『台湾・台北市長選で異変、中国「越境弾圧」がまさかの逆効果…反中派・沈伯洋が躍進、現職の蒋介石のひ孫を脅かす』(10/31JBプレス 福島香織)について

11/1The Gateway Pundit<27 States Win Lawsuits Against DOJ Saying They Would Violate Privacy Rights If They Divulged ‘Confidential’ Voter Info to US Government – But Same States Give Voter Registration Data to ERIC Every 60 Days!=27州が司法省を相手取った訴訟で勝訴。同州は、機密扱いの有権者情報を米国政府に開示すればプライバシー権を侵害すると主張しているが、同じ州が60日ごとに有権者登録データをERICに提供している!>

司法が不正選挙に加担していると思われても仕方がない。裁判所は腐敗している。

2025年9月、司法省公民権局は有権者登録名簿の取得を目的とした初の訴訟を起こした。対象はオレゴン州とメイン州だった。その約1週間後、さらに6州を相手取って訴訟を起こした。現在までに、ワシントンD.C.を含む31件の訴訟を起こしている。

司法省がこれらの有権者名簿を必要とする主な目的は、市民のみが投票していることを確認することです。彼らは、州から購入できる一般的な有権者登録リストよりも詳細な情報を必要としています。司法省は、生年月日、運転免許証番号、および社会保障番号の下4桁も必要としています。

オクラホマ州は訴訟を和解し、訴訟リストを提出した。地方裁判所では他に3件の訴訟が係争中である。残りの27件は地方裁判所判事によって棄却され、司法省の戦績は0勝27敗となった。

そして、これもある…。

拒否している州のほとんどは、電子有権者登録センター(ERIC)の加盟州です(下記の2列目参照)。ERICは、司法省が要求している情報だけでなく、それ以上の情報を定期的に受け取っています。TGPは長年にわたり、ERICについて頻繁に取り上げてきました。

司法省が起こした有権者登録データに関する訴訟の結果。

ERIC加盟州は、従業員3名の非営利団体と契約を締結するか、法律を可決した。各州はその後、2か月ごとに有権者登録リストとDMV/MVDデータベースをERICに提供する。グラフでは、司法省に抵抗している当局者の圧倒的多数は民主党員である。

定期的にこのようなデータを小さな非営利団体に提供しておきながら、公正な選挙を望む司法省には提供を拒否するのは、極めて偽善的、いや、腐敗行為とさえ言えるだろう。実際、ERIC加盟28州のうち、データ提供に応じたのはアラスカ州とサウスカロライナ州の2州のみで、両州は訴訟を起こすことなくデータを提供した。

連邦地方裁判所で却下された27件の訴訟のうち、司法省は23件を連邦巡回控訴裁判所に上訴した。ミシガン州の控訴審のみが判決に至った。2026年6月24日、第6巡回控訴裁判所は、司法省の訴訟を却下した地方裁判所の判決を支持した。最高裁判所にまで上訴された訴訟はない。

訴訟が却下される理由:
連邦判事らは概して、1960年公民権法は司法省が州に対し、修正されていない有権者登録データの提出を強制する法的権限を確立するものではないと述べている。各判事はそれぞれ異なる理由で州側に有利な判決を下した。

一部の裁判官は、プライバシー法によって司法省が必要とする個人情報へのアクセスが制限されていると述べている。一方、他の裁判官は、司法省が明確な必要性もなく何百万もの記録を求めているとして、要求が広範すぎると指摘している。

他の人々は、全米有権者登録法(NVRA)とアメリカ投票支援法(HAVA)は機密の有権者記録の開示を認めていないと述べた。彼らは、司法省の要求は議会が与えた権限を超えていると考えている。うんざりだ!

司法省公民権局が数十年にわたり、露骨な民主党主導の組織であったことは周知の事実だ。ハーミート・ディロン氏は、こうした全国規模の訴訟を監督する司法省の上級職員であり、同時に同局の偏見と腐敗の浄化にも尽力してきた。

司法省が提起した最初の2件の訴訟(メイン州とオレゴン州)では、データはすでに「執行権限を持たない民間組織」であるERICに提供されていると説明している。州は「米国司法長官が要求したのと同じ情報をERICに提供しているが、司法省には提供を拒否している」と説明している。

司法省による各州への有権者データ要求とERICとの比較。

我々の知る限り、この比較は2025年9月以降、司法省の訴訟で取り上げられたことはない。ERICにデータを提供しながら司法省にはデータ提供を拒否する州の奇妙な偽善について、裁判官が対処を迫られたことは一度もない。

裁判所は、司法省が選挙不正や有権者登録の不正を捜査できないと言っているわけではありません。ただ、水増しされた有権者名簿、非市民有権者、その他の名簿操作をチェックすることを不可能にしているだけです。これはあらゆる面で実に嘆かわしいことです。

https://www.thegatewaypundit.com/2026/11/27-states-win-doj-lawsuits-saying-they-cannot/

カーティス・ハーテルはミシガン州民主党委員長。

11/2阿波羅新聞網<中共这次装的太离谱!国际踢爆:实际为零—想掩盖更严重危机 北京谎言又被戳穿了=中共のこの「誤魔化し」はひどすぎる!国際社会が実態を暴露:実際はゼロに近い――より深刻な危機を隠蔽か、北京の嘘がまたも露呈>

アポロネット王篤若の報道:中共が4.5%の成長を発表、WSJ紙「実際はゼロに近い可能性」

不動産市場は依然として下落し、消費はほぼ停滞しているにもかかわらず、北京当局が発表する経済統計は依然として「好調」だ。第3四半期の成長率は4.5%とされ、9月の失業率も5.2%へとわずかに低下した。WSJ紙は、こうした状況が中共の公式統計に対する外部からの疑念をさらに深めていると報じた。

独立系機関による試算は、全く異なる結果を示している。調査会社キャピタル・エコノミクス(Capital Economics)は、都市間旅客輸送量や工業用電力消費量など、目立たず改ざんが困難な数百の指標を用いて推計を行った結果、第3四半期の成長率はわずか2%にとどまるとした。さらに悲観的な見方を示したのはローディアム・グループ(Rhodium Group)で、今年の年間成長率は0%前後と推定している。同グループによると、第1~第3四半期の固定資産投資は前年同期比で7%以上減少し、社会消費財小売総額も5月には3年ぶりの減少を記録した。同グループは「中国が4.5%の成長を達成することは不可能だ」と指摘する。ローディアム・グループの共同創業者ダニエル・ローゼン(Daniel Rosen)は、「これほど巨大な主要経済国において、マクロ経済統計にこれほど深刻な問題がある例は、他にはほとんど見当たらない」と述べた。

キャピタル・エコノミクスの中国専門家ジュリアン・エヴァンス=プリチャード(Julian Evans-Pritchard)は、ある法則を見出した:北京当局が成長目標の達成に苦しむたびに、独立系の推計値と公式統計との乖離が拡大するというものだ。2008年の金融危機、2014年の不動産市場低迷期、そしてパンデミックによるロックダウン期間中も、同様の傾向が見られた。同氏の結論は極めて率直だ。「成長率は、目標によって決められているのだ」。2007年の時点で、李克強は自身が統治していた省のGDPが「人為的に作られたもの」であることを認めていた。同氏は当時、電力消費量、鉄道貨物輸送量、新規融資額のみを重視しており、これらは後に「李克強指数」として知られるようになった。

雇用統計についても同様に、精査に耐えうるものではない。清華大学のある著名な経済学者は7月、2年間職が見つからず、公式統計から漏れている人々を含めると、広義の都市部失業率は10.2%に達すると推計した。そもそも公式の失業率には、全国人口の3分の1を占める農村部住民は含まれていない。中欧国際工商学院の朱天副院長は、失業手当の受給者が増えているにもかかわらず、失業率は2021年以降、不自然なほど安定していると指摘し、「実質的な参考価値はほとんどない」と述べ、フードデリバリーや配車サービスの運転手は統計上は「就業」とみなされるが、実際には長期的な不完全雇用状態にあり、今年、こうした「柔軟な雇用形態(ギグワーク等)」に従事する人は3億2000万人に達する見込みだ。北京大学の張丹丹教授は2023年の時点で、多くの若者が「寝そべり(躺平)」の姿勢をとって求職活動から離脱しており、若者の真の失業率は公式統計の2倍に達している可能性があると指摘していた。当局の対応はこうだ。2023年に若年失業率が21.3%に急騰すると、統計の公表を即座に停止し、数ヶ月後に算出基準(定義)を変更して再開したところ、数値は大幅に低くなっていた。

データはますます見えなくなり、疑問を呈することはますます危険になっている。四半期ごとのGDPの内訳や月次の労働参加率は公表されなくなり、研究に使われていた多くのデータ集もひっそりと姿を消した。2024年には、経済学者の高善文がワシントンでのフォーラムで公式GDPの数値に疑問を呈したところ、帰国後に調査を受け、処分を下された。

朱天は、家計への直接給付や、債務を抱える地方政府への財政移転を行うべきだと主張しているが、こうした措置が実際に導入される可能性は低いだろうと認めている。

嘘つき中国人だから何を対策しても、そこから逃れるすべはないと思った方が良い。GDPはゼロでなく、マイナスでしょう。

https://www.aboluowang.com/2026/1102/2452501.html

11/2阿波羅新聞網<位置太要命!中共最新盯上它—这是中共下一个“灰色地带”目标=あまりに危険な位置!中共が新たに目をつけた場所――次の「グレーゾーン」の標的か>

アポロネット王篤若の報道:中共がフィリピン・バタネス諸島に照準――台湾の「南の玄関口」封鎖を画策か

中共の拡張主義が新たな標的を見つけた。台湾の真南に位置するフィリピンのバタネス諸島(Batanes Islands)である。米紙WSJによると、今年6月、広州にある暨南(じなん)大学の傘下機関がシンポジウムを開催した。そこで、中国当局と関係のある学者らが、「バタネス諸島は地理的に台湾の延長線上にある」と主張した。さらに、米西戦争後にフィリピンへ割譲された際の条約にはこれらの島々は含まれていないとし、現地住民と台湾の先住民との文化的なつながりを持ち出して、「これらの島々は中国に属する」と結論付けた。中共の国営メディアは、これを大々的に報じた。

これらの島々の位置は、極めて戦略的に重要だ。台湾の南東わずか約100マイル(約160キロ)の場所にあり、バシー海峡を見下ろす位置にある。中共が台湾を包囲・封鎖しようとするならば、この海域を掌握することが不可欠となる。米国はすでに現地で主導して軍事演習を行っており、最近では機動ミサイルシステムも配備した。これにより、バシー海峡を航行する中共の船舶を直接攻撃することが可能となっている。

フィリピン側の反応は迅速だった。国防相はこの主張を「荒唐無稽」と一蹴し、国家歴史委員会も一つひとつ反論を行った。それによると、これらの島々はルソン島北部の陸棚の一部であり、17世紀に英国の探検家が到着した際、中国による統治の痕跡は一切なかった。1783年にはスペインが正式に主権を宣言し、19世紀末以降、フィリピンの議会にはバタネス諸島選出の代表者が常に送られてきたという。最北端の町イトバヤト(Itbayat)のジョセフ・クルトゥラ町長は、「バタネス諸島は中国の一部ではない」と明言した。

言葉による攻勢だけでなく、実際の船舶の動きも伴っている。ここ1年半の間に、中共海警局の船や調査船が、これらの島々の周辺に度々出没している。この海域には、重要な海底ケーブルも敷設されている。最近では、フィリピン沿岸警備隊が最大級の巡視船と航空機を出動させ、中共海警局の船に護衛された中共の海洋調査船を退去させた。これに対し、在フィリピン中国大使館は逆に、「中国の管轄海域」で作業を行っていただけだと主張し、フィリピン側に対して「騒ぎ立てるな」と非難した。

オーストラリアのローウィー研究所のハンター・マーストンは、これは「お決まりの手法」であり、「単に一部の学者がアイデアを提示しているに過ぎない」という説明は「事実と全く合わない」と指摘する。中共系の学者は以前にも、琉球や釣魚島(尖閣諸島)に対する日本の主権に疑問を呈したことがある。まず学者に「観測気球」を上げさせて国際社会の反応を探り、その上で、中共海警局の船が第一列島線を越えて活動するための口実を作るというやり方だ。シーライト財団(SeaLight)のレイ・パウエルは、「彼らは(もっともらしい)理屈を求めているのだろう。たとえ中国以外の誰も、それを本気で信じていなかったとしても」と述べている。

中共の嘘を世界に告知し続けることが大事。拡張主義は中共だけでない。ロシアもアイヌはロシアの先住民族だと言い出しているし。彼らの頭には「1945年8月16日、スターリンは米国のトルーマン大統領に北海道の北半分を要求した」ことが残っているのでは。

https://www.aboluowang.com/2026/1102/2452496.html

11/2阿波羅新聞網<为遏制中国商品涌入,欧盟“大手笔”= 中国製品の流入を抑制へ、EUが「大胆な措置」>

AFP通信が11/1にブリュッセルから伝えたところによると、EUはオンライン経由での中国製品の流入を抑制し、規制を強化するため、11/1よりEU域内に輸入される小包に対し、2ユーロの「処理手数料」を課すこととした。2025年には約59億個の小包がEU域内に流入し、これは1秒あたり180個を超える計算となる。そのうち93%は中国からのもので、主にShein(シーイン)、Temu(テム)、AliExpress(アリエクスプレス)といったサイトを経由して流入している。

日本もすぐ動くように。少額輸入品は2026年度税制改正・2028年実施と。遅い。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2025122000288&g=eco

https://www.aboluowang.com/2026/1102/2452431.html

11/2阿波羅新聞網<中南海重磅发文:批习?—五中全会刚过 中南海重磅敲打“一把手”引发猜测=中南海から重大な文書発信:習近平への批判か?—五中全会直後、中南海が「トップ」を厳しく牽制し憶測呼ぶ>

五中全会が閉幕したばかりに、中共中央は、各級党組織の「トップ」に対し、職務遂行や権力行使を適正化するよう求めた。具体的には、「一言堂(トップの独断専行)」や「家長制(家父長的な支配)」を排し、また、階層ごとに「トップ」の個人の権威を擁護するよう求めるような行為も禁じている。この動きが注目を集めている。中国情勢に精通する専門家で、米シンクタンク「ジェームズタウン財団」研究員の林和立(ウィリー・ラム)は中央社に対し、五中全会のコミュニケ(公報)において、党内民主主義などの議題に関する記述が「予想外に詳細」であったと指摘した。習近平が「権力集中」を推し進め、民主主義を顧みない姿勢で知られていることを踏まえると、この公報の内容は、習による「個人支配」に対する「婉曲的な批判」である可能性がある。

やはり、五中全会で習が全面的に勝ったとは言えないということ。

https://www.aboluowang.com/2026/1102/2452392.html

福島氏の記事では、台北と新北で民進党が勝つ可能性があるとのこと。特に蒋万安は蒋介石のひ孫にあたる(でも宋美齢は蒋万安の父親である蒋孝厳を蒋経国の庶子として生涯認めなかった。蒋万安は少年時代は母方の姓・章を使っていた)から国民党の象徴と言ってよい。これを打ち負かせば、福島氏の言う国民党の脱皮に繋がるかもしれない。

記事

台北市長選で支持を急拡大させている民進党候補、沈伯洋(プーマ・シェン=中央)と応援に駆けつけた頼清徳総統(左)(写真:ロイター/アフロ)

目次

11月28日に予定されている台湾統一地方選挙・九合一まで1カ月を切った。

今回の選挙は面白そうだ。注目は、国民党の牙城とされていた台北市の市長選挙で民進党候補が勝つかどうかである。

台北市の民進党候補、沈伯洋(プーマ・シェン)の人気は従来の民進党支持者層を超えて広がり、「洋流」(沈伯洋ブーム)といった社会現象を起こしているという。これには、2018年の九合一選挙で民進党の牙城と言われた高雄市で国民党の落下傘候補の韓国兪が、「韓流」という大ブームを起こし当選したのに通じるという声もある。陳水扁以来の民進党の台北市長が誕生するという期待が高まっている。

2018年の「韓流」は、中国共産党がネットユーザーを動員した世論誘導作戦、認知戦が大きな貢献を果たしたのだが、「洋流」発生にはどんな背景があるのだろう。

九合一は台湾の9種類の地方選挙を一斉に行う大規模選挙。中でも22県市(6つの直轄市・台北、新北、桃園、台中、台南、高雄と16県市)の首長選挙は、頼清徳政権にとっての「中間選挙」ともいえ、2028年1月の総統選挙の行方も左右するとして注目されている。

特に目が離せないのが、台北市の現職・蒋万安市長(国民党、47歳)と民進党の若手立法委員の沈伯洋候補(44歳)の対決だ。蒋万安は蒋介石のひ孫という血統と俳優のようなスマートな容姿から国民党のプリンスとも呼ばれ、いずれは台湾総統選にも出馬する可能性が高い期待の星とされる。

一方、沈伯洋は中国の軍事圧力や有事、災害に対する民間防衛教育組織・黒熊学院(クマ・アカデミー)の共同創設者で、情報戦、認知戦研究の専門家として知られる。

中国は沈を「台湾独立分子の頑迷な徒」としてブラックリストに入れ、2025年10月には重慶市公安局が国家分裂容疑で捜査していることも発表している。中国国内においては事実上の指名手配犯扱いとなっている。また、2025年7月の国民党立法委員(議員)24人に対する大リコール運動(結果的には成立せずに失敗)を推進した中心人物でもあり、国民党員からも敵視されている。

本来なら、民進党候補には勝ち目のない台北市長選挙と思われていたが、沈伯洋が7月後半から加速度的に支持率を伸ばし、10月の民意調査では沈伯洋50.3%、蒋万安33.3%(10月20日発表、台北市信民両岸研究協会)といった数字までたたき出した。

国民党寄りの聯合報の民意調査ですら、支持率では沈伯洋45%、蒋万安41%(10月28日)と沈伯洋リードの結果となった。(ただし、どちらが当選すると思うかという予想においては、蔣万安が48%、沈伯洋が35%と逆転している)

また新北市の侯友宜市長(元国民党総統候補)の後継の国民党候補の李四川(68)と民進党候補の蘇巧慧(50)の勝負でも、民進党候補有利の予測が出ている。李四川は蒋万安台北市長の下で台北市副市長を3月まで務めていた。蘇巧慧は蘇貞昌・元行政院長(首相)の娘でLGBT+権利擁護活動などでも知られる。世論調査による両候補の支持率は10月13日の段階で、李四川30%、蘇巧慧43.1%(台北市信民両岸研究協会)で、蘇巧慧が大きくリードし始めている。

台湾選挙史における「事件」となる予感

台湾北部は伝統的に国民党の票田であり、台北における民進党市長は第1期民選市長の陳水扁(後の台湾総統)のみ。今回、台北、新北の「双北」を民進党候補が獲れば、それは台湾選挙史における「事件」といえる。

新北の李四川はもともとさほど人気のある政治家ではない。蘇貞昌の娘が支持率をリードするのは大方の予想通りなのだが、国民党プリンスの現職台北市長が、沈伯洋にここまで脅かされるというのを、9月の上旬の段階で予測できた人はそれほど多くはなかったのではないか。

「洋流」を掲げる沈候補の支持者(写真:AP/アフロ)

9月中旬、沈伯洋が在日後援会結成のために来日した際には、優秀、逸材だと高い評判はあったものの、おそらく多くのチャイナウォッチャー、台湾ウォッチャーは、国民党の牙城で現職有利の市長選挙で、国民党プリンスに打ち勝てるほどの人物とは思っていなかっただろう。ある台湾ウォッチャーは10月上旬の段階でも「得票率で45%をとったら、事実上民進党勝利とみなしていい」という表現で、善戦はしても勝てない、という見立てを語っていた。

ではなぜ、10月に入って「洋流」が急激に拡大していったのか。私は、沈伯洋の人気拡大に最も貢献したのは、中国共産党と野党国民党だと思う。

例えば、中国の露骨な「越境弾圧」の手口が10月21日に明らかになった。台湾の新北市検察局はこの日、5人の台湾人を起訴した。彼らは中国の工作員と思われる人物から金銭を得て、習近平や中国共産党風刺で有名な台湾人コメディアン(相声)・黄逸豪を襲撃したという。

9月11日、バイクを運転中の黄逸豪は新北市の自宅付近で車に衝突され、軽傷を負った。この車を運転していた男たちは、コードネームKを名乗る中国人から45万ニュー台湾ドル(約220万円)の報酬と引き換えに、黄氏の個人情報を収集し、負傷させることを請け負ったという。Kの要求は、9月20日に予定されていた公演に黄氏を出演できなくさせるために、1~2週間の入院が必要な程度のケガを負わせてほしい、というものだったという。

中国が「越境弾圧」で台湾コメディアンを襲う?

この5人は、今年7月ごろから、黄逸豪のバイクにGPSをつけるなどして、襲撃機会をうかがっていた。彼らは手付金として先に25万ニュー台湾ドルを受け取り、その後、9月になって実際に自動車でバイクを運転中の黄逸豪に衝突した。幸い、黄逸豪のケガは軽傷で、車の運転者も丁寧に謝罪したため、当初は事故とみられていた。黄逸豪自身、彼らがわざと車で自分をはねたなどとは全く疑いもしなかったらしい。

だが警察はこの事故に不自然さを感じ、捜査を開始。今年5月に黄逸豪が出演していた台北市のコメディ劇場に汚物が投げ込まれるなどの嫌がらせを受けた事件もあったことから、この交通事故も、5月の嫌がらせ事件と関与しているのではないかと疑ったのだ。

襲撃者たちは、黄逸豪のけがの診断書のコピーを入手し、Kに提出したが、Kは負わせたけがが軽すぎるとして、残金の支払いを拒否したという。

その後、警察の捜査により、黄逸豪のバイクにGPSがついていたことや、事故現場近くの監視カメラに、事故数日前に車を運転していた男たちが下見に来ていた様子が写っていたことが発覚。彼らの携帯電話の通信記録には、コードネームKを名乗る中国人とのやり取りが残り、起訴されることになった。台湾当局はこの事件を、中国共産党が7月に施行した民族団結進歩促進法に関連して行われた対台湾社会への認知戦の一種としての「越境弾圧」だとみている。

この法律は共産党の推進する民族団結を損なう言動を行った人物に対し、国境を越えて罰則を与えることができると規定している。主に、中国が自国の一部と主張している台湾における反共産党的な言動を取り締まろうというのが、狙いだとみられている。

中国が台湾における反中言動(反民族団結言動)への制裁や圧力を、在外華人や民間人を動員して行う可能性は警戒されていた。この黄逸豪事件は、7月にも元産経新聞台北支局長の矢板明夫氏が、講演会の帰りに聴衆の男にいきなり殴られた事件に続く、台湾で実際に起きた「中国の越境弾圧」事件だとされている。

中国が法律まで作って、台湾内の反中派に対する越境弾圧や認知戦を仕掛けているのは、11月に予定されている台湾の地方選挙の結果を中国に有利にしようという狙いがあったとみられる。中国の民族団結政策に抵抗する者は、台湾内外の華人の怒りや敵意を買ってしまい、身の安全も保てないことがありうる、と思わせることで、台湾有権者の選択肢から反中イデオロギーの強い民進党候補者を除外させようとした、とみられている。

だが、台湾有権者からすれば、中国がこうした圧力をかければかけるほど、むしろ対中認知戦や越境弾圧への警戒をかねてから説き、民間防衛教育を推進してきた沈伯洋のような人物の必要性を実感することになった。

国民党の内輪揉めに支持者もうんざり

さらに、ここに国民党の「応援」が加わる。

国民党の古株政治家でテレビ政治評論家として現在も活躍、2024年には国民党副総裁候補にもなった趙少康が、沈伯洋を自身の冠番組に2度にわたりゲストとして招き、政治討論を行ったのだ。この政治討論が沈伯洋のディベートのうまさや有能さを際立たせた。

沈伯洋は番組内で、死刑の存廃や、双城フォーラム(台北と上海の都市外交)への政治的条件なしでの参加意向、中国からの越境弾圧問題や、民進党の大リコール運動について、冷静かつ明快に主張を展開。趙少康はどちらかというと聞き役にまわり、結果的に沈伯洋の主張と魅力を引き出し、広める役割を担う格好になった。

このことで国民党内部では趙少康への反発が高まり、国民党の中央委員の江永雄は「台湾独立勢力が注目を集めるために舞台を貸した」と批判。署名を集めて国民党執行部に趙少康の除名を求めた。これに趙少康は「メディア司会者として中立の立場にいる責務がある」「国民党の一部にぼけたことをいうやつがいる」「(2024年の誰もやりたがらなかった副総統候補を党の命令を受けて引き受けたのだから)国民党に何の借りもない」と反駁。国民党の内部分裂ぶりを露呈し、ますます有権者をあきれさせることになった。

一応、この除名騒動は終息したが、国民党内の団結不足は今なお透けてみえる。

ということで、民進党にとって敵対関係、ライバル関係にある中国、そして国民党からの意図せぬ「応援」を受けて、今度の九合一選挙は民進党に追い風が吹いている。

台湾の選挙は投票直前の事件やスキャンダル発覚で、情勢があっというまに逆転するようなこともたびたびある。そのため、今の段階で選挙結果の予測を言うべきではない。だが、仮に、台湾の首都の台北市長を民進党候補が獲れば、それは台湾世論の大勢が頼清徳政権の今の路線、つまり抗中保台(中国の統一圧力に抵抗し台湾を守る)、親米路線に賛成であるということだ。ねじれ国会で苦労している頼清徳政権だが、首都の首長が協力的であれば、2028年1月の総統選で2期目を目指すうえで有利に働くだろう。

もちろん国民党期待の星である蒋万安が台北市長でなくなれば、次の総統選候補になる可能性も高まるわけで、そうなれば頼清徳にとって、これほど手ごわい対抗馬はない。仮に今回の九合一で国民党が惨敗すれば、おそらくその敗因分析もしっかり行うだろう。中国の脅威に対する警戒心不足や、目指すべき中台関係における有権者との認識のずれが指摘されよう。

それは国民党自身の「一つの中国」原則や92年コンセンサスなどの党是を見直し、台湾人政党として生まれ変わる必要性に迫られることにもなる。そうして、新しい時代の台湾の二大政党体制が整えられていくのであれば、選挙とは負けても勝っても、国家と国民にとって良いことでしかない。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。