『なぜこうなった?三つ巴の台湾総統選、「一つの中国」めぐり中国当局が暗躍か 選挙まであと6週間、野党協力は失敗しホンハイのテリー・ゴウは謎の動き』(12/1JBプレス 福島香織)について

11/30The Gateway Pundit<What are They Hiding? — Democrat Sen. Dick Durbin Blocks Senator Marsha Blackburn’s Motion to Subpoena Jeffrey Epstein’s Flight Records=彼らは何を隠しているのでしょうか?—民主党ディック・ダービン上院議員、ジェフリー・エプスタインの飛行記録の召喚を求めるマーシャ・ブラックバーン上院議員の動議を阻止>

離れ小島でエプスタイン斡旋の小児性愛をした議員やセレブの連中がたくさんいるのでは。だからエプスタインは獄中で自殺(本当は暗殺では)した。

木曜日、上院司法委員会のディック・ダービン委員長(民主党、イリノイ州)は、小児性愛者ジェフリー・エプスタインへの飛行記録の公開とソトマイヨール判事のスタッフの召喚を求めるマーシャ上院議員の要請を阻止した。

ブラックバーン上院議員は声明で、「これは権威ある司法委員会の歴史において悲しい日であり、左翼の二重司法の運動をさらに強調するものである」と述べた。

「ピザゲート」で著名人が児童人身売買組織に関与していることを示唆した記事で知られるコラムニストのリズ・クロキンは、Xで次のように書いた。

https://www.thegatewaypundit.com/2023/11/what-are-they-hiding-democrat-sen-dick-durbin/

12/1Rasmussen Reports<52% of Voters Give Congress ‘Poor’ Rating=有権者の52%が議会に「悪い」評価を与えている>

メデイアは左翼グローバリストに牛耳られていて、彼らを気にして政策が練られるとしたら、間違った方向に進むのは必定。

ほとんどの有権者は議会が良い仕事をしているとは信じておらず、2対1の差で議会議員は有権者がどう思うかよりもメディアを気にしていると述べている。

ラスムッセン・レポートの最新の全国電話およびオンライン調査によると、米国の有権者と思われる人の20%が議会の実績を良好または優れていると評価しており、  9月の24%から減少している。議会の仕事がうまくいっていないと考える人は52%で、9月の44%から増加した。

https://www.rasmussenreports.com/public_content/archive/mood_of_america_archive/congressional_performance/rate_congress_dec01?utm_campaign=RR12012023DN&utm_source=criticalimpact&utm_medium=email

12/2希望之声<北约-乌克兰理事会:乌克兰有望战后加盟北约=NATO・ウクライナ評議会:ウクライナは戦後NATOに加盟する見込み>NATO・ウクライナ理事会が11/29(水)に開催され、NATOは「必要な限りウクライナの自衛を支援し続ける」と約束し、ウクライナがロシア・ウクライナ戦争の終結後にNATOに加盟する見通しであることも表明した。

1日のFOXニュースの報道によると、NATO加盟国の外相は水曜日(29日)、ウクライナのドミトロ・クレバ外相とともに、初のNATO・ウクライナ評議会を開催した。

NATOは会合後の声明で「強大で独立したウクライナは欧州と大西洋地​​域の安定にとって極めて重要だ」と述べた。

「ウクライナが承認された国境内で独立、主権、領土の一体性を守り続ける中、(NATO)加盟国はウクライナへの政治的・実際的支援をさらに強化するという確固たる決意を持ち続けており、必要な限りサポートを提供する」。

ウクライナは自国のインフラをNATOとの互換性を高めている。 声明には「われわれはウクライナがNATOとの完全な相互運用へ移行するためのロードマップを作成している」と書かれている。

NATO全体としてはウクライナに対して軍事援助を行っておらず、現在ウクライナが受けている援助はNATO加盟国がそれぞれの条件に基づいて独自に提供しているものである。

ウクライナは①領土一部割譲②NATO加盟(最悪米国との同盟)でロシアと平和条約交渉をしてはどうか?

https://www.soundofhope.org/post/774874

12/1希望之声<里根国防调查:过半美国人视共产中国为头号威胁=レーガン国防調査:米国人の半数以上が共産中国を最大の脅威と認識>レーガン国防フォーラムは12/2に開催される。 これに先立ち、米国のレーガン大統領財団・研究所は11/30、2023年度の最新「レーガン国防調査」の結果を発表し、米国人の半数以上が共産中国を最大の脅威とみなしていることを示した。もし中国が台湾侵攻すれば、72%もの人が台湾を独立国として正式に承認することを支持している。

2023年レーガン国防調査は10/27から11/5まで米国成人2,506人を対象に実施された。

レーガン大統領財団の公式ウェブサイトで発表された報告書によると、この最新の世論調査は共産中国に対する米国人の態度に大きな変化が見られることを示している:2018年には米国人の55%が中国を敵とみなし、その後5年間も割合は上昇し続けた。今年には、中国を敵とみなす米国民の割合は77%に達したが、同時に中国が盟友だと考える人はわずか15%にとどまった。

それだけでなく、現在では米国人の51%は共産中国が米国に対する最大の脅威であると考えている;対照的に、ロシアが米国に対する最大の脅威であると考える人の数は減り続けており、現在ではわずか24 %であり、昨年の31%よりも大幅に減少している。

台湾に関する問題について、米国人の73%が中国政府は台湾侵攻するのではないかと懸念しており、米国民の大多数は台湾を盟友だと考えており、この傾向は民主・共和両党の支持者の間で一致している。民主党と共和党支持者の間では、それぞれ68%が台湾は米国の盟友と考えている。

調査によると、中共が開戦した後、台湾を守るために米国が派兵することを支持する米国人が増えており、2019年には米軍が台湾を守ることを支持する人は39%だったが、年々増加し、今年は46%に達した。

同時に、中共の台湾侵攻を阻止するために、米国人の60%が台湾付近への米軍配備の拡大を支持しているのに対し、反対しているのはわずか25%である:米国の台湾への武器売却拡大を支持しているのは55%、反対しているのはわずか28%である。

米国が介入の姿勢を強めれば強めるほど戦争の抑止になる。

https://www.soundofhope.org/post/774709

12/1阿波羅新聞<乌克兰称炸了俄罗斯远东铁道 中俄货运或瘫痪=ウクライナ、ロシア極東鉄道爆撃で中露貨物麻痺の可能性>ウクライナ法執行機関関係者は、ウクライナ治安局(SBU)がロシア極東地域のブリヤート共和国で燃料列車に対して2回の破壊活動を行ったことがわかった。 関係者によると、最初の攻撃は水曜から木曜の夜、ロシア最長のセベロムイスクベソロフ・トンネルで発生し、列車が通過する際に4台の爆発装置が作動した。ウクライナはその後、最初の攻撃後に鉄道交通が迂回されたため、鉄道路線の別の区間を標的にした。現在鉄道交通が麻痺しているとの情報もある。

ロシア本土への破壊活動は有効。

https://www.aboluowang.com/2023/1201/1985164.html

12/1阿波羅新聞<中共党魁走了 这些在美华人摊上事了!【阿波罗网报道】=中共が指導、米国にいる中国人は酷い目に遭う! 【アポロネット報道】>アポロネット秦瑞記者の報道:米国と中共の戦略的競争に関する特別委員会のギャラガー委員長が11/29に米国司法省に書簡を送り、「平和的な抗議活動参加者」に対する中共支持者による暴力的攻撃への憤りを表明した。また、司法省に対し、攻撃に関する情報の提供を求め、また、これらの弱い立場にある人々を確実に保護するためにどのような政策が講じられているのか説明するよう求めた。

11/29、ギャラガーはクリステン・クラーク司法次官補に書簡を送り、習近平が11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議のためサンフランシスコを訪問中に、平和的な民主化運動参加者が中共結盟者による襲撃されたことに対する怒りを表明し、書簡を送った。報道によると、デモ参加者は「金属棒、旗竿、傘、催涙スプレー」を振り回した習近平支持者らに襲撃されたという。 これは、米国に住む中国人反体制派を脅迫し、沈黙させ、危害を加えようとする中共結盟者による数多くの試みのほんの一例に過ぎない。

中共が如何に邪悪で、日本も例外ではないと思わないと。

https://www.aboluowang.com/2023/1201/1985101.html

12/1阿波羅新聞網<花花公子基辛格 追逐女星说出他的名言 深得中共官场青睐与共鸣=プレイボーイのキッシンジャーが女優を追いかけ、有名な名言を発し、中共関係者の支持と共感を得た>1972年の《プレイボーイ・クラブ・バニー》の世論調査では、キッシンジャーはニューズウィーク誌によって「スーパーK」と呼ばれ、「最もデートしたい男」にランクされた。同年中国を訪問した際、「なぜ多くの女の子があなたのような太った男性を好むのですか?」と尋ねられたこともあった。 キッシンジャーの説明は「権力は究極の媚薬である」と説明した。ネチズンSans2000 は「権力は究極の媚薬である」というのは、中共関係者の支持と共感を呼んだと。

キッシンジャーはハニトラとマニトラと両方かかったのでは。

https://www.aboluowang.com/2023/1201/1985147.html

12/1阿波羅新聞網<习近平已“不知所措”!互撕好戏再度上演【阿波罗网报道】=習近平は「途方に暮れている」!互いの言い合いショーが再び上演される【アポロネット報道】>アポロネット秦瑞記者の報道:中共内部の派閥抗争の場面は、常に外の世界に楽しみをもたらす。最近の記事で、中共の江曽派は蔡英文の口を借りて習近平が「国内の困難で途方に暮れている」と揶揄した。

下は「蔡英文:中国は内部で難題を抱えており、今は台湾攻撃はできない」と。

https://www.aboluowang.com/2023/1201/1985059.html

12/1阿波羅新聞網<吃给普京看? 俄罗斯女子被拘留 只因她公然在红场上吃这食物=食べてるのをプーチンに見せたい? 赤の広場で公然とこの食べ物を食べたという理由だけでロシア人女性が拘束>最近、ロシアで奇妙な出来事が起きた。赤の広場で赤キャビアのサンドイッチを食べた女性が拘束された。

サンドイッチとキャビアの持込が許可を受けていないのが理由らしいけど、本当のところは分からない。強権政治の国だから。

https://www.aboluowang.com/2023/1201/1985072.html

https://twitter.com/i/status/1730485792613536138

何清漣 @HeQinglian 8時間

このお爺さんの言葉が真実の命の言葉であることは、体験した人にしか分からない。

引用

夏小強 @xiaxiaoqiang 15h

あなたが率先して連絡を取らないのに、なぜ誰もあなたに連絡を取らないのか?北京の西城区のお爺さんが透徹した解説 #西城大爺

何清漣が再投稿

liqun chen(陳立群) @liqunchen 7h

NY市長の中国系米国人女性補佐官、鄭祺蓉が捜査を受ける。https://epochtimes.com/b5/23/12/1/n14127759.htm @dajiyuanより

中共の海外工作員への警告:

報告しないわけではない、まだその時期ではない。

時が来たら、すべて報告する。

福島氏の記事では、藍白合が破局になって、頼・蕭ペアが楽勝するかと思ったら、「棄保」があるから、分からないと。民進党は立法院選挙と合わせ、組織の支持固めをし、メデイア(含むSNS)にも登場して政策をアピールしないと。特に対中政策が国民党と民衆党と違うので、それを丁寧に説明する必要がある。台商は殆ど国民党支持では。でも大陸で虐められているから、中国以外に投資先を見つけられる手助けを政策として挙げたらどうか。専門家でなくて素人考えですが・・・。

記事

台湾総統選への立候補を届け出た与党、民進党の総統候補、頼清徳氏(左)と副総統候補、蕭美琴氏(写真:中央通信社=共同)

  • 2024年1月13日に実施される台湾総統選挙の候補登録が締め切られ、与党民進党、野党の国民党と民衆党の三つ巴(どもえ)戦の構図となることが確定した。
  • 「一つの中国」めぐり中国・習近平政権が暗躍しているとの見方もあり、選挙の行方が米中を巻き込み地政学リスクに大きく影響を及ぼすのは必至だ。
  • 選挙まであと6週間、各党の基本政策の違いや候補者の素顔、チャイナウォッチャーの見立てなどを詳報する。(JBpress)

(福島香織:ジャーナリスト)

11月24日をもって、台湾総統選挙の候補の登録が締め切られた。来年1月13日の台湾総統選は、与党民進党の頼清徳総統候補・蕭美琴副総統候補ペア、国民党の侯友宜総統候補・趙少康副総統候補ペア、民衆党の柯文哲総統候補・呉欣盈副総統候補ペアの三つ巴戦となる。

今回の総統選は、この形に落ち着くまで紆余曲折あった。最大の山場は、国民党と民衆党の選挙協力が成立するかどうか、だった。結果的に、この夢の野党協力は最悪の形で決裂。これで、民進党の頼・蕭ペアは総統選レースにおいて圧倒的優位に立つことになったのだろうか。選挙まであと6週間、その行方を占ってみたい。

当初、台湾総統選に候補として出馬すると公表していたのは4人。民進党候補で現在の蔡英文政権で副総統を務める頼清徳、国民党候補で2022年の九合一選挙で新北市長に最高得票率で当選した侯友宜、昨年秋まで台北市長を2期8年勤めあげた民主党候補の柯文哲、iPhoneなどの受託生産で知られる世界的大手EMS(電子機器受託サービス)企業・鴻海(ホンハイ)精密工業の創業者で無所属のテリー・ゴウこと郭台銘。

民進党の頼清徳・現副総統(写真:ロイター=共同)

頼清徳は、蔡英文政権の後継者として、現状の政策を維持するとみられている。国防重視の親米派、経済的には中国依存脱却推進。中国の習近平政権は蔡英文も頼清徳も「台独派」として敵視している。

国民党の侯友宜氏(写真:中央通信社=共同)

国民党候補の侯友宜は、中国との対話重視で、中国との経済関係も改善したいとしている。疑米派(米国への国防依存のし過ぎが台湾海峡の平和安定に悪影響をもつという考え)とみなされた時期もあったが、秋に米国訪問もしており、対米関係もそれなりに重視する素振りを見せている。

警察官僚出身の侯友宜は外交経験・センスが乏しい。真面目で朴訥(ぼくとつ)な人柄で有権者人気は決して悪くはない。だが、外省人(国民党とともに中国大陸から台湾に渡った人)ではない国民党の台湾人総統候補は李登輝以来であり、古い国民党支持者や党内の守旧派老人は不満に思っているかもしれない。党是としての「92年コンセンサス」を支持し、中華民国が唯一の中国という国民党としての「一中原則」は否定していない。

民衆党の柯文哲氏(手前左)(写真:中央通信社=共同)

柯文哲は台北市長2期8年を勤めあげ、自身で「民衆党」を結党し、総統選に臨む。台北市政に対する市民の評価は悪くなく、既存の政党政治にうんざりし始めていた有権者の心を捉えて支持を増やしてきた。中国との対話重視、経済関係回復を目指すところは国民党と共通だ。しかし、国民党と決定的に違うのは「92年コンセンサス放棄」を主張し、台湾人として持つべきコンセンサスは民主的総統選挙がスタートした1996年に誕生したという「96年コンセンサス」を主張している点である。「一つの中国」原則のようなファンタジーは国民党も早々に捨てるべきだとしている。

鴻海(ホンハイ)精密工業創業者の郭台銘(テリー・ゴウ)氏(写真:共同通信社)

この3候補に加えて、国民党の総統候補になれなかった郭台銘が無所属で出馬したが、彼は最初から話題作りだけの泡沫候補で、最終的に出馬登録はしなかった。

にわかに浮上した野党協力だったが・・・

11月初めまでの民意調査の推移を見てみると、民進党・頼清徳候補が30%以上の支持率をキープし、侯友宜、柯文哲がそれぞれ20%前後の支持率でほぼ横並び状態だった。

三つ巴戦の場合、台湾の有権者は勝てない3番手候補に見切りをつけて、2番手に票を集める「棄保」と呼ばれる投票行動をとることがままある。だが、「棄保」現象が起きても、1番手が35%以上の支持率をキープできていれば先頭逃げ切り勝利の可能性が高い。

民進党の副総統候補、蕭美琴氏(写真:共同通信社)

このため、三つ巴を崩して2大候補の対決に早々にもっていくことが、国民党、民衆党に残された勝ち筋だといわれていた。

そこで、11月に入り国民党、民衆党の「藍白協力構想」がにわかに持ち上がった。藍は国民党のシンボルカラー、白は民衆党のシンボルカラーだ。

与党の民進党と、野党の国民党・民衆党の間では、対中関係という最大の争点がある。民進党は中国との対立先鋭化を恐れないが、国民党と民衆党は中国との関係改善を目指す。この点については国民党と民衆党の選挙協力が探れる、というわけだ。また、民進党にとっては、8年ジンクス(台湾の政権は8年ごとに交代する)への挑戦の選挙であり、野党として国民党・民衆党がとにかく政権を交代させたいという有権者を一つにまとめられれば、民進党優勢が逆転する可能性はあった。

藍白協力に同意した野党候補ら。(左から)国民党の朱立倫主席、侯友宜・新北市長、馬英九前総統、台湾民衆党の柯文哲・前台北市長=11月15日撮影(写真:中央通信社=共同)

11月15日、馬英九前総統が仲介する形で、柯文哲と侯友宜、そして国民党主席の朱立倫で密室協議が行われ、柯文哲はこの時、藍白協力に同意した。この協力の最大のポイントは、最新の6つの民意調査の統計分析で、支持率格差を出し、侯友宜、柯文哲のうち、民意調査格差の上位を総統、下位を副総統とし、外交、防衛、両岸関係(中台関係)は総統が決定権を持つ、というところだ。

国民党・民衆党の協力構想は破局に

馬英九、国民党、民衆党がそれぞれ信頼できる統計専門家を選び、喫緊の民意調査について分析することになった。だが、サンプル数も調査手法も異なり、それぞれが恣意的に結果を導き出した民意調査で意見の一致を導けるはずもなく、「統計論争」が白熱、藍白協力は暗礁に乗り上げた。

その後、出馬を取りやめる口実をちょうど探していた郭台銘が仲介者になって、再度、話し合いがもたれることになった。

台湾総統選の野党候補一本化の協議前に写真撮影に応じる国民党の侯友宜氏(右から2人目)、台湾民衆党の柯文哲氏(左端)ら(写真:共同通信社)

23日の夕方、台北グランドハイアットで、郭台銘が招集する形で最終の話合いが行われることになったが、密室協議ではなく公開討論で決着をつけることになった。この討論の様子はYouTubeなどでも見ることができるが、郭台銘が朱立倫を「重量級の招かれざる客」と揶揄(やゆ)したり、「政党協力ではなく柯文哲、侯友宜、郭台銘の協力を話し合うつもりだったのに」などと言い出したり、柯文哲と侯友宜がお互い、不誠実だとののしりあったりして、実に険悪なものとなった。

討論は時間切れに終わったが、誰が見ても藍白協力は最悪の形で破局となり、翌日、侯友宜は趙少康という元政治家で今はテレビキャスターの老政治家を副総統に選び出馬登録、柯文哲は立法委員(国会議員)で英米通の才媛、呉欣盈を副総統に選んで出馬登記を行った。

野党協力を仕掛けたのは中国当局か

さてこの藍白協力がなぜ突然持ち上がり、そしてなぜここまで最悪の形で破局したのかを、少し考えてみたい。少なからぬチャイナウォッチャーたちは、この降ってわいた藍白協力の仕掛人が実は中国当局ではないか、と疑っている。

米ニューヨーク・タイムズは、藍白協力の破局は、中国の最大の希望も破滅させた、と論評している。民進党の頼清徳、そして副総統候補になった蕭美琴はともに中国当局から「独立派」のレッテルを張られた「危険人物」。蕭美琴は母親が米国人のハーフであり、駐米台北経済文化交流代表処代表(駐米大使に相当)の外交通で米国通。つまりこのペアが次の政権になれば、米台軍事協力がさらに推進され、習近平が在任期間中に実現しようともくろむ中台統一が一番やりにくくなることになる。

米サンフランシスコで会談したバイデン米大統領(左)と中国の習近平国家主席=11月15日撮影(写真:ロイター=共同)

では、中国として誰を総統に望んでいたかというと、やはり国民党の侯友宜であろう。なぜなら「一つの中国」「92年コンセンサス」を堅持しているのは国民党だけだからだ。

「統一」という言葉は、中華民国も「一つの中国」を主張していなければ、使えない。国民党と共産党はかつて内戦で戦い、国を2つに分けたという歴史があってこその統一であり、仮に中華民国が「一つの中国」に当たらない、というコンセンサスが台湾に確立されれば、中国が台湾を併合することは統一ではなく、侵略と呼ばれるべきだ、となる。

今回の総統選で国民党候補が当選しなければ、あるいは、三つ巴の3番手に落ち、極度に低い投票率で国民党の泡沫化が印象付けられたりすれば、一つの中国と言う概念も統一の根拠も完全に失われてしまうだろう。中国としては何とかしてそれを阻止したいことだろう。

そこで、中国の習近平政権は馬英九前総統を通じて藍白協力を仕掛け、柯文哲総統候補を副総統に取り込もうとしたのではないか、という想像が広がった。11月2日に馬英九基金会執行長の蕭旭峯が北京フォーラム参加のために訪中し、中国国務院台湾事務弁公室幹部らと面会したという報道があった。

馬英九サイドはこの時、中国から何かの指示を受けたのではないか。15日の藍白協力合意後の記者会見の柯文哲の表情があまりに憔悴(しょうすい)しており、柯文哲は中国共産党に何か弱みを握られており、それを中国から教えられた馬英九が柯文哲を脅して藍白協力を合意させたのではないか。柯文哲は心臓外科医として中国でも仕事をしており、たとえ倫理にもとるような移植手術や治療に関わったことがあるのではないか・・・。そんな憶測が駆け巡ったのだ。

このタイミングで、バイデンと直接会談をした習近平が、台湾統一のタイムスケジュールについて否定したことも、習近平は藍白協力によって国民党総統誕生が確実になると信じて生まれた心の余裕が言わせたのではないか、という見方があった。

民衆党の支持率低下で民進党vs国民党に?

さて、こうして藍白協力は決裂。11月24日、民進党、国民党、民衆党の正副総統候補が出そろったあとの民意調査では、なぜか国民党の侯友宜・趙少康ペアの支持率が急上昇している。一番サンプル数が多いTVBSの調査では民進党ペア支持34%、国民党ペア31%、民衆党ペア23%。これはどういうわけだろう。

国民党の副総統候補の趙少康はテレビでおなじみの政治評論家でキャスターだが、その昔は、国民党守旧派の若手議員で1993年に李登輝に反発して、新党を結成し、2002年まで中国との再統一を目指す新党に所属。その後、テレビキャスターを本業として、政治から離れていたが、2021年に国民党に復帰。総統候補を狙っての復帰だとみられていた。

台湾の蔡英文・現総統(写真:中央通信社=共同)

73歳のある意味化石のような老政治家なのだが、米国留学経験をもち、国民党の古い支持者に受けのよいインテリ副総統は、警官たたき上げで実務行政能力はあるが、朴訥で泥臭い印象の侯友宜の欠点を補った、ということか。あるいは民衆党・柯文哲の人気が急落したともいえる。藍白協力に一旦同意しながらそれを反故にした柯文哲はやはり支持者に対し誠実でない、と思われたかもしれない。

だが、民衆党・副総統候補の呉欣盈は新光集団創業者の孫娘で、英米政治の現場で仕事をしたこともあり、米証券会社大手メリルリンチのアナリスト経験もある経済、金融通。夫はベルギー貴族の男爵という国際派セレブ。実務実力や外交センスなど政治家として華や魅力は国民党ペアより上かもしれず、今後勢いを復活する可能性はまだある。

もし、このまま民衆党が脱落し国民党の支持率がこの上がり、三つ巴戦拮抗ではなく、民進党VS国民党の対決のかたちになるとしたら、鍵を握るのは民衆党支持者の「棄保」となる。これが、ひょっとすると国民党ではなく、民進党に流れる可能性がある。藍白協力がののしりあうように決裂したため、民衆党支持者としては侯友宜だけは勝たせたくない、と思うかもしれない。

郭台銘(テリー・ゴウ)の謎の動き

ところで、藍白協力を最悪な形で破壊した民進党にとっての「最大功労者」が、中国との平和協議を公約に掲げて無所属で出馬しようとした郭台銘であったことが興味深い。

彼は大陸ビジネスで恩恵を受け、一番親中派とみなされてきた。だが、10月、ホンハイの中国拠点が中国当局から税務調査や土地利用をめぐる立ち入り検査を受けていることが明らかにされている。これは、ホンハイが中国市場から離脱しようとしているのに対し、中国側が圧力をかけているとみられている。

だが、そういうタイミングで、郭台銘が中国の一番嫌がることをやってのけたのは、わざとなのか、単に空気が読めないだけなのか。もし来年、頼清徳政権が台湾で誕生したら、民進党は郭台銘に礼を言わねばなるまい。

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