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『トランプ氏の「一つの中国」見直し論がもたらす衝撃 なぜ米中関係の根幹を揺るがすことになるのか』(12/29JBプレス 阿部純一)について
1/3日経<アジア通貨防衛を強化 ドル融通枠、3兆円拡大へ
アジア各国が通貨防衛で協調する。日中韓と東南アジア諸国連合(ASEAN)は2017年中にも各国の合意で貸し借りできるドルの融通枠を現在の720億ドル(約8兆円)から960億ドル(約11兆円)へ約3兆円増やす。今年は世界の政治情勢が変わり、米国の追加利上げや欧州の選挙次第で新興国通貨に急落の恐れがある。アジアの通貨交換協定をテコに一段と関係を深め、金融危機を防ぐ備えを厚くする。

アジア各国は5月、横浜市でアジア開発銀行(ADB)総会と日中韓・ASEAN財務相会議を開く。こうした場を使い、各国は金融危機の際に多国間でドルを貸し借りする「チェンマイ・イニシアチブ」という枠組みの拡充で合意する方向だ。
同枠組みは1997年のアジア通貨危機を踏まえ、アジア各国が整備した。ドルを借りた国は外国為替市場で「ドル売り・自国通貨買い」の為替介入を実施して自国通貨の急落を抑える。
ドルの融通枠は全体で2400億ドル(約28兆円)あるが、このうち各国の合意だけで貸し出せるのは3割、約8兆円だ。残り7割は国際通貨基金(IMF)の金融支援後に融通する仕組みとなっている。IMFの支援決定には一定の時間がかかるため、ASEANは急速な資金移動へ柔軟に対応するには各国の合意だけで融通できる割合を引き上げるべきだとする。
資金の貸し手となる日中韓は資金の焦げつきを懸念し、合意だけの融資枠を3割に固定してきたが、16年末の事務レベル会合で歩み寄りの機運が生まれた。物価上昇率や外貨準備高など経済財政運営やドルの流動性に関する指標を支援の条件とし、貸し倒れリスクを防ぐことで各国が一致。日韓も野放図な貸し出しは防げるとみて、合意のみの融資枠を3割から4割に上げる姿勢に転じた。
各国が協調姿勢に転じたのは米連邦準備理事会(FRB)の追加利上げの影響が大きい。FRBが16年12月に追加利上げに動くとの観測が強まるとマレーシア通貨のリンギ相場は1ドル=4.4リンギ台と1998年以来の水準に下落。タイのバーツも対ドルで昨年秋に比べ約5%安い。
FRBは17年に利上げを3回実施するとしており、アジア金融市場に一定の影響が出ることは避けられない。欧州ではフランスやドイツなどでトップを選ぶ選挙が相次ぎ、結果次第では金融市場に動揺が広がるリスクもある。
チェンマイ・イニシアチブと並行して、日中は2国間の通貨交換協定も進める。日本はマレーシアやタイと協定締結の交渉に入っている。中国は15年11月にインドネシアと資金枠を拡大。マレーシアやタイと協定の期限を延長している。ただ中国は2国間協力を重視し、ドル融通枠の拡大に反発する可能性もある。>(以上)
中国の軍事膨張主義や韓国の反日活動(慰安婦像)を止めさすには経済的に追い込む必要があるのに、それを助けるというのは日本政府には大局観がないとしか言いようがありません。日本がチェンマイ・イニシアチブを使うことはないし、約束を反故にするのが当たり前の中韓は融資しても踏み倒す可能性が高いでしょう。形を変えた通貨スワップでしょう。日本政府の当局者はハニーか金で籠絡されたとしか思えません。戦争を避けるなら、中韓の経済を崩壊させるのが一番です。
本記事にありますように「一つの中国」は虚構で、それを今まで米国はさも「実体」があるように演じてきました。対ロ戦略上必要だったのでしょうが、逆に怪物を作り上げてしまいました。そもそも、中国国民党も中国共産党も中国人の政権ですから、独裁になり、粛清がごく普通に行われました。228事件や大躍進、文化大革命を見れば分かります。
台湾は国姓爺合戦で有名な鄭成功を大清帝国が打ち破り、清に属したとはいえ、「化外の地」扱いでした。日本が統治したのは日清戦争後の1895年から第二次大戦敗戦後の1945年までの50年間ですが、台湾に与えた影響は大きいです。でなければこんなに親日国になっていないでしょう。反日教育を国家政策としている中韓とは違います。
中共は漢人の政権で少数民族を弾圧しています。チベット、ウイグル、モンゴル人がその対象です。清は満州族の政権で、漢民族の政権ではありません。漢人は領土についていいとこどりをしています。漢人に東北三省、チベット、ウイグル、内モンゴルを統治する権利はありません。況してや台湾においてをや。戦後は蒋介石の国民党亡命政権が統治しましたが、次の蒋経国国民党政権で民主化が進められ、李登輝総統が選ばれたり、陳水扁民進党首が総統になったりしました。独裁の中共とは違いますし、誰も人権が保証されない国と一緒になりたいとは思っていないでしょう。香港住民が今そう思っている筈です。英国との「一国二制度」の約束すら守れない国です。日米豪印露で中国の暴発を抑え、台湾を守るようにしなくては。いつも言っていますように、時間の利益を中国に与えるのは下の策です。
記事

台湾・台北でスピーチをする蔡英文総統(2016年10月10日撮影)。(c)AFP/SAM YEH〔AFPBB News〕
米国の次期大統領となるドナルド・トランプ氏による「米国が“一つの中国”に縛られるのはおかしい」という発言が注目されている。
米「フォックス・ニュース」の12月11日のインタビューに応えた発言であり、「中国の貿易・外交政策次第では」という条件付きのものであった。しかし、たとえ条件付きの発言であるにしても、「一つの中国」に疑義が示された衝撃は大きい。言うなれば米中関係の根幹を揺るがすことにもなるからだ。
現状の米中関係に不満を抱いているトランプ氏
1979年1月の国交樹立以降、歴代の米政権が遵守してきた「一つの中国」政策にはそれなりの重みがある。しかも、それは台湾の現状を維持するために米中がギリギリの妥協を重ねて生み出したものだった。
少し詳しく論じてみよう。
米国はカーター政権時に、同盟関係にあった台湾(中華民国)と国交ならびに相互防衛条約を断ち、中華人民共和国を唯一正当な政府として認め、その代わりに中国は台湾に対する「武力解放(武力統一)」を「平和統一」に改めた。米国と中国はそうやって台湾の扱いについて折り合いをつけ、以来、歴代の米政権は「一つの中国」政策を採り続けてきた。
米国はまた、中台の交渉による平和的統一への期待を表しつつ、台湾への防衛用兵器の供与などを盛り込んだ「台湾関係法」を米国内で成立させ、台湾の安全保障に引き続き関与する姿勢をとった。もちろん、台湾関係法は台湾の「独立」を助長するものではなく、あくまで台湾海峡両岸の現状維持を目指すものであった。
では、トランプ氏は米中関係をどうしたいのだろうか。
トランプ氏や彼の周辺にいる政策アドバイザーには、台湾が置かれている状況への不安と同時に、現状の米中関係への不満がある。つまり、米国が不必要な譲歩を重ねてきた結果が中国の現状変更を伴う拡張主義的行動を許し、民主主義体制下にある台湾が中国の経済的・軍事的圧力にさらされている事態を生んだと見ているのである。
たしかに、間もなく退場するオバマ大統領が、台湾が望む兵器、例えばF-16戦闘機C/D型の新規供与などを却下してきた事実も含め、中国に毅然とした態度を取ってきたとは言い難い。
同様に、台湾内部でも、もはや「一つの中国、台湾は中国の一部」という考え方を支持するのはごく少数派で、大多数の人は台湾が「事実上独立した政治主体」であるという現状を支持している。米国がそうした状況にある台湾に同調すれば、中国の言う「一つの中国」はすでに虚構化しているのであって、実態は「一つの中国、一つの台湾」となっている以上、米国が中国の主張に追随するのはおかしいと考えても不自然ではない。
中国人にとって台湾とは?
しかし、中国人のメンタリティーはおそらく違うのだろう。台湾は日清戦争で中国(清)が敗れた結果、日本に割譲されたが、もともとは中国に帰属していた。だから第2次世界大戦で日本が敗れた結果、蒋介石の中華民国が台湾を取り返したのは当然のことであった。その中華民国を、毛沢東が中国革命で台湾に追いやったが、米国が蒋介石を庇護した結果、今日まで台湾に中華民国が命脈を保っている。「中国革命を成就させること、つまりは台湾を中国に統一するという中国(中華人民共和国)の悲願を成就させることは、中国に課せられた神聖な使命だ」ということなのだろう。中国にとって、台湾はあくまでも「不可分の領土」なのである。
中国のこの「一つの中国」の論理をよく理解している米国人なら、トランプ氏の発言がいかに危険なものであるかが分かっているだろう。
もし米国が、台湾の「独立」を助長するような動きに出れば、米国との戦争の危険を冒してでも中国は阻止する行動を取るだろう。逆に、もし中国の指導部が拱手傍観するようであれば、愛国ナショナリズムに駆り立てられた中国人民が指導部を厳しく突き上げることは想像に難くない。つまり、中国はいずれにしても暴れ出すことになる。
中台が歩み寄れる余地はどんどん消滅
とはいっても、こうした中国側の事情を現在の台湾の人たちは懸念こそするだろうが、だからといってそのまま受け入れ、おとなしく我慢し続けるとは思えない。
中国の台湾との「平和統一政策」は、香港で先行適用された「一国二制度」である。だが、香港の現状が示すようにうまく機能していない。台湾はこの政策を当初から拒否し続けてきた。しかも人口の大多数が台湾で生まれ、台湾で育った人々であるから、中国は彼らにとってたまたま言葉が通じる「外国」にすぎない。要するに、中国と台湾とでは、お互いの認識が果てしなく乖離してしまっていると言っていいだろう。
お互いに歩み寄れる余地が時間の経過とともに消滅していく中で、経済的にも軍事的にもパワーでまさる中国が、台湾を経済的に従属させ、軍事的に戦意を喪失させることで、軍門に下ることを強要しようとしていると、台湾の人々は受け止めている。米国に頼り、防衛面ではあまり期待できない日本にも頼るのは、台湾にとって日米同盟以外に、他に寄る辺がないからである。
その台湾では、2016年5月に発足した民進党の蔡英文政権が、「一つの中国」で中台が合意したとされる「92年コンセンサス」を認めない姿勢を堅持している。そのため、中国側は台湾への観光客を制限したり、台湾を国際機関の会議から締め出そうとしたり、様々な形で圧力を強めている。トランプ発言は、そうした状況下で発せられた。
米国内で高まっていた台湾へのシンパシー
こうした背景を理解した上で、あらためて今年の米大統領選挙を振り返ってみると、米国内での台湾へのシンパシーの高揚が見えてくる。
今年の米大統領選挙では、民主党のヒラリー・クリントン候補も、共和党のトランプ候補も、共に中国には厳しい姿勢を取っていた。それは、米国全体に中国に厳しい目を向ける雰囲気があったからである。
それに加えて、米政界には今年に入って「台湾寄り」の姿勢が目立っていた。南シナ海における中国の人工島建設など、米中関係にマイナスになることを承知の上で、中国は勢力拡張政策を取ってきた。米国内の動きはそれに対する反動と見ることができる。
2011年、台湾総統選挙を翌年に控え、民進党の総統候補として蔡英文が訪米した時、米国側はけんもほろろの対応をした。米中の協調を図る上で、海峡両岸の接近に積極的な国民党の馬英九総統の続投が望ましいとの判断があったのだろう。ところが、翌年の総統選挙をにらんだ2015年に蔡英文が訪米した際は、米国側は手のひらを返すように歓待した。米国がいかに中国との関係に苛立っていたかが分かる。
その動きは今年になっても止まらず、米上下両院では6月から7月にかけて、台湾関係法と台湾に対する「6つの保証」を再確認する決議案が全会一致で採択された(決議案の正式名称は「『台湾関係法』と台湾に対する『6つの保証』を米台関係の基礎とすることを再確認する両院一致決議案」)。
(「6つの保証」とは、レーガン政権時代の1982年に議会に対して説明された6項目からなる台湾政策。(1) 台湾への武器供与の終了期日を定めない、(2) 台湾への武器売却に関し、中国と事前協議を行なわない、(3) 中国と台湾の仲介を行わない、(4) 台湾関係法の改正に同意しない、(5) 台湾の主権に関する立場を変えない、(6) 中国との対話を行うよう台湾に圧力をかけない、を指す。)
こうした動きがトランプ次期大統領の対中政策を形作っていると言っても過言ではない。
この議会決議を受け、米共和党は政策綱領にこの「6つの保証」を書き込んだ。これに関与したとされるのが、共和党系シンクタンクであるヘリテージ財団のフェローを務めるスティーブン・イェーツ氏である。彼はトランプ氏の政権移行チームのメンバーとなっている。
また、同じく政権移行チームでトランプ氏の外交・経済アドバイザーを務め、このほどトランプ次期政権がホワイトハウス内に新設する「国家通商会議」の委員長に指名されたカリフォルニア大学アーバイン校教授のピーター・ナバロ氏も台湾寄りの姿勢が明確だ。彼は、今年7月「ナショナル・インタレスト」のウェブサイトで「米国は台湾を見捨てることはできない」を掲載し、台湾の置かれた立場に対する深い同情の念と米国にとっての高い戦略的価値を論じている。ナバロ教授は米中の通商政策の専門家だが、今後は米中外交へも影響力を行使しうる立場になる。
抜本的見直しが求められている対中政策
では、トランプ政権下の米中関係はどうなるのか。台湾への高まるシンパシーが「一つの中国」政策を揺るがすことになるのか。
はっきり言えることは、これまでの米国による「一つの中国」政策が歴代政権の対中「関与(engagement)」政策と相まって、中国の経済大国化、軍事強国化の手助けをしてきたことだ。その中国が一方的な「現状変更」勢力となっている現在、米国に対中政策の抜本的見直しが求められているということだ。
米国の穏健派は「一つの中国」を見直す危険を指摘するが、その立場が往々にして中国の立場を代弁することになっている点に気づかずにきた。そうした状況に一石を投じたトランプ氏の発言は議論を広げ、深める機会となった。問題は、いかに政策にまで高めるかだ。米国外交の知恵に期待したい。
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『習近平主席は本当に強いのか~日経大予測2017 編集委員 中沢克二』(12/30日経)について
今年は習近平VSトランプの争いが本格化するのではないかと思っています。
12/21ロイターによれば、「トランプの閣僚として新政権の主要ポストに名前が挙がった候補者と、すでに指名が決まった新閣僚の顔ぶれは以下の通り。
<すでに指名が決まったポスト>●国土安全保障長官 *ジョン・ケリー(海兵隊退役大将)●環境保護局(EPA)局長 *スコット・プルイット(オクラホマ州の司法長官)●労働長官 *アンディー・パズダー(ファストフード大手CKEレストランツ・ホールディングスの最高経営責任者)●住宅都市開発長官 *ベン・カーソン(元神経外科医)●大統領首席補佐官 *ラインス・プリーバス(共和党全国委員長)●首席戦略官兼上級顧問 *スティーブン・バノン(保守系メディア「ブライトバート・ニュース」の元トップ)●司法長官 *ジェフ・セッションズ(アラバマ州選出共和党上院議員)●中央情報局(CIA)長官 *マイク・ポンペオ(カンザス州選出共和党下院議員)●国家安全保障担当の大統領補佐官 *マイケル・フリン(退役陸軍中将、元国防情報局長)●国連大使 *ニッキー・ヘイリー(サウスカロライナ州知事)●教育長官 *ベッツィー・デボス(共和党の献金者。党の元ミシガン州委員長)●厚生長官 *トム・プライス(ジョージア州選出共和党下院議員)●運輸長官 *イレイン・チャオ(元労働長官。夫は共和党のマコネル上院院内総務)●財務長官 *スティーブン・ムニューチン(元ゴールドマン・サックス(GS.N)幹部、選挙戦でのトランプ陣営の財務責任者)●商務長官 *ウィルバー・ロス(著名投資家、ファンド「WLロス」会長)●国防長官 *ジェームズ・マティス(元中央軍司令官)●エネルギー長官 *リック・ペリー(前テキサス州知事)●国家経済会議(NEC)委員長 *ゲーリー・コーン(ゴールドマン・サックス社長兼最高執行責任者)●国務長官 *レックス・ティラーソン(エクソンモービル(XOM.N)の会長兼最高経営責任者) ●中小企業庁長官 *リンダ・マクマホン(プロレス団体の共同創業者で元最高経営責任者)●内務長官 *ライアン・ジンキ(モンタナ州選出共和党下院議員)●陸軍長官 *ビンセント・ビオラ(高頻度取引企業バーチュ・ファイナンシャル(VIRT.O)創業者)●行政管理予算局(OMB)局長 *ミック・マルバニー(共和党下院議員、サウスカロライナ州)●国家通商会議(新設、National Trade Council) *ピーター・ナバロ(対中強硬派エコノミスト)
<名前が挙がっている候補者>
●米通商代表部(USTR)代表 *ダン・ディミッコ(米鉄鋼大手ニューコア(NUE.N)元CEO)」(以上)
オバマ時代に不遇を託った軍経験者とMBA出身の実業家で構成されています。オバマの口先だけの”change, yes, we can”とは違うものを感じさせます。米国の世界覇権に挑戦して来る中国に甘い顔はしないという事です。中国に時間の利益を与えるのは米国にとって不利になります。=日本にとっても不利になるという事です。南シナ海に日本の自衛隊も「航行の自由作戦」に参加すべきです。尖閣を日米共同で守るには中国に日米の絆を見せつけた方が良いでしょう。国際法に違反している訳でなく、中国の主張する九段線は国際仲裁裁判所で否定された訳ですから。中国が嫌がっているのが分かりますから、どんどんやるべきです。南スーダンに自衛隊を派兵するのは中国の為になるだけで意味がありません。早く撤退した方が良く、南西諸島に配備した方が良いと考えます。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201608/CK2016082102000111.html
本記事にあります、チャイナ7で習=太子党、李=団派、張徳江=江派、兪正声=太子党、劉雲山=江派、王岐山=太子党、張高麗=江派です。常務委員の68歳定年制を破り、王岐山を継続任用させるには理由が必要になりますが、「理屈は後から貨車でやってくる」のでしょう。それを認めれば、習の任期2期というのもあっさり破られるのでは。何せ反腐敗運動で政敵を沢山作りましたので、政権を手放した瞬間に粛清されるかも知れませんし。王岐山を重用すれば、彼が寝首を掻く可能性もあります。
経済的に中国を追い込むのが戦争を避けるためには一番かと思います。勿論気の狂った中共が暴発する可能性もありますが。中国に進出している日本企業も痛みを受けますが、授業料です。諦めるべきです。人権弾圧、粛清が当たり前の共産主義国家が世界制覇を狙っています。その野望を押しとどめなければなりません。日本人にとって、覚悟が試される1年となりそうです。
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2017年、日本と世界の経済・政治はどう変わっていくのか。日経新聞のベテラン編集委員の見通しを、このほど出版した『これからの日本の論点 日経大予測2017』(日本経済新聞出版社)をもとに紹介する。
■共産党大会の人事に注目

習近平・中国国家主席(左)とトランプ・米国次期大統領=AP
中国の2017年最大の焦点は、秋以降の共産党大会人事である。「チャイナ・セブン」といわれる7人の最高指導部=党政治局常務委員の顔ぶれがどうなるかは、今や世界の関心事だ。世界第2位の経済大国で、軍事面の実力も向上している。中国がどうなるかは世界の政治・経済に直接、大きな影響を与える。
中国国家主席、習近平は、17年最高指導部人事で多数派を形成したい。それが、5年にわたり苛烈な「反腐敗」運動を展開した目的だった。7人中4人を自派で固められればベストである。現在の7人の中で、習と、首相の李克強を除く5人は年齢制限により引退するはずだ。68歳という年齢制限には張徳江、兪正声、劉雲山、王岐山、張高麗の5人がひっかかる。彼らは引退を迫られる。その穴をいかに埋めるかの勝負になる。
もう一つの焦点は、「ポスト習近平」を担う新世代の指導者が決まるのかどうかだ。これは、現在の50代の「革命第6世代」の戦いになる。習としては、自らの意向を尊重する従順な人物を自派から選びたい。だが、なかなかそれに適当な人物はいない。
注目すべきグループに、高級幹部の子弟らを指す「太子党」がある。1949年の新中国の建国前の革命戦争を戦ってきた紅(あか)い幹部の子息らを指す「紅二代」もこの一派である。習近平自身もこのグループから抜てきされた。重要な基盤であり、この勢力から誰をエースとして引き上げるかも面白い。
■「南シナ海」、米トランプ政権の出方次第
南シナ海への中国の海洋進出を巡りフィリピンが提訴した裁判でオランダ・ハーグの仲裁裁判所は16年7月12日、中国が管轄権の根拠とする「九段線」には国際法上の根拠がないとの判決を下した。その後、フィリピンのドゥテルテ政権の急速な中国接近などで、南シナ海問題は一見、中国の思惑通りに動いているかのように見える。
だが、次期米大統領、トランプの出方次第で事態は大きく変化する。「中国は要塞を築いている」。当選後、たびたび南シナ海に言及するトランプが、本格的にアジアの安全保障問題に取り組むかどうかは、なお推移を見極める必要がある。これは「一つの中国」に必ずしも縛られない、というトランプの驚くべき発言の今後にも関係する。南シナ海問題、台湾問題、北朝鮮問題……。これらは全て予想が難しいトランプがカギを握る。
そして日中関係も米中関係の動きをにらむ展開になる。17年は、日中国交正常化から45周年に当たる。日中が交流を強化する名目は存在する。これをどう生かすか。16年9月、中国・杭州の20カ国・地域(G20)首脳会議で日中首脳会談を実現させた、首相の安倍晋三と習近平の間でさらなる信頼関係の構築が必要だ。
自民党総裁任期の延長を固めた安倍。その政権の基盤は安定している。習近平指導部としても当面続く安倍政権を無視できない。この状況を日本側もうまく利用し、対中関係を軟着陸させる必要がある。
中国経済の減速が続いている。17年も警戒が必要だ。中国経済の現状分析で注目すべき動きがある。習の経済ブレーンとみられる人物が共産党機関紙、人民日報で語った中身だ。紙面上、匿名の語り手は「権威人士」と呼ばれる。
■「L字型経済」の衝撃

中国経済は下降した後に当面上向かない「L字型」をたどるとの観測もある(上海市の証券会社)
「中国経済はU字型回復などあり得ない。もっと不可能なのはV字型回復だ。それはL字型の道をたどる」「L字型は一つの段階で、1、2年で終わらない。数年は需要低迷と生産能力過剰が併存する難局を根本的に変えられない」
「L字」とは、下降した後に当面は上向かないことを意味する。従来の中国政府のこれまでの公式説明とは根本的に違う。
「古い手法によるテコ入れ策はバブルを生み、問題を大きくする」「断行すべきはサプライサイド中心の大胆な構造改革だ」。こうも指摘している。
中国の社会全体の債務額は15年末で168兆4800億元(約2700兆円)。これを国内総生産(GDP)で割った比率は249%となる。中国が「全社会レバレッジ率」と呼ぶこの比率は極めて高い。中国で最も大きな債務問題は非金融部門の債務で、そのレバレッジ率は15年末で131%に達するという。融資プラットフォーム債務(政府債務との重複もある)を加えるなら156%である。
中国政府は、貯蓄率が高いためコントロールできると説明している。だが、巨額の債務処理には長い時間を要する。返済に追われる民間部門はかなり長い期間、設備投資を控えざるをえない。こうした深刻さの認識が、権威人士による先の「中国経済は当面、『L字』に」という表現だった。今後とも比較的好調な新車販売、インターネット通販などを含めた消費の後押しが必要だ。注意すべきは、リーマン・ショック時の4兆元対策のようなバラマキ、大盤振る舞いに陥らないようにすることだ。この過剰投資こそが現在の苦境をつくった元凶だった。
中長期的な中国経済の行方を左右するのは、イノベーションによる構造転換である。中国政府は、技術集約度と付加価値が高い産業の発展戦略を描く。「メード・イン・チャイナ(中国製造)2025」と名付けた戦略では、製造大国から製造強国への転換を目指している。
■注目の「メード・イン・チャイナ2025」
中国の製造業の実力は確実に上がっている。家電の海爾集団(ハイアール)、通信技術の華為技術(ファーウェイ)などが代表例だ。ハイテク製品の輸出でも中国は世界一である。しかし、中国の自主ブランドの輸出はその1割にも達していない。8、9割が、外資系企業が中国で生産した製品だ。自動車にしても、大半がドイツ、日本、米国の企業のブランドだ。民族企業の技術はまだまだ劣る。この現状を打開できるかが中国の将来を決める。
これらは国務院を統括する首相の李克強がリーダーシップを発揮できる分野だ。しかし、それは習近平と李克強のコンビが次の次の党大会がある22年まで、うまく力を発揮すればの話である。
話題となった「権威人士」の正体は、中央財経指導小組の弁公室主任、劉鶴だった。彼は、習政権のマクロ経済の司令塔として絶大な力を持つ。時には李克強より影響力は大きい。経済政策を巡って路線対立があるのは明らかだ。
中国の16年の成長目標は6.5~7%である。首相の李克強は中国経済について「楽観しており、自信がある」としている。これも習の経済ブレーンの指摘とはニュアンスが違う。それでも中国はこの数字を必ず達成するだろう。そうでなければ20年までに国民所得を倍増する目標は達成できない。

大都市の不動産価格は暴騰が続いているが、住宅市場は過剰在庫が目立つ(重慶市)
一連の経済政策での対立が、17年の中国経済全体にどんな影響を及ぼすのか。純粋な政策上の対立というより、政治が絡むため予想は難しい。しかし、この経済論争の帰趨(きすう)が、17年の共産党大会での最高指導部人事に影響する。
■不動産バブルは崩壊の兆し
中国の住宅市場は過剰在庫がなお目立つ。だが、16年まで大都市では価格が暴騰していた。特に、深圳では住宅価格が前年に比べて5割も上がった。おかしな現象だ。その理由は、行き場を失った流動資金がどっと住宅市場に流入したことだ。中国人はつい最近まで、住宅価格は右肩上がりで、下がることはないと信じ込んでいた。バブル景気までの日本の土地神話と極めて似ていた。公有制だった中国に民間住宅市場が誕生したのは1990年代末のことだ。まだ、20年の歴史もない。
その頃、中国人は、政府や国有企業などから極めて安値で住宅の割り当てを受けた。ちょっと目先の利く人々は、この住宅を担保に銀行から巨額の資金を借り入れ、2軒目の家を買った。それが数年もたたずに2、3倍の値になった。これを転売すれば値上がり益は大きい。この行為を繰り返せば、大金持ちになってしまう。実際、彼らはそうなった。保有している家は、農村などから出てきた人々に貸せば、かなりの賃貸収入も得られる。
社会主義を掲げる中国は、住宅に関する限り、資本主義以上に資本主義的だ。とはいえ、土地そのものは国のものである。30、50、70年間という期限つきの使用権しかない。これを売買しているのだ。定期借地権付き住宅と考えればよい。本当の資産価値は住宅の上物にしかない。冷静に考えれば、今のような高値はおかしい。日本で言う「土地転がし」。ゆがんだゲームはどこかで終わる。誰かが必ずババを引くのだ。17年にかけて不動産相場は大都市でも天井を打ち、下落傾向が強まるだろう。(敬称略)
[2016年10月21日発行の『これからの日本の論点 日経大予測2017』の一部を抜粋、加筆・再構成]
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『嘘つき中国、学術研究で対処しても逆効果 福沢諭吉の教える「議論の本位」を定めることが大切』(12/28JBプレス 森清勇)について
過去の歴史を断罪する場合、渡辺惣樹氏の言う「民事裁判での比較衡量の証拠“the preponderance of evidence”ではなく、もっと厳格な刑事裁判で要求される合理的疑いのない証拠“beyond a reasonable doubt of evidence”」で議論すべきと思います。
http://dwellerinkashiwa.net/?p=4624
中国は賄賂社会で上から下に至るまで賄賂を取るのが当たり前になっています。中国駐在8年間の経験でそう断言できます。その彼らが外国人にも賄賂を贈らないことは考えにくいです。南シナ海の国際仲裁裁判所の判決が出る前に、裁判官に賄賂を贈ろうとして拒絶され、それが為に中国にとって厳しい判決が出たと言われています。さもありなんと思います。中国国内で人民法院は行政の一部で、裁判官は当然賄賂を取ります。国連で日本をなきものにしようといろんな国に賄賂を贈って中国の言い分を通そうとしているのは理解できるでしょう。日本の外務省はやられっ放しではダメです。キチンと外国に日本の立場を伝えねば。
米国との和解がオバマ大統領の広島訪問と安倍首相の真珠湾訪問で為されたと思っています。日本は容共FDR政権によって太平洋戦争に巻き込まれたと思っていますが(=日本は、侵略戦争はしていない)、そのことは日米ともに言い分があるでしょう。時間をかけて米国の歴史家の見方を変えるようにしていってほしい。
中国の嘘、韓国の嘘に日本が何時までも唯々諾々と従う必要はありません。安倍首相は“The brave respect the brave”と言いました。中国は孫子の兵法で詐術で以て勝利するのがベストという発想をします。日米の「敵ながらあっぱれ」という敵を褒め讃える文化は中国にはありません。杭州にある秦檜像のように唾を吐きかけ、汪兆銘の墓を蒋介石が爆破したように敵は死んでも侮蔑の対象です。日本人は韓国人のように自分の保身の為に外国勢力を招き入れて内乱を起こす民族とも違います。中国大陸と朝鮮半島とは関わらない方が良いです。ただ、相手の不条理な攻撃に対しては、キチンと反撃、世界に対して日本の正当性をアピールしなければ。それが第二次大戦で学んだことでしょう。いくら日本国内で「正しい」と言っても自己満足で終わり、敵にしてやられます。ヘンリー・ストークスの“Fallacies in the Allied Nations’ Historical Perception As Observed by a British Journalist”を今読んでいますが、米国でも出版されたとのこと。こういう動きが世界で広がっていけば日本への誤解も少なくなると思います。
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色のスモッグに覆われる南京市。ここでも大気汚染が深刻だ〔AFPBB News〕
南京事件について、日本では民間人20万人以上を虐殺したという意見から、戦争に伴う殺戮はあったが意図的な虐殺はなかったとする意見まで存在する。
歴史的な問題なので、日本では学術的に戦史家を含めた歴史家が主体になって研究するテーマであるが、中国は日本の反対を押し切って「南京大虐殺」として宣伝し、ユネスコの「世界の記憶」にまで登録した。
中国の主張は政治的な面が濃厚で、日本を犯罪国家に貶めることによって自国の犯罪歴の相対化を図り、同時に格差社会の内部矛盾によって生じる危険なエネルギーを日本に向けて発散させる意図があるとみられる。
こうした中国の目的や意図に照らすと、日本の関係者が精力的に行っている学術研究の成果は二の次三の次である。現に、日本人の真摯な研究には一切耳を傾けようとしない。
聞く耳を持たない以上、日本が学問的研究で対処しても中国を納得させることはできない。日本で「ああでもない、こうでもない」と議論が盛り上がれば上がるほど、「虐殺があった証拠」とか、「虐殺を隠蔽しようとしている」と、巧みに宣伝に取り入れられるだけである。
以下では、中国の「政治的」主張にいかに対処するべきかを考える。
事件を報道する記者魂
日清戦争の時、旅順虐殺事件(1894年11月21~23日)があった。日本の騎兵斥候隊約20人が捕えられ、隊長や兵士を惨殺して首をはねて晒し、遺体の傷口からは石を入れ、あるいは睾丸を切断するなど、その惨状は見るに堪えないものであったと言われる。
これを見た一部の日本軍は激高し、便衣兵となって逃げ込んだ中国人兵士を旅順市内で掃討する一方で、隠匿などで加勢していた市民もいたことから、多数の市民を惨殺した事件である。
3日間の行動であるが、参加した軍人たちの日記や手記、10人前後の内外記者の報道、画家やカメラマンの記録、そして陸奥宗光外相(当時)をはじめとして外交に携わった者たちの報告などの資料が多数残されている。
被害者である中国側でも同様に多くの記録が残されている。記録の内容は千差万別であるが、いずれの記述からも鬼気迫るものが感得される。
通州事件でも同様である。支那事変の発端とされる盧溝橋事件(1937年7月7日)の3週間後の7月29日、通州の日本人居留民を保護する任務の中国人保安隊が、日本の民間人を惨殺する事件が起きた。
午前3時頃、通州の城門が閉じられ、異常を感じた日本人もいたが、日本人が訓練した中国人保安隊でもあり信頼し切っていたところに最大の誤算があった。
日本人家族のみが襲われたことからも、周到な準備の下に実行されたもので、半日間に385人中223人が残虐な方法で殺されてしまった。
かろうじて生き残った記者や居留民の手記、救出に向かった軍隊・軍人の報告書や証言、外交ルートでの記録などが、ここでも多数残されている。
東京朝日新聞や東京日日新聞(現毎日新聞)、読売新聞、その他雑誌なども含めて多くのメディアが競って報道している。事件後1か月過ぎても、記者や作家、そして何よりも関係者たちが真実を求めて現地や関係者を訪ね、訪問記やいろんな形で関係記録を残している。
このような事件について、従軍記者は言うに及ばず、関係した多くの者が、立場の違いによって記述内容や精粗の違いなどはあっても、読むに堪えないような生々しい記録を残している。
記者たち約200人が無関心?
ところが、南京は中華民国の首都でもあり、攻略戦のとき東京朝日新聞、東京日日新聞、同盟通信社それぞれ50人前後の記者を派遣しており、また地方紙も派遣しており、少なくも200人近い記者がいたことになる。
作家や画家、カメラマンなども数十人はいた。もちろん中国人で報道に携わっていた者も同様に多数いたであろう。内外の外交官もいたし、南京市民たちの安全を保障すべく活躍していた外国人教授や宣教師なども40人近くいた。
これほど多くの記者らが虐殺を見逃していたとみること自体、上記の旅順事件や通州事件と対比して合理的でない。
石川達三氏のような作家たちが、日本兵の暴行など幾つかの事象を書き残している。褒められた行為ではないが、これらは決して軍隊が組織的かつ計画的に行ったものではなく、戦争の流れの中での兵士らの蛮行である。
それより何よりも、虐殺されたという中国の軍隊や中国人の将兵が日本人同様にいたであろう。被害の立場の旅順事件でも加害の立場の通州事件でも、彼らも多くの現場記録などを残してきた。しかし、南京事件に関しては、「虐殺」の記録を何も残さなかったというのだろうか。
虐殺の報道どころか、朝日は12月20日朝刊では半ページを費やして「甦る平和都市南京」と題する写真特集を組んでいる。
新聞紙面やアサヒグラフなどを飾った写真は、日本軍の入場を歓迎する場面や、道路上で静かに散髪したり、中国人の子供たちが嬉々としてお菓子を受け取っているような写真がほとんどである。どこにも虐殺を報じる紙面は見られない。
外紙が日本人の暴行を伝えたとされるが、日本人記者の誰一人として気に留めていない。南京戦の終始を通じて現地にいた同盟通信社の前田雄二氏は、「南京大虐殺はなかった」と公言している。
「彼が南京城内を1人で見ていたわけではないだろう」と疑問を呈する向きもあろう。当然1人で、四六時中城内や安全区を見ておれるはずがない。
しかし、彼は、同社が派遣していた同僚約50人の誰彼となくいつも意見交換をしている。些細なことでも記者の間で必ず話題になるが、誰一人として虐殺を話題にした者はいなかったと述べている。
他社の記者たちともしばしば一緒になることがあったようである。前田氏1人の目ではなく、カメラマンも含めて張り巡らされた多くの目を代表して、いや通信社や新聞社を代表して、それはまた日本を代表してともみていいだろうが、「大虐殺はなかった」と断言しているに等しいのである。
報道されるはずもない「幻の虐殺」
日本軍の入城(12月7日)から1週間後の状況を「ロンドン・タイムズ」は18日付で「14日・・・通りには死体が散在したが女性の死体は無かった」と報道している。ちなみに、この時期の南京市民は国際安全委員会が設定した安全区(避難区)に保護されており、死体は南京攻略戦で生じたもの以外ではない。
ところが、東京裁判を控えて連合国最高司令部・民間情報教育局監修のラジオ番組「眞相箱」では「陥落寸前の南京」の掲題で、「日本が南京で行った暴行についてその真相をお話し下さい」という質問を設けて次のように解説している。
「我が軍が南京城壁に攻撃を集中したのは、昭和12年12月7日でありました。(中略)その1週間後、その恨み(上海の中国軍から手痛い抵抗を蒙ったこと)を一時に破裂させ、怒涛の如く南京城内に殺到したのであります。この南京大虐殺こそ、近代史上稀に見る凄惨なもので、実に婦女子2万名が惨殺されたのであります」と。
先述のロンドン・タイムズは現地情報として「女性の死体はなかった」と、わざわざ付け加えていたのに、東京裁判を前にした8年後のラジオ放送で突如として「婦女子2万名の惨殺」が登場するのである。
朝日新聞記者の本多勝一氏が1971年に、「中国人に与えた暴虐を日本人が忘れてはならない」として中国を訪ね歩き、北支から中支にかけて中国側が受けたと主張する暴虐(『中国の旅』)や、上海戦から南京攻略戦へ移行する途中での話(『南京への道』)を連載するが、これらは南京大虐殺のことではない。
中国の30万人虐殺主張は、決して北支から中支までの累計でも、あるいは上海戦から南京戦までの累計(中国軍の戦死傷9万8340人、ちなみに日本側7万3000余人)でもなく、どこまでも南京攻略戦で市民が無法に惨殺されたとして告発しているのである。
国際安全委員会の宣教師たちが伝聞として伝える事件情報を聞いた日本の兵士が現場に行ってみると、何も起きていなかったという報告もしばしばである。
宣教師たちは、自分たちが見たと言えば、現場の確定も必要であろうだが、「伝聞」としての情報であれば、必ずしも自分たちに責任はない。こうして、多くの伝聞情報が創作されていったと言える。
国民党の何應欽軍政部長(国防相に相当)が著した一級史料『中国現代史料叢書=対日抗戦』(盧溝橋事件から日本敗戦までの8年間にわたる軍事報告)の「南京之失陥」には、「日本軍の暴虐も〝南京虐殺″も何処にも出てこない」し、当時の中国共産党の軍事雑誌を集めた『抗戦中の中国軍事』中の南京の戦闘記録にも「日本軍による市民の虐殺とか捕虜の大量殺戮のことなど出てこない」(田中正明『「南京事件」の総括』)。
ことから田中氏は、「南京事件について、日本人が知らなかったと同様、中国人も―中国共産党も国民党も―知らなかった。知らなかったのではない、このことはそうした大事件などなかった何よりの証拠である」と確言する。
議論の焦点は何か
南京大虐殺を強く肯定するのは日本人の一部で、中国はこれ幸いと乗っかって、今では国際社会に向けて日本は犯罪国家だと言いふらしている。日本にとっては百害あって一利なしである。
ここで、思い出すのが、福沢諭吉が『文明論之概略』で、正しい議論をするには「議論の本位を定める事」が重要であると述べていることである。
「軽重、長短、善悪、是非等の字は、相対したる考えより生じたるものなり。軽あらざれば重あるべからず。(中略)かくの如く相対して重と定まり善と定まりたるものを議論の本位と名づく」と定義する。
そして、「背に腹は代え難し」や「小の虫を殺して大の虫を助く」という諺を引用しながら、背に傷を被っても腹を守る方が大切であり、鶴の餌には鰌(どじょう)を用いても妨げがないではないかと述べながら、議論の本位とは何かを分かりやすく説明する。
日本が封建制度の大名や藩士を廃したことに関して、「徒に有産の輩を覆して無産の難渋に陥れたるに似たれども、日本国と諸藩とを対すれば、日本国は重し、諸藩は軽し、藩を廃するはなお腹の背に替えられざるが如く、大名藩士の禄を奪うは、鰌を殺して鶴を養うが如し」というのである。
「すべて事物を詮索するには、枝末を払いてその本源に遡り、止まる所の本位を求めざるべからず」という。こうして「議論の箇条は次第に減じて、その本位は益々確実なるべし」と述べる。逆に「議論の本位を定めざれば、その利害得失を談ずべからず」ともいう。
一度、議論の本位を定めたからには、次には「敵のためか、味方のためか、何れにてもその主とする所の本を定めざるべからず」と主張する。
例えば神仏の説を挙げてみると、神道は現在の吉凶をいうが、仏法は未来の禍福を説いているのだから、議論の本位を異にしており、議論がかみ合わないのは当然であるという具合である。
また「事物の本に還らずして末のみを談」じているのは、あたかも武器として弓矢剣槍の得失を争うようなものであり、小銃が出てくれば弓矢剣槍の論争は忘れられてしまうだろうというのである。
中国が主張しているのは、日本は犯罪国家であるということである。そのために、日本でやるべき議論の中心は、日本は「犯罪国家か、そうではないか」ということである。
数百人でも数千人でも日本軍が南京市民を「虐殺」したと言えば、中国にとっては御の字で、「日本が虐殺を認めた」、「日本は犯罪国家だ」となり、白髪三千丈式に拡大していき、最初は2万人と言っていたのが、南京虐殺記念館では30万人と書かれ、今では40万人という数字さえ聞かれる状況である。
ちなみに、筆者が考える本位や枝末などは以下の通りである。
本位:日本を虐殺国家に仕立てたい中国 ⇒ 日本は「犯罪国家か否か」が焦点 枝末:日本が虐殺数を学術的に求めること ⇒ (学問的には重要であるが)中国は求めていない 本源:虐殺したとされる地域・時機・態様 ⇒ 安全区内(広くは城内)で37年12月7日~38年2月の間に、幾人の市民惨殺(基本的に最も重要)があったか その他:戦時か平時か、惨殺場所はどこか、惨殺したのは捕虜か・便衣兵か・市民かなど
おわりに
林思雲博士は「西洋の科学的観点に基づけば、梅汝こう(王へんに敖)が自著(『極東国際軍事法廷』)の中で書いている出鱈目(大要:幕府山で捕えられた老若男女5万7418人のうち、生きている者を針金で縛って下関に追い立て銃殺や斬殺したうえ、死体に石油をかけて燃やし証拠隠滅した)は、悪質な行為である。
しかし、中国の『避諱』(日本の悪事を暴露すること)の観点に基づけば、・・・真の愛国行為なのである」(北村稔・林思雲著『日中戦争―戦争を望んだ中国 望まなかった日本』と述べる。
同様に「アイリス・チャンがこの本(『ザ・レイプ・オブ南京』)を書いた目的は歴史の真相の研究ではなく、愛国の目的で歴史を編纂したのである。従って西洋の科学的方法による検証をパスしないのは当然である」という。
日中間の歴史共同研究がいかに惨めな結果をもたらすかが分かろうというものである。事実を追求しようとする日本側(西洋側と言ってもいいだろう)と、国家の体面を傷つけないようにしたい中国側との共同研究に〝意見の一致″などの「成果」を期待するべきではないのだ。
共同研究で得ることがあるとすれば、学問の世界における中国のやり方、すなわち「政府の太鼓持ち」の実情を知り得るということではないだろうか。
日本側が幾ら学術的研究で対処しても致し方ないとなれば、福沢がいう議論の本位に戻り、中国を含めた国際社会に向かって「大虐殺はなかった」と、胸を張って喧伝することであろう。
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『令人很慚愧 中國新十大惡人有你嗎?(人を恥ずかしく感じさせるもの 中国の新しい十大悪の部分があなたにもありますか?)』(12/28中国観察)について
明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願いします。今年も、中国、米国、韓国、ロシア、インドを中心に国際政治・外交を見て行きたいと思っております。
本年の年賀状です。

12/26TBS「「大雪欠航」でゲートに乱入、新千歳空港で中国人観光客大暴れ」の報道。
http://news.tbs.co.jp/sp/newseye/tbs_newseye2947247.html
これぞ(下記記事も含めて)中国人です。小生が会社に勤務時代、中国の実態を述べたときに、小生を「国粋主義者」とか「人種差別主義者」とか言って貶めた人達よ、これを良く見ろと言いたいですね。また、左翼リベラルに洗脳された人達も。日本をこういう社会にしたいですか?こういうことをする人達が主張する「南京虐殺」やら「従軍慰安婦」の真実性を信じられますか?民度が余りにも違いすぎます。我々日本人の先人達が本当に彼らの言うようなことをやったと思いますか?今の我々ができないようなことをですよ。米国が我々に民主主義を教えた何て嘘でしょ。帝国議会は第二次大戦よりはるか前から開設していましたし、米国のようにインデイアンの虐殺や黒人奴隷のようなことは日本の歴史上ありません。どうして外国人の言うことが正しいと思うのか今の日本人の頭の構造を知りたいです。
中国人は何年経っても、いくら豊かになっても、その本性は変わらないという事が分かります。『非中三原則』が正しいでしょう。1/20のトランプの大統領就任前に尖閣にチョッカイを出すかもしれませんので要注意です。
12/31日経では、稲田防衛大臣の靖国参拝について米国が批判としていますが、別に批判している訳ではないでしょう。真珠湾で安倍首相とオバマ大統領が強調したのは「和解」と「慰霊」です。その精神を踏まえれば、米国が批判できるはずもない。批判するとすれば和解の姿勢から程遠い中国、韓国でしょう。リベラル派はGHQのWGIPの影響を未だ受けていて、日本が悪者でないと気が済まないようです。今度の真珠湾訪問はそれを払拭する旅だったはずです。それを理解できない日本の記者の頭脳の程度を疑います。また、日経は宮家邦彦が「関係国へ説明、稲田氏の責任」とか述べていますが、岡本行夫と同じく、腐れ外務省の発想を引きずっています。国内施設に大臣が行くことに何故外国に伺いを立てなければならないのか。それこそ、トランプ流に言えば、中国の国連を舞台にした「南京」や「慰安婦」問題を日本に了解を取ったか、朴槿恵の告げ口外交や釜山の慰安婦像設置に日本の了解を取ったのかと言いたい。そもそも「南京」や「慰安婦」問題を大きくした責任は、外務省の事なかれ主義が大きかったのでは。まあ、稲田大臣の靖国参拝で韓国は通貨スワップを言い出しにくくなったでしょう。「日本からスワップしてくれ」と言ったなんて嘘は通用しませんよ。通貨スワップすれば、日本国民が次の選挙で自民党を懲らしめるだけです。
<米政府、稲田氏の靖国参拝を暗に批判
【ワシントン=吉野直也】米国務省報道担当者は29日、稲田朋美防衛相の靖国神社参拝を暗に批判した。「歴史問題は『癒やしと和解』を促す形で取り組むべきだ。我々はその重要性をすべての当事者に強調し続けてきた」と慎重な対応を求めた。日本経済新聞の取材に答えた。
稲田氏の靖国神社参拝は、オバマ大統領と安倍晋三首相が27日(日本時間28日)に旧日本軍が攻撃した真珠湾を訪れ、演説で「和解の力」を訴えた直後。両首脳による真珠湾訪問と演説で盛り上がった歓迎機運に冷水を浴びせる恐れがある。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル電子版は稲田氏が首相とともに真珠湾を訪問し、日本に帰国した直後だったと報道した。靖国神社には旧日本軍が真珠湾を攻撃した当時の東条英機首相らも合祀(ごうし)されていると伝えた。
首相が2013年12月に靖国神社を参拝した際、米政府は「失望」声明を発表。日米関係はしばらく微妙になった。NBCテレビ電子版は28日の今村雅弘復興相の靖国神社参拝を報じた記事で、中国や韓国の怒りを誘発すると指摘していた。>(以上)
記事
1、到處亂丟垃圾的人(どこでもゴミを捨てる人)

有人不自覺,把樓道、電梯和馬路徹底當成垃圾桶了,隨心所欲胡亂扔。(廊下やエレベーター、道路を気にせずにゴミ箱にしてしまい、気の向くまま辺りかまわずゴミを投げ捨てる人がいる。)
2、欠錢不還,拖欠貨款的老賴(借金は返さず、引き延ばして返そうとしない債務者)

就是有這麼不要臉的人,怎麼催都不還錢,在他們的眼裡,你的錢就是我的,我的還是我的。(恥知らずの人。いくら督促しても金を返さず。彼らの見方では、あなたのお金は私の物。私のお金はやはり私の物)
3、喜歡插隊的人(割り込みする人)

大家規規矩矩排隊,你拿個電話裝老闆,心底暗中打着小算盤,兩條腿不自覺的插在隊伍前排!(皆がルール通り並んでいる。あなたは電話を掴みオーナーの振りをして、心の中でソロバンを弾き、両足が自然と前列に割り込みするように動いてしまう)
4、一年到頭都打折(一年間最後までずっと割引)

有些不良商家一年365天,天天哭爹喊娘跳樓價,各種店慶打折促銷,實則出售商品價碼標高,打完折和平常價格一樣!說不定還比平時的高!(良くない店は1年365日、直ぐに値下げする。いろんな店は販促の為イベントセールをするが、セールス品の価格は元値が高く、値下げしても普通の値段と一緒になる。いつもの値段が高いとまでは言えないが)
5、價格貴到飛起的(値段をすぐに上げる)

漲價隨口一說,你問漲價理由是啥?BBBBB一大堆,沒有一項在理的!((外(地)人と見ると)口からすぐに上げた値段が出る。あなたは理由を聞くと、山のような言い訳が。でもちっとも理屈になっていない)
6、遛狗不栓繩的主人(犬をリーシュに繋がずに散歩させる主人)

養狗本無錯,遛狗也可以,可整個狗不栓繩子滿街亂跑,到處便便,丟了之後又很着急,覺得為了狗狗的安全,一定要記得給你家愛犬佩戴牽引繩!(犬を飼うのは問題ないし、散歩させるのも。ただ、街中をリーシュ無しでむやみに走らせ、どこでも排便させ、いなくなってから慌てて、犬の安全に思いを致す。必ずや愛犬はリーシュに繋いでおくことを覚えておくように)
7、隨地大小便(どこでも大小便する)

不管光天化日,人來人往,一直貫徹着只要不抬頭,遍地是WC的精神,懷疑你的人生信條是不是堅持不要臉!(真昼間、人の往来が激しくても、ずっと顔を上げさえしなければどこでもWCになる精神というのであれば、あなたの人生信条が恥知らずを続けることなのかを疑う。
8、惡意佔停車位(わざと好き勝手に車を停める)

在龍岩,經常看到很多車主不考慮別人的感受,隨意停車,真是無語了!(龍岩(福建省)では、いつも他人のことを考えずに、勝手に車を停める。言う事なし)
9、開車不遵守交通規則(車の運転は交通ルールを守らない)

經常看到很多車主隨意闖紅燈,隨意變道,真的很危險!(いつも多くの車の持主は赤信号でも渡るし、思うが儘に道を変え、本当に危険)
10、沒事就說加薪的老闆(給料アップは大したことはないというオーナー)

(以上皆為網絡圖片)(以上は全部ネットの図・写真から)
要加薪是好事,但是總是空喊着要加薪卻只能讓員工捉急了!當然碰到連工資都拖欠的,那就……(給料アップは良いことだが、全く口先だけでは却って社員を焦らせるだけ。当然給料遅配でもあれば・・・)
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『逆立ちしても国後・択捉は帰ってこない歴史的背景 日露首脳会談総括~神話の崩壊で両国関係は新しいステージに』(12/28JBプレス 杉浦敏広)について
売国奴の丹羽宇一郎率いる伊藤忠にしては(佐々淳行によれば瀬島龍三はソ連のスパイだったとのこと。ずっと、売国奴に牛耳られている会社です)、杉浦氏はまともと言うか、直言居士を思わせます。それでも伊藤忠を辞めたのは、利益追求優先で、国益を考慮に入れない売国体質が合わなかったからかもしれません。古森義久氏が毎日を辞め、伊藤正氏が共同通信を辞め、田村秀男氏が日経を辞めて産経に移ったのは、自分の考えていることを記事にしたくてもそれぞれの社風が許さなかったという所でしょう。産経の阿比留瑠比氏によれば「産経の給与は他紙と比べて低いうえに経費もなかなか出ない」とのこと。こういう新聞社に移ったのは、金よりは自分の矜持を大切にしたからと思います。杉浦氏もそうでしょう。
12/30日経で安倍内閣の支持率調査で、「内閣支持率64%に上昇 真珠湾慰霊「評価」84%」とあり、その中で、日ロ共同経済活動についてもアンケート結果が載せられていました。
<日ロ共同経済活動、「賛成」は57%
安倍晋三首相は15、16両日のロシアのプーチン大統領との会談で、北方四島での共同経済活動の協議開始で合意した。これについて聞いたところ、賛成は57%で反対の24%を上回った。賛成と答えた人の割合は男性が63%で、女性の48%より多い。
今回の日ロ首脳会談を「評価する」は44%、「評価しない」は38%だった。
北方領土問題の進展を期待するか聞いたところ、「期待する」は57%、「期待しない」は35%だった。期待すると答えた人は、30代は67%、40代で66%と高い一方、70歳以上は47%にとどまった。高齢者ほど交渉の行方を慎重にみている。>(以上)
「期待する」と答えた人も4島全部が返ってくると思っている人は少ないと思います。アンケートの質問項目によって答え方は変わります。小生も杉浦氏の言うように二島返還が限界と思います。ただ、日本政府が主張してきたことに論拠がないというのは知りませんでしたが。国際間の契約は原文(正文)が優先されるのは、国家間・企業間でも同じです。軍事膨張主義の中国包囲網形成の為には、地政学的にロシアの協力が必要です。
また、同じく12/30日経には核融合の記事が載っていました。
<「地上の太陽」 35年に本格稼働 国際熱核融合炉の新計画 安全・無限…新エネへ前進
太陽と同じ「核融合」と呼ばれる反応を地上で再現し、エネルギーを取り出す国際的な大型実験施設の建設が、軌道に乗り始めた。国際熱核融合実験炉(ITER)計画と呼ばれ、総投資額は約200億ユーロ(約2兆4000億円)。11月には2035年の本格稼働を目指す新計画がまとまった。技術的な課題も多いが、将来のエネルギー供給の切り札になる可能性を秘める。

ほぼ完成した組み立て棟

調整作業が始まっている電磁石用コイルの製作棟


ITER計画には日本、米国、欧州連合(EU)、中国、韓国、ロシア、インドが参加。オーストラリアも協力する。管理運営を担うITER機構本部と、実際に核融合の実験を進めるための中核施設は南仏プロバンス地方のサンポール・レ・デュランス(カダラッシュ)にある。
核融合には原子番号が同じ水素だが、普通の水素とは違い原子核に中性子を持つ重水素と三重水素を使う。約1億5000万度の高温にすると、重水素などの原子はプラスの電気をもつ原子核とマイナスの電子に分かれ、高速で飛び交うプラズマと呼ばれる状態になる。原子核は秒速1000キロメートル以上のスピードで激しくぶつかり合い、融合する。このときに発生する大きなエネルギーを熱として発電などに有効利用するのが目標だ。
原料、海水から
出力100万キロワットの石炭火力発電所は燃料として年間270万トンの石炭が必要だが、ITER機構によると同等の出力の核融合炉なら重水素、三重水素合わせて250キログラムしかいらない。原料の重水素や、三重水素を作るのに必要なリチウムは海水中に無尽蔵にある。
また原子力発電の「核分裂」と異なり、長期間、有害な放射線を出し続ける放射性廃棄物を出さない。中性子のエネルギーの大部分は熱に変換され、安全性は確保しやすいという。
一方で課題も多い。高温プラズマを強力な磁石を使って閉じ込め、制御しなければならないが、出力を上げようとすれば制御は難しくなる。磁石は巨大な超電導コイルに電流を流す電磁石を使うため、それ自体に多くのエネルギーを消費する。緻密な工学設計、プラズマ技術、そして巨額投資が必要だ。
費用総額200億ユーロ
ITER計画は当初の見通しが甘く、参加国が資金の代わりに実験炉に必要な設備を作って「物納」するスケジュールなども明確でなかった。作業の詳細が徐々に固まり、各国との情報交換も進んだため「ようやくきちんとコストの見積もりを出せるようになった」(ITER機構長のベルナール・ビゴさん)。
今年11月のITER理事会は、建設費は07年の機構発足から25年までが約69億ユーロ、26~35年は約46億ユーロとした。参加国が物納する部分の費用と、25年末以降の実験費用を加えると35年までに総額約200億ユーロに達し、当初計画を50億ユーロほど上回る見通しだ。
11月下旬、訪れたカダラッシュのITER建設現場では約1500人が働き、作業用車両が頻繁に行き来していた。機構長室からは工事現場が一望でき「基礎工事は終わった。実験炉のアセンブリー(組み立て)棟もほぼ完成し、来春から使える」とビゴさんは胸を張る。
黒くそびえたつ組み立て棟の天井の高さは約60メートルあり、内部に巨大構造物を持ち上げて移動できる大型クレーンが備え付けられている。核融合炉を作るための電磁石やその収納容器を動かし、炉を組み立てる予定だ。
電磁石用のコイルは専用の製作棟で、ニオブチタン合金でできた超電導線材を多数束ねて作る。実際に使う際にはセ氏零下269度の液体ヘリウムをコイル内に流して冷却する。また、プラズマを発生させる容器は真空状態を保つ必要がある。構造物の位置のずれや隙間は、絶対に避けなければならない。1500トンもある構造物をミリメートル単位の誤差で設置しなければならず、高度なエンジニアリング力が求められる。
電磁石は組み立て棟に連なるトカマク棟の地下に設置する。ITERはトカマク型と呼ぶタイプの核融合炉を採用するため、心臓部となる建物をこう名付けた。わずかな揺れも核融合反応の妨げになるのでバネのような免震器具を493個設置し、総重量約30万トンの建物を支える。地震はまず起きない地域だが、念には念を入れた。
11月の理事会は、装置を稼働して最初にプラズマを発生させる時期を当初計画に比べ約7年遅れの25年12月、核融合反応を起こす本格稼働は約9年遅れの35年とする案を了承した。ビゴさんは「プレッシャーは大きいが、それはすべての参加国の人たちも同じだろう」と覚悟を決めるように語った。(編集委員 安藤淳)>(以上)
杉浦氏はパイプライン敷設について余り肯定的な評価はしていません。小生も同じで、パイプライン敷設等膨大な設備投資が必要なものは、将来のエネルギーミックスを考えて、止めておくべきでしょう。ガスや石油はタンカーで運べば良いと思います。
最後に、杉浦氏は、「米トランプ大統領誕生により、露米関係は好転するものと予測する。
露米関係好転により露は対日関係改善には関心を失うとの識者の見方もあるが、筆者はこのような説には与しない。事実は逆である。露米関係好転にともに、日露関係も好転すると考える。
露米関係・日露関係好転は、日中関係にも影響を及ぼすことになる。中国は露米・日露関係が改善すれば、自国の孤立化を恐れ、多少なりとも対日姿勢を修正する可能性もあると予測する。」とあり、小生も米ロがうまく行けば、日ロもうまく行くと思います。日本単独で動くことは米国が許さないでしょう。悲しい現実です。でも、対中政策を考えれば良いことでしょう。日本の安全保障に直結しますので。ただ、傲慢な中国が「自国の孤立化」を恐れるかは分かりません。行きつくところまで行くかも。中共が人民解放軍をコントロールできるかどうか。
記事

都内の講道館を訪れ、笑顔で言葉を交わすロシアのウラジーミル・プーチン大統領(右)と安倍晋三首相(2016年12月16日撮影)〔AFPBB News〕
プロローグ/「あなたはロシアの国益を犯している」
端正な顔立ちのロシア紳士は何の前触れもなく突然、事務所にやって来た。そして、筆者の目の前に座ると筆者に冷たく言った。
「あなたはロシアの国益を犯している」
青雲の志を抱いてサハリンに赴任し、日露経済関係発展のために粉骨砕身努力しようと奮い立っていた矢先の出来事であった。
その時筆者は、レフォルトボ*1に収監される哀れな筆者の姿を想像した。突然やって来たその人の名刺には、「ロシア連邦保安庁(FSB)サハリン支局 法務中佐」と記されていた。
「日本の正義」 vs.「ロシアの正義」
その日、1つの神話が崩壊した。「北方領土は日本固有の領土」という名の神話が。
ロシアのV.プーチン大統領は2016年12月15日、11年ぶりに訪日した。2016年に入り、4回目の日露首脳会談である。しかし領土問題交渉は何も進展せず、日本側には「経済協力食い逃げ論」が出ているが、この認識は間違いである。
プーチン大統領は事前に「あらかじめ期限を設けた領土交渉は有害」と明言しており、領土交渉が進展しないことは事前に判明していた。
また、民間企業のビジネス構築はあくまでも経済合理性に基づくものであり、民間企業は利益の見込めない事業には着手しない。すなわち、「経済協力食い逃げ」はあり得ず、領土交渉が進展するとの安倍晋三首相の期待は独り相撲であった。
しかし、だからと言って、今回の日露首脳会談が無駄であったわけではない。首脳会談を通じ、北方領土を巡る双方の認識の相違が浮き彫りになった点は1つの成果である。
安倍首相は12月16日に開催された日露首脳共同記者会見の席上、この認識の相違を「日本には日本の正義があり、ロシアにはロシアの正義がある」と表現した。
換言すれば、日本の正義はロシアの正義ではないということになる。
では、ロシアの正義とは何か。それは戦勝国(連合国)の正義である。ソ連軍によるクリル諸島占領は第2次大戦の結果であり、これが戦勝国の論理・正義となる。日本側にとっては屈辱の論理・正義だが、米国もソ連のクリル諸島に対する主権を認めていた。
記者会見の実況中継を見ていた筆者は、安倍首相のこの発言こそ、パンドラの箱が開き、日本の神話が崩壊する瞬間であったと受け止めた。神話が崩壊した今こそ、今後の日露関係を構築するうえでの新たなる歴史の1ページが始まるのであろう。否、始めなければならない。
日露首脳会談総括(2016年12月15~16日)
最初に、今回の日露首脳会談を総括したい。領土問題に関しては何の進展もなく、この意味では安倍政権の政治的敗北と言えるが、筆者は下記の点で大きな成果があったと考える。
◆「北方領土=日本固有の領土論」神話の崩壊は新局面への第一歩。 ◆ 日ソ共同宣言に基づき、平和条約締結後、露側が2島を引き渡す確認が取れたこと。
今回の日露首脳会談において、短期的には、元4島住民のビザなし自由往来を検討することで合意した。択捉島や国後島にはロシアの軍事基地があるので自由に島内を歩けるわけではないだろうが、一歩前進と言えよう。早速、事務方では検討作業が始まったと言われている。
戦後日本では「北方領土は日本固有の領土」が国是となり、「北方4島即時一括返還」を錦の御旗にして、戦略としての対露関係構築の方向性を検討してこなかった。
しかし今回、日露安全保障問題や4島における共同経済活動の枠組み検討など、日露共同でやるべき指針・方向性が戦後初めて出てきたと言えるだろう。
一方、欧州連合(EU)は12月15日、日露首脳会談の最中に対露経済制裁を半年間延長することを発表。米財務省は12月20日、米国の対露経済制裁措置の強化を決定した。日本政府も12月25日、対露経済制裁措置を当面延長する方針を固めた。
これを歴史の皮肉と言わずして、何と言えようか。
日露首脳共同記者会見(2016年12月16日)
東京で開催された上記共同記者会見の席上、幹事会社の記者が北方領土問題に関して質問した。
この質問に対するプーチン大統領の返答が圧巻であった。同時通訳が同時通訳にならず、安倍首相も質問した記者もプーチン大統領が何を言いたいのか、内容をよく理解できなかったのではないかと推測する。
プーチン大統領は記者の質問に答える形で、日露間の領土問題を巡る過去160年間の歴史に言及した。日露和親条約・樺太千島交換条約・日ソ共同宣言・ダレスの恫喝*2・・・である。
実によく勉強している。これでは、安倍首相はもちろん日本側の誰も太刀打ちできないだろう。
*1=モスクワにあるFSBの前身旧KGB(国家保安委員会)の刑務所。
*2=「ダレスの恫喝」とは、日ソ交渉が難航している最中の1956年8月、米J.F. ダレス国務長官は重光葵外務大臣と会談して、「日本が2島(歯舞・色丹)返還で決着させるなら、沖縄は永久に返還しない」と脅したことを指す。
安倍首相がロシアをよく知らないことは、上記の日露共同記者会見席上の発言でも明白である。安倍首相はプーチン大統領に対し、「ウラジーミル、君は」と呼びかけた(同じ呼びかけは12月15日の山口県長門市での首脳会談でもあり、またそれ以前にもあった)。
ここには間違いが2つある。ロシア語には“ウラジーミル”という呼びかけはそもそも存在しない。安倍首相は親しみを込めて言っているつもりなのであろうが、プーチン大統領は内心ギョッとしているはずだ。
ウラジーミルの愛称はバロージャであり、“バロージャ・シンゾー”が“ロン・ヤス”に相当する。
余談だがプーチン大統領は安倍首相をどのように呼んだのかと言えば、“Mr.Abe”である。この2人の呼びかけの相違が2人の関係を如実に反映していると言えよう。
2つ目は、公の場で一国の大統領に向かって「君は」はない。親しい仲間内だけの私的な宴席なら「君は」でよいが、公式の場では「プーチン大統領」と呼びかけるべき局面である。
安倍首相は自らの無知を天下に公言しているようなものだと、友人のロシア人が言っていた。安倍官邸には、ロシアを理解している人材がいないのだろう。
北方領土問題/日露交渉クロニクル
プーチン大統領訪日の前後、日系各紙では過去の日露間領土交渉が大きく報じられていたので、領土問題とは何かを考える良い機会が与えられたと言える。しかし、正直申し上げて、領土交渉に関する本質論は少なく、議論が混乱しているように思える。
では、なぜ議論は混乱しているのか?
結論から先に言えば、混乱の原因は、日露間の条約原文(正文)は「クリル諸島 (the Kurile islands) 」と書いてあるのに、日本側翻訳は「千島列島」になっている点である。
もし「クリル諸島」と「千島列島」が同じ地理的概念であれば問題は生じないが、定義の齟齬があれば、原文(正文)が優先されることは論をまたない。
本稿ではまず論点を整理すべく、領土問題を巡る過去160年間の日露交渉の歴史を概観する。
原文(正文)がクリル諸島の場合、この言葉を採用して、いくつかの事例において原文と翻訳を比較することにより頭の体操をしてみたい。
1855年2月 日魯通好条約(日露和親条約/安政条約/正文オランダ語)
千島列島に於ける日露間の国境線が二国間条約にて平和裏に画定。 北方4島は日本、得撫島以北は帝政ロシアに帰属。樺太は二重主権。
和文正文と露文正文も作成されたが、双方は相手の言葉を理解できず、二重通訳の問題が存在した。→ 和文と露文に相違がある場合、蘭語正文に依拠することになる。
1875年5月 樺太・千島交換条約(正文仏語)→「樺太・クリル群島交換条約」
樺太はロシア、クリル群島(18島)は日本に帰属決定。
和文と露文は単なる翻訳に過ぎず、条約正文は仏語のみ。ゆえに、和文と露文に齟齬が生じた場合、正文仏語に依拠することになる。
1905年9月 ポーツマス条約
日露戦争の結果、北緯50度以南の南樺太は日本に割譲。
1945年8月 太平洋戦争終結。 1945年9月 戦艦ミズーリ艦上にて、降伏文書調印。同日、連合国一般司令第1号発布(参考 ⑤)。
1946年1月 連合軍最高司令部訓令(SCAPIN)第677号発布(参考 ⑥)。 1951年9月 サンフランシスコ講和条約 締結。同日、日米安保条約調印。
日本はクリル諸島・樺太における主権を放棄(正文英語/和文翻訳)。(日本側認識:北方領土は日本固有の領土で、千島列島に含まれず)
1951年10月 外務省西村条約局長の国会答弁:
「サンフランシスコ条約にある千島列島の範囲については、北千島と南千島の両者を含むと考えます。なお、歯舞と色丹島が千島に含まれないことは米外務当局も明言されました」
1956年10月 日蘇共同宣言(ブルガーニン/鳩山)
ソ連側は、平和条約締結後、2島(色丹・歯舞)引き渡しを約束。 両国議会が批准しており、法的拘束力を有する。
1993年10月 東京宣言 (エリツィン/細川)。
平和条約早期締結交渉継続で合意。
1997年11月 クラスノヤルスク会談(エリツィン/橋本)。
2000年までに平和条約締結を目指すことで日露合意。
1981年2月 日本政府、「北方領土の日」(2月7日)制定。 1998年4月 川奈会談(エリツィン/橋本)。 日本側、国境線画定案を提示。 1998年11月 モスクワ会談(エリツィン/小渕)。 露側、中間的平和友好協力条約締結案。
2000年9月3日 プーチン大統領訪日。
森首相と会談の際、プーチン大統領は口頭にて日ソ共同宣言を確認すると発言。露側は川奈提案を拒否。
2001年3月 イルクーツク会談(プーチン/森)。
文書にて日蘇共同宣言を確認する声明を採択。
2016年12月 プーチン大統領/安倍首相の公式首脳会談(日本)
ロシアにとっての択捉島・国後島の重要性
ロシア連邦保安庁サハリン支局の法務中佐より「あなたはロシアの国益を犯している」と恫喝された筆者は、直ちに共同作業をしているロシア側の石油会社に駆け込み、助けを求めた。
その時、我々のコンソーシアムはオホーツク海の広大なる海洋鉱区において、海洋鉱区の地形を調査するため、調査船が海底にソナーを打ち込む作業をしていた。
パートナーの石油会社の社長は「心配するな。我々が処理する」と確約してくれたが、理由を訊いても説明はなく、ただニヤニヤしていた。
部屋のドアで別れ際に再度質問した。「なぜ連邦保安庁が私のところに来たのか?」。
その時、そっと返ってきた返事が「あれをやるとメタルが映る」。
どういう意味なのか。メタルと言ってもまだ海底パイプラインも建設していないので、メタルが映るはずはないのだが・・・。その時、突如閃いた。そうだ、潜水艦だ!
ロシア語の「あなた(ブィ)」は単数形と複数形が同形なので、法務中佐殿の「あなた」は、実は「あなた方」という意味だったのだろう。すなわち、ロシア側パートナーにとっては先刻承知の話であり、哀れな日本人が恫喝されて駆け込んでくることも、すべてお見通しだったのかもしれない。
12月16日の日露共同記者会見の席上、プーチン大統領は日本人記者の質問に答える形で択捉・国後は露の軍事的観点より必要という意味の返答をしている。また日本の軍事専門家も、択捉~国後間の国後海峡からロシアの軍艦や潜水艦が通過していると発言している。
確かにその通りだが、これは1枚のコインの表側の現象にすぎない。
では、裏側の露の本当の意図は何かと言えば、それは「オホーツク海の内海化」であり、米の攻撃型原潜がオホーツク海に侵入するのを阻止することである。
「オホーツク海の内海化」はスターリンの戦略であり、1945年8月18日に千島列島最北端に位置する占守(シュムシュ)島に侵攻したのも、スターリンが終戦直後トルーマンに北海道の北半分を要求したのも、「オホーツク海の内海化」戦略の一環にほかならない。
千島列島の弧を形成する最南端の島は択捉島と国後島になる。択捉・国後間の国後海峡は広く深く、水深が約480メートルあり、潜水艦が最大潜航深度で航行できる。太平洋戦争中の潜水艦の最大潜航深度は約100メートルであり、これ以上深く潜航すると圧壊した。
現在の潜水艦の最大潜航深度は約400メートルと言われているが、チタン製の露原潜は約600メートルまで潜航可能とも言われている。
このような深度になると海流や海温の関係で海上からのソナー探知による潜水艦発見は困難になるので、海底に潜水艦探知装置を設置して、音紋(スクリュー音)を採取する。
『レッド・オクトーバーを追え』でも潜水艦の音紋の話が出てくるが、1980年代中葉の旧ソ連邦の時代、ソ連海軍の潜水艦の音紋が一時期採取困難になり、西側軍事筋で話題になったこともあったという。
潜水艦は音紋を採取されると正体がバレ、価値が半減する。択捉・国後間の国後海峡にも、この潜水艦探知装置(ソーサス・ライン)が設置されていると想定するのが合理的判断だろう。
択捉島と国後島間は水深が深く、オホーツク海に遊弋するロシア海軍のミサイル搭載原潜がチョークポイントなしに通過できる海峡であり、ここを越えると太平洋に進出できる。
オホーツク海の内海化を国是とする軍事戦略の観点より、ロシアには択捉・国後両島は必要であり、そのような戦略的重要拠点をロシアが日本に引き渡すはずはないだろう。
これが冷徹な国際政治の現実であり、筆者が択捉・国後は永久に日本に還ってこないと主張してきたゆえんである。これが北方領土を巡る真実である。
「北方領土は日本固有の領土」とお題目を百万遍唱えても、日本に還ってくることはない。
日露経済協力案件
次に、日露経済協力案件を総括したい。
プーチン大統領訪日時、日露経済協力案件では計80(政府関連12事業+民間企業68事業)、総額約3000億円の経済協力案件が調印された。
しかし、いくつかの合意案件を除きほぼすべての案件が法的拘束力のないMoU(Memorandum of Understanding=了解覚書)であり、民間企業は今後、その事業が経済合理性を有するのかどうか精査することになる。
民間TVでは、識者と言われている人たちが「経済協力だけが先食いされる」類の発言を繰り返していたが、これは上述通り間違い。
経済協力と経済支援は似て非なるもの。経済支援は税金投入であるが、民間会社が推進する新規事業案件はあくまで、経済合理性に基づくビジネス関係の発展・拡大を意味する。
民間企業は経済合理性のない案件は着手しない。ゆえに、民間企業においては「経済協力だけが先食いされる」ことはあり得ない。総額3000億円はMoUの総額だが、仮に30億円でも300億円でも実態のある商業契約調印に結実すれば、それは今回の日露首脳会談の成果と言えよう。
サハリンから送電網を整備して日本向けに電力を輸出する構想「エネルゴ・モスト」や、サハリン島と北海道を橋梁やトンネルで接続する構想(妄想)が今回の民間68事業に入らなかったのは、当然と言えばあまりに当然の結果と言わざるを得ない。
また、最近では日露パイプライン議員連盟によるサハリンから日本縦断陸上天然ガスパイプライン建設構想が再度マスコミに登場するようになったが、この構想には致命的欠陥がある。
幹線パイプライン建設構想が成立する3要件は以下の通りである。
(1)供給源が存在すること。 (2)需要家が存在すること。 (3)パイプライン建設費が回収できること。
この1つでも欠ければ本来ならばパイプライン建設は不可能であるが、公共事業として税金を投入すれば物理的には建設可能である。筆者は、この種のパイプラインを「political pipeline=公設パイプライン」と呼んでいる。ちなみに、3要件を満たすパイプラインは通常の「commercial pipeline=商業用パイプライン」である。
この構想がなぜ致命的欠陥を有するのかと言えば、天然ガス供給源も最終需要家も不明であり、パイプライン建設費が回収可能かどうかの事業化調査も実施されていないからである。
すなわち、パイプライン建設が先行する構想であり、実態は利権追求型構想である。
新聞報道などによれば、日本縦断陸上パイプラインの建設費は約7000億円という。土地代の高い日本でこの建設費ですむはずがない。これもオリンピック同様、豆腐一丁・二丁の世界になるだろう。
ここで誤解を避けるためあえて追記するが、筆者はサハリンから日本向け天然ガスパイプライン建設構想自体に反対しているわけではない。供給源が存在し、需要家が存在し、パイプライン建設費が回収できるのであらば、すなわち経済合理性あらば、推進すればよいと考える。
ただしこの場合、日本縦断陸上パイプラインではなく、大陸棚沿岸に敷設する海底パイプライン建設構想の方が経済性ははるかに有利になるだろう。
クリル諸島」の範囲/「千島列島」の範囲
日本の外務省の公式見解では、「北方領土」とは、広義には『全千島列島と南樺太』となり、狭義には『歯舞群島、色丹、国後、択捉』となる。現在、北方領土を巡る交渉がかくも錯綜しているのは、上述のごとく、クリル諸島と千島列島の地理的概念に関し、日露間に解釈の相違が存在するからである。
1855年の江戸幕府と帝政ロシアが交渉して合意した文書は、あくまで蘭語正文である。日本語正文と露語正文は翻訳にすぎず、日本側は露語を、ロシア側は日本語を解せず、二重通訳の問題が存在した点も指摘した。
一方、樺太・千島交換条約の正文は仏文のみ。和文と露文は文字通り翻訳にすぎない点、日魯通好条約と少し事情が異なる。ゆえに、日本側と露側で解釈の相違がある場合、仏語正文のみに立脚しなければならない。
では、仏語正文を検証したい。まず、この仏文正文の条約名称を記す。
TRAITE D’ECHANGE DE L’iLe DE SAKHALINE CONTRE LE GROUPE DES ILES KOURILES
魯暦1875年4月25日、西暦5月7日、サンクト・ペテルブルクにおいて調印(仏文)
(仏語からの和訳) サハリン島(*樺太)とクリル諸島のグループ(*クリル群島)との交換条約 (日本語条約名称)樺太・千島交換条約
上記を比較すると、小さな、しかし本質的な相違に気づかれることだろう。
仏語正文の「クリル諸島のグループ」 (LE GROUPE DES ILES KOURILES)を和文(翻訳)の名称では「千島」と訳している。
すなわち、和文(翻訳)に拠れば樺太島と千島列島を交換したことになるが、これは不正確な翻訳であり、正しくは樺太とクリル群島を交換した。
ところが、同じ“LE GROUPE DES ILES KOURILES”を日本語条約本文(翻訳)の中では、「クリル群島」と仏語を正確に和訳している。
では、「クリル群島」とはどこを指すのか。仏語正文第2条に定義されている。
「全魯皇帝陛下は第一款に記せる樺太島の権理を受し代として其後胤に至る迄現今所有クリル群島(即ち、第1シュムシュ島、・・・第18ウルップ島)計18島の権理及び君主に属する一切の権理を大日本国皇帝陛下に譲り、而今而後クリル全島は日本帝国に属し、カムチャトカ地方ロパトカ岬とシュムシュ島の間なる海峡を以って両国の境界とす」(出典:外務省条約局『旧條約彙纂』第一巻)
すなわち、仏語正文によれば、クリル群島とは日魯通好条約により露側領土となった18島(占守島~得撫島)を指し、この18島(クリル群島)はクリル諸島の一部(1グループ)となり、この18島(クリル群島)と樺太島を交換することにより、クリル全島が日本の領土になる。
仏語正文には、これ以上のこともこれ以下のことも書かれていない。
列強による19世紀のクリル諸島・千島列島の認識
繰り返しとなるが、重要な点なので再度言及したい。現在の北方領土を巡る交渉がかくも錯綜しているのは、ロシア側のクリル諸島と日本側の千島列島の法的・地理的概念に関し、日露間に解釈の相違が存在するからである。
そこで、当時の世界列強および日本が「クリル諸島 vs. 千島列島」をどのように認識していたのか考察したい。
(参考① ロシア皇帝ニコライ一世がプチャーチン提督に宛てた書簡)
最初に、ロシア皇帝ニコライ一世がプチャーチン提督(露側交渉団長)に宛てた訓令をご披露したい。引用する書簡は、日露の外務省が北方領土問題を巡る問題点を整理するために協議・編纂した資料集であり、正式名称は『日露間領土問題の歴史に関する日本国外務省とロシア連邦外務省の共同作成資料集』(1992年9月作成)と題する。
『ニコライ一世のプチャーチン提督宛訓令』(1853年)(抜粋) 1853年2月24日 皇帝陛下署名 1853年2月27日 第730号
『長崎表及び御老中宛て書簡(蘭語訳付)は本書別添の行嚢にて送付するが、これらの内より重要な御老中宛ての書簡の内容につき、外務省として以下の通り説明しておくべきと考える。この書簡においては、我々との通商関係開設に関する日本側への提案、及び追って指定する我々の商船(必要あれば軍艦も)に対する日本の港湾への寄港許可に関する提案の他、露日間の国境画定の要求も提示してある。国境問題に直ちに取り掛かるとの考えは、根拠のあるものと思われる。何故なら、このことを通じ、我々はいわば日本人が我々と交渉に入ることを余儀なくさせ得るからである(中略)』
『この国境問題に関する我々の要望は、可能な限り寛大なものであるべきである。何故なら、通商上の利益というもう一つの目的の達成こそが、我々にとり真の重要性を持つからである。クリル諸島の内、ロシアに属する最南端はウルップ島であり、同島をロシア領の南方における終点と述べて構わない。これにより、我が方は同島の南端が日本との国境となり、日本側は択捉島の北端が国境となる。日本政府が予想に反してウルップ島に対し自らの権利を主張する場合には、先方に対し、この島が我々のあらゆる地図中でロシア領と記載されていること、(中略)。一般にこの島(ウルップ島)はクリル諸島における我々の領土の境とみなされている旨を説明し得よう』(註:下線・ゴシック体・強調部分は筆者の判断による)
上記書簡より、ロシア側の主張するクリル諸島がいわゆる北方領土を含むクリル列島であることは明白である。皇帝陛下は交渉団長を務めるプチャーチン提督に対し、クリル全島のうち、交渉により平和裏にウルップ島と択捉島の間を日露の国境として画定すべく指示を出している。
この指示は簡潔・明瞭であり、間違えようもない。ゆえに、プチャーチン提督はこの皇帝陛下の指示に忠実に従い、江戸幕府代表川路聖謨交渉団長と蘭語通訳を介し、辛抱強く、真摯な態度で日露国境線画定交渉を続けたと理解するのが理に適っている。
(参考② 米国の記録)
米国はペリー准将をして日本に開国を迫らせる一方、第2分遣艦隊を組織。1853年から1856年までオホーツク海を探検させている。この分遣隊に測量技師として乗船したドイツ人ヴィルヘルム・ハイネはその著『中国、日本、及びオホーツクの海洋探検』(1859年)に、「探検隊の艦船航路を示す北大洋の地図」を記載している。
その地図には、北海道はYeso(エゾ)、Kunashir Insel(国後)からSchumschu Insel(占守)までは“Kurilen-Reihe”(クリル列島)と明記されている(この場合、20島)。
これが当時の列強の認識である。なお、この地図を観るにつけ、今日のカムチャトカ半島・サハリン島・日本列島が正確に測量されていることに驚きを禁じ得ない。
(参考③ 明治政府の千島列島の認識)
では、一番肝心な日本は、当時の千島列島の範囲をどのように認識していたのか。
幕末・明治維新の碩学、本条約に於ける対露交渉の日本側代表海軍中将榎本武揚特命全権公使は『千島疆界行』(1875年)にて、「今、千島とは根室よりカムチャトカに連なる二十有余島の惣名」と明記している。すなわち、明治維新の日本側認識は当時の世界列強の認識と一致している。
上記より、「樺太千島交換条約」にあるクリル群島(18島)がクリル諸島の一部であり、当時の明治政府も政府の高級官僚も、「クリル諸島=千島列島(北方領土を含む千島全島)」と認識していたことが判明する。
ゆえに、現在の日本政府が主張する「北方4島は千島列島には含まれず」との論理が成立しないことは明白である。付言すれば、「北方領土」という言葉自体、戦後の造語である。
(参考④ ヤルタ会談、1945年2月)
ここで一言、ヤルタ会談に言及したい。米ルーズベルト・英チャーチル・蘇スターリンは1945年2月、クリミア半島のヤルタに集まり、戦後の世界分割を討議。独降伏3か月後にソ連が対日参戦する密約を結び、このヤルタ会談は日独終戦交渉に決定的な影響を与えた。
ゆえに、5月9日の独降伏を受け、ソ連は8月9日に対日参戦した。ちなみに、同年2月11日に署名された同協定の日本に関連する部分のみ、下記訳出する。
三大国、ソ連、米合衆国、英国の指導者達は独逸の降伏及び欧州に於ける終戦の2~3か月以内に、下記条件のもと、ソ連が連合国側に立ち、対日戦争に入ることに同意した。
1.外蒙(モンゴル人民共和国)の現状維持。 2.1904年、日本による背信的攻撃で犯された露所属の諸権利の回復、すなわち、
(a)樺太島南部及びその近くの凡ての島々をソ連邦に返還すること (b)(c)略
3.ソ連邦に対し、クリル諸島を譲与(Передача)すること(後略)。
3大国政府首脳は、ソ連邦のこれら諸要求が日本に対する勝利の後、無条件に満たされるべきことに同意した(後略)。
これが、国際政治における戦勝国(連合国)の論理(正義)となる。
(考察⑤ 1945年9月2日付け連合国一般司令第1号)
東京湾の米戦艦ミズーリ号甲板にて1945年9月2日、日本は連合軍に対する降伏文書に調印。その日、連合国司令部(GHQ)は一般司令第1号を発布。ここでは北方領土関連部分のみ抜粋する。(出所はこちら)
1(b) The senior Japanese Commanders and all ground, sea, air and auxiliary forces within Manchuria, Korea North of 38 degrees North latitude, Karafuto, and the Kurile Islands, shall surrender to the Commander-in-Chief of Soviet Forces in the Far East.
1(ロ)満洲、北緯三十八度以北ノ朝鮮、樺太及千島諸島ニ在ル日本国ノ先任指揮官並ニ一切ノ陸上、海上、航空及 補助部隊ハ「ソヴィエト」極東軍最高司令官ニ降伏スベ シ(筆者註:日本語訳は千島列島だが、英文原文は the Kurile Islands=クリル諸島)
(考察⑥ 1946年1月29日付け連合軍最高司令部訓令(SCAPIN)第677号)
次に、1946年1月29日に発布された連合軍最高司令部訓令(SCAPIN)第677号には、以下のとおり記載されている(出所はこちら)。
1.日本国外の総ての地域に対し、又その地域にある政府役人、雇傭員その他総ての者に対して、政治上又は行政上の権力を行使すること、及、行使しようと企てることは総て停止するよう日本帝国政府に指令する。 2.(略) 3.この指令の目的から日本と言ふ場合は次の定義による。
日本の範囲に含まれる地域として
日本の四主要島嶼(北海道、本州、四国、九州)と、対馬諸島、北緯30度以北の琉球(南西)諸島(口之島を除く)を含む約1千の隣接小島嶼
日本の範囲から除かれる地域として
(a)欝陵島、竹島、済州島。 (b)北緯30度以南の琉球(南西)列島(口之島を含む)、伊豆、南方、小笠原、硫黄群島、及び大東群島、沖ノ鳥島、南鳥島、中ノ鳥島を含むその他の外廓太平洋全諸島。 (c)千島列島、歯舞群島(水晶、勇留、秋勇留、志発、多楽島を含む)、色丹島。
(中略)
6.この指令中の条項は何れも、ポツダム宣言の第8条にある小島嶼の最終的決定に関する連合国側の政策を示すものと解釈してはならない。
(後略)
正直申し上げて、筆者がこのSCAPIN677号を知ったのはつい最近のことである。筆者の尊敬するロシア専門家よりご教示戴いた次第。
第3項で日本の主権が及ばない地域が規定されているが、ウィキペディアによれば、最終領土画定は講和条約次第となる。
「SCAPIN-677が発令された半月後の1946年(昭和21年)2月13日に行われた日本との会談において、GHQはSCAPINが領土に関する決定ではないこと及び領土の決定は講和会議にてなされると回答している」(ウィキペディア)
この連合軍最高司令部訓令677号は暫定的指令であり、領土の最終画定は講和条約によると明記されている。その講和条約が1951年のサンフランシスコ講和条約となるが、この講和条約は翌年1952年発効したので、講和条約発効とともにこのSCAPINは消滅した。
上記より、連合国(戦勝国)はクリル諸島=千島列島と理解しており、そのクリル諸島とは択捉・国後を含む20島と理解していたことが分かる。サンフランシスコ講和条約で日本が放棄したのはクリル諸島ゆえ、日本は名実ともに択捉・国後を放棄したことになる。
なおここでは、日本は「誰に対してクリル諸島を放棄したのか?」という問題が残る。当然、講和条約締結国に対して放棄したことになるが、ソ連邦はこの講和条約に署名していない点を付記しておく。
エピローグ/「あなたは国賊だ」
筆者はサハリン駐在時代から首尾一貫して、「北方領土=日本固有領土論には法的・歴史的根拠がない。択捉・国後は永久に日本に引き渡されることはない」と、孤高の論陣を張ってきた。
そのため、サハリンでは同胞から「あなたは国賊だ」と言われた。
FSBからは「あなたはロシアの国益を犯している」と恫喝され、同胞からは「あなたは国賊だ」と罵倒される辛いサハリン駐在であった。この話は今まで封印してきたが、12月16日にパンドラの箱が開いたので、あえてご披露した次第。
今回この文章を発表することにより「あなたは国賊だ」とまた言われることも覚悟しているが、神話が崩壊した今こそ、ドグマチズム(教条主義)を排し、感情抜きの実のある議論が進むことを心より願っている。
繰り返す。プーチン大統領は日ソ共同宣言を熟知しており、平和条約締結後、2島(歯舞・色丹)を引き渡す心構えはできているだろう。あえて1つの条件を付けるとすれば(実際に付けているが)、それは2島に米軍を駐留させないとの日本政府側からの言質となる。
日米安保条約によれば、日米双方が同意した場合、米軍駐留が認められる。
換言すれば、日本側が反対すれば、米軍の駐留は認められないことになる。歯舞・色丹が日本側に引き渡される場合、日本側は米軍を駐留させない対価として、自衛隊の駐屯を認めさせる選択肢が1つの交渉材料になるだろう。
米トランプ大統領誕生により、露米関係は好転するものと予測する。
露米関係好転により露は対日関係改善には関心を失うとの識者の見方もあるが、筆者はこのような説には与しない。事実は逆である。露米関係好転にともに、日露関係も好転すると考える。
露米関係・日露関係好転は、日中関係にも影響を及ぼすことになる。中国は露米・日露関係が改善すれば、自国の孤立化を恐れ、多少なりとも対日姿勢を修正する可能性もあると予測する。
換言すれば、露米・露日関係が悪化すれば、中国は今後さらなる対日強硬姿勢が可能となる。
この意味でも、今回のプーチン大統領訪日はまさに「奇貨、居くべし」と言えるだろう。
(参考文献:『クリル諸島の文献学的研究』(村山七郎著/三一書房/1987年8月発刊)
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