5/1日経 FT『米、「英との蜜月」変質 アジア重視路線 経済分野で鮮明』、日経『アジア開銀、アジア投資銀と覚書 インフラ開発協力』について

英米が、仲が良いと言うのは、第二次大戦以降です。元々米国は英国から独立しましたので、最大の敵国は英国でした。米国独立(1776年)後、英米戦争(1812年)が起き、ワシントン陥落、大統領府も燃やされました。今のホワイトハウスは第二代目となります。1900年代初めにはレッド計画(対英戦争を想定、日本はオレンジ計画、独はブラック、仏は金)が策定されています。第一次世界大戦で、米国の英国支援(英国が米国債の支払いができなくなるため参戦)により、近づいただけです。子ブッシュ・ブレアのイラク侵攻は息の合ったところを見せましたが、大量破壊兵器がなかったことにより、ブレア辞任に繋がりました。英米が如何に仲睦まじいように見えても、ヘンリー・ジョン・テンプルの言った「国家には永遠の友も永遠の敵もない。存在するのは永遠の国益だけである。“We have no eternal allies, and we have no perpetual enemies. Our interests are eternal and perpetual, and those interests it is our duty to follow.”」を思い起こさせます。

英国のAIIB参加は親中派オズボーン財務相に唆されたキャメロン首相が決断したと思います。その前に米国はFATCAを制定、SHBCから罰金を取ったりしたのが米国離れを起こしたのではと考えています。

http://jp.reuters.com/article/tk8255222-hsbc-settlement-idJPTYE8BA03K20121211

オバマを始めとする民主党の「アジア重視」は信用できません。民主党は中国の金に汚染されているのでは。ADBもAIIBに協調融資する覚書締結とかやっていることが支離滅裂。中国に対し、ブレーキとアクセルを踏むようなものです。南シナ海の軍事膨張主義に対する牽制とAIIBという中国経済窓口支援とをする訳ですから。国防総省の思いと財務省の思いの違いがあるのかも。ルー財務長官も日本を中国同様為替操作監視国に指定しました。中国が米国債をたくさん持っているからでしょうけど。しかし、敵と味方の区別もつかないのかと言いたい。

清華大学留学計画とか打ち上げているようですが、元々清華大学は米国の義和団賠償金により設立されたものです。そんなところに米国人を行かせて何を学ばせるつもりでしょう。独裁のやり方でも学ばせるのでしょうか?建国の理念たる「自由」に反します。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%85%E8%8F%AF%E5%A4%A7%E5%AD%A6

FT記事

英国の欧州連合(EU)の離脱派はよく、英国は離脱したら大英帝国の遺産でもある「英語圏国家連合」(編集注、英国、米国、オーストラリア、ニュージーランド、カナダからなる連合)なるものを築けばいいと主張する。それだけにオバマ米大統領が4月下旬、離脱の是非を問う英国の国民投票について言及した内容は、彼らにとっては衝撃的だった。その国家連合で最も力のあるメンバーになるはずの米国が、残留を強く訴えたからだ。

 形勢が不利になると恐れた離脱派は、オバマ氏は英国に敵意を抱いているのではないかと発言。ジョンソン・ロンドン市長は「ケニア人の血を引く大統領の家系」がそう言わせたのだろうとの見方を披露した。

US for Asia against UK

イラスト Ferguson/Financial Times(ブログ主の注:右下の魚の餌はBREXITです)

 

 オバマ氏の発言に特別な説明など必要ない。米国は長年、英国のEU残留を支持してきたからだ。

 だが、いくら両国の関係が特別だといっても、彼らはそれがオバマ時代に変質したことに気付いている。両国とも台頭するアジアをはっきり意識するようになり、その結果、世界やお互いへのかかわり方を見直さざるを得なくなったのだ。

 その点では、確かにオバマ大統領の経歴は意味を持つ。もっとも、大事なのは同氏が初のアフリカ系米国人大統領であることではなく、初の太平洋地域出身の大統領であることだ。同氏はハワイ育ちで、幼少時代の数年間をインドネシアで過ごした。歴代のどの大統領より、アジア太平洋地域がより重要になっていることを理解している。

■外交や軍事、経済的資源を振り向けたオバマ氏

 オバマ政権の外交政策の特徴は「アジア重視」だ。中東とウクライナで混乱が起きても、オバマ氏は厳格にかつ断固として外交、軍事、経済的資源をアジアに振り向けている。

 オバマ氏の訪英中、米国は英国がEUを離脱したら英国と貿易協定を結ぶか、それともEUとの環大西洋貿易投資協定(TTIP)締結の方により重点を置くかが話題になった。オバマ氏は個別の貿易協定の締結を求めるなら、英国は「列の後ろに並ぶことになる」と述べ、物議を醸した。

 だが、米国が貿易で最も優先する相手は今や英国でもEUでもない。アジアだ。TTIP交渉は結論が出るまでにまだ何年もかかるが、環太平洋経済連携協定(TPP)はすでに米国とその他11のアジア太平洋諸国の間で合意され、批准を待つばかりだ。

 英国や欧州には、オバマ大統領の退任で米国がアジアから大西洋に軸足を戻すのではないかと期待する人もいる。それは見込み薄だ。米国の戦略的な優先事項を考えれば、誰が大統領になっても、オバマ氏と似た結論に至るだろう。次期大統領に選ばれる可能性が最も高いヒラリー・クリントン氏は2011年、「米国の太平洋の世紀」と題した論文を発表し、アジア重視を明確にうたった。

英国はアジア太平洋に最も関心を払う今の米国に不満を述べる立場にはない。というのも、キャメロン政権は対米関係を犠牲にしてまでも、自国のアジア重視政策を実行してきたからだ。キャメロン首相は経済界の重鎮などを大勢引き連れて何度もアジアを訪問している。米国の意向に反し、中国主導のアジアインフラ投資銀行の創設にも参加した。オバマ政権のある高官は(フィナンシャル・タイムズ紙に)英国は中国に「いつも迎合している」と不満をこぼしたほどだ。

 もちろん、英米両国の間には歴史的、文化的な深い絆がある。米国の外交政策を担う有力者には、英オックスフォード大学で学んだ者が少なくない。国家安全保障担当のライス大統領補佐官、クリントン国務長官時代のバーンズ副長官、クリントン氏の側近で顧問のジェイク・サリバン氏などは皆、同大の卒業生だ。

■米国の指導者を目指すなら中国を理解できること

 こうした関係もあり、英国はワシントンで有力者に簡単に接触できる。しかし将来はわからない。米金融界の大物、スティーブン・シュワルツマン氏は最近、大規模な奨学金制度を立ち上げた。オックスフォード大のローズ奨学金にヒントを得て、優秀な米国人らを北京の清華大学へ留学させるのが狙いだ。将来、米国の指導者を目指す若者は中国を理解することがより重要になるだろうという同氏の発想は、あながち間違っているとはいえない。

 アジアの台頭は、歴史的な英語圏の主要国であるカナダとオーストラリアも変えつつある。オーストラリアの中国や日本との貿易額は、英国との金額の10倍にのぼる。カナダ最大の都市トロントでは人口の約35%がアジア系市民で、太平洋沿岸都市のバンクーバーでは40%を優に上回る。

 それでも英語圏に郷愁を抱き、オバマ氏の「列の後ろ」発言に憤慨した英国人は、自国がまだどれほど米国の文化的影響力の恩恵を受けているか、よく考えるべきだ。伝統的な英語圏は変質したかもしれないが、EUの機関では英語が共通言語となり、ブリュッセルに新しい英語圏が誕生したのだから。

By Gideon Rachman

(2016年4月26日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

日経記事

アジア開発銀行(ADB)が中国主導で発足したアジアインフラ投資銀行(AIIB)と政策対話や協調融資に関する覚書を結ぶことが30日、分かった。途上国への貸し付けや、インフラ開発で協力関係を築く。ドイツのフランクフルトで5月2日に開幕するADBの年次総会で表明する。

 AIIBは中国が中心になって2015年12月に設立した。もともとADBとの連携を表明しており、今回、具体的な内容を記した覚書を正式に結ぶ。第1号案件の候補に挙がっているパキスタンの道路建設への融資も、ADBと協調して実施する方向だ。

 政策対話では例えば、二酸化炭素(CO2)の排出量を減らすために最新鋭の石炭火力を導入する国に対し、ADBとAIIBが協力して排出量取引の市場を育成するよう促す。協調融資だけでなく政策立案やインフラ投資のノウハウでも協力し、増大するアジアのインフラ需要に対応する。

 ADBの年次総会は5日まで開く。AIIBの設立後では初めての総会となる。期間中の3日には日中韓財務相・中央銀行総裁会議や日中韓と東南アジア諸国連合(ASEAN)の財務相・中銀総裁会議も開く。一連の会合には日本から麻生太郎副総理・財務相と黒田東彦日銀総裁が参加する。

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