『「こんなことでは中国に攻撃される」…頼清徳政権の発足から1年、いま台湾の人々が懸念を募らせる「内憂」の情けない中身』(5/30現代ビジネス 田輝)について

5/29The Gateway Pundit<WAYNE ROOT: President Trump, Why Isn’t Barack Obama in Prison? It’s Time to Order These Specific Investigations of Obama.=ウェイン・ルート:トランプ大統領、なぜバラク・オバマは刑務所に入っていないのですか?オバマに対する具体的な調査を命じる時が来ています。>

Wikiによれば、オバマはコロンビア大学で文学士号取得、ハーバード大学ロースクール修了。胡散臭い人物。

ウェイン・アリン・ルート著

不思議なことに、12年前にコロンビア大学の教授に行ったインタビューのことを、ほとんど忘れていたんです。

ヘンリー・グラフ教授。

グラフは、おそらく近代コロンビア大学で最も著名な教授だったでしょう。彼はコロンビア大学の名門歴史学部の学部長を務め、コロンビア大学の歴史家も務めました。グラフはコロンビア大学の著名な卒業生全員の記録を保管していました。

グラフ教授に電話すると、すぐに私のことを覚えてくれました。授業で私のことを覚えていてくださり、2008年のリバタリアン党の副大統領候補に私が選ばれたことを誇りに思ってくれました。

グラフはそれをすべてすぐに理解した。しかし、バラク・オバマについては知らなかった。

グラフ教授は私にこう言いました。「コロンビア大学に在籍した重要な政治家は全員、私が教えたんです。アメリカ史と外交史、いずれにしても、彼らは皆私の授業を受けなければならなかったんです。」

「オバマはいなかった」と彼は続けた。「私のクラスにそんな名前の生徒はいなかった。会ったことも、見たことも、聞いたこともない」

グラフ氏は「コロンビア大学の他の教授陣も誰も彼を知りませんでした。私は彼をコロンビア大学の学生とは見なしていません。誰も彼を知りません」と主張した。

グラフ氏は「オバマ氏が本当にコロンビアに行ったのかどうかは疑問だ」と結論づけた。

それはとんでもない発言だった。

それは12年前の2013年6月7日のことでした。

https://www.theblaze.com/contributions/ghost-of-columbia-part-ii-legendary-columbia-professor-never-heard-of-obama

オバマが国の政治舞台に登場した日から、私は彼が詐欺師であり、過激なマルクス主義者の裏切り者であり、ディープステート/CIAの工作員であり、そして“Manchurian Candidate”であると警告してきた。」

グラフ教授のコメントは私の直感を裏付けました。オバマ氏のコロンビア大学に関する話には何か不穏な点があるようです。

私が今この話をしているのは、つい数日前に私のお気に入りのビジネスサイトZeroHedge.comに、コロンビア大学のグラフ教授とのインタビュー記事が掲載されたからです。以下をご覧ください。

https://www.zerohedge.com/political/never-heard-him-notable-columbia-prof-says-he-isnt-sure-obama-attended-columbia

どういうわけか、ZeroHedgeは事実を混同していました。彼らはこれを私が行った新しいインタビューとして報道していましたが、実際には2013年のインタビューでした。

しかし、人生に偶然などありません。物事には必ず理由があると信じています。ZeroHedgeのあのミスがきっかけで、私はトランプ大統領に、ずっと先延ばしにされてきたオバマ大統領に関する調査を求めることにしました。

トランプ大統領は、司法省、FBI、CIA、NSA、およびアメリカ合衆国のすべての安全保障および捜査機関を支配しています。

オバマ大統領と、米国の敵が偉大な国を破壊しようとする企ての鍵を握っていると私が信じるオバマ大統領のあらゆるスキャンダルの調査を命じるには、今がまさに絶好の機会だ。

こうしたスキャンダルの渦中には常にオバマがいる。

まず大統領、バイデン大統領の政権を調査するために特別検察官を雇うべきです。バイデン氏の周囲の人々は、彼が認知症であることをいつ知ったのでしょうか?癌にかかっていることをいつ知ったのでしょうか?なぜこれらの事実は米国民に一切明らかにされなかったのでしょうか?

そして、これらすべてに絡み合っているのが、バイデンのオートペン・スキャンダルです。これらすべての法案、大統領令、恩赦に署名したのは誰でしょうか?そして、4年間の失敗したバイデン政権において、すべての決定を下し、すべての命令を出したのは誰でしょうか?

答えはオバマ氏だと私は賭けます。

オバマが指揮を執り、命令を出し、政府を動かした。

バイデン氏の大統領職はオバマ氏の3期目だった。

オバマの不正とスキャンダルの鍵はコロンビア大学にあるのだろうか?すべてはコロンビア大学から始まったのだろうか?成績も悪く、平均的な大学出身のオバマは、どのようにしてコロンビア大学への編入を認められたのだろうか?交換留学生としてコロンビア大学に入学したのだろうか?

オバマ大統領は留学生として無償で通学させられたのだろうか。トランプ大統領が、今日、ハーバード大学とコロンビア大学では留学生が無償で通学させられていると明らかにしたように。

オバマ氏はコロンビア大学への出願時にインドネシア国籍を主張したのだろうか? それとも詐欺行為を行ったのだろうか? それとも、彼はインドネシア国籍だったのだろうか? オバマ氏は大統領に就任する資格がなかったのだろうか? もしそうなら、法的にはどのような影響があるのだろうか? オバマ氏が8年間に行ったことはすべて「無効」なのだろうか?

大統領、ついでに、DOGEが何百万もの偽造番号を含む社会保障番号の調査に奔走しているようですから、オバマ大統領の社会保障番号も調査してください。何年も前から、コネチカット州の番号で偽物だと読んでいました。さて、今やあなたは社会保障を管理しているのですから、真相を突き止めましょう。

アメリカ合衆国大統領が偽の社会保障番号を使うのはなぜでしょうか?オバマ氏は米国籍を持っていなかったため、社会保障番号を持っていなかったのでしょうか?

大統領、お忘れなく。この男があなたと大統領選陣営へのスパイ活動を命じたのです。あれは反逆罪です。

オバマはあなたを排除するために2020年の選挙を不正に操作し盗むよう命じた男でもあると私は賭けます。

オバマは、政府による武器化された迫害と絶え間ない起訴であなたたちを破滅に導いた人物に違いない。オバマは、あなたたちが残りの人生を刑務所で朽ち果てていくことを望んでいた。

そして、調査すべきオバマのスキャンダルがもう1つある。

私がFOXニュースでオバマ大統領がコロンビア大学に姿を見せたことは一度もないと暴露したところ、オバマ大統領はIRS(内国歳入庁)に私を抹殺するよう命じました。私は4年間もIRSから迫害され続けました。私のファイルはロイス・ラーナーの机の上にありました。私の事件を担当したジュディシャル・ウォッチのトム・フィットンに聞いてみてください。

これはオバマにとって大きな弱点だ。

オバマは、私のような政敵に対するIRS攻撃を命じ、重罪を犯しました。最初の頃は、オバマが指揮を執っていたというだけの理由で、本格的な捜査は行われませんでした。

今こそオバマを捕らえる時だ。ロイス・ラーナーと関与したすべてのIRS職員に召喚状を送り、数十年の懲役刑で脅し、首を絞めろ。オバマの政敵を攻撃するよう命令したのは誰だ?ウェイン・アリン・ルートを攻撃するよう命令したのは誰だ?ボスの中のボス、オバマを手放せば免責を認める。

オバマは刑務所に入るべきだ、トランプ大統領。

彼があなたにしたことに対して。彼が私にしたことに対して。彼がバイデンにしたことに対して。彼が米国にしたことに対して。

それはあなた次第です、トランプ大統領。

一つだけ確かなことは、すべての嘘、詐欺、スキャンダル、陰謀は、コロンビア大学の1983年卒業生で、私の同級生では決してなかったバラク・オバマから始まったということだ。

https://www.thegatewaypundit.com/2025/05/wayne-root-president-trump-why-isnt-barack-obama/

5/29Rasmussen Reports<57% Favor U.S. Military Action Against Iran’s Nukes=57%がイランの核兵器に対する米国の軍事行動に賛成>

有権者はイランの核兵器計画を圧倒的に懸念しており、その脅威を終わらせるために米国の軍事攻撃を支持する人が大多数を占めるだろう。

ラスムセン・レポートによる最新の全国電話・オンライン調査によると、米国の有権者の77%がイランの核兵器開発の可能性を懸念しており、そのうち44%は「非常に懸念している」と回答しています。懸念していないと回答したのはわずか18%です。

https://www.rasmussenreports.com/public_content/politics/trump_administration_second_term/57_favor_u_s_military_action_against_iran_s_nukes?utm_campaign=RR05292025DN&utm_source=criticalimpact&utm_medium=email

5/30阿波羅新聞網<美中卡住了!逼川普决战习近平—美财长曝与中共谈判停滞 需川普习近平亲自介入=米中は膠着状態!トランプに習近平との対決を迫る-米財務長官、中共との交渉は行き詰まり、トランプと習近平の直接介入が必要と明らかに>スコット・ベセント米財務長官は木曜日、日本を含む貿易相手国は米国と誠意を持って交渉を続けていると述べた。米貿易裁判所がトランプ政権による最新の関税措置の実施を差し止める判決を下してからも、態度は変わっていない。

しかし、30日の海外メディアの報道を纏めると、ベセントはFOXニュースチャンネルの独占インタビューで、中国との貿易交渉はやや行き詰まっているものの、今後数週間のうちに中国当局者とさらなる対話を行う予定だと述べた。また、トランプが習近平と話し合う可能性もあると述べた。交渉の規模と複雑さを考えると、両首脳の直接介入が必要だとしている。ベセントは、両国の関係は良好であり、トランプが立場を明確にすれば北京が交渉のテーブルに戻ってくると確信していると述べた。

さらに、ベセントは、複数の大型取引が完了に近づいており、その中にはより複雑なものもあると明らかにした。先週金曜日、トランプがEUに50%の関税を課すと脅迫した後、EUは週末にかけて迅速に交渉のテーブルに戻った。そのため、EUは現在、行動を起こしている。

ベセントは、「米国の貿易相手国は、90日間の停止期間が終了する前に合意を締結しようと誠意を持って我々にアプローチしている。これに対し、過去48時間で彼らの態度に変化は見られない。実際、明日の朝、私の事務所には大規模な日本代表団が到着する予定だ」と述べた。

ベセントはまた、上院には大統領の決定を覆す機会があったにもかかわらず、そうしなかったため、司法が現時点で介入するのは極めて不適切だと率直に述べた。三権分立の原則に基づき、上院は権限を行使しないことを選択し、大統領は米国の貿易政策を決定する絶対的な権利を有する。彼は、トランプ政権は公正な貿易に尽力し、米国民にとって最良の取引を目指していると強調した。裁判所によるいかなる介入も、米国民の貿易上の利益を損なうだけでなく、関税収入にも影響を与えるだろう。

一方、ベセントは、関税は予算と無関係ではないと強調した。法案が上院から提出されるにつれ、米国が相当な関税収入を得ていることがわかる。そして、彼は今年の赤字は昨年よりも少なく、来年は今年よりも少なくなると見ている。ベセントは、米国は確かに赤字を抱えていることを認めたが、それはトランプの就任後120日間に起因するものではないと述べた。彼は、トランプ政権は平時で、衰退期でない時期の史上最大の赤字を引き継いだが、この債務は長期間にわたって蓄積されてきたと述べた。彼は、トランプが退任する2028年までに、これらの数字は長期平均に戻ると考えている。

ベセントの言う通り、司法権の濫用が起きている。

https://www.aboluowang.com/2025/0530/2226075.html

5/30阿波羅新聞網<【微博精粹】通缩到来!中国恶梦2025=【Weibo精髄】デフレ到来!中国の悪夢2025>大紀元:【ハーバード大学が赤く染まる?中共の資金と権貴の子女が全面的に浸透】近年、中国から数千万ドル規模の寄付が行われており、その一部は第三者を経由して匿名で送金されているため、追跡が困難になっている。 1990年以降、ハーバード大学は短期プロジェクトを通じて、李源潮、劉鶴、陳徳銘、謝伏瞻などを含む中共官員約1000人を養成してきた。習明沢、薄瓜瓜、江沢民の孫、趙紫陽の孫など、権貴の子女も多数卒業しており、「中共権貴の金メッキ寺院」と揶揄されている。

ハーバードは中共の金で運営したら。名前もハーバード共産主義大学に変えて。

https://www.aboluowang.com/2025/0530/2226041.html

5/30阿波羅新聞網<强悍!撤销中国学生签证 “这正是我们所需要的行动”= 強力!中国人学生ビザを取り消せ、「まさにこれこそ我々が必要な行動だ」>米国共和党議員は、マルコ・ルビオ国務長官が5/28(水)に中国人学生ビザを取り消しした決定を支持した。米国の学生ビザ制度は北京にとって「トロイの木馬」になっていると彼らは指摘した。下院の中国問題特別委員会はツイッターで、ビザ取り消しの決定は「まさに我々が求めていた措置だ」と述べた。米国務省は木曜日、中共が米国の大学を利用して米国の研究、知的財産、技術を盗むことを容認しないと述べた。

米国務省が発表した声明によると、ルビオは水曜日、新たなビザ政策は「中国ではなく米国第一」となると述べた。

声明には、「トランプ大統領のリーダーシップの下、米国務省は国土安全保障省と協力し、中共と関係のある学生や重要分野で学ぶ学生を含む中国人学生のビザを積極的に取り消す。また、ビザ基準を見直し、今後、中国本土と香港からのすべてのビザ申請の審査を強化する」と記されている。

日本も中国人留学生を締め出すべき。反日教育しているのだから猶更。まさか東大はハーバードの中国人留学生を受け入れないでしょうね?

https://www.aboluowang.com/2025/0530/2226037.html

5/29看中国<普京停火条件曝光:北约要书面承诺停止东扩(图)=プーチンの停戦条件が暴露:NATOは東方拡大阻止に書面による約束が必要(写真)>ロシアとウクライナの交渉は現在、膠着状態にある。交渉に詳しいロシアの情報筋3人が明らかにしたところによると、プーチン大統領はウクライナ戦争終結の条件として、西側諸国の首脳がNATOの東方拡大阻止、ウクライナが中立を維持すること、西側諸国がロシアの国家資産凍結問題を解決するための制裁を解除すること、ウクライナ国内のロシア語話者を保護することを「書面で約束」すると提案した。

これでは停戦できない。

https://www.secretchina.com/news/gb/2025/05/29/1082991.html

何清漣 @HeQinglian 9h

EUのアンドリウス・クビリウス国防宇宙担当委員は5/29、欧州は現在「パーフェクト・ストーム」(複数の悪い出来事が同時に起こる状態)に直面しており、深刻な危機につながる可能性があると警告した。EUは米国に対する不満を軽減し、米国との「怒りの離婚」を避けるべきだと。

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田氏の記事では、台湾は内憂外患とありますが、内部で分裂している時ではないのに・・・。またトランプ政権をもっと信じた方が良い。ひとまずリコール運動の結果を待って、政局転換が図れるかどうか。

記事

少数与党政権に求められること

台湾の頼清徳総統がこの5月20日、就任から丸1年を迎えた。この間、総統の支持率はおおむね50%前後で不支持を上回りまずまずであったが、政権運営に関しては山あり谷ありを続けてきた。本稿ではまず、比較的日本での報道が少ない「内憂」から見ていきたい。

頼政権の門出に暗い影を落としたのは、立法院(国会)の選挙で与党民進党が8年ぶりに多数派の座を失ったことである。定数113議席の過半数は57だが、民進党は2016年には68議席、2020年も61議席と過半数を獲得し、総統選で2回勝利した蔡英文氏と合わせて立法・行政の両方を押さえたため、比較的安定した政権運営を行うことが出来た。

しかし今回は総統選では民進党が3連勝を果たしたものの、立法院の議席は51にとどまって国民党の52議席を下回った上、8議席を獲得した台湾民衆党との連立にも失敗したことから、2000~2008年の陳水扁政権と同様、立法院を野党に牛耳られる厳しい政権運営を強いられることになった。

頼政権が発足する少し前、台湾の大手メディア幹部Z氏は筆者に対し、「自説に固執する傾向もある頼新総統が、外に中国、内に国民党という『挟み撃ち』の状況の下で、いかに上手に妥協できるかがカギになる」と述べていた。しかし現実には頼氏は大胆な妥協を行うことはなく、立法院は国民党と民衆党の連携によって政権の足を引っ張る法案が次々に可決され、2025年度予算は大幅に削減・凍結された。

柯文哲 by Gettyimages

それまで非民進党・非国民党の是々非々路線を主張していた民衆党が国民党に急接近した要因の1つに、NCC(国家通信放送委員会)委員人事をめぐる紛糾がある(詳細は2024年5月14日公開の拙稿「中国べったりTVへの免許再交付圧力、これが台湾・頼清徳新政権が直面する最初の難関」参照)。

当時の法律では、NCC委員の人事は立法院の同意が必要だが、野党から人事案を否決されても次の委員が決まるまで現職が業務を遂行することになっていたため、行政院が野党の反発する人選を差し替えないまま名簿を立法院に送るという、挑戦的な姿勢を見せたのである。

国民党は民衆党と協力して、「次の委員が決まるまでは現職が業務を遂行する」との条文を削除する法改正を行ったため、定員7人の委員会は2024年12月になると、任期満了者の補充が出来ない中、委員数がわずか3人に減ってしまった。そして今年5月26日現在、行政院は新たな委員候補のリストを立法院に提出していない。

民衆党は柯文哲スキャンダルで反民進へ

しかし民衆党が完全な反民進党に傾いた最大の要因は、2024年8月に民衆党の柯文哲党首が台北市長時代の汚職容疑で摘発された事件だろう。

「京華城案」と呼ばれるこの事件は、柯氏が台北市長を務めていた2021年、市内の「京華城」地域の再開発をめぐり、土地の容積率を560%から一気に840%に引き上げ、開発事業者である威京グループに特別な便宜を図った疑いが持たれたもので、2024年1月の総統選挙の前から不正を指摘する声が上がっていた。

同年3月、台北市政府が2011年に行った入札を巡る別の事件で国民党の台北市議が摘発されたことをめぐり、柯文哲前市長がその前任である国民党籍の郝龍斌元台北市長を批判したことから、郝元市長が契約の細部にかかわった柯前市長に責任があると述べた上、「京華城」の容積率緩和こそ問題だと反撃し、国民党籍の鍾小平台北市議が柯氏を台北地検に告発する事態になった(詳細は自由時報電子版、2024年4月3日「郝龍斌反擊柯文哲!控京華城案柯市府圖利廠商上百億 – 自由財經」参照)。つまりこの事案はもともと、国民党と民衆党の野党同士の争いの側面が強かったのである。

ところが台北地検が「京華城」事件で摘発した対象には、柯氏に加えて国民党籍の応暁薇台北市議も含まれており、国民党は無傷というわけにはいかなくなった。立法院で民衆党の協力を必要としていた国民党は、もともと柯氏の個人商店の色彩が強い民衆党が、あくまで柯氏を守り抜こうとして事件を民進党政権による「政治弾圧」と定義したことを受け、柯氏に対する批判を封印した。

柯氏についてはこの事件の他、総統選挙の際の政治献金の収支申告に関して、紙タオルに900万台湾ドル(約4300万円)の支出をしたと申告したことが暴露されるなど「柯文哲政治献金案」でも検察から摘発され、検察は同年12月、柯氏を「京華城案」で1710万台湾ドル(約8100万円)の賄賂を受け取ったことなど4つの罪で起訴し、合わせて懲役28年6カ月を求刑する方針を示した。

柯氏はその後、民衆党党首を辞任したが、事件については無罪を主張しており、民衆党は国民党との提携で立法院の主導権を握ることで民進党政権への報復を図る道を歩むことになる。

しかし国民党も逆風

今年に入って特に問題となったのは、行政院が提出した2025年度予算案に対する大幅削減措置である。国民党はまず、公共テレビの英語チャンネル「Taiwan Plus」の報道内容が偏っているなどとして、公共テレビに配分される予算23億元(約110億円)全額をカットすることを提案した。

しかし民進党だけでなく文化界からも強い反発を受けたことから、予算カットの金額を一挙に100分の1の2300万元に縮小するというドタバタ劇を演じた。その後も1月20~21日にかけての長時間にわたる採決の末、予算総額の6.6%に当たる2075億台湾ドル(約1兆円)が削減された上、一定の対応がなされるまで一時的に凍結される予算金額も2600億台湾ドル余りに上った。

またこの他にも野党が自らに有利な法案を、与党との協議をほとんど行わないまま立て続けに通していたこともあって市民の間で反発が強まり、最大野党の国民党の立法委員に対するリコール運動が始まった。この運動に民衆党の立法委員が含まれないのは、民衆党からの当選者が全て比例区選出で、リコールは選挙区の選挙民の署名・投票を経る必要があるからである。

さらに1月に民進党の立法委員の大ボスである柯建銘氏が幅広い選挙区でリコール運動を行う「大罷免運動」を呼び掛けたこともあり、全島で国民党の選挙区選出議員に対するリコール要求の署名活動が始まった。これに対し国民党は、民進党の選挙区選出議員のリコール運動を組織して対抗したが、投票を実施するのに必要な署名が期待通りに集まらず、あげくに「死人の署名」など偽造の不正が疑われる事案が頻発し、4月には基隆市、新北市、宜蘭県、台南市、屏東県などで国民党支部が検察の捜索を受けたり、関係者が拘束されたりする事態となった。

これに対し国民党は民衆党と同様、「民進党政権による政治弾圧」と主張したが、署名の偽造疑惑についての謝罪などは筆者の調べた限り行っておらず、むしろ「国民党議員に対するリコール運動の署名にも不正があったのに、一方の側だけを摘発している」として政権批判を強めていった。しかし実際は不適切な署名の数は、「死人の署名」が1365件に上ったのをはじめ、国民党が組織したリコール運動の方が圧倒的に多かった(詳細は三立新聞網、2025年3月5日「丟臉的不是32:0!民進黨轟國民黨:偽造超過千位亡者簽名」参照)。

「台湾は米国の半導体産業を盗んだ」

次に「外患」だが、台湾にとって最も重要な対外関係は常に「中国」と「アメリカ」である。

このうちアメリカについては第二次トランプ政権の誕生という“衝撃”が台湾を揺さぶった。台湾では、第一次トランプ政権発足前の2016年12月にトランプ氏が蔡英文総統との電話会談に応じたことから、もともとトランプ氏には好意的な見方をする人が多かったが、2024年の大統領選の前から、トランプ氏は台湾に関して「台湾は防衛のコストをわれわれに払うべきだ」「台湾はGDPの10%を国防費に充てるべきだ」「台湾は米国の半導体産業を盗んだ」等の発言を繰り返し、台湾を一気に不安にさせた。

その一方、頼清徳総統は2024年5月の就任演説で、「いま、ロシア-ウクライナ戦争とイスラエル-ハマス戦争が全世界に衝撃を与え続ける中、中国の軍事行動と灰色の脅迫もまた、世界の平和と安定にとって最大の戦略的挑戦となっている」「中国からもたらされる各種の脅威と浸透工作に直面する中、我々は国を守る決意を見せなければならない」などと、中国の脅威を強調する文言を数多く並べて中国を激怒させた(詳細は2024年4月6日公開の拙稿「台湾を包囲し『軍事演習』で威嚇…!中国を激怒させた台湾新総統の『許しがたい演説』と台湾人の『脅迫慣れ』」参照)。

さらに今年3月には臨時の記者会見で「中国はメディアや政党、現役や退役軍人までをも取り込み、われわれの内部で分裂、破壊、転覆活動を行っている」として、初めて中国を「境外敵対勢力」だと明言した。

中国の習近平国家主席が台湾統一に向けた軍備拡張を進める中、中台の関係は悪化の一途をたどっており、頼清徳政権としてはトランプ氏に不安を感じていてもアメリカと距離を置く選択肢はなく、むしろアメリカに「抱きつく」戦略しか残っていないのが現実だ。そのことがまた対中融和による経済的実利を望む国民党の不満を拡大させ内政の停滞につながるという、まさに「内憂外患」の極みとなっている。

頼総統は5月20日の就任1周年の談話では、国民党や民衆党、それに中国に対する批判を行わない穏健な内容を発表したが、ベテランジャーナリストの荘豊嘉氏は「対中緊張を緩和させようとするアメリカの圧力があったのではないか」と指摘している。

リコール合戦の結果は

頼清徳政権が今後突破口を見出せるかを占う一つの焦点は、先述した「大罷免運動」の結果がどうなるかである。

リコールの手続きは3段階で構成され、第一段階では有権者の1%以上の署名が、第二段階では10%以上の署名がそれぞれ必要とされ、有効署名が2回とも必要数に達した場合、第三段階の投票となる。リコールの実現には、投票で賛成票が反対票を上回り、かつ有権者の25%以上を占めることが求められる。

5月23日現在、罷免を求める第二段階の署名が必要数を上回ったとして中央選挙委員会に提出された立法委員は、国民党が31人で、民進党は0人となっており(詳細はTVBS新聞網、2005年5月23日「不斷更新/最新罷免進度!31藍委達標送件 罷綠委仍掛零│TVBS新聞網」参照)、このうち委員会が署名を有効と認めた立法委員へのリコール投票が早ければ7月に実施される見込みである。

罷免が成立した場合、補欠選挙が行われるが、仮に国民党の立法委員が罷免された選挙区で民進党候補が勝つと立法院の政党構成が変わってくる。民進党が6議席以上増やした場合、立法院で単独過半数となるので、政権運営は少なくとも内政面では安定することが期待できる。

しかし、例えば台北市第7選挙区の徐巧芯議員は毀誉褒貶が多く罷免の恐れも高いと言われるものの、もともと国民党が強い選挙区のため、前回選挙の国民党内予備選で徐氏に敗れた費鴻泰前議員が出馬すれば民進党の候補に勝つ可能性が高いとされるなど、リコールが成立した場合でも自動的に民進党の議席が増えるとは限らない。

さらに大きな問題は、有権者の大罷免運動に対する見方である。財団法人台湾民意基金会が4月14日に発表した世論調査結果によると、民進党の柯建銘氏が呼び掛けた国民党立法委員41人のリコールについて、「大いに賛成」が20.1%、「まあ賛成」が13.7%だったのに対し、「あまり賛成しない」が22.2%、「全く賛成しない」が37.1%と批判的な声の方が大きかった(詳細は台湾民意基金会ウェブサイト「國人對大罷免態度的新發展(2025年4月14日)」参照)。このことは、仮に国民党議員の何人かが罷免されたとしても、それが頼清徳政権への信認には直結しないことを意味する。

この1年の台湾政局を見ると、国民党と民衆党の側にエラーが多かったにもかかわらず大罷免運動への支持が広がらない背景には、台湾人の「バランス感覚」があると思われる。過去8年間民進党が立法と行政の双方を押さえるいわゆる「大政府」状態が続いたため、多くの台湾人はさらに民進党にフリーハンドを与えることに慎重になっているのである。特に最近は、頼総統への満足度が急落したという世論調査結果も見られ、(詳細は中天新聞網、2025年5月19日「賴清德520民調雪崩!不滿意度53%創「台灣史上最高紀錄」参照)これが頼総統が中国への対決姿勢を鮮明にしたことの影響なのかどうか、日本のある台湾研究者は「今後の世論調査結果の推移に注目する必要がある」と述べている。

とはいえ、大罷免運動の第2段階までの結果で言うと、国民党の立法委員のうち約30人について必要数を上回る署名が集まった一方、民進党の立法委員をリコールするための署名はいずれも必要数に達せず、国民党側だけがリコール投票の対象になる見通しとなった。

先述の荘豊嘉氏は、「大罷免運動には反対の有権者も多いが、賛成の人は強く賛成しているため投票率が高くなる一方、反対の人は消極的反対のため投票に行かないケースが多くなりそうで、リコールされて再選挙になり民進党が立法院で多数を奪還する可能性も十分にある。その背景には、政治家が台湾内部で足の引っ張り合いをしているうちに中国が台湾を攻撃するリスクへの台湾人の懸念がある」と指摘する。いずれにせよリコール投票の結果がどうなるかには目が離せない。

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