『習近平国家主席が高市首相に言われ放題、「高市無視」のはずが日中首脳会談で尖閣・台湾・人権問題などで意見され…』(11/6JBプレス 福島香織)について

NYポストの記事。トランプ1期目のときにJ・コミーFBI長官の娘の検事がエプスタインに取引を持ち掛けたと。

https://nypost.com/2025/11/05/us-news/jeffrey-epstein-claimed-maurene-comey-would-let-him-free-if-he-implicated-trump-ex-cellmate/

11/6Rasmussen Reports<‘Arctic Frost’ Scandal: 51% Favor Impeaching Judge Boasberg=「アークテイック・フロスト」スキャンダル:ボアズバーグ判事の弾劾に51%が賛成>

裁判所も如何に民主党の武器化になっているか。

共和党議員を秘密裏に標的としたバイデン政権の「アークテイック・フロスト」調査に関与した連邦判事に対する弾劾手続きに、有権者の過半数が僅差で賛成した。

ラスムセン・レポートによる最新の全国電話・オンライン調査によると、米国の有権者の67%がアークテイック・フロストを深刻なスキャンダルと捉えており、そのうち43%は「非常に深刻」と回答しています。一方、26%はアークテイック・フロストスキャンダルを深刻ではないと回答しており、そのうち12%は「全く深刻ではない」と回答しています。

https://www.rasmussenreports.com/public_content/politics/trump_administration_second_term/arctic_frost_scandal_51_favor_impeaching_judge_boasberg?utm_campaign=RR11062025DN&utm_source=criticalimpact&utm_medium=email

https://x.com/i/status/1986113033018503295

11/7阿波羅新聞網<最高院审关税 贝森特利用大法官提问反将一军=米最高裁、関税判決を審理、ベセント財務長官、判事の質問で形勢逆転>スコット・ベセント米国財務長官は、11/5にトランプ大統領の緊急関税発動権について最高裁に出廷した後、政権の立場について「非常に楽観的」であり、トランプ政権の貿易政策は支持されるだろうと述べた。FOXビジネス・ネットワークの司会者ラリー・クドローとのインタビューで、ベセント長官は「我々の政策は堅持されると確信している」と述べた。

ベセント長官は、ハワード・ラトニック商務長官をはじめとする政府高官とともに最高裁の審理に出席した。ベセント長官は、最高裁が国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく大統領の関税発動権を支持する可能性が高いと指摘した。ベセントは、「裁判所が政府に不利な判決を下し、既に徴収された数十億ドル規模の関税の返還を命じたたらどうするのか」とメディアから問われると、「事態は自然に解決するだろうし、そこまでには至らないと確信している」と答えた。

最高裁判事は、原告側の主張の脆弱さを露呈させた。

証人聴聞会後、ベセントはWHで記者団に対し、審理全体が「非常にスムーズに進んだ」と述べた。ベセントは司法副長官の弁護を称賛し、大統領には確かにこの権限が必要だと強調する一方で、原告側弁護士の「全く非論理的な主張」を批判した。もし、政権に不利な意見については、具体的説明を避け、「今はその件について議論していない」とだけ強調し、勝訴への自信を改めて示した。

ベセントは関税政策を「徐々に溶けていく氷塊」と表現し、当初は米国の産業を守るために高い関税率を維持し、生産が安定し貿易収支が回復するにつれて徐々に関税率を引き下げていくと述べた。また、ベセントは、政府の関税政策に異議を唱える団体を批判し、「全く恥ずかしい」し、「明らかに基本的な経済学の知識を欠いている」と述べた。

ベセントは、ブレット・カバノー判事の質問が原告の非論理的な論法を指摘したと述べた。「カバノー判事の質問は良い質問だ。大統領は100%の禁輸措置は課せるが、1%の関税は課せないと本当に主張するのか?」と述べた。ベセントは、この質問は反対論の弱点を露呈したと述べた。さらに、米国は長年にわたり貿易相手国から不当な扱いを受けてきたことを強調し、「我々の貿易相手国は何十年も前からそのようにしてきた」と述べ、関税が消費者にコストを転嫁するという主張を否定した。「もし関税が本当に消費者に損害を与えるのであれば、他国はとっくの昔に関税を採用していなかったはずだ」と付け加えた。

最高裁の判決待ち。トランプはプランBも考えると。

https://www.aboluowang.com/2025/1107/2301742.html

11/7阿波羅新聞網<日经:习出现一个重大变化—他竟然不吭声…日经:习出现一个重大变化=日経:習近平に大きな変化が現れる―何と沈黙を守り続ける・・・日経:習近平に大きな変化が現れる>習近平は先日、APEC首脳会議に出席するため韓国を訪問し、トランプ米大統領をはじめとする日韓の首脳らと会談した。日経アジアのコラムニストの中澤克治は、習近平の会談場所や会談前後の立場など、これまでの「戦狼」的な強硬姿勢と比べて、態度が著しく軟化していると指摘し、中国の経済発展の不振が、北京の姿勢の変化の要因ではないかと推測した。

「戦狼」の姿勢はより控えめに、トランプとの協調を強める

日経アジアで長年中国政治を観察する中澤克治が6日に掲載した論評は、習近平が先日訪韓した際に、米国、日本、韓国の首脳と会談した際、従来の強硬な「戦狼」スタイルとは大きく異なる姿勢と物腰を見せたと指摘した;ドナルド・トランプとの会談に先立ち、習近平は会談場所に関して大きな譲歩を示し、釜山の金海国際空港近くの空軍基地で会談を行うことに同意し、合意していた。

論評は、釜山は朝鮮戦争勃発当時、韓国と米国が主導する国連軍の最後の拠点であり、中国は戦争中、米国と韓国の敵対国であったため、北京の指導者が韓国の軍事基地で米国大統領と会談するのは前例のないことだと指摘した。新華社を含む中国国営メディアは、会談が「金海国際空港の青いドーム型VIPルーム」で行われたとのみ報じ、中国国民に詳細な事実を伝えなかった。

中澤克治は、習近平が韓国の軍事基地で会談することに同意したことは、トランプへの譲歩と見なせると考えている;さらに、トランプ・習会談に先立ち、トランプが10/29に韓国の李在明大統領と原子力潜水艦建造計画に関する技術供与契約を締結した際、中国国営メディアからその後一切批判を受けなかったことは、北京の姿勢が軟化していることを示しているように思われる。

中澤克治は、来年のAPEC首脳会議の輪番議長として、習近平は地域経済発展を促進するという重責を担っており、中国政府は一連の経済対策を実施しているものの、国内住宅市場は依然として低迷しており、それで強硬すぎる態度は既に取れなくなったと述べた。さらに、習近平は、中国経済を取り巻く国際環境の改善のため、米国が対中関税の撤廃または緩和するのを期待している。そのため、トランプに屈する以外に選択肢はない。

さらに、習近平は、新たに就任した対中強硬派とされる高市早苗首相とも会談し、中国にとって好ましい国際貿易環境を確保するためには、日本や韓国といった国々との友好関係、そして米国との安定した関係を維持する必要があることを改めて強調したようである。

脱「戦狼」は、どこまで本気か?

https://www.aboluowang.com/2025/1107/2301744.html

11/7阿波羅新聞網<北京败下阵 王毅白忙=北京は敗北、王毅の努力は徒労に終わった>台湾の蔡英文前総統は来週ドイツを訪問し、ベルリン自由会議で演説を行う。ベルリンでは初の自由週間が開催され、自由会議は大きなハイライトとなる。

昨年退任した蔡英文前総統は、11/8(土)にベルリンを訪れ、来週月曜日に開催されるベルリン自由会議で演説を行う予定である。

蔡英文前総統の事務所は声明を発表し、今回の訪問が台湾とドイツ、そして志を同じくするヨーロッパの民主主義諸国との協力と交流を深めることを期待していると述べた。

ベルリン自由会議によると、第1回会議は2025年11月10日に開催され、ベルリン観光局、アクセル・シュプリンガー自由財団、世界自由会議の共同主催となった。ユリア・クロックナー連邦議会議長とカリン・プリーン教育相が出席する。台湾のオードリー・タンを含む60名以上の海外からのゲストが講演を行う予定である。中国から亡命した芸術家、巴丢草も討論に参加する。公式ウェブサイトには、講演者としての蔡英文の簡単な紹介も掲載されている。

2025年11月8日から15日まで、ベルリンでは初のベルリン自由週間が開催される。これは、ドイツ統一社会党独裁再評価委員会とロバート・ハウマン協会が主導するものである。ベルリン自由会議は自由週間のハイライトの一つである。開会式は、連邦公文書館とシュタージ公文書館の共催である。自由週間中には、ドイツ・台湾対話プラットフォームや駐ベルリン台北代表処との協力によるイベントなど、一連のイベントが開催される。

ドイツ外相、中国訪問を延期

ここで言う「自由」は“Liberal”の意では。

https://www.aboluowang.com/2025/1107/2301735.html

何清漣 @HeQinglian 8h

https://zh.tradingeconomics.com/united-states/inflation-cpi

米国連邦統計局にトランプが信頼する新局長が就任した。あなたのガソリン価格はどれか?

引用

THANOS @JoyceLin289173  8h

返信先:@HeQinglian

ここのガソリン価格は昨日3.29ドルで、年初は3.5ドルだった;一昨日は牛肉を1箱11ドルで買い、家族で食べるには十分だった。牛乳は約4ドル、バナナは1ポンドで60セントだった…インフレ率の基準となる統計やどこの都市の統計かわからない。私はペンシルベニア州に住んでいる。

何清漣 @HeQinglian 8h

昨日はインフレ率と失業率のデータを掲載したが、今日は別の説明を掲載する:エネルギー価格が再びインフレの主な要因となっている。下落傾向にあったガソリン価格は9月に前年比4.1%上昇し、消費者物価指数(CPI)の上昇に最も大きく寄与した。一方、エネルギーサービス(電気と天然ガス)のコストは6.4%上昇した。また、ここ数ヶ月の輸入関税の影響で輸入品の価格が上昇した。コーヒーとバナナの価格は、前年同期比で18.9%と6.9%上昇した。

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引用

何清漣 @HeQinglian 11月6日

今日、最新のインフレ率と失業率のデータを確認した:インフレ率を例に挙げると、バイデン政権時代のインフレ率は過去40年間で最高を記録し、米国民はインフレに大きく苦しんだ。しかし、前月比のインフレ率はバイデン政権時代よりも高くなっている。10月末に発表された9月の消費者物価指数(CPI)は3%で、バイデン政権が2024年に達成した2.4%を上回っている。食料品価格の上昇率はさらに速くなっている(3.2%対7月の2.9%)。

x.com/tigerzxia/stat…

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何清漣が再投稿

何清漣 @HeQinglian 9h

返信先:@fading_you1

トランプはキッチンに注力することで選挙に勝利したが、就任後は国際舞台での駆け引きにばかり気を取られてしまい、インフレ抑制、雇用増加、減税といった公約はすべて実現せず、彼が謳っていたエネルギー価格の引き下げさえも、今では増加している。

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確かにトランプはもっと内政(特にインフレ対策)に力を入れないと。中間選挙で負けてしまう。

何清漣 @HeQinglian 3h

NYの新市長に選出されたゾーラン・マムダニは、ソーシャルメディアに動画を投稿し(記事を開くと動画が見られる)、支持者に対し寄付を再開するよう強く呼びかけた。「無料の住宅、無料の交通機関、そして全市民への社会保障」を掲げるこの著名な社会主義者は、勝利演説からわずか数時間後、突然、政権移行チームが「資金不足」に陥っており、「調査の実施」、「スタッフの雇用」、「行政体制の構築」のために大衆の資金支援が必要だと発言した。

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引用

何清漣 @HeQinglian 11月6日

NY市が福祉社会主義への迅速な移行を実現したことを祝福する。この都市の社会主義的実施の物質的根拠は次のとおり:2024年11月29日に発表された「2024年度NY市資本債務および義務に関する年次報告書」によると、10年間の審査により、市の未払い債務は695億ドルから1,041億ドルに増加した。2023年には、連邦政府からの補助金が市の公共支出の41%を占めた。

https://comptroller.nyc.gov/newsroom/nyc-comptroller-brad-lander-issues-annual-report-on-capital-debt-obligations-for-fiscal-year-2024/

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何清漣 @HeQinglian 3h

政治ジョークは毎年のようにあるが、今年は米国で特に多いようだ。

何清漣 @HeQinglian 3h

AOC、サンダース、マムダニといった社会主義者の写真をもう一枚追加すれば、米国の政治派閥の全体像は完成する。

引用

反共主義者のジェームズ・リンゼイ @ConceptualJames 3h

修正しました。x.com/apolitical_bea…

何清漣が再投稿

WSJ 中国語版 @ChineseWSJ  1h

この暗いデータを通して、米国の労働市場の現状を見てみよう:コンサルティング会社チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスの最新レポートによると、今年10月時点で、米国の企業は100万人以上の雇用を削減しており、これは前年比65%という大幅な増加である。

cn.wsj.comより

何清漣 @HeQinglian 1h

https://zh.tradingeconomics.com/united-states/inflation-cpi

引用

老狩人 @yao30059829 2h

返信先:@HeQinglian

以前、何先生とインフレについて議論したのですが、また彼女を怒らせずにはいられない。

下のグラフが示すように、トランプの任期中の平均インフレ率は0.2%で、バイデンの同時期、あるいは過去8ヶ月間のインフレ率よりも低くなっている。一方、2024年はバイデンにとってインフレ抑制において最も成功した年だった。トランプのインフレ率を年率換算すると2.4%となり、わずかに上回る程度である。

11/6大紀元<南鳥島で日米レアアース共同開発 高市首相が方針示す>

2025年10月28日、アメリカのドナルド・トランプ大統領(左)と日本の高市早苗首相は、東京・赤坂迎賓館で会談し、「日米同盟の新たな黄金時代を開く」と題した協定に署名した後、握手を交わした。(Andrew Harnik/Getty Images/AFP)

日本の高市早苗首相は11月6日、日本とアメリカが太平洋の南鳥島周辺海域でレアアース鉱物の共同開発を検討する方針を明らかにした。これは、経済と安全保障の両面で協力を強化する取り組みの一環である。

高市首相は6日午前の参院代表質問で、レアアースの共同開発は先週行われたトランプ米大統領との会談で取り上げられた主要議題の一つとなったと説明し、南鳥島周辺でのレアアース開発を巡り、「日米間の具体的な協力の進め方を検討する」と述べた。

南鳥島は東京の南東約1900キロにある太平洋上のサンゴ礁島で、グアムにも近い日本の最東端の領土である。

6月7日から8日にかけて、中国海軍の空母「遼寧」が南鳥島から約300キロの範囲を航行し、艦載機やヘリコプターの発着も確認された。防衛省は警戒監視を強化している。

高市首相によれば、同島付近の海域にはレアアースを多く含む可能性がある海底泥が豊富に存在しており、日本政府は来年1月、深さ約6千メートルの海底からレアアース泥を採取するための実現可能性調査を実施する見通しである。

トランプ大統領の東京訪問中、日米両政府はレアアース供給の安定確保を目的とした包括的な枠組み協定に署名した。この協定は、重要鉱物分野における中国共産党の支配的地位に対抗することを狙いとしている。レアアースは自動車やスマートフォンから戦闘機に至るまで、幅広い先端技術製品に使用される必須資源である。

中共政府は今年、レアアースの輸出規制を2度にわたり強化し、複数の重要鉱物や関連技術を厳格な審査対象に加えた。こうした措置は戦略資源の「武器化」と見られ、国際社会の懸念を強めている。

10月30日には米中が合意に達し、中国側は新たな規制を1年間凍結することで一致した。各国は現在、代替的な供給網を構築するため、二国間および多国間の調達協定の締結を急いでいる。

日本政府もまた、海外依存を減らすため、国内でのレアアース生産体制の確立を積極的に進めている。

政府支援プロジェクトに関与する高官によると、調査の結果、日本の排他的経済水域(EEZ)内の深さ5千〜6千メートル付近にレアアースを豊富に含む海底泥が存在することが確認された。初期試験が順調に進めば、2027年1月に試験運用を開始し、日量約350トンの海底泥を回収する見通しであるという。

民間調査会社ユーラシア・グループ(Eurasia Group)の統計によれば、現在、中国が世界のレアアース採掘を主導しており、米国とミャンマーがそれぞれ約12%と8%の生産量を占めている。」(以上)

福島氏の記事では、高市首相は強い女性の特典を活かし、男性だと相手に遠慮して(実は胆小なだけかも)婉曲話法をするのに、直接ストレートに相手を非難した。これは日本にとって素晴らしい事。 “Japan is back”の帽子をトランプに贈って印象付けたのもうまいやり方で、その通り習に向かって演じたということ。日本の左翼女性政治家が下らないことを言って、首相を貶めようとしましたが、妬み・嫉みと見られることを理解できない頭脳の持主達。トランプに近づいたことが習をも近づけたことが彼女らは理解できない。

小谷哲男氏はTVでの発言を見る限り、米民主党とCIAに近い印象を持っている。情報源がトランプ政権にはない感じがする。

記事

日中首脳会談を前に握手をする高市首相(左)と習近平国家主席(右)(写真:共同通信社)

(福島 香織:ジャーナリスト)

先週は世界が高市外交に刮目(かつもく)した一週間だった。ハイライトは予定されていなかった中国の習近平国家主席との直接会談だろう。

多くのリベラル派の知識人は、対中強硬姿勢で親台湾派の言動を隠していない高市早苗首相が習近平に「会ってもらえる」とは思っていなかった。高市首相は自民党総裁選前の米シンクタンクのハドソン研究所が行った総裁選候補に対するインタビューで、台湾海峡の平和と安定は日本を含む国際社会にとって重要だとの認識を示し「中国のリーダーともしっかり、率直に対話したい」「力や威圧による一方的な現状変更は決してあってはならない」と主張していた。

この発言には一部の日本の学者も反発した。たとえば日本国際問題研究所の小谷哲男氏はXに「ナイーブ過ぎないか。これまでの発言が理由で会ってもらえないとは考えないのだろうか」と批判し「まともな外交アドバイザーがいないのだろう」と指摘していた。この小谷氏の論評は環球時報などでも、翻訳報道されていた。

だが、実際は首相就任一カ月も満たないうちに米国のトランプ大統領やインドのモディ首相らと会談、東南アジア諸国連合(ASEAN)、APEC(アジア太平洋経済協力)サミットに出席し、そして識者の予測を裏切って習近平との会談を実現したのだ。

では、この会談は日本にとって、そして中国にとってどういった意味や影響力があっただろう。

高市首相がズケズケと…

実際、この日中会談は国際世論を驚かせた。高市・習会談は30分に満たず、会談冒頭のメディア向けの握手も10秒未満、双方は張り付いたようなこわばった微笑を浮かべ、ほとんど会話もなかった。背は高くともほっそりした体形の高市が、大柄な習近平と握手したときの微妙な表情や体の距離の取り方は、「高市は少しおびえているようだ」と形容したネット民もいた。

だが会談が始まってわずか2分、つまり挨拶を交わした後、高市は早苗節全開で習近平に向かって次々と鋭く率直な質問、意見を浴びせかけ、日中間の矛盾の核心をついてきたという。こんな日中首脳会談は日中外交史上、見られたことがないと、目撃した外交官たちは口々に言ったという。

NHKの報道などによると、高市首相は日中間の対立問題を次々に指摘した。尖閣諸島と東シナ海情勢、中国によるレアアース輸出規制問題、中国における日本人の身柄拘束や逮捕問題。中国に在住、もしくは旅行中の日本人に対する安全問題、南シナ海における国際法違反の問題。香港の自由と法治に対する破壊問題、新疆ウイグル自治区の人権問題、そして北朝鮮の日本人拉致問題…。

中国共産党が最も触れてほしくない、すべての政治的敏感な問題を高市はずけずけと指摘した。

裏は取れないのだが、在米華人メディア人の石濤の情報によれば、高市が新疆ウイグル人の人権問題や台湾問題について指摘したのち、習近平はいったん席を立ちあがってトイレにいった、という。そして、戻ってきたとき「それぞれがそれぞれの道を行くのだ」と答えたのだという。これが事実かどうかは別として、一部ネット民の間では、習近平は高市が怖くなって尿意を催し、中座した、といった噂が広がった。

中国の公式発表では、習近平は高市に対しこう語ったという。

習近平国家主席が強調した「五つのコンセンサス」とは

「中日両国は一衣帯水であり相互に重要な隣国どうしだ。中日関係を長期的に健康的に安定発展させることは両国人民と国際社会の普遍的な期待である。中国側は日本側が、中日の『四つの政治文書』が確立した原則と方向性にもとづき、相互関係の政治的基礎を維持し、戦略的互恵関係を推進し、新時代の要請に合致した建設的で安定した日中関係の構築に尽力するように望む」

「目下の中日関係はチャンスと挑戦が併存している。日本の新内閣が正確に対中認識を樹立し、両国の先輩政治家と各界人士が中日関係の発展のために注いだ心血・努力を大事にして、中日平和と友好、協力の大きな方向性を堅持してほしい」

そして、「五つのコンセンサス」をしっかり守り実施することを強調した。それは以下の通りだ。

一、戦略的互恵関係を全面的に推進し、相互パートナーシップ、相互に脅威とならない、歴史を鑑に未来を向く、などの政治的なコンセンサスをしっかり実施すること。中日四つの政治文書をしっかり守り、履行し、歴史や台湾などの重大原則問題について明確な規定を守り、実施し、中日関係の根っこに損害を与えず、揺るがさないようにすること。村山談話は日本の侵略の歴史を深刻に反省し、被害国に対し謝罪を行った。この精神は宣揚(せんよう)する価値がある。

二、ウィンウィン協力を堅持する。第二十期四中全会(10月20~23日)が描いた第十五次五カ年計画が示す中国発展の青写真には、中日協力の広い余地がある。中日はおそらくハイエンド製造、デジタル経済、SDGs発展、財政金融、医療・高齢者介護、第三国市場などの分野での協力を強化し、多国間貿易体制と産業チェーン・サプライチェーンの安定かつ円滑な運営を共に維持できる。

三、人々の心の交流を促進する。政府、政党、立法機関などの対話を継続的に展開し、人文交流や地方交流を深化・拡大させ、国民の感情を改善する。

四、多国間協力を強化する。友好的な隣国関係、平等・互恵、内政不干渉の原則を堅持し、真の多極主義を実践し、アジア太平洋共同体の構築を推進する。

五、意見の相違を適切に管理する。大局を見据え、共通点を求め相違点を認め、一致点を集め対立を和らげ、矛盾や対立が両国関係を定義づけることを回避する。

ちなみに中国公式発表では、高市が指摘した日中間の矛盾、問題点など政治的敏感なテーマは省かれ、台湾問題に関しては「日本は1972年の日中共同声明における立場を堅持する」とした発言部分だけが引用された。

「高市無視」で決め込むはずが…

中国の公式発表が、戦略的互恵関係の推進と日中のコンセンサスに紙幅をずいぶん割いたこと、台湾問題について、1972年の立場を継承していることを強調したことをみると、習近平政権の対日姿勢軟化のシグナルははっきりと見て取れる。人民の「対日感情の改善」にも言及している。

会談はわずか30分という短さで、習近平の表情がかなりこわばっているところを見れば、おそらく、この対日軟化の方針転換は習近平自身にとってはかなり不本意なものであったろう。今年は抗日戦争・反ファシズム世界戦争勝利80周年で、あらゆるメディア、文化作品、宣伝ツールを使って反日情緒をあおりまくっていた一年だったのだ。そして習近平は外交儀礼を無視して、高市の首相就任に対する祝電すら送らなかった。これは習近平なりに高市政権無視、そして日本無視を決め込むという意思表示だったのだろう。

それがいきなり「日中互恵関係推進」と言い出したのだから、愛国的人民にしてみれば、習近平は高市になにか弱みでもにぎられたか、という気分になろう。

高市は会談後の記者会見で、「台湾海峡の平和と安定維持が地域の安全にとって重要であるということを明確に伝えた」と語っており、ハドソン研究所のインタビューで総裁選前に語った台湾問題についての考えを中国リーダーに率直に伝えるという「公約」を果たした。

親台派で知られる高市が中国指導者に初めて会った際に、台湾問題に関してこのような言及をしたことで、中国国内的には習近平はメンツをつぶされた、という印象を与えるだろう。しかも高市は日中首脳会談後、APECの台湾代表、林信義・元行政院副院長と会談し、にこやかなツーショットまでSNSで拡散した。これに中国外交部は「こうした行為は悪質で悪影響を及ぼす」「中国は断固反対を表明し、日本側に厳正な申し入れと強烈な抗議を行った」というが、高市はどこ吹く風だ。

今回のAPECで本来予定されていなかった日中首脳会談が急遽行われたのは、高市・トランプ会談のインパクトが大きい。日米トップが意気投合し、野球談議で盛り上がり、そのノリで国防、経済安全保障などでしっかりタッグを組むというメッセージを世界に発信した。

高市・トランプ会談が影響か

さらに、ASEAN、APECのサミットでの高市の人気ぶりが国際メディアでも大きく報じられた。これは日本が再びアジア太平洋諸国に強い影響力をもちうることを示唆した。米国に対抗して、アジア太平洋を含むグローバルサウスをまとめて新たな国際秩序構築を主導したいともくろむ習近平としては、東南アジア、アジア太平洋諸国からもてはやされている高市を無視できない、と急遽思い直した、ということだろう。

30日の米中首脳会談については、欧米メディアは習近平のレアアースカードを使った戦略的勝利による米中雪解けムードという印象を報じていたと思う。だが、実際のところは、トランプ・高市の急接近、親密ぶりが習近平を焦らせ、レアアース輸出規制一年延期の妥協を生んだのではないか、と私は見ている。

高市・習近平会談に話を戻せば、日本側にとって大きな意義は、高市外交のインパクトを国際社会に刻み付け、中国に対して、人権、歴史問題、台湾問題などいうべきことは言える日本が戻ってきた、という政治シグナルを発したことだろう。

そして中国にとっては、あれほど対日強硬姿勢だった習近平が、日本初の女性首相に言われ放題である姿を国内外に見せてしまった。

独裁者習近平を表立って非難する声は言論統制、ネット世論統制で封じ込められるだろう。だが、人民の習近平に対する求心力や党内の習近平の権力基盤にひそやかな動揺を、高市・習近平会談はもたらしたかもしれない。

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