『習政権が批判恐れ? 重要会議が開かれない理由 北京の権力闘争、膠着状態に突入か』(11/14日経ビジネスオンライン 福島香織)について

11/16日経朝刊<米豪分断に動く中国 本社コメンテーター 秋田浩之

美しい群島が広がり、海の楽園として知られる南太平洋。国際政治とさほど縁がなさそうなこの地に11月17~18日、アジアや米ロの首脳が勢ぞろいする。アジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議だ。

貿易の自由化や域内の経済協力が議題になるが、もっと注目すべき事態が現地では進んでいる。米国、オーストラリアと、中国によるし烈な縄張り争いだ。

パプアニューギニア、フィジー、ソロモン諸島、バヌアツ……。中国は猛烈に支援を注ぎ、経済だけでなく、軍事的な影響を強めようとしている。危機感を深めた米豪も、押し返そうと動く。

一見すると、いまや世界各地でみられる米中攻防の日常風景にすぎないように思えるが、そうではない。なぜなら、この海洋は、米中覇権争いの勝敗を分ける「関ケ原」だからだ。その理由は後にふれるとして、まず、いま起きていることを眺めてみよう。

▼バヌアツでは2017年後半から、中国による大掛かりな港の建設が進む。両国は表向き否定するが、豪政府筋によると、中国が海軍基地を設ける動きもある。

▼中国は18年、フィジーに偵察用軍艦1隻と警察車両50台を贈った。近年、年1~2回のペースで中国軍艦船がフィジーに寄港。軍事交流も加速している。

▼降り注ぐ中国の支援により、パプアでは高速道路や会議場、トンガでは港や病院の整備が進む。パプアでは対外債務の約4分の1、トンガは約6割以上を中国の融資が占めるまでになった。

豪シンクタンク、ロウイー研究所によると、06~16年に中国から太平洋諸国に流れた支援は約18億ドル(約1980億円)にのぼる。米国の約19億ドルと肩を並べ、日本の約12億ドルをしのぐ。

南太平洋の「大国」であるパプアでは、数年以内に中国の軍港がつくられ、中国海軍の拠点になりかねないという観測も流れる。

そうなれば、豪州は喉ぼとけに刃を突き付けられてしまう。対抗策として、豪州政府はパプア北部の海軍基地を自分たちが改修し、パプア側と共同で使う案を投げているという。

では、中国はなぜ、遠く離れた南太平洋にまで触手を伸ばすのか。主には3つの狙いがあるだろう。まず、台湾の外交空間の切り崩しだ。台湾と国交を結ぶ17カ国のうち、約3分の1が太平洋に集まっている。

第2に、中国と中南米を結ぶシーレーン(海上交通路)の安定だ。中国は中南米からたくさんの食糧や鉱物を輸入しており、南太平洋は大切な航路にあたる。

この2つなら、米中覇権争いを左右するほどの動きではない。注視すべきなのが、第3の思惑だ。

米豪の軍略家らによると、中国は米豪を地政学的に切り離し、いざという事態になっても、連携できないようにする意図がうかがえるという。彼らが警戒するのは、次のようなシナリオだ。

中国は豪州を取り囲むようにパプア、バヌアツ、フィジー、トンガに軍事拠点を設ける。台湾と国交を結んでいるソロモン諸島もそこに取り込み、豪州を包囲する「群島の長城」を築き上げる。

こうなると、米軍はいざというとき、豪州の基地を当てにできなくなる。南シナ海やインド洋で米中がぶつかっても、遠方の在日基地しか頼りにできず、不利な体勢を強いられてしまう……。

9月上旬、豪州の地方都市ボーラルで日米豪印の当局者や識者が集まり、非公開の対話が開かれた。そこでも中国による南太平洋への浸透が焦点のひとつになり、「米豪分断」への懸念が出た。

絵空事とは言い切れない。米軍はいま、インド洋や南シナ海をにらみ、豪州北端のダーウィン基地に海兵隊員1600人を駐留させている。ところが、この近くに中国の「群島の長城」が出現したら、「米軍の行動は制約されてしまう」(米安保専門家)。

直ちにそこまで至らなくても、中国軍は米軍や豪州軍をレーダーで監視したり、今よりひんぱんに各島に軍艦を出没させたりして、揺さぶることもできる。

これが机上の空論ではないことは、歴史が示している。日本は先の太平洋戦争で、米国を攻略するため、米豪の連携を断とうとした。それにより、米軍が豪州の基地を使えないようにし、対米戦争を有利に進めるためだ。

FS作戦の名称でフィジーやサモアの攻略を計画。中止に追い込まれた後、ガダルカナル島(ソロモン諸島)に航空基地を確保し、米豪を遮断しようとした。同島を巡る激戦はよく知られている。

むろん、経済的に結びついた米中が、日米のような戦争に向かうとは考えづらいし、あってはならないことだ。そんなことになれば、米中がともに傷つき、世界の安定も崩れてしまう。

それでも、米中の覇権争いが深まるにつれ、南太平洋をめぐる角逐は熱を帯びるにちがいない。いまの秩序を守るうえでも、豪州や日本、インド、東南アジアが協力し、南太平洋諸国への関与を深めるときだ。

地政学の大家である米国のニコラス・スパイクマン(1893~1943年)は、南太平洋から南シナ海に広がる一帯を「アジアの地中海」と呼んだ。古来、地中海の争いが大国の興亡を左右したように、ここをおさえた大国がアジア太平洋を支配する、という意味である。彼の警鐘は古びるどころか、現実味を増している。>(以上)

米国は1830年代のアンドリュージャクソン大統領による“trail of tears”、“Manifest Destiny”(1845年)で西部開拓、南北戦争(1861年~65年)終結後、北部帝国主義者は西部開拓の先にある太平洋に目をつけ、「20世紀は太平洋の時代である」と。太平洋を挟んで勃興する2つの大国、一つは開国を迫り、もう一つは開国を迫られた国で、太平洋を舞台に衝突するのは必然だったのかも。まあ、米国人のスパイクマンが言ったことを吟味していれば、日本を叩き潰したように、中国も叩き潰すしかないというのは分かるでしょう。しかし気付くのが余りに遅い。米国人の目は節穴かと言いたいですが。

安倍首相のダーウイン訪問と戦没者慰霊碑での献花も、豪州が中国人へダーウイン港を99年貸与したため、日本人デイスカウントのプロパガンダを相当意識したのでは。

11/15産経.com<ロシアの聖域「北極海」に中国が触手 日露防衛協力に活路>

日本の最大の脅威は中共です。日本だけではなく世界の脅威ですから、ロシアと手を結んで中共を封じ込めるのも必要かと。勿論米・印・豪・台との連携の上でとの前提です。

https://www.sankei.com/politics/news/181115/plt1811150001-n1.html

11/15希望之声<中美贸易战迫北京松绑限韩令?组团赴韩无阻=米中貿易戦のせいで北京は韓国制限令を緩める 韓国への団体旅行を阻止せず>米中貿易戦が爆発し、北京に世界経済の中での自分の位置を再び注視させるようになった。中韓関係は去年のTHAAD騒動以来、中国が韓国制限令を出し、韓国スターの中国での活動を取消、中国人の韓国への団体旅行も取り消した。貿易戦が次第に激化するに従い、北京は制限令を緩和し始めた。14日、韓国メデイアは「中国の旅行社は既に韓国への団体旅行の販売を始めた」と報道した。

まあ、韓国も日本の敵国に認定されていますから、敵国同士仲良くやれば良いでしょう。

https://www.soundofhope.org/gb/2018/11/15/n2383729.html

11/15阿波羅新聞網<习回应川普要求内容曝光?彭斯提6道底线 不见习近平=習近平はトランプの要求に返事、この内容が明らかに ペンスは6つの最低線を示すが、習とは会わず>ロイター社は「中共は書面にて米国の貿易改革の要求に回答した」と報道。トランプの政敵のブルームバーグ社は「文書の大部分は昔のやり方其の儘で、トランプが要求している機構改革に応えていないし、産業政策も其の儘、例えば「中国製造2025」も其の儘である」と報道。

アメリカンエンタープライズ研究所のDerek Scissorsは水曜日メデイアの訪問を受け、「ムニューチン財務長官とクドロー顧問は中共との交渉には最適な人選ではない。両者ともハードネゴの経験が無い。ライハイザー通商代表が交渉しなければ、交渉は米国にとって良いものとはならないだろう」と述べた。また「今月末のトランプ・習会談は停戦協議が合意できれば最高の結果になる。或は交渉期間の中国商品の懲罰的関税を停止、或はもっと多くの中国商品に薄く関税をかけるか」であるとも。

ペンスは14日、米国の貿易交渉での守るべき6つの最低線を示した。貿易紛争の問題を除き、①知財の保護②強制技術移転停止③外資の市場参入制限撤廃④国際規則の遵守⑤国際水域の自由航行⑥中共が譲歩。ペンスと習は17日パブアニューギニアでのAPECに参加するが会う予定はなし。

クドローとナバロは考えが違うのを表に出している。クドローは中国と交渉すべきと思っているが、ナバロは北京は全く信用できないと思っている。中共の返事を見ても両者は違うように感じている。タカ派のナバロは北京の案はやはり中味がなく、具体的に見える行動に欠け、使い古された手であり、混乱を招くだけと思っている。クドローは、中共は既に妥協の気持ちを持っているので再び会談しても良いと。クドローとナバロでは、トランプの影響力に関してはクドローの方が大きい。このような状況なのでトランプは会談を受けるだろう。中間選挙後の重大決定をすることになる。米中貿易戦は見たくはないが間もなく休戦するかもしれない。但し楽観はできない。

ナバロの言うのが正しい。中国人の言うことを信じる方がどうかしているでしょう。米国は大東亜戦争前から中国に騙されて来たのにまだ分からないとしたら愚かなことです。中国は約束は破って当り前、いくら書面にしても守らないではないですか。WTO加盟時の約束のように。

http://www.aboluowang.com/2018/1115/1204576.html

福島氏の記事を読んで、いよいよもって中共の最期の時が近づいてきたのかと期待してしまいます。或は習近平が打倒されるのかと。小生は両者打倒されるのを望んでいます。世界に悪を為す中共の存在を許せば、それこそ人道に対する罪に当たるのでは。現にウイグル人の強制収用、チベット人の焼身自殺とかが続いています。これこそ共産主義の狂気と言うもの。エスニック・クレンジングと宗教裁判みたいなものです。日本の人権派弁護士はなぜ彼らを救うようには動かないのかな?朝鮮人の不当請求や日本デイスカウントには喜々として手を差し伸べるのに。彼らは似非人権派という事です。中国の人権派弁護士とは全然違います。自らを何時も安全圏に置いて、喚いて金を稼ぐ見下げ果てた奴らです。三百代言と言うのが相応しい。

記事

2015年2月、政治会議「四中全会」の決定事項推進について語る習近平主席(写真:新華社/アフロ)

11月中旬にもなって中国共産党の秋の重要な政治会議である四中全会(中央委員会第四回全体会議=中央委員会総会)のアナウンスがない。10月20日、安倍晋三首相訪中直前に開かれる、という情報もあったが、習近平は強引に香港マカオ珠海大橋開通式出席を含めた南方視察の予定を入れて、これを11月頭に延期とした。だが11月初旬、習近平は上海で開催された輸出博覧会の開幕式出席という予定を入れて、さらに延期。では米国の中間選挙の結果をみてから開くのだろうかと思われていたが、中間選挙が終わってからもう一週間だ。14、17日にはAPEC年度総会などの日程が入っており、11月中旬も時間がありそうもない。改革開放以来、秋の中央委員会総会がこんなに遅くなったことはない。共産党内部で何か揉めていて総会を開くどころではないのだ、と噂が立っている。

中央委員会総会を開くのはだいたい秋であり、その翌年春の両会(全国人民代表大会、全国政治協商委員会=国会に相当)で可決される政策を事前に党中央として可決するシステムである。その前の夏の北戴河で行われる非公式会議で、主要な幹部と長老とで秋の中央委員会総会で話し合われる政策や人事について地ならしが行われる。この流れを見てわかるように、政策を決めるのは党であって両会(国会)でも国務院(内閣)でもない。

2017年秋に5年に一回の党大会(十九期)が行われてその直後に第一回目の中央委員会総会、つまり一中全会が行われ、それから2カ月くらい後に二中全会が開かれると、通常は党大会翌年秋に三中全会が行われる。三中全会は本来、その年を含めた将来5年間の政策の方針が打ち出される特別重要な総会だ。

だが十九期の場合、全人代直前というイレギュラーなタイミングで憲法改正を行うために三中全会を開いてしまった。この三中全会では政策方針を打ち出す余裕はなかったのだから、今年秋にはやはり四中全会を開かなくてはいけないはずだ。少なくとも年内に開かなくては、来年春の両会の準備に間に合わないし、この広い中国で官僚や地方政府がそうした政策を実施するための実務にも支障が出よう。

習近平の大バッシング大会になる恐れ?

ではなぜ四中全会がこんなにも遅れているのか。強引に憲法を変え、集団指導体制の根本を揺るがし、個人独裁体制を打ち立てようとしている習近平政権二期目のやり方は、党内部でもいろいろ物議をかもしている。よほど内部で揉めているようだ。具体的に何を揉めているのだろう。

一説によると、今四中全会を開くと、習近平の大バッシング大会になってしまい、その権力の座が危ない、と習近平自身が恐れているから開けないのではないか、という。

ラジオ・フリー・アジアの取材に清華大学政治学部元講師の呉強がこうコメントしていた。

「習近平は南方視察の間、一度も大した演説をしなかった。改革開放についても何も語らなかった。四中全会の日程も、いまだアナウンスされていない。その理由について、北京の権力闘争が膠着状態に陥っているのではないかと思われる」

「わかっているのは習近平にしろ中国共産党にしろ、誰も未来に対する長期的な改革開放についての明確な計画を持っていないということ。これに加えて年初以来の憲法改正が引き起こした権力の真空と密接に関係していると思われる。大衆にしても、党幹部にしても目下一切の責任は習近平一個人にすべてあると考えている。党の幹部は現在二つの選択に直面している。党に忠誠を誓うべきか、あるいは習近平個人に忠誠を誓うべきか」

清華大学政治学部は習近平に対して政策提言も行うブレーン集団の一角だ。元講師の言葉とはいえ、内部状況をそれなりに把握したうえでの発言だとすると、今の共産党内部の状況は危機的ではないか。

党内がアンチ習近平派と習近平忠誠派に分かれての対立は、憲法修正によって国家主席任期制限が撤廃されて以降激化していると私も聞いている。アンチ習近平派は鄧小平路線支持者であり、国家主席任期制度を復活させ、習近平に潰されかけている集団指導体制を回復し、改革開放を継続、さらに深化させていくことを望んでいる。習近平路線とは鄧小平逆行路線、あるいは毛沢東回帰路線ともいえる新権威主義を掲げ、市場や企業に対しての党の干渉強化、コントロール強化を進めている。習近平が掲げる国有企業改革や混合経済推進とは、事実上民営企業の国有化といえる。

共産党の権威を最優先にして、為替から株価、不動産価格まで党の意向を反映させる。「バブル崩壊や金融危機は市場経済ゆえに起こる問題であるから、それを防ぐには党のコントロール強化が有益である」と、私の知り合いの体制内経済学者は習近平の経済路線の意義について説明していた。

北戴河会議を境に、習近平はこうしたアンチ派にある程度譲歩する形で、経済の主導権を本来の担当である首相の李克強に戻した。その後、あたかも鄧小平の「改革開放」路線に回帰するようなサインがいくつも出ている。例えば習近平の経済ブレーンの劉鶴が10月20日に中央メディア3社のインタビューに答える形で「社会で議論されている国進民退(国営企業を活性化させ民営企業を締め付ける=これまでの習近平路線とみられる)は誤解である」とのメッセージを発信し、銀行に対して民営企業向けの債権融資などを指示し、特に中小零細企業への支援を強化する姿勢を打ち出している。

続いて22日に、李克強が招集した国務院常務委員会会議では1500億元を民営企業に緊急輸出すると決定、金融機関に対して中小企業に対する信用融資を指示した。劉鶴の突然のメッセージ発信は上海株式総合指数が2500のラインを割って中国の市場に走った動揺を鎮めるためだといわれているが、同時に改革開放路線堅持、市場開放拡大の鄧小平路線に習近平路線が修正された合図と言う見方もあった。

実現しない習近平の重要講話

だが、本当に経済路線を従来の改革開放、市場拡大路線に戻すつもりならば、習近平の口から何等かのメッセージが出るはずではないか。だから多くの観測筋は、改革開放40年目の今年、鄧小平の南巡講話を真似した習近平の南方視察の際、特に香港マカオ珠海大橋開通セレモニーの際に重要講話が出ると思っていたのだ。この重要講話で鄧小平路線回帰を明確にするのではないか、と。

結局そうならなかったのは、習近平には未だ鄧小平路線回帰に抵抗感があり、市場開放拡大派との間で対立が残っているということではないだろうか。

もう一つの説は、米国との貿易戦争への対応と責任問題に決着がついておらず、四中全会が開けない、というものだ。あるいは中間選挙の結果をみて、米国の貿易戦争の姿勢になんらかの変化が期待できるか見極めてからにしよう、と先延ばしされた可能性がある。中間選挙の結果は下院を民主党が奪還し、いわゆるねじれ国会となった。だが、オバマの再来と言われたテキサス州の新人上院議員候補ベト・オルークは落選し、必ずしもトランプ政権の政策にノーの審判が下されたとはいいがたいし、そもそも対中強硬姿勢は超党派の一致であって、中間選挙の結果にほとんど左右されそうにない。

方向感覚を失った中国経済

香港城市大学の元政治学部教授・鄭宇碩がやはりラジオ・フリー・アジアでこうコメントしていた。

「トランプ大統領の対中政策は今後も大きく変わることはない。むしろ、これは相当長期化する。戦術上は米中双方が全面的な深手を負うことは避けられないのではないか? だが、ボールはやはり中国サイドにある」

「米国の要求はすでに明らかになっており、中国がどう返答するか、なのだ。これに中国共産党指導者たちはまず対応を決めなければならない。そのあと四中全会でその方針を可決しなければならない。だから四中全会前に最高指導部、特に習近平は米国の要求に対する一つのフレームとしての答えをだしていなければならないのだ」

その答えが出ていないから、四中全会が開けないわけだ。

米国の要求とは、中国がアメリカへの挑戦と覇権の野望を諦めること、そして米国式のグローバルスタンダード、つまり知財権保護ルールや金融、資本、為替を含む経済の市場化ルールを尊重すること。具体的には、中国製造2025戦略や一帯一路戦略を放棄することであり、今中国がやっている市場や資本、企業に対する党の介入をやめることである。もし中国最高指導部がこれを受け入れるとなると、おそらくは一帯一路戦略を党規約にまで書き込み、党の基本戦略と位置付けた習近平は政策ミスを認めて責任を取らねばならなくなるだろうし、それにとどまらず、資本や為替の自由化は中国共産党体制の崩壊の導火線に火をつけることになるだろう。

私は10月下旬、日中首脳会談が終わった直後に、中国のとある体制内経済学者と意見交換をしたのだが、その時の彼の言葉が印象深かった。

「中国経済は今、完全に方向感覚を失っている。どっちを向けばよいのかわからない」

中国式自由化、グローバル化とは

私は日中首脳会談で自由貿易体制の推進に習近平が同意していたことを思い出して、「結局、市場の自由化、グローバル化の方向に進むつもりなのだろう。だが、その自由化、グローバル化に産品やサービスだけでなく、資本や通貨、人の移動も含まれていなければ、真の市場開放とは言えない。共産党がコントロールする自由市場なんていうのは、自由市場とは呼ばないですよ」と問うたのだが、彼は即座に「我々のいう自由化、グローバル化に資本や為替の移動の自由は含まれていない。米国のいう自由化、グローバル化と概念が違う。日本がいう自由化も、厳密にいえば米国の自由化と違うだろう。中国は中国式の自由化、グローバル化を模索しているのだ」と答えた。

では中国式自由化、グローバル化とはどういうものなのか、それは日本や欧州やその他の地域が新たな国際スタンダードとして受け入れると思うのか、とさらに尋ねると、「それはまだわからない」と口ごもった。

こうしたやり取りから推測できるのは、今の党の最高指導部が口にしている市場開放や改革開放という言葉は、今までの資本主義や自由主義と違う概念として語っているということ。かといって、はっきりと中国式グローバルルールというものを打ち出せるほど、党内の意見は集約されていないことなどだ。

さらに彼はこう語る。

「今の国際状況は1930年代と似ている。国際社会の枠組みが音を立てて変わろうとしている。1930年代の人間に、今の国際社会の形が想像できただろうか。それと同じで、今私たちは将来にどんな社会が待ち受けているか、はっきりとは言えないが、従来の民主主義や資本主義とは違う全く新しいシステムによる枠組みが登場しても不思議ではない。それを作り出すのが中国かもしれない。もちろん日本かもしれない。私は農村生まれで子供のころは、誰もが会社にいって現金収入を得るのが当たり前なんて社会は想像できなかった。ひょっとすると、我々の子孫の世代は、労働が全部AIロボットにとってかわられ、働くということすら想像できないかもしれない。そのように世の中の変化というのは我々の想像の上をいくんだ」

最後に「新しい枠組みを作り出すのはたぶん、習近平や我々の世代よりも若い世代だ。中国がこれからどのような枠組みを作ろうとするのか、そういう質問はもっと若い人たちにすべきだ」と逃げられた。

個人的な印象をいえば、体制内にありながら誠実であろうとしている知識人とはこんな感じでしか語れないのだろうと思う。本当に途方に暮れているのかもしれないし、習近平にはっきりと間違いを指摘することが今の知識人たちには恐ろしくてできないから、わからない、と言葉を濁すことしかできないのかもしれない。

ただ、共産党内部がこんな調子であれば、来年に中国経済が直面する厄災はリーマンショック以上の規模になるかもしれない。日本が再発効したばかりの通貨スワップなど焼石に水だろう。早々に中国最高指導部が迷いと混乱から抜け出し、習近平路線にノーを突き付けて、四中全会が開かれることを願ってやまない。

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