9/17渡部亮次郎 Andy Chang『連戦と陳雲林処罰の噂』について

台湾は日本と共にABCD相手に戦いました。今の中華民国は中国大陸の亡命政権です。同じ漢民族だから賄賂・利権は当り前です。それは習・王岐山と雖もやっています。こんなのは中国人だったら誰でも分かっていますし、外省人だって分かっているでしょう。

民進党にも配っていたというので根は深い。親中を標榜している台湾の政治家は金を貰っているかハニーにかかっているかです。日本と同じでしょう。民進党の陳水扁も収賄で捕まったのは国民党の政治的報復と思っていましたが、分からない部分もありますね。でも中国人の馬英九だってやってないはずがありません。大陸同様、腐敗は政敵を倒すための名目・看板です。陳雲林が処分され、連戦にも累が及んだ方が台湾にとって良いのでは。来年1月16日の大統領選と立法委員選挙で民進党は有利になるでしょう。

小生が中国駐在時代、台湾出身のカメラマンと飲んだ時に、「今、中国の女子大生4,5人を囲っている。アナタにも紹介しようか?」と聞かれたので、断った経験があります。2000年くらいのときですからまだ中国の経済が大きくないときです。2001年のWTO加盟から中国の経済発展が始まったと考えて良い。台湾の経済人はどんどん大陸に出て行き、いい思いもしたのでしょうけど、結局は台湾を大きく脅かす存在としてしまいました。日米と同じです。今後は撤退、「非中三原則」で行かないと。

記事

連戦が国民党の大反対を無視して9月3日に中国の軍事パレードに参加したあと、台湾では連戦を処罰しろと言う声が高い。連戦の処罰については、国民党は賛否両論、民間では元副総統の呂秀蓮と民間の百人余りが外患罪で告訴したと言う。

台湾のテレビ対談では台湾側の連戦批判の外に中国側では習近平が国台辦(国務院台湾事務辦公室)主任陳雲林(1997-2008年)を処分するという噂が出てきた。国務院台湾事務所がこの20年来やってきた台湾統一はすべて間違いだったと習近平は発見した。

陳雲林の報告は間違った報告が多く、去年の選挙は完全に間違った報告をした。陳雲林は中台貿易の元締めだったので、中国内と台湾内の双方にひどい利権汚職があったのがわかって習近平は激怒したと言う。

  • 国民党は中共の抗戦記念に大反対

国民党は「抗日勝利70周年記念活動」に反対で、馬英九総統は連戦に不参加を勧告したが連戦は無視して参加した。なぜ国民党は中共の抗戦記念に反対なのか、連戦はなぜ反対を押し切ってパレードに参加したのか。いろいろな議論や憶測が飛び交っている。

中国共産党は日本軍と戦った事実はない。日本と戦ったのは蒋介石の国民党軍で、しかも重慶に逼塞して米軍の援助で体面を保っていただけだ。

戦争が終わってから国民党は共産党との闘争に負けて台湾に逃亡した。大東亜戦争は1945年に収束したが中共が建国したのは1949年である。共産党が日本軍と抗戦した事実はない。中国の抗戦勝利70周年とは国民党の手柄を横取りする大嘘である。

国民党にとって統一とは中華人民共和国と中華民国の統一である。中国は中華民国を国と認めないから統一とは国民党の降参であり、中華民国の滅亡である。だから国民党は戦勝記念に参加を拒否する。

もしも国民党の幹部が中共のパレードに参加したら抗日の手柄を横取りされるだけでなく、中華民国が中国に併呑されたことになる。

中国の勝利パレードに参加しない理由とは中華民国の存亡問題なのである。

国民党は台湾に逃亡したが台湾は中国の領土ではない。台湾で中華民国を国と自称する理由がない。だから馬英九は「台湾は日本と抗戦した」と嘘をついた。

しかし台湾人が馬英九の嘘に大反対し、李登輝は日本の雑誌に終戦以前の台湾は日本の領土で台湾人は日本軍として中国と戦ったと述べた。国民党では李登輝が中華民国に叛いたと言い張って李登輝の総統年金を取り上げると言い出した。中共も国民党もみんな嘘つき、中国人は歴史の改竄を平気でやる、中国人の「正しい歴史主張」は嘘の塊である。

  • 漢民族の歴史捏造は「歴代中華帝国」

中国人の歴史捏造とは次のようなものである。中国人にとって抗日勝利とは中国が日本と戦って勝利した歴史である。中国は漢民族の国であり、日本との戦争は勝利で終わった。そして中華民国も滅んだ。これが歴代中国の歴史であると言うのだ。

中国二千年の歴史の観点から見ると、歴代の中国とは漢民族の作った国々である。蒋介石の中華民国が日本と戦った、そのあと中華民国は毛沢東に滅ぼされ、現在の中国は中華人民共和国である。

この理論によれば共産党が日本と戦ったのでなくても中国が日本に勝って、中華民国が滅んで、共産党が中華人民共和国を建国したと言う歴史過程が成り立つ。これが漢民族の歴代中華帝国の歴史だと言うのである。

  • 連戦の戦勝記念参加

国民党の大反対と台湾人の反中国にも拘らず連戦はなぜ中国の戦勝記念に参加したのか。一説では連戦は既に国民党内の影響力を失い、習近平の庇護を必要とするから、習近平が参加を命じればどうしても行かなければならないと言う。

別の説によると、連戦は陳雲林の台湾工作の接点であり、陳雲林が台湾工作を始めてから陳雲林は台湾での経済金融の利権を取得し、連戦と彼の部下は中国における経済金融の利権を取得した。だから戦勝記念に呼ばれたら利権を守るため参加せざるを得ないという。

中国側の台湾交流事務主任が陳雲林で、台湾側は連戦と彼の部下、海基会(海峡交流基金会)董事長だった江丙坤(2008-2012年)など数人の名前が挙げられている。中国は台湾側の人物を処罰できないが、陳雲林が「雙規」に逢えば台湾側も大変だと言う。

消息筋によると江丙坤の息子・江俊徳は中国で??金属公司を立ち上げ台湾向けの金属輸入を扱う。連戦は上海医院の設立と経営、徐立徳は環宇投資公司の設置などで中国における大きな利権を得たという。

  • 陳雲林と連戦の金融利権

もっと大きな利権は金融業の発展に関する利権である。陳雲林の台湾における銀行業、台湾で人民元の貯金や為替業務を許可し、人民元の使用を認め、人民元名義の預金で台湾の銀行界より高い利息を約束して台湾の金を吸収した「金融侵略」である。これの見返りとして連戦と徐立徳は中国の各省県市で銀行業を行う利権を獲得したと言う。ところが中国の人民元の暴落で台湾でも中国でも大きな損失が出てしまったのだ。連戦が慌てて習近平と会談した理由はこれと言う。

この他に習近平が陳雲林に激怒した理由とは、台湾統一工作で国民党だけでなく民進党の幹部たちを買収し、メディアの主要人物も中国に制御された。だが政党とメディアの工作に成功しても民間の反感が高まった挙句、ヒマワリ学生運動や去年11月の選挙では民意に反した情報を中国中央部に流し続けた。たとえば連戦の息子連勝文、台中市長胡志強、呉伯雄の息子呉志揚などは当選確実と報告していたのにみんな落選した。習近平は激怒して間違った情報を流し続けた陳雲林、20年来の台湾工作がすべて失敗だった責任で彼を処分すると言うのである。

また別の説によると、習近平は既に薄熙來、徐才厚、周永康、令計画の処分を終え、次は台湾統一に失敗した陳雲林を汚職の罪で処罰すると言う。陳雲林が処罰されれば台湾側でも連戦一味も危ないと言う。今後の成り行きを見守っていきたい。

9/17・18日経ビジネスオンライン『統一は中国とスクラム組んで 帰国後も習近平を見つめる朴槿恵』『「ヒトラーと心中した日本」になる韓国 「姫!ご乱心」と叫ぶ保守メディア』について

指導者選びが大切という事でしょう。日本でも民主党政権は無能・売国でした。今回の安保法案反対もどこの国民を守ろうとしているのか分かろうと言うもの。民主党の岡田・野田に至っては、以前は集団的自衛権を支持していたと佐藤正久参院議員に暴露されてしまう始末。それでシレッとして、反対を唱えられるのだから、平気で嘘がつける中国人・韓国人と同じ連中です。安倍政権で本当に良かったと思っています。

朴槿恵大統領は全部他国のせいにしますというか、彼の国の民族性でしょう。悪いことが起これば総て日本のせいにする。だから半島統一ができないのは日本のせいとかいって他責にします。李氏朝鮮時代は中国の属国、日本が第二次大戦後も米国に統治され、然る後米国から独立を許された、自分たちで国の運命を決めることができなかった哀れな民族です。密約は「中国に騙されている」という意見もあるようですが、狐と狸、どちらの国も化かし合いが得意なのでやりあって貰えば良いと思います。

韓国の保守派メデイアがいくら叫ぼうとも、韓国に対する日本人の心は大衆レベルで冷え切っています。これこそポイントオブノーリターンだと思います。「北の侵攻を防ぐのが南の役目、日本も反共なら南の支援を」というのは20年前の話。今、南そのものが共産中国にべったりなのでその論理は使えません。中国と一緒にグルになり、世界に歴史改竄の慰安婦像を建て日本を貶めようとするのに普通の日本人だったら耐えられません。日本国内でもそれを支援しようとしているのは、なりすまし日本人、在日かその関係者、共産主義シンパ位でしょう。マスメデイアの言う(数の少ない)民意とは彼らの意見のことを言います。ですから自民党の支持率が39%、民主党が9%(8/30日経)くらいしかないのです。朝日・毎日・東京等の新聞を読んでいる人は高齢者が多いですから読者はどんどん減っていくことでしょう。いい傾向です。

記事

(前回から読む)

 北京での抗日式典に参加し、国民から大きな支持を得た朴槿恵(パク・クンヘ)大統領。帰国の機中で「中国と協力し統一を目指す」と宣言した。この予想外の急速な中国傾斜に、保守派も米中二股派も「韓米同盟が消滅する」と悲鳴をあげた。

支持率が20%も急騰

–訪中で朴槿恵大統領の支持率が急上昇したと聞きました。

鈴置:韓国ギャラップの9月第1週(1-3日)調査(9月4日、韓国語)では「大統領はよくやっている」が54%と、前週比5%ポイント上昇しました。韓国ギャラップは「訪中の影響」と分析しています。

朴槿恵政権の支持率

質問=「大統領の職務遂行ぶりを評価するか」

調査期間=2015年9月1-3日/調査主体=韓国ギャラップ

evaluation for Pak

 2014年4月のセウォル号事件以降、初めて50%台に乗りました。なお「よくやっていない」は6%ポイント下がって38%でした。

 その1週間前の8月第4週(25―27日)調査(8月28日、韓国語)でも、支持率は34%から49%へと急上昇しています。半面、不支持率は56%から44%に12%ポイントも落ちました。

 この時点で支持率が不支持率を上回ったのですが、2014年11月第1週以来のことでした。「地雷事件」による南北間の緊張を一気に解いた、8月25日の南北合意のためです。

 地雷事件は中国の北朝鮮への圧力もあって解決できた、と韓国では報じられています。結局、8月末から9月初めにかけての2週間で支持率が20%ポイントも回復したのは、中国のおかげでした。

天安門の外で待たされた朝貢使

—朴槿恵大統領にとっては「中国さまさま」ですね。

鈴置:韓国の大統領が天安門の上に立ち中国のトップと肩を並べて軍事パレードを参観する光景は、韓国人にとって感無量の出来事でした。

 清に朝貢した朝鮮の使節は、皇帝の都合によっては天安門の外でずうっと待たされました。くぐるのは、もちろん正門ではなく脇の門。楼に上がるなんて許されなかったでしょう。

 韓国メディアは抗日式典――抗日戦勝70周年記念式典の前から、楼上での朴槿恵大統領の席順予想に力を入れました。

 式典の前日には「訪中した約30カ国の首脳の中で唯一、習近平主席主催の晩さん会を開いてもらったのだから、主席のすぐ横だろう」と期待を盛り上げました。

 結局、プーチン大統領に次ぐ「来賓No.2」の席だったのですが、それでも韓国人は大いに満足しました。ことに北朝鮮から参加した崔竜海(チェ・リョンヘ)労働党書記の席が、習近平主席とは遠く離れていたので溜飲を下げました。

 韓国の報道チャンネル、YTNが式典をすべて中継しました。1時間半に渡る中継の間に、何度も画面に「朴槿恵大統領は2番目、崔竜海は一番端の席」とテロップを入れました。よほどうれしかったのでしょう。

楼上の“怪しい指導者”たち

—西側では、非民主国家の指導者に取り囲まれた韓国の大統領の姿を見て、ぎょっとした人も多かったと思います。

鈴置:習近平主席が演壇に上がった際、座ったままのプーチン大統領とカザフスタンのナザルバエフ大統領が三角形を形造りました。強権で名を馳せる3人です。

 その三角形のど真ん中に、黄色のスーツを着た朴槿恵大統領が座ったのです。この映像は印象に残りましたし、象徴的でもありました。

 式典には集団虐殺に関与したとして国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状の出ているスーダンのバシル大統領、彼の逮捕に協力しなかったと西側の一部から疑いの眼差しで見られている南アフリカのズマ大統領も参加しました。

 ICCは国連を背景に生まれた組織ですが、韓国外相から国連事務総長に転じた潘基文(バン・キムン)氏はバシル大統領らと天安門で並びました。異様な集まりだったのです。式典に参加した朴槿恵大統領を企業社会に例えれば、こんな感じです。

J社はC社の招待を断った

  • 大手自動車メーカーU社の系列企業、K社の社長。最近、部品を大量に買ってくれるようになったC社の社長から「ウチの創業70周年式典に是非、来てくれ」と言われた。C社はU社のライバル。おいそれとは行きにくい。
  • でも、C社への納入実績は増える一方。それにU社は地理的には離れているのに対し、C社はすぐ隣。そもそも祖父の代までK社はC社の系列だった。うまくとりいればK社のライバルのN社を、C社は系列から切り捨ててくれるかもしれない。
  • そこでU社の購買担当者には「少し顔を出すだけだから」と誤魔化してC社の式典に参加。でも、壇上で挨拶するのは警視庁のリストに載っている怪しげな企業のトップばかり。そして彼らに囲まれ談笑する光景を、取材に来たカメラマンに撮られてしまった……。

—まずいですね。

鈴置:U社のもう1つの系列企業、J社の社長はC社の招待を断りました。「工場が忙しい」などと、取って付けた理由で。このため、K社社長の参加がより目立ちました。

「国の行く末が心配」

—それに、業界団体の専務理事をやっているK社の元・海外担当役員まで、この怪しい式典に参加してしまっています。

鈴置:韓国メディアはこの式典が「怖い人の集まり」だった点は報じませんでした。報道は「我が国の大統領は中国で異例の好待遇を受けた」の一点張りだったのです。

 だから、国際情勢に詳しい韓国人はともかくも、普通の人にとって大統領の抗日式典参加は「極めて誇らしい出来事」でした。支持率が急上昇したのも当然です。

 ただ、それに危うさを感じた韓国人もいました。例えば日本語で「シンシアリーのブログ」を書く匿名の歯医者さん。政治的な色の濃い主張はしない人です。

 そのシンシアリー氏が支持率の急上昇に関し「朴槿恵大統領の支持率、54%に上昇」(9月4日、日本語)で、以下のように書いたのです。なお、助詞などを少し手直ししています。

  • 一部で親中政策を憂いている人もいるのは事実ですが、朴槿恵大統領の親中政策は「国民的」支持を得ていると見ていいでしょう。
  • 反日+親中ですね。
  • まさか、私が本気で「国の行く末」を心配する世代になろうとは、考えもしませんでした。いつからこうなったんだろう……。

「統一のために中国と協力」

 韓国人がすっかり親中に染まってしまった、との驚きの表明です。支持率アップで自信を得た朴槿恵大統領が、さらに中国に傾くとも懸念したのでしょう。

 韓国人の従中振りをシンシアリー氏が茶化したことはありました。でも「国の行く末を心配」とまで書いたのは初めてです。

 彼の憂鬱な予想は、直ちに現実のものになりました。このブログが載ったのとまさに同じ頃、9月4日午後に朴槿恵大統領は中国から戻る飛行機の中で記者団に対し、以下のように語っていたのです。

  • 朝鮮半島の平和統一のために今後、中国と協力することを決めた。可能な限り速やかに、どのように平和統一をなすのか議論が始まるだろう。

中国のおもちゃになる

 韓国では猛反発が起きました。中国と組んで統一を図れば、米韓同盟の消滅に直結する可能性が極めて高い。中立化した韓国が、自由と民主主義を維持できるのか――との悲鳴でした。

 親米保守の趙甲済(チョ・カプチェ)ドットコムにしばしば論説を載せる「証人」という筆名の識者がいます。その「『朝鮮半島平和統一』その同床異夢」(9月5日、韓国語)の一部が以下です。

  • 我々が考える統一と中国のそれは完全に異なる。中国には十中八九、朝鮮半島を米国の影響力から遠ざけ中国が管理するという下心がある。我々の統一は当然、朝鮮半島が米国の作戦区域に残るとの前提がある。しかし、これを中国が認めはしないだろう。
  • (朴槿恵大統領は)統一のためには米国との決別も辞さないというのか? 果たしてそんなことは可能か? 決別は統一の前なのか、後なのか? 中国と平和統一を論じるのは、中国のおもちゃにされる公算が大だ。
  • 朴大統領が中国へ行き習近平、プーチンと並んで立つ姿によって支持率が急騰するという現象こそが、すでに中国の管理下に組み込まれたことを示す危険信号に映る。

米軍撤収も中国と話し合うのか

 同じ日に東亜日報も社説で、大統領が突然に唱えた「中国とスクラムを組んだ平和統一」に疑念を表しました。

 保守系大手3紙の中では、政権に最も距離を置く新聞です。今回の訪中に対しても3紙の中で唯一、明確に反対していました(「“恩知らず”の韓国」参照)。

 東亜日報の社説「「中国と協力する『平和統一』は自由民主体制が確かなのか」(9月5日、韓国語版)の骨子が以下です。

  • 大韓民国憲法に明示された「自由と民主主義を基本とした秩序に立脚した統一」と、中国の朝鮮半島戦略をどう一致させるのか、明確にする必要がある。
  • 中国メディアは韓中首脳会談で「習主席は『自主的統一』の実現を望むと語った」と報じている。それが外部勢力の介入を排除するとの意味なら、駐韓米軍の撤収を語っているわけであり、北朝鮮の主張する統一と変わらない。
  • 昨年2月、中国の軍部は統一に関し、領土・領海紛争の徹底的な解決に加え、外国軍隊撤収のタイムテーブルの提示など6項目を先決条件として挙げた。朴大統領は大韓民国の安危に直結する在韓米軍撤収まで中国と論議するというのか。
  • 韓国は統一の具体的方法に関し、同盟国の米国とさえ緊密に対話する段階に至っていない。朴大統領がいくら統一のビジョンを強調しても、現実には越えねばならない山が多いからだ。
  • 習主席は北朝鮮を戦略的資産と見なしている。朝鮮半島全域をその資産とするために朴大統領に「魅力攻勢」をかけているとの分析も出ている。

「統一」で騙された大統領の暴走

—「魅力攻勢」ですか。

鈴置:東亜日報は上品な表現に留めていますが、はっきり言えば「朴槿恵大統領は中国の力に魅せられ、習近平主席に騙されかけている」ということでしょう。

 背景には「中国は北朝鮮を放棄する意思など一切ない。むしろ韓国を『統一』という甘い言葉で釣って米国から引きはがし、半島全体を我がものにするつもりだ」との認識があります。

 週明けの9月7日からは、朝鮮日報や中央日報など訪中に賛成していた保守系紙も、社説やシニア記者のコラムを動員し連日のように「中国に傾き過ぎだ」と叫び始めたのです。趙甲済(チョ・カプチェ)ドットコムでは「対中依存の暴走」との表現も使われました。

 でも、朴槿恵大統領は馬耳東風。9月9日に開催されたソウル安保対話では、世界各国の国防関係者を前に「統一は北朝鮮の核問題や人権問題の根本的解決策になるだろう。世界史から見れば20世紀の冷戦の歴史を終息させることになるだろう」と演説しました。統一に集中する姿勢をさらに鮮明にしたのです。

 青瓦台(大統領府)も最高級の政府高官による中国との戦略対話の早期開催に動いています。世論の危惧をよそに、朴槿恵大統領は「中国とスクラムを組んだ統一」に邁進し始めたのです。

俺の後ろには中国がいるぞ

 2015年以降、平均的な韓国人の自画像は「米中間では等距離に位置する国」となりました。保守紙も少しずつ軸足を中国に移しており、その文言を使わないにしろ、朴槿恵政権の「等距離」つまり「二股外交」を支持するに至っています。

 米国の要請を無視し中国の言いなりになったのは、抗日式典参加だけではありません。終末高高度防衛ミサイル(THAAD)や、中国の南シナ海の軍事拠点化の問題でもそうです。

 2014年までは多くの韓国人が「『等距離』だの『離米従中』だの言い募るのは日本人だけ。韓米離間を図る日本の陰謀だ」などと言い張っていました。

 しかしこれだけ「離米従中」が誰の目にも明らかになると、今度は「米中等距離のどこが悪い」と居直り始めたのです。日本人に対し「俺の後ろには中国がいるぞ」と肩をそびやかす韓国人がさらに増えました。

もう、米国側に戻れない

 ただ、そうした空気を体現する保守系紙さえも、大統領の「中国とのスクラム宣言」は大いにショックを受けました。等距離どころか、完全に中国側の国となり始めたからです。

米中星取表~「米中対立案件」で韓国はどちらの要求をのんだか (○は要求をのませた国、―はまだ勝負がつかない案件、△は現時点での優勢を示す。2015年9月16日現在)
案件 米国 中国 状況
日本の集団的自衛権 の行使容認 2014年7月の会談で朴大統領は習近平主席と「各国が憂慮」で意見が一致
米国主導の MDへの参加 中国の威嚇に屈し参加せず。代わりに「韓国型MD」を採用へ
在韓米軍への THAAD配備 青瓦台は2015年3月11日「要請もなく協議もしておらず、決定もしていない(3NO)」と事実上、米国との対話を拒否
日韓軍事情報保護協定 中国の圧力で署名直前に拒否。米も入り「北朝鮮の核・ミサイル」に限定したうえ覚書に格下げ
米韓合同軍事演習 の中断 中国が公式の場で中断を要求したが、予定通り実施
CICAへの 正式参加(注1) 正式会員として上海会議に参加。朴大統領は習主席に「成功をお祝い」
CICAでの 反米宣言支持 2014年の上海会議では賛同せず。米国の圧力の結果か
AIIBへの 加盟 (注2) 米国の反対で2014年7月の中韓首脳会談では表明を見送ったものの、英国などの参加を見て2015年3月に正式に参加表明
FTAAP (注3) 2014年のAPECで朴大統領「積極的に支持」
中国の 南シナ海埋め立て 米国の対中批判要請を韓国は無視
抗日戦勝 70周年記念式典 米国の反対にも関わらず韓国は参加

(注1)中国はCICA(アジア信頼醸成措置会議)を、米国をアジアから締め出す組織として活用。 (注2)中国はAIIB(アジアインフラ投資銀行)設立をテコに、米国主導の戦後の国際金融体制に揺さぶりをかける。 (注3)米国が主導するTPP(環太平洋経済連携協定)を牽制するため、中国が掲げる。

 「韓国は米中の勢力争いに決着がつくまで二股外交を続けるだろう」と語っていた韓国人がいます。この人からも、こう言われました。

(次回に続く)

(前回から読む)

 中国とスクラムを組んで朝鮮半島を統一すると宣言した朴槿恵(パク・クンヘ)大統領。保守系メディアは必死で引き止める。だが、大統領に動じる風はない。その真意はどこにあるのだろうか。

米国と決別するのか

—前回は朴槿恵大統領が「中国と協力し統一を目指す」と宣言。韓国の保守派が大慌て、という話で終わりました。

鈴置:大統領の発言は9月4日の、中国からの帰りの機中の出来事でした。翌日の9月5日から保守メディアが一斉に大統領に翻意を促しました。

 「中国頼みの統一は米国との決別を意味する」「米韓同盟を失い中立化したら、自由と民主主義を維持できない」などと、大統領に真っ向から反対したのです。

 9月5日、東亜日報はいち早く、そんな趣旨の社説を載せました。同紙はもともと軍事パレード――抗日戦勝70周年記念式典の目玉行事です――に大統領が参観することに反対していました(「統一は中国とスクラム組んで」参照)。

浮かれる時ではない

 同紙は9月10日にも社説で「大統領は急がず、長い目で統一外交を進めるべきだ」(日本語版)と訴えました。正確を期すために原文「幕が上がった統一外交、息長く推進を」(9月10日、韓国語版)からポイントを翻訳し、引用します。

  • 中国が血盟の北朝鮮を捨て韓国を選ぶ、という戦略的転換をしたと判断するのは難しい。韓国国内では具体的な統一方法に関し、共感が形成されていない。当事者である北朝鮮とも議論がない状況だ。
  • 北は「統一は我が民族の力だけで実現すべき、民族の一大事だ」と朴大統領の発言を批判し始めた。大統領の「東北アジア外交の主導」は息切れしている。
  • 朴大統領が任期内に目に見える形で統一の成果を出そうと、無理筋の手を打つのは望ましくない。

 中国から戻って来た大統領は突然、「統一だ」と叫び始めた。この国をどこへ連れて行くのか分からない――。こんな恐怖心を抱いたに違いありません。東亜日報は「そんなに焦らず、統一はゆっくり考えましょう」と大統領を諌めたのです。

 他の保守系メディアも大統領を抑え込みに入りました。軍事パレード参観に賛成していた朝鮮日報も9月7日、社説「韓中の『統一論議』、浮かれる時ではない」(韓国語版)を載せました。

 中国が北朝鮮を捨てる判断をしたわけでもないのに「中国と統一論議」などと浮かれるのは現実を見誤っている、との主張です。

外相は自画自賛

 同紙は9月9日には社説「尹外相の『対中外交の自画自賛』、後始末に自信はあるのか」(韓国語版)で尹炳世(ユン・ビョンセ)外相を厳しく批判しました。今回の大統領訪中を「歴史的ターニングポイント」であり「外交的な幅を広げた」と自賛したからです。

 ただでさえ米国や日本から「中国傾斜」と疑いの目で見られているのに、それを加速して責任はとれるのか――との訴えです。外相批判の形をとっていますが、実際は「朴槿恵批判」そのものです。

 中央日報も9月7日に社説「統一論議の火種、小さな失敗で消してはならない」(韓国語版)を載せました。中国と統一を議論するのはいいけれど、米国や日本との関係を損なうべきではないと指摘しました。

瓢箪から駒の「スクラム」

—確かに「大慌て」といった感じですね。

鈴置:「中国とスクラム」路線は、ほとんどの韓国人にとって予想外だったのです。「瓢箪から駒」にメディアが慌てるのも当然です。

 朴槿恵大統領の訪中前、韓国政府は「統一問題を抱える以上、軍事パレード参観を拒否できない。中国は統一に大きな影響力を持つからだ」との理由を掲げました。

 でも普通の韓国人は「本音は米国への言い訳だ」と理解していました。太平洋の向こうから米国が苦い顔をして、訪中準備を進める韓国を見ていた。

 ことに1カ月半後の10月16日には、ワシントンで米韓首脳会談が開かれます。米国が引き止める中、強引に抗日式典に出るのですから、朴槿恵大統領としてはオバマ(Barack Obama)大統領に何らかの言い訳を用意する必要がある。

 そこで「統一」なら韓国人の“聖域”であるため米国人から口出しされにくいと考え、これを理屈に持ち出したのでしょう。

北東アジアを韓国が主導

 青瓦台(大統領府)も米国を相当に意識していました。訪中直前には「大統領が中国から帰ったら、米国との関係強化や日本との関係改善にも力を入れる」としきりに強調しました。

 朝鮮日報の「朴大統領、中国とは『統一外交の種まき』…米日とも対北朝鮮で協調」(9月1日、韓国語版)からもそれがよく分かります。

 この記事は冒頭で、朱鉄基(チュ・チョルギ)外交安保首席が8月31日に、以下のように韓国の外交姿勢を説明したと報じました。

  • 訪中以降に予定される外交日程により、我々の国益を伸長する主導的外交として、北東アジア情勢の好循環的な発展に寄与する。

種をまかずに刈り取り

 どの新聞も「東北アジアを主導する朴槿恵外交の一環としての訪中」との表現を使いました。訪中は韓国外交の一部に過ぎない、との意味です。

 「主導的外交」という言葉も目を引きました。青瓦台がレクチャーで使ったようです。訪中は「従中」の結果ではないと言いたかったのでしょう。普通の韓国人も薄々「大統領は中国に脅されてやむなく行くのだ」と感じていたからです。

 要は韓国の指導層は、言葉は悪いけれど「統一は米国に怒られずに訪中するための方便」くらいに考えていたのです。少なくともすぐに動き出す話とは考えていなかった。

 先に引用した朝鮮日報の見出しが示唆的です。訪中は統一への「種まき」なのです。ところが朴槿恵大統領は「種まき」どころか、帰国の途につくやいなや「中国とスクラムを組んだ早急な統一」に動き始めた。これでは「刈り取り」です、まだ種もまいていないというのに。

 多くの韓国人は「あれっ。話が違うじゃないか」と思ったでしょう。大統領の暴走と考えた人も少なくなかったのです。

中国を背景に北を叩く

—朴槿恵大統領はなぜ「暴走」し始めたのでしょうか。

鈴置:側近にも本音を語らない大統領なので、それは謎です。韓国人も首をひねっていますが、敢えて答えてもらうと「支持率」を指摘する人が多いのです。

 前回の「統一は中国とスクラム組んで」で話題にしたように、8月末からの2週間で大統領への支持率が20%ポイントも上がりました。

 「地雷事件の上手な処理」と「天安門の栄光」が原因ですが、共通するのは「中国を背景に北朝鮮を叩く」ことに成功した点です。

 長らく支持率の低迷に苦しんだ朴槿恵政権は、この急上昇を見て、本来は方便だった「統一」の旗を高く掲げることにした――との見方です。つまり「中国を背景に北を叩く」ことにしたのです。

 政権スタート時から使ってきた、「慰安婦」を掲げ「米国を背景に日本を叩く」作戦はすでに頓挫しました。安倍晋三首相は韓国を無視し続けるし、普通の日本人も反韓感情を高める一方だからです。そもそも、思ったほどに米国が助けてくれないのです。

 韓国人も反日・卑日には飽きが来ています。だったら今度は「地雷事件」で盛り上がった反北感情を生かそう――と政権が考えて不思議はないのです。

 朴槿恵政権は8月25日で任期の半分を折り返しました。これから急速にレームダックに陥るのが普通です。来年の総選挙では、与党が朴槿恵派と反・朴槿恵派に分裂する可能性さえ出てきた。

 経済も悪くなる材料はあっても良くなる材料は皆無です。内政で支持率を維持するのは難しい。外交で支持率を稼ぐしかないのだ、と見る人が多いのです。

成功の呪い

—「支持率説」に立てば、中国と綿密に打ち合わせたわけでもない――つまり「中国とのスクラム」はさほど実態のある話ではないということですね。

鈴置:そうなります。

—でも、朴槿恵大統領は本気で「中国とのスクラム」を実行するつもりのようですが。

鈴置:そこで語られ始めたのが「勘違い説」です。大統領なり政権中枢が以下のような認識を持つに至った、と解説する人もいます。

  • 北朝鮮の内部は揺れており、体制維持が困難になっている。「地雷事件」後の動きを見ても、北は予想外に弱腰だった。一方、我が国は抗日式典では中国から大事にされた。中国も我が国主導の統一を受け入れる可能性が増した。中国と組めば、北の動揺に付け込んで一気の統一も可能だ――。

 中央日報の金永煕・国際問題担当大記者は「朴大統領のユートピア的思考」(9月11日、日本語版)で「勘違い説」を唱えています。

  • どのように平和統一をするということなのか。ビジョンも戦略も提示されないまま統一の言葉ばかり広がっている。
  • 朴大統領は最近、参謀に対して統一に備えるべきだという言葉をよく述べているという。最近の統一準備委員会会議では、朴大統領が統一への対応を強調し、「来年にも」という表現まで使ったと、会議出席者は伝えた。
  • 朴大統領は北朝鮮の地雷挑発後に開いた南北当局者接触の8・25合意を我々の勝利と理解し、北朝鮮に対する自信が高まったという印象を与える。小さな成就が自慢を招く。成功の呪いを警戒しなければいけない。

軍事力に圧倒された?

—現実に向き合うべき国の指導者に対し「ユートピア的」とは厳しいですね。

鈴置:金永煕大記者はよほどショックを受けたのでしょう。大統領訪中までは、それを手放しで褒めたたえていたのですから。

 『どうせ、中国の属国だったのだから……』で引用した通り、以下のように「朴槿恵外交」を謳いあげていたのです。

  • 韓国は堅実な中堅国家として周辺強大国パワーゲームのバランスウエイトだ。今後は広い北東アジアを視野に置いて、この地域唯一の中堅国家として「バランスウエイトの力」を使って北東アジアの平和を牽引しながら南北問題に接近することができる。

—それにしても、国家の浮沈を左右する案件で「勘違い」するものでしょうか。

鈴置:それを補強するのが「圧倒説」です。中国の強力な軍事力を天安門の楼上から眺めるうちに、朴槿恵大統領はすっかり中国の強さに圧倒され、判断力を失った――との見方です。

 東亜日報の社説「中国と協力する『平和統一』は自由民主体制が確かなのか」(9月5日、韓国語版)は、それをさりげなく指摘しています。

  • 中国の軍事力の台頭を天安門の上から目撃しながら朴大統領が、何を考えていたかを気にする国民が多い。

流される「密約説」

—なるほど。「勘違い説」の説得力が増しますね。

鈴置:ええ。ただ、この“勘違い”は韓国にとって相当な危うさをはらみます。北朝鮮が崩壊寸前かは外からは断言できません。韓国の希望的観測に終わるかもしれないのです。

 そして中国が韓国主導の統一を認める保証はありません。崩壊の危機に陥った北を、中国がテコ入れしてしまうかもしれません。

 以上2つの障害をクリアして韓国主導で統一したとしても、中国の助けを借りれば、それは「中国が望む形での統一」になる可能性が大きい。

—自由民主主義体制を維持できるか、と東亜日報などが疑うのも当然なのですね。

鈴置:もっとも、こうした疑いを打ち消すために作られたと思われる噂も出回っています。北朝鮮の崩壊に関しては「実は、朴槿恵政権は崩壊が近いとの極秘情報を握っている」。

 中国とのスクラムについては「統一後も現在の韓国の体制を維持していいとの密約を中国から得ている」――です。これらを「密約説」と呼んでおきます。

大阪の陣

—崩壊や密約は本当ですか?

鈴置:判断できません。こうした情報は「怪しいな」とは思っても、容易には否定できないところがミソなのです。なお、日本にもこの「密約説」が流れて来ています。

 こうした怪情報に対抗する目的もあるのでしょう、親米保守の趙甲済(チョ・カプチェ)ドットコムの金泌材(キム・ピルジェ)記者は、大阪城外堀のロジックを使って「騙されるな」と訴えています。

 「敵の約束を信じた指導者の運命」(9月9日)という記事です。韓国語の記事ですがサイトを開くと、大阪城本丸の大きな写真が目に飛び込んで来るのでびっくりします。

 記事は「徳川方の和睦条件をのんで、難攻不落の秘訣だった大阪城の外堀を埋めることを認めたあげく滅ぼされた豊臣方の無能さ」を紹介します。そして以下のように結論づけます。

  • 大阪の陣は敵の約束を信じた指導者と国民が「偽りの平和」と「対話勢力(中立化勢力)」を選択すると、どんな結果をもたらすかを克明に示す、歴史的な事件だった。

 北朝鮮に近い人々が「統一の可能性が出てきた。まず、障害になる韓米同盟を破棄しよう。最低でも在韓米軍は撤収させよう」と言い出す可能性が増しました。

 韓国はそもそも「中立化志向」が根強い(「『フィンランドになりたい』と言い出した韓国」参照)。現政権にそのつもりがなくとも左派が「統一論議」を「米韓同盟破棄」に利用するかもしれない。金泌材記者ら保守派はそれを猛烈に警戒し始めたのです。

文化的帰巣本能による従中

—親米保守の趙甲済ドットコムは大忙しでしょうね。

鈴置:連日「中国に騙されるな」「自由民主主義を守れ」という記事が大量に載ります。「識者」氏ら常連の筆者に加え、李長春(イ・チャンチュン)元シンガポール大使も久しぶりに筆をとりました。外交政策企画室長を歴任した外交界の理論派です。親米保守としての深い危機感からと思います。

 「『平和統一を急ぐ』なら自由民主主義を放棄するのか」(9月9日、韓国語)がそれです。「統一幻想曲」「対中依存の暴走」「文化的帰巣本能による従中」などの強い単語を使い、中国との統一論議に反対しました。

 趙甲済氏自身も9月4日から9月15日までの12日間に30本も記事を載せています。ほとんどが「中国とのスクラム」に反対する記事です。

 なかでも日本人には印象深い記事が「ドイツを過大評価し道を誤ったあげくに滅びた日本」(9月7日、韓国語)です。

 趙甲済氏は、大本営・陸軍参謀で戦後は伊藤忠商事で活躍した瀬島龍三氏の回想録『幾山河』の第二章を大量に引用します。

希望的判断で滅びた大日本帝国

  • 1940年9月、日本は独伊と三国同盟を締結する。これで日本は英米を敵に回した。常勝するドイツの国力と戦力を日本の軍部は過大評価する一方、米英のそれは過小評価した、と瀬島は回想録で記している。
  • 瀬島は情報の判断ミスも指摘している。「陸海軍ともに軍事情報の収拾に重点を置き、政治、経済を含む総合的な国力の判断をおろそかにした。我が民族の性情からして冷厳なる合理的、客観的判断力に欠けやすく、心情的、希望的な判断に流れた」というのだ。
  • 半面、スペインのフランコは英国の能力を正確に把握し、ヒトラーの参戦要求を拒絶して国体を維持した。

 大日本帝国の滅亡の原因を諄々(じゅんじゅん)と説いた後、趙甲済氏は韓国人に向かってこう呼び掛けたのです。

  • 今、韓国には「米国の時代は終わり、中国が浮上する。中国と協力し統一に進まねばならない」という人が多い。中国が総合的な国力で米国を凌駕することは200年以内には不可能だ。中国に対する過大評価を警戒すべきだ。
  • 国際情勢を見抜く指導者の眼力が、民族と国家の興亡を左右する。

 朴槿恵政権に対する強烈な諫言です。

どこかピントが……

—中国経済は大きく揺れ始めました。単なる景気悪化ではなく、構造的な問題を抱えていることが誰の目にもはっきりしました。なぜ韓国だけが、中国を命とばかりに頼んで突っ走るのでしょうか。

鈴置:そこなのです、韓国がユニークな点は。米中の間をずる賢く立ち回っているようで、どこかピントがずれている――。その話はじっくりいたします。

(次回に続く)

9/14日経電子版『9月3日に天安門楼上に並んだ元首たち  編集委員 飯野克彦』について

中国は歴史の改竄の常習国です。中国駐在時代に行った丹東の抗美援朝記念館では「朝鮮戦争は南側の侵略により始まった」と臆面もなく、平気で嘘を書き連ねます。南京虐殺館も同じです。なかったことをさもあったように金をかけてアピールします。真実の歴史を叙述する訳でなく、政治的プロパガンダです。

流石に今の日本人は中国の異様さに気付いてきたのでしょう。NPO法人「言論NPO」の二〇一四年年七月~八月に実施した世論調査で日本人の93%(前年比2・9ポイント増)が中国に良くない印象を持っていると回答。南沙諸島で3本目の滑走路を造っているというニュースが米国から流されました。悪の帝国そのものです。

パレードに集まった元首級は専制国家の代表みたいな方が圧倒的に多いです。確かに「ファシストが反ファシスト戦争を祝う」と揶揄されてもおかしくないです。韓国と潘基文国連事務総長がこれに参加したことは、韓国は西側の一員に留まらないという事を宣言したようなものです。潘基文は次期韓国大統領の有力候補と言うのですから、完全に軍門に下ったと言えるでしょう。

中国にとって「海のシルクロード」を構築するよりは中央アジアを通る「一帯一路」の方が、今回のメンバーを見ているとやりやすいと思います。ただ金欠中国に他国にばらまく金が残っているかどうか。

記事

China military parade

天安門の楼上で軍事パレードの観覧に臨む習国家主席(中央)、韓国の朴大統領(左端)、ロシアのプーチン大統領(左から2人目)ら(3日、北京)=写真 柏原敬樹

古来より国家的なイベントは政治ショーとして見どころが多い。わけても、権威主義的な体制が威信をかけた場合は見どころ満載といえる。中国共産党政権が9月3日に北京の中心部で実施した軍事パレードは最新の例だ。

 「主役」である習近平国家主席の言動。初めて公開されたとされる兵器の数々。「ファシストの手法で反ファシスト戦争の勝利を祝う」と皮肉られた、厳戒態勢。「パレード・ブルー」とか「ファシスト・ブルー」などと、やはり皮肉まじりに呼ばれた、まれに見る青空。もちろん、天安門の楼上に並んだ中国の要人たちの顔ぶれとその表情、一挙手一投足は関心の的だった。注目点をあげるときりが無いが、その中で、天安門の楼上に並んだ外国の元首たちに焦点をあててみたい。

筆者が注目した記事

・9月5日 The Economist “Clueless and immoral

・9月3日 YouTube「慶祝抗戦勝利70周年9.3閲兵完整版」

・8月25日 国務院新聞弁公室サイト「国新弁挙行抗日戦争勝利70周年紀年活動第六場専題発布会」

■外国元首は22

 8月25日に中国政府が開いた記者会見では「30人の外国指導者」が「9月3日を記念する活動」に参加する、との発表があった。そのうち国家元首は22人。中国中央テレビ(CCTV)の中継では、パレードに先だって習主席夫妻が外国の要人や国際機関の高官と握手する様子が伝えられ、発表通りの22人が天安門に出向いたことを確認できた。内訳を地域別にみると次のようになる。

 北東アジアでは韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領とモンゴルのエルベグドルジ大統領の2人。東南アジアはベトナムのチュオン・タン・サン国家主席やミャンマーのテイン・セイン大統領ら5人。南アジアからはパキスタンのフセイン大統領だけだった。

 目立ったのは旧ソ連圏の国々。ロシアのプーチン大統領のほか、中央アジアからカザフスタン、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタンの大統領が参加した。ベラルーシのルカシェンコ大統領の姿もあった。アフリカからはエジプトのシシ大統領や南アフリカのズマ大統領ら4人。ほかに東欧の国のトップが3人と、南米からベネズエラのマドゥロ大統領がはるばる駆けつけた。

こう並べてみると、地政学的な考えが頭をもたげてくるのを禁じ得ない。たとえば、東南アジア諸国連合(ASEAN)の加盟国のうち元首が天安門に登ったのは、メコン川流域に位置し経済発展が比較的おくれている国々だ。ASEANを貫く亀裂、分断線のようなものが見えてくる気がする。南アジアからの出席がパキスタンだけにとどまったことは、中国にとりインド洋への進出が決して容易でないことをうかがわせる。

 対照的に、中央アジアを経てロシア、ベラルーシ、東欧へとつながる道筋は結構くっきり浮かびあがる。海のシルクロードと陸のシルクロードを作ろうという「一帯一路」構想を習主席は打ち出しているが、少なくとも政治的には陸上の道づくりの方が進めやすいといえそうだ。

■自由や民主の理念は敵視

 視野をさらに広げると、かつての冷戦時代のような地球規模の分断線さえも感じ取れる。岩礁の埋め立てなどで南シナ海の現状を一方的に変更しつつある中国の活動や、ウクライナに対するロシアの侵略的な行動に、表だっては反対しない国々のトップが天安門楼上に勢ぞろいした。そんな印象を受ける。

 と同時に、自由や民主といった理念に必ずしも賛同しない政権や、むしろ敵視している政権のトップが目につく。振り返れば、天安門の前では1989年、学生たちの民主化要求を共産党政権が武力で弾圧した天安門事件が起きた。そんな場所で共産党政権が催した軍事パレードだ。天安門に登る先進国の元首がいなかったのは当然といえる。あえて登った元首たちが自由と民主をどう考えているのか、問いただしたい気分になる。

 その意味で、9月5日付の英誌「エコノミスト」の記事は衝撃的だった。南アの与党であるアフリカ民族会議(ANC)が最近まとめた外交政策に関する文書の素案は、天安門事件について「米国が後押しした反革命だった」と決めつけているという。ウクライナ問題は「米国が導いた紛争」だそうだ。中国共産党政権やプーチン政権の歴史観を引き写したような内容だ。ANCが今は亡きマンデラ大統領の与党だったことを踏まえると、エコノミスト誌が「無知で非倫理的」と形容したのもうなずける。

 

9/12東洋経済オンライン 伊藤歩『中国が監査で覇権掌握、日本なすすべなし? じわり増すビジネスリスク、米国も屈した』について

「じわり増すビジネスリスク」と思っているのは遅すぎでしょう。中国企業は3つの財務諸表(株主、銀行、監督官庁向け)を作るのは当り前です。何が正しい数字かは作っている方も分からないのでは。 小金庫と言われる裏金用の金庫を必ず企業は持ち、役人を接待漬けします。中国は賄賂社会で上から下に至るまで賄賂を取るのは当然と思っています。こういう国と付き合えば、日本の醇風美俗が失われます。

中国の監査法人や法律事務所も当てにならないと思った方が良いです。彼らは政府に反することはできませんので。以前中国に駐在していた時には、監査法人向けに小生が原稿を作り、それを彼らが追認してただけです。中国は資本主義のルールに従わず、ローカル・ルールをゴリ押しして、富を奪ういいとこどりだけするやり方です。これを認めたら世界は混乱します。

最善策は「非韓三原則」ならぬ「非中三原則」(=助けない、教えない、関わらない)を徹底すればよい。人口に幻惑されるのは敵に塩を送るものです。戦争を避けるためには中国の経済成長をマイナスにする必要があります。日本企業は高い授業料と思って中国から撤退すべきです。目先の利益だけで判断するのでなく、将来日本を侵略しようと虎視眈々と狙っている国に企業としてどう付き合っていくのか考えるべきです。日本人駐在員は人質になる可能性もありますし、日本人駐在幹部はパクられる危険性もあります。これからの進出も避けるべきと思います。

中国は尖閣のように、国内法で勝手に領土にしてしまう等、三戦(の内の法律戦)を充分活用して戦争を仕掛けて来ています。実際の戦闘と違い、目に見えませんが間違いなく戦争は始まっています。彼らは国際法何て気にしない民族です。自己中心の人達ですから。条約>国内法で条約に合わせ法律改正するのが普通の国のやり方なのに逆をやりますので。日本の憲法も条約にそぐわなければ直すのは当り前と思った方が良いでしょう。護憲の人達はどう考えるのでしょうか?

記事

日本企業に、じわりじわりと中国子会社への懸念が広がっている。買収した独グローエに、もれなく付いてきた中国水栓メーカー・ジョウユウが破綻し、660億円もの損失処理を余儀なくされたLIXIL。純資産225億円の江守グループホールディングスは、中国子会社の破綻で550億円の損失が発生。北陸を代表する超優良企業が瞬く間に倒産に追い込まれた。企業の財務状態が適切に公表されているかどうかを評価する監査に、なすすべはないのだろうか。

 同国に子会社を持つ日本の上場会社は多い。「中国経済が減速する中、本社側の経営者が中国子会社の内情に不安を抱くケースが増えている」(中国に進出している日系企業の相談業務を手掛ける鈴木幹太弁護士)という。

 実際、「中国子会社で不正が起きていても本社側で把握することは難しい。最近は販売や製造だけでなく、財務の責任者も現地に送り込むケースが増えているが、それでも隣の席に座っている現地採用の営業担当者が何をしているのかが把握できない。取引の相手方が現地スタッフの親族企業であるとか、その親族企業との間で循環取引が行われているといったことは、他のスタッフからの内部告発によって初めて発覚するケースがほとんど」(同)。

 日本本社の報酬体系を海外子会社に持ち込むことで、不正を誘発している面もある様だ。「中国では報酬やポストがすぐに得られなければ、基本的にはさっさと他社へ移る。だが、中にはその会社から回収しようとする人も出てくる。加えて一族の繁栄が最優先という価値観があり、かつ親族企業を潤す取引自体が不公正な利益供与に該当する可能性が高く問題だ、という感覚は希薄。ただ、取引実態の発覚を防ぐため、書類は完璧に整えているのが普通」(同)。

 それでは監査法人なら把握可能なのかと言えばそれも違う。上場会社の監査に従事している公認会計士は、「最近、漠然と中国子会社をよく見てほしいと言ってくる経営者が増えているが、不正を働く従業員は巧妙に書類を整える。社内でもわからないことを、部外者であり強制調査権もない会計士に解明できる余地はほとんどない。不安ならまず本社側が内部調査をし、そこで把握した証拠に基づいて一定の権限を会計士に与え、監査報酬の追加発生も覚悟すべき」と強調する。

 本体の監査を担当する公認会計士は、子会社も含めた連結全体の監査の品質に全責任を負っている。ただ実務上、言語や法令理解の問題があるため、海外監査は基本的に現地の会計事務所に委託するのが一般的。「なんとなくイヤな感じがする」というだけで、追加報酬の発生と相手方の抵抗が予想される手続を、現地事務所に依頼することは難しい。だからこそ、本社経営陣による強力なバックアップが必要になる。

 海外の監査を依頼する相手が他人であるという点は、世界4大会計事務所(通称Big4=EY、デロイト トウシュ トーマツ、KPMG、PwC)と提携関係にある、日本の4大監査法人(新日本、トーマツ、あずさ、PwCあらた)も例外ではない。Big4に次ぐ規模のBDOやグラントソントンと提携しているBDO三優、太陽ASGも同様だ。

 これら日本の監査法人は基本的に、提携先の現地会計事務所に海外子会社の監査を依頼する。江守の場合も、日本本社をKPMG系のあずさが監査していたので、中国子会社はKPMG上海が担当していた。

 世間一般にはあまり理解されていないが、Big4のネットワーク間には資本関係も指示命令系統も存在しない。提携先である各国会計事務所は、本部に対価を支払って同じブランドを使用する者同士というだけ。人事交流は行われているが、それ以上でも以下でもない。従って「ちょっとお願い」程度のレベルで「より突っ込んだ監査」を依頼できる間柄ではない。

 では、日本の監査法人は現地会計事務所を盲目的に信用し、業務を丸投げできるかといえば、そんなことは許されていない。

 グループ会社の監査手続きについては公認会計士協会(JICPA)が監査基準委員会報書告600(以下、報告書600)で定めており、どこの監査法人もこれに従って手続きを行っている。この報告書600は、国際監査・保証基準審議会(IAASB)が策定している監査基準に準拠した、いわば世界標準でもある。

 本体の監査人は委託先の選定責任も負っており、報告書600は委託先の能力や独立性、実績などについて、一定のチェックを行うよう求めている。親会社の監査人の求めに応じて監査証拠を出すことはもちろん、子会社の監査業務に直接関与することも認める会計事務所でなければ委託すべきではない、としている。監督官庁である金融庁の公認会計士・監査審査会も、監査法人に対する検査では、報告書600に従った手続がとられているかを見る。

 実際の業務では、海外子会社から上がってきた決算書類を見て、親会社の監査人が委託先に、気になる部分や集中的にチェックしてほしいポイントを列挙した監査指示書を出す。納得できる回答が出なかったり、監査証拠の提出を拒まれたりした場合は契約を解除し、別の会計事務所に依頼し直さなければならなくなる。

 もっとも、Big4などには統一マニュアルが存在し、同一ブランドを使用する上で必要な品質チェックも本部から定期的に入る。それでもLIXILや江守のような事態が起きると、本部のチェック機能とはどの程度のものなのか疑いたくなる。LIXILのケースでは、問題の買収子会社ジョウユウはフランクフルト証券取引所に上場していた会社であり、その監査はグラントソントンが担当していた。

 さらに近年、報告書600に代表される、世界標準のグループ監査ルールを形骸化させかねない法整備が、中国で着々と進められている。

 実は今年2月、中国の法制度が米国市場のルールに挑み、事実上中国が寄り切り勝ちする事態が起きた。

 日本ではあまり話題にならなかったが、そもそもの発端は2010~11年に、米国の証券市場に上場する中国企業の不正会計が相次いで発覚したことだった。2012年2~4月にかけ、米国SEC(証券取引委員会)が、調査対象の中国企業の監査を担当していた中国Big4とBDO系の大華、合計5つの会計事務所に対し、正当な権限に基づいて監査資料の提出を求めた。

 だが、5事務所はこれを拒絶、その理由が「監査資料の提出が中国の国内法規に抵触する」というものだった。根拠は2009年10月に中国証券監督管理委員会が公布した「国外における証券発行と上場に関連する機密と書類管理業務に関する規定」である。

 この規定では、国外で上場している中国企業の監査資料を、上場先の国の監督機関等に提出する場合は、資料が国家機密に該当するかどうか、事前に機密行政管理部門の判断をあおがなければならないとされている。この規定、監査資料がどの程度の範囲のものを指すのかも明確にされておらず、運用も中国政府の腹一つなのだ。

 このため、この問題は米中間の外交交渉マターとなったが、交渉は決裂。そのためSECは5事務所に聴聞会への召喚と、質問回答状の提出を命令し、行政審判手続きが始まった。第一次審決が出たのは2014年1月で、5事務所のうち中国Big4に6カ月間の業務停止命令が下る。中国Big4はSEC調査対象外の中国企業の監査も行っているため、米国で上場している数十社の中国企業が、とばっちりで上場廃止の危機に瀕する可能性もあった。

 この第一次審決に中国Big4が不服を申し立て、最終的に決着がついたのが今年2月。一つの事務所につき50万ドルを支払った上で、SECからの書類提出要請に応えられるよう、今後4年間で具体的な対策を講じることを約束して和解が成立した。

 米国発の報道は、SECが中国に対し、国内法規の一部変更もしくは例外規定の設置を約束させたも同然というトーンだったが、「会計士の受け止め方は逆。SECが求めた監査資料のうち、一部は提出が始まった様だが、業務停止は撤回させた。今後、改善努力の進展が思わしくなければ再び業務停止処分が発動できる和解内容ではある。とはいえ、影響が甚大であるだけに果たして実行可能かどうか。その上、中国企業はSECの権限を脅かすことが証明されたにもかかわらず、昨年9月、米国はアリババの上場を認めた。アリババ上場が米国にもたらす利益を優先したのだろうが、米国は中国に屈したも同然」(海外監査に詳しい公認会計士)。

 確かに、和解した相手は中国政府ではなく民間企業でしかない。実際にどの程度改善が可能なのか疑問だ。

 中国では2011年3月に「国外会計士事務所の中国内地における臨時監査業務実施暫定規定」も制定されている。この規定は中国国外の会計事務所が中国の会社を監査する場合、臨時監査許可証を必要とする、というもの。しかもその有効期限は香港、マカオの会計事務所は5年、台湾は1年だが、それ以外の国はわずか半年。継続的に監査を行うには、半年ごとに更新手続きをとらなければならない。

 さらに許可を受けた場合でも、中国国内の会計事務所との共同監査を推奨している。その上で、中国国内の事務所に対しては、国外事務所との共同監査で作成した資料のうち、国外事務所に提供することが不適当だと中国政府が判断したものについて、共同監査の相手方である国外事務所への提供を禁止している。ここでも禁止対象になる監査資料の範囲は中国政府の腹一つ。この規定は、日本企業の中国子会社の監査も適用対象だ。

 また、今年7月には「会計事務所が従事する中国内地企業国外上場監査業務暫定規定」が誕生した。この規定では、国外上場の中国企業を監査する海外会計事務所には、先ほどの許可の取得に加え、中国国内の会計事務所との合同監査が義務付けられた。つまり、国外事務所による単独監査を禁止したのである。

 この新規定誕生で、既存規定の運用が強化される可能性を懸念し、PwCあらたでは「臨時許可の取得も視野に入れた対応を検討している」という。顧客の中国子会社の監査は、現地PwCのスタッフに委託しているとはいえ、日本の会計士がいっしょに現地工場を回り、質問をすればそれが監査業務だと言われる可能性が否定できないからだ。ちなみに、日本の4大監査法人のうち、問題意識を持ち、「対策の必要性を認識している」と筆者に明確に回答したのはPwCあらただけだった。

 現在、中国では新たに国内会計事務所に対し、対外的な監査書類の提供を原則禁止する「会計事務所監査管理暫定弁法」の制定も予定されている。8月15日にパブリックコメントの募集が終了しており、これから制定作業に入る。最終的にどうなるのかは不明だが、「規制強化の流れが反転する可能性はほぼない」(前出の海外監査に詳しい公認会計士)。

 すでに、中国の会計事務所が日本の監査法人と共同で作成した資料を日本の監査法人が入手するには、中国政府の許可が事実上必要になっている。そこへ、中国の会計事務所単独で監査した場合にも網をかけようとしていることになる。中国子会社で突如巨額の損失が発生しても、事実の解明すらできなくなる可能性をもはらむ。

 中国の法規制は、国内企業に海外上場のメリットを享受させる一方で、市場参加者が果たすべき義務の履行を回避させる効果を持つ。世界は中国企業の海外上場がもたらす恩恵を無視できない。中国企業にのみ特例を認めれば、世界中の資本市場の秩序は崩壊する。

 公認会計士・監査審査会に対策を聞いたが、「外国の法規制のことでもあり、コメント出来る立場にない」という回答だった。だが日本の監査制度に甚大な影響を与えるかもしれない今回の事態。コトは民間組織でしかない会計事務所や企業の次元を超えている。各国当局との連携も含めた対応が必要なはずだ。

9/12ZAKZAK ケントギルバート『世界中が認識 PRCは平気で大嘘をつく恥知らずな国』について

小生が何時も言ってきました中国人の基本的価値観「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」と同じことをギルバート氏は言っています。世界の人々が中国人の大嘘に気付き始めました。小中華の大嘘にも気付いてほしいと思います。アフリカの独裁国くらいでしょう、中国の言うことを聞くのは。スーダンのバシル大統領は現職の国家元首としては初めてICC(International Criminal Court)から逮捕状が出ていますが、スーダンに対する経済制裁や国連平和維持軍の派遣は中国の拒否権により阻止されています。(『勝利の裁きか、正義の追求か』ウイリアム・シャバス著、P.39)。それで軍事パレードにも参列させたのでしょう。

習近平の軍事慣例に反する左手の敬礼を中国のローカル・ルールを国際ルール化したとギルバート氏は見ていますが、利き手が右の人が多い中で、左手の敬礼が国際的に認知されるとは思えません。あくまでも中国だけのローカル・ルールで終わるのではと見ています。

記事

中華人民共和国(PRC)は3日、「抗日戦争と世界反ファシズム勝利70周年記念」と銘打った式典を開催した。史実を無視したネーミングで、PRCは平気で大嘘をつく恥知らずな国だ-と世界中が認識した。

 しかし、これは意図的に発した警告であり、踏み絵だった。

 私は童謡「森のくまさん」を思い出した。日本語の歌詞だと、熊は「お逃げなさい」と警告した後、貝殻のイヤリングを拾う。それを返すためにお嬢さんを追いかけるのだ。熊にも性善説を適用するとは、あきれるほど日本的で平和な歌に生まれ変わっている。

 ところが、米国の原曲だと、熊は人間に「銃を持たないなら逃げろ」という。熊の警告には銃の有無を確認し、逃げ回る人間の追跡を楽しみたい意図があるのだ。

 AIIB(アジアインフラ投資銀行)に色気を見せた欧州各国の首脳も今回の式典に招待されたが、熊の危険性を理解して、すたこらサッサと逃げ出した。「嘘つきの仲間に入れ」という踏み絵は踏まなかった。

 他方、韓国のお嬢さんは躊躇(ちゅうちょ)しつつも踏み絵を踏んで、2匹の熊陣営にすり寄った。結果、歴史の真実だけでなく、自由主義陣営から受けた70年間の恩義もドブに捨てた。米国はどう出るのか。

 余談だが、国連事務総長が式典に参加したのは最高だった。日本人の「国連信仰」を打破するきっかけになるはずだ。

 私は、日米両国は国連を脱退して、新しい国際組織の創設を呼び掛けるべきだと考えている。それこそが「戦後レジーム」の真の終焉(しゅうえん)である。

 習近平国家主席らの大嘘にあきれる人は多いが、PRCは「だます方より、だまされる方が悪い」と考えている。平気で大嘘をつく行為は恥ではなく、出世に必要不可欠な能力であり、特権の行使とも言える。

 日米欧諸国には倫理や道徳を重んじる建前があるので、PRCの常識は容認できない。この食い違いに、習氏はストレスを感じていたはずだ。

 そこで、習氏は大胆な作戦に出た。史実を無視して歴史を捏造し、常識外れの行動を取ってもまったく恥じないことを、自ら全世界に証明したのだ。軍の慣例に反した「左手での敬礼」はその一部だろう。

 つまり今後、誰かがPRCを信用してだまされても、だまされた方が悪いということになる。

 こうして習氏は、PRCのローカル・ルールを、世界中が認めざるを得ない国際ルールへ昇格させたのだ。肉を切らせて骨を断つ。したたかな戦略には、脱帽せざるを得ない。

9/11ZAKZAK 高橋洋一『増税阻止チャンスは一度! 針の穴に糸を通すような困難』について

石破茂は無派閥をずっと主張してきたのに宗旨替えしました。所詮は田中派に居て、意見が合わず自民党を出ていき、小沢の新進党に参加して出戻りしただけの男です。谷垣幹事長からも「私が野党総裁時代に派閥をどうするかでかなりいろいろな主張があった。」(9/12日経)と揶揄される始末。こういう男が次の首相を狙うために変節して派閥を立ち上げるとは。自民党への出戻りという意味では、河野洋平と同じ危険な臭いがします。慰安婦問題で河野同様平気で国を売るのでは。因みにネットで石破の慰安婦問題についての発言や拉致問題についての発言は少ないです。日和見主義者でしょう。

今度の総裁選で岸田は安倍首相から禅譲を匂わされたとの噂があります。線は細いが石破よりはましかも。ただ外相経験者とはいえ、キチンと日本の国益を必死になって主張できるかどうかです。

やはり安倍3選が一番良いのでは。しかし、景気が良くなければ党則の2期を超えてまで「やらせよう」とはなりません。東京オリンピック2020は安倍首相にやらせたい。また、この3年で自民党の党是、安倍首相の悲願の憲法改正ができない可能性もあります。後5年やれば日本の風景も変わることを期待します。

そのためには、消費税は再延期しないとダメです。高橋洋一が読むように来年7月にW選挙に勝利することです。それには「消費税再延期」するしかないでしょう。前回の衆議院選は財務省の安倍封じ込めを打開するためにやったと言われていますから、今回もう一度延期と言うと財務省は必死になってもっともっと抵抗するでしょう。今軽減税率が問題になっていますが、これが2017年4月までにスムースに実施できるとは思えませんので再延期はしやすいと思います。是非再延期を願っています。中国経済は回復不能と言われていますので。

9/2「ぼやきくっくり」によればhttp://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri2/log/eid1771.html

青山繁晴:「じゃあ日本はどうなのか。実は日本は、全部がマイナスとは限らなくて、つまり日本はこれでおそらく、消費増税ができなくなるんですよ」

櫻井浩二:「はぁ、消費増税ができなくなる…」

青山繁晴:「2017年4月に、何があっても、景気を考えなく、消費増税しますと安倍総理はおっしゃいましたが」

櫻井浩二:「言いましたね、はい」

青山繁晴:「こないだ安倍総理は私に、これは東京のラジオ番組の生放送でおっしゃったのが、安倍総理にスタジオ来ていただいたんですが、消費増税、僕は凍結すべきだってことを安倍さんに打ち合わせなしで迫りましたら、安倍さんは、いや、公約してるからってことをおっしゃった上で、でも海外で大きな要因があったら話は別だとおっしゃったんですよ」

※7月23日 ニッポン放送「ザ・ボイス そこまで言うか!」8:30頃~

本庄麻里子:「うーーん」

櫻井浩二:「ああ~」

青山繁晴:「もうこの時すでに安倍さんには、日本のインテリジェンス、機密情報で、中国経済が危ないって入ってましたから、だからリーマンショックの再来って話じゃなくて、中国のことを指さしてるんで」

櫻井浩二:「ああ~」

青山繁晴:「実は消費増税、やってはいけない、また、デフレ、云々の話になりますから、ま、そういう意味ではプラスの点も、少しはあるってことです」

記事

国内外の経済環境に不透明感が増しているが、2017年4月の10%への消費再増税はどのようにすれば止められるのだろうか。

 まず、現状をきちんと理解しておくと、民主党時代に制定された消費増税法はまだ生きている。その中で、17年4月からの消費増税は既に法定化されている。

 昨年12月の衆院選で、安倍晋三政権は今年10月から予定されていた10%への消費再増税の実施時期を17年4月に延期した。これがなければ、今頃は日本経済が奈落の底に沈む寸前にいたかと思うと、衆院を解散してまでも延期したのは正解だった。

 延期の際、景気情勢によって増税を停止できる「景気条項」を削除した。その解釈として、「景気がどうなっても消費再増税する」という話が流れたが、まったくの事実誤認である。

 これまでに本コラムでも指摘したが、そもそも消費増税法の付則であった景気条項は、消費増税を止めるためにはまったく役立たないものだった。

 政権運営に不慣れな民主党議員に対して、「景気条項があれば、増税を止められる」との説明も一部にあったようだが、それは事実ではない。景気条項を使っても、新たに法案を出す必要があり、それが政治的に困難だからだ。

 昨年12月の衆院選がなければ、消費再増税は延期できなかったというのが事実だ。あの段階で、もし安倍首相が「増税を止めるための法案を作ろう」と言ったら、政局になって首相の座から引きずり下ろされただろう。そうした政局の動きを封じるために、衆院議員は全員クビというのが解散・総選挙であった。景気条項の有無は、消費再増税をスキップするための政治的な意味はまったくない。

 重要なのは、国政選挙で、どのような公約を掲げて、選挙に勝つかという点だ。昨年の衆院選では、消費増税スキップを公約として自民党が勝ったので、それが実現された。17年4月からの消費再増税を止めるには、遅くとも16年9月までに、意思を固めて国民の審判を受ける必要がある。その審判とは16年7月の参院選である。

 ただし、通常のように悠長に公約作りをしながらであると、財務省がつぶすだろう。それを封じるには、その時、衆院を解散してダブル選挙にした方が、成功する確率は高くなる。そこが唯一のチャンスである。

 一方、消費税が争点にならなければ、今の法律通りに17年4月から消費再増税になる。もし、その時の経済状況からみて延期がふさわしく、選挙の争点にして勝利すれば、消費再増税は延期される。逆にいえば、この一点しか延期される可能性はないだろう。この意味で、消費再増税を止めるのは、針の穴に糸を通すようなものだ。

 このタイミング以外で政治的に仕掛けても、政治巧者の財務省が各方面へ根回しすることで、もくろみは不発となるだろう。財務省はマスコミ、財界、学会、海外などへ大きな影響力もあるので、侮ってはいけない。 

9/11ZAKZAK 田村秀男『中国金融市場の自壊は変えようがない 外貨準備は「張り子の虎」』について

周小川人民銀行総裁は拘束を受けているという話もありましたがG20に出席しました。単なる噂だったのか、取って代わる人材がいなかったのか分かりませんが。

短期金融市場で翌日もの金利が上がっているという事は貸す方が相手銀行を信用してないという事です。お互い傷んでいることに気が付いているからでしょう。シャドーバンキング(ノンバンク)と言われる地方融資平台の不良債権化が進んでいる証拠と見ます。

経常収支が黒字基調なのに外貨準備が減るのは違和感を覚えます。経常収支+資本収支+外貨準備増減+誤差脱漏=0ですので、資本収支が▲になっているという事でしょう。それで本記事にあるように「年間で6000億ドル(約72兆円)近い資金が外に流出している」という事でしょう。

またAIIB設立もこの外貨準備高を当てにして設立したのだとしても、「外貨準備が3兆5000億ドル(約420兆円)以上あっても、対外債務は5兆ドル(約600兆円)を超えている」のであれば金庫は空の可能性が高いという事でしょう。加盟国に拠出させ、自分の腹は傷めずに、他国のインフラ投資をすることにより、自国の過剰在庫・過剰投資である企業の救済を図ろうとしているという事です。これを詐欺と言わずしてなんと言うのでしょうか?

中国の富裕層は江沢民を中心とした上海派かそれに連なる連中です。彼らが香港市場を通じて人民元や株を売り出せば影響は大きいです。法で株の売買制限をし続けると、今度は大衆の個人株主が不満を持つでしょうから長くは制限できないのでは。でも9/3に江沢民、曽慶紅も参列したとのこと。習近平が軍権掌握したことを見せつけるパレードだったという見立てをする人がいますがそうではないでしょう。でなかったらば習の顔がもっと晴れやかになっていたはず。今回のG20に周小川が出て来たのも習がまだまだ実権を握れていないと見た方が良いのでは。

記事

china cash flight

八方ふさがりの中国経済だが、宣伝工作だけはさすがにたけている。先週末、トルコ・アンカラで開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では、不透明な中国当局の市場操作を厳しく追及する麻生太郎財務相に対し、中国人民銀行の周小川総裁は「市場は安定に向かっている」と言い抜けた。

 周発言の要点は以下の通りだ。

 ▽政府の措置により株式市場は崖から落ちるのを免れた。株式市場の調整はほぼ終わった。

 ▽8月の元切り下げ後に一時は元安圧力が高まったが、長期的に下落する根拠はない。

 いずれも現実とは遊離しており、麻生氏が周氏らの説明に納得しなかったのは当然だ。株価は、日本円換算で70兆円にも上るとみられる政府や政府系機関による株式買い支えや当局による厳しい投機の取り締まり、メディアへの締めつけにもかかわらず、乱高下が起きている。

 人民銀行は8月下旬に預金金利を追加利下げした。通常は「金融緩和策」のはずだが、結果からみると「金融引き締め」である。短期金融市場では銀行間融通金利上昇が止まらず、6月初めに1%強だった翌日もの金利は預金金利より高くなった。銀行は低い金利で集めた預金を銀行間で回せば儲かることになる。

 量のほうはどうか。中国人民銀行は一貫して発行する資金量(マネタリーベース)を増やす量的緩和を続けてきたが、この3月以降は減らし続けている。つまり、量的収縮策である。めちゃくちゃな金融政策で市場が安定するはずはない。

元相場の下落圧力は強くなるばかりだ。8月中旬、元相場を切り下げた後は元相場の押し上げにきゅうきゅうとしている。主因は資本の対外逃避である。周氏がいくら詭弁(きべん)を弄しようと、中国の金融市場の自壊に拍車がかかる現実を変えようがない。

 グラフは中国からの資金流出と外貨準備の減少の加速ぶりを示している。中国は厳しい資本の流出入規制を敷いているのだが、抜け穴だらけだ。党の特権層を中心に香港経由などで巨額の資金が持ち出される。預金金利が下がれば、あるいは人民元安になりそうだと、多くの富裕層が元を外貨に替えて持ち出す。

 貿易収支など経常収支は黒字を維持しているのに、外貨準備はこの8月、昨年6月のピークに比べ4358億ドル(約52兆円)減となった。経常収支黒字と外貨準備の増減からみて、年間で6000億ドル(約72兆円)近い資金が外に流出している。

 外貨準備はそれでもまだ3兆5000億ドル(約420兆円)以上あり、日本の3倍以上になるとの見方もあるが、中国の外準は「張り子の虎」でしかない。対外債務は5兆ドル(約600兆円)を超えている。いわば、外から借金して外準を維持しているわけで、外国の投資家や金融機関が一斉に資金を引き揚げると、外準は底を突く恐れがある。

 株式、元相場と金利・量と続く金融市場自壊はその予告なのだ。

9/11日経ビジネスオンライン 石黒千賀子『中国に欺かれ続けてきた米国 米中国交回復の驚くべき真実を著書「China 2049」で明かしたM・ピルズベリー氏に聞く』について

何を今頃気付いたのかという気がしないでもありません。「後から言うのは福助頭」でしょうと言いたいです。でも better late than never です。今からでも軌道修正した方が良いに決まっています。ダメなのは日本の経営者でしょう。中国への投資に未練を残してはダメです。敵国を経済的に助けることは利敵行為です。レーニンの言った「資本主義諸国の経済人は 自分の首を絞める縄を編んで持ってくる “ 役に立つ白痴”である」そのものでしょう。そんな大局的な判断ができる経営者は日本にはいなくなってきています。戦後教育の咎めでしょうか。自分だけ良ければいいという人や保身に固まっている人しか選ばれなくなっている気がします。東芝など最たるものでしょう。

でも経営者だけではありません。日本人全体が如何に騙されて来たのか。小生が中国から20005年に帰ってきて「騙す人が賢く、騙される方が馬鹿と言うのが中国人の基本的価値観」という話をしたら、国粋主義者だの人種差別主義者だの言われました。今小生が同じことを言っても、昔のような言われ方はしないでしょう。騙されて来たのに気付いてきたからです。中国の尖閣への対応や爆買来日中国人の実態を見るにつれ真の中国の姿に気付いたからです。

アメリカも百年経たないと気付かないほど愚かなのかという気がしましたが、アメリカは変わるときは早いです。日本のようにモッタリしていません。第二次大戦の時に太平洋艦隊司令長官をキンメルからニミッツにすぐ変えました。危機管理という点で日本は農耕社会そのものです。敵は大自然だけで他国が攻めてきても武士同士の戦いですから、百姓は関係ありません。平和な社会が続いたので騙すことを毛嫌いし、信頼をベースにした社会ができたのだと思います。中国とは全く正反対の社会です。

さて、中国が今一番考えていますのは中国系米国大統領を出すことと思います。何せ戦わずして勝つのが上策の国ですから。中国の人口の多さによる移民と賄賂、ハニトラを駆使して大統領を出し、中国に有利な世界を作ろうとするのでは。中国人にとって黒人は侮蔑の対象です。「黒人が米国大統領になれたのだから中国人が大統領になれないはずがない」というのが彼らの頭の中でしょう。中華思想に固まっていますので。何の科学的根拠もないのに自分たちは優れた民族と思いこみます。朝鮮半島も同じですが。

記事

Michael Pilsbury

マイケル・ピルズベリー(Michael Pillsbury)氏

1945年米カリフォルニア生まれ。米スタンフォード大学卒業(専攻は歴史学)後、米コロンビア大学にて博士課程を修了。1969~70年国連本部勤務を経て、73~77年ランド研究所社会科学部門アナリスト、78年ハーバード大学科学・国際問題センターのリサーチフェロー、81年国務省軍備管理軍縮庁のディレクター代行、84年国防総省政策企画局長補佐、86~90年議会上院アフガン問題タスクフォース・コーディネーター、92~93年国防総省総合評価局特別補佐官、98~2000年国防総省特別公務員(米国国防科学委員会)、1997~2000年米国防大額客員研究フェロー、2001~2003国防総省政策諮問グループメンバー、2003~2004年米中経済・安全保障検討委員会シニア調査アドバイザー、2004年以降、現在も国防総省顧問を続けながら、ハドソン研究所中国戦略センター所長も務める。米外交問題評議会と米シンクタンクの国際戦略研究所(CSIS)のメンバーでもある。米ワシントン在住。

著書に『Chinese Views of Future Warfare』『China Debates the Future Security Environment』などがある。(写真:大高 和康、以下同)

「米国の対中戦略は根本的に間違っている」。なぜか。「中国は再び世界の覇権を握るべく、米国や一般に世界が考えているよりはるかに長期的な視点で、戦略的に考え、動いている。そのことにあまりに多くの人が気づかず今に至っているからだ」――。

 こんなメッセージの本が米国で今年2月に出版され、米「ウォールストリート・ジャーナル」や米「ニューズウィーク」が取り上げるなど話題を集めている。英語の原題は、『The Hundred-Year Marathon:China’s Secret Strategy to Replace America as the Global Superpower』。中国が取り組んでいるのは、まさに「100年の歳月をかけて実現させようとしているマラソンのような長期的な戦略」なのだという。

 著者は、1969年以降、米ニクソン政権からカーター、レーガンと歴代の政権を通じて計約30年にわたり米国防総省や米国務省などで、中国の軍事力の分析に携わってきたマイケル・ピルズベリー氏だ。このほど日本語版『China 2049』が出版されたのに伴い、同氏が見る中国の考え方、そして、米国や日本がそうした中国にどう対応していけばいいのかを聞いた。

 インタビュー4回に分けてお届けする。ピルズベリー氏は、本を書いた目的は決して中国への敵対心をあおるためではないと強調する。米国や日本はどうすべきなのか、同氏の提案する対応策を最終回で紹介するので最後までご覧いただきたい。

 第1回は、米国と中国の国交正常化プロセスに至る驚くべき真実を含め、ピルズベリー氏がなぜ本を書くに至ったかを話してもらった。記事の末尾にピルズベリー氏へのインタビューを一部収録した動画を掲載した。(聞き手 石黒 千賀子)

—「米国の中国に対する認識の誤りは、米中の国交回復に遡る」と指摘されています。

ピルズベリー:米国ではこれまで、米中の国交を回復させたのは、リチャード・ニクソン大統領とヘンリー・キッシンジャー氏(ニクソン大統領の国家安全保障担当大統領補佐官)だったと誰もが信じてきました。実際、キッシンジャー氏は自らの回顧録の中で何度もそう書いてきた。「中国の扉をノックしたのは自分たちで、それによって我々が中国を世界の舞台へと導き出したのだ」と。米国には「Only Nixon could go to China」という諺まであるほどです。朝鮮戦争以降、あれだけ米国が敵対してきたしてきた中国への訪問を実現できたのは、米国内の反対派をも押さえ込めるほどの支持を誇っていたニクソン氏だからできた功績だという意味です。しかし、事実は違った。国交を回復すべく、米国に働きかけてきたのは中国でした。これが真実です。

「米中関係は知られていない事実があまりに多い」

 事実、キッシンジャー氏も2011年に出版した彼にとって4作めとなる回顧録『On China(邦題:キッシンジャー回想録 中国)』では、国交回復への表現を微妙に変えています。中国側からも、米国側からも双方が「並行して」働きかけた結果、実現したものである、と。それまでの3つの回顧録には、このような「並行して」という表現は出てきません。

 私が今回、本を書こうと思った理由は複数ありますが、大きな理由の一つがキッシンジャー氏のこの4作めの回顧録を読んだことでした。彼はこの回顧録を書くのに8年かかったと語っています。すべてではないものの、以前よりずっと多くのことを明かしているし、それまで彼が書いてきた本とも見方が全く異なります。「キッシンジャー氏も、中国への見方を変えつつある」と確信しました。私も、30年近く国防総省や国務省、米上院委員会、米中央情報局(CIA)など米連邦政府機関で中国の専門家として働いてきて、少し前までは「パンダハガー(親中派)」として知られてきた。しかし、近年、中国に対する認識を改めるに至りました。

 米中関係については知られていない事実があまりに多い。自分自身の経験も踏まえつつ、そうした知られていない事実を明らかにすることで、中国や米中関係の全体像をしっかりと伝えることが今こそ重要だと感じ、本を書きました。

「中国は1969年以降、同じ戦略を実行し、成果を上げている」

—米国も私たちも中国に対する理解、認識が全く間違っていると…。

ピルズベリー:中国については、多くの政治家がこれまでずっと「中国は貧しい、遅れた国だから支援してあげなければならない」と考えてきた。ニクソン大統領に至っては「我々は、怒りを抱えたまま殻に閉じこもっている中国を放っておくわけにはいかない。彼らによくしてやって、固く閉じた殻から出してやらなければならない」とまで言っていた。これが従来の見方でした、しかし、実際の中国の姿は全く異なります。

—数年前まで先進国の多くの人は、「中国も西側諸国のように経済成長すれば、自ずと市場経済も発展し、民主的で平和な国になっていくはずだ」と信じていました。しかし、特に習近平政権になって以降、「中国が進もうとしている道は全く違う」との認識が広がっています。

ピルズベリー:確かにそうした見方は広がってきています。しかし、何が起きているかと言えば、中国は1969年以降、同じ戦略を今に至るまで一貫して実行しており、着実に成果を上げている、ということなのです。少なくとも私は、そう見ています。

米国は中国から受けた国交回復の誘いを5回断った

 ただ、そうした中国の動きを理解するには、米中の国交正常化への動きがいかにして始まったのかから理解する必要があります。ですから、米中国交回復に話を戻しましょう。

 まず米国は、米国と関係を築こうとする中国からの誘いを何回断ったと思いますか――。米国は、ニクソン大統領が1972年2月に訪中するまでに、中国からの誘いを実に5回断っています。

—それほど、中国は必死だった?

ピルズベリー:はい。キッシンジャー氏が残した当時のメモなどの関連資料の「機密扱い」が解除されたのは、ほんの1年ほど前のことです。私は今回の本を書くにあたって、アメリカ国立公文書記録管理局やニクソン、カーター、レーガン大統領それぞれの図書館・博物館に足を運び、キッシンジャー氏に関連する資料を入手し、全部を時系列に並べて読み込みました。そこには、まだ知られていない情報が多くありました。

 例えばレーガン大統領は、中国に関する機密事項の文書はコピーを常に15部しかとらせなかった。つまり、その内容は15人しか知らない、ということです。その前のカーター大統領の場合も、中国の機密事項については7人しか知らない。こうした重要な事実が10年、20年、30年と時が経つ中で埋もれていくと、米中関係の全体像を知ることは難しくなる。

 キッシンジャー氏の残した文書の機密指定が解除になり、これらの資料を集めて、付き合わせた。その結果、米中国交回復への動きが実際にはどのようにして始まったのかを突き止めました。

 まず、重要な真実として、中国から米国に1970年末か71年初めに届いて、今も米国の機密文書として保管されている手紙があります。英文タイプライターで打たれたもので、署名はない。パキスタンの駐米大使からホワイトハウスに届けられた手紙です。そこには「ニクソン大統領が訪中することを歓迎します。あるいは誰か代表を北京に派遣して下さっても結構です」と書かれている。これはニクソン大統領による訪中が、中国からの働きかけで始まったことを示す重要な証拠の一つです。

 中国は、この手紙を送る前にも複数回、米国にアプローチしていました。ノルウェーの首都オスロにある米国大使館に中国大使館の人物が来て「あなた方と話がしたい」と語った事実もある。その後、アフガニスタンのカブールにある中国大使館の人たちが米国大使館を訪ねてきて、「あなた方に会いたい。本当だ」と働きかけた事実もある。

 いずれのケースにおいても、非常に驚いた現地の米大使館がワシントンに「中国大使館の人たちと会っていいか」と指示を仰いでいますが、米政府の回答は「ノー」でした。私はニクソン大統領およびキッシンジャー氏による彼らへの返信も見つけました。そこには「会ってはならない」と記されている。

毛沢東はエドガー・スノー氏にまで声をかけていた

 こうした米国の反応に怒り出した毛沢東は1970年10月、スイスに住んでいた米国人ジャーナリスト、エドガー・スノー氏(1972年2月にスイスにて死去)をわざわざパレードに招き、彼に直接「ニクソン大統領に訪中してほしい、と伝えてくれ」という旨のメッセージを託すことまでしました。しかし、これも成功しなかった。このメッセージがニクソン大統領のもとに届くことはなかった。スノー氏がニクソン大統領のことを非常に嫌っていたためです。詳しくは本を読んでほしい。

 これらの事実についてもキッシンジャー氏が書いたメモを私はリチャード・ニクソン図書館・博物館などで見つけて読みました。

—中国は、米国と何とか関係を構築しようと必死に何度も働きかけたけれども、米国は一貫して否定的なスタンスだったということですか…

ピルズベリー:そうです。ニクソン氏が強い反共産主義者だったことは有名です。大統領に就任した翌月の1969年2月には記者会見を開いて、「中国を念頭においたミサイル防衛システムを構築する」「なぜなら中国は信用できないからだ」とまで発言していたほどです。キッシンジャー氏も首席補佐官に就任した当初の2年間は、中国に近づくことには反対の立場でした。

 一方の中国の方は、ヨシフ・スターリンが1953年に死去するとソ連との関係が悪化し、60年以降、中ソの緊張は高まりつつあった。64年と65年にはソ連が100万人規模の部隊を中国との国境に移すなど、中国はソ連から軍事的圧力を感じていた。「最大の友好国が自分たちを敵視し始めた」という状況を前に、中国は自らの戦略を見直すことを余儀なくされていたわけです。

ソ連とのデタントを重視した米国

 中国が5回もアプローチしてくる中、当初は否定的だった米政権内で、中国との関係を築くことに関しては2つの見方が浮上します。一つは、中国と仲良くすれば、ソ連を怒らせることになるからまずい、という見方です。

 ニクソン氏が大統領に就任した最初の年の1969年、ニクソン大統領とキッシンジャー氏は「ソ連とはデタント(緊張緩和)が必要だ」というメモを多く書いています。米政権が、核兵器を削減し、軍備増強を控えれば、ソ連は、米国がベトナムから撤退するにあたって、それなりの協力をソ連から得られるのではないか、との期待からだ。当時、ベトナム戦争で苦戦を強いられていた米国は、ベトナムからの撤退を望んでいました。そのため「中国と友好関係を築こうものならモスクワを怒らせることになる。そうなれば、ベトナムでソ連から支援を得るどころかデタントまでキャンセルとなり、最悪の展開になる」というわけです。「中国に近づけば必ずソ連の知るところとなり、中国とは距離を置いた方がいい」と。だからオスロの誘いも、カブールでの誘いも断った。

 もう一つの見方は、中国と多少仲良くしてもソ連は中国と米国が接近することを既に想定しているのでそれほど怒らないのではないか、というものです。

—米中が接近した場合、ソ連がそれをどのように受け止めるかについて、ピルズベリーさんご自身もCIAやFBI(米連邦捜査局)に情報収集を依頼されたと本の中で明かしていますね。

ピルズベリー:はい、1969年当時、私は国連本部の35階で働いており、上司はロシア人で非常に高位の外交官でした。しかも周りの同僚もソ連の人たちばかりだった。CIAとFBIが、米中が接近した場合のソ連の反応や中ソ分裂の可能性を私に探るよう頼んできたのはそのためでした。何しろCIAやFBIは、国際組織である国連本部には足を踏み入れることすらできませんから。米政府としてはソ連側の反応を何としても知る必要があった。これが、CIAやFBIの協力者として私が働くようになったきっかけです。

 ですから今回の本を出版するに当たっては、日本語版でも目次の前に「筆者注(Author’s note)」を入れてもらったように、CIA、FBI、国防長官府、そして、国防総省のある部署に内容を査読してもらっています。内容が非常にデリケートなためです。実際、この4つの米連邦政府機関による査読を受けた結果、残念ながらそれぞれの組織から削除を命じられた部分があります。また、私は本に書いた内容以上のことは話してはならないことにもなっています。

中ソ関係は悪化

—まるで映画のような話ですね…

ピルズベリー:国連で共に働いていたソ連の上司や同僚からは、中ソ国境でソ連軍の中隊が待ち伏せをしていた中国軍に奇襲攻撃をかけられた話など、中ソ関係がかなり悪化している状況を聞き出すことができました。機密指定解除になった一連のキッシンジャー氏の資料の中に「ソ連は、米国と中国の関係がある程度近づくことを既に予想している」と書かれた国連本部発の情報があります。それには「最高機密」と書かれていました。FBIもCIAも、何人もの協力者を抱えています。そうした協力者が書いたレポートはすべてキッシンジャー補佐官の元に届けられ、彼はそれをメモにまとめていたということです。

 こうした約2年の歳月を経て、中国に近づいてもソ連の怒りを買うことはないだろうとの結論に至った米国政府は、ついに中国からの招待を受け入れ、1971年7月と10月にキッシンジャー補佐官が訪中し、翌72年2月、ニクソン大統領による訪中が実現するわけです。

—しかし、本にも書かかれていますが、当時の米国はソ連との関係に全神経を集中させていたことから、中国がいったいかなる意図で米国に接近してきたのかという点にはあまり注意を払っていなかった…

ピルズベリー:そうです。私はソ連から来ていた同僚や上司から複数回にわたり、「中国には気をつけた方がいい」というアドバイスを冗談を交えながら聞いていた。しかし、当時の私にはそれは、「ただの冗談」にしか聞こえていなかった。 本では「Only China Could Go to Nixon(アプローチしたのは中国)」と題した第2章で、かなりのページを割いて、米中の国交回復への動きがどのようにして始まったかを説明しているので、読んでほしいと思います。

 私が何より強調したいのは、今、あなたが私に質問した「なぜ中国は米国に近づいてきたのか」の答えが、単にソ連との関係が悪化したため、などという単純な話ではなかったということです。

—そこには、先ほどおっしゃった中国が1969年以降、追求してきたもっと深い戦略的な狙いがあった…

ピルズベリー:そうです。それを次にお話ししましょう。

https://youtu.be/97_SEQmJPfA

9/9日経ビジネスオンライン 福島香織『中国の大閲兵式は米国への挑発か秋波か 「力こそ正義」で共通する米中。日本の立ち位置は?』について

「力なき正義は無能(力?)なり」とは昔、漫画「空手バカ一代」の中で、大山倍達が良く言っていたことでした。力がなければ治安維持もできません。力を否定するのではなく、権力機構としての力の行使が妥当な範囲に入るかかどうかだけが問われるのです。今話題になっているSEALSは日本共産党の別働隊です。民青の力が落ちてきたのでアルファベットを使い、誤魔化そうとしているのだと思います。彼らが国会デモまでして唱えた「戦争法案反対」という主張は、日本と言う国の「言論の自由、表現の自由」に守られているからこそできるものです。隣国の中国共産党が統治する国でしたらたちどころに収監、拷問の憂き目にあうでしょう。同じ共産党がやる事です。日本が共産党に支配されたら中国と同じことをやられるでしょう。日本の左翼マスメデイアは共産党を応援していますが、狂っているとしか思えません。またそういう論調を有難がって、金を払い、経営を助け、脳内に刷り込みされる人がまだたくさんいるのを残念に思います。橋本徹はツイッターで「日本の有権者数は1億人。国会前のデモはそのうちの何パーセントなんだ?ほぼ数字にならないくらいだろう。こんな人数のデモで国家の意思が決定されるなら、サザンのコンサートで意思決定する方がよほど民主主義だ。」と言っていますが、正解でしょう。共産党シンパと言ったって首都圏で3万人くらいしかいないという事です。それで彼らの思い通りに政治を動かされたら民主主義の否定です。共産党は一党独裁・民主主義を否定する政党ですから。

アメリカも来年11月8日の大統領選に向けて、政治の季節に入っています。ここで対中融和を言おうものなら相手党を利することになりますので、中国には共和党・民主党とも強く出ざるを得ません。それでも、中国は国内向けに捏造した報道をするのが常態です。特に国際関係では「環球時報」や「国際先駆導報」などです。2005年の反日デモを煽ったのはこれらの新聞です。中国人は日本人以上に簡単に刷り込みされますから。だから「天安門事件」を知らない青年が多いとのことです。アメリカと戦争をしたことを知らない日本の青年とドッコイドッコイかもしれませんが。でも中国は政府が意図的に隠し、日本は本人の勉強が足りないだけでしょう。アメリカとのことでも中国が勝手にというか妄想を逞しくして書いているケースばかりと思います。でないと検閲に引っかかり、出世も覚束なくなりますので。

国会周辺で「戦争反対」と唱えている人は、第二次大戦でアメリカと戦わなかったらどうなったか考えてみた方が良い。歴史にifはありませんが、ハワイに続き51番目の州になった可能性もあります。それが本当に日本国民にとって喜ばしいことかどうか。(共産主義者は中国でないとダメと言うでしょう)。アメリカは徴兵制ではありませんが、米国の一州になれば自分の子孫は戦争に参加する確率が飛躍的に高まります。それこそ地球の裏側までです。

今は中国こそがclear and present dangerです。日本共産党は中国共産党と一緒になりたいものだから中国に有利になるような運動を展開します。彼らの言いなりになれば、日本はチベット・ウイグル・内モンゴルの運命を辿ります。戦うべき時には戦わないともっと過酷な運命が待っています。隷従の平和か、自存自衛の戦いどちらを選ぶかです。しかし、一国だけでは守れません。ABCD包囲網の逆を中国にすればよいのです。AAIJ(アメリカ、オーストラリア、日本、インド)+Taiwan+ASEAN包囲網です。戦わずして勝つでしょう。でもアメリカが変な動きをしないようにウオッチしてないと。中国は要人に金を送って、意見を変えさせようとしますので。

記事

 今、ちょうど北京に来ているのだが、中国に来るとインターネットなどで、海外の中国関連の報道に触れることがぐっと少なくなるので、また景色が変わって見える。

 例えば、日米中関係などは、日本で報じられているものと、ずいぶん印象が変わってくる。

示威の対象は米国だが、訪米も控え…

 9月3日の大閲兵式は、国内外の注目を浴びながら、無事に終わった。見どころは、見る人の専門性によって違うのだろうが、軍事・外交の専門家たちは、そのお披露目された武器の数々を見て、これは「抗日戦勝記念」と銘打ってはいるが、むしろ意識は米国に向いている示威行動だと解釈した人が多かったようだ。

 日本の報道だけでなく、英軍事専門誌ジェーンズ・ディフェンスウィークリーや米ディフェンスニュースなどは、グアムが射程距離に入る核弾頭も搭載できる中距離弾ミサイルDF-26や空母破壊を想定した対艦弾道ミサイルDF-21といった海軍兵器を披露したことを強調し、中国の軍事戦略が米国に照準を置いていることを改めて意識させていた。中国側の報道も、「米国に冷や汗をかかせてやった!」といったというニュアンスが散見され、この閲兵式および軍事パレードにおける示威行動の対象が日本ではなくて、米国であるという見方は正しいのだろう。

 だが、こうした状況から「米中関係が極めて緊張している」あるいは「対立が先鋭化している」、つまり米中関係は悪い、と単純に考えられるかというと、そういうわけでもないようだ。少なくとも、中国側の米国に対する秋波も見過ごすことができない。

 大閲兵式を終え、習近平訪米を控えて、米中関係に関する論評も増えているので、それらをさらっと見てみよう。

「米中は第二次大戦の盟友として」

 「…閲兵式では、いくつかの細かい点が、中米関係ウォッチャーの猜疑心を呼び起こした。オバマ大統領ほか西側の盟友は閲兵式に出席せず、習主席の重要講話でも、ソ連の戦争中の死傷者数に触れたにも関わらず、米国側の死傷者数には触れなかった。前日、オバマ大統領は第二次大戦終結70周年の声明において、戦後の米日関係の発展を高く評価し、”戦後の和解のモデル”とまで言った。一方で、対日作戦においてかつて肩を並べて協力した中国については一言も触れなかった。これは中米関係が今後、冷えていくことを暗示しているのだろうか?

 筆者が思うには、中米の間には始終ある種の”戦略的暗黙の了解”が存在する。北京とワシントンはともに、中米関係の安定を維持し両国関係の発展を促進する努力を保っている。両国の指導者は互いに、別のルートでもって誠意を示している。

 8月28日から29日まで中国を訪問していた米国のライス国家安全顧問が、中国の世界人民反ファシスト戦争における重大貢献について非常に高く賞賛し、中米が戦争時期に厚い友誼を育んでいたことを評価した。これはオバマ大統領の閲兵式欠席の遺憾を補うものだった。…習近平主席は米国の元フライングタイガース部隊(宋美齢の依頼で設立された米国人飛行部隊)メンバーに抗戦勝利70周年記念章を授与し、彼らの中国人民のための貢献と犠牲に感謝した。第二次大戦の盟友として、中米はかつてともに血を浴び奮戦し、巨大な犠牲を払って戦後秩序をともに再建したのである。

 …近年、中国の国力が増強し続け、米国にとっては、世界の指導者の地位に実質的に挑戦する国だと見えるだろう。同時に、西側の盟友、英国やドイツやフランス、オーストラリアがAIIBに加盟したことなどが、一層の”脅威”と感じているだろう。このため、ワシントンは他の盟友国に、中国の閲兵式に参加しないよう圧力をかけ、これの例外となったのは韓国だけであった。

 中米両国は過去30年あまり、すでに複雑な利益・運命共同体にある。中国が国際政治の舞台上で大国としての影響力を発揮するには米国との協力が必要であり、ワシントンは中国なしで国際事務をやってはいけない。例えば国際市場や為替の問題は中国の協力なしには安定させることができないのである。

 …習主席は閲兵式での講話で、こう言っている。『平和のために、我々は人類の運命共同体意識を堅固にしなくてはならない』。まさに、中米この両国の共同作業によって、信頼を高め、疑いを薄め、危機を管理し、地域の緊張情勢の緩和と地域の経済協力を促進し、ウィンウィンの関係を実現したいと願っている。中米は再び手を取り合って、国際秩序と国際体系の核心である国連憲章の宗旨と原則を維持し、新しい国際関係の核心をともに積極的に構築して、世界平和と発展という崇高な事業を共同で推進しなければならない」(フェニックスニュース・外交学院国際関係研究所研究生・劉暢)

 「オバマ大統領の招待によって、習近平主席は今月にも米国を公式訪問する。これは中米関係史上の重要なマイルストーンであり、国際社会の注目点である。

 …中米新型大国関係を構築することは、前人未到であり、これからの事業であり、そのプロセスは順風満帆とはいかないだろう。戦略的に高度で長期的な視点から出発し、具体的な協調、協力のプロジェクトによって我慢強く力を定めて、ひとつずつ積み上げていかねばならない」(新浪ニュースネット)

「日本が米中を離反させようと挑発」

 「…6日付の日経新聞が報じたところによれば、米国が中国の南シナ海の人工島の付近に軍艦と軍用機を派遣するかどうかを考えているという。ワシントンはまた中国のサイバー攻撃に対して、制裁を実行するかどうかを検討中という。”習近平主席の訪米前に、ワシントンと北京の緊張は高まっている”という。しかし、報道には米国政府関係者の名前も出てこず、匿名の情報筋すら示されていない。

 …外交学院の国際関係学者である周永生は6日、環球時報に対しこうコメントしている。”安倍内閣は、中国に対して全面対抗しようとしているようである。米国軍艦が南シナ海で挑発するように盛り上げて、戦火をG20財相会議にまで延焼させようとしている。”

 …日本のある政治外交研究者は環球時報に対してこう言っている。”米国が軍艦を南シナ海の人工島周辺に派遣する可能性は大きくない。中米首脳会談が今月行われる予定で、しかも閲兵式で中国は30万人の軍縮を発表し、平和の意志を世界に示した。こういう時に南シナ海で米国が中国を挑発することは国際世論の支持を得られない。”

 …中国の軍事専門家はこう分析する。”日本メディアは中米関係を離反させようと挑発している。過去一週間、日本メディアは、中国の閲兵式が、中国の武器が『米国本土大陸を攻撃できる能力』があることを示すものだということを強調している。”

 …香港・サウスチャイナモーニングポスト紙の5日の論評はこう指摘する。”中国閲兵式は武器をひけらかしたのではない。…国家の軍隊は高度な戦略能力を備えていて、初めて平和の安定を保証できるのである。”」(環球時報)

 閲兵式前後の米中関係に関する論評をざっと見て受け取れることは、米国と肩を並べて世界秩序を仕切ろうという新大国関係構築への呼びかけである。そして、それを邪魔しようとしているのが日本だということになる。日本は、米中離反を促す報道をあえて根拠もなくやっている、というわけだ。中国としては、強大な武器の展示や示威行動は、米国への挑発というより、中国がすでに米国のパートナーとなるに足る大国であることをアピールしている秋波だということになる。30万の兵士削減も、表向き軍縮と報じられているが、実際のところ陸軍の兵員削減は、軍の近代化・増強のための改革に必要なことであり、むしろ軍縮とは反対の方向性だ。

米中の共通点は「力こそ正義」

 私はこういう中国的なものの見方は比較的理解できる。一般に日米が自由や民主、法治といった価値観を共有していて、中国が西側的普遍的価値観と大きく違う中華的価値観に拘っていると思われるが、実は米中に共通にあり、日本にはあまり馴染まない価値感がある。それは力こそ正義である、という考え方である。

 中国も米国も実力主義の国であり、軍事力にしろ経済力にしろ、力に対する信望が強い。侮られるよりは恐れられるほうが、人同士も国同士も対等に付き合え、信頼関係も醸造できるという考え方だ。小人に大人の考えが分からないのと同様、小国に大国の理想はわからない。国家の力は主に軍事力と経済力である。経済については、すでに世界第二位のGDPを誇る中国にとって、大国・米国を直接攻撃できる軍事力があって、初めて米国と対等のパートナーシップを結べる資格を持てると考えても不思議はない。世界平和を維持するのは、軍事力であるという考えも米中の共通だろう。

 習近平の閲兵式での重要講話で、印象深い言葉があった。「中国人民抗日戦争と世界反ファシスト戦争は正義と邪悪、光明と暗黒、進歩と反動の大決戦であった」。

 戦争の歴史を正義と悪に単純に区別して論じられるのは、やはり中国的であり、同時に米国的でもある。日本の歴史観も戦争観も正義と悪をきれいに分けられない。これは、日本が第二次大戦で敗戦を喫したから、というわけでもなく、喧嘩両成敗的な発想がもともとあったり、判官贔屓といった敗者、弱きものへの同情心が強かったりすることと関係があるのだろう。

 敗者には敗者に至るプロセスがあり、悪人には悪人となる理由がある。日本にあるのは盛者必衰の理であって、勝者が敗者になり敗者が勝者になり物事は流転するという考え方だ。弱者や敗者に対して比較的同情的であるのは、自分が弱者や敗者になることを想像できるからであり、そういう想像ができるのは、弱者や敗者でも救済される余地があるからだ。厳しい国情の国では、弱者や敗者は徹底的に殲滅させられるので、自分が敗者であったならば、という仮定は、あり得ないのである。自分が弱者であったならば、敗者であったならば、と想像できる国は平和で幸せな国なのである。

日本こそ特異な国家であることの自覚を

 そう考えると、日本は第二次大戦の戦勝国によって秩序形成された国際社会において、かなり特異な国であり、米国にしてみれば日本より中国の方が理解しやすい部分もあるだろう。戦勝70周年記念で、中国は盛んに、米国とともに世界平和を導いたのが中国であり、いまこそ、かつてともに国際秩序を築いた両国が再び世界平和を導くのだと喧伝している。次世代の世界地図を考えながら、単純に力を信望する大国を敵に回すのが得か、味方にするのが得かを考えた米国が、中国と急接近するシナリオが無いとは言えまい。私は、次のリムパックに中国が参加することになっても一向に驚かない。

 力を信望する大国外交の間で、米国のパートナーという地位で、国家の二大パワーの一つである軍事力を公式には持たない日本がなんとか渡り合ってこられたのは、戦後の奇跡と言っていい。この奇跡がこれからもずっと続くと信じるのか、あるいは変化を余儀なくされるのか。これらを見定めるには、やはり米中関係の行方を、予断を持たずに見ていくことが重要なのは言うまでもない。そして、特異な国家は、彼らではなく自分たちであるという自覚もまた必要かもしれない。

9/9ZAKZAK 富坂聰『習主席「左手敬礼」と「覇権唱えず」発言の意味 日本の地位“強奪”狙いか』について

富坂聰氏はTVでも良く見かけますが、いつも奥歯にモノが挟まったような発言で、中国滞在経験者ならもっとハッキリ中国の実態を伝えた方がいいのではと感じます。「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」と中国人は考え、そのとおり行動し、騙すのが当たり前な世界です。こんなことは小生が言うまでもなく、富坂氏だったらとっくにご存じのことです。厳しく中国批判をすると、取材に支障が出るということを慮ってのことでしょう。生活がかかれば仕方のない部分もありますが。小生は会社をリタイアしたので、思い切り中国批判が出来ます。

本記事で『言い換えれば、「日本が平和国家としての価値観を捨てようとするなら、ありがたくその地位を奪ってしまおう」という意味にも読み取れる。』とありますが、違和感を覚えます。倒錯した考えでは。そんなに日本人は好戦的で、中国人は平和を愛するとでも思っているのでしょうか?逆でしょう。チベット、ウイグル、内モンゴルを見ていれば分かるでしょう。中国人から刷り込まれているとすれば、拓大に居る価値はないと思います。日本の現代史をしっかり勉強してないからでしょう。渡辺総長に教えを乞うた方が良いのでは。

友人の『「ネットで大きな話題になったのは、〈道徳経(老子の古典)〉のなかに左手は平和を意味するとあり、その手で敬礼したことは平和国家への決意だ」』というのも後付けで理屈をつけただけでしょう。習に軍事慣習を教えなかっただけと思います。故意に教えなかったのか、当然知っているものと思っていたのか分かりませんが。こういう屁理屈をスピーカー宜しく垂れ流すのは百害あって一利なしでしょう。

アメリカも今や反中で盛り上がっているようです。9/10宮崎正弘メルマガに載っています。『百年のマラソン』は共産党の建国から起算していますが、蒋介石にも騙されていたので、2049年に中国が世界制覇するというのであれば、1937年の盧溝橋事件を起点として『112年のマラソン』とした方が良いのでは。

http://melma.com/backnumber_45206_6258243/

記事

中国人民抗日戦争勝利70周年の記念行事を翌日に控えた9月2日の北京の街は、昼間から死んだように人通りが途絶えた。

 「夜8時には地下鉄が全線停止になります。9時からは外出禁止となっていますから、逆算してホテルに戻ってください」

 ホテルの従業員からこうクギを刺されたものの、そもそも動こうにもタクシーが一般客を乗せることもなく移動の手段もなければ店という店がシャッターを下ろしている。

 当初、警備が厳しいのは第2環状線の内側だけだと聞いていたが、甘かった。新聞は、ハトを放つことも禁止だと報じていた。

 街では普段はお目にかからない警備の組織もたくさんお目見えした。

 警備の中心を担う中国人民武装警察部隊(通称・武警)や公安、城管執法の文字の入ったブルーと白のパトカー、特別警察の黒い制服などは良く見かけるが、珍しいのは迷彩服姿の武警。「戦訓」のエンブレムに小銃を持った警察官。さらには「安保」(肩に執勤マーク)、「特勤」(肩に国旗)、「保勤」(肩に国旗)、「特保」と続く。これらは普段は軍に所属している兵士だが、一時的に治安組織に組み入れられている者たちだ。

 そして「東城民兵」マークの者たちは、北京市東城地区にいる退役軍人を動員した組織である。

 こうした厳戒態勢の下で行われた9月3日の式典は、中国ではおおむね好評だった。

 「ちょっと不便で困ったけど閲兵には満足した」というのが大勢の意見といえるのだろう。

 9月1日に王府井(天安門に近い繁華街)のホテルを追い出されてしまった私は、東長安街の建国門外のホテルに移動させられたが、予想通り、そこは閲兵に参加する航空機の通り道で、爆音が近づいてきたかと思うと国旗を下げた戦闘ヘリ、4色の煙を上げて飛行する編隊飛行、早期空中警戒機、海軍の戦闘機が次々に頭上を通過してゆくのが見えた。

 閲兵式が終わってすぐに会った中国人との話題は、習近平国家主席の行った「重要講話」と国産高級車「紅旗」に乗った習氏が、左手で敬礼したことだった。友人は、「ネットで大きな話題になったのは、〈道徳経(老子の古典)〉のなかに左手は平和を意味するとあり、その手で敬礼したことは平和国家への決意だ」というのだ。

 もちろん額面通りに受け取れるはずもないが、あの場面で“うっかり”左手で敬礼することは考えられないのも確かだ。

 そしてもう一つ、講和のなかで披露された「(中国は)永遠に覇権を唱えず、永遠に拡張せず、かつて自らが経験した…」の部分に引っかかった。

 日本人の多くは、「よく言うよ」と鼻で笑うことだろう。しかし、重要なことは中国が新たな価値観をここに定め、攻勢をかけようとしているしたたかさが感じられる点だ。言い換えれば、「日本が平和国家としての価値観を捨てようとするなら、ありがたくその地位を奪ってしまおう」という意味にも読み取れる。

 発言の狙いは何なのか。その真意を正しく読み取る作業が必要になってくる。

 ■富坂聰(とみさか・さとし) 拓殖大学海外事情研究所教授。1964年生まれ。北京大学中文系に留学したのち、週刊誌記者などを経てジャーナリストとして活動。中国の政・官・財界に豊富な人脈を持つ。『中国人民解放軍の内幕』(文春新書)など著書多数。近著に『中国は腹の底で日本をどう思っているのか』(PHP新書)。