中西輝政京大名誉教授の書いたものに『国民の文明史』がありますが、その中で「日本の歴史を貫くのは瞬発適応(危機に際し、それまで愚図愚図していたのを一気に打ち払い、敢然と立ち向かう)と換骨奪胎(外国文化を受容するが自家薬籠中のものに変えてしまう。)の超システムである」と主張していたと思います。日本の歴史、伝統、文化を大切に考える学者で、曲学阿世の徒と吉田茂に非難された南原繁東大総長(サンフランシスコ講和条約全面講和を主張、そうなれば戦後ソ連の影響力が出てきて今の日本とは違った形になったでしょう)辺りとはレベルが違います。先を読む力、現実的に物事を見る力の差だと思います。
さて、伊勢雅臣氏ブログの中で関心を持った部分を紹介します。如何にマスメデイアは意図的に歪曲した報道をしているかを知って戴き、自分の直観力を磨くように役立てて戴ければと思います。
■6.米軍の刑法犯は国内平均の半分以下
近年、中国が太平洋に覇権を伸ばそうとするにしたがって、沖縄の米軍基地に関する政治的ウソがさかんに流されるようになってきた。沖縄の米軍基地こそが、中国の太平洋侵出にとっての最大の障害だからである。 たとえば、沖縄には在日米軍基地・施設の約75%が集中していると言われると、ほとんどの日本人は驚いて、いかに沖縄県民が米軍基地の「過重な負担」を堪え忍んでいるか、と思ってしまう。 しかし、この75%とは米軍が単独で使用している基地だけの話で、自衛隊と米軍が共同使用している三沢、厚木などの基地を加えると約25%というのが実態である。[2] また、沖縄で数年に一度、米兵による強姦事件などが起きると、マスコミが大騒ぎするが、千人あたりの刑法犯検挙人数で見ると、
-沖縄の米軍 1.4人
-沖縄県民 3.0人
-来日中国人 15.7人(登録者・永住者+短期旅行者/日数)
-来日韓国・朝鮮人 19.4人 (同)
となっている[3]。外国人犯罪について騒ぐなら、10倍以上の刑法犯を出している近隣諸国からの在留者、旅行者こそ問題にしなければならないはずだ。
さらに最近は米軍の新型輸送機オスプレイの危険性がマスコミで騒がれているが、これもデータを見れば、そのウソが分かる。オスプレイは2007年に実戦配備されてからの事故率は10万時間あたり1.93回で、いま使われているヘリコプターCH-53Dの4.15の半分以下である。沖縄県民の安全を本当に心配するなら、一刻も早くオスプレイ配備を願わなければならない。 現在のヘリコプターCH-53Dでは尖閣諸島には届かないが、オスプレイなら1時間で着ける。オスプレイの「危険性」を本当に心配しているのは中国軍の方であろう。[4]
政治的なウソが、センセーショナルな犯罪報道や、巧みに作られた数字によって流されることがある、と知れば、ちょっと待てよと、素朴な感覚を働かせるチャンスが出てくる。
特に最近は、[2]や[3]のように、大手マスコミの報道する政治的ウソをデータで客観的に暴くインターネット・サイトも増えてきているのは、歓迎すべき傾向である。こういうサイトを見聞する事で、データを通じて、我々の素朴な感覚を磨くことができる。