『中国卓球女子代表監督、カジノ賭博で職務停止 孔子の子孫で世界三冠、平野美宇への借りは返したが…』(6/9日経ビジネスオンライン 北村豊)について

6/9facebook 『大紀元』より中国の教育の問題点を論述した記事がありました。中国は教育以外にもというか、総ての面で共産党の下位に属さないといけないシステムであり、それが中国国民を不幸にしている面が大いにあります。芸術も司法も、です。自由な思考を妨げる国に未来があるとは思えません。それを唯々諾々受け入れている国民も真剣に考えるべきと思います。他国のことですが、侵略の野心を持っていますので、少しは真面になってほしいとの思いからです。

高考作文表政治忠誠 正常教育未來在哪裡?=大学入学統一試験(大学振り分け)の作文の問題は政治忠誠を問う、正常な教育の将来はどこにある

中國大陸高考(大學入學考試)7日開始,這次共有940萬名考生參加考試。

6月7日,大陸高考拉開帷幕,其中北京高考的作文題硬把人拉回到恢復高考的那一年。英國《金融時報》中文網專欄作家老愚說:“北京今年出此作文題,不過是為了表達自己的政治忠誠。”

今年北京卷的作文題(二選一):請以“說紐帶”為題,寫一篇議論文;以2049年中共建政100年的背景,以“共和國,我為你拍照”為題,寫一篇記敘文。而1977年高考作文的試題是“我在這戰鬥的一年裡”,老愚認為儘管從恢復高考至今已四十年過去了,但是作文充當政治輔導員的角色一直未變。

前媒體人朱欣欣認為,這是中共洗腦的心理暗示,好像中共的統治能延伸到100年,“把假定當作潛在事實,逼迫讓考生接受。這種用政治權力壟斷教育的後果只能是培養聽中共話的奴才,而不是創新型人才”。

旅德著名學者仲維光則提醒大陸的每一個中國人不可小看此題目,因為該作文題背後隱藏着中共歷次政治運動(三反、五反、反右、文革、1989大屠殺、1999年迫害法輪功)的基礎——一切以一黨利益為最高訴求,因為這預示著中共在未來十年,仍舊會採用對抗人類普世價值的統治方法。

老愚介紹,他在1980年和1981年兩次參加高考時,碰到的作文題目還相當中性,“似乎還能考察出一個人相對真實的邏輯和語言水準,它們分別是:‘讀《畫蛋》有感’,‘毀樹容易種樹難’。”

仲維光告訴大紀元記者,這種中性標題披露,80年代中共被迫鬆軟下來,主要是它感到政權被威脅了,做了稍微的退步;但是如今中共仍在加強宣傳,那些曾經的退步全變成假好話,“中共的每一次退或者是進,都是為了鞏固其政權統治”。

再有,網友把同是華人的香港、台灣的作文題做對比。

香港2011年的一道作文題是:“假如大學已錄取了你,並給予一年休學年,你會如何善用?試談談你的構思。”2016年的試題是:試以“熱鬧過後,我卻感到失落。”為首句,續寫這篇文章。台灣2010年的作文考題為:請想像自己是一株躺在海邊的漂流木,以“漂流木的獨白”為題,述說你的遭遇與感想。2013年的題目:每個人心中都有着對遠方的憧憬,也許是個神秘的國度,或是一個人生的目標,請以“遠方”為題,寫一篇文章。

如此,中國正常教育的未來究竟在哪裡?

現在業餘時間教小朋友如何寫作的朱欣欣表示需要從根本上改變教育體制,而改變此體制就需要結束一黨專制,教育乃至社會各行業方可正常發展。他現在教小朋友寫作要以講真話為前提,“但是只能在校外輔導班婉轉地、有限地講。這讓我感到很苦悶”。

另外,朱欣欣認為,要想正常發展教育,還需要恢復社會獨立辦學的權力,國家加大對教育的投資,而不是像現在的中共“壟斷教育行業,又以民間教育促進法裝門面,暗地裡打壓老師的自由教學”。#

【大紀元2017年06月08日訊】(大紀元記者蕭律生採訪報導)

中国大陸での大学入試(大学入学試験)は7日から実施、今回は940万人の受験者が試験に参加。

6月7日、中国の大学入試が始まった。そのうちの北京の大学入試の作文の問題は堅い問題で、人々に大学入試が復活したことを思い出させる一年になる。イギリスの《フィナンシャルタイムズ》の中国語ネットのコラムニスト老愚は「北京の今年の作文の題は、自分の政治への忠誠を表すには」であったと。

今年の北京の作文の題(2問から1問を選択):「“絆”という題で論文を書け」or「2049年の中国共産党の政治100年を背景として、“共和国よ、私はあなたのために写真を撮ります”(=2049年の中共政治がどうなっているかを論述)”と題して、叙述文を書け」というもの。1977年の大学入試での作文の試験問題は“私が戦ってきたこの1年”で、老愚は「大学入試復活してから今年ですでに40年が過ぎたけれども、作文は政治の補導員の役割を担って来ていて変わらない」と考えている。

前にメディアにいた朱欣欣は「これは中国共産党の洗脳の心を暗示し、恰も中国共産党の統治が100年続くことを前提とし、“仮定の話を事実のようにみなすことを受験生が受け入れるように迫るものである。このように政治権力が教育を壟断した結果、中国共産党の話を聴くことしかできない茶坊主を造るだけで、革新型人材を造ることはできない”」と思っている。

ドイツにいる著名な学者の仲維光は「中国大陸にいる中国人はこの作文の問題を小さな問題と看做すのはいけない。というのは、この作文の問題の背後には、中国共産党の時々の政治運動(三反、五反、反右、文革、1989年の大屠殺、1999年の法輪功への迫害)の基礎――党の利益を最高のものとして訴求するため、試験を中国共産党の未来の十年を示すために利用している。依然として人類の普遍的な価値の統治方法に対抗する方法を採っている」と注意した。

老愚は「自分が1980年と1981年に2度大学入試を受けたとき、出た作文の題はまだ政治的に中立なもので、“受験者の真理に迫る論理と表現能力をテストするもので、二問の題が出た。‘《卵を描く》を読んだ感想’、‘樹木を損ねるのは易しいが、樹木を植えるのは難しい’”」と紹介した。

仲維光は大紀元の記者に「この中立的な題を出したのは、80年代の中国共産党は柔軟な対応を迫られ、それが政権に脅威を感じさせ、やや譲歩したため。;でも今の中国共産党は宣伝を強化し、当時譲歩したことも見せかけだけの話となり、“中国共産党の譲歩や前進は、全て政権の統治を強固にするためである”」と教えた。

ネット上では香港と、台湾の作文の題を対比したものがあった。

香港の2011年の作文の題は::“もし大学があなたを入学させ、1年間の休学の猶予を与えたら、あなたはどのようにそれを活用できるか?あなたの構想を話してください。”2016年の試験問題は::“宴の後、却って喪失感がある。”この句の後に、文章を継ぎ足して完成させる。台湾の2010年の作文の試験問題は::自分が海辺に漂う流木になったことを想像し、“流木の独白”と題して、あなたのストーリーと感想を話してください。2013年の題は:人の心の中には遠くに憧れがあり、それは神秘的な国であるかもしれないし、あるいは個人の人生の目標であるかもしれない、“遠方”と題して文章を書いてください。

このように、中国の正常な教育の未来は一体どこにあるのか?

今、余った時間に朱欣欣は子供達に作文を教えているが、基本から教育体制の変革の必要性を示し、これが一党独裁を終らせ、それにより教育や社会において順調な発展ができると。彼は現在子供達に作文を教え、本当の話をするという前提であるが、“校外での補習は婉曲に、制限をもって話すことしかできない。これは私にとって苦しいことである”と。

この他、朱欣欣は「正常に教育が行われていくことを思うと、社会を復活させ、学校経営の権力を独立させる必要がある。国家は教育に対する投資に力を入れ、いまの中国共産党のような “教育業を独占し、また民間教育促進法を隠れ蓑とし、ひそかに先生の教育の自由を圧迫する”ことはしないようにする」と考えている。#【大紀元2017年06月08日】 (大紀元記者の蕭律生のインタビュー記事)>(以上)

本記事は中国卓球女子監督の不祥事ですが、これは中国人が海外へ行けば殆どすることではないかと思います。バクチ好きと言われる国民性ですので。ただ、敗けて払わないのは許されないでしょう。中国国内でそうすれば、ヤクザに殺されると思います。外国だから踏み倒せると思ったのでは。マリーナベイサンズの経営は米国人なので、中国で訴訟を起こしても門前払いになるのを知って香港で提起したと思われます。

http://casino-navi.net/I0000306/&page=1

孔令輝が孔子の末裔というのも怪しいです。何せ偽物大国ですので、家系図だって偽物かも知れません。外貨流出規制が厳しい中国で、債務支払いが可能となったのは、国家の面子を考えたのか、はたまた実力者のコネを使ったのかどちらかでしょう。キチンと前に払っておけば失職することもなかったでしょうに。バクチには寛容ですので。金さえ払っていれば、日本のバドミントンの桃田賢斗選手と田児賢一選手のような厳しい処分は中国ではないでしょう。

記事

中国卓球女子代表監督の職務を停止された孔令輝。写真は2017年アジア選手権のもの(写真:ロイター/アフロ)

4月に中国江蘇省の“無錫市”で開催された「2017年アジア卓球選手権(Asian Table Tennis Championships)無錫大会」で、17歳になったばかりの平野美宇選手は女子シングルスで優勝を果たし、世界を驚かせた。日本の平野美宇(当時世界ランク11位)は17歳の誕生日であった4月14日に行われた女子シングルス準々決勝で、世界ランク1位の“丁寧”を3-2で撃ち破った。これに勢いを得た平野美宇は、4月15日に行われた準決勝で世界ランク2位の“朱雨玲”を3-0で撃破し、4月16日に行われた決勝では世界ランク5位の“陳夢”を11-9、11-8、11-7のスコアで圧勝して優勝を勝ち取ったのだった。

日本選手がアジア卓球選手権で優勝したのは、1996年の小山ちれ<注1>以来21年ぶりの快挙であり、卓球王国を自認する中国にとっては正に屈辱の敗戦だった。中国が誇る世界ランク1位、2位、5位の3選手が弱冠17歳の日本人選手に完敗を喫したのだ。中国人でない第三国の選手がアジア卓球選手権大会で優勝したことを、国際卓球連盟(International Table Tennis Federation, 略称:ITTF)はそのホームページに「平野美宇は中国の独占を打破し、世界を驚かせた」と述べて褒めたたえた。

<注1>中国上海市出身の卓球選手で、中国名:何智麗、1987年世界卓球選手権ニューデリー大会女子シングルス優勝、1989年来日し、1992年に日本国籍取得。

卓球王国を率いる監督が…

試合後のインタビューに答えた中国・卓球女子チーム監督の“孔令輝”は、「平野美宇は試合を支配し、彼女の技術は我々よりも先を行っていた。平野美宇が我々のトップ選手3人を打ち破って3連勝したのは彼女の能力の証明であり、我々は今後彼女の強いところをよく研究しなければならない」と述べて完敗を認めると同時に、「平野美宇は中国卓球界にとって最大の脅威である。以前の福原愛は脅威ではなかったが、“平野是中国最大敵人(平野は中国にとって最大の敵である)”」と言明したのだった。

その中国が宿敵である平野美宇を打ち破ってアジア卓球選手権の意趣返しを行う機会はすぐに到来した。それは5月29日(月)から6月5日(月)まで、ドイツのデュッセルドルフで開催された「2017年世界卓球選手権(2017 World Table Tennis Championships)デュッセルドルフ大会」であった。卓球王国・中国の名誉にかけて平野美宇打倒を標榜して意気揚々とデュッセルドルフへ乗り込んだ中国・卓球女子チームであったが、そこには想像だにしなかった障壁が待ち構えていたのである。

2017年世界卓球選手権デュッセルドルフ大会の開幕日、5月29日付の香港メディアは次のように報じた。

“中国国家乒乓球隊(中国国家卓球チーム)”女子チーム監督の孔令輝は先頃、貸付金の返済を求めるシンガポールの高級ホテル「“濱海湾金沙酒店(Marina Bay Sands)”」(以下「金沙酒店」)により“香港高等法院(高等裁判所)”へ訴えられた。金沙酒店の告訴状によれば、被告の孔令輝は金沙酒店傘下にあるカジノの顧客であり、双方は2015年2月19日付で融資契約を締結し、同日に孔令輝は100万シンガポールドル(SGD)(約8000万円)を借り受けた。そのうちの90万SGDはチップで受け取り、残りの10万SGDは“頂級玩家(Top Player)”<注2>の資格を獲得するための費用であった。ところが、現在に至るまでに孔令輝が返済したのは54.5万SGD(約4360万円)だけで、45.5万SGD(約3640万円)が返済されていない。このため、金沙酒店は孔令輝を香港高等法院へ告訴した。

<注2>“頂級玩家”は金沙酒店のカジノにおけるVIP資格で、10万SGD相当の現金、チップ、小切手などを預託することで獲得できる。

なぜ香港で?

なお、後に判明したところでは、本件の原告は金沙酒店ではなく、金沙酒店の娯楽場を経営するMarina Bay Sands Pte. Ltd.(以下「Marina」)であるという。ところで、ここで疑問なのは、Marinaが本件の訴訟を中国国内の裁判所ではなく、香港の裁判所に提起したのはどうしてかということである。この点について、中国の某弁護士は、「中国の法律では“賭債(ばくちの借金)”を認めておらず、たとえ中国国内で賭博場が訴訟を提起しても、受理されず、融資契約は無効と判断される。このため、金沙酒店は孔令輝が香港に財産を持っていることを知っているか、あるいは、香港で訴訟を起こせば、その影響により孔令輝が残金を返済せざるを得なくなると考えた可能性が高い」と述べている。恐らく、この見解は正しいものと思われるが、とにかく訴訟が提起されたのは香港の裁判所であった。

さて、Marinaが香港高等法院へ孔令輝に対する訴訟を提起したとの情報は、その日のうちにデュッセルドルフにいる孔令輝の許へ届いた。これに肝を冷やしたのは孔令輝だった。同日の夜10時26分、孔令輝は4年間も使っていなかった中国版ツイッターの“微博(Weibo)”を通じて声明を発表した。その内容は以下の通り。

ネットで弁明も、帰国命令

声明:本日、メディアが次々と私がシンガポールのカジノに借金があるとのニュースを報じていますが、ここに関連状況について以下の通り表明します。

(1)2015年2月、私は関連組織部門の同意を得て、“春節放假(旧正月休暇)”の4日間を利用して、父母および親戚・友人を帯同してシンガポールへ旅行に行きました。宿泊したホテルの階下にはカジノがあり、親類・友人が遊びに行ったので、私も傍らで見ていました。この間に私は彼らがチップを賭けるのを手伝って、私の個人情報を残したのです。

(2)本日、メディアがこの事を報じた後、私はまず最初に当時現場にいた親戚・友人に電話を掛けて、あの時何があったかを問いただしたところ、当時誰かとカジノの間に発生した債務のもめ事が未だに終わっておらず、それが私を訴訟に巻き込んだことが判明しました。私はすぐにもカネが足りなかった人に名乗り出てもらい、事実を明らかにさせると同時に、法律の助けを借りて自分を守る権利を保留します。

(3)現在は正に世界卓球選手権の期間中であり、この事件の発生がチームにマイナスの影響を与えるのではないかと不安に思いますが、どうか皆さん信じてください。私と私のチームは力を合わせて一切の妨害を排除し、今回の世界卓球選手権に全力を尽くし、祖国の栄誉を勝ち取るために引き続き努力します。

孔令輝の懸命な弁明にもかかわらず、翌日の5月30日に“中国乒乓球協会(中国卓球協会)”は同協会の公式ホームページに「孔令輝監督の職務一時停止」に関する通知を発表した。その内容は以下の通り。

中国卓球協会はメディアから孔令輝の訴訟に関する状況を知った後、直ちに孔令輝に連絡を取って状況を把握した。本人がメディアの関連報道は事実であると述べていることに基づき、孔令輝の関連行為はすでに国家公務員の管理関連規定と規律要求に甚だしく違反していると考えられる。中国卓球協会は、孔令輝に対して中国卓球女子チーム監督の業務を一時停止し、深く反省して、直ちに帰国の上、さらなる調査と処分を受け入れるよう求める決定を行った。

中国卓球協会は運動員、コーチおよび職員による社会道徳規範に違反するいかなる行為に断固反対する。孔令輝の行為に対してはさらに詳細な調査を行い、関連規定に基づいて厳粛に処分する。また、本件を深刻な警告と教訓として、運動員やコーチに対する教育管理、養成、チームの良好な思想方法と道徳イメージの確立を強化するものである。

中国卓球協会    2017年5月30日

ところで、孔令輝とはいかなる人物なのか。その経歴は以下の通り。

世界三冠、孔子の子孫、問題児

【1】孔令輝は1975年10月に黒龍江省“哈爾濱市(ハルビン市)”で生まれた、今年41歳。6歳で卓球を始めた孔令輝は、1986年に11歳で黒龍江省卓球チームに選出され、1988年に13歳で国家卓球青年チームに選出された。1991年に16歳で国家卓球チームのメンバーに選出された孔令輝は、同年に行われた全国卓球選手権大会で優勝し、国家代表として華々しくデビューした。その後は、1995年の世界卓球選手権で男子シングルス:優勝、同年の卓球ワールドカップで男子シングルス:優勝、2000年のシドニーオリンピックで男子シングルス:優勝を果たし、世界卓球選手権、卓球ワールドカップ、オリンピックの男子シングルスで優勝し、三冠を達成した。こうして中国卓球界に輝かしい記録を残した孔令輝は、2006年に20年間の選手生活から引退した。引退後、孔令輝は中国卓球女子チームのコーチに就任し、2013年からは中国卓球女子チームの監督に就任して現在に至っている。

【2】孔令輝はその姓からも分かるように“孔子”の子孫である。現在生きている孔子の子孫は世界中に300万人以上おり、中国国内には250万人以上いるというが、孔令輝はそのうちの1人である。孔子の家系図である『“孔子世家譜”』は孔子生誕2560周年の2009年に改訂版が完成したが、卓球で世界にその名を轟かせた孔令輝はすでに『孔子世家譜』に掲載されているという。『孔子世家譜』に名前が載っている最も新しい世代は、孔子から見て第83代目であるが、孔子の一族は世代毎に名前の先頭に来る文字が決められていて、第75代目は「祥」、第76代目は「令」、第77代目は「徳」となっている。従い、孔令輝は孔子の第76代目の子孫ということになる。

【3】孔子は「八徳(仁、義、礼、智、忠、信、孝、悌)」を重んじたが、孔子の第76代目の子孫である孔令輝は、八徳には無関心だったようである。2006年には所有する高級車ポルシェで酒酔い運転してタクシーと衝突したが、国家代表を理由に不問にしてもらった過去を持つし、2011年には酔っぱらってガードマンともめ事を引き起こして裁判沙汰になっている。また、2014年には真夜中に若い女性との“車振(車中の性行為)”をメディアにスクープされている。2016年10月には独断で世界ランク2位の“劉詩雯”を試合出場停止処分にしたことが大きな問題となり、その管理能力に疑問符が打たれた。言ってみれば、孔令輝は中国卓球界における問題児として知られていたのである。

さて、現在、孔令輝が所有する車はポルシェ・ボクスター(Porsche Boxster S)で、その価格は110万元(約1800万円)であるという。社会主義市場経済を建前とする中国で卓球の国家女子チームの監督が、どうしてこのような高級車を所有できるのか疑問だが、孔令輝が裕福であることは間違いのない事実である。今回のMarinaによる香港高等法院への訴訟提起に対して、孔令輝はカジノでは親戚・友人が賭けるのを見ていただけで、手助けはしたものの自身は賭博を行っていないと弁明している。しかし、Marinaとの間で交わした融資契約には孔令輝の名前が明記され、恐らくサインもあるだろうから、孔令輝自身が賭博を行ったことは間違いのない事実だろう。

それならなぜ、孔令輝はMarinaから融資を受けた100万SGDの残金45.5万SGD(約3640万円)を返済しないまま放置したのか。45.5万SGDは人民元では約224万元であるが、孔令輝にとっては返済できない金額ではない。この理由について、中国のネットユーザーは、中国の外貨準備高は2017年5月末時点で3.19兆ドルと2011年12月以来の低水準にあり、2016年末に中国の中央銀行である“中国人民銀行”が個人の年間外貨購入枠を5万米ドルに制限したことが原因ではないかと述べている。但し、真相は分からない。

残金返済も、復帰の道は険し

なお、6月2日付の香港紙「星島日報」によれば、6月1日までに孔令輝は一緒にシンガポールへ旅行した友人と交渉した後、別の友人を通じてMarinaに対して残金に利子と弁護士費用を加えた約50万SGD(約4000万円)を支払ったという。上述した外貨規制をどのようにくぐりぬけて50万SGDもの大金を工面できたのか。とにかく、返済を受けたMarinaは、弁護士を通じて香港高等法院への訴訟を取り下げた模様である。

Marinaは孔令輝に対する訴訟を取り下げたが、だからと言って、孔令輝が中国卓球女子チームの監督に復帰できる可能性は極めて小さいとメディアは報じている。2017年世界卓球選手権ドイツ大会から孔令輝が急きょ帰国したことにより中国卓球女子チームの臨時監督には、ベテランコーチの“李隼”(53歳)が就任した。当初は突然の監督交代に女子チームの選手たちに動揺はあったものの、それが選手たちに危機感と責任感を呼び起こし、宿敵の平野美宇を打ち破ってリベンジを果たし、シングルス、ダブルス共に優勝を獲得したのだった。

最終競技結果は以下の通り。

【女子シングルス】優勝:丁寧、2位:朱雨玲、3位:平野美宇 【女子ダブルス】優勝:丁寧・劉詩雯、2位:“陳夢”・朱雨玲、3位:伊藤美誠・早田ひな

中国のスポーツを統括する“中国国家体育総局”は今回の事件に激怒しているとのことで、今後、孔令輝に対してどのような処罰が下されるか、中国国民はその動向を注視している。

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