『習近平の側近「9人の人民解放軍幹部」粛清発表で全貌が明らかに~これは軍による「習念願の台湾侵攻」の軍事体制を覆すクーデターだ』(10/23現代ビジネス 石平)について

10/23The Gateway Pundit<Defiant Venezuelan Dictator Maduro Threatens the US, Claims He Has 5,000 Anti-Aircraft Missiles to Fight (VIDEOS)=反抗的なベネズエラの独裁者マドゥロが米国を脅迫、対抗できる対空ミサイル5000発を保有していると主張(動画)>

トランプはマドゥロが亡命するよう圧力をかけているのでは。

マドゥロはロケットマン志望者だ。

ベネズエラのニコラス・マドゥーロ社会主義政権に対する軍と諜報機関からの圧力が続く中、マドゥーロ政権の側近は混乱に陥っており、実在の裏切り者や架空の裏切り者を排除しようとする粛清が相次いでいる。

したがって、マドゥロ大統領は絶えず戦争の鼓動を打ち鳴らし、武力誇示だと信じていることに従事しなければならない。

現在、「カラカスの暴君」は、「重要な防空陣地」に5,000発のロシア製対空ミサイルを配置していると主張している。

サン紙は次のように報じた。

「この扇動的な声明は、カリブ海における米国の継続的な軍事展開に対する大胆な反応だ。」

https://x.com/i/status/1981278963738546199

これは、トランプ大統領が麻薬カルテルとの戦いの一環としてベネズエラ国内でのさらなる軍事行動を検討している中で起こった。

カリブ海には4,500人の兵士が配備されており、カリブ海沿岸の麻薬密売船とされる船舶を狙った致命的な攻撃が数回行われた。

「トランプ大統領は先週、ベネズエラでCIAが秘密作戦を行うことを許可したと明らかにした。

同氏はさらに、米国は軍事活動を陸上作戦に拡大することを検討していると述べた。

「私は二つの理由で承認した」と彼は述べた。ベネズエラはバイデン政権下で「国境開放」政策を「最も悪用した国」であり、「刑務所、精神クリニック、キチガイ収容所」を空にして彼らを米国へ送り込んだと彼は述べた。

「もう一つは麻薬です…ベネズエラから大量の麻薬が入ってきます」

https://www.thegatewaypundit.com/2025/10/defiant-venezuelan-dictator-maduro-threatens-us-claims-he/

https://x.com/i/status/1981462345953276114

10/23Rasmussen Reports<Jay Jones Scandal Worse Than Young Republicans Scandal?=ジェイ・ジョーンズのスキャンダルはヤング・リパブリカンズのスキャンダルよりひどい?>

有権者は、テキストメッセージに関わる2つのスキャンダル(1つは民主党候補に関係するもの、もう1つは共和党に関係するもの)のどちらがより悪いかについて明確な見解を持っているようだ。

ラスムセン・レポートによる最新の全国電話・オンライン調査によると、バージニア州司法長官選の民主党候補ジェイ・ジョーンズ氏が政敵の 殺害 を示唆する内容のテキストメッセージを、米国の有権者の82%が深刻なスキャンダルと捉えており、そのうち60%は「非常に深刻」と回答しています。ジョーンズ氏のテキストメッセージを深刻なスキャンダルと捉えていないのはわずか13%です。

https://www.rasmussenreports.com/public_content/politics/trump_administration_second_term/jay_jones_scandal_worse_than_young_republicans_scandal?utm_campaign=RR10232025DN&utm_source=criticalimpact&utm_medium=email

ビル・バー(共和党)こそ2020年不正選挙を主導した一人。逮捕起訴収監すべき人物。

10/24阿波羅新聞網<习近平的“纪律沙皇”高升—习很信任他!“纪律沙皇”升官 习巩固军权=習近平の『規律皇帝』は昇進――習近平は彼を深く信頼している!『規律皇帝』の昇進:習近平は軍権を強化>

中共軍幹部人事:反腐敗の中心人物、張升民が中央軍事委員会副主席に昇進

ロイター通信は、中共4中全会において、中国軍の「規律皇帝」として広く知られる張升民(67)が中央軍事委員会副主席に昇進したと報じた。この人事は、習近平が軍における反腐敗の取り組みを強化するための重要な一歩と見られており、一連の粛清が続く中で、軍指導部は再び人事異動に踏み切ったことを浮き彫りにしている。

新華社通信の発表によると、この決定は北京で開催中の中共中央委員会の複数日間にわたる全体会議でなされたという。300人以上の中央委員会委員が出席したこの会議は、現中央委員会の第4回全体会議(四中全体会議)にあたる。会議ではまた、米国との競争が激化する中で、いかにして科学技術で自立・自強を達成するかに焦点を当てた新たな5カ年経済発展計画も検討された。

公式リストによると、この会議では中央委員会委員11人が交代し、2017年以降最大の人事異動となった。この中には、先週党から追放された8人の軍将官も含まれている。

習近平国家主席は2012年の就任以降、党、政府、軍全体にわたる反腐敗運動を前例のないほどの強度で継続的に推進してきた。

習近平の信頼できる重要人物

ロイター通信は、張升民の昇進は習近平の同氏への高い信頼を反映しているとのアナリストの見解を報じた。

人民解放軍の規律と反腐敗活動に長年尽力してきた張升民が、中央軍事委員会副主席に任命され、習近平に次ぐ地位に就いた。氏は、先週汚職容疑で解任された何衛東前中央軍事委員会副主席の後任となる。

張升民は軍内で「規律皇帝」として認められており、軍内部の仕組みにも精通している。大西洋評議会チャイナ・グローバル・センターの研究員、宋文笛(Wen-Ti Sung)は、「軍の政治人事の新たな責任者として、張升民以上に適任な人物はいないだろう」と指摘した。

張升民は、2017年に中央軍事委員会に入隊する前は、旧第二砲兵隊(現ロケット軍)に長年所属し、中央軍事委員会総後勤部でも勤務していた。これら2つの部門は習近平による軍内部の反腐敗キャンペーンの重点整理対象であったが、張氏自身は無傷で逃れている。

「規律皇帝」の張升民の昇格は、本当に習の意思で成ったのか?中国では賄賂を取らない人間はいないので張升民だって取っている。取らなければ仲間外れにされ、そんな上位の職まで辿り着かない。小生は習の面子を立てるために張升民を昇進させたと見る。

https://www.aboluowang.com/2025/1024/2295398.html

10/24阿波羅新聞網<中共军委不加人 仅升张升民 董军没戏=中共中央軍事委員会に新メンバーはなし、張升民のみ昇格、董軍は委員から外れる>中共軍内部の争いに変化が生じた。第20期4中全会が本日(23日)午後に閉幕した。会議の声明によると、中央軍事委員会は張升民を副主席に任命したのみで、董軍国防部長は中央軍事委員会に加わらなかった。

https://www.aboluowang.com/2025/1024/2295312.html

10/24阿波羅新聞網<中共对美大规模性战!大批美女间谍现身—多家媒体:中对美大规模“性战” 身体换情资=中共は米国に対し大がかりな性戦争を開始! 多数の美女スパイが登場 ― 複数のメディアは、中国が米国に対し大がかりな「性戦争」を仕掛け、肉体と情報とを交換していると報じている>タイムズ紙、エコノミック・タイムズ紙、WION TVなどのメディアは、業界関係者の話として、中国とロシアの工作員が米国に対して「性戦争」を仕掛けており、シリコンバレーの専門家が主な標的になっていると報じている。彼らは美女スパイを派遣し、ハニートラップでハイテク情報を盗み出そうとしているという。

中国に投資する米国企業にリスク評価サービスを提供するパミール・コンサルティングの情報部長、ジェームズ・マルベノンは、最近、外国人女性スパイの標的となった多くの男性の一人だと述べた。

マルベノンは、「若くて美しい中国人女性からLinkedInで大量の友達リクエストを受け取っており、その手口は非常に巧妙である。最近、特に増加している」と述べた。また、先週バージニア州で開催された中国における投資リスクに関するビジネスセミナーに、魅力的な中国人女性2人が入場を試みたことについても言及した。「彼女たちには入場を許可しなかったが、彼女たちは活動に関するあらゆる情報と詳細を握っていた」とマルベノンは述べた。さらに、「これは現象である。正直言って、本当に奇妙なことだが」と付け加えた。

30年間にわたり米国の諜報活動とスパイ活動を研究してきたマルベノンは、この「ハニートラップ」は米国にとって「真の弱点」だと述べた。「なぜなら、法的にも文化的にも、米国はそのような戦術を採用していないからだ。これが彼らに『性戦争』における非対称的な優位性を与えている」

タイムズ紙がインタビューした5人の防諜専門家によると、「性戦争」は外国勢力が米国のテクノロジーコミュニティに浸透するために用いる多くの手段の一つに過ぎないという。情報筋によると、中国は米国内でスタートアップ企業のコンペティションを開催し、機密性の高い事業計画を盗み出すだけでなく、米国のテクノロジー企業への破壊工作も行っているという。

今年2月、米国下院国土安全保障委員会は、中共が過去4年間に米国内で少なくとも60件のスパイ活動を行ったと警告した。しかし、元防諜当局者は、これは「氷山の一角に過ぎない」と懸念を表明した。

中国とロシアはもはや訓練を受けた工作員だけに頼るのではなく、投資家、暗号通貨アナリスト、ビジネスマン、学者など、一般市民を動員して米国を標的にしており、スパイ活動の検知を困難にしている。

ある米国防諜当局高官は、「我々はもはや、ドイツで煙が充満したホテルに潜むKGB工作員を追い詰めることはない。敵対国、特に中国は、『社会全体動員』アプローチを用いて、米国の技術システムと西側諸国の人材システムの隅々まで浸透しようとしている」と述べた。

現在、シリコンバレーの起業家の外国投資撤退を支援している元米国防諜担当官は、航空宇宙企業で働き、米国人の同僚と結婚していた「美しい」ロシア人女性の最近の事例を明らかにした。この担当官は、彼女が20代にモデル養成学校に通い、後に「ロシアのソフトパワースクール」で訓練を受けていたことを突き止めた。彼女は10年間姿を消し、最近「暗号通貨の専門家」として米国に姿を現した。

「しかし、彼女は暗号通貨の世界にとらわれていたわけではない」と元職員は述べた。「彼女は軍事宇宙技術の新領域の革新の内情に迫ろうとしていた。彼女の夫はこれに全く気づいていなかった」

彼はさらに、「標的の近くにいて、結婚し、子供をもうけ、そして生涯にわたって情報収集活動を行う。これは非常に不穏な話に聞こえるが、非常にありふれたことだ。もし私がこれを全部暴露しようと思えば、本が書けるだろう」と付け加えた。

米国知的財産窃盗委員会によると、企業秘密の窃盗は米国

の納税者に年間6,000億ドルの損害を与えており、その主な発生源は中国であるとされている。

日本も早くスパイ防止法を!中国(人)とは付き合わない方が良い。

https://www.aboluowang.com/2025/1024/2295397.html

何清漣 @HeQinglian 2h

米国がロシアの大手石油会社2社に制裁を発動したことを受け、中国の国有企業はロシア産原油の購入を停止した。 https://rfi.my/C7g6.X via @RFI_TradCn

これは、北京がAPEC期間中のトランプ・習会談に向けてのキッカケ作りなのかもしれない。

rfi.frより

石氏の記事では、10/23本ブログで福島香織氏は「董軍が中央軍事委員会入りし、中央軍事委員会メンバーの補充がされず、メンバーが7人から5人に減らされた場合、それは習近平の軍に対する影響力がよりダイレクトになるという意味で、日本や台湾の危機感は増すことになるだろう」と述べていました。董軍は中央軍事委員会入りせず、中央軍事委員会メンバーの補充がされなかったということは、やはり習の軍に対する実権は完璧でないと言えるのでは。

石氏も習の権限は制約されていると見ています。やはり習にこのまま任せると本気で台湾侵攻し、米軍とぶつかる恐れがあると張又侠の軍部と長老が手を握り、福建第31集団軍出身の幹部を粛清したのではないか?台湾侵攻が無くなれば、こんな嬉しいことはない。

記事

1年越しの最終処分

10月17日、中国国防省は、中国人民解放軍で制服組ナンバー2の何衛東・中央軍事委員会副主席ら軍高官9人が重大な規律違反で調査を受け、中国共産党の党籍剝奪処分を受けたと発表した。中国の政治体制の下では、「党籍剝奪」は党・軍の幹部に対する処分で最も厳重なものであって「政治的死刑」を意味し、要するに粛清そのものである。

これらの軍幹部の失脚については、突然のことではなく、昨年秋から表面化していた(2024年10月30日公開「習近平はもうおしまいなのか…中国人民解放軍で『静かなクーデター』!粛清に反抗してとうとう制服組トップが軍を掌握」、同11月29日公開「中国で『軍最高幹部』2名が続けて失脚……習近平の海軍優遇人事に対する『陸軍大逆襲』の成功で『習体制打倒』の動きがさらに加速」など参照)。今回の党籍剥奪はその最終処分の決定であるが、注目すべきことは、党籍に関する事項にもかかわらず、その主体が党ではなく、解放軍となっていること。これまでの動きが、解放軍による習近平の党中央への「クーデター」であったことが、これで明らかになった。

では、解放軍は習近平の「何」に抗ったのであろうか。粛清された9名の軍高官の顔ぶれを見てみると、それが浮き上がってくる。

まず、9名の中の5名には一つの共通点があることに気が付く。前述の何衛東に続いて、共産党中央軍事委員会政治工作部主任の苗華上将、中央軍事委員会連合作戦指揮センター常務副主任の王秀斌上将、陸軍政治委員の秦樹桐上将、解放軍東部戦区司令官の林向陽上将の5名は揃って、解放軍第31集団軍(旧解放軍第31軍)の出身者、あるいは勤務経験者である。

何衛東・中央軍事委員会副主席の場合、1972年に解放軍に入隊した当初から解放軍第31軍で長く勤務。2007年に第31軍から再編成後の第31集団軍幕僚長に昇進、2012年末までに第31集団軍在籍。苗華は1969年に解放軍に入隊した時から第31軍に配属、2005年までに第31集団軍で勤務。集団軍政治工作部主任を務めた。

粛清された何衛東(右)と現在、軍を掌握している張又侠・中央軍事委員会副主席 by Gettyimages

もう一人、東部戦区司令官の林向陽は、83年に解放軍南昌陸軍学院を卒業してからは第31軍に入隊。2013年までの30年間ずっと第31集団軍で勤続し、最後には集団軍の副軍長にまで昇進した。

連合作戦指揮センター常務副主任の王秀斌と陸軍政治委員の秦樹桐の場合、入隊時からの第31集団軍出身者ではないが、それぞれ、集団軍で副軍長、政治部主任を務めたことがあり、広い意味での第31集団軍出身者である。

そして彼らが後に大出世し、全員が最高軍階級の上将に上り詰め、解放軍最高クラスの要職に着いた最大の理由は実は「習近平」にある。

習近平の軍

第31集団軍は、その前身である第31軍の時代から当時の南京軍区に所属し、南京軍区管轄下の福建省に駐屯し、福建省廈門市に「軍部」を置く。第31集団軍に再編成されてからも福建省駐屯である。

一方の習近平は、1985年から2002年までに福建省で地方幹部として勤務、第31軍の軍部所在地の厦門市で党委員会常務委員・副市長を務めた後に、同じ福建省内で昇進を重ね、福州市党委員会書記や福建省省長を務めたと同時に、解放軍福州市軍区第一書記、福建省国防動員委員会主任も兼任していた。

この17年間の長期にわたる福建省勤務時代において、習近平は福建省駐屯の第31軍→第31集団軍の軍人たちと深い結びつきができ、前述の何衛東・苗華を中心とした「習近平側近軍人グループ」を結集することが出来た。だからこそ、習近平が共産党トップとなった2012年以降、彼ら「第31集団軍出身・習近平側近軍人グループ」(=「習家軍」)はことごとく大出世を果たして、何衛東を筆頭にして軍事委員会と解放軍の要所要所を抑えることとなった。

こうして「第31集団軍出身・習近平側近軍人グループ」は事実上、解放軍における習近平の「親兵部隊」として習近平による解放軍支配の要と土台となっていた。

しかしここに来て、前述の5名の「第31集団軍出身・習近平側近軍人グループ」は一斉に「党籍剝奪=粛清」の憂目にあった。つまり、習近平が福建省勤務時代約から約40年間以上の歳月を費やして作り上げた「側近軍人グループ」の完全壊滅と、習近平による軍支配の完全崩壊である。これで解放軍はもはや習近平の軍ではない。反習近平勢力の牛耳る軍となっているのである。

一斉に「党籍剝奪」となった9名の軍人の中で、もう1人注目すべきなのは、武装警察部隊前司令官の王春寧上将である。彼は2009年までは長期間にわたって浙江省に駐屯の解放軍陸軍第1集団軍で勤務していた。習近平は2002年から2007年までに浙江省党書記を務め、浙江省国防動員委員会主任を兼任していたから、その間、王氏は習近平との接点が出来、その側近の軍人となったと思われる。

習近平が2012年秋の党大会で共産党トップに就任して権力基盤をある程度固めてからの2016年10月、習主席は王氏を解放軍北京衛戍区司令官に抜擢、習政権の膝元である首都防備の重任を彼に与えた。そして2020年12月、習主席は王氏を解放軍最高階級の上将に昇進させたと同時に、政権防衛に大変重要な意味を持つ解放軍武装警察部隊の司令官に任命。それ以来王氏は、武力の面から習政権を支えるキーマンの一人となった。

だが、この王氏も、何衛東など習近平による軍支配のキーマンたちと共に粛清された。これで習近平勢力が解放軍から完全排除されただけではなく、もう一つの武力である武装警察からも取り除かれたわけである。

台湾侵攻シフト

この何衛東、林向陽らの「習近平側近軍人グループ」の失脚は、習近平の「台湾侵攻戦略」が大きく崩れていることを意味している。

2022年秋に開催の党大会で、習近平が反対勢力を党指導部から一掃して個人独裁体制を完成し、異例の政権3期目をスタートさせた。その時点では習近平は、政権3期目における「台湾併合の偉業」の完遂を目指して、台湾侵攻を目標とする軍事体制を作り上げた。

その軍事体制作りのポイントの一つはまず、前述の何衛東氏の軍事委員会副主席起用。何氏がかつて台湾海峡に面する福建省に駐屯の第31集団軍に長く勤務、そして2019年からの3年間は対台湾軍事最前線の東部戦区の司令官を務めた。この何氏を2人からなる軍事委員会副主席の1人に大抜擢した習近平主席の軍人事は誰から見ても、「台湾侵攻」人事というしかない。

もう一つのポイントは、同じ第31集団軍出身の、前述の林向陽氏の東部戦区司令官任命。東部戦区司令官になった彼に与えられた任務は当然、戦区の実戦部隊を率いて台湾侵攻を遂行することであろう。

2022年秋の党大会後のこれらの人事で、習近平主席は「台湾侵攻」の軍事体制をほぼ完成した。その時の彼はおそらく、2027年秋の党大会で終了する自分の政権の3期目において台湾侵攻を敢行する腹づもりだったのである。

しかし幸いなことに、習政権3期目の中盤を指しかかっている昨年秋から、解放軍による「習近平離れ」が進む中で、習近平主席の「台湾侵攻軍事体制」が音を立てて崩れてきている。「台湾侵攻」の司令塔となるはずの何衛東氏・軍事委員会副主席と、台湾侵攻の実行部隊を率いる立場の林向陽・東部戦区司令官もはほぼ同時に粛清されてしまった。これで、習近平主席肝入りの「台湾侵攻体制」はすでに総崩れとなっていると見て良い。

国際社会はこれで、安心して胸を撫で下ろすことはできないが、当分の間には、「台湾有事」発生の危険度はかなり下がっているのではないかと思われるのである。

なぜ党ではなくて軍が

10月17日に中国国防省による「習近平側近軍人大粛清」の発表については、大変注目すべき異常事態があった。前述の9名の軍人の「党籍剥奪」が党によってではなく、国防省=軍によって発表された点である。

9名は全員軍人であるとはいえ、本来、共産党員であり、彼らの「党籍剥奪」は当然、党によって発表されるべきものである。ましてや彼らのうちの数名は共産党政治局委員、中央委員といった党の要職にあったから、どう考えでも、彼らへの厳重処分は党中央委員会、あるいは党の中央規律検査委員会によって正式に発表されなければならない。

だから今回、国防省=軍が党に代わって党の政治局委員の処分までを堂々と発表したことは前代未聞の異常事態といえる。軍が党を無視して、あるいは党の頭越しで大粛清を勝手に進めている疑いがある。つまり軍は、党に対して事実上のクーデターを行ったのではないか、ということである。

加えて国防省=軍による「党籍剥奪」発表の直後に、より一層の異常事態がまたもや起きた。国防省=軍の発表は10月17日午後のことであったが、当日夕方の19時から始まる中央テレビ(CCTV)ニュース番組はそれをいっさい取り上げなかった。翌日の人民日報もこの話にいっさい触れない。ニュースとして報じることもなければ、論評することもしない。つまり、共産党政治局委員・中央委員も含めた9名の解放軍最高級軍人の一斉粛清という重大発表を、CCTVも人民日報も揃って完全無視する、あるいは黙殺するという、異常事態が起きているのである。

CCTVも人民日報も党中央宣伝部直轄の宣伝機関であるから、国防省=軍の発表に対する両機関の驚くべき態度は、党中央の態度、あるいは習近平一派が握る党中央宣伝部の態度の反映だと解釈することもできる。

つまり、解放軍が習近平一派の牛耳る党中央の意向を無視して習近平派軍人の一掃を目指した大粛清を敢行したのに対して、それを阻止できなかった習近平の党中央は今度、この動きを無視し黙殺する態度を取ることによって、軍の「クーデター」を認めない、あるいは拒否する姿勢を示したのではないか、との観測も成り立つのである。

もしそうであれば、その意味するところは実に重大である。要するに反習近平の解放軍と習近平一派との対立はさらに、軍と党中央との対立に拡大し変質し、中国共産党の党内闘争が新たな重大局面を迎えることになる。今後の動向からは目を離せないのである。

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