『トランプ次の一手は?オバマが激怒した「プーチンのサイバー攻撃」黒幕は中国』(12/18MONEYVOICE カレイドスコープのメルマガ)、『習近平と激突。手のひら返しで「対中国強硬路線」に舵を切るトランプ』(12/20MONEYVOICE 斎藤満)について

“MONEYVOICE”はメールで毎週金曜日送られて来ます。どちらかと言うと、グローバリズムとリベラルな論者の記事が多い印象です。また、記事全体が読める場合だけでなく、一部だけで後は購読しないとダメと言う場合もあり、本両記事ともそうでした。故に小生は全体を読んでいませんので、コメントが的を外している可能性もありますが、その場合にはご容赦願います。

「カレイドスコープ」記事でアーネスト報道官の「ハッキングしているのは中国」と口を滑らしたのが本当であれば、やはり民主党政権は米・日とも腐っています。困った時のプーチン頼みで、悪いことは総てプーチンのせいにするのであれば、一体何のためにロシアをそんなに敵国扱いしなければならないのか、不思議に思います。馬渕睦夫氏の講演会に参加したことがありましたが、ナポレオン戦争後のウイーン会議で、英国の提案にロシアが反対したため、その恨みが続いていると言う話だったと記憶しています。

http://www.kanekashi.com/blog/2015/01/3751.html

カレイドスコープ氏はロシアを中国との仲立ちと考えているようですが、それは無いと思います。斎藤氏の記事の方が的を射ているのでは。それこそキリスト教同盟で中国を包囲するのでは。ただ米中とも拝金体質ですからその点の注意は必要です。

中国は空母「遼寧」を西太平洋に進出させ、米国と太平洋二分割を実現させるつもりのようです。ただ、地政学上、沖縄に基地を置く米海軍は、太平洋二分割は認めないでしょう。「遼寧」は原子力でないので、どこかで給油しなければならないのでは。中国は太平洋に基地がある訳でなく、給油艦が並走しなければなりませんが、それを攻撃されれば空母は単なる鉄屑になります。離発着の訓練も時間が足りず、脆弱であり、こけおどしの為でしょう。電磁カタパルトを開発した可能性もあると言われていますので、今回の就航で発艦訓練されれば、事実が掴めると思います。

http://wedge.ismedia.jp/articles/-/4888?page=3

中国のA2/AD戦略は米軍空母群を中国の領海に近づけない戦略で、多数のミサイル攻撃がそれを可能にします。それであれば米軍も同じことができる筈です。空母は目くらましで、下には潜水艦がいて米大陸がSLBMで攻撃できる8000Kmのところまで連れて行くのが狙いではと想像しています。

空母は建設に金がかかる上に、護衛艦等が必要で単独行動できないため、コストがかかります。トランプが言うように、経済的に中国を締め上げる方が賢明かと。ピーター・ナバロが大統領通商顧問になりそれを実行していくことを願っています。軍拡に勤しむ中国は世界平和の攪乱要因です。南シナ海の国際仲裁裁判所の判決を紙屑と言ってのける国ですので、ロシアに課しているような経済制裁をすべきです。欧米は二重基準ではないでしょうか。クリミアを侵略と言うのであれば、南シナ海も同じ扱いにすべきです。

日本も防衛兵器だけで対応するのは限界があります。マッハ5(20Km/m)のミサイルを数多く撃たれたらミサイル防衛だけでは間に合いませんし、外す場合もあると思います。米国とニュークリアシエアリングの話をすべきですし、攻撃用武器の開発も進めるべきです。防衛費を10兆円に近づける努力をして行かないと。国民の支持が大切ですが、政府はキチンと国民に説明する必要があります。

レアアースの記事は、2010年尖閣での漁船拿捕時に中国がレアアースを日本に禁輸しましたが、日本は代替国や代替品、都市鉱山で困りませんでした。南鳥島沖にはレアアースが埋蔵されているとの情報もあります。中国が米国にレアースで報復するのであれば、日米で対応策を講じれば何とか乗り切れると思っています。

カレイドスコープ記事

putin-obama-trump

「米大統領選中のサイバー攻撃はロシアの仕業だ」オバマとワシントン内部のヒラリー派は、困ったときのプーチンとばかり濡れ衣を着せていますが、このロシア・ハッキング説は虚偽でしょう。(『カレイドスコープのメルマガ』)

※本記事は、『カレイドスコープのメルマガ』 2016年12月15日第186号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。割愛した全文もすぐ読めます。

サイバー攻撃を仕掛けた「中国の罪」をロシアに擦り付けた米CIA

プーチンロシアとトランプ政権の「疑惑」

トランプ次期大統領は、国務長官にエクソンCEO、レックス・ティラーソン(Rex Tillerson)の指名を決めました。ティラーソンが有能であることは誰もが認めるところです。

しかし、ティラーソンが、トランプの選挙を操作したのではないかと疑われているロシアのプーチンと親しい関係を築いているということから、トレーダーたちは、この指名を訝しく思っているのです。

事実、ティラーソンは、数年前から、ロシアの英語圏向けニュース「RT」に何度か出演している有名人です。

トランプが、マイク・ペンスを次期副大統領にするために、元ニューヨーク市長のジュリアーニを推さず、クリス・クリスティーをあえて降格させたように、トランプが、一人の候補者に多くの政治的リソースを割く意味が不明で判然としない以上、ウォール街はやや困惑させられています。

なぜ、ペンスをそこまで高く評価するのか?なぜ、ティラーソンを外交の重要なポストに就けるのか…?

米国の左翼の陰謀論者は、プーチンが米国の大統領選を馬鹿にしているだけでなく、ティラーソンを指名したことは、トランプ政権をロシアの傀儡にするためのシナリオの一種であると考えています。

「困ったときはプーチンのせい」ヒラリー派の誤算

ここで珍妙な、ほほえましい場面(YouTube動画・英語)があります。

先日、ホワイトハウスで行われた記者会見で、ワシントンの報道官が、ロシアとの間の種々問題について、外交的解決の道はあるかという記者の質問に答えている場面です。ジョシュ・アーネスト(Josh Earnest)報道官が、ついうっかり漏らしてしまったこととは――

彼は、今回の大統領選を混乱させ「サイバー攻撃を仕掛けたのは中国である」と、うっかり口を滑らせてしまったのです。その後、すぐに「失礼、ロシアでした」と言い直したものの、ときすでに遅し。

ワシントン内部のヒラリー派は、「困ったときのプーチン」とばかり、この忍耐強く、なかなか真相を言わない男に濡れ衣を着せてしまえば、12月19日に実行される全米の大統領選挙人による投票でヒラリーを勝たせることができるかもしれないと考えているのでしょう。

しかし、ロイター(英文)が報じるところによれば、CIAを含む米国の情報機関のすべてを束ねているODNI(Office of the Director of National Intelligence)は、「CIAが主張しているロシア・ハッキング説を支持しない」と公式に言明したとのことです。

この会見でのアーネスト報道官の舌禍と、その後のバツの悪そうな表情は、ホワイトハウス自体がディスインフォメーションを流していることを決定的に証拠づけるだけでなく、さしてそれを気にも留めない大統領府の腐敗した体質を垣間見せたという点で、非党派的な政権移行への希望を持っていた米国の有権者を大いに失望させたのです

「トランプ・プーチン同盟」を形成させた2つの背景

トランプとロシアのプーチンとの間には、確かに信頼関係が形成されています。それには、明確な理由が一つ二つあります。

その一つは、ロシアと中国が、経済協力において同盟国であるだけでなく、軍事に関しても、強固な同盟関係を結んでいる事実があることから、実利的な中国との仲立ちをできるのがロシアしかないということです。

もう一つは、米国の産業界が中国のレア・アースに依存しているということ、この二つです。

今年4月、中国は、超音速兵器の最先端を行っていると軍事関係者に評されている最新鋭の超音速滑空体「DF-ZFグライダー」の7回目のテスト飛行に成功しました。それは、完成の域に達しています。

中国とロシアは、これまでにも、核攻撃を行う能力を持つ超音速兵器を繰り返しテストしてきました。少なくとも2014年から始まっています。

米国情報当局は、ますます複雑化している世界のミサイル防衛に対処するため、中国が、超音速で高高度を滑空できるグライダー型の核搭載型飛行体を配備する計画を持っていることを早くから掴んでいます。

DF-ZFグライターも、1時間以内に世界中のターゲットを攻撃することができる通常戦略攻撃兵器の一部として使われる可能性があります。

これらの超音速兵器の速度と破壊力が、どれほどのものか想像することさえ困難です。それは圧倒的で、マッハ5以上で飛行することができます。

中国とロシアの新兵器は、世界の安全保障に深刻な脅威を及ぼします。米国の兵器開発力は、すでにそれに追いつけないほど衰弱しています。

全米アカデミー(※)は、最近、空軍の委託を受けてとりまとめた詳細な報告書のうち、機密扱いにされていない部分の要約を発表しました。 ※全米アカデミー: United States National Academies ; National Academy Complex。全米科学アカデミー、全米技術アカデミー、米国医学研究所、全米研究評議会の4組織から構成されている。

そこには、「今の米国には、新兵器の明確な獲得方法が欠如している。(中国などの)潜在的な敵対者の熱狂的な研究開発のペースは速く、その成果は驚くべきものである。これは、米国とはまったく対照的であり、この分野への投資は重要である」と書かれており、新兵器開発で米国がロシア・中国の後塵を拝していることを認める記述があります。

なぜ中ロは野放しにされたのか?

なぜ中国とロシアは、国防を目的としながらその実もっとも攻撃的な新兵器の開発を、まったく邪魔されず成功させるに至ったのでしょうか。

もちろん、ネオコンに牛耳られているワシントンでは、米国とロシア、中国の利害が一致したからに他ならないのです。

日本では、北朝鮮が小型核弾頭の開発に成功したと、極東有事の可能性を煽っています。そして、米国は、北米が北朝鮮の大陸間弾道ミサイルのターゲットになろうとしている、と国民の恐怖を煽っています。

また、日本の自称右翼の人々は、核武装化によって日本の真の独立を勝ち取るべきだ、と主張しています。

これらは、現状をまったく知らないか、あるいは、知っていながら保守を気取っている軍事評論家による情報操作の賜物なのです。

レア・アースの獲得に赤信号が点った米国

米国も、もちろん、DARPA(国防高等研究計画局)が宇宙兵器の開発を急いでいます。しかし、この分野でロシアと中国に大きく水をあけられてしまったことは否定しようのない事実です。

その理由は、米国が幅広い分野で、コモディティー(原油・ガスなどのエネルギー、金・銀・プラチナなどの貴金属、小麦・大豆・とうもろこしなどの穀物の総称)の逼迫(品不足)に直面しているからです。

一方で、中国の兵器開発を牽制するかのような厳しい中国への批判を行い、一方で、米国の経済成長と軍事増強の二つを同時に達成しようというトランプの計画は、経済成長だけを求める新自由主義の投資家の熱狂を冷やすこととなり、トランプ政権の船出は、かなり厳しい障害に直面しそうです。

米国は重要なコモディティーのうちの50%以上を輸入しています。中でも、電気自動車から軍事技術までの広い範囲で必要不可欠なレア・アース(希土類元素)は中国に依存しています。

ペンタゴンは、10年以上の間、レア・アースの供給網への不自由なアクセスを改善しようと何ら手を打ってきませんでした。

しかし、2016年、米・連邦監査局は、レア・アースに関する広範な報告書の中で次のように警告しています。

「ペンタゴンは、重要なレア・アースを構成することについてまだ同意しない」。

中国のレア・アースに頼っている産業界は米国だけでなく日本も同じです。その中国が、レア・アースを外交カードに使うために、さらに戦略性を強化しようと、2020年に向けて生産量を制限する方針を発表しました。

米国にとって、それは安全保障を直撃するほとのインパクトになるのです。

米国は、完全に中国が輸出しなくなった場合に備えて、レア・アースを採掘し複雑なサプライチェーンを管理するエンジニアを、一刻も早く養成しなければならないのです。

しかし、米国のたった一つの大学でさえも、レア・アースについての本科を設置していないのです。人材の育成には、大分時間がかかります。

時間を稼ぐトランプ

トランプは、中国に軽いジャブを与える程度にして必要以上に刺激せず、資源確保のための計画を練る時間を稼いでいるのです。

だから、トランプにとってロシアのプーチンとの友好関係は、中国を間接的に制御する上で必要欠くべからざる要素なのです。

斎藤記事

親中派のキッシンジャー氏が北京を訪れている最中に台湾の蔡総統と電話会談し、習主席を怒らせたトランプ氏。今後も、経済・軍事両面で中国を攻める可能性が高いでしょう。(『マンさんの経済あらかると』斎藤満)

※本記事は、『マンさんの経済あらかると』2016年12月19日号の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:斎藤満(さいとうみつる) 1951年、東京生まれ。グローバル・エコノミスト。一橋大学卒業後、三和銀行に入行。資金為替部時代にニューヨークへ赴任、シニアエコノミストとしてワシントンの動き、とくにFRBの金融政策を探る。その後、三和銀行資金為替部チーフエコノミスト、三和証券調査部長、UFJつばさ証券投資調査部長・チーフエコノミスト、東海東京証券チーフエコノミストを経て2014年6月より独立して現職。為替や金利が動く裏で何が起こっているかを分析している。

トランプ政権は経済・軍事の両面作戦で中国を潰しにかかる

弱まっていた対中強硬論

トランプ次期大統領の対中国戦略が、かなり強硬路線になりそうなことが見えてきました。中国サイドがかなり神経質になっていると同時に、米国内にも対中関係の悪化、報復を危惧する声が高まっています。

これは日本にも当然大きな影響を及ぼしますが、日本政府の準備、対応が必ずしも十分でないのが気がかりです。

トランプ氏の米国が、これまでのオバマ政権以上にロシア寄り、英国寄り、イスラエル支持に傾斜していることが明確になり、さらに不透明であった中国戦略も、当初の予想と異なってきたのです。

【関連】トランプ次の一手は?オバマが激怒した「プーチンのサイバー攻撃」黒幕は中国

巷では、「アメリカ・ファースト」はかつての「モンロー主義」に近く、ロシアや中国には一定の範囲で好きなようにやらせる、との説がありました。このため、選挙キャンペーン中に発していた対中国強硬論、例えば中国を為替操作国に指定する、あるいは中国のダンピングに対して、高率関税をかける、などの発言は、実際には実行されず、最後には米中経済関係を重視せざるを得ない、との見方がありました。

12月8日には習主席と近いブランスタド・アイオワ州知事を中国大使に指名し、この感は強まりました。

またトランプ陣営の中では、中国が主導するAIIBにアメリカも参加すべき、との声も上がり、さらに、CFR(外交問題評議会)の重鎮で、親中派の代表ともいえるキッシンジャー元国務長官を北京に派遣したことから、対中強硬論はかなり後退しました。

手のひら返し

ところが、ここから事態は急変します。キッシンジャー氏がまさに北京を訪れている最中に、トランプ氏は台湾の蔡総統と電話会談をし、習主席を怒らせ、キッシンジャー氏の面子を潰しました。

トランプ氏は、中国の反発に対し、今度は「一つの中国」という考えにはとらわれないと、中国の基本認識自体を否定する発言をしました。ここに至って、トランプ次期政権の対中国路線は、これまで以上に強硬路線になることがほぼ判明しました。

中国は米国の出方を探るために、東シナ海で日本の領空を脅かし、日本を挑発し、南シナ海では米国の無人水中捜査船を拿捕しました。

中国は米国をけん制したつもりでしたが、さすがに米国は強硬に抗議したため、中国軍はこの無人水中捜査船の返還を約束しました。中国は米国と戦争しても勝てないのはわかっているので、軍事行動には慎重にならざるを得ないからです。しかし、米国が強硬策に出てくれば、中国が指をくわえてみているとも考えられません。

経済、軍事両面で中国を攻めるトランプ

トランプ氏は米国経済の苦境の一因として、中国の為替操作、ダンピングを挙げ、敵視しています。トランプ氏は今後、経済、軍事両面から中国を攻めてくる可能性があります。

一般に軍産複合体とは相いれないトランプ氏との評価も見られますが、実際には軍事産業にも配慮した動きが見られ、軍事面でも強硬論に出る懸念があります。

その点、対中国では米国が台湾への武器供給を進める可能性があり、台湾海峡の緊張が高まる可能性があります。米国では軍事産業にいい顔をすることができます。また国務長官に指名されたエクソンCEOのティラーソン氏は、親ロであると同時に、中国嫌いでも有名です。

経済的には、2つの面から米国が中国を攻める可能性があります。1つは、米国製品に対して中国が不当な関税をかけ、逆に中国製品は通貨安政策とダンピングで米国製造業を圧迫していることへの対応。今1つは、FRBの利上げを通じて中国の債務負担を高め、その面から中国の経済力を削ぐことです。

米国企業の中には中国の報復を懸念する声が上がっていますが、中国の対米黒字が圧倒的に大きい点を見ても、経済戦争になって大きなダメージを受けるのは中国です。

中国に進出している米国企業が不当な差別を受ければ、米国の軍事力行使や米国内での中国資産の凍結など、こちらの報復も甚大で、米国企業よりも中国マネーが大きな負担を強いられます。

来年のFRBの利上げには中国当局はかなり神経質になっています。ドル建て債務が大きいこともさることながら、中国からの資金流出が一層加速する懸念があり、中国経済がダブルで影響を受け、中国経済は来年かなり悪化が予想されます。

共産党政権が維持されている間は、中国危機は回避できます。しかし体制が崩壊すれば、旧ソ連と同じ運命になります。

このように、米中関係が緊張し、関係悪化が進むと、その影響は日本経済にも及びます。日本の輸出の約2割が中国向けで、アジア全体で5割、これに豪州を加えると6割を占め、これらも中国の影響を受けます。中国投資や中国に進出している企業も中国経済悪化の影響を受けます。中国関連銘柄は、今後米中の動きに細心の注意が必要です。

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