『中ロ軍艦「尖閣」同時侵入、問われる日本の忍耐 「平和ボーナス」使い果たした後の厳しい現実を見据えよ』(6/15日経ビジネスオンライン 福島香織)について

憲法9条擁護派は中国の日本領海侵入をどう考えているのか聞いてみたい。集団安保法制を「戦争法案」とか呼んだ反日民進党と日本共産党は日本を中国の属国にしようとたくらんでいるのでしょう。福島氏の言うように、中国の日本の領海侵入が国民に取って、今般の参院選で本当に国防を真剣に考えるキッカケとなるかどうか。国民は舛添辞任のことしか考えないのでは。国防について従来「他人事」or「他人任せ」にしてきたことがそんなに簡単に直る訳がないと思います。中国が日本領土を砲撃して初めて気が付くのでは。それまでは尖閣についても無関心というか、そんな小さな島くらい渡しても良いというくらいにしか思っていないのではという気がします。中国人の本性を理解していないからです。彼らは一歩譲ったら、二歩も三歩も踏み込んできます。尖閣の次は沖縄、次は日本全土でしょう。日本人と中国人は考え方・発想が全然違います。何せ「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」という民族です。まともに付き合えば日本人が騙されるのは必定。世界に平気で嘘を垂れ流しますし、賄賂やハニーは当り前の世界です。

佐伯啓思は「王権神授説の王制と違い、天賦人権説に則った共和制は傭兵制度ではなく、市民が国を守ることを前提としたシステム」と書いていたような記憶があります。理解が正しかったかどうかという点と本の名前は思い出せない点が弱いですが。国民以外に誰が国を守ってくれるのですか?傭兵で近代戦は戦えません。念仏を唱えても中国の侵略は止まず、況してや憲法9条が侵略を防いでくれるわけもありません。脳内お花畑の人間は現実を見据えようとしません。中国の侵略を許し、日本を奴隷の平和の状態にするつもりですかと言いたい。

http://www.sankei.com/politics/news/140721/plt1407210014-n1.html

小生の6/11ブログにも書きましたが、尖閣接続水域侵入は現場の独断ではなく政府と一体となってやっていることです。これは福島氏も同じ見立てです。経済崩壊を目前に控え、習近平の暴走が始まった気がします。南シナ海、東シナ海の二正面作戦が取れる能力は中国にはありません。東シナ海だけでも日米合同で対処すれば中国海軍はあっという間に海の藻屑となるでしょう。ロシアは中立を保つ筈です。何が習近平をそのように駆り立てているのか、愚かな裸の王様としか言えません。権力闘争に勝つためなのでしょうが、危険すぎます。

<6/15 15時12分NHKニュース中国海軍情報収集艦 日本領海に一時侵入

15日未明、中国海軍の情報収集艦1隻が鹿児島県口永良部島の沖合で日本の領海に侵入し、およそ1時間半にわたって航行したあと領海を出ました。中国海軍の艦艇が領海に入ったのが確認されたのは、平成16年以来2回目で、防衛省は警戒を続けるとともに、航行の目的を分析しています。

防衛省によりますと、15日午前3時半ごろ、中国海軍の情報収集艦1隻が鹿児島県口永良部島の西で日本の領海に侵入したのを、海上自衛隊のP3C哨戒機が上空から確認しました。情報収集艦はその後、南東に向かい、およそ1時間半にわたって領海内を航行したあと、午前5時ごろ、屋久島の南の沖合で領海を出たということです。 中国海軍の艦艇が領海に入ったのが確認されたのは、平成16年に原子力潜水艦が沖縄県の石垣島沖で領海侵犯して以来で2回目となります。 沖縄の東の太平洋では、現在、海上自衛隊とアメリカ海軍、それにインド海軍による共同訓練が行われていて、防衛省によりますと、中国海軍の情報収集艦は、インド海軍の艦艇2隻の後方を航行し領海に入ったということです。 各国の軍艦には一般の船舶と同じように沿岸国の安全を害さなければ領海を通過できる「無害通航権」が国際法で認められていて、防衛省は、警戒と監視を続けるとともに情報収集艦の航行の目的を分析しています。

島の住民「本当に怖い」

口永良部島に住む屋久島町役場出張所の職員、川東久志さん(56)は「前代未聞の出来事で驚いています。このような島に中国海軍の船が近づくなんて本当に怖いです」と話していました。 また、付近の海で漁を行い、口永良部島の消防分団長を務める山口正行さん(47)は「漁に出る人は本当に気がかりだと思う。国や県は島の住民の生命や財産をしっかり守ってもらいたい」と話していました。

官房副長官「中国側に懸念申し入れた」

世耕官房副長官は、午前の記者会見で「中国艦艇がどういう目的で航行したかについては現時点では確たることを申し上げるのは控えたい。政府としては引き続き、わが国周辺海空域における警戒監視活動等に万全を期していく」と述べました。 そのうえで「外務省アジア大洋州局長から在京中国大使館次席に対して、先般の中国海軍艦艇による尖閣諸島接続水域への入域に続いて今回、中国海軍の情報収集艦がわが国領海に侵入したこと等に鑑みて、中国軍の活動全般に対する懸念を申し入れた」と述べました。 また、記者団が、先に中国海軍の艦艇が尖閣諸島周辺の接続水域に入った際には外務省の斎木事務次官が程永華駐日大使に抗議したことを踏まえ、政府の対応の違いについて質問したのに対し「尖閣について中国は自分の領土という独自の主張をしており、当然、対応に差があってしかるべきだ」と述べました。

防衛相「意図を分析中 警戒に万全期す」

中谷防衛大臣は防衛省で記者団に対し、「中国海軍の艦艇の航行は、日米印の演習に参加し、わが国の領海内を航行していたインド海軍の艦艇に引き続いて行われたものだ。海上警備行動は発令しておらず、先方の意図や目的は分析中だ」と述べました。 そのうえで中谷大臣は「中国海軍の艦艇が領海内を通過したのは2度目で非常に例が少ない。今後も中国艦艇の動きに十分注目して、警戒監視に万全を期したい」と述べました。 このあと、中谷大臣は再び記者団に対し、「中国は近隣国であり、こういった活動については丁寧に接してくるべきだ。戦後2回目のわが国領域内の航行であり、非常に懸念がある」と述べました。

外相「最近の中国軍の動きを懸念」

岸田外務大臣は外務省で記者団に対し、「中国海軍の艦艇が先日の尖閣諸島の接続水域に続いて今回、日本の領海に入域したが、状況をエスカレートさせている最近の中国軍の動きを懸念している。政府としては、中国側にこうした懸念をしっかり伝えるとともに、警戒監視に万全を期していきたい」と述べました。>(以上)

6/15日本経済新聞 電子版 「狙いは日本艦排除」 中国軍艦、尖閣進入の深刻さ 編集委員 中沢克二

中沢克二(なかざわ・かつじ) 1987年日本経済新聞社入社。98年から3年間、北京駐在。首相官邸キャップ、政治部次長、東日本大震災特別取材班総括デスクなど歴任。2012年から中国総局長として北京へ。現在、編集委員兼論説委員。14年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞

 6月9日午前1時ごろ、眠りにつこうとしていた首相、安倍晋三に報告が入った。この日は私邸ではなく、首相官邸脇の公邸に宿泊していた。

 「中国艦船が尖閣諸島の接続水域に入りました……」

 目覚めた安倍は付近に展開する海上自衛隊の護衛艦の動きを問い、素早く指示を出した。緊迫した中国のジャンカイ1級フリゲート艦の進入事件の謎を解くカギは、その3時間余り前にあった。

■「黙契破ったのは日本」という強弁

 「日本の軍艦が先に接続水域に入った。そして中日双方には、艦船を接続水域に入れないとの黙契がある。中国海軍は既に東(シナ)海海域の巡航を常態化した。今回は監視中に日本艦の行動を察知し、緊急対応した」

Senkaku

沖縄県・尖閣諸島。手前から南小島、北小島、魚釣島(2012年9月)=共同

 共産党機関紙、人民日報傘下の国際情報紙、環球時報が伝えた中国の主張だ。簡単にいうと、先に進入したロシア艦の動きは無関係で、日本艦が先に「黙契」を破ったため中国艦船も進入した、との趣旨だ。

 もちろん中国の言う、日中の密約を意味する「黙契」など存在しない。尖閣の実効支配を確立している日本は、無用な摩擦を避けるため、通常、海上保安庁の巡視船が対処しているにすぎない。中国政府は、領土問題の存在を認めよと迫る際、「日本は過去に『棚上げ』を認めた」と主張する。「黙契」の存在の主張は同じ論法だ。

 中国の安全保障関係者から漏れ伝わる声はこうだ。

 「友であるロシアの艦隊が『航行の自由』を標榜して釣魚島(尖閣諸島の中国名)の接続水域に入っても見過ごす選択肢はある。だが、日本の軍艦が入った場合、我々、中国も入らなければならない。そして排除する必要がある。そうでなければ日本の実効支配を崩したとはいえない」

Frigate of PLAN

中国海軍のフリゲート艦(2012年公開)=防衛省統合幕僚監部提供

 この論理を真に受ければ、もし日本の護衛艦が尖閣諸島を守るため領海に入れば、中国艦も侵入する可能性が高くなる。戦闘になってもおかしくない。極めて危険な状態だった。

 忘れてならないのは、中国が2012年秋以来、「日本の実効支配を崩した」と公言していることだ。日本の尖閣国有化を逆に利用して中国公船が領海を侵犯。その後も定期的に接続水域、領海に入っている。それでも、これは中国海警局所属の公船だ。日本側で対処するのは海保の巡視船になる。双方が厳しく対峙しても軍ではないため即、戦争にはならない。

 今回はロシア艦の進入が誘因とはいえ、日本艦が接続水域内を航行した。中国側は「新たな事態で放置できない」いう論理でプレーアップした。「見過ごせば中国海軍が上層部から叱責されかねなかった」。こんな見方もアジアの外交・安保専門家の間にはある。

中国と日本の艦船の動きを時間を遡って検証してみる。地図を参照してほしい。

tracking a China battleship

 6月8日午後9時50分、ロシア艦3隻が南から接続水域に入り、北に向かっていた。監視していた海上自衛隊の護衛艦「はたかぜ」がこれを追尾する。当然、すぐに接続水域に入った。ロシア艦の動きに目を奪われているが、中国側が注視していたのは実は日本の「はたかぜ」の動きだ。

 やや離れた尖閣北方海域にいた中国艦は直ちに反応した。そして一目散に接続水域を目指す。尖閣北方で監視中だった別の海自護衛艦「せとぎり」は危機感を抱き、中国艦の動きを追い始めた。このままでは接続水域に入るのは必至だ。強く警告したが、中国艦は応じない。

 この時、「はたかぜ」は接続水域内を北東に向けて航行中だ。これを知る中国艦が動きを止めるはずはない。ついに久場島の北東の接続水域に進入した。これを監視する「せとぎり」も接続水域内を航行し、今度は中国艦が万が一にも領海に侵入することがないよう警告・監視しながら追尾する。

 日中ロ3カ国の艦船6隻が至近距離で入り乱れながら並走――。大正島北西の接続水域内では、かつてない危険な事態が出現した。だが最後はロシア艦が接続水域を抜け、日中の艦船も外に出る。ひとまず危機は去った。

■中ロ連携の真相

 焦点は中ロ両海軍の連携の有無だ。ロシア艦3隻は海上演習を終え、帰路にあった。駐日ロシア大使館も「当海域では中国と関係なくロシア海軍が定例の演習を行い、日本の領海に入ることは当然ない。他の諸国、日米も主張する『航行の自由』の原則通り。心配無用」とした。

Xi Jinping-3

米中戦略・経済対話の開幕式で手を振る中国の習近平国家主席(6月6日、北京)=共同

 とはいえ中ロは2012年から日本海や黄海で海上軍事演習を実施している。中ロが広く連携している以上、中国海軍が、今回のロシア艦の大筋の動きを把握していたのは間違いない。翌6月10日からは沖縄近海で日米印の海上演習「マラバール」が始まった。そもそも中ロ艦がここで活動していた目的は情報収集とけん制にもあった。ロシア艦も演習の帰路なのに、なお付近をうろついた。

 1992年に始まった米印の演習には今年から日本も定期参加する。南シナ海での「航行の自由」作戦を実行した米空母「ジョン・C・ステニス」も姿を見せた。中国はそれを注視している。ロシアも事情は似る。ウクライナ問題などで確執がある米国に対抗するには、この地域でも一定の存在感が必要だ。東シナ海、太平洋は「日米VS中ロ」の対峙構造が明らかな緊迫した海でもある。

 一連の事情からロシア側は、進入に関して「中国と無関係」としつつも、少なくとも中国側が連携を臭わせるのは容認した。中国国防省が発表した質問に答える形式のコメントもそうだった。自ら用意した質問文は「日本メディアが中ロの軍艦が釣魚島付近の海域に進入したと報じた。どうみるか?」。説明抜きのため、全容を知らない中国国民、外国人は中ロが示し合わせたように受け取る。いわば意図を持った「やらせ質問」にみえる。

 そこには伏線がある。ロシア大統領、プーチンは6月末、訪中する。重要な中ロ首脳会談を前にロシア側も中国を追い込むことはしない。中国の演出は、ロシアを利用した「張り子の虎」と考えることもできる。かつて毛沢東、鄧小平時代にも米ソ対立を巧みに利用した似た事例がいくつかある。中国の伝統的な外交術だ。

■試された与那国島レーダー

 中国軍にはもう一つ重要な目的があった。中国語で言う「試探」。つまり接続水域進入によって自衛隊と日本政府がどの程度、素早い動きを見せるのかを探りたかったのだ。

radar of Yonaguni

150キロ先の尖閣諸島をにらむ与那国島の陸上自衛隊レーダー基地

 なぜ今なのか。それは3月28日、日本最西端の与那国島(沖縄県)に160人規模で駐屯を開始した陸上自衛隊とレーダー基地に関係する。与那国島の150キロ北には尖閣諸島がある。人口2000人に満たない静かな島に出現した巨大な5本の鉄塔には様々なアンテナが据え付けられた。尖閣周辺の海と空ににらみを利かせている。

 日本政府の動きは素早かった。安倍への報告の後、外務省は直ちに東京の中国大使館の安全保障担当公使に抗議した。中国艦の接続水域入りから僅か25分後だった。その45分後には駐日中国大使、程永華を呼び抗議した。

 見落とされている事実がもう一つある。中国艦に対処した青森県の大湊港を母港とする「せとぎり」(3550トン)は、南シナ海との縁が深い。4月12日にはベトナム南部の要衝、カムラン湾の軍港を訪れていた。直前には同じく中国と南シナ海で対峙するフィリピンの北部、スービック港に寄港。南シナ海を横切ってベトナムのカムラン湾に入った。

 カムラン湾といえば、冷戦時代に旧ソ連が軍港として使用し、対米けん制の最前線だった場所だ。今や南シナ海問題で立場は逆転した。ベトナムは中国に対抗するため米国から武器を購入し、日本の海自艦船の訪問も受け入れている。

 軍事面の実力が向上した中国海軍は、国家主席、習近平がトップに就いて以来、海洋進出を加速している。中国には強く自制を求める。力による現状の変更は極めて危険だ。そして日中間で偶発的な衝突などあってはならない。防衛当局間の早期の「海空連絡メカニズム」発効に向けた詰めた話し合いをすぐにでも始めるべきだ。(敬称略)>(以上)

記事

尖閣諸島周辺の接続水域に中国の軍艦が初めて侵入した。6月9日未明のことである。もちろんこの海域には軍艦を改造した中国海警局巡視船などがしょっちゅう侵入しては海上保安庁の巡視船に追い出されることを繰り返しているのだが、軍艦となると緊張感がまったく違う。官邸はすぐさま危機管理センターを設置し、米国とも連絡を取り合った。外務省は夜中に駐日中国大使を呼び出して厳重抗議した。中国側のこの行為には、どういう意図があるのだろう。まさかうっかり接続水域に入ってしまったというのだろうか。

「してやったり」ほくそ笑む中国

 まずロシアの軍艦も同じタイミングで接続水域に入ったため、中ロが結託して、日本を挑発したという疑いはある。ただ、ロシア軍艦が定期演習帰りにこの時期に接続水域付近を通行することは想定内。むしろ中国側が自国の領土と言い張る尖閣諸島周辺海域にロシア軍艦が入ったことを口実に、ロシア艦を監視するという建前で自らも接続水域に入った、という見方が今のところ主流である。

 ちなみに駐日ロシア大使館はツイッターで「当海域では中国と関係なくロシア海軍が定例の演習を行い日本の領海に入ることは当然ない。…ご心配不要」と、中国とは無関係であり、また尖閣諸島海域が日本領海と認めているようなニュアンスのコメントをしていた。なお、このコメントは日本語であり「尖閣諸島」という言葉を使っている。さすがにまずいと思ったのか、すぐに削除された。これが“うっかりコメント”なのか、中国に対するある種のメッセージなのかは不明。軍艦侵入そのものが、中国との共謀であれば、もう少し中国への配慮というものがあっただろうとは思う。

 ロシアの狙いは後回しにして、まず中国側の意図を考えてみよう。例えば、ロシア艦の接続水域侵入を見た中国海軍が現場の判断なのか。それとも、習近平政権の意志による計画的軍事行動なのか。

 結論を先に言うと、これは習近平政権の指示による計画的行動だと、私は考えている。

 まず、中国国防部が翌日、「釣魚島およびその付属島嶼(尖閣諸島)は中国固有の領土であり、中国軍艦が本国管轄海域を航行するのは合法であり、他国がとやかく言うことではない。きょうの端午の節句(旧暦)をすこやかに過ごしてください」と、ユーモアと余裕も感じさせるコメントを発表していることだ。この余裕に「してやったり」という中国側のほくそ笑みが見える気がする。

中国メディアで報じられている内容を整理すると次のようになる。

 8日午後9時50分ごろ、ロシア海軍艦艇3隻が先に尖閣諸島海域(中国語で釣魚島)の久場島(黄尾嶼)と大正島(赤尾嶼)の間の接続水域を北上し、海上自衛隊護衛艦“はたかぜ”に発見された。9日未明午前0時50分ごろ、一隻の中国フリゲート艦・江凱が南下し久場島東北の接続水域に侵入するも海上自衛隊“せとぎり”に発見され、U字型の軌跡を描いて大正島東北の接続水域から脱出。中国軍艦が接続水域を出たのは午前零時3時10分、ロシア軍艦が同域を出たのは3時5分。

「中ロ連携」を匂わせ、建前で逃げる算段

 日本メディアの報道の在り方はおおむね二通りだ。中ロが事前に打ち合わせた計画的行動である、というものと、中ロの連携はなかったというもの。読売新聞の10日の報道は前者で、ロシアが2012年から毎年夏に日本海や黄海で合同海上軍事演習をしているのは日米けん制が目的であり、この中ロの行動は日米印三国の10日の九州付近での合同海上軍事演習に対抗するものだという分析をしている。

 一方、産経新聞は、ロシアが先に接続水域に入ったことを中国軍艦がロシアを監視するかのように見せかけてあとから侵入したと報じ、中ロ連携ではなくロシアを中国が利用して侵入したという見方だ。防衛省・外務省は、中国が日ロ相手にこの領海に近づくな、と威嚇した、とみている。日本政府としては、中国は周到な計画をもってこの事件を起こしたと認定しているようだ。毎日新聞は、元自衛官のコメントを引用して、中国の周到な計画的行動は今後も続き、国際社会の注意を南シナ海からそらそうという意図がある、としている。

 環球時報などが、日本の新聞の引用をしながら、だいたいこのようなことを伝えている。

 軍の行動の意図などは、たとえ官報といえども勝手な解釈報道はできないのだが、こうして海外メディアの引用を反論を加えずそのまま報じるときは、だいたい図星ということである。ロシアとの連携が本当にあったかなかったかは、ひとまずおいておくが、中国としては「連携があった」と日本に思わせたいのだ。中国報道のほとんどが“中ロ軍艦”を主語にしている。そして「ロシアに文句を言わないで中国に文句をいうのはおかしい」「中国軍艦はロシア軍艦の侵入を見張るために南下したにすぎない」という建前で日本の抗議を封じ込めることができるとみている。

 13日付の環球時報は、「いよいよロシアも参入!魚釣島をめぐる大博打」と題した、少々ちゃかした感じの論評を掲載した。これがなかなか興味深い。以下引用する。

「安倍は突然たたき起こされた」

 「ドラマチックに描けばこんな感じだ:眠っている安倍は突然たたき起こされた。中国とロシアの軍艦が来たぞ! 日本の軍艦はどこだ? 日本の艦艇にその行動を妨害させようにも、衝突は怖いし、安倍はただ追随して監視するしかなく、すぐさま米国に報告する。

 焦った日本の官僚たちは、50歳を過ぎた駐日大使の程永華を午前2時に外務省に呼びつけ、てんやわんや。寝覚めの悪い大使の顔色は悪く、さすがにキレて言い返した。“釣魚島は中国固有の領土、中国側は日本の抗議を絶対に受け入れられない”。

 注目に値するのは日本側の中国とロシアに対する対応差だ。ロシア軍艦の方が接続水域侵入の時間が早く、海域航行時間も長く、艦の数も2隻多い。

 なのに難癖をつけ、抗議するのは中国だけで、ロシアに対しては文句を言わない。理由はロシアは魚釣島の領土主権を主張していなからだ、と。…

 日本はロシア大使館のツイート声明(で尖閣諸島という言葉を使ったこと)によろこんだようだが、これは外交辞令だ。そもそも外交部は軍の意図などわからぬものだ。だからすぐに削除された。…

 いくつか基本的に判断できることは以下の通り。

 ①中ロ軍艦は同時に接続海域に侵入し、ロシアが先に侵入した。②プーチンの6月訪中を前に、南シナ海問題がまさに煮詰まっているとき、中ロが連携してこの航行を行ったから、日本を十分に震え上がらせることができた。③米国のアジアリバランス政策下で、米日が協力を強化している状況で、中ロの協力強化は確かに必要で、これはイデオロギー以上に国家利益的に大きな意味がある。こうした状況からプーチンの訪中は実りあるものになるだろう。④ロシアの艦艇3隻は老朽船であり真の軍艦は一隻だけで残りの二隻は補給艦と曳航艇である。だが敏感な水域をあえて航行するプーチンの軍事外交は大胆かつ強硬である。

 最後に付け加えていえば、ロシアの過剰に大胆な部分を中国は学ぶ必要もないしできないが、少なくとも外交局面においては、もっと活発になることが中国の成功の秘訣だろう。たとえばロシアのウクライナ危機や迅速なシリア撤退のようなこの種の謀略は参考にする価値がある。特に南シナ海問題が煮詰まりつつある今、釣魚島で再び風雲を起こすことは、実際なんの不都合もないのである。釣魚島をめぐる中日の争いは表面的なものであり、実際は米国を避けて考えることのできない問題だ。釣魚島の問題は、全東アジアの大博打の一部でしかない。そこに、いよいよロシアが加わって釣魚島をめぐる大博打が今始まったわけだ。」

 中国としては、ロシアが中国海軍と同時期に接続海域に入ったことに大きな意味を見出している。つまり、南シナ海と合わせて、東シナ海問題にロシアを引き込めれば中国にとって有利だということだ。

 尖閣は日本の実効支配下にあり、日米安保の枠組み内にあるので、中国の実行支配下にある南シナ海の島嶼問題よりもある意味攻略しにくい。そこに米国と対立するロシアを引き込めればこれは中国に利する。万が一、日本とロシアの関係がこじれれば、中国にとっては願ってもないことだ。ロシア軍艦が南シナ海での国際テロ軍事演習にこの海域を通ることは、かねてからわかっていたのだから、中国がタイミングを合わせて尖閣諸島接続水域に軍艦を出すくらいのことは十分考えられる。

習近平はプーチンLOVE

 ロシアは本当のところどう考えているのだろうか。

 ロシアの本音を探る手段は今の私にはない。ただ、プーチンは稀に見る外交巧者である。年内の日本訪問の条件の駆け引きを見据えながら、6月の訪中の内容を詰めているところであろう。ロシアと中国が真の蜜月だとは思わないのだが、習近平のプーチンLOVEはかなり本気だ。

 ウクライナ危機にしてもシリア撤退の奇策にしても、習近平政権が「外交はかくありたい」とほれぼれするようなことをプーチンはやってのける。そういった中国側の気分を見越して、ロシアは4月のモスクワでの中ロ外相会談で、南シナ海問題を当事国間の直接の話し合いでの解決を求める中国側の立場を支持している。

 ロシアはベトナム・カムラン湾を軍事利用しつつASEANにおける武器輸出拡大を図っているところで、南シナ海には巨大な利権をもつ。米国の対ベトナム武器禁輸解除は、中国以上に苦々しく思っているはずだ。中国が米国の対ベトナム武器禁輸解除に対して、あまり怒った風でなかったのは、南シナ海問題にロシアを引き込み、米国と対立させる好機とみた、ということも考えられる。

 一方、シンガポールにおけるシャングリラ会議では、日米印の南シナ海における対中包囲が鮮明化する一方で、ロシアと中国は米韓の対北朝鮮目的のTHAADミサイル配備への反対で立場を一緒にするなど米(韓)VS中ロの対立構造も鮮明化した。中国としては、南シナ海問題で米ロをあおりつつ、東シナ海にもロシアを引き込みたい。ここで、ロシアは外交辞令上、「そんな領海侵犯の意図などありませんよ。中国とも関係ありません」という声明を出しながら、中国に貸しを作るぐらいのことはやっても不思議ではないだろう。

平和ボーナスなき後、試される忍耐

 南シナ海問題は、国際的包囲網が形成され、またフィリピンに親中派大統領が登場し、ベトナムにおける米ロの兵器利権対立が起きそうで、6月末にもスカボロー礁の中国埋め立てをめぐるハーグ仲裁裁判所の判決が出る、という変数が多くあるなかで、中国側も今しばらくは次の一手を攻めあぐねていよう。

 軍制改革を成功させるために南シナ海で、局地戦も辞さない覚悟で軍事緊張を高めることが中国のシナリオであることはこのコラムでも以前に解説したが、環球時報の論評にあるようにここにきて「釣魚島付近で再び風雲を起こすことは何の不都合もない」というのも本音だろう。もともと習近平シナリオには、2013年1月のロックオン事件の際に、日中間で局地戦を覚悟した軍事的緊張を演出するというものもあった。主戦場がいつ南シナ海から東シナ海に移っても不思議はないのだ。

 こういう状況は日本にとって非常に具合が悪い一方で、少しだけ好いことがある。悪いことは、日本の安全保障が脅かされ日本の領海領空を守る海上自衛隊や航空自衛隊に対するプレッシャーが並々ならぬものになるということ。好いことは、7月の参院選を前にして、有権者が安全保障の問題をより身近に迫ったものとして真剣に考えるようになることだ。

 日本政府としては、北方領土問題の交渉相手であるだけでなく、東シナ海や南シナ海を含む、アジア太平洋「大博打」大会の主要プレーヤーであるロシアの思惑を見越しつつ、その外交をうまくこなすことがまず肝要かもしれない。第二次大戦以後の平和のボーナスはそろそろ使い果たされ、いよいよ神経を消耗する厳しい時代になった。一人ひとりの忍耐が試されているのだと思う。

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