11/16ZAKZAK 『日本企業が中国から続々撤退し始めた! チャイナリスクに嫌気か パナソニック、サントリー、カルビー…』について

中国の詐術について日本企業もやっと気づいたところでしょうか。中国は金と技術を持ってくるのは「大歓迎」しますが、技術・ノウハウを盗めば後は用無しとなります。撤退するにしても合弁会社は「董事(=director)全員一致の原則」があり、一人(中国人)でも反対すれば清算することすらできません。況してや、発展委員会の承認、財務局の税務審査、工商局の審査等幾重にもパスしないといけないので、少なくとも2年くらいはかかると見て良いです。

撤退に当たり、カルビーのやり方が一番のお勧めです。1元(≒20円)で持ち株全部を合弁の相手方に売却すれば、スンナリ認められると思います。ただ譲渡契約は「今後起きる問題(含む税問題等)について、過去に原因があっても日本側は負担しない」とか詳細に不利益を蒙らないように記載しておかないと、後々訴えられます。日本の常識では考えられないことですが、それをするのが中国人です。相手の弱みを突いてきますので、事前に気が付くかどうかがポイントです。中国の法律は隙間があり、落とし穴となります。また裁判官も必ず賄賂を取りますし、立派な法律があってもその通り運用されることもありません。今までの投資をムダにすると思うのではなく、中国進出の授業料(如何に中国人と言うのは狡猾かを理解しないとまたやられます)、エネルギーを新しい分野に注げるという風に思うのが正解だと思います。そもそも中国事業で利益を出している企業は少ないと思いますので。

今後、中国に進出している日系企業は、円安でもあり、日本に回帰し、雇用と新技術創出に金を出すべきです。間違っても敵国に金を出すべきではありません。企業経営者は、子子孫孫が戦争or隷従の危機にあると言う自覚が必要と思うのですが。中国には拠点を置かず、輸出(キャッシュオンデリバリー)で対応すべきです。

記事

 中国リスクに翻弄され、工場撤退や合弁解消などに踏み切る日本企業が相次いでいる。ここにきて中国経済の減速も相まり、日本から中国への直接投資実行額は1~9月で前年同期比25%減と、数字上でも日本企業の対中進出の衰えが見え始めた。中国市場の巨大さや、安価な人件費にひかれて中国に進出した企業は多いが、突然の規制変更やコスト増など中国リスクに直面し、拠点を他国に移すなど戦略を見直す動きが広がっている。

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 中国政府の規制変更によって、上海でのデータセンターの事業計画が頓挫の憂き目にあったのは、NTTコミュニケーションズ(NTTコム)。米エクイニクスやKDDIなどの競合に先駆け、世界で初めて独自資本で中国(上海)にデータセンターを開設する予定だったが、中国政府が今年1月、突然、データセンター事業の運営には免許が必要だと方針を変更し、独自での事業展開を撤回せざるをえなくなったのだ。

 NTTコムは上海のデータセンターを自社で運営するにあたって、共産党関係者や現地の法律事務所関係者とも折衝を重ね、「グレーゾーンだが問題はない」という感触を得ていた。

 データセンター事業に詳しい関係者からは「中国では現地ビジネスに明るいパートナーと組まないと無理だろうなと思っていた」と冷めた声も聞かれる。

 突然の方針変更に、NTTコム関係者は「自国企業を守るため、当社のデータセンター事業を意識したのは間違いない」と苦虫をかみつぶす。

 中国の通信事業に詳しい関係者も「法制度の解釈権は中国側にある。あるときには何も言われなくても、急に『ここはこうだ』といわれることも多い」と、中国ではこうした朝令暮改は日常茶飯事だ指摘する。

一方、浙江省杭州市にあるスナック菓子の製造・販売合弁会社を設立わずか3年で売却することを決めたのはカルビー。合弁会社の51%の持ち株全てを、合弁相手の康師傅方便食品投資にたった1元(約19円)で譲渡する。

 売却の背景には、売り上げが伸びず赤字が続いたことにある。5年で500億円を見込んでいた売上高が100分の1のわずか5億円程度にとどまった。発表資料によると、これに伴い、最終赤字は進出した2012年12月期が500万元、13年12月期が4900万元、14年12月期が7100万元と年を追うごとに拡大。早期に改善が見込めないと判断、12年8月の設立からわずか3年での撤退となった。

 合弁会社には、カルビーが51%、中国の食品大手・康師傅グループが45%、伊藤忠商事が4%をそれぞれ出資。「じゃがビー」や「かっぱえびせん」を販売している。中国での「じゃがビー」の価格が一般的なスナック菓子の約1.5倍と高価なことから苦戦が強いられた。また、「かっぱえびせん」は、中国でエビを使った競合商品が多く、差別化を打ち出せなかったことも響いたようだ。康師傅側とはこうした商品戦略で意見の違いが目立ち、最後まで折り合えなかったという。

 わずか1元で持ち株を手放すのは、「早く中国戦略を仕切り直しをして、再挑戦するため」(市場関係者)とみられている。カルビーは青島や香港にも製造や販売の拠点があり、スナック菓子の販売は今後も継続する。

今年に入り、中国から撤退する企業が目立って増えている。2月にパナソニックが液晶テレビ生産、エスビー食品がカレールウなどの生産を打ち切ることをそれぞれ発表。サントリーホールディングスは中国ビール2位の青島ビールとの合弁を解消、合弁相手の青島に製造販売をまかせ、ライセンス料を得る形に移行する。また、ホンダも湖北省武漢に新工場を建設する構想があったが、中国経済の減速を受け、当面見送る。

 日本企業が中国の生産拠点を撤退、縮小の方向に舵を切っているのは、経済失速のほか、人件費の高騰や政策変更などリスクがつきまとい、中国での事業が「割に合わない」状況になっているためだ。

 東京商工リサーチまとめた調査によると、中国リスクによる日本企業の関連倒産は今年1~10月累計で63件に上り、前年同期の43件に比べ5割増加した。倒産に集計されない事業停止や破産準備中など実質破綻を含めると、この数はさらに膨れあがる。

 日本企業が中国への直接投資を拡大したのは、「安い人件費」や「巨大な市場」に魅力を感じたのに過ぎず、事前に政治を含む中国リスクを詳細に分析した企業は多くないとの指摘もある。

 一方で、ネット上には中国から撤退や事業縮小した企業に対し、「英断」といった肯定的な意見も寄せられている。中国リスクと付き合って、これ以上損失を広げない意味から、撤退を正しい判断と評価しているようだ。

 中国にどうコミットしていくか、日本企業の間でも今後判断が分かれていきそうだ。(大坪玲央、松元洋平)