、はたまた金正恩がクーデターで駆逐されるのか、4/11の動きを注視しましょう。米国の軍事的圧力は来年の大統領選まではお預けでしょうが、瀬どり等密輸の監視は強化されると思います。経済がどうなるかです。陳破空の言うように中国を裏切り、米国に付く決断を金正恩ができるかです。その時には核は放棄しないとならず、金にとっては非常に難しい。かといってこのままでは、経済が衰退していくだけで、クーデターが起きるかもしれず、デイレンマです。日本にとっては、反日国は滅びた方が安全になりますが。

記事

ベトナム・ハノイで行われた2回目の米朝首脳会談で、休憩中に散歩するトランプ大統領(右)と金正恩朝鮮労働党委員長(左)。北朝鮮の国営朝鮮中央通信(KCNA)配信(2019年2月28日撮影)。(c)AFP PHOTO/KCNA VIA KNS〔AFPBB News

(右田早希:ジャーナリスト)

3月22日、朝鮮労働党中央委員会機関紙『労働新聞』に、「朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議常任委員会決定 第228号 主体108(2019)年3月21日」と題した告知が掲載された。内容は、以下の短いものだ。

<朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議を召集することについて
朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議常任委員会は、次のような決定をした。朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議第14期第1次会議を、主体108(2019)年4月11日、平壌で招集する。
朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議常任委員会 平壌>

何とも重々しい言い回しだが、要はたった1日だけの「国会」を、4月11日に行うということだ。

そんな中、いま平壌で「不穏な噂」が囁かれている――。

プッツリ途絶えた金正恩氏委員長の消息

最高人民会議に先立つ1カ月前の3月11日、『労働新聞』は、「わが党と国家、軍隊の最高領導者・金正恩同志におかれましては、最高人民会議代議員選挙に参加されました」と題する記事を掲載した。

<朝鮮労働党委員長でおられ、朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員長でおられ、朝鮮人民軍最高司令官でおられる、わが党と国家、軍隊の最高領導者・金正恩同志におかれましては、3月10日、最高人民会議第14期代議員選挙のため、第10号区第40号分区選挙場で、選挙に参加された。
午前11時、わが党と国家、軍隊の最高領導者、金正恩同志におかれましては、金策工業総合大学に設置された選挙場に到着された。敬愛する最高領導者同志におかれましては、金策工業総合大学総長の洪ソホン同志、党委員長の李ソンウク同志と面会された。慶祝の踊りの海となって満ち満ちている大学構内に爆風のような「万歳!」の歓声が、朗々と湧き上がった……>

つまりは、金正恩委員長が、最高人民会議の選挙の投票所に足を運んだというニュースだ。この選挙によって、687人の代議員(国会議員)が選出された。ちなみに、各選挙区の「推薦者」(立候補者)は一人で、推薦された全員が当選したことになる。投票率は99・99%! それでも100%にならなかったのは、海に出ていた漁師や、海外出張者などがいたからだとか。

北朝鮮の首都平壌で、最高人民会議代議員選挙の投票所前に並ぶ市民ら(2019年3月10日撮影)。(c)Ed JONES / AFP〔AFPBB News

だがその後、2週間にわたって、金正恩委員長の消息が、プッツリと途絶えている。これまでは、頻繁に各所へ現地視察に出ていることを宣伝煽動するのが常だったことを思えば、2週間も音信不通というのは、「事件」である。

代議員名簿から唯一漏れた「ハノイ組」幹部

「異変」はもう一つある。2月27日、28日のトランプ米大統領との2度目の米朝首脳会談、いわゆる「ハノイの決裂」については、今月のこのコラムでお伝えした通りだ。その中で、金委員長に同行した主な幹部たちは、大方が最高人民会議の代議員に選出されている。金委員長の妹・金与正党第一副部長、李容浩外相、崔善姫外務次官らだ。

だが、一人だけ代議員名簿から名前が漏れている「ハノイ組」がいる。金英哲党副委員長である。昨年来、アメリカ側のポンペオ国務長官のカウンターパートとなって交渉を取り仕切ってきた、金正恩委員長の最側近である。実際、金英哲副委員長の動向は、3月5日に金正恩委員長一行が、「1号列車」(専用車)で平壌駅に戻って以降、ただの一度も伝えられていないのだ。

米首都ワシントンで、北朝鮮の金英哲朝鮮労働党副委員長(左)を迎えたマイク・ポンペオ米国務長官(2019年1月18日撮影)。(c)SAUL LOEB / AFP〔AFPBB News

金英哲は、日本植民地時代が終わった翌年の1946年に、中国国境に近い両江道で生まれた。革命元老の子弟が学ぶ万景台革命学院を経て、金日成軍事総合大学を卒業。卒業後は、軍事停戦委員会の連絡将校として、開城に勤務した。2000年代に入って、「帝王学」の一環として、金正恩委員長が金日成軍事総合大学で軍事教育を受けた際に、「軍事理論」の教官を務めた。この時以降、金委員長は、38歳も年上の金英哲副委員長を、敬愛するようになった。

金委員長が父親の金正日総書記から後継者指名を受け、正式に後継者としての道を歩み始めたのは、満25歳の誕生日、すなわち2009年1月8日からである。この年の春に、金正恩委員長の発案で、朝鮮人民軍に、本格的なサイバーテロ部隊を傘下に収める偵察総局が発足した。その時に金委員長は、最も信頼を置く一人である金英哲副委員長を、偵察総局長に据え、自らが指導した。そこから、金正恩―金英哲時代が始動していくのである。

金英哲副委員長は、前述のように、昨年来のトランプ政権との交渉で、北朝鮮側の交渉責任者を務めた。そして、昨年6月のシンガポールでの歴史的な米朝首脳会談を成功させたことで、金委員長から絶対的な信頼を勝ち取るに至った。

ところが、相手はあのトランプ大統領である。合意に至るか未知数の「ハノイ会談」を、開催すべきかどうか――今年に入って、アメリカと北朝鮮が、それぞれ逡巡した。

その時、平壌で「大丈夫です。必ず、アメリカとの交渉はまとまります」と、金正恩委員長の背中を押したのが、金英哲副委員長だったという。それで金委員長は、最終的にハノイ行きを決めたのだ。

だが、結果は周知の通り、「決裂」に終わった。「ノーディール」でも、「また次があるではないか」とお気楽に言えるのは、アメリカ側である。

北朝鮮側は、そうはいかない。金正恩委員長はおそらく、これまでの35年間の人生で、初めて本格的な挫折を味わったことだろう。かつ、最高権威としての面目は、国際的にも国内的にも丸潰れである。特に国内的に、「何か」をして取り繕わないと、大きく傷ついた面目は取り戻せない。

と言うわけで急遽、4月11日に最高人民会議の開催を決めたのである。そして、前述の「不穏な噂」とは、最高人民会議で、「ハノイの決裂」の「A級戦犯」として、金英哲副委員長を断罪するというものだ。

処刑され、遺灰すら残らなかったかつてのナンバー2

思い起こすのは、かつて「不動のナンバー2」と呼ばれた金正恩委員長の叔父(父の妹の夫)、張成沢党行政部長が、2013年暮れに、血祭りに上げられた時のことだ。シェパード犬に噛まれる拷問刑を受けたあげくに、火炎放射器で燃やされ、遺灰すらも残らなかった。もしかしたら、すでに金英哲副委員長に対するシェパード犬拷問が始まっているかもしれない。

北朝鮮・平壌で開かれた労働党中央委員会政治局拡大会議で、警備員に連行される張成沢国防委員会副委員長を写したとされる画像。張成沢氏は2013年12月12日、処刑された。News1提供(2013年12月9日公開)。(c)News1〔AFPBB News

だが問題は、金英哲副委員長を粛清した後である。国連の経済制裁によって、北朝鮮経済は、日増しに悪化している。朝鮮人民軍の強硬派は、核やミサイル兵器の開発再開を突き上げている。金正恩政権の内憂外患は続く。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。