A『高市政権は「台湾有事内閣」になる……?!ジャーナリスト・峯村健司が警告する日中衝突可能性のリアル』、B『「台湾有事を防ぐために、高市政権には圧倒的に足りないものがある」ジャーナリスト・峯村健司のリアルな警鐘』(11/17現代ビジネス 週刊現代)について

11/16The Gateway Pundit<FBI Director Kash Patel Speaks Out on Investigation into the J6 Pipe Bomber as Speculation Regarding Suspect’s Identity Intensifies (VIDEO)=容疑者の身元に関する憶測が広がる中、FBI長官カシュ・パテル氏がJ6パイプ爆弾犯の捜査について発言(動画)>

爆弾設置犯人を特定し、裏に誰がいるかを早く発表してほしい。

TGPの読者の皆様はご存知のとおり、身元不明の容疑者(身長約173cm)が、1月5日、議事堂襲撃事件の前夜、共和党全国委員会と民主党全国委員会の本部にパイプ爆弾を仕掛けたという情報が何年も前からありました。関心は高まり続けていますが、FBIは未だに爆弾を仕掛けた犯人を特定できていません。

FBI長官カシュパテルは本日、「サンデー・モーニング・フューチャーズ」に出演し、司会者のマリア・バルティロモ氏と共に進行中の捜査について議論した。彼は、今後さらなる情報が得られ、実際に何が起こったのかという真実のすべてが明らかになる可能性もあると示唆した。

https://x.com/i/status/1990088015008473194

パテル:パイプ爆弾犯のような社会的に重要な大々的な捜査に関しては、引き続き注目してください。

私たちは、公衆に影響を与える調査をすべて再調査しました…私たちは、これを放置することはできないと感じています。私たちは、これらの問題を放置せず、フェイクニュースメディアに踏みにじられるままにするつもりはありません。

私たちの起訴状は法廷で力強い発言をします。

バイデン政権のFBIは、ラウダーミルク下院議員がFBIが大規模な隠蔽工作を行っていたことを明らかにする報告書を発表した後、1月6日のパイプ爆弾犯の新たな映像を1月初旬に公開した。

1月6日のパイプ爆弾事件に関する下院行政委員会監視小委員会が発表した報告書には、FBIが2021年に容疑者の捜索を中止し、証拠を隠蔽していたことが示されていることを思い出すことができる。

クリス・レイ長官率いるFBIは、議会捜査への協力を拒否した。しかし、パテル長官はFBIの誠実さを回復するという約束を果たした。

3月に、彼は1月6日に起きた謎のパイプ爆弾事件に関連する爆発物の文書を下院司法委員長ジム・ジョーダン(オハイオ州共和党)と彼の調査委員会に正式に引き渡した。

9、1月6日のパイプ爆弾に関するFBIの研究所報告書が公開され、爆弾には「破壊力」があったものの爆発しなかったことが示された。

さらに、共和党全国委員会のパイプ爆弾を発見した目撃者は、爆弾に取り付けられていたキッチンタイマーの残り時間はわずか20分だったと証言しました。これは時系列の筋書きを覆し、共和党全国委員会の爆弾は発見される直前に仕掛けられていたことを示唆しています。

両方の爆弾に取り付けられたキッチンタイマーには 60 分のタイマーしかありませんでした。

ブレイズは今月初め、鑑識の結果、パイプ爆弾の犯人は議会警察官のショーニ・カーコフだと特定したと報じた。これはMAGA(マジカル・アソシエーション)界隈で激しい論争を巻き起こした。

注目すべきは、ケルコフに関するこの情報は当局や他の報道機関によって確認されていないということだ。

今のところ、犯人は謎のままだ。

https://www.thegatewaypundit.com/2025/11/fbi-director-kash-patel-speaks-investigation-j6-pipe/

https://x.com/i/status/1990164549140631809

https://x.com/i/status/1988079664212938899

11/17阿波羅新聞網<高市和中共拼了?!日本霸气发片:准备好了!—德媒评高市遭文攻:语言暴力是中共政治暴力一部分=高市と中共はなりふり構わずやる?!日本は覇気に富む映画「準備万端!」を公開 — ドイツメディア、高市は言葉の攻撃に遭うとコメント:暴言による暴力は中共の政治暴力の一部>

日本の公式統計によると、今年1~9月の訪日外国人観光客は3,165万人で、そのうち中国からの観光客は749万人と、前年比約43%増加している。これは、民間の人的交流が活発であり、ハイレベルの緊張の影響を受けていないことを示している。(画像:AP通信)

高市早苗首相の「台湾有事」発言を受けて、薛剣駐大阪中国総領事や一部の中共国営メディアによる攻撃的な言動が注目を集めている。ドイチェ・ヴェレは15日、中国当局と国営メディアが外国の指導者を侮辱するのに綽名を使うのは「賢く、賢明」な行為と捉え、下品で粗野な言葉遣いは「国力」を象徴すると考えているという記事を掲載した。中共の建国以来、言葉による暴力は政治暴力の一部となってきた。

元中国メディア専門家の長平が執筆したドイチェ・ヴェレの記事によると、多くの中国人家庭が子供たちに、相手を特に侮辱する際に相手の名前の同音異義語を綽名として使うように教えているという。これは極めて不適切であり、インターネットスラングでは「大変Low」で無教養とみなされている。記事はまた、下品な言葉遣いに対し使用をさけるよう警告を発し、子供たちには、たとえ激怒している時でも、深呼吸をして相手と話し合うようにとアドバイスしている。

記事は、中国当局と国営メディアが、外国の指導者を侮辱する際に綽名を使うことは「賢さ」の一種であり、下品な言葉遣いは「国力」を象徴すると考えていることを直接的に指摘している。

高石早苗の「台湾有事」をめぐる論争において、CCTV傘下のニューメディア「玉淵譚天」は、高市を「騒動を巻き起こしている」と非難し、早苗は「满嘴喷粪=口から糞を吐き出すような混乱を起こさないよう」助言し、「ロバに頭を蹴られたのではないか」と疑問を呈する記事を掲載した。

薛剣がXプラットフォームに投稿した投稿はさらに衝撃的だ。「侵入してきたその汚らしい頭は、ためらうことなく切り落とすべきだ。覚悟はできているか?」と。

この記事は、子供の教育という観点から、中国の親たちはこのような下品で残忍な外交官の追放を心から支持すべきで、「口から糞を吐き出す」と言った「玉淵譚天」を広くボイコットすべきだと提言している。残念なことに、こうした政府関係者やメディアは中国の若者のロールモデルとなり、彼らの強烈な愛国心を煽り、ネット上でさらに下品で粗野なスローガンを連呼させ、日本との「過去の恨みを晴らし、新たな恨みを晴らす」こと、そして即時開戦を要求する事態を招いている。

記事は、中共当局は下品で粗野な発言に無知でも無関心でもないと述べている。中国サイバースペース管理局は、ネット上の「低俗な言葉」を取り締まるためのキャンペーンを数多く展開している。人民日報オンライン世論監視センターの報告書は、低俗語の取締りの中でも特に同音異義語の綽名を批判している。官営メディアの光明日報も、ネット上の粗野な言葉を断固として取り締まるだけでなく、若者や中流階級の言語習慣に関する「文明教育」を行い、「文明的な言語に関する知識と礼儀作法」をより広く普及させる必要があるとの記事を掲載した。

この記事は、中国サイバースペース管理局が薛剣と「玉淵譚天」の「模範的」な役割に対して報奨を与えるべきかどうかを皮肉を込めて問いかけている。それとも「民族の大義の前では、汚い言葉の方が力を持つ」のだろうか?

記事は、中国語の美しさを損ねる下品な言葉遣いは、中共の政治闘争哲学に由来し、言語的暴力は政治的暴力の一部であると直接指摘している。

「批判によって徹底的に打ちのめし、名誉を完全に失墜させる」「多くが生きながらえるより、血の川となった方がましだ」「台湾を解放しないなら、台湾が不毛になる方がましだ」といった言葉は、中国人の間では日常茶飯事だ。彼らは「下品であればあるほど正義であり、残忍であればあるほど力強い」と信じているのだ。

X/防衛省 海上自衛隊/艦艇準備完了、武器準備完了、解決策準備完了、準備万端…

🚀発射!!

※海上自衛隊は映画「沈黙の艦隊 北極海大戦」に協力した。

2001年12月28日、ステージ上で趙薇に糞尿をかけた事件を思い出す。中国人の文明程度が分かろうというもの。

https://www.aboluowang.com/2025/1117/2306471.html

11/17阿波羅新聞網<中共傻眼!美驻日大使公开“感谢”战狼 再祭大动作—日中交恶 美驻日大使公开“感谢”中国=中共は呆然!駐日米大使、戦狼に公式に「感謝」、またもや大きな動き――駐日米大使、悪化する日中関係で、中国に公式に「感謝」>

米中日関係は「台湾有事」をめぐり、緊張が高まっている。ジョージ・グラス駐日米大使は最近、ソーシャルメディアプラットフォーム「X」に複数回投稿し、日米同盟は台湾海峡の平和と安定を断固として守り、武力や威圧によって地域の現状変更を試みるいかなる試みにも反対すると強調した。グラスは先月、トランプ大統領と高市早苗首相が空母ジョージ・ワシントンに乗艦する写真も投稿し、日米間の緊密な協力関係を強調した。

鄧小平の韜光養晦と比べて、習の戦狼が如何に幼稚か分かる。

https://www.aboluowang.com/2025/1117/2306448.html

11/16阿波羅新聞網<日经:中共涉嫌策动琉球独立 巴士海峡也在美日防线=日経:中共は沖縄独立扇動の疑い バシー海峡も日米防衛ライン上に>

中共国は台湾南西部の空域を絶えず騒がせるだけでなく、台湾付近の日本南西部の島々を頻繁に偵察している。(画像:防衛省統合幕僚監部のスクリーンショット)

先日、日経新聞の田中孝幸編集委員が「中共国、沖縄とバシー海峡を狙う:日米防衛ラインの要衝」と題した記事で、地政学的な観点から国際情勢を分析した。

田中孝幸は、日本の南西諸島と台湾が中国海軍の太平洋進出の障害となっていると指摘した。沖縄は台湾から約700キロ、朝鮮半島から約1000キロ、フィリピンと南シナ海から約1500キロ離れており、インド太平洋地域における米軍の作戦と補給の「最前線」基地となっている。

沖縄における米軍のプレゼンスは中共国にとって悩みの種であり、米軍の撤退は中共国の長期的な戦略目標となっている。このため、中共国は沖縄における影響力を積極的に拡大しており、近年は沖縄の政治家と頻繁に交流している。例えば、玉城デニー沖縄県知事は2023年に中共国を訪問し、中共国のNo.2である李強と会談した。

田中孝幸は、沖縄を日本本土から分離すべきだと主張する勢力が存在すると指摘する。日本経済新聞が2024年10月に実施した調査によると、約200のスパイアカウントが沖縄独立を煽る動画を共有していたことが明らかになった。これらの偽の独立デモ動画の拡散は組織的に行われているとみられ、中国政府が裏で操作しているのではないかとの疑念が高まっている。

2013年5月、人民日報(中共中央委員会の機関紙)に掲載された記事は、「今こそ、歴史的に未解決の琉球問題を改めて議論すべき時だ」と述べ、初めて中共国が琉球諸島の領有権を有していることを示唆した。日中外交交渉を担当した元日本外務省高官は、「2010年代後半、中国外交部高官が日本側との協議中に、沖縄に対する日本の領有権は不合理だと繰り返し口走っていた」と明かした。

田中孝幸は、沖縄は歴史的に長きにわたり琉球王国の一部であったことを指摘した。沖縄の住民は琉球語を話し、本土の住民とは異なるアイデンティティを持っている。日本の過去の同化政策は多文化共生へのコミットメントを欠いており、沖縄の人々の不満を招いている。

中共国がこうした姿勢の違いを利用しようとしていることは疑いようがない。10月に開催された国連総会第三人権委員会において、中共国代表は日本政府を一方的に批判し、「沖縄の人々を含む先住民に対する偏見と差別をやめるべきだ」と述べた。

ロシアはアイヌを先住民族として扱い、北海道を奪おうと考え、中共は沖縄を奪おうと考えている。日本政府がきちんと対応しないと。スパイ防止法を早く成立させるべき。

https://www.aboluowang.com/2025/1116/2306329.html

11/16阿波羅新聞網<中共真怕了!已经逼退3国=中共は本当に恐れている! 3カ国が脱退を余儀なくされる>中国問題に関する列国議会同盟(IPAC)の共同創設者であるルーク・デ・プルフォードは15日、パリで、IPACは近年、中共政府から組織的な圧力を受けており、その結果、加盟3カ国が去ったと公に述べた。これは、中共が外交的圧力を用いて台湾を支持する国際勢力を封じ込めようとしていることを浮き彫りにしている。

彼は、脱退を余儀なくされた国として、マラウイとガンビアを具体的に名指しした。中共はマラウイ政府に対し、同国の国会議員がIPACから脱退しなければ、大統領の中国訪問を中止すると直接最後通牒を突きつけた。ガンビアも同様の圧力に直面している。デ・プルフォードは、これらの事例は、中共が二国間外交を政治的交渉材料として利用し、小国が台湾を支援する国際行動に参加するのを阻止していることを明確に示していると強調した。

さらに、ソロモン諸島も標的となっている。中共は、IPACの共同議長を務めていたソロモン諸島の国会議員2名の辞任を直接要求しただけでなく、「一つの中国」原則を支持する公式声明の発表も要求した。中国政府は両方の要求を達成し、議長1名を辞任に追い込んだ。台湾擁護を訴え続けるのは、ピーター・ケニロリア・ジュニア国会議員のみとなった。

小国は金に転びやすい。

https://www.aboluowang.com/2025/1116/2306323.html

Facebookに掲載された意見。

「櫻田 淳 8時間

「台湾に対する武力行使が行われた場合、集団的自衛権の行使が可能となる『存立危機事態』に該当する可能性が高い」。

これが先刻の高市早苗総理答弁の趣旨である。

ところで、「台湾有事」に際して日本が集団的自衛権を行使する様態とは、どのようなものか。それは、少なくとも、「自衛隊が台湾軍とともに応戦する」ということではない。「台湾防衛のために来援してきた米軍が攻撃を受けた場合に、自衛隊が米軍とともに応戦する」というのが、日本の集団的自衛権行使の想定である。故に、不肖・櫻田が書いた通り、高市総理の答弁それ自体は、この件を確認した「対米メッセージ」なのである。故に、高市答弁は、対中関係でハレーションを起こしたかもしれないけれども、それは、決して撤回されるべきものではない。それをすれば、 米国に対して 、「台湾有事に際して米艦防護を行わない」という逆のメッセージを発することになる。現今、日本国内では、どのような人々が高市答弁を非難しているかは、冷静に注視しておくべきである。彼らは、自ら意図したにせよ意図せざるにせよ、中国共産党政府の思惑に乗ってしまっているのである。

日本政府としては今後、「武力行使を伴う一方的な現状変更を望まない」ということを含み置いた上で日中共同声明以来の「話法」を徹底的に続けてもらう他はない。外交・安全保障政策領域における新しい「話法」は、一般に有識者と呼ばれる人々が編み出せばよいだけのことである。

高市総理の答弁も大阪駐在中国総領事の「暴言」も、実は些事に過ぎない。前に書いた通り、現今に至る紛糾の根源は、「武力行使に訴えてでも台湾を併呑する」素振りを打ち出し、「台湾有事」を現実味を以て語る空気を醸成した習近平登場以来の中国共産党政府の姿勢にこそある。これもまた、飽きる程に指摘しておくべきことかもしれない。」(以上)

習近平がやり方を変えっているのに、日本に対して文句を言うのは中国人お得意の論理のすり替え。高市発言は立憲・公明・中共辺りで調整して引き出したのかもしれない。

週刊現代の記事では、台湾有事阻止のための対中人脈を築けとのアドバイスですが、そんなものは役に立たない。二階にしろ、公明党にしろ、日本の国益にプラスになったでしょうか?情報を中国に漏らして国益を損ねて来ただけでは。況してや中共はハニトラやマネトラの得意な国。下手に近づくと敵の策謀に嵌る政治家が続出するでしょう。敬して遠ざけるのが良い。

タイミングよく中共政府は日本への渡航自粛を要請したし、日本への留学も慎重な検討を要請しました。向こうから断ち切るようにしたのだから、こんな嬉しいことはない。中国人は“随俗入郷=郷に入っては郷に従え”ができず、道徳も最低な民族だから、日本に来て迷惑をかけても、何とも思わない。靖国神社に来て落書きや放尿して帰る。日本の国土が汚れるから来てほしくないと思っている日本人は多いのでは。日本政府は中国人のビザ要件や帰化条件を厳しくしないと。

留学生もスパイして中共に情報を送る役割をしていると思う。中共はまさしく敵国であり、その国の学生を受け入れるなんて愚の骨頂。日本の知のレベルはそういう判断もできなくなった。嘆かわしいの一言。高市政権は高い支持率が示す通り、一般大衆が中共や日本のオールドメデイアのプロパガンダには乗せられていないことを示している。安心して主張すべきは主張してほしい。

A記事

「高市政権は『台湾有事内閣』となるかもしれない」目を背けたくなるが、これが国際政治の現実だ。いま、高市政権がなすべきこととは。

高市政権が「台湾有事内閣」となる恐れ

10月31日に行われた高市早苗総理と習近平国家主席による会談は、「戦略的互恵関係」の確認がなされるなど一定の成果があったとみています。習主席率いる中国も、支持率が高く長期政権になるだろう高市政権を軽視はできないと考え、じっくり向き合うことを選んだのでしょう。

しかし、依然として日中間には強い緊張が漂っています。その原因は、言うまでもなく台湾です。日中首脳会談が行われた翌日、高市総理は台湾の林信義副首相と会談し、2人で握手する写真を自身のSNSに投稿しました。これに対し中国外務省は即座に反応、「高市氏の行動は、『ひとつの中国』原則に著しく反する」と猛抗議をしました。「親台派」である高市総理への強い牽制であり、今後の火種となりそうです。

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私は、高市政権は「台湾有事内閣」となる恐れが極めて高いと見ています。その理由を説明しましょう。

「日中関係の現状を鑑みると、見送られるのでは」とも言われる中で実現した首脳会談。表面的には両国の関係改善が進んでいるようにも見えるが、キヤノングローバル戦略研究所「中国研究センター」の峯村健司センター長は、「習氏が台湾統一を実現しようとする中で、高市政権と激しく対峙する日がやってくる」と指摘する。台湾有事が近いとみるのはなぜか。それを起こさせないために高市政権がすべきことは何か。峯村氏の分析と提言。

まず、習近平主席が台湾統一を目指していることはご承知の通りですが、その時期を巡ってはさまざまな分析があります。最近では「習氏は総書記3期目の任期満了となる’27年で退任することなく、4期目も続投する可能性が高い。4期目を見越しているなら、無理に台湾統一を目指すことはしないだろう」との見方も増えています。

しかし、私は「習氏の4期目突入」には懐疑的です。それは、中国の中枢で大きな変化が起きているからです。

中国で確認された「3つの異変」

先日創設されたキヤノングローバル戦略研究所「中国研究センター」では、中国研究の専門家や外務省・防衛省などの官僚が一緒になって中国の動向を緻密に分析しています。本格的な活動はこれからですが、私たちは現状、以下のような中国の「異変」を確認しました。

①9月3日に中国で行われた「抗日戦争勝利80周年」の軍事パレードで、習主席と共に行進していた人民解放軍幹部の階級が、10年前の軍事パレードのときと比べて著しく下がっていた。

②習氏が軍の視察に行く回数が少なくなっているうえ、視察を受け入れる側の階級も下がっている。

③そもそも「人民日報」などの中国の主要媒体で、習氏自体の露出が減ってきている。

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いずれも日本人には「小さなズレ」に思われるかもしれませんが、規律や階級を重んじる中国において、これらはとても大きな変化です。ここからさまざまな仮説を立てることが出来ますが、習氏と軍部や共産党との関係が急速に悪化しており、3期で退任する可能性もありうるとみています。

仮に’27年での退任が見えているなら、習氏はどう考えるか。「自分は10年以上総書記を務めた。しかし、目立った成果といえるものが反腐敗運動ぐらいしかない。なにか、後世に語り継がれる『遺産』をつくらなければ」―。

その遺産となるのが、台湾統一です。習氏は長年にわたり「台湾統一は中国の夢」と語ってきましたし、中国国民もその悲願達成を望んでいる。この12年間、そのための準備も着々と進めてきた。アメリカの動向はもちろん気になるが、トランプ大統領が相手ならばうまく籠絡し、「台湾問題不干渉」の密約を結べるかもしれない。

B記事

「高市政権は『台湾有事内閣』となるかもしれない」目を背けたくなるが、これが国際政治の現実だ。いま、高市政権がなすべきこととは。

前編記事『高市政権は「台湾有事内閣」になる……?!峯村健司が警告する日中衝突可能性のリアル』より続く。

トランプが台湾問題で妥協した可能性

事実、10月30日に行われた米中首脳会談後、トランプ大統領はこう発言しました。

「今回、私たちは一切台湾問題については話していない」

バイデン前政権はもちろん第一次トランプ政権のときでも、米中首脳会談に際しては必ず台湾問題について触れてきました。そして米国側から「台湾海峡の平和的な安定を求める」といった発言をしてきたのです。それが今回は「一切話をしていない」と。

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もしかすると、アメリカが中国から経済的な譲歩を獲たことの見返りとして、台湾問題に関する妥協をしたのかもしれない。このような背景から、習氏が台湾統一を決断する恐れは極めて高い―私はそう分析しています。

そんな状況下で誕生した高市新政権ですが、高市総理は長く台湾問題に関心を持ち、台湾の政治家・有力者とのパイプも太い。当然、中国で起こっている異変についても情報が入っていて、自分の代で台湾有事が起こることも意識しているでしょう。

その象徴となるのが、高市政権の驚くべき人事です。

「異例中の異例」人事が映すこと

高市政権は、国家安全保障担当の首相補佐官に、航空自衛隊出身で北部航空方面隊司令官・空自補給本部長などの要職を歴任した尾上定正氏を起用しました。このポストは通常は国会議員が就きますから、異例中の異例人事です。

尾上さんは自衛官としての経験が豊富なこともさることながら、ハーバード大学の修士課程と米国防総合大学の修士課程を修めた戦略立案・分析のプロフェッショナル。私も尾上さんとは個人的な付き合いがありますが、彼は米軍や米国防省につながる人脈も驚くほど持っています。『自衛隊最高幹部が語る台湾有事』という共著の著者の1人でもあり、当然台湾情勢にも精通している。

台湾有事が起こる、あるいはその兆候が見られる際、高市総理が真っ先に相談する相手は国家安全保障担当の補佐官です。そこに尾上さんを充てたことは、総理が台湾有事の勃発を強く懸念している証左に他なりません。

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小泉進次郎氏を防衛大臣に就けたのも、同様の理由からでしょう。あまり注目されていませんが、進次郎さんは昨年衆院安全保障委員会の委員長を務めたうえ、「地元(選挙区)が横須賀で米海軍・海上自衛隊にも人脈がある」「米CSIS(戦略国際問題研究所)在籍時、アジア安全保障のプロフェッショナルであるマイケル・グリーン氏のもとで学んだ」など、安全保障に強い。日米両政府の関係者に取材すると、先日行われたピート・ヘグセス米国防長官との会談でも突っ込んだ議論をし、2人はその後携帯電話でやり取りする仲になったそうです。

安保関連の要職をプロで固める傍ら、高市政権は国家情報局の創設検討にはじまり、防衛費増額目標を2年前倒しにすることを表明したり、防衛装備品の輸出緩和に意欲を見せたりするなど、防衛に関する重要方針を次々と打ち出しています。軍事力強化を続ける中国への抑止力としては十分とは言えませんが、いいスタートを切ったと言えるのではないでしょうか。

高市政権がいますぐ取り組むべきは……

強調しておきたいのは、高市政権の最も重要な責務は「台湾有事が起こりそうだからこそ、起こさせないこと」です。そのためには日本の防衛力を高め、アメリカとの関係を強化して、中国を抑え込むことが求められます。

一方で中国に対して「友好関係は保ちたい」というメッセージを発信していくことも必要です。お互いに軍備増強を進めるだけでは、危機は増すばかり。抑止力強化のためには、同時に外交力の強化も求められます。

今後は中国、特に中国共産党とのパイプを強化しなければならないのですが……実は、高市政権にはそのパイプがほとんどありません。中国に幅広い人脈を持った二階俊博氏が政界を去り、公明党も政権を離脱してしまったからです。

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現状、高市政権は対中人脈に関しては手薄と言わざるを得ません。スムースな日中関係を保つために、民間や研究者らの力を借りながら、「習近平後の中国」も見据えた新たな人的ネットワークを構築できるか。これが、高市政権の大きな課題となるでしょう。

課題解消のため、対中人脈を築こうと中国に接近すると、熱量の高い支持者から「中国に媚びるとは!」と反発の声が上がるのは必至。最近の国会議員は「媚中」と呼ばれることを恐れて、中国への接近を避けている印象もあります。高市総理のように、中国に厳しい態度を取り続けてきたことが支持につながってきた人ならなおさらです。

しかし、繰り返しになりますが「台湾有事を起こさせないこと」が高市政権の責務です。時には支持者の反発を受けてでも、真の国益のために必要な行動ができるか。高市総理の真価は、それによって測られるべきだと思います。

「週刊現代」2025年11月24日号より

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