『危機は連鎖し複合化する、日中対立、サイバー攻撃、AI分断が日本企業の経営を直撃する2026年下半期【オウルズレポート】2026年地政学・経済安全保障クリティカル・トレンド、上半期を振り返る(後編)』(7/14JBプレス 菅原 淳一)について

7/15The Gateway Pundit<JUST IN: Trump to Accuse China of Meddling in US Elections in Thursday Night’s Speech – Evidence Beijing Compromised US Voter Data – CIA Withheld Info: Report=速報:トランプ大統領、木曜夜の演説で中国による米大統領選への干渉を非難へ – 北京が米国の有権者データを侵害した証拠 – CIAが情報を隠蔽:報道>

トランプがこれを発言したら、秋の習の訪米(9/24WHで)と11/18~19深圳でAPEC開催時のトランプ訪中はどうなる?是非発言して、習の訪米時に虐めるのも一興。

CBSニュースによると、トランプ大統領は木曜日の演説で、中国が米国の選挙に干渉した役割を明らかにする予定だ。

トランプ氏は木曜日の東部時間午後9時に演説を行う予定だ。

トランプ大統領には、CIA長官のラトクリフ氏、国家情報長官代行のビル・パルテ氏、国土安全保障省長官のマークウェイン・マリン氏、FBI長官のカッシュ・パテル氏が同行する予定だ。

報道によると、大統領は、北京が米国の有権者データを侵害し、CIAがそれを知っていたにもかかわらず、自身の最初の任期中にその情報を共有しなかったことを示す証拠を公表する予定だ。

CBSニュースは次のように報じた

関係筋によると、トランプ大統領が木曜夜に行う演説の一部では、これまで報じられていなかった中国による米大統領選挙への干渉疑惑について触れられる見込みだという。

その一要素は、北京が米国の有権者データを侵害したという疑惑と、CIAがその行為を知っていたにもかかわらず、トランプ氏の最初の任期中にその情報をトランプ氏に伝​​えなかったという証拠である。

ゴールデンタイムに行われる大統領演説には、大統領閣僚らが出席すると見込まれている。招待者には、CIA長官、FBI長官、国家情報長官室長、国土安全保障省長官のほか、他の機関や職員も含まれる。ただし、スケジュールの都合で出席できない閣僚もいる。

大統領演説の内容についてコメントを求められたWHの報道官、カロライン・リービット氏は、「いつものように、匿名の情報源がトランプ大統領が木曜夜の演説で何を言うかについて憶測を巡らせています。実際には、トランプ大統領が最終的に何を言うのかはまだ誰にも分かりません。だからこそ、皆さんが視聴すべきなのです」と述べた。

MS NOWへの情報漏洩によると、WHのタスクフォースが2020年の選挙に関連する機密情報文書を公開する予定だ。

MS NOWによると、トランプ大統領は新たに機密解除された情報について発言する予定だという。

https://www.thegatewaypundit.com/2026/07/just-trump-reveal-chinas-role-meddling-us-elections/

https://x.com/TheRubberDuck79/status/2077492412822225306/video/1

https://x.com/warDaniel47/status/2077516292295405922/video/1

7/15Rasmussen Reports<Support for E-Verify Now at 70%=E-Verifyへの支持率は70%>

ほとんどの有権者は、企業が不法就労者を雇用した場合に罰則を科すことを望んでおり、雇用主に対し連邦政府の電子資格確認システム(E-Verify)の利用を義務化することへの支持が高まっている。

ラスムセン・レポートが実施した最新の全国電話・オンライン調査によると、米国の有権者の70%が、不法移民対策として、すべての雇用主に対し、米国で合法的に就労する労働者のみを雇用できるよう、連邦政府の電子資格確認システム「E-Verify」の利用を州政府に義務付けるよう求めることを支持すると回答した。このうち46%はE-Verifyの義務化を強く支持しており、反対はわずか21%だった。1月の調査では、68%がE-Verifyの義務化を支持していた。

https://www.rasmussenreports.com/public_content/politics/trump_administration_second_term/support_for_e_verify_now_at_70?utm_campaign=RR07152026DN&utm_source=criticalimpact&utm_medium=email

https://x.com/Acyn/status/2077105526501187763/video/1

7/16阿波羅新聞網<“2028年将是非常不安年份”:危机、冲突甚至战争,危害全球—北京想让台湾变成“孤岛”= 2028年は非常に不穏な年になる」:危機、紛争、さらには戦争が世界を脅かす中、中国は台湾を「孤立した島」にしようと画策している>

ドイツ紙『フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング』(FAZ)は、これまで主に台湾海峡に集中していた中国海警局のパトロール活動が、現在では台湾本島から遠く離れた台湾東方の海域にまで拡大していると指摘した。これは、中国が同海域に対する管轄権をこれにより明確に示そうとしている動きである。一方、『ビジネス・インサイダー』は、ドイツの光学機器大手ツァイスを例に挙げ、台湾市場に巨大なビジネスチャンスを見出すドイツ企業が増えていると報じています。

FAZは中国側のデータを引用し、中国海警艇が最近、台湾東方の海域を通過する100隻以上の船舶に対して接触を試み、出発地や目的地の詳細を問い質したり、時には積荷に関する情報を要求したりしていると伝えている。「台湾周辺における中国の拡張行動」と題された同記事は、国際社会の注目をあまり集めないまま、中国が台湾に圧力をかけるための新たな戦術を採用していると分析した。その戦術とは、台湾東方の海域へ海警艇を頻繁に展開させるというものである。 これを、中国が台湾に対して課す一種の『ソフトな孤立化』に向けた予行演習と見る向きもある。これは、海上封鎖や本格的な軍事行動を起こすことなく、民主主義体制の台湾を孤立させることを意図したものだ。台湾政府にとって、東側の海域は事実上の戦略的後背地であり、米国やその他の国々からの支援を受け入れるための極めて重要なルートとなっている。

ケビン・ラッドは次のように述べている。『私の見立てでは、2028年は非常に不穏な年になるだろう。台湾海峡において危機や紛争、さらには戦争が発生し、それによって世界やインド太平洋地域の安定が脅かされる可能性は着実に高まっている。現時点ではまだ発生確率が高い事象とは言えないものの、その可能性は日増しに高まっている。』

その間、中国政府は台湾海峡における現状を絶えず変更していくと予想される。事態の激化は、海上監視や無線による警告から始まり、船舶の登録や税関申告、さらには臨検(立ち入り検査)の要求へと発展する可能性がある。さらに事態が深刻化すれば、船舶の通行妨害や本格的な海上封鎖といったシナリオに至る恐れもある。

習を辞任させる動きが出て来ないか?

https://www.aboluowang.com/2026/0716/2408571.html

7/15阿波羅新聞網<(影)美军刻意炸断中伊铁路! 伊再攻击波湾多国 独不敢对“它”开轰=(動画)米軍が中国・イラン間の鉄道橋を意図的に爆破!イランは再び湾岸諸国を攻撃するも、『あの国(イスラエル)』への攻撃はあえて避ける>

イランのメディアが公開した映像をCNNが位置情報を分析したところ、当該の鉄道橋はカスピ海の東約40キロの地点にあることが判明した。橋桁の中央部には巨大な亀裂が生じ、線路は明らかにねじれ切断され、現場には破片が散乱していた。この事態を受け、イラン・イスラム共和国鉄道は、首都テヘランと北東部の都市マシュハドを結ぶ旅客列車の運行を全面的に停止し、乗客を陸上輸送に振り替えると発表した。

外部の観測筋が注目しているのは、単なる橋の損傷そのものではなく、その立地が持つ重要な戦略的価値である。アク・テペ・ハン(Ak-Tepe Khan)鉄道橋は、中国・トルクメニスタン・イランを結ぶ国際鉄道回廊沿いに位置し、このルートは2014年に正式に開通したものである。北はトルクメニスタン、カザフスタン、ロシアの鉄道網と、東は中国と接続しており、イランが近年積極的に整備を進めてきた主要な陸上貨物回廊の一つとなっている。

この鉄道は、中国の西安を起点とし、新疆ウイグル自治区の阿拉山口を経てカザフスタンとトルクメニスタンを通過し、最終的にイランのテヘラン近郊にあるアプリン内陸港に到着する、全長約1万400キロメートルの路線である。2016年に初の「義烏―テヘラン」間貨物列車が運行を開始して以来、中国とイラン間の鉄道輸送は徐々に定着し、2025年までには本格的な双方向の貨物輸送体制が確立した。これにより、同路線は中国とイランを結ぶだけでなく、中央アジアと西アジアをつなぐ重要な物流回廊としての役割を担っている。

X上でのQMAYの分析によると、ホルムズ海峡における緊張状態の継続や海上輸送の混乱を背景に、中国・イラン間の鉄道回廊は当初、海上輸送に代わる重要な陸上ルートとして期待されていた。しかし、この戦略的な「架け橋」が破壊されたことで、鉄道の運行が停止しただけでなく、イランの対外物流や地域の貨物輸送能力にもさらなる影響が及ぶ可能性がある。

中国からの兵器部品の密輸を止めるには橋も爆破しないといけない。

https://www.aboluowang.com/2026/0715/2408438.html

7/15阿波羅新聞網<(影) 川普连轰伊朗三晚!俄“末日飞机”突然现身—川普 : 今晚、明晚、后天都轰伊朗! 战局加剧 俄“末日飞机”突然来了…..=動画)トランプ、イランを3夜連続で攻撃!ロシアの「終末の日の飛行機」が突如出現――トランプ「今夜も、明日の夜も、明後日もイランを爆撃する!」紛争激化、ロシアの「終末の日の飛行機」が突如到着…>

米国とイランの対立が激化する中、双方は互いの標的への攻撃を強めており、米軍基地を擁する多くの湾岸諸国もイランによる報復の標的となっている。トランプ政権はイランの標的への攻撃を継続しつつ、湾岸地域の同盟国との連携を強化し、さらには攻撃範囲を拡大する計画も発表した。米国以外でも、インドやロシアがイラン関連の動きを見せており、中東の緊迫した情勢が再び国際世論の注目を集めている。

Twitterユーザーの「Baba Banaras」は、ホルムズ海峡でイランのイスラム革命防衛隊(IRGC)が商船を攻撃し、インド人乗組員2名が死亡、4名が負傷した事件を受け、インド当局がイランの外交官を呼び出し、直接不満を表明したと報道した。インドはまた、同様の事件が再発した場合、イランは深刻な結果に直面する可能性があると強調し、警告を発した。

米国とその湾岸同盟国からの共同の圧力に直面するイランに対し、ロシアはテヘランに支援の手を差し伸べた。ウクライナの元内務次官アントン・ゲラシチェンコは、「終末の日の飛行機(Doomsday Plane)」の名で知られるロシアのTu-214PU空中指揮機が、14日朝(現地時間)にテヘランの空港に着陸したと述べた。この航空機は、イランの戦争遂行管理を支援しているか、あるいは核戦争作戦に関連している可能性さえあると推測されている。

悪の枢軸国同士。

https://www.aboluowang.com/2026/0715/2408407.html

7/15阿波羅新聞網<中俄绝密计划外泄!联手猎杀“星链”内幕曝光=中露の極秘計画が流出!「スターリンク」を標的とする共同謀議の詳細が明らかに>

ウクライナ初かつ最古の英字新聞である『キーウ・ポスト(Kyiv Post)』が2026年7月10日に発表した詳細な調査報道によると、中共軍内部のフォーラムから流出したブリーフィング資料により、中国当局とロシアの文書によれば、このブリーフィングは、中国の大手国有防衛企業である中国航天科技集団(CASC)によって提出されたものである。主な発表者は黄輝と任傑で、2023年11月に広州で開催された「第3回中露軍事技術協力フォーラム」において発表された。

この文書は最終的に、ロシアの独立系調査報道機関『ザ・インサイダー(The Insider)』、ドイツの『シュピーゲル(Der Spiegel)』、フランスの『ル・モンド(Le Monde)』によって入手・報道された。国境を越えた共同調査の結果、中国とロシアがスターリンク衛星ネットワークを弱体化、あるいは破壊するための構想について詳細な議論を行っていた実態が明らかになった。

流出した文書は、「平和と中立」を掲げる北京の神話を打ち砕く。

Starlinkに対抗する3つの主な手段――対衛星兵器からサイバー攻撃に至るまで…。第一に、キネティック(物理的)攻撃。第二に、電磁妨害。第三に、サイバー攻撃。

外交の武器化:中国とロシアは、国際的なルールを利用してStarlinkを封じ込めようと画策している。

情報・軍事協力の深化:中露の軍事協力が西側諸国の懸念を招いている。

中ロともじり貧にしたい。

https://www.aboluowang.com/2026/0715/2408385.html

田舎書店(流霞書店・・・)は田園書店(留下書店・・・)の誤り。

高山文は高善文の誤り。

田舎書店(流霞書店・・・)は田園書店(留下書店・・・)の誤り。六霞書店と天元書店は留下書店と田園書店の誤り。

菅原氏の記事では、米国のイラン攻撃は約束違反なので妥当である。悪の枢軸国の連携を切断したい。ただ弾薬・ミサイルの確保ができているかが心配。トランプは木曜日の演説で、中共の選挙介入に触れるのか、期待して待っている。米中の小康状態は見せかけだけ。当然いろいろ裏では手を打っている。日中関係で、日本は人質を取る中共のやり方を見て、益々離れる方向に行くのでは。

サイバー攻撃は、どんな企業でもあり得ると思って対策しないと。陸自のUSBの問題もあった。中国製はマルウエアが仕込まれている可能性があるからIT製品や自動車・家電は危ない。買わない方が良い。

ソブリンAIは自国製が良いに決まっているが、最初から構築するのは時間とコストが無駄になるのでは。米国製を使用料を払って蒸留し、カスタマイズはできないのか?

ESG・DEIともグローバリストの主張だから、当然見直しされる。特にDEIは逆差別につながる恐れがあるので、公的に推奨するのは避けたい。まあ、日本では広がっていませんが。

記事

5月に実施された米中首脳会談(写真:新華社/アフロ)

目次

【前編】トランプ関税、規制の武器化、資源争奪戦、上半期に現実化した地政学リスク、より不安定で、より不確実な世界に

今年1月に公表したレポート「2026年地政学・経済安全保障クリティカル・トレンド」について、2026年上半期を振り返って検証し、下半期の展望や留意すべき点を検討する(レポートの後編)。

6.小康の米中・波乱の日中

【米中は「建設的な戦略的安定関係」構築へ】
2026年上半期の米中関係は、規制強化の応酬を繰り返しつつも、総体として小康状態が続いた。

クライマックスは5月の首脳会談であり、中国による米ボーイング機200機や米国産農産品の購入、非センシティブ品目での双方各300億ドル規模の関税引き下げ等が合意され、両首脳は、両国が「建設的な戦略的安定関係」の構築を目指すとの認識で一致した。

背景には、中間選挙を控えて物価上昇やレアアース輸出規制の悪影響を回避したい米国と、景気減速下で対米関係の安定を望む中国、双方の事情がある。

ただし、「小康」は対立の「解消」ではない。米国防総省は6月8日、「中国軍事企業」リストにアリババや比亜迪(BYD)等を追加(計188企業・組織)、中国は6月22日、MPマテリアルズなど米国企業10社を「輸出管理規制リスト」に掲載、防衛関連46社を政府調達から排除した。

もっとも、中国側の対抗措置は実害を抑えたものであり、両国は規制措置等の応酬を繰り広げながらも対立の「管理」を図っている。

【日中は中国の強硬姿勢が続く】
対照的に日中関係は、2025年11月の高市首相の「存立危機事態」発言以降の悪化を打開する糸口をつかめずにいる。

中国は1月6日、「日本の軍事力向上に寄与するあらゆる用途・需要者」向けの軍民両用品目の輸出を禁じる輸出管理の強化を開始した。また、2月24日と6月29日にそれぞれ20の日本企業・団体を「輸出管理規制リスト」に、別の20企業・団体を「注視リスト」に掲載し、対象は計80企業・団体となった。

5月には富士電機グループの日本人社員2人が「国家輸出入禁止貨物密輸罪」の疑いで拘束され、6月には逮捕された。さらに中国は、「新型軍国主義」との対日批判を繰り返し、国際社会への浸透を図っており、これに反論する日本との間での応酬もみられた。日本・フィリピン間の海洋境界画定交渉開始にも中国は強く反発している。

この状況はしばらく続くとみられ、下半期も中国による対日経済的威圧の段階的強化が継続することが想定される。

7.流動化する内政と多発する紛争

【内政の不安定化がもたらす欧州外交の不透明性】
1月に指摘した内政の流動化と紛争の多発は、おおむね想定通り、あるいは想定を上回る形で進行した。内政面で最も注目されたのが欧州である。

英国では、統一地方選での歴史的大敗を受けてスターマー首相が6月22日に辞任を表明し、バーナム氏が次期首相に就くことがほぼ確実とみられている。

辞意を表明した英スターマー首相(写真:ロイター/アフロ)

フランスでは弱体化した政権の下で不安定な政治が続き、2027年の大統領選に向けて外交にも制約が生じる可能性がある。

ドイツでは大連立の支持率が低迷する一方、極右「ドイツのための選択肢(AfD)」の支持率が3割に迫り首位を占める。

ハンガリーでは新興野党ティサ党が総選挙で地滑り的勝利を収めてオルバン長期政権が終焉した一方、ブルガリアではEU懐疑的・親ロ的とされる勢力が勝利し、対照的な結果となった。

欧州諸国の内政の不安定化は、対米・対ロ・対中政策での結束した対応を難しくする。対日政策では、日EU協力を強化する方向性がおおむね共有されている。ただし、財政等の内政上の制約が日EU協力に影響を及ぼす可能性には注意が必要だ。

【膠着が続くウクライナ情勢、安心できないイラン情勢】
紛争では、4年を経過したロシアのウクライナ侵攻に未だ終わりがみえない。1月に「火種が発火し、大火となることに注意が必要」と指摘したが、劇的な形で現実となったのが、米・イスラエルによるイラン攻撃と、それに続くホルムズ海峡封鎖によるサプライチェーンの混乱である。

原油や天然ガス、ナフサ等の供給混乱・価格上昇は、農業・食品から自動車、医療まで幅広い産業と国民生活に打撃を与え、日本でも多くの品目で品不足や値上げが生じた。

6月17日の米・イランの戦争終結に関する覚書への署名で、情勢はいったん沈静化に向かったが、足元では戦闘が再激化している。ホルムズ海峡封鎖は世界各国に経済・エネルギー安全保障上の課題を突き付けており、企業も事業戦略の見直しを迫られている。

8.増加する地政学リスクとしてのサイバー攻撃

【すでに常態化しているグレーゾーン戦略】
2026年上半期も多くの企業がサイバー攻撃の脅威にさらされ、とりわけランサムウェアによる重要情報の漏洩や事業活動の停止の被害が相次いだ。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の「情報セキュリティ10大脅威2026」でも「ランサム攻撃による被害」が第1位となっている。

同調査で第6位となったのが「地政学的リスクに起因するサイバー攻撃(情報戦を含む)」である。ウクライナを支援する欧州諸国へのロシア系組織によるサイバー攻撃や、中国による台湾への「グレーゾーン戦略」の一環としての攻撃は、すでに常態化していると報じられている。

偽情報を用いた情報戦・認知戦も数多く繰り広げられ、ハンガリーやブルガリアの総選挙へのロシアによる干渉の疑いや、2月の日本の衆院選での中国系アカウントによる世論工作が報じられた。AI生成画像やディープフェイクをSNSで拡散する手法が広く用いられている。

AIはサイバー攻撃や偽情報の拡散を容易にしており、6月には米英豪加NZの「ファイブ・アイズ」(5カ国による機密情報共有の枠組み)が、最先端AIモデルによりサイバー脅威の速度・規模・高度化が加速するとして、企業経営者に即座の対応を求める声明を発表した。

同声明は、サイバーリスクは単なる技術的問題ではなく「中核的なビジネスリスクであり、経営陣の責任」であると強調している。その背景には、「クロード・ミュトス」など悪用された場合に甚大な被害をもたらしうる高度なAIモデルの出現があるとみられる。

日本企業が標的となる事案も増えることが見込まれ、特に基幹インフラ事業者には高度な対策が求められる。

10月1日に施行されるサイバー対処能力強化法により、基幹インフラ事業者は「特定重要電子計算機」の資産届け出とサイバーインシデント等の報告義務を負う。取引先・委託先を踏み台にした攻撃も増えており、対策が不十分な企業は取引先・委託先の選定において不利となるだろう。業種や企業規模を問わずサイバーセキュリティ対策が一層重要になる。

9.ソブリンAIの追求とエコシステムの分断

【各国が再認識したAIの米国依存】
2026年上半期もAIは急速な発展を続け、それを支援する産業政策や法規制を巡る各国政府の動きも加速した。先頭を走る米国を中国が激しく追い上げる中、米国に依存することのリスクも強く認識され、各国がソブリンAIを追求し、自律性を高めようとしている。

アンソロピックによれば、米商務省は6月12日、同社が提供を開始したばかりの最上位級モデル「クロード・フェイブル(Claude Fable)5」や一部に限定提供していた「クロード・ミュトス(Claude Mythos)5」について、サイバー攻撃への悪用懸念から輸出管理上の規制対象とした。これにより、同社は両モデルの提供を全世界で停止した(6月30日に規制解除)。

この一件は、AIにおける米国依存がリスクであることを世界各国に再認識させることになった。

特に欧州ではこれをホルムズ海峡封鎖になぞらえ、「AIは国家主権そのもの」との声が上がった。欧州委員会は6月3日に欧州の自律性の向上を図る「欧州技術主権パッケージ」案を公表した。フランスがミストラルAI(Mistral AI)を軸とした欧州製AIモデルの構築を支援するなどの動きもある。

日本でも6月30日、経済産業省がソフトバンク・ソニー・NEC・ホンダを中核とする新会社ノエトラを国産AI開発の担い手に選定し、5年間で最大1兆円規模の支援を行うと報じられている。

AI覇権を競う米中間では相互排除が進んでいる。アンソロピックはアリババによる「過去最大級の蒸留」があったと批判して米政府に対中輸出規制の強化を求めた。また、不正利用と判断した中国関連主体のアカウントを停止するとともに、中国の支配下にある企業・組織へのアクセス制限を強化した。

他方、アリババは、クロード・コード(Claude Code)を「高リスクソフト」に分類し、社内利用禁止と自社ツールへの切り替えを指示したと報じられている。先端半導体では、米国が「AI拡散規則」の撤廃やエヌビディアのH200の対中輸出容認など一部緩和を進める一方、中国は国産AIチップの政府調達での優遇など米国製の締め出しを図っており、ねじれた分断が生じている。

各国の自律性追求はAIエコシステムの分断につながりかねないが、米中への過度の依存を避けたい国同士が協力を深める動きもあり、日本はフランスやインドとの協力を進めた。こうした動きは下半期に加速するだろう。

10.ESG・DEIの揺り戻しと乖離

【脱炭素を巡る相反する二つの影響】
ESG(環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance))・DEI(多様性(Diversity)、公平性(Equity)、包摂性(Inclusion))に対する反リベラルや競争力・経済安全保障重視の観点からの揺り戻しは、2026年上半期に一層強まった。

米国では2月12日、環境保護庁(EPA)が温室効果ガス規制の法的根拠となってきた「危険性認定」を撤回して自動車等の連邦温室効果ガス排出基準を廃止した。ゼルディンEPA長官はこれを「米国史上最大の規制撤廃」と称している。5月には、証券取引委員会(SEC)が2024年気候開示規則の正式撤回を提案した。

DEIでは、3月26日の大統領令が連邦請負業者に人種・民族に基づいて採用、昇進、契約、研修参加などで異なる取り扱いを行うDEI活動に従事しないことを求め、違反すれば契約停止や虚偽請求防止法上の責任追及につながり得る仕組みを導入した。

企業は、従来のDEIプログラム等が政府調達上のリスクとならないか見直しを迫られている。こうした動きには州政府や株主等の反発があり、司法の場でも争われている。

EUでは、域内企業の競争力低下に対応するため、企業サステナビリティ報告指令(CSRD)や企業サステナビリティ・デュー・ディリジェンス指令(CSDDD)等のサステナビリティ規制を簡素化する「オムニバスⅠ簡素化パッケージ」に基づく改正指令が3月に発効し、両指令の適用範囲は大幅に縮小、一部の適用開始も後ろ倒しとなった。

ただし、米国と異なり政策の基本的方向性は維持されており、炭素国境調整措置(CBAM)も簡素化しつつ1月から本格運用に入っている。

脱炭素を巡っては、ホルムズ海峡封鎖によるエネルギー危機が相反する二つの影響をもたらした。

短期的にはエネルギー安全保障とアフォーダビリティが優先されて化石燃料の供給確保の必要性が再認識され、ネットゼロ目標の見直しを正当化する動きもみられた。他方、化石燃料依存そのものが安全保障上の脆弱性であることも浮き彫りとなり、再生可能エネルギーや原子力等によるエネルギー転換の加速論も強まった。フォン・デア・ライエン欧州委員長は、欧州が原子力に背を向けたことは「戦略的誤り」だったとの認識を示した。

ステークホルダーの意見が分かれる中で企業の対応も分かれており、施策を廃止・縮小する企業、施策を継続する企業のほか、施策の名称等を見直して実質的に取り組みを続ける「リフレーミング」や、施策の実施・継続に関する対外発信を控える「ハッシング」の動きも広がっている。当面は、こうした状況が続くとみられる。

一層重要となった企業の能動的対応

2026年はまだ半分が過ぎたところであるが、これだけ多くのことが生じた。この半年間で企業の事業環境も激変したといってよいだろう。

1月に公表したレポートで示した見通しはおおむね妥当であったといってよいかと思われるが、ホルムズ海峡の封鎖によるサプライチェーンの混乱は、私たちが想定するシナリオのうち「最悪」に近いものすら現実のものとなることを示した。

これまで「経済安全保障への対応が重要だということは理解しているが、自社がコストをかけてまで対応すべきことなのか」と悩まれていた経営者に、「経済安全保障対応は経営上の喫緊の課題だ」と背中を押すきっかけになったのではないだろうか。

日本企業に求められる対応は1月のレポートで示したものと基本的な部分は大きくは変わらない。

地政学・経済安全保障の取り組みをコンプライアンス上の単なる「コスト」ではなく、企業の継続的な成長のための「投資」ととらえ、事業上の「リスク」から「機会」へ変える能動的対応であり、政府とともにルールや規制・制度、標準・規格などを作っていく姿勢である。

ただし、その際に想定されるリスクは、顕在化する可能性がより高く、影響がより大きく、事態が変化するスピードがより速くなっている。

また、この上半期に生じた事象からは、危機が連鎖し、複合化するということを強く意識させられた。

10のクリティカル・トレンドは、それぞれが単独で生じるものではなく、相互に影響し合いながら生じ、進行している。その分、事態は複雑化して予見可能性が低下し、企業による対応も難しくなっている。

筆者が接した企業の事例では、この半年間に地政学・経済安全保障を経営課題としてとらえて対応策を具体化している企業とそうでない企業の差が広がった印象を受けている。今後その差が一層大きくなることが懸念される。企業には、2026年上半期に得た教訓を今後の経営にいかに活かすかが問われている。

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