『プーチン再選に死角? アパート解体に猛反発 次期大統領選で再選を確実にするための政策だったが…』(6/9日経ビジネスオンライン 池田元博)について

昨日に続きロシアに関する記事です。モスクワの旧式アパートの建替えですが、建物の下の土地は、国家が持っているのでしょうか?日本を始め、自由主義国では、8000棟のアパートの土地を国が持っているというのは考えにくいです。共産主義時代の名残でしょうか?等価交換といっても、当然新しくなれば遠隔地の住居になるか、差額を払い込むことになると思います。市か国が財政負担して造るのかも分かりません。

プーチンの人気は凄いです。北朝鮮の金正恩に続く支持率(笑)なのでは。民主主義国家の中ではダントツでしょう。ウクライナのクリミアへのロシアの侵攻は地中海へ出るための軍港としての価値の為と言われています。ブログ「世界史の窓」によれば、ロシアより先にキエフ=ルーシ(キエフ公国)ができ、ロシアはその地方政権だったの見方もあるそうです。

http://www.y-history.net/appendix/wh0601-125.html

プーチンが大統領選に出るのは間違いないでしょう。80数%の支持率を誇っていますので。その後もメドベージェフのような傀儡大統領を立て自分は首相となり、その後また大統領として復帰することを考えているのでは。世界の統治者の中では一番長い任期となります。6年×4期=24年、メド時代も入れれば30年です。翻ってみて、日本は短すぎでは。反日左翼の民進・共産、朝日新聞が籠池・森友という文科省の不祥事をネタに倒閣運動していますが、国民の目は冷めたものです。安倍内閣の支持率は安定していてそれ程の上下動はありません。来年の12月には衆院の4年の任期となります。多分その前に解散、総選挙と同時に憲法改正の国民投票があるのでは。(その前に国会での発議が必要。それで自民党は議論を急がせているのでは。先が読めない石破や船田は反対していますが。石破は総理候補から大きく外れたことになるでしょう)

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170610-00000021-pseven-soci

記事

ロシアは来年3月に大統領選を控える。プーチン大統領は依然、自らの去就を明らかにしていないが、国内では出馬し再選されるとの見方が支配的だ。政権も再選戦略を着々と練っているようだが、ここにきて思わぬ死角が出てきた。

モスクワの老朽アパート解体計画の中止を訴える抗議デモが5月、モスクワで開かれた。(写真:AP/アフロ)

国内支持率80%を超えるプーチン大統領

ロシア下院はこのほど、大統領選の投票日に関する修正法案を可決した。当初予定されていた来年3月11日の投票日を1週間遅らせ、3月18日の実施を可能にするものだ。

今のロシアにとって、3月18日は特別な日だ。プーチン大統領が2014年、ウクライナ領クリミア半島のロシア編入を高らかに宣言した日だからだ。当時、ロシア国民の大多数がこの決定に熱狂し大統領の支持率も跳ね上がった。この記念すべき日を大統領選の投票日にすることで、プーチン氏の当選をより確実にしようという狙いだ。

当のプーチン氏はいまだ、次期大統領選に出馬するかしないかの明言を避けているものの、大統領府には「投票率70%、得票率70%」の達成を求めているとされる。仮に次の選挙に出馬し当選すれば、首相時代も含めて実質24年もロシアを率いることになる。長期政権の正統性を内外に誇示するためにも、大統領選での大勝が不可欠なのだろう。

プーチン大統領・モスクワ市長会談が事の発端

プーチン大統領の国内支持率は80%を超え、有力な対抗馬もいない。とはいえ、得票率を高めるにはあの手この手の再選戦略が政権側に不可欠になる。投票日の変更もこうした戦略の一環とみて間違いない。

ところが、ここにきて再選戦略を狂わせかねない社会問題が意外なところから浮上してきた。首都モスクワの老朽アパート解体計画だ。

事の発端は今年2月後半。プーチン大統領がモスクワ市のソビャーニン市長と会談した時のことだ。ソビャーニン氏はかつて大統領府長官を務め、今でも大統領の側近の1人とされている。

市長はモスクワ市が進める様々な計画を大統領に説明するなかで、「モスクワには使い勝手が悪く、老朽化した住居がまだ多く残っている」と指摘。大規模な老朽アパートの解体を進める方針を表明した。

大統領も「モスクワ市民の気持ちと期待は私も分かっている。彼らの期待はこうした(古い)住宅が取り払われ、その場に新しい住居が建設されることだ」と言明。老朽アパートの解体は「極めて正しい決断だ」と称賛したのだ。

「フルシチョフ」と呼ばれる老朽化アパート

かつてのソ連では1950~60年代、第2次世界大戦後の荒廃から初期の工業化に向かう過程で、都市部を中心に安普請の低層アパートの建設ラッシュが続いた。国家財政に窮するなか、住民の生活を安定させるとともに、より多くの労働者を確保するための住居が必要だったからだ。

当時のアパートは総じて5階建てで、エレベーターはない。安普請とあって天井も低く、壁も薄い。使い勝手は悪く、隣人の話し声も筒抜けで、スターリン時代に建てられた荘厳で頑丈なアパートとの質的な差異は大きい。

こうしたアパートの建設を主導したのが、当時の指導者のフルシチョフだった。このため、ロシアでは「フルシチョフ」あるいは「5階建て」と呼ばれている。その数はモスクワだけでおよそ1万棟に上る。フルシチョフ自身、こうしたアパートの寿命はせいぜい25年間だと語っていたという。

しかし、実際はソ連崩壊後も存続し、1999年になってようやく、当時のルシコフ・モスクワ市長が一部アパートの解体を始めた。その際に解体の対象としたアパートは1722棟、総面積で630万平方メートル。11年間で解体を終える予定だった。ただ、いまだに75棟が残っており、ソビャーニン市長は「2018年までに完了したい」としている。

解体対象は最大で約8000棟、約160万人もの住民が対象に

今回、ソビャーニン市長が打ち出した新たな構想は、前事業を大幅に上回るものだ。解体対象は最大で約8000棟、総面積にして2500万平方メートル前後に及ぶ。約160万人の住民が対象になるという。モスクワに建つアパートのおよそ10分の1を改築する壮大な計画で、すべて完了するには20~30年かかると専門家は予測する。

老朽アパートの中にはもはや改修不能で、建物の一部が損壊していたり、漏水や漏電の危険があったりする所も少なくない。とくに「フルシチョフ」アパートに対してはもともと、国民の評判も極めて悪い。

老朽アパート群を行政府が主導して大規模刷新すると発表すれば国民の多くは歓迎し、次期大統領選に向けたプーチン氏への追い風にもなるはずだ――。プーチン政権とソビャーニン市長がそう考えたとしても不思議ではない。

市長がわざわざプーチン大統領との会談の場で老朽アパートの解体構想を表明し、大統領が積極的に支持したことは、こうした思惑を裏付けるなによりの証左だろう。実際、この会談を受けてロシア下院もさっそく、「リノベーション(更新)」法案の立案に着手した。

批判の矛先は市長のみならず、大統領にも

ところが事態は政権の思惑とは裏腹に、意外な方向に展開した。解体の対象となる可能性の高いアパートの住民の一部が街頭に出て毎週末、この計画に反対するデモや集会を始めるようになったのだ。批判の矛先は市長のみならず、大統領にも向いている。

反対する理由は様々だ。まずは生活環境の変化への不安。いくら老朽化したとはいえ、自分の住居は自分のお金で改修を重ねている場合がほとんどだ。しかも立地的には中心部で地下鉄駅から近いところが多く、通勤や通学の利便性を考えれば、長年住み慣れた住居を明け渡したくない。

不動産取引への懸念もある。モスクワ市は「同一地域での等価交換」を原則に、別の地域への移転や金銭取引など様々な案も打ち出しているが、結果的に中心部から遠い郊外の住居を押しつけられたり、不当に安い価格で売却を迫られたりして損を被るのではないかとの疑心が広がっている。

とくに下院が検討中のリノベーション法案には、解体地域の住民の所有権を一時的に制限するような内容が含まれたため、これが住民の不安や反発を増幅させている面もある。

予想外の抗議デモに慌てたプーチン政権

さらに、プーチン政権とその取り巻きが自らの利権獲得に利用しようとしているのではないかとの疑念もある。モスクワ市は解体した場所に近代的な高層アパートを新築する予定だが、全体の計画の青写真はみえていない。このため最終的に政権に近い実業家が解体・建設事業を受注し、そこから生じる巨額の不動産利権を自らと政権幹部に還流させるとの見立てだ。

予想外の抗議デモに、プーチン政権は慌てた。大統領は4月末の政府会議で自らこの問題を取り上げ、「住民の権利、とくに所有権を侵害しないように進めなければならない」と強調。政府に下院との調整を求めるとともに、リノベーション法案に市民の権利を侵害するような条項があれば「私は決して署名しない」と断言した。

この大統領発言を受け、下院は法案の修正に動きだした。モスクワ市も移転先のモデルとなる最新アパートの概観や内装などの写真集を新たにネットで公開。快適な住まい、公園や街路樹が豊かな街づくり、地下駐車場の整備などをアピールするととともに、リビングや浴室等で使用する部材まで詳細に紹介し、住民の説得に躍起となっている。

一歩間違えれば、政権批判の大規模デモに発展するかも

政府系の世論調査会社「全ロシア世論調査センター」が4月末に実施した調査では、解体対象となる住民の75%が解体計画に賛成している。毎週末にモスクワで開かれる反対デモの参加者も、多くて数万人程度だ。

それにもかかわらず政権側が深刻に受け止めているのは、老朽アパートの解体問題が対象住民のみならずモスクワ市民全体の大きな関心事になっており、下手に対処すれば、政権批判の大規模デモに発展しかねない危うさがあるからだろう。

実際、政権に批判的な政治指導者らも住民の抗議デモに加わり、政権の汚職や腐敗を非難するようになっている。大統領選への負の影響を危惧する大統領府内では「あくまでもモスクワ市の計画として、プーチン大統領はこの問題から距離を置いたほうが良い」との意見も出ているという。

独立系の世論調査会社レバダ・センターは5月下旬、大統領選に関する世論調査を実施した。直近の日曜日に大統領選があれば投票すると回答した人に「誰に投票するか」と聞いたところ、実に82%がプーチン大統領だった。

■ロシア大統領選挙で誰に投票するか?  (出所:レバダ・センター)

* 調査は2017年5月下旬。直近の日曜日に選挙があれば「投票する」とした回答者を対象にした調査結果。

プーチン人気の高さをみれば、老朽アパートの解体問題も選挙戦にさしたる打撃は与えないのかもしれない。とはいえ政権の政策が国民の個々の生活に直接、損害を与えるようなことがあれば、長期政権への鬱積した不平や不満が国民の間で一気に噴出しかねないことは覚悟すべきなのだろう。

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