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『ウソまみれの中国。6.9%成長の裏で進行する「第2のアジア通貨危機」』(10/27MONEYVOICE北野幸伯)、『地球・月系の支配を狙う中国の野望』(10/27週刊新潮 櫻井よしこ)について

10/29産経ニュース<【田村秀男のお金は知っている】中国、日本国債爆買いの狙い 円に対する人民元安政策か

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今年2月、証券業界筋から「中国が日本国債を爆買いしている」との情報を耳にした。財務省の国際収支統計で国別の対日証券投資の動向が明らかになるのは2カ月後で、4月に2月のデータを見ると購入額がかなり減っていた。つい先日、最近のデータをみると、中国による対日債券投資は4月に再び活発化し、6月まで大きな規模で行われたことがわかった(グラフ参照)。(夕刊フジ)

中国の対日投資の大半は国債であり、そのうち主に短期債である。短期債は価格の変動リスクが小さく、外国為替市場での通貨投機の手段となる。現在の円高基調は昨年12月に始まり今年1月から6月にかけて加速した。円高トレンドと中国の短期債投資動向は一致している。円高の背後に中国あり、である。

円投機は中国勢に限らない。米欧のヘッジファンドはもっと強力だし、やみくもに円を買うわけではない。円高に賭けるだけの合理的な根拠がある。それは日米間の実質金利差の縮小・逆転だと、本欄では以前から指摘してきた。2014年4月の消費税増税後のデフレ圧力のために、名目金利からインフレ率を差し引いた実質金利は昨年12月、米国よりも高くなってしまった。この2月には日銀がマイナス金利政策に踏み切ったが、実質金利は逆に上昇を続ける始末だ。中国の対日短期債投資はその線にも沿っている。

中国のどこが日本国債の爆買いを行ってきたのか。大手の国有電力会社だとする見方が有力だ。電力会社は現金収入が豊富で、手元資金を日本の証券会社に委託して臨機応変に売買し、円高投機で大いに利益を稼ぐ。日本の財務省は米オバマ政権の反発を恐れて円売り市場介入に動かないので、投機家にとってはやり放題だ。

円債投機は国有電力会社の独断であって、習近平政権は無関係なのだろうか。

中国の日本国債買いは米国債売りと対になっている。昨年12月から今年8月までの9カ月間累計で、中国は米国債を日本円換算で約14兆円売却した。この間の日本国債買いは10・7兆円に上る。米国債売りと日本国債買いはいわばセットであり、北京の政策的意図が底流にあるはずだ。

この意図とは、円に対する人民元安政策だとみる。中国は対円、対ドルとも人民元を安く誘導している。昨年11月に比べ、この8月時点で、元は対ドルで4・5%安、対円で21%安である。中国人民銀行はドルに対する基準レートを人為的に設定し、基準レートに対して上下2%の変動幅に収まるように管理する。対ドルでなだらかな元安とする一方、東京市場では円債を買って円高を助長する。

中国製品は今や鉄鋼、自動車、家電、情報技術(IT)関連を含め、広範囲の分野で日本製と競合する。円高・元安で日本企業の対中投資継続を促す効果もあるだろう。対日債券投資は今、縮小気味だが、北京はもう一段の円高・元安の機会を待っているに違いない。 (産経新聞特別記者・田村秀男)>(以上)

利に敏い中国人だから、あらゆる手(汚い手でも)を使ってでも儲けようとするでしょう。騙すのはお家芸です。対$、円で人民元を安くして中国の輸出活性化(輸入相手国が相対比較で$高と円高となり競争上有利)と日本国債購入での円高誘導策で日本に投資を促す狙いとのこと。中国の企業を買っても良いことはありません。自由主義諸国における相互主義はありませんから。

①企業の土地の所有権はなく、使用権だけ。勿論、個人の不動産は言わずもがな。

②有力企業の株式の過半数は押えられない。

③株の過半数を押えたとしても、「董事全員一致の原則」がある。1%の株主(中国側)でも言うことを聞かないと経営の決定ができない。

④Due Diligence が信用できない。日本の法律事務所、監査法人に中国企業の落とし穴を見つけるスキルはない。

⑤契約も隠れた瑕疵ある契約の場合が多い。基本的に中国人に有利になる場合は、契約の条文を挙げて主張するが、相手側に有利になる場合は無視するのが常。後は泣き落とし。甘い日本人は手玉に取られる。

IMFが人民元をSDRに組み込んだのは、時期尚早だったのでは。資本取引の自由化に逆行する行動を採っているではないですか。そんなものは分かり切った話です。彼らは騙すのが得意ですから。ラガルドも鼻薬が効き過ぎたのでは。

宇宙への野心を顕わにしてきたという櫻井氏の記事を読むと、米ロは如何に愚かな行動を採ってきたかというのが分かります。米ロが争うのを漁夫の利として中共は活かしてきました。ソ連についたり、米国についたりと。日本と中国国民党を戦わせたのも彼ら一流の戦術でしょう。

彼らの行動を見ていると偽書の「田中上奏文」其の儘の行動を採っているではないですか。先ず、南シナ海、西太平洋、一帯一路と地球制覇の野望だけでは飽き足らず、宇宙にまで手を出そうとしている強欲集団です。世界はこの悪逆な中共の野望を押しとどめないと。経済を崩壊させるのが一番良いでしょう。自由主義諸国は目先のことだけしか考えないのではなく、世界の平和のために行動を起こさなければ。

北野記事

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中国経済の「負の連鎖」がいよいよ本格化か。2015年度のGDPを「6.9%の成長」と発表している中国ですが、「現状とはかけ離れている」とするのは無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』の著者・北野幸伯さん。では実際、中国経済はどのくらい危険な状態にあるのでしょうか。北野さんがさまざまなメディアの記事を引きつつ、わかりやすく解説して下さいました。

中国の現状はサブプライム危機やアジア通貨危機前より厳しい

攻撃性を増す中国

中国の挑発が、ますますエスカレートしています。

防衛省統合幕僚監部は14日、7~9月の航空自衛隊戦闘機による中国機への緊急発進(スクランブル)が208回で、前期より9回増えたと発表した。四半期ベースで3期続けて過去最多を記録した。

中国軍の戦闘機とみられる2機が9月25日、戦闘機としては初めて沖縄本島と宮古島の間を通り、東シナ海と太平洋を往復するなど、中国軍機の行動範囲は拡大が続いている。

引用:中国機へのスクランブル、最多208回 7~9月 – 朝日新聞デジタル10月14日(金)22時57分配信

対中国機スクランブル、7~9月で208回(!)。毎日平均2回以上じゃないですか!心配です。なぜ中国は、ますます攻撃的になっているのでしょうか?どうも、経済が本当にやばいことと無関係ではなさそうです。

【関連】「北方領土断固奪還」で最後に泣く国、笑う国、ほくそ笑む中国=北野幸伯

中国経済、唯一信用できる指標は?

中国のGDP、2015年度は6.9%の成長だそうです。しかし、この数字を信用している人は誰もいない。「ホントは、4%だ!」とか、「いや、3%だ!」など、いろいろいわれています。要は、誰も正確な数字がわからない。

「中国のGDP発表は、あてにならない!」。なんと李克強首相も断言している。同首相によると、あてになるのは、

  • 電力消費量
  • 鉄道貨物輸送量
  • 銀行融資額

この三つは、「克強指数」として、世界的に知られています。小泉総理や安倍総理のブレーンをされた高橋洋一先生は、『中国GDPの大嘘』の中で、こんなことを書いておられます。

中国が発表する統計のうち、数少ない、というか、唯一信用できるのが、この貿易統計。貿易統計は外国との関係もあって捏造しにくい。相手国の「正しい」対中国貿易量を集計すれば正確な数値が求められるからだ。

そのとおりでしょう。日本の対中輸出額と、中国の対日輸入額は、同じ数字でなければならない。GDPやその他の指標と違い、ウソをつけば、即座にばれます。唯一信用できる貿易統計で見ると、高橋先生は、「2015年のGDPは、6.9%なんてとんでもない。おそらく、マイナス3%だ」(!)と断言されています。

ちなみに2015年の中国貿易。貿易総額は、前年比8%減の3兆9,586億ドル。輸出は2.8%減の2兆2,765億ドル。輸入は、14.1%減の1兆6,820億ドル。確かにこれで、「GDPは6.9%増です」って、「怪しい」を通り過ぎて「不可能」ですね。

輸出激減でついに始まった、中国経済「負のスパイラル」

では、2016年9月時点の中国貿易はどうなのでしょうか?

中国の税関総署が13日発表した9月の貿易統計によると、輸出が前年同月比10.0%減の1,845億ドル(約19.1兆円)と大きく減った。輸出の前年割れは6カ月連続で、減少幅が10%以上になるのは7カ月ぶり。世界的な貿易の低迷が、中国経済に重くのしかかっている。

引用:中国の輸出、急ブレーキ 9月は1割減、7カ月ぶり水準 – 朝日新聞デジタル10月13日(木)13時27分配信

輸出は9月、前年同期比で10%減少(!)。

9月は最大の貿易相手の欧州連合(EU)向けが約10%減るなど、米国や日本、東南アジア諸国連合(ASEAN)など主要な貿易相手向けの輸出が軒並み5%を超える大きな落ち込みを示した。

一方、9月の輸入は同1.9%減の1,425億ドル(約14.8兆円)で、2カ月ぶりの前年割れとなった。輸出が落ちこんだことで今後、中国の輸入にも影響が出る可能性がある。

引用:(同上)

輸入は1.9%減。2015年は、14.1%減でしたので、よくなっています。しかし、輸出は、昨年通期の2.8%減が、9月は10%減になっている。また、輸出が10%減ったということは、世界市場で中国製品の消費が10%減ったことを示しています。

そうなると、中国企業もそれにあわせて生産を減らすことでしょう。消費が減り、生産が減れば、企業の売上と利益が減り、所得も減ります。所得が減れば、中国企業、中国人は、投資も消費も控えることになるでしょう。そうなると、当然輸入も減っていくことでしょう。

図にすると、 世界における中国製品需要の減少 → 中国輸出減 → 中国生産減 → 中国所得減 → 中国消費減(輸入減)→ 中国生産減 → 中国所得減 → 中国消費減 → 以下同じプロセスの繰り返し。

止まらない人民元安。中国経済は崩壊間近なのか?

このように、中国経済に暗雲が漂っています。夕刊フジ10月15日付は、人民元安と資本流失が深刻であることを指摘していました。

中国の通貨、人民元の下落が止まらない。10月から国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)の構成通貨に正式採用されたが、約6年ぶりの安値水準まで売り込まれた。

そんな中、中国からの資本流出は見掛けよりも深刻かもしれないと米投資銀行のゴールドマン・サックスが警告している。

人民元は「国慶節」の連休明けの10日から続落し、11日には一時1ドル=6.7148元と、2010年9月以来の元安水準になった。米国の利上げ観測やドル高も元売りに拍車をかけた。

ブルームバーグによると、8月の公式統計では、人民元決済を通じ277億ドル(約2兆8,700億円)が中国から流出した。

2014年までの5年間の月平均では44億ドル(約4,560億円)にとどまっている。

引用:中国、止まらぬ人民元安 見掛けより深刻な資本流出 ゴールドマンが警鐘 – 夕刊フジ10月15日(土)16時56分配信

人民元安、資本流出について、週刊東洋経済元編集長の勝又先生は、こう解説します。

人民元安と資本流出の背景について、週刊東洋経済元編集長の勝又壽良氏はこう解説する。

「SDR採用を決めた当のIMFが、中国の債務水準に警告を発しているうえ、国際決済銀行(BIS)は3年以内に中国で金融危機が起こる危険性があり、米国のサブプライムローン危機やアジア通貨危機の前より厳しい状況だと警告している。元売りや資本流出は避けられない」

引用:(同上)

「米国のサブプライムローン危機やアジア通貨危機の前より厳しい状況」だそうです。「中国、あるいは欧州(特にドイツ)から次の危機が起こる」というのは、世界的コンセンサスになりつつあります。パニくる必要はありませんが、心の準備と、できる対策はしておきましょう。

櫻井記事

いま、世界のどの国よりも必死に21世紀の地球の覇者たらんと努力しているのが中国だ。彼らは習近平国家主席の唱える中国の夢の実現に向かって 走り続ける。そのひとつが、宇宙制圧である。

21世紀の人類に残された未踏の領域が宇宙であり、宇宙経済を支配できれば、地球経済も支配可能となる。宇宙で軍事的優位を打ち立てれば、地球も支配できる。

10月17日、中国が2人の宇宙飛行士を乗せた宇宙船「神舟11号」を打ち上げた背景には、こうした野望が読みとれる。内モンゴル自治区の酒泉衛星 発射センターから飛び立った中国の6度目の有人宇宙船打ち上げは、無人宇宙実験室「天宮2号」に48時間後にもドッキングし、2人の飛行士は30日 間宇宙に滞在する。

打ち上げは完全な成功で、計画から実行まで全て中国人が行ったと、総責 任者の張又侠氏は胸を張った。中国は独自の宇宙ステーションを2022年までに完成させ、30年までに月に基地を作り、中国人の月移住も始めたいと する。

いま宇宙には、日本をはじめアメリカやロシアなど15か国が共同で運営維持する国際宇宙ステーション(ISS)が存在する。ここに参加しない唯 一の大国が中国である。

中国はアメリカとロシアの技術をさまざまな方法で入手し、独自の開発を 続けてきた。また彼らは世界で初めて「宇宙軍」も創設した。その狙いは何か。少なからぬ専門家が中国の軍事的意図を懸念する。

アメリカのシンクタンク「国際評価戦略センター」主任研究員のリチャー ド・フィッシャー氏もその一人だ。氏が中国の宇宙開発に関して最初の警告を発したのは、85年だった。

「詳細な分析と報告を国防総省をはじめ、主要シンクタンクに提出しましたが、誰も私の危惧を理解しませんでした。中国が宇宙に軍事的野心を抱 いているということ自体、誰も信じなかった。私は変人扱いされ、中国の脅威を大袈裟に言い立てているだけだと思われたのです」

宇宙戦闘部隊

だが、中国の宇宙進出は、氏の指摘どおりの道を辿ってきた。いまや多くの人の目に宇宙における中国の軍事的野心は明らかだ。そうした中、氏は、中国政府の姿勢に興味深い変化が見られると、シンクタンク「国家基 本問題研究所」で語った。

「彼らは自分たちの宇宙活動について、以前よりずっと積極的に語り始めています。無論、国家機密は口外しませんが、イーロン・マスクが目論むような宇宙開発が実現されるとき、中国はそれを支配(dominate)しよう と考えていると思います」

マスク氏は南アフリカ生まれの起業家で、アメリカのシリコン・バレーの寵児にして宇宙企業「スペースX」の創業者だ。今年9月末、氏は新たな ロケットと宇宙船の開発計画を発表、地球滅亡に備えて火星への人類移住 を進めるという。

フィッシャー氏が続ける。

「中国はマスクの考えるようなビジネスから、宇宙資源の活用までひっくるめて宇宙経済を支配したいのです。その前に地球・月系の宇宙圏を自らの支配圏として確定させようとしています。それこそが中国の軍事・政治 戦略の基本です」

その第一歩がアジア地域での覇権確立だと、氏は語る。

「アジアにおいて軍事力、経済力、政治力で圧倒し、それを地球全体に広げていく。そのための能力を、現在、磨いています」

海や陸を制するには空を制しなければならない。空を制するには宇宙を制しなければならない。

その意味で中国は着々とアジア制圧の構えを築き、支配圏を広げているとして、あと10年もすれば、中国の覇権は現在よりはるかに目に見える明らかな形で出現すると、警告する。地球の覇者となるのと同時進行で、宇宙での支配力を強めているというのだ。

「想像して下さい。高高度の宇宙を制すれば、地球上のどの国もどの地域も制圧できます。中国の宇宙開発が濃い軍事的色彩を帯びているのは、宇宙開発の全てを人民解放軍(PLA)が担っていることからも明らかです。習主席は今年、軍の大改革を断行しました。そのときに新設された戦略支援部隊が、中国の宇宙戦略を支えています」

近い将来、PLA空軍に創設されると見られているのが宇宙戦闘部隊である。その長に、リ・シャンフー将軍の名が挙がっているという。

「リ将軍は2007年に中国が地上発射のミサイルで800キロ上空の軌道上にあった中国の衛星を撃ち落としたときの指揮官です」とフィッシャー氏。

中国の衛星破壊は当時世界を震撼させた。なぜなら、中国はアメリカの衛星も破壊できる能力を見せつけたからだ。アメリカ軍は高度のハイテクに依拠しており軍事衛星はアメリカ軍の生命線だと言ってよいだろう。

その意味で衛星破壊行為は宇宙戦争に踏み込んだ行為だと解釈されたのだ。それを指揮した人物が宇宙戦闘部隊の長になるということは宇宙戦争の体験者が長になるのと同じ意味だというのだ。

地球規模で衛星監視

アメリカの専門家たちを真に憂慮させる次元に至るまでの中国の努力は凄まじい。今年6月、彼らは南シナ海の海南島東部の文昌市から新世代ロケット「長征7号」を打ち上げた。

2030年までに米露と並ぶ宇宙強国になると決意している中国の宙開発の鍵を握るロケットである。

「今年から運用を開始した文昌衛星発射センターは今後、非常に重要な地球・月系支配の拠点となると思います。中国が南シナ海の支配に拘る大きな理由のひとつが、この衛星発射センターにあると、私は見ています」 と、フィッシャー氏。

中国は地球・月系支配のために、地球規模で衛星を追跡、コントロールす る監視基地網を築いてきた。

中国を中心に、パキスタンのカラチ、アフリカ大陸のケニアのマリンディ、ナミビアのスワコプムンド、南米チリのサンティアゴ、豪州西部のドンガラに、各々衛星追跡及びコントロールのための基地を築き上げた。 アルゼンチンにも、新しい衛星監視基地が間もなく完成する。

フィッシャー氏が、そうした衛星監視基地の意味を解説した。

「アルゼンチンは中国に基地を提供する見返りに、中国の衛星情報を貰う取り決めを結んでいます。もう一度、フォークランド紛争が起きたら、アルゼンチンは中国提供の情報を活用して、大西洋の真ん中で英国の艦船を 待ち伏せできるのです」

このような中国の宇宙進出を前に、オバマ政権はブッシュ前大統領が月開発計画を再開しようとしたのを、全て止めた。日本も参加するISSは2024年にも運用を終えるかもしれない。

日本はここで宇宙開発における国際協力体制を推進する強い力とならなければならない。

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『横暴な権力者を殺害した男の死刑は止められるか 追い込まれての報復に同情、広がる執行停止署名運動』(10/28日経ビジネスオンライン 北村豊)について

中国社会は如何に悪が蔓延っているかという記事です。法治国家を装っているだけで、その実、人治国家だというのが本記事からも窺えます。習近平が法治国家を目指すというのは「法に依り政敵を倒す」意味しかありません。それはそうです。賄賂で如何様にでもなるし、ネポテイズムの社会ですから、正義の実現には程遠い世界です。

多くの中国人には絶望しかない世界でしょう。一部の人間が権力と富を握り、恣に人民を抑圧するのですから。絶望から、自救行為に走ったとしても、相手が横暴な権力者であれば仕方がないように見えます。法が個人の権利を守ってくれない以上、「報復」ではなくて「正当防衛」になるのでは。

そもそもで言えば、生産手段の個人所有を認めない共産主義が本事件を引き起こしたと見るべきです。共産党幹部が土地を勝手に召し上げ、自分の懐を潤すことしか考えなければ、庶民の怒りに触れるでしょう。毛沢東は小作農を騙して、地主や知識階級を虐殺するよう仕向けました。今その咎めが出ているという事です。「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」という価値観で言えば毛沢東は天才としか言いようがないでしょう。偉大な「腹黒王」を天安門に掲げているのですから、中国人の本性が分かるというものです。

まあ、少しは中国社会も変わりつつあるのかと思います。以前は、死刑が確定すれば即日執行だったのですが。しかも、新聞報道やネットで助命嘆願されるというのは時代の変化を表しています。ただ、個人の権利より、共産党支配の秩序を重んじる為政者は、死刑確定判決・最高人民法院の死刑執行許可を出した以上、覆すことはしないでしょう。せいぜい、執行を無期延期するのができるくらいのことで、ほとぼりが冷めた頃、死刑執行して、家族には執行後に通知するだけで終わるのでは。

日本と言う国に生まれて良かった幸せを噛みしめないと。暴虐国家・中国が日本を侵略しようと狙っています。日本共産党や社民党、極左暴力集団の中核派や革マル派、蓮舫に代表される反日民進党の一部はその手先と見て良いのでは。日本国民がしっかりしないと中国の侵略を許すことになります。民主主義国家は中国のような独裁国家と違い、国民の代表を選挙で選ぶシステムです。選挙の時に、政党や個人の信念を吟味して選ばないと国民に不幸を齎すことになります。我々ができるのは、偏向新聞は購読しない、偏向TV番組は見ない、ネットで多面的な情報を取る、選挙で日本を愛する政治家を選ぶことです。くれぐれも「甘い言葉」に騙されないように。彼らの価値観は中国人と一緒ですので。

記事

2008年7月1日の午前9時40分頃、北京市出身の失業者“楊佳”(当時28歳)が上海市公安局の“閘北(こうほく)分局”を単独で襲撃して、警官6人を殺害、警官5人と保安係1人に重軽傷を負わせるという大事件が発生した。この後に“楊佳襲警案(楊佳警察襲撃事件)”と呼ばれた事件は、閘北分局傘下の“芷江西路(しこうせいろ)派出所”の警官が登録証の貼っていない自転車に乗っていた楊佳を職務質問したところ、楊佳が身分証の提示を拒み、自転車の出所に関する質問に答えなかったことから、芷江西路派出所へ連行したことに端を発する。

警官殺傷に喝采も

芷江西路派出所に連行された楊佳は、取り調べの警官に協力しようとせず、警官と言い争いになった。このため、警官は楊佳に対して過酷な取調べを行ったようだが、最後には楊佳の身元が判明し、自転車は借り物であることが証明されたことで、楊佳は釈放された。その後、北京市へ戻った楊佳は閘北分局へ訴状を送り、芷江西路派出所の警官に不当な取調べを受けたとして、当該警官の解雇と精神的慰謝料の支払いを要求したが、閘北分局は取調べに違法性はないとして、これを拒否した。

この対応を不満として楊佳は6月12日に上海市入りし、閘北分局近くの旅館に宿泊して下見を行い、出刃包丁や催涙ガスなどを買いそろえて準備を整え、7月1日に閘北分局襲撃を決行したのだった。午前9時40分頃、防毒マスクをかぶった楊佳は、閘北分局の正門に7本の火炎瓶を投げ込んで混乱を巻き起こした隙に、出刃包丁を手にして分局内に侵入し、警官を手あたり次第に切りつけて殺傷した後に、指導幹部を殺傷しようと分局ビルの21階まで上ったところで逮捕された。

“故意殺人罪”で立件された楊佳に対する裁判は、9月1日に“上海市第二中級人民法院(地方裁判所)”で開廷された一審で死刑判決が下されたが、これを不服とする楊佳は控訴した。9月12日に“上海市高級人民法院(高等裁判所)”で開廷された二審は、10月20日に控訴棄却の判決が下されて、楊佳の死刑が確定した。その後、“最高人民法院(最高裁判所)”から上海市高級人民法院の死刑判決に対する承認が下り、11月26日午前中に楊佳に対し薬物注射による死刑が執行された。

日頃から警察官の横暴さに憤りを感じている庶民たちの中には、楊佳による警察襲撃事件の発生に喝采を叫ぶ者も多数いた。彼らは楊佳をあたかも英雄であるかの如く祭り上げ、北京市“石景山区”に所在する“福田公墓(共同墓地)”にある楊佳の墓には密かに花を手向ける人が後を絶たないと言われている。

さて、前書きが長くなったが、本題に入る。第二の楊佳と呼ばれる“賈敬龍”という人物がいる。その賈敬龍に対して、2016年8月31日に二審の“河北省高級人民法院”は死刑判決を下し、10月18日に最高人民法院が死刑判決を承認したが、多数の知識人がこれに異議を唱え、最高人民法院に対して死刑の撤回を求めて署名活動を展開している。その詳細は以下の通り。

新婚新居を襲撃、取り壊し

【1】賈敬龍は河北省“石家荘市”の“長安区”に属する“北高営村”の農家の若者である。2013年の年初に相思相愛で4年間付き合った恋人が賈敬龍の求婚を受け入れてくれ、2人は5月25日に結婚することを決めた。喜び勇んだ賈敬龍は、自宅を新婚住宅に改装しようと、自力で工事を始め、あちこちに建築材料を買いに走り、連日のように夜遅くまで働いた。そうして新婚住宅への改装が完成すると、賈敬龍はコツコツ貯め込んだ1元硬貨を使って「“我愛我家(私は我が家を愛する)”」という文字を書き、それを額に入れて部屋の壁に掲げた。賈敬龍はそれほどに新婚住宅の出来栄えに満足し、恋人との結婚の日を待ち望んでいた。

【2】1979年、賈敬龍の父親は北高営村から宅地の配分を受けて自宅を建設したが、2007年に自宅を3階建てに改築した。ところが、それから5年後の2012年1月に父親は村の集合住宅の中にある3DKの部屋を購入し、そこへ賈敬龍の両親と姉が移り住んだ。その後、祖母がその部屋に同居することになり、両親、姉、祖母が各々1部屋を使うことになった。一方、賈敬龍は3階建ての家に残留していたから、彼が新婚住宅に改装したのは3階建ての家だった。

【3】2013年2月27日、中国共産党北高営村支部書記で村民委員会主任の“何建華”が組織した取り壊し部隊が賈敬龍の住む3階建ての家に突然押しかけ、家を取り壊そうとした。これに驚いた賈敬龍は警察に通報し、取り壊しには断固応じない姿勢を示したので、彼らは諦めて帰って行った。ところが、5月6日の早朝、何台のも黒色の乗用車に分乗した一団が賈敬龍の家を取り囲むと、家に向けて一斉にレンガを投げつけて去っていた。何かが起こりそうな気配に賈敬龍が家の周辺を監視していると、翌7日の午後5時頃に、何建華の指示を受けた取り壊し部隊20人以上が敬龍の家に再び押しかけて来た。この日は結婚式まで18日、賈敬龍の27歳の誕生日まで6日に迫っていた。

【4】彼らは家の前にクローラー式油圧ショベル1台を持ち込むと、問答無用とばかりに賈敬龍が改装した新婚住宅を強引に取り壊しにかかった。賈敬龍が制止しようとしても、彼らは一切聞く耳を持たず、手あたり次第に破壊するだけで、それは正に暴徒による乱暴狼藉としか言いようがなかった。賈敬龍は2階で暴徒が上ってくるのを懸命に阻止していたが、父親が彼らに取り押さえられ、親戚の人々が殴打されるのを見ると、2階から下りざるを得なかった。すると、暴徒たちは賈敬龍を地面に押し倒して殴る蹴るの暴行を加えたから、賈敬龍は頭部に打撃を受けて流血した。そうこうするうちに、賈敬龍の姉が警察に通報し、警官が現場へ急行したが、なぜか賈敬龍は“高営派出所”へ連行され、8日の午前3時過ぎまで取調べを受けて調書を取られた。ようやく帰宅を許された時には、家はすでに全て取り壊さて廃墟と化し、汗水たらして改装した新婚住宅も、準備した新婚の調度品も全て廃墟の下に埋もれていた。

【5】家が取り壊された2か月後、恋人は彼女の両親から諭されて賈敬龍と別れた。家を取り壊された上に、恋人との結婚もダメになり、賈敬龍は失意のどん底に陥った。絶望の中で、賈敬龍は北高営村を管轄する長安区の“検察院”と“信報局(陳情局)”に告発状を何度も送付したが、なしのつぶてだった。家取り壊しの黒幕である何建華を訪ねて立ち退き補償を要求したが、無視された。家を破壊され、補償もなく、恋人も失い、結婚の夢も消失した。全ての夢と希望を打ち壊された賈敬龍に考えられるのは、北高営村で思いのままに権力を振るう何建華に対する報復しかなかった。

くぎ打ち機で報復

【6】賈敬龍の家が取り壊されたのは、2009年11月に北高営村の村民委員会で決議された「旧村改造計画」によるものだった。賈敬龍の父親は2010年11月に祖母が受けている社会保険を停止すると脅されて、家の立ち退き協議書に署名させられていた。この協議書は村民委員会の意向に沿って書かれた違法な内容で、立ち退き側である父親を利するところが何もない代物であったが、そこには村の共同住宅の1室を売り渡す代わりに、2013年2月20日までに旧宅(3階建ての家)を引き渡す旨の項目が含まれていた。賈敬龍がこの協議書の存在を知っていたかどうかは定かではないが、たとえ知っていたとしても彼は協議書を無視したと思われる。一方、村党支部書記で村民委員会主任として北高営村を牛耳る何建華は、賈敬龍の父親からサインを取り付けた協議書を盾に、合法と称して賈敬龍の家を強制的に取り壊したのであり、引き渡し期限を過ぎた2013年2月27日に旧宅の取り壊し作業を行おうとしたのだった。

【7】賈敬龍は何建華に報復する機会を探った。家が取り壊されてから1年半以上の月日が経過した2015年の“春節(旧正月)”に機会は巡って来た。北高営村では春節には毎年恒例の春節祝賀会を開催するが、何建華は北高営村の最高権力者として必ず出席する。2015年の春節祝賀会の当日、賈敬龍は村民たちに紛れて祝賀会の会場に入った。彼は密かに何建華の後ろに近付くと、隠し持っていた改造したくぎ打ち機で何建華の後頭部を撃って死亡させた。報復を果たした賈敬龍は自首しようと、自分の車で会場に近い“長豊派出所”への道を急いだが、追い掛けて来た何建華の親族に捕まり、殴る蹴るの暴行を受けた後に、長豊派出所の警官に引き渡されて逮捕された。

【8】賈敬龍は“故意殺人罪”で起訴された。賈敬龍の裁判は、2015年11月24日に“石家荘市中級人民法院”で一審判決が下され、賈敬龍に対し故意殺人罪により死刑、政治的権利の終身剥奪が言い渡された。これを不服とした賈敬龍は“河北省高級人民法院”へ控訴したが、2016年5月17日に河北省高級人民法院が下した二審判決は、「控訴棄却、原判決維持」であった。こうして、賈敬龍の死刑判決は確定した。河北省高級人民法院は8月31日付で最高人民法院宛てに賈敬龍に対する死刑判決の承認を求める文書を提出した。これを受けた最高人民法院は、10月18日付で賈敬龍に対する死刑判決を承認した。この結果、賈敬龍の死刑執行はいつでも可能となった。死刑は最高人民法院の承認が出てから数日中に執行されるのが通例である。

死刑執行の停止を求める

【9】一審、二審を通じて賈敬龍の弁護団は、種々の論点から刑の軽減を求めたが、石家荘中級人民法院も河北省高級人民法院も弁護団が提起した意見を一顧だにせず、検察側の意見を全面的に採用して死刑判決を下したのだった。論点の概要は以下の通り。

(1)殺害された何建華は2度の刑罰を受けた前科者であり、服役後に北高営村党支部書記、村民委員会主任になった人物である。権力を笠に着て、男を騙し、女に手を出すなどして村民たちを苦しめており、かつて人妻にちょっかいを出して、その夫に十数カ所も切られたこともあった。そんな人物だから、ならず者を組織して賈敬龍の家の違法な取り壊しを命じたのは何建華と考えられる。

(2)賈敬龍の父親が脅迫されて署名した「家の立ち退き協議書」は内容から判断して違法であり、それを根拠に家を強制的に取り壊したことは犯罪行為である。その結果として、家を失い、恋人を失い、結婚を逃した賈敬龍は、精神的に追い詰められて犯行に及んだものである。その境遇には同情すべきものがあると判断するので、情状を酌量し、法の公平の観点から刑の軽減を要請する。

(3)何建華の襲撃後、賈敬龍は自首するために車で長豊派出所へ向かっていた。ところが、何建華の親族に捕まったため、自首することができなかった。彼が逃亡する積りだったならば、別の方向へ車を走らせたはずで、自首する意向であったことは明白である。

【10】10月21日、賈敬龍の姉の“賈敬媛”は、最高人民法院ならびに河北省高級人民法院に宛てて「賈敬龍故意殺人事件死刑執行停止申請書」を提出し、改めて賈敬龍の弁護団が裁判で述べた意見を提起して賈敬龍に対する死刑執行の停止を求めたのだった。

事件の経緯が長くなったが、10月18日に最高人民法院が賈敬龍に対する死刑判決を承認したことは、賈敬龍の弁護団からメディアに伝えられた。賈敬龍に同情的なメディアが賈敬龍の死刑執行が近いことを報じると、世論は賈敬龍に対する死刑判決の是非を巡って大きな盛り上がりを見せ、多数の法学者や弁護士がネット上で賈敬龍の死刑執行停止を求める嘆願書の署名運動を展開した。嘆願書の内容は以下の通り。

賈敬龍は罪がないのに大きく傷つけられたことにより殺人に及んだものであり、自首する積りであったし、罪のない者を傷つけてはいません。社会の矛盾がますます激しくなっている今日、賈敬龍の一命を留め、怒れる者たちに罪のない者を傷つけないことを覚えさせ、我慢できない者たちには自首する道を残すべきです。  我々は最高人民法院に賈敬龍に対する死刑判決の承認を撤回するよう強く要求します。  添付は友人ならびにネットで賛同した人々の署名です。

「殺すべきではない」89%

本稿を執筆している10月24日の時点では、賈敬龍の死刑が執行された形跡はないが、最高人民法院が一度は承認した死刑判決を覆すことはあるのだろうか。中国のニュースサイトが実施した「賈敬龍の死刑執行」に関する三択アンケート調査の結果は、(A)の「殺せ。さもないと、さらに多くの役人の殺害が誘発されるし、誰も立ち退きの仕事をやらなくなる」を選択したのはわずか3%に過ぎなかった。(B)の「殺すべきでない。さもないと、さらに多くの法律を信じず、武器を信じる人々が類似の犯行に走る可能性がある」を選択したのは89%、(C)の「判断が難しく、分からない」は6%で、圧倒的多数が(B)を選択した。

以上から分かるように、賈敬龍を第二の楊佳と呼ぶのは、賈敬龍に対して気の毒だと思うが、両者に共通するのは職権を笠に着て横暴を極める権力者に報復したことだろう。楊佳は警官6人を殺害したから死刑は当然だと思うが、賈敬龍は前科2犯の悪質な村役人を1人殺害したに過ぎない。内蒙古自治区“公安庁長(警察庁長官)”の“趙黎平”は、2015年3月に37歳も歳下の情婦を拳銃で射殺した故意殺人罪、銃器不法所持罪などで起訴されたが、2016年6月に行われた秘密裁判で下された判決は“死緩(死刑執行猶予)”であったと言われている。中国ではこの類の「官僚に甘く、庶民に厳しい」判決が下される例は枚挙にいとまがないが、中国共産党中央委員会総書記の“習近平”が標榜する法治国家を目指すのであれば、少なくとも法は万民に平等かつ公平でなければならないはずである。

殺害された何建華のように村党委員会書記兼村民委員会主任として村を私物化し、私腹を肥やす村役人は、全国各地にはびこっている。それにしても前科2犯の人間がどうやって村役人のトップになれたのだろうか。それはともかく、賈敬龍の死刑執行が停止され、死刑判決が見直されることを期待するものである。

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『ロシア、奥の手「大民営化政策」に漂うきな臭さ 背に腹はかえられない――プーチン大統領の苦しい“二枚舌”』(10/28日経ビジネスオンライン 池田 元博)について

10/30日経朝刊には<ロシアを熊に例えれば… 日欧の危機感に溝(風見鶏) 

暴れている熊がいるとしよう。正面に立たされる人は、牙が迫り、命の危険を感じる。ところが後方から見れば、お尻しか見えず、さほど怖くはない。ロシアを熊にたとえれば、前者の視線が欧州、後者がアジアといえるだろう。

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一方、中国を龍に見立てると、日欧の立場は入れ替わる。日本は龍の牙と向き合っているが、欧州は尻尾しか見ていないため、危機感が乏しい。欧州のベテラン外交官は打ち明ける。

「我々は中国から遠く離れており、物理的な脅威は及ばない。日米ほどには東・南シナ海問題を深刻には受け止めていない」

見える光景が違うのだから認識に大きな差が生じるのも当然だ。それにしてもロシアをめぐる日欧の脅威観の溝は、日本が思っている以上にずっと深いようだ。いま滞在しているロンドンで外交や安全保障専門家と話して痛感するのは、冷戦再来を思わせるほどのロシアへの警戒感だ。

「彼らは今や戦略敵対国になった。しかも対立は長年にわたり続く」。対ロ強硬派と呼ばれる識者だけでなく中道派もこう話す。大きな原因はロシアが軍事挑発を強めていることにある。

テムズ川にたたずむ大きな石造りの英国防省。10月21日朝、省内の空気が張りつめた。シリア沖に向かうとみられるロシアの空母機動部隊が最短で幅約34キロメートルしかない英仏のドーバー海峡に現れたからだ。「冷戦中にソ連の空母は出没したが近年はなかった。挑発的だ」。英国防省に近い安保専門家は語る。

これは氷山の一角にすぎない。10月上旬、ロシアは東欧にある飛び地の自国領カリーニングラードに、核弾頭を搭載できるミサイルを配備した。欧州各国へのサイバースパイやデモをあおる情報工作も激しいらしい。

英国のロシア専門家によると、英外務省と国防省は最近、ロシアのスパイ活動やサイバー工作に対処する専門部局をひそかに立ち上げたという。

それだけに、12月にプーチン大統領を招き、経済協力を大盤振る舞いしようとする日本をみる英国の視線は冷ややかだ。「ドイツ政府内でも同様の空気が漂っている」(欧州外交筋)

対中戦略上、日ロ関係を強めたいという安倍晋三首相の発想は、欧州でもそれなりに理解されてはいる。それでも日ロ接近に批判がくすぶるのは、シリア・アレッポへの空爆問題などが重なり、プーチン政権への不信感が臨界点に達しつつあるからだ。

英国王立防衛安全保障研究所のジョナサン・アイル国際戦略部長はこう指摘する。「安倍氏が中国に対抗するため対ロ関係を強めようとしているのはわかる。だが日本は動くのが遅すぎた。10年前ならよかったが、ロシアがここまで強硬になってしまった以上、タイミングが悪い」

ロシアへの米国のまなざしは、欧州よりも険しい。米大統領選のかく乱を狙ったロシアのサイバー攻撃が指摘されるなか、ワシントンの警戒感は一段と強まっている。

「来年1月に『クリントン政権』が生まれれば、米国の対ロ政策はもっと強硬になる」。米民主党関係者からはこんな観測が流れる。

ロシアと交渉し、領土問題を解決しようとする安倍氏の姿勢自体がいけないというわけではない。

ただ、米欧との不協和音が広がれば、プーチン氏から足元を見透かされやすくなる危険があることも念頭に、外交を進めるべきだ。立地条件の違いから生まれる対ロ観の溝を、決して侮るべきではない。(ロンドンで、編集委員 秋田浩之)>(以上)とありました。

欧米も手前勝手です。自分たちの安全がロシアに脅かされているから日本にも同じ行動をと要求するなら、彼らも中国に対して経済制裁すべきです。南シナ海は国際仲裁裁判所の判決が出たではないですか。ロシアのウクライナ問題は国際司法の場で争ってはいません。それなのにロシアにだけ経済制裁を課し、中国に課さないというのはどう考えてもおかしいのでは。領土と領海の違いはあったにせよ。要求する場合は相互主義が原則でしょう。

プーチンは12月の訪日で領土返還・平和条約に対する日本人の期待が高まらないよう予防線を張っています。

10/28時事通信は<対日交渉に期限設けず=「中国は40年」-プーチン・ロシア大統領

【モスクワ時事】ロシアのプーチン大統領は27日、北方領土問題を含む日本との平和条約交渉について「(合意までの)期限を設けるのは不可能であり、むしろ有害だ」と語った。タス通信が伝えた。南部ソチで開かれた内外のロシア専門家の会議で「今後2~4年間で平和条約締結は可能か」と問われたのに対し、否定的に回答した。  プーチン大統領は、強い信頼関係にある中国との国境画定交渉ですら40年を要したと指摘。「残念ながら、日本とはその水準に達していない」と主張した。  ただ、平和条約締結は不可能でなく、「全ての問題の最終解決は日ロの国益にかなう」と述べた。また、「解決したいし、努力しているが、いつ解決できるか現時点で答えることはできない」として、今後の交渉次第だという認識を示した。  12月にプーチン大統領の公式訪日を控え、懸案の平和条約交渉が大きく進展するのではないかと日本側で期待が高まっている。今回の発言は、自身の訪日時に領土問題で思い切った決断をする可能性を事実上排除して、日本側の期待値を下げる狙いもありそうだ。 【時事通信社】

>(以上)

やはり、一筋縄では行きません。プーチンもロシアの国益をかけてやってくるわけですから。中国包囲網を築く為とはいえ、中途半端な妥協は駄目です。現実的に考えれば、領土がゼロ回答でシベリアの経済開発を先行するのであれば、欧米にも疑いの目を向けられかねません。そこが難しい所でしょう。しかし、交渉に40年もかけていたのであれば環境が変わってしまいます。特に技術の進歩が速い現代にあっては、軍事も経済も大きく変わってしまいますので。

記事

ロシア政府は今月、国内最大の国営石油会社「ロスネフチ」に中堅国営石油会社の株式を売却した。財政赤字の穴埋めに充当する狙いだが、本来は「民営化」を掲げていた。なぜ民間企業でなく、国営企業に売ることになったのか。

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ロシア最大の石油会社「ロスネフチ」が所有するクラスノヤルスクの油田(写真:ロイター/アフロ)

今月10日、唐突に公表されたロシア政府の指令書が、国内のエネルギー関係者を驚かせた。メドベージェフ首相が署名したもので、ロシアの国営中堅石油会社「バシネフチ」の政府保有株を、国内最大の国営石油会社「ロスネフチ」に売却するという内容だった。

日本ではほとんど報道されなかったが、このバシネフチの株式売却はロシアではエネルギー関係者だけでなく、政界ウォッチャーからも高い注目を集めていた。政権の中枢を巻き込み、侃々諤々(かんかんがくがく)の論争が繰り広げられた、いわく付きの案件だったからだ。

国内経済低迷で打ち出された「大民営化」政策

話を少し戻そう。ロシアは近年、主要輸出商品である原油・天然ガスなどエネルギー価格の急落と、ウクライナ危機を受けた欧米の経済制裁の影響で、厳しい経済環境が続いている。昨年の実質国内総生産(GDP)成長率はマイナス3.7%に落ち込み、今年もマイナス成長が避けられない情勢だ。

こうした中、政府が苦肉の策として打ち出したのが「大民営化」政策だ。有力国営企業の民営化や政府保有株の売却を進め、それによって調達する資金を今年の財政赤字の穴埋めに利用しようという計画である。同時に、経済の国家依存を下げることで、国内産業の構造改革につなげる狙いも込められていた。

政府はその対象企業として、ダイヤモンド採掘大手の「アルロサ」、海運大手の「ソブコンフロート」のほか、アエロフロート、ロシア鉄道、VTB銀行、バシネフチ、ロスネフチを選定した。財務省は一連の政府保有株の売却により、総額でおよそ1兆ルーブル(1ルーブル=約1.67円、約1兆6700億円)の歳入増が見込めると試算した。

突然延期された民営化入札

実際、政府は第1弾として今年7月、アルロサの10.9%分の株式を複数の投資家に売却した。続いて着手したのが石油会社のバシネフチだ。ただ、原油市況が低迷しているだけに、バシネフチについては発行済み株式の「50%+1株」を公開による民営化入札で一括売却することにした。過半の議決権を握れるというプレミアをつけることで、売却価格の上乗せを狙ったわけだ。

同社の民営化入札は当初、今夏中に実施する予定だった。事前の各社への打診では、国内の石油会社や投資ファンドなど9つの企業・組織が入札参加の意思を示したという。中でも当初から最有力視されたのが、ロシアの民間石油会社で最大手の「ルクオイル」だ。同社自身、買収に強い意欲を示していた。

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ところが入札は突然、延期された。国営企業のロスネフチにも入札資格を与えるべきだとの意見が浮上したためだ。かねてバシネフチの買収に関心を示していたロスネフチのイーゴリ・セチン社長が土壇場で、政権に強い圧力をかけたともいわれている。

これには政府や大統領府からも、反発が相次いだ。急先鋒は政府内で燃料エネルギー複合体を統括するドボルコビッチ副首相で、「ロスネフチは国営企業なので、バシネフチの民営化に参加できるわけがない」と切り捨てた。大統領府内でも「ばかげた発想だ」と批判の声が出た。

ただ、政府内ではシュワロフ第一副首相のように参加を支持する意見も多く、結局、バシネフチの民営化計画は明確な指針もタイムテーブルもないまま先送りされてしまった。実質的な棚上げの背景には、ロスネフチに買収資金を確保する時間的な余裕を与える狙いがあったとの説もある。

プーチン大統領の消極的な容認

事態が再び動きだしたのは9月になってからだ。きっかけになったとみられるのが9月初め、プーチン大統領の米ブルームバーグとのインタビューだ。

ロスネフチのセチン社長がバシネフチの民営化に高値で入札する意向を示しているが、「大統領は常に、巨大な国営企業が民営化される別の企業を買収するようなことは望んでいないと語っています。つまり、あなたは(ロスネフチの参加を)認めないということですね」。こんな質問に対して、大統領は以下のように答えたのだ。

「国営企業というが、ロスネフチは厳密にいえば国営企業ではない。英国企業のBPが株主に名を連ねていることを忘れてはならない」

ロスネフチは、政府が100%出資する国営企業の「ロスネフテガス」が69.5%、英石油大手のBPが19.75%の株式を保有している。国家の管理下にはあるものの、外国資本が入っている以上、ロスネフチをバシネフチの民営化入札から完全に除外するわけにはいかないという理屈だった。

大統領は続いて「政府の管理下にある企業が他の国営企業を買うのは良い選択肢とはいえない」と述べる一方で、「最終的には財政が重要だ」と表明。民営化入札ではより多くの資金を調達する必要があるとして、ロスネフチの入札参加を消極的ながらも容認する姿勢を示唆したのだ。

これを機に、ロスネフチへのバシネフチ株売却の流れが水面下で一気に進んだ模様で、冒頭の政府指令書の公布につながった。

政府の指令書は、財務省の同意を得た経済発展省の提案を受け入れ、バシネフチの50.0755%の株式を総額3296億9000万ルーブル(約5500億円)で売却すると表明。10月14日までの支払いを求めた。ロスネフチは指令書に基づいて期限内に振り込みを完了したため、バシネフチのディールはつつがなく終了したという。

ロスネフチによる自社株買いも

ロシア政府が国際会計事務所に試算を依頼し、それをもとに事前に想定していたバシネフチ株の売却価格は2970億~3150億ルーブル。ロスネフチが提示した価格はそれを上回ったが、不可思議なのは公開入札という当初の触れ込みと違い、ほぼ秘密裏に契約が結ばれたことだ。

ウリュカエフ経済発展相は入札に2社が参加し、ロスネフチだけが想定価格を上回る額を提示したと説明する。しかし、有力経済紙のベドモスチは、当初有力とされたルクオイルを含めて入札に関心を示した各社には正式な応札要請がなく、民営化の条件や入札日の公表を待っている間にロスネフチへの売却が発表されたと報じている。

「大民営化」という当初の掛け声とはかけ離れた入札騒動となったわけだが、これを巡ってはさらに続きがある。政府の指令書が公布された2日後の10月12日。プーチン大統領は政府会議で、バシネフチ株の購入代金を支払ったロスネフチの潤沢な資金力に注目し、今度はロスネフチによる自社株買いを「暫定的な措置」として認める可能性に言及したのだ。

政府はロスネフチも“民営化”の対象としている。同社については国家管理を維持しながら、全体の19.5%の株式だけを売却する計画だが、大統領発言の趣旨はこれをロスネフチによる自社株買いの形で代替し、得られる資金を財政赤字の穴埋めに充てるというものだった。

背に腹はかえられない

「本当の民営化とはいえないのではないか」――。後日、記者団に厳しく問われたプーチン大統領は「あくまでも中間的な措置であり、外国資本を含む戦略的投資家への売却を想定した本格的な民営化への一歩だ」と弁明。「これまで何度も言ってきたように、国家資本主義をつくるつもりはない」と強調した。

大統領は別の場でも「本格的な民営化の準備だ」と表明。ロスネフチの将来の民営化を想定すれば、バシネフチとの統合も相乗効果が見込めると主張している。一方で、こうした発想は「政府内の財政・経済派の立場だ」と指摘し、自らの本意ではないことも随所にほのめかせている。昨今の財政状況を踏まえれば、背に腹はかえられないということのようだ。

バシネフチ株の売却では、政府が入札企業に国営銀行からの融資による資金調達を禁じた。このためロスネフチは東シベリア有数のバンコール油田の権益の一部をインド企業に売却するなどして、短期間に資金を確保したとされる。辣腕タイプのセチン社長が率いるからこそ可能だったともいえる。

だが、こうしたいびつな“民営化”が長期的視点からみて、ロシアの国益につながるのか疑問視する声もある。財政赤字の穴埋めに苦慮する政府にとって、ロスネフチ頼みの状況が当面続くとみられるものの、政財界で特異な存在感をみせるセチン社長には政敵も少なくない。

セチン社長をめぐっては蓄財疑惑もしばしばとりざたされ、かつて「側近中の側近」といわれたプーチン大統領との関係も、さほど親密ではなくなっているとの噂も流れる。ロスネフチの肥大化が一段と進むなか、バシネフチの“民営化”騒動のしこりが政権内の経済路線対立や、石油利権をめぐる抗争を助長する可能性は否定できない。

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『米民主党は上院奪還へ、下院でも大躍進の兆し 共和党候補は「疫病神トランプ」のため次々と討ち死』(10/27 日経ビジネスオンライン 高濱賛)について

米国大統領選はヒラリーの圧勝との予測が出て、つまらないものになりました。本記事によればヒラリーの勝利の確率が93%というのですから。トランプの「猥褻発言」が大きなダメージになったとのこと。日本の大臣候補者のように共和党は身体検査はしないのでしょうか?出たいという人を止めることはできない?日本人から見ると、あれだけ当たり前のように不倫をして、離婚をする米国人が「猥褻発言」で非難するのかが分かりません。道徳的なモノの見方が違っているのかもしれませんが。片一方でパートナーを裏切り、個人の欲望を追求していくことは非難されずに、「猥褻発言」が非難されるのは違和感があります。罪で言えば、背徳の方が重いのでは。

でも、トランプの発言は「猥褻」が問題ではなく、「女性蔑視」=「性差別」の所にあるのでバッシングを受けたのでしょう。「人種差別」を平気でする人間ですから、「性差別」も当たり前なのでしょう。

ただ、ヒラリーが国家機密を自分のメールサーバーから外国に売り渡していた方が「猥褻発言」よりずっと罪は重いと思いますが。彼女は完全に売国奴と言えるでしょう。それがメデイアのバッシング対象にならないし、FBIも無罪放免するのですから、米国社会も相当おかしいと感じますし、大きな力が働いているような気がします。火病を起こす韓国民は案の定、朴槿恵大統領の一民間人への国家機密流出でバッシングをして、大統領の支持率も10%台に下落したケースとヒラリーとは違い過ぎます。しかし、日本だって民間人の有識者に外交問題でアドバイスを受けることはあると思います。ただ、朴槿恵大統領が添削を受けていた?のが証拠として出てくる方が、行政府の管理のまずさを表していると思います。

10/29日経電子版には<クリントン氏メール問題、FBIが捜査再開 現地報道、投票日まで11日

【ワシントン=共同】米大統領選の民主党候補クリントン氏が国務長官時代に私用メールを公務に使っていた問題で、米メディアは28日、連邦捜査局(FBI)がメール問題の捜査を再開する方針を決めたと一斉に報じた。

投票日が11日後に迫る中、クリントン氏には痛手となりそうだ。選挙情勢で劣勢の共和党候補トランプ氏はメール問題を徹底的に取り上げ、反撃に出る構えだ。

FBIのコミー長官が議会に宛てた書簡で、クリントン氏の私用サーバー利用に関して追加のメールが見つかり、機密情報を含むかどうかなどを「捜査することが適切と判断した」と明らかにした。捜査に必要な時間は「予測できない」という。

トランプ氏は28日、ニューハンプシャー州で演説し、捜査再開に「敬意を払いたい」と述べ、歓迎した。国務省のトナー副報道官は記者会見で「(FBIの)要請があれば協力する」と述べた。

FBIは7月、クリントン氏が私用メールを使って「意図的に違法行為をした証拠は見つからなかった」として、訴追を求めない方針を決定。クリントン氏は刑事責任の追及を免れ、メール問題を巡る捜査はいったん終結していた。フォームの始まり

>(以上)とあり、

FBIも副長官が買収されたイメージを払拭しようとしてのことと思います。ただ、如何せん遅すぎの感は否めません。単なるFBIのアリバイ作りかも。

TPP推進議員は落選するとの予想ですが、米国の内向き姿勢は相当のものがあるようです。日本は今次臨時国会でTPPを批准するようですが、米国抜きでは、中国経済包囲網としての意味合いが薄れるのでは。世界は警察官としての地位を降りようとしている米国の姿を見て、野心を顕わにする国が増えて来るでしょう。既存の秩序が守れず、弱肉強食の世界に戻る可能性もあります。今の中国の姿を見ていると、露骨に「力は正義なり」を押し通しています。賄賂とハニーが横行する悪徳が栄える国が世界の中心となったら、人類にとって不幸としか言えません。日本人はもっと世界で何が起きているかを事実や真実を追求した上で判断していく必要があります。

記事

—共和党議会のトップ、ポール・ライアン下院議長がトランプ大統領候補を見限って、同時に行われる上下両院選で議席を死守することに集中していますね。上下両院の議席について現在の予想はどうなっていますか。

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米下院議長を務める米共和党のポール・ライアン議長。トランプ現象が議会選に与える影響に危機感を募らせている(写真:AP/アフロ)

高濱:ライアン氏の危機感は大変なものです。大統領選は最終段階で米民主党のヒラリー・クリントン候補が米共和党のトランプ氏に大きく水をあけています。クリントン氏が勝利する確率を93%と予測する世論調査まで出ています。 (“Who will win the presidency?” 2016 Election Forecast, FiveThirtyEight, 10/24/2016)

「女性蔑視発言」から露骨な人種差別発言まで様々な暴言が積もり積もって、「大統領としての資格なし」といった「査定」が下されたようです。こうした見方は民主党支持者や無党派層ばかりでなく、共和党支持者の一部にも浸透しています。

その火の粉は、2014年以降、上下両院で過半数を占めてきた共和党にも広がっています。共和党としては、たとえホワイトハウスを奪還できなくても、議会の「城明け渡し」だけは阻止したいところ。しかし「共和党が上院での過半数を堅持するにはもはや手遅れ」(米主要紙の政治記者)といった声すら聞こえてきます。

最新の予想では、民主党が上院で過半数を得る確率は74.1%、共和党は25.9%。どうやら「城明け渡し」となる可能性が出てきました。 (“Chance of winning control,” 2016 Election Forecast, FiveThirtyEight, 10/26/2016)

共和党カリフォルニア州支部の幹部の一人は、筆者にこうホンネをぶちまけています。「トランプ以外のある程度まともな大統領候補を立てていれば、共和党勢力が強い下院はもちろん、上院だって過半数を守れた。『疫病神トランプ』のお陰でひどい目に遭っている共和党現職候補がそこら中にいる。トランプの『セクハラ』のイメージが共和党候補に乗り移っているのだ」。

「女性を敵に回して選挙には勝てない」

—トランプ氏の「わいせつ発言」のインパクトは「女性を尊重する国・米国」の国民にとっては想像以上に大きいのですね。それで、上院はどうなりそうですか。

高濱:上院は任期6年で、2年ごとに3分の1の議席を改選します。今回の改選数は共和党24議席、民主党10議席の合計34議席です。

選挙前の両党の勢力は以下の通りです。

  民主党 共和党 独立系
現議席数 44 54 2(民主党寄り)
改選数 10 24  

選挙予想・分析の分野で全米屈指の存在である、バージニア大学政治センターのラリー・サバト教授の予想を紹介しましょう。

同教授が、上院での勝敗を決める決め手と見ているのは、オハイオ州など共和党現職議員を選出している9州(オハイオ、アイオワ、アリゾナ、フロリダ、ニューハンプシャー、ペンシルベニア、ノースカロライナ、イリノイ、ウィスコンシン)です。

共和党は現在のところ、これらの州で4議席を“確保”しています。オハイオ、アイオワ2州はロブ・ポートマン(オハイオ)、チャック・グラスリー(アイオワ)両候補が「当選確実」。ジョン・マケイン候補(アリゾナ)も「ほぼ当確」、マルコ・ルビオ候補(フロリダ)も「有力」です。

一方、ケリー・アヨット(ニューハンプシャー、)、パット・トゥーミー(ペンシルベニア)、リチャード・バー(ノースカロライナ)が民主党候補と激しく競り合っており、当落は最後の最後まで分かりません。 (“With 19 Days to Go, Clinton’s Lead Is Bigger Than Ever,” Sabato’s Crystal Ball, Larry J. Sabato, www.centerforpolitics.org., 10/20/2016)

共和党のTPP推進派も次々と落選か

トゥーミー、バー両候補はこれまで上院財政委員会のメンバーでした。同委員会はTPP(環太平洋経済連携協定)など通商法案を扱う委員会です。二人ともTPP支持派でした。アヨット氏らの落選はTPPの推進に大きな痛手になりそうです。

他の共和党現職に目を移すと、マーク・カーク(イリノイ)、ロン・ジョンソン(ウィスコンシンの両候補も、世論調査の支持率で民主党の候補に10%前後リードされています。どちらもTPP推進派です。党関係者は二人とも落選する可能性が大と見ているようです。

TPP反対を唱えてきた“クリントン大統領”と民主党が過半数を握る上院が誕生すればTPP批准はどうなるのか。米国によるTPP批准が大幅に遅れるのは間違いないでしょう。再交渉の話も出てくるでしょう。

サバト教授の読みはこうです。「民主党はこの9議席のうち4議席を取るだけで、非改選議席と合わせて51議席(共和党49議席)を得られる。3議席取るだけでも50議席。対決法案の採決で50:50となっても副大統領が1票持っているから法案を可決できる」。

特に、重要なのは最高裁判事をめぐる上院の承認です。リベラル派を推す民主党が過半数を取れば、最高裁のリベラル色を一気に強めることになります。

トランプの「わいせつ発言」、下院にも影響

—下院はどうなると予想していますか。

高濱:共和党は第112議会(2011~2013年)以降、下院で230~40議席(総議席数は435)を堅持してきました。下院は予算に関する法案を先議する権限を有しています。オバマ政権は2013年以降、経済財政政策をめぐって、共和党が支配する下院に何度も煮え湯を飲まされてきました。民主党議員が増えれば、法人税減税や海外法人の売上高・資産への課税などで、どのような論議が繰り広げられるか、注目されるところです。

選挙前の民主、共和両党の議席数は以下の通りです。11月8日には435の全議席(過半数218議席)が改選されます。

民主党 186議席
共和党 246議席
欠員 3議席

民主党としては、クリントン圧勝のムードに便乗することで、共和党との議席差を縮めたい考えです。

トランプ氏の「わいせつ発言」が露呈するまで各種世論調査は、共和党は下院ではかなり議席を減らすだろうが、引き続き過半数を制するとの予測で一致していました。ところが「わいせつ発言」以降、情勢は激変しました。

世界の投資家が注目を集める予想会社「プリディクトワイズ」によれば、共和党が231~240議席を取る確率は、「わいせつ発言」以前は46%(10月4日)でしたが、同発言後には31%(10月13日)に急降下しています。共和党は辛うじて過半数を維持することはできても、民主党との議席差が大きく縮まる可能性が出てきました。 (“Overall House Control After 2016 Election,” predictwise.com., 10/13/2016)

共和党、下院でも20議席前後失う可能性

—現段階で民主党は下院で何議席ぐらい取れそうですか。

高濱:前述のサバト教授はこう予想しています。共和党で「当選確実」の議席は204議席、「優勢」が11議席、「有力」が10議席で、合わせて225議席。一方の民主党は、「当選確実」が182議席、「優勢」が1議席、「有力」が10議席で、合わせて193議席。現時点で激戦を続けている「接戦区」は17議席です。

ということは、共和党が「接戦区」すべてを落としても共和225議席、民主210議席で過半数は維持できます。民主党が下院を奪還するには、「接戦区」を全て取り、なおかつ共和党が「有力」としている10議席のうち8議席を取らなければなりません。ということは、共和党は惨敗したとしても、下院での過半数はなんとか維持できそうです。

止まらない主婦や若い女性の「共和党離れ」

—トランプ氏は下院において、どの程度、共和党候補者たちの足を引っ張っているのでしょうか。

高濱:9月末の段階で共和党は「当選確実・優勢」議席が231議席と予想されていました。それが10月20日段階では225議席に減っています。

例えば、筆者の住んでいるカリフォルニア州第10区の共和党候補のジェフ・デンハム氏(現職)、第49区のドレル・エイサ氏、第25区のスチーブ・ナイト氏らは9月末には「有力」でしたが、現在では民主党の対立候補と大接戦を演じています。

デンハム陣営の運動員の一人は筆者にこう話しました。「『トランプと同じ党の候補は嫌だ』という共和党支持の中年主婦が増えている。若い女性は最初から振り向いてもくれない。民主党候補は『女性蔑視のトランプ=デンハム』という政治コマーシャルを連日流している。(トランプ氏の言動の)影響は州議会選の共和党候補にまで及んでいるらしいね」。

大統領選、上下両院議員選、州知事選の投票日まで2週間を切りました。「トランプ現象」のあおりを受けて、2016年の選挙は議会の力学をも大きく変えそうです。

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『「ソウルは火の海になる」のデジャブ 米海軍が「ムスダン」を撃ち落としたのか』(10/27日経ビジネスオンライン 鈴置高史)について

GSOMIAを日韓間で締結しようとしていますが、韓国側が非礼にも、2012年6月末締結直前にドタキャンしたものです。日本に締結のメリットは感じられません。通貨スワップと同じです。本記事にありますように、偵察衛星を持たない韓国側にだけメリットがあるだけ。困った時だけ、泣きついてきて駄々をこねる未熟な国、ゆすりタカリのうまいヤクザ国家です。朝日新聞が慰安婦について誤報で謝罪したのを知っているにも拘わらず、世界に慰安婦像を建てて日本人の名誉を貶める活動をしています。中国上海には像が建てられましたし、ドイツでも建てる動きがありました。こういう国を支援するとしたら、日本人は馬鹿としか言えないでしょう。多くの日本人は「自分には関係ない」と思っているのでしょうが、子々孫々に悪い影響を与えることは間違いありません。敵は日本民族は道徳的に劣った民族と世界に刷り込み、日本侵略時に味方をなくそうと考えて行動しています。韓国はその手先として動いている訳です。日本は民主主義国家なので、国民が中韓の歴史の捏造に怒らなければ政府も力が入りません。衆愚政治の典型となります。果たして今の日本人にその自覚があるかどうかです。以前にもふれましたが、”Manchurian candidate”そのものでしょう。

10/28日経電子版には<対北朝鮮、韓国の背中押す 日韓軍事情報協定の交渉再開へ 

【ソウル=峯岸博】韓国政府は27日、日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)締結に向けた交渉再開を決めた。日韓は米国を介して安全保障情報をやり取りしてきた。GSOMIAで直接の情報交換が可能となれば、より広い安保情報を迅速に共有できる。現実的な脅威となりつつある北朝鮮の核・ミサイルへの危機感や米国の意向が複雑な対日感情を抱える韓国の背中を押した。

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ソウル南方の米空軍烏山基地に着陸した米軍のB1戦略爆撃機=21日(聯合=共同)

「北朝鮮への対応のためにも日韓の協力は極めて重要だ。早期締結を目指し韓国側と相談のうえ交渉に入る」。菅義偉官房長官は同日の記者会見で語った。日韓GSOMIAは2012年にいったん署名直前まで準備が整っており、両政府は今年中の締結をめざす。

日米韓には北朝鮮の核・ミサイル情報に限って情報を共有する防衛当局間の取り決めがある。それでもGSOMIAのメリットは大きい。

米国が介在しない分、情報伝達のスピードが速まる。ミサイル発射の場合、日本は発射地点や軌道を素早く把握できる。韓国は日本海などの着弾地点の情報を日本から得やすくなる。発射から日本周辺に落下するまでは数分。情報の把握・分析がわずかでも遅れれば致命的だ。日韓で直接伝達できれば、日本のミサイル迎撃システムの精度を上げることができる。

GSOMIAの対象は核・ミサイル情報だけではない。韓国が人的に収集した秘密情報に加え、南北軍事境界線付近の北朝鮮の動向や特殊部隊の情報も日本には魅力だ。

韓国も自国の弱みを補える。日本の偵察衛星情報に加え、北朝鮮が潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を開発するなかで自衛隊の哨戒機による対潜水艦の探知能力への期待がとりわけ強い。

韓国政府には、署名直前までこぎ着けながら「密室処理」などと世論の反発を受け日本に延期を伝えざるを得なかった4年前のトラウマがある。植民地支配を経験した韓国には日本との安保協力への抵抗感が強い。

昨年末の従軍慰安婦合意や地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)の在韓米軍配備問題も重なり、韓国政府は再交渉の時機を慎重に探ってきた。北朝鮮が今年に入り2回の核実験と20発超の弾道ミサイル発射を強行するなど、韓国政府は対日感情に拘泥できない状況になった。危機感を強める米もGSOMIA締結を促していた。

交渉再開は「あらゆる手段を総動員し北朝鮮に圧力をかける」と繰り返す朴槿恵(パク・クネ)大統領の意向が強い。国防省は「国民の支持を基盤に透明な形で手続きを進める」と強調する。

ただ朴氏は自身に関する内部文書流出問題で窮地に立っている。日本政府内には「署名できるまで韓国の世論を楽観視できない」(防衛省幹部)との不安の声も漏れる。>(以上)

とあります。韓国のヒューミントを期待してのことと思いますが、日本には朝鮮総連ルートがあります。裏で北に流れている金で言えば、圧倒的に日本からの方が多いと思います。韓国情報何て当てになりません。韓国は自力で北の脅威に直面した方が良い。

10/26ZAKZAK記事<正恩氏、身辺不安で“毒物探知機”輸入か 「毎週酒に溺れ自制できない」証言も 

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が身辺に不安を感じ、爆発物や毒物を探知する装備を輸入したと伝えられている。酒におぼれているという情報もある。今月には正恩氏の「斬首作戦」を行うとしている米韓両軍が合同演習を行ったばかり。正恩氏はいま、不安におののいているのか。  韓国の情報機関、国家情報院の国会報告で分かった。韓国紙、中央日報(電子版)によると、報告では正恩氏が「身辺の不安から最近、よく日程を変更し、爆発物・毒劇物探知装備を輸入した」といい、「斬首作戦」の具体的な内容の収集も命じたという。  報告はさらに正恩氏の健康についても言及した。「過飲・過食など無節制な食習慣で心臓病高リスク群と診断される」とし、正恩氏が毎週3、4日ほど夜通しでパーティーを開き、酒を飲むと自制できないという証言があることも紹介した。  正恩氏が不安を覚えるのも仕方がないのかもしれない。米韓両軍が10月10~15日、韓国西方の黄海などで合同軍事演習を行ったばかりだからだ。  演習には、米海軍が誇る原子力空母「ロナルド・レーガン」も参加した。その目的には、有事の際に北朝鮮指揮部を攻撃する訓練があるとされていた。指揮部の攻撃とは、正恩氏を「斬首する」という意味にほかならない。

北朝鮮情勢に詳しい関西大の李英和(リ・ヨンファ)教授は、「米韓軍の軍事演習や斬首作戦に対し、金正恩氏本人が警戒するというのもあるし、正恩氏の周囲が得点稼ぎのため過剰な警備をしていることも考えられる」と分析する。  一方、北朝鮮の国営メディアは連日、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領を非難し続けている。朝鮮中央通信によると、18日付の労働新聞はこう朴氏を批判した。  「朴槿恵一味は、民族の和合と北南関係の改善を願う各階層の熱望を踏みにじって反共和国対決策動にいっそう狂奔している。現実は、朴槿恵逆賊の群れの同族対決の腹黒い下心は絶対に変わらないということを示している」  前出の李教授はこうした北朝鮮の動きについて、来年の韓国大統領選に向けて「親北左翼政権を誕生させようとしている」と見るが、仮にそうなっても金正恩政権の未来は明るくないとして、こう指摘する。  「左翼政権ができれば、金を援助してくれるATMができてうれしいが、逆に韓国を攻撃するわけにはいかなくなる。北朝鮮にとって頼みの綱は左翼政権の誕生だが、かえって災いの元になるかもしれない」  どう事態が動いても、正恩氏の首筋が寒いことに変わりはないようだ。>(以上)

米軍の斬首作戦に怯える金正恩の姿が浮かび上がります。虚勢を張ってきましたが、米中に抗って、味方はロシアと瀋陽軍だけになりました。ロシアと瀋陽軍は米軍の攻撃があっても助けることは出来ないでしょう。まあ、北と南が争うのは「勝手にやって」という所ですが、「日本を巻き込むな」と言いたい。

記事

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10月15日、北朝鮮のミサイル発射失敗を米軍が韓国より先に発表。米軍による撃墜か、と憶測を呼んだ(写真=AP/アフロ)

前回から読む)

米国と北朝鮮が「先制攻撃するぞ」と脅し合う。米軍による北朝鮮空爆の寸前まで行った1993-1994年の核危機が再燃したのだ。

ムスダン、相次ぎ失敗

—10月15日と20日、北朝鮮が相次いでミサイルを発射しました。

鈴置:いずれも、米軍のコードネームで「ムスダン」と呼ばれる中距離弾道ミサイルと見られています。

射程は3000キロ以上で、米領グアムを攻撃できるとされています。なお、両日とも「ムスダン」は1発ずつ。ともに発射直後に爆発した模様です。

—まさか、米軍が撃ち落としたのではないでしょうね。

鈴置:そう思った人もいました。北朝鮮は核弾頭と米本土まで届くミサイルのエンジン開発に成功したと9月に発表したばかりです(「米国が北朝鮮を先制攻撃する日、韓国と日本は?」参照)。

北はかねてから「米韓を核攻撃する」とも宣言していました(「朴槿恵(パク・クンヘ)は『北爆』を決意できるのか」参照)。

もう、試射であろうと北朝鮮がミサイルを撃ったら、米軍がそれを撃ち落としても、何の不思議もないのです。

なぜか米国が先に発表

それに10月10日から15日まで、黄海など韓国周辺海域で米韓海軍が合同軍事演習「Invincible Spirit(不屈の意志)」を展開中でした。

10月10日の朝鮮労働党創建記念日に、北朝鮮が核実験やミサイル実験を実施するのを見込んで牽制するのが目的だったのです。

米艦隊にはSM3(海上配備型迎撃ミサイル)を装備したイージス艦も加わっていました。北の弾道ミサイルを撃ち落とそうと思えば落とせた可能性が高いのです。

もう1つ疑いをかき立てた理由がありました。15日の「ムスダン発射」をまず米軍が発表したからです。それも発射の約16時間後でした。

UPI通信は米軍の発表を受けて「U.S. detects failed North Korean midrange missile test」を配信しましたが、配信時刻は日本・韓国時間で16日7時27分。一方、発射は15日12時33分でした。

北のミサイルに関してはこれまで、発射して数時間以内に韓国軍が発表するのが通例でした。しかし、この時の韓国軍の発表は、米軍と比べても2時間も遅かったのです。

韓国メディアも首傾げる

—確かに変ですね。

鈴置:「米国が先に発表したのは、米軍がSM3で落としたからではないか」「発表が半日以上も経ってからだったのは、発表するかどうかを米上層部が協議していたからではないのか」と疑うコリア・ウォッチャーもいました。

聯合ニュースもこの遅れに首を傾げる記事を配信しました。「『米国の情報をすべて見てから』…軍、北のミサイル発射を1日遅れて公開し論議の的に」(10月16日、韓国語版)です。ポイントを訳します。

  • 韓国の合同参謀本部関係者は「韓米が情報を共有し分析するのに時間が必要だった」としたうえで「失敗に終わったため、一刻を争って公表する状況ではなかった」と述べた。
  • しかし、合同参謀本部は従来、ミサイルの種類の判別の可否や実験の成否にかかわらず、直ちに公表してきた。この説明はやや受け入れがたいところがある。

聯合ニュースはこの記事の結論部分で「韓米の情報共有がしっくりいっていないのではないか」と指摘しただけで「米国が落としたのではないか」とまでは書きませんでしたが。

北を叩くなら一気に

—では、実際にはどうだったのでしょうか。

鈴置:この問題に詳しい日本の専門家は、以下のように語りました。

  • 米海軍が撃ち落としたのではなく、本当に失敗したのだろう。北朝鮮は10月15日以前に6回、ムスダンを撃って5回失敗している。韓国軍の発表が遅れたのは自力で探知できなかったためと思う。
  • 今回の発射場所は中朝国境に近い黄海側の平安北道・亀城(クソン)。韓国からかなり離れた場所だ(地図参照)。しかも北朝鮮はトレーラー――移動式のミサイル発射台から撃ったので、発射場所を予め特定できなかっただろう。
  • こうした状況下で、偵察衛星を持たない韓国が弾道ミサイル、ことに発射直後に爆発したミサイルを探知するのはまず無理だ。
  • map-of-japan-korea

—なるほど「米軍犯人説」はガセだったのですね。

鈴置:でも、この専門家は不気味な話もしました。以下です。

  • ムスダンの試射などは「大事の前の小事」。米軍は真剣に先制攻撃を検討している。そんな時に、ミサイル1発だけを狙いはしない。

米軍が北朝鮮を叩く時は、一気に叩く――というわけです。確かに北に警告を発するために、テストで発射された北の弾道ミサイルだけを攻撃する手もあります。

しかしこの専門家は、米軍はそんな中途半端なやり方はしない。ミサイルを撃ち落とせば北が反撃して来る可能性が大。どうせやるなら核・ミサイル施設すべてを同時に破壊する、と言うのです。

金正恩は即座に死ぬ

—「大事」つまり、先制攻撃を米国が本気で考えているからこそ、小手先の策は使わない、との指摘ですね。

鈴置:実際、北朝鮮の5回目の核実験(9月9日)の後、米国の外交・安保関係者は繰り返し先制攻撃に言及するようになりました。

9月16日にはマレン(Mike Mullen)元・統合参謀本部議長が「北朝鮮が核で米国を攻撃できる能力を持ったら、先制攻撃も辞さない」と述べました(「朴槿恵は『北爆』を決意できるのか」参照)。

9月23日にはホワイトハウスのアーネスト(Josh Earnest)報道官が質問に答える形で「一般論だが、先制的な軍事行動に関しては事前に論議しないものだ」と思わせぶりな発言をしました(「米国が北朝鮮を先制攻撃する日、韓国と日本は?」参照)。

10月12日にはラッセル(Daniel Russel)国務次官補が「金正恩(キム・ジョンウン)が核攻撃を企て得る能力を持ったら、即座に死ぬことになる」と語りました。

発言の原文はAP通信によると以下です。U.S. Newsの「US reserves right to punish China firms working with NKorea」で読めます。

  • Perhaps he’s got an enhanced capacity to conduct a nuclear attack and then immediately die.

その前日の10月11日にはシャーマン(Wendy Sherman)前国務次官がソウルで「北朝鮮の核兵器を完全に終わらせるためには経済制裁措置だけではなく、すべての可能なオプションを用いるべきだ」と語っています。

聯合ニュースが「シャーマン前国務次官『北核問題解決に全オプション動員を』」(10月24日、日本語版)で報じました。シャーマン氏はヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)候補が大統領就任の際は、外交関係の要職に就くと見られています。

北朝鮮側は「核で先制攻撃」

—「先制攻撃」の大合唱ですね。

鈴置:北朝鮮も負けていません。これまでも「米韓を先制核攻撃する」と威嚇してきました(「朴槿恵は『北爆』を決意できるのか」参照)。

米国で「先制攻撃論」が盛り上がると、北朝鮮もガンガン言い返しています。労働新聞は10月5日、論評で「米国の核の脅威に対抗、我々は先制攻撃方式に転換した。核はいつでも米国に使える」と宣言しました。

労働新聞は10月19日にも「先制攻撃は米国と南朝鮮の特権ではない。南全域は火の海、米本土も修羅場になる」との論評を載せました。

米朝の間で「先制攻撃するぞ」との威嚇合戦が始まったのです(「『先制攻撃』を巡る動き」参照)。ただ、北朝鮮と異なって米国は「核による先制攻撃」とまでは言っていませんが。

先制攻撃」を巡る動き(2016年)
9月
5日 北朝鮮、高速道路から3発の弾道ミサイル連射、1000キロ飛び日本のEEZに落下
9日 北朝鮮が5回目の核実験を実施し「戦略ミサイルの核弾頭の生産が可能になった」
   
10日 稲田朋美防衛相、韓民求国防相に電話会談で、GSOMIA締結を呼び掛ける
12日 韓国国防相報道官「日本とのGSOMIAは必要な雰囲気。ただ、国民の理解必要」
16日 マレン元米統合参謀本部議長「北の核の能力が米国を脅かすものなら先制攻撃し得る」
19日 カーター国防長官、在韓米軍のスローガン「fight tonight」を引用「その準備はできた」
20日 北朝鮮「推力重量80トンの静止衛星運搬用ロケットの新型エンジン燃焼試験に成功」
20日 ハイテン米戦略軍次期司令官「北朝鮮はいずれICBMを持つ。すぐに備えるべきだ」
22日 米大統領報道官、対北攻撃を聞かれ「一般に先制的軍事行動に関し事前に論議しない」
24日 ヴィクター・チャ教授、中央日報に「北朝鮮のICBMの破壊も検討」と寄稿
26日 米韓海軍、日本海で合同訓練。韓国軍「北朝鮮の核・ミサイル施設や平壌が攻撃目標」
10月
1日 米韓海兵隊、白翎島で合同軍事演習
5日 労働新聞「米国の核の脅威に対抗、我々は先制攻撃方式に転換。核はいつでも米国に使える」
6日 国連軍縮委員会で北朝鮮代表「自主権が侵害されない限り先に核は使わない」(朝鮮通信、8日報道)
10日 北朝鮮、労働党創建71周年記念式典を開催
10日 米韓海軍、黄海含む朝鮮半島周辺海域で「陸上精密打撃訓練」(10月15日まで)
11日 シャーマン前米国務次官「北の核には経済制裁に加え全ての選択肢を使うべきだ」
11日 朝鮮中央通信「来年1月の金正恩委員長の誕生日は盛大に祝う」
12日 ラッセル米国務次官補、記者団に「金正恩が核攻撃する能力を持てば直ちに死ぬ」
15日 北朝鮮、中距離弾道弾を平安北道・亀城から発射。米軍は「直後に爆発」と発表
19日 労働新聞「先制攻撃は米国と南朝鮮の特権ではない。南全域は火の海、米本土も修羅場になる」
20日 北朝鮮、亀城から長距離弾道ミサイル発射。米韓は「直後に失敗」と発表
21日、22日 北朝鮮の韓成烈外務次官と米国のガルーチ元国務次官補らがクアラルンプールで接触

悲惨な「第2次朝鮮戦争」

—軍事衝突が起こるのでしょうか。

鈴置:予測は極めて難しい。米朝双方の今後の出方にかかっていますが、それが読めません。状況は1994年の「第1次核危機」と似てきました。

北朝鮮は1993年3月にNPT(核拡散防止条約)からの脱退を宣言するなど、露骨に核開発を進めました。これに対し国連は経済制裁を決議し圧力をかけました。それと並行し、米国も北朝鮮との対話で活路を見いだそうとしました。

しかし、北朝鮮の核武装にかける意思は固く、対話はこう着。米国では北の核施設への空爆論が公然と語られるようになったのです。ビル・クリントン(Bill Clinton)政権は「第2次朝鮮戦争」も覚悟しました。

現在、国防長官を務めるカーター(Ashton Carter)氏は1994年当時、ペリー(William Perry)国防長官の下で国防次官補を務めていました。2人は1999年に共著『Preventive Defense』を出版しましたが、以下のように回顧しています(218ページ)

  • もし戦争が起きれば朝鮮半島を恐ろしいまでに破壊し尽くしただろう。ソウルは軍事境界線に近く、ダレス国際空港とワシントンDCの距離ほどもない。人口が密集したこの都市には砲弾の雨が降り注いだはずだ。数10万人の市民が殺され、100万人単位の難民が南北朝鮮で発生したに違いない。
  • 韓国には3万7000人の米軍兵士が駐留しており、それ以外にも多くの政府職員や10万人を超える米国市民が住み、働いていた。彼らにもまた、被害が及んだであろう。
  • 非戦闘員を非難させる計画もあった。だが砲弾の雨の下、多くの米国人もソウル市民と同じ運命をたどることが容易に想像できた。

緊張の1年間だった

—戦争の瀬戸際だったのですね。

鈴置:そう言ってよいと思います。私は当時、北朝鮮の核問題の担当デスクでした。いつ衝突が起きるか分からず、緊張の1年間強を過ごしました。ワシントン、平壌、ソウル、それにIAEA(国際原子力機関)のあるウィーンから目まぐるしくニュースが飛び込んで来るので、不眠不休の毎日でした。

多くの日本人は「瀬戸際」だったことをすっかり忘れていますが。南北対話の席で北朝鮮の代表が「ソウルは火の海になる」と発言したのもこの緊張の中での話です。1994年3月19日のことでした。

—「ソウルは火の海」。思い出しました。

鈴置:結局、1994年6月にカーター(Jimmy Carter)元大統領が訪朝し、半ば引退していた金日成(キム・イルソン)主席と会談。

両者の間で妥協が成立し、辛うじて戦争は回避されました。この妥協を基に同年10月、米朝は「枠組み合意」に至りました。北の核開発は阻止できたかに見えました。

しかし、同じ年の7月に金日成主席が死亡。後を継いだ金正日(キム・ジョンイル)総書記は密かに核開発を続けました。孫の金正恩委員長が核武装にメドを付け、米国への先制核攻撃を唱えるようになったのです。

核を失えば権力も失う

—12年前と同様に対話で一応は解決できるのでしょうか。

鈴置:解決というより、問題を先送りして悪化させただけだったのですけれどね、今から振り返れば。

「対話による解決」は12年前と比べはるかに難しくなっています。金日成主席は米国や日本と国交正常化できるのなら、核開発を放棄してもよいと本気で考えていたフシがあります。

しかし3代目の金正恩委員長が核を手放すことはまず、ないでしょう。核を放棄したら権力の座から転げ落ちる可能性が大きい。「核武装を実現した」ことだけが国民に誇れる実績だからです。

それに1994年当時、北朝鮮は核弾頭も中・長距離の弾道ミサイルも開発を始めたばかりでした。米国には腰を据えて北朝鮮と交渉する時間的な余裕がありました。

しかしもう、先送りはできません。北朝鮮はあと1、2年でミサイルに搭載可能な小型の核弾頭や、米国まで届く長距離弾道ミサイルを完成すると見られるのです。

仮に今回、米朝対話を実施したとしても、北朝鮮が時間稼ぎの素振りを見せた瞬間、米国では「時間がない。先制攻撃に踏み切ろう」との声が一気に高まるでしょう。

米朝対話、再び?

—マレーシアで米朝が会談したと報じられました。

鈴置:10月21日、22日の両日、クアラルンプールで北朝鮮の韓成烈(ハン・ソニョル)外務次官らと、米国のガルーチ(Robert Gallucci)元・国務次官補らが非公式に話し合いました。

テーマはもちろん北朝鮮の核とミサイルです。北朝鮮は自身を核保有国と認めたうえ、在韓米軍の撤収につながる米朝平和協定の締結を求めた模様です。一方、米国は朝鮮半島の非核化を要求したようです。

双方ともにこれまでの要求を繰り返しただけです。対話がすぐさま始まるとは思えません。オバマ(Barack Obama)政権の任期は2017年1月までで、新たな行動には出にくいのです。

なお、ガルーチ氏はビル・クリントン政権下で北朝鮮との交渉役を務め、1994年の米朝「枠組み合意」をまとめた人です。

東亜日報は社説「対北圧迫の中での米朝接触、北朝鮮に誤ったシグナルを与える時ではない」(10月24日、日本語版)で以下のように分析しました。

  • 米国側出席者は民主党候補のヒラリー・クリントン氏が11月の大統領選で勝利する場合、次期政府の北朝鮮政策に影響力を行使する可能性が少なくない。
  • 今回の接触は、クリントン氏が当選する場合を想定して、米民主党に近い韓半島専門家と北朝鮮側が互いの考えを探るためのものとみえる。
  • オバマ政府が直ちに強硬な対北スタンスを変える可能性はないが、次期政権ではどのように変化するか分からないため、韓国政府は綿密な備えが必要だ。

先を読める人はいない

—韓国紙も予想が付かないのですね。

鈴置:金正恩委員長とオバマ大統領、あるいは米国の次期大統領を含め、先を読める人は世界のどこにもいないでしょう。日本も予断を持たず、あらゆる可能性を考えて準備することが肝要です。

(次回に続く)

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