11/2宮崎正弘メルマガ アンディチャン『台湾独立は外国に頼るべきでない。明白な嘘で独立するほど台湾人は恥知らずではない』について

11/4朝7時のNHKニュースで「11/7習近平・馬英九がシンガポールで会談」のニュースが流れました。来年1/16の総統選で蔡英文・民進党党首の独走をストップするため、中国共産党と中国国民党の合作でしょうが、これがうまく行くとは思えません。昨年の太陽花学運、九合一統一地方選での国民党の惨敗の流れを見ていると、国民党の総裁選の候補者が洪秀柱から朱立倫に代わったからと言って民進党有利の構図は変わらないのでは。何故そういう現象が起きたかと言えば馬総統が急進的に中国との結びつきを強めようとしたことに対する反発からです。そのことを考えますと11/7の会談で中国との結びつきをアピールすると国民党にとっては逆効果になりかねません。まあ、馬総統は中国人だけあって、台湾人の庶民感覚がないことで有名ですから。

以前読んだ日経記事によれば「1/16総統選と2/8春節が近いので台商は2回帰省費用を出さなければならず、民進党独走で、総統選時は出さないでおくか」というニュアンスでした。今度の打合せで、共産党が裏から金を出し、帰省させて投票させるようにするでしょう。台湾国民は熟慮して選挙に臨んでほしい。失礼な言い方になりますが、共産党の金で買収されないように。そのための両者会談でしょうから。中国は領土・領海・領空の野心を隠さないようになりました。11/4のNHKニュースではインドネシア海軍がナトウナ島を中国漁船の底引き網漁から守るために装備を充実、警戒に当たるとのこと。九段線外であるにも拘わらずです。ジョコ大統領もやっていることがチグハグです。賄賂に弱いのでしょうけど。

nine dots line

選挙で台湾が独立できるのであればそちらが良い。中国が武力侵攻しようとすれば、アメリカも黙ってはいないでしょうから。「台湾関係法」の発動です。南シナ海の「ラッセン」だけでなく、第七艦隊の出番でしょう。http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20151031/frn1510311530002-n1.htm

「中華民国」は名前が良くないので「台湾」に変えることから始めたらよい。中国は良く台湾同胞とか言いますが同じ民族であっても別な国はたくさんあります。シンガポールだって中国華僑の国です。これも無理やり奪い取ろうとするのでしょうか?東南アジアは華僑が沢山います。民族的にルーツが同じ(?)と言って国を奪い取るのは21世紀には相応しくない行為でしょう。今回のASEAN国防相会議ではもっと中国非難の声を上げても良かったのでは。

記事

大東亜戦争が終わって70年たった。アジアではいろいろな国が植民地から独立した。だが日本の植民地だった台湾だけは今も独立していない。終戦後すぐに蒋介石が台湾で日本軍の降伏を受理し、そのまま居直り、今も中華民国を名乗って台湾占領を続けている。台湾人は70年たった今でも自分の国を持つことが出来ない。

台湾が独立すると言えば台湾を中国領と主張する中国が武力行使で恫喝する。1978年にカーターが中国と国交を回復し、アメリカは中華民国を認めなくなった。世界で中華民国を承認する国は23カ国しかない。台湾が独立すれば台湾国を認める国は増えるに違いないが独立を助ける国はない。米国も独立を助けない。

外国に頼ってはならないのである。

  • 台湾には二百以上の政治団体

台湾には二百以上の政党や政治団体がある。その殆どが独立を主張しているのに今でも独立を果たせない。各々の独立主張や方法に違いがあり、団結しないからである。問題は方法の違いにある。

人民の蜂起で中華民国の体制を倒すことは中国が反対し、米国は中国と事を構えるつもりがない。平和的手段で政治体制を変えることが台湾人に支持されている。中華民国の制度のもとで選挙して台湾人の政党が過半数を制してから正名制憲が可能となる。

来年1月の選挙では民進党優勢で総統は蔡英文が当選するとみられ、立法委員の選挙で国会の過半数57席を取れる可能性もあると言われている。だけどもこの選挙で勝利を収めてもすぐに独立できるわけではない。現状維持を数年続ける必要があると言うのが大方の意見である。

  • 台湾は「政治体制のある無名国」

李登輝が「台湾は既に独立した国だ」と主張していろいろ批判された。台湾は人民がおり領土があり政治体制もあるが、この体制は中華民国と言う名前でアメリカでさえ承認しない。世界で中華民国を承認し国交のある国は23カ國しかない。領土があり政治体制が存在しても台湾が独立したとは言えない。

それでも李登輝がこの主張をしたおかげで台湾国の名義で国連加盟運動が起き、国連は却下した。台湾国がないのに国連加盟はできない。台湾が独立し、台湾国を認める国があってこそ国連加盟が出来る。独立が先で加盟が先ではない。独立しなければ外国が承認するわけがない。

  • 独立主張の違い

 台湾政府を名乗る政党は幾つもあるが、名乗りを上げても人民がついてこない。革命運動は人民がついてこない。台湾の政治事情が大幅に変化したのはつい去年のことだった。去年3月のヒマワリ学生運動で国民党独裁を阻止した、そのお蔭で人民の独立意識と反中華民国の民意が高揚し、11月の中間選挙で国民党が大敗したので、中国人の台湾統一計画は挫折した。

人民は投票によって意見を表明することがわかった。この次もまたその次も、投票で人民の意見を表明出来ることが可能となったのである。革命のような激烈な手段ではなく、投票と言う民主的手段で国を改善できることがわかった。

投票は中華民国の制度だから投票に反対する者もいる。しかし投票で中華民国を倒して台湾独立が出来るなら不完全でもみんな賛成である。これは大きな魅力である。

一部の革命論者が中華民国の制度に反対してもダメ。たとえ中華民国の制度であっても中華民国を倒せる方法が見つかったのだ。中華民国の制度で中華民国を変えることが出来る、これこそ民主主義である。

  • 独立建国は外国に頼るな

台湾国、台湾政府を名乗る政党、グループは幾つもある。台湾独立を主張するグループは歓迎だが、皆が投票によって独立が達成できることを認めるべきである。

独立を主張するグループのうち、サンフランシスコ平和条約の第23条bにより米国は台湾の占領権を持つと主張し、台湾自治政府を名乗るグループと、もう一つの昭和天皇は台湾の主権を放棄していないと主張する台湾民政府と称するグループは、二つとも詐欺集団である。嘘で独立を果たすことはできない。嘘で一部の台湾人を騙せても米国および世界諸国を騙すことはできない。

米国は台湾の占領権など持っていない。グーグルでサンフランシスコ平和条約の第23条を調べればすぐにわかることだ。ウソで人を騙しても嘘とわかる時がくる。昭和天皇が台湾の主権を放棄していないなど、噴飯ものだ。

米国が台湾の占領権を持っているなら「アメリカが台湾自治政府を認可した」証明書がなければ台湾政府はニセモノ、詐欺集団である。台湾人民にアメリカの認可証書を見せてから台湾政府を名乗るべきだ。アメリカに台湾の占領権があると主張しながらアメリカの認可証書がない、自己の主張を証明できない集団である。

日本はサンフランシスコ条約で台湾澎湖の主権を放棄した。しかし林志昇は日本政府が放棄したが日本天皇は放棄していないと言う。それなら正当な方法で日本政府に掛け合い、日本政府が彼の主張を認めてから台湾人の支持を求めるべきである。日本政府が認知しない嘘の主張を勝手に言い触らすのは詐欺行為である。

至誠に悖るなかりしか、行に恥づるなかりしか

台湾独立は外国に頼るべきでない。明白な嘘で独立するほど台湾人は恥知らずではない。