9/17渡部亮次郎 Andy Chang『連戦と陳雲林処罰の噂』について

台湾は日本と共にABCD相手に戦いました。今の中華民国は中国大陸の亡命政権です。同じ漢民族だから賄賂・利権は当り前です。それは習・王岐山と雖もやっています。こんなのは中国人だったら誰でも分かっていますし、外省人だって分かっているでしょう。

民進党にも配っていたというので根は深い。親中を標榜している台湾の政治家は金を貰っているかハニーにかかっているかです。日本と同じでしょう。民進党の陳水扁も収賄で捕まったのは国民党の政治的報復と思っていましたが、分からない部分もありますね。でも中国人の馬英九だってやってないはずがありません。大陸同様、腐敗は政敵を倒すための名目・看板です。陳雲林が処分され、連戦にも累が及んだ方が台湾にとって良いのでは。来年1月16日の大統領選と立法委員選挙で民進党は有利になるでしょう。

小生が中国駐在時代、台湾出身のカメラマンと飲んだ時に、「今、中国の女子大生4,5人を囲っている。アナタにも紹介しようか?」と聞かれたので、断った経験があります。2000年くらいのときですからまだ中国の経済が大きくないときです。2001年のWTO加盟から中国の経済発展が始まったと考えて良い。台湾の経済人はどんどん大陸に出て行き、いい思いもしたのでしょうけど、結局は台湾を大きく脅かす存在としてしまいました。日米と同じです。今後は撤退、「非中三原則」で行かないと。

記事

連戦が国民党の大反対を無視して9月3日に中国の軍事パレードに参加したあと、台湾では連戦を処罰しろと言う声が高い。連戦の処罰については、国民党は賛否両論、民間では元副総統の呂秀蓮と民間の百人余りが外患罪で告訴したと言う。

台湾のテレビ対談では台湾側の連戦批判の外に中国側では習近平が国台辦(国務院台湾事務辦公室)主任陳雲林(1997-2008年)を処分するという噂が出てきた。国務院台湾事務所がこの20年来やってきた台湾統一はすべて間違いだったと習近平は発見した。

陳雲林の報告は間違った報告が多く、去年の選挙は完全に間違った報告をした。陳雲林は中台貿易の元締めだったので、中国内と台湾内の双方にひどい利権汚職があったのがわかって習近平は激怒したと言う。

  • 国民党は中共の抗戦記念に大反対

国民党は「抗日勝利70周年記念活動」に反対で、馬英九総統は連戦に不参加を勧告したが連戦は無視して参加した。なぜ国民党は中共の抗戦記念に反対なのか、連戦はなぜ反対を押し切ってパレードに参加したのか。いろいろな議論や憶測が飛び交っている。

中国共産党は日本軍と戦った事実はない。日本と戦ったのは蒋介石の国民党軍で、しかも重慶に逼塞して米軍の援助で体面を保っていただけだ。

戦争が終わってから国民党は共産党との闘争に負けて台湾に逃亡した。大東亜戦争は1945年に収束したが中共が建国したのは1949年である。共産党が日本軍と抗戦した事実はない。中国の抗戦勝利70周年とは国民党の手柄を横取りする大嘘である。

国民党にとって統一とは中華人民共和国と中華民国の統一である。中国は中華民国を国と認めないから統一とは国民党の降参であり、中華民国の滅亡である。だから国民党は戦勝記念に参加を拒否する。

もしも国民党の幹部が中共のパレードに参加したら抗日の手柄を横取りされるだけでなく、中華民国が中国に併呑されたことになる。

中国の勝利パレードに参加しない理由とは中華民国の存亡問題なのである。

国民党は台湾に逃亡したが台湾は中国の領土ではない。台湾で中華民国を国と自称する理由がない。だから馬英九は「台湾は日本と抗戦した」と嘘をついた。

しかし台湾人が馬英九の嘘に大反対し、李登輝は日本の雑誌に終戦以前の台湾は日本の領土で台湾人は日本軍として中国と戦ったと述べた。国民党では李登輝が中華民国に叛いたと言い張って李登輝の総統年金を取り上げると言い出した。中共も国民党もみんな嘘つき、中国人は歴史の改竄を平気でやる、中国人の「正しい歴史主張」は嘘の塊である。

  • 漢民族の歴史捏造は「歴代中華帝国」

中国人の歴史捏造とは次のようなものである。中国人にとって抗日勝利とは中国が日本と戦って勝利した歴史である。中国は漢民族の国であり、日本との戦争は勝利で終わった。そして中華民国も滅んだ。これが歴代中国の歴史であると言うのだ。

中国二千年の歴史の観点から見ると、歴代の中国とは漢民族の作った国々である。蒋介石の中華民国が日本と戦った、そのあと中華民国は毛沢東に滅ぼされ、現在の中国は中華人民共和国である。

この理論によれば共産党が日本と戦ったのでなくても中国が日本に勝って、中華民国が滅んで、共産党が中華人民共和国を建国したと言う歴史過程が成り立つ。これが漢民族の歴代中華帝国の歴史だと言うのである。

  • 連戦の戦勝記念参加

国民党の大反対と台湾人の反中国にも拘らず連戦はなぜ中国の戦勝記念に参加したのか。一説では連戦は既に国民党内の影響力を失い、習近平の庇護を必要とするから、習近平が参加を命じればどうしても行かなければならないと言う。

別の説によると、連戦は陳雲林の台湾工作の接点であり、陳雲林が台湾工作を始めてから陳雲林は台湾での経済金融の利権を取得し、連戦と彼の部下は中国における経済金融の利権を取得した。だから戦勝記念に呼ばれたら利権を守るため参加せざるを得ないという。

中国側の台湾交流事務主任が陳雲林で、台湾側は連戦と彼の部下、海基会(海峡交流基金会)董事長だった江丙坤(2008-2012年)など数人の名前が挙げられている。中国は台湾側の人物を処罰できないが、陳雲林が「雙規」に逢えば台湾側も大変だと言う。

消息筋によると江丙坤の息子・江俊徳は中国で??金属公司を立ち上げ台湾向けの金属輸入を扱う。連戦は上海医院の設立と経営、徐立徳は環宇投資公司の設置などで中国における大きな利権を得たという。

  • 陳雲林と連戦の金融利権

もっと大きな利権は金融業の発展に関する利権である。陳雲林の台湾における銀行業、台湾で人民元の貯金や為替業務を許可し、人民元の使用を認め、人民元名義の預金で台湾の銀行界より高い利息を約束して台湾の金を吸収した「金融侵略」である。これの見返りとして連戦と徐立徳は中国の各省県市で銀行業を行う利権を獲得したと言う。ところが中国の人民元の暴落で台湾でも中国でも大きな損失が出てしまったのだ。連戦が慌てて習近平と会談した理由はこれと言う。

この他に習近平が陳雲林に激怒した理由とは、台湾統一工作で国民党だけでなく民進党の幹部たちを買収し、メディアの主要人物も中国に制御された。だが政党とメディアの工作に成功しても民間の反感が高まった挙句、ヒマワリ学生運動や去年11月の選挙では民意に反した情報を中国中央部に流し続けた。たとえば連戦の息子連勝文、台中市長胡志強、呉伯雄の息子呉志揚などは当選確実と報告していたのにみんな落選した。習近平は激怒して間違った情報を流し続けた陳雲林、20年来の台湾工作がすべて失敗だった責任で彼を処分すると言うのである。

また別の説によると、習近平は既に薄熙來、徐才厚、周永康、令計画の処分を終え、次は台湾統一に失敗した陳雲林を汚職の罪で処罰すると言う。陳雲林が処罰されれば台湾側でも連戦一味も危ないと言う。今後の成り行きを見守っていきたい。