4/28日経ビジネスオンライン 鈴置高史『「韓国発のドミノ」にクサビ打つ米国 木村幹教授に朴槿恵外交の行方を聞く(1)』について

嘘吐き韓国が昨年末の慰安婦日韓合意に往生している様子。4/30日経には

韓国、6月にも元慰安婦支援の財団設立 参加者数などカギ

【ソウル=峯岸博】韓国は従軍慰安婦問題をめぐる昨年末の日韓合意を踏まえ、元慰安婦支援の財団を6月にも設立する方向で調整を急ぐ。同国政府は元慰安婦の参加をどれだけ取りつけられるかを重視。日本が移転を求めるソウルの大使館前の慰安婦を象徴する少女像の扱いを含め、合意全体の履行のカギを握る。

 日韓合意は、韓国が設立する財団に日本政府が10億円を拠出することなどを通じ、慰安婦問題を最終的に解決させるもの。合意は少女像に関して「適切に解決されるよう努力する」としている。

 韓国では政府と民間人の作業チームが財団の事業内容や人選などを議論中だ。駐日韓国大使も務めた柳明桓(ユ・ミョンファン)元外交通商相が民間人の事実上のトップで、大学教授らが集う。

 日韓は20日の外務省局長級協議から本格検討に入った。韓国は5月にも設立準備委員会を発足し「早ければ6月、遅くとも7月に財団を立ち上げる」(メンバーの一人)と段取りを描く。

 少女像移転が実現しない場合でも、日本政府は財団に10億円を拠出する方針。ただ、自民党内に少女像移転が前提との強硬論があり、財団設立にあたり韓国が最低でも解決に取り組む決意を示すべきだとの声が強い。

 総選挙で勝利した野党の出方も懸案だ。革新系の「共に民主党」トップの金鍾仁(キム・ジョンイン)非常対策委員会代表は26日、別所浩郎駐韓大使との会談で再交渉に言及しなかった。市民団体が反発すると27日、同党報道官は日韓合意を認めないとの基本姿勢を改めて表明。躍進した「国民の党」を率いる安哲秀(アン・チョルス)共同代表も合意に慎重姿勢だ。

 朴槿恵(パク・クネ)大統領は法案拒否権を握るため合意が直ちに破棄される事態は考えにくい。16年ぶりに少数与党体制になった国会で野党が追及を先鋭化させれば、世論を刺激し風当たりが強まる恐れはある。合意推進派は元慰安婦との対話を通じ財団への参加者を増やして理解を広げたい考えだ。>(以上)

Yahooニュース 4/27中央日報日本語版には

少女像撤去?…朴大統領「言及もされていない」vs日本政府「合意事項」フォームの始まり

日本の萩生田光一官房副長官が27日、在韓日本大使館前の慰安婦少女像の撤去問題もまた「韓日慰安婦合意」事項に該当するという立場を重ねて明らかにした。 萩生田副長官はこの日午前の記者会見で、慰安婦少女像の撤去について「(合意の)細部事項の1つに含まれているものと認識している」と述べたと産経新聞が伝えた。 一方で朴大統領は26日、韓国の報道機関編集・報道局長団昼食懇談会で「慰安婦少女像の撤去と(慰安婦合意が)関連しているという主張が出ているが、(韓日)合意の過程で言及も全くされていない問題」と話していた。 このように朴大統領の主張と日本政府の主張が正面から対峙しながら韓日政府間の慰安婦合意が再び両国の争点になっている。>(以上)

合意文書を作成しなかったのが良かったのかどうか?それ以前に捏造の慰安婦問題を認めたことが良かったのかどうか?米国の圧力があったにしろ、強制性を認めた訳ではないという言い訳があったにしろです。一旦認めた以上は元に戻すのは非常に難しいでしょうから、この合意を活かして、日本に有利な道を探らないと。韓国側の約束は実行できないので、韓国政府が世界にデイスカウント・ジャパンしてきたのをその間止めさすことができます。民間は抑えきれないという論理は西太后の「義和団の乱」時にこれを利用して、欧米列強・洋務派を抑え込もうとしたことを思い起こさせます。中華・小中華とも似たような発想・体質があるという事です。

https://kotobank.jp/word/%E7%BE%A9%E5%92%8C%E5%9B%A3%E4%BA%8B%E4%BB%B6-480663

4/28元朝日新聞主筆の若宮啓文氏が北京で亡くなったとのこと。「スパイとして用済みになったから殺された」という説がネットでは流れていましたが、中国内では何が起きてもおかしくありません。日本人は中国に旅行に行くのも考えた方が良いでしょう。

日本もGSOMIAやACSAを結ぶ必要はありません。いつ敵方に寝返るか分からない国に情報や物品支援をする必要はありません。駐韓邦人は早く帰ってきた方が良いでしょう。

木村氏の言うように米国が「韓国に「中国包囲網」に入れとは言わず、ただ「中国側には行くなよ」とだけ申し渡した」のであれば、ルトワックの言う「ロシア」と同じくらいの扱いでは。そうであれば、在韓米軍はお目付け役で最少人数で良いし、戦時作戦統制権も韓国に返還するようになるでしょう。

記事

Kishida & Yun

2015年12月28日、日韓の外相が従軍慰安婦問題で合意したが、先行きには暗雲が(写真:AP/アフロ)

  「米国は『韓国発のドミノ』にクサビを打つ」――。木村幹・神戸大学大学院教授は言う(司会は坂巻正伸・日経ビジネス副編集長)。

宙に浮く「慰安婦合意」

木村:韓国政府は外交的に動きが取れなくなりました。日本との「慰安婦合意」も、進めるうちにどこかで宙に浮く可能性が高くなりました。

—4月13日の総選挙で、与党が過半数割れしたからですか?

Kan Kimura

木村幹(きむら・かん) 神戸大学大学院・国際協力研究科教授、法学博士(京都大学)。1966年大阪府生まれ、京都大学大学院法学研究科博士前期課程修了。専攻は比較政治学、朝鮮半島地域研究。政治的指導者の人物像や時代状況から韓国という国と韓国人を読み解いて見せる。受賞作は『朝鮮/韓国ナショナリズムと「小国」意識』(ミネルヴァ書房、第13回アジア・太平洋賞特別賞受賞)と『韓国における「権威主義的」体制の成立』(同、第25回サントリー学芸賞受賞)。一般向け書籍に『朝鮮半島をどう見るか』(集英社新書)、『韓国現代史』(中公新書)がある。最新作の『日韓歴史認識問題とは何か』(ミネルヴァ書房)で第16回 読売・吉野作造賞を受賞した。ホームページはこちら

木村:最後の一撃がそれでした。合意では元慰安婦の人々を支援する財団をまず韓国政府が作り、日本政府も10億円出資することになっています。

 しかし野党が優位に立った政局で、不人気な合意案に基づく財団を設立するのは難しい。第1野党の共に民主党も、第2野党の国民党も「慰安婦問題は日本と再交渉すべきだ」と要求してきました。

 財団の理事を引き受ける人を見つけることも容易ではありません。進水するやいなや沈没しそうな船の船長や航海長をやろうという人はまず、いないからです。

 仮に財団が設立されるにしても、慰安婦問題に影響力を持つ人々は、次の大統領が決まって組織が確かなものになったのを見てから理事などに就任した方がいい、と考えるでしょう。

安倍の土下座が見たい

—総選挙での与党敗北がなければ、韓国政府は「慰安婦合意」を履行できたのでしょうか。

鈴置:そこがポイントです。韓国のほとんどの世論調査で「合意反対」が「賛成」を上回っています。総選挙以前から、履行は難しかった。朴槿恵(パク・クンヘ)政権がこの合意をのんだこと自体が不思議です。

 元慰安婦の前で安倍晋三首相が土下座する光景を見たい、というのが韓国の空気でした。これも念頭に置いてでしょう、朴槿恵大統領も「国民と当事者が納得する方法」を日本に要求していました。

 だから、2015年12月28日に「首相の謝罪の言葉」を岸田文雄外相が代読した後「たった、これだけ?」と不満の声が国民から上がったのです。

 さらに日韓は合意で「問題の最終的かつ不可逆的解決」も約束しました。長い間、外交的武器として愛用してきた「慰安婦カード」を韓国は放棄させられたのです。指導層の多くは、これを致命的な外交失策と見なしました。

 そもそも、韓国はこんなに焦って日本と「慰安婦合意」を取り交わす必要があったのか? 朴槿恵政権には「日本側に誠意がないので解決できない」と国内外で言い続ける手があったはずだ――との疑問がわきます。

米国の怒りでパニック

木村:韓国を動かしたのはひとえに米国の激しい怒りでした。それに火を付けたのは2015年の「天安門事件」です。

 米国の反対を押し切って、朴槿恵大統領は2015年9月3日の抗日戦勝70周年記念式典に参加しました。目玉行事は中国の軍事力増強を誇示する軍事パレードでした。朴槿恵大統領は、習近平主席やプーチン大統領と一緒に天安門の楼上に昇り参観しました。

 私はその少し後、10月14日にワシントンで開かれたシンポジウムに参加しました。韓国から来た外交関係者に対し、米国の専門家が一様に「大統領が天安門に昇るとは、いったい何を考えているのか」と問い詰める光景を何度も目撃しました(「ルビコン河で溺れ、中国側に流れ着いた韓国」参照)。

鈴置:ワシントンでは「韓国はレッドチーム(敵方)に回った」との表現も使われていると、当時の韓国紙は報じました。

木村:2日後の10月16日の米韓首脳会談でも、オバマ(Barack Obama)大統領は韓国を「裏切り者扱い」しました。朴槿恵大統領との共同会見の席上、はっきりと「韓国が中国側ではなく米国側に立つよう」求めたのです(「蟻地獄の中でもがく韓国」参照)。

 韓国政府はパニックに陥りました。「天安門に昇ったぐらいでこんなに叱られるなんて」と驚いた韓国人もいました。

 今までも中国に接近してきた。なのに「たかが中国の主催する式典に参加しただけ」で突然に米国から叱られるのは理不尽――と、彼らは考えたのです。

 しかし、米国の怒りに直面することになった韓国の外交当局としては放っておくわけにもいかない。米国に「誠意」を見せることで何とか怒りをなだめようと、日本との関係改善を急ぐことにしたのです。「慰安婦」はそのカードの1つでした。

THAADも似た構図

—日本との関係改善がなぜ「誠意」になるのでしょうか。

木村:中国の脅威が深刻化する中、米国は日米韓の3国軍事協力体制への参加を韓国に迫っていました。これに対し韓国は「慰安婦問題が未解決である間は、日本との軍事協力はできない。これは韓国の対日外交の大原則である」と言い続けて、拒否してきました。

 ことに朴槿恵大統領が「慰安婦問題の解決なしに日本との関係は改善できない」と繰り返し宣言してしまっていた。だから、米国の怒りを解き日韓関係を改善するには、自らがその前提条件としていた「慰安婦問題」の解決に積極的に動かざるを得なくなったのです。

 THAAD(地上配備型ミサイル迎撃システム=サード)の在韓米軍配備も似た構図です。韓国は中国の顔色を見て事実上、配備を拒否してきた。この問題についても、米国から「裏切り者扱い」されないためには、受け入れるしかないと判断したのでしょう。

—米国の怒りを和らげるために「慰安婦」や「THAAD」でその意向に沿ったということですね。

木村:その通りです。

  • 急展開する朝鮮半島情勢                                                 
2015
9月3日 朴槿恵大統領、米国の制止を振り切り天安門で軍事パレードを参観
9月19日 日本で安全関連保障法が成立
10月5日 TPP創設に合意
10月16日 米韓首脳会談後の会見でオバマ大統領が韓国の中国傾斜を批判
10月27日 米イージス艦「ラッセン」、南シナ海の中国の人口島に接近
12月28日 日韓が「慰安婦合意」
2016
1月6日 北朝鮮、4回目の核実験
1月7日 韓国の最大手紙の朝鮮日報と与党幹部、核武装を主張
2月7日 北朝鮮、長距離弾道ミサイル実験
韓国、在韓米軍基地へのTHAAD配備を容認
2月17日 王毅外相、非核化と平和協定を同時に進める交渉を提案
2月23日 米中外相、非核化と平和協定を話し合う6カ国協議をともに提唱
3月2日 安保理、対北制裁案を採択
3月7日 米韓合同軍事演習開始(4月30日まで)
4月13日 韓国総選挙で与党が過半数割れ、「慰安婦合意」の履行に疑問符

「中等距離」に変化なし

—では韓国は「離米従中」をやめ、米国側に戻るのでしょうか。

木村:これは明確に「否」です。日本人は現在の米中関係を一種のゼロサムゲームと見がちです。一方、ほとんどの韓国人はそうは考えません。もちろん朴槿恵政権も同じです。

 彼らが追求しているのは、韓国の生存に重要な2つの国、つまり「米国と中国の双方」から支持を取り付けることであり、それは可能だと考えているのです。

 北朝鮮の核実験も含む最近の一連の出来事を通じ、韓国では「米国が大事」ということが再確認されました。が、それにより「中国も大事」という前提条件がひっくり返ったわけではないのです。

 韓国外交の基本路線に変化は全くありません。朴槿恵政権は今も、米中関係を対立構造として捉え両者を天秤にかけるような発言を慎んでいます。

大統領にブーメラン

 もし、韓国が本当に戻るつもりなら米国が求めていた、GSOMIA(軍事情報包括保護協定)やACSA(物品役務相互提供協定)など、日本との軍事協力強化を即座に進めるはずです。

 なぜなら、これらの軍事協定こそが、中国に対抗するための日米韓3カ国軍事協力を具体的に進めるのに必要だからです。でも韓国政府は依然として、少なくとも今のところはこれら協定を積極的に進める姿勢を見せていません。

 加えて、総選挙で与党が負けてしまいましたので、日本との軍事協力はさらに難しくなりました。それをやれば「朴槿恵=親日」を訴える野党の格好の攻撃対象になってしまうからです。

 反対は与党の中からも挙がるでしょう。次期大統領選挙をうかがう与党の有力者たちからすれば、現政権が不人気な軍事協定を無理押しすれば、自分たちの選挙に直ちに影響するからです。

 李明博(イ・ミョンバク)政権下で日韓GSOMIAが締結寸前まで進んだ時、当時与党の最有力大統領候補であった朴槿恵大統領が、この締結を阻止したことがありました。

 大統領は、自身が過去に行ったのと同じ行動が、今度は自分に対しなされるのを苦々しく見守ることになるかもしれません。

薄れた韓国への関心

—米国はそんな韓国をちゃんと引き戻そうとしないのですか?

木村:私の見立てでは、米国は韓国をそこまで神経質に管理するつもりはないと思います。2016年3月に別のワシントンでの会合に参加しましたが、わずか半年前とはうって変わって、米国の安全保障専門家の韓国への関心は大きく薄れていました。

 米国の専門家は、どんどん中国側に傾いていた韓国の進路にクサビを打ち込み歯止めをかけたことで、とりあえず満足していると思います。

 彼らは、もし再び韓国が中国側に傾くなら、その時にまた怒って見せればいい――くらいに考えているのでしょう。

「見せしめ」に叱る

 言い替えるなら、こうなります。南シナ海の軍事拠点化を進める中国に対し、米国は日本を含む周辺国を糾合し、対抗する態勢を取り始めている。そんな時、同盟国であるはずの韓国が中国側にどんどんなびいていくのは、他国に示しがつかない。

 米中双方から利を得る韓国を放置すれば、他のアジア諸国の中にも、韓国と同じように動けばいいと考え、米国を離れ中国に傾く国が出かねない。「米国も中国も」という政策が可能なら、彼らにとって得られるものも大きいし、何よりも楽なのです。

 アジア諸国の間で「韓国発のドミノ」が起きかねなかったのです。だからこそオバマ大統領も記者会見の席で、朴槿恵大統領に直接釘を刺して見せたわけです。その意味では、他のアジア諸国への「見せしめ」として韓国は叱られたのです。

 ただ、それは韓国そのものが米国にとって特段の重要性を持っているということではありません。南シナ海から遠く当事者意識に乏しいうえ、海軍力の脆弱な韓国には多くは期待できないからです。日本や豪州、ベトナム、フィリピンと韓国の立ち位置は基本的に異なるのです。

 そこで米国は韓国に「中国包囲網」に入れとは言わず、ただ「中国側には行くなよ」とだけ申し渡したのです。

(次回に続く)=5月2日に掲載予定

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