『ベネズエラの「左派」マドゥーロ政権が生み出す不法移民の奔流が、中南米の政治地図を「左」から「右」へ急速に塗り替えている』(12/23現代ビジネス 朝香豊)について

12/23The Gateway Pundit<Fulton County’s Admission That 315,000 Votes Were Unlawfully Cast Exonerates President Trump Once And For All=フルトン郡が31万5000票の不正投票を認めたことで、今回を最後にトランプ大統領の無罪が確定した。>

ジョージア州は共和党エスタブリッシュメントが支配する州。ケンプやラフェンスパーガー等。それにマイク・ペンスやビル・バーも不正選挙に加担した。彼ら全員を監獄送りにしないと。「不正選挙はなかった派」はどんどん事実によって打ちのめされていく。

先週あまり報道されなかったニュースは、2020年の選挙で投じられた票のうち、(少なくとも)315,000票が署名なしで提出された、つまり無許可で法律に違反していたという、フルトン郡の痛烈な告白だった。

「ピーチ州」でわずか11,000票ほどの差で決まった選挙では、その数字はジョージア州の選挙人16票をバイデン氏からトランプ氏に傾けるのに必要な数の28倍に相当する。

もう一度言うが、2020年は史上最も僅差の選挙だったと言えるだろう。なぜなら、この選挙で勝利するために最も重要だったジョージア州、アリゾナ州、ウィスコンシン州の3州でバイデン氏が勝利したとされる差は、それぞれ0.23%(11,779票)、0.30%(10,457票)、0.63%(20,682票)だったからだ。

これら3州では、42,918票、つまりフルトン郡の不正投票総数のわずか13.6%がドナルド・トランプ氏のホワイトハウス奪還を阻止し、バイデン政権の過去4年間を特徴づけた恐怖の連続を引き起こした。

この衝撃的な自白を報じたフェデラリスト紙によると「地元の選挙の公正性活動家であるデビッド・クロス氏は、2022年3月に[州選挙管理委員会]に異議申し立てを行った。クロス氏は、2020年11月の選挙を前に、フルトン郡が期日前投票の取り扱いにおいてジョージア州の選挙規則に違反し、投票所の職員が認証プロセスに不可欠な投票集計「テープ」に署名しなかったにもかかわらず、数十万票を集計したと主張した。そしてフルトン郡はそれを認めた。」

同じ記事はさらに、「ジョージア州の選挙規則では、選挙管理当局は各投票日終了時に各投票スキャナーに3本の終了テープを印刷させる義務がある。投票所職員はこれらのテープに署名するか、拒否理由を文書で記載しなければならない」と述べている。

録音テープは法的に認証されていなかったため、デビッド・クロス氏は「フルトン郡には期日前投票の結果を州務長官に認証する法的権限がなかった。しかし、郡は認証したのだ」と証言した。

これが意味するのは、過去5年間、何百万人もの米国民、とりわけ大統領自身が知っていたことだ。ジョージア州当局者による国民の信頼の劇的な裏切りと職務怠慢が、米国の選挙制度の完全性に疑問を投げかけているのだ。

しかしながら、2020年の問題は、選挙の公正性の問題という単純なものよりもはるかに根深いものである。

民主党議員によるCOVID-19への独裁的な反応と同様に、2020年に対する両党のユニパーティーの主要メンバーによる超党派の反応は、米国の正義の心臓部に短剣を突き刺し、私たちがまだ自由な社会と呼べるかどうかという極めて重要な疑問を提起した。

もし2020年が、恐ろしい結果をもたらしたがそれに伴う法戦がなかった単なる「政治的ジレンマ」のままであったなら、それは十分にひどいものだっただろう。

この国はそれでも過去4年間の苦難を経験していただろうが、少なくとも民主党がドナルド・トランプと共和党に、これらの問題を公の場で徹底的に議論し、誠実な調査を行い、協力してこれらのシステムのセキュリティを強化することを許可していたら、最終結果はそれほど悪くはなかっただろう。

もちろん、そんなことは起こりませんでした。まったく違います。

それどころか、民主党(および共和党エスタブリッシュメントの同調者)は、2020年の選挙結果についての公開討論を阻止しただけでなく(憲法修正第一条に基づく基本的権利を完全に冒涜した)、さらに100歩も踏み込み、公の場でその疑問を持ち出そうとする者を起訴し始めた(民事罰だけでなく刑事罰も厳しく処罰した)。

したがって、過去 4 年間の物語は、単に選挙の無能さが最大規模であったというだけでなく、憲法修正第 1 条と法の適正手続きの完全な無視でもあったのです。

大統領とその弁護団は、ジョージア州のブラッド・ラフェンスパーガー州務長官らと電話で話し、5年後にフルトン郡で何が明らかになり、認められたのかを詳しく尋ねた。

当時の大統領は、選挙手続きが適切に遵守されることを保証したいと考えていた。

それはどんな選挙でもまったく合理的な調査だが、特に選挙結果が非常に僅差で、多くの前例のない変更が行われた選挙では、「新型コロナウイルス」と(より過激なところでは)「人種的正義」(批判的人種理論の実践による壊滅的な結果)を口実に、ルールが公然と無視され、そのなかでも衝撃的なものの一つが行われた。

在任中に身体障害者であったジョー・バイデンが、ギャラップ世論調査の導入以来、米国史上最も人気のない大統領であったにもかかわらず、どういうわけかより多くの一般投票を獲得できたのは、(憲法上の正当性が疑わしい)こうした手続き上の変更のおかげだった。

実際、ドナルド・トランプ氏が2020年の最も接戦となった州の選挙手続きについて調査(いわゆるマージンコール)を行っていなかったとしたら、それは米国大統領としての職務怠慢だったという非常に強い主張ができるだろう。

大統領には、憲法第 2 条の本文に明記されているように、国の法律が忠実に執行されるように配慮する憲法上の特権があります。

これは、少なくとも、選挙中、特に100年に一度の世界的パンデミックの最中に行われる選挙中は、変更された選挙手続きが1)合法的に、2)長年にわたり歴史的に支持されてきた法的プロトコルに従って行われるように、予防措置を講じる必要があることを意味します。

しかし、ジョージア州は当時、民主党が支援する利益団体(大手テクノロジー企業やディープステート関係者を含む)に屈服するよう国民から強い圧力を感じていた。これらの団体は、ことわざにあるバトンを速やかにバイデンに渡すことを望んでいたため、そうなれば、1000年にわたるWoke帝国が永久に始まり、MAGAが歴史から永久に抹消される(実際、誇張抜きで、それが計画だった)かもしれない。ブライアン・ケンプ、ブラッド・ラフェンスパーガー、そして仲間たちは、代用的でずさんなやり方で、組織的な詐欺を覆い隠し、民主的な説明責任など顧みない結果となった。

今日でも、フルトン郡選挙管理委員会の法定代理人アン・ブランボー氏は、不正行為を認めたにもかかわらず、それを無視する無関心な態度を不気味に見せている。

フェデラリスト紙が再び報じたように、ブランボー氏はこの違法な認証を「規則違反」と表現した。

しかし、さらにこう述べています。「2020年以降、新たな経営陣、新しい建物、新しい理事会、そして新しい標準業務手順が導入されました。そしてそれ以来、研修も強化されました。…しかし…2020年の選挙における疑惑については異議を唱えません。」

おそらく、この信じられない告白は、繰り返しになるが、たった12票程度ではなく、2020年にジョージアで投じられた全投票の約6.5%を代表するものであり、もし選挙が何らかの平和的な解決に至り、結果について単に質問しただけで誰も逮捕されなかったならば、許されるかもしれない

しかし、もちろん、実際に起こったことはそうではありません。私たちは皆、それを覚えています。何が起こったのか、少しでも穏便に尋ねようとする者――ティナ・ピーターズのような誠実な選挙スタッフ、1月6日に国会議事堂で平和的に抗議行動を起こしたデモ参加者そしてアメリカ合衆国大統領でさえ――は、法の厳罰に晒されたのです。

そして、その怒りは、いわゆる「犯罪」に対する歴史的に異例かつ根本的に不釣り合いな対応であった民事罰という形だけでなく、刑事訴追という形でも現れたのです。

ジョージア州だけでも、トランプ大統領と18人の「共謀者」は、組織犯罪と戦うのと同じRICO法という組織犯罪取り締まり法の下で信じられないことに起訴され、危険な犯罪者としての評判を汚された。それは、2020年の大統領選挙が公正に行われたかどうかを調査することで大統領を支持するという大胆かつ勇敢な行動をとったというだけのことだった。歴史が証明するように、2020年は明らかに公正ではなかったのだ。

特派員は、今日でも多くの保守派が、憲法修正第一条の保護、とりわけ自由に自分の考えを発言し、政府によって細かく粉砕された政府の決定に異議を唱えるために平和的に集会を開く権利を持つことの意味するところを軽率に無視しすぎているのではないかと懸念している。

彼らは、それが起こった場合に生じる甚大な影響について考えようとしない。

この偽りの全体にさらなる嘲笑を加えるのが、共産主義政権の黄昏時によく見られた旧ソ連の指導者を彷彿とさせる傀儡大統領に最も近い人物が行政運営の指揮を執るというものだ。

ジョー・バイデンは、トランプが代表するものに耐えられず、彼を違法に権力の座から追放したでっち上げの装置の顔であり、この国がこれまでに見た中で最もひどい正義に対する侮辱である。

彼はまた、本来の真の意味での民主主義に対する侮辱でもある。

歴史が証明しているように、フルトン郡でのこの暴露はその最新の(そして決して最後ではない)繰り返しに過ぎないが、バイデンは、ドナルド・トランプに耐えられず、真の民主的な反撃に耐えられず、憲法とそこに定められた神から与えられた自然権に耐えられなかったために、(特に)不正行為を含むあらゆる手段を使って、権力の座に返り咲いた非合法な政治体制の顔だった。

つまり、この3つすべてを踏みにじらなければならなかった。これは、歴史記録に決定的な修正を加えずに(バチカンがかつて反ローマ教皇の一団に対して行ったように、バイデンを正式に非合法と指定して)浸透させれば、私たちの共和国を永久に沈没させる恐れがある恐ろしい前例の始まりとなるだろう。

バイデンの偽りの大統領職を完全に無効にし、ドナルド・トランプに拒否された最初の任期と選挙を回復すること以外には何も十分ではないだろう。

それは、歴史の記録を永久に修正する強力な予防策があるにもかかわらず、米国にとって致命的となる可能性がある大きな嘘である。

https://www.thegatewaypundit.com/2025/12/fulton-countys-admission-that-315000-votes-were-unlawfully/

https://1a-1791.com/video/fwe2/00/s8/2/u/b/z/K/ubzKz.caa.mp4?b=1&u=ummtf

https://x.com/i/status/2003518467098706098

https://x.com/i/status/2003240641753678323

12/23Rasmussen Reports<‘MAGA’ Label Not a Winner for Republican Candidates=「MAGA」というラベルは共和党候補者にとって勝利ではない>

ドナルド・トランプ大統領は「米国を再び偉大にする」(しばしば「MAGA」と略される)という公約を掲げて2度WHを勝ち取ったが、大半の有権者は普通の共和党員を好むと述べている。

ラスムセン・レポートによる最新の全国電話・オンライン調査によると、米国の有権者の46%がMAGA運動を支持しており、そのうち30%が「強く支持」しています。一方、49%がMAGA運動に不支持であり、そのうち41%が「強く不支持」しています。

https://www.rasmussenreports.com/public_content/politics/trump_administration_second_term/maga_label_not_a_winner_for_republican_candidates?utm_campaign=RR12232025DN&utm_source=criticalimpact&utm_medium=email

https://x.com/i/broadcasts/1lDGLBoWkYzxm

12/23看中国<小型革命遍地开花 奥维尔预言在中国应验(图)=小規模な革命が至る所で勃発。オーウェルの予言は中国で現実のものとなった(写真付き)>

米軍がベネズエラ沖に向かう中国と関係の深い石油タンカー3隻を拿捕したのを受け、中国のネチズンは喜んでいると。

https://www.secretchina.com/news/gb/2025/12/24/1092485.html

https://x.com/i/status/2003362171447861346

何清漣 @HeQinglian 8h

このような話は、かつて米国のリーダーズ・ダイジェストによく掲載されていた。米国に来たばかりの頃はよく耳にしたが、その後は珍しくなった。

引用

環球猟奇 🏅 @newsNZcn 18h

ノースカロライナ州では、85歳の未亡人が伐採会社に電話をかけ、冬の間に暖を取るための薪を切望していたが、薪代を払えないと言った。

会社経営者のポール・ブリットンはためらうことなく対応した。彼は薪を無料で配達しただけでなく、彼女の車、屋根、エアコンも無料で修理し、最終的にクリスマスプレゼントとして2万ドルを集めた。

何清漣 @HeQinglian 10h

孫雯の事件を捜査したのは、バイデン政権下の司法省だった。裁判になってトランプ政権の司法省が担当し、当時の公式声明では孫雯は「外国のエージェント」とされていた。

WSJの報道によると、「ボンディ司法長官は今年、司法省は外国のエージェントとされる人物の起訴を避け、孫雯への容疑はスパイ活動ではなく、巧妙な外国の影響によるものだと述べた」という。

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引用

何清漣 @HeQinglian 23h

南京塩ダック(彼女はホーチョルNY州知事の副首席補佐官で中国駐NY総領事に塩ダックをねだり、家に届けさせていた)の名声を博した孫雯事件は、暫定的な結論に達した。 WSJ:「中国代理人として起訴された孫雯の裁判は審理無効に」。孫雯(41歳)は、中国代理人登録の不履行、詐欺、贈賄などの罪に問われている。彼女と43歳の夫、胡驍は共に裁判にかけられており、胡驍は詐欺と脱税の罪に問われている。しかし、陪審は全員一致の評決に達することができなかった。

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何清漣 @HeQinglian 3h

情報の海は情報格差を生み出しやすくしている。ここ数日、「キル閾値」をめぐる議論は白熱しており、様々な国の華僑が参加しています。最も話題になっている「キル閾値」は米国にあり、「地獄のような」と評され、「刑務所A」が有名になった。そのため、多くの中国人は中国での生活が最も安定していると考えている。

中国と米国の自己認識の格差拡大:自信過剰vs敗北主義

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朝香氏の記事では、世界で今まで保守派が選挙で勝てなかったのは、グローバリスト左翼が不正選挙をしてきたからではないか?上のエメラルド・ロビンソンのXにあるように、世界的な不正選挙拠点がセルビアとベネズエラにあり、セルビアは2024年米大統領選に潰され、今米国はベネズエラを潰そうとしている。イーロン・マスクの活躍ぶりは凄いものがある。

南北アメリカがベネズエラ難民で困っているとのこと。トランプのモンロー主義が受け入れられる素地がある。マドゥーロは悪の中共やイランと結びつきが強く、ここで米国は一気にマドゥーロ打倒に動くのでは?

記事

あのチリで「極右」カスト大統領誕生

2000年代に入ってから、中南米では左翼政権がどんどん広がる動きが展開されてきた。これは「ピンク・タイド」とも呼ばれている。だが、この流れは今や完全に逆転した。今回は現在起こっている中南米での地殻変動を扱っていきたい。

地殻変動のトップは、チリである。チリでは12月14日に大統領選挙の決選投票が行われ、極右政治家ともいわれるホセ・アントニオ・カスト氏が、約60%の得票率でこれまでの左派の大統領の後継であるジャネット・ハラ氏を破って圧勝した。

カスト・チリ新大統領 by Gettyimages

チリでは、1970年にマルクス主義を公然と謳うアジェンデ政権が誕生した。この社会主義政権は、議会制民主主義を通じて初めて誕生したとして、当時は注目を浴びた。こんな政権が誕生するほど、チリでは左翼勢力が強かったのである。

アジェンデ政権は主要産業の国有化をどんどん進めていったが、その手法はかなり手荒なものだった。産業の国有化に際し、資産価値評価に基づく補償(買取)を原則としながらも、実際には過去の操業で資本家は「超過利潤」を不当に得ていたと見なし、補償に際してはそうした「超過利潤」は差っ引かれて当然だという理屈を築いたのだ。そして過去の「超過利潤」を差し引けば、実質的な価値はゼロないしマイナスになるから、補償をしなくてもいいということにした。要するに、屁理屈を捏ねてタダで奪ったのである。

チリは南米に位置し、歴史的にアメリカとの関係が深い。当然、アメリカ資本も多く進出していたから、アメリカ資本にとって極めて大きな打撃となった。アメリカ政府はこのアジェンデ政権のやり方にカンカンになって怒り、チリに対する援助を停止し、国際金融機関からの融資も妨害した。また、産業の国有化によって国内産業の競争力が弱体化し、物不足とも相まってインフレが進行した。インフレの進行により生活が苦しくなると、それを賃金引き上げで補おうとし、それがさらなるインフレを引き起こすという悪循環に陥り、1973年にはインフレ率は500%を超えてしまった。このように当時のチリ経済は混乱の極みにあった。

チリでピノチェト評価の声も

この混乱の極みにあったアジェンデ政権を1973年に軍事クーデターで倒したのが、当時陸軍総司令官だったピノチェトである。ピノチェト政権は1990年まで続いた。アジェンデ政権とピノチェト政権はオールドメディアによって、よく対比的によく捉えられてきた。そしてこの対比においては、社会主義のアジェンデ政権を善として位置付ける一方、軍事クーデターで成立したピノチェト政権を悪として位置付けるのが一般的だ。確かに、選挙で選ばれた政権を軍事クーデターでひっくり返したという点を見れば、この評価が間違っているとは言えないところもある。

そもそも大学などのアカデミズムの世界やマスメディアにおいては、圧倒的に左派勢力が強かったので、この点でも社会主義のアジェンデ政権を善とし、右派のピノチェト政権を悪とする傾向があった。国有化をめぐる経緯を無視し、また社会主義経済の根本的な矛盾に切り込むこともせずに、アジェンデ政権の経済運営がうまくいかなかったのは、全てアメリカの不当な策謀のせいだと言わんばかりの議論も多かった。私たちはそうした情報空間の中で生きてきたので、こうした左派的な考えに、無意識のうちに染められていたところもある。

チリの首都のサンチアゴには、ピノチェト政権の負の歴史を展示する「記憶と人権の博物館」という大規模な国立博物館が建てられ、ピノチェト政権下で行われた反対派弾圧・人権侵害ぶりが展示されてもいる。この国立博物館は、ピノチェト政権下で辛酸を舐めさせられた左派側が、ピノチェト政権崩壊後に政権を取った際に行った意趣返しのようなものだとも言えるが、彼らがピノチェト政権期に酷い目に遭わされ、殺された仲間も多かったのは確かだ。

にも関わらず、チリの人たちのピノチェト政権に対する評価は必ずしも悪いとは限らないのである。急激な国有化を進めたアジェンデ政権時代に経済が行き詰まった一方で、ピノチェト政権期の経済が順風満帆だったかというと、実は必ずしもそうともいえないのだが、それでもピノチェト政権期を評価する意見は、チリの人たちの中にはかなり強い。

ピノチェト将軍 by Gettyimages

ピノチェト政権期のインフレも必ずしも落ち着いたものではなかったが、それでもアジェンデ政権の混乱期に比べれば、かなり抑え込まれていた。ピノチェト政権期には2度のオイルショックの影響を受けて、主要輸出品目である銅が、世界的な不景気の中で暴落する不幸にも見舞われた。社会主義勢力が、様々にピノチェト政権の邪魔を行い、それが経済の混乱につながったところもある。このような理解も広がり、ピノチェト政権期の実際について、冷静な見方も広がっている。

ピノチェト政権期は、その強権的なあり方の裏返しとも言えるが、国内の治安が回復した時代でもあった。この点を評価する声もチリ人の中では強い。もっともその治安のよさは、ピノチェト政権が社会主義勢力を徹底的に弾圧していたことにも起因するから、左派勢力には許しがたいものなのは、間違いない。

ベネズエラからの不法移民大量発生が

このように、左右の立場によって、ピノチェト政権期の評価は正反対になるのだが、着目しておきたいのは、新大統領に選出されたカスト氏が、公然とピノチェト政権を肯定的に評価していたところだ。公然とピノチェト政権を肯定するカスト氏を、チリ国民が圧倒的に支持したというのは感慨深い。

カスト氏の支持を高めているのは、隣国であるアルゼンチンのミレイ政権誕生の影響もあるだろう。ミレイ大統領は「アルゼンチンのトランプ」と呼ばれることもある強力な右派の大統領だが、アルゼンチン経済を安定した成長軌道に乗せて、今は国民の支持を集めている。

だが、ミレイ政権誕生以上にカスト氏当選を後押ししたのは、チリのナショナリズムが高揚したことによる。チリのナショナリズムが高揚した最大の理由は、移民の急増にある。チリの全人口に占める移民の割合は10%程度にまで上昇した。ペルー人、コロンビア人、ハイチ人、ボリビア人もかなり目立つが、圧倒的に多いのがベネズエラ人だ。

ミレイ・アルゼンチン大統領 by Gettyimages

そしてベネズエラ人の中には南米最大級の犯罪組織である「トレン・デ・アラグア」、同様の犯罪組織の「太陽のカルテル」などに関係している人間も含まれている。これらの犯罪組織は、ベネズエラ政府とも深い関係があり、不法移民ビジネス、暗号資産を使ったマネーロンダリング、麻薬の密売、性産業に関わる人身売買に加え、猟奇的な殺人まで行っている。チリでは、マドゥーロ政権に反対するベネズエラの有力政治家がトレン・デ・アラグアによって殺され、セメントで固められた姿で発見されるなんてことも起こっている。

チリの人口10万人あたりの殺人件数は、2015年は2.3人だったが、2022年には6.7人にまで増加した。人口10万人のうち2.3人が1年間で殺されるというのも、我が日本から見れば信じられないくらいに多いが、それがさらに3倍近い6.7人にまで上昇したとなれば、由々しき事態だ。治安の悪化は国民共通の問題意識となり、カスト氏は既に国内にいる不法移民を国外追放するだけでなく、隣国ペルーやボリビアとの国境に壁を建設し、新たな流入を防ぐことも公約とした。

左派でもベネズエラ現政権だけは拒否

ところで、ベネズエラ人の急増とそれに伴う「トレン・デ・アラグア」や「太陽のカルテル」の活動による治安の悪化で困っているのは、チリだけではない。アメリカも、チリ以外の中南米諸国も同様にその深刻な被害を受けている。ベネズエラがとてつもない混乱に見舞われる中で、国外脱出したベネズエラ人は国民の1/4以上にもなる800万人程度いると推計されている。

ノーベル平和賞受賞のマチャド氏 by Gettyimages

こうした中で、今年のノーベルの授賞式に合わせて、パナマのムリノ大統領、エクアドルのノボア大統領、アルゼンチンのミレイ大統領、パラグアイのペニャ大統領という4人の中南米の大統領が、授賞式の行われるノルウェーのオスロに向かった。

彼らがノーベル賞を受賞したわけではない。ベネズエラの反体制派指導者マリア・マチャド氏がノーベル平和賞を受賞するのに合わせて、わざわざ現地に足を運んだのだ。ベネズエラからの移民と「トレン・デ・アラグア」や「太陽のカルテル」の問題で自分たちの国が困っているのは、ベネズエラの選挙であからさまな不正を行って政権を維持しているマドゥーロ政権が原因だということを、世界にアピールするためにわざわざ出掛けたのである。アルゼンチンのミレイ政権は、国際刑事裁判所(ICC)にマドゥーロの逮捕状を要請する動きも見せている。

アメリカのトランプ政権が発案した「ベネズエラの選挙結果の公平で独立した監査を求める共同声明」は、アメリカ以外に、アルゼンチン、コスタリカ、チリ、エクアドル、グアテマラ、パナマ、パラグアイ、ペルー、ドミニカ共和国、ウルグアイの中南米10カ国が賛同し、2025年の8月に発表された。

これらの国々の中には、実は左派政権の国も多く含まれている。グアテマラのアレバロ大統領も左派系だが、「マドゥーロ政権は民主的ではなく、私たちはその詐欺を認めない」と語っている。同じく左派系のチリのボリッジ大統領、ブラジルのルラ大統領、コロンビアのペトロ大統領、メキシコのオブラドール大統領も、アレバロ大統領よりは控え目だが、詳細な投票集計を見ずに彼の再選を認めることはできないとの立場を示している。

こうした左派系の政権とベネズエラのマドゥーロ政権は、イデオロギー的には同じ方向を向いているとは言える。それでも国内にベネズエラからの大量の移民流入による実害が生じ、国民の不満が高まっている状態では、ベネズエラのあまりに露骨な選挙不正に目をつむることができなくなっているのだ。

2025年の8月に行われたボリビアの大統領選挙の1回目の投票では、与党である左派の社会主義運動党(MAS)から出馬したデルカスティージョ候補はわずかに3%しか得票できず、10月の決選投票に進むこともできなかった。決選投票では中道のキリスト教民主党(PDC)のパス上院議員が勝利し、20年に及ぶ左翼政権は完全に崩壊した。2000年代初めから始まった「ピンク・タイド」の流れは、皮肉にも、左派政権であるマドゥーロ政権が強引に居座る反作用で、完全に逆転したのである。

現在、アメリカのトランプ政権がマドゥーロ政権の排除に動こうとしているが、これを実際にトランプ政権が行ったとしても、中南米諸国の反発は意外と小さいものにとどまるのではないか。そのくらい中南米諸国においてベネズエラのマドゥーロ政権は問題視されているのである。

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