9/27産経ニュース  田村 秀男『瀬戸際の中国金融にワシントンの二重基準』について

IMFのラガルドは中国から賄賂を貰っているから中国に甘いのでは。もっと解せないのはアメリカの態度です。$基軸通貨体制に挑戦してきているのに、何故SDR組み込みを認めようとするのか分かりません。AIIBやブリクス銀行を作って、世銀やIMFに対抗しようとしているのに何故IMFの国際通貨として認めければならないのか。認めるのであればAIIBやブリクス銀行を止めろと言わなければおかしいのでは。これこそ中国に甘い二重基準になるのでは。資本主義国の信用と言う資産を使って敵に塩を送る行為となります。

中国は何時も言っていますように、数字は誤魔化しばかりです。そもそも外貨準備高が3.6兆$もあって外国から5兆$も借り入れするのでしょうか?金利がかかるので、十分な資産があれば無借金経営するのが普通です。一説によれば、外貨準備高は底が付いていて、それでAIIBとかで金を集めて経済苦境を乗り切ろうとのこと。日米はAIIBに参加するのは金をドブに捨てるのと同義語と思った方が良い。

安倍首相はオバマ大統領に人民元の国際化は米国の国力減退の大きな要因になることをよく説明すべき。米国は中国に甘すぎて何が世界の危機を齎しているか見えていません。ウクライナや難民だけでなく、東アジアの冷戦or熱戦の可能性について真剣に目を向けるべきと思います。世界平和にとって、中国の封じ込めがロシアの封じ込めより大事です。

記事

foreign currency reserve in China

習近平中国共産党総書記・国家主席は今回の訪米を通じて、人民元の国際通貨認定にすさまじい執念を見せた。国際金融の総本山、国際通貨基金(IMF)に元を国際通貨として認定させ、自前でふんだんに刷れる元を世界のどこでも使えるようにする道を付け、党指令の経済体制の延命を図る。IMFで拒否権を持つ米国の出方が鍵になるが、習主席は実利をちらつかせて、ワシントンを篭絡(ろうらく)する戦術を展開している。

元が国際通貨になるためには、ドル、ユーロ、円、ポンドと同様、IMFの仮想合成通貨、特別引き出し権(SDR)に組み込まれる必要がある。最終的にはワシントンの政治判断次第だ。

エピソードを紹介しよう。

 2001年1月に発足したブッシュ共和党政権はクリントン前民主党政権の露骨なばかりの親中国路線を撤回し、発足当時は強硬姿勢をあらわにしたが、中国市場重視の米産業界やウォール街から修正を求める声が出る。

そこで北京に飛んだのはオニール財務長官(当時)で、「9・11」同時中枢テロの前日、10日にオニール氏は人民大会堂で江沢民国家主席(同)らと会談。ドルに固定している人民元制度の改革を求めるオニール氏に対し、中国側は「いずれ変動させるとしても、幅はちょっとだけで」と。

オニール氏は「しょせん中国はまだ統制経済だ。市場資本主義の力に任せると中国は分裂してしまう」と内心思った。

そこで、オニール、江の両氏は口をそろえて言った。「忍耐強くしましょう、そして一緒にやりましょう」(オニール氏の回想録『The PRICE of LOYALTY(忠誠の代償)』)。以来、共和、民主両党の政権とも中国と「戦略対話」を繰り返し、北京が元をわずかに変動させる管理変動相場制を容認してきた。

1998年のアジア通貨危機当時、インドネシアのスハルト政権に政府介入を撤廃させ、崩壊に追い込んだ市場原理主義のIMFも中国に対しては柔軟だ。

習政権は6月の上海株暴落以降、党・政府指令による経済支配を強化している。元が国際的に自由利用可能な通貨というSDR条件とは真逆である。8月には、上海市場の統制を当面は容認すると同時に、元をより大きく市場実勢を反映させる改革案を示せば、元を来年9月からSDR通貨に加えてもよい、というシグナルを送った。

市場自由化をうたいながら小出しの自由化でよしとする、国際社会でよくありがちな対中国だけの二重基準である。

ワシントンの甘さにつけ入るすきを見逃さない。習主席の訪米時の発言は強気一辺倒だった。

「中国は輸出刺激のための切り下げはしない。元を市場原理により大きく委ねていく改革の方向性は変わらない」

「中国政府は市場安定策を講じて市場のパニックを抑制した。今や中国の株式市場は自律回復と自律調整の段階に達した」

「外貨準備は潤沢であり、国際的な基準では依然、高水準にある」

「人民元国際化に伴って、外貨準備が増減することは極めて正常であり、これに過剰反応する必要はない」

さすがと言うべきか、中国伝統の黒を白と言いくるめてみせるレトリックである。

8月11日の元切り下げは過剰設備の重圧にあえぐ国有企業が背後にあるが、4%台半ばの元安にとどめざるをえなかったのは、資本逃避が加速したためだ。元相場を市場実勢に反映させると言うなら、外国為替市場への介入を抑制すべきなのだが、実際には元買い介入によって元の暴落を食い止めるのに躍起となっている。

株式市場は自律的に回復しているというが、当局が市場取引を制限しているために、上海株の売買代金は6月のピーク時の4分の1まで雌伏したままだ。

外準減少が正常、というのも詭弁(きべん)である。資金流出は加速、元買い介入のために外準を大幅に取り崩す。国内の資金不足を背景に対外債務は膨張を続け、「高水準の外準」を大きく上回る。外からの借金で外準を維持しているのだが、逃げ足の速い華僑・華人が引き上げると外準は底をつくだろう。

瀬戸際の中国金融を救うのは、元の国際通貨化しかないと習政権は必死だろうが、半端な金融自由化、元の小幅変動は国際金融市場を不安定にさせる。オバマ政権とIMFが安易に妥協しないよう、安倍晋三政権はしっかりとチェックすべきだ。IMFのSDR判定期限は11月中という。

9/23『NO OFFENSE MEANT Xi Jinping’s Seattle dinner: Japanese ingredients and cheap wine(攻撃する意図はないが、習近平の晩餐は日本語の素材表記と格安ワインでした)』について

メルマガから取って来た記事です。写真を見ると「MENU」の下に「SALAD-蔬菜沙垃」とあり、その下には「Daikon」(=大根、下に中国語で白萝卜”=bailuobo”とあります)。”white raddish”と英語で訳せるにも拘わらず。

「ENTRÉE-主菜」には「Wasabi Rhizome Mashers」(=配芥末土豆泥、マッシュドポテト山葵和え)で別に山葵で和えなくとも良さそうなものです。

「VEGETARIAN-素食主菜」の2行目には”Edamame Relish”(=毛豆(枝豆のこと)醤汁)とありますが、確かに” green soy beans relish”と言えば済むことです。

格安ワインを使ったのは習が中国で腐敗撲滅運動をしていて、いつも飲むワインが「長城” Great Wall”」ブランドのワインだからとありますが、賓客をもてなすのに2013、14年産のワインということはないでしょう。

アメリカに対抗していう事を聞かない習近平に対するささやかな意趣返しと言ったところでは。

アメリカも3125mの滑走路を造った南シナ海を傍観していると、中国は防空識別圏を設定してきます。自由な航行は出来なくなるでしょう。「力による現状変更は許さない」といくら口先で言ったって、中国が止めるはずがありません。力によるストップしか方法はありません。オバマはやはり無能です。

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http://qz.com/511126/syrian-refugees-once-had-lives-that-were-just-the-same-as-ours/

Xi jinping's dinner

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Last night (Tuesday, Sept. 22), China’s president Xi Jinping sat down for a banquet at the Westin Seattle hotel, where he delivered a policy speech.

The meal was not a formal state dinner and US president Barack Obama was not present, but it was a significant diplomatic event. And as always in diplomacy, the tiniest details matter. So when a picture of the menu served up for Xi emerged, a couple of items raised eyebrows.

Perhaps most controversial was the prominent use of wasabi, an ingredient almost synonymous with Japanese cuisine. Something of a surprise, given China’s testy relationship with Japan. A couple of other ingredients on the menu were written using their Japanese name, when alternative names exist.

If the organizers were aiming for maximum sensitivity, they could have swapped out “daikon” for the generic “white radish,” given that the root is not exclusive to Japan or Japanese cuisine. As an added bonus, the Chinese name for the root, bailuobo, also translates as “white radish” (the Japanese name daikon translates as “big root”). It’s trickier to find a well-known generic name for edamame, but “green soy bean” could have sufficed in a pinch.

And then there’s the wine. For red, there was a 2013 cabernet sauvignon from the Washington winery Chateau Ste. Michelle; for white, there was the 2014 chardonnay from the same winery. Both are no doubt fine wines, but at $15 per bottle and $11.95 per bottle respectively, it would be fair to say that even the same winery would likely have had more prestigious options available.

Or perhaps the organizers were aware of Xi’s recent campaign against excessive government spending, and didn’t want to embarrass the president by allowing him be seen drinking expensive wine. After all, even at home and during major events, president Xi is officially on China’s reasonably-priced Great Wall wine—as this menu for a meal immediately after China’s celebration of the 70th anniversary of the end of World War Two shows (link in Chinese).

9/26日経ビジネスオンライン 高濱賛『米大統領選、トランプに迫るカーソンって何者? サンダースって誰?』について

9/21には共和党の大統領候補だったスコット・ウォーカーが撤退を表明しました。一時は支持率でトップを取ったもののトランプ旋風で失速しました。また9/25にはベイナー共和党下院議長も「オバマ寄り」を批判され、更迭を避けるため議長と議員職の辞任を表明しました。このところ共和党の動きが慌ただしいです。9/25はオバマVS習会談がありましたが、9/24ローマ法王の議会演説、9/25ベイナー辞任で習の米国内での報道は霞んだものになりました。

まだ大統領選まで1年2カ月近くあるので長丁場の戦いです。資金力がなければ続きません。トランプは金持ちですから心配ないでしょうけど。後はスポンサーが付くかどうかでしょう。

無能なオバマの8年間に米国民はウンザリしていて、政治家離れが起きているのでしょう。ブッシュもヒラリーも人気が伸びません。ただ、政治に素人で三軍の長が務まるかどうか、議会を動かす術を知っているかとなると素人は選ばれないのではと思います。まだ、時間がタップリあるので、米国民は選挙戦を楽しんでいるのでしょう。

記事

—共和党候補による2回目のテレビ討論会が終わりました。

高濱:支持率で首位を走る不動産王ドナルド・トランプを抑えようと、他の候補は集中砲火を浴びせました。

 共和党体制派が推すフロリダ州元知事のジェブ・ブッシュはじめ、フロリダ州選出上院議員のマルコ・ルビオ、テキサス州選出上院議員のテッド・クルーズ、ニュージャージー州前知事のクリス・クリスティら「政治経験」組はトランプに政治経験がないことや、大統領としての素質を欠くことを異口同音に攻撃しました。が、大きな効果は得られずに終わりました。

 一方、「政治未経験」組である黒人の元精神外科医、ベン・カーソンと、これまでは泡沫候補と見なされていた米ヒューレット・パッカード(HP)の元最高経営責任者(CEO)のカーリー・フィオリーナ(女性)は、トランプの金満ぶりなどを批判しました。

 特にフィオリーナは、トランプが自身の経営業績を過大評価していることや、フィオリーナの容姿やメキシコ系移民に対する暴言をとらえて、こう言って切り捨てました。「あなたの(私の容姿に対する)発言を全米の女性がはっきりと聞き取りましたよ。私の経営実績についていろいろ言っているが、経営者にとって根本的な問題はいかにしたら会社を安定させるかです。大法螺を吹くのは大概にして、現状をどう打破するのか、諸問題をどう解決するのか、そして、どう結果を出すのかを論じようではありませんか」

—米世論や識者は討論会での各候補をどう採点していますか。

高濱:直後に出た世論調査ですと、「ウィナー(勝者)」はフィオリーナ(29%)。これにトランプ(24%)、カーソン(7%)、ブッシュ(6%)、ルビオ(6%)と続きました。

「どの候補も現実離れしていて危険だ」

—誰が一番大統領としての適格な政策を述べていましたか。

高濱:リベラル派の論客、ポール・クルーグマン・ハーバード大教授などは、総論としてこう指摘しています。「討論会における共和党候補たちの発言は現実離れしていて非常に危険。指名されたいがために嘘を言い合っている。これは民主党にとってだけではなく、共和党穏健派にとってもおっかないことだ」。

 また、こうも言っています。「経済に関して幻想を滔々と語らなかったのはトランプ一人。外交でわずかながら分別があったのはランド・ポール上院議員(ケンタッキー)だけだった。もっとも二人とも他の要因から指名されることはないだろうが…」

(”Paul Krugman: GOP debate proves candidates are liars living in ‘world of fantasy and fiction,” www.salon.com., 9/19/2015)

—討論会の後、支持率や人気度に変化は出ていますか。

高濱:討論会前の各種世論調査では支持率1位はトランプ、2位はカーソンでした。討論会後、最初に発表された世論調査でも1位はトランプ(36%)、2位カーソン(12%)と変っていません。ただ討論会で注目されたフィオリーナ(10%)が急伸して3位につけています。

 しばらくはトランプ、カーソン、フィオリーナの「政治経験ゼロ」組がレースを引っ張っていくと思います。米国民は手垢に汚れた政治家たちに辟易しているんでしょうね。もうタテマエはごめんだ、ということだと思います。

(”Poll: Fiorina Wins Debate, Trump Still Leads,” Morning Consult, 9/18/2015)

カーソン人気の秘密はなにか

—ちょっとよくわからないのですけど。カーソンはどうしてそんなに人気があるんですか。

高濱:今回の討論会をご覧になれば分かるとおり、そのしゃべり口は穏やかで知的です。他人を誹謗中傷することは一切ありません。しかも端正な顔立ち。なによりも1987年、「米国で最も尊敬される医師」に選ばれた有名人だからです。頭部が癒着したシャム双生児を分離する手術を成功させました。

 2008年には「大統領自由勲章(Presidential Medal of Freedom)」を受賞しています。同勲章は「アメリカ合衆国の国益、安全や世界平和推進などに貢献した文民」に送られる最高位勲章です。これまで経済学者のジョン・ケネス・ガルブレイスやヘンリー・キッシンジャーらが受章している。

 カーソンはデトロイト生まれ。父親は牧師。両親はカーソンが8歳の時に離婚しており、カーソンと兄は母親に育てられました。米陸軍準予備役将校訓練プログラムを経て陸軍士官学校への入学を許可されましたが、高校卒業後は名門イエール大学に進学。卒業後、ミシガン大学医学部で医学博士号を取得しています。その後、ジョンズホプキンス大学病院に勤務。33歳で小児神経外科部長に任命されたことから、いかに優秀な医者であるかがわかります。

 筆が立つこともあって本を著しています。「Gifted Hands : The Ben Carson Story」(1964年)、「One Nation: What we can all do to save America’s future 」(2014年)はベストセラーになりました。

カーソンはなぜオバマを批判するのか

—黒人であるカーソンはどうして史上初の黒人大統領オバマを批判しているのですか。黒人は普通リベラル派ではないのですか。

高濱:カーソンは元々共和党員です。オバマ批判を強めたのは2年前から。ホワイトハウスで開かれた「全米祈祷朝食会」の席上、オバマが推進する医療保険改革(オバマ・ケア)を「米国で奴隷制度が導入されて以来起きた最悪の出来事はオバマ・ケアだ」と言い放ちました。なんとオバマ大統領の面前で言ったんですよ。

 オバマ・ケアが目指す国民皆保険そのものはよしとしながらもカーソンはその手法を厳しく批判しています。彼の言うとおり、オバマ・ケアは施行されてから1年経ちますが、混乱状態です。カーソンは、米国民全員に出生時点で出生証明書、電子医療記録、保健料振り込み用銀行口座を発行し、国民が死ぬまで国が医療面の面倒をみるシステムを作ることを提唱しています。

その後もカーソンのオバマ批判は続いています。「オバマが大統領になってから米国の人種対立はより激しくなった。なぜか、それはオバマが『人種カード』を弄んでいるからだ。黒人が警官と衝突するとつねに黒人の味方をする。だから黒人はますます被害者意識を強めるのだ」と。

 カーソンに共鳴する白人は極めて多いのです。無論、黒人からはブーイングです。ほとんどの黒人はカーソンを支持していません。

—カーソンが共和党大統領候補に指名されるチャンスはあるんですか。

高濱:元連邦政府高官だったリベラル派の知人などはこう言っています。「脳の手術を受けるならカーソン博士にお願いしたいところだが、公職経験ゼロの博士に大統領職を任せるわけにはいかないね。今、彼の人気が高いのは、共和党支持層の正直な心情を表しているのだと思う。お行儀の悪いトランプに対するアンチテーゼとしての『ジェントルマン・カーソン』支持だ。裏を返せば、政治経験のある候補者たちには魅力がないということだろう」。

民主党で起こっている「バーニー現象」とは

ところで民主党の候補者争いでは、これまで独走していた前国務長官ヒラリー・クリントンに陰りが出てきたようですね。長官時代の電子メール使用問題が最大の要因のようです。

高濱:その通りです。そうした中で注目を浴びているのがバーモント州選出の上院議員バーニー・サンダースです。世論調査で、じわりじわりとクリントンとの差を縮めています。

 とくに来年2月に始まる予備選の火蓋が切って落とされるアイオワ州(党員集会)やニューハンプシャー州ではクリントンを抜いて1位に躍り出ています。米メディアはバーニー・サンダースの行く先々に大勢の市民が詰め掛けている現象を「Berniemania」(バーニー現象)と命名しています。遊説の先々でサンダースを一目見ようと大勢の人が詰め掛けています。

—なぜサンダースはそんなに人気があるんですか。

高濱:清廉潔白な人柄が評価されています。それと主義主張が終始一貫していることです。

 サンダースは議会では他の民主党議員と行動を共にしていますが、正確に言うと「バーモント・プログレッシブ・デモクラット」(バーモント州進歩派民主党)の党員です。

 バーリントン市長を経て、連邦下院議員を16年務めました。その後、2013~15年まで上院議員。

 サンダースは欧州の民主社会主義に共鳴しており、自らを「民主社会主義者」だと言っています。徹底したリベラル主義者で、富裕層への徹底課税、最低賃金引き上げ、大学の授業料無料化をこれまで訴え続けてきました。今回の大統領選キャンペーンでもこの点は終始一貫しています。イラク戦争にも、米国愛国法の制定にも反対しました。同法の採決の時にはフィリバスター(議事妨害)をした唯一の上院議員でした。

 民主党リベラル派はオバマ政治を継承するのに、クリントンでは物足りないと思っています。クリントンがウォール街(金融界)と深い関係を持っていることはすでにメディアで報道されています。民主党リベラル派の人たちは、クリントンは果たして真のリベラル派なのかと疑っています。とくに理想主義をつねとする若者たちはクリントンに批判的。ヒット作品「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」などに出演したマーク・ラファロなどハリウッドのリベラル派俳優たちもサンダースを応援しています。

 サンダースは大企業や労組から選挙資金を一切受け取っていません。すべて小口の個人献金で賄っています。この点をとらえて、サンダースはこう述べています。「クリントンは民主党エスタブリッシュメント(体制派)の候補だ。議会のほとんどの民主党議員たちはクリントンを支持している。だが、私はそうしたエスタブリッシュメントとは一線を画す一般の民主党員の候補だ」。

—サンダースはバイデンの露払い?最終的にサンダースに勝ち目はあるんですか。

高濱:電子メール問題でクリントンがにっちもさっちも行かなくなり、予備選段階で撤退した場合、第2位につけているサンダースが最有力候補になります。ただこの場合、今、立候補のタイミングを計っているとされる副大統領ジョー・バイデンが出馬する可能性があります。

 ある民主党中枢の選挙参謀はサンダースをこう評しています。「サンダースはクリントンに代わる大統領候補ではない。反クリントン票をまとめているにすぎない。クリントンに万一のことがあれば、サンダースが固めている票はバイデンが引き継ぐ。サンダースはそれまでのつなぎと見たほうが分かりやすい」。

 つまりサンダースは反クリントン票の受け皿、露払いのような存在のような気がします。ただバイデンは72歳。67歳のクリントンより年上ですから年齢の問題が出てきますね。民主党候補の選出もまだまだ山あり谷ありです。

9/25ZAKZAK『習主席、札束訪米も市場は冷ややか ボーイング300機「爆買い」評価されず』について

米中対話はハナから同床異夢であることは判っていたハズ。米国は中止すれば良かったのに。良く中国は日本に対してドタキャンしているではないですか。中国の面子を潰せば少しは考えるようになるでしょう。それができないのは米国の力が弱ってきているという事です。

中国は会談出来れば中味はどうであれ、良かったのです。国内向けにでっち上げすればいいだけですから。日本の共産党も含め共産党の得意技です。そのニュースを情報閉鎖されている中国国民が簡単に信ずるという構図です。ネット接続して外国語が分かる人は真実に近づけますが。

まあ、軍事忌避のオバマでは足元を見られているので、交渉にはならないでしょう。お互いに言い放しで終わっただけです。ハッカー対策しなければ「経済制裁するぞ」と脅されるのが分かっていて、その答えが300機の爆買いだったのではと思います。「やれるものならやってみろ。中国と言う大市場を失うぞ。やれば、痛手を負うのは中国ではなく、お前の方だ」と言うのを示したかったのでしょう。カネで転ぶのは今の日本だけでなく、強欲な米企業経営者も同じ。儲けられればまだいいが、キチンと払って貰えるかどうか。中国は何せ資金繰りに苦しんでいますので。キャッシュオンデリバリーで前払いを確認してからでないと、ものを輸送するのは控えた方が良いでしょう。

南シナ海の問題ではもっと警告しなければ、習の「中国の領土・領海」を認めることになります。チベット・ウイグル・内蒙古・ブータンと同じように既成事実を積み上げ、自分のものにする中国の常套手段です。「自由な航行を」なんて言ったって、「じゃあ、中国様が自由に通るのを認めてやるから、中国の領土・領海と認めろ」と言われたらどうするのですか。「領土係争地は一方的に自国のものにする動きは認められない」と言うべきです。「衝突回避」の協定を結ぶという事は、中国にとって不利になることは何もありません。ましてや中国人ですから、約束しても都合が悪くなれば平気で破ります。マケインの言うように「中国軍の行動を規制することにはならない」と見るのが正しいです。

イエレンが年内利上げを明言しました。今言われていますのは10月ですが、遅くとも12月には利上げ予定です。これで中国から資金が流出して、益々中国は外貨準備を減らしていくのではと思います。AIIBなんて夢のまた夢。オズボーンは夢を追いかけているようですが、キャメロンはブレーキをかけないとアヘン戦争の仇を「阿片」でなく「金融」で取られることになります。

記事

 訪米中の中国の習近平国家主席の「札束外交」に、世界の市場が冷徹なノーを突きつけている。ボーイング300機を“爆買い”し、人民元相場を市場にゆだねることなどをアピールしたものの、米国株も上海株も急落に見舞われた。さらに習主席の米国到着直後には、9月の景況業指数が6年半ぶりの低水準に落ち込んだというニュースが世界を駆け巡り、赤っ恥をかかされた形だ。25日のオバマ米大統領との首脳会談でも成果は乏しいとの見方が広がっている。

 初の公式訪米となった習主席は、25日には国賓として首都ワシントンでオバマ大統領と会談。米国との「2大大国」関係を世界に強調するはずだったが、そのもくろみは大きく崩れた。

 中国が通商機密をサイバー攻撃で盗んだとして、オバマ政権が対中制裁案を策定していると報じられたことに加え、経済の失速が中国の立場を危うくさせた。上海株の暴落や8月の人民元の切り下げで世界の市場は大混乱、米国が9月の利上げを見送った背景にも中国経済の減速があったと米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長に名指しで指摘された。歓迎ムードにはほど遠く、習氏の訪米中止観測も浮上していた。

 逆風の中で行われた習氏にとって経済力を強調することが大きなテーマとなり、主要IT産業が拠点を置くシアトルから訪米をスタートさせた。

 22日の演説では上海株のバブル崩壊について「市場の振幅に自律的な動きが出てきた」と巨額資金による買い支えの効果を強調。人民元の基準値引き下げをめぐる安値誘導の批判には「国内外の経済金融情勢から人民元レートを下げ続ける基礎的状況はない」と釈明した。

 だが、23日の上海株式市場で総合指数は前日比2・19%安の3115・89と4営業日ぶりに反落。習氏の訪米についても、具体的成果は乏しいとの見方が広がった。人民元相場も下落するなど習氏の“口先介入”は逆効果だった。

 一方で企業向けにカネにものを言わせようとしている。22日に中国の国有企業、中国航空機材集団など複数の航空機リース会社が米ボーイングとの間で航空機計300機を購入する協定に調印した。航空機の「爆買い」で、米国との経済関係を強化する姿勢を打ち出した。

 中国から企業家を含めた1000人規模の代表団を引き連れた習氏はシアトル滞在中、アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)、世界トップクラスの富豪で投資会社を率いるウォーレン・バフェット氏らと会談。巨大な中国市場の存在感をアピールする狙いだ。

 しかし、こうした発表にもかかわらずボーイング社の株価は急落、ここでも市場の反応はみられなかった。

 アップルがiPhone(アイフォーン)の中国市場拡大で業績を伸ばすなど、米国企業にとって中国が重要な市場であるのは事実だ。

 ただ、足もとの景況感は不振を極めている。習氏の訪米直後に英調査会社マークイットが公表した中国の景況感を示す9月の製造業購買担当者指数(PMI)速報値は47・0となり、8月の47・3から下落した。好不況の判断の節目となる50を7カ月連続で割り込み、6年半ぶりの低水準に落ち込んだ。

 中国当局は景気下支えのために昨年秋以降、相次ぐ利下げなどで金融を緩和し、インフラ投資を加速させているが、効果は表れていない。生産や新規受注、雇用の動向を示す指数がいずれも8月の指数より低下した。

 失速懸念を払拭するのに躍起の習政権だが、下がりすぎた人民元相場を買い支える原資として保有する米国債を「爆売り」していることも明かされるなど、市場には手の内を見透かされている。

 オバマ政権の置かれた立場は複雑だ。来年の大統領選の候補者らがオバマ外交を「弱腰」と批判する一方、中国との取引拡大を望む米企業は対中強硬策に慎重だ。

 決定的な対立を避けたい両国が着地点を見いだせるかが焦点となるが、習氏と中国経済が市場の信頼を取り戻すのは難しそうだ。

9/25日経『中国「国産」戦闘機、ロシアの複製 軍事パレード、透けた虚実 内政に不安、焦りにじむ』について

安保法案反対派は良く「軍靴の音が聞こえる」とか言いますが、中国の軍靴の音は聞こえないのでしょうか?「斑ボケ」ならぬ「斑聾」でしょう。補聴器をつけた方が良いのでは。日本にとって安全のためには何が必要か真剣に考えないと。日本共産党や民主党左派を応援しているのは中国を応援するのと同義語です。世界最大の人権抑圧国家の僕にそんなになりたいのでしょうか?

昨日NHK「おはよう日本」で中国のキリスト教弾圧を報道していました。下のURLは8/28のものですがこれをベースにしていました。弁護士は拘留されたそうです。信仰の自由もなく、言論の自由もない国の属国になれば我々の子々孫々がどういう運命を辿るか分かりそうなものです。

http://www.nhk.or.jp/kokusaihoudou/archive/2015/08/0828.html

日本のメデイアは腐っているので中国のヒドイところは余り報道しません。世界各地で慰安婦像を建てようというのは韓国を手先にして裏で中国が金を出してやらせています。今までアメリカも日本が強くなりすぎるのは困ると言うのでこれに乗っかり、歴史教科書でも真実と遠いままで慰安婦について掲載されています。本当にアメリカは愚かです。本当の敵を間違えて来続けました。

「中国兵器は恐るるに足らず。政治的プロパガンダだ」と日高義樹氏の本にありましたが、そのとおりでしょう。逆に精度が低いのでどこに落下するかそちらを心配した方が良いかも。ただ本記事にありますように「飽和攻撃」(=物量作戦)がありますので、「楯」だけではなく当方にも攻撃用武器を備えないと。米軍も逃げるというのであれば、米国債の担保に核ミサイルも置いていけと言いたい。

先の日高氏の本には中国の「A2/AD」はミサイルのスピードが遅いので、空母は対抗できるとありました。この記事を書いている記者はキチンと勉強しているのでしょうか?不安を煽る事こそ中国の術中に嵌まることになります。

記事

中国の習近平政権は今月初めに北京で実施した大規模な軍事パレードで、弾道ミサイルや戦闘機などを次々と初公開し「国産兵器」とアピールした。ただ外見に内実が伴わない装備も散見され、中国軍の「虚」と「実」が浮かび上がった。

 軍事パレードは一般に、保有する武器や兵士の精強さを示すことで周辺国を威嚇したり抑止力を醸成したりするのが狙いで、「平時の戦い」の一つといえる。日本の自衛隊も観閲式として実施している。

「空身」で離陸

 今回の中国のパレードにはあちこちに虚像が潜んでいた。

 中国は公表した装備は「すべて国産」と説明した。しかし戦闘機J(殲)11はロシア軍のSu27の、空母艦載の戦闘機J15は同Su33のそれぞれコピーであり、中国はオリジナルと胸を張れない。最も重要な部品であるエンジンも大半はロシアからの輸入品だ。

 性能にも不安がある。以前明らかになった空母から発進するJ15の動画を見ると、ミサイルなどを一切搭載しない「空身」にして辛うじて離陸している。距離の短い飛行甲板から武装して飛び立つにはエンジンの出力が足りていないようだ。

 初めて公開した武装無人航空機CH5は、形状が米国のMQ9リーパーに酷似している半面、対地攻撃ミサイルなど搭載できる武器の総重量は900キロと、リーパーの1749キロのほぼ半分しかない。外見をいくら似せても、中身の複製に限界があることがわかる。

 パレードでは、空中警戒管制機(AWACS)なども登場した。ただ装備の真の性能は明らかになっておらず、米軍関係者らの間では「実際にこの目で威力を見ないことには信用できない」と疑う声も多い。中国軍のパレードには軍の現状を示すというより、将来はこうありたいという願望を込めた「未来予想図」の側面が多分にある。

 一方で「実」と呼べる武器もあった。代表例が弾道ミサイルだ。中国は有人を含む宇宙ロケットを運用した実績を持つ。ロケットと弾道ミサイルの基本構造は同じだ。人工衛星を軌道に乗せられる中国は、高度なミサイル誘導技術も持っており侮れない。

 日本に直接の脅威となるとみられるのが、DF16やDF21という射程が2千キロ前後の短・中距離弾道ミサイルだ。配備数が多く、日米のミサイル防衛システム(MD)で対処しきれないほどの「飽和攻撃」ができる。

 このため在日米軍の大半は情勢が緊迫した際、一時的に日本を離れる構えだが、そうした場合に日本の国民は逃げ場のない状態に置かれる危険がある。中国からのミサイル攻撃について脅威の大きさの割に日本では対策がほとんど議論されておらず、問題にふたがされている感がある。

ミサイルは脅威

 初登場の大陸間弾道ミサイル(ICBM)のDF31Aも、大きな脅威となる見込みだ。従来のICBMは発射台が固定式だった。DF31Aは車載式のため、広い国土のあちこちに隠せる。

 米国は先々、核弾頭付きのミサイルによる報復を懸念し始めており、米国が日本に提供する「核の傘」が揺らいでいる。日本への来援をはじめとしたアジアへの軍事介入をためらう恐れもある。DF31Aは日米など域内の同盟国を離間(ディカップリング)するのに適した戦略的な兵器だ。

 天津での大規模な爆発事故や株式市場の動揺などが相次ぐなかでの軍事パレードには国際社会から批判の声も上がった。共産党政権としては大変なときだからこそ軍事パレードで米国や日本をけん制し、国威を発揚したいとの思惑が働く。

 ただ強硬な姿勢を示せば示すほど「周辺諸国は中国への警戒を強める」(カーター米国防長官)のも事実だ。日米は対話拡大などで備えも進む。大規模な軍事パレードをやり、その結果、ますます地域で孤立を深める悪循環に陥っていないか。虚実が入り交じった派手な行事からにじむのは、中国当局の焦りだ。(編集委員 高坂哲郎)

高山正之『アメリカと中国は偉そうに嘘をつく』について

9/23時事「慰安婦像設置を支持=米サンフランシスコ市議会」とありました。歴史戦で中国・韓国に負けています。領事館・外務省は動いた形跡がないとのこと。朝日新聞の捏造記事から日本人の名誉がこれだけ傷つけられているのに、何とも思っていない人が多いのでは。でないともっともっと朝日の購読者が減っても良いはずですが。「お前のおじいさんは銃を突き付けてレイプした」と嘘を言われて怒らない人はいないと思いたいです。でも今の日本人は「自分に関係ない」と思っている人が多いのでしょう。悲しいことです。そうでなければもっと大々的に反慰安婦像・反朝日の運動になると思うのですが。

高山氏のこの本にもありますように一番悪いのは米国です。メキシコ・スペインと戦争して領土を広げ、西部開拓して海にぶつかり、太平洋を越えてハワイ、グアム、フィリピンを手中に収めました。イチャモンをつけてシマを拡大するやり方はヤクザそのものです。東京裁判で日本を侵略国家と定義したのはチャンチャラおかしい。

中国は遅れて来たアメリカです。似たような発想をするので、真面目な日本人とは合わないのでしょう。でも中国の属国になったら、チベット・ウイグル・内蒙古と同じ運命を辿ります。現実を考えますと今は米国と一緒になって中国と対峙しなければ。岡崎久彦は「アングロサクソンと手を結んでいれば日本は安泰」と言っていたと思います。彼の言うことが正しいかどうかは分かりませんが、少なくとも日露戦争に勝ったのは日英同盟があったからです。当時最大の版図(=植民地領有が最大)を持ち、今の価値基準では悪の帝国と看做されるところと手を結んで、日本の生存を図りました。結果だけを見れば、昭和の軍人は理想を追い求めすぎて世界を敵に回し、大日本帝国を解体してしまいました。その失敗から反省すれば、米国と手を結ぶことが、日本の生き残る唯一の道です。GDP世界第一位の米国と世界第三位の日本(中国は統計を誤魔化しているので本当は第二位との説もあります)が手を組めば、中国+ロシア(米国の1/8のGD)連合とも勝てます。

外務省と朝日新聞、東大の劣化は甚だしい。エリートとか権威と言われる人達の生き様が如何に薄汚れているかという事です。単なる記憶力をベースにした学力レベルが高いだけで、「一旦緩急あれば」の覚悟を持ち合わせていない連中です。無様としか言いようがない。道徳の教育が小学校は2018年、中学校は2019年から完全実施されるとのこと。「人間は何のために生きるか」(金は手段であって目的ではない)、「どのように生きるか」を考えさせるテキストを使ってやってほしい。

沖縄も今のままだったら中国に取られるでしょう。利権に敏い翁長を県知事に選ぶくらいですから。元に戻して施政権をアメリカに返した方が良いでしょう。米国と違い、如何に日本政府が寛大だったか肌身で感じると思います。龍柱を建てようとする翁長に連なる連中はスパイ罪で監獄行きかも。

内容

P.42~49

日本外交は日米開戦の日から一八〇度暗転した

十九世紀初め、メキシコ大使に出るジョエル・ポインセットに国務長官が言った。「騒ぎを起こせ。それが君の役目だ」。騒ぎになれば米国が介入し、軍を出して領上も利権も手に人れる。それが米国の外交戦略だった。 彼はそれでメキシコの反政府運動をたきつけたが、土壇場でばれて首魅は処刑された。 ポインセツトは国外追放とされたが、メキシコを出るとき山辺に咲く赤い花を持って帰る余裕はあった。クリスマスに見ごろになるその花は評判になり、彼に因んでボインセチアの名がついた。破廉恥な男でもきれいな花言葉で飾ってしまう。この国のいかがわしさを端的に示す事例だ。

彼は失敗したが「騒ぎを起こせ」外交は他では成果を上げた。十九世紀末にはハワイ王朝の「邪悪で淫乱な女王」(ステイーブンス米公使)と米国人が対立する騒ぎが起きた。米国は軍鑑を送ってハワイ王朝を倒して傀儡政権ハワイ共和国をたてた。

キユーパでは港に入った米戦艦「メイン」が不審な爆発を起こして沈没する騒ぎも起きた。

米国はこれを口実にキューバ内戦に介入してキューバを保護国にしてしまった。

二十世紀早々、米国が運河建設に最適と見ていたコロンビアのパナマ州で都合よく「分離独 立騒ぎが起き」(セオドア・ルーズベルト)ると、米軍が派遣され、親米傀儡政権が独立を宣言し、米国はその尽力のお礼にと運河建設に必要な用地をもらった。

なんでも米国の思い通り。ただ思わぬ批判も出た。ハワイを盗ったとき、日本が巡洋艦「浪速」を送ってきた。艦長東郷平八郎はハワイ王朝滅亡を悼み、米愧儡政権樹立を祝う祝砲を拒否した。世界はその小気味よさに快哉し、海軍省次官だったセオドアは激怒したが、それで米外交戦略が変わることはなかった。

次の標的は再びメキシコだった。赴任する大使へンリー・ウイルソンはウッドロー•ウイル ソン大統領から「反米のマデロ大統領を潰せ」(ルイス•フイッシャー『石油帝国主義』)と命 じられた。

一九一三年、米大使の支援を受けたウェルタ将軍がクーデターを起こし、マデロは処刑された。大統領夫人やその家族も処分しようとしたが、日本公使館に逃げ込んだ後だった。ヘンリーはそれがどうした、反乱軍には米国がついている、やっちまえとけしかけ、公使館は反乱軍に包囲された。

このとき正面ドアに公使堀ロ九萬一が現れた。堀ロ大学の父だ。幾十の銃口が向けられる中、 日の丸を敷いて「大統領夫人を捕えたいなら私を殺し、日の丸を踏んで館内に入れ。日本と戦争する覚悟でやれ」と大音声した。

気圧された反乱軍が引き揚げると堀ロはウエルタに掛け合い、夫人らの通行の安全を取りつけて、パリに亡命させた。

命を賭して筋を通した堀ロに世界は称賛を送り、米国は再び日本によって世界から蔑みの視線を浴びた。ウッドローはセオドア以上に日本を恨んだ。彼は第一次大我後パリ会議で日本の人種平等法案を潰し、今の国連安保理に相当する十人委員会を廃して日本を追い出し、“ 仏伊の四大国による運営に切り替えた。日本の発言権は封じられた。

その少し前に清王朝の西太后が失意の中で死んだ。遺体は歴代満州王朝の皇帝が眠る東陵に埋葬された。

二十年後、国民政府軍の孫殿英がその東陵を盗掘した。

西太后と乾隆帝の玄室が破壊され、高価な副葬品が洗いざらい盗まれた。西太后の棺は壊さ れ、兵が死姦した。彼女の口中にあった夜明珠も盗られた。

蒋介石は怒った。満州人の墓を暴いたのはともかく、分け前のないことを怒った。それで孫殿英はかなりの盗掘品を蔣に贈った。西太后の夜明珠は宋美齢が気に入って長い間彼女のスリッパを飾った。

漢人の盗掘を聞いて天津に軟禁されていた溥儀は怒り「満州国を再興し、この恥辱を晴らす」覚悟を決めた。彼は日本の支援を得て天津を脱出し、満州族の故郷満州に戻って一九三二年三月、満州国を建国した。 

これに米国が文句をつけた。日本は傀儡政権をつくってすぐ承認し満州の権益を独占する気 だろうと。この盗人国家はよその国も自分と同じ発想だと頭から思い込んでいた。

しかし三か月過ぎても日本は承認しない。承認したら叩こうと待つ米紙記者がしびれを切らして外務省惰報部長白鳥敏夫に聞いた。

白鳥は「日本は急がない。建設すべき運河がないから」と答えた。セオドアが奸計を用いてパナマを独立させ、傀儡政権を置くや、すぐに承認して運河掘削を始めた。それを痛烈に皮肉った。世の中、利権漁り以外の真摯な国家関係もあると諭したわけだ。 米紙記者は言葉に詰まり、米政府はまたまた赤面した。

戦前の日本外交は立派だった。筋を通し、ときには皮肉る余裕もあった。それが開戦の日に 一度暗転した。ワシントンの大使館員井口貞夫と奥村勝蔵は開戦前の緊張感もなく遊びまわって開戦の通告を遅らせ、結果、日本に卑怯者の汚名を着せた。 万死に値する二人はともに戦後、外務次官になった。外務省は日本人に背を向けた。

七〇年代、パレスチナ・ゲリラが次々西側の大使館を襲った。スーダンではサウジアラビア大使館主催のパーティーが襲われ、招待客の米大使クリオー・ノエルが人質にされた。数日のち、彼は妻に別れを告げて裏庭で処刑された。最後まで堂々としていた。

クゥートの日本大使館も襲撃され、女子更衣室に隠れていた石川良孝大使が引きずり出された。彼は日本に泣きながら命乞いの電話をした。世界は啞然としたが、石川大使はのちに栄転した。

北京の新設日本大使館が支那人の嫌がらせで使えない。それで支那の言うまま「名古屋の支 那領事館建設に協力する」旨の口上書を外務省が書いた。 名古屋市民が嫌がっているのに、とそれを怒る声がある。

戦後の外務省は変わった。まともさの片鱗も残っていない。日本に背を向けたままの外務省 は廃止したほうが国益に叶う。

アメリカのポチは朝日新聞だった

八〇年代、米国は不景気だった。雇用創設のため、各州の事務所が赤坂溜池辺りに軒を連ね、 我が州に進出してくださいと日本企業に頼んで歩いた。どっちが敗戦国なのか分からない体たらくだった。

米国の自動車産業も落ち目で、BMWやベンツ、アウディが市場を席巻していた。 そのうちアウディが電子制御のエンジンを搭載して、GMなどは真っ青になったものだ。 ところがその最新鋭電子制御が狂って制御不能のまま暴走し、何十人かが死傷した。落ち込んでいた米紙が妬みを込めて虚実ないまぜ、悪態の百も書き連ねた。

かくてアウディは市場占有率を八五%も減らし、米国から駆逐された。日本のオーディオ機器もとばっちりで連邦議会議員に斧でぶっ壊された。

それから二十年、ビッグスリーが次々こけてトヨタに全米販売台数一位を奪われた。状況は八〇年代に似てきた中で〇九年八月、サンディエゴ市警に911通報が入った。レクサスの運転者からで「アクセルが戻らない。ブレーキも効かない」の音声を残して交差点で衝突炎上、 本人と妻子を含む四人が死んだ。時速一九〇キロは出ていたという。

米社会はアウディのときより燃えた。トヨ夕の電子制御欠陥が米市民を殺したと新聞が騒ぎ、 イリノイ大のデビッド・ギルバート准教授はレクサスが制御不能に陥るさまをタコメー夕—で映像化してABCテレビで流した。

ラフード運輸長官は「トヨタに乗るな」と絶叫し、トヨタの豊田章男社長が連邦議会公聴会に呼び出されて聞くに堪えない悪態をつかれた。豊田は謝罪し、原因究明を誓った。

日本の不幸はこういうとき朝日新聞以下が米国側についてトヨ夕を責めることだ。朝日の主筆(当時)船橋洋ーは「いまや米社会ではトヨタは欠陥の代名詞になった」と書き、夕刊素粒子はプリウスを買って損をしたと、揶揄と当てこすりを続けた。船橋も朝日の特派員も米国人をマスター(ご主人様)と呼ぶ。なんでもご主人様のおっしゃる通りに書く。

米国ではこの十年間、トヨタ車で死んだ八十九人の遺族がPL法でトヨ夕を訴える準備を始め「総額は一兆円になる、トヨタはアウディになる」と米紙は書いた。

ところが米運輸省交通安全委がサンディエゴでの事故車を含めた二十三台を一年かけて徹底調査した結果、欠陥は見つからなかった。「ラフードは調査結果を伏せるよう命じ」(安全委の一人、G.パーソン)、事故車を米科学アカデミーに再調査させた。それでも欠陥が見つからず、ついにはNASAに持ち込んだが、それでもトヨ夕はシロだった。

この一連の調査でイリノイ大のギルバート教授はタコメーター記録を捏造していたこと、また暴走被害をいう者の多くがトヨタからカネを巻き上げようとした詐欺漢だったことを認めた。

かくてニ年半も過ぎてから、米科学アカデミーはやっとトヨタの無罪を認めた。ラフードはとぼけ、米紙は書くには書いたが「無罪だが無実ではない」だと。

そしてGM社がトヨタを抜いて販売台数トップに返り咲いた記事では「トヨタは津波とタイの洪水で生産を落とした」と。

違うだろう。米国が中傷しまくって追い落としたからだろう。もっと恥ずかしいのはそのトヨタ無実を日本のワシントン特派員の誰もが大書しなかったことだ。米国のあくどさを書くとご主人様に怒られるのか。

東大もアメリカに媚びるのはやめよ

東大が米国など主に白人国家に合わせて秋入学にすると言い出した。なぜなら半年もずれる と「いい人材が集まらない」からという。意味が分からない。ほんとに東大に魅力があれば半年くらいみんな待つものだ。それでも待てないというなら、春に加えて秋入学を認めればいい話だ。現にいまや偏差値最高を誇る秋田の国際教養大学(中島嶺雄氏が学長だった)はその秋入学で人材を集めている。

だいたい東大に肝心の魅力があるのか。教授陣と言えばまず姜尚中(当時)やロバート•キヤンべルだ。姜は強制連行とまだ言い立て、キヤンべルはトヨ夕騒ぎを「あれはトヨタバッシングではない」と見え見えの嘘をついた。

優秀な人材は日本にいる。いま世界を潤す小麦の品種もステルス技術も光ファィバーもみな 日本人が発明し、オランダ人か米国人か支那人が盗んだものだ。日本人の知恵がなければ世界 は進歩しない。

由紀さおりはPPM (ピーター.ポール&マリー)の歌まで日本語で堂々歌い、ジャズ部門 1位を取った。東大も媚びずに堂々春入学で通すがいい。

P.116~120

世界は日本人の知恵と頭脳に頼ってきた

エジソンを発明家というのは当たらない。例えば彼が大金持ちになった電球にしたって原理は英国人の発明をそのまま、フィラメントの素材をちょっと変えただけだった。それを大宣伝して特許をぶっかけ、あとは類似品を片っ端から訴えてカネにした。 被害者の中には日本企業も並ぶ。彼の特許とはまったく別製法なのに、エジソンが創ったGE社に特許侵害で訴えられた。南カリフォルニア地裁の裁判は人種差別は公認。特許の拡大解釈という禁じ手まで使われて日本は大負けを喫した。

光ファイバーは東北大の西沢潤一の発明だ。馬鹿な特許庁役人が「つまらん」とか言って特許を出さなかった隙に米コーニング社がアイデアを姿んで特許を取った。それで西沢理論を製品化した住友を訴えた。結果はエジソンのときと同じ。米法廷は違法な拡大解釈をやって、住友は大負けした。

十九歳のビル・ゲイツはIBMがコンピユーターのOSを公募しているのを知って、知り合いが持つOSをたった五万ドルで買って応募した。IBMがそれを採用するや、弁護上の父が、出てきてOSをいくつもの特許でくるんで、採用したIBMもカネを払わなければ使えないようにした。

「特許とは天才の炎に利益という油を注ぐ制度」というリンカーンの言葉が米商務省の入り口 に記される。金になるなら企業は盗み、法廷も平気で法を曲げる。それが米国だ。

日本はどうか。例えばクォーツだ。キユリー夫人の亭主ピエ-ルが水晶に電気を通すと正確に振動することを発見した。

それって時計に最適ではないかと米国べル研究所がクォーツ時計を創った。ただ時計にくっつける振動部分が洋服ダンスほどもあった。どの指も親指みたいな米国人にはそれが限界だが、精工舎は営々小型化を試み昭和四十四年、洋眼ダンスを腕時計に納めた。

正確無比のクォーツ時計の特許を日本企業が持った。米国人は世界の腕時計をすべて変えてしまう精工舎はいったいどれほど儲けるのか嫉妬に狂い、スィスはハィジの童話しか売れない貧しい小国に落ちることを危惧した。

しかし日本人は米国人ではなかった。精工舎はクォーツ小型化の特許を公開してみんなが正確な時計を持てるようにした。

日本ではかつて十五歳の少年が多極真空管という世界的な発明をやってのけた。松下幸之助 は日本の将来を思い、その特許を少年から買い取って特許を公開し、SONYなど世界的な企業を輩出する礎をつくった。精工舎もそれに做ったのだ。

世界は日本人を理解できなかったが、それが強欲な米国人でなかったことを今更のように喜 んだ。もっとも当の米国はこういう日本の善意を予想できず、対応を誤って米時計工業会は全滅してしまった。今では精工舎を逆恨みしている。度し難い国だ。

ドイツのルドルフ・デイーゼルが高圧空気に燃料を吹き込むとガソリンエンジンより大きな馬力が得られることを見つけた。構造は簡単。燃費は格安とくる。ただエンジンには頑丈さが必要で、洋服ダンスどころか部屋いっぱいのスペースが必要だった。それでデイーゼルエンジンは大型船とか機関車とかのみに使われた。

山岡孫吉はそんなデイーゼルをもっと小さくすることを考え、昭和八年、ヤンマーデイーゼルを生んだ。小さなデイーゼルエンジンは以来、車にも耕耘機にも小さな漁船にも搭載された。

それがいかに世界に貢献したかは山岡のエンジンが本家ドイツの博物館に展示されていることでも分かる。

世界が日本の知恵を願っている。そして今、最も期待しているのが原子力発電炉だ。 最初、英国はコールダーホール型を出した。黒鉛ブロックを積み上げた炉は地震と火事に弱い。日本は導入して早々に廃炉にした。ロシアは技術のすべてを英国から盗んでいた。黒鉛炉も盗んで真似てつくったらチエルノブイリで火災を起こし、爆発した。

米国はGEとライバルのウエステイングハウスが沸騰水型と加圧水型を出した。日本が入れてみると両方とも材質も設計もだめだった。GE炉は万一のときのベントもなかった。

 不具合を直すにもまず米国の傲慢な特許が邪魔し、それを乗り越えると核アレルギーを煽る愚かな朝日新聞が待っていた。米国製ゆえの不具合が見つかるたびに騒ぎ、地元自治体が便乗 してカネをたかる。福島県はその脅しで二百億円を東電からせしめた。新聞拡張などのおこぼれにあずかった朝日はそれを「寄付」と書く。

だから最悪を想定する無人ロボットも導入できなかった。入れれば朝日が「人も立ち入れないほどの事故が起きるのか」と騒ぎ、自治体の恐喝が始まる。そんな中で日立も東芝も三菱も安全な国産原子炉を生み出した。

技術も知恵も敵わないことを悟ったGEもWHも原発部門は日本に預けた。日本ならやってくれると。

そういうとき3.11があった。朝日は喜び、京大のお荷物、小出裕章が国を滅ぼすデマを吹きまくり、アホなテレビ局はそれが刺激的だからというだけで反原発を支持してまともな原発論者を排した。

ズパリ辛口で本音を言うはずの辛坊治郎も勝谷誠彦も「原発はなくさねば」と前置きして喋らないと何も言えなくなった。彼らも迎合した。

そんな日本に安全な原発を期待してきた世界は戸惑う。スリーマイルもチェルノブィリも一基でぶっ飛んだ。日本は四基同時なのに見事にマネージした。

おまけにもとは欠陥の象徴GE製。まるで神業だ。日本はそれを誇ろうともせず逆に馬鹿な新聞や政治家が原発を潰せと喚き回る。

次世代のエネルギー政策は日本抜きでは考えられない。IAEAも含め世界は本気で民主党政権の言う愚かな脱原発論を怒っている。

P259~261

沖縄をアメリカに返してやったらいい

米国は先の戦争で沖緹だけは何人戦死しようと構わず取りにきた。ハワイ、グアムにつながる太平洋横断の戦略拠点にするつもりだったからだ。だからサンフランシスコ講和条約でも米領で残した。

しかし沖純の民は日本人のままだった。屋良朝苗は「日の丸を立てたい」と訴え、本土復帰前の昭和四十ニ年、米国は日の丸の掲揚を認めた。みんな日の丸に泣いた。

ケビン• メアは今の沖禅人が政府から好きに補助金をたかっていると指摘したが、米政府はその一万倍、あくどかった。

財政破綻中のニクソンには基地は必要でも百万沖縄人はいらなかった。で、佐藤栄作に施政 権を返す。その代わり基地の維持費用も人件費もみな日本が負担しろと強請った。

栄作はそれで屋良朝苗の思いが叶うならとOKした。日本以外の在外米軍基地はみな米国が 経費を負担する。常識外の取引だった。

かくて日本人の血税を注ぎ込んで沖縛が戻ってきたが、沖縄の人々はそれに感謝もせずに 「基地も出ていけ」と言い出した。 沖縄は戦争で取られた。取り返すにはもう一度米国と戦争せねばならない。 今は無理というと「俺たちは支那にくっつく手立てもある」と脅す。政府は宥めるために毎年三千七百億円の摑み金と基地の街に別途数百億円をばらまいている。

彼らはそれでも不満で、先の知事選ではたかりだけに生きる翁長雄志を選んだ。彼を黙らす 摑み金は今の財政では無理。再度の日米戦争はもっと無理だ。

でも、ただ1つだけ手段がある。沖縄の施政権を米国に返せばいい。そうすれば基地負担金もいらない。翁長は今後はホワイトハウスに抗議に行けばいい。再度の日米戦争も避けられる。

何より米国が持てば支那に沖縄が持っていかれる心配も消えるのではないか。

9/22ZAKZAK『戦時日本の徴用どころではない 中国・国防動員法の恐怖…「有事」認定で進出企業のヒト・モノ・カネを根こそぎ』について

前も中国の国防動員法の恐ろしさについて書きましたが、多くの日本人は「そんなことはないだろう」という考えと思われます。100年に1度の地震、50年に1度の大雨洪水が起きているのですからもっと、リスクには敏感になっていないと個人の生命はおろか、国の生命も失うことになりかねません。何せ中国人は日本人の想像を超えることを平気でします。日本国内にだけいると、その感覚がなかなか分からないのでしょう。

本記事にありますように有事の際には①日本国内に居る中国人②中国に居る日本人ともに問題になります。

2008Beijing-Nagano

①の場合、2008年北京オリンピック時、長野に中国人が集まり(勿論、中国共産党が動員をかけました)、大きな中国国旗を掲げ騒いだのは記憶に新しい所です。20008年の総理大臣はあの福田康夫です。それは中国も足元を見て好き勝手やってくるでしょう。今後国内にいる中国人には注意を怠らないようにしないと。神社に油を撒く在日帰化人くらいならその内天罰が下るでしょうけど、川に毒でも流されたのでは犠牲が多すぎます。日本に居る中国人は家族を大陸に於いてきていますので、両親等が人質になります。共産党の命令に背けば人質の運命はどうなるか容易に想像できます。

②については、中国内の日本人は監視対象になっています。決められた範囲の住居に住み、登録された電話番号しか使えません。盗聴は当り前です。中国が世界制覇の野心を明らかにした以上、今後ますます厳しくなっていくでしょう。罪をでっち上げ、拘留されるケースも出て来るでしょう。フジタ社員が尖閣問題で人質になったように。あの時も中国人社員が軍管轄地でわざと写真を取っています。こういう卑怯な手を使うのが中国と言うことは覚えておいた方が良い。

来年1月の台湾総統選で国民党候補が敗れそうなので(9/19中日新聞「直近の各種世論調査の支持率は洪、宋両氏が共に10%台に低迷する一方、蔡氏は40%超と大きく引き離している。」)、

台湾国民を不安に陥れようとしていると思います。習が訪米していますが、オバマも「選挙に介入し、または侵攻するのであれば、台湾関係法を発動する」くらい言わないと。日本も米国の後押しをしませんといけません。

記事

「中国政府がひとたび『有事だ』と判断すれば対中進出している日系企業も含めて、中国のあらゆる組織のヒト・カネ・モノの徴用が合法化され、戦時統制下におかれる懸念があることにもっと関心を払うべきだ」

 マレーシアを拠点に日系企業向けコンサルティング業務を手がけるエリス・アジア事務所の立花聡代表は厳しい表情で“警告”を続けた。

■有事になれば一方的に適用

 あまり知られていないが、2010年7月1日に中国が「国家の主権、統一と領土の完全性および安全を守るため」として施行した「国防動員法」の規定をさしている。全14章72条からなる同法について、立花氏は「(適用の)可能性は低いだろうが法律として存在する以上、(日本にとっても)不確定要素となる」と指摘した。「有事」の定義はややあいまいながら、仮に東シナ海や南シナ海などで偶発的な衝突が起きた場合、中国が有事と考えれば一方的に適用が可能だ。

 例えば第31条。「召集された予備役要員が所属する単位(役所や企業など)は兵役機関の予備役要員の召集業務の遂行に協力しなければならない」。予備役要員は中国国籍の男性18~60歳、女性18~55歳が対象。有事の際、戦地に送られるというよりは、兵站などの後方支援や中国の敵国に関する情報収集任務が与えられる可能性がある。

 日系企業の中国現地法人が雇用した中国人従業員が同法に基づいて予備役として徴用されて職場を離れた場合も、雇用側は給与支給など待遇を続ける義務が生じる。同時に、社内情報などがすべて軍当局に伝えられても阻止するすべはない。しかも中国国内だけではなく、日本など海外滞在中でも中国国籍保持者は「国防勤務を担う義務」がある。ヒトが大問題になる。

次に第63条。「金融、交通運輸、郵政、電信、報道出版、ラジオ、映画テレビ、情報ネットワーク、エネルギーや水資源の供給、医薬衛生、食品と食糧の供給、商業貿易などの業種に管制を敷く」とある。最悪の場合は日系企業の中国の銀行口座凍結や金融資産接収のほか、売掛金放棄も考えられる。ビジネスの基本であるカネが危ない。

■最悪の場合、口座凍結も

 そして第54条。「備蓄物資が国防動員の需要を延滞なく満たすことができなくなったときは民生用資源を徴用できる」。民生用資源は、企業など組織や個人が所有、または使用している社会生産、サービス、生活上の物資、施設などを幅広く含むとされる。自動車や電機など、現地工場の生産設備や物流のためのトラックなどのモノが根こそぎ徴用されても“合法”だ。

 立花氏は(1)国際電話やインターネットなど海外との通信手段の全面遮断(2)国内線や国際線など航空便の運航停止(3)中国に滞在中の日本人など外国人の預金引き出し禁止-などの措置が法的に可能になるとみて、対中進出する日系企業に厳格なリスク管理を訴えている。

 平和ボケ日本では一笑に付される恐れもあるが、「有事の際には日本人駐在員やその家族が“人質”になる危険性も排除できない」(立花氏)ことは確か。少なくとも経営者は最悪のシナリオを想定した事前対策が欠かせない。

 ただちに差し迫った危機があるとはいえなくとも、立花氏は「16年に有事リスクがある」とみる。16年1月には中国が自国領の一部と主張する台湾で総統選挙がある。対中融和策をとる現在の与党、中国国民党の候補が破れ、野党の民主進歩党が政権奪回した場合、中台関係の行方が気がかりだ。

■来年1月に有事が…

 事実、中国の北京軍区の部隊が7月、内モンゴル自治区の市街戦訓練場で、台北の台湾総統府に酷似した建物を攻撃する軍事演習を行い、台湾側を威嚇した。攻撃部隊は敵側首脳の排除を意味する「斬首行動」に成功したという。さらに来年11月の米大統領選で対中外交戦略をめぐる議論がどのような方向に向かうか。選挙結果によって緊張が高まる恐れも考えられる。

 中国は、集団的自衛権の限定的行使を容認する日本の安全保障関連法案の審議に、これまでも強く反発してきた。安倍晋三首相の「戦後70周年談話」の見極めに加え、習近平指導部は9月3日には抗日戦争勝利70年の軍事パレードなど一連の行事で抗日キャンペーンを強める。

 一方で、「国際社会から非難を浴び、経済的にも損失の大きいはずの『国防動員法』を中国がそう簡単に適用するはずがない」との反論も日本国内からはでそうだ。ただ、安全保障関連法案一つとっても遅々として進まぬ日本に対し、中国はすでにさまざまな法的措置を着々と進め、戦時体制に備えている現実がすぐそこに実際に存在していることは認識する必要がある。まずは中国に人員を派遣している日本企業から「発想の転換」をすべきではないか。(上海支局長 河崎真澄)

9/18日経『中国も「東大合格ロボ」開発 人工知能の競争激化(真相深層)』について

若干、日が立った記事ですが、東大の専門バカ教授とそれを持ち上げて書く日経記者の大局観のなさを強調したいので採り上げます。中国が今何をしているかは、偏向していると言われる新聞・TVでも報道されていて、見ていれば少なくとも分かりそうなもの。南シナ海や東シナ海で起きていることは知っているはずです。AIこそは軍事に応用できるもので、世界各国が最先端の地位を目指し激しい競争をしているのを知らないのでしょうか?小生の属する「士気の集い」で防衛研究所の先生と講演会終了後、懇親会で「これからの軍事兵器はレーザーとロボットが主流になるのでは」と聞きましたら「その通り。良く勉強していますね」と言われました。AIはロボットの性能向上に寄与します。

この教授は利敵行為をしているのに気が付かないのでしょうか?尖閣だけでなく沖縄まで中国領土と言って憚らない中国になんで軍事的なメリットを与えようとするのか。国の予算が少ないからと言って、敵国の金を使い、敵国に便宜を与えようとするのであればスパイと変わらない。民生用であって自国に利益を齎すのであれば、敵国と雖も仕方がない部分はあると思いますが。ただ、それでも敵国のGDPを増やせばその分軍拡に予算が使われるので基本的に反対です。

それもこれも、戦後GHQの陰湿な国の教育への介入で、愛国心や軍事への関心を消し去ったことに起因するのではと思っています。東大教授ですから学力レベルは高いのですが、国家観、歴史観を持たない根なし草のようなものです。日本のエリートと言われるレベルがこの程度ですから。今回の安保法案に反対した憲法学者、元法制局長官、元最高裁判事等も同根です。権威と言われる人は疑った方が良い。憲法なんて国民の生命・財産を守るための手段であって、今それが危殆に瀕しているので、従来の解釈を変えただけです。国民の生命>憲法ではないですか。「憲法守って国滅ぶ」では困ります。念仏平和主義こそ国を滅ぼすもとと思っています。

記事

人間の知能の働きをコンピューターで実現する人工知能(AI)の開発競争が激化してきた。東大合格をめざす日本のAI開発計画にならい、中国も「難関大合格ロボ」の開発に乗り出したことが分かった。先行する米国、追い上げる中国のはざまで日本は大丈夫か。

中国のAIベンチャー、アイフライテックのホームページ

China AI venture

 AI研究を手掛ける国立情報学研究所(NII)の新井紀子教授に5月末、アイフライテックという中国企業から電子メールが届いた。

 「中国は国家プロジェクトとして、大学入試に合格できるAIの開発に乗り出します。資金は3年で30億円。東大合格をめざし新井教授らが研究するAI『東ロボくん』に注目してきました。協力関係を築きませんか」。そんな趣旨だった。

 中国ではネット検索大手、百度(バイドゥ)のAI研究などが知られるが、国の技術水準を上げようと新たに目をつけたのが大学入試だ。AIベンチャーのアイフライを中心に有力大学が協力し、中国の上位20大学への合格を狙うという。

 東ロボくんは2011年に開発が始まり、100人を超す研究者がいる。東大合格はまだ無理だが、大学入試センター試験の模試では、8割の私大で合格可能性が80%以上になった。ビジネスに応用する期待も高い。

国立情報学研究所教授の新井紀子(あらい・のりこ)氏=2013年11月26日。

Noriko Arai

 ただ、NIIから出る予算は年間で数千万円と中国に比べて少ない。新井教授は研究が進むならと前向きにとらえ、日中連携を決めた。7月に自ら訪中して講演し、11月にも中国から研究者が来日する。情報共有など交流を深める考えだ。

 AIはロボットや自動運転などに欠かせず、産業や軍事にかかわる。中国が技術の吸収に貪欲になるのも無理はない。先行するのは米国だ。

 「得意な科目は何?」。無料通話アプリのLINEでメッセージを送ると、すぐ返事がきた。「体育っす」。会話の相手は女子高生をイメージしたAI「りんな」。企業が販促や顧客対応に使う想定で、米マイクロソフトが開発したものだ。

 米グーグル、アップルもスマートフォンのデジタル秘書機能などAIの開発を進める。特許庁によれば、主要国でのAI特許出願のうち米国籍は全体の5割近い。まさにAI大国アメリカだ。

 AI熱の高まりは日本も負けていない。政府は「日本再興戦略」で、AIやビッグデータなどを活用して国の競争力を引き上げる必要性を唱えた。ただ着実に成果を上げるには、ブームに踊らされない周到さがいる。まずは縦割りを排除し、無駄のない研究体制を築くことだ。

 経済産業省系の産業技術総合研究所は5月、人工知能研究センターを新設した。トップは自然言語処理の第一人者で、北京のマイクロソフト研究所にいた辻井潤一氏。AI研究の最先端を知る大物を迎え、日本の中核拠点にとの意気込みでスタートを切った。

 かと思うと8月に入り、16年度予算の概算要求で、文部科学省もAI研究の計画を打ち出した。100億円を投じ、研究施設を整備するという。両省連携の動きもあるが、人材や資金が分散して研究が非効率にならないような十分な工夫が欠かせない。「民間を含めてオールジャパンで取り組まなければ世界と戦えない」と慶応大学の山口高平教授は訴える。

 プリファード・ネットワークス(東京・文京)は、ロボットや自動車がそれぞれ協調し合い、故障や事故のない未来をめざすAIベンチャーだ。西川徹社長は「知能だけ進化しても、精密に制御できる機械がなければ限界がある」と考え、ファナックやパナソニック、トヨタ自動車と手を結んだ。AIと日本が強い製造業。その掛け合わせが武器になるとの発想だ。

 NIIの新井教授は「日本企業は、それほど巨大ではないが整理された販売などのデータを多く抱える。深く使い尽くせば生産性を高められる」と指摘する。

 時に中国のようなライバルとも手を組み、日本ならではの生かし方を探る。機械に知性をふき込むAI研究、まずは人間の知恵が試される。(編集委員 村山恵一)

9/18日経ビジネスオンライン 石黒千賀子『第2回 中国は2049年の覇権国を目指す 「中国には100年に及ぶ国家戦略がある」。『China 2049』のM・ピルズベリー氏に聞く』について

米中国交正常化は中国側からの働きかけだったという事実は、如何に中国はソ連を脅威に思っていたかという事です。キッシンジャーに金、女、「歴史に名を残す」という名誉とか死に物狂いでいろいろ持ち掛けたのではないかと思います。アメリカもアホというか中国が考えた通り、共産国家の両国同士で戦わせれば、漁夫の利が得られたでしょうに。調べましたら英語で“fish in troubled waters”と言うそうで、英語圏も同じ発想をするという事です。両国が疲弊すれば、第二次大戦で失った中国大陸が共産主義でなくなった可能性もあったのに。中国の外交が一枚上手だったという事でしょう。キッシンジャーはこれで中国人に騙された恥ずべき政治家の烙印を押されることでしょう。

中国人は戦闘では弱いので奸智を働かす詐術が得意です。賢いと言えば賢いです。それと歴史から学ぶ姿勢が全然違います。小・中・高校で、捏造であっても教科書を使って因果関係(勿論捏造が大部分ですが)やどのように対処すれば良かったかを考えさせます。年号の暗記に終わっている日本の歴史教育と違います。やはり、現代史からきちっと教えていかないと。日教組のイデオロギーに染まった教育では困りますが。

韜光養晦(tao1 guang1 yang3 hui3)が何故「有所作為(you3 suo3 zuo4 wei2)」に変わったのか、ここが一番知りたいところです。まだ続きますので、その内明かされると思いますが。小生は前にもブログに書きましたが、習近平が実権(特に軍権)を握るために、威勢の良いことを言う必要があったのではと思っています。でもそれが中華帝国の終わりの始まりという事に気付いていません。米国は戦術レベルで飴を与えれば動かせると思っているかもしれませんが、米国も懐疑派が増えています。それはそうでしょう。米国の国益を毀損することをしていますので。その内、軍部が暴走して習のコントロールが効かなくなり、習の暗殺or暴発する恐れがあります。戦前の日本は議会制民主主義であったにも拘わらず、(ドイツもそうでした)、軍の暴走で大日本帝国を解体してしまいました。独裁・専制国家である中共ではもっと簡単に暴走する気がします。

日本も安保法案が時間をかけ、やっと通りましたが9/21日経記事の世論調査では「安倍内閣の支持率40%(前回より6%ダウン)、安保関連法案成立「評価せず」が54%で「評価する」が31%(「評価する」の内訳は男性が41%、女性が23%)、集団的自衛権の行使に「賛成」が28%で「反対」が53%とのこと。如何にマスコミが捻じ曲げて報道しているかです。中国と言う「今そこにある危機」にどう立ち向かうかを国民に考えさせないといけないのに、中韓の手先となって動いています。国民もマスメデイアは左翼のアジビラ程度と思えば良いのにそれができていません。ロケット弾が落ちない限り気が付かないのかも。女性の支持が少ないのはTVの影響と思います。国民は物心両面で自衛隊を応援していかないと。米国では軍人が一番尊敬されると聞きました。それは当然です。命を賭けて国を守るのですから。

記事

 鄧小平が、天安門事件で西側諸国による制裁を受けて出した外交方針「韜光養晦(とうようこうかい)」は、これまで「中国は、経済発展を最優先するので、海外との摩擦は最小限に抑え平和を求める」方針だと理解されてきた。

 しかし、マイケル・ピルズベリー氏は、「それは誤った解釈」で、「韜光養晦の本質は『野心を隠す』」で、これこそ中国の長期的な野望を象徴していると語る。中国共産党には、中華人民共和国を設立した時から「再び世界の覇権国としての地位を奪還する」という目標があり、その実現のために100年に及ぶ戦略を実行していると、近著『China 2049』で指摘した。

 第1回でピルズベリー氏は、米中国交正常化への動きも、従来から信じられてきたようにニクソン大統領とキッシンジャー国家安全保障担当大統領補佐官(当時)が中国に働きかけて実現したのではなく、実は中国からの熱心な働きかけにより実現した事実を明らかにした。背景には、1969年以降の中国の深い戦略と意図があったという。

 第2回は、その戦略と意図の具体的な中身を聞いた。

 また、記事の末尾にピルズベリー氏へのインタビューを一部収録した動画を掲載した。併せてご覧ください。

(聞き手 石黒千賀子)

マイケル・ピルズベリー(Michael Pillsbury)氏

1945年米カリフォルニア生まれ。米スタンフォード大学卒業(専攻は歴史学)後、米コロンビア大学にて博士課程を修了。1969~70年国連本部勤務を経て、73~77年ランド研究所社会科学部門アナリスト、78年ハーバード大学科学・国際問題センターのリサーチフェロー、81年国務省軍備管理軍縮庁のディレクター代行、84年国防総省政策企画局長補佐、86~90年議会上院アフガン問題タスクフォース・コーディネーター、92~93年国防総省総合評価局特別補佐官、98~2000年国防総省特別公務員(米国国防科学委員会)、1997~2000年米国防大学客員研究フェロー、2001~2003国防総省政策諮問グループメンバー、2003~2004年米中経済・安全保障検討委員会シニア調査アドバイザー、2004年以降、現在も国防総省顧問を続けながら、ハドソン研究所中国戦略センター所長を務める。米外交問題評議会と米シンクタンクの国際戦略研究所(CSIS)のメンバーでもある。米ワシントン在住。 著書に『Chinese Views of Future Warfare』『China Debates the Future Security Environment』などがある。

—前回おっしゃった中国が1969年以降、一貫して追求している戦略とは、一体どういうものなのでしょうか。

ピルズベリー氏:一言で言うと、「中華人民共和国建国100周年に当たる2049年までに、再び世界の覇権国となるべく、自分たちの実力を常に実力より低く見せて注意深く動く」――ということです。これが中国の戦略では、常に大きな部分を占めています。

 中国では1969年5月、4人のトップクラスの将官が集まり、夏にかけて20回以上会合を重ねました。彼らは、そこで中国が進むべき道について議論し、それを戦略としてまとめ、毛沢東にメモを提出しています。

米国は『戦う二虎(中ソ)を山頂から眺めている』と見た中国

 この時、作成されたメモを中国は今でも機密扱いにしているので、その存在はほとんど知られていません。しかし、会合には4人の将官のほかに、当時、外務大臣を務めていた将官と書記係として熊向暉(ゆう・こうき Xiong Xianghui)という若い人物も参加していました。熊向暉は後に中国の有名なスパイとして知られた人物です。その彼が1999年に回顧録「我的情報与外交生涯」を発表しました。

 熊向暉は2005年に死去しましたが、その回顧録の改訂版がその翌年に出ています。改訂版は、1969年に行われた4人の将官を中心とした多くの会合について触れているものの、その内容について少ししか明らかにしていません。しかし、それでも最終的に毛沢東に提出した報告書の中から最高機密に該当する、ある1ページの内容を明らかにしています。

 それを読むと中国がどのように考えて、米国接近を図ることにしたのか、彼らの考え方がよく分かります。会合ではこんな会話が交わされたそうです。

 まずある将官が、「今の時代(1969年当時のこと)は、2500年前の春秋戦国時代、あるいは200年頃の三国志の時代に似ている。私たちはこうした過去の時代から重要な教訓を引き出して、学ぶ必要がある。ソ連と中国に対する米国の今の戦略は、まさに『戦う二虎を山頂から眺める』である。この事態をよく考える必要がある」と。

 当時、中国はソ連軍から脅威を受けていることに加えて、経済成長が1963~64年以降、停滞していました。この将官は、「米国は、共産主義の一国がもう一国をむさぼり食うのを待っている」と戦国時代から伝わることわざで表現したといいます。また、別の将官は有名な「赤壁の戦い」を引き合いに出して、「北の魏に対抗するために東の呉と組む」という諸葛亮の戦略に学ぶところがある、と主張し、ソ連からの攻撃に備えて、米国というカードを使うかどうかを議論した。その結果、米国をまず見方につけることを外交・軍事戦略の基本方針としたというのです。

「新興国は覇権国に潰される運命にある」

――戦国時代の教えに従って、米ソ対立を利用して、米国を中国の味方につけることが米中国交正常化の狙いだった…

ピルズベリー:そうです。ご存じのように春秋戦国時代とは、500年にわたって政治闘争が続き、中国が形成された重要な時代です。後半の250年(戦国時代)は、争っていた7つの国が、秦王朝の下に統一されて終わる。その間、各国あるいは諸侯の間では権力政治や陰謀、策略が渦巻き続けた過酷な時代です。

 この時代から中国が引き出した主な教訓、戦略は九つありますが、一番重要なのが覇権を握っている国に対して「自分の野心を決して見せないこと」です。

 どういう考え方か説明しましょう――。小さな国と既存の大きな覇権国があったとします。覇権国は当然、金も資金も技術も抱えている。春秋戦国時代にあったように、もし覇権国が、台頭し始めた新興国を見て「野心あり」と疑い始めたら、その新興国を必ず潰しにかかります。新興国というのは覇権国に潰される運命にある――。中国の将官たちはこう考えています。

 私は、熊向暉の回顧録を読んだだけでなく、中国の将校によって書かれた戦略に関する本をこれまで何冊も翻訳してきたので、彼らが春秋戦国時代から多くを学んでいることを知っています。

 彼らは、スペインやオランダ、フランス、イギリスといったかつて覇権を握っていた西欧諸国も研究し、その歴史からも学んでいます。「小さな国に過ぎなかったオランダがどうやって台頭し、あれだけの世界的な力を持ったのか」「スペインはそのオランダをどうやって負かしたのか」「そのスペインは英国にどうやって打ち負かされたのか」、そして「英国はいかにして米国に覇権の座を奪われたのか」――。こうした覇権国の変遷を徹底的に研究しています。

 将官たちは、西欧諸国の興亡の歴史と春秋戦国時代や三国志の時代から導き出す教訓は同じだ、と言います。つまり、こういうことです。

 まず、国力をつけるために資金と技術、科学、そして政治的な支援をその時代の覇権国(今の時代では米国)から取り付けることが重要だ。ただし、それを実行するには細心の注意深さが求められる。間違っても覇権国を敵に回してはいけない。敵に回せば、覇権国は台頭しようとする新興国を必ず抑えつけにくるに違いないからだ――と。

「韜光養晦」は中国の戦略を象徴する言葉

—中国政府は、というか中国共産党はここまで研究した上で、米国に接近するという方向に舵を切ったということですね。

ピルズベリー:そうです。1969年の中国の将官たちによる会合に話を戻しましょう。熊向暉氏の回顧録は、当時、米国と中国の間でポーランドのワルシャワにて行われていた会談*1にも触れています。外相を務めていた将官がこう語ったと書かれています。「中国は55年から米国とワルシャワで会談を重ねているが、その交渉はどこにも着地しそうにない。格の低い大使2人がワルシャワで会って話をしていても、何の進展も望めない」と。

*1 米国は中華人民共和国が誕生してから20年間ワルシャワで細々と大使級会談を行っていた。何度も中断したが、それでも当時としては米中間の唯一のチャンネルだった

 そしてこの外相兼将官も毛沢東へのメモを書いた。「米国から大臣級の人物を中国に来させればいい。そうすれば交渉の成果が期待できる」と。

—だから第1回で指摘されたように、米国はオスロやカブールの大使館を通じて何とか米国と関係を築こうとした。そして、2年を経てその努力が実り、1970年7月と10月のキッシンジャー大統領補佐官の訪中へとつながっていった…

ピルズベリー:はい。しかし、先ほど話したように中国が米国に接近するに当たって最も重視したのが、「自分たちの野心は決して見せない」という過去からの教訓です。注意深く動かなければ、米国は自分たちの野望に気づき、中国を崩壊の道を進ませようとするに違いない、と見ていました。

—鄧小平が中国の外交方針として口にした言葉「韜光養晦(とうようこうかい)=能力を隠して、力を蓄える」は、日本でもよく知られています。しかし、ピルズベリーさんの本を読み、その解釈を日本は間違えてきたのではないかと感じます。

 日本では、韜光養晦は「中国は鄧小平の描く改革開放の発展戦略のことで精一杯なので、今はあえて“能力を隠して、力を蓄え”、他国との平和的な関係を維持し、外資の導入や輸出の拡大を目指す」、つまり、「他国との摩擦を避け、経済建設に専念する」という方針を表す言葉だと理解されてきました。

ピルズベリー:鄧のその言葉「tao guang yang hui」は有名です。まさに私が説明してきた中国の戦略を象徴する言葉と言えるでしょう。英語でもいろんな形で訳されています*2。

*2 ”keep a low profile and bide your time, while also getting something accomplished.”“hide your ambitions and build your capability”など。

 鄧は当時、中国がソ連の経済モデルをまねたのは誤りで、中国はその代償を払っていると見ていました。だから米国を相手に同じ失敗を繰り返すわけにはいかない、と考えていました。覇権国に追いつき、追い越すには、まず米国から知識とスキルを得るしかない。トップを満足げに走る米国からエネルギーをこっそり抜き取り、それによって遅れを取り戻して「マラソン」に勝とうと考えていたということです

鄧小平は米国から支援を取り付けるのに最も成功した人物

 鄧小平は、米国から強力な支援を取り付けることに最も成功した共産党指導者と言えます。後で詳しく説明しますが、1983年、当時の世界銀行トップから「どうすれば中国が経済的に米国に追いつけるか」を助言してもらう約束を取り付けたのも鄧でした。

 ちなみに私は今、「マラソン」という言葉を使いました。私の本の英語タイトルも直訳すれば「100年マラソン」です。実は、1969年の将官による会合で出された基本戦略は、もっと前から存在していたことを私は後に知りました。中国の戦略は「いわば中国にとって100年マラソンなのだ」と表現した中国の軍人がいたのです。

—毛沢東ではない?

ピルズベリー:毛沢東も「アメリカを超えたい」と発言していた事実はあります。彼が最初にそう言ったのは1955年に開かれたある極秘の会議において、とされています。その時に毛沢東は「実現するには75年くらいかかるだろう」と言ったそうです。単純計算すれば、2030年に中国は米国に追いつく、ということになります。しかし、中国で毛沢東のこの発言が公にされたことはないようです。

—では、「100年マラソン」と呼んだ中国の軍人とは誰なのでしょうか。

ピルズベリー:2010年に中国で出版された『中国の夢』という本を書いた人民解放軍の大佐、劉明福(Liu Mingfu)という軍人です。人民解放軍国防大学の学者で、将官を育てる立場にある人です。私はこの本で初めて「100年マラソン」という記述を初めて目にしました。

 劉は、「毛沢東が1955年に求めたことを実現するには、100年にわたってマラソンすることが必要だ」と記しています。そして、どうすれば中国は米国に追いつき、追い越し、世界の最強国になれるかを書いています。

毛沢東が死ぬまで繰り返し読んだ『資治通鑑』

—しかし、1955年から100年というと2049年ではなく2055年となります…

ピルズベリー:2049年というのは中華人民共和国建国から100周年に当たる年です。毛沢東が米国を追い越したいと発言したのは1955年ですが、彼がそうした思いを持っていたのは建国前に遡ります。つまり、米国を抜き、再び世界の覇権国となることは毛沢東、中国共産党にとっては建国前からの悲願だったということです。

 1930年代に国民党に敗れた紅軍(中国共産党)が行った有名な長征*3の間、毛沢東は本を1冊だけ携えていました。それは西洋に並ぶものはない、歴史を教訓とする国政の指南書『資治通鑑』(しじつがん)という本です。核となるのは戦国時代の兵法で、紀元前4000年にまで遡る逸話や格言が収められています。

*3 1934年10月~36年10月に中国共産党の紅軍が国民党の攻勢を受け、江西省瑞金から陜西省北部へ交戦しながら徒歩で約1万2500kmを移動したことをいう。苦難に満ちた大移動だったが、その途上で毛沢東は主導権を確立し、37年以降、延安が臨時政府の首都となった。

 私は、米国の中国専門家が犯した最大の間違いの一つは、この『資治通鑑』を軽んじたことだと考えています。92年になって初めて、私たちはこの本が毛沢東の愛読書だったことを知りました。米紙「ニューヨーク・タイムズ」の記者だったハリソン・ソールズベリー氏(93年5月死去)が、毛沢東は35年当時だけでなく、76年に亡くなるまで、この本を繰り返し読んでいたと著書で書いています*4。鄧小平もこの本を熟読していたというし、ほかの指導者も読んでいる。

*4 『The New Emperors: China in the Era of Mao and Deng』(New York: Harper Perennial, 1993)。この本の中でソールズベリー氏(93年5月死去)は、毛沢東の元秘書で伝記作家の李鋭へのインタビューでこの事実を知ったと記しているという。

—『資治通鑑』は中国では戦略を扱った書物としては有名なんですね

ピルズベリー:中国の高校生は、この本から抜粋した文章を書き写して学ぶそうです。

 今年6月下旬、私は中国に行ってかなりの数の将官に会いました。その中には何年も前からの知己もいます。私の今回の本を既に読んでいた中国の軍人たちは、「100年マラソンはあと34年残っている。しかし、2049年に行うパレードについてもう考えているんだ」という。多分、冗談でしょうが、続けて「(パレードは)2049年10月1日だ。おまえも来たいか」と聞いてくる。私は「もちろん是非行きたいが、生きていたとしても私は104歳だ」と答えました。すると彼らは「心配ない。中国には100歳以上の人は沢山いるから大丈夫だ」と言う。彼らは版権も取らないで、ちゃっかり私の本を既に中国語に翻訳して読んでいました…(笑)。

習政権誕生後、国家の推薦図書となった『中国の夢』

—しかし、中国は鄧小平の時代とは異なり、最近は「自分たちを実力以下に見せる」とか「台頭の意図を隠す」ことをしなくなっているように感じます。特に2013年、習近平政権が誕生してからは、その姿勢が顕著に思えます。トップの座が見えてきたから、もはや隠す必要がなくなったということでしょうか。

ピルズベリー:習近平氏は2012年11月に中国共産党書記長に就任してすぐ、それまで中国が隠してきた野望を認めました。最初のスピーチで、かつて中国の指導者が公式の演説で述べたことのない「強中国夢(qiang zhongguo meng)」という言葉を口にしたのです。

 これは驚くべき発言でした。中国の指導者は、西側の政治家とは異なり、公式の場での発言に細心の注意を払います。特に「夢」「希望」といった言葉は避けます。しかし、習氏は以来、スピーチで何度となく「強中国夢」という言葉を使っています。米「ウォールストリート・ジャーナル」の記事によると、習氏は2049年をその夢が実現する年としています。

 そして、この「ウォールストリート・ジャーナル」の記事によれば、2013年には先に述べた『中国の夢』という本が、中国政府の統制下にあるすべての書店で「推薦図書」の棚に飾られたそうです。

—昨春、英「フィナンシャル・タイムズ」が報道していましたが、国際通貨基金(IMF)によれば、購買力平価で中国のGDP(国内総生産)を試算すると、2014末には米国のそれを上回ることになるとのことでした。つまり、経済面では既に中国は米国を抜きつつあるとも言えます。

ピルズベリー:米国はこのマラソン競走で中国に抜かれつつあるのかもしれません。まさにこの100年マラソンの戦略が最も力を発揮したのが、経済分野です。経済分野における中国の戦略について次に話しましょう。

(第3回に続く)

9/19「防人と歩む会」主催の“横須賀軍港巡りと戦艦三笠見学”について

小生が属します「防人と歩む会」が主催しました“横須賀軍港巡りと戦艦三笠見学”に事務局として参加しました。葛城奈海会長、山口事務局長も参加。平間洋一先生からいろいろ教えて戴きました。

詳しくは下のyoutubeで。

これをyoutubeに上げるのに時間を食いました。たまにしかしませんので。まずデジカメで撮った写真を縮小(小容量に転換)、ムービーメーカーでムービーに変換、(ここで音入れ、「海ゆかば」のVIDEOからMP3ファイル転換がうまく行かず、直接MP3ファイルを探すのに時間がかかりました。ここで、youtube向けのファイル(MP4)に変換しました。

 

https://youtu.be/gxOjEjb_q7c