昨日夜12時近くに家へ帰ってきました。離島&山で新聞も読めずにいましたが、山歩きを楽しみました。ネットで情報を読むだけでした。でもスモホが便利だと思うのは海外でもメールも読めるし、ブログもアップできることです。これで月1600円/月ですから安いものです。音声通話を入れても月2000円程度ですので。
原子力発電は核分裂から核融合へと至ると思います。核融合の方がより安全にというか、事故率ゼロに近いでしょう。原料も水(含む海水)なのでほぼタダに近い。それでも後40年と1基数兆円単位の金がかかります。その間は原子力は核分裂による発電で対応せざるを得ません。
しかし、福島氏の友人が言うほど中国の民生技術が優れているとは思えません。英国も中国の原発がフランス仕様だから安心と思ったのかどうかですが、運用する人の心の持ち方が大事と思います。「没办法=仕方がない」、「没問題=問題なし(こういう時は大体問題あり)」とすぐ思う民族性ですから。細かいことを気にしないと言えば聞こえは良いですが、細かいことに気が回らないタイプです。そういう民族性の持主が事故を起こさないとは思えません。共産党は隠蔽体質なのでSARS同様、事故が起きても隠蔽しようとするでしょう。偏西風に乗って放射性物質が日本に来るのが心配されます。日本がモニターを使って厳しく監視して、事故があれば世界に公表した方が良い。中国国民には知らされていないでしょうから。
記事
習近平の初の英国訪問が終わった。英国メディアの辛辣な報道や世論の反応はさておき、習近平政権としては7億円超え相当の投資に見合う厚遇を受けて、米国や日本を少なからずヤキモキさせるなど十分な外交的成果を得たようだ。
「見えないハードル」越え、英国から受注
特に、英国が中国自主開発の第三世代原発・華龍1号(HPR1000)の建設に合意したことは、大きな成果だろう。英国では古い原発の廃炉を迎え、2030年までに8基の新炉建設計画が進められている。その計画を受けて、日本の日立製作所(日立GE)は2012年に英国ホライズン・ニュークリアパワーを、競合相手の中国企業を退けて、親会社のドイツ電力会社RWEと同オーエンの2社から買収したことは、記憶に新しい。
この時、中国政府をバックにした中国国有企業2社、国家核電技術公司(核電技術、SNPTC)と中国広東核電集団(広東核、CGN)がそれぞれ米ウェスチングハウスと仏アレバと組んで入札に挑んだものの退けられたのは、英国政府が中国企業に原発事業を任せることを安全保障上の問題と懸念し、介入したことが理由だと言われている。
中国では「中国原発企業には見えないハードルがある」と恨みがましく報じていた。だが、その中国の独自原発技術がその後2年あまりのうちにIAEAのお墨付きをもらい、あれよあれよと言う間に英国政府から原発の建設・運用の発注を受けるまでになったのだ。
一部で、これは原子力技術勢力地図の地殻変動がいよいよ起きるきっかけとなるという観測につながっている。つまり、中国が日本の技術を含む先進国技術を追い越して、世界の原子力技術のリーダーシップをとるようになる、という。では、その中国の第三世代原子炉というのはどれほどすごいのだろうか。今後の中国の原発事業というのはどれほどのものなのだろうか。
華龍1号は中国が自主知的財産権を保有する第三世代原発技術。第三世代原発技術の概念とは、大規模な放射性物質放出事故発生確率が10のマイナス7乗を下回るように設計されたもの、つまり第二世代原発技術よりも事故が起きる確率が10分の1以下になるものという。
世界で初めて第三世代原発技術の原子炉が建設されたのは1996年、日本の柏崎刈羽原発で、ABWR(改良型沸騰水型軽水炉)。日本ではABWRは4基運転されている。GE日立と東芝がこの技術を提供している。三菱重工の開発した第三世代技術はAPWR(改良型加圧水型軽水炉)といい現在、敦賀原発で建設(準備)中。ほかにVVER(ロシア型加圧水型原子炉)などがある。これは中国で2基稼働中、2基建設中。
「独自に開発」した技術にIAEAのお墨付き
華龍1号は中国二大原発企業、中国核工業集団公司(CNNC)と中国広核電集団公司(CGN)のそれぞれの第三世代技術を融合させた設計で、3-Loop PWR(加圧水型)という。
90年代から中国の原発技術・運転を指導、調査してきた技術者の知人によれば、これはフランス・フラマトム(アレバ)社からCGNに導入された技術で、この技術については中国国内で自由に使ってよい、とフランスから許可が下りていたという。中国側の主張では、これにCNNCの自主開発ACP1000とCGN自主開発のアレバのEPR(欧州型加圧水型)技術を取り入れたACPR1000を融合させて、独自に開発を重ねた、らしい。「福島原発の事故経験もフィードバックさせ、国内外の経験を十分に成熟させた安全性」と「目下、国際市場で最も単価が安いロシア製と競争できる経済性」の両方を兼ね備えた、主要部品の85%以上中国産の、輸出可能な中国独自技術の第三世代技術ということである。
震源地の深さ50メートル、マグニチュード6.5級の揺れにも津波にも洪水にも、旅客機の衝突にも堪えうる強度だとも。
2014年12月に華龍1号はIAEA(国際原子力機関)の原子炉安全設計審査で承認され、安全のお墨付きをもらった。ネット百科事典・百度百科によれば、2015年5月、福建省福清原発5号機として華龍1号の建設がスタート。建設が完了して原子炉が運転される実績を積む前に、英国からの発注が正式に決まったわけだ。
英国も思い切ったものだ。まだ中国で建設もされていない原子炉の国内導入を決めたのだから。本当にそれほど、安全性の高い技術なのだろうか。
だが、この華龍1号の設計について、CGN、CNNC二社のエンジニアから直接説明を受けた前述の知人によれば「相当安全なものを作った。よくぞここまで仕上げたものだ」と高評価の感想を漏らしていた。1991年に中国初の原発・浙江省秦山原発1号機の稼働以来、中国の原発稼働の歴史はわずか約25年だ。だが、2015年7月の段階で中国の原発は25基が稼働、27基が建設中。あわせて発電容量は5000と数百万キロワット相当となる。
運用面も「かつての現場は、掃除の仕方からなってなかった。床に水が溜まっているとか、あり得なかった。あわや大惨事という事故もあった。その頃からみると飛躍的な進歩を遂げた」と肯定的に見る。
未公表の事故の経験も糧に
中国の原発事故は報道、公表されていないだけで、小さなものは実はある。最近のものでは、2010年5月に広東省深圳市の大亜湾原発で放射能漏れ事故があった。燃料棒の容器に金属疲労による亀裂が入ったことが原因と見られている。下手に公表すると住民がパニックを起こすとして当初は報道封鎖された。香港メディア報道後は、「軽微な放射能漏れがあった」と認めたが詳しい状況は今もって謎である。ちなみに、この原発の稼働は94年から。中国は原発の耐用年数60年としているが「金属疲労で亀裂」ということであれば、公表されている耐用年数からして信じられないのではないか、という不安も出てくる。
だが、知人に言わせれば、こうした事故も含めて、中国が経験として糧にしてきた。
「原発というのは一基造るごとに技術が進歩する。経験の積み重ねがものをいう」。あと数年以内に日本より多くの原発を完成させて稼働させるのだから、20年前はお話にならなかった中国の技術や運転ノウハウが日本を追い越すのは時間の問題かもしれない。
中国が原発大国になる背景は、単に技術やノウハウの進歩だけではない。放射能事故や被ばく問題に対する姿勢も能動的だ。
2011年3月の福島第一原発事故後の対応はかなり早い。16日には中国国内で稼働中、建設中の全プラントの安全検査、新規プラント建設許可の厳格化および一時凍結を通達している。また3月末までに、放射線防護策問答集を編集した。この問答集は、放射線への認識の啓蒙を目的としている。たとえば、原発周辺の放射線量と火力発電所周辺の放射線量では、火力発電所周辺の放射線の方が2.7倍高い、といった指摘もあった。また、低線量放射線被ばくを克服する食事としてリコピンを含むトマトやアブラナ科の野菜などを挙げていた。
知人に言わせれば「中国の方が、放射線についての認識が深い」。バリバリの原発推進派の知人からすれば、高い技術を持ちながら、事故のショックから立ち直れず、反原発世論に推されて国際社会で中国との競争に負けそうな日本の原発産業に歯がゆい思いをしているのだろう。だからこそ、中国のこういう積極的な原発推進政策に素直に感心するのかもしれない。
放射能を恐れない国家と臆病な国民
ところで、少し驚いたのは、中国は放射能と言うものに対して意外に恐れをなしていない。これはやはり核実験を自国内で行い、核兵器を保有する国の経験値だろうか。中国は公表していないが、国内に実験による被ばく者は兵士一般市民も含めて相当数いると見られている。少なくとも46回も、新疆ウイグル自治区の観光地に比較的近いところで核実験を行ったのだから、村人の過半数が被曝した村などもある。こうした放射線被ばくに関する臨床データや、治療経験をかなり蓄積しているはずであり、放射能漏れ事故に対するある程度の準備、対応シミュレーションというか覚悟というものができているのかもしれない。あるいは少々、人民に健康被害が出ても気にしないか。
一般市民は、放射線に対して日本人以上に臆病だ。2011年3月の東日本地震直後、東北で現地取材を予定していた中国人記者が、原発事故の一報を聞くや、取材を投げ出して大阪や九州にまで退避したのを目の当たりにしている。こんなに臆病なのに、中国国内に反原発の世論の声はほとんど聞かれない。私がかつて参加した環境NGOの会合では、決まって火力発電や水力発電による環境破壊問題が議題に挙がるのだが、原発については太陽光や風力発電と並ぶエコなエネルギーという認識の方が多い。確かに、事故さえ起こらなければクリーンエネルギーではある。事故が起きるということへの想像力が欠如しているか、あるいは当局が決定した原発推進戦略に庶民が異論を唱えるだけ無駄と諦めているのか。
いずれにしろ、日本と違って世論の抵抗のない中国の原発推進政策がこのまま順調に進めば、2050年の段階で原子力発電設備容量は3億キロワットに達する原発大国となる見通しだ。2015年末まで凍結していた内陸部の原発建設プロジェクトも来年になれば解禁されるとみられている。同時に海外の原発市場参入も加速していくだろう。華龍1号はパキスタン・カラチでの建設が始まっているほか、タイ、インドネシア、ケニア、南アフリカ、トルコ、カザフの市場を開拓している。英国は先進国での最初の輸出となるが、これを皮切りに欧州へも進出することになるだろう。
中国は、原発技術に関しては、かなり日本を意識していて、英国への進出についても、「日本を焦らせてやった」といったニュアンスの報道も散見される。中国は第四世代原発の超高温ガス炉建設を江西省瑞金で2017年に着工する予定だ。第四世代原発技術は、日本がリードしていると言われていたが商業化は中国の方が早いのかもしれない。
中国に預けるわけにはいかない
東シナ海を挟んで向き合う中国の沿岸にずらりと中国独自開発の原発が並び建ち、世界中に安価な中国製原発が輸出されるやがて来るかもしれない時代を想像すると、私は正直恐ろしい。中国の技術が劣っている、と決めつけるわけではないが、天津大爆発のような死者100人規模の人災事故が年間に何度もおき、その事故の原因究明すら藪の中にしてしまう中国で、この異様に早すぎる技術開発のスピードの何百基もの原発を本当に何十年も安全に運転し続けることができるのだろうかと思う。人の暮らす地域で平気で核兵器実験をやる国が、本気で人々の暮らしの安全を守る意識を持ち続けることができるのかと思う。
巨大地震の多い狭い島国の日本で原発を何十基も稼働させる必要はない、いっそ、原発などなくてもやっていけるのでは、という考えもチラリと頭をかすめるのだが、技術を手放して、この市場を中国に全面的に預ける恐怖を想像すると、日本はそれでも、有り余る慎重さをもって、執拗に原発技術の開発を続けていくことが、やはり必要だと思うのだ。