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『「人口問題」では、日本より中国と韓国が有利? 中国に居住する朝鮮族、就職のため韓国へ』(7/19日経ビジネスオンライン 上野泰也)について
日経でも中国の南シナ海の内海化の狙いが載るようになりました。軍事を知らなくては相手の行動の予測もできないし、平和を守るための行動もできないという事です。左翼は中国共産党の手先ですから、「平和」と言う念仏を唱えさせることで、国民を考えさせないようにしてきています。民主主義の主人公は国民ですから、国民が正しい情報を持ち、選挙で相応しい人物を選ばないと亡国になります。
「アメリカでは、人差し指で鼻持ち上げるポーズは、人を見下しているの意味」を持つとネットで読みました。呉勝利がリチャードソン作戦部長に人差し指を立てたとのこと。鼻を持ち上げる動作をしなくても小馬鹿にした動作でしょう。米国もここまで舐められたかという事です。早くオバマから代わった方が良いとしか言いようがありません。
<7/22日経 波立つ海の攻防(3)口をつぐむオバマ氏
「南シナ海の仲裁裁判所の判決に続け」。米副大統領のジョー・バイデン(73)は中国の海洋権益を否定した判決が下った2日後の14日、南シナ海からハワイに戻ったばかりの原子力空母「ジョン・C・ステニス」に乗り込んで乗員を鼓舞した。

14日、米空母に降り立ったバイデン米副大統領=米軍提供
米が2015年10月に南シナ海で始めたのが「航行の自由」作戦だ。中国が軍事拠点化する人工島の12カイリ(約22キロメートル)以内に同空母などを送り、この海域が中国の原子力潜水艦にとっての聖域になるのを抑え込む。中国原潜が搭載する核弾頭を積んだ弾道ミサイルは射程8千キロメートルで、南シナ海から太平洋に出て米本土をうかがう動きを野放しにはできないからだ。
温暖化対策などで米中連携に熱心だった米大統領バラク・オバマ(54)は当初作戦に消極的で「世界の二大経済大国として米中には特別な責任がある」と中国国家主席の習近平(63)を持ち上げていた。だが中国の人工島造成が急ピッチで進んだのを知りゴーサインを出した。
オバマはその後、ベトナムへの武器輸出の全面解禁、インドへの軍事技術供与、地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)の韓国配備を矢継ぎ早に決め、対中包囲網を強めた。フィリピンには四半世紀ぶりに米軍が事実上の駐留を始める。
ただ中国の全面敗訴ともいえる判決にオバマは口をつぐむ。政権末期でこれ以上の大胆な動きが取りづらいのを見透かすように、中国は強気を貫く。
「南シナ海は中国の核心的利益だ。いかなる軍事挑発も恐れない」。18日に北京で米海軍作戦部長ジョン・リチャードソンを迎えた中国海軍司令官の呉勝利(70)は人さし指を突き立て相手をにらみつけるように言い放った。中国は5~11日に続き、19~21日に軍事演習を実施、軍事拠点化も加速する構えだ。
「ナトゥナ諸島の軍備を増強する」。インドネシア国防相のリャミザルド・リャクドゥ(66)は18日、南シナ海の自国領に触れた。
中国が主権の範囲内と主張する「九段線」の外にあるが、同諸島からのインドネシアの排他的経済水域(EEZ)に一部かかり、中国が「伝統的な漁場だ」と漁船や公船を送り込み始めた。中国との争いを避けてきたインドネシアも業を煮やし、兵士を大幅に増やし軍事施設も拡張して権益の保護に動く。
年明けにオバマから引き継ぐ次期大統領の安保政策がアジアの安定を左右する。
(敬称略)>(以上)
中国の発表する統計データは信頼できません。GDPが6%もある訳はありません。石炭も鉄も余っているというのに。EUも市場経済国に認定しませんでした。まあ、平気で嘘がつける民族ですから。「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」ですので。ですから、ハーグの判決も何のその。世界に賄賂を振りまいて、「判決がおかしい」と平気で言える訳です。「勝てば官軍」という事を良く理解している国です。欧米が世界を牛耳ってきた国際基準に異議申し立てしている訳ですが、武力を以て、それを実現しようとするのは時代遅れです。経済制裁すれば分かるでしょう。人民元はボロ屑になるだけです。
<日経ビジネス2016年7月25日号 MARKET 中国「8月ショック」再び?
中国国家統計局が2016年4~6月期の実質GDP(国内総生産)成長率を発表した。市場予想を上回る前年同期比6.7%増。景気減速を予想していた市場に安心感が広がる。しかし足元で続く人民元安が改めて材料視され、世界経済が混乱する可能性は否定できない。

経済成長に占める割合が大きい消費に「ゆがみ」が出ている
中国の国家統計局が7月15日に発表した今年4~6月期の実質GDP(国内総生産)は前年同期比6.7%増で、1~3月期と横ばいだった。事前の予測は6.6%増と、1~3月期(6.7%増)からさらに落ち込むとの見方が多かっただけに、世界の市場では安心感が広がった。もっとも昨年8月に世界市場が混乱するきっかけとなった「中国ショック」が再び起きる懸念はなお消えない。
「新常態」は定着しつつあるが… ●中国の成長率の推移(実質GDPの対前年同期比増加率)

出所:中国国家統計局
経済成長に占める消費の割合は重みを増している。2016年1~6月のGDPの増加分に占める消費の割合は73.4%と前年同期に比べて13ポイントも高まった。消費主導経済への転換を目指す中国政府の方針に沿った動きだが、中身はいびつだ。「1~6月期の消費を見ると、家具と建築・内装用品が前年同期比15%増と高い伸びを示している。不動産市場の盛り上がりと関係しているのではないか」(東洋証券上海代表処の奥山要一郎首席代表)。
人民元安に目が向く可能性
中国の不動産価格は広東省深圳市や上海市、北京市といった大都市を中心に急騰している。景気対策のための金融緩和と不動産規制の緩和が不動産販売の拡大と価格急騰を生んでいる。家具などの伸びは、「新たなバブル」と称されることもある不動産価格の高騰と関連しているとの見立てだ。
一方、堅調な消費を支える所得の上昇にも陰りが見えてきた。米ゴールドマン・サックスの推計によると、2013年に10%を超えていた賃金上昇率は、2016年1~3月期には7.3%に低下。2017年には6%台後半にまで下がるとしており、牽引役としての力強さは確実に失われつつある。
昨年8月、中国人民銀行が突然、人民元の切り下げを発表。これが世界市場の混乱を招いた。「中国ショック」は今年1月にも再燃。原因として、上場企業の大株主による株式売却禁止措置の期限切れや、サーキットブレーカー制度の導入といったテクニカルな要素が指摘されたが、根底にあったのは人民元相場の下落だった。
6月の米雇用統計が市場予想を大幅に上回ったほか、英国では新首相が決まったことなどで、世界の金融市場に安心感が広がりつつある。しかし足元の人民元の対米ドル相場は5年半ぶりの元安水準。投資家の脳裏に中国からの資本逃避がよぎる環境ではある。
「8月は米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれないため、世界の投資家の目は米国から離れやすい。その目が昨年と同じように中国に向くかもしれない」と外資系証券会社幹部は指摘する。「中国の人民元安はいずれ市場の混乱につながる」(STAウエルス・マネジメント)。その時期は8月ではないのか。市場関係者にはそんな見立てが浮上している。
(上海支局 小平 和良)>(以上)
上野氏、日経の主張する野放図な移民の受入には反対です。日本は米国のように国の成り立ちが移民の国ではありません。上野氏、日経は経済的観点だけで物事を考えているだけでしょう。歴史や文化の重みを故意に軽んじている気がします。今の在日の問題も解決できていないのに、新たに民族問題を惹起するような政策は採るべきではありません。東京都知事選で桜井誠氏が掲げている公約は下記の通りです。
一.外国人生活保護の廃止
二.都内の不法滞在者を半減
三.反日ヘイトスピーチ禁止条例制定
四.総連、民団施設への課税強化
五.違法賭博パチンコ規制の実施
六.韓国学校建設中止
七.コンパクトな東京五輪の実施
これに中韓からの留学生の受入を中止し、国内学生の奨学金の充実(授業料免除も含む)に充てるというのも入れて貰えば。中韓は日本の敵国です。世界に日本の名誉を汚す活動をしている訳ですから。経済だけの発想は「揉み手をする商人」のイメージです。高潔なイメージは全然ありません。「武士道」の世界から遠い世界です。何時も言ってますように、人口減があっても、AI、ITによる生産性向上と海外での所得収支の増加に目を向けるべきです。
記事
アベノミクスの新3本の矢では、「希望出生率1.8」を目指すという矢が追加されたものの、そもそも1.8では人口減は止まらない。一方で、海外の優秀な人材や移民を積極的に受け入れようという機運もあまり盛り上がらない。人口対策の議論が、参院選においてもなかなか活発化しなかったのは残念である。

日本の人口は2008年をピークに減少に転じた。消費や、投資、街の活気も人口減少と無縁ではない
島根県、2040年までに合計特殊出生率2.07を目指す
日銀が6月27日にホームページに掲載した広報誌「にちぎん」No.46 2016年夏号に、溝口善兵衛・島根県知事と布野幸利・日銀審議委員の対談が含まれていた。
溝口知事は、元財務省財務官。在任時に多額の円売りドル買い介入を実施したことから「ミスター・ドル」と米国の経済誌が名付けたことがあった。あるマスコミ記者によると、取材で財務官室を訪れたところ、キャラメルを勧められるというユニークな経験をしたという。閑話休題。今回の対談の中で筆者が興味を抱いたのは、溝口知事が島根県で展開している人口対策である。同知事の発言の一部を以下に引用したい。
「2015年に策定した戦略には、二つの大きな目標があります。一つは、将来、一定のレベルで人口を安定させることができるように、2040年までに合計特殊出生率を2.07まで引き上げること。もう一つは、若者の転出による社会減が少なくなるように、雇用を増やして、2040年までに社会移動を均衡させることです」
「この二つの目標を長期的展望として見据えながら、今後5年間に取り組む人口減少対策として、4つの大きな施策を推進しています。一つ目は、若者たちが安心して住み、子育てができるような職場を増やすため、産業の振興と雇用の創出を進めること。二つ目は、そうした中で増える若者たちの結婚、出産、子育てを支援していくこと」(以降略)
安倍首相の「希望出生率1.8」では、人口減は止まらず
安倍晋三首相が掲げる「新たな三本の矢」に含まれている希望出生率1.8では、日本の総人口の減少を食い止めることはできない。溝口知事が言及した2.07(ないし2.08)という「人口置換水準」まで出生率を引き上げる必要があり、政府の人口対策は明らかに踏み込み不足である。
では、この点について安倍首相はどう説明したのだろうか。
2015年9月24日の記者会見で首相は、「三本の矢」の2番目に「『夢』を紡ぐ『子育て支援』」を掲げた上で、「そのターゲットは、希望出生率1.8の実現です」「多くの方が『子どもを持ちたい』と願いながらも、経済的な理由などで実現できない残念な現実があります」(中略)「そうすれば、今1.4程度に落ち込んでいる出生率を、1.8まで回復できる。そして、家族を持つことの素晴らしさが、『実感』として広がっていけば、子どもを望む人たちがもっと増えることで、人口が安定する『出生率2.08』も十分視野に入ってくる。少子化の流れに『終止符』を打つことができる、と考えています」と発言した。
政府によって想定されているのは、中間目標的な1.8をまず実現し、その時に世の中の雰囲気が変わっていれば最終目標2.08も「十分視野に入ってくる」という、「たられば」的な道筋である。
そうした中、政府が海外からの労働力受け入れで門戸を部分的に開いていることについても、アジア全体の状況が見えておらず優秀な人の吸引力は弱いという、興味深い指摘が出てきている。
日本で看護師になった人材は結局、東南アジアへ帰国
日本経済新聞が5月1日に掲載したコラム「アジアに民族大移動の波 際立つ日本の労働鎖国(けいざい解読)」に、以下の記述があった。
「バンコクやシンガポールなど東南アジアの大病院で受診すると、必ずといっていいほど日本語が堪能な看護師さんに出会う。尋ねると日本との経済連携協定(EPA)を使って日本で学び国家試験も通ったが、結局は東南アジアに戻って働いているという」
「日本人の海外居住者を相手にする医療サービスは付加価値が高く、給与でも厚遇される。何も苦労して日本で暮らすことはない。日本が労働市場に『入れてあげた』つもりでも、優秀な人材の働き場は日本国内だけにあるわけではない」
「民族大移動」の向かう先は、製造業大国タイ
「インバウンド消費の観光客は大歓迎だが労働者はお断り。扉を閉ざす日本の姿は、アジア各国の目には労働鎖国と映る。対照的に東南アジア諸国連合(ASEAN)では『民族大移動』とも呼べる大規模な人口現象が起きている。人を引き寄せる強力な磁力を放つのが製造業大国タイだ」
「労働人口が薄くなる一方、経済発展で賃金は上がる。先進国経済に移行する前に成長が鈍る『中所得国のわな』の典型だ。難局を脱する一つの選択肢が、内需を支える消費者と生産を担う労働者に『来てもらう』政策。こうしてタイは域内の移民センターとなった」
「メコン地域ではカンボジア、ラオス、ミャンマーからタイを目指し続々と人が動いている。バンコク近郊の水産加工場で働くミャンマー出身の工員に聞くと、両国の賃金格差は3倍。だがそれ以上に、寛容性や多様性を重んじる仏教の土壌と、タイ独特の『ゆるさ』も魅力だという」
「日本はどうだろう。寛容を誇れる国だろうか。昨年末に発足したASEAN経済共同体(AEC)は、貿易と投資に注目しがちだが、人の移動の大波もすさまじい。変容するアジアの現実と成長の知恵にも学びたい」
海外からの人の受け入れコストは「投資」
タイはどうやら、オーストラリア、シンガポール、ドイツなどと同様に、海外からの人の受け入れによる経済力の強化に成功しつつあるようである。
また、移民ではなく難民の受け入れについても、それにかかるコストは経済成長に向けた「投資」と認識すべきだという声が、少し前の話だが、国際機関の幹部から出ていた。この面でも、日本は明らかに動きが鈍い。
来日したOECD(経済協力開発機構)デュモン国際移民課長は2月5日、欧州に殺到する難民の問題について「難民は将来的に受け入れ国の経済に貢献する」とした上で、受け入れにかかるコストは「投資と見なすべきだ」と強調した。デュモン氏によると、スウェーデンに到着した難民申請者の約40%は高校卒業以上の学歴があり、職業スキルも持っている。「高齢化する欧州社会で、人手が足りない分野での助けになる」「難民を『負担』と位置付けてはならない」とした。
中国と韓国は、同胞が近隣国にいる点で有利
日本の後を追う形で、中国や韓国もまた、人口減・少子高齢化への対応策に悩んでいる。だが、日本ではまだほとんど気付かれていないことだが、中国と韓国には海外から優秀な人を呼び集めようとする際に有利な点が1つある。それは、同じ言葉を話す(ないし話せる)人々が、近隣の国々にかなりの数で住んでいるという事実である。
中国語を話す人々は、アジア各国に少なからず居住しており、華僑が代表例である。一方、韓国の場合、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)との関係は冷え込んでいるが、南北統一が将来実現した場合には、労働力不足の問題は数の上では緩和されるはずである。さらにその北にある中国・延辺朝鮮族自治州などにも同じ言葉を話す人がいる。筆者は2015年夏、中国・北朝鮮国境の都市である延吉と丹東を訪れた。延吉は上記自治州の中心である(当コラム 2015年9月8日配信「中国側から眺めて分かった『北朝鮮のいま』」をご参照ください)。
就職のため韓国内で急増、中国の朝鮮族
韓国の聯合ニュースは5月30日、下記のニュース「居住中国人が100万人突破 外国人全体の半分」を配信した(前半部分のみ引用)。
「韓国法務部出入国・外国人政策本部が30日公表した統計によると、4月末現在、韓国に居住している中国人は100万0138人(中国籍の朝鮮族の63万0998人含む)で過去最多を記録した。韓国に居住する外国人(197万2580人)の50.7%に当たる」
「中国人の増加は、就職のため来韓する朝鮮族が急増しているためとされる。中国人は昨年1月末に90万人を突破してから1年3か月で100万人の大台を記録した。このうち朝鮮族は昨年1月の59万5,810人から同12月には62万6,655人と増加傾向にある」
今後、日本の人口はどんどん減り続けるが…
総務省が6月29日に発表した平成27年(2015年)国勢調査の抽出速報集計結果によると、同年10月1日現在の日本の総人口は1億2711.0万人。大正9年(1920年)の調査開始以来、初めての減少が国勢調査で記録された。
日本経済の成長力を見ていく上で重要な15~64歳の人口(生産年齢人口)は7591.8万人。ピークだった20年前(1995年)の8716.5万人からの変化は▲1124.7万人である。
参議院議員選挙のさなかだったにもかかわらず、こうした数字に危機感を抱いて人口対策に真剣に取り組もうという気運が盛り上がってこなかったのは、筆者から見ればなんとも残念なことである。
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『BREXITが深める英国とドイツの亀裂』(7/19日経ビジネスオンライン 熊谷徹)について
ドイツはアフガンからの移民の少年が列車でテロを起こされても未だ移民の受入を継続するつもりでしょうか。学習能力が足りないとしか言いようがありません。ヒットラーを選挙で選び、ユダヤ人の虐殺をしたから(ドイツは国家として虐殺謝罪せず、ヒットラーのせいにして個人賠償しました。ボスニアがカラジッチのせいにして売ったのと同様。日本で戦前は戦争を煽り、戦後は軍部のせいにして反日に邁進している朝日新聞みたいなもの。卑怯者の世界です)とか、第二次大戦後ドイツ人の1200万人の強制移住が発生した時の苦しみとかは過去の話です。それが為に現在起きている問題に目を瞑り、解決を模索しないのでは何をか況やでしょう。政治家が国民の思いを汲み取っていません。ですから欧州では極右と言われる(実は反EU、反移民なだけです)政党の支持率が伸び、米国ではトランプが出てくるわけです。ロシアのプーチンは愛国的で国民の支持率も高いです。中国は一党独裁で国民の意思は関係ありません。都合が悪くなれば弾圧できますので。
ドイツ人がEU離脱を考えないのは当り前のこと。第四帝国と揶揄されるようにEUの仕組み、特に通貨問題で(マルクを止めてユーロ共通通貨にしたことにより)、技術の遅れている国からも富を移転することが可能となりました。
http://ameblo.jp/yopsd905724/entry-11777744427.html
英国も移民反対のメイが首相になり、ボリス・ジョンソンを外相にしたところから、EU離脱を後戻りさせることはないでしょう。ただ離脱交渉がすんなりいくかどうかですが。やはり年数がかかるのでは。ただ、メルケルは英国がEUの義務を果たさず、特権を享受して、引き延ばしすることは許さないでしょう。駆け引きが見ものです。
記事

7月2日、ロンドンの議会広場でBREXITに抗議する残留派市民。(撮影=熊谷 徹)
6月23日に英国で行われた国民投票で、過半数の投票者がEU離脱に賛成した。ドイツでは多くの経済学者、報道関係者の間に、「この投票結果によって、欧州は以前の欧州ではなくなった」という沈鬱な空気が流れている。
激動期に戻った欧州
筆者も、EU第2の経済大国における国民投票でEU離脱派が勝利を収めたことは、1998年にベルリンの壁が崩壊したことに匹敵する「パラダイム・チェンジ(座標軸を覆す出来事)」だと考えている。2つの出来事の間の大きな違いは、ベルリンの壁崩壊が欧州に大きな利益をもたらしたのに対し、BREXITが欧州の地位を大幅に低下させることだ。
ベルリンの壁崩壊以来約20年間にわたり、欧州は国家間の垣根を取り払い、「連邦」への道を着々と歩んでいた。だがユーロ危機が表面化した2009年末からEUの病が深刻化し、EU離脱派が英国で勝ったことによって「欧州合衆国」の夢は潰えた。筆者は、約20年間続いた欧州の安定期が終わり、再び激動期に入ったという印象を持っている。
英国に厳しい態度を示したメルケル
国民投票から時間が経つにつれて、「離婚」の当事者たちはお互いに失うものの大きさをひしひしと感じつつある。
そのことは、ドイツの首相、アンゲラ・メルケルが6月28日に連邦議会で行った演説にはっきり表れている。メルケルは「英国の国民投票の結果は、欧州に深い傷を与えた。この決定を極めて残念に思う。欧州はこれまで様々な危機に遭遇してきたが、過去60年間でこれほど深刻な事態は一度もなかった」と述べ、この決定がEUの将来にとって大きな分水嶺になるという見方を打ち出した。
メルケルはその上で「EUの家族から去る者に対する扱いは、EUに残る者とは明確に異なる。EUから離脱するのに、EUの良い点だけ享受し続けることは、許されない」と明言した。
英国政府は、EUの「域内での移動と就職の自由」の原則を拒否する一方で、関税同盟などEU単一市場の利益は、将来も引き続き享受したいと考えている。メルケルは演説の中で、「そのような虫の良い話は許されない」として、英国の希望をきっぱりと拒絶したのである。
さらに、「英国が(EU憲法に相当する)リスボン条約第50条に基づくEU離脱申請を正式に提出しない限り、EUは英国と離脱後の条件について交渉するべきではない」と述べた。
メルケルによると、英国が引き続きEU単一市場に参加し続けたいのならば、移動と就職の自由などEUの基本的原則を受け入れなくてはならない。ノルウェーとスイスがEUに加盟していないにもかかわらず、単一市場の恩恵を享受しているのは、これらの条件を受け入れているからだ。さらに単一市場に参加する非加盟国は、EUの首脳会議や閣僚理事会に参加する権利はないにもかかわらず、EUに対する「拠出金」は払わなくてはならない。
メイ政権はBREXITを目指す
英国では7月13日に、内務大臣のテリーザ・メイがキャメロンの後継者として首相に就任した。メイはボリス・ジョンソンほど攻撃的な離脱派ではなく、「EUに懐疑的な残留希望派」だった。だがメイは、移民の制限をすでに公約として掲げている。つまりメイが、「単一市場にアクセスしたいならば、移動の自由を認めよ」というドイツ側の主張を受け入れる可能性は、極めて低い。
さらにメイは、保守党内の離脱派の急先鋒ボリス・ジョンソンを外務大臣に任命。メイ政権は、離脱を選んだ52%の投票者の意向を尊重せざるを得ないだろう。このため、移動の自由などをめぐって英独が正面衝突し、多くの人々が恐れるBREXITが実現してしまう危険は高い。
リスボン条約第50条によると、加盟国が離脱を申請してから2年が経過すると、その国の加盟国としての地位は消滅する。この間に英国は、離脱後の関税や市民の滞在権など、複雑かつ膨大な数のテーマについて個別に、EUと交渉しなくてはならない。ドイツ政府部内では、「英国が全ての個別案件について、2年間でEUと合意に至るのは、技術的に不可能だ」という見方が強まっている。
不確実性という「毒」
ドイツの財界関係者の間では、「欧州経済にとって最も悪いのは、今後2年間にわたり、英国経済の先行きについて不確実な状態が続くことだ」と見る向きが多い。不確実性は、企業が最も忌み嫌う物である。
企業は、特定の国の前途について不確実性が高まった場合、その国にからむ将来の事業計画の見直しを迫られ、投資計画や雇用計画をストップさせるかもしれない。欧州が第二次世界大戦後、一度も経験したことがない事態なので、2年後に英国がどういう状態になっているかを予測することは、極めて難しい。この予測不可能性と不確実性が、ユーロ危機から回復する過程にある欧州経済にとって、ブレーキとなる危険が高まっている。
その典型的な例が、フランクフルトのドイツ証券取引所とロンドン証券取引所の合併計画だ。これらの取引所を経営する英独の企業は合併して本社をロンドンに置く計画を進めていた。両社は合併によって世界有数の証券取引所となり、年間経費を4億5000万ユーロ節約する方針だった。しかし国民投票でEU離脱派が勝ったことから、ドイツ証券取引所の株主から「新会社の本社をEU圏外に置くことは、問題だ」という声が浮上。合併計画は暗礁に乗り上げる可能性が強まっている。
BREXITは敗者しか生まない
英国の国内総生産において工業が占める比率は約10%であり、ドイツよりも大幅に低い。このため物づくり大国ドイツにとって、英国は世界で3番目に重要な輸出先だった。ドイツ商工会議連合会(DIHK)のエリック・シュヴァイツァー会頭は「BREXITは、ドイツ経済にとって大変な打撃だ。ドイツ企業は甚大な変化を経験するだろう。ユーロに対してポンドが下落することで、ドイツ製品の価格が英国にとって割高になるので、売上高は減ると思う。さらに、英国への投資をためらう企業が増えるだろう」。
ドイツの経済学者、経済団体の幹部たちは、一様に「BREXITは欧州経済に長期的に大きな悪影響をもたらす」という悲観的な見方を打ち出している。
ミュンヘンに拠点を置くIFO経済研究所のクレメンツ・フュスト所長は、英国での国民投票の結果を「理性の敗北」と呼び、欧州諸国はBREXITのダメージを最小限に抑えるための対策を取らなくてはならないと訴えた。同研究所は、7月初めに発表した研究報告書の中で「英国の貿易額のうち、EU加盟国との貿易額は約50%を占めている。このためBREXITが英国に及ぼす影響は、EUが受ける影響よりも大きくなるだろう」と指摘する。
そしてIFO研究所は「英国とEUの交渉が不調に終わり、EU離脱後の英国が単一市場にアクセスできなくなった場合、2030年の英国民1人あたりの国内総生産(GDP)は、BREXITが起きなかった場合に比べて、0.6%~3.0%減るだろう。これに対し、ドイツ国民1人あたりのGDPの減少幅は、0.1%~0.3%にとどまる」と予測している。
今回の国民投票で英国の投票者の約52%がEU離脱に賛成したが、ドイツでは異なる。フォルサ研究所が今年6月中旬に行った世論調査によると、ドイツのEU離脱を望むと答えた回答者は17%にすぎなかった。ドイツは第二次世界大戦後にEUやNATO(北大西洋条約機構)などの国際機関に身を埋めることで、今日の繁栄と安定を築き上げた。同国経済は、ユーロの導入やEU単一市場によって大きな恩恵を受けている。このため英国に比べて、EU加盟国であることに利点を見出す市民が英国よりも多いのだ。
EU改革が喫緊の課題
経済的な不利益が生じるのを覚悟の上で、EUに背を向ける道を選んだ英国と、共同体に属すことで生じるシナジー効果に期待するドイツの生き方は、水と油のように異なる。ドイツ人の間では、英国が国民投票で下した決断を「不可解」と見る人が圧倒的に多い。
ドイツにとって、他のEU加盟国が英国にならって離脱への道を歩むことは、最悪のシナリオだ。それは、ドイツの繁栄の基盤である共同体を侵食する動きだからだ。EUが崩壊して、群雄割拠の時代が再来した場合、欧州の力は今に比べて大幅に弱まる。フランス、オランダなど多くの欧州諸国で、EUに反旗を翻す右派ポピュリスト政党が支持率を高めつつあり、EU離脱をテーマにした国民投票の実施を求めている。ドイツは、EUに対する加盟国市民の信頼感を回復させ、他国の離脱を防ぐために、欧州委員会委員の人選に関する透明性の向上や、EUの権限の一部を各国政府・議会に返還することを含めた、EU改革に本腰を入れざるを得ないだろう。
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『南シナ海仲裁判決、中国の「次の一手」に備えよ 「判決無視」を許せば、世界は暴走を止める術を失う』(7/20日経ビジネスオンライン 福島香織)について
オバマの腰の引け方が中国の増長を齎していることに気が付かないでいるので、オバマはやがて米史上最低の大統領の烙印を押されるでしょう。リチャードソン作戦部長が中国に言い返せなかったのはオバマがストップさせたためと思っています。英・チエンバレンは宥和政策を採ってヒットラーの台頭を許し、第二次大戦を引き起こしました。南シナ海は中国原潜の太平洋の出入り口で、8000KmのSLBM搭載の潜水艦がそこを突破できれば米本土が核に狙われることになります。米軍が沖縄に基地を持つ意味もなくなり、トルデシャリス条約の世界分割のように太平洋を2分割が真実味を帯びます。日本は中国の属領にされるでしょう。
福島氏の言うように強制力がなければ、中国は言うことを聞かないでしょう。元々暴力団国家なので。経済制裁、機雷による海上封鎖から実行すべき。今やらないと、世界は取り返しがつかないことになります。
ロシアのソチ五輪の不正が槍玉に挙がっていますが、中国の北京五輪も不正が目についたはずです。女子体操選手の年齢詐称とか。多分中国はIOCに沢山賄賂を配ったからでしょう。国際仲裁裁判所の裁判官にも中国国内では当たり前の賄賂を贈ろうとして逆に心証を悪くしたのではと想像しています。ロシアの場合、亡命者が不正をゲロったのが命取りになりました。米国はパナマ文書の活用をもっと考えた方が良い。
<7/20日経 習主席、焦りの心理戦 波立つ海の攻防(1)
南シナ海のほぼ全域に主権を持つという中国の主張を否定する国際的な仲裁裁判の判決が出た12日夕。中国の国家主席、習近平(63)は北京市中心部にある釣魚台国賓館にいた。海外首脳を迎える迎賓施設で、いつもと変わらぬ濃紺の上着に赤いネクタイを締め、欧州連合(EU)大統領、ドナルド・トゥスク(59)との会談に臨んだ。

「南シナ海の島々は古来より中国の領土だ」。普段通り淡々とした表情だが、語気は時々強くなった。向かいに座るトゥスクが不愉快そうに人さし指をこめかみにあてても、お構いなく続けた。「判決の影響は受けないし、判決に基づくあらゆる行動と主張も受け入れない」。屈辱的な国際司法判断に反撃の口火を切る場となった。
国営中央テレビは習の発言を夜7時のトップニュースで流したが「EUは裁判所の手続きを信頼する」とのトゥスク発言はカット。会談で隣に座った外相の王毅(62)は習の意を受け、同テレビのカメラの前に立ち、両手を広げて「判決は認めない」と力説した。
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「画期的な判決」「国際法の尊重を」。勝訴したフィリピンや隣国から判決を歓迎する声が相次いだ。判決後初の大型国際会議となったアジア欧州会議(ASEM)首脳会合では東シナ海で中国と対峙する日本の首相、安倍晋三(61)も判決に基づく解決を主張したが、中国は反論を続ける。
中国軍には「3戦」という概念がある。自国に有利な情報を発信し国際世論を誘導する「世論戦」と、軍事威嚇などで相手をけん制する「心理戦」、法律で国際社会の支持を得る「法律戦」だ。中国にとって今回の裁判結果は法律戦での致命的な敗北だ。不利な結果になると悟った春先以降、中国は残る世論戦と心理戦に望みをかけている。ただ状況は芳しくない。
6月13日、中国・雲南省。夕食会に集まった東南アジア諸国連合(ASEAN)各国の外相に、王毅が唐突にA4の1枚紙を配って迫った。「署名してください」
10項目の中には「南シナ海の紛争は中国とASEANの問題ではない」とあった。仲裁判決前にASEANの連帯を阻止しようという意図を感じた各国外相は「聞いてない」と猛反発。中国への批判声明作りに動き、王毅は火消しに追われた。
「方位0度に敵艦発見!」「魚雷準備!」「発射!」。魚雷が爆音を立てて水中に飛び込んだ。判決前の7月8日、南シナ海に100隻以上の軍艦を集めて過去最大規模の実弾演習を実施した。「紅軍」が守る海域に「青軍」が侵入したとの状況設定が、米中の衝突を想起させた。
判決を盾に中国の権益を侵すなら武力行使も辞さないとけん制する心理戦の意図が見えた。ただ、演習海域の領有権を主張するベトナムは猛反発。中立に近い立場だったインドネシアやシンガポールも対中批判へ傾く。
習が孤立へ焦りを強める中、米大統領のバラク・オバマ(54)は発言を控える。外交筋によるとアジア諸国に「中国を刺激する発言は控えてほしい。我々の目的は地域の安定だ」と伝えている。
米国が慎重になるのも無理はない。中国軍には「フィリピンが実効支配するセカンド・トーマス礁を奪うべきだ」などの強硬論も渦巻く。刺激しすぎれば軍などの暴発を引き起こしかねない。
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中国内政への懸念もある。「南シナ海の米国の侵略を知っているか。ここで食べるならお前らは売国奴だ」。17日、河北省の米系ファストフード店の入り口で男が客を追い返した。米系商品の不買運動を呼びかける動きが出始めた。判決でたきつけられた中国民衆の愛国心が指導部への批判にも向かえば、中国国内が不安定化しかねない。
中国海軍司令官、呉勝利(70)は18日「計画通りに島と岩礁の建設をやり遂げる」と軍事拠点化を続ける方針を明言。中国空軍は同日、南シナ海の要衝スカボロー礁に爆撃機を飛ばした。中国にいかに自制を促し、暴発を抑えるか。国際社会は判決後も難しいかじ取りを迫られる。
鍵をにぎる習は18日、寧夏回族自治区にある共産党革命の聖地で約1週間ぶりに公の場に姿を現し、こう述べた。「犠牲を恐れぬ革命の精神をもってすれば克服できない困難はない。中華民族の偉大な復興という中国の夢を必ず実現する」
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南シナ海問題を巡る初の国際司法判断で中国の主権主張が否定された。その衝撃と指導者の動きを追った。(敬称略)>(以上)
<7/20日経電子版 逆境の習近平氏に助け舟? 南シナ海判決、中国の硬軟両様 編集委員 中沢克二
南シナ海への中国の海洋進出を巡ってフィリピンが提訴した裁判でオランダ・ハーグの仲裁裁判所は、中国が管轄権の根拠とする「九段線」には国際法上の根拠がないとの判決を下した。南沙(英語名スプラトリー)諸島には排他的経済水域(EEZ)が生じる「島」はないという厳しい判断だ。
予想を超える中国の完敗だった。国家主席、習近平はさぞかし落ち込んでいるに違いない。誰もがそう想像する。そんな中、数日を経て全く違う声が中国内から聞こえてきた。
「確かに中国の完全な負けだ。それでもこの完敗は内政上、苦しい立場にあった習近平にとって逆に素晴らしい『助け舟』となった」。中国の内政、外交をつぶさに観察している中国人の見方だ。
一見、信じがたい。とはいえ今回の動きの一側面を言い当てている。中国国内向けには、メディアを通じて対外強硬路線を宣伝し、国民を一つにまとめるのが容易になった。矛先は、評判を落としていた習近平にではなく、ひとまず外国に向いている。

ユンケル欧州委員長と握手する中国の習近平国家主席(12日、北京)=AP
■結果出る前から習主席が前面に
習近平は強気に出ることで正面突破を図った。12日の判決発表の直前、北京で開かれた欧州連合(EU)との首脳会談で早くも「中国は仲裁判断のいかなる主張も受け入れない」と言い切った。
結果が出る前にトップが対外的に発言するのは本来、危険だ。例えば1999年、ユーゴスラビアの中国大使館を米軍機が誤爆し、犠牲者が出た際、当時のトップ、江沢民はテレビ画面になかなか登場せず、国家副主席だった胡錦濤がまず前面に立った。世論の推移を見定めてからトップが登場する慎重な手法だった。
しかし、今回は習近平自身が旗を振らなければ、重大な結果の糊塗(こと)は難しかった。南シナ海でここまで強硬姿勢をとった原因が、習近平の意向なのだから。中国は厳しい判決も予想し、早くからダメージコントロールに入らざるをえなかった。
外交トップである国務委員の楊潔篪、外相の王毅らもすぐに「法律の衣をまとった政治的茶番劇だ」「判決は紙くず」と声をそろえた。
同じ頃、共産党中央宣伝部はインターネットを通じて南シナ海の主権を守れという大キャンペーンを展開し始めた。
中国の一つ(の領土・領海)も欠けてはいけない――。どの中国ニュースサイトを開いても南シナ海の「紅(あか)い舌」を含む派手な中国地図が登場する。習近平の権威の維持が目的だった。ネット上の宣伝を見た国民はコメント欄に「戦争も辞さない覚悟だ」などと勇ましい書き込みをした。
一方、世論が激高しすぎないよう手も打った。12日、北京の大学の党組織は「学生のコントロールを強化するように」との“お触れ”を出した。北京のフィリピン大使館の警備も厳重だった。2012年9月の尖閣問題のように中国各地で大規模デモが発生し、万一、収拾がつかない事態になれば、矛先は習近平自身に向きかねない。

ASEM首脳会議の会場に向かう中国の李克強首相(15日、ウランバートル)=共同
勇ましさの半面、中国政府が裏で対外的に発したメッセージは違っていた。国際的な立場の悪さを認識し、軟化のサインもにじませたのだ。習近平の対EU発言の最後の1行にも表れている。そこでは「平和解決」もうたっているのだ。中国の報道は、「西側」と違い、見出しや冒頭の語句は大事ではない。最も言いたい内容は最後にくる。
12日、中国政府はこのほかにも手を打った。中国首相の李克強のサイドが、首相の安倍晋三と会談する日程の調整に応じる意向を早々と示した。15、16両日、モンゴルで開催するアジア欧州会議(ASEM)の際である。18日からの新外務次官、杉山晋輔の訪中も受け入れた。日中の首相会談、外務次官協議が続いたことは、中国側の豹変(ひょうへん)といってよい。
■李克強首相の“愛想”
15日の日中首相会談の形式で中国側は、安倍より後から会談場所にやってきた李克強が先に部屋に入り、安倍を迎えたという演出をするなど、相変わらず体面にこだわった。しかし、李克強は取材する日本の記者団らに“愛想”も振りまいた。
「日中関係改善の勢いを維持できるのか、注目が集まっている。あの記者たちの姿にも注目が集まっている」。普段より冗舌だ。外交・安全保障問題を直接、担当していない李克強の番外発言としては異例である。上機嫌といってもよい。

会談を前に握手する安倍首相と李首相(右)=15日、ウランバートル(代表撮影・共同)
実際の会談では激しいやり取りもあったはずだが、双方とも表に出すのは避けた。それは、日本での開催を調整する閣僚級の日中ハイレベル経済対話、日中韓首脳会談、そして中国・杭州での20カ国・地域(G20)首脳会議での日中会談をにらんでいる。
習近平が、いきなり対外融和の明確なサインを出すのは唐突だ。しかしナンバー2の李克強にならできる。その役割を忠実に果たした。
とはいえ、李克強は会談に先立つ安倍との握手の際は表情を崩さなかった。北京で開かれた14年のアジア太平洋経済協力会議(APEC)の際と同じだ。3年ぶりの日中首脳会談で習近平は安倍との握手で厳しい表情を保った。中国国民がテレビ画面で注視する以上、李克強もカメラの前でにやけるわけにはいかなかった。
中国は一筋縄でいかない。なおも日本攻撃は続いた。中国国営メディアは、判事に当たる仲裁人を任命した国際海洋法裁判所長(当時)の柳井俊二と安倍の関係に焦点を当てた。国営テレビは、柳井が座長を務めた有識者懇談会が集団的自衛権の行使容認を巡る報告書を提出した経緯を紹介。「仲裁裁判所は日本の『右翼』が独断で組織し、公平性を欠く」とまで断じた。
八つ当たりである。中国自身が裁判を拒み、裁判官の人選に関わるのも避けたため、規則に従って時の所長が手続きを進めただけだ。だが、国際的には通用しない論理をあえて持ち出したのは、中国国内向けでもある。余りにドラスチックな判決だったため「中国政府は何をやっていたんだ」という批判が起きないための予防線だ。
ASEM議長声明で中国は南シナ海問題の明記の阻止に成功した。それでも「国連海洋法条約に従った紛争解決」との表現は盛り込まれた。1年前の表現をほぼ踏襲したとはいえ、判決が下った後の意味は違う。中国への一定の圧力にはなった。

週明けも動きがあった。中国軍は、米海軍作戦部長のリチャードソンを北京に招き、その後、北海艦隊と潜水艦学院、空母「遼寧」などの参観にも応じた。リチャードソンと18日に会談した中国海軍司令官の呉勝利は3点を強調した。
(1)中国海軍はいかなる軍事挑発も恐れない
(2)計画通り島礁の建設をやり遂げる
(3)前線の軍行動を統制し、戦略的に誤った判断を下すのを避け、南シナ海の平和と安定を守る
硬軟両様である。軍の責任者が「島」の建設続行を明言したのは大きい。一方で重要なのは、最後の「誤った判断をしない」との発言だ。空母「遼寧」の視察容認と合わせれば、米国との衝突は避けたいとのメッセージになる。当然、中央軍事委員会主席である習近平の明確な指示があったはずだ。
■責任を取るのは誰か
表は強硬、裏では秋波――。中国のしたたかさがみえる。しかし習近平主導の動きは、ひとまず内を固める効果があったとしても、その後の展望はみえない。南シナ海での完敗は明らかだ。今後の中国に不利な情勢が続いた場合、最後に誰かが責任をとるのは世の常である。それが誰になるのか。
8月には、長老らと現指導部が意見交換する恒例の「北戴河会議」がある。対外的には「一枚岩」を強調する共産党の伝統がある以上、表向き南シナ海問題が権力闘争の材料になることはない。ただし、南シナ海問題を柱とする外交・安全保障問題への評価は、来年の党大会人事に必ず影響する。(敬称略)>(以上))
<7/19日経 中国、南シナ海の施設建設を継続 米中海軍トップが会談
【北京=山田周平】中国海軍の呉勝利司令官は18日、米海軍制服組トップのリチャードソン作戦部長と北京で会談した。呉氏は仲裁裁判所が中国の主張を退けた南シナ海情勢に関し、「計画通りに島と岩礁での建設をやり 遂げる」と述べ、軍事施設の建設を続ける意向を示した。中国海軍が19日 から3日間、南シナ海で再び軍事演習を行うことも分かった。
国営新華社によると、呉氏は南シナ海は「中国の核心的利益であり、我々が譲歩することは期待しない方がいい」と主張した。「いかなる軍事挑発 も恐れない」と述べる一方、米中海軍の「協力が唯一の正しい選択だ」と柔軟な考えも示した。
リチャードソン氏は米中海軍の相互信頼を高める努力をしていくと応じたという。同氏は20日までの中国滞在中、北海艦隊の拠点がある青島を訪れ、空母「遼寧」などの艦艇を視察する。
一方、中国海事局は18日、海軍が軍事演習を行うため、南シナ海の海南島東岸海域で19~21日、船舶の進入を禁じると発表した。演習の内容は不明だ。新華社によると、海軍は仲裁裁判の判決前の8日、西沙(英語名パラ セル)諸島付近で実弾演習を行ったばかり。
さらに、中国空軍は18日、フィリピンと領有権を争うスカボロー礁(中国名・黄岩島)付近の空域に最近、爆撃機などを派遣し、パトロールを行ったと発表した。今後はこれを日常化するという。中国は仲裁裁判で自国に不利な判決が出たことを受け、南シナ海の軍事化を逆に加速している。>(以上)
<7/17レコードチャイナ <南シナ海>中国支持のカンボジアに6億ドルプレゼント、中国国民には知らされず―仏メディア

16日、RFI中国語版サイトは記事「李克強首相、フンセン首相と会談し6億ドル援助を約束=南シナ海での支持に感謝か、中国メディアは報道せず」を掲載した。フンセン首相は当事国同士の対話で解決するべきと発言し、中国に理解を示した。
2016年7月16日、RFI中国語版サイトは記事「李克強首相、フンセン首相と会談し6億ドル援助を約束=南シナ海での支持に感謝か、中国メディアは報道せず」を掲載した。
アジア欧州会議(ASEM)のため、モンゴル・ウランバートル市を訪問した中国の李克強(リー・カーチアン)首相とカンボジアのフンセン首相は15日に首脳会談を行った。フンセン首相は、南シナ海問題は当事国同士の対話によって解決するべきだと発言。国際仲裁裁判所の判決を暗に批判した。
カンボジア華字紙・華商伝媒によると、カンボジアの支持表明に中国側は6億ドル(約629億円)もの援助で「返礼」したという。ただし中国国営通信社の新華社は首脳会談については報じたが、資金援助については取り上げていない。(翻訳・編集/増田聡太郎)>(以上)
記事

南シナ海の中国の領有権主張は7月12日に出されたオランダ・ハーグの国際仲裁裁判所の判決により、完全に否定されることになった。中国が主張する九段線(南シナ海を牛の舌の形に囲む九本の破線、1953年に中国が制定した。清朝時代に南海と呼ばれた海域を中華民国が十一本の破線で囲んで領有を主張した十一段線を書き直したもの)は歴史的根拠がないと完全否定された。中国がフィリピンと領有を争うスカボロー礁などに勝手に建造物を建て、軍事拠点化しようとしていることは、国際法と照らし合わせ完全な違法行為、ということになる。中国は判決が出る前から、従う気はさらさらないと公言していたが、ならば、次にどういう態度に出てくるか、非常に気になるところである。今回のコラムは、中国の次なる動きについて考えてみたい。
予想通りの全面敗訴と完全無視
ハーグ仲裁判決の内容を整理してみよう。
これは2012年4月、フィリピンと中国がともに領有を主張するスカボロー礁付近において、フィリピン海軍が違法操業中の中国漁船を拿捕したのをきかっけに、中国監視船とフィリピン漁船が1カ月に及びにらみ合うという対立緊張がおきた、いわゆる「スカボロー礁事件」の解決策として、フィリピン側が国際海洋法裁判所の仲裁を仰ぐ提案をしたのが始まり。フィリピン側は仲裁裁判所に任せることを理由に軍を引いたが、中国側はそのまま居残りスカボロー礁を埋め立て、軍事施設の建設を進めるなど実効支配に出た。
当時はアキノ政権であり、中国側に強く抗議を行うも止められず、2013年1月に、中国側の行為の違法性を問うため、正式に提訴をした。中国側はこの提訴に反発、提訴を取り下げるよう求める一方で、完全に裁判を無視。公聴会にも出席しなかった。そして3回の会議を経て今年7月12日夕に判決が発表された。
主な内容は、①中国が主張する九段線内の資源についての“歴史的権利”の主張は法的根拠がなく国連海洋法に違反している。②中国側が礼楽灘で資源採集しているのはフィリピンに対する主権侵害であり、中国側は南沙諸島のサンゴ礁生態系に回復不可能なほどに損害を与えている。③中国側漁民の南シナ海における大規模なウミガメ漁、サンゴ漁はサンゴ礁生態系を破壊しており、これを停止させないのは中国側の責任である。④中国台湾当局が実効支配している太平島を含め、南沙諸島の島々は岩礁であり島ではない。したがって、EEZ(排他的経済水域)も派生しない。⑤天然の美済礁、仁愛礁、渚碧礁はすべて満潮時には水面下に隠れ領海も、EEZも、大陸棚も派生しない。中国の人工島建設はすでにフィリピンの主権権利を侵犯している。
つまり中国側の全面敗訴だ。予想されていた結果で中国側も判決が出る前から判決の無効を主張してはいたが、いざ「国際社会の常識」が中国の行為を違法と決めつけるとなると、習近平政権のメンツはいたく傷つけられたことだろう。
中国の王毅外相はこの判決に対して次のように言い放った。
「この判決は受け入れられないし認めない。最初から終わりまで法律の衣をきた茶番であり、明らかに政治的背景と瑕疵がある。海洋法公約と国際法治を公然と破壊するものであり、この本質は徹底的に暴露されるべきである。…
フィリピン前政権は一部外国勢力に操られて当事者の同意を経ずに、双方の二国間協議による解決の機会を放棄した。その目的は、中国フィリピン間の争議の妥当な解決などではなく、中国の領土主権と海洋権益の侵害であり、南シナ海の平和と安定の破壊である。…
すでに多くの国際社会の知識層、法律界の人たちはこの判決に懸念と疑いを表明している。約60か国が中国の立場や主張を支持している。これら正義の声に国際社会は耳を傾けるべきだ。…
中国の南シナ海における領土主権と海洋権益は堅実な歴史と法律を根拠としており、仲裁裁判所の判決の影響は受けない。…
いかなる勢力がいかなる方式で中国の領土主権と海洋権益を否定しようともそれは徒労に終わるだろう。…
中国は引き続き話し合いで争議を解決し、地域の平和と安定を維持するつもりである。国際秩序の建設者であり平和の庇護者として、中国は国際法にもとづき、当事者同士の話し合いで問題を平和的に解決する。また各国の航行・飛行の自由も法に基づいて維持する。
仲裁案の悪意ある扇動によって政治を操ることは、南シナ海問題をさらに緊張と対立の危険領域に巻き込むことになるだろう。これは地域の平和安定維持に完全に不利であり、中国フィリピン両国、地域国家と国際社会全体の共同利益に合致しない。この茶番はもう終わった。正しい道に戻るときだ」
中国こそ国際秩序の建設者
最近、ヒステリー気味の王毅にしてみれば、比較的抑えた言葉遣いだが、この談話ににじむのは、中国こそ国際秩序の建設者である、という主張であり、今回の判決は一部外国勢力(具体的には日米)の陰謀であり、国際社会の総意ではないという立場である。確かに国の数からいえば、仲裁案が出た直後に支持を表明しているのは日米など43か国、不支持、二国間の協議で解決すべし、という意見の表明はロシア、パキスタンなど58か国。ちなみに韓国は立場を表明していない。
太平島を島ではなく岩礁だと一蹴された台湾も、判決不支持の声明を出しているが、これは台湾にしてみれば、中国台湾当局と不本意な名で呼ばれたうえ公聴会にも呼ばれておらず、とばっちりを食ったとしか言えない。それでも、台湾は二国間協議ではなく多国間協議、国際社会での話し合いで解決をと呼びかけている。
余談だが、日本の鳩山由紀夫元首相は16日に北京・清華大学で行われた「平和国際フォーラム」席上で「中国やフィリピンに圧力をかけて仲裁判断を受け入れるよう促すべきではない」と発言し、仲裁裁判所の判決に対し不支持の態度を示している。
この席で鳩山は「東アジア和平理事会」の創立を提言し、南シナ海については「米国の関与が深い」「米国がいつも仮想敵国を作り出し、国家を動員して軍事と産業の結合を進める策略をしばしば使い、日本もこうした策略を使っている」「中国が釣魚島の主権を主張することはなんら問題ない。メディアが中国脅威論をあおっている」「中国は軍の兵力30万人の削減を宣言したことは平和に向かう善意の現れ」などとかなり中国に向かってリップサービスしたようだ。もちろん、これは中国読者向けの中国メディアの記事なので、その発言は加工されている可能性はあるのだが、ひょっとすると今年の孔子平和賞受賞を狙っているのかもしれない。
つまり中国側は、南シナ海判決については、世界60か国近くが中国側を支持し、日本の平和主義的元首相も判決がアンフェアだと見ていることなどを根拠に、正義は中国にあり、国際常識・国際秩序のルールメーカーは中国であるとの立場を国内で喧伝しているわけである。これは従来の国連主導、米国主導の国際秩序、国際常識に対するある種の“宣戦布告”ともいえる。
習近平は軍事施設の年内完成を厳命
これは、いくつかの非常に恐ろしいことが現実味を帯びてきたことを示しているといえる。
すぐさま戦争が起きる、とは私は考えていない。なぜなら提訴した当事者のフィリピンの新しい大統領は判決を歓迎するも、かねてから「絶対戦争はしない」と言明しているからだ。現在の大統領のロドリゴ・ドゥテルテは大学でフィリピン共産党の指導者シソンに師事した左派だ。新内閣にもフィリピン共産党から4人の閣僚を起用。フィリピン共産党に中国系資金が入っていることは結構知られた話であり、親中色の濃い内閣といえよう。ドゥテルテ自身は判決が出る前から「事態が動かないならの二国間協議で解決」ということを言っており、中国側は経済支援を申し出る代わりに判決を棚上げし、南シナ海の共同開発という形に懐柔していく方針に自信をもっている。ドゥテルテ政権は、とりあえず中国の一方的な条件付き対話は拒否し、より良い条件を引き出そうとしているが、対話で解決する方針は維持している。
年内にスカボロー礁の軍事施設を完成させることは習近平自身の厳命であると香港消息筋から流れている。「出て行ってください」と口頭で言っても中国が素直に聞く耳をもつわけがない。中国に完全撤退させるには、相応の強制力が必要で、それは経済制裁か軍事制裁ということになるが、中国にそういう圧力をかけることができる国が世界にいったいどのくらいあるのか。
仮に当事国のフィリピンが、判決を棚上げにし、二国間協議で問題を解決すると言えば、米国が積極的に介入できるだろうか。せいぜい“航行の自由”を行使するぐらいで、南沙諸島の中国の実効支配、軍事拠点化を阻止することはできないだろう。フィリピンの交渉力に期待はできない。「戦争する気まんまん」の中国と「戦争は絶対しない」と公言するフィリピンの話し合いは中国有利に決着すると考えるのが妥当だろう。
「戦争モード」に怖気づけば、新たな危機
中国は口では「平和の庇護者」を名乗り「平和的話し合いで争議を解決」というものの、これは棍棒を片手にした話し合いだ。判決が出る前日まで南シナ海で南海・東海・南海の三艦隊合同の大規模実弾演習を行い、そのビデオ映像をネットやテレビで繰り返し流すなどして絶賛「戦意高揚」プロパガンダ中である。地方では反米抗議デモが若干起きている。海外華僑も各地で抗議活動を行っており、ハーグの仲裁裁判所前でもオランダの華僑・華人組織が、判決無効の垂れ幕を掲げて抗議集会を行った。中国のネット掲示板では「もし南シナ海で戦争が始まったら兵士に志願するか?」というテーマの投稿がいくつかあり、多くの若者が「戦う」と書き込んでいる。それが本音かは別として、そう書き込んでしまうような空気があるのだろう。
一方で、解放軍では退役軍人・民兵に戦争に備えて元の部隊に戻って海軍演習に参加するよう通達が出されており、中国側は着々と臨戦態勢を整え始めている。中国体制派メディア・フェニックスは判決への抵抗手法として、外交世論闘争を盛り上げ、南シナ海大規模演習を行い、スカボロー礁建設加速とフィリピン漁民の締め出し、防空識別圏を制定しつつ、フィリピンを経済的に懐柔すべしと解説。勇ましい人民日報系環球時報は判決が出る前から「米国が機会に乗じて挑発することがあれば、必ず反撃する」「挑発にはがまんしない」としている。
こういう中国の「戦争やる気モード」を前に怖気づいて、国際社会の総意として出した仲裁案を棚上げして中国と話し合いによって、中国の思惑通りの結果になったとする。これは、当面の南シナ海での軍事的衝突、軍事的緊張をうまく回避できたという点で、ひょっとするとほっと胸をなでおろす人もいるかもしれない。だが、この結末はより大きな危機の始まりともいえるのだ。
こうなった場合、早晩、南シナ海の島々に解放軍のレーダーやミサイルが配備され、南シナ海の中国軍事拠点化が完成する。南シナ海は中国海南島にある戦略核ミサイル原潜の基地の接続水域であり、南シナ海の島々の中国の軍事拠点が完成されることで、この海域は中国原潜のサンクチュアリとなり、米国の影響力を第二列島線の向こうまで後退させるという戦略目標への実現の一歩となる。
次は東シナ海、国際秩序の正念場だ
南シナ海は東シナ海とつながって第一列島線の内側を形成するので、南シナ海の軍事拠点化が完成すれば次は東シナ海が狙われる。尖閣諸島をめぐって日中の軍事的対立、緊張が今以上に高まることになるわけだ。習近平政権は今現在まだ解放軍の軍権を完全に掌握していないと言われているが、もしフィリピンとの外交成果として南シナ海軍事拠点化が完成すれば、解放軍の習近平に対する忠誠や信頼は強まるかもしれない。中国は将来的に米国の2倍にあたる潜水艦保有を計画しており、海軍力が高まった中国との対峙は、今とは比べ物にならないほどの脅威となるだろう。
もう一つは、「国際社会」の権威の失墜が明らかになる。国連という枠組みの国際社会の秩序の中で法律に基づいて決めたことが、強大な軍事力と経済力を持てば無視できることを中国がその行動で示すことになる。かつてそれをやったのは、ルールメーカー自身であった米国だけだった。国際イメージを損なう、国際社会で孤立する、と常識のある国にはできない選択を13億の人口と世界第二位の経済規模をもつ中国はやってしまい、国際社会は中国を制裁できないどころか、アンチ米国のロシアやアフリカや東南アジアの小国60か国が中国支持に回る。こうなっては国際秩序や国際ルールって何なのだ、という話になる。現在の国際ルールは、すでに無力化し、強大な軍事力と経済力を持つ国が粗暴な恫喝と懐柔で、新たなルールメーカーになろうとしている。南シナ海における今の中国の動きは、そういう意味もあるのだと想像する。
そう考えれば、仲裁裁判所の判決が中国の主張を退けてよかった、と安心するのは早い。中国が判決に従わざるを得ないように、経済力、軍事力を備えた外交力を駆使してプレッシャーを与えていかねばならないこれからが、正念場といえよう。
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『改憲論議で無視してはならない日本国憲法の「出自」 憲法を書いた実務責任者が語った驚くべき舞台裏とは』(7/18JBプレス 古森義久)について
ケーデイスと元子爵鳥尾敬光氏の夫人鳥尾多江の不倫話を何かで読みました。占領軍の男に魅せられる女性の気持ちは分かりません。小生が男性だからかもしれませんが。クレオパトラもカエサルやアントニウスを手玉に取ったくらいですから。でも戦後、体は別にして魂を売った男性は沢山いまして、今でもその流れは変わらず、戦後利得者が跋扈している時代が続いています。鳥尾夫人だけが責められることはありません。

三島由紀夫の『豊饒の海・第三巻・暁の寺』には息子を戦争で亡くし、悲しみに打ちひしがれた夫人と若いドイツ文学者との不倫が出てきます。人間の性でしょうか。もっと言えば、岡倉天心も上司である九鬼隆一の夫人星崎波津子と不倫の話が出てきますから、男女の仲は洋の東西を問わず、時代を超えて、道徳だけでは縛れないという事でしょう。
そのケーデイスが日本に押し付けた憲法の作成過程が本記事に書かれています。ローマ帝国が第二次ポエニ戦争でカルタゴに押し付けたものと同じ発想です。日本には戦争させない、白人には逆らわせないということでしょう。ケーデイスが自衛権に相当する部分を入れたというのは鳥尾夫人への思いが日本への同情になったのかどうか。
今や白人に挑戦する黄色人種の中国人が出てきました。日本人のように叩き潰されるのかどうかですが。ただ、中国人は白人と同じく悪辣で金を崇拝する民族です。ただ遅れて来た帝国です。核を持ち、賄賂をスマートに送り、人口の多さを武器に入植させて領土を広げて行くやり方をします。日本を抑えるため中国を支援してきた米国は臍を噛んでいるでしょう。キッシンジャーがアメリカの道を誤らせた訳です。
反米政党・知識人が憲法擁護の論陣を張るのは憲法の出自から言っておかしいのでは。少なくとも改憲して彼らの理想とする案を出さなければ。その時に国民は判断するでしょう。彼らは中国共産党の手先で、日本を売り渡す先兵だという事を。平和主義の念仏の先には一党独裁の人権抑圧が待っているという事です。
改憲について与党も拙速になる必要もありませんが、放置することもありません。折角参院で2/3の議席を改憲勢力が頂戴したのだから整斉と進めるべきです。憲法審査会と同時に、公聴会を開いて国民に意見を聞いてはどうか。どうせ野党は審議拒否するでしょうから。岡田代表は憲法審査会の議論に参加するとかいっていますが分からないです。何せ「改憲勢力に2/3を取らせない」のが反日民進党の参院選の目標だったのに、彼は責任を取って辞めることもしませんので。中・日共産党と同じで平気で嘘が言えるタイプです。
記事

かつてGHQが入っていた東京・有楽町の旧第一生命館(出所:Wikimedia Commons)
今回の参議院選挙で、憲法改正を目指す勢力が全議席の3分の2以上を獲得し、改憲の発議の権利を得たことで、改めて憲法改正の是非が国政の場における主要な議題として浮かび上がってきた。
この憲法論議にあたっては、日本国憲法のそもそもの生い立ちを知ることが欠かせない。一体、誰が日本国憲法を作ったのかという正しい認識がこれからの議論には不可欠である。
だが、これまでの憲法論議では不思議なほどその出自が語られてこなかった。まるで故意にその点の議論を避けていると思わせるほどである。
日本側の草案を一蹴したGHQ
日本国憲法は、日本が連合国の占領下にあった1942(昭和21)年2月2日から10日ほどの間に、米軍の将校十数人により一気に書き上げられた。
この米軍の将校団の統括責任者は連合国軍総司令部(GHQ)のコートニー・ホイットニー民政局長であり、実務の責任者はホイットニーの部下のチャールズ・ケーディス民政局次長だった。連合国軍といっても主体は米軍だったのだ。
実務責任者のケーディス氏は当時39歳。コーネル大学やハーバード大学で法律を学び、戦前からすでに弁護士として活動していた。1941年12月に米国が日本やドイツとの戦争に入ると、同氏は陸軍に入り、参謀本部で勤務した後、フランス戦線に赴いた。日本には1945年8月の日本の降伏後すぐに赴任して、GHQで働くようになった。
GHQは当初、日本側に新憲法の起草を命じた。命を受けた時の幣原喜重郎内閣は国務大臣の松本烝治にその起草を任せた。まもなく草案ができたが、GHQはそれを一蹴した。米国から見て内容が民主主義的とは言えないというのがその理由だった。
その結果、GHQ自身が日本の新憲法を書くことを急遽決定した。そして、1946年2月、実務責任者にケーディス大佐が任じられたのである。
ケーディス氏の一存で9条を修正
私はそのケーディス氏に面会し、日本国憲法作成の経緯を詳しく聞いたことがある。1981年4月のことだ。面会の場所は、当時ケーディス氏が勤務していたニューヨーク・ウォール街の大手法律事務所だった。
当時75歳のケーディス氏は、私の質問に、時には用意した資料をみながら、なんでもためらわずに答えてくれた。インタビューは結局4時間近くに及んだ。
ケーディス氏の話を聞いて私が最も衝撃を受けたのは、日本国憲法が作られた過程の“異様さ”だった。なにしろ手続きがあまりに大ざっぱなのだ。また、日本側の事情や要望はまったく考慮されず、内容はまさに“押しつけ”そのものであった。
戦勝国が被占領国に受け入れさせた憲法なのだから仕方がないといえばそれまでである。だが、それにしてもなんと粗雑に作られた憲法なのかと驚かざるをえなかった。
ケーディス氏によれば、起草は、都内のいくつかの大学図書館から諸外国の憲法の内容を集めることから始まった。その時点で新憲法の内容について決まっていたのは、後に「マッカーサー・ノート」と呼ばれる黄色の用紙に殴り書きされた「天皇を保持する」「戦争を放棄する」「封建制度を廃止する」という3つの原則だけだった。
「私が書くことになった第9条の目的は、日本を永久に非武装にしておくことでした。上司からのノートでは、日本は自国の安全保障のためであっても戦争を放棄することとなっていました。しかし、その部分は私の一存で削りました。どの国も固有の自衛の権利は有しているからです」
ケーディス氏は後に日本側から「芦田修正案」が出されたときも、同氏の判断だけでOKを与えたという。この修正案は9条の第2項の冒頭に「前項の目的を達するため」という字句を挿入することで、固有の自衛権を認め、自衛隊保持の根拠を供した。
憲法草案のこうした重要な部分は、事後に上司のホイットニー民政局長やマッカーサー元帥の承認を得てはいるが、事実上、ケーディス氏の判断だけで作り上げられたと言っても過言ではない。
日本が受け入れを拒否することはできなかった
私が聞いたケーディス氏の述懐の主要点をまとめると、以下のようになる。
・憲法草案の最大の目的は日本を永久に非武装にしておくことだった。
・元々の草案では日本の自国防衛の権利も否定していたが、ケーディス氏の一存でその部分を削った。
・「天皇は日本国の象徴」という表現も米国政府の事前の指示にはなかった。ケーディス氏ら実務担当者が思いついた表現である。
・第9条の発案者はマッカーサー元帥か、幣原喜重郎首相か、天皇か、あるいは他の誰かなのか、ケーディス氏は知らない。
・米国は、日本政府が新憲法を受け入れない場合は憲法草案を国民投票にかけると告げた。だが、実際には日本側に受け入れを拒否する選択肢はないとみていた。
以上の点からも、日本国憲法が実質的に米軍によって書かれ押しつけられたことは明らかである。しかも日本を永久に非武装にして自国の防衛の能力や意思をも奪おうという意図が明確にあったのだ。
この歴史の真実は、これからの憲法論議でも当然言及され考慮に入れられるべきだろう。だが、護憲派は憲法の起源や由来を語ろうとしない。それは明らかに均衡を欠いた姿勢である。
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『英国がEUに戻る日 2代目「鉄の女」、メイ首相に立ちはだかる難題』(7/15日経ビジネスオンライン 岡部直明)について
トルコのクーデター騒ぎ、中国のハーグ判決無視、フランスのトラックテロ、米国大統領候補の共和党全国大会開催と英国のBREXIT問題が霞んで見えます。トルコのギュレン師が直接クーデターに加担したとは思えません。ただ、生活の中でイスラムの教え通り、助け合い精神を活かすという運動の影響を受けた軍の人間が起こしたものと思われます。エルドアン大統領も世俗主義から少しずつイスラム重視に切り替えてきました。ギュレンが1999年米国訪問中に、捏造報道のためトルコに帰れなくなり、其の儘米国に亡命しましたので直接クーデターを指示することは考えにくいのでは。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AE%E3%83%A5%E3%83%AC%E3%83%B3%E9%81%8B%E5%8B%95
中国のハーグ判決無視は既定路線で、米国を始めとする国際社会の団結が問われています。国際法を無視する中国のやり方を黙認すれば、南シナ海に止まらないでしょう。東シナ海も支那と名前がついているので必ずや中国のものと言って来る筈です。尖閣が何故中国のもの主張しているかと言うと琉球は日本だけでなく中国にも朝貢していたから、中国の冊封体制にあったというのを根拠にしています。日本が琉球処分したのが1872年~1879年で140年前の話、中国はどこまで歴史を遡るというのでしょう。その当時は漢民族統治ではなく、「大清帝国」で満州族統治でした。今の中国は56の民族からなるというのは事実としても、「大清帝国」が日本の琉球処分について黙認してきた事実を尊重すれば自分のものと言うのは歴史を大事にしないことではないか?中国はいつでも二重基準を多用します。南シナ海内に3000m級の滑走路を3つの島に作られたら制空権が奪われます。アホなことにずっと中国を支援してきた米国には製造物責任があります。すぐにでも「航行の自由」作戦を展開すべき。
英国のEU離脱の国民投票も法的拘束力がないので、本記事にありますように下院を解散して、離脱派・残留派の議員を選び直す形で再度国民の意思を問えば良いのでは。キャメロンの拙劣な政策が齎したものなので。ただEU残留であっても、移民問題は受け入れることはできないでしょう。EU側がそれをどう判断するかですが。
記事
あの「鉄の女」をほうふつさせるメイ首相
英国の欧州連合(EU)からの離脱は世界に衝撃を与えた。責任を取って辞任したキャメロン首相の後任に、サッチャー首相に次ぐ2人目の女性宰相としてテリーザ・メイ首相が就いた。2代目「鉄の女」には、秩序ある離脱をどう実現するか期待が寄せられるが、あまりに難題が多い。EUとの離脱交渉をうまく進められるか、スコットランドなど国内の独立機運を封じられるか。そして、外資依存の英国経済の失速を防げるかである。この複雑な多元方程式を解き切れるかどうか、なお不透明である。
「EU離脱により世界で新しく前向きな役割を果たす」。こう言い切るメイ首相は、サッチャー首相にどこか似ているところがある。その髪形からクイーンズ・イングリッシュまで、あの「鉄の女」をほうふつさせる。

髪形、クイーンズ・イングリッシュ…「鉄の女」サッチャー元首相をほうふつさせる、テリーザ・メイ英首相 (写真:ロイター/アフロ)
仏独主導のEC、EU運営に対峙してきたサッチャー
しかし元祖「鉄の女」の迫力は、こんなものではなかった。1980年代半ば、日本経済新聞のブリュッセル特派員時代、何度もサッチャー首相の記者会見に臨んだことがある。EC(欧州共同体)首脳会議は農業補助金などめぐっていつものように難航した。会議は深夜に及んでようやく終わった。外相を伴って現れたサッチャーは席に着くやいきなり、外相を面罵した。その怒りに記者団は一瞬、氷ついた。EC内での交渉の不手際をさらされた外相は翌日辞任する。
サッチャー旋風にはジスカーデスタン・シュミット、ミッテラン・コールという仏独連合もたじたじだった。それだけサッチャーは国益をかけて仏独主導のEC、EU運営に対峙してきた。
英国はEC加盟まで12年間も待たされた
ブリュッセルのユーロクラート(EU官僚)嫌いは有名だし、ユーロの創設や政治統合の動きには徹底して反対した。しかし、その「鉄の女」でさえ、EUの離脱など考えもしなかった。国民投票で離脱を決めた英国政治の大失態を見たら、元祖「鉄の女」は憤っていたはずだ。
なにしろ、英国はEC加盟まで12年間も待たされた。加盟はいつしか悲願になっていた。盟主であるドゴール仏大統領に2度にわたって加盟を拒否される。加盟できたのはドゴールが亡くなったあとの1973年である。初めから原加盟国(仏、西独、伊、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク)とは差がつけられていた。
その後もユーロには加わらず、移動の自由を認めるシェンゲン協定にも参加しなかったのだから、EUメンバーとして胸を張れないところがあった。
第2次大戦後、欧州にはもう2度と惨禍を繰り返したくないという思いから、欧州統合論が高まった。英国のチャーチル首相も「欧州合衆国」構想を唱えたが、それは欧州大陸中心で英国抜きの構想だった。
ドゴールは、英国の離脱を予測していた?
いまにして思えば、英国のEEC(欧州経済共同体)加盟を拒んだドゴールは慧眼だったといえる。かつてのような覇権国家「大英帝国」ではなくても英国に根付いている大国意識は抜きがたいものがあるとみていたのだろう。いずれ離脱する日がくると読んでいたかもしれない。
当のドゴールは筋金入りの国家主義者であり、かならずしも積極的な欧州統合論者とはいえなかった。欧州統合の父であるフランスの実業家ジャン・モネとは敵対関係にあったといえる。ジャン・モネが超国家をめざしたのに対して、ドゴールは国家連合にとどめるべきだという立場だった。いまのEUにもジャン・モネ(超国家)流とドゴール(国家連合)流との思想的対立が残されている。骨の髄まで国家主義者だったからこそ、ドゴールは英国の国家主義の展開を読めたのだろう。
EU離脱に12年かかるとの説も
いまEUにドゴールほどの強面はいないが、メイ政権のEU離脱交渉は容易ではない。加盟にかかった12年間が離脱でもかかるという説まである。メイ首相は離脱交渉で「最良の条件を引き出す」というが、メルケル独首相は「いいとこ取りは許さない」とくぎをさしている。
メイ首相が6年間の内相時代に力を入れたのは、移民流入の抑制だった。国民投票で示された移民流入抑制という民意を優先しつつ、EUの市場アクセスはこれまで通りにしたいというのがメイ首相のいう「最良の条件」なのだろう。しかし、それこそがメルケル首相の指摘した「いいとこ取り」である。
EU離脱交渉では「鉄の女」どうしの対決が予想されるが、それだけではない。反EU勢力が台頭するフランスでは、2017年の大統領選を前に、英国に厳しい態度を取らざるをえない。EUの姿勢は厳しく、離脱交渉の難航は必至である。
国民投票で鮮明になった「英国の分裂」
メイ首相にとって、頭が痛いのは国民投票で鮮明になった「英国の分裂」である。メイ首相は「グレート・ブリテン」としての国民の結束を呼び掛けたが、この国民投票は「グレート・ブリテン」を「リトル・イングランド」にする選択だったといえる。
EU残留が大勢だったスコットランドは、英国から独立し、EUへの加盟をめざしている。独立のための住民投票を求めることになるだろう。スコットランドの動きには、独立に動くカタルーニャを抱えるスペインが警戒するなど、EU内には反対論がある。しかし、英国のEU離脱はスコットランドの独立とEU加盟の動きに拍車をかけ、英国の分裂につながるのは避けられない。
ロンドンは、シンガポールのような都市国家をめざす?
合わせて北アイルランドも独立し、アイルランドへの統合に動くだろう。EU残留派が多いロンドンの独立論もある。シンガポールのような都市国家をめざすのだろうか。
世代間の分裂も深刻だ。高齢層に離脱派が多い一方で、英国の将来を担う若者はEU残留を求めている。若者の反乱が起きれば、英国社会の亀裂は深刻化する。
EUに依存してきた英国経済への打撃ははかりしれない。英国は老大国から抜け出しEU第2の経済大国としてよみがえったのは、サッチャー政権はじめ改革の成果もあるが、なによりEUとの結びつきが大きかった。英国経済はEUのなかで再生できたといえる。
外資なしには成り立たない英国経済
英国経済はウィンブルドン現象といわれるほど外資依存の構造になっている。製造業、流通、金融から公共インフラまで外資なしには成り立たない。外資が英国に拠点をしているのは、EUという単一市場を視野に入れているからだ。EU離脱でその最大の利点が失われることになれば、外資は欧州大陸などに拠点を移すしかなくなる。
ロンドン・シティーの金融センターとしての強みは揺るがないという見方もあるが、はたしてそうか。少なくとも、ユーロ決済センターとしての機能は失われる可能性がある。フランクフルト、パリなど欧州大陸の市場はシティーに取って替わろうとするし、エディンバラ、ダブリンなども金融センターもめざすだろう。金融機能が集積するシティーも決して安泰とは言えない。
最大の問題は、こうして英国経済が失速し、停滞してしまうことだろう。イングランド銀行は金融緩和を検討しているが、不動産価格の下落が金融システム不安につながる心配もある。景気後退が長引けば、失業問題につながる。せっかくの財政健全化は頓挫し、再び財政赤字に悩まされる。ポンド安は輸出増要因だが、ポンド危機なれば、インフレ懸念が強まる。スタグフレーション(景気停滞と物価高)への道である。
“引き返す勇気”もまた英国のエリートの使命
世界に広がっているメガFTA(自由貿易協定)の潮流に乗り遅れる恐れもある。米国とEUの自由貿易協定交渉では、オバマ米大統領が警告した通り、EUを離脱する英国は後回しにされかねない。日EUの経済連携協定交渉でも英国の扱いはむずかしくなる。
内外の様々な難題をどう解決するかメイ首相の手腕が試されるが、その解は簡単には見当たりそうにない。EUとの交渉が難航し、スコットランド独立機運など分裂が深まり、足元の経済は悪化する。そのなかで英国は「大後悔時代」に突入するだろう。
議会制民主主義の機能を取り戻すため、解散、総選挙で「EU離脱」の是非を問いなおす可能性がないわけではない。メイ首相は「BREXITはBREXIT」と国民投票のやり直しを否定しているが、状況しだいで「新しい判断」が求められるかもしれない。引き返す勇気もまた英国のエリートの使命であるはずだ。
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