7/1日経ビジネスオンライン 福島香織『中国公営宝くじ不正問題の背後 総元締めの超大物・曾慶紅と習近平、最終決戦へ』について

「ラスボス」の意味は「last bossで勝てそうにない相手、解決が難しそうな問題」とのこと。習が勝つか曽が勝つか見物ですが、団派がどちらに着くかでしょう。習に肩入れすれば次は団派がやられると考えるでしょうが、胡錦濤治世時代邪魔をした江沢民の大番頭曽を許したくはないはずです。団派にとって一番良いのは両派が勢力を使い果たしてヘトヘトとなり、裏から牛耳れるようになるか、習の次の主席を団派から出すことでしょう。

誰が主席になろうとも反日のスタンスは変わりがありません。嘘で固めた歴史教育をしてきたので今更「あれは嘘でした」とは共産党は言えないでしょう。日本と戦争になるかどうかですが、先ずは南シナ海を内海にしてからだと思います。次に台湾、次が日本と言う順で攻めてくるのでは思います。米国と日本、台湾、ASEANが一致協力して早い段階から中国の野望を挫かないと世界は暗黒時代を迎えることになります。

記事

 先日、中国で審計署(会計審査院に相当)が2014年度審計公告を発表した。

 この中身について、まずざっくりとみてみたい。

「169億元を不正流用」の裏側で

 おそらくこの公告の中で、一番の話題は公営宝くじ(彩票)の収益169億元についての不正流用である。

 2012年から2014年10月の18省における公営宝くじ収入658.15億元について抽出審査をしたところ、その4分の1を超える資金が不正に利用されていたという。ちなみに、この期間18省の宝くじ収入は合計6687.84億元、うち福利くじは3743.6億元、スポーツくじは2944.24億元。くじの売り上げのうち、中央および地方の宝くじ公益金として1855.54億元(27.74%)を留保しておくことになっている。くじの発行費(人件費など)は940.39億元(14.06%)、くじの賞金は3891.91億元(58.2%)。これらの経費を引いた純利益は、福利くじなら地域の社会福祉に、スポーツくじなら、地域のスポーツ振興に使われなければならない。

 だが、抽出審査のサンプルは全体の収益のわずか18%だが、その審査結果によれば、169億元について、虚偽の申告がなされており、実際には地方の官僚たちが別の経費の補てんに使ったり、虚偽のプロジェクトの申告によって着服したり、違法に会館を造ったり、違法な公用車購入や、出張、研修旅行などの名目の海外旅行遊興費に流用していた。

 また17省の公営宝くじについて、違法なインターネットによる宝くじ販売を行って630.4億元の売り上げを上げていたことも判明。公営宝くじが、地方政府官僚らの不正の温床であったことを印象付ける発表だった。

 ちなみに、このほかの話題としては、14の中央企業および46の中央省庁、3つの金融機構で会計上の不正が報告され、中でも中国電力投資集団傘下の企業が1753.66万元も経費で高級酒を買ったとか、中国国電集団傘下の企業が143.54万元も経費で酒とたばこを買っていたとか、会議費名目で中糧集団高官が傘下の不動産企業から不動産を購入しているのに、手付金を払っただけで全額払わなかったとか、そういう不正報告もあげられていた。地方政府の収入報告の5割が虚偽報告であるとか、6省政府の22部局で106億元も違法な鉱山権取引に投資しているとか、中国の政府・中央企業の会計のでたらめぶりは、詳細に読んでいくと、それなりに面白い。

ただ、中国の地方政府や企業の会計が実は荒唐無稽というほど粉飾され、でたらめなのは、今に始まったわけでもないし、また今回、名指しで批判された省や企業だけの問題でもないのは、中国経済に多少かかわったことがある方々ならばご存知の通りである。

 それよりも、なぜ、今、この企業、この産業、この省の不正が白日の下にさらされ、追及されているか。それを考えるのは、かなり憶測も交じるのだが、やはり権力闘争の国なので、そこを分析する必要はある。

宝くじ利権は曽慶紅が握っていた?

 実は2月に宝くじサイト「新浪愛彩」、「百度楽彩」「500彩票ネット」などが軒並み販売停止に追い込まれていた。これらネット宝くじの元締めは、「中福在線」である。

 中福在線は2002年、国の宝くじ運営の元締めである、中国福彩センター傘下に作られたオンライン宝くじ企業で、いわば国の持ち株会社みたいものだ。それまで宝くじのネット販売はなかった。設立時の出資者は中国福彩センターのほか、北京銀都新天地科技有限公司、北京華遠中興デジタル科技有限公司。会長は福彩センターから派遣された。技術的な運営、サポートは高科技有限公司という国有企業だ。

 2014年にはオンライン宝くじだけで1300億元以上の売り上げがあり、いまや宝くじとネットは切り離せない関係になった。中福在線の総経理は賀文という人物で、銀都新天地、華遠中興の大株主でもあり、オンライン宝くじの利権をおおかた握っていた。役員、その他株主は、だいたい賀文の家族か深い関係の人物である。

 賀文は、中福在線の利権でもって27億元を懐にいれていたという。これに対し、筆頭株主の福彩センターの収入は18億元だった。中国報道では、賀文が何者かは明らかにされていない。だが、個人で27億元もの横領ができる人間は、必ず強い政治的背景があるはずである。その政治的背景について、昨年11月、審計署が彩票をターゲットに動き出したころ、ある人気微博アカウントがこうつぶやいたので、ネット上では話題になった。

 「習近平は曾慶紅に対して動きはじめた。大芝居がまもなく開演するぞ。香港の衝突は江沢民集団の軍師曾慶紅が、習近平を困難に陥れるために仕組んだのだが、現在香港はほとんどひっくり返ってしまった。まさにロード・オブ・リングの結末と一緒で、魔の指輪が消滅すれば、その他妖怪も雲散霧消する。最近発表された二つのニュース、警察が香港で1.5トンの麻薬を押収したというニュースと、会計審査当局が宝くじ資金を臨時審査というニュース、まさに、ポルノ、賭け事、麻薬を掌握している曾慶紅がターゲットだ」

このつぶやきは華夏正道という匿名のアカウントが発信したものだ。彼は翌年4月に、政権転覆扇動罪で広州市警察に逮捕されている。この情報に根拠があるのかどうかはわからないが、もう一つ気になるのは、2月に宝くじサイトが軒並み閉鎖した当時、中央規律検査委のサイトがある評論文を掲載した。タイトルは「大清”裸官”慶親王の作風問題」。

 慶親王とは清朝の皇族の位で、この論評で語られているのは、清朝末期に中国史上最初に作られた慶親王内閣の総理大臣・奕劻のことである。彼は財政予算をほしいままにし、食事に麻雀、投資に明け暮れ、中国を侵略している外国勢力と親しく付き合い、英国の銀行に712.5万ポンドを蓄財し、中国民族系銀行に一銭も貯金していなかった。今でいう「裸官」(公金を横領して不正に蓄財した資産を外国に移転して、将来失脚したときに備える官僚。すべてを外国に移転しているので、裸の官僚、と揶揄される)だった、と痛烈に批判し、彼の物語を、今の我々は「居安思危」の教材とせねばならない、と結んでいる。

「裸官・慶親王」への宣戦布告

 この「慶親王」がインターネット界で曾慶紅のことを指す隠語であることはよく知られている。この論評は、中央規律検査委から曾慶紅に対する宣戦布告である、と受け取られている。なので、今年4月の香港誌「争鳴」も、曽慶紅家族が宝くじ利権にかかわっているとの立場で分析していた。

 中国の福利宝くじ産業が不正や腐敗の温床であったことは、実はかなり以前から噂ではあった。だが、ある意味、アンタッチャブルの業界でもあった。そもそも、この福利宝くじは1986年、三峡ダム建設による移民補償の資金が足りないと言う当時の民政部長の訴えをうけて、副首相だった李鵬が提案した集金システムだ。そこに、さまざまな利権が絡んだことが想像もつく。しかも、この数年の間に、ニセ宝くじ問題、宝くじ当選操作問題など、さまざまな問題が噴出していた。

 だが、習近平政権になってその宝くじ業界にメスが入りはじめた。11月に審計署の抜き打ち審査に続いて、昨年12月にはこの20年来、累計1.7兆元分の宝くじを発行してきたのに、その用途が不明である、という批判報道を新華社が流した。諸費用、賞金分をのぞいても普通35%が公益金として残るはずなのに、福祉民生にどのように利用されたか、はっきりしない、というのである。

また今年1月、中国の宝くじ抽選生中継が突如中止になり、抽選結果発表後すぐ、広州の若い移民労働者が当選した、と公表された件については、「予定外の人間が当選したので、発行元が慌てた」という説が流れた。普通に考えれば、抽選結果が分かってすぐ、当選者が判明することは不自然ではないか、というわけだ。この真相はいまだ霧の中だ。

 ちなみに、審計署から不正を名指しされた中国国電集団や中国電力投資手段は李鵬一族が絡んでいることも、知られた話である。李鵬一族も目下、汚職ターゲットに上がっている。

周辺から、追い詰める

 曾慶紅に対する包囲網が徐々に狭まってきているという観測は、今年1月の国家安全部副部長(次官)の馬建失脚から強まって来た。馬建失脚や郭文貴事件に関しては「米国を巻き込む習近平の権力闘争」ですでに紹介した通りである。また、元人民銀行総裁で後に天津市長を務めた戴相龍の娘婿・車峰が中央規律検査委の取り調べを受けている。香港メディアによれば、彼は長らく香港にいたが、久しぶりに北京に戻り、友人と食卓を囲んでいるときに拘束されたという。一部香港メディアで戴相竜が3月に中紀委に「自首」して、不正な経済活動を行ったことを涙ながらに告白した、という情報が流れたが、車峰の件は、戴相竜の不正経済活動の件とは別の、曾慶紅の腹心の郭文貴や馬建に関わる事件らしい。米国への情報漏えいが容疑とも伝えられている。

 中国の王岐山寄りのメディア・財新網が伝えたところでは、車峰は郭文貴に6億元を貸したこともあるような深い関係であり、郭文貴を通じて馬建とも知り合ったという。また車峰自身、曾慶紅の息子の曾偉とも親交があった。また劉雲山の息子ともビジネスパートナーの関係であり、劉雲山もそろそろ危ないのではないか、という見立てもでている。

 さらに言えば、曾慶紅の元秘書の聯通総経理の陸益民、曾慶紅の元ボディガードの中国中化集団副総裁の張志銀、曾慶紅の家臣とも言われた中国国家電網公司会長の劉震亜、こういった面々がつぎつぎ汚職で失脚している。香港誌「明鏡週刊」6月4日号によれば、広州日報元社長の戴玉慶(2012年7月起訴、2015年4月に汚職で懲役11年の判決を受ける)の事件も、本当の狙いは広州市紀律検査委書記の王暁玲(曾慶紅の妻の姪)がターゲットだったようだ。裁判では、戴玉慶の妻から名指しで汚職に加担したと告発された。だが、証拠不十分ということで、ことの真相はうやむやになっている。こういう報道をみると、いよいよ、曾慶紅を討ち取りにきたか、という気もしてくるのである。

曾慶紅は、父親が紅軍幹部の曾山、母親の鄧六金はあの長征に参加した女性革命兵士27人のうちの一人である。鄧六金は1948年の淮海戦役前、華東保育院を創設し、戦役に参加する華東野戦軍高級幹部の子女100人以上を母親父親代わりになって面倒をみた人物である。このことから、革命家二代目たちにとって、鄧六金は母と同じ、曾慶紅は兄弟と同じ親近感を抱き、また中国的価値観からいえば、裏切ることのできない恩を受けていると言われていた。曾慶紅の広く濃密な太子党人脈はこの「偉大なる革命家両親の遺産」というわけである。

習近平、ラスボスを討ち取れるか

 彼は江沢民の参謀役として、汚れ仕事も引き受けながら、江沢民政権を支え、また胡錦濤政権になってからは、習近平を総書記・国家主席出世コースに乗せるために、胡錦濤サイドときわどい駆け引きもした。国家安全部などインテリジェンス部門を長年にわたり掌握し、石油・エネルギー利権、香港芸能界・メディア、そして宝くじ利権を一族で牛耳り、その蓄財額は天文学的という噂もあるが、ほとんどがオフショア金融機関にあると言われている。息子には早々にオーストラリア国籍をとらせている。一見強面の悪人顔であるが、わりと日本好きで、実際に彼とあったことのある日本の政治家や財界人もよい印象を持っている人が多かった。事実上、江沢民よりも権力と利権を握り、人心を掌握してきた、生粋の共産党貴族(皇族)の筆頭であり、実力を備えたラスボスである。

 習近平政権が本当に権力を掌握し、パーフェクトな独裁体制を打ち立てて2017年以降も党中央トップの座に君臨していられるかどうかは、この曾慶紅を本当に追い込めるかどうかが一つの見どころではないだろうか。

6/30ZAKZAK 酒井信彦『【朝日新聞研究】慰安婦の特別視は日本に対する「偏見」「差別」「迫害」』について

日本人が如何に国際的に弱いかと言う話です。アメリカ人が馬鹿と思うのは今の価値観で過去を断罪すれば、自分に振り返ってくるということでしょう。事後法ですよ。それが分からないとすれば殆ど頭が悪いレベルですよ。日本軍の慰安婦問題は間違いなく米軍、韓軍の問題になるはずなのになっていない。おかしいと思いませんか?左翼が捏造しているだけです。それに対する討論をキチンと左翼はすべき。でも中共と一緒で、力が弱いのは相手にしないのです。

日本人に言いたいのは、国民主権と言うのであれば、もっと真剣に政治家を選ぶべきと思います。中国のようにそもそも投票権がない国とは違う訳ですから。

中国社会何て殆どインチキレベルでしょう。でも分かってない人が多すぎです。人口だけで議論するのであれば、日本は江戸時代は3000万くらいの人口しかいませんでした。

どの場面でも騙されないことです。でも日本人は「人種差別」とか言われるのに弱いのですよ。自分で自分の家族を守ることを考えれば当然分かるのですが。分からないということは、自分のことと思ってないはずです。

日本人として生きましょう。

記事

 安倍晋三首相が、米上下両院合同会議で演説(4月29日=日本時間30日未明)して間もない5月4日、欧米を中心とした日本研究家が、日本の歴史問題についての「偏見のない清算を」と呼びかける共同声明を発表し、安倍首相に大胆な行動を求めた。朝日新聞は5月8日の紙面で大々的に取り上げ、声明の全文を載せている。

 その中で明らかなのは、歴史問題とは結局、慰安婦問題に帰結するのであり、それについて以下の言及が核心の部分である。

 「20世紀に繰り広げられた数々の戦時における性的暴力と軍隊にまつわる売春のなかでも、『慰安婦』制度はその規模の大きさと、軍隊の組織的な管理が行われたという点において、そして日本の植民地と占領地から、貧し

く弱い立場にいた若い女性を搾取したという点において、特筆すべきものであります」

 朝日新聞は6月5日、声明作成の中心人物である、米コロンビア大学のキャロル・グラック教授の長文インタビューを載せている。そこでは、慰安婦問題が再燃したのは、安倍首相が河野談話の検証を行ったからだとし、「当時は問題がなかったとしても、現在の価値観に照らすと許容できない行為だったのは間違いない」と言っている。

 韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は昨年9月24日、国連総会で、「戦時の女性に対する性暴力は時代、地域を問わず、明らかに人権と人道主義に反する行為だ」と演説した。時代と地域を問わないと言うのだから、古今東西、常に存在する、極めて普遍的な問題ということである。

米国の日本占領期にも、朝鮮戦争でもベトナム戦争でも、慰安婦的存在は常にあった。米国人であるグラック教授には「現在の価値観に照らして」、ぜひ、これを告発・糾弾してもらいたいものだ。

 要するに、日本の慰安婦を特別視することこそ、日本に対する卑劣極まりない、「偏見」「差別」「迫害」以外のなにものでもない。

 ところで、朝日新聞は6月11日夕刊と12日朝刊に、ニューヨークの金成隆一記者による注目すべき記事を掲載している。同紙が入手した国連内部監査部の報告書によると、中米のハイチ、アフリカの南スーダン、コンゴ民主共和国、リベリアに駐屯する国連PKO(平和維持活動)部隊の隊員による、現地女性に対する「性的な搾取と虐待」についての申し立てが、2008年から13年の6年間で、約480件に達していることが明らかになったという。

 軍隊と性の問題は、現在においても厳然と存在する、普遍的な問題であることが良く分かる。しかも支援物資を与える見返りに、性的関係を要求するというのだから、明らかな強制であり、慰安婦に比較して、はるかに悪質ではないのか。

 しかし、朝日のこの記事には、慰安婦のことはまったく出てこない。

6/30日経ビジネスオンライン 呉承鎬『世界韓流学会理事が語る「韓流」から「嫌韓」へ 日本から世界に広がった「韓流ブーム」の今』について

「嫌韓」でなく「韓国疲れ」であることが分かっていません。しかも「嫌韓」が日本発だなんてどこまで勝手な思い込みをするのでしょう。そんなに日本と付き合ってほしいなら、反日教育を止め、慰安婦像撤去、竹島返還、李明博の天皇への謝罪全部やってからにしてほしい。韓国は何一つやらないで、自分たちが都合悪くなると直ぐに日本のせいにする未熟な民族です。未熟だから未熟であることすら自覚できないのでしょう。顔を洗ってから出直してこいと言いたいです。

東京オリンピック誘致、世界遺産登録で彼らはどう動いたか。友好をいくら訴えても現実の行動が遊離しているではないですか。中国人以上に「息を吐くように嘘を言う」民族です。こういう行動を取る人たちは信用できないでしょう。個人レベルで考えれば分かることです。

「文化侵略」と言って日本文化の流入を規制していたのは韓国です。しかも戦前・戦中は日本と統合されていたので韓国が警戒するのは分かりますが、韓国から植民地・統合もされてない国から韓国が文化侵略と言われるのは、何が原因か韓国は良く考えた方が良い。欧米文化が彼の国々に入っていっても受容されてたのと違い、韓国だけ警戒されているのはどこに原因があるのか謙虚になって調べた方が良いのでは。

「嫌韓」は日本にとって間違っていない危機意識です。自分たちが何故そう思われるか考えず、相手にだけ要求するからです。日本人の大衆レベルで中国・韓国が嫌いになってる人は多い。当たり前です。両方とも法治国家でないのですから。外務省が韓国に「基本的価値を共有」という文言を削除したのは遅きに失したくらいです。

日中韓で欧州と同じアジアのリーダーをと言うのは日本を利用する下心が見え見え。用日論も出てくる国でこんなことを言っても誰も信用しないでしょう。そもそも、欧州では宗教も同じ、政治体制、法治が守られています。日中韓の宗教は多神教、道教(拝金教か?)、儒教(移民できるようキリスト教も多い)と違いがあり、自由主義と共産主義の違い、法治、人治、情治(韓国は感情が優先する)と違いがあります。合理的精神を尊ぶ民族とそうでない民族の差でしょう。付き合わないことです。いつ攻められても守りきる覚悟が必要です。必要なのは友好ではありません。少なくとも反日を止めれば付き合いするか考えるレベルでしょう。

記事

—日本では韓流ブームが終わったという見方があります。実際に、一時期に比べるとテレビやインターネットで韓国ドラマや韓流スターを見かける機会が減ったように感じますが。

呉:韓流ブームが終わったという人もいるようですが、専門家の立場から言えば、まだまだ韓流は活発です。2015年2月に始まった東方神起の日本5大ドームツアーには75万人の観客が動員されたと聞きますし、レンタルビデオショップで韓流コーナーを設置している店舗もありますよね。韓流ブーム全盛期のように、新大久保に人が溢れるということはなくなりましたが、韓流ファンのメーン層である主婦たちは、自宅で韓流コンテンツに触れています。DVDや衛星放送、インターネットを使って個々に韓流を楽しんでいるので、外からは見えづらくなっているのかもしれません。

 つまるところ、日本における韓流はブーム期を経て、ある程度の定着を見せたと言えると思います。実際に、日本の外務省は2012年の外交青書において「韓流が世代を問わず幅広く受け入れられ」という表現を使っていますし、現在も韓流コンテンツの輸出における最も大きな市場は日本なのです。

 現在、韓流は日本やヨーロッパをはじめとして世界各国に広がっています。米国、中南米、アフリカにも進出しており、ジンバブエにも韓流ファンがいるんですよ。韓流を一つの研究テーマとする学者たちも増えており、私が総務理事を務めている世界韓流学会も、そんな学者たちによる研究機関です。ちなみに世界韓流学会は、日本、米国、オーストラリア、ニュージーランド、インドネシア、タイ、マレーシア、フィリピン、台湾、英国、ドイツ、イスラエル、スウェーデンなど、世界19カ国に海外支部を持っています。

—韓国ドラマやK-POPなどの韓流が世界各国に広がっているということですが、そこには何か特別な理由があったのでしょうか。

呉:韓流の世界進出は、日本を経由して実現したと言えます。韓国には日本を通して欧米の大衆文化が入ってきましたが、韓流は日本を通して世界に広がりました。ヨーロッパや米国の韓流ファンに「どうやって韓流を知ったのか」と聞いてみると、もともとJ-POPのファンだったという人が意外に多いのです。

 外国人がアジアを訪れる時は、まず日本に目が向くでしょう。まず韓国に行ってみようと思う人は少ない。日本を訪れ、日本の文化に触れた外国人たちがサブカルチャーとして、韓流の存在を知ることになります。韓流はあくまでサブカルチャーにすぎません。サブカルチャーが世界に認められるためには信頼のある“媒体”が必要なのですが、その役割を担ったのが結果的に日本なのです。

 もし韓流ブームが最初に起こった国が日本ではなく、台湾や香港、中国だったとしたら、韓流は今ほど世界に広がっていなかったと考えています。というのも、これまで数々の良質なコンテンツを世界に輸出してきた日本において韓流ブームが起こったからこそ、世界の人々が韓流に注目したからです。日本でブームになった大衆文化というところに、韓流の付加価値が生じたと言えるでしょう。韓流の世界進出は、日本なしには成し得ませんでした。

 現在は韓流が世界的に広がったので、日本を介することなく韓流に触れる外国人も増えています。韓流が日本を経由する必要がなくなったのは2010年頃からだと思います。それを証明したのが2012年に発表された男性歌手PSY(サイ)の楽曲「江南スタイル」でしょう。ヨーロッパで火がつき、YouTubeの再生回数が20億回を超えて世界的な大ヒットとなりました。逆に世界でヒットしたから、日本でも注目されたと聞いています。韓流の新しい可能性を示したケースと言えるでしょう。

「嫌韓流」が日本経由で世界に広まる

—韓流が世界進出を果たす役割を、結果的に日本が果たしたということですね。その一方で、現在の日本は「嫌韓ブーム」が起きていると言われています。その影響は他国にも広がっているのでしょうか。

呉:広がっています。台湾、香港、シンガポールなどでは、日本で「嫌韓流」の動きが起きているからと、自分たちも一度見直すべきだとの声が出ています。韓流を世界に広げる媒体となった日本を経由して、現在は嫌韓が世界に広がっているのです。

 日本の嫌韓流の動きは、内閣府世論調査にも表れています。日本人の韓国に対する親近感は、2011年に「親しみを感じる」が62.2%、「親しみを感じない」が35.3%だったのに対し、2012年には数字が逆転して、「親しみを感じる」が39.2%、「親しみを感じない」が59.0%となっています。このデータを見る限り、日本の嫌韓感情が急上昇しているように見えます。

 ただ、私はそうは分析していません。そのデータをもう少し大局的に見てみると、1996年は韓国に「親しみを感じる」が35.8%、「親しみを感じない」が60.0%だったのです。それ以前も親近感を感じない人が、半数以上となっています。つまり、韓流ブームが起こる以前の数字と現在の数字で、韓国に対する親近感はほとんど変わっていないことが分かります。

 ですから現在の日本の状況は、嫌韓感情が上昇したというよりも、正確には“戻った”と表現すべきでしょう。90年代に日本人が抱いていた韓国に対する感情と、現在の感情には数字的にほとんど差がないのですから。広い視野で見れば、韓流ブームが起こった2000~12年の数字だけが特別だったのです。

 あえてポジティブに捉えるのであれば、韓流が日本に進出する以前は、日本の韓国に対する親近感が全く上がらなかったということでしょう。先ほどの日本の内閣府世論調査において、70年代からのデータを見ていくと、「親しみを感じる」と答える人の数字はずっと横ばいです。それが一時的だったとしても、韓流によって親近感が上がったということは注目に値することではないでしょうか。韓流が日本人の韓国に対するイメージ上昇に、一石を投じたことだけは間違いないでしょう。

韓流コンテンツはもともと質が低い

—それでも日本で韓流ブームが一息ついたことだけは間違いないと思いますが、その原因を「韓流コンテンツの質の低下」と見る韓流ファンもいます。その点については、どうお考えでしょうか。

呉:たしかに目の肥えた日本の韓流ファンは、韓国ドラマをはじめとする最近の韓流コンテンツの質が下がっていると指摘しています。誤解があるようですが、実は韓流コンテンツはもともと質が低いのです。その証拠に2000年代の韓流ブームが起こるまで、日本人は誰も韓国ドラマを見ませんでしたよね? 単純に日本のドラマの方が面白かったからです。「冬のソナタ」や「宮廷女官チャングムの誓い」を見て印象が変わるわけですが、当時は数ある韓国ドラマの中でも本当に質の良い一部のドラマが日本に入っていました。だから韓国ドラマの質が上がったと感じたのだと思います。

 ところが最近は、質の良し悪しにかかわらず、数多くの韓国ドラマが日本で放送されるようになりました。その背景には韓国の制作会社の売り込みもあるでしょうが、韓国ドラマを求める日本の配給会社があるからでしょう。韓国で酷評されたドラマが日本に進出している実例は、枚挙にいとまがありません。良いドラマがない、でも日本で売らなければならない。その結果、「なんでもいい」となって、質の悪い韓国ドラマも日本に進出しているのが現状です。では、なぜ良質の韓国ドラマが生まれづらいかというと、根本的に制作費や人材が不足しているからでしょう。視聴率を確認しながら台本を修正していく“断片台本”にも一因があると思います。

 ただ、私が最も懸念しているのは、韓流コンテンツがインドネシアやタイ、フィリピン、ベトナムなどに大量に入ることで、文化侵略になるのではないかという批判を集めていることです。国によって文化の違いがあり、それを尊重しない行為は文化侵略になる恐れがあります。韓国政府主導の下、発展途上国に進出して、韓国料理、韓服などをやたらと宣伝する行為は、文化侵略につながりかねません。

—文化侵略と韓流の進出には明確な違いがあると?

 文化侵略というのは、文字や民族衣装などの自国の“伝統文化”を他国に強制する場合に起こるものだと考えています。ですから、K-POPや韓国ドラマなどに代表される韓流と、韓国伝統文化は全く別物と区別して考える必要があると思います。

 そもそも韓流は、本質的には韓国文化とは言えないでしょう。K-POPは韓国の伝統的な音楽ではなく、ごく一般的なヨーロッパ音楽を韓国人が歌って、踊っているだけです。K-POPの楽曲は、もともとヨーロッパから輸入されたものがほとんど。芸能プロダクションがスウェーデンやデンマーク、英国などから曲を買ってきて、韓国風にアレンジしているわけです。なぜ楽曲を輸入するかというと、単純な話で、韓国の作曲家に作らせると質が下がるから。いずれにせよ、韓流はグローバルカルチャーをプロモーションしているだけで、文化侵略を行なっているわけではないのです。

 ちなみに韓流の日本進出、特にK-POPに関しては、韓国政府のゴリ押しがあったのではないかという指摘をよく耳にしますが、それは事実とは異なります。というのも、K-POPはほとんど政府に支援されていません。私が知る限り、韓流の中で最も支援を受けていないジャンルがK-POPなのです。

 韓国では、政府が「韓流」と認めたジャンルのコンテンツ輸出に際し、コンテンツホルダーは政府から支援を受けることができます。輸出支援の規模は年間総額5000億ウォン(約500億円)。韓流を定義するのは文化体育観光部(日本の文部科学省に相当)で、ドラマ、K-POP、スポーツ、ゲームなどのエンターテインメントだけでなく、国学やハングルなども「韓流」として指定されています。様々なジャンルの中で最も政府から支援を受けているのがハングルです。世界60カ国にハングル学校が作られており、そこに多くの支援金が流れています。

 一方のK-POPはというと、「個別に稼いでいるのだから政府から支援を受ける必要はない」と、他ジャンルの業界から責められている状態です。K-POPに比べれば、国学やオペラ、クラシックの方が政府主導の支援を受けているわけです。韓国政府が韓流コンテンツを輸出するために活動していることは確かですが、ことK-POPの輸出に関しては、ほとんど影響を与えていません。やはり、日本の役割が大きかったと思います。

嫌韓は間違った危機意識

—日韓は国交正常化50周年を迎え、安倍晋三首相は記念式にて「日本にとっては韓国が、韓国にとっては日本が最も重要な隣国」と改めて強調しました。しかし、日韓ともに相手国への感情的な対立があるように感じます。

呉:現在の日本は韓流ブームから嫌韓時代に入っています。先ほど述べたように、日本の嫌韓感情は、韓流ブーム以前に戻った状態です。それは韓国の反日感情にも全く同じことが言えます。韓国ギャラップの世論調査によると、97年に「日本に好感を持つ」という韓国人は全体の24%、「好感を持たない」という人は75%でした。そこから、2002年の韓日ワールドカップや、日本での韓流ブームの影響を受けて、2011年には「好感を持たない」が44%にまで減少しています。しかし現在は、再び70%台に戻っています。日本の嫌韓感情と韓国の反日感情は似たような推移を見せているわけです。

 韓国で反日感情を強く持つ層は、国粋主義、民族主義と呼ばれる人たちです。私が見る限り、彼らはイデオロギーを信じ込むタイプの人たち。彼らは現実を見ていないと思います。日本は韓国にとって最も近くにある隣国であり、韓国全体の外国直接投資(FDI)は米国が1位で、日本が2位です。経済的にも韓国と日本はとても密接な関係にあるわけです。感情的な対立を繰り返していて、どんなメリットがあるのでしょうか。

 さらに、私が理解できないのは、日本のいわゆる嫌韓層の人たちが韓国と日本を比較しているところです。韓国は日本を追いかけることができません。経済力や軍事力をはじめ、国力全体が日本と比べるレベルまでたどり着いていないからです。それを日本の知識人たちはみんな知っています。特に教育や技術力などは相手にならない分野でしょう。日本は毎年のようにノーベル賞を受賞していますが、韓国には、平和賞の金大中大統領以外にノーベル賞受賞者がいません。その差はとてつもなく大きいものだと思います。

 韓国の基本的な技術はすべて日本から習ってきたものです。日本が教えてくれなければ、どこで習えるのでしょう。もちろん、最近は多くの韓国人が米国で直接、現地の技術を学んでくることもありますが、一番簡単なのは日本から学ぶことです。距離が近いのはもちろん、社会制度や法制度も似ているのですから。いまだに日本への依存度は高く、日本を追い越すというのは不可能だと思います。

 そのような現状でありながら、日本が韓国に対して何か焦りや苛立ちを感じているのであれば、それは間違った危機意識だと思います。

ヨーロッパをモデルに韓中日で文化交流を

—感情的な対立であればあるほど、文化が果たす役割は少なくないと思います。次の日韓の50年を考えた場合、文化交流が果たすべき役割をどのように考えますか。

呉:日本と韓国の関係において最も重要なことは、地域でパートナーシップを構築することです。私が望むことは、東アジアが西ヨーロッパのように1つの共同体となることです。ドイツ、フランス、英国の3カ国はもともと敵対国でした。世界大戦を2度も経験したわけですが、現在は矛盾を抱えながらも協力関係を築いています。東アジアの韓国、日本、中国の3国も矛盾を抱えながらでも共同体を作れるのではないかと思います。

 そして、ヨーロッパ全体のリーダーをドイツ、フランス、英国が担っているように、アジア全体のリーダーを韓国、日本、中国が務めればいいのです。西ヨーロッパ3カ国がモデルです。

 韓国、日本、中国の相互理解を図るために、文化の交流が一つの役割を果たすと考えています。3カ国の若者が一つの場所に集まって、大衆文化で交流することは最もたやすい相互理解のための行動です。日本のアニメを韓中日の若者や子供たちが一緒に観賞するイベントを開くのもいいでしょう。日本のアニメは、とても普遍的な価値である「愛」「平和」「友情」がテーマとなることが多いので、誰もが共感を持てるはずです。そして中国はアクション映画を作り、韓国は身の丈に合わせてドラマやK-POPを作る。こうして挙げてみるだけでも、素晴らしいアジア文化が生まれるのではないかと思いませんか。

 英国、ドイツ、フランスの3カ国は、互いに学び合ってヨーロッパ文化を発展させています。韓国は1910年から日本の文化が入っており、ここ20年で日本も韓流を知るようになりました。アジア文化を発展させるために韓国、日本、中国がまずは文化交流から協力できればと強く思います。そのためにも世界韓流学会でも、韓国、日本、中国の文化交流、学術交流を推進していきます

6/29渡部亮次郎メルマガ Andy Chang『迫った台湾の総統選挙』について

Andy Changも以前は選挙で台湾は独立できないようなことを言っていた(国民党の買収工作に本省人が引っかかるため)が、環境変化①中国の横暴な正体が目に見えるようになったこと②米国の中国に対する不信③馬総統の急な中国との統一路線驀進、が重なり合ったため、持論を変えたという所でしょう。今後米中が昔に戻ることはありません。疑いなく中国は米国の覇権に挑戦してきますので、衝突はどこかの時点で必ず起こります。時間の利益を中国に与えれば与えるほど、米国には不利になることを米国は理解しなければなりません。

米国が蔡英文を支援するのがはっきりしましたので、国民党は没落することは間違いないでしょう。今までは民進党が勝つと米国が支援してくれない不安があり、そうなれば中国が攻めてくるかもしれないと思って国民党に投票してきた部分があると思います。今後外省人は肩身の狭い思いをするようになっていくと思います。香港か欧米に移民するようになるかも知れません。その前に中国に軍事機密を売る輩が出ないとも限りませんが。外省人とはいえ、何せ元々中国人ですから。

台湾が中国に取られたら、南シナ海は中国の内海になります。九段線は間違いなく中国の実質的領海と同じ扱いになり、内海での他国の自由な航行はできなくなります。今まで出来てたことがなぜできなくなるのか中国には説明責任がありますが、中国人の常で「何千年前から中国のものだったのを今までは使わしてやっていた」という反論ぐらいしか返ってこないでしょう。「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」と言う世界ですので。「法の支配」とは無縁の世界、「法」とは為政者が勝手に被統治民を弾圧できる道具なだけです。台湾は目覚めつつありますが、日本を見ますと国会、特に野党、マスメデイア、沖縄県に危機意識が足りないのは「ゆでガエル」状態、現状認識が誤っているからです。日本国民も企業で働けば真剣に問題の解決について考えるのに、世界のことには頭が回らないのは残念です。

記事

来年1月に台湾の総統と立法委員(国会議員)の選挙が行われる。昨年11月の市町村選挙で国民党が大敗して以来、台湾人の本土意識が高まり、中国と共に台湾統一を推進していた国民党政権はすっかり落ち込んでしまった。

来年の総統選挙に勝ち目はないと言われ、国民党の候補者選びは難航したが、ようやく洪秀柱・立法院副議長に決まるらしい。民意調査では彼女は負けると言う。負けたら国民党は没落するだろう。

戦後70年、台湾の政治は一貫して国民党独裁、外省人の天下だったが来年の選挙で総統と国会が台湾人優勢となり、強力な台湾人政権が誕生するかもしれない。外国関係、米中関係の冷え込みと中国の経済衰退が台湾の選挙に大きく影響する。

  • 米台関係の変遷

これまでアメリカは一貫して「現状維持」を要求し、国民党を支持してきた。ところが馬英九が政権を取って統一路線を取りはじめ、中国の南シナ海の岩礁埋め立てなどでアメリカはようやく中国に強い警戒心を持ち、台湾の政治に対する態度が変わってきた。

アメリカが本気で警戒心を抱いたのは南シナ海ではなく、中国がアメリカに仕掛けた大規模なサイバー攻撃である。ホワイトハウスや国務省、国防省やほとんどの政府部門が中国のハッカー攻撃にやられた。しかもオバマは防御も反撃もできない。中国は最悪な敵であるという認識がオバマにはなかったのだ。

だから今年春の蔡英文の米国訪問は、ホワイトハウスや国務省で歓待を受け、TIMEマガジンが雑誌の表面に出して蔡英文特集を組んで、米国が台湾人政党を支持する気配が出てきた。

米国の国際戦略が大きく修正されたのだ。2012年の台湾総統選挙ではダグラス・パールを派遣して投票2日前に馬英九支持を発表したアメリカは、あの時から4年後に蔡英文を支持する政策に切り替えたのだ。

米国の「現状維持」政策とは動乱が起きない穏やかな変遷を続けることだ。だから間違った政策はなかなか改善されない。戦後からこれまでアメリカは蒋介石の反共を支持してきた。

やがて反共から台湾海峡の平和維持に変わった。台湾は第一列島線の中央に位置し、中国が台湾を併呑すれば米国はアジアの覇権を失い、中国の太平洋進出を防ぐことができなくなる。

このため米国は台湾の国民党政権を支持してきたが、やがて2009年に馬英九が中国接近をはじめた。

オバマは中台関係に姑息な態度を取り、2012年の総統選挙ではダグラス・パールが蔡英文不支持を表明したのだ。

そして去年のヒマワリ運動と11月の市町村選挙で国民党が大敗し、台湾人の反中国、反統一が明確になって、アメリカは国民党を捨てて台湾人政党支持に切り替えた。米国の国際戦略が、反共→中華民国断交→国民党支持→台湾人政党支持と変化しているのがわかる。

  • 中台関係の変遷

このような国際情勢の変遷で、台湾の中華民国政権も蒋介石の反攻大陸から反共、李登輝の特殊な二国関係、陳水扁の台湾中国一辺一国、馬英九の中国接近統一路線に変った。そして米国はこれまでの国民党支持から台湾本土路線に賛同したとみられる。これが本当なら台湾人は大歓迎である。

米国は中国の台湾併呑に反対だが中華民国が台湾にある限りは併呑されないと思っていた。だから中華民国を認めていたが情勢がだんだんと変わり、1978年に中華民国と断交した。この時に台湾をどうするかという問題が起き、米国国会は「台湾関係法」を制定した。

台湾関係法の第15条には、米国は中華民国を認めないから、今後の米台関係において、「台湾(TAIWAN)とは台湾統治当局」と定義し、台湾当局が中華民国政権の続行でも、中華民国政権に代わる新政権が出来ても支持すると定義した。

つまり米国の台湾政策は、蒋介石支持から中華民国支持に変わり、中華民国と断交して「台湾当局」と名称を変えた国民党支持となり、国民党政権から台湾人政権になっても一貫して「台湾の存在」を支持するようになっている。

  • 台湾内部の変遷

終戦から70年たった。台湾は終戦後まもなく蒋介石が大陸から追い出されて台湾で中華民国を維持してきた。アメリカは反共の立場から中華民国を支持したが、中華民国は中国人の外来政権である。中華民国は外省人の貴族階級が台湾人を統治する独裁である。

人種差別とは中華民族の特徴と言える。中国人と台湾人は違う。だから少数の中国人が多数の台湾人に同化することはない。中国人は台湾統一を主張する、だが台湾人は中国に併呑されることを拒否し独立を主張する。中国は台湾併呑で太平洋に進出したい。アメリカは中国の野心を知りながら台湾独立を援助せず現状維持である。

台湾独立は台湾人政権を樹立すること、台湾人の夢である。だがその方法論にいろいろな違いがある。大まかに言って二つのグループ、現行の中華民国体制を修正して正名制憲で台湾国を樹立する「体制内派」と、中華民国体制を打倒して台湾政権を樹立する「体制外派」だが、双方の派閥の中にもいろいろ違った方法論があり、相互批判や攻撃でなかなか合作する気配がない。

  • 台湾人の夢

台湾独立運動はすでに40年以上の歴史があるが、少しも進展していない。理由は簡単、中国も米国も台湾独立を支持しないからだ。陳水扁が総統になった時、アメリカは陳水扁に「四歩一没有(独立せず、国名変更せず、両国論で憲法改正せず、統一、独立を公民投票にせず、など)」を押し付けて独立意識をシャットアウトした。つまり米国はこれまで台湾独立を拒否してきたのである。

このため独立運動は進展していなかった。体制内派(修正派)も体制外派(革命派)も米国の支持を得られなかったのである。もちろん中国は初めから独立に反対だから、どんな理論、方法論でも中米両国が反対すれば独立出来るはずがない。

米国の国際戦略が変化の兆しを見せたので、来年の選挙で台湾人総統と国会で台湾人多数となれば台湾の政治に大変化が起きる。もちろん数年で台湾独立を実現することはない。米国が反対せず、中国の衰退、米中関係の悪化が独立に有利な展開となる。

一部の体制外派の人たちは選挙に勝っても中華民国体制は変わらないと悲観的な主張をしている。ある人は投票に行くなと言い、あまつさえ蔡英文批判をするが、こんな言論は国民党を援助するだけ、国民党が勝てばもっと悲惨である。

選挙も一法、革命も一法、台湾のためになるなら構わない。米国の国際戦略の変化が台湾独立に有利となるなら選挙で政権を取るのも応援すべきである。

6/28産経ニュース 古森義久『「異様な反日」韓国の強迫観念』について

今までのアメリカの第一の敵は日本だったのでしょう。でなければ日本にこんなに基地を置くこともない。「瓶の蓋」論です。だから、中国とグルになって日本を攻撃してきた韓国も「いわゆる慰安婦問題」でも黙認と言う支援をしてきたわけです。ここにきて中国がハッキリ米国と敵対する姿勢を見せるにつれ、本当の第一の敵は日本でなく、中国と言うことがやっと分かりつつあるという所です。愚かと言えば愚かですが。

韓国はその第一の子分というのも分かってきたから、軌道修正し日本が真の同盟国の地位に移りつつあるという所でしょうか。ただ米国は日本の歴史の見直しを進めることは嫌がるでしょう。それはそうです。不都合な真実が世界に知れ渡りますので。日本も真の敵は誰か良く分からないと。第二次大戦はABCD包囲網まで敷かれ、勝てない戦争をしてしまいました。真の敵は中国と朝鮮半島と言うのが少しずつ国民にも分かってきていると思います。世界に日本を道徳的に貶めるプロパガンダをしているのですから間違いなく敵国です。戦争しなく、かつまた付き合うこともしないことが理想です。金を毟られるだけですから。

米国は傲慢・横柄でありますが、世界の警察官です。オバマは放棄したと言いましたが、多分次の大統領は復活させるでしょう。ただ予算の制約があるので、多国間にその責務を負って貰いたいという所です。集団的自衛権なんて当たり前。民主党・共産党・社民党は中国が南シナ海、東シナ海でやってることをどうしたら防げるのか、集団的自衛権に反対するならその説明をすべき。国民もこんな無責任政党に投票すべきではないと思います。

記事

韓国が日本への軟化をみせ始めた。この動きは明らかに米国の対韓姿勢の変化を大きな要因としている。オバマ政権内外で韓国の反日ぶりをあまりに理不尽とする認識が広がってきたのだ。その有力な例証の一つは韓国官民の反日傾向を病理的な「強迫観念(オブセッション)」とまで分析した米国人学者の最近の論文である。

ワシントンのアジア政策関係者たちがいま注視するこの論文は「なぜ韓国はここまで日本に妄念を抱くのか」とのタイトルで、東アジアの政治や歴史を専門とするロバート・ケリー氏により書かれた。

「ディプロマッ ト」というアジア外交問題雑誌に今月載り、米国側専門家のネット論壇で もすぐに紹介されて、一気に熱い反響を生んだ。

米国オハイオ州立大学で政治学の博士号を得たケリー氏は現在は韓国の釜山国立大学准教授を務める。

ケリー氏は同論文で近年の韓国暮らしの体験からまず「韓国で少しでも生活すれば、韓国全体が日本に対し異様なほど否定的な執着を抱いていることが誰の目にも明白となる」と書き出し、「異様な反日」の実例として 韓国の子供たちの旧日本兵狙撃遊びから日本軍国主義復活論や米国内での 慰安婦像建設ロビー工作までを指摘する。

そのうえで同氏はこれほどの官民一体の日本たたきは70年前までの歴史だけが原因だとは思えないとして以下の骨子の説明と分析を述べていた。

「韓国の反日は単なる感情や政治を超えて、民族や国家のアイデンティティー(自己認識)の自分中心の探求に近い」

「だが民族の純粋性を強調することでは北朝鮮には劣ってしまい、国家の民主主義を強調するには人的コネや汚職が多すぎる」

「だから日本を悪と位置づけ、たたき続けることが韓国の民族の純粋性のレジティマシー(正当性)誇示の絶好の方法となる」

「韓国の国家や民族の正当性の主張は韓国の存在自体を否定する北朝鮮に向けられるべきなのに、日本たたきを代替の安易な解決法としているのだ」

日本の政治家や学者が同じことを述べたら大変な事態となるだろう。だが米国側でのいまの議論ではこうした分析への賛同が明らかに増えている。

ケリー氏自身がこの5月には「日本の『韓国疲れ』がついに米国でも広まり始めた」という論文を発表したほどなのだ。「韓国疲れ」とは「韓国の文句にはもううんざり」との現象を指す。

事実、オバマ政権のウェンディ・シャーマン国務次官は最近の訪韓で歴史問題について韓国に注文をつけ、韓国側の反発をかった。ブッシュ前政権の国家安全保障会議でアジアや韓国を担当したビクター・チャ氏やマイケル・グリーン氏も最近は韓国の対日姿勢への批判をにじませるようになった。

さらに興味深いのは慰安婦問題で日本を長年、たたいてきたコネティカット大学のアレクシス・ダデン教授が韓国政府高官に「朴槿恵(パク・クネ)大統領の訪米では日本に触れないことをワシントンも望んでいる」と助言したとの報道だ。

日韓関係の真実がやっと米国でも知られてきたということだろうか。

6/29大礒正美メルマガ 『中華のうそに染まった新覇権国ドイツ』について

国は「うそ」「大嘘」「統計」どれも言うことが当てはまります。「騙す方が賢い」のですから、何でも言ったもん勝ちです。世界に嘘を発信、信じ込ませたら賢い人間となる訳です。外務省がキチンと反論してこなかったことが一番悪いのですが。政治家が外務省を指導してやらせるべきなのに、逆に中国からハニーや金で動かされて来た政治家が一杯いますので望むべくもない。でもそういう政治家を選んで来たのは国民ですから。「親中派」とか「親韓派」と呼ばれる政治家には党派に関係なく投票しないことです。そうしないと敵にやられっ放しになります。

敵は一党独裁、専制国家です。国民の意向を気にすることなく戦争だってできます。民主主義は時間がかかるし、「社会の木鐸」とか自称しているマスメデイアは左翼思想に凝り固まって正しい報道をしていません。「沖縄タイムズ」「琉球新報」は潰れた方が良いと思いますが、強制ではなく、購読者が読まなくなればいいのです。読んでいるから増長して嘘の報道も流すのです。中国共産党とやり口はそっくり。辺野古移転に反対しているのは基地の賃貸料が入らなくなるからと言われ、金秀グループが翁長を支援しているのも癒着で甘い汁を吸おうとしているためです。沖縄県民はもっと中国に対して危険性を認識した方が良い。翁長のような人間を知事に選んでるという事は、沖縄を中国に売り渡す行為と同義語だと言うのに気が付かないと。

記事

 マーク・トウェーンが紹介して広まった「嘘には3種類ある」というジョークが知られている。「うそ」「大うそ」、「そして統計」というオチがつく。

 またよく知られた迷言に、「どんなうそでも繰り返せば人は信じる」というのもある。これはナチスの宣伝相ゲッベルスだ。

 いわゆる南京事件(英語ではマサカー=大虐殺)は、大うその典型だが、事件直後から執拗に繰り返されて人は信じてしまい、いまでは世界的に歴史的事実だと思われている。

 日本政府はいつもの伝で、全面的反論を避け、「民間人や捕虜の犠牲はあったことを否定できない」と言い訳するのみである。

 戦闘に不可避の「コラテラル・ダメージ」(まきぞえ)と言いたいのだが、そう言わないので攻撃する側に易々とすり替えられ、核心部分の「30万人以上」という大うそを「日本も認めている」と宣伝されてしまう。

 いわゆる慰安婦問題は、得体の知れない日本人の小さな嘘(ホラ話)が大うそに成長したものだが、これも同じように安倍総理の釈明が、都合のいいところだけコピペされて使われることになった。

 訪米を成功させようとして、米国向けに「人身売買」と用語を変えたため、以後は「安倍総理もとうとう強制性を認めるに至った日本軍性奴隷」、というように枕ことばにまでなっている。

 ブッシュ政権のときホワイトハウスの中枢にいたビクター・チャ元国家安全保障会議日本・朝鮮部長が、読売紙上で重要な認識を述べている(6/22)。

 <歴史問題で「日本を袋だたきにしよう」と狙う動きは、ほとんど中国から始まっている。韓国が中国と組めば、ゆっくりと「中国の属領」という地位に落ちていく。>

 これほど「分かっている」専門家がいるのに、オバマ政権も大手メディアも、歴史家と称する面々も、中韓の大うそを事実として日本に譲歩を迫ってきた。

 特に朴クネ大統領の中国すり寄りが目立つが、実際には文民政権初代の金泳三大統領から左派の金大中、盧武鉉、と代を追うごとに親中反日のギアを上げてきた。

 そして中道実務路線に戻したはずの前大統領李明博が、退任の置き土産に「初の竹島上陸」と「天皇陛下侮辱発言」で、反日扇動のトップギアに入れたと言える。

 すでに20年以上をかけて、「ゆっくり」から急速に「中国の属領」になったことは間違いない。これからではなく、現在完了である。

 読売・韓国日報による共同世論調査(5月実施)で、中国との関係が良好だと思う韓国民は76%に上る(日本では13%)。 同じ調査で、「軍事的脅威を感じている国」として韓国ではトップに北朝鮮(78%)、次いで日本が迫り(61%)、中国は43%と下がる(複数回答)。

 この辺の数字は「さもありなん」という感じだが、中韓が国策としてうそ宣伝外交を繰り広げた効果が、西欧における日本の評価に現れてきたことは、極めて重要だ。

 当コラムでも取りあげてきた英国BBCの世界好感度調査で、日本とドイツが好感度(世界に好影響を与えると評価される割合)のトップを争ってきたが、2012年版で日本が1位となったあと、翌年から一気に4位、さらに5位と続けて下がり、ドイツが1位に定着した。

 その下げの要因は、欧州連合(EU)の日本評価平均が下がり、なかでもドイツだけが日本に対して12年版の大幅プラス(好影響58%/悪影響29%)から、一気に大幅マイナス(28/46)に逆転し、14年版も全く同じ数字を続けていることだ。

 つまり、ドイツが日本叩きを主導して、自らが1位を奪還した形だ。

 日本はドイツに対して何もマイナスになるようなことをした覚えはないのに、この激変は何を意味しているのだろうか。

 考えられるのは、中韓の宣伝工作がドイツで成功しているということである。東ドイツ出身のメルケル首相は毎年のように中国を訪問しているが、日本へは今年3月、7年ぶりにやっと2回目の訪問となった。それも1日足らずの駆け足で、主要国サミット主催の事前挨拶のためだった。

 BBC調査の結果を見る限り、中国が意図的にドイツのメディアを標的にして、日本に対する悪感情を国民に植えつける工作を、集中的に行ったのではないかと推察できよう。

 日本が警戒しなければならないのは、ドイツが今や「EUの盟主」と言われ、地域経済の枠を超えて対ロシア、対イランなどの政治・安全保障問題でも、主導権を取っている事実である。

  経済大国がいつの間にかフランスを凌ぐ政治大国になったわけで、一部の研究者は、ドイツがかつて夢見た欧州帝国をメルケルが事実上実現した、と評しているほどだ。

 そうするとアジア大陸の東と西に、新たな覇権国が登場したことになる。これも、すでに現在完了と言わねばならない。

 2つの新覇権国家と日米の地盤沈下は、文字通りシーソーのように見えるだろう。中国は国内総生産(GDP)で日本を追い抜き、世界第2の経済大国にのし上がったが、「このままいけば」確実に米国を抜いて、世界一の経済大国になるはずだ。

 それよりずっと前に、韓国の1人あたり国民所得が日本を追い越すという統計もある。韓国の自信過剰にこういう数字が根拠を与えている。

 予想は逆から読むと「うそよ」となるが、そう笑って受け流すだけでは済まない。中国の南シナ海における岩礁埋め立てを見て、オバマ政権もようやく目が覚めたように見える。が、実際に何ができるか、実効を伴う対策をとれる余地はほとんどない。

 中国が英独仏などの西欧主要国をも引き寄せた「アジアインフラ投資銀行」(AIIB)は、得意の「大うそ」と「統計」を掛け合わせた新種だが、それでも大コケするまでに事実上の「大中華共栄圏」が成立してしまうかもしれない。

 日本と米国は、それを防ぐことに最大の知恵を絞る必要があろう。いままでの「うそに弱い日米」を自覚した上で、下降トレンドの統計数字を逆転させることを共通の目標にするべきである。

6/25号 週刊新潮 櫻井よしこ 『国際政治と安保に疎い“長老”たちの罪』 記事について

オバマの無能と日本人の似非リーダー共に国策を誤らせてきたと言ったところでしょう。ここに挙げられている河野洋平を筆頭に皆売国奴です。こんな輩がリーダーとして評価されて来た訳ですから嘆かわしいというかお笑いものです。どうして彼らを選挙で通してきたのか?ここが根本問題です。民主的な選挙のない中国と違い、日本は1989年には制限選挙ではありますが、選挙権が与えられました。老人の投票率が高いのと、情報弱者である彼らの選ぶ判断基準がTV・新聞・雑誌の情報に偏っているからです。若い人はネットを使っていますが如何せん政治に無関心です。18歳まで投票権を拡大してもどの程度投票へ行くかです。また日教組の先生たちの刷り込みをそのまま信じてしまうと、今の団塊の世代のように脳が赤く染まってしまうかも知れません。共産主義の理想何て現実の中国を見れば一発で嘘と分かるのに。あんな人権抑圧国家はないし、平気で嘘をつき賄賂社会という事にすぐ気づくでしょう。旅行だけではダメです。まともな政治が行われるためにはまともな政治家を選ばないとダメです。ネットを活用して情報を多く取って判断しましょう。「機密情報の98%は公開情報から得られる」と言われていますので。

記事

河野洋平、村山富市両氏をはじめ、山崎拓、武村正義、藤井裕久、亀井静香各氏が日本記者クラブで会見し、気勢をあげた。

財政問題では筋の通った主張を展開し、尊敬を抱いていた藤井氏も含めて、この人たちは安全保障問題になると全員が思考停止に陥るのか。

国の基盤は経済力と軍事力である。如何なる国もその2つの力の上に立って、政治を行い、外交を行う。これが常識である。にも拘らず、日本には金輪際、安全保障上の自立や一人立ちは許さないというGHQによる統治と、その落とし子としての日本国憲法を厳守せよと、この人たちは言い張る。彼らこそ、日本がまともな国になるのを阻止し続け、日本弱体化をはかる人々だ。

河野氏は安倍晋三首相の平和安全保障法制を批判する前に、自身の歴史問題発言の間違いを国民に釈明し、詫びるべきだ。

慰安婦の強制連行を世界に言明した1993年8月の記者会見での発言について、氏は批判的なメディアの取材には応じない。決して反論されない場に限って出席して自己主張を展開し、「私は安倍政権に本当に怒っている」などと言う。しかし、「本当に怒っている」のは国民であり、怒りの対象が自分であることを、河野氏は認識すべきだ。

村山氏は、安保法制のような大事な問題について、安倍政権はもっと議論すべきだと強調したが、私は反射的に氏の独裁専制振りを思い出す。

社会党党首として、自衛隊は違憲だと唱えていた村山氏が、河野氏らと組んで政権を奪取し、首相の地位を得た。首相になった村山氏は自衛隊合憲論へと身を翻したが、その時点で全国の社会党支持者に対して十分な説明や時間をかけた議論をしたのか。

モーニング姿に正装し自衛隊の観閲式などで、立派に職務を果たせと訓示したが、そのときも、社会党支持者らに十分説明したのか。

私は社会党や氏が支持者に対して十分説明したという話を寡聞にして聞かないが、少なくとも村山氏の変節がここで止まっていれば、まだ国民は救われる。しかし、氏の節操のなさには続きがあった。1年半で首相を退き、社民党党首に就いたら、氏はまたもや自衛隊はやはり違憲だと言い出した。

軍事力への忌避感

現在の社民党に繋がる日本社会党には、それなりの長い歴史と熱心な支持者が存在した。その支持者に、国の安全保障の最重要点である自衛隊と憲法の関係について、違憲から合憲へ、再び違憲へと変転し続けたことについて村山氏は一体どれ程説明したのか。

納得してもらえる議論は殆どしていないはずだ。であれば、氏は安倍首相批判などをする前に、自身の軌跡をふりかえり、独裁専制君主のような方針転換に心からの反省を示すべきだ。

“長老議員”たちは、彼らが憲法を守れと主張している間に、世界がどう変化し、それがなぜ起きたのか、考えたことがあるだろうか。

誰の目にも明らかなように、アメリカは中東、ヨーロッパ、アジア、世界各地域で影響力を低下させている。対照的に、中国は軍事的膨張を続けている。

このような変化のきっかけが中東での混乱だった。拙著『日本の敵』で詳述したが、中東でテロリスト勢力が跋扈し始めた原因は、オバマ大統領が国際政治における軍事力の意味を理解しようとせず、介入に躊躇したからである。

2010年12月、チュニジアで民主化運動が発生し、瞬く間にエジプト、リビアへと広がった。当時イラクは米軍の駐留と支援で安定を保ちながら自由選挙を行い、シーア派、スンニ派、クルド人の3勢力による政権誕生に、兎にも角にも漕ぎつけていた。

3勢力の協力関係が実現したとはいえ、イラクは危ういバランスの上にあった。にも拘らず、オバマ大統領は公約に従って11年末までにイラクからの米軍撤退を完了させた。

イラク、アフガン戦争からの撤兵を公約して大統領となったことにも見られるように、オバマ氏は歴代大統領の中で、軍事力行使に対して恐らく最も強い忌避感を抱く大統領だ。

13年9月10日、大統領はシリア問題に関連して、アメリカは世界の警察ではなく武力介入は行わないと演説した。ただでさえ難しいイラクの政権運営は不安定さを増し、マリキ首相率いる政府は少数派のスンニ派住民やクルド人への目配りが行き届かず、結果としてシーア派以外は退けられた。

マリキ政権下のイラクが直面するこうした一連の問題に、オバマ大統領は積極的に関わろうとしなかった。混乱と不満が拡大していく中で過激派が力をつけ、「イスラム国」勢力を生み出し、中東をより深い混迷に陥らせたのである。中東における混乱の主原因はオバマ大統領の無策だったのである。

日本国民の命と領土を守る力

南シナ海で中国が埋め立てを加速させたのは、この1年半、つまり、14年以降である。プーチン大統領がウクライナからクリミア半島を奪ったのが、オバマ 大統領の「アメリカは世界の警察ではない」という宣言から半年後だっ た。中国とロシアを国際法無視の蛮行に走らせたのも、オバマ大統領の武 力不介入宣言だったのである。

国家にとっての最重要の責務は、国民の命を守り、国土、領海を守り、民族が民族らしい生き方を追求する自由を守ることだ。如何なる国家にとっても、その責務は基本的に自力で担うものだ。

だが、日本には国民を守るに足る十分な自力が備わっていない。現行憲法はそのようなことを禁ずる精神で作られており、だからこそ、戦後ずっと、アメリカが日本を守る形が整えられてきた。

しかし、今、アメリカが自分たちは世界の警察ではないと言っているのだ。この状況下で日本国民の命と領土を守る力を、日本国自身が身につけなければならないのは明らかだ。それを達成しようとしているのが、いま国会で議論されている安保法制である。

前出の“長老”たちは烈しく安保法制に反対したが、仮に一連の法改正がこの国会でなされなかったとすると、どういうことになるのか。それは中国に大いなる誤解を与えるだろう。しっかり自分たちを守るという日本人自身の気概が十分ではなく、実力も大したことはないと判断されれば、そのときが一番危うい。

危険な国に対しては、十分な抑止力で行動を起こさせないことが最善の防衛力につながる。こちら側に十分な力と意志があるのを見せることだ。それをしなかったために、オバマ大統領は中東のみならず世界中に混乱をひきおこした。

前述の“長老議員”らには、日本のやる気の無さが、オバマ大統領のやる気の無さと同様の構図で中国の対日侵略を招いた場合、政治家としてどう責任をとるのかを問いたいものだ。

6/29号『TIME』アジア版(蔡英文特集)日本李登輝友の会台北事務所翻訳記事について

外省人のメデイアである「中国時報」は洪秀柱が出馬候補になった途端、洪をヨイショ、蔡英文をくさす記事を載せていました。馬英九よりも統一派だからで、さすが中国人、分かり易い。アメリカもやっと国民党が中国人の政党と言うのに気付いてきたというところでしょうか。中国がアメリカの覇権に挑戦しようというのに、中国との統一派が実権を握ったら困るでしょう。

だからと言って露骨に独立を言って中国の武力介入もアメリカとしては避けたい。選挙で選ばれた政体が漸進的に実質的に憲法改正をしていけば良いと思います。中国は香港の行政長官の選挙でも約束を反故にしています。心ある香港人は台湾に移住するかも知れません。中共のスパイになる危険性もありますが。

中共は外省人経営のメデイアを使って、蔡英文の誹謗・中傷記事を書かせるかもしれません。また、大陸に居る台湾ビジネスマン100万人に帰省旅費を渡し、国民党に投票させるでしょう。これは間違いありません。でも総統選では洪秀柱と比べ、蔡英文の知名度が高いので勝つでしょう。同日行われる、立法委員選挙で勝たないとレイムダックになります。民進党はこちらにも力を入れないと。

記事

民進党の総統候補、蔡英文主席が、米誌『TIME』アジア版(6月29日号)の表紙を飾っている。

同誌は巻頭記事として同誌は巻頭記事として「中華圏唯一の民主主義を率いるのは彼女か。それが中国にとって頭の痛いところだ」と題する密着記事も掲載、その素顔に触れた。

本会台北事務所では日台関係に関心を寄せる本会会員の参考に供するため、大意の日本語訳を行った。なお、原文は、民進党によって各台湾メディアに提供され、全文が公開されている。

「中華圏唯一の民主主義を率いるのは彼女か。それが中国にとって頭の痛いところだ。台湾次期総統候補、蔡英文かく語りき。有権者の支持は?」

 蔡英文の朝食。彼女はフライパンにベーコンとともに卵を5個落とし、厚めに切ったトーストに載せていく。英国の名シェフ、ジェイミー・オリヴァーのレシピだが、蔡英文は言わずにはいられないとばかりに「食材は全て台湾産」と言う。ベーコンは彼女の自宅に近い「幸福豚」農場で購入したし、トーストも近所のパン屋から。蔡英文は記者にオレンジを手渡しながら英語で言った。「すべてオーガニック、そして台湾の食材よ」。

 とはいえ、これが58歳の彼女の毎日の平均的な朝食というわけではない。ほぼ毎日、一杯のコーヒーを片手に迎えの車に乗るのが常であり、それが彼女のスタイルでもある。台北育ちで英米留学、博士論文は国際貿易法をテーマとした。大陸委員会主任委員、民進党主席、総統候補(2012年の総統選挙では、僅差で馬英九に敗れた)と歩んできた彼女には、コーヒー片手に貿易保護政策を語るような学者出身というイメージが定着している。

 目下、来年の総統選挙の大本命とされる彼女の未来像は自信に溢れ、台湾を利益の核心として強調することにいささかの躊躇いもない。彼女は「両岸関係は現状維持」と明言し、台湾の運命は未来にその決定を委ねると言う。

 ただ、彼女のビジョンでは台湾の経済、国家の発展、文化が最優先だ。馬英九政権が中国との貿易や観光を推進した際(台湾の輸出先は中国が40%を占めている)、蔡英文は、中国への依存を軽減するには、よりグローバルな繋がりを模索し、台湾ブランドを確立させるべきだと批判した。彼女は記者に言う。「経済には新しい台湾モデルが必要なのです」。

 彼女が有権者の支持を得るカギは、台北だけを見ていてはわからない。台湾は国土が小さく、人口は2300万足らず。とはいえ、電子産業、農業、観光業を基幹とする台湾経済のGDPは世界でも20位台にランキングされている。一人あたりのGDPは実に中国の三倍である。

 台湾は1894年から95年にかけての日清戦争によって清朝から割譲され、半世紀にわたって日本の植民統治を受けた。その後、国共内戦に敗れて敗走してきた国民党による統治を受けることになる。台湾は長期にわたり、この地域で将棋の駒のような役回りを引き受けてきたのだ。米国の東アジア政策では、台湾、日本、韓国、フィリピンが要であるが、より重要なのは台湾が中華圏における唯一かつ本物の民主主義を有していることにある。作家であり、前文化部長(文化庁長官に相当)の龍應台は言う。「台湾の経験があるからこそ、世界は中国が変われるのでは、と期待できるのだ」。

 台湾の政治は時に中国を怒らせ、苛立たせる。中国共産党は、台湾は中国の失われた領土の一部と主張する。台湾の存在は、仮に中国共産党がチベットは新疆ウイグル、香港への締め付けを緩めれば、これらの地域も台湾のようになるぞ、と示唆するものである。

 中国が何より憂いているのは、親中の馬英九率いる国民党政権から、中国に懐疑的な蔡英文の民進党へ政権交代が起きる可能性が大きいことだ。2012年の総統選挙では、中国は直接の名指しはせずとも、明らかに蔡英文を指して「トラブルメーカー」「分裂主義者」と大きく非難した。これらのフレーズは、共産党においては、ダライ・ラマ級の人物を非難する最高レベルである。上海交通大学国際公共関係学院で台湾研究が専門の林岡は「民進党=両岸関係が不確実になるということだ」と述べる。

 米国は、台湾関係法に則り、仮に台湾が武力攻撃を受けた場合、台湾を防衛する義務がある。台湾は米国にとって正式な同盟国ではないものの、長期にわたる友邦であるが、その友好関係の強さが中国の発展によって試されている。米国は正直なところ、台湾の、特に若者たちが中国への警戒心を高めていくことに頭を痛めている。台湾と中国が衝突することになれば、自ずと米国も巻き込まれることになるからだ。

 『台湾はなぜ重要か(Why Taiwan Matters)』の著書がある米ノースカロライナ州デビッドソン・カレッジのシェリー・リガー教授曰く「今回の選挙では、民意が変わってきたことを反映して、あらゆる変化が具体化されることになるだろう。両岸関係はもはや楽観視できる方向ではなく、米国が希望しない方向に流れるだろう」。

 まだ正式な指名ではないものの、国民党の総統候補者は恐らく洪秀柱・立法院副院長(67歳)になると目されている。小柄ながら勝ち気な性格のため「小とうがらし」と呼ばれる彼女が、党の指名を受ければ、学者の雰囲気を漂わせる蔡英文とは対極的な存在になるだろう。

 洪秀柱は記者に対し「蔡英文が強力な相手だとは思わない」と言っている。しかし蔡英文はすでに意気軒昂で台湾各地で選挙活動を展開している。蔡英文曰く「私のことを保守的だという人もいます。でも実際は結構冒険好きなんですよ」。彼女には間違いなくユーモアのセンスがある。記者が彼女の料理の腕前を褒めたときも、怒ったふりをして言った。「私は博士号持ってるのよ」

 蔡英文は台北の中山北路で育った。この街は、革命によって清朝を倒し、国民党を創設したことで国父として崇められる孫文の名を冠したものだ。蔡英文の父親は車の修理工で、後に土地開発の分野に転じた。父親は儒家思想を強く持ち、蔡英文の学問を後押ししたが、一方で末っ子の彼女を手元においておきたいという希望もあったようだ。彼女も「子供の頃、私は決して未来を嘱望されていたわけではないと思う」と話している。

 台湾大学を卒業すると、彼女は米コーネル大学で法律を学ぶ。彼女によると、ここは「革命的な生活」を夢見た若い娘たちが行くべき場所だという。その後、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで3年を経ずして法学博士を取得、父親はひどく喜んだという。父の希望もあり、台湾に戻った彼女は大学で教鞭をとった後、1994年に政治の世界に入り、公正取引委員会、国家安全局、大陸委員会など、政府の政策を主導する重要なポストを歴任する。

 蔡英文を近くで見てきた人々、特に民進党の人間は、彼女のことを政治家らしくないと言う。現在は野党の民進党は、台湾の民主化運動の過程で結成され、民主化運動の闘士たちが多く携わった。こうした民主化運動のほとんどに、蔡英文は関わっていない。

 1979年、高雄での美麗島事件が発生、人権デモに参加した人々を警察が暴力で解散させたことが、民主化運動の激化を招いたとされる。この時、蔡英文は海外留学中で、象牙の塔の庇護を受けていた。徒手空拳で街頭デモに参加する闘士が典型的な民進党員だとするならば、蔡英文は抑制的かつ精密なオリンピックレベルのフェンシング選手といえるだろう。

 2008年に民進党が政権を手放し、陳水扁総統が汚職によって起訴されると、蔡英文は火中の栗を拾うがごとく、民進党主席の座についた。政治というものへの理解が小さくなかった彼女であったが、それでもなお彼女は指導者らしくなかった。長いこと彼女の同僚であり友人であった立法委員の蕭美琴は「以前、選挙運動で戸別訪問した時も、彼女は私の後ろに立っていた。一部の人たちは彼女を森に迷い込んで狼に囲まれたウサギだ、狼は党内にも党外にもいる、と評している」と話す。

 2010年、蔡英文は市長選に出馬して敗れ、2012年の総統選挙でも勝つことは出来なかった。民進党のスピーチライター劉建忻によると、選挙運動では蔡英文の「売り込み」が足りなかったのだという。理想は非常に強いのに、実際にそれを実行する時になると、彼女と有権者の間には距離ができてしまう。皮肉なことに、敗戦のスピーチの段になってやっと、彼女と有権者の間の感情の一体感が生まれたという。蔡英文は涙ぐむ支持者たちに言った。「泣いてください。でも、がっかりはしないでください」。

 2012年以降、台湾は大きく変化した。朝食の卵を焼いてから11時間後、政策会議に出席した蔡英文は台湾新幹線で南部へ。民進党の牙城高雄に着くと、高雄港を視察した後、数百人の大学生を前に講演。リラックスしたスタイルで民進党の経済政策を語り、地域間の連携を強化することで小型経済を創出する政策への支持を求めた。彼女が学生たちに「台北でヒマワリ運動に参加した人、手を挙げて」と聞くと、3分の1の学生の手が挙がった。

 台湾の学生は一時期、非常にドライだと思われていた。しかし昨年春、台北は中国とのサービス貿易協定締結に抗議する数千の学生で埋まった。学生や市民団体は、この協定が台湾経済に打撃を与え、中国の圧力で台湾経済がよりいっそう脆弱になることを危惧したのだ。また、学生たちはサービス貿易協定が社会の正当な審判を全く受けていないと考えている。ヒマワリ運動は不満が累積した民間から発生した運動で、3月18日に立法院に突入したことを発端とした。運動の名称は、ある花屋から贈られた大量のヒマワリに由来する。

 この運動の主眼は社会正義である。2008年、国民党が政権を取り戻すと、21もの両岸貿易協定を締結、馬英九は両岸のビジネス往来こそが台湾を豊かにするカギだと主張した。しかし、若者たちはこの主張に懐疑的だ。この協定は両岸の大企業を潤すのみで、中国の宥和政策は決して台湾の若者たちを潤すものではなく、むしろ不動産価格は高騰し、賃金は上昇せず、就業機会もすべて中国に流れていくとにらんでいる。昨年3月30日、総統府を取り巻いた抗議活動では、ある標語が社会全体の思いを体現していた。「台湾は一つだけ。売り払ったらもうおしまい!」

 マクロ的な経済指標だけにとらわれず、生活の質を重視する台湾社会は蔡英文にとって有利だ。彼女の希望としては、経済的に独立した台湾を打ち立てたいと考えている。こうした理念は、2012年の時点では有権者の心を捉えられなかったが、現在では強い吸引力を持っている。国民党はヒマワリ運動によって重傷を負い、昨年秋の統一地方選挙では有権者によって再びお灸をすえられており、目下、国民党は大衆に迎合した党の再編に躍起になっている。

 国民党のシンクタンクである「国家政策基金会」で副董事長を務める、元外交部長の楊進添は「国民党は両岸関係の立場を堅持する」と言う。ただ、敬虔な党員である楊進添でさえも、公平という問題の解決を示唆する。つまり「両岸関係の利益は、全国民によって享受されるべきだ」と言うのだ。

 蔡英文が、伝統的な民進党支持者からの支持を取り付けるのは簡単だ。南部の有権者、若者票、台湾人アイデンティティを持つ有権者たちだ。しかし、民進党は大企業との繋がりが薄い。というのも、台湾企業は中国に大規模投資を行っており、その多くが国民党支持かつ中国との緊密な関係を築いているからだ。蔡英文も彼らを取り込む必要があることは認めているものの、これといってハッキリとした青写真があるわけではない。「我々の挑戦は、双方が納得できる合理的な立場を創り出すことです。とはいえ、野党時代に支持してくれた方々を裏切るような立場であってもいけないのです」。

 これはまた難しい挑戦だ。これまで国民党は、経済を回復させられるのは民進党ではなく自分たちだと主張してきた。特に陳水扁政権は汚職や不況の問題が山積であった。蔡英文を支持する人々もこうした状況には同意し、民進党は野党ではやっていけても与党は任せられないと考える人もいる。

 ノッティンガム大学中国政策研究センターの研究員で小英基金会の主任も務めるマイケル・コール(J. Michael Cole)は「国民党はいつでも国民党こそが経済を回復させるにふさわしいと主張している。一方で、民進党政権になったら商売に不利という扱いにくさがあると考えている」と述べる。

 こうした論調は共産党の支持を受け、選挙運動が進むに連れて随時報道されることになるだろう。共産党は中国国内で支配下にあるメディアを直接利用し、あるいは間接的に中国と台湾のビジネス界の繋がりを利用するかもしれない。米ワシントンにあるシンクタンク、スティムソン・センターのアラン・ロンバーグ曰く「中国は大企業など、あらゆるチャンネルを利用してその立場を伝えてくるだろう。仮に台湾の人々が、この8年間の両岸発展の基礎となった政府の功績を否定するような選択をすれば、その後の両岸関係の発展は現在のように順調ではなくなるだろう」。

 民進党政権が中国に受け入れられる余地はほとんどない。中国国家主席の習近平は2012年に就任以来、周囲から思われるよりもずっと独断的で強烈な民族主義者であり、一切妥協しない人間だということを自ら証明してきた。昨年9月、習近平は台湾からの代表団に対し、中国と台湾は将来、香港のような「一国二制度」モデルによる統一が出来るのではないかと語ったが、この方式は民進党どころか国民党からも拒絶され、世論調査でも受け入れると答えた台湾人は皆無に近かった。今年5月、習近平は再び「分裂主義勢力」が台頭して来ていると警告したが、これは民進党に対する先制攻撃だったといえよう。

 両岸関係は、現在のところ中国と台湾(当時は国民党政権)による「92年コンセンサス」を基礎としているとされている。この政策は、前出の楊進添によれば「曖昧さの一大傑作」だという。

「92年コンセンサス」は、双方が「一つの中国」を承認しつつも、その内容については各々が表明すればよいというもので、楊進添によれば「このコンセンサスのおかげで、国民党は両岸の貿易や交通、観光分野での発展を推し進めることができた。その一方で、台湾や中国が考えている『一つの中国』の中身とは何ぞや、と回答を迫られることもなかったのだ」という。

 民進党は長期にわたり、台湾の法的独立を推進してきた。民進党の党綱領第一条には「主権独立自主の台湾共和国の建立」が謳われているが、台湾の正式な国号は中華民国である。民進党支持者の基盤は主にここにあると考えてよいが、中国の経済力が目覚ましく発展し、国際社会における発言力が増すなか、この理念の実現はますます難しくなっている。陳水扁政権時代の民進党と、それまでの民進党の政策に大きな違いはなかったものの、中国との関係はかなり冷え込み、馬英九政権になって再び距離が近づいた。

 前出の上海交通大学の林岡によれば「蔡英文の立場は馬英九と陳水扁の中間にあたり、彼女が総統選挙に勝利すれば、台湾独立を追い求めることはなく、馬英九のような両岸関係の発展を推し進めることもないだろう」と分析する。

 蔡英文自身は、台湾と中国の政治関係を変える気はないと強調する。とはいえ、民進党の台湾独立綱領を撤廃するかについては依然として回答を濁している。では、統一についてはどうか?「統一であっても、民主主義の手続きによって解決されなければなりません。この場所に住む人々の決定によって進められなければならないのです」。

 暫定で蔡英文の相手となる洪秀柱は「民進党のリーダーは両岸関係に対する立場をはっきりと説明するべきだ。誰もが蔡英文に『現状を維持するというのはどういう意味か』と尋ねるが具体的な回答がない」と批判する。国民党の楊進添はこんな比喩を持ちだした。「収穫のためには土地を耕し、種を播き、肥やしをくれなければならない。これまで全部、国民党がやって来た。民進党は収穫だけしようという魂胆か」。

 蔡英文は、勝利のあかつきにはその収穫の権利があると信じている。記者が北京に戻る数日前のこと、高雄の日本料理レストランで蔡英文は記者に、静かながらも確かな自信を込めて、中国がどう出ようが、有権者の信任を得て選挙に勝つと言い切った。

 彼女は、最後に残ったマグロの刺身を記者の皿に取り分けてくれた。このマグロは彼女の生まれ故郷である南部の屏東から来たのだ。「北京に帰ったら皆さんに言ってくださいね。台湾の次の総統にサービスしてもらっちゃった、って」。

6/24・25日経ビジネスオンライン 呉善花『「統治者がつくった反日」の重いツケ』記事について

昨日に続き韓国の記事ですが、米国の慰安婦像、東京オリンピック、世界遺産、水産物の輸入禁止とか日本の足を引っ張る事ばかりやっている国は普通に考えたら敵国でしょう。何も言わないから嘘が世界に撒き散らされるのです。外務省は何をしているのでしょうか?無能としか言いようがない。今度も軍艦島の世界遺産に「強制徴用」の事実を書き込むとか韓国外相は韓国国内で嘘を言っているようですが、外務省は約束していないのであればキチンと「そんなことは約束していない」と即座に否定しないとダメです。古森義久氏によれば裏で韓国に金を出して反日で動かしているのは中国と言っていますが、さもありなん。中国人の方が韓国人より数倍賢い。自分の手を汚すことなく日本と言う敵国を弱体化できるのですから。

韓国は愚かにも北朝鮮が戦争を始めるのを中国が抑えてくれると思っているようですが、甘すぎです。宮崎正弘氏によれば「習近平は軍をグリップしてないので、言うことを聞かせるために戦争を起こすかもしれない」と言っていますが、どことやるかというと米国・日本連合軍と戦っても勝目がない(日本単独でも核使用がなければ勝つとのこと)ので、想像ですが北を唆して韓国を攻めさす可能性があります。北は核保有国で北京に核を落とされるのは困るし、戦争しなくても援助をストップすれば金王朝は潰れるでしょうから。南北は休戦しているだけで、名目を付ければいつでも攻撃できます。韓国はTHHADも配備しないし、戦時作戦統制権は米軍はいつでも韓国に返せますので、米軍は本気で守るかどうかです。米中で裏取引するかも知れません。鄧小平は米国と話してベトナムと戦争したわけですから。中国は金王朝打倒・転換・核放棄の名目ができるし(侵略国家として、最後には勿論中国が裏切る訳ですが)、米軍は韓国撤退(Korea fatigue)、38度線は維持するため軍事政権復活(痛い目に遭えば韓国民も真実に目覚めるでしょう)、韓米同盟は維持とか。南北は統一されずにいた方が緩衝地域として軍事的に良いという判断でしょう。ソ連が東欧を直接領土としなかったように。或は南シナ海ですがこれは米軍と直接対峙する危険性があります。米軍でなくとも人民解放軍が戦闘で負ければ中共は崩壊するので相手を選ぶでしょうが、米軍が兵器をドンドン与えるでしょうから、格下と思っていると痛い目に遭うでしょう。日本は早く安保法制を通すべきです。

記事

1965年の日韓国交正常化から50年が経った。

これを機に、冷え切っている両国の関係を改めて“正常化”したいところだ。

しかし、拓殖大学の呉善花(オ・ソンファ)教授は「非常に難しい」と断じる。

韓国の歴史に刻まれた、「反日の土壌」は容易には変わらないからだ。

反日の土壌はいかにして出来上がったのか。

—日韓国交正常化から50年を迎えました。これを機に、李明博(イ・ミョンバク)大統領(当時)が2012年に竹島に上陸して以来停滞している両国の関係を改めて“正常化”したいところです。まず、今の日韓関係をどのように評価されていますか。

呉:国交正常化から50年の間で、最悪の状態だと思います。しかも、朴槿恵(パク・クネ)大統領が今後、簡単に方針を変えることはないでしょう。さらに、仮に、他の人が大統領になっても変わるのは難しいと思います。

—かなり厳しい情勢ですね。それは、なぜですか。

呉:韓国の歴史に刻まれた「反日の土壌」があるからです。最も古くから続いているのは華夷思想。これに、反日教育が重なりました。金泳三大政権を初めとする文民政権が親北朝鮮に政策を転換する中で、反日がさらに加速しました。朴槿恵大統領について言うと、反日教育を受けて育ってきたことに加えて、彼女の個人的な性格と国内の政情が、反日をさらに徹底したものにしています。

—順番にご説明いただけますか。

朝鮮は日本を教え導く立場にある

呉:華夷思想は、中国で発生した世界観です。中国は「中華」、すなわち文明の中心。周辺の国は「夷」、中華から感化・訓育を受ける対象であるという考え方です。韓国は、この中華思想に基づくヒエラルキーにおいて、「朝鮮諸国は、中国の忠実な臣下であり、正当な継承者である。日本を教え導く立場にある」と自らを位置づけてきました。竹島問題であれ、慰安婦問題であれ、本来なら朝鮮民族の下に位置する日本人が、朝鮮をバカにして行っているとみなし、反発を感じているのです。

—確かに、仏教は朝鮮を経て日本に伝わりました。6世紀半ばに百済の聖明王が日本の欽明天皇に仏像や経典を伝えたとされています。

呉:そうですね。儒教もそうです。

 ちなみに、正当な継承者であるとの認識は、中国の清王朝にも向けられていました。清は満州民族が建国した国で、漢民族の国ではありません。朝鮮から見れば、清王朝は「夷」が立てた国であるわけです。なので、表面上は服従していても、心の中では「朝鮮が中華の正当な後継者である」として清を見下していました。

 華夷思想をベースにしたヒエラルキー重視に加えて、韓国には潜在的なエスノセントリズム(自民族優越主義)があります。朝鮮民族は優れた存在、日本は「生来の野蛮で侵略的な資質をもった民族」と見なす考え方です。神功皇后による三韓征伐、豊臣秀吉による朝鮮侵略、明治の征韓論、韓国併合などを「一連の」ものと捉え、その原因が日本民族の資質にあると断じています。

朴槿恵大統領の父・朴正熙時代に広まった反日教育

—華夷思想の上に反日教育が積み重なっているわけですね。

呉:はい。戦後、韓国は「反日」を大義名分として建国されました。反日独立運動家だった李承晩(イ・スンマン)が米国の支援を得て権力を掌握したからです。韓国の憲法は前文で「三・一運動により建立された大韓民国臨時政府の法統」を継承するとうたっています。三・一運動というのは1919年にソウルで行われた大規模な独立運動です(本誌注:日本は1910年に韓国を併合していた)。大韓民国臨時政府は、李承晩らが設立した組織です。

初代の大統領に就いた李承晩は反日主義を徹底して進めました。対馬を韓国領だと主張する一方、李承晩ラインを設定して竹島を実効支配しました。左派勢力との激しい権力闘争が背景にあったからです。反日の姿勢を弱めれば、反米・親ソ中・従北朝鮮の勢力に民意が移ってしまう懸念がありました。

 この一環として反日教育を始めたのです。国家の政策として、反日=愛国と位置づけました。国家が定めた歴史認識だけを「正しいもの」として、国民に押しつけたのです。

 反日教育が本格化したのは1961年から始まった朴正熙(パク・チョンヒ)政権においてです。経済成長を背景に、中学への進学率が高まりました。これが反日教育の効果を後押しし、韓国民の間に反日を根付かせることになりました。

 日本統治時代を知っている高齢の方は、それが悪いことばかりではなかったことを理解していました。しかし、机上で反日を学習した世代は日本による統治の実態を知ることなく、イデオロギー的に反日になっています。私自身を振り返っても、日本への生理的な嫌悪の情に満ちた強固な反日感情が根付きました。朴槿恵大統領はこうした世代の始まりに位置しています。

桜の木を切り倒し、日本語由来の言葉を禁止

—李承晩や朴正熙といった軍人出身の大統領が続いた後、1993年に金泳三が大統領となり、文民政権が始まりました。それでも反日は変わらなかった。

呉:変わらないどころか、文民政権により反日はさらに強いものになりました。

金泳三は、旧朝鮮総督府の建物を解体したり、韓国各地に植えられていた桜の木の一部を切り倒したりしました。どちらも日本の象徴だったからです。竹島に沿岸警備隊を常駐させるようにしたのも金泳三です。“日本語狩り”も行いました。それまで普通に使っていた「割り箸」「楊枝」といった日本由来の言葉の使用を禁止したのです。

—金泳三、金大中(キム・デジュン)の後に登場した盧武鉉(ノ・ムヒョン)時代には「過去の清算」も行いました。日本が統治していた時代に親日行為――幹部として日本軍に協力したり、創氏改名を主唱したりするなど――をした人たちを断罪しました。戦時中に日本に協力した人のリストを作り、彼らやその子孫の財産を没収した。軍事政権時代は、戦時中の状況では日本に協力するのも致し方なかったとして、目をつぶっていましたが、この姿勢を転換しました。

呉:おっしゃる通りです。

「反北」では国民の支持を集められない

—李明博氏が大統領に就任し、保守の政権が誕生しました。同政権は日本と良好な関係を保っていましたが、政権が末期が近づくにつれ、竹島に上陸するなど反日が目立つようになりました。これはなぜだったのでしょう。

呉:反北朝鮮の政策が、国民を引きつけるものではなくなったからです。

 軍事政権時代は「反日」と同時に「反共=反北朝鮮」を掲げていました。そして、軸足を置いていたのは「反共」です。彼らにとって親北朝鮮勢力との争いは、事実上の内戦でした。例えば李承晩が大統領になれたのは、彼の反共・親米路線を支持するアメリカが支援したからです。彼は反日の旗を振る一方で、知日派を政権の重要ポストに登用し、親北朝鮮の勢力を排除していました。

 その後、政権に就いた金泳三、金大中、盧武鉉と続く左派文民政権は、軍事政権とは異なり「親北」でした。盧武鉉時代に小学4年生向けに使用された教材にこんなエピソードが載っています――ロミオとジュリエットが川を挟んで引き離されており、そこにいる悪い竜のせいで結婚できない。ロミオとジュリエットは韓国と北朝鮮。川は非武装地帯。竜はアメリカを表しています。南北朝鮮が統一できないのはアメリカのせいだという意味です。

 左派文民政権が親北であったことには社会的な背景があります。当時の韓国はアメリカ化が進んでおり、それに対する反動で「我が民族を取り戻す」という考えが力を得ていました。アメリカ化とは経済格差の拡大、個人主義の普及などを指します。個人主義の普及は、家族を大切にする姿勢とか、年長者や老人を敬う倫理を崩壊させた。こうした流れに対する反発が高まったのです。

 そんな時に周囲を見回すと北朝鮮は主体思想を掲げて、我が道を歩んでいる。文民政権は「北朝鮮のようになりたくはない」けど、その取り組みは評価するべきと考えました。彼らが政権を担った15年の間に、北朝鮮を敵視する民意は急速に衰退。40歳以下の世代には、そういう人はほとんどいないでしょう。

 李明博大統領(当時)を擁した保守の基本的な政策は「反北」です。しかし、反北政策は国民を訴求する力がなくなってしまった。このため、同大統領は任期が終りに近づきレイムダック化するにつれて、反日を強調せざるを得なくなりました。

 これに関連して興味深いのは、2003年に大統領に就任した盧武鉉時代に、民主化=民族主義=親北・反日=愛国という構図が出来上がったことです。

 文民政権にとって、軍事独裁政権と対立してきた自らの立場、すなわち「民主」は是とすべきものです。これまでにお話ししたような経緯で「親北」も是。そして「反日」は当然ながら是。ここから「民主化=親北・反日」は是という考えが出来上がります。そして、なぜか、その対局である「反民主(軍事独裁)=反北・親日」という等式も成立するようになりました。本来なら、国内で民主化を進めることと、親日であるか反日であるかは関係がありません。しかし、盧武鉉時代にこうした捉え方が韓国社会に広まったのです。

—李明博(イ・ミョンバク)政権が終わり、2013年に朴槿恵(パク・クネ)氏が大統領に就任しました。

呉:朴槿恵大統領は2012年の大統領選を、得票率52%対48%の接戦を制して当選しました。李明博大統領(当時)の末期と同様、政権に力がないので、必然的に「反日」を強調せざるを得ない面があったでしょう。

 しかし、私はそれとは別の本質的な部分で、彼女のことを評価していません。

 まず1952年生まれの彼女は、父である朴正熙(パク・チョンヒ)が推し進めた反日教育を受けて育ちました。そのくびきから逃れることはできません。彼女は事あるごとに「日本は正しい歴史認識に基づいて誠意ある行動を見せ周辺国の憂慮を払拭する」べきと語っています。

朴槿恵大統領が言う「正しい歴史認識」とは

 「正しい歴史認識」とは何でしょう。彼女が言う「正しい歴史認識」は、彼女もしくは韓国が正しいと考えている歴史認識です。彼女が信じる認識だけが正しい歴史認識で、日本はそれを受け入れるべきだと主張しているのです。

 韓国人は物事を二元論で考えます。善でないものは悪。是か非かしかありません。韓国人の中でも特に朴槿恵大統領はこの傾向を強く持っています。加えて、彼女は原則を守ることを重視しており、決して譲ることがありません。それが人生訓であり、彼女の誇りなのです。しかし、自分の考えだけが正しいという態度はいかがなものでしょう。

彼女が野党ハンナラ党の党首だった時、訪日したことがあります。小泉純一郎首相や麻生太郎氏と会談した後の記者会見で「竹島をどうする」との質問が出ました。これに対する回答は「独島(ドクト。竹島の韓国名)は韓国のもの。日本はそれを認めればよい」。

 朴槿恵大統領はこの時のことを振り返って、「韓国人記者から歓声と拍手が起こり、日本人記者たちは、虚をつかれたような笑いをした」と言っています。日本人記者たちはあきれて苦笑いをしたに違いないのですが、彼女はそうした反応を理解することができず、自伝にこう書いています。「戦わないで勝つことがまさに外交の力である……」。つまり、日本を言葉で懲らしめることができたと満足していたのです。

日本の統治時代、朝鮮の人口は倍増した

呉:韓国併合以降の日本の統治がどのようなものであったのか。日本は三・一独立運動以降、武力を伴う圧力で朝鮮を統治することはありませんでした。人口は増え、識字率も向上しました。日本軍の軍人として戦うべく志願する人も数多くいたのです。

 数字を挙げて説明しましょう。日本が1910年に韓国を併合した時の人口は1312万人でした。1944年の人口は2512万人に増大しました。この背景には経済の成長があります。農地改革により、米の収穫高は1910年の1000万石から1940年の2200万石に拡大しました。収奪、弾圧が相次ぐ統治だったら、人口がこんなに伸びるものでしょうか。

 1910年から1943年の間に識字率は6%から22%に向上しました。この間に国民学校は100校から5960校に増えています。学校で日本語を強制していたイメージがありますが、実際には朝鮮語(ハングル)も教えていました。日本史の授業だけでなく、朝鮮史の授業もあったのです。

 1945年には選挙法が改定され、朝鮮半島に住む朝鮮人も選挙権が行使できるようにしました。ただし、これは終戦のため実施されることなく終りましたが。

 さらに、1943年までは中国やアメリカとの戦争に朝鮮人が意に反して狩り出されることもありませんでした。日本人の男子が徴兵で戦争に投入される中、朝鮮では志願制度が取られました。通常なら植民地の住民から先に戦地に送るのではないでしょうか。

 1938年は2946人の応募に対して採用は406人。倍率は7倍です。1943年には30万3394人の応募に対して採用が6300人。倍率は48倍に拡大しました。給料が良かったことが応募が増えた原因の一つです。しかし、日本のために戦いたいと考える人も数多くいたのです。

 志願制は1944年に徴兵制に切り替えられました。これは日本人と朝鮮人を区別しない同化・一体化政策の表れです。異民族が異民族を支配する関係で強制する施策とは異なるものでした。

日韓関係を再び“正常化”できるか

—この4月に行われた安倍=習近平会談、そして安倍晋三首相の訪米を機に韓国の世論が変化してきました。韓国メディアにおいて「韓国が日本叩きをしている間に、韓国そのものが孤立してしまった」という論調が目立ちます。こうした変化は朴槿恵大統領の外交方針に変化をもたらすでしょうか。

呉:それはないと思います。「中国は強くあり続ける。中国を頼るべきだ」という朴槿恵大統領の姿勢は簡単には変わらないと思います。中国が主導するアジアインフラ投資銀行の動向についても「さすが中国だ。参加しないアメリカと日本だけが孤立する」と捉えているように見えます。

—最近、日韓両国の政府高官の交流が活発になってきました。6月21日には尹炳世、(ユン・ビョンセ)外相が来日し、岸田文雄外相と日韓首脳会談を行いました。韓国の外相が来日するのは約4年ぶりのことです。慰安婦問題についても話し合いが進んでいることを日本経済新聞が伝えています。これがまとまれば関係改善が進むでしょうか。慰安婦問題の話し合いの議題として次のことが挙がっています。

■日本側が取る措置

(1)財政支出による元慰安婦への支援

(2)安倍首相が謝罪や責任への言及を含む声明 …など

■韓国側が取る措置

(1)朴槿恵政権が慰安婦問題の最終解決を保証 …など

呉:日本側が取る措置として挙がっているものを、安倍首相が受け入れることはないでしょうし、日本国民も納得しないと思います。日本は、1965年に結んだ「日韓請求権並びに経済協力協定」で請求権問題は終了したと考えていますから。慰安婦を強制的に連行したことを裏付ける話に不備があったことを朝日新聞が報じた後でもありますし。

—韓国側が取る「最終解決」も、過去の例を振り返ると難しそうですね。

呉:全くそうです。盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領(当時)が、解決済みだった請求権問題を蒸し返しました。2005年の三・一独立運動記念式典の席で、「日本は過去を真相究明して謝罪、反省し、賠償することがあれば賠償し、和解すべきだ」と語ったのです。

 金大中(キム・デジュン)大統領(当時)も同様です。「韓国政府は今後、過去の歴史問題を持ち出さない」といったん約束しました。しかし、いまだに続いているわけです。

 日本は安易な妥協をするべきではありません。

—アメリカが日本との関係を改善するよう韓国に強い圧力をかけているようです。この効果の程はいかがでしょう。5月にはジョン・ケリー国務長官が訪韓し、尹炳世外相と会談しました。

呉:そうとう強い圧力が加えられていると思います。しかし、朴槿恵大統領が方針を変えることはないでしょう。もし変えれば、野党が強硬に攻めてくることは必至です。

 朴槿恵大統領は就任当初から日本に対して強い姿勢を示してきました。2013年の三・一独立運動記念式典では「加害者と被害者という歴史的立場は1000年の歴史が流れても変わることはない」と発言。同年6月には、韓国大統領として初めて、日本より先に中国を訪問しました。さらに9月にはドイツのアンゲラ・メルケル首相と会談し、「歴史の傷を癒やそうとせず、たびたび傷に触れるようでは解決は困難」と語りました。

 野党から厳しい追及を受けた場合、朴槿恵大統領の場合は逃げ道がありません。李明博大統領(当時)のように親日的な姿勢を取っていれば、反日に転換することで支持率向上させられる可能性も残されていましたが。

 ただし、この蒸し返しに関して、日本にも責任があると私は考えています。韓国の望みに応えて、謝罪したり、お金を払ったりするから、いけないのです。

関係が改善できるのは危機が前面に出る時

—こうしてお話を伺うと、歴史に刻まれた「反日の土壌」は厚く、正常化から50年が経ちはしたものの、容易に変わるものではなさそうですね。しかも、朴槿恵政権が別の政権に変わっても、この土壌は変わらない。

呉:そうですね。関係改善はそうとうに難しいでしょう。

 留学経験が長く、反日イデオロギーを払拭できた人が政権に就けば変わるかもしれません。韓国では、人々がリーダーの方針に従う文化があります。上の地位にある人の立場は非常に強く、皆が機嫌を取り、悪い印象を与えないように配慮します。朝鮮の李朝が中国に対して取った事大主義――中国に対して徹底した礼を尽くすことで国土の安泰を図る――を、個人のレベルでも実行しているわけです。なので、トップが反日をやめる方針を明確にすれば、それが広く浸透する可能性は考えられます。

 ただし、多くの韓国人は反日が“完成”してから海外に出るので、海外で暮らしたとしても反日イデオロギーを捨てることは難しいかもしれません。

 関係改善が進みうるのは、経済か安全保障の面で問題が生じた場合かもしれません。

—日韓関係が改善するのはうれしいことですが、北朝鮮による核の脅威にさらされるのは遠慮したい事態です。

6/23・24日経ビジネスオンライン 鈴置高史『MERSに立ち尽くす韓国 「韓国外交はなぜ異様か」を木村幹教授に聞く』記事について

記事が長いのでコメントは短くします。25日の日経朝刊で韓国人の強制徴用問題で「韓国の光州高裁は24日、三菱重工業に原告1人当たり1億~1億2千万ウォン(約1100万~1320万円)の支払いを命じた。」とありました。高裁は最高裁の判断に羈束されますのでこういう判決が出るのは仕方のないこと。つくづく韓国と言うのは近代国家ではないというのが分かります。韓国憲法ができて(1948年)から日韓基本条約(1965年)が結ばれました。植民地支配で賠償金を払った国は他にないし、元々植民地でなく統合でした。慰安婦と一緒で人権問題にすり替えるのは事後法と一緒。世界に韓国のおかしさを声を大にして言うべき。一方、こういう国には「非韓三原則」で無視すればよい。人の足を引っ張ることが生きがいの民族と付き合っても碌なことはない。ヤクザのしつこさと一緒。朱に交われば赤くなりますので付き合わないことです。調子が悪くなると擦り寄り、調子が良くなれば居丈高になる、 philistine です。

記事

「衰退する日本」に対し、上から目線で接するようになった韓国。だが、最近は何やら自信を失った様子だ。韓国人の揺れる心を、神戸大学大学院の木村幹教授が読み解く(司会は坂巻正伸・日経ビジネス副編集長)。

オバマとの約束をドタキャン

—韓国は中東呼吸器症候群(MERS=マーズ)で大騒ぎです。

鈴置:2014年4月に起きた旅客船「セウォル号」沈没以来の騒ぎになりました。朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は6月中旬からの訪米を直前になって中止。オバマ(Barack H. Obama)大統領との会談も無期延期しました。

 訪米中止に対して当初は「『MERS』ぐらいで取り止めるとは国の格を落とす」との批判も出ました。大統領がいなければ流行病1つ処理できない行政能力の低い国と思われる、との意見です。

 でも、今となっては誰もそんな批判はしません。むしろ、メディアには「大統領が先頭に立って『MERS』と戦う姿を見せ、国民を安心させろ」という声が満ち溢れています。

 発生初期に患者の管理に失敗したうえ、「MERS」拡散の源となった病院に閉鎖を命じなかった政府は、厳しい批判を浴びています。

 

 患者が発生し始めた5月27日ごろ、教育部が全国の学校に対し「(『MERS』の病原菌が潜みかねない)ラクダの生肉を食べないよう」指示しました。「MONEY TODAY」というネットメディアが6月2日に配信した記事(韓国語)で報じました。

 政府のこのピンボケぶりは格好の攻撃材料となりました。もちろん韓国人にはラクダの肉を食べる習慣はありません。そもそも韓国でラクダの肉は売っていません。

 新聞各紙は連日「MERS」を社説で取り上げ「無能で無責任な公務員」と「リーダーシップを発揮しない朴槿恵政権」をなじっています。

 国民が政府に不信感を抱くのも無理はありません。政府は毎日「今日が峠」と発表、事態は改善すると示唆します。でも、感染者と死亡者は日増しに増えているのです。

任期半ばでレームダック

木村:朴槿恵大統領の指導力はますます低下するでしょう。今年1月の青瓦台(大統領府)の人事交代で、大統領に直言できる人は皆無になっていますしね。

 今後、与党が朴槿恵政権を「沈む舟」と見なせば、野党と一緒になって――野党以上に政権を叩くと思います。総選挙は来年です。国会議員は政権と一心同体と見なされて落選したくはないのです。

 そうなれば朴槿恵政権は任期を半分残して完全なレームダックと化します。韓国の歴代政権がしばしば末期になって経験することですけれど。

 経済的にも「セウォル号」事件よりも打撃が大きくなる可能性があります。「MERS」で外国からの観光客が減っています。金浦空港も観光地もガラガラ。外国人の姿が消えた、と話題になっています。もちろん「セウォル号」ではそんなことはありませんでした。

 とは言え、経済規模が大きくなった韓国ですから、海外からの観光客が多少減ったくらいでは影響は限定的です。

 より重要なのは内需へのダメージです。「セウォル号」でも亡くなった若者に哀悼の意を表すため、外食や行楽客がグンと減りました。経済界はその再発を恐れています。

 「MERS」でも恐怖感から外出を避ける人が増えました。さらに「MERS」は、韓国人が抱く将来に対する漠然とした不透明感を加速しました。ただでさえ冷え込んでいた消費を、より冷やすのは確実です。

「セウォル号」以上の衝撃

鈴置:中央日報は「MERS恐怖、セウォル号の悲しみより2倍強かった」(6月16日、日本語版)との見出しの記事を載せました。

 ツイッターとブログに書き込まれたコメントを、ビッグデータ解析で分析した結果だそうです。記事に引用された、高麗大のヒョン・テクス教授(社会学)のコメントは以下です。

  • セウォル号は他人の悲劇について悲しむ事件だった。一方、MERSは本人や家族に直接的な被害をもたらす恐れがあるため、はるかに多くの反応が表れた。

木村:政府に対する不信感は「セウォル号」の時と同様に、いやそれ以上に高まりました。船舶事故は船に乗らなければ犠牲者になりませんが、伝染病はどこにいても危険にさらされるからです。

 でも注目すべきは、今回は韓国人の嘆きの対象が、政府に留まらず「韓国そのもの」に向かったことです。MERSらしき自覚症状があっても、隔離されたくないと人々は病院に行かない。当然、感染者は増え続けます。

鈴置:自宅での隔離を命じられたのに出歩いた人々。検査中に病院の隔離室の鍵を壊して脱走、あとで感染が判明した人。感染の可能性が濃いのに診療した医者や教壇に立った先生――。こんな例が連日報じられています。

噂を流したら罰する

木村:MERSの発生源となった有名病院の名を当初、政府は隠しました。人々がパニックに陥ることを恐れたからです。さらに「MERSに関し、変な噂を流したら罰するぞ」と国民に警告を発しました。

 でも逆に、隠したためにパニックが広がってしまった。政府と国民の間に信頼感がないことから起きた悪循環です。

 政府の対応がまずかったのは事実です。しかし韓国人は「では、自分たちは成熟した国民と言えるのか」「我が国は先進国なのか」と考え込んだのです。

鈴置:中央日報の李夏慶(イ・ハギョン)論説主幹が6月17日に載せた「誰がMERSに石を投げるのか」(韓国語)は、まさにその空気を映した論説です。

 「韓国は限界に達している。MERSを奇貨として国のあり方を根本から変えよう」との主張です。ポイントは以下です。

  • この国ではどんな覚醒も、構造改革も不可能だと多くの人が慨嘆してきた。通貨危機ぐらいの衝撃がなければ変わることもできないとも言う。
  • MERSの衝撃は、機能不全に陥った大韓民国のシステムを全面的に変えろと命じている。今や政府も、企業も、労組も変わらねば生き残れないのだ。

 韓国の論説記事は悲憤慷慨調で書かれるのが普通で、割り引いて読む必要があります。でも「我が国は機能不全に陥っている」との危機感は多くの韓国人に共感されています。

 そして、韓国社会を劇的に変えた1997年の通貨危機のような「国難」に直面せねば韓国人の目は醒めない、との慨嘆も決して大げさな主張とは受け止められてはいません。

”謙虚な韓国人”が増える

木村:「韓国はダメかもしれない」との弱気が、昨年あたりから韓国社会にかいま見られるようになっていました。「日本などはすぐに追い越す」と自信満々だった韓国人が様変わりしたのです。「セウォル号」と同様に「MERS」も、その弱気を社会に拡散しました。

鈴置:2015年5月末に日本経済新聞と中央日報が共同で実施した意識調査でも、興味深い結果が出ています(日経6月1日朝刊6面参照)。

 「韓国企業の競争力は日本に追いついたか」との質問に韓国人の25%が「まだ、格差は大きい」と答えています。2010年の調査では12%でした。”謙虚な韓国人”が増えたのです。

 一方、「追い越した」との答えは2010年の9%から2015年の5%に、「追いついた」も21%から17%に減っています。「韓国人の自信」が揺れているのがよく分かります。

—自信喪失の原因は?

鈴置:以下は1つの例です。今年に入って輸出が毎月減少し続け、5月には前年同月比で10.9%も減りました。輸入はそれ以上のペースで減っていますから、貿易収支は黒字を確保しています。が、問題の本質は経済規模が縮小していることなのです。

 円安や中国の景気減速といった短期的な要因もありますが、産業競争力の伸び悩みが大きい。中国以上の高付加価値製品を作っていれば、輸出の30%を占める対中輸出はそれなりの水準を維持できるはずだからです。

 少子高齢化も影を落とし始めました。内需の規模も労働力も縮み始めているのです。それは今後、日本以上の速度で進むと見込まれます。

先進国になれば事故はなくなる

木村:少子高齢化を含め、これまで対処したことのない危機に直面していることが、韓国人を不安にさせているのだと思います。

 産業面での中国での追い上げもそうです。「追い上げられる」のは韓国人にとって、初めての経験でしょう。

 追い上げの過程では「日本の背中」を手がかりに自分の位置を確認できた。でも、後ろには目がありません。今度はいつ中国に追い抜かされるのか、よく分からないのです。先が読めない不安なのです。

 「MERS」や「セウォル号」も同じことです。昔から、韓国で大型事故はしょっちゅうありました。でも韓国人は「先進国になれば、こういう事故はなくなる」と考えていた。

 ところが1人当たりGDPなど、データ的には先進国になったのに「後進国型事故」はなくならない。そしてこうした事故をなくすにはどうしたらいいのか、処方箋が見当たらないのです。

—なぜ、見当たらないのでしょうか。

鈴置:産業的な追い上げは比較的簡単です。先進国の技術を買うなり盗むなりすればいい。形があるものは真似しやすい。

 でも、事故防止の要は「1人1人が決められたルールをきちんと守る」という、人間の心構えであって、形がないのです。

 だから問題の所在は分かっても、簡単に処方箋が書けない。メディアは、MERSに罹っているかもしれないから自宅に籠れと言われたのに気楽に外出する人々を報じつつ、韓国人の社会性のなさを嘆きます。でも、韓国人をすぐさま変えられるわけではないのです。

昔なら、しょっぴいた

木村:昔だったら――権威主義的な政権の時代だったら、そんな人はすぐにしょっぴいたでしょうね。でも今は、できない。

 現在でも法律的にはやってやれないことはないのかもしれませんが、韓国は国民から少しでも批判を浴びそうな決断は下せない国になったのです。

鈴置:韓国人から聞いたことがあります。1960年代、赤信号を無視して警察に見つかると、綱を張った空き地に半日間ほど、立たされそうです。現在の大統領のお父さん、朴正煕(パク・チョンヒ)政権時代の話です。

 教えてくれたシニアの韓国人は「独裁政権はそうやって、無秩序な韓国人にルールを叩き込もうとしたのです」と、どこか懐かしげに語ったものです。1987年の民主化直後の話です。

木村:かつての韓国はジェットコースターのような国でした。悪くなる時は急角度で落ちる。1997年の通貨危機が典型的なケースです。でも、良くなる時は一気に上昇する。危機後の韓国です。

 今は、恐ろしく悪くなるわけではないけれど、かといって画期的に良くなるわけでもない。国が大きくなったので「MERS」によって外国からの観光客が減っても、沈没しはしません。

 でも、仮に「MERS」が片づいても明るい材料はない。追い上げてくる中国に打つ手がなく、動きがとれない――という恐怖が広がっているのです。

アップ・ダウンするジェットコースターの軌道が突然、平らになった。激しい上下動はなくなった代わりに、高空で前にも後ろにも進めなくなってしまった――といったところですね。

「ラクダ」と自己防衛

—「皆で前に押そう」と誰かが言い出さないのでしょうか。

木村:そんな掛け声をかけるリーダーは今の韓国にはいません。仮に、そういうリーダーが出てきても、その声を信じて付いていく人は少ないでしょう。韓国の政治家、さらにはエリートに対する不信感が広まっているからです。

 だとすると、お客さんたる個々の韓国人は自分で問題を解決するしかない。最も簡単な方法は「止まった車両から降りる」ことです。

鈴置:ワセリンを鼻の穴に塗ればMERSを予防できる、といった怪しい情報がネットで広がりました。「政府の出す情報は信用できない」という意識の裏返しです。

—「MERSの感染源の病院名を広めると処罰するぞ」と脅されたり、「ラクダを生食するな」と政府に言われたら、個人は自衛に乗り出すでしょうね。

鈴置:少し前までの韓国なら、問題が発生すれば国が全力をあげて解決しました。少なくともそうした姿勢を見せました。でも今は、問題を前にして手をこまねくというか、立ち尽くしてしまう感じです。

 2018年の平昌の冬季五輪も準備が進まず、日本との共催論や開催返上論まで出ました。「朴槿恵政権が担当するのは開会式まで。閉会式は次の政権下だから、現政権はやる気が起きないのだ」と解説してくれる韓国人が多い。昔の韓国なら、そんな「非国民的な発想」は許されなかったでしょう。

日本叩きに失敗して悔しい

木村:2014年の仁川のアジア大会も運営にいろいろ問題がありました。これに対しマスメディアは批判しましたが、改善に向け政府が仁川市など運営組織を積極的に指導する、ということにはなりませんでした。

 「それなりの国」になったので、政府も国民も昔のように汗をかこうとは思わない。まして自らを手術する勇気など湧きません。そんな中、将来に対する漠然たる不安感が増しているのです。

—「ゆでがえる」の心境ですね。

木村:この、韓国人の何とはなしの不安感と言いますか「頭打ち感」。実は外交にも通じるのです。

鈴置:韓国で「外交敗北論」がにわかに高まっています(「朴槿恵外交に噴出する『無能』批判」参照)。

 米国と中国を後ろ盾にして日本を叩く――というのが朴槿恵外交の基本路線でした。でも、米国は韓国以上に日本を大事にする。一緒になって日本を叩いてくれるはずの中国も、日本との関係改善に動く。

 日本を孤立させたつもりが、自分が孤立しているじゃないか――と韓国人は焦り始めたのです。

ユネスコはけしからん

木村:もちろん「孤立する焦り」の背景には歴史認識問題で韓国の要求を聞いてくれないどころか、あたかも自分たちの存在を無視するかのような日本政府や安倍晋三首相に対する怒りも存在します。でも、それ以上に、韓国の世界での立ち位置への不安が大きいのです。

 韓国はG20のメンバー国となり、2010年にはアジアの国として初めて首脳会合を主催しました。韓国人は、堂々たる先進国となったと国を挙げて喜びました。わずか5年前の話です。

 でもふと気づくと、自分たちが考えているほどには、世界の国々が韓国の意見に耳を傾けてくれるようには思えない。その不満を具体的に並べると、次のように整理できるかもしれません。

  • 米議会での安倍演説に我が国があれほど反対したというのに、米国は許したうえ、盛大な拍手で歓迎した。米国が日本の方を重視しているのは明らかだ。
  • 頼りにしていた中国も、いつの間にか平気で日本と首脳会談を行うようになった。ひょっとすると中国もまた、本音では我が国より日本を重視しているのかもしれない。
  • ユネスコは日本の産業遺産を世界遺産に登録しかけている。遺産の施設の一部では朝鮮人労働者も強制労働させられていた、と我々は主張したのだが、それが真剣に受け止められたようには思えない。
  • ユネスコの上部組織、国連の事務総長は我が韓国から出ている。なのに、よりによって「歴史」を扱う国連機関が日本の肩を持つとは理不尽極まる。
  • 「MERS」で首脳会談をドタキャンしても米国からはほとんど反応がなかった。我が国の大統領がわざわざ訪米してオバマ大統領に会うのだから「慰安婦」をはじめとする歴史認識問題で、少しはリップサービスしてくれるつもりかもしれない、と期待していたのに。この問題に米国はあまり関心がないようだ。
  • あるいは逆に、韓米間で懸案になっている終末高高度防衛ミサイル(THAAD=サード)配備問題で、オバマ大統領が韓国に怒りをぶつけるかもしれない、と考えていたのに、この問題に拘っている様子でもない。我が国がこれほど悩んだ問題を、米国は真面目に考えていない。

無視されるのが一番嫌だ

 結局、キャンセルされた米韓首脳会談は、韓国側が「会う機会をくれ」と言ってきたから米国が受けただけ、という不都合な真実を明らかにしてしまった。つまり、今の韓国を巡る状況に米国が「さほど大きな関心を持っていない」ことが分かってしまったのです。

 オバマ大統領は、9月に会う習近平主席と力勝負せねばなりません。そのためにも4月に安倍晋三首相と会って対中政策――露骨に言えば中国包囲網をきっちりと作っておく必要があった。でも韓国は中国包囲網に加わろうとはしないし、そこで重要な存在としてカウントされてもいない。

鈴置:それどころか、韓国は中国側に寝返りかねない。

木村:少なくとも「中国との対抗」に関しては、米国が韓国に期待するものは多くない。米国とすれば、朴槿恵大統領が来たくなければ来なくてもいいのです。だからキャンセルにも冷淡に対処することになった。

鈴置:韓国人は無視されると極端に落ち込みます。「嫌われる方がまだいい」などとよく言います。

東大新入生のイライラ

木村:東大の新入生に似ています。地元では秀才ともてはやされ、意気揚々と駒場のキャンパスにやってきた。東大でも自分の存在を見せつけるべく、意気揚々と意見を披露する。

 でも、周囲も皆、東大生。「そんなこと、誰でも知っているよ」と一蹴され、自分の存在の小ささに愕然とする――そんな感じです。

 「ようやく先進国になった」と思ったのに、国際社会で期待したほどに存在感を高めることができない……。韓国のイライラはこんなところにあると思います。

—なるほど、それで日本の世界遺産登録に対しても、国を挙げて阻止に動いたのですね。

鈴置:大統領自らが反対を表明したうえ、阻止するためわざわざ外相をドイツやクロアチアに送った。異様です。

木村:他の国から見れば「異様」に見えるかもしれませんが、韓国とすれば自らのプライドがかかった大勝負なのです。同時に、国内的には「大統領の面子を潰した」と叱られないか、側近たちが恐れる――という図式でもあります。

世界から向けられる「白い目」

—「先進国としての存在感」が発揮できないと悩んでいたところに「MERS」というわけですね。

木村:その通りです。韓国は海外から「この国、大丈夫?」という目で見られることになりました。ロシアなどに加え、MERSの本家本元である中東諸国も、自国民に韓国への渡航自粛勧告を出しました。韓国の人々にとって、極めて不本意な状況です。

鈴置:はっきり言えば非常識な韓国人と、いい加減な対処で感染症を輸出し始めた韓国政府に、世界から白い目が向けられたのです。

 香港へは、感染の疑いのある韓国人が虚偽の説明をして入国しました。その後この人の感染が確認されたこともあって、香港紙はこの韓国人に法的処罰を下すべきだと主張しました。

 自宅隔離対象に指定された韓国人の、それも医師夫妻がフィリピンに入国しました。また、感染者が搭乗した旅客機を韓国の航空会社は消毒せずに名古屋など海外に飛ばしていました。

 

 韓国メディアは国際的な批判を浴びると「外国が悪い」「我々はかわいそうな被害者だ」と言い張るのが普通です。でも今回はさすがに「政府と個人のいい加減さによって、自ら国威を落とした」と書くしかありませんでした。

小国の自信のなさ

木村:韓国人の「ナショナル・プライド」は大きく傷つきました。「セウォル号」でも「韓国は大丈夫か」との声が上がりました。でもそれは主に韓国内部からでした。しかし、今度は同じ声が海外からも上がってくる。厳しい状況です。

 韓国人は基本的には自分たちの国を「小国」と考えています。米国や中国のような「大国」と自らの存在を分けて考える傾向があります。

 その背後には、長らく困難な状況に置かれてきたことに由来する、国際社会での自らの立ち位置への自信の欠如があります。そんな韓国人に「MERS」騒動が与える影響は決して小さくないでしょう。内政、外交の変化を注視したいと思います。

日韓は熟年離婚だ

—木村先生は「日韓・熟年離婚論」を唱えておられます。

木村:今の日本と韓国は、子育てを終えてお互いが必要なくなった夫婦と似ています。

 50年前の1965年6月22日、両国は国交を正常化しました。米国の肝いりです。当時は冷戦のまっただ中でした。

 西側陣営を率いる米国は、経済的に脆弱だった韓国をテコ入れする必要があり、その役割を日本に担わせました。韓国は北朝鮮と対抗していましたが、その北朝鮮はソ連や中国を確固たる後ろ盾にしていました。

 それに対し韓国は未だ日本とも国交さえ結んでおらず、頼みの米国もベトナム戦争の激化に伴い、そちらにかかりっきりでした。

 

 一方、日本の一部にも、もし韓国が北朝鮮に圧倒されれば朝鮮半島南部までがソ連の勢力圏に入るかもしれない――との恐怖感がありました。当時は「釜山赤旗論」などと言ったそうです。

 当時においても、日韓の国民感情はとうてい良好とはいい難かったのですが、ともあれ共産圏に対抗するという共通の目的から国交正常化に踏み切りました。

 それから1980年代序盤頃までの日韓関係はおおむね円滑に推移します。しかし冷戦が終わると、両国の関係を支えていた最大の共通利益が失われることになりました。1990年代以降、日韓の間で歴史認識問題が噴出したのもそれが背景にあったのです。

 こうした日韓関係のあり方は、子供も成長して家を出、一緒に協力しながら住む意味が薄れたため夫の定年を期に退職金を折半して別れる夫婦の姿と二重映しになるのです。

1人当たりGDPで日本を超える

鈴置:韓国は日本の経済的な手助けなどは要らなくなりました。現代経済研究院は「2016年には韓国の1人当たりGDP(購買力平価基準)が日本を追い越す」と2014年12月に予測しています。

木村:韓国の全貿易に占める日本の比率も、2015年1-5月には7.6%に低下しました。国交正常化の年である1965年に34.5%と全体の3分の1を占めていたのと比べ、対照的です。日本向け輸出は国別で5位に後退しました。全くの様変わりと言ってよい状態です。

鈴置:聯合ニュースが「韓国の対日貿易依存度 半世紀で5分の1に低下」(6月18日、日本語版)という記事で報じていましたね。

 韓国の対日貿易の比率のピークは1973年の39.8%。1980年代から1990年代にかけては20%台を維持していましたが、21世紀に入った頃から10%台に。2011年以降は一桁に落ちていました。実際の貿易額も同年以降、減っています。

木村:韓国経済は貿易に頼る比重が極めて高い。貿易面で日本の比重が下がれば、外交面でも日本の影が薄くなるのは当然です。

「卑日」で”立派な韓国”を確認

—貿易と外交の関係に関しては、3年前から木村先生が指摘されていました(「日韓関係はこれからどんどん悪くなる」参照)。

木村:今や、韓国にとって最大の貿易相手国は中国です。香港を含めれば30%前後にのぼります。

鈴置:政治的にも韓国は中国にどんどん取り込まれています。そんな韓国は日本にとって「大陸に対する盾」ではなくなっています。それどころか「中国の使い走り」も始めましたから、日本が韓国に警戒を強めるのは自然です。

 一方、韓国も「もう日本には頭を下げたくないし、下げなくていいほどの力を付けた」と思っていますから、それを確認するための「卑日行動」を繰り返します(「『目下の日本』からドルは借りない」参照)。

 朴槿恵(パク・クンヘ)大統領に限りません。李明博(イ・ミョンバク)前大統領の竹島上陸とか、天皇への謝罪要求がそれです。

MERSと通貨スワップ

—韓国にとって日本は本当に不要なのでしょうか。例えば、通貨危機に陥りそうになった際にドルを借りる通貨スワップを、日本と結んでおく必要はないのですか。

鈴置:通貨危機に陥りやすいことは、依然として韓国の弱点です。興味深いのは、中東呼吸器症候群(MERS=マーズ)が「日本の必要性」を増したことです。

 この流行で韓国では景気の冷え込みが懸念されました。そこで想定外の金利引き下げを実施せざるを得なくなったのです。韓国銀行は6月11日に基準金利を1.75%から1.50%と、史上最低水準に引き下げました。

 韓銀は「景気刺激は財政で」と唱えていました。利下げは極力避けたかったからです。米国の利上げが近く予想され、利下げするほどに米ドルとの金利差から、外貨流出の懸念が高まるのです。

 しかし、MERSという緊急事態に直面したため、引き下げざるを得ませんでした。すると、通貨攻撃を防ぐための日本との通貨スワップが欲しくなるわけです。「風が吹けば桶屋がもうかる」みたいな話ですが。

軟化する?韓国

—韓国には中国とのスワップがあります。

鈴置:中国と結んでいるスワップは人民元建てです(「韓国の通貨スワップ」表を参照)。いざという時に人民元スワップの効き目があるのか、疑う向きが多いのです。中国は人民元経済圏を作るため、自国通貨のスワップしか応じません。ドルスワップを結んでくれるのは、外貨準備が豊富なうえ、お人好しの日本ぐらいなのです。

韓国の通貨スワップ(2015年6月23日現在)

相手国 規模 締結・延長日 満期日
中国 3600億元/64兆ウォン(約560億ドル) 2014年 2017年
10月11日 10月10日
UAE 200億ディルハム/5.8兆ウォン(約54億ドル) 2013年 2016年
10月13日 10月12日
マレーシア 150億リンギット/5兆ウォン(約47億ドル) 2013年 2016年
10月20日 10月19日
豪州 50億豪ドル/5兆ウォン(約45億ドル) 2014年 2017年
2月23日 2月22日
インドネシア 115兆ルピア/10.7兆ウォン(約100億ドル) 2014年 2017年
3月6日 3月5日
CMI<注> 384億ドル 2014年  
7月17日
<注>CMI(チェンマイ・イニシアティブ)はIMF融資とリンクしない場合は30%まで。
資料:ソウル新聞「韓国の経済体力は十分」(2015年2月17日)

—外相を日本に送って来るなど、韓国の姿勢がやや軟化したかに見えます。日本とのスワップを念頭に置いているのでしょうか。

木村:尹炳世(ユン・ビョンセ)外相の訪日は、朴槿恵大統領の熟慮の末の決断でしょう。一方、先ほどの鈴置さんの説明は「プロ筋」の話です。そんな複雑な、ことに面白くない話が大統領まで正確に上がっているかは疑問です。

 スワップを巡るテクニカルな議論と、対日姿勢の微妙な変化は、管見の限りでは、連動していないように思います。そもそも朴槿恵大統領は、現在の韓国経済の危さを認識していないのではないでしょうか。

誠実ゲームで巻き返す

—では、軟化は何が原因なのでしょうか。

木村:米国の目を意識した「誠実ゲーム」の色彩が濃いと思います。とはいえ、それは米国が韓国に強い圧力をかけているから、では必ずしもありません。重要なのは、安倍晋三首相の米議会演説頃から、韓国国内で日本に対する「外交敗北」が語られていることです。

 ポイントは、慰安婦など歴史問題で米国をはじめとする国際社会が、韓国の政府や世論が期待したほどには意見を支持してくれなかったことです。つまり、そのことが韓国の政府や世論に焦りを生み出している、ということになります。

 この「外交敗北」の原因の1つは、あまりにかたくな朴槿恵大統領の姿勢にあった、との理解も広がっています。つまり、執拗な歴史問題のアピールによって、逆に米国の専門家の間でも「韓国疲れ」をもたらした、との認識です。

鈴置:最近の韓国紙にはそんな指摘が増えました。2014年3月のハーグでの日米韓首脳会談に、今ごろ言及する記事もあります。「安倍晋三首相が韓国語で話しかけたのに、朴槿恵大統領はそっぽを向いた。これがオバマ(Barack H. Obama)大統領の逆鱗に触れた」との指摘です。

 より詳しく言えば、正直に感情を表す韓国人を利用して、狡猾な日本は自分だけが誠実に関係改善に取り組んでいることを演出した――という敗因分析です。

木村:その理屈に立てば今度は、韓国が日本以上に「誠実」に関係改善に動いていることを見せなければならない、ということになります。外相を日本に送ったのも、そのアピールの1つだと言ってよいでしょう。

 もし、ここで日本が何の譲歩もしなければ、悪いのは問題解決に取り組まない日本だ。だから米国は韓国を支持すべきだ――という主張を展開できるからです。

「慰安婦で相当の進展」

鈴置:韓国の本音が透けて見える記事があります。例えば、中央日報の「尹炳世外交長官が訪日へ、先に手を差し出した韓国……日本に和解圧力」(日本語、6月18日)です。以下はその1節です。

・専門家は今回の決定を通じて関係改善のボールを日本に渡し、日本の前向きな回答に圧力を加える構図を作ることができると述べた。

 朴槿恵大統領もワシントンポスト紙(WP)のインタビューで、日本との関係改善に言及しました。「’Eventually we will face a situation that will be beyond our control.’」(6月11日、英語)で、以下のように語りました。

・慰安婦問題で相当の進展があった。我々(日韓)は交渉で最終段階にある。

—「最終段階にある」との発言の意味は?

鈴置:韓国の大統領が米有力紙にそう言っておけば「進展がなかった」時も、日本がかたくなだったと責任を押しつけられる――と青瓦台(大統領府)は計算しているのかもしれません。

木村:その可能性が全くないわけではないと思います。ただ、現在の青瓦台にそれだけの緻密な政治的計算ができるかどうか……。

また、蒸し返す韓国

—「相当の進展があった」のですか?

木村:それは今の段階では分かりません。日本政府が求めているのは「最終的な決着の保証」、つまり両国が何らかの合意に達した場合、それを最終的な決着にすると韓国政府が保証することです。でも、国内に強力な運動団体を抱える韓国政府がのむのは難しいでしょう。

米韓は仮面夫婦

木村先生の「日韓・熟年離婚論」の一方で、鈴置さんは「米韓・仮面夫婦論」を唱えてきたわけです。

鈴置:「仮面夫婦」という表現は私の専売特許ではありません。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代(2003―2008年)に米国の安全保障専門家の間では「米韓同盟はまだ存在するが、仮面夫婦のようなものだ」と語られていました。

 盧武鉉大統領は北朝鮮にとても融和的で――韓国の保守に言わせれば「北への従属そのもの」で、米国との関係も悪化しました。米韓同盟の打ち切りもあり得ると見る専門家も少なくなかったのです。

 朴槿恵政権は北朝鮮ではなく中国に急接近したのですが、結果は同じで、米国と距離ができています。例えば、北朝鮮の脅威を防ぐために存在する在韓米軍基地を守るための終末高高度防衛ミサイル(THAAD=サード)。この配備に韓国は難色を示しています。中国の恫喝のためです。

南シナ海が新たな踏み絵に

木村:韓国は、もはや米中間ではほぼ中立状態にあると言ってよいでしょう。もちろん米韓同盟を破棄する、ということではありません。韓国は米韓同盟を「対北朝鮮限定同盟」とし、維持していきたいのだと思います。

 THAADのように米中双方から突きつけられる踏み絵をどうさばくか、韓国は今後も苦労し続けるでしょう。でも「米中間では等距離」という外交路線を選んだ以上、ある程度は仕方がないことです。韓国人にも一定の覚悟はあると思います。

鈴置:米中対立が深まるほどに、踏み絵は増えていきます。THAAD以上に深刻な踏み絵が南シナ海の問題です。中国はここで暗礁を埋め立て、軍事基地を作っています。米国は日本や欧州の同盟国、東南アジアの関係国を集め非難しています。しかし韓国は対中批判に一切、参加しない。

 WP紙から韓国の姿勢を問われた朴槿恵大統領は「関心を持っている」とだけ答え、米国側に立つ意思がないことを明らかにしました。

 同紙の先ほどの記事「’Eventually we will face a situation that will be beyond our control.’」(6月11日、英語)での南シナ海に関する問答は以下です。

問:南シナ海での中国の動きをどう見るか? 中国はその権利を声高に主張するが。

答:中国は韓国の最大の貿易相手国だ。そして朝鮮半島の平和と安定に巨大な役割を果たす。南シナ海に関し、韓国にとっても航行の安全と自由はとても大事だ。我が国はこの海域の展開を、関心を持って見守っている。状況の悪化を望まない。

鈴置:日本政府は韓国政府がのめないことを見越して「最終決着の保証」を要求しているのではないかと思います。韓国政府が何かを保証しても、反日・卑日が必要になれば、またへ理屈をこねて蒸し返す可能性が高い。その時、脇の甘さを笑われるのは日本ですから、交渉テクニック的にもハードルを目いっぱい上げる必要があります。

木村:ともあれ、韓国が癒和的な姿勢を見せる背景には、国際社会を意識した「誠実ゲーム」で巻き返す意図が、ある程度あると思います。基本的には「熟年離婚」状態なのですから「万一、裁判になった時にも、自らの意見が第三者に認められる」備えも重要だからです。

韓国は中国の核の傘に?

 中国が南シナ海に軍事基地を持つことの問題は、航行の自由を侵すだけではありません。中国はこの海をミサイル原潜のねぐらにするつもりです。南シナ海の北部に位置する海南島にはすでに原潜基地ができています。

 中国がミサイル原潜を自由に運用できるようになると――つまり、中国が核報復能力を保有すると、核抑止論から言えば米国と対等になります。その自信を背景に、中国はますます高圧的になるでしょう。

 軍事的にも今後、米国と日本は中国のミサイル原潜の恒常的な監視が不可欠となります。冷戦期に世界中の海でソ連のミサイル原潜を常に米国の攻撃型原潜が追尾していたように、オホーツク海で日本の対潜哨戒機がソ連の原潜を見張っていたように、です。

 だから米国や日本が大声で、日米の対潜哨戒を妨害する中国の南シナ海の軍事基地建設を非難するのです。なのに韓国は、非難に加わろうとしない。

 朴槿恵大統領は「中国との経済関係」と「半島の安定役」との理由をWP紙のインタビューで掲げました。でも、中国の核戦力の飛躍的な強化の前に「中韓関係が大事」では反対の理由になりません。米国や日本は「韓国が中国の核戦力拡大に反対しないのは、中国の傘の下に入るつもりだからではないか」と疑います。

 6月3日、米国のラッセル国務次官補が対中非難に加わるよう韓国に求めました。韓国メディアも報じています。KBSの「南シナ海を巡る紛争 米国が韓国に立場表明を要求」(6月4日、日本語版)などです。

「そんな先は分からない!」

—韓国は中国陣営に行くつもりでしょうか。

木村:本音を言えば、この問題について韓国人はあまり「考えたくない」のだと思います。多くの韓国人は米国のパワーゲームの中で自分の国が果たせる役割はさほどない、と思っている。だから、あれこれ悩んでもしょうがない。最終的には米中両国が自分たちのことを決めるのだから、その結論を待てばよい――ということになります。

 昨年8月、済州島で開いたシンポジウムで私は以下のように発言しました。「中国の経済成長の速度は鈍化している。加えて人口減少問題もある。国連統計によれば、中国の人口は2100年までの間に4億5000万人も減少する。中国が影響力を拡大し続けるとは限らない。韓国も、この中国リスクを踏まえて立ち位置を決めるべきだ」。

 すると韓国政治学会の長老が叫んだのです。「そんな先のことは分からない!」。驚きました。未来を予測する統計の中で、人口統計は相当に確度の高いものです。敢えてそれを否定する、というのは研究者としてちょっと考えられない。

慰安婦は麻酔剤

鈴置:私も似たような経験をしました。21世紀に入って中国の台頭が明白になった頃、アジア各国の人々とどう対応するか議論しました。韓国人の答えが印象的でした。ほぼ全員が「考えてもしょうがない」。私はその時、ハタと気づいたのです。

 「日本人は努力すれば外交的な環境を変えられる、と考えている。だが、韓国人はそうは思わない。だから先のことを考えて余計な気苦労をするのはやめ、与えられる状況の変化をとにかく受け入れていこう、と思うものなのだな――」。

 韓国が慰安婦など歴史問題を掲げて世界中を走り回るのも、そうして忙しくしていれば、米中対立の中でどう生き抜くのかという本質的な問題から目をそらせられるからかなあ、と思う時もあります。

木村:中国大陸の王朝が変わっても、朝鮮半島の人々は民族としてのまとまりを維持してきました。もちろん日本人が想像できないほどの、つらい目にも遭いました。でも、大陸で多くの国や民族が消滅する中、状況の変化に適応し、とにかく生き残ったのです。

 今の米中間の右往左往など歴史的に見れば、彼らにとって大問題ではないのでしょう。どうせ米韓同盟だって、未来永劫に続くものではないのですから。

鈴置:思考停止状態にある以上、韓国は国家としての大方針など持ちようがありません。そこで中国に脅されれば言うことを聞く、米国から少し冷たくされれば怒って米大使襲撃事件を起こす――といった、その場しのぎの行動に終始するのです。

 日本との関係改善を望むかのような最近の姿勢も「右往左往」の一環に過ぎません。冷静に眺めることが肝要かと思います。