『上海で入館2時間待ちのスーパー銭湯 「極楽湯」中国攻略の極意(その1)』、『「なぜ働かない?」怒りで割ったヘルメット 「極楽湯」中国攻略の極意(その2)』(6/15・17日経ビジネスオンライン 岩村宏水)について

本記事に煽られて中国へ出て行こうとするのは止めた方が良いでしょう。中国の軍艦が日本の領海に出てきている現在、不測の事態、突発的な戦闘が起きる可能性があります。その場合、在留邦人の身の安全は保証できません。自力救済しかなくなります。過去の歴史が物語っています。「極楽湯」の幹部は中国の歴史をどの程度認識しているのでしょうか。本来なら日本人はなしで中国人だけで運営させれば良いのでしょうけど、日本人がいない場合悪さをされ、投資は無駄になります。また、暴動で掠奪・放火されることもありうることは、2005年や2010年、2012年の官製デモを振り返れば明らかです。まあ、自己責任で投資する分には良いでしょうけど。ただ、日本への配当還元をさせず、中国への再投資を持ちかけるでしょう。中国はそんなに甘くないことを覚悟すべきです。

さて、中国の現代史をざっとおさらいしてみます。義和団の乱(1900年)は西太后が義和団を使って攘夷を果たそうとしたもの。すぐに鎮圧されました。辛亥革命(1911年)後、ラストエンペラー・愛新覚羅溥儀は退位。5・4運動(1919年)が欧米の宣教師のバックアップにより引き起こされました。袁世凱の甘言に乗せられて、「日本側の強い要求により止む無く調印の形を」と言われ其の儘の形を取ったものだから、中国人の民族意識に火をつけてしまいました。(日下公人・上島嘉郎著『優位戦に学ぶ大東亜戦争の「失敗の本質」』P.117~121)。お人好し・騙されやすい日本人の典型です。溥儀は紫禁城に居住が許される条件だったのに、1924年の馮玉祥のクーデターにより紫禁城を退去。1925年イギリスやオランダ公使館へ庇護を要請するものの拒否され、天津日本租界内張園に移転。1931年、満洲事変勃発後、大日本帝国陸軍からの満洲国元首への就任要請を受諾し、日本軍の手引きで天津を脱出、満洲へ移る。1934年満洲国皇帝(康徳帝)に即位。レジナルド・ジョンストン著『紫禁城の黄昏』、浅田次郎著『蒼穹の昴』に詳しく載っています。満州は満州人の土地で漢人のものではありません。何故万里の長城が出来たのか考えれば分かるはずです。その後、通州事件、第二次上海事変が引き起こされ、日本人の怒りが爆発し、日本は中国との戦争に引きずり込まされ、南京占領へと続きます。

通州事件(1937年7月)・・・日本軍の通州守備隊・通州特務機関及び日本人居留民への残虐・猟奇殺人事件。保守派有志が世界記憶遺産に申請。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%9A%E5%B7%9E%E4%BA%8B%E4%BB%B6

http://www.sankei.com/life/news/160603/lif1606030029-n1.html

第二次上海事変(1937年8月)を引き起こした国民党・張治中将軍はソ連のスパイで、日中が戦争するように導いたという説もあります。矢吹晋・横浜市大名誉教授はスパイ説を否定していますが、彼は共産主義シンパです。張治中の回想録で、本人がスパイだったなどと言う訳がありません。漢奸(売国奴)になるでしょう。瀬島龍三と一緒です。常識で考えれば分かること。イデオロギーに染まって見るから常識が働かなくなる訳です。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BC%B5%E6%B2%BB%E4%B8%AD

http://blogs.yahoo.co.jp/aki_setura2003/31405728.html

南京事件(1937年12月)で唐生智将軍は我先に逃げ(朝鮮人と一緒)、その責任を取りたくないものだから、南京虐殺をでっち上げたと考えています。中国人のやりそうなこと。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%94%90%E7%94%9F%E6%99%BA

中国の経済指標は当てになりません。第三次産業が伸びていると言っても不動産業の占める割合が大きいのでは。また借金して使っているのだから、景気が悪く見えないのも当然です。ただ、借金は、いつかは返さなくてはなりません。「資金繰り」がいつ詰まるかの問題です。人民元増刷で乗り切ろうとすれば、人民元暴落と激しいインフレを起こすでしょう。

記事

中国で、日本式の「スーパー銭湯」が人気を集めている。経営しているのは日本企業だ。

 国内で40店舗のスーパー銭湯をチェーン展開するジャスダック上場企業の極楽湯は、2013年に初の海外店舗を上海に開業。2年後には同じく上海に2号店をオープンさせた。初夏の今はオフシーズンだが、気温が下がる秋冬の週末には入館まで2~3時間待ちもザラという盛況ぶり。

 極楽湯が5月13日に発表した2016年3月期決算によれば、中国事業の売上高は前年度比107.4%アップと倍増し、開業3年で同社の総売上高の2割超を稼ぐ。損益も2年目から黒字。今夏には内陸部の武漢に3号店をオープンする予定で、将来は中国で100店舗を目指すという。

極楽湯の連結売上高の推移(単位:億円)

sales of Gokurakuyu

 ここまで読んで「えっ、ちょっと待って」と思う方も多そうだ。

 この1年ほど、中国経済に関する日本の報道で「減速」の二文字を見ない日はほとんどない。今年1~3月期のGDP(国内総生産)成長率は6.7%と7年ぶりの低水準に落ち込み、株価暴落や製造業の不振など景気の悪い話が目白押しだ。日常生活のなかで中国とかかわりがなければ、「中国経済は崩壊寸前」と思い込んでもおかしくない。

肌感覚とマクロ指標のズレ

 そんな中、なぜ極楽湯は好調なのか。

 もし機会があれば、北京、上海、深センなどの中国の大都市をぜひ訪れてみてほしい。週末のレストランやショッピングモールは、一部の高級店を除けばお客さんでいっぱい。朝夕の幹線道路は大渋滞だし、都市間を結ぶ高速鉄道や飛行機もほぼ満席だ。道ゆく人々の表情もおしなべて明るい。肌感覚で測る限り、そう景気が悪そうには見えないはずだ。

 経済指標と街中のギャップの背景には、中国経済の減速と同時進行で起きている大きな構造変化がある、というのが筆者の見立て。製造業からサービス業への、成長エンジンの主役交代が加速しているのだ。

 中国のGDPの産業別の内訳を見ると、サービス業が中心の第三次産業の比率が年々増加しており、製造業が中心の第二次産業を2012年に逆転。昨年ついにGDPの半分を超えた。

中国のGDPに占めるサービス業の比率

industry composition ratio of China's GDP

 第三次産業に限れば、1~3月期の成長率は7.6%と全体平均を上回る。サービス業の比率が高い大都市ではさらに鮮明だ。例えば上海では全産業に占める第三次産業の比率が1~3月期に初めて70%を超え、成長率は11.5%に達した。街角に不況感が見えないのも不思議ではない。

 「中国の経済指標は信用できない」と疑う向きもあるかもしれないが、こう考えていただきたい。経済が全体としては減速していても、その度合いは産業や企業によってまだら模様なのが実態だ。中国経済の成長エンジンが製造業からサービス業に大きくシフトするなか、消費者の関心は所有欲を満たす「モノ」だけでなく、価値ある体験を重視する「コト」へと広がってきている。こうした変化の潮流をつかみ、消費者に魅力のあるサービスや商品を提供できる企業にとっては、GDP成長率が高かった数年前よりも、むしろ今の方がチャンスが大きい、と言っても過言ではないのだ。

 本連載では、経済減速下の中国で業績を伸ばしている日本企業に注目し、現地事情に詳しいキーパーソンへのインタビューをお届けする。トップバッターの極楽湯では、本社の松本俊二専務と現場のコアメンバー3人にじっくりお話をうかがってきた。中国の街角景気の実態と合わせて、全4回で余すところなくお送りする。

(※ 本連載のインタビューは昨年12月~今年2月に行いました。筆者の事情により掲載が遅れたことをお詫びします。肩書きは当時のものです)

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—昨年来、中国経済の減速が盛んに報じられていますが、極楽湯ではそれを感じますか。

Shunji Matsumoto

極楽湯の松本俊二専務

松本:当社に限って言えば、少なくとも現時点ではそれほど強い影響は感じていません。もちろん中国経済全体で見れば、統計数字に表れているとおり成長の勢いが鈍化しています。とはいえ、あらゆる産業の景気が悪いかと言えばそんなことはない。製造業の状況はかなり深刻だと聞いていますが、サービス業は相対的に元気だと思います。

 それに、同じサービス業のなかでも濃淡があるんです。例えば、富裕層向けのブランド店や接待向けの超高級レストランは中国政府の“倹約令”などの影響が大きい。でも、都市部の中間層向けのショッピング・モールや映画館、そして私たちのビジネスである温浴施設などは、毎週末たくさんのお客様で賑わっています。

—経済全体では減速していても、御社は好調だと。

松本:おかげさまで(笑)。当社は海外進出の1号店を2013年2月に上海でオープンさせ、15年2月には同じく上海に2号店を出しました。1号店はもう4年目に入りましたが、来店客数も売上高もずっと前年超えが続いています。今夏には内陸部の武漢で3号店を開業する予定です。

 ちなみに温浴施設は、短期的な景気変動より気温の変化に大きく左右される商売なんですよ。ざっくり言えば秋冬がハイシーズンで、春夏がローシーズン。昨年の上海は夏から初秋にかけての気温が平年よりも高く、10月になってもお店が空いていたので、実はちょっと心配しました。

 ところが11月に入ってぐっと冷え込んだら、お客様が一気に押し寄せてきました。12月下旬に最低気温が一時マイナスになった時は、1号店の来店客数が1日に4000人を超えて過去最高を更新したほどです。あんな寒いなか、大勢のお客様に並んでお待ちいただいて、申し訳ないやらありがたいやら。

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雨の中、1号店に出来た行列

—入店までどのくらい待つんですか。

松本:ピーク時で3時間前後でしょうか。ロビーの椅子を増やして、なるべく店内でお待ちいただくようにしていますが、入りきれない時はお店の外に防風カーテンを設置して並んでいただきました。入店待ちのお客様には、「あと何時間かかりそう」とか「いつの時間帯なら比較的空いている」などのご案内もしています。それでも、ハイシーズンの週末はいつも昼前から夕方にかけて2~3時間待ちという状況です。

利用料金は日本のざっと3倍?!

—日本式のスーパー銭湯が、なぜそんなに人気なのでしょう。

松本:いくつか理由があると思いますが、大きな背景としては、やはり中国社会の変化があります。経済成長とともに人々の生活が豊かになり、上海のように中国のなかでも所得水準が高い大都市では、ある程度おカネと時間に余裕のある中間層の厚みが増しています。と同時に、彼らがおカネと時間の“使い方”に目を向ける段階に入ってきたのだと思います。

 日本でも、戦後の高度成長期を経て人々に経済的余裕が生まれ、さらに週休2日制の普及で時間的余裕ができたのをきっかけに、余暇やレジャーに目が向くようになりましたよね。そこにおカネや時間を費やすことの価値に、みんなが目覚めたわけです。同じことが中国でも起きつつある。

—利用料は日本と比較して安いのですか。

松本:いやいや。入館料は138元で、円換算すると約2300円。日本のスーパー銭湯の入館料は650~700円くらいですから、ざっと3倍強です。それだけのお金を払って来てくださるお客様が、上海では増え続けています。

—素朴な疑問ですが、中国人は入浴時に湯船につかる習慣がありませんよね。住宅の浴室も多くはシャワーだけです。そんな国の人々が、日本よりも高い料金を払って通うのは不思議です。

松本:確かに中国人全体で見れば、生まれてから一度も湯船につかったことのない人が今も大部分じゃないでしょうか。でも、うちのお客様である上海の中間層以上の人々は、必ずしもそうではないんです。

—というと。

松本:日本では最近、中国人観光客の“爆買い”が話題になっていますが、上海の富裕層の間ではずっと前から日本への観光旅行が静かなブームになっていました。中国から日本への団体ツアーには、必ずと言っていいほど温泉が組み込まれています。まず東京から入国し、箱根で温泉につかって、大阪から帰国するのが黄金ルートです。

 上海には、実際に日本へ行って温泉に入ったり、親戚や友人から「日本の温泉はすごく気持ちがよかったよ」という土産話を聞かされたりした経験のある人が、日本人が思っている以上にたくさんいます。そんな中から、「上海にもあんな温浴施設があったらいいな」という潜在ニーズが自然に生まれてきた。そこに当社の進出のタイミングがぴったり合ったのだと思います。

—極楽湯よりも先に中国に進出した同業他社や、日本の施設を真似た現地資本のスーパー銭湯はなかったんでしょうか。

松本:温浴施設が専業の日本企業では、当社の進出が初めてです。一方、現地資本の温浴施設はもともとたくさんあります。1号店を出す前に我々が調べた時点で、全国に2000施設くらいと言われていました。

 ただ、中国の温浴施設は長年「男の場所」というイメージだったんです。店内が薄暗くて、お客さんは男性ばかり。なかには風俗店まがいのサービスをしているところもある。もちろん健全なお店もありますし、女性客や家族連れもまったくいないわけではありませんが、比率は低い。日本で言うと昭和のサウナのイメージが近いかもしれませんね。

—女性や家族連れには入りづらい雰囲気だった。

女性客が入れるスパ銭がなかった

松本:その通りです。中国の女性には「温浴施設イコール、いかがわしい場所」という偏見の方が、むしろ実態以上に強かったんじゃないでしょうか。

 当社が上海進出を決断したのは2011年で、これは好立地の物件を紹介してもらえたのが決め手でしたが、実は中国進出に向けた現地調査はその数年前から始めていました。というのも、現地の不動産デベロッパーさんなどから「進出しないか」という誘いが何度もあったんです。結局、条件などが折り合わなくて実現は後になりましたが、その時の調査を通じて、温浴施設そのものは中国にもたくさんあることがわかった。

—ニーズはあると判断できた。

松本:それなのに、利用客はほぼ男性のみでした。私たちが実際に現地を見に行っても、確かに店内は薄暗いし、あまり衛生的な感じがしない。「これじゃ女性や家族連れが来ないのも無理ないよね」と。

 逆に言えば、中国の女性の偏見を覆すような温浴施設を作れば、既存の男性客や家族連れを含めて大きな潜在ニーズを掘り起こせるんじゃないか。私たちが進出することで、新しいマーケットが創れるはずだと。そんな自信を持てたことが、進出を決断するうえでは大きかったですね。

—2011年と言えば、日本では東日本大震災もあり、デフレや人口減少など国内経済の先行きに暗いムードが漂っていました。国内事業の将来的な縮小を見込んで中国に打って出た面もあるんでしょうか。

松本:いえ、そこまで先見性があったわけではありません。

 当時の国内事業は安定しており、海外進出は喫緊の課題ではなかった。むしろ中国側から案件がちらほら持ち込まれていたので、「向こうから来るくらいだからビジネスとして有望なんじゃないか」、「じゃあちょっと調べてみよう」というところからスタートしたんです。

 その結果「いける」と判断したので、上海に1号店を出し、続いて2号店を作りと進めてきましたが、その間も日本はデフレ傾向が続き、2014年には消費税が引き上げられて…。いま振り返ると、あの時に進出を決断してよかったなと思います。

—日本ではスーパー銭湯の経営環境が厳しくなっているのでしょうか。

松本:スーパー銭湯の出店に適した場所はある程度限られていますから、国内市場全体で見れば既に飽和状態に近いと思います。そんななか、ある企業は新店を出し、ある会社は閉店するという具合に、優勝劣敗がはっきりしつつあるのが近年の状況です。

松本:ちなみに当社の国内事業は直近の決算(2016年3月期)でも増収増益でした。これは2014年にオープンした「RAKU SPA鶴見」のようにリゾート志向やエンターテインメント性を高めた新店舗を出したり、その他の既存店でもお客様の満足度を高める努力を地道にやってきた成果だと思います。

 とはいえ、中長期的に見れば国内市場の成長は期待しにくいので、中国という成長力のある市場に足がかりを築けたのは当社の強みですね。

—話が戻りますが、御社の施設は中国の既存の温浴施設とは、具体的にどんなところが違うんですか。

松本:まずは何と言ってもお風呂の水質管理と衛生管理です。例えば、浴場のお湯は日本の設備を入れて徹底的に浄化すると同時に「軟水化」もしています。中国の水道水は濁りが入ることが珍しくないうえ、硬度が高いので、そのまま頭を洗うと髪の毛がゴワゴワになってしまうんですよ。

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1号店の浴室。日本のそれと区別がつかない。

 上海の水道水を調べた段階で、「これは徹底した浄化と軟水化をしないとダメだ」と判断しました。日本の風呂屋だからそれが当たり前だと思って取り組んだんですが、1号店をオープンした後、あるお客様から「こんなに透き通ったお湯は初めて見た」と褒められました(笑)。お風呂から上がった後も髪の毛がゴワゴワせず、肌もすべすべでしっとりしている。上海女性はそんな違いにとても敏感で、私たちの予想以上の評価をしてくれました。その評判がクチコミやSNS(交流サイト)で広がり、オープン半年後くらいから一気に火がついた感じです。

—水質の違いを文字通り「肌で感じて」もらえたと。

松本:水質だけでなく、施設全体の清潔さも自慢です。館内のあらゆる場所を、スタッフが必ず15分に1度はチェックして掃除をしています。

 それから秘訣と言えるかどうかわかりませんが、お客様を「裸足」にしたことも大きい。入館時に靴をロッカーに預けてもらい、館内は裸足で歩いていただくようにしたことで、衛生管理がずっとやりやすくなりました。

サンダル履きにしなかった理由

—どういうことですか。

松本:中国の温浴施設でも入館時に靴は脱ぎますが、館内はサンダル履きというところが多いんです。すると、中国人の感覚ではお店の床は地べたと同じで、ゴミを捨てたり痰を吐いたりする人が出てくる。

 注意せねばならないのは、これは良し悪しではなく習慣の問題だ、ということです。同じ中国人でも、自分が裸足で歩く場所にゴミを捨てたり痰を吐いたりすることはほとんどありません。

—なるほど。

松本:もちろん、マナーを守らない人がゼロにはなりませんが、そういうお客さんがいたら、最近は常連客が注意してくれます。

—事前調査で中国の温浴施設がサンダル履きなのを見たら、普通は「うちもサンダル履きにしよう」と考えそうですが、なぜ裸足にこだわったんですか。

松本:最初から裸足ありきではなく、日本のお店では裸足が当たり前だから、どうすれば日本と同じにできるかという発想で考えました。

 それで、まず「中国ではなぜサンダル履きが当たり前なんだろう?」と。「確かに床が汚いよね」。「どうして汚いんだろう?」。「ゴミを捨てたり痰を吐く人が多いからね」。「汚させない方法はないのかな?」。「日本のように裸足にすれば汚さないんじゃないか」。「じゃあサンダルそのものを置かなければいい」という具合に、社員たちが知恵を出し合って決めました。

 1号店は本当にゼロからのスタートでしたから、この話に限らず中国と日本で習慣が違う場合は、まずどこが違うのか。なぜ違うのか。どうすれば日本と同じにできるか。そういうことをひとつひとつ考えて積み上げながら、独自のスタイルを作り上げていったんです。

—日本式が受け入れられた点はほかにもありますか。

松本:もちろん、いわゆる「おもてなし」にも力を入れています。日本の会社だけに、お客様の期待値も高いですからね。中国のサービス業では受付の従業員がスマートフォンを見ながら接客したり、ウエートレスがおしぼりを投げて渡したりするのが珍しくありませんが、うちの従業員は絶対しません(笑)。

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 お店の現場の従業員は女性が多いんですが、ただでさえ日中の文化の違いがあるうえ、先ほども触れた温浴施設への偏見もあります。1号店ができる前はこの偏見が災いして、募集をかけてもなかなか人が集まらず、やっと採用しても本人が親に反対されて入社を辞退することもありました。

—採用後の社員教育も大変なのでは。

松本:そもそも風呂屋という商売は、一般の中国人にはまったくなじみがありません。日本へ行ったことも、湯船につかったこともない新入社員に、日本のお風呂とはどういうものかや、「おもてなし」の考え方、必要とされる衛生管理やサービスの水準などを説明し、理解してもらい、実践してもらう必要があります。

コンサルタントに頼るべからず

 実は中国進出を決めた時、本社から上海に派遣した日本人スタッフのなかには中国語を話せる者も、中国で仕事をした経験がある者もいませんでした。さらに私は、彼らに向かって「最初からコンサルタントに頼らず、何事も自分たちで解決しなさい」と指示しました。並大抵の苦労ではなかったと思います。

—初めての海外進出なのに、現地事情に詳しいコンサルタントに頼るなと。どうしてですか。

松本:やっぱり自分たちの目で見て、耳で聞いて、肌で感じて、自分で理解したうえで判断する。そうしなければ本当のノウハウが身につかないからです。別にコンサルタントを否定しているわけではなく、まず自分たちで一生懸命やってみて、どうしても困難だとわかったら専門家に入ってもらえばいい。

 当社は「風呂屋のプロ集団」を自任しています。例えば設備を修理する場合、もちろん業者さんにおカネを払って任せることもできます。でも、それでは設備のどこがどうなって故障したのか、どう修理すればより改善できるのかがわかりません。だから社員が立ち会い、ノウハウを学んで、次回は自分でできるようにする。そこまでやらないとプロとは言えませんよね。

 中国プロジェクトも同じです。上海に派遣したスタッフは本当によく頑張ってくれたと思います。

—差し支えなければ、より具体的な苦労話をお聞かせいただけませんか。

松本:それなら、上海で実際に店舗を立ち上げた彼らの方が適任でしょう。ご紹介しますから、じっくり聞いてやってください。

(次回に続く)

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中国・上海の極楽湯1号店

(前回から読む

 上海女性に大人気の日本式スーパー銭湯「極楽湯」。その1号店を立ち上げるため現地に乗り込んだ日本人スタッフのなかには、中国語を話せる者も中国ビジネスの経験者もいなかった。そのうえ、本社からは「コンサルタントに頼らず、何事も自分たちで解決しろ」と命じられ…。

 言葉も文化も異なる中国で次々に降りかかる難題に、彼らはどう立ち向かったのか。極楽湯インタビューの「現場編」では3人のキーパーソンのお話をうかがった。今回は店舗建設および営業の責任者を務めた、極楽湯執行役員海外事業部長(開発担当)の椎名晴信さんです。

(※ 本連載のインタビューは昨年12月~今年2月に行いました。筆者の事情により掲載が遅れたことをお詫びします。肩書きは当時のものです)

*  *  *

—極楽湯の上海進出にあたり、椎名さんは店舗建設の施工管理と営業体制づくりを任されたそうですね。現地に赴任する前は、日本でも店舗開発の仕事をしていたんですか。

Harunobu Shiina

極楽湯執行役員海外事業部長(開発担当)の椎名晴信さん

椎名:いや、実を言うと日本では新店舗の立ち上げに携わったことがないんです。当社には2005年に転職で中途入社し、複数のお店で店長を経験した後、地域の店舗を統括するスーパーバイザーになりました。

 僕が上海に赴任したのは2011年6月ですが、その直前は8つの直営店を統括していました。店長時代もスーパーバイザーの時もすべて既存店だったので、特に建設関係については知識も経験もない。いわばずぶの素人ですから、着任当初は「こういう店を作りたい」という理想よりも、「とにかく最後までやり切るしかない」という使命感の方が強かったです。

—不安や抵抗感はありませんでしたか。

椎名:それはなかったですね。と言うのも、僕はもともと海外事業の立ち上げを経験してみたいと思っていたからです。国内事業は安定している半面、どうしてもルーチン的な仕事が多くなります。それは悪いことではありませんが、僕の性格は同じ仕事が3年続くと飽きてしまう(笑)。もっと「血湧き肉躍る」経験がしたくて、もしかしたら海外にあるんじゃないかと。

 実際に中国に赴任したら、もちろん最初は右も左もわからず、日本ではまず経験しないであろう嫌な思いや歯がゆい思いをたくさんしました。でも、いま振り返ってもそれは自分にとってマイナスではなかった。むしろ、中国に来られてよかったと思っています。

進まない工事に、ヘルメットを2個割った

—とはいえ、事業をゼロから立ち上げるプレッシャーは相当だったでしょう。どんな経験をされたか、苦労したかを聞かせていただけませんか。

椎名:上海に赴任した時、すでに1号店の場所は決まっていました。もともと工場として使われて建物を借りて、店舗に改築する計画です。実際に工事をするのは中国の建設会社ですが、僕の任務はその進捗を監督し、予定通りにお店をオープンさせることでした。

 ところが、もう最初からトラブルの連続です。始めのうち一番困ったのは、とにかく工事が前に進まないこと。

—というと。

椎名:僕が現場に行くと、まず作業員の人数がそろっていない。毎朝のようにそうです。それでも作業に取りかかりますが、どんなに遅れていても昼時になればみんな手を止めて食事をするし、夕方は定時で帰ってしまう。「工期を守る」ことについて、誰ひとり責任感がなかったんです。

—施工主が急かしても聞く耳を持たない?

椎名:全然です(苦笑)。工程表を作って「この通りにやってくれ」と頼んでも、現場監督だって定時に帰りますからね。僕はずっとイライラし通しで、工事が終わるまでの間に怒りのあまりヘルメットを床に叩きつけて2個割りました。机も2回はひっくり返しましたよ。

 だいたい朝礼もしないから、今日はどこでどんな作業をするのか、情報がまったく共有されていません。だから、例えば浴場の床にコンクリートを流し、その上にタイルを貼ろうとしていると、まだ固まっていないコンクリートの上をずかずか歩いていく作業員がいる。で、僕がそいつを怒っている横を、別のやつがまたずかずかと歩いていく。

—なぜそんなことになるんでしょうか。

椎名:要するに、作業員たちは各自の持ち場で勝手に工事しているだけなんです。どの作業をどういう手順でやれば全体として効率的かという「段取り」の発想がないから、工事の進捗が遅れるのは当然でした。

—でも放置はできませんよね。どうやって乗り切ったんですか。

椎名:それはもう、言うことを聞いてくれるまで繰り返し言い続けるしかありません。ただ、中国語のできない僕がいちいち現場の作業員を注意して回っても伝わらないし、きりがない。だから現場監督をつかまえて、机を叩いて説得し、彼から作業員に「こういうふうにやれ」と言わせる以外に方法はありませんでした。

 そこで、僕は自分の机を現場監督の目の前に移動させて、一日中張り付くことにしました。毎朝、彼よりも早く現場事務所に行き、「今日は何をどこまでやるの」と聞く。彼が現場を回る時は、僕も一緒についていく。終業時には「今日はどこまでできたの」と確認して、彼よりも後に帰る。向こうもムキになって言うことを聞かないから、僕も同じことをやってやろうと。

「違う人間だ」と思い込むと壁は破れない

—根比べですね。

椎名:もちろん意地悪でやったわけじゃありません。現場監督だって、段取りがまずいのは悪気ではない。

中国人は何か問題が起きたり失敗した時、自分の責任を絶対に認めたがらないと言われますが。

椎名:そう言われますね。しかし、心の中では反省している人も多いんです。そこは同じ人間ですから、「この人たちには良心がないんだ」と、相手を完全に否定したら一緒にやっていけません。

 だから、僕はいつも文句ばかり言っているけれど、同時に「心の中では君を信頼しているよ」、「ちゃんとやってくれれば怒らないんだよ」という気持ちを伝えるよう心がけました。そのために彼を食事に誘ったり、差し入れをしたり。何も特別なことではありませんが、これを毎日どれだけしつこく続けられるか。並みの駐在員なら途中で諦めたかもしれないですね。

—椎名さんはなぜ続けられたんですか。

椎名:それは日本で店長をしていた経験が大きいと思います。店長は文字通り店舗の長として日々の運営に全権を持つとともに、全責任を背負っています。本社からいつも見張られているわけではなく、ある程度の裁量権を与えられている半面、不意のトラブルにも即断で対応する必要があるんです。

椎名:スーパー銭湯には年間延べ数十万人のお客様が来ますから、やはりトラブルやクレームは避けられません。浴場で転んで怪我したとか、ロッカーに財布を忘れたとか。飲食部門もあるので、注文を間違えたとか料理の提供が遅いとか。感情的になっているお客様にも冷静に向き合い、その場その場で解決しなければならない。毎日やっていたら、やっぱり強くなりますよ。

—苦労したぶん、ノウハウも得られましたか。

椎名:そうですね。1号店の工事には1年半かかりましたが、2号店ではそれまでの経験を活かして9カ月で終えることができました。建設会社の専門家に聞いたところ、これは中国では特別早いペースだそうです。

 1号店の時は自分が焦っていたこともあって、最初のうちは「何も理解しなくていいから、こちらの言う通りにやってくれ」という考えでした。でも試行錯誤を重ねるうちに気付いたんです。相手に聞く耳を持ってもらう秘訣は、彼らに納得してもらうことだと。そこで、2号店の工事では「こういうことをしたいんだ」「こうすれば早くできるはずでしょう」と、現場監督に事前に説明して理解してもらうようにしました。

—例えばどんなことですか。

椎名:中国の内装工事は、いわゆる「現場合わせ」がとても多いんです。例えば店の受付のカウンターなんかは、現場に材料を運び入れて「こっちがちょっと長いぞ」、「そっちは短いな」などと調整しながら作っている。これでは時間がかかって仕方ありません。

 そこで、2号店では現場合わせを極力やめました。カウンターなどは最初からきっちり寸法を測って他の場所で組み立て、現場では据え付けるだけにする。「こうした方が早い」と理解すれば、彼らも素直に従ってくれます。

 また、中国の施工業者のレベルが感覚的にわかるようになったので、その実力に合わせた段取りを組むようにしました。

3年後の予想を1年で達成

—どういうことですか?

椎名:彼らは悪気でなく、実力を超えた工程表を持ってきたりするんですよ。そんな時は、「この人数で、これだけの時間でやるのは無理でしょ」と率直に指摘します。実際にできることとできないことをはっきりさせ、そのうえで、できないことは別途協議して対策を考える。そういった割り切りも大切なんです。

—もうひとつのミッションである営業体制作りはどうでしたか。やはり苦労が絶えなかった?

椎名:営業面の使命は、上海で極楽湯の知名度を高め、ターゲットの顧客層にいかにご来店いただくかでした。もちろん様々な試行錯誤をしましたが、結果として見ると“追い風”に恵まれたと思います。

 本社の松本(俊二専務、第一回はこちら)も話したと思いますが、我々が進出する前から中国にも温浴施設はありました。そんななかで極楽湯が成功したのは、最初から女性をターゲットにした店づくりをしたことが大きいんです。要するに狙った顧客層がどんぴしゃだった。

 とはいえ、知名度を高めてお客様がたくさん来てくれるようになるまで、僕は3年はかかるだろうと予想していた。でも、実際に開業したら1年目からいっぱいになりました。

—どうしてですか。

椎名:1号店のコンセプトは「ビューティー・アンド・ヘルス」。つまり女性の美と健康の追究です。我々は競合の温浴施設にはない、女性にとって魅力のある店作りをしたことで、高い評価をいただきました。

 加えて幸運だったのが、開業時期が「ウィーチャット」(微信=中国版LINE)などのSNSの大流行に火がつくタイミングに重なったことです。上海の若い女性たちは美容や健康への関心だけでなく、情報への感度も非常に高い。気に入った商品やサービスを見つけると、SNSで情報発信する人がとても多いんです。お客様が短期間にわっと増えたのは、それが理由だと思います。

—SNSを通じたクチコミ効果が大きかったと。

椎名:はい。訪日中国人観光客による粉ミルクや化粧品の“爆買い”が典型例ですが、中国の女性たちの間には、「日本のものは安全で、美容や健康に良い」というイメージが強くあります。そして、実際に日本の商品やサービスの良さを知った人は、もっといろいろ試したいと思っている。そんな彼女たちが、SNSを通じて絶えず情報を発信しているわけです。

 ただし、日本のものなら何でもいいわけではありません。爆買いにしても、SNSで話題になった特定の商品に人気が集中する傾向があり、類似品は期待したほど売れないそうです。逆に言うと、彼女たちの指名買いに選ばれればものすごい追い風が吹く。「極楽湯に行ってみたよ」、「また来たいな」などと発信されるたびに、新しいお客さんがどんどんやってきます。

お湯の違いは、設備とメンテナンスの違い

—上海の女性たちには、極楽湯のどこが一番の魅力なんでしょう。

椎名:突き詰めて言えば、安心してゆったり過ごせる快適さと清潔さに尽きます。そもそも中国の温浴施設とはお湯がまったく違いますからね。上海の水道水の硬度は180くらいですが、極楽湯では専用の装置を使って日本の温浴施設と同水準の30~60まで落としています。ここまで硬度を下げると、シャンプーの泡立ちの違いがはっきりわかる。また、お湯に少しぬめりがあって、肌に潤いを感じるんです。

(注:水の硬度は1リットル中に溶けているカルシウム・マグネシウムの量で表わされる。単位はmg/l。一般的には硬度100未満を軟水と呼ぶことが多い)

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冬になると1号店には、受付から店の外まで続く大行列ができる。

 我々はさらに、このお湯を30分以内に1回の速度で循環させています。つまり湯船のなかが、30分毎に濾過されたきれいなお湯に全部入れ替わっているわけです。一方、中国の温浴施設の循環速度は設計上で2時間に1回くらいが普通です。実際にはお湯があふれて減った分だけ足す、というレベルの施設も少なくない。

 お湯を軟水化したうえ、衛生管理をここまで徹底している温浴施設は極楽湯のほかにありません。そこは我々も売り物としてアピールしています。おかげで設備のメンテナンスは大変ですけどね(苦笑)。

—メンテナンスに関して、中国独特の苦労やノウハウはありますか。

椎名:日本のお店と同じ基準でメンテナンスしているので、その意味では特別なことはしていません。でも、日本と違うのは設備のトラブルの頻度です。中国製の設備は、ボイラーもポンプも本当によく壊れます。

 例えば、1号店のお湯を循環させるポンプは最初は中国製を採用したんですが、オープンから1週間で1台目が故障しました。1カ月後には全部ダメになり、結局、すべて日本メーカーのポンプに入れ替えました。

 お店では、お湯の温度や残留塩素濃度などの水質を1時間に1回必ずチェックしています。これは衛生管理であると同時に、実は故障対策でもあるんです。もし2時間に1回だったら、その間にトラブルが起きてお湯の温度が下がってしまうリスクがあるので…。

—全部日本製にしてはどうでしょう。

椎名:コストや修理のしやすさを考えると、それは現実的ではないんです。電気の制御盤や配管の電磁バルブなど、壊れた時のダメージが大きいものに関しては、日本製や日本メーカーの現地生産品を入れています。でも、それでも壊れたことがあります。電力会社が供給する電気が不安定なことが原因でした。

 設備が全部中国製だったら、もっともっと大変なはずです。そのせいか中国の温浴施設では、複数ある浴槽のなかにお湯が抜かれたまま放置されているものをよく見かけます。故障は当たり前だし、修理にはコストがかかる。だからお客様が使えなくても仕方ないという発想なのでしょう。

 しかし、我々はお客様から同じ入館料をいただいている以上、いつでも同じサービスを提供することにこだわっています。浴槽にお湯がないなんてあり得ません。一時的にでも不具合があれば、正直にお客様に知らせています。

有事即応に、現場の裁量権は必須です

—こだわりは中国のお客さんに伝わっていますか。

椎名:絶対に伝わっていると思います。例えとしてはちょっと不謹慎かもしれませんが、極楽湯では長湯しすぎでフラフラになってしまうお客様がけっこういて、それも女性が多いんです。中国人は湯船に慣れていない人が少なくないので、加減がわからずにのぼせてしまう。逆に言えばそのくらい快適で、ついつい長湯してしまうのだと思います。

—苦労しただけの成果はあったと。

椎名:ゼロから立ち上げた中国事業がお客様に評価され、1店舗目から黒字化できたのは、やはり自らの手でたくさんの失敗と修正を積み重ねてきたことが大きいと思います。中国はトラブルも多い半面、失敗を糧にできるというか、失敗してもすぐ方向を修正できる雰囲気がある。そこが中国の良いところです。

 その意味では、本社が最初から現地スタッフにある程度の裁量を持たせてくれたのがよかったと思います。何でもかんでも本社にお伺いを立てていたら時間がかかるうえ、物事がなかなか前に進みませんからね。

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