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平間洋一著『日英同盟』について

朝日新聞はアジの名手という所でしょう。日露戦争の講和条約締結に反対して日比谷公園焼き打ち事件を起こす元となりました。今はGHQの検閲時代と同じく「日本が(何でも)悪い」派に宗旨替え。こういう節操のない人間(新聞社)を昔の日本人は毛嫌いしたものですが。

この焼き打ち事件がアメリカの世論を変えたとありますから、朝日新聞等の為したことの責任は大きいです。慰安婦の誤報同様、国際世論に与えた影響は大きいという事です。でも、彼らの体質は都合が悪くなると知らん振りを決め込みます。あれだけ、政官財で不祥事が起きると正義面してバッシングするくせに、自分の落ち度は認めない左翼にありがちな無謬路線で対抗します。ズルイ連中の集まりです。

セオドア・ルーズベルト大統領はマイヤー駐伊大使に「若し平和が今到来するならば、日本は朝鮮を保護国とすべきである。(朝鮮は自立しうる能力が全くないことを示してきた)」と書き送っていたとありますように、日露戦争の時には朝鮮半島は自分たちで治める能力がないと認めていたという事です。中国かロシアか日本かのいずれかの属国か保護領にあるしかなかったのです。日本と併合されて良かったと喜ぶべきなのに彼らから聞こえるのは恨み節ばかり。中国の属国のままか、ロシアの一部になったことを考えてみたことがあるのかと言いたい。歴史を政治のプロパガンダに使うのでなく、もっと真摯に勉強した方が良い。

ドイツは性悪女そのものです。国際謀略を仕掛け、日米分断を図りました。アメリカのハースト系新聞はイエローペーパーなんでしょうけど、人種差別が米国人に受け入れられていたから日本人排斥を読者が素直に受け入れたのではと思います。結局、米国の人種差別がドイツの言っていることを信じさせ、それが太平洋戦争に繋がり、日本の敗戦で幕引きとなりました。後の三国同盟が失敗の基でしたし、ドイツの嘘にキチンと反論しなかったからです。

日中提携を夢見て失敗した歴史が過去にもあるということです。中国人の本質が見えていなかったという事でしょう。日本人は「信義」を大切にしますが、中国人は「詐術」を旨とします。孫文だって、日本が金ヅルの時は日本を頼り、日本から金が出なくなるとロシアを頼りました。西原借款だって返して貰っていないでしょう。今も日本人4人をスパイ容疑で拘留しています。こういう国と付き合うと碌なことにはなりません。恩を仇で返すのが賢いと思う民族性ですので。マクマレーも「ナショナリズムをロにして国際法や条約を蹂躅することは許されない。」と言って中国を非難しています。昔からそういう国です。今も東シナ海や南シナ海でやっていることはそういう伝統に則って行動しているという事です。日米ともにこういう中国を豊かにして、力を付けさせたのですから愚かとしか言いようがありません。

内容

P.68~70

6.親日的世論を一転させた日比谷騒動

日本はアメリカからもイギリスからも称えられ栄光に満ちていた。だが、日本国内は混乱の坩堝と化していた。多くの政治家、学者や『萬朝報』『ニ六新聞』『都新聞』『日本新聞』『大阪日報』『大阪朝日』などの大新聞が、講和条約の条文に領土の割譲も賠償金もないことが判明すると、「この屈辱!」「あえて閣員元老の責任を問う」などと政府を攻撃した。

特に『大阪朝日』は帝国の威信を傷つける「屈辱の和約」である。小村全権は「努力を怠り違算を致して、この屈辱に甘んぜんとす」。このような条件で講和条約を蹄結するのは陛下の「聖意に非ざる」ものであり、「和議の破棄を命じ給はんことを請い奉る」と社説を掲載した。

また、『萬朝報』も社説で、「帝国の光栄を抹殺し、戦勝国の顔に泥を塗りたるは我が全権なり、国民は断じて帰朝を迎ふることなかれ。これを迎えるには弔旗を以てせよ」など書き立てた。そして、講和問題同志連合会長の元衆議院議長の河野広中は、小村全権に「閣下の議定せる講和条約は、君国の大事を誤りたるものと認む。すみやか処決して罪を上下に謝せよ」と打電し、満州軍には進撃せよと打電した•。

八月初旬の満州における日露の戦力比は、日本軍二五ヶ師団に対しロシア軍は四九ヶ師団と二倍の兵力差となっており、さらに第二一軍団、第二二軍団の到着も予想されていた。

だが実情を知らない無知な群衆は、九月五日の対露同志会など数団体の講和問題国民同志連合会の日比谷集会の後、内務大臣嘉や外務省、講和会議の仲介をしたアメリカ大使館などを襲撃し、教会一三カ所を焼打し破壊した。警官と群集の衡突は三〇数回を数え、 死者一七名、負傷者五〇〇余名を出した日比谷事件を起こしてしまった。この不祥事件がアメリ力に伝わると、アメリカの新聞は次のように批判した。

日本は異教徒の国であるが、たとえ宗教が異なっていても、神に祈りを捧げる神聖な場所を焼き払い、破壊するのは人間ではないことを示す何よりの証拠である」。「日本人は戦争中、見事な秩序と団結で輝かしい勝利を得た。彼等は人道と文明のために 戦い、講和会議の蹄結にもそれを感じさせた。しかし、東京騒動は日本人が常にロにしていた人道と文明のためという言葉が、偽りであることを明らかにした。彼等は黄色い野蛮人にすぎない。

このように日比谷騒動はアメリカを失望させ、アメリカの日露戦争中の親日的世論を一転させた。特に教会を破壊したことが、アメリカ人に日露戦争がキリスト教徒と異教徒、白色人種と黄色人種の戦争であるとの人種論的な感情を高め、今までの日本に対する同情的態度を一変させ、人種差別問題、カリフォルニアの排日土地所有禁止法案へと連なる遠因を与えてしまった。

一方、国内では世界の大局を説き妄動を戒め、「今や吾人は戦勝の結果として、平和条約においてその目的を達したり」。「この度の講和条約にて、わが主義は完舍貫徹し、我々は戦勝の効果を遺憾なく発揮したり」と書いた國民新聞社は、民衆の怒りを受け焼打ちされてしまった。

P.80~85

2戦争は避けられたか

日露戦争は日本の奇襲で幕が落とされ、学者の中には日本が大陸進出のために開戦に踏み切ったとの説も散見される。また、未だ交渉の余地があり、ロシアが回答を送ろうとしていたのに、早々に開戦に踏み切ってしまったと主張する論者もいる。確かにウィッテの回想録やその後に公開された文書などを読むと、ロシアにも戦争を回避しようとの議論があり開戦は避けられたかもしれなかった。

だか、それは恫喝すれば日本が要望に屈すると考えたからであり、極東に充分な兵力を展開するまでの一時的な期間ではなかったか。日本から宣戦布告は発せられたが、それはロシアの増援兵力が展開される前にしか勝算がないという追い詰められた軍事力の格差の増大にあった。日本が大陸に進出したのは日.露戦争に勝ったからであり、勝つか負けるか分か!らない戦争に、そんな悠長なことを言っていられなかったのが実情ではなかったか。『原敬日記(一九〇四年二月五日)』には、伊藤博文、井上馨、一 般国民、特に実業家は「戦争を嫌うも表面に之を唱える勇気なし」と書かれており戦争を望んでいなかった。当時の陸軍内部でも中佐、少佐の中堅幹部は悲憤慷慨の余り、開戦を強硬に主張したものもいたが、高級将校、すなわち将官以上の者は「斯く申しては如何かと存じますが」、ロシア対して「到底戦争は出来ない」と云う主義の人が多かった。

また、さらに当時の陸軍の中にはロシア崇拝者がおり、ロシアと戦争するのは、卵を以て岩石にぶっつかる様なものであると反対する者もいた。確かに「七博士が熱心なる開戦論者でありました。……しかし、民間の世論は七分三分であり」、参謀総長の大山巌はロ シアとの戦争について「何ら所見を発表することなく」、参謀次長の田村怡与造中将は 「真に開戦の意図なく、満州問題を利用して軍備の充実を謀らんとするに過ぎず」であったと、当時の参謀本部員の福田雅太郎少佐(のち大将)は後に語っている。

もし日本が戦わなかったら、あるいは敗北していたらば朝鮮半島はロシア領になり、日本も最貧国に転落したのではなかったか。ウラジミール•ラムズドルフ外相は伊藤博文に会う直前に、駐露ドイツ大使フレドリック・E •アルベンスレーベンに次のように語っていた。

「われわれは中立の朝鮮を必要とする。もし中立の提案が日本の気に入らないならばこの表現はやめるが、現実の事態はそうする。われわれが決して日本に朝鮮を与えないことは確実だということを日本は理解すべきである。もし朝鮮が自由でなければわれわれの極東における全戦略が脅かされるからだ。朝鮮における日本の経済活動などは心配してしないが、旅順からウラジオストクに至るルートの障礙はなくしておきたい。もし日本がこれに同意しなければ、海陸における戦闘という犠牲を払わねばならない」。

ニコライ皇帝はプロイセンのハインリヒ親王に、「日本が朝鮮に確固たる地歩を占めようとするならば、それはロシアにとって開戦理由となる。日本が朝鮮で地歩を確立することは、極東に新しい海峡問題(ダーダネルス海峡)を作り出すのと同じ意味になるので決して許容しない」と語った。ウイッテ外相は開戦半年後の一九〇五年六月下句に、チヤールス・ハ—デイング駐露英国大使に「ロシア軍による満州占領以来、あの地方は実際上ロシアの保護領となった。統治は現実にロシアの手中にあり、ロシアは問題となっている一切の事業と特権に関する優先権を獲得した。他の諸国が同等の立場をえようと期待しても不可能である。……満州からの撤兵条約が清国と締結されたとはいえ、これを実施するまじめな意向はこれまで決してなかった。日本がロシアと戦争に入ったのが、満州における平等な待遇の要求であったが、戦勝の際に皇帝がこれらの点で譲歩するつもりはなさそうだと私は考える。〔戦勝の場合の日本への平和条件〕は満州及び朝鮮の併合の問題の他に、日本から戦闘力を奪わなければならないとの見解に一致している。それは日本に対する艦 隊所有禁止であり、さらに黄海における優越を維持するために旅順に加えて、鴨緑江の江ロの竜岩浦に築城し前哨を確保し、さらに朝鮮海峡を制することが必要となるであろう。 また敗北した日本から充分の賠償を得ることは事実上不可能であり、韓国が経済上無価値なことを考慮すれば、この戦争から得るべきロシアの唯一の具体的な賠償は満州の併合であるかに思われる」と語っていた。

このように、ロシアは日本の要求には何も譲る気はなかったのである。しかし、ウイッテは日本の同盟国のイギリスに、なぜこのようなことを言ったのであろうか。それは日本の敗北を前提とし、講和会議で日本に要求すべき項目や、その程度についてイギリスに探りを入れたのである。 .

3大韓帝国の併合と列強の対応

次に当時の韓国に対する列強の対応をみてみよう。アメリカのホーラス・N ・アレン駐韓公使は在韓宣教師出身で、韓国宮廷や要人にアメリカに支援を求めるよう画策し、一九〇三年に帰国した時にはセオドア・ルーズベルト大統領を親韓•反日にしようと試みた人物であった。

だが、「韓廷の腐敗と陰謀による幻滅を経験」したためであろうか、日露戦争の始まる直前の一九〇四年一月四日にはセオド・ロックヒル国務長官に「米国が感情上の理由から韓国の独立について支援するならば、米国は大きな誤りを犯すであろうと私は信ずる。 韓国民は自己を治めえない。私は熱狂的な親日派ではないが、久しい征服の権利と伝統とによって韓国は日本に所属すべきものと考える。わが政府が日本をして徒らにこの仮構の独立を持続させようと試みるならば、誤りを犯すことになるだろう」一九〇四年一月四日付ロックヒル宛アレン発)との電報を発していた。

一方、ロックヒルからは「韓国の独立を支援するために、わが政府がその勢力を行使するいかなる見込も看取しえない」(一九〇四年一月四日付アレン宛ロックヒル発)。日本の「韓国併合は日本帝国の西方への伸展の大規模、かつ最終の措置として絶対に示されていると私には思われる。それが発生する時には、それは韓国民にとっても極東の平和にとってもより良いであろうと私は考える」(一九〇四年二月ニ○日付アレン宛ロックヒル発)などの電報が打たれていた。

また、ルーズベルト大統領も一九〇五年一月 一四日には、高平小五郎駐米公使に「余ノ見ル所ヲ以テスレバ、日本ハ韓国ヲ日本の勢力範囲ニ置クノ権利アリト信ズル」と語ったが、二八日にはジョン・ミルトン・ヘイ国務長官にも「我々は恐らく韓国のために、日本に対抗して干渉しえない。韓国人は自らの防衛のために一撃をも揮えなかった」との書簡を送り、二月六日にはマイヤー駐伊大使に「若し平和が今到来するならば、日本は朝鮮を保護国とすべきである。(朝鮮は自立しうる能力が全くないことを示してきた)」と書き送っていた。

さらに、ルーズベルトは、反日的志向のあったアレン公使を辞めさせ、後任にエドワー ド・V •モルガン公使を起用した。そして、一九〇五年三月ニ〇日にサンズを後任にと有力筋から「強イラレタ」が、サンズは日本に対する「同情ニ於テ稍欠クル処アルヲ以テ」、 これを「捨テ」、モルガンを任命した。モルガンには「日本ノ官憲ト絶エズ密接ナル関係ヲ保チ、日本ノ政策トー致スル行動ヲ探ルべキ旨ヲ以テセリ」と高平公使に伝えた。このようなアメリ力の反応を見た日本は、一九〇四年二月二三日に日韓議定書を強引に調印させ日本の保護下に置き、外交•軍事事項を取り上げた。日本が欧米諸国に説明した理由は、 「韓国当事者は誠心誠意国家のために慮るものなく、あるは黄白(金銭)あるいは自家の権勢維持のためには、いかなる約束もあえてするものにして、殊に宮中はこれら陰謀の淵藪なるが故に、もし外政を為すがままに一任せんには、闇黒裡いかなる危険なる事態の成立を見るやも料かるべからず」ということであった。

さらに、日本は一九〇五年七月に蹄結された桂・タフト協定、八月に更新された第二次日英同盟の改定、一九〇七年六月の日仏協商と同年七月の日露協商などにより、英米仏露などから日本の韓国に対する保護権を確立した。なお、アメリカは一九〇五年一一月には西欧諸国で最初に在韓公使を引き上げた。

大韓帝国の併合に朝鮮各地で抵抗運動が起き、一九〇七年には高宗が欧州に臣下を派遣して日本の不当を訴える「ハーグ密使事件」も起きた。しかし、いずれの国も法律上解決済みであるとして取り上げなかった。総てが韓国の頭越しであり、現在の民族自決、主権平等の世の中では不当なことではあるが、当時は弱小国は国際法の主体として相手にしてもらえなかった時代だったのである。また、当時は中国もルーズべルトが「シナは腐敗と動乱の国だ」。「シナはフィリピン人と同様に自治の能力はない。古代に文明を持ったが、 今では劣等民族だ」。「シナ人を日本人と同じ人種などということは何たる戯言か」とへイ国務長官に語っていたが、これが当時の国際的な中国や韓国観であったのである。

P.95~97

2日本の参戦阻止へのドイツの陰謀

一方、カリブ海やメキシコへの進出でアメリカと対立するドイツは、アメリカの反独世論を反日世論に変えようと、また、アメリカと対立しているメキシコは日本を利用してアメリカを牽制しようと各種の陰謀工作を行っていた。しかし、第一次世界大戦が始まると日本の参戦を阻止するとともに、黄色人種と同盟したイギリスへの反感を高め、アメリカの世論を反英に転じようと、さらに活発な反日キャンペーンを開始した。八月一二日には、 日本の参戦に関して種々伝えられているが、この戦争はヨーロッパの戦争であり、もし日本が参戦し日本の軍艦がアメリカ近海に出現することになれば、アメリ力の安全上から無視できないであろうとのサンフランシスコのドイツ領事の自署の一文が新聞に掲載された。

また、アメリ力の新聞は日米戦争の勝敗はメキシコにおける勢力の消長如何にあり・・・メキシコにおける両国の角逐はその「勝負ノ分岐点ナリトス」と論じた。さらにハースト系新聞はビクトリアノ •ウエルタ大統領がアメリカに反抗するのはメキシコ軍の中に、 日露戦争に参加した多数のベテラン日本兵が従軍し、メキシコ軍を指揮しているからであると報じていた。

いかに日米開戦のうわさが流布していたかは、ニユーヨークの日本協会が、アメリカは日本商品の主要輸出先で全輸出の三分の一が向けられている。日本の国力は貧弱であり、さらに現在多額の負債を抱えている。日米間には四五〇〇マイルの距離があり、しかも中間に補給基地がないなどと、経済的にも技術的にも日本がアメリカに戦争を仕掛けることなどはありえない、との「日米開戦不可能の理由一一項目」を新聞広告に出さなければならなかったことでも理解できるであろう。

このような状況のなかで、一九一七年一月にはドイツ外務大臣アルトゥール・チインメルマンから、メキシコ駐在ドイツ大使に宛てた電報が、アメリカの新聞に大きく掲載され 対日猜疑心をさらに高めた。この電報はアメリカが参戦するならば、ドイツはメキシコと 同盟しドイツが勝利した暁には、米墨戦争でアメリカに奪われたテキサスやアリゾナなどを返還させる。また、メキシコにドイツと日本の仲裁と日本の対米戦争への参戦を説得せよとの内容であった。

この電報がアメリカの対日不信感を髙め日米に深い亀裂を生んだ。一九七年には農務次官プルマンが、アメリカがメキシコに対して強圧的手段を講じられないのは、メキシコ軍に多数の日本の退役軍人がいるからであると発言し、議会でも下院共和党党首マンが陸軍予算の説明に、プルマン次官の発言を引用して対日脅威を煽るなど、海軍のみならず陸軍の兵力増強にも日本の脅威が利用されたのであった。

P.122~126

2日中共同防衛思想の萌芽

蛮狄小邦と蔑視する日本に日清戦争で敗北し、台湾を領有された中国人は反日感情を高めたが、日本がロシアを破り日本のエ業化が進むと、日本に対する視察団や留学生の派遣、 艦艇の発注がはじまった。一九〇三年二月には揚子江警備用の江元級砲艦四隻、一九〇四年には浅底砲艦楚秦級六隻と水雷艇四隻が川崎造船所に発注され、これら艦廷は一九〇六年から八年かけて引き渡されるなど、アメリ力における排日法案などの人種差別問題で日米関係が緊迫すると日中関係は緊密化した。

一九一四年八月に山縣有朋は「対支政策意見書」を提出し、将来の人種戦争を予想し中国との連携強化の必要性を説いたが、陸軍部内では二月下旬に陸軍省兵器局長筑紫熊七大佐により日本が中国に武器を供給する代わりに、中国は原料を日本に優先的に供給することを骨子とした「帝国中華民国兵器同盟策」を脱稿し、失敗に終わったが具体的交渉を開始していた。次いで第一次世界大戦が劫発すると、八月七日には欧州の禍乱が極東に波及する場合に備え、日中が共同して防衛態勢を整備すべきであると、中国軍の改革と日中両軍の兵器統一を実現しようとの「日支協約要領」が、再び陸軍参謀本部第二部長福田雅太郎少将から提出された。

一九一六年一〇月に寺内内閣が成立し袁世凱が死去し、親日派の段祺瑞が首相となると、 ロシアの革命勢力が「漸次極東ニ波及セントスル」危機を背景に、日支提携の強化の流れが強まり、特に一九一七年一二月の連合国会議でフヱルディナン•フォッシユ元帥が、ドイツの支援を受けたロシアの革命勢力のシベリア方面への進出を阻止すべきであると提案すると、段首相は林董公使に「日本ト提携スルコト出来レバ『ウラル』以東、西比利亜地方一帯ハ日支両国ニテ自由ニ処分スルコト然程難事ニアラザルべシ」などと語り、武器援助を申し出てきた。しかし、日本は複雑な中国情勢や輪出した武器で南方派の孫文などを攻撃することを危惧し決めかねていた。

しかし、段政権の脆弱性やロシア革命の影響を受け、一九一八年一月の閣議で段内閣を支援し、資金不足からアメリカに頼る事態を阻止しよぅと、多量の武器と西原借款と呼ばれる多額の借款を与えることになった。このように第一次世界大戦、ロシア革命の勃発、連合国のシベリア出兵が日中を急速に結び付け、一九一八年五月一六日の日華陸軍共同防敵軍事協定、一九日の日華海軍共同防敵軍事協定調印へと進んだ。

さらに、太平洋から日米共通の敵ドイツが消え、アメリカが日本を対象に大規模な海軍軍備の増強を始めると、駐華海軍武官の八角三郎中佐などにより中国海軍を育成強化し、 中国と提携してアメリカに対処しようとの動きが生まれた。一九一八年七月にアメリカのべツレへム製鋼が江南造船所を担保として多額の借款を与えるとの情報(中米海軍借款協約)に、アメリカが「支那沿岸、特ニ上海ノ如キ枢要地点ニ戦時之ヲ利用シ得ヘキ造船所ヲ其勢力下ニ置クカ如キ」は、戦時に「米ノ軍港ヲ我最短距離ノ地ニ現出セシ得ルト同一影響ヲ来スへク、実二直接累ヲ我国防ニ及ホス恐アリ」と、日本海軍の危機感を高めた。 そして、一九二〇年には川崎造船所の東京支社長岡田晋太郎が北京に派遣され、借款総額五〇〇万円、年利九分で中国に造船所を造る交渉が成立するかに見えた。だが、日中提携の夢は川崎造船所の経済的破綻、中国の内戦による混乱や反日運動の高まりなどから実を結ばなかった。

3総力戦認識と中国資源への着目

短期で終結すると予想された戦争が長期化し、さらにアメリカが参戦し軍需用鉄材を確保するために鉄材などの輸出制限を行うと、日本の工業界、特に造船界は大きな打撃を受けた。雑誌『大日本』には「日本は知識、支那は原料」の「日支軍事エ業同盟論』が掲載された。陸軍参謀本部の兵要地誌班では小磯国昭中佐を中心に『帝国国防資源』がまとめられ、「欧州戦ノ与へタル国防上ノ戦訓」として、「原料ト云フモノハ成ルべク近イ地区ニ於テ充分ニ得ル方策ヲ確立スルノガ、日本ノ経済政策トシテハ最モ急務デアリマス」。この点で「我々ハ実ニ天与ノ好地位ニ在リマス。対岸ノ支那、西比利亜ト云フ畑ニハ甚ダ近イ」と、大陸資源確保の重要性が強く認識されるに至った。第一次世界大戦勃発一力月前の一九一四年六月の貴族院予算委員会で、八代六郎海相は 「財政状態ノ許ササル今日」、「最小限度ノ国防力トハ他国ヲ侵略スルノ意ヲ有サス、仮想敵ヲ設ケス、単ニ護国ノ任ヲ尽シ得ル力ヲ言フ」としていた。

だが、一九一八年一一月九日のウィルソンの一四ヵ条問題を検討した外交調査会で、加藤友三郎海相は「帝国ハ所謂自給自足ノ国ニ在ラス。平時戦時ヲ問ハス物資ヲ海外ニ仰カサルへカラサルノ実情」にあるので、海洋白由の原則に賛同することを利益とする。しかし、アメリカとの戦争の場合には物資を中国大陸に依存せざるをえないので、「南部支那厦門付近ヨリ台湾南端ニ亙リ一線を劃し、この線より台湾•琉球諸島を経て九州南端に至る線内の海面の「海上権ヲ確立スルヲ得ハ、支那大陸ト連絡ヲ維持スルヲ得テ戦略物資ノ持久可能ナルべシ」と、海軍は総力戦認識や中国大陸への日本企業の進出増加、日米対立の顕在化などにより、国防の範囲を単に「護国ノ任」の日本周辺海域から、「妙クモ東亜海面ノ管制」へと拡大した。

その後、一九二九年に軍令部長が加藤寛治大将になると、アメリカが「『モンロー』主義及支那ニ於ケル門戸開放主義」を「国策中最モ重要ナルモノ」とし、また、アメリカが現状ノ如キ法外ナル繁栄ヲ持続セントセパ、世界ニ向テ大々的二市場ト資源トヲ求メサルベカラズ」。アメリカは国策擁護を任務とするマハン流の「攻勢的海軍」を整備しつつあり、「支那市場ヲ開拓センガ為ニハ手段ノ如何ヲ選パザル」傾向にある現状に鑑み、日本の大陸政策は重大な脅威にさらされている。「日米海軍の争覇戦」の真の原因は、「支那ノ資源ト市場」をめぐる「経済戦」である。

日米海軍軍縮問題も、シンガポール軍備増強問題も、ハワイの軍事施設の増強も、アメリカの「赤裸々の心理を解剖しますれば、悉く日本の死活問題に関する極東一帯の支配権、とりわけ対中帝国主義の争覇戦の利を先制せんとするの準備に外ならぬ」。「太平洋を知らずして支那を論ずること能わず。支那を知らずして太平洋上に日米海軍競争の起きる所以を理解すること能わず」と、中国間題は日米問題であると強く主張するに至った。このように日米関係の悪化と海軍の総力戦認識の高まりが、日中共同の相互防衛協力と自給自足へと進み、それまで陸軍の北進、海軍の南進であった日本の針路を南北並進に変えた。

P.185~186

7日本敵視の危険を指摘したマクマレー

一九ニ五年から 一九二九年まで駐華公使を経験し中国関係の条約集を編纂するなど、当時のアメリカの中国通の第一人者といわれていたジヨン・V・A・マクマレーは、クローデルが報告した一四年後の一九三五年に、国務省極東部長スタンリー• K •ホーンベックに「極東における米国の政策に影響を及ぽしつつある諸動向」という文書を提出した。マクマレーはワシントン会議以来の極東情勢とアメリカの政策を振り返り、ワシントン体制が崩壊した理由を分析し次のように進言した。

ワシントン体制を崩壊させたのは日本ではなく、中国及びアメリカを先頭とする欧米列強である。中国は国内の諸勢力がナショナリズムを自らの勢力延長の手段として、不平等な国際条約を無視し、破棄してワシントン体制の存続を危なくした。アメリカは中国に死活的利益を持っていなかったが、いたずらに中国のナショナリズムへの迎合を繰り返し、ワシントン体制を崩壊に導いた。……国際法や条約は各国が順守し、その変更はルールに則とって行われなければ安定した国際社会を築くことは不可能である。関税主権の回復や治外法権の撤廃のためであれ、領土保全のためであれ、ナショナリズムをロにして国際法や条約を蹂躅することは許されない。……中国やアメリカなどの西欧諸国が、国際法や条約を順守する立場に立たない限り、日本は今後ますます追い詰められ、日米戦争に至ることは必然である。

このように、マクマレーはワシントン会議以降に諸条約を無視した中国の政策と、それに迎合したアメリカの政策を批判し、極東に於ける唯一の安定した国家である日本を敵視することなく協調すべきであると、日本を敵視する危険を指摘した。しかし、この報告書は親中国派のホーンべックには影響を与えなかった。

確かに、歴史的にみればワシントン体制の崩壊を決定付けたのは満州事変であり、日本の中国への侵略行為であった。しかし、日本がそのような行為に走ってしまったのは、クローデル大使も指摘するとおり、「相続人不在」の「未開発で無防備」な中国の存在と、中国のワシントン体制を無視する過激なナショナリズムにあったことを否定することはできないのではないか

10/8日経ビジネスオンライン 長尾賢『日米印航空共同演習が日本の重要性を上げる!』について

第二次大戦の日本の敗北は同盟相手国を間違えたことに尽きます。事情はあったにせよ、ドイツと手を結んだことは大間違いでした。ユダヤ人虐殺を平気でする国とですから、後から見れば何たるヘマをしたことかと思わざるを得ません。ユネスコは南京虐殺の記憶遺産申請を認めたとのこと。金で転ばせたのでしょう。事実は分かっていないことが多く、少なくとも中国のいう数字の30万人はデタラメでしょう。当時の南京の人口は20万しかいないのにどうして30万も殺せるのか、遺体処理をどうしたのか、中国人は説明責任があると思います。またまた無能の外務省のやらかしたことですが。昨日、天安門事件の記憶遺産申請に賛成しました。

https://www.change.org/p/%E3%83%A6%E3%83%8D%E3%82%B9%E3%82%B3-%E5%A4%A9%E5%AE%89%E9%96%80%E4%BA%8B%E4%BB%B6%E3%81%AE%E3%83%A6%E3%83%8D%E3%82%B9%E3%82%B3%E8%A8%98%E6%86%B6%E9%81%BA%E7%94%A3%E7%99%BB%E9%8C%B2%E3%81%B8?tk=iqwRVMXcym2XoX_BBicSvO1FLlTAxHWlMdKQZOI3X_U&utm_medium=email&utm_source=signature_receipt&utm_campaign=new_signature

外国が申請できるのかどうか分かりませんが、国際世論を巻き込むことは良いことでしょう。中国は三戦を使って日本と既に戦争を仕掛けているという事です。実際の戦闘行為ではなく、国際世論に「南京虐殺」(事実ではありませんが)を認めさせ、日本は道徳的に劣った民族と言うのを世界に刷り込もうとしている訳です。世論戦で日本は負けてばかり。外務省と中韓に味方するメデイア、それを購読するという形でサポートする国民と負ける条件が揃いすぎです。

インドと手を組むのは非常にいいことと思います。アフターブ・セット元駐日インド大使と飲んだ時にも「インドと日本は仲良くなれる。過去の歴史を見ても争ったことはないし」とのことでした。ラス・ビハリー・ボースやチャンドラ・ボースと日本との付き合いもありました。日本となじみの深い仏教発祥の国でもあります。何より、近い将来人口で中国を抜いて世界一になりますし、米国でのCEOやシリコンバレーで活躍するインド人は多いです。日本製の武器を使って貰って中国を牽制することができれば言うことなしです。飛行機だけでなく、潜水艦も日本製は優秀ですから、インド洋に出て来る中国海軍を牽制できるようになります。日米印での合同演習を早期に実現させたいです。

記事

9月末、日米印3カ国の外相会談が行われた。初めてのことだ。この10月には日米印海上共同演習も実施される。さらに、来年にはインドで日米豪印中韓ロとASEAN(東南アジア諸国連合)に加盟する10カ国すべてが参加する共同演習を実施する予定だ(注1)。それぞれ日本の海上自衛隊と、陸上自衛隊が関わる演習になる模様である。

 こうなれば、次に注目されるのは航空自衛隊の動きだ。中国のメディアが、日印による航空共同演習の可能性を報じている(注2)。中国は気にしているようだ。これまで日印間では、航空自衛隊とインド空軍との間で輸送機部隊の交流、テストパイロットの交流などを実施することで合意している。もし日印間で航空共同演習が始まるなら、それはとても意義あるものになろう。

 具体的にどのような意義があるのか、それは日本の国益にどうかかわるのだろうか。本稿で検証する。

(注1)“US, China to be part of Indian Army’s largest joint drill in Pune next year”, (The Economic Times, 27 Sep, 2015)

(注2)“Indo-Japan defence ties ‘dangerous’ for Asia: Chinese expert” (The Economic Times, (The Economic Times, 5 Aug 2015)

対中戦略上有効

 日印で空軍連携することは日本にとってどのような利益があるのだろうか。少なくとも3つ考えられる。戦略上の利益と、戦術上の利益、そして武器輸出上の利益だ。

 まず戦略上の利益について。日印が航空共同演習をすることは、特に対中戦略上の利益がある。中国を対象とした空軍のミリタリーバランスに、影響を与えるからだ。

 最近の中国軍の動向をみると、海空戦力の近代化が中心になっている。そのため、中国軍の新型戦闘機の数は、2000年の125機から2015年の1000機弱にまで増加している(注3)。同じ定義に基づけば、日本は170機から300機弱になっただけだ。この数字からわかるのは、年々、日本だけで中国空軍と対峙するのは大変になりつつあること。そして、将来はもっと大変になることだ。

 そうなるとまず、日米同盟の重要性が高まる。しかし、それだけでは不十分かもしれない。米国のランド研究所の分析では、中国は弾道ミサイルを使って沖縄の嘉手納基地を16〜43日の間、使用できない状態にすることができる(注4)。短期決戦なら、中国は米国の動きを封じることができるのだ。中国はこのようなミリタリーバランスを背景に、強気の外交を展開してくるだろう。

(注3) 本稿において「新型戦闘機」とは、主に1980年代以降に配備された戦闘機を指す。日本のF-15とF-2、中国のSu-27、Su-30、J-10、J-11、JH-7を対象としてInternational Institute for Strategic Studies, The Military Balanceを用いて数えた。

(注4)Eric Heginbotham, Michael Nixon, Forrest E. Morgan, Jacob Heim, Jeff Hagen, Sheng Li, Jeffrey Engstrom, Martin C. Libicki, Paul DeLuca, David A. Shlapak, David R. Frelinger, Burgess Laird, Kyle Brady, Lyle J. Morris, “Chinese Attacks on Air Bases in Asia: An Assessment of Relative Capabilities, 1996-2017” (Rand Cooperation, 2015)

そこで日印連携が重要になる。インドも中国空軍の近代化を懸念しており、中国との国境付近にある空軍基地を近代化し、新型戦闘機の配備を進めている。日印で連携して中国に当たれば、中国空軍は二方向に分割して対応せざるをえなくなる。日印双方にとって、ミリタリーバランス上の利益が大きい(参考記事:日印空軍連携で日本の航空戦力が変わる)。

 しかもインドは経済発展しているから、将来は、より多くの新型戦闘機を展開することが可能だ。今後、中国の新型戦闘機の数がもっと増えていったとしても、インドの新型戦闘機も増えていく。日本にとって魅力ある連携先だ(図参照)。

図:インドの新型戦闘機飛行隊の配備位置

India air force

 

 

 

 

 

 

 

※青字に白い文字は配備済。白地に黒文字は計画中。インドは800機近い新型戦闘機を整備中で、結果、新規に戦闘機が配備される基地も増えつつあることがわかる。筆者作成。

(白地図:http://www.sekaichizu.jp/)

ロシア・中国機との戦い方を学ぶ

 二つ目は戦術上の利益だ。航空自衛隊は米国で開発された戦闘機を主力にしている。一方インド側は旧ソ連・ロシアで開発された戦闘機が主力だ。だから日本とインドの戦闘機が共同演習をすれば、日本は、ロシアの戦闘機とどう戦うか、学ぶことができる。

 中国の新型戦闘機もロシアで開発された戦闘機である。だから、ロシアの戦闘機との戦い方を学ぶ作業は、中国の戦闘機との戦い方を学ぶ作業でもある。

 実はこの利点は、他の国も高く評価している。すでに米国も、英国も、フランスも、インドとの間で戦闘機を使った共同演習を継続して行っている。こうすることでロシア戦闘機とどう戦うか、技能を高めることができる利点があるのだ。ロシアはこのことを懸念していて、インドに、他の国との共同演習ではロシア製レーダーを使わないよう要請している。インドはその約束を守っているようだ。

 しかし、レーダーだけ止めても、インドと共同演習した国は、ロシア機に関する情報をたくさん入手できる。実際に共同演習をすれば、近くで見て、パイロットから話を聞き、一緒に飛び、模擬空中戦をする。どのような条件の空で、どのような空中機動をみせることができるのか、整備がどれほど大変か、などなど、ロシア機の性能に関する情報がたくさん入ってくる。だから共同演習を行う戦術上の意義は大きい。

相手のニーズを把握し装備品を紹介できる

 三つ目は武器輸出上の利益だ。今、日本とインドは、インド海軍向けに救難飛行艇を輸出する案件について協議を行っている。日印が連携を深めるには同じ装備を持つことが利益になるからだ。武器は高度なものなのに乱暴に扱わざるをえないから、すぐ壊れてしまう。専属の整備部隊が常に整備・修理して使うものだ。だから、一度装備を購入すると、継続的に修理部品を購入することになり、売り手と買い手の関係は長期的なものになる。そこで日本は救難飛行艇を輸出して日印間の連携を深めたいのだ。インドも、日本との関係を強化する観点から、防衛装備品の購入に熱心だ。

 だが、日本はインドが他に何を必要としているか、十分把握できていない。日本では10月1日にようやく防衛装備庁が発足したばかりだ。日本の武器輸出はまだ始まったばかりという印象である。しかも、実はインドの方も、日本がどのような装備をもっているのか、十分把握できていない状況だ。

 そこで、共同演習のような機会が必要となる。航空自衛隊とインド空軍が戦闘機などを使って共同演習をすれば、戦闘機そのものだけでなく、戦闘機を運用するための気象や航空管制、整備まで含めいろいろな支援組織も演習に関わる。いろいろな支援組織の装備も同時に演習に加えることが可能だ。インドで共同演習を行えば、インド空軍がどのような装備を必要としているか、ニーズがわかる。日本で行えば、提供可能な日本の装備をインド側に見てもらうことができる。武器輸出が成功して、日印連携が深まる近道になるのだ。

日米印で航空共同演習をしよう

 上記のように、日印の航空共同演習は、対中戦略上、航空戦術上、武器輸出による連携強化の観点からも日本の国益になる。だから日本のためにやるべきだ。問題があるとすれば、それは、今回が初めてなので、いろいろわからないことが多い点だろう。航空自衛隊とインド空軍の間で戦闘機を使った連携があるかと問われれば、2004年に米国のアラスカで行われた米印合同軍事演習に参加するインド空軍の戦闘機が、急きょ、航空自衛隊の基地に着陸して給油した例があるくらいだ。あまり関係が深いとは言えない。

 そこで、すでにインドと連携している第三国の力を得て実施することも検討課題に含めるべきだろう。米印空軍は2004年と2008年の2回、共同軍事演習を実施している。英国は4回、フランスも5回、インドと戦闘機同士の共同訓練をしている。これらの国を交えた3カ国で空軍演習できるのではないか。インド国内に空軍の施設を借りているシンガポール空軍との連携も考えられる(参照記事:シンガポールに学ぶインドとの防衛協力強化)。日本には連携できる友好国が多いのだから、利用しない手はない。

 特に米国との連携が最も手軽と推測される。航空自衛隊はすでに米豪空軍と3カ国共同演習を実施しているからだ。次は米印空軍の共同演習に日本が加わる形での企画を考え、日本から積極的に米印に働きかけてもよいのではないか。日米印の連携を同時に深めることで日本は、現時点で世界最強の国(米国)との同盟関係を深めつつ、将来性のある大国(インド)とも連携を作れることになる。それは結局、世界における日本の重要性を上げることにつながるのである。

10/8日経ビジネスオンライン 森英輔『TPP合意を受け、中国は日中韓FTAを加速させる 中国経済の今後を占う9月の輸出統計』について

エリートと言うのは上の人間としか付き合わないから、下々の考え、行動が理解できないのではと思います。いつも言っていますように中国人の基本的価値観は「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」です。そういう社会で上に上り詰めるには何度も裏切りや過酷なことをしないとダメです。胡錦濤が鄧小平に見出されたのもチベット弾圧の技量を見込んでのことです。言って見れば、保身の才を身につけた知能犯のヤクザが上になっていると見た方が良い。下はもっと目に見えるように荒っぽい。小生は中国駐在8年間で下のそういう人たちと付き合ってきました。

李克強インデックスは時代に合わないと言いますが、では「信頼できる数字を出してくれ」と言いたい。信頼できる数字が出ないから、李克強インデックスを使って中国経済を評価しているのです。高橋洋一は李克強インデックスを使って、中国のGDPは▲3%と推定しました。投資判断するときに嘘の数字を基にはしないでしょう。自分のお金を預けるときにはより正確な数字を求めるハズです。瀬口氏の言い方は投資判断を誤らせます。以前の日経新聞と同じで、あれだけ中国進出を煽っていましたが、今は流石におとなしくなっています。それはそうでしょう。実体経済が悪くなっていますので。まあ、平気で嘘をつけるのが民族の特性なので、デタラメな数字を出すのは当り前なのでしょう。大躍進時に嘘の数字を上に出したため餓死者が数千万人単位で出たとのこと。こんなことが平気でできる国です。もっと歴史を勉強した方が良い。それと下々の人とも付き合うことです。

TPPは米国議会で批准されるかどうかですが、ヒラリーは「現時点では不支持」と言っています。選挙対策なのでしょうけど、「三百代言」の厭らしさが目につきます。米国はウイルソン大統領の推進していた国際連盟も批准しなかった前例がありますので、何とも言えませんが、TPPが中国の経済的封じ込めを目指すのであれば、共和党は乗るのではと思っています。日中韓のFTAなんて急いでやる必要はありません。騙されるのがオチです。今までもレアメタル(中国)や農水産物(韓国)で煮え湯を飲まされてきたではないですか。騙すのが国技の2ケ国と付き合っても碌なことにはなりません。「非中三原則」「非韓三原則」で行くべきです。

記事

5年にわたって協議が続けられてきたTPP(環太平洋経済連携協定)が10月5日、ついに大筋の合意に達した。これは中国にどのような意味を持つのか。6月の株価急落、8月の人民元安を経て、中国経済に対する懸念が高まっている。中国経済は今後、いかなる経過をたどるのか。長年、中国をウォッチしている、キヤノングローバル戦略研究所の瀬口清之・研究主幹に聞いた。

瀬口 清之(せぐち・きよゆき)氏

キヤノングローバル戦略研究所研究主幹

1982年、東京大学経済学部を卒業し、日本銀行に入行。2004年、米国ランド研究所に派遣(International Visiting Fellow)。2006年に北京事務所長、2008年に国際局企画役。2009年からキヤノングローバル戦略研究所研究主幹。2010年、アジアブリッジを設立し代表取締役。

—TPP交渉がついに大筋合意に達しました。中国はTPPをどのように見ているのでしょう。

瀬口:中国はこれを中国包囲網と見ています。それも単なる経済的な協定ではなく、安全保障にも関わる取り組みと見て危機感を高めています。中国が展開しようとしているアジアインフラ投資銀行(AIIB)や一帯一路構想はTPPに対抗するものと言えるでしょう。

—TPPが中国の安全保障にも関わるというのはどういう意味ですか。

瀬口:経済的な関係の強化が安全保障上の関係の深化につながるからです。例えば南シナ海で、中国はベトナムと領有権紛争を抱えて対立しています。しかし、両国間の貿易が増え、経済的な関係が強まれば、安全保障上の対立を緩和させることが期待できます。ところが、TPPによってベトナムと米国との経済関係が強くなると、こうした思惑が実現しづらくなる。

 同様の思惑が米国にもあります。米国は西太平洋において日本やオーストラリアと安全保障上の強い関係を築いています。TPPによって経済関係を深めることで、この安全保障上の関係を補強したいと考えているのです。中国は、米国がTPPによって西太平洋の同盟国及びその予備軍、中国と紛争を抱える国々との経済関係を強め、それを安全保障上の関係強化につなげることに警戒を強めているわけです。

 中国は、その一環として、日本がこれ以上、米国べったりにならないよう、日中関係を融和の方向に持っていこうとするでしょう。日米関係は今、オバマ政権が発足して以来、最高の状態にあります。安倍政権は4月に日米防衛協力のための指針(ガイドライン)を改定。9月19日には、安全保障法制を成立させました。オバマ政権は安倍政権による一連の安全保障政策を非常に高く評価しています。そして今回、TPPで合意。安全保障と経済の両面での日米関係強化は、中国にとって大きな脅威になります。

 中国は、TPPへの対抗策として、具体的には日中韓3カ国による自由貿易協定(FTA)交渉を加速させるでしょう。日中韓FTAは日韓関係の融和にもつながる。この意味においても、TPPの合意は大きな意味を持っています。

一帯一路構想はTPPへの対抗策

—一帯一路構想がTPPへの対抗策であるというのは、どういうことでしょう。

瀬口:TPPは太平洋を取り巻く米国主導の経済圏作りです。これに対して一帯一路構想は、中国から欧州に至るユーラシア地域に作る中国主導の経済圏だからです。中国は米国に対抗しうる大国になることを望んでいます。中国が主導して新たな世界秩序を打ち立てたい。この仲間作りを、経済関係をドライバーにして行うのが一帯一路構想だと言えます。中国は軍事的には米国と対抗できないことを分かっています。なので、経済関係を重視している面もあるでしょう。

—一帯一路構想がTPP対抗策であるなら、米国は中国をTPPに入れないつもりでしょうか。

瀬口:いえ、そうではありません。これは短期と中長期に分けて考える必要があります。短期的には、米国は中国を入れないつもりでしょう。国有企業の問題など中国が短期間で克服するのが難しい高いハードルを設けたのはこのためです。これは、先ほど触れたように、西太平洋地域を中心にアジア太平洋の国々との関係をより緊密なものにすることが狙いです。米国が主導する世界秩序形成を経済連携の面から固める。

 しかし、中長期的には中国を受け入れるでしょう。中国の市場規模は無視できません。ただし、米国が主導して作ったTPPのルールに従うなら--という前提付きです。バラク・オバマ米大統領はTPPの大筋合意を受けて「中国のような国に世界経済のルールを作らせるわけにはいかない」と語りました。この発言が米国の考えを如実に表していると言えるでしょう。中国を名指しして、このような発言をしたことには驚きました。習近平国家主席との首脳会談からまだ10日しか経っていませんから。これは最近の米国国内における反中感情の厳しさを物語っていると思います。

将来は人民元を中国経済圏の基軸通貨に

—米国のルールメーカーとしての地位を支えるシステムの一つにドル基軸通貨体制があります。AIIBは、一帯一路構想が想定する中国経済圏において人民元を基軸通貨にするためのツールなのでしょうか。新興国のインフラ開発向けに人民元を融資して、人民元決済を増やしていく。

瀬口:すぐにそこまで進むことはないと思います。例えば人民元建てで入札を行っても、入札しづらい国や企業がある。そうなれば逆に、AIIBの地盤沈下につながってしまいます。

 ただし、一帯一路構想が対象とする地域において人民元の利用が自然に増えることは望んでいると思います。最終的には地域内で人民元を基軸通貨的な存在にすることを思い描いているでしょう。

—中国はIMF(国際通貨基金)の準備資産であるSDR(特別引き出し権)を構成する通貨に、人民元を加えたいと考えています。これは将来、人民元を基軸通貨にするためのステップなのでしょうか。

瀬口:それは言えると思います。ただし、基軸通貨となるためには金利の完全な自由化、為替の完全な自由化、資本移動の完全な自由化の3つを進めることが不可欠です。中国はその方向を目指していますが、まだかなりの時間を要することでしょう。

 6月の株価が暴落した時および8月に人民元が急落した際に、中国政府は市場実勢に逆らう形で大規模な市場介入を行いました。これを念頭に、世界の市場参加者は「中国政府は市場実勢を無視する形で再び大規模介入することがあるかも」と懸念しています。中国政府がこのような不信感を持たれているようでは人民元が基軸通貨の役割を果たすことはできません。中国共産党が一党独裁体制を維持している限り、この懸念を払拭することは難しいかもしれないですね。

中国経済の将来を占う9月の輸出統計

—中国が8月にドル売り元買いの大幅介入を実施したのは、それだけ元安を恐れていたからでしょうか。

瀬口:その通りです。為替市場では元安期待が高まったので、今のうちに人民元をドルに替えておこうという思惑が広がりました。放っておけば、さらなる大幅かつ急速な人民元安を引き起こします。

—事の発端は、中国政府が8月11日に人民元の基準値の決め方を変更し、5%弱の元安を容認したことにありました。

瀬口:そうですね。中国は人民元の地位向上に不可欠である為替自由化の歩みを進める意図で基準値の決め方を変更したのだと思います。中国政府が恣意的に決める方法から、前日の終値に反映された市場実勢を尊重する形で当日の基準値を決定する方式に変えました。しかし、ちょうどこの時期、中国の輸出の伸び率が落ち込んでいました。加えて、基準値の決め方を変更した直後に公表された国内経済指標も予想以上に弱い数字だったので、「元安を誘導し輸出をてこ入れしなければならないほど中国経済は悪化している」との見方が広まってしまったのです。それが、さらなる元安を招いた。

 中国が元安誘導で輸出の拡大を図ったという見方は間違っていると思います。この時の元安はわずか5%ほどです。この程度の元安で輸出を増やすことはできません。日本がアベノミクスの下で50%もの円安に誘導しても日本の輸出が今の状態にあることを考えれば、今回の元安の効果のほどは知れているでしょう。

 私は今後の人民元、そして中国経済の展望を占うものとして、中国が発表する9月分の輸出統計に注目しています。万が一、ドル建ての輸出額が前年同期比で再び6~10%落ち込むようなことがあれば、中国の輸出の先行きに対する不安が高まり、元安の圧力が高まるでしょう。

 そうなれば中国政府はドル売り元買い介入をし、人民元の買い支えを図ることになる。これは外貨準備高の低下につながります。仮に、現在3.5兆ドルある外貨準備高が2兆ドルを切るレベルにまで急速に減少するような事態になれば、中国は現行の管理フロート制をあきらめる道を選ぶかもしれません。

—人民元を買い支えきれなく可能性があるということですね。その先にあるのは、どのような事態でしょう。

瀬口:1つの選択肢として考えられるのは、為替を一気に完全自由化する道です。完全フロート制への移行ですね。そうなれば、人民元のさらなる大幅安が避けられないでしょう。例えば現在1ドル=6元の相場が1ドル=8元になれば、中国は厳しい輸入インフレに陥ります。部品を海外から輸入している製造業など、ローカルコンテンツへの依存度が低い産業は大打撃を受けます。中国と貿易をする外国にも影響が及びます。資源国の中国向け輸出が今以上に減少するでしょう。日本が謳歌している爆買いも影を潜めることになります。

—米国が利上げの時期をさぐっています。もし利上げがあれば、人民元相場にどのような影響があるでしょうか。

瀬口:さらなる人民元安を促すことになるでしょう。米国が量的緩和策の出口政策を年内に実施すれば、一段とドル高に向かうことが予想されます。これに対して人民元が対ドルレートを維持しようとすれば、人民元も連れ高になります。これは中国の輸出競争力をさらに低下させ、輸出の伸び悩みを深刻化させることが懸念されます。

 そこで人民元の対ドルレートを切り下げざるを得ないとの見方が広がれば、人民元売り圧力が一段と高まる可能性があります。

—中国の9月の輸出の伸び率が大幅なマイナスだったら、米国は利上げを見送ることになるのでしょうか。米中は、対立要素を抱えつつ、経済関係を密にしています。米国も中国経済がさらに悪化する事態は望まないでしょう。

瀬口:このあたりの事情は非常に複雑です。まず、小売り大手の米ウォルマートなどの輸入産業は米利上げがもたらす元安を歓迎するでしょう。米国は中国から実に様々なものを輸入しています。元安は、輸入品の価格低下を意味し、米国の物価を安定させる要因になります。

 ただし米国にもリスクがあります。元安で、生産拠点としての中国の魅力が高まると、シェール革命を機に米国内に回帰していた製造業が拠点を中国に移す動きを始めるかもしれないからです。中国からの輸入品の増加と相俟って、米国内の雇用に対するマイナスのインパクトが高まるのは避けられないでしょう。

中国経済が緩やかに成長する条件

—ここからは、中国の実態経済の将来について伺います。6月半ばに株価が暴落した後、8月半ばには元安が追い打ちをかけ、不安視する見方が強まっています。

瀬口:そうですね。株価が暴落して不安が拡大していた時期に人民元が切り下げられ、さらなる株価の下落を招きました。8月に発表された7月分の経済指標が芳しくなかったことも、これに拍車をかけました。

—でも、瀬口さんは、中国景気は今後、成長率が緩やかに回復していくと見ているのですよね。

瀬口:はい。これから挙げる3つの条件を満たせば、中国経済は落ち着きを取り戻すし、市場も安心すると考えています。第1の条件は、先ほどお話しした9月の輸出が前年同期比でプラスになることです。マイナスであっても、せいぜい1~2%減程度に収まること。第2の条件は、9月の経済指標で「工業生産」と「小売総額」、すなわち生産と消費の指標が8月の伸びを上回ることです。第3に、不動産投資の伸び率の低下傾向が年内に反転して回復に向かい始めることです。

 投資の状況を表わす「固定資産投資累計」の伸び率が低下し続けても問題ありません。この伸び率の低下は過剰生産設備の処分が進んでいることを示すからです。

 7~9月期のGDP伸び率について、市場では6.8%前後と見る向きが多いようです。ふたを開けて見なければ分かりませんが、十分にあり得る数字だと思います。しかし、「李克強インデックス」を基に、実態のGDP成長率は5%前後とする見方には私は与しません。このインデックスは中国経済の弱い部分にスポットを充てており、下方バイアスがかかっているからです。

李克強インデックスは中国経済の実態を表わさない

—李克強インデックスのどこに問題があるのですか。

瀬口:李克強インデックスは、中国の李克強首相が重視する電力消費量、鉄道輸送量、中長期新規貸出残高を合成して作る指標です。このうち、電力消費量と鉄道輸送量は、中国経済全体の実態を示すものとは言えなくなっているからです。理由は3つあります。

 1つは、中国経済で第3次産業へのシフトが進んでいること。これら2つの指標は重厚長大型の製造業の活動と関係が深い数値で、第3次産業の動向を適切に表すとは言えません。しかも、ニューノーマル政策の下で中国政府は重工業分野を中心に過剰設備の削減を進めています。これが製造業の生産を低下させ、2つの指標を押し下げる方向に働いています。

 第2の理由は中国で省エネが進んでいること。経済が成長するのに以前ほどの電力を必要としなくなっています。第3の理由は国内輸送手段が鉄道からトラックへと移っていることです。高速道路網が整備され、トラックでの輸送が便利になりました。納期も、鉄道よりもトラックの方が守れるようになっています。日本でも昭和30~40年代に同様の動きが起こりました。

—来年に向けて成長率をどう見ていますか。

瀬口:3つの成長ドライバーがあると考えています。地方政府による公共投資、不動産投資、そして第13次5カ年計画に伴う投資です。

—地方政府による公共投資と不動産投資は、今日の経済不振を招いた元凶です。これからも、それらに頼っていくのは適切なことなのでしょうか。

瀬口:ご懸念はもっともです。地方政府によるこれまでの投資は、炭鉱や鉄鋼業を中心に発展する都市に、立派な役所を建てたり、誰も来ない大きなショッピングモールやリゾート施設を作ったりする無駄なものが多く見られました。しかし中国はこれまでの失敗に学び、投資の中身を効率的で収益性の高いものに変えていく方針です。中央政府は金融機関に対し、実需を伴わない無駄な投資には融資しないよう指示を出しました。

 もちろんこれまでもすべての投資が非効率だったわけではなく、実需を伴う投資として実を結ぶものもありました。例えばこの10月に、重慶と成都をつなぐ高速鉄道がサービスを始めます。これまで2時間かかっていた移動が1時間に短縮されます。これは重慶=成都間の経済圏を大幅に活発化させるでしょう。これに伴って、この地域の不動産投資も実需を伴って拡大していくことが見込まれます。

 この高速鉄道は北の西安、南の昆明へとさらに伸びていく予定です。これが各地の産業集積の形成を促進し、西部地域の経済活性化に大きく貢献していくでしょう。さらに、同様のことが、新首都経済圏=北京・天津・河北省(京津冀)=でも進むとみられます。

—第13次5カ年計画では、どんな取り組みを進める予定なのですか。

瀬口:主要国家級プロジェクトとして、いま触れた新首都経済圏の構築、長江流域経済ベルトの確立、一帯一路構想の推進が挙げられます。現時点ではまだ具体的な開発案件は明らかになっていませんが、来年3月の全国人民代表大会(全人代)で批准される予定です。

—中国市場が緩やかに成長していく時、日本企業にはどんなビジネスチャンスがあるでしょう。

瀬口:今、注目されている「爆買い」を考えてみてください。そこにビジネスの芽が表われています。中国人が日本に来てまで買うものが中国国内で入手できるようになったら、買わないわけがありません。

 先日、武漢を訪れました。武漢経済技術開発区では、イオンが武漢2号店を開く準備を進めていました。そしてイオンの進出に伴って、吉野家やニトリも進出しています。イオン1号店にテナントとして入っている吉野家では、2時間待ちの行列ができることも珍しくないと聞いています。

 自動車もまだまだ期待できます。8月の統計で、トヨタの新車販売台数は前年同月比20%増、ホンダは50%増を記録しました。トヨタではカローラが人気を集めています。日本車の価格性能比の良さに中国の消費者が気付いたのでしょう。一方のホンダは武漢で第3工場の建設を続けています。こうした動向から今後のビジネスチャンスが読み取れるのではないでしょうか。

10/7日経ビジネスオンライン 福島香織『中国のスパイ取り締まり強化に怯むな 日本人を守るには、今こそ防牒強化を』について

安倍内閣になってから中国の言うことを聞かないものだから、中国はあらゆる手段を講じて日本に「嫌がらせ」してきています。毅然とした対応が必要です。暴力団国家と思えば良い。自民党でも福田康夫のように「相手の嫌がることはしない」という外交のイロハも分からない人間が首相を務めていました。簡単に人の言うことを聞く人間を中国人は内心馬鹿にするというのを知らないのでしょう。村山、河野、鳩山などはさしずめ3馬鹿トリオと言ったところです。

尖閣漁船拿捕事件の後、中国はWTO違反のレアメタルの輸出禁止やフジタ社員のスパイ容疑逮捕と西側自由主義国にはあるまじき手を打って来ました。これこそが中国です。西洋の価値観を認めないのは中国の歴史の教える所です。中華の意味は世界の中心という意味ですから、西洋なぞ何するものぞです。ここを押えていませんと中国のことを正しく理解できません。五・四運動やそれ以後の不買運動・焼き打ちなぞは中国の人口の多さで西洋諸国の契約概念を蹂躙するものです。

中国では黄巾、五斗米道、白蓮教、太平天国等宗教で政権が弱体化してきました。現在の法輪功やキリスト教の弾圧は共産党が如何に宗教の力を恐れているかを証明するものです。

中国の記者はスパイです。特に新華社はそうでしょう。彼らの発想は自分たちもするから相手も絶対やっていると思うことです。「南京虐殺」だって彼らが引き起こした「通州事件」の延長でデッチ上げただけです。日本人も相手が自分たちと同じ発想をすると思い込みますが、方向は逆です。日本人は簡単に人を信じますが、中国人は「騙す方が賢い」ので。駐在武官も広義のスパイ活動をしています。世界では当たり前のこと。日本では左翼に牛耳られたメデイアが、日本が普通の国になろうとするとすぐ大騒ぎします。日本の不健全なメデイアを購読することによって経営をサポートするのはやめてほしい。中国は民主主義国の制度に付け込み、日本ですぐ裁判を起こします。中国の裁判官は賄賂を取るのが当たり前、共産党の指示に反した判決は出せる訳もない。日本の裁判官も人権と言う発想だけでなく、世界の動静を見極めて判決を出してほしい。世界最大の「人権抑圧国家」は中国ですから。人口の規模と言い、逮捕状なしの拘引など。法輪功の信者は生きたまま臓器摘出され、臓器売買で医師団が儲けて来たという話もあります。

日本のメデイアは「特定秘密保護法」が成立するときにあれだけ安倍内閣をバッシングしましたが、中国の「反スパイ法」と比べて見て下さい。中国のは、国が怪しいと思えばどういう理由でも逮捕できるという法律です。近代法の原則の罪刑法定主義に反します。彼らの頭の中は中世で止まっているのでしょう。

中国人で、日本国内でスパイ活動をしている人間を逮捕しても、人の命の重さは中国と日本では非対称なので捕虜交換みたいにはいかないでしょう。「殺して貰って結構。中国は人口が多いから」と言うでしょうから。やはり日本人は中国に行かないことが一番安全です。

記事

 5月から日本人3人が“スパイ容疑”で中国当局に逮捕されているという。私は日本政府が「スパイ活動をしていない」と言う言葉を信じよう。容疑者たちが中国当局に関与を認めているという「公安調査庁」自体、“インテリジェンス機関”と呼ぶに値する情報収集活動・能力はないと思っているので、この逮捕は誤認逮捕、あるいは冤罪逮捕だと見ている。日本政府は、誤認逮捕であると主張し、自白は強要されたものだとして、彼らの身柄の返還要求の交渉を続けてほしい。

習近平政権、“外国人スパイ”に敏感に

 この事件を受けて、知人から「あなたも気を付けてね」と冗談のような本気のような声をかけられるが、実際、気を付けなければならないと自覚している。逮捕容疑には、「軍事施設周辺の撮影」などがあるが、これは結構やりがちだ。中国の軍事管制区というのは、別に鉄条網で区切られている場所だけではないし、うっかり入ってしまうことはよくあるし、知らずに写真を撮影することもあるだろう。

 私も現役の北京特派員時代、友人が軍事管制区の中に住んでいたので、遊びにいけば、自然と軍事管制区の中に入る。演習の銃声が聞こえるようなところで、山をくりぬいて兵器倉庫や施設が作られてあるので、面白がって見に行ったりもした。また、戦車の演習場も比較的近くにあり、土煙をあげて走りまわる戦車もよく見かけた。こちらは、知人を訪ねるだけであり、やましいことは一切ないつもりだが、たまに、携帯電話がいきなり鳴って、「お前、どこにいる!」と見知らぬ男性から電話口で叱られることもあった。

 考えてみれば、記者時代の携帯電話はGPSで当局から追跡されているはずなので、どこにいるかは丸わかりなのだ。だが、胡錦濤政権時代は、いきなり捕まえるのではなく、そういう警告をしてくれる親切な時代であった。

 なので、今捕まっている日本人たちのことは人ごとではない。記者やライター稼業の好奇心旺盛な人たちが、国境や軍事施設に近づくことはしばしばある。それはあくまで媒体で発表する“報道”のためであってスパイ行為ではないのだが、中国側はそう納得してくれるとは限らない。中国では、日本と違って記者は情報工作員として任務を負うことが多いからだ。

 特に習近平政権時代になって、今まで以上に、外国人が中国国内をあちこち動きまわることに対して敏感になっている。それは、なぜなのか。

日本人拘束報道をもう一度ふりかえる。デイリーNKサイトの情報が一番詳しいので参考にすると、捕まった一人は51歳の愛知県在住の元公務員男性で、浙江省の軍事施設周辺で写真撮影していたとのこと。もう一人は北朝鮮国境の遼寧省丹東市で拘束された神奈川県在住の54歳の元脱北日本人妻の子供らしい。三人目は元航空会社勤務、牧場経営者の北海道在住男性。元公務員と元脱北者は5月に拘束され、牧場経営者は6月に捕まったという。

 彼らが中国当局に「公安調査庁に情報収集を依頼された」と話しているそうだが、公安調査庁側はこれを否定している。捕まっているのは日本人だけでなく、今年3月にビジネスツアーで広東省を訪問した米国女性企業家、昨年夏に遼寧省でカナダ人夫婦がスパイ容疑で逮捕されているとか。

中国人の取り締まりも強化

 捕まっているのは“外国人スパイ”だけでない。“外国人スパイ”に情報提供したとして中国人も機密漏洩罪でかなり捕まっている。その代表格が2011年暮れから表舞台から姿を消している軍属歌手の湯燦だ。彼女については拙著『現代中国悪女列伝』(文春新書)でも取り上げている。

 彼女は長らく、行方不明で元解放軍制服組トップの軍長老の徐才厚失脚に絡む権力闘争に巻き込まれて投獄されただの、秘密裡に処刑されただの言われていたが、その後、2012年5月、解放軍北京軍区軍事法院で「過失による機密漏洩」で懲役7年の判決を受けていたことが判明した。

 その顛末は彼女が獄中から口述筆記でまとめ香港から出版された自伝『我的壮麗青春 湯燦獄自白』にまとめられている。この本を本物の湯燦告白本だとするなら、彼女は天津にある韓国企業のぺ・ヨンジュンに似た韓国人業務経理・李承俊に、“国家のハイレベル指導者に関する情報”を提供したことで、機密漏洩に問われたという。

 李承俊とその上司の韓国資本の天津企業の美人副総裁ともども、中国当局はスパイと認定。李承俊を逮捕し、そのパソコンから大量に湯燦のプライベート写真が出てきて、問い詰めたところ、湯燦から情報提供を受けた、と自白したらしい。(この韓国人スパイ、と言うのは、あえて誤った表記でぼかしているのであって、本当は米国のCIA=米国中央情報局関係者である、という説もある。)

同書の中には、中国当局が当時、解放軍部上層部をターゲットにした韓国スパイ網が北京や天津に存在し、彼らは紅三代(建国に参与した革命一族の孫世代)が経営している企業関係者に、その肉体を使って接触し、懐に入り込んでいたという。湯燦は李承俊と、失脚した元総装備部副部長の谷俊山が北京のCBD(中央商務区)に構えている通称・将軍府と呼ばれる豪邸で出会い、湯燦から惚れて肉体関係を持っていたという。将軍府には、李承俊が贈った600年前の高麗末期の花瓶も飾ってあったとか。

 「企業を隠れ蓑にした解放軍上層部をターゲットにした韓国人スパイ網」の存在が暴かれていた、というのは初耳でにわかに信じがたい部分もあるのだが、習近平政権になってから、確かに“スパイ”容疑、機密漏洩容疑を乱発して、中国人も外国人も拘束、逮捕するケースが増えているように思う。そういえば、CCTVのイケメン人気キャスター、芮成鋼もCIAに情報提供していたというスパイ容疑がかかっている。

地形も汚染も反スパイ法の対象

 これは、習近平政権が外国のスパイ行為と情報漏えいに対し、それだけ敏感になっているということだと思われる。その証左が、昨年11月にわざわざ反スパイ法を制定したことである。こんな法律がなくとも、中国はこれまで防諜活動を滞りなく行っていたのだが、あえてこういう法整備をしたことが、習近平政権の特色といえる。

 この法律によれば、中国の国家安全を脅かす活動を行うのがスパイ組織であり、そのスパイ組織に直接、間接的に参与したり、リクルートしたりするのもスパイ行為とみなされる。違法な国家の秘密情報を探ったり窃取したり金で買ったりしてもスパイ行為。だが、中国において違法な国家の秘密というのは、実にたわいないものも含まれていて、土壌汚染の数値など環境情報も国家機密、地形なども国家機密(中国の地図は国家機密を守るために、わざと誤差を作っている)。

なので、環境NGOが独自で環境データを測量したりするのも、下手をすると国家安全を脅かすスパイ行為として取り締まられるかもしれない。GPSを使って登山するのも、スパイ行為と認定されるかもしれない。かつて日本の首相は漢字が読めない、と日本メディアが面白がって報じていたが、中国なら、国家指導者の国語能力の低さを露呈することは国家安全を脅かす、といって情報漏えいに問われる可能性もあるわけだ。

西側の価値観を締め出せ

 これとセットになる形で、今年7月1日に国家安全法が制定され、反テロ法、NGO統制法も予定され、国家の安全を守るという建前で、国内の異見論者や外国人への取り締まりを強化する方向性を打ち出している。中国にはFビザ(訪問ビザ)で、長期滞在してフリーランスの仕事をしたりしている外国人がかなりいるが、聞くところによると、こうしたFビザに対する審査もかなり厳しくなっている。

 一言で言えば、習近平政権は基本的に外国(西側諸国)を敵視しているのである。その傾向は、ニューヨーク・タイムズがスクープした習近平政権のイデオロギー統制秘密文書9号文件にも表れている。要するに西側の価値観、秩序が国内に浸透することを非常に恐れている。

 この9号文件を外国メディアに漏らしたという機密漏洩罪で中国人ジャーナリスト高瑜は懲役7年の判決を受けた。9号文件の中身はすでに香港メディア界隈には流れており、これは冤罪である。だが、外国人記者たちの間で人気の高いジャーナリストを見せしめとしてひっとらえることで、外国人記者や人権活動家たちの取材活動がかなり制限される効果は当然あった。実際、中国の知識人は外国人記者らと接触することに従来以上に慎重になっているし、こちらとて政治的に敏感なテーマについて意見を聞くことすら、注意を払うようになった。

 習近平政権がこれほどまでに外国および外国人を敵視し警戒している一つの理由は、それだけ習近平政権が安定していないことの裏返しではないかと思われる。重慶市公安局長の王立軍が国家機密情報をもって成都の米総領事館に駆け込んだ事件をはじめ、権力闘争に米国を利用するやり方が習近平政権になってあからさまになってきた。

 米メディアが習近平ファミリーの蓄財ぶりを報道したそのネタ元が習近平の政敵であったと言われているように、あるいは習近平に失脚させられた官僚・令計画の弟が、国家機密情報をもって米国に逃げ込んだと伝えられているように、あるいは失脚前の元政治局常務委員の周永康が北朝鮮に機密情報を土産に亡命を画策したと言われているように、今や国家機密を外国に渡すことが権力闘争の駆け引きの手段として定着している。もともと、権力闘争はあくまで内政問題で、どんなに激しい権力闘争も共産党体制や国家の安全を犠牲にしてまではやらない、という暗黙の了解があった。だが、そういう暗黙のルールを破りもともとあった共産党秩序を崩してしまったのはほかならぬ習近平である。

日本は怯まず防諜強化を

 もう一つは、台湾のひまわり運動や香港の雨傘革命に米国の影を感じているということも関係あろう。中東のカラー革命に米国が絡んでいるという「陰謀説」は中国でも広く信じられており、習近平政権は非常に西側諸国のメディアおよびNGOの動きに敏感になっている。外国人排斥の方向性は、中国でカラー革命を絶対起させまい、という意志表示とも言える。逆に言えば、中国でも中東で起こったような混乱が起きうる社会・政治情勢がある。

 こういう状況なので、いつ誰が、スパイ容疑で捕まっても不思議ではないのである。

 ワシントン・ポストによれば、在中国の米国公館に配属されているCIA関係者は一斉に引き上げているとか。ハッキングによってその名簿が中国サイドに流れたためらしいが、とにかく今の中国は、心当たりのある者にとっては非常に危険だということだろう。そして、全く心あたりのない者も、当局にとって気に食わないと思われれば、スパイ容疑の冤罪をかぶせられることがあるやもしれない。

 こういう状況で日本政府がやれることは限られているのだが、一つ言えることは、スパイ行為、情報収集行為は、きちんとしたインテリジェンス機関を持つ国ならばどこの国もやっていることである。それをやることは、実はある種の国際常識なのだ。だが、それを防ぐのも国家としての当たり前の責任だ。中国にいる日本人の身を守るには、中国のこうした態度に恐れをなして、情報収集に消極的になるよりも、むしろ日本国内における防諜により力を入れて、こうした日本人の誤認逮捕が起きたときに、彼らの返還を要求できるだけの駆け引き材料を手に入れておくことが何より重要ではないかと思う。

10/5 Sankei Biz 渡辺哲也『中国が資金流出に規制 海外のショッピング制限、爆買いに陰り?』10/6石平メルマガ『崩壊へ向かう中国経済』について

国際収支の面で見れば、経常収支+資本収支+外貨準備増減+誤差脱漏=0でこの外貨準備増減の累積が外貨準備高になります。確かに資本収支で自国内に金を呼込めばプラスになりますので、借入であっても外貨準備は増加することになります。中国に貸している金は、アメリカが利上げすれば、安全資産である$に切り替えられる可能性大です。人民元の利子は1.75%(1年物定期2015年8月26日~)で米国の利子は0.4%(1年物定期2015年10月2日、じぶん銀行)です。小生だったら、23兆$も国全体で借金を負っている人民元で預金する気はありません。

外貨準備が潤沢であれば、外貨持出で制限をかけることはないでしょう。日本も戦後から1978年まで持出が制限されていました。外貨準備が少なかったためです。中国が公表3.46兆$も外貨準備があるなら制限しなくても良いでしょう。数字を誤魔化しているとしか思えません。

石平氏の記事では消費、特に大衆の飲み物であるビールの消費が今年上半期で▲6%と言うのは凄い落ち込み方です。青島ビール小壜卸価格で2元(40円程度、www.1688.com調べ)ですから、それが飲まれなくなったという事はGDPもかなり下がっていると思います。不動産投資も振るわず、純輸出も振るわない中、消費に期待を寄せる中でです。そもそも中国は数字の誤魔化しは当り前で、▲6%と言うのも怪しいかも知れません。2005年当時で大壜の小売価格は1.5元~2元(30円弱)くらいでした。「世界のビール消費量 2013年 キリンビール調べ」によれば、中国は4631万KLで世界一、日本は549万KL(発泡酒・第三を含む)で第7位です。中国が下半期も▲6%で推移するとすれば年間で278万KL減る事になります。日本のビールメーカーが2社はなくなる計算です。経済面で、中国に期待することは止めた方が良いでしょう。TPPを活用することを考えた方が良いです。

渡辺哲也記事

中国のバブル崩壊が話題になっているが、その陰で中国の外貨準備に対する懸念が生まれ始めている。中国の外貨準備は約3兆4600億ドル(約415兆円、8月末)と減少傾向が続くが、額面上は世界最高水準であり、何の心配もいらない。しかし、この中身と実際に使用できる額に懸念が生じているのである。

 外貨準備とはキャピタルフライト(資金流出)に対する備えであり、通貨価値を維持するための保険のようなものである。国内から資金が流出する場合、自国通貨が売られ、ドルなど他国通貨に両替される。これが大規模に起きた場合、通貨の暴落が発生する。これを抑制するのが外貨準備であり、中央銀行などが他国通貨を売り、自国通貨を買うことで通貨の暴落を防ぐという仕組みである。

 では、中国の外貨準備の何が問題なのかということになるわけだが、中国の場合、外貨準備における米国債の割合が非常に低いのである。中国の保有する米国債の額は約1兆2400億ドル(7月末)であり、外貨準備総額の約3分の1しかない。日本の場合、外貨準備約1兆2400億ドル(8月末)に対して、そのほとんどが米国債であり、中国の状況はこれと大きく異なる。

また、日本の外貨準備は政府と中央銀行の純資産であり、全額介入に使うことができるが、中国の場合、国有銀行保有分なども含まれているとされており、企業などが預けている決済用資金も含まれている可能性が高く、実際にどの程度使えるかが分からないのだ。外貨準備とはあくまでも外貨をいくら保有しているかであり、借り入れであろうがその性質を問うものではない。

 この懸念を証明するかのように、中国当局は外貨流出阻止に躍起になっている。まずは通貨先物取引を規制し、そして、ついに中国人観光客が海外で使う外貨にも規制をかけ始めた。中国の場合、個人の両替は年間5万ドルまでとなっているが、実はこの規制は、中国で大きなシェアを持つ銀聯カードを利用することで回避できた。

 銀聯カードは厳密に言えば、クレジットカードではなくデビットカードと呼ばれるもので、利用時に即時に銀行口座から引き落とされる仕組みになっている。このため、銀行口座の残額が限度額のようなものであり、中国国内の銀行口座にお金があれば、海外で自由に外貨を引き出せたのであった。このため、中国国内の両替規制は有名無実化していた。

ついに10月1日、中国は銀聯カードを使った両替に対して、年間10万元(約190万円)という規制(移行措置として10月から12月までは5万元)をかけた。なおショッピングは無制限だが、今後、ショッピングも規制する可能性が高いとされる。バブル崩壊と両替規制強化により、今後、中国人の海外での爆買いは徐々に減少すると思われ、日本の観光業やサービス業への影響も懸念される。

石平記事

今年8月と9月に公表された、中国経済関連の一連の統計数字は、現在のこの国の実体経済の深刻さを如実に語っている。

たとえば、中国自動車工業協会が8月11日に公表した数字によると、7月における全国の自動車生産台数は151・8万台で、前年同期比では約11%減、前月比では何と約18%減となった。まさしく地滑り的な落ち込みである。

生産台数激減の最大の理由は販売台数の減少にある。7月の全国自動車販売台数は前年同期比で約7%減、前月比では約17%の減少となった。これはまた、中国全体における個人消費の急速な冷え込みぶりを示している。

消費の冷え込みは自動車市場だけの話ではない。8月20日に米調査会社が発表した、今年4~6月期の中国市場スマートフォン販売台数は、前年同期比で約4%減少、四半期ベースで初めて前年を下回った。

国家工業と情報化部(省)が9月7日に公表した数字によると、全国の移動電話の通話量は今年7月までにすでに連続7カ月間のマイナス成長となったという。

同じ9月7日の国家統計局の発表では、今年上半期において全国のビール消費量は前年同期比で約6%減となって、ここ20年来で初のマイナス成長である。

このように、ビールの消費量からスマートフォンや自動車の販売台数まで、中国の消費市場は急速に縮まっているといえよう。そして、自動車販売台数の激減が直ちに生産台数の激減につながったのと同じように、消費の冷え込みは当然、製造業全体の不況をもたらしている。

英調査会社マークイットが8月21日に発表した同月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は驚きの47・1となった。

PMIというのは好不況の分かれ目の数値で、50以下であれば不況となるが、中国のPMIはこれで6カ月連続で50を割っただけでなく、8月の47・1という数値はリーマン・ショック後の2009年3月以来、約6年半ぶりの低水準、まさに大不況の到来を示す数値であったからだ。

製造業が沈没していれば、それと一蓮托生(いちれんたくしょう)の関係にある金融業も当然、苦境に立たされる。

8月31日に中国国内メディアが伝えたところによると、不良債権の増大・業績不振などが原因で、

中国工商銀行などの「中国四大銀行」で「賃下げラッシュ」が始まったという。50%程度の賃下げを断行した銀行もあるというから、金融業の苦しさがよく分かる。

こうした中で、今までは「中国経済の支柱」のひとつとして高度成長を支えてきた不動産開発業も大変な不況に陥っている。

今年上半期、中国全国の「不動産開発用地」の供給面積が、前年同期比で約38%も激減したことは、現在の「不動産不況」の深刻さを示している。莫大(ばくだい)な在庫を抱える多くの開発業者が不動産をそれ以上抱えることをしなくなったので開発用地の供給が大幅に減ったわけである。

実際、2014年1月から今年の8月まで、中国全土の不動産投資の伸び率は連続20カ月間下落している。

また、今年6月中旬から今月中旬まで、上海株が連続的な大暴落を経験したことは周知の通りである。

以上のように、今の中国では、消費・生産・金融、そして不動産や株市場、経済のありとあらゆる領域において大不況の冷たい風が吹き荒れている。国民経済を支えてきた「支柱」の一つ一つが傾いたり、崩れかけたりするような無残な光景があちこちで見られているのである。

中国経済はただ今、壮大なる崩壊へ向かっている最中である。