『インテリジェンス専門家の元陸将が見るイラン停戦交渉決裂の表と裏  停戦の命運握るイスラエル、ヒズボラを人質にした逆棍棒外交の実像』(4/14JBプレス 福山隆)について

4/13The Gateway Pundit<Trump’s DOJ Is Still Fighting Us — And It’s Time to Call It What It Is=トランプ政権下の司法省は依然として我々と戦っている――そして今こそそれをありのままに呼ぶべき時だ>
司法省は、人を替えないで仕事をしているから、オバマ・バイデン時代の悪弊が直らない。そこにメスを入れないと。
エンリケ・タリオとザカリー・レールによるゲスト投稿
政府はザカリーの再審請求(規則33に基づく)に対する回答を提出した。彼らはジェレミー・ベルティーノが撤回した内容について、一つも否定しなかった。
彼らは宣誓供述書や弁護士主導の2回のビデオ証言に異議を唱えなかった。つまり、彼らは主要証人が寝返り、宣誓の下で嘘をついたことを認めたのだ。
それどころか、彼らはメリック・ガーランド氏とジョー・バイデン氏の意見に賛同するために必死に戦っている。
これはトランプ大統領のために働いているはずの司法省だ。ベルティーノに嘘をついたことを認めさせたのは我々だ。

エンリケ・タリオ (クレジット: ウィキメディア・コモンズ)
エンリケは2回の証言録取と生放送のポッドキャストで、ベルティーノに宣誓供述をさせた。政府がプラウド・ボーイズに対して起こした扇動陰謀事件の全ては、ベルティーノの証言にかかっていた。
彼は彼らの最重要証人だった。彼がいなければ、物語は崩壊してしまう。
そして今、彼は連邦捜査官、特に現在もFBIに勤務しているFBI特別捜査官ニコール・ミラーに脅迫され、25年の刑をちらつかされ、トランプと、彼らがでっち上げのために必要としていた「計画された陰謀」にすべてを結びつけるために嘘をつくよう強要されたと公言している。
ベルティーノは、ミラーが自分たちの望む証言を得るために嘘をついたと述べている。
政府はこのことを承知している。そして、それを否定もしていない。
しかし彼らは今もなお、法廷で必死に闘い、メリック・ガーランドとジョー・バイデンが取った立場、つまり自分たちにされたことに何の問題もなかったという立場を擁護しようとしている。
裁判中にも言ったが、もう一度言おう。バイデン政権の司法省の計画は、トランプ氏をプラウド・ボーイズに直接結びつけてデマを広め、最終的には彼を扇動的な陰謀罪で起訴し、選挙に出馬させないようにすることだった。

ザカリー・レール(写真提供:ウィキメディア・コモンズ)
中間選挙が近づき、民主党が再び弾劾について議論し始めた今、彼らは1月6日を復活させようとしている。
間違いない。では、なぜこの事件を担当した検察官たちは今もなお雇用されているのだろうか?
極右団体「プラウド・ボーイズ」事件の主任検察官であるジョセリン・バランタインは、なぜ今も司法省に在籍し、彼女自身が構築に貢献した物語を覆す証拠に反する書類に署名し続けているのか?
なぜジャニーン・ピロはこの声明に署名したのか?誰もが既に知っている真実のために、ジャニーン・ピロと争う必要はないはずだ。
大統領は、我々に対して行われたことは間違っていたと公に述べました。彼は我々の刑を減刑し、エンリケには完全な恩赦を与えました。
彼はこれらの事件が茶番劇だったことを知っている。それにもかかわらず、彼自身の司法省は依然として彼に反するシグナルを送っている。
彼らは公の法廷でバイデン政権の行動を擁護している。彼らは、トランプ氏を投票用紙から排除しようとしたのと同じ組織を擁護し、今もなお彼の最も忠実な支持者を迫害しているのだ。
もし腐敗したバイデン政権が大統領を冤罪で有罪にしていたとしたら、大統領自身も同じように反論しただろうか?
私たちはそうは思いません。では、なぜ今になって二重基準が適用されるのでしょうか?これは非常に残念です。
私たちはジャニーン・ピロに腹を立てたくはない。だが、どうすれば怒ってはいけないのか教えてほしい。
旧司法省と全く同じように振る舞うこの新しい司法省を、どうやって信頼し続ければいいのでしょうか?
ザカリーは数ヶ月間、本人訴訟でこの件と闘ってきた。
私たちは、ベルティーノの撤回と強要の事実を記録に残すために、何度も申し立てを行ってきました。
政府は地方裁判所でも控訴裁判所でも、あらゆる段階で我々と争ってきた。
彼らは夜明け前にベルティーノの自宅を捜索し、彼のガールフレンドの所有する銃を発見し、1月6日にベルティーノが市内にいなかったにもかかわらず、規則を曲げて彼に「所持」の罪を着せ、その後、彼を脅迫して証言台で嘘をつかせた。
彼は今やその発言をすべて撤回したが、司法省は依然としてバイデン政権時代の立場を擁護している。
私たちの中には、障害を持つ退役軍人でありながら、扇動陰謀事件というでっち上げ事件による重罪判決が未だに有効であるため、障害者手当、医療、年金の支給を拒否されている者がいます。
迫害とは、私たちの犯罪歴だけを指すのではない。この国に奉仕することで得たはずの基本的な権利を、今もなお否定され続けていることこそが、迫害なのだ。
1月6日の出来事はもう忘れるべきだ。そのためには、完全な恩赦か、あるいは不起訴処分とするしかない。
司法省が先に進むことを望んでいないのは明らかであり、その背景にはおそらく大統領にとって都合の悪い理由があるのだろう。
私たちの中には、この政治ゲームに付き合わされ、トランプ大統領に対する駒として利用されることにうんざりしている者もいる。
私たちは、自分たち全員に起きたことに対する正義を求めます。私たちは、この事態を終わらせたいのです。
私たちは、政府と絶えず争うことなく、普通の生活に戻りたいのです。ジョン・アダムズは墓の中で嘆いていることでしょう。
大統領はこれらの事件が茶番劇だったことを知っている。彼自身の発言がそれを明確に示している。
では、なぜ彼の司法省は未だにこの捏造事件を擁護しているのでしょうか?なぜ彼らは、彼をこの事件に結びつけようとしたのと同じ検察官を今も雇い続けているのでしょうか?
真実は既に誰の目にも明らかになっているのに、なぜ彼らは私たちに法廷で真実を求めて戦い続けることを強要するのでしょうか?
私たちは特別な扱いを求めているわけではありません。基本的な公平さを求めているだけです。
我々は、トランプ大統領下の司法省が、バイデン政権下の司法省のような振る舞いをやめるよう求めている。
もしこの問題がすぐに解決されない場合、民主党が再び選挙を盗むことを許せば、ジャニーン・ピロや彼女のような人々は、この武器化の標的となるだろう。
彼らは火遊びをしている。我々は責任追及を求める。根本的な信念の解明を求める。武器化の実態を明らかにし、是正を求める。
恩赦や減刑は始まりに過ぎず、終わりではない。
ボールは司法省のコートにある。
証拠は明白だ。撤回は記録に残っている。強要があったことも文書で証明されている。
残された唯一の疑問は、この政権が真実を貫くのか、それとも我々と大統領を破滅させようとした同じ腐敗したシステムを守り続けるのか、ということだ。
私たちは見守っています。J6コミュニティも見守っています。そして米国民も見守っています。
どちらかの側につく時が来た。
https://www.thegatewaypundit.com/2026/04/trumps-doj-is-still-fighting-us-its-time/

4/13Rasmussen Reports<Voters Want End to ‘Weaponization’ of Government=有権者は政府の「武器化」の終結を求めている>
大多数の有権者によると、政敵を罰するために政府権力を行使することは、米国にとって大きな問題である。
ラスムセン・レポートが実施した最新の全国電話・オンライン調査によると、米国の有権者の82%が政府の「武器化」を共和国に対する深刻な脅威とみなしており、そのうち58%は「非常に深刻な脅威」と回答している。
https://www.rasmussenreports.com/public_content/politics/trump_administration_second_term/voters_want_end_to_weaponization_of_government?utm_campaign=RR04132026DN&utm_source=criticalimpact&utm_medium=email

4/14看中国<封锁升级!川普警告伊舰靠近就击沉 中国船急掉头(图)=封鎖は一段上に!トランプはイラン船舶が接近すれば撃沈すると警告、中国船舶は引き返す(写真)>
トランプはイランに、米国は既にイランの港湾を封鎖したので、封鎖区域に接近するイラン船舶は撃沈すると新たな警告を発した。
トランプは「Truth Social」プラットフォーム上で、イラン海軍は「完全に壊滅した」ものの、米軍は「高速攻撃艦」をまだ撃沈していないと投稿した。
さらに、これらの船舶が封鎖区域に接近した場合、米海軍は麻薬密輸船に対して用いるのと同様の戦術を用いると警告した。
米軍、封鎖範囲をオマーン湾とアラビア海に拡大
封鎖はイランの海岸線全体をカバー、原油価格が再び急騰
中国船2隻がUターン
密輸船以外は通航できるようになれば良い。
https://www.secretchina.com/news/gb/2026/04/14/1097715.html
4/14阿波羅新聞網<北京受重伤!川习会或生变—末日博士示警:北京受“重伤” 川习会添变数=北京、深刻な打撃!トランプ・習会談に変化の可能性―「ドクター・ドゥーム」が警告:北京は深刻な打撃を受け、トランプ・習会談に不確実性が増す>
「ドクター・ドゥーム」として知られる経済学者ロビーニは、米国によるホルムズ海峡封鎖は、イラン産原油の大部分が世界第2位の経済大国である中国に流入しているため、中国経済にさらなる打撃を与え、トランプ・習会談にも不確実性をもたらす可能性があると述べている。
ルービニ・マクロ・アソシエイツのCEO、ロビーニは、4/13に香港で開催されたグリニッジ経済フォーラムでブルームバーグTVのアンカー、インガルスとの対談の中で、米国によるホルムズ海峡封鎖は緊張を高め、米中関係に不確実性を加え、当初5月に予定されていたトランプ習会談をさらに遅らせる可能性があると指摘した。
そもそも中共のイラン産原油購入は米国の制裁逃れでは。
https://www.aboluowang.com/2026/0414/2371767.html
4/13阿波羅新聞網<美军封海开打!川普下一步直奔中共=米軍、ホルムズ海峡封鎖を開始!トランプの次の動きは中国へ直行>
4/11にパキスタンで行われた米イラン間の交渉が決裂した後、トランプは4/12、自身のソーシャルメディア「Truth Social」に投稿し、イランがホルムズ海峡開放の約束を果たさなかったと強く非難し、米国が同海峡を封鎖すると発表した。 4/12、米中央司令部は、イランの港に出入りするすべての船舶に対する海上封鎖を、東部時間月曜午前10時発効で開始すると発表した。
イランとの紛争は依然として注目を集めている。経済学者の呉嘉隆は、トランプは第三次世界大戦を起こさずに世界秩序を再構築しようとしており、最終的には共産中国と向き合うことになるだろうと分析している。
どういう形で中共と向き合うか?
https://www.aboluowang.com/2026/0413/2371599.html
4/14阿波羅新聞網<里程碑事件!30国联手挑战北京=画期的な出来事!30カ国が連携して北京に挑戦>
NATO加盟国約30カ国からの前例のない代表団が、水曜日から日本を訪問する。これはNATO加盟国による日本への最大規模のハイレベル訪問であり、日NATO間関係の深化における重要な節目となる。 3日間の訪問期間中、これらの外交官は日本の閣僚や高官と会談し、共通の関心事項である安全保障問題について協議するとともに、協力関係と戦略的連携の強化策を探る予定である。
NHKは以前、複数のNATO関係者の話として、ベルギーのブリュッセルにあるNATO本部駐在の約30カ国の大使が日本訪問を調整していると報じた。NATO加盟国のほぼすべての大使がこの前例のない規模の代表団に参加する予定で、実現すればNATO大使による日本への単独訪問としては過去最大規模となる。
会談では、中東紛争、中国の軍事力増強、ロシアによるウクライナ侵攻継続など、喫緊の地政学的課題が中心となる見込みである。ブリュッセル本部駐在のNATO大使で構成される代表団は、軍産協力の可能性についても検討する予定である。相互運用性の向上と、より強靭なサプライチェーンの構築を目的として、日本企業への訪問が計画されている。
これらの常駐代表は、NATOの最高意思決定機関であり、コンセンサス方式で運営されている北大西洋理事会のメンバーである。今回の訪問は、高市早苗首相率いる日本政府が、現在5種類の非殺傷兵器に限定されている日本の防衛輸出規制を一部解除すると見込まれている時期に行われる。この措置により、日本は殺傷兵器を輸出できるようになり、同盟国との共同開発プロジェクトへの参加範囲も拡大する。
日本の海洋システム、長距離巡航ミサイル、極超音速兵器における進歩は、米国からの供給への依存度を低減しようとする欧州諸国の軍隊の注目を集める可能性が高い。日本訪問に先立ち、大使らは韓国を訪問し、神奈川県横須賀市の米海軍基地を視察し、米軍が日本の安全保障システムにどのように統合されているかを直接確認する予定である。
悪の枢軸国に対抗するには自由主義国で団結する必要がある。
https://www.aboluowang.com/2026/0414/2371757.html

何清漣 @HeQinglian 10h
米中央司令部はソーシャルメディア上で声明を発表し、イランの港湾封鎖を4/13午前10時(米国東部時間)に開始すると発表した。声明ではまた、米軍は「イラン以外の港湾を行き来する船舶のホルムズ海峡における航行の自由を妨げない」とも述べている。
もっと見る
何清漣 @HeQinglian 10h
米中央司令部の声明全文はこちら。
引用
米中央司令部 @CENTCOM 4月13日

何清漣 @HeQinglian 2h
あなたはこの投稿を探し当てた。多くの投稿を集める人がいてあなたもご苦労な事。この「キリスト」の画像が投稿された後も、あなたが依然として大衆の支持を得ていることを証明するために、できればもう1つ、多くの投稿を集めてください。どうぞ。https://x.com/HQNewsNow/status/2043705796412809287
引用
Light 💡 @LightVivien 8h
返信先:@HeQinglian、@ElaineYuMuMu
https://x.com/wellsjorda89710/status/2043538725775241555
何清漣 @HeQinglian 9h
ホルムズ海峡の二重封鎖後、アジア諸国の石油備蓄は対処するのに充分な時間がある。日本は最長で約254日分あり、中国は約110~200日分、韓国は約208日分である。南アジアと東南アジアの状況は比較的逼迫している。全部を見るには以下の2つの表をご覧ください。
何清漣 @HeQinglian 2h
ネット友から各国の正確な備蓄量データをご提供いただき、歓迎する。関連する国際機関の評価、或いは各国の自己申告などを明記していただきたく。

福山氏の記事では、バンスがさっさと帰国してしまったので、米国はハナから真面に交渉しようと思っていなかったのでは。氏の言うようにお互いの面子は立ったし、停戦も継続出来て万歳と。米国の交渉のレッドラインであるイランの核保有で、イランが核放棄を呑むはずはないので、交渉は必ず決裂する運命にあった。
米国のホルムズ海峡封鎖は国際法違反と言う人がいるが、米・イラン間で既に戦争が始まっているので、海上封鎖は戦争行為の継続と見做せば、国際法違反ではないのでは。JFKもキューバ危機の時に検疫と言う名目でキューバを海上封鎖した。
今後米国の海上封鎖→臨検と進んで、中共とロシアがどう出て来るか?NATO&日本を含む自由主義国はそれにどう対処するのか?

記事

イランとの停戦交渉を終え帰国した米国のJ・D・バンス副大統領(4月12日、写真:代表撮影/ロイター/アフロ)
合意できず、しかし停戦は延命された
目次
• 合意できず、しかし停戦は延命された
• パキスタンが仲介国となった理由
• イスラエルの軍事行動を外交の梃子に利用
• ヒズボラへの攻撃停止を合意できず
• 米国にとって痛くも痒くもないイランの要求
• 同じ構造にある核・ミサイル問題
• 米国の本音:停戦が続けばそれでいい
• 停戦の最大の不確定要素はイスラエル
• 結論:停戦は続くも薄氷の平和
 パキスタンの首都イスラマバードで行われた米国とイランの停戦交渉は、21時間に及ぶ交渉の末、合意を得られないまま終わった。
 米国は「イランが応じなかった」と主張し、イランは「米国が合理的提案を拒否した」と反論する。双方が互いにボールは相手側にあると言い合う典型的な決裂である。
 しかし奇妙なことに、停戦そのものは延命された。
 パキスタン政府は「停戦は必ず維持されなければならない」と強調し、米・イラン双方もこれに同意した。
 つまり今回の結果は、「交渉は失敗したが、停戦は続く」という意図的に合意を形成しない構造である。
 表では決裂を演出しつつ、腹の中では「これでいい」という暗黙の了解が共有されていた。むしろ、当事者たちにとっては最も都合の良い着地だったと言えないだろうか。
 なぜこのような結果になったのか。その背景には、米国が中東で長年用いてきた「棍棒外交」の構造がある。
 棍棒外交(Coercive Diplomacy)とは、相手を交渉の場に引きずり出すために、力の行使そのものではなく、「力の行使の可能性」をちらつかせる外交手法である。重要なのは、
・実際に殴ることではなく
・「いつでも殴れる」という状況を維持すること
である。今回の停戦交渉は、結果的に棍棒外交の典型例となった。
パキスタンが仲介国となった理由
 米国がパキスタンを仲介国として受け入れたのは、単なる地理的便宜ではない。
 その背後には、米国がパキスタンに対して 「飴と鞭」ではなく、「圧力と、さらに強い圧力」で臨まざるを得ないという、複雑な力学があるとみられる。
 米国がパキスタンを重用する理由は、3つの地政学的要因に整理できるのではないか。
1.アフガン戦争の遺産
 20年以上にわたるアフガニスタン戦争で、米国はパキスタン軍・ISI(Inter-Services Intelligence、パキスタン軍統合情報局)の協力なしにはタリバンとの戦争を遂行できなかった。
 補給路の確保、国境地帯の管理、タリバン動向の情報収集──アフガン戦争の実務は、パキスタン抜きでは成立しなかった。
 そのため米国は、パキスタンを「扱いにくいが不可欠な相手」として位置づけざるを得なくなった。
2.対インド戦略
 インドは米国と接近しつつも、ロシアとの関係を維持する「自立型大国」であり、米国の思惑通りに動く国ではない。
 米国はインドを完全に自陣営へ引き寄せるために、パキスタンという「牽制カード」を手放すことができない。
3.対中国戦略
 パキスタンは中国の「一帯一路」の中核を担う最重要パートナーであり、米国にとっては中国の南西戦略を観察し、必要に応じて揺さぶるための地政学的観測点でもある。
 こうした理由から、米国にとってパキスタンはやはり「扱いにくいが不可欠な相手」となっている。
 一方で、パキスタン軍・ISIは米国の軍事・資金援助なしには国家運営が成り立たない。
 ISIは軍が直接統制する強力な情報機関であり、国内治安から対テロ作戦、アフガン情勢まで国家の中枢として機能する組織である。
 しかし米国は、パキスタンがタリバン支援など 「裏切り」 を繰り返してきたことを忘れていない。
 パキスタンに対する米国の依存と不信が、パキスタンとの交渉に際しては常に圧力を前提とする形になり、両者の関係を「キツネとタヌキの化かし合い」へと変えているとみられる。
 米国がパキスタンを仲介役として受け入れたのは、信頼しているからでは決してなく、信頼できないが外せないという、地政学的必然があるからと考えるべきである。
イスラエルの軍事行動を外交の梃子に利用
 米国は、停戦交渉を前に進める際、仲介国パキスタンに直接働きかけるのではなく、イスラエルの軍事行動が生み出す緊張を「間接的な梃子」として利用していると考えられる。
 イスラエルがヒズボラを攻撃すれば、ヒズボラはイランに「止めてくれ」と救済を求める。イランは緊張の拡大を避けるため、パキスタンに米国との交渉を進めてほしいと要請せざるを得なくなる。
 この連鎖によって、イスラエルの一撃が、パキスタンを仲介者として動かす最も効果的な梃子として機能する。
 つまり米国は、イスラエルの軍事行動そのものを、イランとパキスタンの動きを外側から誘導する「外交的梃子」として活用していると私はみている。
 今回の停戦構造を理解するうえで、この「間接圧力の連鎖」という視点は不可欠である。
ヒズボラへの攻撃停止を合意できず
 イランは、ヒズボラはもちろん国内世論に向けて「我々がイスラエルを止めた」と胸を張って宣伝できることを強く望んでいたはずだ。しかし今回の交渉では、
・合意できず
・文書化なし
・成果の明文化なし
という結果に終わり、イランが望んだ最大の成果は正式な形では確定しなかった。では、なぜ確定しなかったのか。その理由は3つある。
1.ヒズボラへの攻撃停止明文化はイスラエルが受け入れない
 イスラエルにとってヒズボラは、必要な時に緊張を再点火できる「軍事カード」ともいえる。このカードは、イランに対しても、米国に対しても影響力を持つ。
 もし停戦交渉で「ヒズボラに対する攻撃停止」が文書化されれば、イスラエルはその軍事カードを外交的に封じられてしまう。つまり、
・イスラエルはヒズボラをいつでも叩ける状態を維持したい。
・その自由度を奪う文書化は、国家安全保障上のレッドラインである。
 したがって、ヒズボラに対する攻撃停止の明文化は、イスラエルにとって最初から絶対に受け入れがたい条件だったといえる。
 ゆえに、今回の交渉でそれが実現する余地はほとんどなかったはずだ。
2.米国もイスラエルの拒否権を無視できなかった
 米国は停戦の延命を望んでいたが、イスラエルの安全保障上のレッドラインを踏み越えてまで、イランに「勝利の物語」を与える必要はなかった。
 レッドラインとはイスラエルにとっての拒否権発動ラインでもあり、米国はそれを無視して合意を作ることはできない。
 米国にとって今回の交渉の最大の目的は、「停戦が続くこと」であり、イランの面子を立てることは優先事項とは言えない。
 むしろ、イランに過度な成果を与えれば、イスラエルが反発し、停戦そのものが揺らぐリスクすらあったはずだ。
 そのため米国は、イスラエルの立場を尊重しつつ、最低限の停戦延命だけを確保するという現実的な選択を取ったとみていい。
3.イラン自身もヒズボラを完全には制御できない
 米国とイスラエルの関係に似て、ヒズボラはイランの代理勢力であるが、完全な指揮下にあるわけではない。
 イランは資金・武器・訓練を提供し、戦略的方向性を与えているが、ヒズボラはレバノン国内に独自の政治基盤と軍事組織を持ち、独自判断で行動する余地が大きい。
 そのため、イランが「ヒズボラを止めた」と文書化すれば、ヒズボラの独自行動が起きた際に、イランが「約束違反」の責任を負うリスクが生じる。
 イランにとっても、ヒズボラ停止を明文化することは安全保障上の負担が大きく、得策ではなかった。
 いずれにせよ、イランは最低限の目標である停戦の延命という実質的成果だけは確保した。
 つまり、表向きの成果は得られなかったものの、イランは「戦争を止める時間」を得ることには成功したのである。
 この時間こそ、イランにとって最も重要な資源であり、軍事的・政治的な再調整を行うための余裕を生み出すものだった。
米国にとって痛くも痒くもないイランの要求
 イランが停戦交渉で提示する要求の多くは、米国にとって実質的な負担にならない。その典型例がホルムズ海峡問題 である。ホルムズ海峡が不安定化しても、
・米国本土への直接的影響は限定的
・影響を受けるのは 日本・中国・EU などのエネルギー輸入国
・米国は代弁者として振る舞うだけで
・実際のコストは他国が負担する
という構造になっている。つまり米国は、自分が痛まない要求なら簡単に妥協できる。
同じ構造にある核・ミサイル問題
 核・ミサイル問題についても、米国は本気で合意を守らせるつもりはないと私はみている。なぜなら、イランが合意文書に署名したとしても、イランがそれを順守する保証はどこにもないからだ。イランは、
・国内政治
・体制維持
・地域戦略
の観点から、核・ミサイル能力を完全に手放すことはあり得ない。合意はあくまで時間稼ぎにすぎず、閾値を超えれば、今回と同様にイスラエルが単独で、あるいは米国と共同で攻撃するだけの話である。
 したがって核・ミサイル問題とは、「守られるための合意」ではなく、「破られた時に相手を責める材料として使うための合意」という、国際政治のリアリズムそのものだ。
米国の本音:停戦が続けばそれでいい
 米国の意思決定の仕組みは驚くほど単純である。
・痛まない要求 → 米国は簡単に妥協する
・痛む要求 → イスラエルが閾値管理として叩く
 米国は、「自分が痛まない範囲で停戦を維持し、必要な時はイスラエルが処理する」という二段構えの戦略を採っていると考えられる。
 だからこそ、イランの要求は米国にとって痛くも痒くもないのである。米国の本音は極めてシンプルだ。停戦が続けばそれでいい。
 交渉は本気の合意形成ではなく、時間稼ぎと面目作りという構造にすぎないと筆者は考える。
停戦の最大の不確定要素はイスラエル
 イスラエルこそが今回の停戦構造の核心である。
 イスラエルは、ヒズボラ攻撃をいつでも再開できる軍事カードを握っている。そしてこのカードは、イランに対する圧力と米国に対する圧力の二重の圧力装置として機能する。
 レバノン南部のヒズボラは、イスラエルにとって単なる敵ではない。必要とすれば緊張を再点火できる引き金であり、イランと米国を交渉の場に縛りつける実質的な拘束装置としても機能する存在である。
 言い換えれば、ヒズボラはイスラエルにとって、イランと米国を脅迫する人質のような構造を持つ。
 そしてイスラエルは、米国の棍棒であると同時に、米国に対する逆棍棒にもなり得る。
 停戦の命運を握っているのは、米国でもイランでもなく、イスラエルの一撃である。
結論:停戦は続くも薄氷の平和
 今回の停戦交渉は、
・合意できず
・停戦延命
・仲介継続
という結果に終わった。これは、米国とイランがともに、合意の形成よりも停戦の継続を優先したことを示していると言えるだろう。
 しかし、この停戦は決して安定したものではない。レバノン南部のヒズボラ、そしてそれをめぐるイスラエルの軍事カードは、いつでも緊張を再点火し得る引き金として残されている。
 言い換えれば、米国・イランのみならず、世界の安定と平和そのものが、イスラエルの軍事カード1枚で崩れ得る薄氷の平和の上に成り立っていると言っても過言ではない。

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