『日系企業も被弾する米中貿易戦争の実態は「ハイテク覇権争奪戦」』(7/2週刊ダイヤモンド編集部)、『日本人は中国の見方が小学生レベル、在日新華僑の忠告』(7/2週刊ダイヤモンド編集部)について

7/3看中国<中國軍方招待美防長場面尷尬 軍官被批有損形象(圖)=中国軍はマテイス国防長官を招待したのにばつが悪いことをした 軍高官はイメージを損ねたと批判を受ける>

中方軍官在敬禮時被發現「交頭接耳」。(圖片來源:Getty Images)=中国軍は敬礼時に低い声で囁き合う。丸で囲んだのがそう。

また歓迎の宴席で軍の文芸団の歌手がエーデルワイスを歌ってマテイスの入場を迎え、マテイスにも一緒に歌えと言ったが、マテイスは断った。駐米大使の崔天凱が一緒に歌って場を取り繕った。多くの中国のネット民は嘲笑して「重要な会議がカラオケになるのは、中国と言うのは優れた国だこと」「米国人を理解しているのなら、マテイス国防長官はこのような社会に反感を持っているというのを知るべきである」、「これは却って中国の一大発明である:国の宴席をカラオケにする」と皮肉った。

マテイスと習は南シナ海や台湾問題で合意することはできなかったが話し合いを継続することで折り合った。マテイスは中国のやり方について「南シナ海に軍事施設を造るのは、その地域の国家を脅迫・圧迫することになる。力に頼るのは国際舞台に中国国内の強権政治を模するものである」と。印度太平洋司令部第三艦隊のアレクサンダー指揮官は「マテイスは明確に米国の立場を述べた。中国と協力するのにやぶさかではないが、必要とあれば中国と正面から鉾を交えるつもりである」と。

https://www.secretchina.com/news/b5/2018/07/03/863369.html

7/2看中国<華為尖銳批評美官員 盧比奧2天推2項立法(多圖)=ファーウエイは米国の官員を鋭く批判 ルビオは2日の内に中国関連で2本も法案提出>徐直軍・ファーウエイ会長はインタビュー時、ルビオともう一人の国会議員に対し、“考えが凝り固まっているうえに無知”、“身は情報化時代にありながら、心は農業時代を生きている”と述べた。ルビオは反撃して、2本も2日の内に中国関連で法案を提出した。ルビオは「問題は中国が我々の数十年に及ぶ研究成果を盗み去ることである。誰でもその成果は享受されるべきなのに、中国は自分達の市場は閉ざして入るのを拒んでいることでにある」と。

https://www.secretchina.com/news/b5/2018/06/30/863141.html

7/4JBプレス FT<人民元が最大の下げ、今度は米中通貨戦争の懸念 関税の影響を相殺する狙い、通貨の「兵器化」に伴う大きなリスク>「人民銀行は2015~16年に、市場の元安観測と戦うために介入し、ざっと1兆ドルの外貨準備を使い果たした。今こうした観測を復活させることには大きなリスクが伴うとボー氏は警鐘を鳴らす。 「大幅な人民元安から恩恵を得られたとしても、悪影響の方が圧倒的に大きい。資本逃避の加速、国内流動性の逼迫、そして信用市場のストレス拡大の可能性といったものだ」」

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/53471

7/3ブルームバーグ<中国人民元の下落続く、介入想定水準超える元安>「人民銀は1ドル=6.7元で元下落を抑制しようと行動する公算-調査」

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-07-03/PB9TUI6JTSE901

6/26本ブログで紹介しましたように、宮崎正弘氏の見立てでは中国の外貨準備は殆ど残っていない感じです。輸出活性化の為に、人民元を意図的に下落させなくとも必ずや下がり、予想に反して大暴落となるのでは。そうなれば対外債務の支払い、特に原油価格が上がることになり、コストプッシュインフレを引き起こすでしょう。当局がブレーキをかけようとしても、外資の流出でかからなくなるのでは。

http://dwellerinkashiwa.net/?p=9253

7/4日経朝刊<預金準備率に下げ観測

中国経済をめぐる不透明感が増すなか、景気を下支えする当局の政策対応に関心が集まっている。金融政策では中国人民銀行(中央銀行)が市中銀行から強制的に預かる預金の比率を示す「預金準備率」を引き下げるとの予測が大勢を占めた。調査を実施中の6月24日、人民銀は預金準備率の引き下げを発表したが、今後さらに下げるとの予測も聞かれた。シンガポール銀行のリチャード・ジェラム氏は「米国の保護主義による影響とバランスを取るため適度な刺激が必要になる」と予想している。ING銀行の彭藹嬈氏 も「貿易戦争になっても 財政政策や金融政策が経済の落ち込みを相殺する」と分析した。人民元の予測平均値は 2018年末が1ドル==6.53元、19年末は 6 .511元だった。調査を始めた6月半ばは6 .4元台だったが、足元は1時6.7元台まで急落した。 BBVAの夏楽氏は「貿易戦争のリスクによって中国の対米貿易黒字が縮小し、緩やかな元の下落につながる」と指摘。 三菱UFJ銀行の范小晨氏は「中国政府は元の急速な下落による資本流出は一貫して容認していない。元安には限りがある」との見方を示した。>

6/24日経<中国人民銀、預金準備率0.5ポイント下げ 米中摩擦激化で景気下支え>「7月5日から実施する。大手銀行の標準的な準備率は16%から15.5%に下がる。市中に出回るお金は計7000億元(約11兆8千億円)増える。」

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32173710U8A620C1FF1000/

如何に中国の景気が悪くなっているかです。通貨供給量を増やしてもどのように使われるかが問題です。

貿易戦争の記事は世界覇権の争いであることが分かっていないから、「安全保障を名目に狙い撃ち」とか書けるのでしょう。米国は自分達の未来に向け、軍事力で圧倒している今のうちに、中国を叩き潰そうと躍起になっている訳です。ツキデテイスの罠はそう言う意味でしょう。経済だけで物を見ると、誤って判断します。特にリベラルな記者が書くとそうなります。

厳氏の記事は「週刊ダイヤモンド」の宣伝の意味もあるのでしょうけど。彼にも言いたいのは“入乡随俗“(郷に入れば郷に從え)です。ここは日本なのだから、中国と同じ振る舞いはすべきでないのに、彼らはどこに行っても中国にいるような振る舞いをします。だから嫌われるのです。旅行は短期で仕方のない面がありますが、留学や仕事で来る場合は、試験担当や人事担当はよくよく審査すべきです。何せ南シナ海、尖閣を見て分かる通り、「他人のものは俺のもの、自分のものは自分のもの」という身勝手な連中です。日本も米国同様、中国に技術を盗まれることにもっと敏感になった方が良いでしょう。

記事

Photo:REUTERS/アフロ、iStock/gettyimages

米中の報復合戦の内実は、貿易戦争にとどまらず、超大国としての威信を懸けた「ハイテク覇権争い」である。保護主義を強める米国と世界一の製造強国を目指す中国。両国のはざまで、日系企業は難しい決断を迫られている。(「週刊ダイヤモンド」編集部 竹田幸平、浅島亮子)

「かつての日米貿易摩擦で繰り広げられた米国の“手の内”と重なる」──。中国経済に詳しい大和総研の齋藤尚登主席研究員は、貿易制裁などで日に日に激しい報復合戦を繰り広げる米国と中国の応酬に関して、このように分析する。

どういうことか。1980年代ごろに日米で貿易摩擦が生じた当時は、一見通商戦争のようでありながら、米国は次第に日本のマクロ政策や産業政策にまで口を出すようになり、台頭著しかった日本の経済力の弱体化を画策。貿易不均衡を理由とした鉄鋼やカラーテレビ、自動車などの対米輸出規制にとどまらず、半導体やコンピューターといったハイテク分野で米国市場から日系企業を締め出す「ハイテク摩擦」に発展した。

世界第2位の経済大国となり米国を猛追するまでになった中国は、まさにかつての日本がたどった道を進もうとしている。米中の報復合戦の内実は、貿易戦争にとどまらず、長きにわたる超大国としての威信を懸けた「ハイテク覇権争い」に他ならない──。そんな両国の開戦の火ぶたがついに、切られたのである。

貿易戦争ならば、貿易不均衡は対米投資の拡大によって、何とかつじつまを合わせることもできよう。だが今の米中で起きているのは、最先端テクノロジーや安全保障という、将来の国力を左右する根幹部分を賭した覇権争いだ。このため、米国は中国資本の入った企業の対米投資にまで制限を加えようとしている。

足元の米中摩擦の背景を、「11月の米中間選挙をにらんだトランプ米大統領の一時的な暴走」とみる向きも少なくない。ただ、さらに巨視的にこの対立を捉えなければ、本質を見誤りかねない。

トランプ氏のちゃぶ台返し

下図は米国が通商法301条に基づく500億ドル相当の追加関税リストを公表した4月以降、米側からの先制攻撃を皮切りに、中国が強烈なカウンターで応じる“殴り合い”の様相を時系列で示したものだ。

互いに経済依存度を深める両国にとって、報復合戦は米中経済の逆風となりかねない。それだけに、両国の交渉チームは水面下で落としどころを探りながら議論を重ね、5月19日に共同声明を発表、一時は殴り合いを休止する“クリンチ(抱き付き)”状態に至った。

そんなつかの間の静謐を打ち破ったのは、他でもないトランプ氏だ。わずか10日後の29日、“休戦協定”のちゃぶ台返しで追加関税リスト公表を米通商代表部(USTR)に指示すると、対立局面は一気にエスカレートした。

そんな対中制裁をめぐる米側の行動は、主な目的別に二つに分けられる。貿易不均衡是正を理由に追加関税を迫る「保護貿易」と、知財侵害が疑われる行為に関連し中国ハイテク企業へ制裁を行う「ハイテク排除」だ。

実は、前者の保護貿易の中にもハイテク排除の狙いは潜んでいる。6月半ばに公表された追加関税の品目リストでは、4月時点の素案から新たに半導体や半導体製造機器が対象に加わり、中国のハイテク分野に照準を合わせる様が浮き彫りとなった(下表参照)。

そうした中で専門家らが気にしているのは、6月末ごろに公表予定の中国企業への「対米投資制限案」の中身だ。トランプ氏は26日、中国企業の投資に関し、外国企業の対米投資を審査する対米外国投資委員会(CFIUS)を活用する考えを示唆。CFIUSは日本を含む外資全体が対象のため、市場では米国の強硬姿勢がやや和らいだと受け止められたが、この暗黙のターゲットが中国であることに変わりはない。

米国株は米中摩擦の動きを受け、その時々で売りを浴びてはいるものの、本格的な急落局面にまでは至っていない。「結局のところ“プロレス”だろう」と、米中が協議の末に軟着陸するとの楽観的なシナリオを描く市場関係者は多い。

だが、現実はどうか。「トランプ氏が投げた高い球を受け取る人が誰もいない」(みずほ総合研究所の安井明彦欧米調査部長)、「もはや米国は自制機能を失った」(丸紅の今村卓経済研究所長)、「トランプ氏はやる気満々で先はかなり読みづらい」(三井物産戦略研究所の山田良平北米・中南米室長)──。

専門家からは、以前より厳しい先行きとみる声が続々と聞こえてくる。5月末にトランプ氏が“休戦協定”を袖にして以降は着地点が見通しづらくなっており、市場の期待値と実態との間に乖離がある可能性も捨て切れない。米中摩擦の激化の果てには、今のところ堅調な世界経済への大逆風となることも考えられる。

安全保障を名目に狙い撃ち

トランプ氏の強権発動は止まらない。最近、安全保障の脅威を理由に、中国のハイテク企業を狙い撃ちにする事例が目立っている。

そのいけにえとなったのが、通信機器のZTE(中興通信)だ。4月に、イランや北朝鮮と違法取引をした疑いで、米商務省から米国企業との取引を禁じる制裁を科され、壊滅的なダメージを被った。

次の標的はどの企業か──。そのヒントになり得るのが、米中経済安全保障調査委員会(USCC)が技術系コンサルティング会社、インテロス・ソリューションズに作成させたレポートだ。それには、「米国の安全保障を脅かす中国ICT企業リスト」が掲載されている(下表参照)。

企業リストには、米当局がイランとの取引の疑いで捜査に入ったと報じられているファーウェイやZTEの他、液晶大手のBOE、パソコンメーカーのレノボといった企業も含まれている。

IBM、デル、マイクロソフトなど、中国企業と提携・取引関係がある米国企業を通じて、最先端技術や機密情報が中国へ流れることに、米国が強烈な危機感を持っていることが読み取れる。

それだけではない。USCCは、ICTに製造技術、医療・ヘルスケア、輸送を加えた「科学技術11分野」のうち10分野について、将来、米国の産業競争力が中国のそれに劣後するという衝撃的な結論を導いている(下右表参照)。電気自動車では「現状でも劣後」としており、実際に、電気自動車関連パテントの「世界の国別出願件数」では中国が独走している。

最先端のハイテク分野では、民生用技術と安全保障に関わる軍事技術がリンクすることがもっぱらだ。自動運転しかり、AI(人工知能)しかりである。安全保障を脅かすことを“名目上の理由”として、米国による中国企業狩りは加速するかもしれない。

そして、中国は、米国制裁に対して拱手傍観し続けるようなつつましやかな国ではないだろう。

日系自動車メーカーの焦り

米中で勃発したハイテク覇権争奪戦は、日本にとっても対岸の火事ではない。特に、自動車など製造業へのインパクトは甚大だ。

ある自動車メーカー幹部は、「最初は、よくぞトランプが『中国の技術盗用を許さない』と言ってくれたとすがすがしく感じた。でも、実際に日系メーカーが被る負のリスクを考えれば複雑だ」と言う。

まず、米中の制裁品目に関わるサプライチェーンを見直さなければならない。米国と取引のある中国企業へ部品を納入するあるメーカー社員は、「まるで流れ弾に当たったようなもの」とため息をつく。

そして、自動車業界にとって最大の関心事は、米国による自動車関税賦課である。仮に2.5%から25%へ引き上げられると、業界全体で1兆円の負担増になる(販売価格が据え置かれた場合)。大打撃を受けるのは、SUBARUやマツダといった国内生産偏重組に限定されてはいる。

だが、それも北米自由貿易協定(NAFTA)が成立していることが前提だ。米国の再交渉が不調に終われば、メキシコ生産を前提に将来の計画を立てているトヨタ自動車、日産自動車、ホンダといった大手メーカーも、戦略修正が不可避となる。

保護主義を強める米国。市場開放という大義名分をよりどころに、世界一の製造強国を目指す中国。そのはざまで、日系企業は難しい決断を迫られている。

記事

Photo by Hiroaki Miyahara

『週刊ダイヤモンド』7月7日号第1特集は「ニッポンの中国人 全解明」です。日本にいる中国人、在日中国人の数は右肩上がりで、現在の在留数は71万人(2017年6月時点。台湾を除く)です。ここに日本国籍を取得した「華人」や不法在留者を含めると、近く在日中国人100万人時代を迎えると見られています。今後、会社や学校、地域社会で、中国人が“隣人”となるケースが増えるはずです。また、変わったのは数だけではありません。中身も多くの日本人が抱くイメージとは、かけ離れつつあります。拡大する在日中国人は、日本の社会や企業にどんな影響を与えるのでしょうか。ここでは、日本で最も成功した新華僑と言われる、CRO(医薬品開発業務受託機関)の国内最大手、EPSホールディングスの厳浩会長のインタビューを掲載します。

――日本にいる中国人はどのように変わってきていますか。

げん・こう/1962年中国江蘇省生まれ。天津大学在学中、山梨大学工学部に留学。同修士課程を経て東京大学博士課程に進む。医学統計解析のアルバイトをきっかけに、91年、製薬会社の業務支援を行うEPSを創業。Photo by Kazutoshi Sumitomo

昔の在日華僑は微々たるもので、いわゆる「老華僑」と呼ばれる人たちは5万人程度。中華街で飲食業を中心に営み、生活していました。

それが鄧小平の開放政策を境に、様変わりします。私は1981年に来日した典型的な「新華僑」。中央政府の国費留学生として来日しましたが、その後、各省の公的費用留学、さらに80年代後半には私費留学がブームとなり、上海や北京から続々と若者が来日しました。

そして90年代になると今度は高校を出ていない人たちが卒業証書を偽造するなどして不法入国するようになり、一気に母集団が大きくなった。これが犯罪の増加や華僑に対する悪いイメージを植え付ける原因になったわけです。

こうした変遷を経て、ようやく今、在日中国人社会は「等身大の中国」になってきました。つまり、料理人だけでも、粒ぞろいの優秀層だけでもなく、悪人ばかりでもない。在日華僑・華人が100万人規模になり、ハイレベル人材からワーカーまで幅広い層がいて、まさしく「中国の縮図」になってきました。

――そうした中で日本人の華僑に対する意識はどうですか。

日本人は異文化の見方が“小学生レベル”。こうした変化を認識し、旧態依然とした価値観から早く卒業した方がいいと思います。

――日本企業の中国人活用はどのように変わるでしょうか。

日本企業が中国人を活用する目的は二つあって、一つは現場の労働力。もう一つは中国市場を攻略するための人材です。前者については単純労働を担う外国人の受け入れ拡大政策が示された一方、後者は企業にとって大きな課題です。

日本には優れた商品や技術があるのに、売るのが下手だといわれて久しいです。これを解決できないまま、日本製品の優位性が絶対的なものではなくなり、特殊な素材などを除いて大半のものは中国でも作れるようになりました。ということは、中国で日本製品を売るには、従来とは異なる新たな戦略を練らなければ勝ち目はない。

そのためには中国市場に深く入り込んでいける経営者視点を持った人材が不可欠です。普通に考えると日本で言葉や商習慣を学んだ中国人が前線に出るのが適切ですが、日本の大企業は外国の人材を日本人幹部の“随行員”扱いにして、通訳やサポートの仕事ばかり。人材を活用できていない。

――日本企業は世界で戦うスピード感が乏しいともいわれます。

日本は自前主義。対して中国は春秋戦国時代から合従連衡が当たり前の戦術です。常にパートナーを探して、互いのリソースをうまく活用すればいいという考え方。そのためには机の上では握手しながら、下では蹴り合うのも平気(笑)。生真面目な性質の日本人は、こうした手法は苦手ですよね。

中国は王朝が栄枯盛衰してきた歴史から、新陳代謝が好まれます。一方、日本は持続性に価値を置く文化。「万世一系の国」ですから。

例えば毎年3%成長が10年見込める事業と、15%成長が3年見込める事業があったとします。間違いなく日本企業は前者、中国企業は後者を好むでしょう。

――在日中国人と日本人社会の関係は今後どうなるでしょう。

訪日中国人の急増もあり、華僑・華人企業はどんどんオープンになってきています。この流れは必然的で、より加速するはずです。

謎多き中国人の考え方を読み解く!最新の在日中国人の世界

『週刊ダイヤモンド』7月7日号第1特集は「ニッポンの中国人 全解明」です。日本にいる中国人、在日中国人の数は現在、71万人(2017年6月時点。台湾を除く)です。ここに日本国籍を取得した「華人」や不法在留者を含めると、近く在日中国人100万人時代を迎えると見られています。なお、2000年の在日中国人数は32万人(台湾を含む。12年以降、統計の計算が変更)と半分以下です。

変わったのは数だけではありません。その中身もそれぞれの層で大きく変容しています。富裕層から日本企業で働くエリート、今どきの留学生、アンダーグラウンドまで、日本人のイメージとは激変した最新の在日中国人の世界をお届けします。加えて、豊富な事例を基に謎多き中国人の考え方を読み解き、ビジネスに役立つ付き合い方、採用法も伝授します。

(週刊ダイヤモンド編集部 宮原啓彰)

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『中国が米国のようになると思ってはいけない 中国から見た米中関係を復旦大学の姜義華・特別教授に聞く』(7/2日経ビジネスオンライン 小平和良)について

7/1アノニマスポスト<<#テレビが絶対に報道しないニュース>アメリカ政府、ウィグル人を収容所に監禁する中共の官僚達の米国銀行口座と資産を凍結~ネットの反応「『トランプがイスラム教を弾圧してる』と非難した人達は謝らないと」>写真のモスクはカシュガルのエイテイガールとは形が違います。公安が至る所に立ちウイグル人を威圧しています。

http://anonymous-post.com/archives/25451

7/2阿波羅新聞網<習決策班子焦慮巨大搖擺不定 經濟和政權危機前所未有 ——美官員警告在華美企做準備 中國損失已經非常慘重=習の政策決定グループは焦りの色濃く、揺れ動いて定まらず 経済と政権危機は以前にはなかったレベル 米国の官僚は在華企業に準備を怠るなと警告 中国の損失は既に悲惨な状況に>台湾のアナリストは「米中新冷戦は未だ始まっていないが、中国の損失は悲惨なもの。今年の米国株式市場は1%の下落だが、上海市場は20%も下落して54兆台湾$が蒸発した。台湾のGDPの3年分である。経済を動かす消費、投資、輸出とも失速し、債務は膨らむ一方で、北京は改革開放以来、経験したことのない経済と政権危機に直面している」と。

香港の「南華早報」の6/30報道では、「関税賦課合戦で、米国の官僚は、「短期的な悪い結果に対しての準備をするように。長期的には利益は釣り合うようになる。何故なら、駐華米国企業を見て外資が中国に入らなくなるので。」と。それで習の政策決定グループは腰が定まらない。

「科学技術日報」の総編集人は6/21講演で「中国の科学技術と米国のそれとは差が大き過ぎる。大衆は「我が国は凄くない部分がある」のを知っている。(CCTV制作の「光輝ある中国」の第6話“凄いぞ、我が国は”をもじって。習近平へのヨイショ番組)」と。中共はその前に「中国製造2025」や「三大超越」(=毛沢東時代に言われた、「英国を追い越し、米国に追いつき、ソ連とは別な道」から、胡鞍鋼が言いだした「経済・科学・技術とも米国を追い抜いた」というホラ)を言って来たが、米中関係の変化の中にあって、矛盾が露呈し、政策グループも意思決定できないでいる。

“我が国は実は凄くはない”という論調も其の儘、黙認して様子見している。(国内には「新四大発明」や「全面超越」、「主体超越」を主張する人もいる)。「中国製造2025」の熱を冷まし、米国への刺激を少なくするようにしているが、習は多国籍企業のトップと会った時に、「目には目」と話したり、マテイスと会った時に「先祖の残してくれた土地は一寸たりとも渡さない」と言って刺激している。1980年代、米国はソ連と日本を屈服させたのに。(レーガンのSDIとプラザ合意を指す)

http://tw.aboluowang.com/2018/0701/1137383.html

姜教授は「米国が中国を侵略したことはない」と言いますが、米国は出遅れて「門戸開放宣言」を出し、「自分にも分け前」が欲しいと思っただけです。その前に米国はフイリピンを植民地にしていますので。勿論結果的に米国は中国を侵略しなかったことになりますが。でも植民地と宗主国の関係が一概に悪いという訳でもありません。そもそも中国はチベット、ウイグル、モンゴルを侵略したではないですか?清の時代の版図の回復と言ったって、清は満州族で漢族ではありません。

ロシアとの愛琿条約で奪われた土地を返すよう、またモンゴル軍が侵攻した東ヨーロッパも中国の土地と主張して武力で奪い返さないと論理が合わないのでは。やってみれば良いでしょう。こんな二重基準の不届者の言うことは、世界が束になって黙らすしかありません。

モンゴルの最大版図

姜教授の言う「中国は世界の覇権に関わっていない」というのは嘘でしょう。ジンキスカンも中国人だと言い募る漢人が多い中で、上に掲げた版図をどう説明するのでしょうか。漢民族はご都合主義者です。「一帯一路」をどう説明するのでしょうか?地政学的に見れば軍事の要衝を取りに行っているように見えます。而も「債務の罠」という汚い手を使って。騙される方も騙される方ですが。また、資本主義の中にも社会主義の部分があると言っていますが、まやかしです。それは「福祉国家」と呼ばれ「議会制民主主義」を前提としています。共産国家のように一党独裁ではなく、自ら選んだ国民の代表に統治を委任しているから安心して政治を任せられるのです。中国人は良くこの手を使って混ぜ返します。小生が中国駐在時代、メデイア統括部門の人が来て講演、「日本には言論の自由があると良く言うが、会社の中で偉い人の言うことには従うではないか(読売のナベツネを想定して行ったと思われる)。中国もやっていることはそれと同じ」とか言っていました。一党独裁になれているので、概念としての三権分立とか言論の自由(政府・政党を批判する自由)とかが分からないのでしょう。

記事

トランプ政権は7月から500億ドル相当の中国製品に関税を課すと発表した。即座に対抗関税を発表した中国は、今世紀半ばまでに米国に並ぶ大国になるという目標を掲げている。両者の角逐は足元の“貿易戦争”だけでなく、先端技術や軍事まで幅広い分野で本格化していくだろう。

日経ビジネスでは6月25日号特集「米中100年 新冷戦~IT、貿易、軍事…覇権争いの裏側」で、現在の関税措置の打ち合いや米国の懸念、中国化する世界の現状を徹底した現地取材でまとめた。それに関連して、米中に精通した専門家のインタビューを掲載する。

今回は中国・上海の名門大学、復旦大学の姜義華・特別教授に登場してもらう。姜教授は中国の近現代史や近現代の思想が専門。中国側から見た現在の米中関係について語った。

(イラスト:北沢夕芸)

—米国政府が中国製品に制裁関税を課すと決定し、貿易戦争の懸念が深まっています。近代の米中関係などから見て、現在の両国関係はどのような状態にあるのでしょうか。

姜義華教授(以下、姜):米中関係は中国の発展における重要な要素の1つです。中国にとって米国とそのほかの国家は異なります。というのも米国は、ロシアや日本やその他の国が中国で勢力を拡大しようとしたのとは異なり、中国の領土を侵し、占領したことはありません。

姜義華(ジャン・イーフア)氏 1939年生まれ。復旦大学特別教授、中外現代化プロセス研究センター主任。62年に復旦大学歴史系を卒業し、82年に副教授、85年に教授に。上海歴史学会会長、上海市社会科学学会連合会副主席などを務めた経歴を持つ。

米国は近代において中国との経済関係だけでなく、文化とりわけ教育や宗教における関係をより重視しています。米国は義和団事件で清から受けた賠償金を返還。中国で清華大学の前身となる清華学堂を設立しました。また米国の宣教師は影響力のある多くの大学を設立しています。北京の燕京大学、上海の聖ヨハネ大学、広州の嶺南大学などです。協和医学院は近代医学の発展と人材育成に大きく寄与しました。

抗日戦争の期間、米国の代表団が延安を訪問した際、毛沢東は「中国が将来、工業化を実現する際、米国からの支援を得られるに違いない。中国は米国の支援を頼りにするだろう」と語っています。

その後、ルーズベルト大統領が死去し、第二次世界大戦が終わった後、米国と旧ソ連の間で冷戦の構図ができあがりました。米ソが世界を分割し、それぞれの陣営を形成する中で、米国は蒋介石を支持することを選択。米国から工業化の進展への支持を得るという中国の期待は当てが外れ、中国共産党と米国の関係は大きな変化が生じ始めました。

第二次国共内戦で中華民国政府が南京から広州に撤退する際、ソ連大使館でさえ広州に移る中で、(中国・杭州生まれで燕京大学の校長や中華民国で米国大使を務めた)ジョン・レイトン・スチュアートは南京に残り続けました。彼は北京に行きたいと希望し、北京(共産党)もそれを希望しましたが、最後は米国に行くことになってしまいました。

米中がはっきりと対立関係に入ったのは朝鮮戦争以降です。中国は実際のところ(戦争に)引きずり込まれたのですが、米国は中国が引き起こしたと認識していました。双方に不正確な判断があったと思います。米国は中国に対する誤解があり、中国は内部に様々な要因があったことに加えてソ連の影響も増してしました。

その後、米中関係は長く途絶えましたが、ニクソン大統領の訪中によって、関係が回復します。当時、米中は共にソ連に対応する必要がありました。中国共産党は核攻撃を受けるかもしれないという大きな脅威を感じていました。米国もこのような背景の下で中国との関係回復を急ぎました。

姜:ニクソン訪中から振り返ると、米中関係の変化には大きなポイントがあります。それはまずソ連の覇権に反対するという政治上の考えが大きく、双方の意図は必ずしも同じではないということです。米国はソ連の軍事的な攻勢に対し、より大きな構図を描く必要がありました。一方、中国は国境付近でソ連の100万の軍隊と対峙しており、ソ連は虎視眈眈と核攻撃の機会をうかがっていました。双方とも政治的な必要性があったため、米中関係の改善は急速に進んだのです。双方は多くの面、特に留学生や経済貿易関係で明らかな進展がありました。

このような状況は1980年代末から90年代初期まで続きましたが、また大きな変化が起きました。まずソ連の変化です。ゴルバチョフ書記長が登場し、89年には中国を訪問。中国とソ連の関係は改善しました。それ以来、ソ連が激しく中国に迫ってくることはなくなりました。米国にも変化が起きていました。ゴルバチョフ氏が退いてエリツィン氏が登場し、ソ連は瓦解しました。これにより米国にとって最大の脅威は消えました。

米中関係は新たな発展関係に入りました。もともと共同でソ連に対応するという政治上の目的は失われました。そのため、米中関係はどのような基礎の上に作られるべきかという新たな問題が出てきたのです。これについては両国の間で様々な論争がなされました。

この時は新たな基礎は形成されませんでした。その後、911事件が起き、米国は反テロリズムが喫緊の課題となりました。中国にとっても反テロは重要であり、両国に共通する目標ができました。これは米中関係に横たわる矛盾を一時的に抑えることになりました。ビンラディンが死亡し、テロとの戦いが以前ほど深刻でなくなったことで、経済や貿易の矛盾が徐々に表面化してきたのです。

人口14億の中国、現存する発展モデルは参考にならない

—米国は中国が経済的に発展するにつれて、民主化も進むのではないかと期待していたように思います。ところが実際には、中国は社会主義体制を維持したまま、米国に迫る大国になりました。米国側に中国に対する誤解があったのでしょうか。

姜:90年以降、米国は西欧化への改革が(世界的に)普遍的なものになることを望んでいたと思います。しかし、中国ではそのようなことは起きませんでした。これは中国をどのように理解するかという問題だと思います。

中国は14億人弱の人口を抱える大国です。現存するモデルを参考に発展することはできません。中国は自らが抱える条件に照らして発展していくしかないのです。巨大な中国の大部分を占めるのが農民です。中国のこの40年の変化は人の解放、その中でもまず農民の解放でした。数億人の農民が土地を離れ、3億人の青年が都市に移りました。彼らは手作業の労働はせず、機械労働が徐々に増えています。

もしこれらの対応を間違えれば社会の不満は一気に高まります。不満が高まれば農村では大きなうねりとなります。中国の歴史には農民戦争や農民の蜂起の伝統があります。太平天国の乱もそうですし、中国共産党もそうです。農民の蜂起は現代化への道をすべて止めてしまいかねない。ですから、中国が優先すべき問題は、農民にどう対応するかということなのです。農村の改革により農民を現代化の積極的な支持者、参加者へと変え、現代化への動力とすることができるか。これが、中国が自らの道を歩まなければならない根本的な原因の1つです。

中国共産党はもともと農民が主体でしたが、ここ数年変化しています。党員の構成も変化しています。当時、多くは小規模生産の農民でしたが、現在は現代教育を受けた層や米国などに留学した層を受け入れています。特に幹部層は伝統的な農村社会から離れた人たちがどんどん増えています。

姜:鄧小平は改革開放を二度目の革命だと述べました。現在、習近平も二度目の革命だと述べています。これは平和的な方法による、現在進行中の革命なのです。この革命は単なる政治体制の変革ではありません。生産方式、人の行動、考え方などすべてにおける歴史的な転換です。米国の人たちはこのことをまだあまり重視していないかもしれません。

中国では今、天地がひっくり返るほどの革命が起きているのです。これは一部のリーダーが交代するといった話ではありません。すべての人が参加している変革です。若い人は国際化し、トレンドを追うようになっています。これは中国が貧困から脱しつつあるという証明です。中所得層の割合ということではまだ日本に及びませんが、中国も既に数億人が中所得層以上となり、社会的なニーズや価値観、考え方は過去とは変わりました。

米国の関心は(中国が)西欧化するかどうかにあり、中国共産党や中国社会の大きな変化は軽んじてきました。中国側に誤解があるとしても、米国の中国に対する理解不足はさらに大きいと思います。中国で今起きている変化はとても大きく分かりにくい。それほど空前のものなのです。

社会主義も資本主義も絶え間なく変化する

—トランプ大統領の登場なども含めて民主主義という仕組みに対する信頼が失われているように感じます。一方で、中国の発展スピードが速く、中国自身も中国の体制に自信を持ってきています。

姜:私は西側の資本主義にあまり賛成できません。中国は社会主義であり、私はずっとマルクスが唱えた共産主義について研究してきました。社会主義や共産主義は虚構のものではありません。以前は財産の公有制や計画経済、労働に応じた分配などを社会主義と呼んでいましたが、これらはマルクスが本来唱えていた共産主義ではありません。我々が言う共産主義は絶えず現実の状況における現実の動きとして変化していくものです。

この動きは現在有する条件によって決定されます。これこそがマルクスが論じた科学的共産主義です。中国の成功も、かつての挫折も教訓も科学的共産主義にあります。公有制や計画経済、労働に応じた分配を社会主義だと思っていた時代には、我々は大きな挫折を味わいました。

もう一度はじめから中国の発展を中国の実情に照らして考えてみると、中国は数千年にわたり小規模な農村経済の国であり、農民が社会の細胞となっている国です。土地の自由売買が様々な問題を引き起こしてきたものの、この農村経済が中国の活力と安定をもたらしているのも確かです。欧州では中世の領土制、荘園制が崩壊してから農村経済が発展し、その後、資本主義が立ち上がってきました。一方、中国は一貫して小規模農業の経済で、資本主義世界の広がりとは一線を画してきました。

資本主義の国の中にも社会主義の要素はある

姜:中国の発展は単なる社会主義ではありませんし、西側諸国の発展も単なる資本主義によるものではありません。資本主義は第一次工業革命、第二次工業革命を経て大きな変化がありました。資本主義にも絶え間ない調整があり、実際多くの社会主義的なものを取り入れています。例えば北欧の国々の社会主義的な要素は我々と比べても決して少なくないと言えます。社会福祉としての医療や住宅、最低賃金や失業保険などはいずれも社会主義的な要素でしょう。

我々も小規模農村経済からいきなり社会主義に到達するのは不可能で、市場主義経済による発展を必要としました。どのように工業化し、都市化するのかという基礎がなければ社会主義は成功しません。マルクスは「社会主義の前提は一人ひとりがこの社会につながること」と強調しています。現在、我々は市場やスマートフォンを通じて世界と直接つながっています。

中国の多くの農民はスマホやパソコンを通じて、農産品を全国や世界に販売しています。これを「中国の特色ある資本主義」と言う人もいますが、それも間違いです。社会主義に固定したモデルはありませんし、資本主義にもない。だからこそ1992年に鄧小平が南巡講話をした際に「誰もが市場経済になることができる。なぜ我々が市場経済になってはいけないのか」と語ったのです。

米国は中国が米国と同じになることを望んではいけません。14億弱の人口を抱え、広大な国土を持つ中国は米国と同じようにはできません。

—米国は中国が米国を超えることを恐れているようにも見えます。中国をライバルとみなし始めた米国に対し、中国はどう対応するのでしょうか。

姜:米国は1900年から世界一となり、百数十年にわたり現在の地位に慣れ親しんできました。世界の軍事面、経済面において唯一の大国という認識が彼らの中にあるのでしょう。第二次大戦後にソ連の脅威が出てきて、米国が自らの地位に挑戦してきたと感じると、政策決定に大きな影響を及ぼしました。

現在の中国と米国の差はまだまだ大きい。中国はGDPで世界第2位の経済体になったとは言え、国民1人あたりのGDPはまだ数分の一。米国は約5万7000ドルですが、中国はまだ1万ドルにも達していません。

我々の基礎はあらゆる面でまだ弱い。米国は中国の製造業のレベルが低いうちは容認していました。トランプ大統領の制裁関税も衣料品や玩具は対象に入っていません。彼らが心配しているのは「中国製造2025」でしょう。中国の製造業が低レベルなものから中レベル、高レベルなものになることを恐れています。

製造業のレベルアップは中国自身にとって必要なものです。中所得層が増えてくるにつれて、彼らの要求は一律なものでなくなってきました。米アップルのiPhoneや以前は日本から輸入していたテレビや冷蔵庫などは今となっては日常の道具になっています。私が85年に初めて日本に行った際、テレビを買って持ってきました。当時としては高額消費でしたが、今は普通の消費です。フランスや韓国の化粧品なども値段を気にせず買います。

中国は数千年の間、世界の覇権に関わっていない

姜:米国は中国の製造業がレベルアップすることで彼らの覇権を脅かすのではと考えているようですが、それは考えすぎです。中国は数千年の間、世界の覇権に関わったことがありません。中国の世界観は我々の範囲内で落ち着いて、良い生活をするというものです。中国の周囲との関係は基本的に「損な商売」です。西側の植民地を奪うやり方とは違い、安定した善隣関係です。

明朝の永楽帝は鄭和を西に行かせました。彼の皇帝の地位は奪ったものなので、国威を国の外にまで知らしめ、朝貢外交を行うことを望んだのです。しかし、我々の王朝にとってそれは割に合わぬ商売でした。キリンなどの変わった動物や特産品が送られてきましたが、こうした交易は明の王朝にとって重い財政負担となりました。永楽帝の死後、後を継いだ皇帝は朝貢の必要はないか、回数を少なくすることを命じました。中国は略奪ではなく安定した関係を維持する国家です。海外に拡張していこうという伝統はなく、植民地という概念もありません。

ビジネスマン出身のトランプ大統領は利に聡いはずです。米国が世界の覇権を維持したいと思ったとしても、現在はそのコストが高いことは理解しているはずです。日本や韓国、欧州に多くの資金を使っています。グローバル化に反するようなことを口にしているのは、使うお金を減らしたいということでしょう。

米中関係で中心となる問題はやはり異なる文明であるということではないでしょうか。中国には決まった宗教も教会もありません。中国を理解するにはこうした中国文明からつながっていくことが必要ではないでしょうか。

米国は欧州の文明が起源です。中国の文明との違いは大きい。それでもどちらの文明にも価値があります。互いに尊重し、交流し、コミュニケーションを取ることでより良い世界秩序を作ることが可能です。

中国の市場経済による発展の歴史はわずか40年。すぐに成熟するのは不可能です。我々は一歩ずつ学んでいるところなのです。中国の発展はまだ不均衡で不十分で、整然と一歩ずつ進む中で経験していくのです。中国が混乱して世界にとっていいことはありません。

米国はアジア地域をコントロールしたい

—日本と中国の関係は今後どのように変化していくと考えていますか。

姜:日本と中国には共通の利益がまだまだ多くあります。経済面だけでなく、思想や文化、科学技術などで交流する余地は大きい。私は日中韓で自由貿易区を建設する構想に一貫して賛成しています。

歴史問題は我々にある種の教訓を与えています。このような衝突はそれぞれの国の発展を阻害しています。日中間の貿易や日本の対中投資、科学技術面での交流は中国の現代化の力になっていますし、日本の発展にとっても役立っています。これだけの大きな市場ですから、日中韓はさらにコミュニケーションを取るべきです。

問題は外部の勢力です。米国はこの地域をコントロールしたい。ソ連も長くそう思っていました。実際のところ尖閣問題や竹島問題、靖国神社の参拝問題はどれも大した問題ではありません。誇張されている面があります。

中国と日本は世界第2位と世界第3位の経済体です。両国が連合を組めば世界第1位の経済体になります。我々が安定すれば、世界も安定します。あまり関連性のないことがアジアの経済共同体を苦しめるのは、いいことではありません。

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『米国第一主張「ナバロ文書」 公約を理論武装』(7/2日経朝刊)、『習氏肝煎り「中国製造2025」 米日独を追撃』(7/2日経朝刊)について

7/1日本の明日を考える会主催の「宮崎正弘氏・和田政宗氏講演会」に参加しました。宮崎氏の講演内容は7/2のメルマガに載っています。「次なる敵は中国」と言うのはトランプだけでなく、米国の総意であると。NYTもWPもだそうです。中国を如何に封じ込めるか。先ず大統領選に勝利するためポンペオは「2年間かけて北朝鮮と非核化を交渉する」。北が応じなければ、東京オリンピック終了後、大統領選前に何かをするのでは。(意味は北が米国の言うことを聞かず、中国に擦り寄ることを考えれば、その時は攻撃すると小生は解釈します)。それで在韓米軍の撤退をほのめかし、在韓米軍を北の砲弾の届く射程外に持ってきた。国務省の次官を決めていないのは、1年半かけてスパイの炙り出しをしてきた。国務省は左翼の巣窟でヒラリー商会と揶揄される。テイラーソンには国務省予算の30%カットさせ、力を削いできた。外交は国務省でなく国防総省の意見を聞いてやるようにしている。トランプ・プーチン会談を7/16実施する段取りをボルトンにやらせた。小生は、下のAFPの記事のようにトランプはクリミア併合を認め、ロシアを中国包囲網の一員に仕立てるのではと考えます。ルトワックが主張していた通りの動きでは。宮崎氏はトランプ・ポンペオ・ボルトンでタッグを組んで外交をしていくと。ただ、関税戦争は長くは続かないだろうとも。産業界が悲鳴を上げている。主戦場は投資制限、金融(中国の外貨準備、IEEPA、人民元暴落)では。

米国の対中戦で懸念されるのは、米国内部が二極分化され、内戦になる可能性です。ジェーソン・モーガン氏やマックス・フォン・シューラー氏が心配しています。中国はそこに手を入れて来るでしょう。特に民主党支持者やリベラル等、中国は裏で金を使って来るのでは。早く中国経済を崩壊させないと危ないです。

7/2宮崎正弘氏メルマガ<トランプ外交の全貌が、霧が晴れるように見えてきた>

http://melma.com/backnumber_45206_6703651/

7/2日経電子版<北朝鮮の核放棄「1年内に大半可能」 米大統領補佐官>

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32483960S8A700C1EAF000/?nf=1

6/30AFP<トランプ氏、ロシアのクリミア併合を認める可能性排除せず 西側外交筋に不安感>

http://www.afpbb.com/articles/-/3180620

日経の記事は貿易戦争のお浚いです。良く纏まっていると思いますが、惜しむらくは、通商問題(経済)だけに目が向けられているだけで、本質は世界覇権(軍事覇権・通貨覇権)を巡っての争いという観点が抜けている点です。憲法9条の平和教育の咎めでしょう。現実を分析するうえで、一面しか見れないという事は、総合評価をする上で判断を誤る元となります。

6/29大紀元<米国人7割、大手メディアに「フェイクニュースある」と回答=世論調査>

http://www.epochtimes.jp/2018/06/34403.html

6/28 正しい歴史認識・国益重視外交・核武装実現<石破茂「新聞もテレビも見ず、気に入った情報だけをネットで見る人が増えている。民主主義の危機」>

http://deliciousicecoffee.jp/blog-entry-7130.html

上記2つの記事は、メデイアへの信頼度が日米でこうも違うのかというのが分かります。日本人は簡単に人の言うことを信じすぎです。意図的に事実を捻じ曲げて報道するのはモリカケを見ていれば明らか。政治的意思を実現するための左翼プロパガンダだと気付きませんと。でもあの戦時中、軍部と結託して戦争を煽り、部数拡大を図り、戦後はその正体を隠さなくなった共産党の手下である朝日新聞が最も信頼度が低くなったのは当然と言えば当然です。今も部数減になっているようですが、左翼路線を突っ走る限り信頼は回復しないでしょう。NHKは信頼度の高さを利用して国民に刷込を図っています。国民はネットの記事を読んで、騙されないようにしませんと。マスメデイアは「おれおれ詐欺集団」くらいに思っていた方が日本人にはバランスが取れるのでは。東大教授とか権威に弱くては駄目です。自分の頭で考え、批判精神を持たないと。

「ナバロ文書」記事

「ナバロ・ペーパー」。2016年9月末に公表された文書「トランプ氏の経済政策の評価」は、筆者のピーター・ナバロ・カリフォルニア大教授(当時)の名をもじってそう呼ばれた。トランプ政権が矢継ぎ早に打ち出すことになる強硬な通商政策は、同文書ですでに予言されていた。

トランプ政権は貿易赤字削減へ向けてあらゆる手段を用いると主張している=ロイター

トランプ政権の通商ブレーンを担うナバロ大統領補佐官=AP

▼世界貿易はペテン師にやり込められている。中国は最大のペテン師であり、米国にとって最大の貿易赤字国でもある

▼1947年から2001年までの米経済の平均成長率は3.5%。02年以降は1.9%だ。その一因は01年の中国による世界貿易機関(WTO)加盟だ

▼トランプ政権は我慢しない。貿易の不正が続くなら、防御的な関税を課す

こうした過激な言葉が並ぶ同文書は31ページと短いが、全10章の大半は貿易政策に充てられる。ナバロ氏は「中国がもたらす死」と題した映画を自ら製作するほど中国に手厳しく、同文書も対中批判が主軸を占める。

米貿易赤字の構造問題に切り込んだ第7章では(1)相手国の為替操作(2)相手国の重商主義と不正貿易(3)米国の貧相な貿易交渉――が年5000億ドルもの貿易赤字(モノとサービスの合計)の要因だと分析する。赤字解消に「あらゆる手段を用いる」と宣言、相手国を「為替操作国」に指定して高関税を課すと主張する。

第9章では貿易不均衡を解消する必要がある相手国として、中国、カナダ、ドイツ、日本、メキシコ、韓国の6カ国を名指しした。中国には「米国製品に広範に課す高関税に立ち向かい、膨大な非関税障壁を緩和するよう求め、鉄鋼の不当廉売も見逃さない」と徹底抗戦を主張した。日本や韓国、ドイツには原油や天然ガスの輸出拡大を迫り、貿易赤字の縮小を目指す方針を盛り込んだ。

16年11月の大統領選直前にまとめられた同文書をトランプ氏の公約の原点とみるのは間違いだ。むしろ同文書の目的はトランプ氏が選挙戦で乱発した過激な公約を、後付けで理論武装することにあった。

15年6月に立候補を表明したトランプ氏は「連邦法人税率を15%に下げる」「メキシコ国境に壁を築く」などと大胆な公約を早々に打ち出していた。大統領選に関わった関係者は「ツイッターで有権者の反響が大きかったものを公約に選んだ」と明かす。結果として通商政策の目玉策になったのが「中国製品に45%の関税を課す」といった強硬策だった。

民主党のクリントン候補や主要メディアはトランプ氏の公約を「非現実的」と批判を強めた。そこでトランプ氏はナバロ氏とウォール街の投資家だったウィルバー・ロス氏に理論武装を依頼し、できあがったのが同文書だった。法人税率を15%に下げても「貿易赤字の解消で税収が増えて財政は傷まない」とマクロ経済政策の辻つまあわせも図っている。

一方、労働力不足やインフレといった懸念には踏み込みが甘く、「貿易赤字が減れば給料が増えて、消費者にはインフレを相殺する以上の購買力が生まれる」と説明した程度だ。経済専門家からは「ブードゥー(呪術)経済学よりひどい」(サマーズ元財務長官)と酷評された。ブードゥー経済学とは1980年の大統領予備選で「減税すれば逆に税収が増える」としたレーガン氏の主張を、対立候補のブッシュ氏が批判した言葉だ。

同文書の筆者であるナバロ氏は大統領補佐官に、ロス氏は商務長官となって今も政権の通商政策を主導する。もっともトランプ氏の通商政策は過激さを増し、公約では触れなかった自動車の広範な輸入制限の検討にも着手するなど、「ナバロ・ペーパー」を超えて暴走し始めている。

ハイテク分野 中国狙い撃ち

2017年1月、トランプ政権が発足すると、生煮えだった「ナバロ・ペーパー」は公式の通商政策へと深化し始める。世界貿易機関(WTO)ルールの軽視や中国の知的財産権侵害への対抗など最近の政策のコンセプトは米通商代表部(USTR)が作成した2つの文書にすでに盛り込まれていた。

「通商政策では米国の国家主権を守る」「(WTOの紛争解決手続きに)そのまま従う必要はない」――。USTRが17年3月発表した「大統領の17年通商政策方針」は各国の通商関係者に衝撃を与えた。主導したのは就任前だったライトハイザー現代表ではなく、ナバロ氏がUSTR幹部と組んで作成したとされる。

恣意的な輸入制限策はこれまでWTOルール違反とされてきたが、同文書では「他国の市場開放に向けてあらゆる手段を用いる」と強硬措置も辞さない方針を表明した。WTOの紛争手続きでは勝訴した国が相手国に報復関税などを課せるが、米国が敗訴しても「国内法や商慣習を自動的に変えることにはならない」(USTR)と主張した。

同文書のもう一つの特徴は、大統領権限で相手国に制裁関税を課せる「通商法301条」を不公正貿易に対抗する有効な手段と位置付けたことだ。301条は1980年代の日米貿易摩擦でフル活用されたが、WTO発足後は封印して「抜かずの宝刀」とされてきた。だがトランプ政権は同文書を基に301条を積極活用する方針に転じ、中国の知的財産権侵害を制裁する名目で中国製品に追加関税を課す根拠とした。

17年5月、USTR代表にライトハイザー氏が就いてからは、対中戦略はハイテク分野に照準が絞られていく。18年3月にUSTRが公表した「通商法301条に基づく中国の技術移転、知的財産権などの調査」は200ページ近い膨大な分量で、中国の手口を事細かに分析している。

トランプ米政権が最も問題視するのは、米企業が中国進出時に技術移転を強要される点だ。習近平(シー・ジンピン)国家主席が打ち出した産業政策「中国製造2025」に基づき、ハイテク産業の内製化を急ぐ中国の国家戦略に沿った動きだと分析する。

USTR報告書では中国の技術移転強要の事例として電気自動車など「新エネルギー車」を挙げた。同市場の外資への開放は「国有企業の近代化に向けた米企業からの技術移転が目的だった」と断定した。

例えば高関税や国内補助金によって、外資は「まず中国への輸出よりも(地元企業との)合弁による現地生産を選ばざるをえなくなる」と指摘。合弁設立後は「バッテリー、駆動システム、制御システムのうち1つの知的財産権を現地法人に移転するよう求められた」と明かす。17年には新エネ車の開発・生産技術の「熟達」が市場参入の条件となり、外資は主要技術の合弁への移転を迫られた。

報告書は中国が政府資金を用いて米企業の技術を買いあさっているとも指摘した。例えば国有半導体大手の紫光集団は15年、米半導体大手マイクロン・テクノロジーの買収を提案したが、その資金は政府系ファンドが用立てしたという。

アリババ集団系の金融会社アント・フィナンシャルは生体認証技術を持つ米アイベリファイを買収したが、5カ月前に45億ドルの巨額資金を政府系ファンドから調達していた。米議会が対米外国投資委員会(CFIUS)を活用して中国企業の投資の大幅制限をもくろむのも、報告書の延長線上にある。

トランプ政権が中国のハイテク分野を目の敵にするのは、先端技術を軍事転用されるリスクがあるからだ。USTRの報告書では、中国人民解放軍が主導してUSスチールやウエスチングハウスなど米企業にサイバー攻撃を仕掛け、ハイテク技術を盗み出していると暴露した。

「長期的な貿易赤字の末に防衛産業を海外に移すことになれば、我々は広範な戦争で敗北を喫する」(ナバロ氏)。トランプ大統領は安全保障と通商問題を天秤(てんびん)に掛けて各国と交渉するが、そこには米産業の衰退が軍事力の弱体化につながるとの危機感がある。貿易問題を巡る米中の対立は軍事摩擦の側面もあり、絡み合った糸をほどくのは容易ではない。

「中国製造2025」記事

米中両国は500億ドル(約5兆5千億円)相当の製品に追加関税を課す制裁措置の発動を目前に控えるなど「貿易戦争」の淵に立つ。強硬策が互いにエスカレートしてきた背景には、トランプ米大統領の通商ブレーンが作成した「ナバロ・ペーパー」と、中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席肝煎りの産業政策である「中国製造2025」の2つの文書の存在があった。(1面参照)

中国の習近平指導部には、賃金上昇で製造業の国際競争力が揺らいでいるとの危機感がある=AP

中国国務院(政府)が2015年5月に発表した産業政策「中国製造2025」は次世代情報技術やロボットなど10の重点分野を設定し、製造業の高度化を目指す野心的な計画だ。中華人民共和国が建国100年を迎える49年に「世界の製造強国の先頭グループ入り」を目指す長期戦略の第一歩と位置付けられる。

第1段階(15~25年)の目標は「世界の製造強国の仲間入り」だ。規模だけをみれば中国の製造業の生産額は米国を上回り「世界の工場」としての地位を確立した。だが中国製造2025は冒頭で「世界の先進水準と比べると、中国の製造業は依然として大きいが、強くない」と指摘する。技術革新力や資源の利用効率、産業構造などで先進国との差はまだ大きいと率直に認める。

中国商務省の報告書によれば、米国の小売価格500ドルのダウンジャケットは中国からの輸出価格はわずか60ドル。中国企業がダウンジャケットの加工や縫製で手にするのは小売価格の1~2%にとどまり、大部分はデザインや小売りを手掛ける外資企業が手にする。

製造業の付加価値やブランド力、労働生産性などから中国が独自に算出した「製造強国総合指数値」(12年)によると、中国は81。1位米国(155)、2位日本(121)、3位ドイツ(110)に次ぐ4位だが、米日独とは大きな開きがある。この指数値を25年に103まで高め、第2段階(25~35年)の「世界の製造強国の中等水準」につなげるのが目標だ。

中国製造2025の原型となったのは技術分野の最高学術機関、中国工程院が策定した「製造強国戦略研究」だ。デジタル技術を活用して製造業の高度化を促すドイツの産業政策「インダストリー4.0」が影響したとされる。

研究の背景には自らの現状を「インダストリー2.0」と分析する中国の強い危機感があった。中国の労働者の人件費は急上昇し、ベトナムやインドと比べた立地競争力が揺らぐ。米国やドイツなど先進国は「製造業回帰」を掲げ、デジタル化による「第4次産業革命」を加速する。中国の製造業は途上国と先進国の双方から挟み撃ちにされ、大胆に変革しなければ生き残れないとの判断があった。

中国製造2025に基づく研究開発はすでに動き出している。

北京市郊外の研究開発団地。最新のIT(情報技術)を活用した「スマート製造」プロジェクトに深く関わる政府系研究機関、機械工業儀器儀表総合技術経済研究所を訪れると、1階フロアに巨大な設備が並んでいた。ロボットを活用した工場自動化の展示だ。

実際に写真立てをつくってもらった。自分の写真を撮ってフレームを選べば、ロボットが素材を削るなど後の製造工程は全自動で、10分足らずで包装された写真立てが完成した。自動化やスマート製造の効果を実感しやすい仕組みだ。

実は自動化設備を開発したのは三菱電機だ。中国製のロボットや工作機械もラインに組み込める点も評価されたようだ。同研究所の劉丹氏は「三菱電機の自動化は工場現場の問題の解決に強い」と話す。

家電大手の美的集団が「インダストリー4.0」の推進役だったドイツのロボットメーカー、クーカを買収するなど欧米企業との連携も強化している。中国の製造業は豊富な資金力をいかして先進国から技術を積極導入し、キャッチアップを図っている。

国産化に数値目標

「中国製造2025」の付属文書の「重点分野の技術ロードマップ」を読むと、中国政府の真剣度合いが伝わってくる。高速通信規格「5G」など次世代情報技術やロボット、電力設備といった10の重点分野をさらに23の商品に細分化し、国産比率の目標をそれぞれ設定した。

例えば産業ロボットでは「自主ブランドの市場占有率」を20年に50%、25年に70%と具体的な数値を設定した。「5G」のカギを握る移動通信システム設備では25年に中国市場で80%、世界市場で40%という高い目標を掲げる。

中国政府は「目標は強制力があるものではない。米オバマ政権が『5年間で輸出倍増』の目標を掲げたのと同じ」(王受文商務次官)と説明するが、額面通りには受け取れない。

欧米では経済を動かす主役は民間企業で、政府が旗を振っても利益が出ない事業は進まない。これに対し、中国は「共産党が全てを指導する」(習氏)。経済の主役は地方政府で、地方の党官僚は自らの出世のために中央が掲げた数値目標を何としても達成しようとする。企業はその一つの手段にすぎず、採算が合うかどうかは二の次だ。

中国製造2025が掲げた数値は「事実上の必達目標」と受け止められている。達成に向けて中国政府は巨額の補助金、金融支援、政府調達での優遇という3つの手厚い支援を用意している。

例えば、ロードマップが23商品のトップに掲げた半導体の国産化では「基金、税財政、金融支援」と明記した。中央・地方政府による半導体産業の支援基金は計1500億ドル(約16兆5千億円)に上るとの調査もある。

中国製造2025を受けて、中国各地では半導体工場の建設が猛烈な勢いで進んでいる。建設資金の100%を政府のお金でまかなう工場もあるという。

中国の建設ラッシュで、スマートフォンなどに使われるNAND型フラッシュメモリーは20年以降に大幅な過剰生産能力が発生する懸念も指摘される。過去に鉄鋼や液晶、太陽光パネルなどで起きたのと同じ構図だ。中国企業にだけ巨額の補助金が流れ、外資企業は締め出されかねない。

中国で活動する米国企業でつくる中国米国商会の17年秋の調査でも、ハイテク企業の50%が「中国で保護主義が強まっている」と回答し、41%が「産業政策で障壁を築いている」と批判した。

米政府は5月初旬の第1回の貿易協議から中国製造2025を交渉のテーブルに乗せ、補助金の即時停止を求めた。だが中国にとっても「貿易赤字縮小は妥協ができるが、製造業のレベルアップは決して譲れない」(官庁エコノミスト)。中国製造2025を巡る米中の主張は隔たりがなお大きい。

「分厚い氷は1日でできるものではない。米中両国の長年にわたる経済、貿易の構造問題を解決するには時間が必要だ」。中国側の交渉トップで、習主席の側近として知られる劉鶴副首相はワシントンで記者団にこう語り、米中の協議は長期間におよぶとの見方を示した。

粟井康夫、菅野幹雄、高橋哲史、河浪武史、多部田俊輔、中村裕、永沢毅、原田逸策、中西豊紀、永井央紀、鳳山太成、中村亮が担当します。

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『チーム未出場の中国企業がW杯に意欲的な理由 FIFA協賛15社中の7社が中国企業の謎』(6/29日経ビジネスオンライン 北村豊)について

6/30看中国<听日本人说,日本足球为啥比中国厉害?(组图)=日本人が言うのを聞くと、日本のサッカーチームは何故中国のチームより凄いのか(分かる)?>セネガル戦を見たが、セネガルの選手の個人の能力はずば抜けていて、体にも恵まれている。但し戦術面では並である。日本チームは小柄な選手が多く、体とスピードではセネガルに程遠いが、自在なチーム編成と戦術面の卓越、細かなテクニックを持ち、多くの選手が欧州チャンピオンズリーグ経験者で試合慣れしている。体の小さい日本人が屈強なセネガル選手と技術の限り、体力の限りを尽くして、冷静沈着に試合を運び、最後に追いついたのは、我々アジア人の誇りである。

帰りの電車がなくなったので、飲み続けた。話題はロシアから中国まで。どうして中国は13億人もいるのにサッカーが下手かと。私には分からないので答えられなかった。体育関係の友人がサッカー選手を日本に派遣した時、その選手は「中国はテイクアウトのみ」と。意味が分からなかったが、彼が説明してくれた。「日本は寝起きを共にし、管理栄養士もついて、食事も良くコントロールされて、体に悪いのは摂らない。外食は禁止。中国はテイクアウトが多い。勿論中国にも管理栄養士はいるし、定食もある。ただ、好みがうるさく、食堂では少ししか食べず、外から買って来たものを食べる。結果体が追いついていかない」と。

日本は訓練するにしても、母親か妻が来て、栄養士の指導通りに食事を作る。中国の選手は家に帰れば、自由に大食い、大酒を飲む。岡田武史が杭州チームを率いたときに、途中で辞めてしまった。日本に帰ってインタビューを受けたときに、「中国人のサッカーはアルバイト感覚である」と答えた。岡田の助手が言うには「練習が7時開始であれば、日本選手は6時には来て体をほぐすが、中国選手は7時に来ても、だべったり、スマホをいじったりしている。命令しても動かない。岡田が最後の練習をする時にも3人が遅刻して来た」と。

中国で賞金を出せば、誰が英雄として取るか血眼になるが、日本チームは皆で分ける。一人で勝ったわけでないからだ。中国での高額賞金はチームとしての協同作業をやりにくくする。

https://www.secretchina.com/news/gb/2018/06/30/863086.html

北村氏の記事を一読して、習近平と言うのは何と楽観的なのだろうと感じました。中国製造2025だけでなく、2050年までにFIFAワールドカップで優勝することを目標に掲げるとは。その時まで、中国共産党が存在するかどうかです。米中貿易戦争で中共支配が崩れるかもしれないのに。経済に無知と言うのは怖いものがあります。まあ、独裁者だから自分の思い通りにできるという事でしょうけど。中国では習以外でもサッカーフアンは多いです。

上述の日本と中国のサッカーへの取り組みの意識の差は文化の差から来るものでしょう。拝金教にドップリ浸かり、「俺が俺が」の自己中が多い中国人にチームワークを期待しても無理と言うもの。習近平は強圧的統治をしていますが中国人の中華思想を治癒することはできないでしょう。2050年優勝は無理と言うものです。

記事

ロシアW杯では中国企業が存在感を示している

「FIFAワールドカップ」は、国際サッカー連盟(Federation Internationale de Football Association、略称FIFA)が主催する4年毎に開催される男子ナショナルチームによる世界選手権である。1930年にウルグアイで開催された第1回大会から48年を経て第21回目となる大会は、「2018 FIFAワールドカップ・ロシア」として現在ロシアで開催されている。大会は2018年6月14日から7月15日までの31日間の予定で、予選を勝ち抜いた31カ国に開催国のロシアを加えた32カ国が、ロシア国内11都市の12会場で熱戦を繰り広げている。

中国は「2018 FIFAワールドカップ・ロシア」の40カ国が参加して行われたアジア予選に2次予選から出場し、上位12カ国に残って3次予選まで駒を進めたが、6カ国ずつのグループで行われた総当たり戦の結果、グループAの5位(10戦3勝3分4敗、得点8、失点10、得失点差マイナス2、勝ち点12)となって敗退し、ロシアで行われる本戦への出場を逃した。ちなみに、ロシア本戦への出場を決めたグループBの日本は1位(10戦6勝2分2敗、得点17、失点7、得失点差10、勝ち点20)であった。

中国の“国家足球隊(国家サッカーチーム)”は、1949年10月に中華人民共和国が成立した翌年の1950年に組織され、1976年からFIFA傘下のアジアサッカー連盟(AFC)主催の「AFCアジアカップ」に参加している。戦績は、1984年:2位、1988年:4位、1992年:3位、2000年:4位で、2004年に2位となったのを最後に低迷し、それ以降の上位入賞はない。

それもそのはずで、2018年6月7日に発表されたFIFAランキングでは中国は75位であり、過去1年間のランキングで最高は2017年10月の57位だった。FIFAランキングで中国の過去最高は1998年12月の37位であり、過去最低は2013年3月の109位だった。ちなみに日本は6月7日発表のFIFAランキングでは61位だったが、過去最高は1998年3月の9位、過去最低は2000年2月の62位だった。

実は熱烈なサッカーファンの習近平

中国国家主席の“習近平”は“鉄桿足球迷(熱烈なサッカーファン)”として知られている。習近平がまだ国家副主席だった2011年7月、北京を訪れていた韓国民主党党首で国家議員でもあった“孫鶴圭(ソン・ハクキュ)”との面談終了後に、孫党首から韓国のサッカー選手“朴智星(パク・チソン)”のサイン入りサッカーボールを贈られてサッカー談義に興じた習近平は、次のように述べたと言う。すなわち、中国がFIFAワールドカップに出場する、FIFAワールドカップを開催する、FIFAワールドカップで優勝する、これが私の三つの夢である。

2012年11月に中国共産党中央委員会総書記となった習近平は、2015年2月27日に第18期“中央全面深化改革委員会”第10回会議を開催して「中国サッカー改革発展全体計画」を審議して可決した。単一のスポーツに限定した全体計画を同委員会で採択するのは前代未聞のことであり、習近平がいかに中国サッカーの改革に熱意を燃やしているかが分かる。習近平は中国をサッカーの超大国にして、FIFAワールドカップの開催国となり、FIFAワールドカップに参加し、2050年までにFIFAワールドカップで優勝することを目標に掲げた。このため、習近平は2025年までに中国国内に5万カ所の“足球院校(サッカースクール)”を開設して若手選手の育成に励み、2030年FIFAワールドカップの開催国に立候補しようと考えていると言われている。

中国のプロサッカーリーグである“中国足球超級聯賽(中国サッカー・スーパーリーグ)”(以下「スーパーリーグ」)は1部リーグ<注>を指し、16クラブで構成されている。スーパーリーグの各クラブは2004年から有力な外国人助っ人を招聘するようになり、現在(2018年6月時点)では合計64人の外国人選手がスーパーリーグに在籍している。その内訳は、ブラジル:20人、アルゼンチン:5人、スペイン:4人、ポーランド:3人、ナイジェリア:3人、などとなっている。現在開催中の「2018 FIFAワールドカップ・ロシア」には、これら64人中の8人が各国代表として出場している。
<注>2部リーグは“中国足球甲級聯賽”、3部リーグは“中国足球乙級聯賽”。

なお、外国人助っ人の移籍金が高額であることから、2017年6月にスーパーリーグは新たな規定を発表し、外国人助っ人の移籍金が4500万元(約7.65億円)以上となった場合には、その同額を“中国足球協会(中国サッカー協会)”へ支払うことを義務付けた。これは習近平が述べた「外国人のサッカースターが溢れている中国スーパーリーグより強大な国家チームの方がより重要だ」という言葉に対応したものと言われている。

積極的な中国企業スポンサー

さて、上述した習近平の“中国足球夢(中国サッカーの夢)”に呼応する形で中国企業が積極的に取り組んだのが「2018 FIFAワールドカップ・ロシア」(以下「ロシアW杯」)であった。ロシアW杯のテレビ放送を見ているとグラウンドを囲む形で幾つもの財団と企業の広告が映っているが、それらはFIFAパートナー(7社)とロシアW杯スポンサー(5社)および地域スポンサー(3社)の合計15社の広告である。驚くことに、この15社中の7社が中国企業なのである。その5社とは、不動産大手の“大連万達集団”(略称:万達<WANDA>)、家電大手の“海信集団”(略称:海信<Hisense>)、乳業大手の“蒙牛乳業”(略称:蒙牛)、スマートフォン大手の“VIVO(ヴィーヴォ)”、バイクメーカーの“雅迪集団”(略称:雅迪)、ファッション企業の“大帝集団”(略称:大帝<DIKING>)、技術・娯楽企業の“LUCI”である。その内訳は、万達がFIFAパートナー、海信、蒙牛、VIVOの3社がロシアW杯スポンサー、雅迪、大帝、LUCIの3社が地域スポンサーである。

2016年3月、万達はFIFAと15年間のパートナー契約を締結した。FIFAパートナーとして万達がFIFAへ支払う賛助金は毎年1.5億ドル前後と推測される。なお、中国メディアは、ロシアW杯スポンサーになった海信とVIVOがFIFAへ支払うのは1億ドル前後、蒙牛は5000万ドル前後と報じており、広告費としては決して安いものではない。話は本題に戻る。万達はFIFAパートナーになったことにより、ワールドカップでFIFAの旗を掲げる旗手を募集する独占権を入手した。これはワールドカップで試合前に行われるFIFA旗の入場時に旗を掲げる1組6人の旗手を指す。2018 FIFAワールドカップの試合数は全部で64試合だから、旗手は合計384人(64試合×6人/試合)必要となる。

万達は384人の旗手を中国国内の12歳から17歳までのサッカー少年・少女から厳しい選抜試験を経て選出した。384人の少年・少女はロシアW杯で各試合の選手入場前にFIFA旗を6人1組で掲げて入場している。ロシアW杯開幕式は、6月14日にモスクワのルジニキ・スタジアムで8万人の観客を集めて華々しく行われたが、開幕式後に行われた大会第1試合(ロシア対サウジアラビア)の選手入場前に入場したFIFA旗は男女3人ずつの中国人旗手によって掲げられていた。

彼らは貴州省の“黔東南苗族侗族自治州”に属する“丹寨(たんさい)県”から選ばれた男女6人だった。丹寨県は面積940平方km(大阪府平方1900kmの半分に相当)、人口は約17万人で、21の少数民族が居住する貧困県である。6人の内訳は、丹寨県第三中学の“楊昌勝”と“蒋嘯”、丹寨民族職業技術学校の“周露露”(女)と“王邦健”、丹寨県第二中学の“莫秋”(女)、北京師範大学貴陽附属中学の丹寨出身の学生“汪美侖”(女)であった。

しかし、どうしてその貧困県から6人ものFIFA旗の旗手が選出されたのか。その理由は、万達が中国政府の“扶貧政策(貧困家庭・地域支援政策)”に対応する形で丹寨県に対し脱貧困の各種支援を行っていたからである。但し、これはそれほど純粋な性質のものではなかった。2017年10月に開催された中国共産党第19期全国代表大会に参加する党代表は事前に各一級行政区(省・自治区・直轄市)で行われる中国共産党員による選挙で選出されるが、習近平は貴州省の党代表として選出された。また、第18期で政治局常務委員であった“王岐山”(現・国家副主席)は68歳の年齢制限で引退すると思われたが、しばらく身を隠した後に党代表として選出されたのは貴州省であった。

記者を大会に多く派遣する理由

さらに、過去三代の貴州省党委員会書記である、“栗戦書”(在任:2010年8月~2012年7月)は政治局常務委員で“全人代”委員長、“趙克志”(同:2012年7月~2015年7月)は“国務委員”で“公安部長”、“陳敏爾”(同:2015年7月~2017年7月)は“政治局委員”で重慶市党委員会書記と出世して要職に就いている。このため、従来は中国で最も貧しい地域の一つとして低く見られていた貴州省は大いに注目されるようになったのだった。万達は、その貴州省の貧困県からロシアW杯開幕式後の第1試合でFIFA旗を掲げる旗手に丹寨県の少年少女6人を選んだのだった。これこそは熱烈なサッカーファンである習近平の心を忖度(そんたく)したものと言わざるを得ない。

ところで、ロシアW杯にメディアの記者を一番多く派遣している国はどこなのか。その答えは中国なのである。中国チームはロシアW杯に出場できていないにもかかわらず、どうして中国から派遣されている記者が最も多いのか。それだけサッカーが好きな国民が多いというのも理由と言えるが、本質的な理由は中国政府による報道管制に起因するのである。習近平が政権を握ってからは、徐々に報道管制が厳しくなり、2016年11月には「“網路安全法(インターネット安全法)”」が成立し、2017年6月1日に発効した。インターネット安全法が発効した後は、低俗な内容や暴力的で社会にマイナスな影響を及ぼすといった理由で多数のサイトが閉鎖されているため、メディアは処罰を恐れて報道に及び腰になっているのが実情である。

そうした環境下で安心して報道できるものはスポーツであり、国民の関心が高い(それは純粋に勝敗を楽しむだけでなく、賭博による射幸心を満足させる意味合いもある)サッカーの祭典であるロシアW杯なら、報道管制の制限を受ける可能性が低いという理由で、中国メディアは大挙して記者をロシアW杯へ送り込んだのである。ロシアW杯を取材する中国人記者の多さが、他国の記者たちに違和感を覚えさせる背景には、こうした悲しい現実が存在している。

中国メディアがロシアW杯の報道に注力し、それにつられて中国国民のロシアW杯に対する関心は高まった。このため、ロシアW杯の試合をテレビ観戦ではなく、現地で実際に観戦しようとロシアを訪問する中国人は10万人に上ると言われている。FIFAのデータによれば、中国で販売されたロシアW杯のチケットは4万枚以上だが、実際にロシアを訪問して試合会場へ入場しようとして入場できない事態も発生しているという。それは、ロシアW杯ではFIFAの歴史始まって以来で最大の偽チケット事件が発生したためで、偽チケットが1万枚以上流通し、その金額は1億ドル以上といわれている。中国ではこのうちの3500枚以上が販売された模様で、チケット代金は支払ったのに、チケットは確保されておらず、中国人観光客は遥々ロシア入りしたものの試合会場への入場ができないというケースも出ている。

存在感を増す中国の存在

それはさておき、ロシアW杯には至る所に中国が顔をのぞかせている。6月14日付のニュースサイト“中国網(ネット)”は、「W杯の公式ボール、マスコット、マグカップ、キーホルダー、ユニフォームなども中国製である」と自慢げに報じている。公式ボールは広東省“東莞市”にある公式試合用サッカーボールの専用工場で生産したもので、サッカーボールの自動化生産ラインを導入したため、3分で1個のボールが生産できるという。ところが、6月21日付のメディア報道によれば、ロシアW杯の公式ボールはアディダス(Adidas)の「Telstar18」だが、第1試合が始まった6月14日から20日までの7日間で4回もボールが破裂する事故が発生しており、当事国の選手たちの怒りをかっているという。

上述したように、中国チームが参加していないにもかかわらず、ロシアW杯における中国の存在感は大きなものがある。テレビ画面に映る「万達 WANDA」、「VIVO」、「蒙牛」といった広告は主として中国国内の視聴者を対象としたものであり、そこには自国チームが参加していないことなど歯牙にも掛けない中国企業の強気が見て取れるが、正直言って一抹の寂しさを禁じ得ない。

中国は習近平が唱えた“中国足球夢(中国サッカーの夢)”を実現することができるのか。第1の関門はFIFAワールドカップにアジア予選を勝ち抜いて出場することだが、果たしてそれは次回(2022年)のカタールW杯か、次々回(2026年)のカナダ・メキシコ・米国W杯なのか。日本の10倍の人口を持つ中国であれば、身体能力の高い選手は多数いるはずであり、いつの日か中国がアジアを代表するサッカー王国になる可能性は否定できない。その日が少しでも早く訪れることを習近平は祈っているものと思う。

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『中国の「静かなる侵略」は阻止できるのか アジア太平洋の「中国化」について豪チャールズ・スタート大学教授に聞く』(6/29日経ビジネスオンライン 飯山辰之助)、『「中国を自由市場から排除する」米国の伝家の宝刀、タイムリミット7月6日を過ぎればもう後戻り不可能に』(6/29news-vision 渡邉哲也)について

6/29中国観察<贸易纠纷升级 民间忧心 中国发白皮书自辩(图)=貿易戦争はエスカレート 民間は懸念 中国はWTO白書を出して自己弁護>28日中国政府はWTO白書を出したが、全文1万2千字で4つに分かれている。①中国は加盟時の約束を誠実に履行②中国は多国間貿易を支援③中国は加盟後世界に貢献④中国は積極的に対外開放を謳った。広州中山大学教授は中国が加盟時の約束を履行していないので、米国と貿易戦争になり、民間は心配しているのを抑えるために白書を出した。しかし香港の経済学者は自己弁護に過ぎないと。WSJは、中国の対米黒字は2758億$にもなると。「経済学週報」の副編集長は「中国はグローバル経済に於いて重要な役割を演じようとしているが、中国は既に三方面で貿易秩序を破っている。中国は圧力で安定した政策を採り、それが経済を発展させて来た。しかし、権力者が発展の機会と果実を独占し、人件費は低く抑えられたままである。労働者の福利や保護は保証されていない。この他、中国は長期に亘り所謂保護貿易主義を採って来た。研究開発コストを低くして他国の技術を盗んで来た」と。

2001年中國加入世界貿易組織時的部分入世承諾。(圖片來源:手繪插畫)2001年中国がWTO加盟時に約束した事項の履行状況(図の来源:手で作ったもの)

https://www.secretchina.com/news/gb/2018/06/30/863128.html

6/30日経朝刊<米中摩擦、人民元が急落 7カ月ぶり水準 当局、下落を容認 関税上げに備えか 市場に不安心理も>

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32433680Z20C18A6EA2000/

中共支配の終わりの始まりになるかどうかです。習が鄧小平の韜光養晦政策を止め、有所作為に転換したことが米国という虎の尾を踏んだという事でしょう。鄧小平の方がズル賢く、世界を騙しとおせましたが、習は愚かにも中国が世界制覇するという野望を明らかにしました。世界にとっては騙されずに済んだので良かったと思います。中国は通貨覇権を握っている米国の力を甘く見ています。IEEPAを中国に適用すれば中国の持つ1.18兆$の米国債は紙屑となります。またSWIFTのリストから中国企業の名前を消せば、主要国との貿易もできなくなります。CIFUSは中国からの投資を制限するようですし、人民元と株価は大暴落するのでは。

飯山記事に出て来る中国人外交官でオーストラリアに亡命したのは陳用林氏です。スパイ防止法が無い日本はもっと危ないでしょう。ハニーと金で籠絡された政治家、経営者、メデイア人は沢山いるのでは。発言内容に注意し、不投票・不買で対抗して行きませんと。

http://jp.ntdtv.com/news/17608/%E4%BA%A1%E5%91%BD%E5%A4%96%E4%BA%A4%E5%AE%98%E3%81%8C%E8%AD%A6%E5%91%8A%E3%80%8C%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%81%A7%E3%81%AF%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E4%BA%BA%E3%82%B9%E3%83%91%E3%82%A4%E3%81%8C%E5%A2%97%E5%8A%A0%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E3%80%8D

渡邉哲也氏の『日中開戦2018 朝鮮半島の先にある危機』を読み終えました。米国の経済覇権について書かれています。非常に分かり易く書かれていますので、一読を勧めます。

飯山記事

トランプ政権は7月から500億ドル相当の中国製品に関税を課すと発表した。即座に対抗関税を発表した中国は、今世紀半ばまでに米国に並ぶ大国になるという目標を掲げている。両者の角逐は足元の“貿易戦争”だけでなく、先端技術や軍事まで幅広い分野で本格化していくだろう。

日経ビジネスでは6月25日号特集「米中100年 新冷戦~IT、貿易、軍事…覇権争いの裏側」で、現在の関税措置の打ち合いや米国の懸念、中国化する世界の現状を徹底した現地取材でまとめた。それに関連して、米中に精通した専門家のインタビューを掲載する。

中国の影響力が急速に強まっていたオーストラリアでは昨年から反中感情が噴出し始めた。今年2月には豪チャールズ・スタート大学のクライブ・ハミルトン教授が『Silent Invasion~China’s Influence in Australia(静かなる侵略~オーストラリアにおける中国の影響)』という著書を出版。政治家への資金供与や大学への寄付、企業買収などにより豪州が中国に「侵略」されている様を克明に描き、広く豪州で物議を醸した。豪ターンブル政権は中国との関係見直しに動いたが、足元では豪中関係の悪化に苦しむ。オーストラリアはこれまでの関係をリセットできるのか、中国のアジア太平洋地域における影響力の拡大は阻止できるのか。『静かなる侵略』の著者ハミルトン教授に聞いた。

(イラスト:北沢夕芸)

—親中派と見られていたターンブル政権は昨年からオーストラリアにおける中国の影響を排除しようと動きはじめました。

クライブ・ハミルトン・豪チャールズ・スタート大学教授(以下ハミルトン):オーストラリアでは1年ほど前に中国に対する認識のシフトが起きました。北京が長年に渡ってオーストラリアの政治、経済、学界エリートの言動に影響を及ぼしていたことに人々が気づいたからです。中国の影響力拡大やその手法に関する詳細なニュースやリポートが主要メディアや情報機関から出され、私の著書も広く読まれています。政府も中国との関係見直しに動き始め、7月には(中国を念頭に置いた)外国による内政干渉を制限する法律も施行される見通しです。

豪チャールズ・スタート大学のクライブ・ハミルトン教授。今年2月、豪州で中国が陰に陽に影響力を拡大している様を克明に描いた著書『Silent Invasion~China’s Influence in Australia(静かなる侵略~オーストラリアにおける中国の影響)』を出版し話題を読んだ。その内容の過激さから複数の出版社が出版を拒否する騒動も起きた。

ただ残念なのは、ここまで来るのに時間がかかり過ぎたことです。2005年、オーストラリアに政治亡命した在シドニー領事館の中国人外交官は「中国共産党がオーストラリアに深く入り込んでいる」と既に警告していました。ただ当時は誰も注意を払わず、具体的な対策が取られることもありませんでした。何年も経ってようやく、彼の警告が正しかったことが分かってきたのです。

「中国の圧力に耐えるのは容易ではない」

今もオーストラリアの政治は深刻な問題を抱えています。中国マネーに踊らされ、彼らの都合のいいように操られる政治家がいます(昨年、野党議員が中国企業から金銭支援を得て中国寄りの発言をしていたことが発覚している)。特定の政治家が買収されていたように、北京は個人を通してその国に影響を与えます。誰が北京の利益になっているのか、それはなぜなのか、注意して見ていく必要があるのです。

—経済界からは豪中関係の悪化を不安視する声が出ています。オーストラリア経済は中国との取引を拡大させており、既に中国なしでは立ち行かない状況です。

ハミルトン:(豪州産ワインの一部が中国の関税で足止めされたり、豪政府関係者に中国のビザが発給されなかったりといった)今オーストラリアが受けている北京からの圧力は最低限のものに過ぎません。北京のさじ加減一つで、もっときついプレッシャーを受けるリスクも十分にあります。習近平国家主席がオーストラリアと長期的な友好関係を結びたいと考えるのならば話は別ですが、今のところそうした兆しは見えない。スタンスは強硬です。

オーストラリアは中国の圧力に耐えて中国との関係をリセットできるか。北京がバックオフ(後ずさり)するまで強い態度を保てるか。残念ながら、現状で北京は今もオーストラリアの政治、経済、学界、メディアエリートの手綱を握っています。今の段階では北京の圧力に抗することは難しいかもしれません。

中国の弱点はソフトパワー

—中国の影響力はアジア太平洋全体に広がり、かつ深まっています。

ハミルトン:中国にも弱点はあります。たとえば経済的、軍事的な影響力に比べて文化的な影響力(ソフトパワー)は小さい。彼らが持つマネーに群がる国々も、社会主義まで取り入れようとはしていません。民主主義のシステムに比べ中国の政治経済システムは硬直的で脆い部分がある。経済が立ち行かなければ、たちまち行き詰まるリスクを抱えています。

もっとも、しばらく中国の成長は続くでしょう。長期的に向き合っていくためには、互いの利益になる形を追求しつつ、かつ内政干渉には強い態度で臨まなければなりません。経済と政治とをできる限り分離し、経済的関係を構築したいというメッセージを北京に送り続ける必要があるのです。

これを実現するのは容易ではありません。中国との関係を見直すにはコストがかかるからです。経済的な損失を覚悟しなければいけないところまで来ています。アジア太平洋地域の各国に求められているのは、「自分たちの主権はいくらの価値があるのか」を見極めることです。主権を犠牲にしても(中国の支援を得て)GDP(国内総生産)の成長を優先させたいのか、あるいは、GDP成長をある程度犠牲にしても、自分たちの価値観を守るために中国との関係を見直しに踏み切るのか。各国が決断を迫られているのです。

米国が手を引けば中国はますます自信を深める

汚職や腐敗が蔓延している国々が、どこまで後者(価値観を守る)ことを選択できるのかは疑問です。北京が巧妙なのは、これまで西欧諸国が軽視してきた国々、たとえばアフリカ諸国などに入り込んだ点でしょう。オーストラリアで言えば(ポリネシアやミクロネシアなどの)太平洋諸国がこれに当たります。ここはオーストラリアにとっては裏庭のようなものですが、これまできちんと支えてきませんでした(今年4月、中国が南太平洋のバヌアツで軍事基地建設を検討していると豪州メディアが報じた。バヌアツと豪州とは2000kmほどしか離れていない)。

問題は同盟関係にある米国の動向です。彼らがインド太平洋で存在感を保とうとすれば豪中関係見直しの後押しになりますが、現状で米国のプレゼンスは弱まっています。もし今後、米国がこの地域から手を引くような兆しを見せれば、中国はますます自信を深めて、影響力の拡大に動くでしょう。

渡邉記事

写真:ロイター/アフロ

連日、米国トランプ政権及び米国議会は、中国への制裁強化を打ち出し、中国との対立姿勢を明確化させている。そして、米国の伝家の宝刀ともいえる2つの法律を中国に対して適用すると世界に向けて発信した。

一つ目は「米国通商法301条」(貿易相手国の不公正な取引慣行に対して当該国と協議することを義務づけ、問題が解決しない場合の制裁について定めた条項)であり、これを根拠に中国からの輸入品500億ドル(約5兆5300億円)相当に、25%の関税をかけるとしたわけだ。

当然、これに対して、中国は強く反発し、米国からの輸入品に同額の関税をかけるとしたのであった。対して、トランプ大統領は、中国が報復関税をかけるならば、さらに2000億ドルの産品にも関税をかけるとし、また中国が報復するならば、同額の2000億ドルを積み増すと発表した。これは中国から米国への輸入額とほぼ同額であり、要は全部に関税をかけると脅したのである。

また米国と中国との間の最大の懸念事項である「中国通信大手ZTE問題」にも大きな進展があった。米国はZTEに対して、米国の制裁を破ったとして、7年間の米国内販売禁止と米国企業からの技術移転禁止を命じた。これにより、ZTEは操業停止に追い込まれ、次世代規格である5Gでの展開も危ぶまれることになったのであった。

しかし、これは中国側の必死に説得により、10億ドルの罰金と4億ドルの供託金で回避される見込みとなった。だが、これに議会が反発、米国上院は、この合意を白紙化し、中国通信最大手であるファーウェイにも制裁を課す法案を絶対的多数で可決したのである。この法案は来年度の軍事予算などを含む国防権限法に盛り込まれているため、大統領権限でも簡単に解除できない仕組みになっているのである。これにより、ZTE及びファーウェイの株価は暴落、将来の展開が見込めない状況に追い込まれ始めている。

二つ目は「IEEPA法」(国際緊急経済権限法)の採用である。安全保障・外交政策・経済に対する異例かつ重大な脅威に対し、非常事態宣言後、金融制裁にて、その脅威に対処するという法律であり、議会の承認なしで、脅威となる対象の米国内での経済活動や金融取引を制限又は禁止できるという法律である。そして、金融取引の対象には資産の凍結や没収まで含まれているのである。

つまり、大統領が宣言し大統領令を出すだけで、相手を徹底的に潰すことができるのである。米国のISやイランなどへの金融制裁はこれを根拠に行っているわけだ。米国は中国からの先端企業への投資に対して、これを適用しようとしているわけだ。

これに先立ち米国下院は、外国投資を審査する対米外国投資委員会(CFIUS)の権限を拡大する法律を絶対的多数で可決しており、これは上院も通過する予定になっているのである。

通商法301条は、7月6日から発動される予定であり、これが予定通り実施されれば、米中の貿易戦争は後戻りのできない状況になるのだろう。そして、これは始まりに過ぎないといってよいのだろう。米国は「中国の自由市場からの排除」を始めたのである。

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『中国で大規模な退役軍人デモ、膨らむ矛盾と不満 進まない社会復帰支援、武力鎮圧事件に発展』(6/27日経ビジネスオンライン 福島香織)、『知財だけではない、中国・“標準化強国”の怖さ

6/26ロイター<焦点:頓挫する「中国版マンハッタン」、債務抑制が天津を直撃>天津は温家宝の利権(生まれ育った場所でもある)だから中央政府も支援しないのでは。

https://jp.reuters.com/article/china-debt-tianjin-idJPKBN1JL0RD

6/28日経ビジネスオンライン 飯山辰之助<中国、「一帯一路」沿線住民の不安 記者が各国を歩いて分かったこと>こうなることは見えているのに、騙される方が悪い。賄賂を受け取る要人を選ぶのが悪いのです。民主主義化していなくても不正に声を上げることはできるでしょう。

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/221102/062600587/?n_cid=nbpnbo_mlpum

6/26有線中国組

【數千退役軍人到鎮江抗議】
【清場後不少老兵仍被當局扣押】

退役老兵在鎮江市政府門口的示威上星期六清晨政府清場後,現場剩下便衣和公安駐守。有關注事件的維權人士指當局出動武警清場,有老兵因為拒絕離開被打到頭破血流,也有老兵受傷要留院。

清場後網上流出片段,軍隊和軍車已經被調動進城,甚至準備好了裝甲車。

被驅趕的老兵大部分被扣留在附近校舍,並被要求簽保證書同意是自願返回所屬地,拒絕簽名的則被繼續扣留。即使清場也陸續有老兵來到鎮江聲援,為了阻止他們,公安派出車隊在部分老兵居住的賓館外留守,不讓他們出外。亦有從外地來的老兵,在公路上被截查。

令當地政府那麼緊張的是因為上星期四開始,幾千名退役老兵從全國十多個省市來到江蘇鎮江市政府門口聲援維權時被打傷的老兵。鎮江老兵王益宏和幾十名老兵,上星期二到市政府抗議當局一直未處理好退役士兵的轉職安排,可是卻被人打傷。片段傳出後激發更多人來聲援,並在市政府門外留宿,最終公安在星期六清場。這是繼河南和四川後,本月第三次發生老兵示威事件,示威的老兵多年來一直爭取退休保障。

[数千もの退役軍人が江蘇省鎮江市で抗議]
[デモ終了後、多くの老兵が当局に拘束]

鎮江市政府の前でデモがあった後、土曜日の朝に現場は私服と公安が警備していた。 事件について懸念していた人権活動家は, 「当局が武装警察を出動させ事態解決を図り、現場を離れることを拒否した老兵は頭から血を流して倒れ、傷ついた老兵は病院送りになった」と指摘した。
デモ終了後、ネットの投稿によれば, 軍や軍用車両が市に入り 装甲車の準備もできた。追い払われた退役軍人のほとんどは近くの学校の構内に拘留されており、原籍地への帰還の同意書にサインをすれば帰ることができ、 署名を拒否すれば拘留が続けられた。たとえ現場が片づけられても、続々と退役軍人が集まるので、彼らを阻止するために公安は治安部隊を退役軍人の宿泊先の外で警戒し、彼らが外に出られないようにした。よそから来た退役軍人も途中で行く手を遮られた。

現地政府は「緊張は先週の木曜日から始まり、全国から数千人の退役軍人が江蘇省鎮江市に集まり、市政府の前で、権利を主張していた時に、彼らは攻撃を受けた。鎮江の老兵である王益宏と数十人の退役軍人は、先週の火曜日に退役軍人の就職斡旋がずっと未処理なのを抗議するために市政府に行ったが、却って負傷した。この録画が出た後, 多くの人々が集まり、市の門外に逗留して声援を送った。公安は土曜日に事件を解決した。これは, 河南や四川の次の3度目の退役軍人のデモであり、彼らは長年退職後の保証を求めている。

https://www.facebook.com/cablechinadesk/videos/1760851147392697/

6/28阿波羅新聞網<中国经济三大定时炸弹颗颗要命 川普“修墙”反中共入侵=中国経済には3つの時限爆弾がセットされ命を落とすだろう トランプは中共の侵略を防ぐ壁を造る>3つの爆弾は①中国全体の債務がGDPの350%にも上ること②不動産バブル③通貨供給量が174兆元で欧米合算のそれを超えることである。この他にも①中国からの米国への投資制限②ミンスキーモーメントが既に起こっていること③米国は貿易戦争により中国のバブル経済崩壊への引き金を引くことを狙っている事等中国経済の先行きは暗い。人民元レートと株式市場の下落がそれを物語っている。

http://www.aboluowang.com/2018/0628/1135710.html

福島氏の記事では、退役軍人を動かしたのは江沢民という噂があると書いていますが、江沢民にはもうその力はないでしょう。ただ江沢民派の軍人が習に酷い目にあわされていますので、彼らが結託して事を起こした可能性もあります。軍人だけでなく中国の社会保障の仕組みは貧しく、セーフテイネットが全然ありません。豊かになっているのは共産党幹部だけです。彼らに鉄槌を下さねば。中国国民は軍と協力して共産党を打倒すべきです。

細川氏の記事は今まで日本が中国に甘く対応(技術支援+資金支援)して来た咎めが出て、中国が国際標準を取りに動き出していると言うものです。何時も言っていますように日本人の人の良さが自分の首を絞めるパターンです。いい加減日本は政府も企業も中国に協力するのを止めたら。徹底した反日国家であるのに。

福島記事

中国ではここ数年、元軍人による抗議デモが頻発している(写真:AP/アフロ、2016年10月撮影)

習近平政権の最大の矛盾は軍部周辺で起きているのかもしれない。習近平政権最初の5年の任期で難しい軍制改革に手を付け、大規模リストラと軍部の利権剥奪、汚職摘発を名目にした粛清を続けている。こうした軍制改革が決してうまくいっているわけではない。もちろん、解放軍報を見れば、習近平礼賛記事であふれているが、これらが面従腹背で、解放軍内外の矛盾と不満はかなり膨らんでいるようである。

そういうものが、目に見える形で表れた一つが、昨今頻発している退役軍人デモである。6月下旬にもかなり大規模な退役軍人デモが起き、しかも解放軍下部組織の武装警察や軍が出動して鎮圧するという、軍内身内同士の流血事件に発展した。習近平政権二期目始まって以来の最大規模の退役軍人デモであり、ひょっとすると最大危機への導火線となるやもしれない。

このデモが起きたのは江蘇省鎮江。6月19日から24日にかけて 、全国22省から微信(中国ネットSNS)で呼び掛けられた退役軍人たちが続々と鎮江市の政府庁舎に集まり続けた。ネットに上げられた映像を見る限り1万人規模にはなっていた。香港紙の中には5~6万人が集結という報道もある。彼らは迷彩服姿で市内を行進するなどした。

当初は抗議活動を容認するかたちで、1万人の武装警察が治安維持のための厳戒警備にあたっていたが、鎮江市政府周辺で、一人の退役軍人と警備の武装警察が衝突、退役軍人側が頭から血を流して倒れ、怒ったデモ隊が非道を訴え、一部で暴徒化したようだ。退役軍人を殴ったのは、武装警察の制服ではなかったという説もれば、私服の武警であったという説もある。

相手は退役しているとはいえ軍人である。農民、市民の抗議活動とは迫力が違う。現地当局は最終的に武装警察および軍の出動を依頼、23日午前3時40分ごろには、2万人の武装警察および解放軍が退役軍人デモ鎮圧のために出動した、という話も出ている。

この結果、かなり暴力的な鎮圧が行われたようで、ネットには漆黒の闇の中で、「殴られた!」と叫び声をあげながら武装警察と群衆が衝突している様子が動画に挙げられている。ネットで散見する動画や写真をみれば、血まみれの退役軍人たちは一人や二人ではなかった。武装警察側の武器は主に盾やこん棒であったようだ。死者が三人以上出ている、という話もあるが、確認は取れていない。また、この鎮圧騒動で負傷した退役軍人が入院した病院では、大勢の退役軍人が“見舞い”に押し寄せ、病院前で退役軍人と7両の軍警車両が一時対峙する場面もあったとか。

また、当局は市庁舎近くの中学校に退役軍人を拘束、収容。その数は2000⼈以上とか。食事しに外に出ることも禁じられ、トイレに⾏くのすら⼆⼈が監視につくなどの厳しい監視をうけている、という。

当局は一切の報道禁止をメディアに通達し、ネット上でも動画や写真などの投稿削除が行われているが、なぜか微信だけは、完全に封鎖されていない。25日には「装甲車が投入された」という写真付きSNSの投稿や、鎮江市の外で二個師団が待機している、といった噂もながれた。こうした情報の真偽を確かめるすべは今のところないが、事件に関する情報は今なお断続的に発信され続けている。

党内部、軍内部が関与の可能性も

微信では、どこそこから退役軍人グループが応援に向かった、その応援グループが地元警察に連行された、誰それとの連絡がとれない、といった情報が次々と更新されており、今回のデモが、かなり組織的かつ全国的規模で入念に計画されたものではないかという気がしてくる。しかも中央ハイレベルから、このデモを事前に防ごうという動きがない。ご存じのように、中国ではすでに顔認識機能のついたAI監視カメラが駅や高速道路など要所要所に設置されており、大量の退役軍人が一斉に鎮江に向かおうとすれば、事前に察知されて当然なのだ。

微信が遮断されていないこととも考え併せると、党内部や軍内部のハイレベルが一枚かんでいる可能性は否定できない。あるいは治安維持部門があえて上層部に報告しない、といった現場のサボタージュがあったのかもしれない。江蘇省上層部すら、誰も現場に出てきていないので、これが退役軍人有志らの自発的アクションなのか、軍部が関与しているのか、背後に糸を引く大物がいるのかどうかも、目下は判断に悩むのだ。

だが、武器を携帯した武装警官・兵士が武力鎮圧を行ったことは事実らしく、ネット上では「軍人版天安門事件」などという声もある。24日以降は、現場に至る高速道路などは封鎖され、退役軍人に鎮江行きの鉄道切符を売らないなどの対応策に出ているという。また鎮江で拘束された退役軍人には原籍地に戻ることに同意する保証書にサインをさせて帰郷させ始めているようだ。

一般市民は退役軍人側の味方が多く、退役軍人に対してはタクシー運転手がただで現場に運ぶなどの応援も行われたようだ。微信上では、一般庶民からの退役軍人の身の安全を心配したり、がんばれと応援したりする声も多く上がっている。

私は26日に鎮江を訪れた。すでに退役軍人も武装警察の姿はなく、市庁舎も病院も中学校も平穏な様子であったが、複数のタクシー運転手によれば、23日に武装警察、特別警察、軍が出動してデモの鎮圧にあたったことは事実のようだ。あるタクシー運転手によれば「23日の夜は、街頭が消されて真っ暗の中、退役軍人たちが次々と拘束されていた。多くが中越戦争で戦った英雄なのに、ひどい仕打ちだ」と退役軍人側に強い同情を寄せていた。

ところで退役軍人の境遇とは、そんなにひどいのだろうか。ちょうど、この事件を報じた香港蘋果日報が退役軍人の現状についてまとめていたので、引用する。

2011年に施行された退役兵士安置条例によれば、12年以上の兵役者には軍が就職口を手配してくれるが、12年未満の兵役者及び義務兵は自力で就職先を探さねばならず、自主就業手当と呼ばれる一時退役年金が支払われるのみだ。しかし、これは1年の兵役につきわずか4500元が基準で、10年服役してやっと4万5000元が得られるということになる。

兵役経験者はよい就職口が用意される、というのはほんの一部の話であり、ほとんどの兵士は青春期の10年を軍に捧げてのち、退役後に一般社会に適応するのは現代中国ではなかなか簡単ではない。しかも習近平による軍制改革で、この数年は一気に30万人以上の退役兵士が新たに社会にあふれるわけだ。

感動巨編映画の公開が遅れた理由

中国の人気映画監督・馮小剛がメガホンをとった「芳華」(2018年)は、最近の中国映画の中では出色の感動巨編だが、第19回党大会前に当局からの検閲チェックに引っかかり、公開が大幅に遅れることになった。その理由は映画中で表現された中越戦争の描写が、大勝利という中国の公式宣伝と大きく違い、悲惨な泥沼の負け戦である事実を浮き彫りにしていたため、と言われているが、実はこの映画で描かれている退役軍人の境遇の悲惨さが、当時頻発していた退役軍人デモを刺激するからだ、とも言われている。

この映画で人気俳優・黄軒が演じる主人公は、中越戦争で片足を失ったあと退役し、地方都市で違法なコピーDVD露天商で日銭を稼ぐ生活で、城管(町の小役人)に摘発されて、罰金を払えといたぶられるのだ。

あの苛烈な中越戦争経験者の中には、確かに現代社会の底辺で苦しんでいる人たちが今もいる。改めて、この映画を見てみると、目下習近平の軍制改革で縮小されつつある文工団への懐古(馮小剛は文工団出身の監督)や、勝ち目のない戦場に駆り出されて心や体に傷を負った兵士たちが、その後の改革開放の発展の中で取り残されている様子がかなり残酷にリアルに描かれている。

かつての鄧小平がそうしたように、思い切った軍制改革を行い、台湾統一や南シナ海の有事の可能性を盛り上げることで、軍を掌握し、政権への求心力強化を図ろうとする習近平を、そこはかとなく批判しているような、においがしないでもない。

中国には現在5700万人の退役軍人がいる。今年3月の全人代後に習近平主導で行われた国務院機構改革の一環として退役軍人事務部が新設されたのは、こうした退役軍人の社会復帰を援助し、その人権を守り、その不満を解消するのが目的だった。だが退役軍人の登録を開始しただけで、なんら具体的な対策は打ち出されず、今回のデモについても、公式コメントすら出していない。

退役軍人事務部の設置は習近平の肝入りであり、一般の傾向としては、こうした退役軍人問題の責任は習近平の手中にある、という形で、今回の事件の矛先は習近平政権批判に向かいつつある。趙紫陽の元秘書、鮑彤は「警察力によって、(退役軍人の)正当な権利を粉砕すれば、(習近平)新時代の社会矛盾が消滅したり緩和したりするとでもいうのか? これが(習近平のスローガンである)治国理政の新理念新方向なのか?」と習近平政権批判につなげている。

習近平の「宿敵」江沢民が関与の噂も

さて、この事件の背景はまだ謎である。だが、香港の民主化雑誌「北京の春」の編集長・陳維健がやはりツイッターで興味深いコメントをしていた。

「今回のデモの現場の鎮江は江沢民の故郷の揚州のすぐ隣の地方都市だ。デモと江沢民が関係あるかはわからないが、鎮江政府は(軍による鎮圧という)軽率な対応をしてはならなかった。…退役軍人問題は習近平自身の手中にあり、官僚たちは自分に責任の火の粉がかかるのを恐れて、行動したがらない。この問題を解決するには必要予算があまりにも大きく、鎮圧するにはリスクが高すぎる」

習近平の宿敵ともいえる江沢民が何らかの形でかかわっているのか?

また、一部SNS上では、国家安全部二局(国際情報局)がこの事件の背景を調査するために現地入りしたというまことしやかな噂も流れている。中国当局は海外の情報機関の工作を疑っているのか?

すべてがネット上のSNS発情報というもので、何が事実で、何がデマなのかはまだわからない。だが、退役軍人デモが頻発していることは事実である。日本では2016年10月に北京で行われた数千人規模の退役軍人デモが大きく報道されたが、それ以前もあったし、それ以降も増え続けている。2017年も相当規模のものが少なくとも4件はあった。

1989年再来の可能性も否定できない

習近平政権としては退役軍人デモには、他のデモとは違う「話し合い姿勢」を見せており、今回のような武力鎮圧事件に発展したことは意外感がある。習近平の判断というよりは、偶発的な事件をきっかけにした鎮江市の対応の誤りが引き起こした騒動と言えるが、今後の中央の対応次第では、本当に1989年の再来の可能性だって否定できまい。

習近平政権は今世紀半ばまでに、戦争に勝利でき党に従う一流の近代軍隊を作るという強軍化の夢を掲げて軍制改革に踏み出した。だが、退役軍人への権利や尊厳が守れない状況で、誰が命をかけて党に忠誠を尽くそうというのか。このままでは、強軍化の夢どころか、体制の根底を揺るがしかねないのである。

細川記事

中国が技術の「標準化戦略」で、国内産業育成という「守り」から、世界標準獲得という「攻め」の姿勢に転じている。特許戦略と並び経済覇権を得るための「車の両輪」で、日本企業にとってのリスクが高まっている。

標準化戦略でファーウェイの存在感が世界的に高まっている(写真=ロイター/アフロ)

標準化による“国境の壁”戦略

本コラムの前稿「対中報復では解消されない、中国・知財強国の怖さ」で、中国の知財戦略の怖さを指摘したが、これと同様に、中国が経済覇権獲得のために戦略的に活用しているものがある。標準化(規格化)戦略だ。これらが相まって「中国製造2025」を下支えしている。そしてこれらをナイーブに、中国を「知財大国」「標準化大国」と単純に評価していては見誤る。

かつて中国には苦い経験がある。中国企業が海外進出した際、欧米市場では国際標準に準拠しないと市場に参入できなかった。準拠するためには知財権のライセンス取得が必要となり高額のライセンス料を要求された。これらの経験から、中国政府は、特許と標準を「車の両輪」として戦略的に取り組むようになったのだ。

既に、ハイテク、デジタルの分野では顕著だ。中国国内で独自の中国標準を採用することによって、海外技術による中国市場への進出を阻止している事例が目立っている。

例えば、無線LANがそうだ。2003年にWAPIという独自の暗号化規格を作って、中国国内でのWAPI採用を義務付けて欧米企業の参入障壁にしようとした。これはその後、米国の強い反発を受けて、米中合意で無期延期になったものの、中国の標準化による“国境の壁”戦略は明確である。

このように中国が国際標準と異なる独自の中国標準を採用すると、外国企業は中国標準に対応するためのコストがかかったり、標準の認証のために技術情報を開示させられたり、多大なリスクを抱えることになる。

さらにこの標準化による“国境の壁”は広がろうとしている。中国では約30年ぶりに標準化法が改正され、今年から施行されている。狙いの一つは標準化の対象をこれまでの工業品だけでなくサービス産業にまで拡大するものだ。中国の経済発展とともに経済のサービス化が進展したこともあるだろうが、この結果、標準化による“国境の壁”によって守られる範囲が広がるのだ。

「一帯一路との一体化戦略」でアジア標準に

こうして巨大な国内市場を独自の標準化によって守りながら、さらにそれをアジアに広げるために、中国標準をアジア標準にしようとしている。その強力な手段が「一帯一路」との一体化だ。

中国は数十の一帯一路の対象国と次々と“標準化協力”の覚書を締結している。そして相手国で標準化のワークショップを開催して中国の標準を紹介し、それを採用してプロジェクトを進めていくよう誘導している。その結果、中国の製品をそのまま相手国に輸出できることになり、中国企業が外国企業に比べて圧倒的に優位になるという仕掛けだ。

中でもデジタル分野では昨年12月に習近平主席は「デジタル・シルクロード構想」を提唱して、「一帯一路」の一環として沿線国でネットインフラを建設することも推進している。これと標準化協力を組み合わせて、デジタル技術の中国標準を広げていく戦略を着々と進めている。その結果、電子商取引市場や電子決済市場では中国標準がアジア標準になろうとしている。

さらに注目すべきは、今年4月に北京で開催された「全国サイバーセキュリティ情報化工作会議」である。米朝核問題、米中貿易摩擦に目を奪われていた中、中国政府首脳が集まって「ネット大国化」への方針が決定された。サイバー分野での軍民融合と並んで、この「デジタル・シルクロード構想」による海外展開が柱になっていたことは特筆すべきだろう。

このような中国の動きに対して、日本も決して手をこまぬいているわけではない。

日本政府もアジア諸国、とりわけASEAN(東南アジア諸国連合)の標準化当局とは以前から、協力の枠組みを作ってきた。そしてエアコン、建材など省エネ性能で差別化できる分野に焦点を当てて、技術協力も絡めて戦略的に取り組んでいる。

しかし、中国の巨額のインフラ整備支援を絡めた“実弾作戦”の前に、苦戦を強いられているのが現状だ。今後、アジアのマーケットを確保するためにも、ODA(政府開発援助)との連携、欧米との連携など、多角的に一層強化することが急務だ。

独自標準から世界標準へ、“標準化強国”への戦略転換

先に述べたように、独自の中国標準を作って、中国市場を守るというのがこれまでの中国のやり方であった。しかし中国は今や豊富な資金と人材をバックに技術進歩に大いに自信をつけて、大きく戦略を転換しようとしている。

すなわち独自標準によって中国市場を守るという「守りの戦略」ではなく、世界市場を狙って世界標準を獲るという「攻めの戦略」への転換だ。まさに“標準化強国”を目指して大きく舵を切ったのだ。前稿で指摘した、“知財強国”への転換と軌を一にするのは決して偶然ではない。

今年から施行されている30年ぶりの改正標準化法にそれを見て取れる。中国は戦略分野ごとに規格の戦略を作って、国際標準の主導権を取ろうとしている。これまでの標準化法では「国際標準を採用するよう努める」と書かれていた。ところが改正標準化法では、これを大きく変更して、「中国標準を国際標準にする」との明確な方針を打ち出した。

その代表例が中国製造2025において10大重点分野の一つになっているロボット分野だ。昨年5月に中国政府は「国家ロボット規格体系の整備指針」を発表した。今後2020年までに100項目のロボット規格を制定する目標だ。部品から完成品、そしてシステム全体にいたるまで広範に分野を網羅している。これらをもって国際標準に攻め込もうとしている。

通信分野でも、2006年には前出の中国独自の暗号化規格WAPIを国際標準にしようとしてもできず、苦汁をなめたが、いまや次世代通信規格5Gでは華為技術(ファーウェイ)が中心となって中国が国際標準化の主導権を握ろうとしており、米国の対中警戒感が高まっている。

官民一体となった戦略の下、民間による国際標準を策定する国際会議での中国の存在感は圧倒的に大きくなっている。中国からは若手の優秀な人材が参加し(40代以下が過半を占める)、がむしゃらに議長や幹事のポストを取って、中国標準を国際標準にしようと余念がない。また中国は議長や幹事になれば先進国の先端技術の情報を入手することにもうま味を見出しているようだ。

特に戦略的な通信分野では中国のロビー活動も熾烈を極めている。国際的に影響力のあるコンサルタントに猛烈に働きかけており、例えば5Gの世界では、ファーウェイが影響力を及ぼすコンサルタントが今や支配的になりつつあるのだ。

標準策定のプロセスは不透明で、技術流出の懸念も

これに対して、日本企業の「戦略性の欠如」は長年指摘されているとおりだ。かつてよりは改善されてはいるものの、国際標準の議論の場には年配の研究者、技術者だけが参加して、情報収集にとどまるものが未だに多い。議長や幹事ポストの獲得面でも中国の積極性に圧倒されて、明らかに後手に回っている。日本企業の経営層には、優秀な社内人材を投入するなど、これまでのように対欧米だけではなく、中国をも意識した戦略性と積極性が急務である。

さらに中国標準の策定にも、日本企業が警戒すべき「落とし穴」が潜んでいる。

それは、中国の標準策定プロセスに透明性が確保されていないことだ。表向き、外資企業にも制定過程への参加が一応謳われて、中国も海外からの批判を避けるような手は打っている。しかしそれが実際どう運用されるかが問題だ。

実はいくつかの業界で懸念すべきことが起こっている。

日本企業の中には中国当局から標準策定への参加・協力依頼の声がかかって、中国の標準策定プロセスのインサイダーになれると、喜んで参加するところもある。もちろん情報収集を早期に行い、早い段階から標準策定プロセスに関与して、自社の技術が採用されるよう働きかけることは大事だ。

しかし実はこれも注意が必要なのだ。

参加のアメと引き換えに、自社の技術情報の開示を求められる。そうすると競合の中国企業に流出しないとも限らない。日本企業は参加するにしても、こうした「落とし穴」にはまらぬよう慎重な対応が必要なのだ。

“標準化強国”を打ち出している中国では、今後ますますこうした場面が増えてくるだけに、日本企業にとってのリスクは大きくなっている。日本企業の経営層も現場任せにならないようにしたいものだ。

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『冷静に見てトランプ政権の対中強硬策は悪くない 米外交シンクタンクの専門家に米中摩擦を聞く』、『「それでも、民主主義は優れた政治体制」 民主主義と一党独裁について米コロンビア大学教授に聞く』(6/25・26日経ビジネスオンライン 篠原匡、長野光)について

6/25ロイター<米国、中国企業による米ハイテク企業への投資制限を検討=政府当局者>

https://jp.reuters.com/article/trump-china-wsj-idJPKBN1JL04K?il=0

こちらに出てきますIEEPA法(INTERNATIONAL EMERGENCY ECONOMIC POWERS ACT)とは=「安全保障・外交政策・経済に対する異例かつ重大な脅威に対し、非常事態宣言後、金融制裁にて、その脅威に対処する。具体的には、攻撃を企む外国の組織もしくは外国人の資産没収(米国の司法権の対象となる資産)、外国為替取引・通貨及び有価証券の輸出入の規制・禁止などである。米国の安全保障や経済に重大な脅威が発生した場合、外国が保有する米国の資産については、その権利の破棄や無効化などができるという法律である。つまり、非常時には中国が持つ米国債も凍結され、チャラにされてしまう可能性がある。」中国の持つ1兆1800億$の米国債もチャラにしてほしい。

参考:2014/3/14<【渡邉哲也】米国 国際緊急経済権限法(IEEPA法)発動>

https://38news.jp/archives/03203

6/25AC通信<サヨクの横行するアメリカ>左翼の常套手段は「ルール破り」を「差別」と言って正当化することです。自分達が一番差別したり、言葉狩りをして、相手の自由を奪う行動に出るにも拘わらず。未熟と言えば未熟。でも手もなく騙される国民も国民。日米ともに。小川榮太郎氏は6/24講演で「今の日本は全体主義が覆っている。言論空間に異論を許さない雰囲気が充満している」と述べました。メデイアがその権力を利用してメデイア批判を封殺しようとしていることを指したものです。

http://melma.com/backnumber_53999_6701101/

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3223246026062018000000/

6/26阿波羅新聞網<习近平要回击特朗普 美媒曝习对贸易战原话 ——习近平对欧美大公司CEO称中共将回击美国=習近平はトランプに反撃 米国メデイアは習の貿易戦争への方針を明らかにする 習は欧米の大企業CEOに対し中共は米国に反撃すると伝える>習は「西洋には“左の頬を打たれたら右の頬をも出せ”という諺があるが、中国は“目には目、歯には歯”である」と言った。役人が言うには「習はワシントンには絶対妥協もしなければ譲歩もしないことを決めた」、「中共は外部の圧力に妥協せず、結果は引き受ける。これは習が交渉の方針として決めたこと」と。

経済音痴の習が決定権を握るのであれば、中国経済の崩壊を早めることになり、万々歳です。

http://www.aboluowang.com/2018/0626/1134730.html

本日は記事が長いので短くコメントします。米中が本格的に経済で激突します。世界覇権をめぐる戦いです。中国は貿易黒字を軍拡に利用しています。自由主義国は人権弾圧する共産主義国に世界を委ねることはできません。米国を支援すべきです。経済面でも中国は国際ルールを守らず、ずっと利益だけを得て来ました。中国人の基本的価値観は何時も言っていますように「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」というもの。これが分かっていれば中国が民主化するなんて幻想にすぎないと分かりそうなもの。いくら勉強してもそれが見通せないようでは賢いとは言えません。

6/25記事

トランプ政権は7月から500億ドル相当の中国製品に関税を課すと発表した。即座に対抗関税を発表した中国は、今世紀半ばまでに米国に並ぶ大国になるという目標を掲げている。両者の角逐は足元の“貿易戦争”だけでなく、先端技術や軍事まで幅広い分野で本格化していくだろう。

日経ビジネスでは6月25日号特集「米中100年 新冷戦~IT、貿易、軍事…覇権争いの裏側」で、現在の関税措置の打ち合いや米国の懸念、中国化する世界の現状を徹底した現地取材でまとめた。それに関連して、米中に精通した専門家のインタビューを掲載する。初回の今日は米外交シンクタンク、外交問題評議会のアジア研究部長を務めるエリザベス・エコノミー氏に話を聞いた。

(イラスト:北沢夕芸)

—エコノミーさんは最新の著書『The Third Revolution』で習近平・国家主席が率いる現在の中国の状況を毛沢東による建国、鄧小平による改革開放に次ぐ第3の革命と名付けています。

エリザベス・エコノミー氏(以下、エコノミー):習主席の究極の目的は偉大な国として中国を再生させることだ思います。その時に浮上する疑問は、どのようにそれを達成するか、どのようにして世界的な舞台で存在感を取り戻していくのか、ということです。これまでに習主席が決定したことを見ると、国内では抑圧的で独裁的、国外では野心的で拡大志向な国家を構築することです。

Elizabeth C. Economy(エリザベス・エコノミー)氏。
米外交シンクタンク、外交問題評議会のアジア研究部長。中国の国内政策と外交政策の専門家として評価が高い。(写真:Mayumi Nashida)

集団指導体制は過去のモノ?

エコノミー:習主席がそれをどのように進めたかというと、第一に中央集権化を進めました。中国を改革・開放に導いた当時の最高指導者、鄧小平が構築した集団指導体制ではなく、彼の手中に権力を集中することで実現したんですね。

第二に、共産党が中国社会と中国経済に深く入り込みました。企業の中に細胞組織を作るように命じたのは一例です。そして第三に、外国からの影響が国に及ばないように、制限と規制の「仮想の壁」を築きました。

中国は製造業の高度化を目指す「中国製造2025」を進めていますが、この壁によってAI(人工知能)や新素材など最先端の分野で多国籍企業が公正に競争できなくなる可能性があります。また、外国のNGO(非政府組織)の管理に関する新たな法律によって、外国のNGOが中国の取引相手と協力することが難しくなりました。ご存じの通り、インターネットへのアクセス制限も厳しくなっています。

—野心的な外交政策についてはどうでしょう。

エコノミー:習主席は2014年に、「ゲームのルールを書く手助けをするだけでなく、そのゲームを演じる場をつくりたい」という趣旨の発言をしています。私は国際的な組織のルール、組織、制度、規範に中国の価値観や原理をこれまで以上に反映させるという意味に捉えています。

習近平と中国の「第3革命」

また、対外的な野心は領土問題にも見て取れます。習主席は中国が主張する領有権を実現させようとしています。台湾や南シナ海について、鄧小平は先送りしましたが、習主席は鄧小平のようには考えていません。南シナ海に軍を配置し、周辺の国々の主権を蝕んでいます。

外交政策の中には、習主席の肝いりの「一帯一路」も含まれます。この構想は過剰生産と投資を輸出するだけでなく、中国共産党の価値観を広め、中国の安全保障を強化するメカニズムと言えますので。ここまで述べてきたことが、私の言う習主席の「第3の革命」です。

—習主席の時代に共産党の支配は強化されました。

エコノミー:習主席が主導した反腐敗運動は支配を強める上で重要な役割を演じました。過去を振り返ると、反腐敗運動の大半は始めてもすぐに中止されるというのが一般的でした。でも、習主席の反腐敗運動は逮捕される人が年々増えるなど力強さが増しています。これは非常に珍しいことです。

また共産党だけでなく、戦争で勝てるように人民解放軍も強化しました。戦区の見直しや統合作戦本部の設立など米国のシステムに近いアプローチで人民解放軍を再構築しました。これは人民解放軍の質を向上させるためのものです。

「腐敗は中国共産党の死」

—習主席にとって反腐敗運動はどういう意味を持つと考えていますか。

エコノミー:一つは腐敗の根絶です。習主席は権力を握った際に、「腐敗は中国共産党の死であり中国という国の死になりうる」と述べました。胡錦濤・前国家主席も同じことを話しましたが、実際に推し進めたのは習主席です。彼は政治体制から腐敗を取り除かないと、イデオロギーを失ったのと同じであり、共産党の未来がないと考えています。人々が中国共産党に対する信念のためではなく、政治的、経済的な発展のためだけに共産党に入党するのであれば、共産党は生き残らないでしょう。

もちろん、反腐敗運動には政敵の排除という狙いもあります。この運動で政府の副部長級やそれ以上の高官が多数、拘束または逮捕されました。彼らは習主席の政敵に関わりのあった人々なのは確かです。ただ、低いレベルでは全員が彼の的ではありませんので、この運動の目的は腐敗撲滅がメインだと思います。

エコノミー:繰り返しになりますが、彼の包括的な目標は偉大な中華民族の再生だと思います。そのために、国内では政治体制の前線で強固な共産党を築くこと、戦争で勝利できる人民解放軍を作ること、単なる製造業の中心になるのではなくイノベーションのリーダーになること、米国や日本、ドイツなどと対抗できるような革新的で最先端の経済を構築すること――が国内政策の優先事項になります。

外交政策の最前線は台湾や香港、南シナ海の領有権などの主権問題で中国を再統合させることだと思います。また、中国が主張するインターネット主権(各国がインターネットに関して最高権力を保持すべきだという考え方)や人権といったイシューで、欧米の自由主義・民主主義的な価値観ではなく、中国の価値観を反映させたいと考えているのでしょう。最終的にはアジアから米国を追い出すことが目標だと思います。

アジアの地図を書き換える中国

—第2次大戦後、米国が中心になって築き上げた国際システムに修正を加えようとしているのでしょうか。

エコノミー:自由主義的な国際秩序のルールを書き換えようとしているか、といえば答えは「イエス」です。もちろん、領土面もそうです。南シナ海の軍事拠点化や(戦闘機のスクランブルの基準になる)防空識別圏の設定といった動きを通して、中国は地理や戦略地政学的な状況を書き換えています。

また、中国が形成を目指している経済・外交圏構想、「一帯一路」を通して35カ国・地域の76港の支配権を握っています。商業的な目的といっていますが、人民解放軍の艦艇が何度も停泊しています。そこに安全保障上の要素があるのは明らかです。彼らはルールを書き換えているだけでなく、地理を再構築しています。

—中国が大国への階段を駆け上がるきっかけになったのは2001年の世界貿易機関(WTO)加盟でした。ところが、中国は共産党による一党独裁体制のままで市場開放も限定的です。

エコノミー:西側諸国、とりわけ米国や欧州連合(EU)は時間の経過とともに、中国が市場を開放していくと信じていました。「知的財産保護の方法を学ぶためにもう少し時間がかかる」という中国の言葉を信じたんです。

トランプ大統領の対中強硬策は必要

確かに、(1998~2003年に首相を務めた)朱鎔基氏は国有企業改革に全力で取り組んでいたと思います。でも、市場開放や知的財産権の保護、補助金の撤廃や国有企業改革などの多くを実現できませんでした。習主席は中国経済の開放にほとんど関心がないのだと思います。

だからこそ、トランプ大統領による抵抗が重要になる。私は多くの面でトランプ大統領に同意していません。彼と彼のアドバイザーが環太平洋経済連携協定(TPP)を離脱したのは間違いだったと思っています。それでも、トランプ大統領による強硬策は必要なことだと思っています。中国は約束したことを全く実現しないのですから。

—関税措置は最善の方法でしょうか。

エコノミー:私の案は、日本やEU、オーストラリア、韓国のような国々、つまり中国の市場開放が必要だと考えていて、知的財産権の侵害に関する責任を問いたいと考えている国々と米国が協力することです。米国がそういった国々と協力し、特定のルールや制約について中国に抵抗すれば、必ずいい結果が得られます。

例えば、中国は多国籍企業に対して「ウェブサイトで台湾を中国とは別の独立した存在として扱ってはならない」と圧力をかけています。ユナイテッド航空、カンタス航空など1社ずつ個別に落としていくわけです。その時に、米国商工会議所と欧州の商工会議所が一緒になれば、押し返すことができる。

中国は米国と国際社会が分断しているときに利益を得ます。逆に言えば、われわれが団結していれば負けないと思います。

「中国人にショックを与えるのは難しい」と語るエコノミー氏

冷静沈着な中国人を動揺させたトランプ大統領

—トランプ政権は鉄鋼・アルミに対する関税措置やZTEとの取引禁止など中国に対して強硬な措置を取り始めました。こういった政権の対応をどう評価しますか?

エコノミー:よいと思います。それで正しいと思います。3月下旬に中国を訪れましたが、トランプ政権とよい関係を築いていると思っていた彼らはとても驚いていました。関税や台湾旅行法、米朝首脳会談などは予想しておらず、こうした展開にショックを受けていました。

ご存じのように、中国人にショックを与えるのはとても難しい。彼らはとにかく話し続け、「では、これを改善しましょう」といって何もしません。トランプ大統領は「もう話は十分。あなた方は実行すべきだ」と伝えました。そのメッセージを伝えるのは重要だと思います。

ただ、同時に関税措置を通して、どのような良い結果を得られるのかということを知ることも重要です。貿易戦争ではいい結果を得られません。同盟国と協力して中国に対応すべきです。米国がTPPに復帰すべきだと私が主張しているのもそのためです。

「独裁政権に安全な世界を作ろうとしている」

—中国の一党独裁・国家資本主義は民主主義・自由市場経済とは対極の存在です。ただ、途上国や非民主主義国家の中には中国モデルを理想と思うところもあります。中国モデルは西欧モデルの代わりになり得るでしょうか。

エコノミー:中国はスーダン、南スーダン、エチオピア、ケニア、ナミビア、ジンバブエ、ラオス、カンボジア、ベトナム、南米の国々で公務員の人材開発を支援しています。何のために訓練しているのかと言えば、政治的な安定を維持するためです。いわば、独裁政権にとって安全な世界をつくり出そうとしているんです。

米国は「民主主義に安全な世界を作る」と言いますが、中国は独裁政権にとって安全な世界を作り出そうとしています。ただ、自国の独裁政権が強化されるのを望まない人々は抵抗しています。「一帯一路」構想の国々、パキスタンでさえも抵抗する人々が出ていますから。

中国にとってはグローバルな政治経済のゲームのルールを変えるうえで、こういった途上国や独裁政権を支援することは重要です。国連の票数は国の大小ではありません。人権やインターネット主権などの問題で自国の主張を押し通すのに使えると考えているのでしょう。発展途上の小国と協力し、発展を支援するのと同時に政治体制も変えていくという一帯一路は大きな論点です。

—それを防ぐために米国は何ができますか?

エコノミー:トランプ政権以前の米国はそのために多くの事を成し遂げてきました。市民社会や法の支配、自由民主主義と自由市場経済の基礎となる制度を築くために、米国は数多くの非政府組織と連携してきました。米国は戦後の歴史において極めて重要な役割を果たしたと思います。

トランプ政権はこれが優先事項ではないのでしょう。例外はマティス国防長官です。マティス長官は日米豪印の「自由で開かれたインド太平洋戦略」を支持しています。自分が率いる国防総省だけでなく、国務省の重要性を説くなど外交の価値を認識しています。トランプ大統領にはそういう関心はありません。

今の中国の急旋回を予想できた専門家はいない

—過去には中国の政治体制や経済成長が崩壊するという見方も数多くありました。そういった中国崩壊論についてはどう思いますか?

エコノミー:われわれは数十年間、「中国がああなる、こうなる」という予想をしてきました。でも、習主席の中国がここまで鋭い転換をするというのは誰も予測できていなかったと思います。

2011年や2012年頃を振り返ると、中国では政治改革や環境問題、法の支配などに多くの人が関心を寄せていました。ところが、習主席が登場して厳しい取り締まりを実施、状況は大きく変わりました。最近は、中国について予測するのは問題だと思うことがあります。

ただ、中国人はほかの国の人々と本当に違うのでしょうか。自分の意見を表現したり、政治に影響を与えたいと思ったりはしないのでしょうか。私はそうは思いません。LGBTや環境など様々な抗議活動が起きていますよね。中間層が反旗を翻す可能性はまだあると思います。政治改革の可能性が消え去ったということではないと思います。

米朝の間で蚊帳の外になりかけた中国

—トランプ大統領は関税など中国に対して強硬な措置を講じています。これは中国を動揺させている?

エコノミー:最悪だと思っていますよ。中国やアジアにおけるトランプ大統領の優先事項を考えてみてください。一つは朝鮮半島の非核化、もう一つは中国との貿易赤字を減らすことです。

朝鮮半島の非核化について、中国は蚊帳の外だと感じていました。初めは北朝鮮と米国の重要な仲介役でしたが、韓国の文在寅大統領が出てきたことで、トランプ大統領にとって中国は必要ではなくなりました。

トランプ大統領が金正恩・北朝鮮労働党委員長と会談すると発表した直後の3月下旬、私は北京にいましたが、政府関係者はみな「えっ?」という感じでした。プロセスから取り残されるのではないかと懸念していたんです。しかも、金委員長は米韓軍事演習の停止を要求せずに核実験の停止を発表しました。これについて中国はとても不満に感じました(その後、米韓首脳会談後、トランプ大統領は米韓軍事演習を中止する方針を打ち出した)。

習主席と金委員長が5年間で一度も会談しなかったという事実は興味深いものです。トランプ大統領が金委員長と会談すると発表した直後、習主席は突如として金委員長と会談しました。中国はこのゲームに入りたいと切望しています。プロセスに関わり、中国が重要な役割を担っていると国内に示したいんです。

—トランプ大統領はかなり中国を振り回してきました。

エコノミー:ええ、その通りです。ある日には「北朝鮮問題で協力してくれてありがとう」と感謝の意を示し、次の日には「中国の対応は全く不十分。中国企業に二次制裁を課そう」と。トランプ大統領は「習近平が好きだ」と言っていますが、実際の行動にはそのような「愛」はありません。ここ最近は物事が習主席を超えて動いています。それが彼にとっての問題だと思います。

中国の内なる改革を信じた米国

—最後にもう一度聞きますが、欧米諸国は知的財産権の侵害や技術移転の強要などについて、もっと早く手を打つべきだったように思います。でも、米国やドイツ、英国は対中貿易を重視して一枚岩になれなかったような気がします。

エコノミー:欧米諸国は米国やEU諸国などと同じように、自由貿易体制の一員に進化していくと信じていました。子どもに対して示すように、自由貿易体制の中でどう振る舞うのかを示すことで、中国がそこから学ぶだろう、と。

そのため、中国が自国優先の措置を取ったときもWTOを利用しましたが、報復措置は実施しませんでした。知的財産の盗用を続けても投資をやめませんでしたし、市場開放が限定的でもこちらの市場は開放し続けました。

最大の発展途上国だった以前は許されたかもしれませんが、これだけ大きくなると、ルールを破るような行為は許されません。既に中国は第2の経済大国です。いずれ最大になるでしょう。でも、名ばかりの自由貿易、名ばかりの市場経済では最大の経済大国にはなれません。

—もう手遅れでは?

エコノミー:手遅れだとは思いません。中国は米国やドイツ、日本の技術へのアクセスを求めていますので手遅れだとは思いません。もっと早く手を打っておくべきだというのはもちろんですが、過去を振り返っても意味がありません。今立ち上がって、「これ以上は受け入れられません」と言うんです。

6/26記事

トランプ政権は7月から500億ドル相当の中国製品に関税を課すと発表した。即座に対抗関税を発表した中国は、今世紀半ばまでに米国に並ぶ大国になるという目標を掲げている。両者の角逐は足元の“貿易戦争”だけでなく、先端技術や軍事まで幅広い分野で本格化していくだろう。

日経ビジネスでは6月25日号特集「米中100年 新冷戦~IT、貿易、軍事…覇権争いの裏側」で、現在の関税措置の打ち合いや米国の懸念、中国化する世界の現状を徹底した現地取材でまとめた。それに関連して、米中に精通した専門家のインタビューを掲載する。今日は中国の民主化と民主主義について、民主主義の歴史や成り立ちに詳しい米コロンビア大学のシェリ・バーマン教授に聞いた。

(イラスト:北沢夕芸)

—中国は事実上、共産党の一党独裁体制を続けています。中国の体制をどう見ていますか。

シェリ・バーマン・コロンビア大学教授(以下、バーマン):まず自由民主主義と資本主義が同時に起きるというのは歴史的にかなり限られた現象だということを理解する必要があります。これは主に1945年以降の産物です。

欧州の国々が独自の資本主義を進め始めた1918年以前に民主的な国はほとんどありませんでした。第一次世界大戦前に欧州で民主的だったフランスも、民主主義は不安定でした。基本的に、民主主義は工業化の後に来る傾向にあります。中国の民主化と経済発展も同時には起きていません。

コロンビア大バーナードカレッジ教授(政治学)。専門は近現代の欧州政治で、民主主義の発展、ポピュリズムとファシズム、左派の歴史などに造詣が深い。(写真:Mayumi Nashida)

わずか2世代で欧米並みの発展を実現

鄧小平の改革開放以来、中国の成長率が際立っているのは間違いありません。前例のないものです。いくらか似ているとすれば、第二次大戦後のアジアの国々でしょう。あるいは、急速に復興した欧州の国々も含まれます。それでも、中国と同じ期間に成長を持続できた国はありません。過去のパターンを見ると、中産階級や上流中産階級が誕生し、政治の自由化、表現の自由や組織に参加する自由、情報へのアクセスを求めるようになるのは一定の経済成長が起きた後です。

中国が特異なのは発展のスピードにあります。西側諸国がこの種の変化を遂げるのに100年かかりました。19世紀の欧州は年間1~2%の成長率に過ぎませんでした。ところが、中国はわずか2世代で経済発展を実現しています。

社会学者の多くはこういう経済成長が政治にプレッシャーをかけると考えています。国外の人々と接触が増えたり、基本的な物資が不足しなくなったことで、政治への参加や表現の自由への関心を持つようになるからです。西側ではこのプロセスに時間がかかりました。

共産党の統治の正当性は「成長」と「秩序」

中国に関しては2つの論点があります。一つは、経済発展がこのまま続いた場合、中国共産党の成果だと人々が認識するかどうか。もう一つは、経済成長が鈍化した時に何が起きるのか。

ほとんどの独裁政権では政府が生み出すアウトプットが統治の正当性の源泉になります。中国であれば成長と秩序です。一方、民主主義国家はそういったアウトプットに加えて、国民が統治しているという事実も正当性を支えています。時に愚かな選択をしたとしても別の選択の機会がある。投票によってリーダーを選び、国の政策を変えることが可能です。

仮に中国の成長が鈍化した場合、正当性を巡る抗議が増えて秩序が乱されるのかどうか。

中国の場合、国民の意思を反映しているという正当性はないので、経済が減速すれば政権は頼るものがなくなります。そうなれば、最後に残されたものは抑圧しかありません。ただ、社会が豊かになればなるほど抑圧にかかるコストも上がります。

繰り返しになりますが、成長が継続した時に、国民が引き続き成長を最終的な目標だと考えるのか、それとも他のものを求めるようになるのか。また、成長が減速して正当性に疑問が生じたときに何が起きるのか。中国は2つの論点を抱えています。

「中国の民主化には時間がかかる可能性」

—欧米諸国はグローバル経済へのアクセスを認めることで、中国が徐々に民主化していくと考えていました。今の一党独裁体制を続けることは可能でしょうか。いずれ民主化していくと思いますか?

バーマン:これまでのような成長が続けば、社会における中産階級の割合は増えます。そうなれば、人々は自由や情報へのアクセスを求め、国のリーダーを選挙で選びたいと考えるようになるかもしれません。もっとも、中国は欧州が100年かけて達成したことをわずか2世代という短期間で実現しました。中国が貧しかった頃の生活を国民はまだ覚えているので、民主化には時間がかかる可能性があります。

—独裁政権は民主主義よりも脆弱というのは一般的な認識です。だが、中国を見ていると、一党独裁ですがうまく運営しているように見えます。本当に独裁政権はもろいのでしょうか。

バーマン:確かに、中国の体制は強固で信じられないほどの抑圧能力を持っています。それは権力を一人が握っているのではなく、一党独裁という独自のシステムを取っているからです。

ただ、先ほども述べたように独裁政権は成果を出しつづけなければなりません。それができなければ残された選択肢は抑圧だけになりますが、抑圧にはコストがかかります。選挙でリーダーを追い出すことができる民主主義と違って、独裁体制には潜在的な弱さがあります。

さらに、現在は習近平氏に権力が集中していますが、個人に権力が集まれば、様々な不満が噴出して体制は弱体化していく。今の状況は中国の歴史を中断するようなもので、喜ばしく思っていない人々は明らかに存在しています。

—中国モデルは欧米の民主主義のような普遍性を持った制度になり得るのでしょうか。

バーマン:ほとんどの独裁政権は腐敗していて非効率な傾向にあります。経済発展を実現した国もありますが、そうでなかったケースの方が多いと思います。民主主義に移行する前の韓国が一例だと主張する人々もいますが、お隣の北朝鮮を見れば独裁政権の末路が見て取れるでしょう。ベトナムも経済を開放し始めていますが、その政権も美しい国をどん底に突き落とした独裁政権です。

「独裁」は本質的に不確かな存在

アジアには経済発展を実現した独裁政権の事例をいくつか見ることができますが、世界には自国を崩壊に導いた独裁政権がそれこそ多数存在しています。

中国はめざましい成長を遂げていますが、独裁政権は本質的に不確かな存在で、腐敗が進み、縁故主義に陥る傾向があります。孤立する可能性も高い。中国が真に発展する独裁政権になるのかは分かりません。

だからといって、民主主義が無謬だという意味ではありません。間違ったことも起きます。ただ、独裁政権には選択肢がほとんどありません。その政権以外にないのだから。

—冷戦終結後、米国は世界各地の民主化を後押ししました。なぜ米国は民主主義を輸出しようと考えたのでしょうか。

バーマン:共産主義体制の崩壊によって、イデオロギー上の主要な挑戦者はいなくなったと西側諸国が確信したことが大きいと思います。民主主義が共産主義よりも優れていることが証明されたことで、民主主義は論理的にベストな体制になりました。たとえ民主主義が常に完璧ではないにしても、その結果は人々が参加して決定したことであり、それ自体がよいことだ、と。

市民の政治的な平等を信じているのであれば、民主主義は一貫して平等を実現している唯一の政治体制です。米国では民主主義が国民のアイデンティティの一部になっています。英国の植民地支配を断ち切り、米国を作り上げたのは民主主義そのものですから。

民主主義に対する揺るぎない信念も変質

私たちは、民主主義が政治の平等とすべての市民の個人主義に真に合致している唯一の政治体制だと考えています。過去の歴史において、完全には答えてきていないかもしれませんが、私たちは民主主義を信じている。

過去には民主主義の推進が目的でないにもかかわらず他国に侵攻したことがありました。イラクとアフガニスタンに侵攻したのは、両国が反民主主義だったからではなく、米国に対するテロ行為に関与していると信じたことが要因です。侵攻した後に、独裁政権を排除し民主主義をもたらそう、と言い出したのはその通りですが、民主主義が正しい体制であるという信念はありました。

トランプ政権で変わったのは、国内問題のために国外で起きていることへの関心が薄らいだことだと思います。民主的ではない国々をあまり懸念しなくなりました。民主主義を積極的に推進することにもあまり関心がなくなりました。そして、私たちの大統領は独裁者と取引することを民主党との交渉と同じような感覚で捉えています。これは米国の歴史では非常に希なことです。

—「アラブの春」はなぜ失敗したのでしょうか。

バーマン:そういった国々には、民主主義を定着させるために必要な前提条件がなかったということだと思います。

経済力はあっても往々にして石油に頼っており、国内の異なる集団によって分裂している。民主主義の歴史がなく、政党や市民社会、妥協による解決という伝統も制度も存在しない。独裁政権の腐敗と非効率に市民は大きな不満を抱いていましたが、どのような体制を支持すべきかを決めるリソースも合意もなかったのでしょう。

「歴史はまっすぐに進むばかりではない」

—そうだとすると、かかる時間はともかくとして、特定の条件さえ満たされれば民主化は必ず起きていくのでしょうか。

バーマン:その答えは私には分かりません。10年前、15年前に同じことを聞かれれば、もっと楽観的な答えができたでしょう。そういう方向に向かっていた頃だったから。過去10年の間に起きた金融危機、あるいはそのほかの危機によって民主主義に対する自信が揺らいだのだと思います。その結果、民主主義に代わる体制を主張する人々が勢いづいた。

人々が国を自分たちで選択したい、自分たちで統治したいと人々が思わなくなったのだとすれば私にとっては信じがたいことです。歴史というのはまっすぐに進むばかりではありません。独裁国家であっても、時間とともに選択を求める市民の声は強まると思います。そのプロセスにどれだけの時間がかかるのかは分かりません。

「秩序と成長」と「民主主義」のどちらかを選ばなければならないとすれば、「秩序と成長」を選ぶ時もあるでしょう。「秩序と成長」は生きるために必要なものです。ただ、いったんそれを手に入れれば、ほとんどの人は自分で決断したいと思うようになると考えています。社会に参加したいと多くの人が考え始めると思います。

—古代ギリシャの哲学者、プラトンは独裁は民主主義体制の上に成り立つと書いている。

バーマン:私たちが経験しているのは、民主主義国家が市民への責任を完全に果たすことができておらず、多くの問題を解決できなかったために、多くの人々が失望し憤慨しているという状況です。ただ、少なくとも理論的には、基本的なルールは変えずにリーダーを替えることで解決策を見いだせるはず。今は落ち込んでいたとしても、システムの柔軟性やレジリエンスを活用して再起することを願うばかりです。

民主党はトランプの愚かさに対抗するだけではダメ

—トランプ大統領が誕生した背景には、グローバリゼーションの拡大に伴う格差の拡大や米国の大概関与に対する不満がありました。

バーマン:米国では所得格差が顕著です。この格差は他の先進国よりも大きい。さらに、米国には過去数十年間で生活水準の改善が見られなかった下位層、あるいは下位中産階級がいます。トランプ大統領がそういった人々に直接話しかけ、彼らの怒りや不満を認識したのはその通りですが、実際の彼の政策はこの問題を修正していません。

そこで問題になるのは、問題の解決に取り組むことなく人々の不満を聞くだけで支持を維持していけるのか、ということです。人々が怒り、不満を抱えているということは社会科学者も理解しています。民主党と共和党という従来の政党が優れた解決策で人々を説得できなかったということも、それゆえにトランプ大統領のような人間が入る隙を与えてしまったのも理解しています。

ただ、トランプ大統領と共和党の政策が不平等や社会的流動性の低下(格差の固定化)といった問題で苦しむ人々を救うことはありません。ある時点で、彼らは目を覚ますかもしれない。真の問題は、東海岸や西海岸に住む私たちのようなエリートやマイノリティ、自分たちよりもうまくやっている人々に対する怒り。そして、これは民主党が取り組むべき課題です。

野党であるならば、優れた政策で人々を納得させなければなりません。相手の愚かさに対抗するだけではだめです。否定的なものだけでなく、肯定的なものも必要です。民主党にはトランプ大統領に対抗できる人材はいますが、もっといい案を提供する候補者がいると有権者を説得できなければ、民主党は票を獲得することはできません。

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『金正恩が米朝会談後に「中国属国化」の道を選んだ理由』(6/27ダイヤモンドオンライン 北野幸伯)、『ロシアはもうG8復帰を望まない 米国の過去の“裏切り”も一因に』(6/22日経ビジネスオンライン 池田元博)について

6/27日経朝刊<年金改革案に反発 ロシア 受給年齢引き上げ

【モスクワ=小川知世】ロシアのプーチン政権が打ち出した年金改革に不満が高まっている。労働人口の減少に対応して受給開始年齢の引き上げ案を提示したが、直撃を受ける中高年層を中心に抗議が相次ぐ。プーチン大統領は直接の関与を避け、内閣に責任を押しつけたままだ。大国を誇示して愛国心に訴える統治手法の限界も浮き彫りになりつつある。

「もっと前にやるべきだった。決断なしには前進できない」。ロシアでサッカーワールドカップ(W杯)が開幕した14日、メドベージェフ首相は年金改革案を発表した。2019年から10年以上かけて受給開始年齢を段階的に引き上げ、最終的に女性で55歳から63歳、男性で60歳から65歳にする内容だ。

年金改革の背景にはロシアが直面する構造問題がある。労働人口が減少し「毎年働ける国民が約40万人減るのに対し、150万~160万人が年金生活に入る」(ゴリコワ副首相)。年金基金予算の巨額の不足分を連邦予算から補う状態が続き、制度の維持が難しくなっていた。

だが改革案の発表直後から職が限られる地方や受給を控えた中高年から「生活できない」と不満が噴出した。労働組合連合は現在の平均寿命では年金を受け取る前に死亡する国民が多いと見直しを訴え、インターネットで240万人超の署名を集めた。

専門家からも高齢者の雇用保障や年金積立制度の見直しなどと併せた実施が不可欠だとの指摘が相次いでいる。

政府は受給年齢引き上げで支給額は増えると説明するが、現代発展研究所のニキータ・マスレニコフ氏は「説明に矛盾があり、国民の不信を増大させている」と指摘する。

プーチン氏は今のところ年金改革とは距離を置いている。ペスコフ大統領報道官は内閣や議会で議論が続くのを理由に「大統領が対処するのはまだ早い」と述べた。メドベージェフ氏を矢面に立て批判をかわす思惑とみられる。>(以上)

6/26産経ニュース<北の非核化措置「期限設けない」ポンペオ米国務長官が表明>「ポンペオ氏は24日にインタビューに応じ「2カ月であれ6カ月であれ、期限は設けない。首脳間で決めた目標を達成できるよう迅速に取り組む」と述べた。」

http://www.sankei.com/world/news/180626/wor1806260009-n1.html

米朝中の間でどういう駆け引きが行われているかは分かりません。ただ金正恩が独裁者として生き延びたいという強い意志を持っていることだけは分かります。その原理に從えば、状況次第で、相手を簡単に裏切るだろうというのは想像できます。金は米朝の狭間にあって蝙蝠のように動き回り、両方から信頼を得られなくなる可能性もあります。金を排除した方が、平和的に拉致被害者が帰ってくると思います。父のやった犯罪行為を素直には認められないでしょうから。ポンペオの発言は後退したようにも見えますが、金との密約(中国騙し)でもあるのでしょうか?

ロシアは領土を接する潜在敵国・中国と手を結んで、西側と対峙するのでしょうか?池田氏の記事にありますように、米国はロシアとの約束を破ったことは間違いないことです。でも、NATOに新たに加盟した東欧諸国の立場から見れば、ソ連の衛星国時代を思い出せばロシアから離れたいと思うのは当然です。図表にあるロシア人の思う友好国と敵国で両方ともに日本が入っていないのは存在感が薄いのでしょう。毒にも薬にもならない存在と言ったところでしょうか。ロシアのG8復帰はないとのこと、年金受給年齢引き上げを目論む等、経済的困窮にあるロシアは益々中国頼みになりそうです。

北野記事

米朝首脳会談から半月が過ぎた。このわずかな期間で、状況は大きく変化している。「歴史的」会談以降、北朝鮮を巡る米中ロのパワーバランスはどう変化したのだろうか?(国際関係アナリスト 北野幸伯)

金正恩は欲しい3条件をまだどれも手に入れていない

6月19日、金正恩と習近平は今年3度目の首脳会談を行った。米朝首脳会談で欲しい果実を得られずに追いつめられた金が、習にすり寄ったかたちだ 写真:労働新聞より

6月12日にシンガポールで行われた米朝首脳会談。共同声明の最重要ポイントは、「トランプ大統領は北朝鮮に安全の保証を与えることを約束し、金委員長は朝鮮半島の完全非核化への確固で揺るぎのない約束を再確認した」という部分だ(下線筆者)。もっと簡潔に言うと、「米国は北朝鮮の体制を保証し、北朝鮮は完全非核化すると約束した」。これが、ディールの核心である。

この米朝首脳会談、日本でも世界でも「大失敗だ」という意見が大半を占めている。しかし筆者は、前回記事(『米朝首脳会談、「具体性なし」でも評価すべき理由』)で書いたように、「大成功だった」と考えている。

「会談は失敗だった」と主張する人は、「共同声明文にCVID(=Complete, Verifiable, and Irreversible Denuclearization、完全かつ検証可能で不可逆的な核廃棄)の文字がないではないか」と憤る。「完全な非核化」という表現だけでは、不十分であり、金正恩の思うツボだというのだ。

そもそも、なぜ「CVID」という言葉が出てきたのだろうか?米国は、北朝鮮がウソをつくこと、すなわち「非核化の約束だけをして制裁を解除させ、経済支援を受け、体制も保証させ、しかし核兵器は保有し続ける」という状況になるのを恐れたのだ。

しかし、「CVID」であろうが「完全な非核化」であろうが、金正恩がウソをつくつもりなら、ウソをつくことはできる。大事なのは、「北が非核化を実行するまで、金が欲しいものを与えない」ことである。

そして、トランプは、金が喉から手が出るほど欲しがっている「制裁解除」「経済支援」を約束しなかった。「体制保証」は約束はしたが、それは「非核化」とセットだ。金が非核化しなければ、体制保証もない。

こう考えると、北朝鮮は今回の米朝首脳会談で何も得ていない。「体制保証」「制裁解除」「経済支援」――この3つが欲しければ、約束の非核化を実行するしかない。これで、「金は大勝利」といえるだろうか?

北朝鮮は過去のように平然とウソはつけない

次に多い批判は、「非核化の具体的プロセスが決まっていない」というものだ。

しかし、考えてほしい。米国と北朝鮮は、68年間も「戦争状態」(うち65年間は休戦状態)にある。北の核問題は、およそ四半世紀も続いている。これらの長期的問題を、トランプと金が6月12日の朝10時から11時まで1時間話しただけで、すべて解決し、具体的タイムテーブルをつくることなど可能だろうか?

常識的に考えれば、そんなことは不可能だ。そして、そもそも非核化の具体的スケジュールを決めるのは、大統領の仕事ではない。だいたい、核の専門家でない大統領が、非核化の具体的プロセスを決めることができるだろうか?

国のトップの仕事は、方針を定めることである。トランプと金が「非核化すれば体制保証する」「体制保証すれば非核化する」と決めた。その後の具体的な話は、もっと下の実務レベルで行われるべきものだ。そもそも、「非核化の具体的プロセス」を決めるのは、トランプのミッションではなかったのだ。

そして会談後、早速米国は「具体的な話」を始めている。米政府は、北朝鮮に「核計画の全容を示せ」と要求している。

<核計画全容「数週間内に申告を」、米が北に要求
読売新聞6/17(日) 20:08配信
米朝首脳会談で合意した北朝鮮の「完全な非核化」を巡り、米政府が北朝鮮に、核計画の全容を数週間以内に申告するよう求めていることが16日、わかった。
米政府関係筋が読売新聞に明らかにした。
ポンペオ米国務長官は、早ければ今週中にも行う予定の北朝鮮高官との協議の場で早期の申告を改めて迫る方針だ。>

果たして、北朝鮮は「核計画の全容」を出してくるだろうか?現時点ではわからない。

しかし、出さなければ「金はウソをついた」ということになる。これは、トランプと金の会談で、金が「完全な非核化」を約束したから「ウソ」になるのであって、約束がなければ「ウソをついている」と批判することもできない。

もう平然とウソをつけないところまで金を追いつめることに成功したのは、米朝首脳会談の大きな成果だったといえる。

金正恩は3度目の訪中で習近平から欲しいものを得た

そんな厳しい状況の中、金正恩は6月19日、北京を訪問した。3月、5月に続き、今年3度目の訪中。異常な頻度といえるだろう。

「米朝首脳会談は、金の大勝利!」という通説が事実であれば、この訪中の意味はわからない。しかし、「金は米朝会談で何も得ていない」ということがわかると、金の焦りが見えてくる。

金はトランプとの会談で、非核化の口約束だけで「制裁解除」「経済支援」を勝ち取りたかったのだろう。金正日の時代から、北朝鮮は大国を手玉に取り、欲しいものだけを手にしてきたのだ。しかし、安倍首相やネオコンのボルトン補佐官からアドバイスを受けていたトランプは、だまされなかった。

傷心の金は、習近平と会い、今度は大きな成果を得ることができた。中国は、北朝鮮への「独自支援」に前向きな姿勢を見せたのだ。

<<中国>北朝鮮への独自支援示唆 金正恩氏が訪中終え帰国
毎日新聞 6/20(水) 20:13配信
【北京・河津啓介】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は20日、2日間の訪中日程を終えて帰国した。金委員長は同日、北京市内で農業や地下鉄の関連施設を視察した。
中国側は北朝鮮に対する制裁緩和前に独自支援に動く可能性を示唆した。
金委員長は2日連続で習近平国家主席と会談。米朝首脳会談を果たした北朝鮮が、対米交渉と経済立て直しで中国との連携を強める姿勢が一層鮮明になった。>

独自支援を「示唆」というのは、控え目な表現だろう。「米朝関係が改善され、中朝国境での人・物の行き来が活発になっている」との報道を耳にした人も多いはずだ。すでに中国は、実質的な「制裁破り」をして、北朝鮮を助けている。

金の訪中目的は、「支援要請」だけではない。金は中国に、「体制保証してほしい」と願っているのだろう。

急速に進んでいる北朝鮮の「中国の属国」化

これは、制裁解除以上に、金にとっては重要なことだ。北朝鮮だけでなく、米国もこれまで、しばしば大きなウソをついてきたからだ。

2003年、米国は「大量破壊兵器を保有している」「アルカイダを支援している」などの理由でイラクを攻撃し、フセイン体制を崩壊させた。しかし実際には、イラクに大量破壊兵器はなく、アルカイダとは無関係だった。

同年、リビアのカダフィ大佐は、核計画を放棄している。欧米との関係は著しく改善され、制裁も解除された。しかし2011年、カダフィは米国が支援する反体制派につかまり、殺されている(その他、仰天のウソについては、当連載バックナンバー『北朝鮮も警戒、米国の「嘘つき癖」が世界を不安定にしている』を参考にしてほしい)。

常識的に考えると、米国の「体制保証」の約束を信じるのは、ナイーブすぎる。そこで金は、米国に次ぐ大国である中国に「体制保証」を求めているのだろう。

たとえば、日本は経済大国だが核兵器を持たない。そこで、米国が「核の傘」を提供し、日本の体制を保証している。同じことは、欧州諸国にもいえる(ただし、同じ欧州でも、英仏は核を保有しているので事情が異なる)。それと同じように、世界第二の大国である中国にすり寄り、体制保証を確実なものにしようともくろんでいるのだ。

今後、米国の圧力に負け、北が本当に「完全な非核化」をしたとしよう(本音では、したくないはずだが)。米国は後に変心してカダフィを殺したように、今度は金体制を滅ぼそうとするかもしれない。

しかし、中朝関係が非常に良好であれば、どうだろうか?米国が北朝鮮を攻めれば、中国が黙ってはいない。米国は、核超大国である中国と戦争することはできないから、北朝鮮は安泰だろう。

北朝鮮が中国に接近するのは、小国として常識的な動きだ。しかし、そうすることで、北朝鮮が中国の「属国」になっていく。

世界第二の大国・中国が北朝鮮を必要としている理由

北朝鮮の意図はわかったが、中国はどうなのだろうか?中国は、もはや世界第二の経済・軍事大国である。米国が没落すれば、「世界一の超大国」になることも夢ではない。

そんな中国にとって、天敵は一国しかいない。もちろん、米国だ。

こういう観点から北朝鮮を見ると、この国は「米国の中国侵略」を阻止してくれる、強力な「緩衝国家」であることが理解できる。北朝鮮が崩壊すると、米軍が中朝国境に基地をつくり、北京にすぐ届くミサイルを配備するかもしれない。この悪夢を回避するために、金正恩には頑張って貰わなければならない。

では、北朝鮮の「核兵器保有」についてはどうだろうか?中国は、一貫して北朝鮮の核に反対している。しかし、その理由は、「核攻撃されるかもしれない」日米韓とは異なる。北朝鮮が中国を核攻撃するなどということは、あり得ないからだ。

中国が北の核に反対しているのは、「核拡散防止条約」(NPT)体制が崩壊するのを恐れているからだ。北の核保有がOKということになれば、日本や韓国の核保有がダメという根拠がなくなってしまう。だから、中国は反対するのだ。

いずれにしても、わがままだった金が従順になり、北朝鮮が中国の属国になるのは、習にとってめでたいことだろう。

金支援を誓うプーチンと文在寅 露韓パイプラインが北を利する

もう1つの大国ロシアは、どうだろうか。プーチンは6月22日、韓国の文大統領と会談した。

<露韓首脳会談>経済協力の検討合意 北朝鮮と3カ国で
毎日新聞 6/22(金) 21:19配信
【モスクワ大前仁、ソウル渋江千春】プーチン露大統領と文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領は22日、モスクワのクレムリンで会談した。今月の米朝首脳会談の結果を歓迎すると共に、朝鮮半島の非核化実現に向け協力していくことを確認。>

プーチンは、どうやら米朝首脳会談の結果を歓迎しているらしい。ちなみに、北朝鮮核問題に対するロシアの立場は、中国と完全に一致している。つまり、ロシアにとっても、「緩衝国家」である北朝鮮を守りたい。一方で、NPT体制を守るため、北の核保有には反対している。だから、トランプが北の「体制保証」を約束したことは、ロシアにとってもありがたい。

<経済分野では朝鮮半島での緊張緩和を想定し、両国は北朝鮮を経由し韓国へ通じる鉄道やガスパイプラインの建設計画を検討している。首脳会談に先立ち、露国営ガス企業ガスプロムは韓国側とパイプラインの建設について話し合いを再開したことを明らかにしていた。>(同上)

ロシアと韓国は、北朝鮮を経由し韓国に通じる鉄道、ガスパイプラインの建設計画を検討している。しかし、この話が非核化前に実現すれば、米国や日本にとってはまずい事態になる。北は、トランジット料を稼ぐことができるようになり、「非核化する理由」の1つである経済問題が一段落してしまうかもしれないからだ。

金を守る中ロ韓vs米国の構図 時間的余裕はあまりない

最後に大きな流れを振り返ってみよう。2017年、北朝鮮は核実験、ミサイル実験を繰り返していた。この時期、世界は北朝鮮への対応で、2つの陣営に分かれていた。1つは、日米を中心とする「圧力派」。もう1つは、中ロを中心とする「対話派」である。

しかしトランプが3月、「金に会う」と宣言したことで「圧力派」は消滅。今度は「対話の条件闘争」が始まった。日米は「CVID」を、中ロ韓北は「段階的非核化」を主張した。

「段階的非核化」は、「段階的制裁解除とセット」という意味で、「だましたい」金にとってはもっとも都合がいい。

6月12日の米朝首脳会談後、トランプと金は「米国は北の体制を保証し、北は完全非核化をする」ことで合意した。金は、望んでいた「制裁解除」「経済支援」を勝ち取れず、不満。「体制保証」も「完全非核化が前提」という、厳しいものだった。

そこで金は中国に飛んで習に経済支援を依頼し、成功。そして、中国に接近することで、自らの体制を保証してもらおうとしている。一方、プーチン・ロシアも、「緩衝国家」北朝鮮を守ろうとしている。

こう見ると現在は、北朝鮮非核化を具体化しようと圧力をかけている米国と、「金を守っている」中国、ロシア、韓国の3国に分かれていることがわかる。

これから北朝鮮核問題はどうなっていくのだろうか?

少なくとも、米朝首脳会談では共同声明で米朝ともに「約束」を交わしたから、ここでウソ・ホントの「基準」は設定された。金が約束通り非核化に向かえば、世界はよくなる。しかし、彼が具体的行動を躊躇すれば、米朝関係は再び悪化する。

そして、トランプが「金は俺をだました!」と判断するまでに、そう長い時間はかからないだろう。

池田記事

6月上旬にカナダで開いた主要7カ国(G7)首脳会議(シャルルボワ・サミット)。貿易問題で米国と他国の対立が鮮明となり、G7体制の限界を浮き彫りにしたが、もうひとつ話題となったことがある。ロシアを呼び戻して再び「G8」にしようと、トランプ米大統領が提案したことだ。

(写真=提供:GERMAN FEDERAL GOVERNMENT/UPI/アフロ)

トランプ米大統領の“爆弾”発言は、シャルルボワ・サミットの開幕直前に飛び出した。ワシントンのホワイトハウスで記者団に「なぜ、我々はロシアのいない会議を開くのか」と表明。ロシアを再びサミットに参加させ、G8の枠組みに戻すべきだと主張したのだ。

トランプ氏はその理由について「好き嫌いは別にして、我々は世界を統治していかなければならない」と指摘。ロシアも交渉プロセスの参加者として、「テーブルに着いてもらう必要がある」などと語った。

ウクライナ危機やシリア和平など世界の懸案を話し合うには、一定の国際的な影響力を持つロシアの参加が欠かせないというのがトランプ氏の認識だ。もっとも、他の参加国が貿易問題をめぐって米国批判ばかりを続ける状況に嫌気がさし、ロシア・カードを唐突に持ち出すことで、首脳会議のテーマが貿易問題に偏らないよう事前にかく乱したとのうがった見方もある。

いずれにせよ、先進国クラブへのロシアの再加入案に対し、他の参加国の間からさっそく反論の声があがった。とくにドイツのメルケル首相は「ロシアがG8に復帰する条件はまだ整っていない」と反発。「ウクライナ問題で明確な進展がない限り、ロシアがG7の枠組みに復帰することは決してあり得ないという認識で我々は合意しているはずだ」と述べ、トランプ提案を不用意な発言とみなして批判した。

G7首脳がロシアをG8の枠組みから排除したのは2014年春のことだ。ロシアによるウクライナ領クリミア半島の併合を受け、ロシアの行動が戦後の国際秩序を大きく揺るがしたとみなし、直ちに「対ロ制裁」措置の一環として打ち出した。つまり、クリミアの返還がG8復帰の前提条件となるわけだ。

ただし現実的にみれば、ロシアが「歴史的に自国の領土」と主張するクリミアをウクライナに返還する可能性はほぼゼロだ。こうした事情から米欧諸国もクリミア問題は事実上棚上げし、ウクライナ東部の政府軍とロシア系武装勢力による紛争の収拾と和平プロセスを規定した「ミンスク合意」の履行を対ロ制裁解除の実質的な条件に掲げている。

今回のメルケル首相の発言も、ロシアがミンスク合意を完全に履行しない限り、対ロ経済制裁の解除はもちろん、ロシアのG8への復帰もあり得ないとの認識を暗に示したとみられる。

ロシアはクリミアを諦めてまでG8に復帰することはない

とはいえ、G7首脳の中でもロシアに対する認識は一枚岩ではない。今回、ロシアのG8復帰を提案した当のトランプ大統領はもともと、ロシアとの関係改善に前向きだ。

欧州でも大きな認識の違いがあり、イタリアの新首相に就任したばかりのコンテ首相は「私はトランプ大統領の提案に賛成だ。ロシアのG8復帰はすべての国々の利益に合致する」と賛同した。また、北方領土問題の解決をめざしてロシアとの関係強化を進める日本の安倍晋三首相も、ロシアのG8復帰案に関して明確な賛否の意思表示をしていない。

ロシアの復帰を認めるかどうかはG7の全参加国の同意が必要とされ、現実には近い将来、G7がG8体制に戻る可能性はほとんどない。しかし、今回のトランプ提案を発端にしたごたごたは、貿易問題をめぐる対立と同様にG7の亀裂を露呈するとともに、図らずも国際社会におけるロシアの存在感を際立たせる事例となったようだ。

では、肝心のロシアの反応はどうだったのか。

「我々がG8から離脱したわけではない。(西側の)同僚たちが当時、有名な理由によってロシアに来ることを拒んだのだ。どうぞ、モスクワで再びすべての皆さんとお会いできるのであれば喜ばしいことだ」

プーチン大統領は6月10日、中国の青島で開いた上海協力機構の首脳会談後に、記者団の質問にこう答えている。「有名な理由」とはクリミア併合のこと。大統領の発言は最大限の皮肉と受け止めるべきだろう。

実際、G7首脳がG8からロシアを排除すると決めた14年は、ロシアがG8の議長国だった。同年6月にソチで首脳会議を予定していたが、G7首脳はクリミア併合を受けて、同年3月末にオランダのハーグで緊急首脳会議を開催。ソチ会議への不参加を決めるとともに、「ロシアが方針を転換」するまでロシアの参加を停止するとした。

これに対してラブロフ外相は当時、「G8は誰かを追放することはできない」と批判するとともに、「ロシアはG8には固執しない」と表明していた。クリミアを捨ててまで、G8復帰を求めることは決してないという意思表示だった。

ラブロフ外相はG8復活を求めた今回のトランプ発言についても、「西側のパートナーたちがG8に参加せず、G7の枠組みに戻る決断を下したとき、我々も彼らの決定を受け入れた。我々は上海協力機構やBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの新興5カ国の協議体)、そして、G20(主要20カ国・地域)という他の枠組みですばらしい活動をしている」と指摘した。

ロシアの「友人」と「敵」 親しい、友人の国

非友好的、敵国

出所=レバダ・センター

とくにG20は「より可能性のある枠組みだ」と述べ、ロシアとして今後も重視していく姿勢を示している。ペスコフ大統領報道官も「ロシアにとってG8の枠組みは年々、現実性を失いつつある。なぜなら政治・経済環境が変わるなかで、ロシアが積極的に参加しているG20のような枠組みのほうが、より意義深く現実性を増しているからだ」と言明。いくら先進国クラブだといっても、ロシアにとっては、いまさらG8に復帰する魅力や動機がほとんどないことを強調した。

ロシアの「友人」と「敵」はどの国か――。ロシア民間世論調査会社のレバダ・センターが、それぞれ5カ国を列挙してもらう形で今年5月後半に実施した調査によれば、ロシアとって「親しく」「友人」といえる国々の上位には中国やインドが入り、逆に「非友好的」で「敵」とみなす国々の上位には米国や英国、ドイツなどが挙げられた。こうした国民意識も、プーチン政権が米欧中心のG8より、中印などが加わるG20を重視する背景にあるようだ。

米欧の「上から目線」に反発

ロシアにとってはもう一つ、G8化をめぐる過去の経緯も、G8に対するマイナスのイメージを増幅している側面がある。

G7とロシア(ソ連)の関わりは東西冷戦終結後の1991年7月、G7首脳がロンドン・サミットにソ連のゴルバチョフ大統領を招き、G7首脳会議後に「G7プラス1」の特別会合を開いたのが始まりだ。ソ連崩壊後もロシアのエリツィン大統領(96年はチェルノムイルジン首相)が特別ゲストとして、G7会合に毎年参加するようになった。

ロシアが初めてメンバーとなり、「G8」の枠組みとなったのは97年の米デンバー・サミットからだ。さらに翌98年の英バーミンガム・サミットからは、ロシアが経済を含めたすべての会合に出席するようになり、完全な一員となった。

こうしたG8化の流れはいわば、ソ連崩壊後のロシアに民主主義や市場経済を植え付け、西側陣営に取り込もうとする米欧の上から目線の試みだった。それだけでもロシアには屈辱的な面はあったが、加えて米国にはもう一つの思惑があった。それが顕在化したのは、米デンバー・サミットの3カ月前、97年3月にヘルシンキで開かれたクリントン米大統領とエリツィン・ロシア大統領による米ロ首脳会談だった。

会談でクリントン大統領は、ロシアにG8の地位と、世界貿易機関(WTO)への早期加盟支援を約束した。ただし、その見返りとして、エリツィン大統領に認めさせたことがある。ポーランド、ハンガリー、チェコの東欧3カ国の北大西洋条約機構(NATO)への加盟容認だった。

3カ国は結果的に99年にNATO加盟を果たし、NATOの東方拡大のさきがけとなった。拡大の動きはさらに、かのヘルシンキ首脳会談でエリツィン大統領が「レッドライン」と警告した旧ソ連圏にまで及び、2004年にはバルト3国(エストニア、ラトビア、リトアニア)がNATOに加盟してしまった。

プーチン大統領はかねて、NATOの東方拡大を「米国による裏切り」などとして激しく非難してきた。ロシアに対するG8の地位はまさに、NATO拡大プロセスにおける取引の一環として付与された歴史的経緯があるわけだ。

そうした背景を踏まえると、プーチン氏がもともと、G8に対して好ましい印象を持っていなかったと見ることもできる。対外的なメンツを除いた本音の部分でも、ロシアがG8復帰を望んでいるとは言い難い。

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『米朝会談で崩壊した韓国の親米保守 演習中止は在韓米軍撤収、同盟廃棄を呼ぶ』(6/26日経ビジネスオンライン 鈴置高史)について

6/25鍛冶俊樹の軍事ジャーナル<北朝鮮はレジャーランドに。>トランプは金に「日本から金を引き出したいなら、拉致問題を解決しない限り出ない」と伝えたとの話もあります。左翼メデイアは故意に捻じ曲げた報道しかしませんが、安倍首相は北に金を出すのはCVIDが実行に移されたときのその費用と拉致被害者の帰国が実現されたときにです。鍛冶氏の言う金の秘密口座をCIAが押えているとすれば、金は中国より米国の言うことを聞くでしょう。

http://melma.com/backnumber_190875_6700871/

6/25看中国<王沪宁与金正恩有特殊关系 成最神秘常委(组图)=王滬寧と金正恩は特殊な関係にある 王は最も秘密の多い常務委メンバーになる>王滬寧は金正恩の3回の訪中に全部参加し、且つ3度目の訪中では空港での出迎えや見送りもした。また北京の諸施設も案内したと北の「労働新聞」は伝えたが、中国メデイアは蔡奇・北京書記が案内したと報道した。王滬寧は金の一回目と二回目も駅での出迎えや見送りもし、案内もしたが、明らかに中国メデイアは王滬寧の報道は控えている。彼の業務は広がり、プーチンに友誼勲章を授ける案を出したのもそうである。この仕事も劉雲山の後任としてであるが。

昨年10月の防人と歩む会の講演で、河添恵子氏は王滬寧を「江沢民・胡錦濤・習近平と三代に亘って仕えているスピーチライターで情報機関に属し、3回も政略結婚をしている」とのことでした。彼は劉雲山の後任として北朝鮮の窓口になりました。しかし情報機関上りというのは不気味な感じです。金正恩はポンペオと王滬寧の情報機関のボスを手玉に取るのでしょうか?まあ、事大主義ですから強い方に靡くのでしょうけど。しかし、両方ともに思いきり利用するでしょう。

https://www.secretchina.com/news/gb/2018/06/25/862653.html

http://japanese.donga.com/List/3/03/27/1111700/1

6/25GMA NEWS ONLINE<Taiwan’s Tsai urges world to stand up to China>蔡・台湾総統は「米朝首脳会談で、立場や体制、価値観の違いがある二人なのに、互いに敬意を払い、座って対話できた。お互い反目し合う国々にとって勇気づけられる話であると。中国大陸と台湾も(一中を認めるという)条件なしで話合うことができるの意では。

http://www.gmanetwork.com/news/news/world/658123/taiwan-rsquo-s-tsai-urges-world-to-stand-up-to-china/story/?utm_source=GMANews&utm_medium=Facebook&utm_campaign=news

鈴置氏の記事は、朝鮮半島のDNAである事大主義が災いを齎す事例でしょう。先が読めない民族は滅亡するだけです。左翼に侵されている日本も笑える立場にはありませんが。李明博、朴槿恵の保守政権時代に極左の芽を摘んでおかなかった咎めです。日本もそうならない内に手を打ちませんと。少なくともスパイ防止法は必須です。表現の自由を楯に裏で中共とくっついているのを暴かないと大衆はその危険性に気付きません。韓国のようになってからでは遅いのです。

6/26産経Biz<日韓通商摩擦 激化の様相 造船に不当な補助金 WTO提訴へ>韓国も中国もやり口は同じです。流石箕子朝鮮の末裔だけあって大陸と同じズルをします。今のサッカーワールドカップでのファウル数No1の国だけあります。ズルしても勝てばよいという下劣な品性の国家ですから、仲間はずれにしませんと。日本も韓国に強気で出られるというのは米国の韓国はずしの意図を充分読み込んでのことと思われます。

https://www.sankeibiz.jp/macro/news/180626/mca1806260500002-n1.htm

記事

前回から読む)

米朝首脳会談後に会見に臨むトランプ大統領(写真:AP/アフロ)

「米国から見捨てられた」韓国の親米保守が崩壊した。

韓国も知らなかった演習中止

鈴置:韓国の保守系メディアは6月12日の米朝首脳会談を極めて悲観的に報じました。トランプ(Donald Trump)大統領が会談後の会見で米韓合同軍事演習の中断と在韓米軍の撤収に言及したからです。

いずれも米韓同盟の弱体化につながります(「から騒ぎに終わった米朝首脳会談」参照)。大統領は在韓米軍撤収については「将来の話」として言及しましたが、演習中断は直ちに現実のものとなりました(「米朝首脳会談後の動き」参照)。

朝鮮日報は「合同演習中断、駐韓米軍撤収に言及したトランプ…安保ショック広がる」(6月12日、韓国語版)との見出しで速報しました。

韓国政府も演習中止は事前に知らされていませんでした。聯合ニュースは「トランプ氏の韓米軍事演習中止発言が波紋 韓国国防部『当惑』」(6月12日、日本語版)との見出しで伝えました。

米韓同盟が機能不全に

保守系紙は一斉に社説で米朝首脳会談の結果に不安を表明しました。それは2段構えでした。会談直後には「この米朝合意では北朝鮮の非核化は実現しない」と懸念しました。これは日本のメディアも同じです。

韓国の保守メディアはさらに「米韓同盟が機能不全に陥る」と訴えたのです。危機感は保守系大手3紙の社説に共通しました。

・連合訓練(合同演習)の中断は結局、在韓米軍の縮小または撤収につながるという懸念も出てくる=中央日報「米朝首脳会談後に不安定になった韓半島の安全保障」(6月14日、日本語版)

・合同演習をしなければ同盟は弱体化するほかはない=朝鮮日報「北朝鮮の核廃棄は不透明というのに韓米同盟だけが弱体化する」(6月15日、韓国語版)

・合同軍事演習は、有事の際の米軍増援戦力の展開が核心なのに、その演習が中止されれば、対応力の顕著な弱体化として現れるほかなく、在韓米軍撤退論につながりかねない=東亜日報「北朝鮮の非核化に進展がないのに『贈り物』で韓米軍事演習を中止するのは悪い前例となる」(6月16日、日本語版)

3カ月間は全て中止

—「合同演習をやめれば米軍は撤収する」のですか?

鈴置:民間企業は実戦の毎日。だから演習の重要性にピンとこない人が多い。しかし毎日、実戦するわけではない軍には演習が必須です。ことに米韓という異なる国の軍が共同作戦に備える場合は、合同演習が欠かせません。

逆に言えば米軍は、合同演習もしない韓国軍と肩を並べて戦いたくはない。準備なしでの戦争は多大の損害をもたらすからです。

—でも、米韓合同軍事演習は中断が決まりました。

鈴置:米国防総省と韓国国防部は6月19日(韓国時間)、合同演習の1つで8月実施予定だった「乙支(ウルチ)フリーダム・ガーディアン」の中止を発表しました。

聯合ニュースの「韓米 8月の合同軍事演習中止を決定=28年ぶり」(6月19日、日本語版)で詳細を読めます。

米韓が合同演習を中断するのは、米朝枠組み合意を受け中断した1994年以来、24年ぶりです。なお、米韓は毎年春に「キー・リゾルブ」と「フォール・イーグル」という合同演習も実施してきました。これらを中止するかはまだ、決めていません。

6月22日には米国防総省は今後3カ月間の米韓合同軍事演習をすべて中止すると発表しました。すでに発表済みの「乙支フリーダム・ガーディアン」に加え、米韓の海兵隊による比較的小規模の訓練までも取り止めたのです。

  • 米朝首脳会談後の動き(2018年6月)
12日 シンガポールで史上初の米朝首脳会談
トランプ「ミサイルエンジン試験場の閉鎖を依頼した」(結果不明)
トランプ「来週、(非核化の)詳細を(北朝鮮と)詰める」(未実現)
トランプ「米韓合同演習を中止する」
13日 自由韓国党、統一地方選で大敗
15日 トランプ「6月17日に金正恩と電話協議」(実現せず)
19日 金正恩訪中、19、20の両日に中朝首脳会談
米韓「乙支フリーダム・ガーディアン」の中止を発表
20日 トランプ「北朝鮮が米兵遺骨200体を返還した」(確報なし)
21日 文在寅訪ロ、翌22日に韓ロ首脳会談
22日 米国防総省、米韓海兵隊の合同演習の中止を発表

海兵隊大佐の「活!」

—どんどん中止されていきますね。

鈴置:韓国軍単独の軍事演習も中止される可能性があります。朝鮮日報が社説「国軍単独の演習まで延期、度を超していないか」(6月21日、韓国語版)で批判しました。

・韓米合同軍事演習に続き、来週予定されていた韓国軍単独の指揮所演習である「太極演習」も延期されたという。
・北朝鮮が問題にしたこともない我が国軍の単独演習まで延期するというのは度を超えている。北の顔色を見ていると言うしかない。

鈴置:韓国の安保体制は総崩れ――と保守は絶望的な心境に陥っています。米軍もそれを心配しているようです。米海兵隊のニューシャム(Grant Newsham)退役大佐が「Sometimes You Gotta Wait」を書きました。アジア安保の専門家です。

見出しの「待たねばならぬ時もある」が示す通り、韓国や日本などの同盟国に対し「おろおろするな」と活を入れたのです。

北朝鮮が時間を稼ぎ、結局は核を放棄しないのではないかとの懸念に対しては「ボールは金正恩(キム・ジョンウン)と中国の側にある。北朝鮮が協力しないなら制裁を強めればいいのだ」と説きました。

・the ball is now in Kim’s (and the PRC’s) court. If North Korea doesn’t cooperate, we just might see the plug pulled on China’s ZTE telecom company to whom Mr. Trump recently granted a reprieve, followed by serious sanctions on the Peoples Bank of China (for starters). And North Korea might also learn what ‘maximum pressure’ really is.

米韓合同軍事演習の中止に関しても「北朝鮮が非核化にちゃんと取り組まなければ、再開するだけのこと」と書きました。

・And in any event, exercises can be easily ‘restarted’ if North Korea does not produce. Mr. Trump has certainly shown the ability to turn on a dime when necessary.

カネを節約できる

—ニューシャム大佐の「活!」は効いたでしょうか。

鈴置:日本にはともかく、韓国には効きそうにありません。確かに演習は再開できます。トランプ大統領に対し好意的に見れば、再開をテコに北朝鮮を威嚇しているとも言えます。中国に対しても経済的なムチがあります。

しかし韓国の保守派はトランプ大統領が「演習はカネがかかるからやりたくない」と述べたことにショックを受けたのです。米朝首脳会談後の会見をご覧下さい。

・We will be stopping the war games, which will save us a tremendous amount of money, unless and until we see the future negotiation is not going along like it should. But we’ll be saving a tremendous amount of money. Plus, I think it’s very provocative.
・ The amount of money that we spend on that is incredible. And South Korea contributes, but not 100 percent, which is certainly a subject that we have to talk to them about also.

大統領は繰り返し「大金がかかる」「そのカネを節約できる」と語ったのです。誰もが「節約のために演習をやめるというのなら、北朝鮮が核を本気で廃棄しなくとも演習は再開しないな」と考えます。

合同軍事演習を「war games(戦争ごっこ)」「provocative(挑発的)」と呼んだことも韓国の保守派の不安をかき立てました。これは北朝鮮が合同演習をやめさせようと非難する際に使ってきた言葉だからです。

トランプ大統領は北朝鮮の側に立った、と彼らは見なしました。「挑発的」との表現には、ニューシャム大佐も「私ならそういう言葉使いをしなかった」と苦言を呈しています。

・And while I’m not the ‘man in the ring,’ I’d not have described US-ROK military exercises as ‘provocative’.

同盟解体が信念

—「カネがかかる」に韓国の保守系紙は反応しましたか?

鈴置:もちろんです。例えば先ほど引用した朝鮮日報の社説「国軍単独の演習まで延期、度を超していないか」(6月21日、韓国語版)も、そこを突いています。

・全てのことをカネで計算するトランプ大統領なら、我々の安保に災いとなる決定も容易に下すだろう。彼は在韓米軍の撤収も思うままに公言している。

韓国の保守は、このままでは「合同演習中止→在韓米軍撤収→米韓同盟廃棄」という流れになると恐れ始めたのです。

保守運動の指導者、趙甲済(チョ・カプチェ)氏は「韓米同盟の終わりが始まった」(6月13日、韓国語)を書きました。要旨は以下です。

・北朝鮮の完全な非核化が達成できるか不透明なのに、合同演習が中止される。文在寅(ムン・ジェイン)政権は米国から知らされていなかったのに、それを歓迎した。
・文在寅政権が韓米同盟の解体に同意する可能性もある。この政権の中枢は反米親北の人々が占める。彼らの学生運動時代の理念は韓米同盟解体であった。それが変わったという証拠はない。

「北と対話」と言い出した保守

—保守政党も米朝首脳会談に危機感を表明したのでしょうね。

鈴置:驚いたことに、そうはなりませんでした。それどころか逆になったのです。

野党第1党で保守の自由韓国党は、北朝鮮と文在寅政権が進める対話を「偽装平和ショー」と厳しく批判してきました(「『民族の祭典』に酔いしれた韓国人」参照)。

ところがその自由韓国党が突然、路線を変えました。「北朝鮮との対話は必要不可欠だ」と表明し「金正恩(キム・ジョンウン)委員長にだまされたとしても仕方ない」とさえ言い出したのです。

米朝首脳会談の翌6月13日に実施された統一地方選挙で大敗したからです。17の広域自治体の知事・市長選挙のうち14地域で左派の与党「共に民主党」が当選。自由韓国党は2地域で勝ったに過ぎませんでした。

同時に実施された国会議員の補欠選挙でも12議席のうち11議席を「共に民主党」にとられました。この結果、国会では左派系議員が過半数を超えました。

自由韓国党の代表は大敗を受けて辞任。代表代行に就任した金聖泰(キム・ソンテ)院内代表をMBCがインタビューしました。ここでも路線変更をはっきり表明しています。

自由韓国党金聖泰院内代表インタビュー」(6月15日、韓国語、動画付)から、非核化に関連する発言を拾います。

騙されても仕方ない

・時代の変化とトレンドをしっかりと読まない、守旧的で冷戦的な(我が)党の姿は、今回の選挙で国民の決定的な判断材料となったようだ。

・南北関係の改善は必ず行われなければならない。また朝鮮半島の真の核のない平和のためには、無条件の制裁と圧迫では核問題の解決は容易ではない。

・対話と妥協により、特に韓米間の協調により、国際社会が北朝鮮を自由民主主義陣営に引っ張り出したこと自体がまさしく変化だ。この変化を私たち自身も受け入れ、積極的に下支えする必要があると見ている。

・4月27日の南北首脳会談と6月12日の米朝首脳会談を通じ、国際社会に第一歩を踏み出した金正恩委員長の姿勢と態度に再びだまされるとしても、いったんは私たちが変わらなければならないと考えるようになった。

保守の大敗には3つの原因があります。まず、就任以来、一貫して70%前後の高い支持率を誇る文在寅政権に圧倒されたこと。次に、朴槿恵(パク・クネ)大統領の弾劾の際に分裂したままだったこと。3つ目が「南北の和解ムード」に抗せなくなったことです。

日本や米国と同様に、韓国にも「北朝鮮が本当に核を捨てるのか」と疑う空気はあります。でも韓国には「表面的にでも北朝鮮が軟化すれば戦争の危険性が減る」との思いが根強い。「北朝鮮との和解」を印象付けた米朝首脳会談が、そんな希望的観測を盛り上げました。

「平和が来る」と韓国人が願う――思いこもうとしている時に「偽装平和ショー」などと冷や水をかければ「不吉なことを言うな」と忌み嫌われてしまう。

米国に見捨てられた

—しかし、「米朝」も「南北」も和解はムードに過ぎないのでは?

鈴置:韓国では「ムード」が物事を決めます。「ファクト」ではないのです。金聖泰院内代表が言う「時代の変化とトレンド」とはまさに「ムード」を指します。それを読めなかったから負けたのだ、と保守党は反省したのです。

結局、ムードに乗り遅れるな。非核化は二の次だ、ということになってしまうのです。金聖泰院内代表も保守系紙と同様に「北朝鮮に非核化の意志などない」と依然、考えているでしょう。

でも「和解ムード」が蔓延した以上は「金正恩委員長の姿勢と態度に再びだまされるとしても、私たちが変わらなければならない」と言わざるを得ないのです。

—でも、この和解ムードが本物かは分からない。

鈴置:その通りです。ただ、米朝関係がよくなろうと悪くなろうと、韓国が米国に見捨てられたことに変わりはありません。米国は非核化のために米韓同盟まで取引材料に差し出したのです。ここに注目すべきです。

米国を後ろ盾にしていた韓国の保守は、急速に力を失って行く可能性が高い。韓国人にとって、米国を引き込む力のない親米派は無用の長物です。中国や北朝鮮との関係を悪化させる危険な存在とも映ります。親米保守の生き残る空間はなくなるのです。

生煮えで終わった「米朝」

—「非核化」はどうなるのでしょうか。

鈴置:現段階では何とも言えません。米朝首脳会談は「生煮え」で終わりました(「から騒ぎに終わった米朝首脳会談」参照)。

非核化に向けた確かな合意は一切、なされていません。ニューシャム大佐が言うように即断すべきではないでしょう。

—北朝鮮が具体的な行動を起こさないまま、ずるずると時間だけがたつのでは?

鈴置:その可能性もあります。反対に、北朝鮮が時間稼ぎすれば面子を潰されたトランプ大統領が怒り出して軍事的解決に走る、との見方も浮上しています。

米政界を深読みすることで定評のある、朝鮮日報の姜仁仙(カン・インソン)ワシントン支局長がそうした方向で書き始めました。「北朝鮮が早く動かないとトランプが心を変えるかも」(6月22日、韓国語)です。

・韓米合同軍事演習の一時中断というプレゼントを貰った北朝鮮が、非核化のためにいつ、何をするのかにワシントンの専門家の視線が集中している。

・北朝鮮が今、いじくるカードは米兵の遺骨返還とミサイルのエンジンテスト場の廃棄ぐらいだ。非核化の本質とは関係ないものだ。首脳会談の後に続くはずの協議の開催も固まっていない。

・首脳会談後、北朝鮮の反応が芳しくないため、ワシントンの忍耐心が徐々に限界に達し始めた。

・ある北朝鮮専門家は「トランプは自身の名誉と自尊心を傷つけられたと考えたら、急激に方向を変える。先の首脳会談取り消しの時のように、予想外の反応を見せるかもしれない」と語った。

  • 非核化の約束を5度も破った北朝鮮
▼1度目=韓国との約束▼
・1991年12月31日 南北非核化共同宣言に合意。南北朝鮮は核兵器の製造・保有・使用の禁止,核燃料再処理施設・ウラン濃縮施設の非保有、非核化を検証するための相互査察を約束
→・1993年3月12日 北朝鮮、核不拡散条約(NPT)からの脱退を宣言
▼2度目=米国との約束▼
・1994年10月21日 米朝枠組み合意。北朝鮮は原子炉の稼働と新設を中断し、NPTに残留すると約束。見返りは年間50万トンの重油供給と、軽水炉型原子炉2基の供与
→・2002年10月4日 ウラニウム濃縮疑惑を追及した米国に対し、北朝鮮は「我々には核開発の資格がある」と発言
→・2003年1月10日 NPTからの脱退を再度宣言
▼3度目=6カ国協議での約束▼
・2005年9月19日 6カ国協議が初の共同声明。北朝鮮は非核化、NPTと国際原子力機関(IAEA)の保証措置への早期復帰を約束。見返りは米国が朝鮮半島に核を持たず、北朝鮮を攻撃しないとの確認
→・2006年10月9日 北朝鮮、1回目の核実験実施
▼4度目=6カ国協議での約束▼
・2007年2月13日 6カ国協議、共同声明採択。北朝鮮は60日以内に核施設の停止・封印を実施しIAEAの査察を受け入れたうえ、施設を無力化すると約束。見返りは重油の供給や、米国や日本の国交正常化協議開始
・2008年6月26日 米国、北朝鮮のテロ支援国家の指定解除を決定
・2008年6月27日 北朝鮮、寧辺の原子炉の冷却塔を爆破
→・2009年4月14日 北朝鮮、核兵器開発の再開と6カ国協議からの離脱を宣言
→・2009年5月25日 北朝鮮、2回目の核実験
▼5度目=米国との約束▼
・2012年2月29日 米朝が核凍結で合意。北朝鮮は核とICBMの実験、ウラン濃縮の一時停止、IAEAの査察受け入れを約束。見返りは米国による食糧援助
→・2012年4月13日 北朝鮮、人工衛星打ち上げと称し長距離弾道弾を試射
→・2013年2月12日 北朝鮮、3回目の核実験

北の核か、中国の核か

6月20日、文在寅大統領が「北朝鮮は非核化の具体策を打ち出せ」と語ったのも「トランプの予想外の反応」への懸念を高めたからと思われます。

この発言はロシアのメディアのインタビューで語ったもので、聯合ニュースの「文大統領『北は非核化の具体策、米は相応の措置提示を』」(6月20日、日本語版)で読めます。

トランプ大統領も金正恩委員長も予想外の動きをしますから、非核化の行方を予測するのは簡単ではありません。

ただ、1つだけはっきりしたことがあります。米朝対話の過程で、韓国人が米国との同盟に信を置かなくなったことです。米国や日本ではきちんと報じられていませんが、大きな変化です。

北朝鮮の核を頼りとするか、中国の核の傘下に入るか、独自の核を持つのか――。これから韓国が大きく揺れ始めます。

(次回に続く)

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『中国・市政府の給与遅配で露呈した財政収支悪化 資金不足は財政移転に頼るしかない現実』(6/22日経ビジネスオンライン 北村豊)について

6/23The Diplomat<Mattis to Visit China, Japan, and South Korea With South China Sea, North Korea in Mind The trip will be Mattis’ first to China as U.S. secretary of defense.=マテイスは南シナ海、北朝鮮問題で、中国・日本・韓国を訪問 国防長官としての訪中はマテイスが初>“On Taiwan, Mattis had underlined that the Trump administration “oppose[s] all unilateral efforts to alter the status quo, and will continue to insist any resolution of differences accord with the will of the people on both sides of the Taiwan Strait.””台湾に関して、マテイスは「トランプ政権は現状を変える一方的な如何なる試みにも反対し、台湾海峡両岸の国民の意思に沿った紛争解決を主張して来た」と強調した。

マテイス長官には踏ん張ってほしい。中国の侵略行為をひとたび許せば、世界は共産主義化されてしまうでしょう。人類にとって不幸です。何せ、自由もなければ、選挙で国民代表も選ばれない仕組みです。法治は民主主義で選ばれた代表が制定する所に、その正統性が認められます。

https://thediplomat.com/2018/06/mattis-to-visit-china-japan-and-south-korea-with-south-china-sea-north-korea-in-mind/

宮崎正弘・福島香織著『世界の中国化をくい止めろ』の中に欺瞞だらけの「中国崩壊論」批判

福島:最近はいわゆる「中国崩壊論」に対し、崩壊しないじゃないかとの批判がかまびすしい。たとえば、「中国崩壊本の崩壊カウントダウン」(「ニユーズウィーク」ニ〇一七年十月二十七日)という記事がその典型ですが、中国経済は一〇年以上崩壊せず「崩壊詐欺」と批判しています。私自身の立場はこのまま習近平の独裁が強まれば共産党が崩壊すると言っているのであって、中国人がいなくなるような中国崩壊は「日本崩壊」同様起こりえないと思っています。タイトルだけを見て、一ロに「崩壊本」とくくるのではなく、その本が何を論じているのか、共産党がなくなるのか、中国経済が崩壊するのか、はたまた中国という国家が分裂するというのか、を読んだうえで批判してほしいですね。

宮崎:まぁ石平氏もニユーズウィークのインタビユーで答えていましたが、タイトルはだいたい出版社が決めることが多いですから。編集者も崩壊本のタイトルはインフレ状態で考えるのが大変だと、皆、頭を抱えていますよ(笑)。

それはさておき、「中国の経済成長がまだ続いている」、「その証拠に鉄鋼生産は伸び、不動産価格が上がっている」などと中国当局のフェイク数字を検証もしないで、報道している日本のメディアや経済評論家こそ、問題です。彼らは中国の代理人なのではないか。

パンダ・ハガー(親中派)の代表選手であるディビッド・シャンボー教授でさえ、新作『中国の未来』(本邦未訳)で崩壊論に転じています。シャンボーはキッシンジャーやエズラ•ヴォーゲルの仲間であり、中国政府にも厚遇されてきた人物です。彼の新作に目新しい分析はありませんが、典型的な親中派学者が転向したという事実はもっと注目すべきでしょう。

「中国経済が崩壊すると予言してきた人は、現在の中国経済の成長ぶりに対して反論できない、だろう」などとへンテコな意見をよく耳にしますが、ニ〇一三年から明らかに崩壊している中国経済の実態を直視しないどころか、隠蔽してさえいる。彼らは鬼の首をとったように崩壊論を批判しますが、それなら、われわれのように具体的な事例や数字の根拠を示したうえで、絶対崩壊しないという本を書けばいい。売れますよ、習近平が大量に買ってくれる(笑)。」(P.95~96)

外貨準備のカラクリ

宮崎:中国の外貨規制は、消費を冷やし、景気後退につながりますが、中央銀行は外貨流出を極度に恐れている。外貨流出は同時に人民元の大下落をもたらすからです。

海外送金は審査が厳格化され、さらには企業の外貨借入の前倒|し返済を禁止し、香港などで取引される海外運用の保険商品購入も規制された。過熱したビットコイン取引も全面的に排除し、と中国は外貨流出を防ぐために、ありとあらゆる手だてを講じている。

これは拙著(『連鎖地獄』ビジネス社)でも書いたことですが、私は中国自慢の世界一の外貨準備高が事実上マイナスなのではないかと、にらんでいます。そうでなければ、公表では三兆ドルもあるのに、これほどまで躍起になる必要はないはずです。

そのカラクリをわかりやすく図式で示します

ニ〇一八年一月末の中国の外貨準備は三兆一千ドル(A)

対外資産は一兆五千億ドル(B)

保有米国債は一兆一千億ドル(C)

ところが対外債務は四兆六千億ドル(D)

それゆえ簡単な計算式では「A + B + C」―D=一兆ドル強となる。だがCの米国債保有はAの外貨準備高に算入されている。したがってどう計算しても、外貨準備はマイナスになるのです。

そのうえ、CIA筋によれば、不正海外送金が四兆ドル余。あまつさえ外貨準備の中身は外国企業の資産である。たとえば中国に進出した外国企業は利益を送金できない状態が続いている。外国銀行からの借り入れが、そのまま外貨準備高に計上されています。

じっさい、不思議なことに、香港の関係者によるとニ〇一七年九月に中国が国債をニ〇億ドル(約ニニ〇〇億円)相当の起債をすると言い出したんですが、ドル建てなんです。米ドル建て国債の発行は一〇年超ぶりで、しかも過去最大規模。これ、おかしいでしょ。 SDR入りで人民元は「ハード・力レンシー」と認められているのに、なぜ中国が自らドル建てにする必要があるのか。もっとも人民元建ての中国国債を買うのは日本です。それを指導するの、が外務省と財務省。日本の大手銀行幹部はこの両省の天下りが多い。つくづく日本って、官僚主義の無責任体制だなあ。

福島:大量に刷った人民元で^調達したドル、すなわち自分たちのものではないドルを外貨準備に組み込んでいる実態を、じつは人民元がハード・カレンシーではないということを中国は理解している証左でしょう。

習近平は一五年の人民元暴落の恐怖を身をもって体験したわけですから。おそらく人民元の自由化の方向には習近平政権ではいかないでしょう。」(P.109~111)

6/24阿波羅新聞網<大陆银行取款5000美元 传将被“刨根问底”=中国国内の銀行は5000$だけ引き出せる 伝えられるところでは根掘り葉掘り聞かれると>最近、大陸ネットで「无錫市のある銀行は《外貨引出業務の公告》を公表した。引出条件は以前と比べて一層厳しくなった」と。

1、一回の引出額が5000ドル以上のお客様は一週間前に予約をして、パスポート、ビザ、航空券等旅行を証明する材料を後で提出する。

2、今年度累計で引出額が2万ドルに達していれば、今回と以前の分すべての用途を証明する必要がある。

今年度累計で預金額が2万ドルに達していれば、その来源を証明する必要がある。

3、他人の外貨引出の代行をする場合、直系親族のみが許され、身分を証明する材料を提供する。

公告期日:2018年6月21日 公告中の“錫城”は通常无錫市を指す。

現在、大陸の四大銀行である中国銀行、農業銀行、工商銀行、建設銀行全部外貨交換ができる。ただし、中共の外貨管理局規定に基づいて、個人の$の買入額は毎年5万ドルを上限とする。本条件と以前とを比べると一層厳しくなった。

無錫だけでなく全国レベルで締め付けが行われています。当局はキャピタルフライトが起きれば、中国経済に重大な影響を与えることを心配しているとも。中国の嫌がることをするのが正解です。宮崎氏の言うように、バカ官僚の天下り先銀行を通じて、通貨スワップをして中国を助けることのないように。

http://www.aboluowang.com/2018/0624/1133642.html

北村氏の記事で、地方財政が如何に苦しくなっているのかが分かります。中国社会では金が無い方が強いのです。払わないで済まされる社会です。小生も中国駐在時、合弁会社が金欠に陥り、何カ月も工事代金が払えないときがありましたが、「ない袖は振れない」と。実際ないものはないで仕方がないのですが。銀行もそう言う状態でしたので、おいそれとは貸してくれませんでした。しかし、借金取りは粘って何カ月も工場に逗留していましたが。

耒陽市では今年から債務の元本償還が始まるとのことですが、他の都市も似たり寄ったりでしょう。民間企業であればデフォルトとなり、破産でしょうけど、地方自治体ですから、中央政府が救済すると思われます。中央政府も総ての自治体や企業は救済できないでしょう。徳政令でも出すのかしら。誰がババを引くことになるのか。日本企業は14億人の人口に幻惑されることなく、撤退した方が良いと思います。日本よりAI、ITが進んだ中国では省力化して生産性は上がっている分、人に対する分け前が減ってきているのでは。格差はますます激しくなるでしょう。中間層も仕事がなくなり、=収入が無くなることを意味します。中国は掠奪社会主義ですから富は中共幹部にだけ集まるようになります。

記事

厳しい財政状況に苦しむ地方都市も少なくない

湖南省の東南部に位置する“耒陽(らいよう)市”は“衡陽市”の管轄下にある“県級市(県レベルの市)”である。耒陽市は中国四大発明の一つである「紙」の発明者として知られる後漢の宦官“蔡倫”(63年-121年)の故郷として知られ、“紙都”とも呼ばれている。

“耒陽市人民政府”のホームページに掲載されている「耒陽市の概要」の要点をまとめると以下の通り。

【1】耒陽市の総面積は2656平方km<注1>で、常住人口は115万人である。耒陽市は2200年以上の歴史を有し、その名は改名されたことがなく、「“一帝三聖”の地」とほめたたえられている。それは、中国古代の伝説上の帝王である炎帝・神農が“耒”の地を創り、“紙聖”の蔡倫が誕生した地、“詩聖”の“杜甫”(712-770年)が死去して埋葬された地、“游聖(大旅行家)”の“徐霞客”(1586-1641年)が巡遊した地であることにちなんだものである。
<注1>東京都の面積が2191平方kmであるから、耒陽市の面積は東京都の1.2倍の広さである。

【2】耒陽市は交通の要であり、京広鉄道(北京-広州)、武広鉄道(武漢-広州)、京珠高速道路(北京-珠海)、107国道、320省道などが網の目のように市内を走っている。“耒水”、“春陵江”は四季通航可能で“湘江”に直通している。南下して広州市までは100分間、首都の北京市までは8時間、“南岳機場(南岳空港)”まではたったの40kmである。

【3】耒陽市は資源の一大宝庫である。すでに45種類の鉱物の埋蔵が確認されており、そのうち石炭の可採埋蔵量は5.6億トンで、全国の石炭生産市(県)ベスト100の一つである。発電の総電容量は140万kwで、湖南省で最大の県級エネルギー基地である。

【4】近年来、耒陽市は「まじめに実行し、全力で構造転換し、努力して全省の第一陣に復帰する」戦略目標を掲げ、積極的に経済の“新常態(ニューノーマル)”<注2>に適応し、発展の新たな機会を捉え、市経済の平穏で比較的速い発展を維持している。2017年は通年で域内総生産(GRP)452億元、前年比5.1%増を達成した。また、財政総収入は22.17億元を達成したが、そのうち税収は15.32億元で、前年比1.62億元増えて11.84%増であった。税収の財政総収入に占める比率は、2016年の50.43%から69.09%に上昇し、財政収入の質をさらに一歩高めた。
<注2>“新常態”とは、中国経済が高度成長期を終えて中高速成長期という新たな段階に入っていることを指すもので、「停滞しつつある中国経済に対しての構造改革」を意味する。

【5】社会固定資産投資総額は411.52億元で、15.2%増を達成した。産業比率は、第一次:16.1、第二次:37.6、第三次:46.3から第一次:17.04、第二次:36.03、第三次:46.93へ調整された。都市部住民と農村部住民1人当たり平均可処分所得は、それぞれ3万1858元(8.2%増)、1万8771元(7.5%増)であった。

上記【4】と【5】を見る限りでは、耒陽市は前途洋々であるように思えるが、6月1日にあるインターネットユーザーが湖南省のニュースサイト“紅網(ネット)”の“百姓呼声(庶民の声)”欄に、「6月1日になった。1カ月間ご苦労さま。但し、5月分の給与は一銭も払われていない。聞くところによれば、6月分の給与も払われないというが、一体いつになったら給与は支払われるのか。我々はどうやって暮らしていけば良いのか」と書き込んだことに端を発して事態は大きく動いたのだった。この書き込みは湖南省内で大きな話題となり、一体どこの地域で給与の支払い遅延が発生しているのかという疑問が提起された。

「庶民の声」欄に遅延の原因説明

6月5日、ハンドルネーム“lysxcb”という人物が、紅網の「庶民の声」欄に『耒陽市在職幹部・職員の5月分給与支払い遅延に関する説明』(以下「説明」)を公開して、給与支払い遅延の原因を説明した。その説明の内容は以下の通り。

6月初めまで、耒陽市の在職幹部・職員の5月分給与は未だに期日通りの支払いが実現できておらず、社会各界の高い関心を集めた。関係事項の釈明・説明は以下の通り。

(1)2012年以来、耒陽市の主要財源である石炭経済の萎縮<2017年は2012年に比べて石炭の“規費(規定手数料)”が10億元(約170億円)減少>が持続し、市の財政は年々収入不足となった。2017年における耒陽市一般公共予算の累計は22億1696万元となり、前年比4万9862万元減少し、18.36%低下した。2018年5月31日までの我が市の財政収入の累計は8億726万元で、前年比1億4637万元減少し、15.35%低下した。一方、給与や重要な民生事業などの固定性が強い支出は年々増大し、市の財政収入が支出に及ばない現象が年々深刻度を増している。

(2)目下耒陽市の金庫は手持ち資金がひどく不足しており、耒陽市党委員会、耒陽市政府は手持ち資金の状況に基づき、退職者年金を期日通に支払うことを優先した。在職幹部・職員の給与を支払うための資金は今なお比較的大きく不足しており、耒陽市党委員会、耒陽市政府および財政部門は“湖南省財政庁”へ報告を行い、湖南省財政庁から給与の支払い資金を財政移転してもらえるよう努力している。

(3)一方では、税金の徴収管理部門に入金速度を速めるよう督促し、できるだけ速く十分な資金を工面し、最短の時間内に在職幹部・職員の給与を支払えるよう努力している。給与の支払い遅延により在職幹部・職員に不便と困難をもたらしたことに対して、我々は深く遺憾の意を表すと同時に、広範な市民には当面の耒陽市財政が非常に困難な状況にあることを理解願う次第です。

ネットユーザー各位が財政の仕事に関心を持ち、支持してくれたことに感謝致します。
耒陽市財政局  2018年6月5日

上記説明の末尾に「耒陽市財政局」と署名がなされていたことから、中国の経済メディア「第一財経」の記者が耒陽市財政局に問い合わせたところ、財政局側からハンドルネーム“lysxcb”は耒陽市の”宣伝部”であり、当該説明は宣伝部からの質問に対する回答として発信されたものであることが判明した。

恐らく耒陽市宣伝部は耒陽市が財政的に困難であることを知っていたため、ネットユーザーが6月1日付で「庶民の声」欄に書き込んだ5月分給与の支払い遅延が耒陽市の状況を指すと考え、市財政局に実情を問い合わせたものと思われる。

財政収入は悪化の予想

「第一財経」のニュースサイト“第一財経網(ネット)”は6月9日付で本件に関し次のように報じた。

【1】ここ数年来、主要財源である石炭経済が低迷を続けている影響を受けて、耒陽市の財政収入は未だかつてない困難に直面している。収入は下降しているが、支出は減らない。それが今回の給与支払い遅延を引き起こした原因である。

【2】耒陽市財政局のデータによれば、2016年の一般公共予算収入は約27億元(約459億円)であったが、2017年にはこの数字が約22億元(約374億円)に下降し、前年比18%以上の大幅な低下となった。特定の具体的公共事業のために国民や法人から徴収する“政府性基金収入”も楽観できる状況ではなく、2016年の政府性基金は約7.9億元で、前年比9割近い低下となり、2017年は7.9億元を維持した。昨年(2017年)の財政収入は困難な状況にあったが、今年(2018年)は“雪上加霜(泣きっ面に蜂)”でさらに悪化することが予想される。

【3】耒陽市の財政収入は今年上半期に前年比15.35%低下したが、給与や重要な民生事業などの融通の利かない支出は年々増大し、市の財政収入が支出に追い付かない状況に陥っている。2018年の『耒陽市政府業務報告』は、固定性の高い支出が増大する速度は明らかに使用可能な財政資金が増大する速度より大きく、市政府の正常な運営、給与の期日通りの支払い、市民の健全な生活などを維持していくことは極めて困難なものとなっている。

【4】昨年耒陽市は財政で扶養する人々に対する手当の補助金を1人平均300元とする政策を実施し、公務員組織の公用車補助を開始した。基本公共衛生に対する財政補助を1人平均50元に引き上げ、都市・農村住民医療保険の1人平均補助基準を450元に引き上げた。都市・農村住民養老保険の基礎年金の最低基準を1人毎月55元から85元へ引き上げた。

【5】耒陽市財政局の職員は第一財経の記者に次のように語った。すなわち、耒陽市政府の指導幹部は今回の給与遅配を非常に問題視している。我々は税金の徴収管理を強化して収入増を確保し、この苦しい日々を耐えて難関を乗り越えなければならない。

2件の債券総額は19億元に

しかし、耒陽市政府の『2018年予算報告』が示している所では、2018年に予定されている支出は、“耒陽市地方政府債券”の元金返済に9213万元、同地方政府債券の利息支払いに6025万元、世界銀行借款の元利払いに300万元であり、その合計は1億5538万元(約26.4億円)となる。

ただし、この数字には耒陽市政府が資金調達のために設立した融資プラットフォームや国有企業、さらには違法性の隠れた債務に対して支払う義務がある元金や利息が含まれていない。「苦しい日々を耐えて難関を乗り越えねばならない」と耒陽市財政局の職員は言ったが、耒陽市政府が直面している債務返済の圧力は途方もなく大きいのが実情である。

これだけではなく、耒陽市には同市が設立した「耒陽市都市・農村建設投資有限公司」が発行した償還期限前の債券が2件あり、2018年から利息を除く元金の償還が始まるが、これら2件の債券総額は19億元(約323億円)であるという。

6月9日、耒陽市財政局の職員は第一財経の記者に対し、「耒陽市政府が努力した結果、6月8日に遅延していた在職幹部・職員への5月分給与の支払いは全て完了した」と述べた。耒陽市政府が不足していた5月分給与を支払うための資金をどのように調達したのか説明はなかったようだが、「説明」にあったように湖南省財政庁から当該資金の財政移転を受けたものと思われる。

こうして耒陽市の在職幹部・職員に5月分給与が支払われたことで、6月1日にネットユーザーが「庶民の声」欄に告発した給与遅配は解決を見た。しかし、上述した債務返済圧力から考えると6月分以降の給与が期日通り支払われるという確証はどこにもない。

今から10年前の2008年9月に発生した米国発のリーマン・ショックにより世界経済は急減速を余儀なくされ、中国も輸出の不振で国内景気は低迷し、多くの地方政府は財政収支が落ち込む事態となった。これを救ったのは同年11月に中国政府が打ち出した総額4兆元(約68兆円)の大規模景気刺激策だった。

4兆元は、低価格住宅建設、鉄道・道路・飛行場などの重要インフラ建設、震災被災地の復興、農村インフラ建設、生態環境建設などに投入され、地方政府の財政収支を改善し、内需拡大に大きく寄与し、中国経済のさらなる飛躍を促進した。

それから10年後の2018年、上述した耒陽市のように財政収入の悪化で、政府職員の給与支払いにも支障を来し、債券の元利返済に苦しむ地方政府が増大している。たまたま耒陽市はネットユーザーのネットの投書蘭への書き込みにより職員給与の遅配が明るみに出たが、財政逼迫と巨額債務による苦境を隠蔽している地方政府は相当に多いものと思われる。

深刻な地方政府の財政赤字

一方、中国の金融情報サービス企業“Wind”の統計によれば、今年1月から5月7日までに、中国では19件の債券に債務不履行が発生しており、前年同期比で19%増大している。その債券規模は144億元(約2448億円)に及び、前年同期比で20%増大している。債務不履行の主体は10社を数え、その中に上場企業や大型企業が含まれていることで、業界は事態に懸念を示しているという。

世界の工場から世界の市場へと変身し、「一帯一路」政策により独自の経済圏の確立を図りつつある中国だが、華々しい外観とはうらはらに国内の経済状況は決して安泰と言うことができない状況にある。2017年9月に中国メディアが報じたところによれば、2016年の財政収支が黒字なのは、北京市、上海市、広東省、江蘇省、浙江省、福建省だけで、残る25の一級行政区(省・自治区・直轄市)は財政収支が赤字だという。

前者の財政黒字の合計が3兆元(約51兆円)であるのに対して、後者の財政赤字の合計は4.8兆元(約82兆円)で、差し引き1.8兆元(約31兆円)の赤字となっている。これら地方政府が財政赤字を解消する手段は、中央政府からの税収還付と財政移転に頼るしかないのが実情である。

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