11/5日経ビジネスオンライン 鈴置高史『日韓は「べったり」した昔には戻らない 木村幹教授と韓国の「右往左往」を読む(3)』について

11/4日経朝刊では『木村幹•神戸大教授 今回の首脳会談は儀礼的に終わると思っていた。従軍慰安婦問題で「早期妥結を目指す」としたのはかなり前向きで強い表現だ。朴槿恵(パク•クネ)大統領はかねて「年内決着」を主張しでおり、「早期」は年内と言うのに近い。ポイントは両国の世論だ。政府が妥協しても、世論に流されて結論が変わる事がある。特に韓国はそうだ。首相は会談で「将来世代の障害にならないようにすることが重要だ」と指摘した。韓国が最終決着ということで国内を抑えられるか。日本国内も韓国への反発は強い。両首脳の強い指導力が求められる。

安倍内閣の支持率をみれば、今回の会談はやる必要はなかった。だからこそ慰安婦問題の発 言ぶりに驚いた。日本を動かしているのは、安全保障で日韓連携を求めている米国だと思う。今回の会談からは日韓の共通利益は見えなかった。政府が動かなくても経済交流や社会・文化交流は動いている。政府が旗を振る時代は終わった。むしろ、両国の外交が足を引っ張らないようにするのが大事だ。』とありました。

武貞秀士は11/1TV「報道2001」で、「韓国は蒸し返し、手のひら返し、ひっくり返しの3返しが常態」と言っていました。詳しいことは忘れましたが、小生が考えるに、日韓基本条約を蒸し返し、世界記憶遺産登録での手のひら返し(軍艦島の強制徴用)、ひっくり返しの事例はたくさんあり、今は韓国経済界からのスワップ要望とか、朴大統領が「慰安婦問題が解決しない限り、安倍首相とは会わない」と言っていたのに首脳会談を開いたことかと思います。ご都合主義です。「用日」なんて言葉使いをするくらいですから。いくら人の良い日本人でも怒るでしょう。韓国経済界が危惧しているように、スマホ部品を禁輸すれば良い。断交すればできるでしょう。中華も小中華も「騙す方が賢く、騙される方が悪い」価値観で動いている国であり、賄賂社会です。「悪徳」が栄える国で、世界に暗黒を齎すだけです。中国は軍拡の問題もあります。米国は宥和政策を止めて中国と早めに対峙しないと手遅れになります。また南シナ海は米・日・豪・印・比・越合同で監視する仕組みを作らないと。中国が軍事基地化すれば経済制裁して、中国の保有する米国債を紙切れにするのも手です。

11/6日経・大機小機には「中国政府は自国通貨である人民元をSDR (特別引き出し権)の構成通貨にしようと国際通貨基金(IM F)に強く働きかけている。SDRによる取引は原則としてIM Fと各国の中央銀行や財務省しか関与しないため、一般にはなじみが薄い。従来の米ドル、ユーロ、円、ポンドと並んで、人民元がSDRの構成通貨に参加することの問題とは何か。 SDRという言葉には、構成通貨を加重平均して算出した通貨バスケットの計算単位という意味がある。 4ケ国通貨のコインを一定数だけ詰め合わせたものをSDRと呼んで、売買や貸借の金額の単位にするもので、現在の価値は約1• 4 %である。また、SDRには「IMF加盟国相互の資金融通制度」という意昧もあり、I MFへの出資比率に応じて各国に借入枠が与えられている。この借入枠には返済期限がなく、SDR構成通貨の加重平均金利を支払うことで、無期限に使用できる。この資金の出し手はI MF加盟国の中で外貨準備が豊富な先進国が選ばれるのが通例で、資金の出し手は、SDRの金利を受け取ることができる。このようなSDRの機能を考えると、人民元をSD Rの構成通貨に加えるには、広く国際貿易や国際資金取引に用いられる必要がある。中国の貿易額は大きく、その面からは人民元は SDRの構成通貨になる資格がある。他方で資金取引では、なお多くの規制が行われている。特に中国に居住する人や企業が人民元を外貨に交換して対外投資を行う場合や、中国以外の地域に住む人や企業が自国通貨を人民元に交換して中国に投資することについては、中国政府による広範な規制が行われている。このため、国際的な資金取引では人民元の使用は現在のSDRの構成通貨を大幅に下回っており、この面からは人民元のSDR構成通貨への参加は時期尚早だといえる。さらに、人民元がSDR S成通貨になると、IM Fが国際収支の赤字国に資 金援助する場合の金利などに影響を与える。人民元の金利は他の主要国金利よりも相当高<、資金返済が困難になる可能性もある。人民元をSDRに加えるのは中国が国際的な資本移動を自由化してからにすベきであろう。(山河)」とあり、正論でしょう。まあ、IMFも鼻薬が聞いているのかも知りませんが。

今や日本国民も中韓に対して贖罪意識を離れ、嫌悪感を持つようになりました。親韓派代議士が「日韓議員連盟」を止めろと言われる時代です。NHK午後5:35くらいから『私は騙されない』という「おれおれ詐欺」の予防策の特集をしていますが、マスコミが中韓への友好をいくら唱えても「私は騙されない」状態になっていると思います。良い傾向です。福沢の「脱亜論」の「悪友との謝絶」が国民レベルで実現できるようになってきました。

記事

前回から読む)

 首脳会談は開かれた。でも、日韓は離れていく――と神戸大学大学院の木村幹教授は言う(司会は坂巻正伸・日経ビジネス副編集長)。

韓国に期待しない日本

—日韓首脳会談が11月2日に開かれました。2国間の正式な首脳会談は3年半ぶりです。

木村:今回の会談は、日本と韓国が米中両国の間で異なる道を歩むことを確認するものとなりました。

木村幹(きむら・かん) 神戸大学大学院・国際協力研究科教授、法学博士(京都大学)。1966年大阪府生まれ、京都大学大学院法学研究科博士前期課程修了。専攻は比較政治学、朝鮮半島地域研究。政治的指導者の人物像や時代状況から韓国という国と韓国人を読み解いて見せる。受賞作は『朝鮮/韓国ナショナリズムと「小国」意識』(ミネルヴァ書房、第13回アジア・太平洋賞特別賞受賞)と『韓国における「権威主義的」体制の成立』(同、第25回サントリー学芸賞受賞)。一般向け書籍に『朝鮮半島をどう見るか』(集英社新書)、『韓国現代史』(中公新書)がある。最新作の『日韓歴史認識問題とは何か』(ミネルヴァ書房)で第16回 読売・吉野作造賞を受賞した。ホームページはこちら

 日本側の発表によると、会談で安倍晋三首相は南シナ海問題――中国の脅威を語りました。しかし韓国側の公式発表は、朴槿恵大統領がどう答えたかも含め、この問題には一切、触れませんでした。

 会談で安倍首相も「南シナ海」では“深追い”しなかったと思われます。韓国とはもはや水面下でさえ、中国の脅威を議論することが難しくなったからです。中国への経済的、軍事的依存を深める韓国は「中国は仮想敵」とは口が裂けても言えない状態です。

 安倍首相は会談前後の記者会見で、かつてはよく使った「韓国とは共通の価値観を持つ」という表現も用いませんでした。努力次第で韓国がこちら側に――米国や日本側に戻ってくると、日本政府がもう、期待していないことの表れだと思います。

また、蒸し返す韓国

—「慰安婦」問題では「早期妥結に向け交渉を加速すること」で日韓は合意しました。関係改善に向け日本も動くように見えます。

木村:韓国が「年内解決」にこだわり、それなりの案も出したので、日本政府はいったんこれに乗ってみることにしたのだと思います。

 「『慰安婦』で日本が言うことを聞かない限り、アベには会わない」と言い張った朴槿恵大統領は、米国の不興を買いました。

 それと同様に、とにかくも開催に漕ぎつけた首脳会談の席上で、安倍首相が「『慰安婦』では一切譲歩しない」と言ったら、今度は日本が米国をはじめとする国際社会の不興を買うでしょう。

 ひょっとすると、日本は「早期解決」のため何らかの譲歩をするかもしれません。ただそれはかつてのような「べったりした」日韓関係に戻るためのものではないでしょう。

 首相が最近よく使うキーワードは「将来の世代に問題を持ち越さない」です。慰安婦問題についてもこれを目標にしているのだと思います。

鈴置:「蒸し返さないとの保証がない限り妥協はしない」ということですね。仮に「慰安婦」できちんと決着をつけられたら、もう韓国にまといつかれないで済むとの思いも見え隠れします。

ハラを割って話し合える?

—それは多くの日本人の思いでしょう。

木村:問題が何らかの形で「解決」してしまえば、日本の負担は小さくなります。そしてその後の日韓関係については別途に考えればそれで良い。

 お互いをうとましく思っている夫婦を想像下さい。もう、食事さえ別々にとるようになっている。だけどまだ、財産分けで合意できていない。

 この夫婦がそれを解決したら、夫婦はお互いに次のステージに入ることができます。離婚したければ離婚すれば良いし、そのまま籍を残すならそのままでも良い。自分たちの利益に沿って自由に判断すればいいだけです。

 安倍政権の対韓政策は明らかに変化してきました。スタート当初は河野談話の見直しを検討するなど、韓国に対し強気の姿勢で挑みました。逆説的な言い方ですが、これは韓国へのなにがしかの期待があったからです。

 2、3年前は「ハラを割って話し合えば韓国が変わるかもしれない」あるいは「韓国と手を携え、膨張主義の中国に対抗する」などという発想が日本政府にも残っていた。

 でも、安倍政権は次第に韓国への期待と関心を失っていきました。「韓国には大きな期待をしない」時代に入ったと言えるかもしれません。そして、だからこそ、面倒な問題はさっさと解決したい。

中国とさえ向き合えば良い

鈴置:関係改善のためではなく、“手切れ”のための問題解決――ということですね。安倍政権の中枢に詳しい人によると、2014年夏頃から「韓国が中国側に行くとの前提でモノを考えねばならない」と枢要な地位の人が語り始めていたそうです。

 今や、日本の外交専門家の多くが「日本は主敵たる中国とどう向き合うかを決めれば十分だ。中国のお先棒担ぎの韓国は『日中』の間合いを見て日本との関係を決める。日韓関係は日中関係の従属変数に過ぎない」――と考えています。

 ことに2014年11月、朴槿恵政権が「日中韓首脳会談を開こう」と突然に言い出したので、専門家はその思いを強くしました。

 それまで韓国は「日本を孤立させた」と快哉を叫んでいた。そこに寝耳に水の日中首脳会談の開催が決まった。韓国メディアは「我が国こそ孤立している」と一斉に政権を批判しました。

 中国の顔色を見て日韓首脳会談を拒否していた朴槿恵政権は焦りました。そして「日中韓」を開くとの名分で、日韓首脳会談の開催を画策したのです。それが1年後の2015年11月に、ようやく実現したわけです(「中国の掌の上で踊り出した韓国」参照)。

木村:それに加え、米国の働きかけもありました。米国は韓国に2つ宿題を出していた。1つは日本との関係改善――具体的には首脳会談開催です。もう1つは「南シナ海」での米国支持です。後者に比較すれば容易で、自分も必要だった前者を選び、米国に提出した格好です。

日韓関係はどんどん悪くなる

鈴置:数年前まで「文化、人的交流が進んでいるので日韓関係の先行きは明るい」との主張が声高に語られていました。それに対し木村先生は「おいおい、待てよ」と警告を発しました。当時は「相当につむじ曲がり」と世間から見なされたと思います。

—2012年8月3日の日経ビジネスオンラインに載った「日韓関係はこれからどんどん悪くなる」ですね。当時としてはかなり刺激的な見出しでした。

木村:あの頃まで「人的交流による関係改善論」が真顔で語られていました。事実とは関係なしに「若者が交流すれば日韓は対立を乗り越えられる」となぜか信じられていたのです。

 でも今や、そんな期待を語る人は一部の韓国専門家を除いて、ほとんどいなくなりました。日韓が異なる世界に住み始めたという現実を、多くの人が理解したからです。

 雑誌に「韓国は放っておけ」とはっきり書く研究者も出てきました。今の日本社会の韓国に対する雰囲気を象徴的に示しています。

別段、韓国がなくても困らない

鈴置:8月24日発表の日経の世論調査によれば「日韓首脳会談は急ぐ必要はない」との意見が47%。「早く開くべきだ」の39%を8%ポイント上回りました(「中韓との首脳会談開催、見方割れる 本社世論調査」参照)。

 首脳会談を開いても関係が改善するわけでもない、あるいは日韓関係が悪くても別段困らない――との日本人の率直な思いがうかがえる結果です。

 日本人の多くは、韓国が「慰安婦」を蒸し返すので、その解決は容易ではないと考えるようになった。

 そして仮に「慰安婦」が解決しても、米国と中国ブロックに分かれて住む日韓の潜在的な敵対関係が解消するわけでもない――との認識も定着し始めたのだと思います。

もの分かりが悪くなった日本

木村:日韓は同盟関係にはないものの、それぞれが米国と同盟を結んでいて準・同盟国ともいえる関係にあった。でも、前々回に申し上げたように、韓国はルビコン河を流されて中国の岸にたどり着きました。

 中国側の国となった韓国は、米韓同盟を対北朝鮮専用に限定しました。少なくとも韓国はそう考えています。米国から「3塁側――敵側に座るな」と叱責されても動じません(「『南シナ海』が揺らす米韓同盟」参照)。

 一方、膨張する中国に備え、日本は米国との同盟を強化しました。日韓関係は根っこから変わったのです。日韓はルビコン河の反対側の岸辺――米国側と中国側にそれぞれ住む国になりました。

 少し前まで「日―米―韓」の関係は「未完の三角軍事同盟」と呼ばれたものですが、文字通り未完に終わったわけです。

鈴置:日本が「未完の三角軍事同盟」を意識していた頃は、韓国が少々無理難題を吹っ掛けてきても我慢して聞いていた。先ほど木村先生が使った「べったりした関係」とはまさにこれです。

 でも「未完」が本当に「未完」で終わることが分かれば、もう韓国の言うことを聞く必要もない。ある外交専門家の表現を借りると、韓国からはこの変化が「もの分かりが悪くなった日本」に見えるというのです。

可愛げのなくなった韓国

 これは対句になっていまして、日本から見ると「可愛げがなくなった韓国」――。昔は「兄貴」とおだてながら日本に接してきた。これも「べったりした関係」の半分を構成していましたが、最近は上から目線で命令してくるようになりました。

—「べったりした関係」が終われば、もう韓国人にまといつかれないで済むのでしょうか。

木村:韓国人も「新しい日本」には気がつき始めました。ただ最近、逆行する動きも観察されます。日本のリベラル勢力が「慰安婦」でも応援してくれるはずだ、との期待感が再び盛り上がったのです。

 国会前での安保法制反対デモが韓国で大きく報じられたことが原因です。「極右のアベはどうしようもないが、良心派は健在だ」と韓国の人々は考えたのです。韓国の日本専門家からは「自民党のハト派は何をしているのか」と、期待感を込めて聞かれもします。

日韓議員連盟を辞めよ

鈴置:でも実際は、そのハト派の大物代議士の事務所に支持者から「日韓議員連盟を脱退しろ」と電話が掛かってきて、韓国とは距離を取ったりする時代なのですけれどね。

 韓国が「慰安婦」問題で日本攻撃の武器に活用してきた河野談話。産経とFNNの世論調査によると、自民党支持者の59.8%が「見直すべきだ」と答えました。

 興味深いのは左派や“リベラル”にも「見直し派」が結構いることです。社民党支持者では55.6%と過半数。公明党が47.9%、民主党が41.9%、共産党は35.3%でした。

 産経の「広がる『河野談話見直し』賛成、リベラル・左派支持層にも」(2014年7月1日)からの引用です。

 「済州島で強制連行」との記事は誤報だったと朝日新聞が取り消す前の調査ですから、いずれの数字も今はもっと高いと思われます。韓国人の期待を裏切ってしまいますが。

国家の財産を私物化

—結局「慰安婦」は解決するのでしょうか。

鈴置:しないと思います。「慰安婦」に代表される歴史問題は、韓国にとって貴重な財産です。韓国の政権は不安定な5年の単任制。政権は自分に向かう国民の不満を逸らすために、日本との紛糾を起こす必要があります。

 もちろん外交上も「慰安婦」など歴史問題は日本攻撃用の戦略兵器です。日本が反論しにくい「歴史」を持ち出してこそ、様々の要求をのませることができるのです。

 ただ、スタート時から「慰安婦」を掲げた朴槿恵政権に対しては、韓国内から批判がありました。貴重な対日攻撃カードを乱用すると、日本人も怒り出して効き目がなくなる。朴槿恵政権は国家的な財産を私物化し使い尽くしてしまう、という理屈です。

木村:日本に対し最初から最強硬姿勢をとったので、その後の手がなくなった、というのはその通りですね。

具体案を示さない朴政権

鈴置:朴槿恵政権も、この批判は承知していると思います。これもあって、自分からは具体案を示さないのです。

 首脳会談の直前に朴槿恵大統領は、毎日新聞との書面インタビューで以下のように答えています。毎日新聞(東京本社版)の10月30日8面に掲載された「一問一答 要旨」から引用します。

・日本政府が、被害者に受け入れ可能で、韓国民が納得できる解決案をできるだけ早く提示することが重要だ。

 具体的な解決案を自らは示さず日本に提示させておけば、妥結した後に「やはりあれでは韓国人は納得できなかった」と蒸し返すことができる仕組みです。

木村:韓国政府が自分で解決案を示さないのは、慰安婦の支援団体を説得する自信がないためでもあると思います。

動くゴールポスト

—これが「動くゴールポスト」ですね。でも、今後は韓国を徹底的に無視すればいいのでは?

鈴置:もう1つ、日本を攻撃する国ができました。中国です。表「中韓の『慰安婦共闘』」をご欄になると分かりますが、両国は2014年7月の首脳会談で「慰安婦カード」をシェアすることに正式に合意しました。

中韓の「慰安婦共闘」

2014年7月3日
中韓首脳会談で「慰安婦の共同研究」に合意。共同声明の付属文書に盛り込む(聯合ニュース・韓国語版
2014年12月15日
韓国政府系の東北アジア歴史財団と、中国吉林省の機関、档案局(記録保管所)が慰安婦問題関連資料共同研究のための了解覚書(MOU)を締結(聯合ニュース・日本語版
2015年8月15日
中国国家公文書局が『「慰安婦」–日本軍の性奴隷』第1回文献テレフィルムを公式サイトで公表(人民網日本語版
2015年9月22日
サンフランシスコ市議会が「慰安婦碑または像の設置を支持する決議案」を全会一致で採択。運動の中心となったのは中国系団体(産経新聞
2015年10月12日
中国外交部の華春瑩副報道局長、旧日本軍の慰安婦に関する資料について「ユネスコ世界記憶遺産への登録申請を他の被害国と共同で進める方針」(聯合ニュース・日本語版
2015年10月13日
韓国外交部の魯光鎰報道官、慰安婦資料のユネスコ世界記憶遺産に中韓が共同で登録申請することに関し「推進中の民間団体が判断すべきだ」。推進中の民間団体とは女性家族部傘下の財団法人、韓国女性人権振興院(聯合ニュース・日本語版
2015年10月28日
「中韓の慰安婦像2体」をソウル城北区に設置、除幕式。中韓の彫刻家が製作し、両国市民団体が支援(産経新聞

 今や、韓国の背中を中国がつついて日本を攻撃させています。仮に韓国が米国の顔色を見て「慰安婦」で日本と妥協を考えても、中国が許すかは疑問です。

 もちろん、中国自身も対日歴史攻撃に乗り出しています。ユネスコの記憶遺産に「南京大虐殺文書」を登録したのがその例です(「大陸と付き合ってろくなことはない」参照)。

「妥結」が失敗したら

木村:「慰安婦」の解決は、日韓両国の世論が強硬姿勢をとっている以上、容易ではないと思います。もちろん、今回の日韓首脳会談で示された「早期の妥結」がなされれば話は違ってきますが、逆に失敗に終われば、両国の間には更なる諦めに近い失望が広がっていくでしょう。

 日本政府は「韓国はまたゴールポストを動かした」と言い、韓国政府は「日本は誠意を見せていない」と言う、お馴染みのやり取りが展開されることになります。そして両国の世論はそれを白けた雰囲気で見守ることになるのだと思います。

 だからこそ、今回の首脳会談で合意された「妥結」が失敗に終わった場合にも、備えておかなければならないと思います。

—それでもまだ、韓国に付き合わなくてはならないのですか?

(次回に続く)