『トランプとプーチンが実は握っている可能性 トランプ大統領は貿易赤字と南シナ海を取引しかねない』(4/10日経ビジネスオンライン 森永輔)、『トランプ大統領の「大芝居」に習主席は動じず 安全保障の不一致、経済協力で穴埋めどこまで?』(4/10日経ビジネスオンライン 鈴木貴元)について

国際政治の裏側では何が起きているかは分かりません。シリアの毒ガスもアサドがやったという説とCIAの謀略という説の2つがあります。しかし、何れの側であっても人をそんなに簡単に殺していいのかという気になります。 日本のお花畑脳の人とは考え方は違いますが、逆にそういう弱肉強食の世界でどう生き延びるのかを真剣に考えませんと。無抵抗主義では国民の生命財産は守れません。

http://saigaijyouhou.com/blog-entry-16263.html

http://www.chokugen.com/opinion/backnumber/h29/jiji170410_1157.html

また、クシュナーとイバンカの娘が習近平を前にして歌った歌は「茉莉花」でチュニジアのジャスミン革命を象徴したものというのが林建良氏の解説です。分かっていて歌わせたというのであれば凄いものです。Facebookからの引用となります。

<【茉莉花(ジャスミン)】トランプの孫娘が歌った中国の民謡

米中会談の前にトランプの孫娘アラベラ・ローズちゃんが中国の民謡を歌って習近平をもてなした。その民謡とは「茉莉花」(ジャスミン)だった。

そう、シリア内戦のきかっけとなる「ジャスミン革命」のあのジャスミンである。中国はジャスミン革命のときに国内に波及することを恐れてこの歌を一時的に禁止した。

ニコニコしながらかわいいアラベラ・ローズちゃんの「茉莉花」を聞いている習近平は、その直後にアメリカによるシリアの攻撃が発動されることを知る由もなかった。

「好一朶美麗的茉莉花、好一朶美麗的茉莉花」(こんなに綺麗なジャスミン、こんなに綺麗なジャスミン)アラベラ・ローズちゃんが歌っているこの民謡は、米中外交の一ページになるに違いない。

『台湾の声』 http://www.emaga.com/info/3407.html から転載>(以上)

また、台湾は今回のトランプ・習会談を満足できるものになるだろうと事前に予測していたとのこと。どう考えても、中国に分があったとは思えません。貿易でも北朝鮮でも重い宿題を課せられたという所でしょう。川上氏の聞いている所では、北に止まらず中国も叩き潰すと考えている軍人がいるとのこと。当然でしょう。軍拡を続ける中国をこのまま放置すれば牙をむくのは必定。時間の利益を与えずに潰すべきです。

<台灣對川習會處理台灣問題方式滿意

2017年4月10日 | Filed under: 時事動向 | 來源: 阿波羅網

美國總統川普和中共國家主席習近平在佛羅里達州棕櫚灘的海湖莊園(2017年4月7日)

台灣星期天表示對川普總統在首次美中首腦會晤處理台灣問題方式感到滿意,對美國秉持在台美關係上“零意外”的原則台灣表示歡迎。

台灣外交部說,美國白宮及國務院資深官員在川習會上三次在相關說明會中表示,美方將恪守基於美中三公報及“台灣關係法”的“一中政策”。台灣外交部還說,在川普和習近平會晤過程中台灣與美方維持密切聯繫。

在上星期剛剛結束的美國總統川普與中共國家主席習近平的首次面對面會晤後,中共外交部長王毅表示,中國在會晤中重申了對台灣、涉藏等問題的原則立場。觀察人士注意到,台灣問題並沒有成為這次川習會的重點議題。中共官方媒體星期天發布的介紹習近平訪美成果中也隻字未提台灣問題。

在這次會晤前,曾有分析人士擔心,習近平會向川普施加壓力,迫使他在台灣問題上作出讓步,擔心台灣會成為美中兩個大國博弈之間的棋子。

來源:美國之音

台湾はトランプ・習会談の台湾問題の扱いに満足

2017年4月10日| Filed under: 時事動向 | 由来: アポロ・ネット

アメリカ大統領のトランプと中国共産党国家主席習近平とはフロリダ州シュロ浜の別荘で会談 (2017年4月7日)。

台湾は日曜、トランプ大統領の初回の米中首脳会談での台湾問題の処理方式に満足し、米国が台米関係上「意外性ゼロ」の原則を保持していることに歓迎を示した。

台湾外交部は、米国のホワイトハウスと国務省の上級役人は首脳会談で3度も「米国は米中の3つのコミュニケと台湾関係法の一中政策を遵守する」と説明したと聞いたとのこと。台湾外交部は更に「首脳会談中に台湾と米国は密接に連絡取り合っている」と説明したとのこと。

先週には終ったばかりの首脳会談について、中国共産党外交部長の王毅は「中国は会議の中で再三台湾やチベットなどの問題についての原則的立場を説明した」と述べた。筆者は、今回の会談の中で台湾問題は重点議題にならなかったと思う。中国共産党政府筋メディアは日曜の発表で、習近平の訪米の成果の中に台湾問題はひと言も触れていなかった。

今回の会談の前に、分析者は「習近平がトランプに圧力をかけて、台湾問題で米国に譲歩させるようにし、台湾が米中の2国間のバクチの駒になること」を心配していたが。

由来:ボイスオブアメリカ>(以上)

森記事

クルーズミサイルを発射する米駆逐艦ポーター(提供:Mass Communication Specialist 3rd Class Ford Williams/U.S. Navy/AP/アフロ)

トランプ政権が4月6日、シリア政府軍の空軍基地をミサイル攻撃した。米国はシリア政府軍が同4日に化学兵器を使用したと非難。「アサド政権が再び化学兵器を使用するのを防ぐため」攻撃に踏み切ったとする。同基地は化学兵器攻撃の拠点とされる。

アサド政権を支援するロシアとの関係悪化を懸念する声が高まっている。しかし、米国の安全保障政策に詳しい拓殖大学の川上高司教授は、ロシアとの関係改善を進める交渉を促すため今回のミサイル攻撃に踏みきった可能性があると指摘する。

(聞き手 森 永輔)


 

川上 高司(かわかみ・たかし)氏 拓殖大学教授 1955年熊本県生まれ。大阪大学博士(国際公共政策)。フレッチャースクール外交政策研究所研究員、世界平和研究所研究員、防衛庁防衛研究所主任研究官、北陸大学法学部教授などを経て現職。この間、ジョージタウン大学大学院留学。(写真:大槻純一)

川上高司(以下、川上):何と言っても驚きました。

化学兵器を使用したのがシリア政府軍かどうかはまだ明らかになっていません。アサド政権は否定しています。そうであるにもかかわらず、トランプ大統領はすぐにシリア政府の仕業と決めつけました。急ぎすぎの感があるのは否めません。

仮に本当にアサド政権が行なったものだったとして、トランプ大統領はオバマ前大統領との違いを米国民に印象づけたかったのでしょうか。オバマ氏は2013年、シリア政府軍が化学兵器を使用したことが明らかになっても、公言していた空爆を実行しませんでした。

今回のミサイル攻撃によって、アサド政権を支援しているロシアとの関係が悪化することは避けられません。オバマ氏との違いを印象づけられたとしても、とてもペイするとは思えません。

まずはガツンと一発かます

川上:では、なぜトランプ大統領はミサイル攻撃に踏み切ったのか。

私は二つの可能性があると考えています。一つは、今後のロシアとの交渉と取引(ディール)を有利にまとめるために、ロシアが最も嫌がることをやったという可能性です。

中国とのやりとりを思い出してください。トランプ大統領は就任前の16年12月、台湾の蔡英文総統と電話協議。続いて17年1月、「一つの中国の原則(中国と台湾は不可分)にこだわらない」と発言しました。これらは、これまでの米中関係の根幹を崩すもので、習近平国家主席に最も妥協できない事柄です。

—相手の頭が一瞬真っ白になるような“球”を投げつけて、ひるませておいて交渉を有利に運ぶ。

川上:その通りです。同様に、今後開催されるであろう米ロ首脳会談を念頭において、プーチン大統領が最も嫌がることを実行した可能性があると考えられます。

—トランプ大統領は、プーチン大統領との間でどのようなディールをまとめたいのでしょう。

川上:中東と欧州におけるパワーバランスを米ロが拮抗する状態に戻すことです。

オバマ政権の8年間で、米国は中東におけるプレゼンスを大きく落としました。いまこの地域を力を振るっているのはロシアとイランです。この傾いたバランスを元に戻したい。

加えて、過激組織「イスラム国(IS)」との戦いにおけるプレゼンスを高めることと、ロシアと情報共有などの面で共闘することをロシアに認めさせたいところでしょう。こうすることで、ロシアとのバランスを元に戻すと共に、イランの影響力を抑えることができます。

対IS戦において、米国には三つの選択肢があると思います。一つは現状維持、すなわち何もしないことです。ドローン(無人機)を使った空爆を繰り返していますが、これは何もしていないのと同じです。

シリアのアサド大統領(写真:SANA/ロイター/アフロ)

2つ目のオプションは陸上部隊を投入し、戦闘に全面的に参加すること。これは米国の国内世論が許さないでしょう。すでに厭戦気分が蔓延していますから。

最も可能性が高いのは3つ目。地上戦を戦う特殊部隊を投入し、全面参加することなく米軍のプレゼンスを高めることです。このオプションはイスラエルも強く推すでしょう。トランプ大統領の娘婿でユダヤ教徒のジャレッド・クシュナー氏がこの案をプッシュしているとみられます。

—欧州でのパワーバランスはどうなりますか。

川上:欧州では、フランス大統領選でポピュリストのマリーン・ルペン氏(極右政党「国民戦線」の党首)が世論調査で高い支持率を維持しています。ほかの国でもポピュリスト政党が勢いを増しており、米国にとって面白くない状況にある。このバランスを元に戻したいという意向があると思います。

トランプとプーチンが談合?

川上:第2の可能性は、トランプ政権とプーチン政権が水面下で握っている、つまり話をつけている可能性です。国連の安全保障理事会で米ロが激しくやり合っています。ロシアがミサイル攻撃を「国際法違反」と責めれば、米国は「ロシアが味方となっているから、アサドは悪事をしても罪に問われないと考えてきた」と逆襲する。しかし、両者が“歌舞伎”を演じているかもしれない。

言葉や文字にしなくても、お互いにシグナルを送り合い、理解し合うことはできます。

トランプ政権は、トマホーク巡航ミサイルを59発も発射したにもかかわらず、23発しか命中していません。空軍基地の滑走路はまだ使える状態といいます。わざとはずしたとしか思えないような精度の低さです。さらに、ミサイル攻撃を1回にとどめるとの意向も明らかにしています。

安全保障担当の大統領補佐官を解任されたマイケル・フリン氏が依然として、トランプ政権とプーチン政権をバックチャネルでつないでいるという話が耳に入ってきます。

ロシア側も同様に「国際法違反」「侵略行為」と批判してはいますが、本気度が高いようには見えません。

トランプ大統領が就任して以降、政権幹部が選挙期間中からのロシアと接触していたことが次々に明らかになりました。フリン氏はその一人。司法のトップであるジェフ・セッションズ長官も選挙期間中に駐米ロシア大使と面会していたことも問題視されています。これらの点を議会で民主党から追及されて辛い状況にある。国民もトランプ政権に対する懸念を高めている。トランプ大統領としては、かねて主張してきたロシアとの関係強化がなかなかできない状態が続いています。

国民を納得させロシアへの接近を実現するためには、言葉で何を言っても不十分。そこで、ミサイル攻撃という行動を起こすことで疑念の払拭を図ろうとした。

—このシナリオの場合、トランプ政権とロシアとどのようなディールをするのですか。

川上:米国が望むのは先ほどと同様に、パワーバランスの正常化です。一方のロシアは制裁の解除、もしくは、米国がロシア産のガスを買う大型取引などを望むでしょう。

—いずれのシナリオだったにせよ、ミサイル攻撃されたシリアはなんとも哀れですね。

川上:そうですね。国際政治は残酷なものです。

北朝鮮の核開発をやめさせなければ先制攻撃も…

(写真:大槻純一)

—今回のミサイル攻撃は米中首脳会談のさなかに実行されました。これはどんな意味を持つのでしょう。

川上:とても偶然とは思えません。北朝鮮を巡って、米国が中国にメッセージを送ったのでしょう。「北朝鮮が進める核開発を抑えるよう真剣に取り組め。そうでないと北朝鮮の核施設を先制攻撃することも辞さない」。米中会談は表面的には良好な関係を強調しましたが、カモフラージュである可能性が高いと思います。

先制攻撃では、約700あるとされる米国の攻撃ターゲット――北朝鮮の核施設を含むWMD(大量破壊兵器)――のすべてを破壊する必要はありません。国防長官(当時)だったロバート・マクナマラが米ソ冷戦時代に行なった試算によると、全体の7割を破壊すれば実質的に機能停止に追い込むことができるそうです。金正恩委員長を探し出して殺害しなくても、政権はがたがたになるでしょう。

そして、攻撃した後、米国はすぐに撤退して後を中国に託す。

—え、北朝鮮に新たな親中政権が出来上がるのを容認するということですか。つまり、金王朝ではなく、核兵器を保有しないのであれば、親中政権でもかまわない、と。

川上:そういうことです。

ただし、このようなディールは今の習近平政権にとって好ましいことではありません。彼らが望むのは現状維持です。少なくとも、今秋に控える共産党大会が終わるまでは、余計なディールはしたくない。

仮に米国が北朝鮮の核施設を先制攻撃して、金正恩政権を倒した場合、最も大変になるのは日本です。米国が、北朝鮮が保有する核兵器の7割を破壊したとしても3割は残ります。それが日本にある米軍基地に向かって発射されることを覚悟しておく必要がある。

トランプ政権は軍人主導になった

さらに朝鮮半島の北半分に核を持たない親中政権ができるとは限りません。核を保有する親中政権が成立する可能性だって皆無ではないのです。親中か親米か、核保有か核なしか、選択肢は4通りあるわけですから。

—それにしても不思議なのは、北朝鮮の核問題が突然、脚光を浴び始めたことです。オバマ政権の時代には、戦略的忍耐という政策の下で、北朝鮮を無視してきました。

川上:それはトランプ政権が軍人が主導する政権になったからです。オバマ政権が北朝鮮に対して何もしないことに軍は非常に怒っていました。

—4月5日に、トランプ大統領はスティーブン・バノン首席戦略官・上級顧問を米国家安全保障会議(NSC)のメンバーから外しました。それと関係があるのでしょうか。

川上:まさにそれです。バノン氏が抜け、国家安全保障担当の大統領補佐官であるハーバート・マクマスター氏とジェームズ・マティス国防長官という二人の軍人が仕切る体制に変わりました。

バノン氏が抜けたことで、軍人コンビに加えて、クシュナー氏の力が増しています。クシュナーを軍が取り込んだという情報もあります。先ほど、中東におけるイランの力を排除する可能性を指摘した背景には、同氏の存在があります。

習近平政権は、このクシュナー氏にだいぶ接近しているようですね。同氏をして、北朝鮮に集中しそうな米軍のパワーを中東に振り向けさせることに成功したという見方もあります。

貿易赤字を解消するなら南シナ海から退く…

—米国が北朝鮮に先制攻撃を仕掛ける可能性はどれくらいあるでしょう。

川上:私はかなり高いとみています。

このまま放置すれば、米本土を射程に収める大陸間弾道弾(ICBM)を北朝鮮が完成させるのは時間の問題です。そうなってからでは遅い。今なら、その目的を挫くことができると考えているのです。

—そうすると、シリアと北朝鮮と同時に対峙することになりますね。

川上:トランプ大統領ならあり得るでしょう。

それどころか、「米軍はこれを機に中国海軍まで叩きたいと考えている」と指摘する米国の専門家もいます。

—中国と戦うのですか。

川上:そうです。北朝鮮の核と同様に、中国も航空母艦をはじめとする海軍力をどんどん強めています。こちらも取り返しのつかない規模に成長する前に、今のうちに叩きたいと考えているのです。

私は米中のディールは北朝鮮の核にとどまらないと見ています。トランプ大統領は対中貿易赤字の解消と、南シナ海や東シナ海における安全保障との取引が進行中だと見ています。

—安全保障と貿易を取引材料にするのですか?

 2月に行なわれた日米首脳会談について、いくつかのメディアは、「安全保障と経済をバーターにしない。つまり、米国が日本を守る代わりに、日本は対米貿易赤字を解消する、といったディールを行なわない」との言質をトランプ大統領から取ったので会談は成功と評価していました。

川上:私は異なる見方をしています。トランプ大統領が重視するのは、一にも二にも貿易赤字の解消です。そのおよそ半分を中国が占める。中国がトランプ政権の要求を受け入れて赤字解消に動くならば、米国が南シナ海への介入をやめることもあり得るでしょう。南シナ海の入り口を扼す台湾への肩入れもやめる。ステルス性能を持つ第5世代戦闘機F-35を台湾に売ることもないでしょう

東シナ海も例外ではありません。米国は、尖閣諸島の防衛に関与しない。中国公船が今以上に多く、高頻度で押しかけるようになりかねません。

—貿易赤字の解消と、南シナ海や東シナ海における安全保障の取引は、日本人の目から見ると、天秤が中国有利に大きく傾いているように見えます。

川上:そうかもしれません。しかし、トランプ大統領には釣り合っているように見えると思います。

—南シナ海や東シナ海が中国の勢力圏に入れば、米国のシーレーンの安全を脅かすことにもなりませんか。

川上:米軍はそう見ていると思います。なので、トランプ大統領がこのようなディールをまとめる前に、中国海軍と一戦交えようと主張する勢力があります。

—え、戦争によって事態の解決を図ろうというのですか。

川上:先ほどお話しした北朝鮮に対する先制攻撃と同じ考え方です。勝利する確率が高い今のうちに中国海軍の力を削いでおく。

—どっちに転んでも日本には大きな影響がありそうです。

川上:はい。日本は米国が提供する拡大抑止への依存度を減らす道を考える時期に来ているのかもしれません。

鈴木記事

4月6、7日の米中首脳会談では、開催前からトランプ米大統領は貿易赤字問題や北朝鮮問題などを通じて、習近平主席に対して様々な「大芝居」を打ってきた。だが、習主席は大きな土産を持参することはなかった。その背景を、丸紅中国・経済調査チーム総監の鈴木貴元氏が解説する。

(「トランプウオッチ」でトランプ政権関連の情報を随時更新中)

トランプ政権は、習近平主席に対して様々な「大芝居」を打ってきたが、習主席は動じなかった (写真:AP/アフロ)

米国東部時間4月6日午後8時半頃、フロリダのパーム・スプリングス「マール・ア・ラーゴ」でトランプ大統領主催のディナーが終わったとき、トランプ大統領は中国の習近平主席に、米国のトマホーク第一弾がシリアに着弾したことを告げた。

発射命令がエアフォース・ワンで下されたのは、着弾から遡ること4時間半前の午後4時。機中、記者団には、米中首脳会談では北朝鮮情勢と巨額の対中貿易赤字への対応を迫ると述べていたが、その時、実はトランプ大統領はサプライズを抱えていたのだ。

そして、1時間後の午後5時、トランプ大統領は笑顔と握手で、そして娘イバンカ氏の娘・息子による中国の民謡「茉莉花」の歌唱と「三字经(唐詩)」の朗読で習主席夫妻を迎えた。ディナー中に、「中国から全く何も得ていない」と不満を述べつつも、習主席とは「意気投合し、良好な友好関係を築いた」と語っていた。

習近平主席には「お土産」を持参するメリットなかった

このような経過を経て、シリア攻撃の話を繰り出したわけであるから、トランプ大統領はかなりの芝居を打っていたように思える。4月2日のフィナンシャル・タイムズのインタビューで「中国が解決しなければ、我々がする」と、北朝鮮情勢について中国に圧力をかけていたこともあり、習近平主席としては、米国の武力行使への本気度とともに、ある種の戸惑いや不信感を感じたかもしれない。

一方、トランプ政権は上層部もスタッフもまだ指名が終わっておらず、外交・通商政策の方針が依然として固まっていない、また、関税政策や為替操作国などの対中対抗策をはじめ、トランプ大統領が選挙時に掲げていた保護主義的・孤立主義的な政策は実現する可能性が低下しているため、習近平主席はそもそも大きなお土産を持ってくる必要も、中国の従来のスタンスを変更して米国にすり寄る態度をみせる必要もないと考えられていた。

米中関係に関する中国内の論調は、以下のようなものだった。

(1)米国と中国の経済は補完関係にあり、対立は互い利益がない。米国の輸出において、大豆の56%、ボーイング機の26%、自動車の16%、半導体の15%が中国向けであり、北米自由貿易協定(NAFTA)以外の地域で最も拡大が速い国である。直接投資においても、両国で年間170億ドルもの投資が実施されている。よって、協力こそが米中関係の在り方である

(2)中国は、自由貿易体制を支持しており、米国こそが現在の体制を否定している。中国は改革開放路線を変えていない(米国からはサービス部門の開放と、知的財産侵害・サイバーセキュリティー問題の改善が求められているが)

(3)中国は一帯一路や二国間・多国間の自由貿易協定FTAを進めており、トランプ大統領に対する世界的な懸念に対して、中国は現在の自由貿易体制を支えている(実際、3月には環太平洋経済連携協定(TPP)参加国のオーストラリアやニュージーランドを李克強総理が訪問。ノーベル賞の問題で2014年以来、関係が悪化していたノルウェーとも関係を正常化している)

「米中対立」回避は大きな成果だが…

中国外交部と米国ホワイトハウスによると、今回の会談の成果は目立ったものはない。しかし、(1)米中関係を改善させることや、パートナーとしての協力を進めること、(2)トランプ大統領が年内に中国を訪問することや、密接な関係を保持すること、(3)「外交安全対話、経済対話、法執行とサイバーセキュリティーの対話、社会と人文対話」の4つの対話を新しく設立すること、(4)投資協力協定(BIT)に向けた交渉を進めることや、両国間の貿易・投資を進めること、インフラ建設やエネルギー領域での協力を進めることなどで、方向性の一致を確認している。

具体的な成果と言えないかもしれないが、オバマ政権からトランプ政権に代わるにあたって最も懸念されることであった、両国間の対話の枠組みの維持とその在り方が4つの対話の設立ということで確認された。さらに、その延長戦として、トランプ大統領の年内中国訪問が今後の取り組みに上ったことは、北朝鮮の問題でも大きな懸念材料となり得た「米中対立」を避けることができたという意味で大きな成果であった。

一方、現在の重大な国際問題(シリアへの攻撃)や地域の問題(北朝鮮、南シナ海と考えられる)では一致をみることができなかった。習近平主席は「敏感な問題は適切に処理されるべき」と述べている。

米国のシリア攻撃については、中国は化学兵器の使用についてはっきりと反対の立場を表明しているが、ロシアのパートナーとなっていることが影響しているとみられる。また北朝鮮については、中国も石炭輸入停止など厳しい措置をとっているが、中国自身の安全保障に影響を及ぼす軍事行動による解決を受け入れることはないようだ。

安全保障における不一致の大きさが拡大している中、経済協力がその穴をいつまで埋め合わせられるのか。現状、両国間の難しさは強まる方向にある。

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『米中貿易戦争の激化は秋以降、日本も巻き添えか トランプ大統領と習主席、共に具体策先送りの「必然」』(4/10日経ビジネスオンライン 細川昌彦)、『北京はトランプ政権の“タフネス”を再認識した 元NSCアジア上級部長のデニス・ワイルダー氏に聞く』(4/10日経ビジネスオンライン 篠原匡)について

トランプ大統領の考えている不公平貿易の槍玉に、「鉄鋼」、「アルミ」、「家電」が候補として上がっています。日本企業の米国向け輸出がどのくらいあり、ソーシャル・ダンピングに該当するのかどうか分かりませんが、中国ほど影響は出ないのでは。高速鉄道を米国に敷設するときにどういう影響が出るのか。米国で日本に替わって車両を生産し、安全運航できるノウハウを持っているとは思えませんが。

https://www.axios.com/scoop-trumps-potentially-explosive-trade-play-2352691437.html

朝鮮半島問題で、4/8読売には「在韓米軍司令官らと対北連携強化確認…長嶺大使」の記事が掲載されました。韓国抜きで在留邦人の救出問題が話し合われたのではと思われます。それにしても、外務省の邦人の安全についての不作為は度を超しています。小坪慎也氏のメルマガには外務省に対し国会議員が「渡航自粛要請」を出すよう問い質したところ、外務省の回答は「現時点では注意情報のレベルを引き上げる必要がある状況とは認識していない」というものでした。韓国大使を帰任させたのは外務省で、何のために帰任させたかは明らかでしょう。それを愚図愚図決断しないでいれば、犠牲者が増えるだけです。外務省の発想は「相手国の嫌がることはしない」という福田康夫と同じです。外交問題にしたくない、事なかれ主義です。交渉能力ゼロだから、国益を損ねる外交をずっとしてきた訳です。政治(官邸)が外務省を動かさねば。神社や寺に油を撒いているのも、前例を見れば韓国より帰化の日本人でしたので、韓国人のビザなし渡航もなしにしなければ。北のスパイが混じっている可能性もあります。破壊工作されないようにしないと。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/20170408-OYT1T50046.html

https://samurai20.jp/2017/04/tokou/

https://samurai20.jp/2017/04/refuge/

細川記事

米中首脳会談では共同声明も出されず、双方の発表内容にも違いがあった。トランプ大統領は国内政策での失点挽回、習主席は国内権力基盤の強化を狙い、具体策の先送りは「必然」。元経産省米州課長の細川昌彦氏(中部大学特任教授)は今秋以降、米中貿易戦争は激化し、日本も巻き込まれるリスクがあると分析する。

(「トランプウオッチ」でトランプ政権関連の情報を随時更新中)

トランプ米大統領の別荘で開催された米中首脳会談(写真:新華社/アフロ)

共同声明も出されず、米中双方の発表内容の違いが今回の首脳会談の特徴を物語っている。

中国側発表を見れば、今回は米中の協調を演出して、大国として米国と対等であることを誇示するのが目的であったことが露骨に表れている。今秋予定の5年に一度の共産党大会で、自らの権力基盤を強固なものとしたい習近平主席が、わざわざこのタイミングで訪米を仕掛けた意図はそこにある。

成果は新しい対話の枠組みを合意したことぐらいで、具体的取引は先送りにして、米国の圧力をかわそうとしている。これは常套手段で、2月の日米首脳会談での経済対話の合意も影響しているようだ。

また、米国に「相互尊重」を認めさせたことは、この概念が核心的利益の尊重を含みうるだけに、東シナ海、南シナ海問題での米国の圧力に弱腰ではなかったことを国内向けにアピールできるポイントだろう。

他方、米国はどうであろうか。

トランプ政権にとってオバマケアの見直しなど国内政策の失点を外交で挽回して稼ぐ、いいチャンスであった。協調が最優先目標の中国相手に、米国は決裂させても強硬姿勢が国内的には支持されるというのは、明らかに交渉ポジションが強い。

問題は政権内部だ。幹部人事が進んでいない結果、体制が整わず、対中スタンスも定まらない。強硬派と穏健派の綱引きもあって、政権内の力学も流動的だ。結果的に具体策にまで詰められず、立ち入れない。

具体策に立ち入らない中国、他方で立ち入れない米国。

結果は具体的合意がなく、具体策は先送りになって当然だった。

貿易不均衡是正、中国は秋まで米国とは事を構えない

その中で米国がこの強い交渉ポジションを活かして唯一、明確に得点したのが、貿易不均衡是正の100日計画の策定だ。中国側の発表には一切これが出てこないので、米国が中国にねじ込んだのは明らかだ。

内容は、短期間に貿易不均衡を是正する具体的措置を求めるというものだ。中国としてみれば、今秋までは米国と事を構えず、なだめる作戦だろう。なだめる手法は1980年代の日本を参考にしている。当時米国から貿易不均衡是正の圧力を受けて日本が繰り出したのが、輸出自主規制、輸入拡大、現地生産の拡大の3点セットだった。

米国としても今秋までの交渉ポジションの強いうちに、取れるものは取っておこうという算段だ。

中国は経済のパイが大きいこと、そして国有企業もあって、経済活動を国家がコントロールすることはお手の物であることを考えると、当時の日本と比較にならないくらい、やりやすいだろう。ただし、国内的に、米国に譲歩したとみられない工夫も必要になってくる。

米中貿易戦争の激化に日本も巻き込まれかねない

むしろ問題なのは、日本への影響だ。

近々予定されている日米経済対話で、日本にも貿易不均衡是正の対策を要求してくる可能性が出てきた。かつて指摘したように、米国が「均衡のとれた経済関係」という、いわば結果主義を標榜していること自体が問題だが、中国はあっさりこれを認めてしまったことになる。

日本の場合、対米貿易黒字はかつてのような規模ではないものの、中国のように国家が経済活動を直接的にコントロールできる国ではない。そして効果がないことは過去の経験が実証している。日本は難しい対応を迫られそうだ。

また今秋の党大会を終えて以降、米中の貿易戦争が激化することが予想される。中国が対外的に強硬路線を採りやすく、米国は来年の中間選挙に向けてアピールできるものが欲しくて強硬に出る。しかし、米国は80年代のような一方的措置をちらつかせているものの、当時の日本が相手の時とはまるで事情が違うことは要注意だ。

中国は安全保障で米国に依存しているわけでもなく、巨大な中国市場というレバレッジを持っている。米国への報復措置も航空機など様々有効な手立てを繰り出すことができる。

あり得るシナリオとして、米国はアンチダンピングを頻繁に活用する事態になるのではないだろうか。

いずれにしても、日本が中国の対米経済問題に巻き込まれるリスクが大きいだけに注意が必要だ。

米国から見れば、中国と日本を同列に並べて攻めていく構図ではない。そのため、日本としては、米国と連携して中国が抱える問題に対処していく構図に持ち込めるかどうかが、来るべき日米経済対話での戦略のポイントとなる。

米中で食い違う北朝鮮問題の「時間軸」

協調の演出と引き換えに中国が重い宿題を負わされた、もう一つの問題が北朝鮮問題だ。

北朝鮮問題については、まず米中の間で時間軸が違うことがポイントだ。

米国にとっては、北朝鮮による米国本土を射程に入れる大陸間弾道ミサイル(ICBM)の開発が迫る中、これを阻止するのが当面の差し迫った最大目標だ。事態は緊迫しており、時間との勝負である。

他方、中国にとっての北朝鮮問題は、できれば触りたくない問題で、今秋の共産党大会までは国内からの批判を恐れてなかなか思い切った手を打てない。この時期、人民解放軍、とりわけ東北部の陸軍に不満を持たせないことは、権力基盤の安定化の上で大事だ。

来月予定の韓国大統領選も大きく影響する。反米、対北融和の大統領が選出される可能性もあるからだ。

中国としては米国を揺さぶるうえでも、そういう事態をじっくり待ちたい。逆に米国はそうならないうちに中国を具体的行動に追い込んでいきたい。また、反米、対北融和の韓国大統領が誕生すれば、米国は北朝鮮への軍事行動の前提になる諜報活動を韓国に大きく依存していることから、影響が出てくる恐れもある。そういう綱引きが米中間で行われている。

今回の米国によるシリア空爆および米国の単独行動も辞さずの姿勢は、中国に対する強烈な圧力になっているようだ。さらに米国は中国に対して波状攻撃で圧力をかけてこよう。

日本は「平和ボケ」の状況から一刻も早く抜け出すべき

こうした米中の駆け引きの中で、日本はどうするべきか。

日本としては短期的には、米国の言う「あらゆるオプション」への備えに怠りないようにすべきだろう。ミサイル防衛の強化に一刻の猶予も許されない。北朝鮮が日本射程の弾道ミサイルを100発近く保有しているという現実を直視して、平和ボケから脱するべきだ。

中長期的には、朝鮮半島の将来像をどう描くかという、本質的な問題に米中は向き合うことになるだろう。仮に反米的な韓国大統領が誕生した場合、米中それぞれ扱いにくい子供を抱えて、朝鮮半島を統一して非核化、中立化する考えが出てきてもおかしくない。その時もっとも深刻な影響を受けるのが日本である。米中のグランドデザインが共有されたとき、想定外ということにならないようにしたいものだ。

篠原記事

トランプ大統領の別荘、「マール・ア・ラゴ」で4月6、7日に開催されていた米中首脳会談が終了した。米中の貿易不均衡や北朝鮮の核開発問題が争点だったが、シリア・アサド政権が化学兵器を使用した報復措置としてミサイル攻撃を命令、首脳会談の最中にミサイル攻撃が敢行されるという異例の展開になった。今回の米中首脳会談をどう見たか、専門家に聞いた。

(ニューヨーク支局、篠原匡)

—米中首脳会談が終了した。今回の会談に当たって、それぞれが獲得を目指した目標は何だったと思うか。

デニス・ワイルダー氏(以下、ワイルダー):ティラーソン国務長官が語ったように、米中には過去40年の関係があり、現在は次の40年の関係を確立する時期だ。今回の首脳会談の目的は米中関係における新たな“パラメーター(変数)”をセットすることにあった。

デニス・ワイルダー氏 米中央情報局(CIA)の東アジア担当副長官補佐、ジョージ・W・ブッシュ政権で国家安全保障会議(NSC)のアジア上級部長などを歴任。現在は米ジョージタウン大学で教壇に立つ

もちろん、それぞれの国にも思惑があった。トランプ大統領は習近平国家主席に対して、自分がこれまでの大統領とは異なり、中国にタフだということを示したいと思っていた。一方の習近平国家主席も米国の新大統領と上手く関係を構築できるというところを示したかった。習近平国家主席のその目標は、達成することができたのではないだろうか。

—トランプ大統領は目的を達することができたか。

ワイルダー: トランプ大統領は果断で断固としたリーダーということを、米国が世界で最も力強く重要な国だということを示した。ミサイル攻撃がその後押しになったのは確かだ。習近平国家主席は(シリアへのミサイル攻撃という)トランプ大統領の大胆なアクションで少し影が薄くなったと感じたかもしれない。

中国はトランプ大統領が世間の注目を集めるために、あるいは有権者の支持を得るために、大げさなことを言いたがるという傾向を理解している。同様に、中国は(義理の息子の)クシュナ―上級顧問や(長女の)イバンカ氏と緊密な関係を築いており、大統領と直接のチャネルを得たと考えている。

一方で、習近平国家主席は首脳会談の間、トランプ大統領のタフネスも学んだ。

中国は会談前に、北朝鮮に対する米国の単独行動について大統領がどれだけ深刻に考えているのか、知りたいと思っていただろう。だが、ティラーソン国務長官は首脳会談の後も単独行動を辞さない姿勢を繰り返している。しかも、トランプ大統領は首脳会談の最中にミサイル攻撃を命じた。ミサイル攻撃に対して、習近平国家主席がネガティブな反応をするというリスクもあったが、トランプ大統領はそのリスクを取った。彼は中国が考慮しなければならない米国のグローバル・パワーと適用範囲を明確に示した。中国は単独行動の脅威をより深刻に捉えるようになると思う。

米国の最大の成果は「貿易不均衡是正のための100日計画」

—トランプ政権は決して与しやすくない、と。

ワイルダー: ミサイル攻撃の後、北京がトランプ大統領との交渉をイージーだと考えることはないと思う。他方、トランプ大統領と彼のファミリーはマール・ア・ラゴに習近平国家主席を招待したことで、中国のリーダーに偉大なるリスペクトを示した。中国は恐らく、トランプ政権が強くタフだと認識している。同時に、トランプ大統領の発言を注意深く、真剣に考えなければならないと感じているだろう。断固とした行動を取る超大国のリーダーということを改めて認識したと思うよ。

—北朝鮮の核開発についてはどうか。

ワイルダー: 両国が互いの見方を表明したとは思うが、何かの合意を得たということはないと思う。新たに構築される安全保障にかかわる対話メカニズムが北朝鮮問題を前に進める上で重要になるだろう。

—北朝鮮の核開発問題と並び、貿易不均衡の是正も焦点の一つだった。

ワイルダー: 今回の最大の成果は恐らくそこだ。新たな包括的な経済対話のメカニズムは失敗しつつある米中戦略・経済対話をリセットすることにつながる。貿易不均衡是正のための100日計画がアナウンスされたことで、両国のリーダーはこの問題を前進させる方法を考えなければならなくなった。

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『「母親汚辱殺人事件」無期懲役判決に非難殺到』(4/7日経ビジネスオンライン 北村豊)について

普通の法治国家であれば、自力救済、自救行為は禁じられています。中国は法治国家でなく、人治国家です。立派な法律は沢山ありますが、その通り運用されません。賄賂で何とでもなる社会です。

本記事のように、本来違法な借金取りは日本でもヤクザがやっているでしょう。ヤクザの脅しに屈することなく、立ち向かった結果が4人死傷となりました。日本であれば「違法性阻却事由」の「正当防衛」にするより、「責任能力」の「心神耗弱」を適用して、刑を減じるのではと思われます。

本件は、違法な借金取りは、当然自分の安全の為、少なくとも公安に賄賂を贈っていたでしょう。政府要人にも贈っていた可能性があります。それで殺された遺族の感情を重視し、彼らの不当な行為について判決は考慮していない訳です。この判事も金を貰っていたのかも。

このような社会が世界を牛耳るとしたら恐ろしいことです。中国は軍拡路線を驀進中です。トランプの45%関税賦課こそが中国経済を崩壊させる手段として有効です。貿易是正について米国は中国に100日間の猶予を与えましたが、中国は面子もあり、すんなり米国の言いなりになるとは思えません。経済的に中国を締め上げ、北朝鮮への支援もできなくするようにしなければ。

また日本のパチンコマネーも北に流れていないか厳しくチエックする必要があります。

記事

広東省の週刊誌「南方週末」は3月23日付で、同誌記者の“王瑞鋒”が山東省の“冠県”から発信した、『“刺死辱母者(母を辱めた者を刺殺)”』と題する記事を掲載した。冠県は山東省西部の“聊城(りょうじょう)市”の管轄下にあり、河北省と河南省の2省と境を接する人口80万人の小都市である。刺殺事件は冠県の中心から直線で5kmの距離に位置する“冠県工業園(冠県工業団地)”内にある“山東源大工貿有限公司”(以下「源大工貿」)で発生したものだった。王瑞鋒記者が報じた記事の概要は以下の通り。

容赦のない借金取り立て

【1】源大工貿は、社長の“蘇銀霞”が2009年に設立した自動車用ブレーキパッドの生産を主体とする、資本金1億元(約16.5億円)の中小企業である。蘇銀霞は1970年生まれの46歳、1歳年下の夫“於西明”(失踪中)との間に1人息子の“於歓(おかん)”(1995年生まれの21歳)がいる。

【2】不況の影響を受けて、源大工貿の資金繰りが悪化したため、蘇銀霞は高利貸しの“呉学占”から運営資金を借入れた。呉学占は自身が経営する“冠県泰和房地産開発公司(冠県泰和不動産開発会社)”を表看板に、裏で高利貸しを本業としていた。蘇銀霞は呉学占から2014年7月と2015年11月の2度にわたり100万元(約1650万円)と35万元(約580万円)をそれぞれ月利10%の条件で借入れた。蘇銀霞は2016年4月までに184万元(約3000万円)を返済すると同時に、源大工貿の敷地内にある70万元(約1160万円)の価値を持つ建物の所有権を引き渡したが、残りの17万元(約280万円)はどうしても工面できなかった。これに対して、呉学占はならず者を十数人集めて“催債隊(貸金の返金催促チーム)”を組織し、彼らを源大工貿へ差し向けて、蘇銀霞に対する返金の催促と嫌がらせを繰り返していた。以下、催債隊のメンバーを呉学占の「手下」と呼ぶ。

【3】2016年4月13日、蘇銀霞が物を持ち出すためにすでに所有権を引き渡した建物に入ったところ、それを蘇銀霞の行動を監視していた呉学占に見つかった。呉学占は無理やり建物内の便所に蘇銀霞を引きずり込むと、蘇銀霞が見ている前で手下に大便をさせ、大便が湯気を立てている便器の中に蘇銀霞の頭を押し込んだ。そうして、呉学占は暴言を吐きながら蘇銀霞に残金の返済を迫った。この日の午後、蘇銀霞は4回にわたって110番(警察)と聊城市の“市長熱線(市長ホットライン)”に電話を入れて、窮状を訴えた。この結果、源大工貿へ複数の警官が派遣されたが、彼らは蘇銀霞から事情を聴取しただけで帰ろうとした。この時、蘇銀霞は警官と一緒にその場を離れようとして、呉学占に阻止されたが、警官はそれを見て見ぬ振りで立ち去った。

【4】翌14日、呉学占の貸金返済を要求する行動はますますエスカレートした。午前中に蘇銀霞と於歓の2人は呉学占の手下4~5人によって源大工貿の“財務室(財務部門の部屋)”に押し込められて監禁された。彼らはスマートフォンにポルノ映像を映し、音量を最大にして2人を愚弄した。その後、2人は監禁を解かれて財務室から出ることを許されて自由を得た。午後4時半頃、ナンバープレートが無い車3台が源大工貿の門前に乗り付け、若い女1人を含む10人が車から降りた。彼ら10人が門の外から大声で貸金の返済を要求すると、源大工貿のビルから出て来た蘇銀霞と於歓が門の内側から大声で応酬し、双方は門を挟んで相互に怒鳴り合いを続けたが、怒鳴り疲れて休戦に入り、蘇銀霞と於歓はビルの事務室へ引き上げた。

【5】一方の10人は源大工貿の門前に残留してたむろしていたが、午後7時頃になると、乗って来た車からバーベキューコンロとテーブルを持ち出し、門を越えて源大工貿ビルの玄関前に置き、持参した肉を焼き、酒を飲んで、酒盛りを始めた。この頃、蘇銀霞と於歓の2人は炊事場でゆっくりと夕飯を食べて8時頃に1階の事務室へ戻ったが、この間も呉学占の手下が2人を見張っていた。事態が動いたのは8時過ぎで、“杜志浩”という名の手下が車で源大工貿に到着してからだった。酒盛りに加わった杜志浩は先行していた10人と一しきり飲み食いして楽しんだ後、やおら立ち上がると事務室へ行き、中にいた蘇銀霞と於歓、これに事務室にいた女性職員の“劉暁蘭”を加えた3人に“接待室(応接室)”へ移動するように命じた。3人が応接室へ移った頃、外にいた10人の手下も応接室へ移動し、3人は呉学占の手下11人に取り囲まれた。この時、時計の針は午後9時50分を指していた。

“罵語”を投げつけ、靴を口に

【6】応接室には黒色の1人掛けソファーが隣り合わせで2脚並び、その対面に1脚の2人掛けソファーがあった。蘇銀霞と於歓は1人掛けソファーにそれぞれ座らせられ、劉暁蘭は2人掛けソファーに蘇銀霞と向かい合う形で座らせられた。債権者として債務者に絶対優位に立つ杜志浩は、蘇銀霞に罵詈雑言を浴びせ、「カネがないなら、身体を売れ、1回100元(約1650円)で、俺がお前に80元(約1300円)払ってやる」、「お前の息子に俺をお父さんと呼ばせろ」などと中国人の面子を傷つける“罵語(ののしり言葉)”を投げつけた。

【7】言葉だけならまだしも、嵩(かさ)に掛かった杜志浩は、於歓の靴を脱がして、蘇銀霞の口に無理やり押し込んだ。この時、蘇銀霞と於歓はぶるぶると怒りに震えていたが、反抗しようとした於歓は杜志浩に横面を引っぱたかれた。続いて、杜志浩はくわえていたタバコの灰を蘇銀霞の胸元へ故意に落とす嫌がらせを行った。その後、杜志浩は突然何を思ったのか、自分のズボンを押し下げ、片足を蘇銀霞が座るソファーに掛けると、“用極端手段汚辱蘇銀霞(極端な手段で蘇銀霞を侮蔑した)”のだった。杜志浩による母親に対する非道な仕打ちを目の前で見ていた於歓は、怒りに震えて精神的に崩壊寸前にあったと、現場に居合わせて、その一部始終を目撃した劉暁蘭は語っている。

【8】応接室の片側は透明のガラス窓であったから、蘇銀霞、於歓、劉暁蘭の3人が11人の男女に取り囲まれて嫌がらせを受けている様子は外から見て取れた。これを目撃した源大工貿の工員が、於歓の“姑姑(父親の姉妹)”に当たる“於秀栄”に急いで警察へ通報するよう要請したので、於秀栄は密かに源大工貿を抜け出して数百メートル離れた場所にある電話を使って110番へ救援を要請した。こうして、午後10時13分に1台の警察車両が源大工貿に到着し、数人の警官が応接室へ踏み込んだ。しかし、警官たちは室内の11人から「蘇銀霞に対し貸金の返済を要求している」との説明を受けると納得し、「借金取りは良いけど、暴力はだめ」と言い残して、警官たちは22時17分頃に応接室を後にした

【9】警官たちが応接室に立ち入ってから出てくるまではわずか4分間。警官たちは3人を救出することなく、応接室に置き去りにして、源大工貿から立ち去ろうとしていた。この警官たちのふざけた対応に驚いた於秀栄は、警察車両の前に立ちふさがり、このままでは蘇銀霞の親子が殺されると警官たちに涙ながらに訴え続けた。於秀栄の真剣さに打たれた警官たちが応接室へ戻ろうとした時、応接室の中で事件は発生した。

果物ナイフで4人を死傷

【10】警官たちが事情聴取しただけで応接室から出て行くのを見た於歓は、激しく動揺し、衝動的に立ち上がると外へ走り出ようとした。しかし、於歓は杜志浩たちによって押し止められ、横にあった椅子で身体を押され、後方に置かれていた事務机まで後退を余儀なくされた。事務机に身体を押し付けられた於歓があがく間に、その手が偶然に机の上に置かれていた果物ナイフに当たり、於歓はそれを咄嗟に握りしめた。果物ナイフを持った於歓は手下たちの攻撃を避けようと、「来るな、近づいたら刺すぞ」と叫んだが、於歓を完全に見くびっていた手下たちは、杜志浩を先頭に攻撃して来た。於歓はこれに応戦し、無我夢中で果物ナイフを振り回した。

【11】於歓が気付いた時には果物ナイフは血に染まり、彼の周囲には腹部を刺された杜志浩を含む4人の手下たちが血を流していた。4人が刺されたことを知った手下たちは我先にと応接室から逃げ出し、門前にいた警官たちに事件発生を通報した。22時21分、警官たちは応接室へ引き返し、血染めの果物ナイフを持って茫然としていた於歓を現行犯で逮捕した。一方、刺された4人は仲間の車で“冠県人民医院”へ運ばれて治療を受けた。腹を刺された杜志浩は、運ばれた医院の門前でささいなことで仲間と喧嘩をするほどに元気だったようだが、後に出血性ショックで死亡した。また、残る3人のうちの2人は重傷、1人は軽傷であった。

【12】2016年11月21日、“聊城市人民検察院”は於歓を“故意傷害罪”で起訴し、起訴状を“聊城市中級人民法院(地方裁判所)”へ提出した。同年12月15日、聊城市中級人民法院は、於歓の“故意傷害罪”に関する審理を公開で行った。2か月後の2017年2月17日、聊城市中級人民法院は於歓に対し一審判決を言い渡した。それは、「裁判所は於歓の行為が故意傷害罪を構成すると認定するが、被害者に違法行為が存在し、於歓もありのままに供述していることから、無期懲役に処す」であった。<注>

<注>中国の刑法234条は、他人の身体を故意に傷付けて重傷を負わせた者は3年以上10年以下の懲役刑、死に至らせたり、特別残忍な手段で重傷を負わせて、重大な障害をもたらした者は10年以上の懲役刑、無期懲役あるいは死刑に処すと規定している。於歓の場合は死者1人と重傷2人であるから、本来なら死刑だが、情状を酌量して無期懲役に処すということ。

【13】12月15日に行われた一審の審理では、於歓の犯罪が“故意殺人”か“故意傷害”のいずれを構成するのか、また於歓の行為が正当防衛を構成するかが論議の焦点になった。最終的に判決は“故意傷害”を構成すると認定したが、被告が身体の自由を拘束され、侮辱を受けていたとはいえ、相手が刃物を使用しておらず、於歓も母親も命の危険性は比較的小さかったとして、正当防衛を構成するとは認定しなかった。

【14】死亡した杜志浩の家族を含む原告側と被告側の於歓の双方は、一審判決を不服として“山東省高級人民法院(高等裁判所)”へ上訴した。本事件は正当防衛を構成すると思われ、於歓に対する無期懲役の判決は法の公平さを欠いていると考える。なお、死亡した杜志浩は、2015年9月30日に冠県の“東古城鎮”で14歳の女学生を車で跳ねて死亡させ、逃亡していた。

さて、王瑞鋒記者は上記の記事が南方週末に掲載されたのと同じ3月23日に、自身がSNSの“微信(WeChat)”に持つ公式アカウント「杞人陌桑」を通じて南方週末に掲載されたのと同じ題名の記事を掲載したのだった。その内容は南方週末の記事とほぼ同じだったが、一部だけ異なる箇所があった。それは、上記【7】にある「杜志浩は突然何を思ったのか、自分のズボンを押し下げ、片足を蘇銀霞が座るソファーに掛けると、“用極端手段汚辱蘇銀霞(極端な手段で蘇銀霞を侮辱した)”のだった」という個所であった。

 南方週末の編集部は、杜志浩が蘇銀霞に対して行った侮辱行為を赤裸々に報じることを躊躇して、王記者の原稿を婉曲な表現に書き直して掲載した。それを潔しとしない王記者は、敢えて微信を通じて自身のオリジナル原稿を発表したのだ。オリジナル原稿の当該部分には、「杜志浩は自分の生殖器を蘇銀霞の顔にこすりつけてから、それを蘇銀霞の口にくわえさせた」とあった。自分の母親がそれほどまでの屈辱を受けるのを眼前で見ていた於歓はどう思っていただろうか。杜志浩にその行為を止めさせたいと思っても、於歓は手下たちに押さえつけられて身動きできなかった。彼が杜志浩に殺意を抱いたとしても不思議ではない。於歓が杜志浩を果物ナイフで刺したのは、立派に正当防衛を構成する行為と言えるのではないだろうか。

判決文に侮蔑行為の記述なし

 しかしながら、2月17日に聊城市中級人民法院が下した一審判決の判決文には、杜志浩を含む呉学占の手下たちが、蘇銀霞と於歓に対して行った一連の侮蔑行為に関する記述は全く無かったのである。その理由は簡単で、呉学占が経営する“冠県泰和房地産開発公司”の住所は「冠県東古城鎮政府所在地」となっていて、彼が運用する資金の出資者は同鎮政府の役人たちという構図なのである。出資者には冠県政府のみならず聊城市政府の役人も含まれている可能性も否定できない。共に助け合う役人の輪には司法の役人も含まれるから、検察も“法院(裁判所)”も原告側に味方して、被告側に有利な事柄は排除する。そこには司法の中立性は存在しない。また、その後、死亡した杜志浩の二番目の兄が“冠県検察院”に勤務していることも判明した。これでは公平な裁判は望むべくもない。

3月23日に南方週末と王瑞鋒記者の「杞人陌桑」が、『“刺死辱母者(母を辱めた者を刺殺)”』の記事を報じると、中国社会の注目を集め、於歓に対する無期懲役の一審判決を不当として、司法の公平性を要求する世論が全国各地で沸き上がった。これに慌てたのは国民の反発を恐れる中央政府と山東省政府であった。3月26日、山東省高級人民法院は、通称「於歓事件」に関する文書を発表し、3月24日付で原告側と被告側の双方から出された控訴を受理したとして、近日中に双方の弁護士から意見聴取を行う旨を表明した。同日、“最高人民検察院(最高検察庁)”は、於歓事件を重視するとして、専門官を山東省へ派遣して山東省検察機関から状況報告を受けると表明した。

世論に押され、覆るか

 最高人民検察院が主管する法律サイト“正義網(ネット)”は3月27日付で次のように報じた。すなわち、最高人民検察院は於歓事件を全面的に審査するが、於歓の行為は正当防衛に属し、過剰防衛は故意傷害であるから、法に基づく審査を経て正当防衛と認定されるだろう。また、メディアが指摘している本件執行の課程における警察による職務怠慢並びに汚職行為は法に基づき調査した上で処罰する。

 この於歓事件が今後どのように推移し、いかに決着するかは予断を許さないが、恐らく於歓は正当防衛を認められ、無罪あるいは執行猶予付の軽い懲役刑に処せられることになるのではなかろうか。

 時事評論家の“江楓”は、『母親を侮辱されたことによる殺人事件の古今対照』と題する評論の中で次のように述べている。

 漢代の大儒学者“董仲舒”の6世の孫“董黯”は、母親が“王”という隣人に侮辱されてから病の床に伏し、間もなく病気で亡くなった。董黯は王の母親が高齢であるので、王の母親が亡くなり、葬儀が終わるまで怒りを抑えて耐えた。その後、白日の下で堂々と王の首を切り、母親が侮辱された仇(かたき)を取った。この孝行話を聞いた漢の和帝(79~105年)は、董黯を罰しなかったばかりか、官職を授けて、その孝行心を褒めたたえた。

 於歓は母親が他人に侮辱されるのを眼前で見させられた。於歓が悪党どもをナイフで刺したことは、気骨があり、良識のある人なら、誰もが同じことをしただろう。本事件は警察が違法な高利貸しの後ろ盾となったことに起因するのに、正当防衛も認められず、於歓は無期懲役の判決を受けた。悲しいかな、中国の古代と現代では“孝子(孝行息子)”に対する扱いがいかに異なることか。

『中国人民解放軍の大改革に警戒せよ!東部戦区(東部戦域軍)の統合運用能力の向上に対処せよ』(4/7JBプレス 渡部悦和)について

トランプは習近平との会談終了間際にシリア攻撃を命じ、その旨伝えたとのこと。勿論日本を筆頭に主要国には事前連絡したようです。ロシアにも連絡してロシア軍に被害が出ないようにしたようです。敵国中国とは扱いが違って当然です。6/8TVで会談終了時の映像が映し出されましたが、習は言い淀んでいた印象があります。習近平の顔に泥を塗ったのは間違いありません。思い出すのは胡錦濤が米中会談の時に、本人が知らない内に、解放軍が勝手に兵を動かした事件です。(中国を訪問中のゲーツ国防長官が胡錦濤国家主席と会談した際、胡主席が中国軍の次世代ステルス戦闘機「殲20」の試験飛行を知らされていなかったことや2007年1月に行われた衛星破壊実験や、南シナ海で09年に中国の複数の艦船が米海軍の海洋調査船に嫌がらせをした事件についても胡錦濤主席に知らされていなかったこと)。今回は、人民解放軍ではなく、米国から袖にされたという事、而も中露分断を狙った可能性もあります。

http://www.asahi-net.or.jp/~VB7Y-TD/L3/230115.htm

本記事を読みますと、日本の自衛隊の統合化が進んでいないとのこと。米軍と自衛隊の統合化は進んでいるのに、自衛隊の内部で陸・空・海・サイバー・宇宙の統合、もっと言えば海保と警察との連携が重要です。警察は地方公務員ではなく国家公務員にして自治体の垣根を取り払うべきです。中国が尖閣を侵略してきたときに準軍事作戦(paramilitary operation)の時は、海保と警察が対応しなければなりません。自衛隊が出れないのに米軍が出られるわけがありません。自衛隊の統合作戦を進化させていかねば。また将来的には日米豪印、台湾、ASEAN、英仏で中国の海洋侵略を防ぐ合同演習をしていければと考えています。

トランプの今回のシリア攻撃で、北朝鮮の「斬首作戦」は近くなったと思います。習近平は江派と瀋陽軍を手なづけられていませんので、米国の要求にはゼロ回答だったと思います。5/9韓国大統領選までの間が一番危ないと思います。金正恩が打倒されて喜ぶのは江派と瀋陽軍か習近平かは分かりません。江派と瀋陽軍は習の追い落としを図る材料にするでしょうから。腐敗ができなくなった人民解放軍は習に対し物凄く恨んでいると思います。

記事

中国・北京の人民大会堂で握手する習近平国家主席(右)と米国のレックス・ティラーソン国務長官(2017年3月19日撮影)〔AFPBB News

習近平主席による人民解放軍の大改革

習近平主席は、2017年の秋に予想される中国共産党第19回全国代表大会に向けて、権力基盤を強化しているが、大きな要素は人民解放軍を自らの完全な統制下に置くことである。

習主席は、2015年12月31日、中国建国(1949年)以来、最大規模の人民解放軍の改革に着手した。この改革は、既存の組織を少しいじるだけの小さな改革ではなく、多岐にわたる根本的なものであり、しかも改革の目標年を2020年に設定するなど、彼の軍改革にかける執念を感じる内容になっている。

この大改革が成功すれば、人民解放軍は精強な軍隊になり、自国の防衛のみならず、世界で作戦を実施する手強い存在になる。我が国にとっても大きな脅威となるので、改革の動向を継続的に分析していく必要がある。

人民解放軍の改革開始から4月1日現在で1年3カ月が経過し、徐々に改革の実態が見えてきたので、本稿においては軍改革の概要を簡単に説明するとともに、日本および台湾に対する作戦を担当する最重要な東部戦区(東部戦域軍)の改革の現状について紹介したいと思う。

結論的に言えば、人民解放軍改革は、多くの問題を抱えながらも徐々に「戦う軍隊」になりつつあると評価する。しかし、習近平が目標としている2020年までの改革の完成は無理であると断言できる。

なぜなら、組織を再編成して新しい組織の形(ハード)はできたとしても、組織が効果的に機能を発揮するために実施しなければいけないこと(作戦構想の確立、作戦構想に基づく訓練の実施、その成果のフィードバックなど)は多く、とても2016年から2020年までの4年間で完成しないからだ。2020年以降も改革の継続が必要となろう。

日本の防衛に大きな影響を及ぼす東部戦区(東部戦域軍)については、艦艇や戦闘機の性能は向上し、陸・海・空・ロケット軍による統合作戦能力も徐々に向上するであろう。

実は、自衛隊には大きな部隊レベルにおける陸・海・空の統合部隊が存在しない。自衛隊よりも先に、中国の統合部隊が、戦区レベルで戦域軍として誕生した意味は大きい。東部戦区(東部戦域軍)に対峙する自衛隊や海上保安庁をはじめとする組織の対処能力の向上が急務である。

・人民解放軍改革の目的

改革の最大の目的は、人民解放軍を「戦って、勝つ」軍隊にすることだ。習主席は、改革を公表した2015年の時点の評価として、「人民解放軍は戦えないし、戦っても勝てない軍隊だ」と考えていた。そして、戦って勝てる軍隊にするためにはどうしたらいいかを考えて出した結論が、以下の諸点である。

(1)統合運用などの米軍方式を努めて取り入れ、真に戦い勝利する現代軍にする。

今回の軍改革の大きな特徴は60年以上続いてきた旧ソ連軍方式から米軍方式への転換である。なぜ、米軍方式なのか。世界一の軍隊である米軍の長所を吸収するためである。

現代戦は、5個の作戦領域(陸・海・空・宇宙・サイバー空間)をすべて使い、各軍種(陸・海・空・海兵隊など)が密接に連携した統合作戦により遂行される。統合作戦能力を向上することは、結果的に人民解放軍の伝統であった陸軍優先の伝統を排除することにつながる。

人民解放軍改革の試みは、中国版ゴールドウォーター・ニコルス(Goldwater-Nichols)だと形容されることがある。米国のゴールドウォーター・ニコルス法は、1986年に制定され、米軍の統合運用の根拠となった法律である。

米軍は、1986年から30年以上かけて統合作戦能力の向上を図ってきたが、いまだに問題点が指摘されることがある。ましてや共産党の軍隊である人民解放軍が統合運用をマスターするためには米軍以上の年月が必要であろう。

なぜなら、統合運用のためには柔軟性や創造性が不可欠なのだ。共産党の軍隊である人民解放軍に米軍の様な柔軟性や創造性があるとは思えない。

しかし、後述する戦区(戦域軍)の創設により、戦域軍司令官がすべての軍種から提供される部隊を戦力化して統合運用する「仕かけ」はできた。今後、その「仕かけ」を使い、米軍の太平洋軍などと同等のレベルの統合作戦を実行するには特段の努力が必要である。

(2)人民解放軍内における陸軍優先主義を排除し、中央軍事委員会の影響力を強化する。結果として軍の腐敗を根絶する。

参謀組織の変更*1により、陸軍が支配していた4総部(総参謀部、総政治部、総後勤部、総装備部)を改編し陸軍優先主義を排除するとともに、中央軍事委員会の影響力を強化し、結果的に習主席の権力基盤の強化にも直結する。

4総部の中でも総参謀部(General Staff Department)は陸軍司令部も兼ねていたために、海軍司令部と空軍司令部の上位に位置し、陸軍が他の軍種を支配する形であった。それを解消したことは特筆すべきである。

また、陸・海・空・ロケット軍の統合組織である戦区(戦域軍)の司令官のポストを、陸軍だけではなく他の軍種出身者にも開放することにより陸軍優先を排除する仕組みにした。実際に、南シナ海を担当する南部戦区(南部戦域軍)では、海軍の袁誉柏中将が司令官に就いている。

陸軍優先主義の排除は、結果として陸軍を中心とした腐敗を根絶することになるし、統合作戦の実施においてもプラスである。

しかし、最も腐敗した組織の1つである中国軍の改革は困難を極める。下の組織になればなるほど腐敗体質の改善は難しい。習主席は今回の軍改革の一環として軍のビジネスの大半を禁止した*2。甘い汁の源泉を失った陸軍がいかなる抵抗を示すかが注目される。

「上に政策があれば下に対策がある」と言われるしたたかな中国社会において、習主席の改革がどこまで達成されるかは習主席が何時まで軍の最高指揮官でいられるかにかかっている。

(3)軍内の反習近平派に対する権力闘争に勝利し、自らの権力基盤をより確実にする。

習主席は、自分の息のかかった軍人を要職に就けることにより、自らの権力基盤の強化を図っている。当然ながら抵抗も強い。特に、大きな影響力を削がれる陸軍を筆頭に既得権益を守りたいグループの根強い抵抗があると報じられている。

習主席は、その抵抗に対して、反腐敗闘争をスローガンに譲らない姿勢を見せている。習主席の意に沿わない多くの将官が退官を余儀なくされている。

図1「軍改革後の人民解放軍の組織図」。出典:China’s Goldwater-Nichols? Assessing PLA Organizational Reforms

●軍種レベルの変更

人民解放軍は、2015年12月31日以前には、陸軍、海軍、空軍の3軍種と第2砲兵(2nd Artillery Corps)*3で編成されていた。しかし、今回の軍改革により、図1に示すように軍種レベルの変更がなされ、陸軍司令部、ロケット軍、戦略支援部隊*4が新設された。

今回の改革において第2砲兵がロケット軍となり、図1が示す通り、陸・海・空軍と同列の軍種となった。習近平主席は、ロケット軍について、「中国の戦略抑止の中核であり、国防の礎である」と発言している。新設されたロケット軍は、すべて(地上発射、海上・海中発射、空中発射)の核および通常弾頭の戦略ミサイルを担当する。

新たに新設された戦略支援部隊は要注目であり、現代戦に不可欠なサイバー戦、電子戦、宇宙戦、兵站を担当する部隊であるという見方が多い。

戦略支援部隊は、第2砲兵と同様に独立した職種であり、陸・海・空軍・ロケット軍と同列の軍種ではなく、中央軍事委員会の直轄で戦区(戦域軍)を直接支援する部隊である。

一部の専門家の解釈では、陸軍、海軍、空軍、ロケット軍、戦略支援部隊を総称して5大軍種としているが、戦略支援部隊は、陸軍、海軍、空軍、ロケット軍の4軍種とは違う位置づけであり、5大軍種という表現は適切ではない。

*1=渡部悦和、「米中戦争そのとき日本は」、講談社新書、P59~P60

*2=Bringing an end to the People’s Liberation Army中国軍 Inc. , South China Morning Post, 14 April, 2016

*3=第2砲兵は、陸・海・空軍と同列の軍種ではなく、軍種の中の職種(例えば歩兵など)の扱いであった。

*4=Strategic Support Force

  • 7「軍区」から5「戦区」への変更

習主席は、腐敗の温床である軍区制度の変更に関する発表を2016年2月1日に実施した。軍区は、かつて7個(瀋陽、北京、蘭州、成都、南京、広州、済南)存在していたが、7軍区を5個の戦区(東部、南部、西部、北部、中部)に改編することになった(図2参照)。

今までの7軍区は、地理的な担当地域の意味合いが強かった。軍区司令官は、担当する軍区に所在する陸軍以外の海軍・空軍・第2砲兵に対する平時からの指揮統制の権限を持っていなかった。

そのため、軍区司令官が平時において陸・海・空・第2砲兵の部隊を訓練すること、つまり統合訓練を実施する権限を持っていなかった。軍区司令官は、有事においては陸・海・空・第2砲兵の部隊を指揮する権限を持っていた。

つまり、平時には統合訓練はできないが、有事には統合部隊を編成し指揮しなさいと言うことであった。平時に訓練する必要がないから、金もうけのための商売に精を出すことになる。

特に軍区司令官などの階級が高い者は各省の役人と結託して軍所有の土地を商売(マンション建設など)用に提供するなどして利益を得ていたという。結果として訓練をしない弱い軍隊と腐敗が蔓延する人民解放軍になっていた。

習近平は、このような状況に危機感を持ち、腐敗を根絶し、統合作戦能力を強化するために軍区の代わりに戦区を導入した。戦区司令官は、平時でも有事でも戦区に所在する陸・海・空・ロケット軍を統合して訓練し指揮することになった。平時においても訓練をしなければいけないから、金もうけのための商売に精を出すことができなくなった。

図2「中国軍の5戦区」 出典:Wikipedia , “The PLA’s New Organizational Structure”*5

  • 人民解放軍改革の本質から判断して、「戦区」ではなく「戦区(戦域軍)」が適切

ここで問題なのが戦区という呼び方である。人民解放軍は、軍区の代わりだから地域的・空間的な意味合いの強い戦区という呼び方をするが、軍改革の本質を理解しない呼び方である。

中国語の戦区を英語にするとTheater Commandだという。素直に訳すと「戦域軍」が適切である。つまり、米軍のCentral Commandが中央軍であり、Pacific Commandが太平洋軍と呼ばれるのと同じである。

米軍の中央軍も太平洋軍も陸・海・空・海兵隊の部隊を統合運用する統合軍なのだ。軍改革の本質論から言えば、ただ単に空間を示す「戦区」ではなくて統合指揮の側面を重視した「戦域軍(theater command)」と呼称すべきである。過去の経緯もあり当面は「戦区」を「戦区(戦域軍)」と表記することにした。

戦区(戦域軍)司令官は、米軍の太平洋軍司令官と同様に、担当地域内(戦区内)の陸・海・空軍とロケット軍に対し、より直接的な指揮権を保持することになった*6。つまり、米軍の統合組織を真似た戦区(戦域軍)を新編することにより戦区(戦域軍)レベルでの統合作戦を追求したのである。

統合作戦を指揮する部署が戦区(戦域軍)と中央軍事委の直属中央組織の両方に設置されれば、統合作戦の面で大きな前進となるが、本当に統合作戦指揮機構が上手く機能するか否かが注目される。

*5=Kenneth W. Allen, Dennis J. Blasko, John F. Corbett, Jr.、The 中国軍’s New Organizational Structure: What is Known, Unknown and Speculation, Parts 1 & 2

*6=Jeremy Page、Wall Street Journal, April 27, 2016

人民解放軍の30万人削減と陸軍の削減

習近平主席は、2015年9月の「抗日勝利70周年記念」の軍事パレードにおいて、人民解放軍を2017年末までに30万人削減し、200万にすると宣言した。この30万人削減は宣言通りに2017年中に達成されるであろうが、削減される彼らの大部分には再就職先がなく、社会不安定の要因になると予想する専門家もいる。

30万人削減の最優先のターゲットとなるのは文化面を担当する非戦闘員(例えば雑技団、舞踊団、合唱隊、オーケストラ、テレビに従事する者など)の削減であり、次いでその他の非戦闘員(事務職のシビリアンなど)であり、その多くは陸軍からの削減である。それでも足りない場合は陸軍の軍人を削減することになるのであろう。

30万人の削減以外にも陸軍を縮小する動きがある。例えば、陸軍から他の軍種(海軍、空軍、ロケット軍)への要員の配置替えが大規模に行われるであろう。

例えば、海軍陸戦隊(英語でMarine Corpsと表現しているから海兵隊とも訳されている)を現在の2個旅団2万人(司令部は広東省湛江)から5倍の10万人(6個旅団)に増員する予定で、その増員は陸軍からの配置替えで達成される。

また、ロケット軍や戦略支援部隊の構成員の大部分は陸軍に所属していた部隊の編制替えであり、統計上は陸軍所属人員が減少することになる。

図3「人民解放軍陸軍の軍団の削減」 出典:South China Morning Post  また、陸軍の定員の削減に伴い、陸軍の軍団(corps)が削減されるという。図3を見てもらいたい。人民解放軍改革の影響で、陸軍の18コ軍団のなんと25%が廃止になると報道されている*7

戦区別に見ると中部戦区の2コ軍団(第20軍団、第27軍団)、西部戦区の1コ軍団(第47軍団)、南部戦区の1コ軍団(第14軍団)が廃止になり、北部戦区の2コ軍団(第16軍団、第40軍団)も廃止の可能性があるという。唯一軍団の廃止がないのが東部戦区(戦域軍)のみで、第1軍団、第12軍団、第31軍団は温存される予定だ。

*7=“China to disband over a quarter of its army corps, sources say”South China Morning Post, 18 March

東部戦区(東部戦域軍 ETC:Eastern Theater Command)*8

我が国にとって東部戦区(東部戦域軍)は5つの戦区(戦域軍)の中で最も重要である。なぜなら、東部戦区(東部戦域軍)は、台湾と日本を担当しているからである。

台湾に関しては、一中政策(一つの中国政策)を主張する中国にとって死活的に重要な利益であり、東部戦区(東部戦域軍)は台湾の独立を抑止する戦力として極めて重要な役割を果たしている。台湾が独立の動きを示せば、東部戦域軍を使って独立の動きを阻止する可能性が極めて高い。

また、我が国に対しても、東部戦区(東部戦域軍)は、尖閣諸島の問題や南西諸島の防衛に対し直接的に影響を与えることのできる部隊だ。また、中国が一方的に設定したADIZ(防空識別区)を見ても分かる通り、我が国の航空機(軍用機のみならず民航機も)の運航に大きな影響を及ぼすのが東部戦区(東部戦域軍)である。

中国に対する脅威は、歴史的には北部および西部から侵入してくる地上戦力であったが、1980年代のロシアとの国境を巡る協定のためにこれらの脅威が薄れ、海上および航空戦力主体の東からの脅威が認識され始めた。

特に1995~1996年の第3次台湾海峡危機に際して、米軍の空母2隻により人民解放軍の台湾に対する軍事侵攻が完全に抑止された。その衝撃を受けて人民解放軍における軍事力の現代化が急速な勢いで進んできた。

図4「東部戦区(東部戦域軍)」 出典:Peter Wood

  • 東部戦区(東部戦域軍)の特徴

図4を見てもらいたい。東部戦区の地形は、北部の平野と南部および西部の山岳地帯に特徴があり、3億1900万人の人口、中国の10大港のうち上海港、寧波港、廈門港を有している。特に長江が形成する三角州は、人民解放軍の「軍事戦略の科学」により「重心所在(centers of gravity)」と評価される重要な地域だ。

第1集団軍(1st GA:司令部は湖州)は、中国の中央海岸を防衛する部隊であり、河川や湖沼での作戦を実施する部隊が存在し、これらの部隊は台湾シナリオにおいて活躍する部隊だ。

その北の第12集団軍(12th GA:司令部は徐州)は、機械化旅団をもって南京と江蘇を防護している。第3戦闘機師団が東部戦区の中枢を防護している。

第31集団軍が所在する東部戦区の南部地域は山が多く、人民解放軍誕生の地でもあり、現在も人民解放軍陸軍の司令部が福州(Fuzhou)に所在する。福州や厦門(Xiamen)には台湾紛争に備えた数多くの部隊(両用戦部隊や特殊作戦部隊など)が所在する。

ロケット軍の発射旅団が江西省(Jiangxi)や安徽省(Anhui)の複雑な地形の中に隠れるように所在している。

東海艦隊は、寧波に司令部がある重要な艦隊で、海軍航空隊が台湾から本土の間の台湾海峡を担当している。

*8=Peter Wood,“China’s Eastern Theater Command”,China Brief 17

  • 統合作戦

東部戦区(東部戦域軍)の司令官は、「戦区(戦域軍)の創設は、統合作戦を可能にする鍵となる組織である」と明言している。統合作戦は、東部戦区(東部戦域軍)の中で完結できれば良いが、できない場合には他の戦区(戦域軍)との調整が重要である。

例えば、上陸作戦において海兵旅団と上陸用舟艇部隊は協同すべきである。しかし、中国の2個海兵旅団は広東省の湛江市に所在するが、上陸用舟艇部隊は上海に基地がある。つまり東部戦区(東部戦域軍)と南部戦区(南部戦域軍)との調整が必要になる。

また、東部戦区(東部戦域軍)と中部戦区(中部戦域軍)との統合訓練、例えば、防空部隊を中部戦区(中部戦域軍)から東部戦区の福州に移動させるなどの訓練もなされている。

さらに、人民解放軍は、台湾シナリオにおいて必要な各種演習、例えば着上陸作戦、長距離移動作戦、海上作戦なども行っている。具体的には、空母遼寧は海上での対艦艇実射訓練を実施したり、空軍と協同して台湾周辺で長距離パトロールを実施し、逐次に統合作戦能力の向上に努めている。

つまり、戦区(戦域軍)という仕かけが徐々に機能し、人民解放軍の統合作戦能力の向上が徐々に進んでいるということだ。

  • ロケット軍と戦略支援部隊

東部戦区(東部戦域軍)のロケット軍は、台湾にとって大きな脅威であり、各種ミサイル(短距離・中距離弾道弾や巡航ミサイル)1200発が台湾に向けられている。これらのミサイルは、日本にとっても脅威であり、在日米軍基地(特に在沖縄米軍基地)、日本の空港や港などの重要インフラを迅速に打撃することができる。

特に、短距離弾道ミサイルDF-16には、「沖縄エクスプレス」というニックネームまでつけられ、「いつでも沖縄を攻撃できるのだぞ」という脅しになっている。

戦略支援部隊は、サイバー戦、電子戦、宇宙戦などを担当すると記述をしてきたが、それらを別の観点から表現すると、最新のICT技術を活用したネットワーク戦(「ネットワークを活用した作戦」)を実施する部隊だ。

戦略支援部隊隷下のネットワーク戦部隊は、東部戦区の作戦において重要な役割を果たすことになる。ロケット軍の部隊は戦略支援部隊と連携して、台湾や沖縄をめぐる紛争において、C4ISR(指揮・統制・情報・監視・偵察)インフラに対する攻撃を主導するであろう。

結言

習近平主席が進める人民解放軍改革の成否は日本の安全保障にも重大な影響を及ぼす。2016年初から始めて2020年を完成の目標年としている。人民解放軍史上最大の改革が4年で完成するとは思わないが、ある程度の形はできると思う。

特に注目すべきは戦区(戦域軍)の導入である。統合運用能力の観点から分析した時に、戦区(戦域軍)が平素の訓練の段階から統合運用を積み重ねていき、その能力を向上させていくと手強い相手になる。警戒が必要である。しかし、米軍や自衛隊の経験から判断して、簡単に統合運用能力が画期的に向上するとも思えない。

また、改革の進展に伴い、腐敗で有名だった人民解放軍から腐敗が一掃されれば、これも人民解放軍の精強化にはプラスである。問題は、腐敗が一掃されるか否かである。

確かに、腐敗の温床になっていたビジネスの多くは禁止されたが、部隊の末端まで腐敗一掃を徹底するのは難しいと思う。改革の成否は、習近平主席がいつまでトップにいるかにかかっている。

いずれにしろ、人民解放軍の大改革は推進中であり、今後ともその動向を注視しなければいけないが、自衛隊には統合運用能力の向上をはじめとする真剣な防衛努力を期待する。

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『北朝鮮攻撃の日は近い?米国で崩れてきた前提とは 米中首脳会談は成果を出せるか』(4/5JBプレス 古森義久)について

4/7(日本時間・午前)トランプと習近平のデイナーで、トランプの顔は仏頂面で、これから言い争うというのが滲み出ていました。対して習は笑みを浮かべて余裕の様子。まあ、中国人は騙すのはなれていますので、自分の感情が顔に出るようでは上にはなれません。ゴルフもしないという事は、トランプは習を心の底からは信用してないというのが窺えます。それはそうでしょう。同盟国日本と敵国中国では扱いが異なって当り前。ただ、自由主義国であっても、メルケルやターンブルと安倍首相とは扱いが異なっています。両国とも中国に対する姿勢が甘いため、トランプが好きでないのが分かります。

河添恵子氏は、習がトランプに金正恩を始末するのを依頼し、それに連なる江沢民派と瀋陽軍区を打倒しようと考えているのではと読んでいます。河添氏の「中国は一体に見えるけど、軍閥で分かれている」というのは小生も同じ考えです。群雄割拠ならぬ軍閥割拠です。ですから中共が打倒されるには軍閥間の争いを利用しないと成就できないと思います。今回は米中合同で金正恩の「斬首作戦」決行の密約が結ばれるかも知れません。絶対表には出ないでしょうけど。


https://youtu.be/Xhpa_WMMEC4

米軍が北に先制攻撃したら“金三胖”は狂って核ミサイルをソウル、東京だけでなく、中南海に打ち込むかもしれません。標準を既に合わせているかも知れません。江派は北京にできるだけいなくなるかも知れません。

邦人の韓国脱出はトランプ・習会談が終わって道筋が決まってからでしょう。大使帰任は早かったかとの印象がありますが、米国の依頼としか考えられません。長嶺大使は韓国人なぞ相手にすることなく、10万人もいると言われている邦人を早期に帰還できるよう手立てを考えるべきです。民間船舶を利用しないと一遍には無理ではないでしょうか。韓国旅行などもっての他。政府は米中交渉の動きを見て、機敏に動いてほしい。

シリアでアサドが毒ガス攻撃をしたと報道され、ロシアは否定しています。これもシリアにいる北朝鮮軍が米国の目を眩ますために使ったのではという話もあります。

http://brief-comment.com/blog/northkorea/54297/

これに対してトランプは駆逐艦からシリア空軍基地に59発の巡航ミサイルをお見舞いしたとのこと。中国が北を抑えなければ米国単独でも「斬首作戦」を実行するとの意思表示でしょう。世界第二位の軍事大国ロシアの意向に関わらず攻撃したのですから。況してや世界第三位の軍事大国中国の意向などという所でしょう。

記事

北朝鮮・平壌で朝鮮革命博物館を視察する金正恩朝鮮労働党委員長。国営の朝鮮中央通信(KCNA)配信(2017年3月28日配信)。(c)AFP/KCNA VIA KNS〔AFPBB News

トランプ政権が北朝鮮への態度をいよいよ硬化させ、北朝鮮の核兵器や長距離弾道ミサイルの開発を阻むための軍事攻撃という選択肢も語られるようになった。

4月6日から中国の習近平国家主席と首脳会談するトランプ大統領は、徹底した経済制裁によって北朝鮮の核開発を防ぐことを中国に改めて要請するという。中国がこの要請に応じない場合、米国はどうするのか。

北朝鮮情勢はいまやかつてない危機を迎えたと言っても過言ではない。ワシントンでもソウルでも東京でも、トランプ政権による「金正恩政権への軍事攻撃」というシナリオが論じられるようになってきた。

トランプ政権はこれから北朝鮮に対してどんな政策や戦略をとるのか。ワシントンの政府内外で長年、朝鮮半島情勢の研究を専門としてきたジョージワシントン大学のラリー・ニクシュ教授に見解を尋ねてみた。

ニクシュ氏は米国政府の国務省や議会調査局で朝鮮情勢の専門官として30年ほど勤務し、戦略国際問題研究所(CSIS)の上級研究員を経て現職に就いた。歴代米政権の北朝鮮への対策や戦略に精通する専門家である。

ニクシュ氏との一問一答の骨子は次のとおりである。

ICBMが米国西海岸まで到達する日

──北朝鮮の現在の動向に関して、トランプ政権が最も懸念することはなんでしょうか。

ニクシュ氏 私は現在、政権の外にいます。その立場であえて述べれば、トランプ政権は、北朝鮮がこのままだと2020年頃までにアラスカやハワイ、場合によってはアメリカ本土の西海岸にまで到達する核弾頭装備のICBM(大陸間弾道ミサイル)を開発するだろうとみています。なんとかしてそれを阻止することを当面の最大の目標としていると言えるでしょう。

──もし北朝鮮が米国本土に届く核弾頭装備のICBMを保有したとなると、米国は核戦略を根本から変える必要に迫られますね。もしも北朝鮮がソウルや東京への核攻撃の威嚇をかけてきた場合、これまでならば米国は同盟国への「拡大核抑止」の原則に従い、北朝鮮に「核攻撃をかけるぞ」と威圧して北を抑えることができました。しかし北朝鮮が核装備のICBMを持っていると米国本土が核攻撃を受ける危険性が生じる。となると、米国としては自国本土の大きな被害を覚悟してまで韓国を守ることができるのか、という問題が生じます。

ニクシュ氏 そのとおりです。米国がサンフランシスコに核攻撃をかけられる危険を覚悟してまでソウルを守るのか、という議論になります。北朝鮮の核ミサイルは、ソウルや東京を破壊できても、米国本土の大都市は攻撃できないだろうという現在の大前提が根本から崩れるわけです。米国の歴代政権は、そんな事態は絶対に許容できないとして「北朝鮮の非核化」政策を追求してきました。トランプ政権もその点では歴代政権と変わりはないでしょう。

生かすも殺すも中国次第

──そんな事態を阻止するために、トランプ政権がいま最も重点をおく政策とはなんでしょうか。

ニクシュ氏 トランプ政権は、中国こそが北朝鮮の生殺与奪の権を握っているとみています。北朝鮮は食糧とエネルギーのほぼすべてを中国に依存しています。その中国が北朝鮮に対する経済制裁を徹底すれば、北朝鮮は国家滅亡の危機とみて核兵器開発の停止にも踏み切るだろうと考えるわけです。

──トランプ政権はそのために中国に対してなにを求めるのでしょうか。

ニクシュ氏 北朝鮮への石油輸出を全面停止する圧力行使を求めるでしょう。それが、最大の効果を発揮できるほぼ唯一の残された経済制裁です。北朝鮮は国内の官軍民で必要な石油の9割を中国からの輸入に依存しています。その全面ストップは核兵器やミサイルの開発停止にもつながるでしょう。

──トランプ大統領はまもなく米国のフロリダ州の私邸で中国の習近平国家主席との初めての首脳会談に臨みます。そこでも北朝鮮問題は当然、提起されるわけですね。

ニクシュ氏 当然、提起されるでしょう。米中間には貿易不均衡、サイバー攻撃、南シナ海、台湾問題など摩擦につながる案件は多数ありますが、いまやトランプ政権は対中関係全体の中で北朝鮮問題が筆頭に位置すると考えるようになりました。

米国の「軍事的な行動」とは?

──しかし、中国は北朝鮮に対する石油の輸出を止めようとはしていません。その中でトランプ政権は、北朝鮮に対する軍事攻撃という選択肢を示唆するようになりました。たとえばティラーソン国務長官は北朝鮮との外交交渉を拒んだうえで、対応策の1つとして「軍事的な行動」という言葉を使いました。トランプ政権にとっての「軍事的な行動」とはなにを意味するのでしょうか。

ニクシュ氏 トランプ政権が最後の手段として北朝鮮への軍事攻撃の可能性を検討していることは確実です。米国の歴代政権が少なくともその軍事シナリオをどこかで考えてきたことも事実です。

まず考えられるのは、北朝鮮の核兵器の開発拠点や貯蔵基地を破壊する方法です。しかし核施設への直接の攻撃は難しいでしょう。北朝鮮はすでに20~40個と推定される核弾頭(核爆弾)を完成させているというのが米側の当局の見方です。ですが、この核弾頭の所在地が不明です。同時に核燃料の再処理や濃縮の施設も正確な位置が分かりません。山岳部の深い地下にあるのでしょう。そのため、そうした核施設への攻撃は効果が期待できません。

──となると、長距離ミサイル関連施設への攻撃がより現実的だということでしょうか。

ニクシュ氏 そうです。トランプ政権がまず優先しようとしている軍事オプションは、北朝鮮の北西部の弾道ミサイル発射基地などへの攻撃です。最も現実的な方法として、それらのミサイル施設へのミサイルあるいは有人無人の航空機による限定的な爆撃が検討されているようです。

──しかしこれまで、北朝鮮への軍事攻撃計画は米国内で反対論が圧倒的に多かったですね。もし米軍が、たとえ限定的でも北朝鮮を軍事攻撃すれば北朝鮮は即座に韓国に全面的に反撃し、朝鮮半島で全面戦争になるとみられているからです。「韓国に重大な被害をもたらすことになる北朝鮮攻撃などとんでもない」というわけです。いまもその主張は広範に存在しますが。

ニクシュ氏 確かにそのとおりです。ただしトランプ政権内では「北朝鮮への拠点攻撃は拠点だけで限定できる」「全面戦争は抑止できる」という見解が広まってきた印象があります。全面戦争となれば北朝鮮という国家が完全に崩壊するわけだから、金正恩政権も理性を働かせて、限定的な攻撃への反撃は限定的に抑えておくだろうという推察がなされるようになってきました。

米国で崩れてきた前提

長らく米国では「北朝鮮への米軍のいかなる軍事攻撃も、全面的な反撃を招いて韓国に大惨事をもたらすため、現実的な選択肢にはなりえない」とされてきた。だが、以上のニクシュ氏の見解によると、米国ではその大前提がついに崩れてきたようである。

つまり、米軍が北朝鮮の核やミサイルの施設のみに照準を絞って限定的な攻撃をかけた場合は、北朝鮮は全面的な反撃に出ることを抑えるかもしれない、というのだ。ニクシュ氏はこの部分を「米側による新たな抑止」と表現した。

同氏によれば、米軍の攻撃は、北朝鮮のミサイルやミサイル関連施設だけが標的であっても、弾道ミサイル開発の主要部分を破壊することで核弾頭装備の長距離弾道ミサイルの脅威をかなり阻止できることになる、という。

やはり現実の事態として朝鮮半島の危機が迫ってきている。日本としても国家の非常事態として認識するぐらいの覚悟が必要なことは明白である。

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『米中が朝鮮半島で談合する時 「北の核」と「米韓同盟」を取引しよう』『「米韓同盟」も「中朝」も賞味期限切れだ 「同盟国を捨てる機会」を見計る米中』(4/5・6日経ビジネスオンライン 鈴置高史)について

本記事を読みますと、ニクソンも周恩来も「朝鮮民族は米中にとっても扱いにくい」と思っていたのが分かります。日本はそういう民族を1910年~1945年まで仲間として統治していたのですから、如何にロシアの脅威があったにせよ、大変だったと思います。何せルーツは中国人、言葉も中国語の方言のようなものです。中国人をもっと「すれっからし」としたのが朝鮮人です。それはそうでしょう。事大主義で強い方に靡くのですから裏切りが当り前です。

沈志華教授とマイケル・スウェインが主張する「朝鮮半島の統一と非同盟」がセットという考えは中国に大きなメリットを齎すだけです。米韓同盟と中朝同盟をなくし、韓国主導で統一させたとしても、抗日政府を樹立した北朝鮮に正統性があるという親北派の多い韓国民を、“所謂従軍慰安婦”に見られるように、裏で操作できるようにするでしょう。また、韓国主導と言っても、政治システムを議会制民主主義化することはありません。金正恩の北朝鮮が抵抗するでしょうし、中国も共産主義国家で香港の一国二制度すら形骸化させてきているのに、朝鮮人に自由を認めるはずがありません。統一は李氏朝鮮時代の属国に戻すことを意味します。最初は韓国主導と言いながら、政治体制について議会制民主主義へのギャランテイーなしというか、朝鮮半島を第二の香港にするつもりでしょう。親中派議会人を多く送り込み、共産党一党独裁化することを狙っていると思います。

しかし、映画「スノーデン」で彼が横田基地に在籍していた時に、日本のインフラにマルウエアを埋め込んだというのが出て来るそうです。北や中国にも同じことができる技術を米国は持っていないのでしょうか?米国の軍事予算を増やすためとか、兵器を消費して最新型にするために、日本を脅威に晒すのだったら止めてほしい。

でも、北や中国に時間の利益は与えることは出来ません。腹黒い中国の言うがままに「朝鮮半島の統一と非同盟」に乗せられると中国を利するだけです。トランプがどう判断するかです。取引の達人と自負しているトランプですから習を追い込む姿勢を見せないと。中国国内は嘘の報道であふれるでしょうが。

4/5記事

「ヤルタ体制に戻れ」。中国の学者の主張が注目を集めている(写真:AP/アフロ)

前回から読む)

「米中が協力し朝鮮半島を統一・中立化する」構想が米中双方で語られる。北朝鮮から「核」を取り上げるのが目的だ。

「韓国主導で統一を」と中国学者

鈴置:今、アジア専門家の間で注目を集めている講演があります。中国の有力な学者が「韓国が主導する朝鮮半島の統一」を訴えたのです。

主張したのは中国の冷戦研究の第一人者と言われる華東師範大学の沈志華教授です。中朝関係史に詳しく、豊富な資料を駆使して『最後の「天朝」』(日本語)を書いた人でもあります。「中国と北朝鮮は血盟の間柄」との神話を打ち砕いた大著です。

沈志華教授は3月19日、大連外国語大学で「中朝関係史の角度から見た『THAAD問題』」(中国語)と題し講演しました。講演筆記は中国のSNS(交流サイト)の「微博」など、ネットで読めます。

—「韓国による統一」に中国政府が動く可能性があるのですか?

鈴置:この講演の存在をご教示下さった中国研究者の辻康吾氏は「『韓国による統一』を中国政府が直ちに受け入れるとは考えにくい。しかし、こうした主張が堂々と中国のネットに掲載されていることには注目すべきだ」と語っています。

これは私の見方ですが、この講演が広く公開されているのは「1つの選択肢として提示し、米国の反応を見る」目的と思います。

「韓国による統一」は上手にやれば中国の利益になりますが、その実現は米中の足並みがそろわなければ難しいからです。

辻康吾氏は毎日新聞の香港・北京支局長を歴任した後、東海大学と獨協大学の教授を経て、現代中国資料研究会代表を務めるベテランの中国学者です。講演筆記は長文なので、辻康吾氏による抄訳を以下に引用します。

北は敵、南は友人

  • 表面的には中朝は同盟関係にあり、米国と日本が支持する韓国は北朝鮮と対峙している。だが、これは冷戦の遺物に過ぎない。状況は根本的に変化した。北朝鮮は中国の潜在的な敵となる一方、韓国は中国の友人となった。
  • 中朝が朝鮮戦争を共に戦ったことによる特殊な関係はすでに瓦解した。原因は3つある。1970年代初めから中・米関係が大きく改善したという「外交的要因」。北朝鮮が欲しいものは何でも与えるという姿勢を中国が改めたことによる「経済的要因」。そして1992年の中韓国交正常化という「政治的要因」だ。
  • 中朝関係の根本的変化が北朝鮮を孤立させ、その核開発を引き起こした。北朝鮮の相次ぐ核実験が朝鮮半島の危機をエスカレートし、中国を取り巻く環境を不安定にした。
  • 中国の根本的な利益には平穏な環境、対外発展が必要だが、北朝鮮の核武装で失われた。中朝の利益は必然的に対立している。であるからして北朝鮮の核問題は中国が主導的に解決すべきである。北朝鮮の立場に立っての解決は不可能なのだ。

米・朝を喜ばせた「中韓」の悪化

—「中国が主導的に解決すべき」とは?

鈴置:中国政府はこれまで「北朝鮮の核問題は米朝が対立していることが原因だ。解決には米朝対話が不可欠だ」と主張してきました。

沈志華教授は「そんな外交的レトリックを使って逃げてばかりでは、問題は解決しない」と断言。そのうえで「こうした受け身の姿勢により、敵に得点を与えている」と政府を厳しく批判しました。

「敵に得点」とは北朝鮮の核武装を放置したため、東北アジアでの戦力増強や「米日韓3国軍事同盟」結成の名分を米国に与えたことです。

さらには、米軍の戦力増強の一環であるTHAAD(=サード、地上配備型ミサイル迎撃システム)配備により、中韓関係が悪化したことです。沈志華教授は、これも米国と北朝鮮を喜ばせるだけだった、と言うのです。

兵糧攻めで「統一」を飲ませる

—今の状況は、中国からは「米国の得点」に見えるのですね。

鈴置:米国や日本からは「北朝鮮の核武装を暗黙裡に認めることで中国は、在韓米軍撤収や米韓同盟廃棄と交換するカードを着実に作っている」と見えるのですがね。

実際、中国はしばしば「米韓合同軍事演習の中断と、核実験の中断を交換せよ」と米朝に呼び掛けます。表「朝鮮半島を巡る米・中のカード」で示したように、米朝対話のシナリオの大団円として中国は「米韓同盟廃棄」を考えていると思われます。

朝鮮半島を巡る米・中のカード

米国 中国
THAAD配備留保 従来より強い対北朝鮮制裁容認
米韓合同軍事演習の中断と一部制裁の解除 北朝鮮の核・ミサイル実験の中断
米朝平和協定(不可侵協定)の締結  ・米朝国交正常化  ・在韓米地上軍撤収  ・在韓米軍撤収  ・米韓同盟廃棄 北朝鮮の核兵器廃棄  ・核弾頭の増産中断  ・弾頭再突入技術の開発中断  ・弾頭小型化技術の開発中断  ・保有核兵器の全廃
「朝鮮半島の非核化・中立化」の制度的保障

注)左右の項目は必ずしも連動しない

—では、沈志華教授はどんな大団円を主張するのですか。

鈴置:結局は「米韓同盟廃棄」ということなのでしょうが、表向きは「南北統一」を掲げています。講演では以下のように語っています。

(中国にとって必要な)米日韓3国軍事同盟の打破と、朝鮮半島の長期的な平和には第1に「統一」、第2に「米国との関係」がポイントになる。

そして「統一された朝鮮半島は中国の脅威にならない」「それどころか韓国主導の統一国家は、中国・東北部の経済発展に大きく寄与する」と強調したのです。

—確かに統一すれば、米国や韓国に負けまいと作った北朝鮮の核は不要になります。でも、どうやって統一に持って行くのでしょうか。

鈴置:ええ、その疑問がわきます。「統一」が簡単にできるのなら、とっくにしているはずです。ことに「韓国主導の統一」を北朝鮮が素直に飲むとは思えません。途方もない状況を作れば別ですが。

沈志華教授は講演で「統一」に至るプロセスに一切、触れていません。が、現実には「途方もない状況を作る」――例えば、中国が北朝鮮との貿易を完全に中断して兵糧攻めにする――くらいしか選択肢はありませんので、それを念頭に置いていると思います。

あるいは米国が北朝鮮の核・ミサイル施設を先制攻撃し、金正恩(キム・ジョンウン)政権が死に体となった後の「出口戦略」として「韓国による統一」が有効と考えているのかもしれません。

人民解放軍が北に侵攻

—中国は「米国による対北先制攻撃」は、何が何でも阻止したいのではありませんか?

鈴置:中国政府はその姿勢を打ち出してはいます。しかし「米国による北の核開発能力の除去」、果ては「金正恩の除去」を期待する中国の専門家もいます。

何と、中国人の学者が米国での講演会で堂々とそう語ったのです。聯合ニュースが「China scholars, policy makers begin talking about supporting surgical strike on N.K.: Chinese professor 」(2016年10月7日、英語版)で報じています。以下は前文と本文の書き出し部分の邦訳です。

  • 中国の学者と当局者が、北朝鮮への外科手術的な攻撃と指導者である金正恩の権力からの追い落としを、政策の選択肢として支持する方向で議論し始めた。
  • コロンビア大学(Columbia University)のZhe Sun上級客員研究員がワシントンで開いた安全保障に関するフォーラムで、そうした会話が中国の指導層で交わされていると明かした。

情報源を明示した上での報道です。記事によると、Zhe Sun上級客員研究員は以下のように踏み込んで語りました。

  • 米韓による「外科的手術と首のすげ替え」を支持すべきだと語り始めた学者や当局者がいる。もっと過激な意見もある。中国が指導者(金正恩)を換えねばならない。軍が国境を超えて北朝鮮に駐屯し、核開発の放棄と改革開放政策の採用を迫る――との意見だ。

暗殺事件の引き金か

—金正恩がこれを読んだらパニックに陥ったでしょうね。

鈴置:そう思います。隣の大国、それも同盟国が自分の国への侵攻と自身の「除去」を議論し始めたのです。この記事は英文でしたので、そのまま世界中の媒体に掲載されました。「面子も丸つぶれ」です。

マレーシアでの異母兄、金正男(キム・ジョンナム)氏暗殺事件(2017年2月13日)は、この記事が引き金となった可能性があります。「首をすげ換える」としたら、金正男氏が後継と見なされていましたから。

—中国の人民解放軍が北朝鮮に侵攻して核開発を止める、なんてことがあり得るのでしょうか。

鈴置:米国に先に実施されて主導権を握られるぐらいなら、自分が先にやろうと中国が考えても不思議ではありません。

ちなみに、私の書いた近未来小説『朝鮮半島201Z年』(2010年11月刊)でも、米軍ではなく中国軍が北朝鮮に侵攻して「核」を北から取り上げます。

北京の目と鼻の先に空軍基地

—なるほど「中国による侵攻」も否定できないのですね。では「統一韓国」が生まれた後、米韓同盟はどうすべきだと沈志華教授は言っていますか?

鈴置:それにも明確には言及していません。しかし米韓同盟は当然、廃棄すべきだと考えていると思います。そうしなければ中国は米軍が駐留する「統一韓国」と国境を接してしまいます。

北朝鮮を消滅させるために汗をかく中国としては割の悪い話です。それを避けるために、米軍は朝鮮半島南部――現在の韓国にだけ駐留できるとの約束を取り付ける手もあります。

しかし今や、米国と対等な関係を目指す中国人の目には、それも不愉快千万な状況に映るでしょう。中国は米国のそばに軍事基地を持たない半面、米国は北京と目の鼻の先の韓国に空軍基地を置き続けるのですから。

韓国の反米情緒を活用

—韓国が同盟廃棄を飲むと沈志華教授は考えているのですか?

鈴置:直接的には語っていませんが、講演では「米日韓3国軍事同盟」に関連し、次のように述べています。

  • 韓国には親米勢力と反米勢力が存在する。外交的な手段を上手に駆使すれば韓国の反米情緒をかき立て、反米勢力をして「3国軍事同盟」を解体することができる。

統一すれば、反米派の「米国との同盟は不要」との主張がより説得力を持つようになります。仮想敵である北朝鮮が消滅するのですから。

—しかし、中国というもっと大きな脅威と国境を接することになりませんか、「統一韓国」は。

鈴置:それを懸念して米国との同盟を続けたいと考える韓国人もいるでしょう。ただ日本人や米国人が想像するほどには、彼らの「中国に対する恐怖」は大きくないと思います。

千数百年間にわたって、朝鮮半島の歴代王朝は中国大陸の帝国の一部――朝貢国でした。「中国人の下で生きて行くこと」に韓国人は慣れているのです。それを楽しいと思うかは別の問題ですが。

ヤルタ体制に戻れ

—米国は米韓同盟の廃棄に応じると沈志華教授は見ているのですか。

鈴置:少なくとも呼び掛ける価値は十分にあると考えているようです。先ほど引用した部分でも「朝鮮半島の長期的な平和には『統一』に加え『米国との関係』がポイント」と言っています。

辻康吾氏は沈志華教授の講演の最後の部分「冷戦で崩壊してしまったヤルタ体制に戻れ」に注目します。中国にとって「ヤルタ体制」とは「アジアのことは中国が仕切る」との国際的な約束なのです。

沈志華教授は「ヤルタ体制では朝鮮半島や台湾は米国の防衛線の外に置かれた」とも語っています。それからすると「統一韓国」は中国のシマになるべきと考えているはずです。狙いは最低で朝鮮半島の中立化、できれば「統一韓国」と中国の同盟でしょう。

トランプ政権が北朝鮮の核武装阻止に本気で動き始めました。中国にとっては「北の核」と「米韓同盟」を同時に廃棄しようと米国に取引を持ちかける、絶好のチャンスが来たのです。

沈志華教授はそれを「韓国による統一」という糖衣でくるみ、米国や韓国が飲みやすくしたのです。もちろん北朝鮮に配慮せねばならない中国政府は「過激な意見」と見なすのでしょうが。形式的ではありますが中朝同盟はまだ、存在しています。

米国から呼応

—米国が韓国を見捨てるでしょうか?

鈴置:興味深いことに、沈志華教授が「朝鮮半島の統一」――本音ベースでは「ヤルタ体制への復帰」を唱えた直後に、それに呼応するような意見が米国で語られました。

「核問題解決には、米中が協力して朝鮮半島の統一と非同盟化を進めるしかない」との論文が有力外交誌に載ったのです。「米韓同盟を打ち切る」つまり「韓国を見捨てる」のが前提の議論です。

「Foreign Policy」の「China and America Need a One-Korea Policy」(3月21日、英語)です。

—4月6、7日と米国で米中首脳会談が開かれます。

鈴置:いずれの記事も、それに合わせて掲載されたかと思われます。

(次回に続く)=4月6日に掲載予定

4/6記事

1972年、ニクソン大統領と周恩来首相が交わした“本音”は、今も米中の共通認識となっている(写真:AP/アフロ)

前回から読む)

米国と中国が仕切る「朝鮮半島の統一・中立化」は実現するのか。

統一による平和

前回は「米中が協力して朝鮮半島の統一を進めよう」との声が両国であがり始めた、という話でした。

鈴置:中国の学者、華東師範大学の沈志華教授の主張を要約すれば「北朝鮮の核問題は小手先では解決しない。『統一』という大技を発動すべきだ。それこそが中国の利益になる」です。

米国にも「統一による非核化」を主張する学者が登場しました。カーネギー国際平和財団( the Carnegie Endowment for International Peace)のマイケル・スウェイン(Michael Swaine)シニアフェローです。

米外交誌の「Foreign Policy」に「China and America Need a One-Korea Policy」(3月21日、英語)を載せました。

この記事の副題は「北朝鮮(の核武装)を止めるには、朝鮮半島の将来の統一と、非同盟を保証するしかない」です。

「統一による非核化」という点で沈志華教授と全く同じですが、より明確に「中立化」をうち出しています。原文は以下です。

  • The only way to stop North Korea is by guaranteeing the peninsula will eventually be united–and non- aligned.

「日本は我慢しろ」

本文のポイントを訳します。

  • この数十年間、米中韓日、そして時にはロシアが北朝鮮に核武装計画を断念させようと懐柔、威嚇、甘言をもって努力を続けてきた。しかし、完全な失敗に終わった。
  • 米中は過去の失敗を再演するのではなく、協力を始める時だ。米中は双方が受け入れることのできる朝鮮半島の平和的な統一を目指し、誠意を持って行動に移るべきだ。半島の統一と、広い意味での非同盟化(すなわち、外国軍が駐留しない)が解決策である。

—なぜ今、こうした声が米中であがり始めたのでしょうか。

鈴置:北朝鮮の核武装が時間の問題となったからです。ただ、平和裏に解決するには中国の強力な経済制裁しか手がない。けれど、それは北東アジアの安保環境の激変につながる。だからこそ、スウェイン・シニアフェローは次のように強調したのです。

  • 非同盟化は韓国と日本を危険にさらす。しかし、北朝鮮に対し極度の孤立と崩壊の危険を選ぶのか、あるいは核武装なしで安全を確保するのかを問いただす道は、中国の対北影響力を完全に発揮することだけなのだ。

軍事力を使わずに北朝鮮から核を取り上げるには、中国の経済制裁を通じた「統一・中立化」しかない。米国から事実上、同盟を打ち切られる韓国と、大陸に向けた盾を失う日本は不安にかられるだろうが、北の核をなくすのだから我慢しろ、ということです。

出そろう取引材料

沈志華教授はこの状況を見て「米国が困っている今だからこそ、朝鮮半島から手を引かせられるチャンスだ」と考えたのでしょう。

スウェイン・シニアフェローは「統一・中立化構想」を「future Korea」と名付け、これを協議する米中双方の「取引条件」にも具体的に言及しています。以下です。

  • 米国はすべての戦闘力の朝鮮半島からの撤収と、米韓連合司令部の解体、米韓合同軍事演習の中止、THAAD(=サード、地上配備型ミサイル迎撃システム)配備撤回の可能性を探らねばならない。
  • 一方、中国は北朝鮮とのすべての経済的な関係の中断を準備すべきだ。「統一韓国」に対しては明快で拘束力のある安全保障上の保証を与える必要がある(これには外国の軍隊が挑発的な姿勢で展開しないとの約束も含む)。将来は中朝軍事同盟も廃棄すべきだ。

表「朝鮮半島を巡る米・中のカード」でも示したように、両国が話し合うとするなら、この辺が取引材料となるのです。

朝鮮半島を巡る米・中のカード

米国 中国
THAAD配備留保 従来より強い対北朝鮮制裁容認
米韓合同軍事演習の中断と一部制裁の解除 北朝鮮の核・ミサイル実験の中断
米朝平和協定(不可侵協定)の締結  ・米朝国交正常化  ・在韓米地上軍撤収  ・在韓米軍撤収  ・米韓同盟廃棄 北朝鮮の核兵器廃棄  ・核弾頭の増産中断  ・弾頭再突入技術の開発中断  ・弾頭小型化技術の開発中断  ・保有核兵器の全廃
「朝鮮半島の非核化・中立化」の制度的保障
 

注)左右の項目は必ずしも連動しない

時間がかかる米中合意

—「future Korea」は実現するのでしょうか。

鈴置:米中の話し合いというか、談合路線には1つ難点があります。合意を得るのに、あるいは対北制裁の効果が出るのに時間がかかりそうなことです。下手すると、その間に北朝鮮が核武装に成功してしまう。

4月2日、FTがトランプ(Donald Trump)大統領にインタビューしました。4月6、7日の習近平主席との会談直前ですから「米中間の取引」について聞いています。

日本語では日経の「〔FT〕トランプ氏会見、中国に北朝鮮への対応迫る」(4月3日)で読めます。FTの元記事は「Donald Trump warns China the US is ready to tackle North Korea」です。

FTの質問は「中国が北朝鮮への圧力を強める代わりに、将来の朝鮮半島からの米軍引き揚げを保証する『大きな取引』を検討しているか」でした。

それに対しトランプ大統領は「中国が北朝鮮問題を解決しないなら、我々がやる。今言えるのはただそれだけだ」と述べました。原文は以下です。

  • Asked if he would consider a “grand bargain” ? where China pressures Pyongyang in exchange for a guarantee that the US would later remove troops from the Korean peninsula ? Mr Trump said: “Well if China is not going to solve North Korea, we will. That is all I am telling you.”

その前段では「中国は北朝鮮に対し非常に大きな影響力を持っている。中国は北朝鮮問題で我々に力を貸すか否かを決めることになる」「米国に協力するなら、それは中国にとって非常に良いことだ。協力しないなら、誰にとっても良くない結果になるだろう」と語っています。

左派政権誕生を待つ中国

要は「北朝鮮への強力な経済制裁をかけるよう中国に要求する。それが嫌なら米国は北への先制攻撃で核問題を解決する」と宣言したのです。

「大きな取引」(grand bargain)に対しては否定も肯定もしていませんが、トランプ大統領の一連の発言からは「問題解決に時間をかけるつもりはない」とのワシントンの空気がひしひしと伝わってきます。

もっとも、中国は「大きな取引」あるいは「future Korea」にすぐには応じないと見る向きが多いのです。5月9日の韓国の大統領選挙で左派「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)候補が勝つ可能性が極めて高いからです。

「反米親北」色の濃い次期政権が米国との関係を悪化させれば中国は米国への譲歩、つまり対北圧力なしでの米韓同盟の弱体化、消滅を期待できるのです。

成均館(ソンギュングァン)大学のキム・テヒョ教授は朝鮮日報に寄稿した「米国は北朝鮮より韓国を懸念する」(4月3日、韓国語版)で以下のように書いています。

  • 中国にすれば、韓国の次期大統領さえちゃんと選ばれれば問題は解決する。あえて米国と韓米関係で争う必要はない。

韓国を格下げした米国

—「米中の談合」が今すぐ始まる可能性は低いということですね。

鈴置:その通りです。ただ、それでも「米中による統一・中立化に向けた話し合い」には目を向けておく必要があります。それは「筋がいい解決法」だからです。

まず、この方法を捨てれば、軍事行動をとるしかなくなります。米国が北朝鮮の核・ミサイル施設を破壊する場合、空・海軍力だけを動員すると見られています。

地上戦に持ち込めば被害が大きくなるからです。ただ、それは米国の思惑であって、限定戦争のつもりが北朝鮮の反撃にあって、全面戦争に拡大する可能性がないわけではない。

その際にも中国は参戦しないでしょうが、北朝鮮からの難民を引き受けるリスクが高まります。それに戦争の結果、北東アジアにおける米軍の存在感が一気に高まってしまいます。

もう1つ、米中にとって「筋がいい」理由があります。それは賞味期限切れの「米韓」「中朝」の両同盟を、北の核問題を解決するとの名分の下、解消できるからです。

沈志華教授が強調したように、中朝同盟は形骸化したうえ、中国にはお荷物になっています(「米中が朝鮮半島で談合する時」参照)。

米国にとっても韓国との同盟は不良資産化しています。米国が同盟国と中国包囲網作りに励む中、韓国だけがそっぽを向いています。それどころか米中対立を利用して、両国を天秤にかける「二股外交」まで始めました。

米国が巨額の予算と人材を投入し、韓国を北朝鮮の脅威から守っているというのに、あまりのやり方です。

ティラーソン(Rex Tillerson)国務長官が韓国を「同盟国」ではなく「パートナー」と呼んだのも当然です(「米国から『同盟国』と呼ばれなくなった韓国」参照)。

共通の主敵を失った米韓、中朝

—なぜ、そんなことになったのでしょうか。

鈴置:米韓が共通の主敵を失ったからです。米国の最大の仮想敵は中国。しかし韓国は絶対に「隣の巨人」中国を敵に回そうとはしません。

在韓米軍へのTHAAD配備問題が揺れるのは、米韓同盟の矛盾の象徴です。中国との良好な関係を維持したい韓国は、在韓米軍を守るための兵器の導入に難色を示し続けたのです。次期政権は配備を拒否するかもしれません。

仮想敵の異なる国同士の同盟は極めて不安定です。どうせ長続きしない同盟なら、それを捨てて見返りに中国から「強力な対北制裁」を引き出そうと米国が考えても不思議ではありません。

半島の構図は合わせ鏡です。中朝も共通の敵を失いました。中国の仮想敵は米国と日本であって韓国ではありません。

半面、北朝鮮の主敵は韓国であって米国ではありません。できれば米国や日本とは関係を改善し「国境を接する巨人」である中国を牽制したいのです。

寿命の尽きた2つの同盟

—確かに「米韓」「中朝」の2つの同盟は寿命が来ていますね。

鈴置:いずれも惰性で続いているのです。沈志華教授はこの構図を見切ったからこそ「強力な対北制裁」つまり「北朝鮮の切り捨て」を実行し、その代価として米国に韓国を捨てさせようと主張しているわけです。

赤字の事業を抱える大企業が2社あると想像下さい。収益が悪化し続けるというのに、ライバルと張り合うため2社ともその事業を嫌々ながら続けてきた。ある日、その馬鹿馬鹿しさに気づいた2社のトップが談合、それぞれの赤字事業を同時に切り捨てる――というアイデアなのです。

—それはあり得ますね。ただ、最近の米中は決して仲が良くない。

鈴置:でも、朝鮮半島に関しては「極めて仲がいい」のです。米中には「朝鮮民族の内輪もめに引き込まれ、多大の人的損害を出した朝鮮戦争の失敗を2度と繰り返したくない」との共通認識があるからです(「韓国は無視して『パンドラの箱』を開ける米国」参照)。

1972年、米中関係正常化のためニクソン(Richard Nixon)大統領が訪中しました。その際、周恩来首相に以下のような本音を漏らしています。

「衝動的な人たち」に嫌気

ニクソン訪中機密会談録』(毛里和子・毛里興三郎訳)の100ページから引用します。『増補決定版』では136ページです。原文は「Nixon’s Trip to China」の「Document 2」の17ページで読めます。

  • 朝鮮人は、北も南も感情的に衝動的な人たちです。私たちは、この衝動と闘争的態度が私たち両国を困らせるような事件を引き起こさないよう影響力を行使することが大切です。朝鮮半島を我々両国政府の争いの場とするのは愚かでばかげたことです。一度起こってしまいましたが、二度と起こしてはなりません。首相と私が協力すればそれを防ぐことができると思います。

周恩来首相も次のように答えました。

  • そのことがまた南北の接触を促進するでしょう。

「感情的に衝動的な」(emotionally impulsive)人々には大昔から、米中ともに嫌気がさしているのです。

日本は米中が突然に談合し、朝鮮半島を投げ捨てる日に備える必要があります。それは「北の核」が平和的に解決される時はもちろん、力で解決される場合にも「後始末」として起こり得るのです。

(次回に続く)

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『中国の民主化、困難な理由と実現の可能性を問う 民主化運動の楊建利氏「日本よ、アジアの民主共同体の盟主に」』(4/5日経ビジネスオンライン 福島香織)について

民主化といっても幅があります。ここでの民主化は「人民民主」ではなく、「議会制民主」を指していると思います。ただ、中国が民主化したとしても、日本や欧米の民主と違い、韓国型になるのではと予想します。つまり、法治国家でない(事後法当たり前、憲法裁判所が条約無効の判断等)、基本的人権(産経新聞のソウル支局長の軟禁)もない国です。今の中共でも同じようなことをしています。民主主義の基盤は選挙という外形だけでなく、国民の民度・教育によって齎されます。反日教育を長く受けて来ていて、相手を憎むことしかできない国民に多様な見方ができるかどうか。まあ「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」という嘘つき民族ですから。

日本は明治時代(1890年)から選挙制度を採り入れ、大正(1925年)には普通選挙、戦後すぐ(1945年)には女性の参政権も認められました。別に米国から教わらなくとも、不平等条約のお蔭で、民主主義は機能してきた訳です。森友問題で教育勅語が槍玉に挙がっていますが、左翼にとって都合が悪いものですから、「憲法違反で1948年には廃止された」とか言っています。仲間を平気で裏切り、リンチしたり、ゲバ棒を振るう輩にとって、道徳律としての教育勅語は自分達の生き方に反するからでしょう。「汝臣民は、父母に孝行をつくし、兄弟姉妹仲よくし、夫婦互に睦び合い、朋友互に信義を以って交わり、へりくだって気随気儘の振舞いをせず、人々に対して慈愛を及すようにし、学問を修め業務を習って知識才能を養い、善良有為の人物となり、進んで公共の利益を広め世のためになる仕事をおこし、常に皇室典範並びに憲法を始め諸々の法令を尊重遵守し、万一危急の大事が起ったならば、大義に基づいて勇気をふるい一身を捧げて皇室国家の為につくせ。」とあり、確かに戦後の押付け憲法の主権在民からは外れますが、今でも国家元首は天皇であり、内容でおかしい所はありません。今の法律に合わない所を読みかえれば良いだけです。佐伯啓思氏の本に「共和制の市民は、王権神授説を採らず、天賦人権説を採るのであれば、王の保護を受けない代わりに、自分達の身は自分で守ることが暗黙の裡に要請されている」とあったと記憶しています。(正確でないかも知れませんが)。そもそも教育勅語を廃止した1948年はGHQの占領時代で彼らの意向に沿わないものは、検閲してまで止めさせていた時代です。それも考慮に入れねば。押付け憲法と同じです。

中華民国時代には、中国国民党は孫文の後、欧米の支援を受けた蒋介石と日本の支援を受けた汪精衛(汪兆銘)に分裂しました。中国人の総てが悪い人間ではない証左とも言えます。しかし、今の時代、火力を持たない、一揆のような形態の反逆では簡単に鎮圧されます。天安門事件が良い例でしょう。軍の一部でも味方につけなければ、いくら大衆が不満を持っていても、革命は成功しません。却って国民の不満を逸らすため、日本とか台湾とか戦争を起こす可能性があります。

やはり、外部の力を借りなければ、中共政府を転覆させるのは難しい気がします。特に米国がどう動くかです。米国は北の問題が片付き次第、中国を金融制裁するようになれば、情勢は変わるかもしれません。勿論、中国が真の民主主義国家となり、平和を愛好する国になってくれれば、日本としても安心です。でも可能性としては限りなく低いと思っています。

日本は既に民主主義の模範国となっています。ただ反日国家のプロパガンダを撥ね返せないで来ました。米国の圧力があったからです。米国も中国の裏切りに気付いたようですので、これからは徹底的に反日国の嘘を暴いていく時期と思います。

記事

中国は民主化する可能性があるのか。“中国屋”と呼ばれる中国専門ジャーナリストや研究者の永遠のテーマだが、先日、米国最大手の中国の民主化運動を推進するNGO・公民力量の主宰者、楊建利が東京を訪れていたので、私もインタビューしたし、明治大学現代中国研究所が主催した講演会にも行ってきた。独裁体制をより強化しようとする習近平政権の登場で、中国の“党内民主”化は以前よりも遠のいたようではあるが、楊建利が“中国の民主化をあきらめない”とする分析もなかなか興味深いので、ここで紹介したい。

まず、困難な理由を分析すべき

楊建利は高校を経ずに飛び級で山東省師範学院数学系に入学し、1989年の民主化運動に参加したのち、米国に移住。ハーバード大学で政治経済学、カリフォルニア大学バークレー校(UCバークレー)で数学の博士の学位を取得し、米国に拠点を置きながら、中国民衆の権利と自由を推進する活動を続けてきた。当然、中国当局からは中国入国拒否のブラックリストに入る人物だが、2002年に中国東北部の失業者大規模デモの状況を視察するため、他人のパスポートで入国したところを逮捕され、不法入国などで5年間投獄された経験を持つ。2007年、当時のブッシュ大統領の働きかけで釈放され米国帰国後、中国のNGO・公民力量を創設し、中国の民主化を海外から働きかける。

楊建利は、中国の民主化は非常に困難、と認めながらも、その実現をあきらめていない。その困難を打開するためには、その困難である理由を分析すべきだし、日本を含む国際社会の支援が必要だと指摘する。

まず中国の喫緊の民主化運動が挫折した歴史、1989年の天安門事件当時を振り返ろう。この虐殺事件は中国人大衆と共産党政府の双方に深いトラウマを残した。民衆は政治について議論することに恐怖を覚えるようになった。共産党政府は、人民が本音のところで自分たち共産党の統治を否定していることに気づいてしまった。人民と政府、双方が人権や民主化の問題を口にしないようになった。一方、国際社会においては、旧ソ連が解体され、このことは共産党の危機感を呼び覚ました。中国は人道無視の残酷な国家として国際社会で孤立した。共産党政府はこの危機をどう打開するべきかわからず、狼狽した。

救いの手をのべたのは、実は米国だった。ブッシュ政権は天安門事件発生後3週間たたないうちに、特使を派遣、外交上の立場としては中国を非難するものの、米中関係は維持していく方針を伝え、鄧小平は安堵した。米国内では、反中世論が盛り上がったが、日本が米国の意向を汲んで真っ先に対中経済制裁を解くことで、国際社会世論の流れを変えることになった。

この日本の対中経済制裁解除の代わりに、中国民主化運動リーダーの物理学者・方励之の米国への出国を中国が認めた裏取引については、方励之自身も知らず、彼は死ぬまで日本の態度を非難していたが、これは米国世論をなだめながら中国との関係回復を模索していた米国の頼みを断りきれずに、日本が泥をかぶったかっこうだった。この件については、産経新聞が当時大使だったジェームズ・リリーと橋本恕に生前インタビューし、裏をとっている。

日本が国際社会の対中包囲網に穴をあけることになるが、やがて欧米も立場を変え、中国に対する投資を競うようになった。欧米諸国の建前は、いわゆる中産階級理論、つまり中国が豊かになれば中産階級が生まれ、彼らは自然と民主、自由を求めるようになり、中国の民主化が進むであろう、という主張だった。

だが実際はこの通りにはならなかった。むしろ、習近平政権になってから、ますます民主化は遠のき、毛沢東時代に先祖返りを見せている。

なぜ中産階級理論は破たんしたか

楊建利は「なぜ中産階級理論は破たんしたか?」と、考える。

まず鄧小平の南巡講話以降、中国共産党中央は落ち着きを取り戻し、冷静に現実を見極めることができた。そして一つの結論にたどり着く。人々への共産党への忠誠は、イデオロギーは関係ない。むしろ経済、金による。そこで、党員に金儲けをさせ、腐敗させ、そのうまみを与え弱みとして党への忠誠を約束させる方法をとる。腐敗を統治の手段とし、全面的な腐敗を認めたのだった。

さらに党員に資本家を招き入れ、“有限会社共産党”化することで、経済成長を推進していく。一方、人民の人権水準は依然低いままにしておき、人民を安価な労働力として使い倒す。この安価な労働力にひかれて、外交資本が中国に殺到し、奇跡的な経済成長を実現させた。

共産党の政治エリート、資本家ら経済エリート、そして政治・経済エリートが協力して掌握するメディアによる洗脳教育で知的エリート、文化エリートも有限会社共産党の一員となる。プロレタリアートのための共産党は、完全にエリートたちの金儲け機関に変化してしまった。エリートになれば、共産党の利益にあずかれる、というシステムを作り上げれば、エリート=中産階級は共産党に刃向かわなくなる。党の主導によって実現した経済発展で生まれた中産階級エリートは、党に忠誠を誓い、中産階級が民主化を求めるという欧米式の中産階級理論は破たんした、という。

だが、利益と腐敗で結びついた党中央が絶対的安定を築いたかというと、そうではなかった。楊建利はこの結果、中国が二つに分断された、という。つまり、有限会社共産党の利益に属するエリート。そして、10億人以上の、党の利益にあずからない、何の力もない、庶民の中国。国際社会が中国に持つイメージは有限会社共産党だが、それはメディアコントロールの影響であり、現実は10億人以上のエリート以外の人民の国だ。

分断とウィルスと反腐敗と

一方、国際社会、特に欧米社会の状況を振り返ると、中国の貿易を通じての経済力によるコントロールを受けたことで、“中国ウィルス”にも感染してしまった。楊建利は言う。

「米国では、ある作家が、ウイグル族の本を出版するとなると、編集者はわざわざ中国大使館に電話して、これは政治的目的の本ではありません、文化を紹介する本です、と事前に告知するんです。出版の自由がある米国で、なぜ、編集者はわざわざ中国大使館の許可をとらなければならないのでしょう。米国メディアは時の政権を批判したりからかうネタは放送できるが、中国政府をネタに扱うときは慎重になる。ハリウッドも中国映画市場を考えると中国批判はできない。中国政府は米国に文句をつけることができるが、米国は中国の嫌がることはできません」

中国ウィルスに感染すると、公然と中国を批判できないのである。

中国の経済発展に伴い、もう一つ重要な問題が台頭してくる。それが安全保障問題だ。共産党の正当性、権威を支える柱は三本ある。経済力、ナショナリズム、軍事力だ。経済力の発達は軍事力増強につながり、それはナショナリズムの発揚につながる。天安門事件の民主化の挫折後、欧米民主国家は、中国をこのような国に育ててしまった。

そういう状況で習近平政権が登場した。

習近平政権は近代中国史上、最大の反腐敗運動を開始した。同時に、民主化・法治化を徹底的に拒む姿勢を見せた。党独裁の絶対維持の決心を見せた。

習近平の反腐敗キャンペーンには三つ理由がある。一つは政敵打倒、独裁の強化だ。二つ目は、政治エリートに嫉妬する国民の支持を得ることだ。三つ目の理由は、現実として共産党に新しく生まれる中産階級を吸収する余裕がない。つまり経済成長がすでに下降に入った段階で、これ以上、統治集団=利益集団メンバーを増やすことができないのだ。

となると、楊建利が想像する習近平の思考は次のようになる。中国の構造は、利益にあずかれるエリート(中産階級)と、利益にあずかれない大衆の二つに分裂している。この二層構造が不安定となる原因だと考えた。だから、エリート層を弾圧した。反腐敗キャンペーンで政治的エリート、経済エリートを弾圧し、メディア・言論統制強化で文化エリートを抑え込む。だが、習近平は毛沢東のように庶民の力を利用する勇気はない。毛沢東は庶民から崇拝されていたが、習近平は庶民との間にそういう関係を構築しようとして、結局できなかった。だから、庶民に対する締め付けも強化した。

三つに分断、三つの根拠、四つの条件

この結果、何が起こったか。エリート・中産階級が統治集団と距離を置くようになり、庶民も統治集団と距離を置き、中国は三つに分断されることになった。楊建利によれば、これは習近平にとって大きな危機のはじまりだという。

つまり、まず、ゲーム理論になると、二人のプレイヤーが三人のプレイヤーになり、中国共産党独裁の基盤が揺るがされる。次に、共産党統治の正当性の三つの根拠、経済発展、ナショナリズム、軍事力のうち、経済発展そのものが揺らぎ、そのバランスをとるために、ナショナリズムと軍事力を利用せざるを得なくなる。その結果、周辺国家と摩擦を起こし、外部の敵をつくることで、政権の維持をはかろうとするようになる。これが、今の習近平政権の状況だという。

だが、こういうかつてないほど共産党統治が不安定な状況だからこそ、民主化運動にとってはチャンスもあるのだという。

「いますぐ、革命は起きるとは思っていないのですが、それが起きるときのために準備を整えておくことが今必要だと思います。民主化には、四つの条件が必要です」

四つの条件とはつまり、①政治の現状に対する普遍的かつ強い不満、②持続可能な全体的な生命力のある民主化運動、③共産党指導部の分裂、④国際社会の承認と支持。

このうち中国にすでにあるものは①だ。

エリート外の10億人以上の中国人はおおむね現状に不満を抱いている。それどころか、習近平政権の反腐敗キャンペーンによって中産階級、エリート層にも不満が広がっている。

②は現在は存在しない。だが、習近平の反腐敗キャンペーンによって統治集団から離反した政治・経済エリート、中産階級が底辺の庶民層との関係を回復すれば、民主化運動の新たな勢力を形づくることができるかもしれない。

③指導部の分裂も、激しい権力闘争は継続しているが、決定的な政治路線の違いによる対立はまだ表れていない。だが可能性は存在している。その可能性を示したのは、クーデターを起こそうとした薄熙来だ。今の統治システムに不満を持つ指導部は存在する。指導部に分裂が起きたとき、それに呼応して、②の民主化運動が起きやすくなる。

そして最後に重要なのが、国際社会の支持。天安門事件のとき、もし国際社会がもっと積極的に中国に干渉していればどうなったか。

日本よ、民主共同体の盟主に

楊建利はここで、今の中国の現状についてこう警告する。

「習近平政権は、総書・国家主席二期目10年の統治システムを変更して、三期目も権力を維持する個人独裁化を進めようとしている。これは従来の共産党秩序、システムを破壊しようとする動きだ。

となると、習近平政権が三期目を続けるには新たな正当性の理由が必要だ。その正当性の理由付けとしてありうる可能性の一つは選挙だ。習近平が“人民の選挙による大統領”であれば、その権力の正当性は建前上認められる。だが、独裁志向の強い習近平により選挙が導入されたならば、不正選挙の似非民主であろう。その似非民主もうまくやれば、やがて本物の民主になる可能性もあるが、むしろユーゴスラビアの大統領のミロシェビッチのような結末になる可能性が強い。

もう一つの可能性は、何らかの政治的危機を演出することだ。非常事態を乗り越えるために、経験豊かな習近平が三期目も総書記・国家主席を続投する、という理由になる。その政治的危機とは、戦争の可能性がある。そのシナリオを考えて対策を立てる必要はあるだろう」

おりしも、米国ではトランプ政権が誕生し、国際社会の旧来の秩序も変革に差し掛かっている。戦争、紛争の火種はあらゆるところにあり、また揺るぎないと思われてきた人権や自由や民主の普遍的価値観よりも、自国の利益を最優先に考えることが、先進国の間でもトレンドとなってきた。楊建利は、トランプ政権が当初のような対中強硬姿勢を今後も貫く可能性について「まだどうなるかは不確定だが、あまり期待はしていない」と語り、むしろ米中二強国によって世界が振り回されることを懸念する。

そういう時代だからこそ、日本に期待を寄せたいという。

「アジアで最も経済実力を持つ民主化された先進国である日本に、アジアをカバーする民主共同体の盟主となってほしい。中国の民主化運動にもっと興味をもってほしい。かつて辛亥革命を手伝ったのも日本人でしたね。中国が民主化し、共通のルールや価値観のもとで、話し合いで問題を解決できる近代国家になれば、日本にとって一番の安全保障になると思います」

国際秩序の大きな変わり目を迎えた今、そろそろ日本の担うべき役割や責任を真剣に考える時期ではないだろうか。

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『遥かなる「ローマの休日」、60年後のEUの憂鬱 分裂に向かうのか、再結束に踏み出すのか』(4/4日経ビジネスオンライン 岡部直明)、『ブレグジットと「帝国健忘症」 帝国時代よりナチスとの戦争に重点を置く歴史教育に問題』(4/4JBプレス FT)について

4/4韓国大使を戻したのは、トランプの要請だったのでは。普通は「このタイミングで何故」と思うでしょう。4/6、7にトランプは習近平と会談します。その時に日米同盟の連携の強さを見せ、中国が北をキチンとコントロールしないのであれば、軍事オプションもありというのを「日本の韓国大使帰任」ではっきり見せようとしたのでは。

普通に考えて、慰安婦像の撤去が進まないどころか増えている状況で、韓国への制裁の一つである大使召還を解除するのは、それなりの理由が必要です。次期大統領への情報収集と人脈作りとか理由に挙げていますが、誰が大統領となろうとも反日は変わらず、理由としては薄弱です。

やはり、戦争になったときの邦人救出のため、今回の措置は背に腹は代えられないとの安倍政権の覚悟の表れでは。何せ韓国政府は、半島有事の際、在韓邦人を退避させるための協議を拒否し続けているということです。韓国は当てになりません。どう在韓邦人を救出するかは米軍の足手まといになる可能性もあり、日本政府は苦慮してきたところです。まあ、下記URLにあります通り、自己責任の問題です。韓国旅行に行かないのは勿論、企業の駐在員も早く帰国させるべきです。特に家族は早めに帰し、残す駐在員も少なくして、日本大使館に米軍ヘリ1機を下して救出(ヘリポートor代替地があるかは不明ですが)できるくらいの数にして、途中で日本のヘリ空母等に降ろすしかないのでは。

http://www.recordchina.co.jp/b120306-s0-c30.html

大使は韓国に戻ったら、すぐに日本人会を開催して、帰国を促し、それでも残る人には、口頭で救出の手順を説明すべきです。官邸も経団連を通じ、帰国させるようにすべきです。特に軍事機密に触れることはないでしょう。米軍が軍事オプションもありうると言っていますので。将来の米中対決の予行演習と思えば良いでしょう。何も起こらなければ、それはそれでハッピーと思えば良いのでは。平和ボケ日本人に、危機管理の大切さを教えることにもなります。

本題のEUの問題は、やはり反移民をどう考えるかと思います。左翼・リベラルは反移民を主張する人を、極右とかポピュリズムとか呼んで非難します。だから、反移民=反EUになる訳です。最初に反EUがあった訳ではありません。ポピュリズムが悪いのかというと、国民の意思を体現しているという意味で、一部の似非知識人の主張より遙かに健全と思います。国民は、直感的に移民は危険なことと思っているからです。勿論、衆愚政治に陥らないためには政治家とメデイアが国民の思いを掬い取り、軌道修正をするのであれば、「何故そうするのか」をキチンと説明することが必要です。あたかも「反移民は良くない」と自明扱いするのは間違っています。

英国の歴史教育もご都合主義でしょう。世界を股にかけて植民地を作っていった砲艦外交について触れず、ヒットラー打倒だけが強調されるのであれば。元々ヒットラーの台頭を許したのは、チエンバレンの宥和政策でしょう。また、「民主主義VS全体主義の戦い」というのは戦後戦勝国が流布したプロパガンダです。それは、新旧の帝国主義者の争いなだけで、露米中が日本を第二次大戦に引きずり込んだ結果、英国を筆頭に、宗主国は植民地を手放さざるを得なくなりました。第二次大戦の真の勝者はスターリンと言われる所以です。

英国のEU離脱で、EU側が英国の言い分を認めないことは織り込み済みでしょう。ダメモトで言っていると思います。ドイツ第四帝国と言われるEUの終わりの始まりになるのでは。

日経ビジネスオンライン記事

欧州連合(EU)の原点であるローマ条約の調印から60年が経った。この3月25日に、ローマ条約に調印したローマのカピトリーノの丘(capitoline hill)でEU特別首脳会議が開催され、英国離脱後のEUの将来像を示すローマ宣言が採択された。参加したのは、英国のメイ首相を除く27カ国の首脳たちである。ローマ条約調印時の6カ国に比べると加盟国は大幅に増え、ユーロ創造など統合は深化した。しかし、いまEUは創設以来の最大の危機に直面している。EUは分裂に向かうのか。それとも再結束に踏み出せるか。節目となる60年後のローマ会議はEU首脳たちにとって「ローマの休日」には程遠かった。

3月25日、ローマ条約の60周年を記念するEU特別首脳会議に出席した欧州各国の首脳ら。(写真:ZUMA Press/amanaimages)

「欧州合衆国」構想の夢と現実

その日、ローマはまるで初夏のような気候だった。冬支度のまま会議場への坂道を上るのはやや難儀だった。ようやくたどりついても、記者へのセキュリティ・チェックは厳重だった。ちょうど1年前、ブリュッセル空港や地下鉄でテロが起き、こんどはロンドンの議事堂前でもテロが起きたばかりだ。緊迫した雰囲気のなかで開かれたEU首脳会議だが、欧州統合に歴史的な一歩を踏み出したローマ条約調印のような昂揚感は感じられなかった。

60年前のローマ条約に参加したのは、フランス、西独、イタリア、オランダ、ベルギー、ルクセンブルクの6カ国である。原加盟国と呼ばれる。第2次大戦後の仏独和解を背景にした欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)設立に続いて、EEC(欧州経済共同体)を軸に欧州統合を幅広く押し進めるのが狙いだった。そこには、欧州統合の父、ジャン・モネの「欧州合衆国」の夢が反映されていた。

そんな戦後の欧州統合の機運は、ウィリアム・ワイラー監督の米国映画「ローマの休日」(1953年製作)にも映し出されている。オードリー・ヘップバーン演じる王女が記者団を前に欧州統合について語る最後のシーンは印象深い。記者が「欧州の連邦化は経済問題の解決策だと思いますか」と質問すると、「欧州の一致団結を促すなら、どんな政策も歓迎します」と答える。別の記者が「国家と国家の友好は保たれているでしょうか」と聞くと、「そう信じます。人と人との友情を信じるように」と語る。

これはもちろん「ローマの休日」を楽しんだグレゴリー・ペック演じる記者へのメッセージなのだが、欧州統合は「人と人とを結びつける」というモネの思想にも通じるところがある。名作の舞台であるローマは欧州統合の舞台になり、そしていまEUの将来を占う舞台になった。

映画「ローマの休日」の一場面。(写真:Everett Collection/amanaimages)

大欧州という大所帯を束ねる難しさ

ローマ条約によるEECから欧州共同体(EC)へ、そしていまのEUへ、EUは拡大と深化を遂げた。しかし、大欧州という大所帯ゆえの難しさに直面している。

ローマ条約調印にならって、加盟27カ国首脳とEU機関のトップたちがローマ宣言に次々と署名する儀式が行われた。ローマ条約調印で使用されたペンを使ってである。その光景をみていて、それぞれに国家主権を背景にした27カ国の首脳を束ねるのはいかに困難かが実感できた。なにしろ使用言語は20カ国語にも及ぶ。英国などから批判されるブリュッセル官僚のかなりは、実は通訳官や翻訳官である。言語主権を維持しようとすれば、どうしてもコストはかかる。

「拡大」と「深化」という目標をともに実現できたのは、冷戦終結という歴史的転換にめぐまれたからだった。ふつう「拡大」と「深化」は二律背反する。いまEUはその新しい現実に直面している。

マルチ・スピード構想の光と影

このローマ特別首脳会議を前に、EU委員会はEUの将来について5つのシナリオを提示している。現状維持から欧州合衆国構想まで幅広く盛り込まれているが、ユンケルEU委員長やドイツのメルケル首相ら主要国首脳は「マルチ・スピード構想」を推奨している。意欲ある一部の国だけが先行して統合を進めるという構想だ。モネが描いた目標である「欧州合衆国」構想は、一つの選択肢にすぎなくなってしまったようだ。いまその夢を語るのは、フェルホススタット欧州議会議員(ベルギー元首相)ら数えるほどしかいない。

ローマ宣言も柱は「マルチ・スピード構想」である。ローマ特別首脳会議の議長、イタリアのジェンティローニ首相は会議後の記者会見で先行して統合する分野について「防衛や雇用政策などが対象になる」と述べた。

EUはもともと二重構造の組織である。ローマ条約の原加盟国と英国、スペインなど出遅れ組、そして旧東欧圏、バルト3国など後発組に分かれる。単一通貨ユーロの加盟国と非加盟国、移動の自由を定めたシェンゲン協定の加盟国と非加盟国で大きな違いがある。

英国はEECへの参加をことわり、加盟後もユーロにもシェンゲン協定にも加わらなかった。EU内ではつねに「アウトサイダー」の立場にあった。EU離脱に動いた背景はここにある。

マルチ・スピード構想は、英国の離脱などで危機にあるEUを軟着陸させ、EUを将来に向けて束ねていくための現実的選択にみえる。

その一方で、統合に消極的なら置いて行かれる冷厳な構想でもある。だから後発組の東欧諸国は反発する。ポーランドのシドゥウォ首相は直前になって「ローマ宣言には署名しない」と息巻いた。調印式では、署名前に一瞬、間を置いてみせ不満を態度で表した。これを横目でみていたポーランド出身のトゥスクEU大統領は他の首脳にしていた拍手はせず、苦虫をかみつぶす表情をあからさまにした。ポーランド内の政争がEUに持ち込まれたような光景だった。

反EUポピュリズムの連鎖を防げるか

EUはいま英国の離脱に続くポピュリズム(大衆迎合主義)の連鎖を防げるかどうかが試されている。とくに米国のトランプ大統領登場がどう影響するかが大きな懸念材料だ。排外主義の連鎖が米欧に広がれば、世界全体を危機に陥れる。

その先駆けになる恐れがあったオランダの総選挙は、ウィルダース党首率いる極右の自由党が第1党の座を奪えず、ルッテ首相率いる自由民主党はかろうじて第1党を維持した。ローマの特別首脳会議で最も晴れやかな表情だったのはルッテ首相だった。しかし、ルッテ首相のいう通り「ポピュリズムのドミノ倒しを防いだ」かは、仏独の国政選挙の結果にかかっている。

フランスの大統領選挙は極右、国民戦線のマリーヌ・ルペン党首がどこまで票を伸ばせるかが焦点だ。英国のEU離脱に続くトランプ米大統領の登場が「追い風」になるとみられていたが、トランプ流排外主義による大混乱で「反面教師」となる可能性も出てきた。

ブリュッセルのシンクタンク、ブリューゲルのガントラム・ウルフ所長は「ルペン氏とマクロン前経済相(無所属の中道派)の争いになるが、決戦ではマクロン氏が勝利する」と読む。当初、最有力とみられていた共和党のフィヨン候補は妻の給与をめぐる疑惑で後退を余儀なくされている。

マクロン氏は30歳台と若く行政経験も乏しいが、そこに不安はないとウルフ氏は指摘する。「私の前任の所長、ピサニフェリー・パリ大教授が経済顧問に就いているのが大きい」とみる。ピサニフェリー氏はユーロ危機などでも幅広く提言したバランス感覚あるエコノミストだ。ユーロ共同債の発行などで欧州統合を前進させる必要があることをかつて筆者に語っていた。マクロン大統領が誕生すれば、重要ポストに就く可能性があるという。

秋のドイツの総選挙では、4期目をめざすメルケル首相と社民党のシュルツ前欧州議会議長の争いになる。ここに右派勢力の「ドイツのための選択肢」が割って入る可能性はほとんどない。メルケル、シュルツ氏とも筋金入りの欧州主義者だけに、EU運営にはプラス材料だろう。

EUの盟主であるメルケル首相が敗れると今後のEUへの不安が高まる可能性もあるが、シュルツ・マクロンという新しい独仏連携が実現すれば、財政規律最優先から成長重視への転換点になるという見方もある。

「ローマの松」のごとく

仏独の選挙結果がどうあれ、欧州に浸透した反EUのポピュリズムは簡単には消え去らないだろう。ポピュリズムが危険なのは、知らず知らずのうちに人々の心に入り込むことだ。ローマ法王がEU首脳に警告したように、EUが将来に備えられなければ退化するだけだ。EUはしばらく反EU機運のなかで憂鬱な時代を続けるだろう。

しかし、危機をバネに再結束に立ち上がるのがEUの歴史でもある。イタリアの作曲家・レスピーギが交響詩に描いた「ローマの松」のごとく、長く大地に根を張るはずである。

JBプレス記事

英ロンドンで掲げられた英国旗と欧州旗(2017年3月2日撮影)。(c)AFP/Daniel SORABJI〔AFPBB News

ブランド戦略としては不運な展開となった。英国の一部の政府高官が、英連邦諸国と新しい貿易協定を結ぶ仕事を「大英帝国2.0」と呼び始めたのは、単なる内輪の冗談だった。ところが、ブレグジット(英国の欧州連合=EU=離脱)に批判的な人々はこのフレーズに飛びつき、ブレグジットという考え全体のけん引力が帝国への郷愁であることの裏付けだと主張し始めた。

筆者はこの様子を見て、英国とその過去との関係が深刻なほど誤解されていると感じ、衝撃を受けている。英国民は帝国時代のことばかり考えているわけではなく、むしろ帝国時代の経験を、ジョージ・オーウェルの言う「記憶の穴」に大量に葬り去ってきた。ほとんどの英国民は主要な政治家も含めて、大英帝国の歴史を本当に知らない。

しかし、この「帝国健忘症」はブレグジットと大いに関係がある。これは、離脱派の主要なメンバーと「グローバル・ブリテン」の支持者が過去を誤解しており、このままでは将来に禍根を遺すことを意味している。彼らは「偉大なる貿易国家」というかつての姿に戻ることを熱心に説くが、実際のところ、当時の英国は植民地をたくさん抱える大帝国だった。

この重要な区別をしっかりつけておかないと、ほかの国々との貿易の今後を作り直すという作業を甘く見ることになってしまう。今日の英国は世界の海を支配しているわけではないからだ。

帝国時代の英国は、世界の市場に強引に踏み込んでいく癖があった。東インド会社は、貿易上の特権が脅かされると武力に訴え、最終的にはインドのほとんどの地域を支配するに至った。19世紀に入って中国がアヘンの貿易を止めようとしたときも英国は戦争に持ち込み、中国の軍艦を沈め、清朝に香港の割譲を認めさせた。

英国人が大英帝国の歴史を知らないことは、トニー・ブレア元首相の自伝の一節からもうかがえる。ブレア氏の記録によれば、英国が香港を中国に返還した1997年、中国の江沢民国家主席(当時)は、これで英国と中国は過去を忘れることができると述べた。ところがブレア氏は「そのときの私は、その過去がどのようなものだったか、実におぼろげで大ざっぱな理解しかしていなかった」と書いている。

とはいえ、英国のエリート層は大英帝国時代の歴史をほとんど忘れてしまったかもしれないが、英国が貿易国家としての未来にとって極めて重要だと見なしている国々は、明らかに昔のことを覚えている。

インドの議会で外交問題委員会委員長を務めるシャシ・タルール氏はつい先日、大英帝国のインド支配を糾弾する著書『Inglorious Empire(不名誉な帝国)』を発表した。英国とインドとの間には「歴史的・文化的なつながり」があるから素晴らしい貿易協定を新たに締結するのは容易だろうと自信たっぷりに語る英国人は、この本を読んでみるべきだ。インドと中国という21世紀に台頭してきた経済大国の――かつて英国に植民地にされたり戦争で負けたりした結果、英国に対して明らかに愛憎相半ばする気持ちを抱いている国々の――目を通して世界を見てみるのに役立つはずだ。

英国人が大英帝国時代のことをあまりよく知らないのは、学校や大学で教えられている歴史のせいだ。この科目の標準的なカリキュラムは、英国の政治史と議会制民主主義の発展に重点が置かれている。世界のほかの国々とのかかわりについては、ナポレオンやヒトラーとの戦争は学習するものの、大英帝国のことはごくわずかしか学ばない。

火星人の歴史研究家ならまず間違いなく、英国の近代史で最も興味深いのは世界をまたにかける大帝国を作り上げたことだと考えるだろう。しかし英国人自身にとっては、大英帝国ではなくナチスとの戦争を軸にして国家の物語を組み上げるほうが、心理的に納得できる。

実際、英国人はそうすることにより、自分たちは帝国主義の抑圧者ではなく自由の擁護者であり勇敢な弱者であるという国全体の自己イメージをはぐくんできた(勇敢な弱者という自己像は、1970年代のテレビのコメディー番組「ダッズ・アーミー」の人気がいまだに衰えないことからもうかがえる)。

第2次世界大戦での勝利と帝国の喪失がほぼ同時だったという事実も、この傾向を強めた。欧州での勝利に国中が沸き返り、帝国の喪失による心理的な打撃を和らげたのだ。英国の世論形成を主導する人々は皆、欧州での勝利を祝った1945年を記憶に刻み込んでいるが、1947年はインドが独立した年だと言える人はほとんどいない。

また、2度の世界大戦での勝利は、国家と自由の象徴としての英国議会の役割を不動のものとした。ウィンストン・チャーチルが「(ナチスとは)海岸でも戦う」という有名な誓いを立てたのは、議会下院での演説だった。英国のエリートたちがあがめる英国史は、オリバー・クロムウェルやウィリアム・グラッドストーンや重要な改正法などが登場する議会の歴史にほかならない。

この歴史が今日、英国の政治家たちの心に刷り込まれていることは、EUから離脱するための法案に「グレート・リピール・アクト(大撤回法)」という名前が付いたことにも反映されている。恐らくこの名称は、意図的に1832年の「グレート・リフォーム・アクト(大選挙改正法)」を下敷きにしているのだろう。

テリーザ・メイ首相が「グローバル・ブリテン」なるものに向けて未来を築いていきたいと心の底から思うのであれば、市民に教える歴史の種類を変えることを検討してもよいかもしれない。もし将来の英国の政治家たちが、第2次大戦が始まった1939年だけでなく第1次アヘン戦争が始まった1839年の重要性も理解するようになれば有益だろう。

もっとも、英国のエスタブリッシュメント(支配階層)は昔の大英帝国を作り上げた人々のことをすっかり忘れてしまったと言い切るのは不当だ。例えば、1850年代の第2次アヘン戦争(アロー戦争)のときに首相だったパーマストンの名は、英外務省で今でも記憶されている。省内で飼われているネコには、この元首相にちなんだ名前が付けられているのだ。

By Gideon Rachman

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『トランプ×習近平、通商で一気に緊迫か…米政権、対北や為替で協調探る』(4/2産経ニュース)、『米中外交トップが電話会談 楊・ティラーソン氏、首脳会談へ最終調整』(4/3産経ニュース)、『習近平氏主導で新都市建設 鄧小平氏の深圳を意識』(4/3日経)について

4/6,7にトランプと習近平が会談しますが、お互い言い放しで終わると思います。テイラーソン・楊会談(産経ニュースでは楊・テイラーソンの順に書いていますが、同盟国を最初に持ってくるのが普通では。違和感があります)でどこまで詰められるか。総論・美辞麗句で飾ったものだけになるのでは。個別・具体的な問題に踏み込めば、お互い譲歩できないでしょう。

4/3宮崎正弘氏メルマガには<英紙フィナンシャルタイムズの単独インタビューに応じたトランプ大統領は、「米中首脳会談で、もし中国の同意が得られなければ、米国は単独で(北朝鮮問題で)行動を取る」と答えた(FT紙、電子版。4月3日)。>とありました。中国に誤魔化されないぞという意思表示だと思います。

http://melma.com/backnumber_45206_6509345/

5/9韓国大統領選までに、米国は単独でも攻撃するかもしれません。日本政府は国民を守ることを真剣に考えなければ。核ミサイルだけではありません。VXガスを搭載したミサイルが飛んでくるかも知れませんし、朝鮮総連の破壊工作として、大都会にばら撒くかもしれません。民潭の中にも北のスパイがいるでしょうし、反日教育で染め上げられた韓国人や在日がテロを起こすかもしれません。ガスマスクを配って置くことが必要と思いますが、そんなに在庫は無いでしょう。間に合いません。その時にならないと気が付かないというのでは遅すぎです。そうなれば、メデイアに騙され続けて、予防を怠った咎めとしか言いようがありません。勿論、そうならないことを望みますが。自分の身は自分で守るしか方法はないでしょう。

時事通信のヤフーニュースでは4/4に韓国大使と公使を戻すようです。いよいよ米国が北を攻撃するのかも知れません。そうでなければ今のこの時期に戻す理由が見つかりません。①邦人保護②米軍家族保護③拉致被害者救出(北ですが)とやることは沢山あります。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170403-00000076-jij-pol

習近平は、都市建設を政権浮揚の手段として使うようですが、資金手当てをどうするのでしょうか?3/9宮崎正弘氏メルマガによれば、中国の空家は20億人分もあるというのに。実需がなくても、倒産せず、バブルが崩壊しないのは共産主義だからでしょうか?外資がそれを支えているとすれば、軍拡に突き進む中国の延命を支えていることになります。中国との金融取引を停止するよう米国は動いた方が良いと思います。

http://melma.com/backnumber_45206_6497995/

4/2産経ニュース記事

【ワシントン=黒瀬悦成】米大統領が国際会合の場などを借りず、就任後これほど早期に中国との本格的な首脳会談を行うのは極めて異例だ。トランプ氏としては「北朝鮮」「貿易・為替」という安全保障と経済の最重要懸案に関し、できるだけ早期に中国と基本的な道筋をつけたいとの思惑がうかがえる。

一方で、会談場所がホワイトハウスでなく、トランプ氏が所有する会員制高級リゾート「マールアラーゴ」となったのは、トランプ政権としては高官人事が遅々として進まず、中国と実質的な協議ができる状況にないため、会談とは別に「個人的な関係を築く機会」(スパイサー大統領報道官)と説明できる場所を設定したとみられる。

トランプ氏は北朝鮮に関し、核武装した金正恩(キム・ジョンウン)体制は「地球規模の脅威」であるとの立場から、これ以上の核実験や大陸間弾道ミサイル(ICBM)の開発を阻止するため、習氏に北朝鮮への圧力強化を要請していく考えだ。

特に、北朝鮮への資金供給の抜け穴となっている、中国国内の金融機関に対する締め付け強化に習氏が応じるかが焦点の一つになるとみられている。

問題は、トランプ氏が通商問題で強硬な態度を打ち出しており、米中が一気に対立局面に突入する恐れも排除できないことだ。

トランプ氏は3月30日、ツイッターで「中国との会談は非常に難しいものになる。われわれは、(中国に対する)巨額の貿易赤字や雇用流出を抱えておくことはできない」と指摘。さらに、「米企業は他の選択肢も準備するべきだ」と述べ、生産拠点を中国から米国に移すよう暗に求めた。

トランプ氏が31日に出した、不公正貿易の是正に関する大統領令に関しても、スパイサー報道官は「中国を念頭に置いたものではない」としているものの、米中会談の直前というタイミングからみて、中国に衝撃を与える意図があったのは確実だ。

貿易分野で中国を過度に圧迫すれば、北朝鮮問題で中国の協力を得るのが難しくなることも予想されるだけに、トランプ氏の交渉手腕の真価が試される。

4/3産経ニュース記事

新華社電によると、中国外交担当トップの楊潔篪国務委員は2日、米国のティラーソン国務長官と電話会談し、6~7日に米南部フロリダ州で行う米中首脳会談に向け最終調整をした。

楊氏は首脳会談について「新時代の両国関係の発展や、世界の平和で安定した繁栄に向け重要な意味を持つ」と強調した。ティラーソン氏は「全力で準備し、会談では重要で前向きな成果を上げたい」と応じた。(共同)

4/3日経記事

【北京=永井央紀】中国共産党と政府は河北省に大規模な新都市を建設すると決めた。習近平国家主席が主導し、過去の最高指導者である鄧小平氏が手掛けた深圳経済特区、江沢民氏の上海市浦東新区に並ぶ国家プロジェクトと位置づけた。最高指導部を大幅に入れ替える今秋の党大会を控え、習氏の権威を高める政治的な狙いがうかがえる。

党機関紙「人民日報」などが2日付紙面で伝えた。河北省雄県など複数の行政区域にまたがる地域を「雄安新区」という名称で都市開発する。北京から南西へ約100キロ、天津から西へ約100キロに位置し、この2直轄市と新区を結ぶと正三角形になる。北京の過密化を緩和するために習指導部が進める北京市、天津市、河北省を一体化させる構想の一環だ。

初期段階で面積は100平方キロメートル、将来は2千平方キロメートルに拡大する。北京の「非首都機能」を移転させるとしているが、時期など具体的な内容は公表していない。関係者によると、研究開発分野の機関を移してイノベーションに強い都市とする案のほか、中央政府と関係が薄い政府機関や国営企業を大規模に移す案などがあるという。

習近平国家主席(左)は政治基盤の強化に向けた布石を次々と打っている(3月15日、北京)

国営新華社通信は「習近平同志を『核心』とする党中央が下した歴史的かつ戦略的な選択で、深圳経済特区や上海市浦東新区に続く全国的意義を持つ」と強調した。習氏は昨秋、党内で別格の存在を指す「核心」の称号を得た。深圳は「初代」核心である鄧小平氏が、浦東は「二代目」核心の江沢民氏が主導した。過去の最高指導者による成功事業を意識したとみられる。

新区建設の責任者には河北省の袁桐利・筆頭副省長が就いたもようだ。袁氏は天津市の再開発地域「浜海新区」のトップを務めた経験がある。共産党は深圳市トップの許勤・党委書記を河北省党委副書記に異動させ、省長候補とする人事を決めたばかり。天津や深圳での経験を活用する狙いとみられ、習指導部の意気込みがうかがえる。

一方、中国メディアによると、新区となる地域ではこの数年間に不動産価格が2~3倍に上昇しており、内部情報に基づき不正な取引があった可能性がある。現在は住宅販売が停止され、建築資材の搬入も禁止されるなど強硬な措置がとられているという。

脱「鄧小平」へ布石

【北京=高橋哲史】中国の習近平国家主席が自ら指揮して巨大な新都市の建設に乗り出す。背後には、改革開放を旗印にした鄧小平氏の時代にひと区切りをつけたいという思惑がちらつく。 「習氏はおそら<鄧氏が好きではないのだろう」。多くの中国専門家がそう感じている。

鄧氏の指名で最高指導者に上り詰めた胡錦濤前国家主席は、重要演説のたびに鄧氏の功績や改革開放堅持に触れた。しかし、後を継いだ習氏は鄧氏の名前をめったに挙げなぃ。

習氏の父、仲勲氏はかって鄧氏と対立した。習氏が鄧氏と距離を置くのは、それが原因だとの見 方がある。真相はどうあれ、習氏が鄧氏を超える指導者になるために、改革開放の象徴である深圳 と上海の浦東新区に匹敵する巨大都市を自らの手でつくろうと考えるのは自然だろう。

中国共産党が2007 年に胡錦濤政権下で開いた第17回党大会の決議文には、改革開放をたたえるくだりが10回も出てきた。習氏が初めて主宰する今秋の第19党大会でその扱いはどうなるのか。脱「鄧小平」の象徴になりうる「雄安新区」のゆくえとともに、大きな注目点になる。

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『助けてトランプ大統領!中国に叩かれて韓国が悲鳴 韓国のTHAAD配備で中国の態度が豹変』(4/1JBプレス 古森義久)、『韓国の「THAAD」配備は中国の身から出た錆だ 北朝鮮の度重なる挑発を招いた制裁の「骨抜き」』(3/31JBプレス 阿部純一)について

所謂“従軍慰安婦”や“強制徴用”問題の裏には朝鮮総連や北朝鮮、またその裏には共産中国がいます。謀略を得意とする国達です。「策士策に溺れる」という展開になりつつあるという事です。中共は北を好きにやらせて日米韓へのカードとして使って来ました。しかし、「北を抑えられるのは中国」という論理は破綻しました。トランプは6者協議で解決できるとは思っていないでしょう。時間の利益を北に与えるだけです。4/6、7の習との会談では北の問題と貿易赤字の問題、南シナ海の問題が重点的に話し合われると思います。いずれも中共が言い分を呑むことはないと思います。せいぜい中国で航空機を購入するとか、米国でのインフラ投資をすることぐらいしかないでしょう。でも、今中共は資金の海外流出を制限しているくらい、外貨準備が減ってきています。そんな大型商談ができるかどうか。まあ、口から出まかせが言えるのは漢民族の特徴ではありますが。

日本もTHAAD配備を推し進めれば良いと思います。兵頭氏によれば、イージス艦の位置が問題という意見はありますが。それと、敵基地先制攻撃できる装備を持つことです。また共謀罪の法案を早く通して、在日の破壊工作を防ぐことを考えませんと、手遅れになります。日本人は何か事が起きないと動きません。日共・中共・北の影響を受けたマスメデイアと腑抜けな官僚の不作為の賜物です。

韓国は本当に愚かです。人を利用しようとすれば、人から利用されることが分かっていません。米国に頼って中国の圧力を解除といっても、米国にはそれを中国に求める義理も義務もありません。独立国家としてのプライドもあったものではありません。長らく事大主義で動いてきた咎めでしょう。まあ、宗主国だった中国の意に反してTHAAD配備を決めたのですから、宗主国として怒るのは当然ですが。日本がレアアースの問題で、中国を逆に苦しめたような技術も持ち得ませんし。所詮、バクチに近い大規模投資をして、安い労働力を使い、アセンブリーするだけですから。

中国も韓国国旗を踏みつけないと入れないホテルが現れました。流石は野蛮人同士です。以前から韓国は日本国旗を同じようにしてきました。文明人としての誇りのかけらもありません。やはり、特亜3国とは敬して遠ざけるべきです。朱に交わらないように。

http://japanese.joins.com/article/872/226872.html

古森記事

客足が途絶えた中国・上海のロッテマート店内(2017年3月13日撮影、資料写真)。(c)AFP/Johannes EISELE〔AFPBB News

中国で韓国叩きがものすごい勢いで広がっている。中国政府が韓国の「THAAD」(サード、終末高高度防衛ミサイ)配備に抗議して、官製の一大反韓キャンペーンを展開し始めたのだ。

韓国系商店のボイコット、韓国の芸能人の公演禁止、韓国ドラマの放映禁止、民間交流の規制、中国人の韓国訪問の禁止、さらにはキムチの販売や購入の禁止まで、中国で異様なほどに韓国排斥運動が高まっている。韓国ではこの反韓運動に音をあげて米国に助けを求める動きまで出てきた。

驚くほどの豹変ぶり

韓国は北朝鮮の核兵器やミサイルの脅威に備えて、米軍の新鋭ミサイル防衛システム「THAAD」の配備を2月上旬に決めた。この配備に対して中国政府は強い抗議を表明するとともに、国内各地の共産党組織を通じて大規模な韓国叩きのキャンペーンを開始した。

手の平を返すとは、まさにこんな事態を指すのだろう。つい最近まで、中国は韓国との交流を大々的にアピールし、日本との間の歴史問題でも韓国と連合を組んできた。2015年9月の「抗日勝利70周年記念」の大軍事パレードには韓国の朴槿恵大統領が出席し、中韓連帯を誇示した。

それが、驚くほどの豹変ぶりなのだ。中国は韓国との関わりがあるイベントをすべて中断し、官営メディアを総動員して国民にボイコットを呼びかけ、国民も「愛国」の名の下に一斉に韓国叩きに走った。

米国メディアも、中国の激しい韓国叩きを報道している。たとえば3月中旬の「ニューヨーク・タイムズ」の記事は、中国各地で合計112店ある韓国企業のロッテのスーパーが消費者からボイコットされ、また、当局から突然の立ち入り検査を受けたことで半数近くが臨時閉店に追いこまれたことを詳しく報道していた。韓国の化粧品やマスク、キムチなどが輸入や販売を規制されたことも伝えられた。

「韓国叩きをやめるよう中国に圧力を」

この動きによって、韓国側は米国に救済の訴えをするまでに追い詰められた。

3月下旬、ワシントンの大手研究機関「戦略国際問題研究所」(CSIS)のハワイ支部にあたる「太平洋フォーラムCSIS」は、「THAADをめぐる中国の韓国叩き=ワシントンにとって他人の問題なのか」と題する論文を発表した。

執筆者は、韓国の政府系シンクタンク「韓国統一研究院」(KINU)の元院長で現在は建陽大学教授の金泰宇氏である。

金氏は同論文で、まず中国の韓国叩きの内容を列挙する。例えば「韓国の芸能人の中国での出演および公演の禁止」「韓国ドラマの中国での放映の禁止」「中国人の韓国観光訪問の禁止」「韓国企業に対するダンピング容疑の追及強化」「韓国産物を輸入する際の検疫強化」「中国観光客の韓国訪問禁止」などだ。

金氏はこうした中国当局の措置は不当であり間違っていると断じ、その理由を以下のように挙げる。

(1)韓国がTHAADを配備したのは、北朝鮮の核兵器とミサイルによる挑発への対応のためである。韓国は自衛のために対抗策をとったにすぎない。

(2)THAADは純粋に防衛のためのシステムであり、攻撃用の弾頭は装備していない。その目的は韓国軍と米軍を北朝鮮のミサイル攻撃から守ることのみだ。

(3)THAAD の迎撃対象は北朝鮮のミサイルであり、中国を対象にしていない。また、その偵察対象範囲は800キロほどにすぎない。

(4)THAADの偵察能力がたとえ中国領内にまで及ぶとしても、中国が韓国、日本、西太平洋を偵察するレーダーの方がずっと強力である。

(5)中国は韓国の安全保障を無視している。韓国は北朝鮮の核とミサイルという脅威に直面しているのに、中国に対するその種の脅威は存在しない。

金氏は同論文で、韓国は米国からの要請を受けた結果、THAADを配備しているのであり、そもそも米国の関与の度合いが大きい、だから米国政府は中国に圧力をかけて韓国叩きを止めるよう求めてほしい、と要請する。

4月上旬に米国のトランプ大統領が中国の習近平国家主席と米国フロリダ州で会談する。その際に、トランプ大統領が習主席に韓国叩きを止めることを求めてほしい、というのが金氏の主張だ。

中国は、このようにある国の行動が気に入らないと、中国国内でその国を徹底的に叩こうとする。日本もその標的となってきた。今後もまた起こり得るだろう。その際はどのように反撃するべきか。今回の韓国の対応はその指針となるはずだ。

阿部記事

韓国・ソウル近郊の平沢にある烏山空軍基地に到着した「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」の装備。在韓米軍提供(2017年3月6日撮影)。(c)AFP/US FORCES KOREA (USFK)〔AFPBB News

韓国で米国による「THAAD」(終末高高度ミサイル防衛システム)の配備が開始されたことを受けて、中国の“官製”韓国いじめがエスカレートし、大国としての矜持を全く感じさせない陰湿な嫌がらせが公然と行われている。中国からの訪韓観光客の制限や、THAAD配備の土地を提供したロッテに対する中国での圧力などが、わが国でも報道されている。

しかし、本来、中国には韓国を非難する資格はないはずだ。

そもそも米国が韓国にTHAADを配備したのは、度重なる北朝鮮の核実験や弾道ミサイル実験が招いた事態である。つまり、北朝鮮による軍事的脅威への対処として、米韓で合意されて配備が決まったのだ。

中国に言わせれば、北朝鮮による挑発の責任は、北朝鮮に対し「戦略的忍耐」の名目で「不作為」という放置政策を継続してきた米国にあるということなのだろう。言い換えれば、米国が北朝鮮との直接対話に乗り出していれば、現在のような緊張がエスカレートした状況は未然に防げたはずだという思いが中国側にはあるのかもしれない。

だが、北朝鮮を増長させた主犯は、やはり中国である。北朝鮮の度重なる挑発を招いた主因は、北朝鮮に対する経済制裁に対して「制裁の対象はあくまでも核やミサイルの開発阻止に絞られるべきであり、人民の生活を圧迫してはならない」と主張し、制裁の「骨抜き」を図って金正恩体制の北朝鮮を温存させようとしてきた中国にあるといっても過言ではない。 中国はなぜ韓国に怒り心頭なのか

中国にしてみれば、最悪のシナリオは北朝鮮の内部崩壊による難民の流入と、その後の韓国主導による朝鮮半島統一である。そうなれば、米韓同盟によって米国の軍事的影響力が中国の陸上国境に到達することになるからだ。

そうした事態を未然に防ぐことが、中国にとっては北朝鮮の核やミサイルよりも重大な意味を持つことになる。すなわち、朝鮮戦争以来、中国は一貫して米国とのバッファ(緩衝)としての北朝鮮の存続を必要としているということになる。

朝鮮半島では南北ともに「統一」を将来目標に掲げてきた。それに対する中国の立場は「統一は支持するが、統一後の朝鮮半島は政治的に中立であるべきだ」というもので、明らかに米国の影響力の拡大を牽制してきた経緯がある。

中国では2012年11月に習近平政権が成立し、韓国では翌年の2013年2月に朴槿恵政権が誕生した。以来、両氏は誼(よしみ)を通じ、2013年と2014年の2年間に5回の首脳会談を行うなど蜜月関係を続け、2015年9月の中国・北京で行われた抗日戦争勝利70週年を記念する軍事パレードへの朴槿恵大統領の出席でピークを迎えた。朴槿恵大統領の中国への傾斜は、中国が韓国を米国から引き剥がそうとした成果であり、中国が望む朝鮮半島の中立化の進展でもあった。

懸念を深めた米国はどう対応したかといえば、2015年10月、米国を訪問した朴槿恵大統領に対し、オバマ大統領が首脳会談後の記者会見で、南シナ海での中国の強引な人工島建設を念頭に、中国が国際規範に反する行動を取った際には「韓国が米国と同じ声を上げることを期待する」と発言することで、対中関係での米韓の連携強化を求めた。

しかし、2016年1月の北朝鮮による核実験で状況は一変した。韓国国内では「我が国も核を持つべきだ」という勇ましい議論が起き、それを懸念した米国は、北朝鮮のミサイル脅威に対抗するためのTHAAD配備を韓国政府に強く求めた。その結果、同年7月に韓国へのTHAAD配備が米韓で合意されたのである。

こうした韓国の決定は、中国から見れば「裏切り」に見えたのだろう。あれほど習近平主席に愛想を振りまいていた朴槿恵大統領は、北朝鮮の脅威に直面し、最期になって「頼るべきは米国」ということで、中国が強硬に反対してきたTHAAD配備を受け入れた。結局のところ韓国にとって中国は安全保障の面で頼りにならないと韓国が判断したことになる。

執拗な「韓国いじめ」に狂奔する中国の心理を読み解けば、THAAD配備もさることながら、中国の要請に従おうとしない韓国への怒りがあるのだろう。

THAAD配備は韓国の「核武装論」を抑えるため?

そもそも、なぜ中国は韓国へのTHAAD配備にそれほど激しく反応するのだろうか。

韓国の核武装が中国にとって何よりも受け入れがたいものであるとすれば、それよりもTHAAD配備のほうが、中国にとってはまだ「まし」な選択であったはずだ。しかし、そうはならなかった。

なぜかといえば、米国は韓国の「核保有」を容認するはずがないからである。韓国の核保有は日本に連鎖し、台湾にも連鎖するかもしれない。だから米国は韓国の「核保有」はなんとしても阻止しなければならない。

それを踏まえると、中国にしてみれば、どれだけ「韓国の『核武装論』を抑えるため」という名目を掲げられたところで、米国による韓国へのTHAAD配備には疑念を持たざるを得なくなる。THAADがあってもなくても韓国の核武装はありえないからだ。

韓国には局地ミサイル防衛用のパトリオットPAC-3がすでに配備済みであり、中国としては、THAADの追加配備には別の意図が込められていると見ている。

すなわち、北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対抗するためと言いつつ、中国東北部を中心に、中国の弾道ミサイル戦力への監視能力を高めようとしているのではないか、という懸念である。

「Xバンド・レーダー」への中国の懸念

もちろん米国も韓国も、THAAD配備による運用が中国の国防・安全保障にマイナスになる要素がないことを縷々説明したはずである。しかし、中国はその説明を受け入れなかった。

3月に開催された中国の全国人民代表大会(日本の「国会」に相当)で、恒例の外相記者会見に臨んだ王毅外交部長は、「現在中韓関係に影響を与えている最大の問題は、米韓が論争に満ちたミサイル防衛システム『THAAD』の韓国配備を進めていることだ。我々は当初から断固として反対している。THAADの監視・早期警戒範囲は朝鮮半島をはるかに超えており、中国の戦略的安全を損なう企てはすでに誰の目にも明らかだからだ」と主張した。

ここで明らかなのは、中国が懸念を持っているのがTHAAD配備に付随する「Xバンド・レーダー」であるということだ。

Xバンド・レーダー、正式には「AN/TPY-2」と呼ばれるレーダーの探知性能は軍事機密であり、明らかにはされていない(探知能力には諸説あり、控えめな表現で1000キロメートル以上とされ、3000キロメートル以上あるとする説もある)。

北朝鮮から発射される中距離ミサイルを迎撃するための「終末段階(terminal phase)モード」での探知範囲は半径600キロメートルとされる。一方、「前進配備(forward-based)モード」で運用すると、仮に探知範囲が3000キロメートルであるとすれば5倍以上に広がることになる。すなわち、極東ロシア、モンゴルの一部を含め、中国東北部のみならず内蒙古、山西省、北京市、河北省、山東省まで及ぶ広い範囲がカバーされることになる。

しかも、韓国に配備されるのと同じAN/TPY-2レーダーが、すでに日本に2基設置され運用されている。青森県の車力駐屯地と京都府の日本海に面した経ヶ岬である。都合3基のレーダーが三角形を作って運用されることになるのだ。

人民解放軍が中国東北部から発射させた弾道ミサイルは、発射段階から補足され、3基のレーダーが連動(データリンク)することによって飛行経路がより正確に割り出される。その結果、中距離ミサイルをミッドコース段階で迎撃するイージス艦配備のSM-3ブロック2Aによって、高い命中精度で迎撃されることとなる。

つまり韓国へのTHAAD配備は、日米韓によるミサイル防衛網を強化させ、北朝鮮のみならず中国が日本や米国に向けて発射した弾道ミサイルの探知力向上にもつながる。結果として、中国のミサイルによる「報復能力(second-strike capability)」が毀損されることになりかねない。中国が神経質になるのも理解できる。

中国はどんな対抗策をとるのか

では中国はどうするつもりなのか。

手っ取り早い方法はミサイル戦力の増強である。さらには、空母キラーとされる「東風21D」のように、落下するミサイル弾頭に機動性を持たせ、迎撃ミサイルを回避できるようにするか、あるいは、AN/TPY-2レーダーが同時に対処できる目標は最大で60とされているから、それを超えるミサイルの一斉発射で飽和攻撃を目指すことであろう。

場合によっては、北米大陸を狙う大陸間弾道ミサイル(ICBM)を、レーダー探知の及ばない中国西部に全て移動させる必要もあるかもしれない。

ミサイル防衛への対策として、戦略核ミサイルなら多弾頭(MIRV)化が有効である。だが、日本をターゲットとする中距離ミサイルは西部に移動させることもできないし、弾頭のMIRV化も現実的な選択ではないだろう。

いずれにしても、韓国へのTHAAD配備が中国のミサイル戦略に深刻な影響を与えることになるとすれば、北朝鮮の内部崩壊を恐れて、制裁を実効性のないものに仕向けてきた中国の自業自得といえるだろう。

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