98年~2000年まで深圳で勤務しました。その時にビール壜の洗壜工場へ見学に行きました。台湾人の経営という事でその非人間的なやり方に吃驚しました。当時は外省人と本省人の区別もついていませんでしたので、多分外省人が経営していたのだと思います。従業員の宿舎は、コンクリ-トでできた建物の大部屋に3段ハンモックを吊るし、ぎゅうぎゅう詰めにし、それでも足りなければ廊下に莚を敷いて寝かせていたりしていました。(深圳は暑い地域です)。仕事は市場から帰ってきた壜を手洗いするのですが、出来高払いで1本0.01元。しかも手袋をしないので、手がふやけてしまいます。いくら山奥から人を引っ張ってきても、当時逃げ出す人は多かったです。
鴻海の郭会長も勿論、外省人です。外省人(蒋介石が連れて来た台湾に住む中国人の子孫)と本省人(台湾人)では性格が違います。Facebookの記事を見ましたら、蒋介石が台湾に逃げ込んできて70年近くなりますので、外省人の本省人化、本省人の外省人化が出てきているとありましたが、大勢は外省人(台湾に住む中国人)と本省人(台湾人)と思えば良いのでは。鴻海の郭会長のやり方は洗壜工場のやり方と同じだったのでしょう。ですから、14人も飛び降り自殺(?)者が出たのです。普通は2,3人自殺者が出れば、監督官庁やマスコミが放っておくはずがありません。地方政府は雇用で文句が言えないのと、同じ中国人同士賄賂付けになっていたと思います。流石に14人にもなって放置できなくなったのでしょう。最初の飛び降りをした“馬向前”の後の報道がされたのかどうか?中国では金で報道させないこともできますので。
鴻海のシャープ買収で約束はすぐに反故にされました。当たり前です。日本人は中国人の性格を理解していないからです。契約とか約束とかは自分に都合の良いときだけ守ると。「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」という民族的特質を持ちますので。
http://www.sankei.com/economy/news/160514/ecn1605140026-n1.html
http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1605/23/news062.html
人員合理化のための機械化・ロボット化は合成の誤謬を引き起こすでしょう。マクロで見れば、失業増、消費減となります。中進国の罠と北村氏は言っていますが。郭会長が台湾を愛するなら、中国大陸でなく、台湾に投資すべき。元々安い人件費狙いで大陸に進出したはずです。2000年に上海にいた台湾人カメラマンに聞いた話ですが、中国人の女子大生を囲っているとのこと。小生にも別な女性を紹介すると言われましたが勿論断りました。経営者で数人囲っているのは当り前です。台湾から離れて女性囲い狙いもあったのでしょう。言葉が通じますので。しかし、今や大陸の人件費も上がり、ロボットを増やすのであれば、別に大陸で投資する必要はありません。郭会長は台湾人ではなく、中国人だからでしょう。
記事
中国の国営ラジオ放送局“中国人民広播電台(中央人民放送)”のウェブサイト“央広網(ネット)”は5月26日付で、「ロボットの展開で富士康昆山の工員11万人が5万人に削減」と題する記事を掲載した。「富士康昆山」とは“富士康科技集団(英文名:Foxconn)”(以下「富士康」)の江蘇省“昆山市”にある工場を指す。その概要は以下の通り。
ロボットが人に取って代わる現実
【1】ロボットが人間に取って代わることは、いまや趨勢ではなく、広く展開されている現実である。富士康はすでにロボット技術を採用し、昆山工場の工員を2013年の11万人から5万人まで削減し、人件費の大幅な削減に成功した。
【2】典型的な労働集約型企業である富士康に対する外部の印象は、無数の生産ラインがあり、出入りが激しい工員と厳しいコスト管理下で行われる連続の超過勤務である。しかし、周期的な工員不足、人的コストの上昇に伴う工場の遠隔地への移転などの各種圧力に直面して、富士康は生産形態の転換なくしては破滅に至ることを認識していた。それなら、どうやって行員数を半減して、営業額を増大させることができるのか。
【3】仮に一般工員の給与を年間5万元(約85万円)、工業用ロボットの市場価格を約12万元(約204万円)とした場合、生産ラインの改造を通じて、多数の工員をロボットに置き換えることができる。ロボットは24時間操業を可能とするし、誤差は小さく、製品率はさらに高いので、3年程度で富士康昆山工場は削減あるいはその他の方法で工員を半分に減らすことができる。
【4】江蘇省昆山市のほか、浙江省、広東省などの東部、東南部の経済発展地区でもますます多くの地域でロボットが人に取って代わる現象が出現している。広東省の2015年を例に挙げると、ロボットの保有量は4.14万台で、全国の18.8%を占め、全世界の2.49%であった。そのうち、2015年に新たに増加したロボットは1.82万台で、全国の4分の1、全世界の6.9%を占めた。一口で言えば、広東省はロボットが人に取って代わる有力な省になりつつある。
【5】ロボットの導入が盛んになっている背景には、労働力市場の矛盾が浮かび上がる。2015年の1~9月に広東省の定点観測企業2万社における工員不足の平均人数は38人であった。「世界の工場」として名を馳せた“東莞市”はかつて工員不足に悩んだが、ロボットの導入後は工員不足が大幅に緩和された。
【6】コストの上昇もロボットの導入を後押ししている。2008年より前の30数年間、珠江三角州の労働者の賃金水準は年に100元(約1700円)程度しか上昇しなかったが、2008年以降の7年間に広東省“広州市”の最低賃金水準は月額800元(約1万3600円)から1895元(約3万2200円)に上昇して毎年1.2倍の伸びを示したが、製靴、家具などの業界では倍増したところもあった。仏山市経済・情報化局副局長によれば、普通工員の平均月給が3500元(約6万円)として、ロボットを導入した後に、ロボット1台が平均して工員8人分の仕事をすれば、1年間で30万元(約510万円)の人件費を節約することができる。また、ロボットを導入すれば、製品の品質が向上する。ロボットは精度が安定しており、製品の品質を大幅に高めることができる。
【7】多くの人々が心配するのは、ロボットが導入された後に流れ作業の生産ラインの工員たちが大挙して失業することになるのではないかということである。ある家具生産工場を例に挙げれば、1台20万元(約340万円)のロボットは年俸10万元(約170万円)の熟練工2人に取って変わることができる。言い換えれば、1年間でロボットの購入費用を回収できることになる。あるネットユーザーは富士康昆山工場で6万人の工員が削減された記事を見て、工員の失業時代が間もなく到来するという思いを深くしたという。
シャープ買収の台湾・鴻海が推進
さて、今年3月30日に台湾の“鴻海精密工業股份有限公司”(以下「鴻海精密工業」)が3888億円の第三者割当増資を引き受ける形で日本の家電大手であるシャープを買収したことは大きな話題となったが、富士康はその鴻海精密工業が中国本土へ投資することを目的に設立した企業である。実質的には台湾の鴻海精密工業を中核とする“鴻海科技集団”が、中国では富士康という企業名で運営されているもので、鴻海科技集団と富士康は表裏一体の関係にあると言ってよい。富士康はアップルの委託を受けてiPhoneやiPadを生産していることで知られるが、アップルのみならず世界の大手メーカー各社から電子機器の生産を請け負う世界最大の電子機器受託生産サービス(EMS)企業である。なお、鴻海精密工業は米フォーチュン誌の世界企業番付「Fortune Global 500」2015年版の31位(2014年版では32位)にランクされている。<注>
<注>2015年版で鴻海精密工業の同業者は、韓国サムソン13位、米国アップル15位。ちなみに、日本企業で最高位のトヨタ自動車は9位。
鴻海精密工業は1988年に富士康の名義で対中投資を行い、広東省“深圳市”に最初の工場を建設した。その後、冨士康の業績は順調に拡大したことから、深圳工場だけでは生産が需要に追い付かず、同じ広東省で深圳市に近い“恵州市”、“中山市”、“仏山市”などの珠江三角州周辺に工場を建設したが、さらなる増産の必要性から中国各地に工場を建設し、今では中国全土に合計35カ所もの工場を持つに至っている。工場数の増大に伴い工員数も飛躍的に増大し、中国国内だけで最高時は150万人に達していたと考えられている。
鴻海精密工業が上述した世界企業番付「Fortune Global 500」に初めてランクインしたのは2005年版で371位であった。この輝かしき栄誉を礎として、さらに上位を目指して業績の拡大を図っていた富士康科技集団を突然襲ったのが、2010年1月から11月までの11か月間に連続して発生した14件の工員飛び降り事件だった。
若手工員14人が飛び降り
最初の事件が発生したのは1月23日の早朝だった。深圳市“宝安区”にある富士康の“華南培訓処(華南訓練所)”の宿舎で19歳の工員“馬向前”が階段の上り口で死亡しているのが発見された。警察は馬向前の死因を高所から墜落したことによる外傷性ショック死と断定したが、これは宿舎の高い所から飛び降りたということを意味していた。しかし、馬向前の遺族は馬向前がすでに会社へ辞表を提出済みで、2月9日には富士康から去る予定だったとして、警察発表の死因に異議を唱えてメディアに訴えたことから事件は大きく報じられ、冨士康は世論の厳しい追及の矢面に立たされることとなった。但し、メディアが事件を大きく報じた裏には、冨士康が台湾の投資企業であることも大きく影響していた。
この事件を皮切りとして、わずか11か月間に工員の飛び降り事件が合計14件発生したのだった。その内訳は、3月11日(飛び降りた工員の年齢・性別:20歳・男)、3月17日(不明・女)、3月29日(23歳・男)、4月6日(19歳未満・女)、4月7日(18歳・女)、5月6日(24歳・男)、5月11日(不明・女)、5月14日(21歳・男)、5月21日(21歳・男)、5月25日(29歳・男)、5月26日(23歳・男)、8月4日(22歳・女)、11月5日(22歳・男)であった。なお、彼らが飛び降りた結果は死亡12件、負傷2件であったが、このうち自殺あるいは自殺の可能性と判断されたものは8件で、不明が4件だった。
上記から分かるように飛び降りた工員は“80后(1980年代生まれ)”あるいは“90后(1990年代生まれ)”と呼ばれる若者であり、彼らの全てが農村の出身者で、冨士康へ入社してから時間はそれほど経過していなかった。彼らは富士康の厳しい管理体制の下で機械のように単純な生産作業に長時間従事することで精神のバランスを崩し、思い詰め、逃げ場を求めて飛び降り自殺に走ったものと考えられる。
2010年、若手工員の連続飛び降り事件が発生した際、鴻海は広東省の工場を国内外のメディアに公開した(写真=ロイター/アフロ)
2010年当時の調査によれば、富士康の給与は的確に支払われていたし、工員に対する福利厚生も他社に比べて遜色のないものだった。但し、労働環境は非人間的な単純作業の繰り返しであり、トイレに立つ回数すら制限する奴隷労働に近いものだった。富士康の本拠地である深圳市の工場では、わずか3平方キロメートル足らずの土地に40万人以上の工員がひしめき、退勤時間には深圳市で最も繁華な地区以上に込み合う様相を見せていた。富士康が工員に求めるのは、ひたすら速度と効率であり、生産ライン上では、自由な発言や携帯電話を受けることは禁止され、交代者が来ない限り持ち場を離れることは許されなかった。これに加えて、工員を監督する現場管理者の態度は極めて悪く、横柄であった。工員が命令に従わない時には暴力を振るい、暴言を吐き、首にするぞと脅して従わせる。要するに富士康の職場には働くことの喜びもなければ、夢も希望も見い出せなかった。
中国がまだ貧しかった時代に生まれ育った“60后(1960年代生まれ)”や“70后(1970年代生まれ)”の工員たちは、富士康のような外資系企業の工場で働くことで、国内企業よりも良い給与を得ることに喜びを感じた。しかし、物心付く頃に中国が飛躍的な経済成長を遂げた“80后”や“90后”の工員たちは、一人っ子政策が生み出した「一人っ子」であるために親に大切に育てられた。このため、彼らは厳しく単調な労働に耐える力が無かったし、深圳市のような大都市の生活に憧れる抱いて富士康へ入社したのだった。そうした彼らが夢と現実の乖離に絶望を感じて、飛び降り自殺を図ったことは想像に難くない。
3年以内に100万台のロボットを導入
メディアは富士康で起こった14件の連続飛び降り事件を“14連跳”と名付けて、富士康叩きに狂奔した。富士康は全ての工員宿舎に自殺防止ネットを設置し、70人の心療内科医を常駐させることで、工員の飛び降りを抑止する措置を講じた。その後、富士康は工員に対する大幅な賃上げを実施し、1日当たりの超過勤務を3時間に制限する規定を作ることで、“14連跳”による企業存亡の危機を乗り越えた。この“14連跳”を契機として、2011年頃に鴻海精密工業の創業者で、鴻海精密工業と富士康の“董事長(会長)”を兼ねる“郭台銘”が提起したのが、機械が人に取って代わる“機器人(ロボット)計画”だった。郭台銘は3年以内に100万台のロボットを導入して富士康の生産ラインを改良すると公言したのだった。
郭台銘がロボット開発計画を提起したのは2006年だった。彼は米国マサチューセッツ工科大学から技術者グループを招聘して富士康の生産ラインに適合するロボットの開発を要請した。2007年には富士康の「AR(Automation Robotics:自動化ロボット)事業部」を深圳市に発足させ、本格的に工業用ロボットの研究開発をスタートさせた。2008年には開発された富士康製ロボットを生産ラインへ投入してテストを行い、2009年には“Foxbot”と命名された富士康製ロボット15台が完成し、塗装、組立、運搬などのラインに配備された。こうした過程を経て、郭台銘は日産1000台のペースでロボットを生産すれば年間30万台という確信を持ち、2011年に3年以内に100万台のロボット導入を公言したのだった。
2015年5月24日付の上海紙「新聞晨報」が報じた富士康の関連記事によれば、富士康は2010年から2015年5月までに、3億元(約51億円)を投入して昆山工場生産ラインの自動化改造を進めており、すでに採用している自主開発のロボットは2000台以上に上っている。同紙に掲載された富士康の自主開発ロボットには、“富士康深圳一号”の文字が書かれていた。
上記の記事には、“中国機器人産業聯盟(中国ロボット産業連盟)”の統計データが紹介されていた。同データによれば、2014年に中国市場で販売された工業用ロボットは約5.7万台で、前年比で55%増大した。5.7万台は全世界の販売量の4分の1を占め、中国は2013年・2014年と2年連続で世界一のロボット市場となった。このうち、中国の国内企業のロボット販売量は1万6945台で前年比76.6%の増大、外資企業のロボット販売量は約4万台で、前年比47%の増大であった。
中進国の罠に、はまり込む
上述したように、中国では人間に取って代わるロボットの導入が積極的に進められているが、その大部分は設備投資の資金に余裕がある、あるいは、資金を借りる能力のある大企業が主体である。これに対して、中小企業は銀行からの借入は困難で、資金調達能力に限界があるため、ロボットを導入したくてもできない状態にある。こうした状態が進めば、ロボット導入を果たした大企業はますます富み、導入ができない中小企業はますます窮することになり、企業間格差はより一層拡大しよう。
一方、ロボット導入が進めば、大量の工員たちが職場を追われ、失業者が増大することは火を見るよりも明らかである。中国では経営破たんしながら政府や銀行の支援を受けて存続している国営のゾンビ企業を整理する方針が出され、数百万人規模の失業者が出る可能性が高い。ロボット導入はさらなる失業者の増大を加速させることになるが、中国政府はこうした失業者にどのように対処する積りなのか。その根底にあるのは、中国政府が最低賃金水準を年々大幅に引き上げたことによる賃金上昇が企業業績を悪化させ、人件費節約のためにロボット導入を余儀なくさせたことにある。
こうして見ると、中国が中進国の罠(わな)にはまる可能性は極めて高く、容易には罠から抜け出せないように思えてならない。
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