『「アメリカが核ミサイル発射」の誤警報をスルー、核戦争を防いだソ連軍人の名前』(8/31ダイヤモンドオンライン 豊島晋作:テレビ東京WBS(ワールドビジネスサテライト)メインキャスター)について

9/1The Gateway Pundit<Why Did Zuckerberg Come Clean on His Collusion with Feds to Silence the Voices of Conservative Americans?=ザッカーバーグはなぜ、保守派米国人の声を封じるために連邦政府と共謀していたことを白状したのか?>

この筆者が言うようにザッカーバーグが本心から懺悔したとは思えない。やはり、トランプ政権になることを見据えた、自己利益のためでしょう。それでもトランプ政権になって腐敗した民主党の幹部を訴追するときに、名前を挙げてもらい、芋づる式に悪を検挙できる。

マーク・ザッカーバーグ氏は、自身の会社メタがフェイスブックのコンテンツを検閲するというバイデン政権の圧力に屈したことを突然「後悔している」と述べ、書簡の中で、この干渉は「間違っていた」とし、もし再び同じことがあれば反撃するつもりだと述べた。

彼の言うことを真剣に受け止めるべきでしょうか?これは本当に「mea culpa(不徳の致すところ)」なのでしょうか?

ポリティコの記事によると 、ザッカーバーグ氏はオンラインプラットフォーム上のコンテンツ管理に関する調査に対する回答として、月曜日に下院司法委員会に宛てた書簡で不満を表明した。

ザッカーバーグ氏は、政府高官らが同社に対し、ユーモアや風刺を含む新型コロナウイルスに関する特定の投稿を検閲するよう圧力をかけた経緯を詳しく述べ、同社が抵抗した際に「多大な不満を表明した」と述べた。

ザッカーバーグ氏はこう書いている。

「政府の圧力は間違っていたと思います。私たちがもっと声を上げなかったことを後悔しています。政権からの圧力によってコンテンツ基準を妥協すべきではないと強く感じています。またこのようなことが起こったら反撃する用意があります。」

ザッカーバーグ氏は書簡の中で、2020年の選挙を前にニューヨーク・ポスト紙がハンター・バイデン氏について報じた内容に関する記憶を消し去ろうとする同社の忌まわしい取り組みについても遺憾の意を表明した。

これは、皆さんも覚えていると思いますが、FBI が「ロシアの偽情報」として仕掛けられた可能性があると誤って警告した話です。

「その後、この報道はロシアによる偽情報ではなかったことが明らかになった。振り返ってみると、このニュースを軽視すべきではなかった」と彼は書いた。

オハイオ州選出のジム・ジョーダン下院議員率いる同委員会の共和党員らは、   Xに関する一連の長い投稿でこの書簡を称賛し、「言論の自由の大きな勝利」と呼んだ。

しかし、本当にそうなのだろうか?政府が憲法修正第1条違反をビッグテックとして知られる民間企業のパートナーにアウトソーシングしているという、私たちがすでに知っていた事実を証明するこの有罪の暴露に対して、議会は何かするつもりなのだろうか。

ロバート・F・ケネディは連邦政府に対して訴訟中であり、最近のインタビューでタッカー・カールソンに対し、連邦政府がソーシャルメディアプラットフォームの監視にどれほど関与し、政府がアメリカ国民に知られたくない情報を削除したり軽視するよう圧力をかけていたかを説明した。

情報が真実かどうかは問題ではありませんでした。実際、政府が最も恐れていたのは、コロナウイルスと2020年の選挙に関する真実でした。

下のビデオを 15:47 のマークまで早送りし、次の 5 分ほどを聞いてください。

ランブルなので見たい人は下のURLをクリック。

ザッカーバーグ氏の経歴を見ると、権力を握っている政府が何であれ、彼は協力する傾向がある。彼は、米国のグローバリストと協力するのと同じくらい簡単に、中共とも協力する。何十億ドルも稼ぎ続けるために必要なことは何でもするのだ。

おそらくこれが、ザッカーバーグ氏がこのタイミングで白状することにした理由だろう。彼は、RFKジュニア氏がトランプ氏と組んでいることを知っており、スーパー弁護士のRFK氏は、チャンスさえあれば、政府の検閲に関する証拠をテーブルに持ち込むだろう。

もしトランプが勝って、RFK を司法長官に任命したらどうなるでしょうか? トランプが勝てば、ザッカーバーグは白状し、方針を変えたと言えるようになります。これは、ザッカーバーグが万全を期しているということです。彼は憲法修正第 1 条の支持者ではありません。

https://www.thegatewaypundit.com/2024/09/why-did-zuckerberg-come-clean-his-collusion-feds/

9/2阿波羅新聞網<多国领导人齐聚北京向中共要钱—非洲领导人齐聚北京,趁中美竞争继续向中国要钱=中共に資金を求めるため各国の指導者が北京に集結―米中競争が続く中、中国に資金を求めるためアフリカの指導者らが北京に集結>アフリカ諸国の首脳は今週続々北京を訪れ、中国政府が9/4~6に開催する2024年中国・アフリカ協力フォーラム(FOCAC)に出席し、中国からの融資や投資の継続獲得を目指している。

中国の習近平国家主席は、資金をばら撒くために数千マイルもアフリカまで旅したとして中国のネット民からしばしば批判されているが、ホストの立場で中国・アフリカ首脳会議を主催するだけでなく、今回のサミットで中国が「グローバルサウス」に貢献することを表明する。

フランス通信社は日曜日(9/1)に発表した報道の中で、アフリカの指導者が北京に集まり、米中の競争を背景に中国から大規模な国内インフラ建設の融資や投資をどのように獲得するかを主に検討していたと伝えた。

習近平が政権を握って以降、中国政府は特にアフリカ諸国との関係を拡大し、多くのアフリカ諸国にインフラ建設を支援するため数十億ドルの融資を提供しているが、これがしばしばアフリカ諸国に多額の債務負担を課し、さらには「債務の罠」論争を引き起こすことさえあった。

中国はまた、超大規模エンジニアリングプロジェクトの建設に参加し、銅、金、リチウム、レアアース鉱物の採掘などアフリカ大陸の豊富な天然鉱物資源を開発するために、数十万人の労働者をアフリカに派遣している。

中国政府は今週、中国・アフリカフォーラムは、南アフリカ、ナイジェリア、ケニア、ザンビアなどの首脳を含む数十カ国の代表団が参加し、新型コロナ以降中国が開催する最大の外交会合になると発表した。代表団は北京に到着したか、続々と到着している。

北京に本部を置くDevelopment Reimaginedの政策アナリスト、オヴィグウェ・エグエグはAFPに対し、アフリカ諸国は「中国が提供する機会を利用して自国の発展を促進することを期待している」と語った。

世界第2位の経済大国である中国は現在アフリカ最大の貿易相手国であり、今年上半期の二国間貿易額は1,678億米ドルに達している。

調査によると、中国政府が昨年アフリカ諸国に提供した融資総額は過去5年間で最高額に達し、最も多くの融資を受けたアフリカ諸国はアンゴラ、エチオピア、エジプト、ナイジェリア、ケニアだった。

しかしアナリストは、中国経済の減速が続いているため、中国政府は思う存分資金を支出することにますます消極的になっていると考えている。

フランス通信は、一部の国が融資の支払いに困難を抱えている場合や、重要な公共サービスへの支出削減を余儀なくされている場合でも、中国はアフリカ諸国への債務救済にずっと消極的である。

世の中にうまい話があるでなし。

https://www.aboluowang.com/2024/0902/2097762.html

9/2阿波羅新聞網<中国市场从金矿到黑洞: “永远不要相信中共” —中国市场: 从在华外国传统汽车厂商的金矿到亏损的“黑洞”= 中国市場は金鉱からブラックホールへ:「中共を決して信じるな」 ―中国市場:中国の外資系伝統的自動車メーカーの金鉱から赤字の「ブラックホール」へ>近年の中国製自動車、特に新エネルギー車の突然の台頭は、かつて中国市場を独占していた外国車を深刻に圧迫し、市場シェアを奪っただけでなく、中国は、かつては利益を上げていた自動車市場の「金鉱」を、外国メーカーにとっては赤字の「ブラックホール」に変えてしまった。

中国ウオッチャーは、外国自動車メーカーが徐々に市場シェアを失い、損失を被った理由は、自動車の研究開発と技術革新という点で中国消費者の低価格と高品質のニーズに応えられなかったことに加えて、より重要な点は、中共当局が「市場と技術の交換」の産業政策、国内消費者の民族主義的感情、外国企業からの知的財産の窃盗、地政学などの要因により、外国企業に強制を迫ったことと指摘する。

世界的な自動車産業動向コンサルティング会社「ダン・インサイツ」(dunneinsights.com)のウェブサイトが提供するデータによると、中国で製造・販売する外資系自動車メーカーの売上高は近年大幅に減少しており、その中でもゼネラル・モーターズ(GM)はトップクラスだ。米国の自動車メーカーは2017年に410万台を販売したが、2024年には180万台の販売が見込まれる;韓国のヒュンダイ/起亜自動車は2016年の120万台から2024年には22万台に減少すると予想されている;ドイツのフォルクスワーゲンは、販売台数を2017年の400万台から2024年には250万台に減らすと予想されている;対照的に、中国最大のメーカーである比亜迪(BYD)の生産台数は2017年の42万台から2024年には360万台にまで急増している。

中共の国策で自国産を有利に扱うのは当たり前。不公平・不公正競争政策が当たり前の国に出ていくのだから覚悟しないと。

https://www.aboluowang.com/2024/0902/2097741.html

何清漣 @HeQinglian 1時間

民主党や欧州の左派政権を支持する中国人が多すぎる。彼らは基本的に下のツイートの情況になって見て、身を切る苦痛を経験してやっと後悔する。

トランスジェンダーや同性愛者であるという理由で民主党の進歩的な政策を嫌う人たちを私は知っている。しかし、これだけでなく、国際政治となると、すぐに民主党の立場になる。

引用

このカリフォルニア州の男性は、カマラ・ハリスが釈放した不法移民が息子を殺害するまで、彼女の支持者だったと語る・・・。

「私は、以前はカマラ・ハリスの支持者であった。しかし、不法移民が息子を殺し、ドリューの遺体を車で3回轢いた後、考えを変えた。」

「息子を殺した犯人は犯行前に逮捕されたが、カマラ・ハリスが釈放した」

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何清漣 @HeQinglian 1時間

米国の家に住んでいると、小規模な修繕は毎年、大規模な修繕は数年ごとに行われる。家を売却するとき、最初の売却益には税金がかからないと規定されていたが、これは後に廃止されて20%の税負担となる。所有者が修繕にあまりにもお金をかけすぎると、売却してもまったく儲からなくなる。ハハ(=カマラハリス)の政策は、売却益には 50% が課税される。

引用

コラソン・ホーキンス @corazon_hawkins 19h

返信先:@HeQinglian

不動産の付加価値の半分は税金の対象となるのは昔からではないのか?キャピタルゲインは、自分が住んでいる家でない限りという私の理解は間違っている?

何清漣 @HeQinglian 2時間

再投稿: 私が翻訳していない不動産に関する記事がもう 1つある。第八条は含み資産税を課税するというもの。つまり、あなたの株を売却しなくとも、株の利益(値上がり益)に課税されるのと同じ。 2年目に損失を出しても、誰もあなたの損を気にしない。

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引用

太った男の子 @NormanDu7 18h

返信先:@HeQinglian

「分析:米国の税制改革 Web サイトで入手できる」のURL を共有してください。私の左翼の叔父二人に見せる。ありがとう

豊島氏の記事では、困った大統領の例として、ニクソンとトランプを挙げ、両方と共和党である。日本のメデイアも例外なく米国左派メデイアの影響を受けて、民主党贔屓なのが分かります。普通ならバイデンの認知症も問題にすべきところ、頬かむりしたまま。大事な議論をするときに、偏った政治の印象を与えるのは、好ましくない。

一人の人間が最終決断を10分の内にするのは、時間の制約上止むを得ないと思う。ただシステムエラーが起きることを想定して、何重にもバリアを張っておく必要があるのでは。問題は、悪意のある人間がすべてのシステムを誤作動させたときでしょう。これのチエックができるようにしないと。

記事

写真はイメージです Photo:PIXTA

現在、核兵器を使用する権限を持つのは各国の政治指導者で、アメリカでは議会の承認なしに大統領の一存で核ボタンを押すことができてしまう。過去にはシステムの誤作動で核攻撃警報が作動し、あわや核戦争へと発展しそうになったケースもある。核報復は核抑止のために必要な行動であると同時に、全員を滅ぼす究極の愚かな決断でもある。こんな矛盾を常に抱える「核」問題を見つめ直す。※本稿は、テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」のメインキャスター、豊島晋作『日本人にどうしても伝えたい 教養としての国際政治 戦争というリスクを見通す力をつける』(KADOKAWA)の一部を抜粋・編集したものです。

アメリカと旧ソ連との偶発的な核戦争を防いだ軍人

ソ連には、システムの誤作動による偶発的な核戦争を防いだ軍人がいます。ソ連空軍のスタニスラウ・ペトロフ中佐で、彼が1983年にモスクワ郊外の防空司令部で勤務しているとき、アメリカから核ミサイルが発射されたとの警報が司令部に鳴り響きます。

数週間前、ソ連空軍は民間機の大韓航空機を自国領空で撃墜していて、米ソにはかつてない緊張が高まっていました。

ペトロフ中佐としては、アメリカが核ミサイルを発射した以上、クレムリンの共産党首脳部に連絡し、報復の核ミサイルを打つ指示を出さなければなりません。

しかし、ペトロフは、システムが誤作動した可能性があるとして、規則を逸脱して共産党首脳部には報告しませんでした。報告すれば報復の核攻撃の指示が出ていた可能性がありましたが、実際はペトロフが予期した通り、システムの誤作動でした。これにより、ソ連が誤認によって核戦争を引き起こす事態は避けられたのです。

ペトロフの果たした役割をめぐっては諸説あるようですが、誤認による核戦争が阻止された事例と見なされています。

システムの誤作動で核戦争を引き起こしかねない事態に陥ったのは、ソ連だけではありません。アメリカも同じです。上述した危機のほぼ4年前にあたる1979年11月9日、アメリカで「午前3時の電話」という恐怖の出来事があったことが知られています。

9日の午前3時、アメリカのカーター政権で国家安全保障問題担当の大統領補佐官を務めていたズビグニュー・ブレジンスキーは自宅のベッドで寝ていました。その彼のもとに突然、NORAD(北米防空司令部)から緊急連絡が入ります。

250発のソ連の核ミサイルがアメリカに向け発射され、本土への着弾が差し迫っているという連絡でした。ブレジンスキーが念のため確認を命じたところ、発射されたミサイルは2000発以上だという、さらに悪い情報が入ってきます。

ブレジンスキーは大統領に全面核報復を促す電話をしようとします。ただ、その際には、まず妻を起こさないように注意したといいます。あと30分もたてば、首都ワシントンも核爆発で一瞬にして消え去り、世界は滅ぶことが分かっていたため、妻には寝たまま苦しまずに人生を終えてほしかったからです。

しかし彼がカーター大統領に電話しようとしたまさにそのとき、コンピューターのミスだという連絡が入り、報復の核攻撃は実行されませんでした。

ただその後も、この原因がコンピューターのミスなのか人為的なミスなのか正確なところは明確になっていません。

「核のボタン」を押す権限を個人が独占するのは妥当か

こうした事例は、決して過去の出来事ではありません。アメリカでは2018年1月にも、人為的なミスによりハワイで核攻撃警報が作動し、多くの住民がパニックに陥る事態がありました。

核のボタンを持った大統領がこうした警報を信じた場合、人為的なミスやシステムの誤作動が核戦争を引き起こす要因となってしまいます。システムへのハッキングなどで「核攻撃の誤認」という世界最悪の勘違いが起こるリスクは現代でも存在するのです。

核ミサイルの発射をめぐるシステムは幾重にも守られていますが、過去も現在も“エラー”や“誤認”が世界を何度も滅ぼしかけたことを知っておくことは重要でしょう。

なおソ連には、かつてアメリカからの核攻撃によって、モスクワが壊滅した場合に自動的に核報復を行うデッドハンド=「死の手」というシステムが存在したことが知られています。

クレムリンの中枢が破壊され、報復の指令が困難になった場合に自動的に全面核報復を行うシステムです。今は、その稼働が確認されているわけではありませんが、専門家の間では、稼働している可能性は否定できないとの見方もあります。

現在、世界において核兵器を使用する権限を持つのは各国の政治指導者です。「核のボタン」を押せるのはアメリカやロシアであれば大統領です。

そしてアメリカ合衆国大統領は、たった1人の判断で核ミサイルの発射をいつでも決断できます。法的な制約など何もありません。副大統領や国防長官、統合参謀本部議長、または議会の承認など全く必要なく、即座に発射できるのです。

もちろん大統領も国防長官や補佐官、そして軍のトップに相談はするでしょう。しかし彼らの同意は全く必要ありません。敵の核ミサイルが発射された後、即座に決断しなければ、反撃は間に合わなくなるからです。

世界の数十億人を殺害する核ミサイル発射の決断時間は10分程度

こうした実態はアメリカ国民にも完全には知られていないようです。アメリカ国民の44%が、核ミサイルの発射は「議会の承認が必要」だと思っているという調査結果もあります。しかし実際はちがいます。

そして、アメリカ大統領は世界の数十億人を殺害するという人類史上誰もしたことのない決断を、わずか10分程度の短時間で下さなくてはなりません。本当に核攻撃を受けているのか、それともシステムエラーなのかも、同じく10分程度で確認しなければならないのです。

しかも、アメリカの核ミサイルは、一度発射されれば、後から取り消すことはできません。敵対国のハッキングで核ミサイルの起爆システムが無力化されることが懸念され、発射後は起爆を解除できない設計になっているからです。つまり、決断は文字通り「取り返しがつかない」のです。

このように、核攻撃について大統領1人が絶大な権限を持ち、後から決定を取り消せない状態にあることについては、アメリカ国内でも懸念する声があります。戦争など何も起こっていなくても、大統領はすぐに核攻撃を実行できるからです。

つまり、ウクライナに戦闘機や戦車を送るために議会を何カ月もかけて説得しなければならない一方、核ミサイルの発射だけは1人で即座にできるのです。

これは核の論理において簡単には理解しがたい問題でもあり、アメリカ国内でも見直しを求める声があります。大統領という個人の人格にも大きく依存することになり、仮に大統領が精神的に不安定だったとしても攻撃できるからです。

かつてニクソン大統領には酒を飲みすぎる傾向がありました。1969年にアメリカ軍の偵察機が日本海で北朝鮮軍に撃墜され、31人の兵士が死亡したとき、酒に酔ったと見られるニクソン大統領は北朝鮮への報復核攻撃を軍に命令しました。

しかしヘンリー・キッシンジャー大統領補佐官が介入し、ニクソンの酔いが覚める朝まで何もしないよう軍に指示したため核攻撃は実行されませんでした。

また、1973年の第4次中東戦争の際、ジェームズ・シュレシンジャー国防長官は、ニクソンのアルコール依存を懸念し、大統領から核使用の指示があったとしても、まずは自分がキッシンジャーに確認するように、軍に指示していたとされています。

「報復の核攻撃」という政治決断が象徴する核をめぐる論理の難しさ

こうした核発射が個人に依存する意思決定のシステムも、偶発的な核戦争のリスク要因の1つであり続けています。

なおアメリカでは2017年、一部の精神科医らのグループが、当時から事実と異なる発言を繰り返していたドナルド・トランプ大統領はサイコパス傾向など複数の精神的な問題を抱えており、核ミサイルの発射権限を持っているのは危険だと警告する本を出版しています。

戦闘機のパイロットなどを含め、アメリカ軍の関係者には精神的・身体的な健康状態について厳しい審査が義務付けられていますが、軍の最高司令官であるアメリカ大統領にはそうした義務はありません。そのため、政治から独立した精神科医や臨床心理士らが、大統領を年に1回診察して、職責を全うできるか検査すべきだとの提言もこの本の中で出されています。

これまで見てきた通り、アメリカ合衆国大統領は、ロシアや中国から先制核攻撃を受けた場合、あるいは受けていることが明確になった場合、報復の核攻撃を即座に決断することになっています。

『日本人にどうしても伝えたい 教養としての国際政治 戦争というリスクを見通す力をつける』(KADOKAWA)
豊島晋作 著

「核のボタン」を押すという決定が大統領など1人の人間に帰属しているのと同様に、この報復核攻撃を行うという決断に、何とも言えない違和感を感じる人もいるでしょう。それは、核攻撃を受けた方が、先に攻撃した方を道連れにして敵味方の国民あるいは人類の大部分を死滅させる道だからです。

報復の核攻撃を実行する理由は何なのでしょうか。敵の愚かな決断に罰を与えるため、敵の世界支配を防ぐため、同盟国を守るためでしょうか。報復すれば世界が滅ぶのであれば、馬鹿馬鹿しい理由にも思えてきますが、これが“現実的な政治決断”となっています。

もちろん報復の核攻撃は、核抑止を機能させるという意味では必要な行動です。しかし、“必要な行動”が同時に全員を滅ぼす“究極的に愚かな決断”でもあることが、核をめぐる論理の難しさ、あるいは大きな矛盾を象徴しています。

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