11/16The Gateway Pundit<BREAKING EXCLUSIVE: Jack Smith May Have Handed President Trump the Golden Key to Pardon Tina Peters=速報独占:ジャック・スミスがトランプ大統領にティナ・ピーターズ恩赦の黄金の鍵を渡した可能性>
早く、ティナ・ピーターズが釈放されんことを。如何にDSが悪辣か。
ジャック・スミスはトランプ大統領にティナ・ピーターズへの恩赦の黄金の鍵を手渡したかもしれない。
Martel Maxim によるゲスト投稿。
ジャック・スミスはトランプ大統領にティナ・ピーターズを恩赦する法的手段を提供した可能性がある。
最近公開されたアークティック・フロスト文書のデータの分析で、ジャック・スミス氏がスパイ活動を行った保守派のリストを含む衝撃的な事実が明らかになった。下院司法委員会は、ジャック・スミス氏とバイデン政権が違法にスパイ活動を行った人物のリストの公開を開始した。そして、重要な発見が一つ明らかになった。
コロラド州のティナ・ピーターズを恩赦するというトランプ大統領の法的手段を支持する決定的な証拠が浮上した。
ジャック・スミスがスパイ活動を行った米国人のリストである「アークティック・フロスト文書」の101ページに、特筆すべき項目があります。この項目はティナ・ピーターズ氏を指していると考えられています。違法にスパイ活動を行った人々のリストには、マイク・リンデル氏の名前が記載されており、 「メサ郡」への言及も含まれています。

マイク・リンデルはティナ・ピーターズとしばらく関係を持っていました。彼はサウスダコタ州での最初のシンポジウムにティナを招待しました。コロラド州メサ郡の郡書記官で選挙を担当していたティナのことを初めて知ったのは、その時でした。彼女はサウスダコタ州でマイクが開催したシンポジウムで、最近の選挙後に選挙システムに不正な結果があったことを明らかにしました。これは衝撃的なニュースであり、最初のシンポジウムのハイライトとなりました。マイク・リンデルとティナ・ピーターズ、そして彼女がメサ郡で発見した選挙不正を結びつける記事は数え切れないほどあります。
ティナ・ピーターズ氏は後にコロラド州の裁判所で起訴され、虚偽の容疑で9年の刑を宣告されました。トランプ大統領は州犯罪を恩赦する権限がないため、彼女に恩赦を与えることはできません。これまで、州犯罪で恩赦を与えた大統領はいません。しかし、コロラド州での彼女の事件が連邦政府関係者によって管理されていた、あるいは大きな影響を受けていたとすれば、トランプ大統領はティナ氏を恩赦できると考える人もいます。
今日までに、バイデン政権下の連邦政府がティナ・ピーターズ事件に関与していたことを示す十分な証拠がありました。連邦政府がティナ・ピーターズ氏の起訴・投獄に向けた取り組みを主導、指示、あるいは重要な役割を担っていたとすれば、トランプ大統領は彼女に恩赦を与える権限を持つことになるという議論があります。
バイデン政権のティナ・ピーターズ事件への関与
FBIはピーターズ氏の告発直後に声明を発表し、連邦法違反の可能性について捜査を行うと述べた。バイデン政権はティナ氏を正式に起訴することはなかったが、バイデン政権下の司法省は、ピーターズ氏を刑務所に送致しようとしていたコロラド州の地元当局と緊密に協力していたようだ。( https://coloradosun.com/2021/08/17/tina-peters-replaced/ )
メサ郡地方検事ダン・ルビンスタインとコロラド州連邦検事マシュー・カーシュは、2022年5月17日付でコロラド州内の複数の地方検事宛てにメールを送った。メールの件名は「Rule 3.8 Meeting(規則3.8会議)」で、検察官の職務行動規則に言及しているものとみられます。
ダン・ルビンスタインから司法省弁護士とコロラド州地方検事宛の電子メール。ティナ・ピーターズを起訴する際に、いかにして正当かつ倫理的に見えるかを検討しているようだ。
メールによると、ルビンスタイン氏はティナ・ピーターズ氏の訴追と検察官の職業倫理規定の両立に苦労しており、「不正行為の疑い」を避ける方法をブレインストーミングするために援軍を呼ばなければならなかったという。
まず、ルビンスタイン氏は、自分が遂行しようとしている訴追には前例がないことを認識しているようだ。コロラド州弁護士会(CBA)やコロラド州地方検事会(CDAC)に倣い、この法律家グループが意見書を作成し、ガイダンス文書を発行するよう希望している。訴追のための首尾一貫した法的経路がない中で、ルビンスタイン氏は検察官に隠れ蓑を提供するためにこの行動方針を奨励したようだ。次に、ルビンスタイン氏は、ピーターズ氏を訴追するための地ならしをするために政府機関から正式な任命を受けていないことが問題だと指摘している。最後に、ルビンスタイン氏は、コロラド州弁護士会倫理委員会にピーターズ氏の事件について意見を求めなかった理由について、自らを弁護することを覚悟する必要があることをグループに伝えている。ルビンスタイン氏とその取り巻きたちは、自分たちの努力に表面上の正当性を与えることに成功したようだ。というのも、このメールが送られてから3か月後、ピーターズ氏は大陪審によって起訴されたからである。 (https://www.coloradopolitics.com/courts/tina-peters-arraigned-on-10-felony-misdemeanor-charges-in-case-alleging-election-equipment-breach/article_7ad92362-14ff-11ed-8571-7fe4f678dc82.html)
連邦政府がティナ・ピーターズ事件を主導していたことを示すもう一つの明白な証拠は、もしこれが「コロラド州だけの問題」であるならば、なぜ米国司法長官メリック・ガーランドとFBI長官クリストファー・レイが、 ピーターズ書記官の調査結果とそれに関連する彼女の行動について、Webexを介してメサ郡での最初の議論に参加していたのか、ということである。
また、 FBI がティナの自宅を家宅捜索したことで、連邦政府の全権力がティナの状況に関係する人々に直接適用されたこともわかっています。
さらに、ティナの仲間であるシェロナ・ビショップの自宅もFBIに家宅捜索された。
また、「マイピロー」のCEOマイク・リンデル氏もFBIの標的となり、ミネソタ州を旅行中に携帯電話を押収されました。これは連邦政府による措置です。リンデル氏はティナ・ピーターズ氏と連絡を取り、彼女への支援を申し出ていました。
ピーターズ氏は第一級公務上の不正行為、職務違反、個人情報窃盗の罪で有罪判決を受けた。
ティナ・ピーターズ氏の起訴状に関する公式声明には連邦政府への言及が含まれていた。
メサ 郡地方検事局とコロラド州司法長官事務所は、この作戦でFBIを支援しました。メサ郡広報担当のステファニー・リーシー氏は、この作戦を「 メサ郡書記官事務所の職員と、その職員と関係のある者による潜在的な犯罪行為に対する連邦政府公認 の法執行活動」と表現しました。詳細は こちらをご覧ください。
この事件に連邦政府が関与していたことは容易に理解できます。そして、前述の連邦政府の行動、例えば家宅捜索(連邦政府は今や都合よく無視している)は、これがコロラド州の問題をはるかに超えるものであったことを示しています。(ティナ・ピーターズの記事をご覧になり、「Selection Code」をhttps://tinapeters.us/(ドロップダウンメニューからリンク)でご覧ください。)
7月、ジョー・ホフトはダン・ボールと共にOANに出演し、トランプ大統領がティナ・ピーターズ氏を恩赦する道筋があると述べました。もし連邦政府が彼女の逮捕と起訴に関与していた、あるいはティナ氏に対する作戦を実行したのであれば、これは連邦政府による作戦だったと信じるに足る十分な理由があります。これは、トランプ大統領がティナ・ピーターズ氏を恩赦する道筋を開くことになります。これは、トランプ政権のトップ弁護士との議論に基づいています。

https://x.com/i/status/1945294815345971414
ジャック・スミスのアークテイック・フロストに関する文書に「メサ郡」とマイク・リンデルの名前が記載されていたことが、今や明らかになった。これはトランプ大統領の恩赦には十分かもしれない。




https://x.com/i/status/1990107532212437117

11/17Rasmussen Reports<Trump’s Antitrust Agenda Has Strong Support=トランプ大統領の反トラスト政策は強い支持を得ている>
有権者の大多数は、大手テクノロジー企業が「暴走」していることに同意し、公正な競争を促進し、反競争的なビジネス慣行を防ぐために独占禁止法を活用することを支持している。
ラスムセン・レポートによる最新の全国電話・オンライン調査によると、米国の有権者の69%が、政府は反トラスト法の執行を強化すべきだと考えていることが分かりました。反対はわずか13%、わからないと回答したのは18%でした。

https://x.com/i/status/1990552610466922511


11/18阿波羅新聞網<棋高一着! 中共宣布旅游禁令 日大力支持—难得中日看法一致! 中宣布旅游禁令 日大力支持 “斯坦”兄弟也专刁陆客=一枚上手!中共が渡航禁止を発表、日本が強く支持――日中両国が見解を一致させる稀有な事例!中国が渡航禁止を発表、日本が強く支持、「スタン」兄弟国もずるい中国観光客をターゲットに>高市早苗首相は先日、国会質疑で「台湾有事」は日本にとって「存立危機事態」となり得ると強調し、日本が「集団的自衛権」を行使して台湾海峡紛争に介入する可能性を示唆した。この発言は中共の強い反発を招いている。これに対し、北京は日本の観光業界への報復として、中国国民に対し日本への渡航を一時停止するよう求める勧告を最近発表した。予想外にも、この勧告は中国国民に無視されただけでなく、日本のネットユーザーからも広く支持された。彼らは、国際マナーを遵守しない自国民の海外旅行を中国が全面的に禁止することを期待している。

中央アジアの国を旅行中、韓国人観光客が中国人と間違えられ、現地当局から嫌がらせを受けた。驚いたことに、中国人ではないことを伝えると、すぐに通過を許可された。TwitterユーザーPyongyang Choi Yoo-pilがXでシェア
この記事の言う通り。中国人は国土が汚れるから来てほしくない。
https://www.aboluowang.com/2025/1118/2306906.html
11/18阿波羅新聞網<魔幻:成都民众抗议日本,被带走调查=変化がめまぐるしい:成都住民が日本に抗議、連行されて捜査>国営メディアの呼びかけにもかかわらず、この問題に対する民衆の態度は2014年の釣魚島事件の時とは全く異なっている。成都では、一部の人々が「日本は謝罪せよ」と訴えるプラカードを掲げて抗議を表明したところ、すぐ警察に連行されて捜査を受けた。ある住民は「国は大衆に国を愛させようとするが、本当に大衆に国を愛するようにさせるわけではない」と嘆いた。
中共は反日デモで大暴れさせたら。官製デモしかできない国なので。
https://www.aboluowang.com/2025/1118/2306895.html
11/18阿波羅新聞網<习下张上?张又侠首次“公开回应” —王友群:醉翁之意不在酒 张又侠将“习剧”推向新高潮=習が下がって、張が上がる? 張又侠初の「公の場で反応」 ― 王友群:醉翁の真意は酒の中にはない、張又侠、「習近平ドラマ」を新たなクライマックスへ>11/12、中央軍事委員会第一副主席の張又侠は人民日報に「高品質で国防と軍の近代化を推進」に関する記事を掲載した。記事は冒頭で「習近平を核心とする」ことや「強固な軍事思想」に言及し、ほぼすべての重要な段落で習近平に20回も言及している。昨年7月の三中全会以降、張又侠が公表した演説や記事で習近平に言及することはほとんどなく、象徴的な発言にとどまっている。今回の記事で習近平に大きく言及したのは、実に異例である。
張又侠が人民日報にこの「習近平称賛」記事を掲載した主な理由は張が軍権を握っているからである。習の軍における左右の腕が砕かれ、「習家軍」がほぼ壊滅したという結論は、習近平が事実上権力と権威を失い、もはや唯一の支配者とはみなされないことを示している。今や習近平は、他人が書いた台本に従って行動する人物に過ぎない。中共の政情変化を観察するのに、習近平への表面的な称賛だけを見るのでは不十分であり、それは単なる公式のレトリックに過ぎない。何衛東や苗華など、習近平から特別な「恩恵」を受けていた者たちでさえ、「信頼が崩れ、忠誠心を失い」、「党が銃を指揮し、中央軍事委員会主席の責任制が深刻に揺るがされている」。習近平は一体誰を信頼できるのだろうか?誰が真に習近平に忠誠を誓うのだろうか?
習の4選はないと思う。
https://www.aboluowang.com/2025/1118/2306915.html
近藤氏の記事は、非常に長い。立憲・岡田が高市首相を嵌めようとして、国際問題になった。左翼メデイアが起こした首相の靖国参拝や慰安婦問題と同じで、日本政府の行動を制約し、日本の国益を損ねたのと同じ構図。立憲は共産党と同じ。でも、近藤氏が最後に挙げていた「大地震のように、台湾有事にも「正しく備える」必要があると思う」のはその通りで、国民の覚醒に役立ったはず。
記事
岡田克也氏の「イチャモン質問」
「世界の真ん中で咲き誇る力強い日本外交を取り戻して、国際社会の平和と繫栄により大きく役割を果たしていきたい」
こう宣言して出帆した高市早苗内閣が、発足から1ヵ月も経たずして、対中外交で大揺れになっている。
きっかけとなったのは、11月7日の衆院予算委員会での岡田克也元外相(立憲民主党)による代表質問だった。私は58分の丁々発止のやりとりを国会中継で見ていたが、改めて詳細に見直してみた。

まず岡田氏は、先月28日に高市首相が米ドナルド・トランプ大統領との会談後に語った「世界で最も偉大な日米同盟」という発言に、イチャモンをつけた。「自衛隊の活動範囲は限定されているので、この言葉には違和感がある」というのだ。
続いて、冒頭の言葉「力強い日本外交を取り戻す」にイチャモンをつけた。「『取り戻す』ということは、菅・岸田・石破の3内閣の外交を否定するのか? 3首相に失礼だ」というのだ。
このイチャモン、イチャモンに、それまでこの日すでに7人の代表質問計235分をこなしていた高市首相は、半ばため息交じりに答え続け、最後は「よく承りました」と引き取った。
「存立危機事態」が意味するもの
そこから岡田氏は、「存立危機事態」に話題を変えたのだった。
2015年、安倍晋三内閣は、安全保障関連法を整備。「切れ目のない抑止体制」を目指して、「重要影響事態」(後方支援)→「存立危機事態」(集団的自衛権による武力行使)→「武力攻撃事態」(個別的自衛権による武力行使)における対応を示した。これら3事態とは、以下の通りだ。
〇重要影響事態:そのまま放置すれば、我が国に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態など、我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態。
〇存立危機事態:我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明確な危険がある事態。
〇武力攻撃事態:我が国に対する武力攻撃が発生した事態、または発生する明白な危険が切迫している事態。

この中で岡田氏が問題視したのは、2番目の存立危機事態だった。つまり、「日本は攻撃されていないのに自衛隊が出動する」ということに対するイチャモンである。
岡田氏は、「10年前に野党代表だった」ことを踏まえて、「『個別的自衛権の解釈拡張』と『集団的自衛権を制限して認める』という二つのやり方がある」と前置きして、「運用を限定して、厳格にしていかねばならない」と持論を述べた。その上で、「あなた(高市首相)は1年前の(自民党)総裁選挙で『中国によって台湾が海上封鎖されたら存立危機事態になるかもしれない』と述べた」と指摘したのだった。
これに対し、高市首相はこう答えた。
「一般論として申せば、いかなる事態が存立危機事態に該当するかは、実際に発生した事態の個別具体的な状況に即して、すべての情報を総合して判断しなければならない」
このあたりは「模範回答」だった。
元外相が発した「変化球のイチャモン」
そこで岡田氏は、今度は「変化球のイチャモン」を投げた。
「例えば、台湾とフィリピンの間のバシー海峡を封鎖された場合、迂回(うかい)すれば何日か余分にかかるかもしれないが、日本にエネルギーや食糧が途絶えるということは基本的にない。どういう場合に存立危機事態になるかお聞きしたい」
「台湾海峡」ではなく、「バシー海峡」を引き合いを出したのである。そこには、「台湾海峡より日本にとって遠くてローリスクなバシー海峡が封鎖されても、存立危機事態と認定する気なのか」という底意が窺い知れる。

高市首相は、こう答えた。
「他国に、台湾だと『他の地域』と申し上げた方がよいかもしれないが、あの時(2015年)には台湾有事に関する議論があったと思う。台湾に対して武力攻撃が発生する。海上封鎖というのも戦艦で行い、また他の手段を合わせ対応した場合には、武力行使が生じうる話である。
例えば、海上封鎖を解くために、米軍が来援をする。それを防ぐために何らかの他の武力行使が行われる。
こういった事態も想定されるので、その時に発生した事態、いかなる事態が生じたかということを、総合的に判断しなければならないと思っている。単に民間の船を並べて、そこを通りにくくするということ、それは存立危機事態にあたらないと思うが、実際にこれが、いわゆる戦争という状況の中での海上封鎖であり、またドローンが飛びいろんな状況が起きた場合、それはまた別の見方ができると考える」
このあたりも、しごくまっとうに答えている。すると岡田氏は、こう反論した。
「これでは限定的にならない、非常に幅広い裁量の余地を政府に与えてしまうことになり、懸念を覚える。迂回できる時に存立危機事態と軽々しく言うべきではない。
昨年1月、(自民党)副総裁の麻生さんがアメリカで、『中国が台湾を攻撃したら存立危機事態に認定する可能性が極めて高い』と発言した。安倍さんも『台湾有事は日本有事』と軽々しく扱っている。
存立危機時代で武力行使すれば、反撃も受ける。それを避けるのが政治家の役割だ」
これに対して、高市首相はこう述べた。
「あらゆる事態、最悪の事態を想定しておくことは非常に重要だと思う。台湾を中国の支配下に置くために、(中国は)どういう手段を使うか。単なるシーレーンの封鎖であるかもしれない。武力行使であるかもしれない。ニセ情報(の流布)であるかもしれない。
だけれども、戦艦を使って武力の行使も伴うものであれば、まあこれは、どう考えても存立危機事態になりうるケースであると私は考える。実際に発生した個別具体的な事情に応じて、政府がすべての事情を総合的に判断するということだ。
実際に武力攻撃が発生したら、これは存立危機事態にあたる可能性が高い。法律の条文通りであるかと思っている」
在留邦人の安全は確保できるのか?

高市首相を睨みつけるようにじっと聞いていた岡田氏は、右手を挙げた。
「武力行使が誰に発生することを言っているのか? もっと明確にしないといけない。
近隣有事の時に最も重要なことは、そこの在留邦人を安全な場所に移動させることだ。だが存立危機事態と言って武力行使したら、それも困難になってしまう可能性が高い。だから軽々に武力行使、武力行使と言うべきではない」
高市首相が答えた。
「邦人救出は最大の優先事項であり、責務だ。ただその時も、安全を確保しないといけないのは事実だ。
最悪の事態も想定しておかねばならない。いわゆる台湾有事は、深刻な状況に至っていると思っている。実際にシミュレーションをしてみれば、最悪の事態を想定しておかねばならないということだ。
即、存立危機事態に認定して、日本が武力行使を行うということではない」
これに対して、岡田氏は畳みかけるように言った。
「(台湾からの)大量の避難民、数十万人、数百万人が発生する。そういった人々を受け入れる必要がある。
そういう時に、日本が武力行使をしていたら、極めて差し障りが出てしまう可能性が高い。存立危機事態、武力行使は慎重に考えねばならない。あまりに軽々しく言っていないか?」
高市首相は、今度は手元の答弁用紙を確認するようにして答えた。
「存立危機事態の認定に際しては、個別具体的な状況に則して、主に攻撃国の意志・能力・事態の規模・対応などの要素を総合的に考慮して、我が国に戦禍が及ぶ蓋然性、国民が被ることになる犠牲の深刻さ、重大性などから判断すべきものと考えている。
政府として、持ちうるすべての情報を用いて判断する。これは当然のことと思っている」
「岡田vs高市」のバトルはまだまだ続くのだが、いま日中間で取り沙汰されている「存立危機事態」に関するやりとりは、以上である。
中国が見せた“ヒステリックな反応”
この高市首相の答弁に、周知のように中国がヒステリックな反応を見せた。
まず翌8日、薛剣(せつ・けん)駐大阪中国総領事がXに、「勝手に突っ込んできたその汚い首は一瞬の躊躇(ちゅうちょ)もなく斬ってやるしかない。覚悟ができているのか」と投稿。この発言に、日本中が怒りの渦となった。

だが週明けの10日には、北京の中国外交部の定例会見で、林剣(りん・けん)報道官が吠えた。
「日本のリーダーが先日、国会で公然と、台湾に干渉する錯誤的な言論を発表した。台湾海峡に武力介入する可能性を暗示したのだ。
中国の内政への粗暴な干渉は、一つの中国の原則、中日間の4つの政治文書(1972年の国交正常化、1978年の日中平和友好条約、1998年の江沢民主席訪日、2008年の胡錦濤主席訪日時の日中共同声明)の精神、及び国際関係の基本準則に厳重に違反するものだ。
また日本政府がこれまで行ってきた政治的な承諾にもまったく合致せず、その性質と影響は極めて劣悪だ。中国側はこれに強烈な不満を持ち、決然たる反対をする。すでに日本側に、厳正な申し渡しと強烈な抗議を行ったところだ。
台湾は、中国の台湾だ。いかなる方式であれ台湾問題は解決するのであり、国家の統一は実現するのだ。これは純粋な中国の内政であり、いかなる外部勢力の干渉をも容認しない。
日本のリーダーがそのような発言をしたのは、結局のところ、『台湾独立』勢力にどんなシグナルを送りたいのか? 中国の核心的利益に挑戦したり、中国の統一の大業を阻止したりという意図があるのか? 日本はとどのつまり、中日関係をいかなる方向に導きたいのか?
今年は中国人民抗日戦争・世界反ファシズム戦争勝利80周年であり、同時に台湾の光復(日本植民地からの解放)80周年でもある。日本はかつて台湾の植民地統治を実行し、枚挙にいとまのない罪行を犯した。
日本の為政者が台湾海峡への事柄に介入しようと妄想を抱くことは、国際的な正義を踏みにじることであり、戦後の国際秩序への挑戦である。同時に、中日関係を厳重に破壊することでもある。
中国はしまいには統一されるし、必ずや統一する。中国人民の意志は固く、信念は十分で、能力は満ち足りている。中国統一の大業を阻止しようと手を差し挟む謀略は、すべて決然と粉砕する。中国は日本に、中国への内政干渉の即時停止を促す。線を越えた挑発は停止し、錯誤の方向へ向かってどんどん進んでいくべきではない」
そこからはもう、中国側の嵐のような「反日攻勢」、そして日本でも反中感情の沸騰である。同日夜には、CCTV(中国中央広播電視総台)の夜のメインニュース『新聞聯播』で、上記の内容を、アナウンサーが血相を変えて読み上げた。
中国外交部に呼び出された金杉大使
11日には、自民党が「中国の薛剣・駐大阪総領事の不適切なX投稿に対する非難決議」を採択。12日には連立与党を組み始めた日本維新の会が、「薛剣中華人民共和国駐大阪総領事への外交的対応に関する見解及び申し入れ」を首相官邸に提出した。

13日には、中国外交部の孫衛東(そん・えいとう)副部長(外務次官)が、金杉憲治駐中国日本大使を召致し、以下のような厳正な抗議を行ったと、外交部が発表した。
「日本の首相・高市早苗は先日、国会答弁で公然と、台湾干渉の露骨な挑発発言を述べた。これは台湾海峡問題への武力介入を暗示するもので、その性質は極めて劣悪だ。中国は重ねて厳正な申し入れを行ったが、日本はいまだ反省せず、錯誤の言論の撤回を拒否している。中国はこれに強烈な不満と、決然とした反対を示し、日本に対して厳正な申し入れと強烈な抗議を行う。
高市の台湾干渉の言論は極めて誤っており、しごく危険である。中国の内政に粗暴に干渉し、国際法と国際関係の基本準則に厳重に違反し、戦後の国際秩序をひどく破壊するものだ。一つの中国の原則及び中日の4つの政治文書の精神に厳重に違反し、中日関係の政治的基礎を厳重に破壊し、中国人民の感情を厳重に損害するもので、14億中国人民はこれに対して絶対に納得できない!
台湾問題は中国の核心的利益の中の核心であり、触れてはならぬレッドライン、最終ラインだ。台湾は中国の神聖な領土であり、台湾の事柄は純粋に中国の内政に属する。どうやって台湾問題を解決するかは中国自身の事であり、いかなる外国の干渉も容認しない。
今年は中国人民抗日戦争及び世界反ファシズム戦争勝利80周年であり、台湾の光復(日本植民地からの解放)80周年でもある。80年前、勇敢な中国人民は14年の血を浴びた奮戦を経て、日本の侵略者を打ち負かした。80年後の今日、いかなる者もいかなる形式であれ、中国統一の大業に干渉しようとするならば、中国は必ずやこれに痛撃を与える!
中国は再度日本に、歴史の罪責を深く反省し、直ちに過ちを正すことを考え、劣悪な発言を撤回することを促す。誤った路上をさらに進むべきではない。なもないと、一切の結果の責任を日本側が負わねばならない」
中国外交部が駐日大使を召致するのは、およそ2年ぶりのことだった。この日は、前述の林剣報道官が、わずか20分の定例会見で2度も日本に噛みついた。
「日本への渡航注意喚起」を発出
14日には今度は、日本外務省の船越健裕外務事務次官が、呉江浩(ご・こうこう)駐日中国大使を召致し、薛剣大阪総領事の発言について抗議した。だが東京の中国大使館の発表では、中国側が日本に厳重に抗議したことになっていて、「薛剣発言」については一切触れていない。

同日、今度は中国国防部もこの問題に「参戦」してきた。国防部の蒋斌(しょう・ひん)報道官(大校)が、吠える映像を公開した。
「日本のリーダーは、台湾に干渉する誤った言論で粗暴に中国の内政に干渉した。これは一つの中国の原則、中日の4つの政治文書の精神及び国際関係の基本準則に厳重に違反し、戦後の国際秩序に挑戦するものだ。
『台湾独立』勢力に向けて厳重な誤った信号を発出するもので、その性質・影響は十分に悪辣で、あまりに無責任かつ危険極まりないものだ。
台湾問題は純粋に中国の内政に属し、いかなる外来からの干渉も容認しない。今年は中国人民抗日戦争及び世界反ファシズム戦争勝利80周年であり、台湾の光復80周年でもある。もしも日本が歴史の教訓を深刻に汲み取らず、危険な道へ向かおうとするならば、ひいては台湾海峡の情勢に武力介入するならば、中国人民解放軍は必ずや、鉄壁の力で立ちはだかり、(日本は)血流を見ることになって悲痛な代償を支払うことになるだろう」
さらに同日夜には、中国外交部が「日本への渡航注意喚起」を行った。
<今年に入って、日本社会の治安は安定せず、中国の公民に対する違法な犯罪案件や、日本在住の中国公民への襲撃事件が多数発生している。一部の事件はいまだ未解決であり、中国国民の日本での安全環境は引き続き悪化している。
最近、日本のリーダーは公然と、台湾に干渉する露骨な挑発的発言を述べており、中日の人々の交流の雰囲気は著しく悪化している。そして日本在住の中国公民の人身と生命の安全に、重大なリスクをもたらしている。
外交部と日本にある中国大使館は、中国公民がしばらく日本への渡航を控えるよう重く呼びかける。すでに日本に在住している中国公民には、現地の治安情勢をしっかりと注視し、安全防犯意識を高め、自己保護を強化すること。緊急事態に遭遇した場合は、いつでも警報を鳴らし、駐日領事館の手助けを求めてほしい。(以下、東京・大阪・福岡・札幌・長崎・名古屋・新潟の中国領事館の緊急電話番号は省略)>
この大仰な「日本渡航注意喚起」の発表は、15日昼のCCTV『新聞30分』で2番目のニュースとして、厳めしい顔つきでアナウンサーが全国に流した。
17日の中国外交部定例会見では、計12問中、5問がこの件に関することで、そのたびに毛寧(もう・ねい)報道局長が吠えた。
中国の怒りの背景10項目
おそらく多くの日本人が、「なぜ中国は突然、そんなに怒り出したの?」と仰天したことだろう。当の高市首相からして、そうだったに違いない。
私なりに、中国側の「怒りの背景」を整理すると、以下の10点が挙げられる。以下、順に述べる。
① 「存立危機事態」への誤解
2022年に初めてNATO(北大西洋条約機構)首脳会議に参加した岸田文雄首相(当時)は、「今日のウクライナは明日の東アジアかもしれない」と述べ、話題を呼んだ。中国はこの時、「岸田発言」に激しく反発したが、実際には中国国内でも、ウクライナ戦争を台湾有事に見立てる論調は、結構あった。
すなわち、「ロシア=中国」「ウクライナ=台湾」という見方だ。私がある中国の戦略家に、「では日本は?」と聞いたら、「ドイツ=日本」と答えた。「ポーランド=フィリピン」とも言っていた。

2022年6月、岸田首相がNATO総会に日本の首相として初出席した
「ウクライナ戦争でドイツが取った行動は、直接ロシアとは戦わないけれども、ウクライナを支援したり、難民を受け入れたりするというものだった。近未来に台湾有事になれば、日本も同様に、台湾を非軍事的に支援したり、台湾からの難民を受け入れたりという役回りを演じるだろう。
逆にわれわれ(中国)も、台湾統一(攻撃)に集中したいので、決して日本を叩いたりはしない。それは、ロシアがドイツを攻撃しないのと同じことだ」
中国側は、そんな見立てでいたのである。それが今回、高市新首相が「存立危機事態」を俎上(そじょう)に上げたものだから、「日本はドイツでなく、ウクライナになる気か?」と仰天したのである。
しかしながら、前述の国会審議のやりとりを見ると、高市首相は「中国と戦争する」などとはまったく考えていないことが分かる。高市首相が考えているのは、以下の通りだろう。
「台湾有事になったら、日本の周辺が大混乱になって、何が起こるか分からない。その際、日本の為政者として、最悪の事態を考えなくてはならない。そのためには、自衛隊ができるだけ自由に活動できる環境が必要だ。そのためには、存立危機事態を発動した方がよい」
ところが中国側は、「台湾有事を日本が存立危機事態に認定することは、20世紀前半のように中国と戦争を起こす気だ」と曲解したのである。過去の歴史的経緯から、日本に対して「警戒感のDNA」を持つ中国人のアラートが鳴ったとも言える。
日中の「パイプ役」が不在
② 存立危機事態の定義への怒り

1972年の日中国交正常化から多くの自民党政治家がパイプ役を担ってきた
存立危機事態の定義は、前述のように、「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し……」となっている。10年前の安倍首相は、「他国」とは同盟国のアメリカという立てつけだった。
ところが中国は、「他国」を台湾と受け取った可能性がある。中国は「台湾は中国の不可分の領土の一部」としているから、「他国」という言葉を台湾に適用することには納得しない。そもそも台湾が、「我が国(日本)と密接な関係にある」ことも不快だ。
というわけで、「存立危機事態は台湾有事にはあてはまらない」という主張を展開している可能性がある。
③ 「パイプ役」の不在
1972年の日中国交正常化以降、日中関係は幾度となく荒波に巻き込まれたが、そのたびに修復に動いたのが、「パイプ役」だった。中国側の毛沢東・鄧小平・江沢民・胡錦濤の時代には、自民党内部に、中国側に顔が利く「パイプ役」が何人もいた。習近平時代になっても、安倍晋三政権時代には二階俊博幹事長が、石破茂政権時代には森山裕幹事長が「パイプ役」を担ってきた。
先月4日、自民党総裁選で高市氏が勝利した時、自民党内に「パイプ役」が消えることに焦燥感を募らせた呉江浩(ご・こうこう)大使は、6日に斉藤鉄夫公明党代表を訪ね、「新たなパイプ役」になってもらおうとした。ところが公明党は、その4日後に自民党に三下り半を突きつけて去っていった。
そのため、国交正常化から53年にして初めて、日中関係に「パイプ役」が消えたのである。それは、まるで非常階段や消火設備のないビルのようなものだ。
「平時」の時はそれでも構わないが、今回のように「火」が付いた時に「消火」できなくなる。いまの日中政府間には信頼感などないので、ひとたび「火」が付けば、互いに性悪説に立って疑心暗鬼に陥っていくからだ。
そのため、ある程度、時間を要するかもしれないが、中国との「パイプ役」を構築すべきである。
「高市は『もう一人の頼清徳』」
④ 高市首相を「第二の頼清徳総統」と見る先入観
高市氏が自民党総裁選に当選した時、わずか1時間後にXに「祝福メッセージ」を日本語と中国語でアップしたのが、台湾の頼清徳(らい・せいとく)総統だった。それに対して、中国の習近平主席は、それまで日本の新首相誕生時に欠かさず送っていた祝電を、高市新首相に対しては送らなかった。
その「真意」をある中国人に聞くと、こう答えた。
「中国では日本に、『第二の頼清徳政権』が誕生したと捉えている。すなわち、昨年5月に台湾で、台湾独立を目論む勢力がリーダーになった。続いて今年10月には、頼清徳を支援する勢力が日本でリーダーに就いたということだ。そのため、高市新首相に対する中国のイメージは、『台湾独立派』であり最悪だ」

そんな先入観を持っているところに、「存立危機事態」の発言が飛び出したので、「やはり台湾独立を目論んでいる」と爆発したのだ。
⑤ 台湾問題に無関心なトランプ
中国側にとって、台湾に武力行使していない大きな理由の一つが、「アメリカ軍への畏(おそ)れ」である。アメリカは1979年に台湾と断交した後も、台湾関係法を作って台湾を軍事支援してきた。1996年の台湾海峡危機の際には、ミニッツとインデペンデンスの空母打撃軍を送り込んで、人民解放軍を蹴散らした。
ところが、先月30日に釜山で行われたドナルド・トランプ大統領と習近平主席の6年ぶりとなった対面での「大一番」では、1時間40分の会談を終えた後、トランプ大統領が言った。「台湾問題については、今日の議題に上らなかった」

10月30日、釜山で習近平主席との親密ぶりをアピールしたトランプ大統領
これはアメリカ外交にとって、大変な「失態」である。なぜなら、「台湾に武力行使してもアメリカ軍は動かない」という意識を、中国側に与えてしまうからだ。ある中国人はこう言う。
「ロシアがウクライナ侵攻しても、バイデン政権時代のアメリカ軍は、ウクライナに行かなかった。それでもバイデン大統領は、台湾防衛についてのコミットメントを、計4回も明言した。
ところが、トランプ大統領は一度も明言しないどころか、6年ぶりに開いた習近平主席との首脳会談で、議題にも載せなかった。これはチャンス到来だ。あとは、アメリカの次にやっかいな日本を封じ込めれば、台湾の『外堀』は埋まる」
こうしたことから、高市政権にとりわけ高圧的に出たというわけだ。
総書記「4選」に突き進む習近平
⑥ 「4中全会」での方針転換
2023年3月に異例の3期目の政権を始めた習近平主席は、政策の1丁目1番地に、「経済のV字回復」ではなく、「総体国家安全観」を持ってきた。これは、あらゆる意味で中国を「安全」にしていくというもので、社会主義的な引き締め策である。そのため、3年に及んだ「ゼロコロナ政策」で急失速した中国経済は、さらに落ち込んだ。
いよいよ背に腹は代えられなくなった昨年3月、年に一度の全国人民代表大会(国会)を契機として、経済優先策に政策を転換させた。同時に外交政策も、「戦狼(せんろう)外交」(狼のように戦う外交)から「微笑外交」に転換した。今年に入って「トランプ関税」の時代になると、4月に「周辺外交工作会議」を開いて、周辺諸国とのさらなる「微笑外交」を図り、「味方」を増やそうとした。

10月の「4中全会」で習近平総書記は2年後の「総書記4選」に意欲満々
ところが、先月20日から23日まで開かれた中国共産党の年に一度の重要会議「4中全会」(中国共産党第20期中央委員会第4回全体会議)の結果、またもや方向転換が図られた。再び「総体国家安全観」が中心に据えられたのである。
これは想像するに、習近平総書記は、2年後の秋に開かれる第21回中国共産党大会で、超異例となる「4期目の再選」を果たそうとしている。そのためには、「不穏な芽」をことごとく摘み取って国内を「安全」にしておく必要があると考えた。
外交について言えば、「戦狼外交」の復活である。その最初のターゲットとして、日本が引っかかったのである。
⑦ 人民解放軍を掌握したい
同じく、「4中全会」で世界の中国ウォッチャーが注目していたのが、200万人民解放軍を統括する中央軍事委員会の行方だった。習近平中央軍事委員会主席以下、副主席が2人でヒラの委員が4人の計7人が定員だ。
2022年10月の第20回中国共産党大会で、習主席は「ほしいがままのお友達人事」を敢行した。ところが、「お友達」の何衛東(か・えいとう)副主席、李尚福(り・しょうふく)委員兼国務委員兼国防部長(防衛相)、苗華(びょうか)委員の3人が、汚職などで失脚してしまった。それで残り4人しかおらず、「空席の3席」に誰が昇格するのかが注目だったのだ。
ところが結局、ヒラだった政治将校の張昇民(ちょう・しょうみん)委員が副主席に昇格しただけで、誰も補充されなかった。これは習近平主席が、いまだ完全には人民解放軍を掌握できていないことを意味する。
それで習主席は、軍に威信を示そうと、今月5日、自らの肝煎りで2018年に作った「中国国際輸入博覧会」の開会式をすっぽかして、海南島の軍事基地に停泊する3隻目の空母「福建」の就役式典に参加したのである。
そんな中、「人民解放軍の目」を「日本という敵」に向けさせることは、軍の掌握にとって格好の機会となる。ちなみに、2012年に日本が尖閣諸島を国有化した際も、中国は「反日」を権力闘争に「活用」している。
対日「上から目線外交」を展開
⑧ 「中国>日本」という自尊心
2021年以降、中国側は日本との首脳会談や外交の場で必ず、「新時代の要求にふさわしい中日関係を構築していく」と、決まり文句を繰り返す。これについて、ある中国人に質すと、こう解説した。
「あくまでも個人的な解釈だが、1972年の国交正常化以降、長く『日本が兄貴分、中国が弟分』という両国関係が続いた。それが習近平新時代のいまからは、『中国が兄貴分、日本が弟分の関係にしていく』という宣言だ。実際、経済力も軍事力も、もはや中国の方が格段に大きいのだから当然だろう」
このような「上から目線外交」が基本の習近平政権にあっては、高市政権が「反抗」してくることが歯がゆいのである。

⑨ 日本に韓国を見習わせたい
今年6月、韓国に李在明(イ・ジェミョン)政権が誕生した。誕生時に私も韓国へ取材に行き、懐刀の李鍾奭(イ・ジョンソク)国家情報院院長にインタビューしたが、その時、日本とは異なる外交政策を聞いた。それは、「台湾有事は韓国と無関係」というものだ。李院長は、私にこう述べた。
「たとえ近未来に、中国が台湾へ侵攻したとしても、韓国は動かない。どちらの味方もしない。韓国軍には、台湾を防衛する能力もないし、また台湾を助けたことによって中国からソウルにミサイルが飛んでくるなどという事態は避けたいからだ。
そのため李在明政権が発足するや、米中他にあらぬ誤解を与えぬよう、公明正大に『台湾有事は韓国と無関係』と宣言するのだ」
中国はこの韓国の態度を「是」として、先月、習近平主席が韓国への公式訪問を行った。中国からすれば、「日韓は同じ東アジアのアメリカの同盟国なのに、なぜ韓国にできることが日本にできないのだ」と歯がゆく思っている。
外交部の「汚名挽回」作戦
⑩ 外交部の「汚名挽回」
高市新首相と習近平主席は先月31日、慶州APECの場で、初となる首脳会談を行った。日本政府関係者の話によれば、中国側が首脳会談を受諾してきたのは、会談の約3時間前だったという。
前述のように、習近平主席は先月21日に高市政権が発足した際、祝電を送っていない。また、同月26日にクアラルンプールのASEAN(東南アジア諸国連合)関連首脳会議で「同席」した中国のナンバー2、李強(り・きょう)首相との日中首脳会談は、実現しなかった。
こうしたことを勘案すれば、中国側は迷いに迷った末に、高市・習会談を受諾したに違いない。その最終責任者は、中国外交のトップ(党中央外事工作委員会弁公室主任)であり、「外交部のドン」である王毅(おう・き)外相だ。王毅外相は、2003年から2007年まで駐日大使を務めており、日本語も堪能だ。
そんな王毅外相率いる中国外交部は、習近平主席と高市新首相に引き合わせる決断をしたにもかかわらず、直後に激しい日中摩擦を招いてしまった。これは見方によっては、最高権威(習主席)の面子を丸潰しにしたことになる。
そのことも、中国外交部がヒステリックに「反日」を叫ぶ一端となっているだろう。「悪いのは日本です」とレッテルを貼って、責任回避を図ろうとしているわけだ。

以上、10点を示したが、私は今回の騒動で、多くの日本人が「存立危機事態」という聞きなれない言葉を知ったことは、僥倖(ぎょうこう)だったと考えている。これまで「臭いものに蓋(ふた)」のように、台湾有事論議を避けてきた感があるからだ。
大地震のように、台湾有事にも「正しく備える」必要があると思う(逆に国会の騒動で、人民解放軍という「寝た子を起こす」結果になってしまったら困るが)。
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