A『米大統領選】「ヒルビリー」バンスと投資家ティールの奇妙な関係、テクノ・リバタリアンはなぜトランプ支持?作家・橘玲氏インタビュー(前編)』(9/10JBプレス 湯浅大輝)、B『【米大統領選】机上の平等主義にうんざり、右傾化するシリコンバレー…テクノ・リバタリアンはなぜトランプ支持? 作家・橘玲氏インタビュー(後編)』(9/10JBプレス 湯浅大輝)について

9/9The Gateway Pundit<MUST SEE: Robert F. Kennedy Jr. Releases Moving New Ad in Support of Trump and America’s Children=必見:ロバート・F・ケネディ・ジュニアがトランプ大統領と米国の子供たちを支援する感動的な新広告を発表>

ロバート・F・ケネディ・ジュニアは、ドナルド・トランプ前大統領と数回の非公式会談を行った後、8月下旬に正式に大統領候補としてのトランプ氏を支持した。

ケネディ氏は声明の中で、この決断に至った3つの主な原因として、言論の自由、ウクライナ戦争、そして「子供たちに対する戦争」を挙げた。

これらの問題が民主党を離脱し無所属で立候補するという当初の決断の中心であり、今ではトランプ氏の立候補を支持せざるを得ない状況になっていると彼は説明した。

「そもそも私がこの選挙戦に臨むきっかけとなった3つの大きな原因、つまりこれらが、私が民主党を離れ、無所属で立候補する決心をした主な原因です。今回、私がトランプ大統領を支持する理由は、言論の自由、ウクライナ戦争、そして子供たちに対する戦争です」とケネディ氏は語った。

ロバート・ケネディ・ジュニア氏は、支援を発表して以降、全米各地でトランプ大統領の選挙活動を行っている。

ケネディの情熱は米国の子供たちへの愛です。

先週、ロバート・ケネディ・ジュニアは、米国の子供たちを救い、米国を再び健全な国にするための計画を説明した感動的なビデオを公開した。

ビデオより:

ロバート・ケネディ・ジュニア:「19年間、私は毎朝、神が私をこの惨事を終わらせる立場に置いてくださるよう祈ってきました。これは私にとって精神的な旅です。深い祈りを通して決断に至り、私は自分自身に問いかけました。米国の子供たちを救い、国の健康を回復するチャンスを最大限にするには、どのような選択をしなければならないのか?この機会を拒否すれば、数え切れないほど多くの子供たちの命を救うことができたかもしれないことを知りながら、鏡に映る自分を見ることができないだろうと感じました。トランプ大統領は、これを自分の遺産にしたいと私に言いました。すべての米国人にとって最も共通のテーマは、私たち全員が子供たちを愛しているということです。最終的に、私たちの国と子供たちを救う唯一の方法は、私たちがお互いを憎むよりも子供たちを愛することを選ぶことです。

https://x.com/i/status/1832584331459432723

https://www.thegatewaypundit.com/2024/09/must-see-robert-f-kennedy-jr-releases-moving/

9/9Rasmussen Reports<59% Approve of Trump’s Arlington Visit=トランプ大統領のアーリントン訪問を59%が支持>

有権者の大半は、ドナルド・トランプ前大統領が先月アーリントン国立墓地を訪れたことをカマラ・ハリス副大統領が批判したことに反対している。

ラスムセン・リポートの最新の全国電話・オンライン調査によると、米国の有権者の59%が、2021年8月26日のアフガニスタンでのテロ攻撃で米兵13人が死亡した記念日の式典にトランプ大統領が出席したのは適切だったと考えている。アーリントンの式典へのトランプ大統領の出席が不適切だと考えているのはわずか30%で、12%はわからないとしている。

https://www.rasmussenreports.com/public_content/politics/biden_administration/59_approve_of_trump_s_arlington_visit?utm_campaign=RR09092024DN&utm_source=criticalimpact&utm_medium=email

9/10阿波羅新聞網<三连败!连亲共国也不要 北京糗大了=3連敗!親中共国ですら不要、北京は恥ずかしい>セルビアとタイはそれぞれフランスのラファールとスウェーデンのグリペンを次世代主力戦闘機に選んだ…昨年のサウジアラビアに続き、中共のJ-10C戦闘機は国際発注戦争で3連敗を喫した。

中国製は安かろう、悪かろう(ジェットエンジンの性能と信頼性が低い)だから。

https://www.aboluowang.com/2024/0910/2101085.html

9/10阿波羅新聞網<英加澳下逐客令?中国留学黄金时代走向终结=英国、カナダ、オーストラリアが国外追放令?中国留学の黄金時代は終わろうとしている>中国留学の黄金時代は終わりに近づいているとよく言われる。経済的要因に加えて、より大きな影響を与えるのは政治環境で、世界的に保守主義が台頭すると、移民や留学に対する制限がますます厳しくなる。

いくつかの主流の留学受け入れ国の今年の変化はこれを予感させる——

オーストラリア:10万人の中国人学生がオーストラリアの8大学に殺到する時代は終わりを迎えるかもしれない。割り当て命令により留学生の数は直接的に半減になる。

カナダ: カナダへの留学は英国と米国に次いで人気があり、政府のビザ割り当て制限のため、今年の第1四半期に留学ビザが承認された中国人学生はわずか2,645人であった。

英国:今年上半期に大学院ビザの審査が始まり、7月には世界の人材依存の削減を目指す労働党の新首相が誕生し、8月には多くの都市で大規模な暴動が発生し、入国管理が強化された。

おそらく、中国人留学生にとって今後の道はそれほどよくはないだろう。

日本が受け皿にならないように。

https://www.aboluowang.com/2024/0910/2101080.html

9/10阿波羅新聞網<唐凯兰:日本游客在圆明园拍照遭网红骚扰 网红被人肉出是性侵留美学生=唐凱蘭:円明園で写真を撮っている日本人観光客がネット有名人に嫌がらせを受け、このネット有名人は米国留学中に性的暴行を加えていたことが暴露された>9/7、インターネットの有名人ブロガー「アジア人」は、円明園を訪れた際、中国人の通訳者から日本人観光客が写真を撮るために「道を譲ってほしい」と頼まれ、それを拒否したと主張する動画を投稿した。このブロガーは大声でこう叫んだ。「円明園にいるのに、日本人に道を譲れと言うのか?」と。この件が広まった後、ブロガーの過去の犯罪歴が明らかになり、愛国的記事で流量を増やし、盲目的な排外主義アプローチが批判された。一部のネットユーザーは過去のニュース資料を比較し、本名が李高陽という元犯罪者ではないかと疑った。李高陽は2019年に米国に留学していた学生で、カリフォルニア州で6人の未成年少女に対するレイプと恐喝の罪で有罪判決を受け、懲役2年の判決を受け、刑期を終えて中国に強制送還された。

道徳最低な中国人。写真を撮る間も待つことができない、中共に洗脳された人間。

https://www.aboluowang.com/2024/0910/2101084.html

何清漣 @HeQinglian 1時間

私の回答は、「返信」を参照してください。呉瑛の件に関しては、私は内情をまったく知らないので、彼女の弁護士が話すか、千人計画の関与者が話すのが最も適切である。

孫雯事件は、米国にいる華人には弁護したくても弁解できない。ここ数日、彼女に関するさまざまな報道を見たが、彼女の身元は非常に複雑である:2019年の中華人民共和国建国70周年記念式典に参加した際、彼女は米国企業家連合会青年委員会委員長の名前を使用した。その時、彼女の正式な職業はNY州政府の役人だった。

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引用

data (流量が限られている、私に“いいね”しないで) @datasooong  3h

返信先:@HeQinglian

東アジアの問題を解決する考えから、できるだけ早く脱却し、米国で一民族として生き残る方法を学んでほしいと思う。

最近起きた2件の連続事件、呉瑛事件と孫雯事件は、見ていてゾッとするものである。恐ろしいのは、主流世論に華人の声が存在しないことだ。

あなた方東アジアの人たちが何を考えているか誰も気にしない、これに賛成か、反対か?誰も気にしない。東アジアは透明度が少ない。

民族問題を気にする華人は一人もいない。私が成功すれば、私の人生には価値があるだろう。

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何清漣 @HeQinglian 47m

中国の一部の政府職における海外からの帰国者の不採用については、こちらの記事もご覧ください。

https://sohu.com/a/715069813_121123708

税収管理員のような一般的な職務について話をするな。

何清漣 @HeQinglian 10時間

米国メディア – 世論調査は本当に難しい。人民日報は党の指導を遵守し、常に党を支持していればよい。米国メディアは、頭を活発に働かせ、党中央の指示に耳を傾ける必要がある。一方、ハハ(=カマラハリス)は米国史上DEIのすべての利点を備えた大統領でナンバーワンであり、二人といないと述べた;暫くして、今後読者を失うことはできないと考えたので、方向転換する必要があり、 1ヶ月でこれほど180度方向転換するのは本当に大変であった。

引用

L JM  @zhixiangziyou  9月9日

🚨ニュース速報 – 新しい世論調査で、ネイト・シルバーの2024年選挙モデルではトランプが再びリードし、ハリスが選挙戦に入って以降、最高値を記録。

選挙人団の勝利確率:

🔴トランプ: 63.8% (+27.8)

🔵ハリス: 36% x.com/ray33337040963…

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湯浅氏の記事で、彼がインタビューした橘玲氏は『テクノ・リバタリアン 世界を変える唯一の思想』を3月に出しました。どこまでも個人の自由を追求していけば、無政府主義になると。無政府主義も『アナルコ・サンデイカリズム』→『アナルコ・キャピタリズム』→『クリプト・アナキズム』と発展してきたとありました。『クリプト・アナキスト』(暗号無政府主義者)とは、暗号化技術で自らのプライバシーを守りながら、政府の介入を拒む人達を指します。

https://bunshun.jp/bungeishunju/articles/h8033

本の中に、解説図がありましたので、アップします。

「総督府功利主義」の説明:「総督府功利主義」とは、一部の支配階級(植民地を統治する総督府を想定)が、植民地の二級市民(現地人)を効率よく集中管理する社会の構造。二級市民には統治に参加する権利はなく、ただ支配されるだけの社会。リアリストのティールは「自由とは、それを支える安全があってこそ存在できる」と考え、国家が国民(=二級市民)を監視するのも仕方がないと。

リベラリズム(公正・平等)とありますが、中共を見てわかるように、左翼は全然平等な社会でないし、不正も横行する。

マスクやRKJ、ツルシ・ギャッパードがトランプの下に走ったのは、民主党はリベラルの程度が過ぎて、暴走し、不正を厭わず、戦争を好んでいるから。単に自分達の生き残りのためだけではないことを強調したい。

A記事

トランプ氏=左と次期副大統領候補のバンス氏=右(写真:AP/アフロ)

  • 11月の米大統領選では、テクノロジーによって自由原理主義を追求しようという「テクノ・リバタリアン」たちがトランプ支持を相次いで打ち出している。
  • 象徴的なのがイーロン・マスク氏だが、著名投資家ピーター・ティール氏と副大統領候補J.D.バンス氏との関係も注目されている。
  • バンス氏は白人の貧困家庭出身。なぜ、テックエリートであるティール氏と結びついたのか。『テクノ・リバタリアン 世界を変える唯一の思想』(文春新書)の著者、橘玲氏に話を聞いた。

(湯浅大輝:フリージャーナリスト)

空虚なリベラリズムが嫌いなふたり

──バンス氏は著書『ヒルビリー・エレジー~アメリカの繁栄から取り残された白人たち~』 (光文社未来ライブラリー)の中で、アメリカの繁栄から取り残されたオハイオ州で育った経験から、「アメリカン・ドリーム」がもはや過去のものになったことを赤裸々に綴りました。そんな彼とシリコンバレーの伝説的投資家であるティール氏は距離が近いことで知られていますが、両者の共通点はどのようなところにあるのでしょうか?

橘玲氏(以下、敬称略):バンスとティールに共通するのは、きわめて高い能力をもつエリートでありながら、アメリカ東部や西海岸のリベラルなエスタブリッシュメント(支配階級)の文化に反感を抱いていることでしょう。

バンスはラストベルト(錆びついた地域)の貧しい崩壊家庭で生まれ育ち、海兵隊に入隊したのち、復員兵援護法を利用して大学に入学、その後、イェール法科大学院を出ています。イェールはハーバードなどと並ぶアイビー・リーグの名門で、学生の多くが上流階級出身のお坊ちゃま/お嬢さまです。

橘 玲(たちばな・あきら) 作家
1959年生まれ、2002年、国際金融小説『マネーロンダリング』でデビュー。同年刊行され、「新世紀の資本論」と評された『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』が30 万部を超えるベストセラーに。2006年、『永遠の旅行者』が第19 回山本周五郎賞候補作となる。2017年、『言ってはいけない 残酷すぎる真実』で新書大賞受賞。近著に『世界はなぜ地獄になるのか』、『テクノ・リバタリアン』など。

そんなリベラルのエリートたちは、人種や性別による机上の平等を唱えるばかりで、バンスが体験したような貧困を理解するどころか、想像することさえできない。学生たちの米軍や国家に対する批判的・冷笑的な態度も、元軍人の愛国者であるバンスには看過できなかったのではないでしょうか。

ピーター・ティールも、うわべだけの空虚なリベラルに学生時代から反発していました。中学生の頃からレーガンの熱心な支持者で、スタンフォード大学では「文化多元主義」の名の下に西欧文化を否定する風潮に対抗するキャンパス新聞「スタンフォード・レビュー」を創刊し、自ら編集長に就任しています。

ティールはスタンフォード大の法科大学院を卒業した後、名門法律事務所に所属しますが、幻滅してウォール街の投資銀行に転職、そこもすぐに辞めて、ベンチャー投資家になるべくシリコンバレーに移ります。イーロン・マスクとともにPayPalを創業し、その後、凄腕の投資家として活躍し、「PayPalマフィア」と呼ばれる大富豪たちのグループの中心として、シリコンバレーで大きな影響力を持つようになります。

バンスもイェールのロースクールを出た後、法律事務所で働きますが、水が合わなかったのか、わずか1年で退職してベンチャーキャピタルの世界に飛び込みます。その後、ピーター・ティールが所有するファンドのひとつ、ミスリル・キャピタルに所属していました。バンスの経歴は、ティールと瓜二つなのです。

ティールは2011年にイェールで講演し、ウォークやキャンセルカルチャーなどの大学の“左傾化”を批判しました。恵まれた学生たちの「ハイソな文化」に違和感を覚えていたバンスはこの講演に強く共感し、ティールにメールを送ったことで付き合いが始まったようです。

バンスが政界を目指すようになると、ティールが「後見人」のようになり、2022年に故郷のオハイオ州から出馬した上院選では約1500万ドル(約22億円)の政治資金を出しています。

──バンス氏が上院議員になったのは、「ヒルビリー・エレジー」がベストセラーになった6年後でした。彼は元々、政治的野心を持っていたのでしょうか。

「エスタブの秘蔵っ子」から変節したワケ

橘:The Atlanticに「The J.D. Vance I knew(私が知っているJ.D.バンス)」という、バンスがトランプに近づくまでの道程を描いた興味深い記事があります。

2016年に『ヒルビリー・エレジー』でベストセラー作家になった後、バンスはThe Atlanticに「トランプは大衆にとっての阿片だ」とする署名記事を寄稿し、The New York Timesに、政権を去るオバマ前大統領と自分の生い立ちを重ね合わせた惜別の辞を寄せています。バンスは左派やエスタブリッシュメントから、プアホワイト出身でありながら、「話が通じる」若手の保守派エリートという扱いをされていたのです。

当時のバンスは、「アメリカの繁栄から取り残された白人」の窮状に同情しながらも、扇動的なメッセージで経済的弱者から票を奪うようなポピュリズムを批判していました。

PayPalなどを創業した著名投資家のピーター・ティール氏(写真:AP/アフロ)

バンスを担ぎ上げたのは反トランプの共和党主流派の知識人たちで、トランプがヒラリーに負けることを前提としたうえで、まだ政治家にもなっていないバンスを2020年の大統領選で、ヒラリーの再選を阻む共和党の候補者に押し上げようとしていました。

ところがトランプが大統領になったことで、この計画は頓挫してしまいます。バンスは2017年にオハイオ州に戻り、オピオイド(麻薬鎮痛剤)中毒の蔓延とたたかう組織を立ち上げますが、そのときには18年の上院選に「反トランプの保守本流」として挑戦するつもりだったのでしょう。

しかし地元の人たちと語り合うなかで、トランプの支持がないと共和党の予備選に勝つ見込みがないことを思い知らされ、「変節」が始まります。そして、かつての「上司」だったティールに頼んでトランプとの仲をとりもってもらい、これまでの批判をすべて撤回して、トランプを全面的に支持することを約束します。

この戦略転換と冷徹なリアリズムはバンスに大きな成功をもたらし、22年の上院選ではトランプの後押しをうけて当選し、1期3年目の新人にもかかわらず、副大統領候補に指名されるまでの存在になったのです。

政治が嫌になった現在のティール

橘:トランプとバンスとティール、彼らの奇妙な三角関係には後日談があります。

大のメディア嫌いで知られるティールは2023年11月、「反トランプ」の論壇誌The Atlanticの記者に単独インタビューをさせます(「Peter Thiel is Taking a Break from Democracy」。

ティールはここで、「2024年の選挙では共和党の政治家たちにびた一文払わない」と述べています。

ティールがトランプとの絶縁を宣言した背景には、22年の上院選の後にトランプから電話がかかってきて、バンスが当選した成功報酬として、1000万ドルから1500万ドルの政治資金を要求されたことがあります。

ティールがこの申し出を断ると、トランプは「とても悲しい(vary sad)」と繰り返し、その後、ティールのことを「くそ野郎(fucking scumbag)」とののしっているとのうわさが聞こえてきました。

トランプに肩入れしたことで、ティールのビジネスには色々な面倒が生じていました。ティールは同性婚しているのですが、夫からも「彼らにはこれ以上、お金を渡したくない」と言われてしまったとのことです。

このインタビューによると、2023年の時点でティールとトランプの関係は破綻していました。それにもかかわらず、イーロン・マスクなどの「テクノ・リバタリアン」たちはなぜ共和党を支持し、トランプもティールの「元部下」であるバンスを副大統領候補に選んだのか。その話は後編で。

【後編】【米大統領選】机上の平等主義にうんざり、右傾化するシリコンバレー…テクノ・リバタリアンはなぜトランプ支持?

B記事

トランプ氏への支持を表明したイーロン・マスク氏=左=2017年撮影(写真:AP/アフロ)

  • 11月の米大統領選では、テクノロジーによって自由原理主義を追求しようという「テクノ・リバタリアン」たちがトランプ支持を相次いで打ち出している。
  • なぜ、イーロン・マスク氏らテクノ・リバタリアンは共和党に近づくのか。『テクノ・リバタリアン 世界を変える唯一の思想』(文春新書)の著者、橘玲氏に話を聞いた。
  • 橘氏は、テクノ・リバタリアンが生息するシリコンバレーの「右傾化」を指摘する。民主党政権下で加速した平等主義と根本的に相容れないのだという。どういうことか。

(湯浅大輝:フリージャーナリスト)

シリコンバレーの“本音”

──ティール氏は2016年にトランプに資金援助をし、バンス氏が2022年に上院議員選に立候補した際には1500万ドルもの選挙資金を出しています。他にも、イーロン・マスク氏はTwitter(現X)買収後、保守的な論陣を張っています。シリコンバレーで今、何が起きているのでしょうか。

橘玲氏(以下、敬称略):もともとシリコンバレーの人たちは政治的にはリベラルですが、経済的には自由市場への政府の介入を嫌うリバタリアン(自由原理主義者)です。近年の“右傾化”は、リバタリアンの側面が前面に出てきたと考えられるでしょう。

シリコンバレーの大物たちはなぜ、次々と民主党政権から距離を置き始めているのか。それは、民主党の左派(レフト)が突きつけるポリティカル・コレクトネスにつき合っていけないからだと思います。

トランプを支持する白人労働者階級の世界観は、アメリカの階級を4層で考えるとわかりやすいと思います。一番下にいるのは自分たちプアホワイトで、有色人種を「不当に」優遇するアファーマティブアクション(積極的差別是正措置)によって、不公平な競争を強いられています。その上にいるのが黒人などのマイノリティで、ニューヨークや西海岸にいるリベラルなエリートと連帯しています。

白人労働者階級が持つアメリカ社会のイメージ

プアホワイトがリベラルを憎悪するのは、知識社会から脱落したプワホワイトのことをリベラルが「ホワイトトラッシュ(白いゴミ)」などと馬鹿にしているからです。しかし、この階級の頂点に君臨しているのは、数兆円、数十兆円のとてつもない富をもつ「テクノ・リバタリアン」たちです。

なぜテクノ・リバタリアンとプアホワイトが結びつくのか

橘:テクノ・リバタリアニズムとは、簡単にいうと、指数関数的に進歩する強大なテクノロジーによって、自分たちが理想するする社会を創造していこうとする思想運動です。

ではなぜ、知識社会の最大の勝者であるテクノ・リバタリアンと、知識社会から脱落し、トランプを熱狂的に支持する白人労働者階級が結びつくのか。それは、「敵の敵は味方」で説明できます。

イーロン・マスクのような大富豪と、ラストベルトの貧しい白人の唯一の共通的は、リベラルなエリートと敵対していることなのです。

シリコンバレーの有力者たちは、なぜリベラルを敵視する(あるいは、リベラルから敵視される)ようになったのか。

大前提として、マスクをはじめとして、シリコンバレーの大物たちはリベラリズムを強く支持しています。グローバルなテクノロジー企業は、世界中から優秀な社員を集めなくては熾烈な競争に勝てないので、国籍や人種、宗教、性別や性的志向で社員を差別するようなことはできません。

問題は、「機会の平等」が必ずしも「結果の平等」と一致しないことです。

グーグルのようなリベラルな企業が公正な基準で社員を採用すると、ヨーロッパ系白人、ユダヤ人、インド系や東アジア系の男ばかりになってしまいます。ところが左派(レフト)は、政治的に正しい会社では、性別や人種の比率が人口比に合致しているはずだと考えます。女性の比率を半分に、黒人の比率を2割にしなければ、「隠された性差別/人種差別」として批判されてしまうのです。

しかしそんなことをすると、優秀なプログラマーを解雇して、スキルの足らない社員を雇わなければなりません。これでは、ポリコレを気にしないライバル企業にたちまち取って変わられてしまうでしょう。

その一方で、これは現代社会でもっともセンシティブな問題なので、「なぜプログラマーは男ばかりなのか」「なぜ特定の人種ばかりなのか」という問いに対して、相手が納得するような答えを提示することができません。ここは、“触れてはいけない”領域なのです。

イーロン・マスクが過剰なポリコレに反発するのは、「机上の平等主義者」から理不尽な批判を浴びせられていると感じているからでしょう。

シリコンバレーの右傾化でもうひとつ注目すべきは、民主党の左派(レフト)がビッグ・テックを解体しようとしていることです。

連邦取引委員会(FTC)のリナ・カーン委員長(写真:ロイター/アフロ)

バイデン政権で連邦取引委員会(FTC)の委員長に抜擢された法学者のリナ・カーンが典型です。GAFAMをはじめとしたビッグ・テックの創業者たちは選挙で選出されていない「私人」であるのにもかかわらず、いまや独占企業となり、公共領域で大きな影響力を持っている。だとすれば反トラスト法(独占禁止法)を適用して強制的に事業を分割するか、あるいは電気・水道や鉄道のような公益事業として、国家の支配下に置くべきだ、というのが民主党左派の論理です。

これは極論に思えますが、大富豪たちの富が容認できないほどの経済格差を生じさせたことで、「ウォール街を占拠せよ」の運動に参加したような若者たちの間で支持を広げています。こうした民主党内の左派からの圧力が強まった反動で、シリコンバレーの大物たちの間で、自由(放任)経済を支持する共和党や、政治資金さえ出せばなにもいわないトランプの評価が高まったのだと思います。

ただし、ここで話が複雑になるのは、バンスがカーンに同調して、ビッグ・テックの分割に賛成していることです。さらにはティールも、一貫してグーグルの“独占”を批判してきました。

でもこれは、市場での自由な競争こそが経済成長の源泉だとするリバタリアンとしては当然の立場で、シリコンバレーのなかには、プラットフォーマーの支配を解体した方が自分たちにとって都合がいいと考える起業家がかなりいるのでしょう。

──人種間の対立が少ない日本から見ると、そこまで「平等」にこだわる理由がいまいちつかめない人も多いのではないでしょうか。

BLMで火がついた人種問題

橘:私は以前から「世界はリベラル化している」と述べてきました。私のいう「リベラル化」は、「誰もが自分らしく生きるべきだ」という価値観が世界を覆うことです。

宗教や伝統に基づいた規範意識は、恋愛や結婚、あるいは教育や職業選択で「自分らしく生きる」ことを制約・否定します。日本は世界でもっとも世俗化した社会のひとつですが、「宗教的」とされるアメリカでも、伝統の名の下に個人の自由な選択を阻害することはものすごく嫌われるようになりました。

2020年の「Black Lives Matter」運動では、白人の警官がアフリカ系アメリカ人の容疑者を窒息死させたことをきっかけに、アメリカ社会の「見えない人種差別」が批判されました。法律的には平等でも、社会に埋め込まれた暗黙の差別によって、黒人は「自分らしく生きることができない」というのです。

どのような社会にも差別・偏見があり、それをなくしていかなくてはならないのは当然ですが、BLMの一部の活動家は、警察の予算削減や刑務所の解体を求め、「白人は生まれた時からレイシスト(人種主義者)」などの過激な主張をするようになりました。

そうすると、これまでリベラルな政治的立場だった白人のなかにも、一方的に「レイシスト」と決めつけられたことに驚愕して、反発が生まれます。その結果、いまではトランプ派のパーティに名門大学を卒業したり、修士・博士号を持った若い白人エリートが集まるようになりました。彼ら/彼女らはインフルエンサーとしてSNSでも影響力を持ち、「保守派の恐るべき未来」と呼ばれています。

したたかなティールとトランプ

橘:テクノ・リバタリアンとトランプ陣営の接近──。一見すると、両者は相容れないように思えますが、民主党より共和党を支持したほうが自分たちのビジネスにとって有利だというテクノ・リバタリアンの選択は極めて合理的です。とはいえ、彼らはグローバリストなので、トランプ陣営が掲げる「Make America Great Again」のようなアメリカ第一主義に共感しているわけではありません。

トランプ陣営の方もしたたかで、第1次政権時にホワイトハウスの主席戦略官を務めたスティーブ・バノンのような反動主義者は影響力を失い、代わりにイーロン・マスクや著名投資家のマーク・アンドリーセンなどテクノ・リバタリアンを選挙戦に利用しています。彼らが持つとてつもない富や、インフルエンサーとしての影響力を考えれば、トランプが近づきたがるのも当然でしょう。

最後に、テクノ・リバタリアンを代表する人物である、ピーター・ティールの政治思想を少し紹介したいと思います。

ティールは「自由」を至上の価値とするものの、自由を支えるためには「安全」も不可欠だと考えています。9・11同時多発テロが起きた後、ティールは2003年に情報分析企業のパランティアを立ち上げ、国防省やNSAといった諜報機関に対して「テロの兆候を捉える監視システム」を提供しています。

監視社会のための基盤を構築することは、あらゆる中央集権的な組織を拒絶する原理主義的なリバタリアン(アナキスト)から批判されますが、リアリストのティールは「自由とは、それを支える安全があってこそ存在できる」と考えています。

さらには、富が大きくなればなるほど、それを奪うことの価値も高まります。

どれほどの富を持っていても、「暴力」を独占する国家には対抗できません。国家から身を守るもっとも効果的な方法は、国家(政治)に対して影響力を持つようになることでしょう。

大きな富を持つ者は、自分が「持たざる者」の標的になることを恐れるようになります。ティールをはじめとして、大富豪の多くが、世界の終末を恐れる「プレッパー(準備する者)」となって、ニュージーランドに土地を購入したり、シェルターをつくったりしているのは、そうした不安の表われだと思います。

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