『ファーウェイめぐり勃発した米中IT覇権争いは「対岸の火事」ではない』(12/18ダイヤモンドオンライン 真壁昭夫)、『中国が米国との関係修復で歩み寄る決断をした3つの理由』(12/18ダイヤモンドオンライン 加藤嘉一)について

12/20facebook 中国观察 厉害了他妈的国(凄いぞ fuck youの国) 投稿

加拿大小伙子在中国买火车票,售票员说: “买票实名制,所以需要看护照”。结果加拿大小伙子在压迫下,在不得已情况下,就辱华了

这位加拿大小伙子的行为,证明了加拿大人民一身正气,大义凌然。连骂街都显得那么高尚和幽默典雅,真是个非常有素质的洋大爷 ?

カナダの若者が中国で列車の切符を買うとき、売り子が”実名を確認するので、パスポートを見せるように”と言った。結果、カナダの若者は圧迫を感じ、やむを得ない状況の下、中国を罵った。このカナダの若者の行動は, カナダ人が誠実かつ大義を持っていることを証明している。 街を罵る時ですら、とても優雅でユーモアがあり、本当に優れた西洋人であること?

https://www.facebook.com/Lihailetamadeguo/videos/1886537954791889/

12/21阿波羅新聞網<川普破天荒 重磅惩罚中共不对等 北京示好美国打压加拿大=トランプは破天荒 中共の不平等扱いに厳罰 北京は米国に優しくカナダに圧力>中共はカナダに孟晩舟の逮捕の報復として、既に3名のカナダ人を逮捕した。伝えられるところによると、中共は米国産大豆を大量購入し、米中貿易協議を和らげる雰囲気作りに役立てた。しかし米中間には多くの領域で対抗関係にある。ロイター社は、「中共は11月に原潜から発射したミサイルの標的は米国で、狙いは成功した」と報道。トランプは19日(水)にチベット旅行対等法に署名し、正式法案として成立させた。これは、中共の米外交官や報道機関のチベット・ウイグル入境制限に対して、米国もチベットの中共官員の入国を制限するもの。これは米中が国交を結んで以来、米国が中国に初めて対等を要求したもの。米中は全面的な冷戦に入り、貿易戦はその一部に過ぎない。

https://www.aboluowang.com/2018/1221/1221216.html

12/21阿波羅新聞網<大限逼近 习近平难出手 北京被迫减持美债 欧盟助川普一臂之力

——贸易战压力大;北京被迫减持美债;撑人民币汇率=大きな限界が迫って来る 習近平は手出しができず 北京は米国債を減らすことを迫られる EUはトランプに救いの手を差し伸べる 貿易戦の圧力は大きい:北京は米国債を減らすことを迫られる 人民元レートを支えるために>12月初めに中共は米国と貿易戦で90日間現状維持することで合意、中共は経済構造を調整することを約束したが、中国問題の専門家は「中共内部は分裂していて、習近平が方向を打ち出すのは困難であろう」と見ている。EUは20日再度、中共の強制技術移転問題をWTOに訴え、解決を図ろうとしている。技術移転しないで良いというのは18年前に中共がWTO加盟時に朱鎔基総理が承諾したことである。日本経済新聞は、「中国は最近、人民元レートを維持するため、米国債を売りに出している。トランプ政府から為替操作国と批判されないために」と報道。

https://www.aboluowang.com/2018/1221/1221242.html

12/21阿波羅新聞網<习近平不得不对川普让步?中共钱包遭腰斩 实际情况更惨 ——11月税收遭腰斩 上海等三直辖市工业增速跌至负值=習近平はトランプに譲歩せざるを得ない? 中共の財布は斬られた 実際の状況は悲惨に 11月の税収は大幅下落 上海等の3直轄市の工業指標は急速に落ち込みマイナスに>米中貿易戦は90日の猶予を貰って停戦となったが中国の経済指標は好転していない。中共財政部の先週発表した数字は、ピークだった4月と比べ大幅に落ち、11月の消費税、企業所得税とも年初の数字位である。18日の国家統計局の数字では、北京・天津・上海のある規模以上の工業指標は急激に落ちてマイナスとなった。ある銀行の幹部は「今年の10月までの返済違約件数は歴史的な記録を誇り、債務危機のレベルが上がっている」と。

https://www.aboluowang.com/2018/1221/1221247.html

真壁氏と加藤氏では見解が相当離れている印象を受けます。真壁氏が米国からの情報、加藤氏は中国からの情報によるせいではないかと考えます。90日に纏まるくらいなら、とっくに纏め上げていたでしょう。米国としても覇権を奪われないためには中共に手綱を緩めることはできないと思われます。もし、合意に達するとすれば、中共の詐欺に米国が引っかかったことを意味します。そこまでトランプは馬鹿ではないでしょう。朱鎔基のようにWTO加入時に、ハナから騙す気でいたのですから。中国人と共産主義者は平気で嘘がつける人達です。恥を知らない連中です。

真壁記事

米国の共和党内部には、ファーウェイの米国ビジネスそのものを禁止すべきとの主張まである… Photo:REUERTS/AFLO

米国と中国のIT覇権をめぐる争いが激化

“攻める中国”vs“守る米国”――。

12月に入って、米国と中国のIT覇権をめぐる争いが一段と熱を帯びてきた。この問題は、一朝一夕に片づくものではない。米国では一部の政治家だけでなく世論も、安全保障を理由に中国に対する強硬姿勢を強めている。先行きは楽観できない。

両国にとって、IT先端技術の競争力を高めることは、世界の政治・経済・安全保障にかかわる重要な問題だ。米国は自国の優位性を守りたい。一方、中国は米国をはじめ世界各国で、自国のIT関連製品やサービスのシェアを高め攻勢をかけたい。そもそも両者の利害が鋭く対立する中で、米国と中国が簡単に歩み寄れるはずがない。

中国最大のスマートフォンメーカーであるファーウェイの副会長兼CFOが、カナダ当局に逮捕された。この件を受けて、先進国を中心にファーウェイの製品を排除する動きも目立ち始めた。米国の対中強硬姿勢が強まるに従い、中国もハードラインを取らざるを得なくなる恐れは高まっている。

今後の両者の貿易交渉は難航するだろう。

覇権にこだわり“守り”を固める米国

安全保障とは、国を守ることである。米国は安全保障を理由にして、中国への強硬姿勢を一段と強めている。当面、米国の対中強硬姿勢は、高まることはあっても、軟化することは考え難い。

その背景には、中国の脅威から米国を守る危機感の高まりがある。

12月1日から、対中強硬論者であるライトハイザーUSTR(米通商代表部)代表が対中交渉の責任者に就いた。

「中国がIT先端技術と海洋進出などによって脅威を強めている」と主張するナバロ大統領補佐官も、今後の交渉で重要な役割を果たすだろう。両氏とも安全保障を理由に、中国への制裁強化の必要性を説いている。

米国議会全体でも対中強硬論は勢いを増している。中間選挙を経てトランプ大統領は民主党との関係改善を狙っている。民主党のシューマー上院院内総務や、ペロシ下院院内総務の対中姿勢はトランプ政権幹部よりもむしろ強硬だ。

共和党内部には、ファーウェイの米国ビジネスそのものを禁止すべきとの主張まである。

米国の企業経営者やロビイスト、市民も、中国が米国にとっての脅威であるとの考えを強めている。中国が産業スパイ活動(いわゆる知的財産権の侵害)、ハッキングなどのIT攻撃やSNSなどからのデータ詐取を行っているとの見方が増えているためだ。

この考えに基づくと、中国が米国のIT先端技術や知的財産などへのアクセスを阻止することは、米国を中国の脅威から守ることにつながる。対中通商交渉の中で安全保障の重要性が高まっているのである。

特に、IT先端分野における競争は、今後の国際社会に大きな影響を与える。

米国が世界の政治・経済・安全保障の基軸国家としての役割を維持するには、IT分野での覇権を強化しなければならない。その他の分野で米中が妥協点を探ることはあっても、先端のIT分野で米国が中国に譲歩をすることは考えづらい。米国が戦乱分野で中国に妥協することは、自国への脅威を高めることに直結する恐れがある。

その意味で、今後の米中通商交渉において、IT先端分野をめぐる摩擦は一段と高まることが想定される。

“攻め”の姿勢を崩さない中国

対照的に中国は、世界のIT市場に攻め込みたい。自国のIT機器などを世界に向けて販売し、米国企業以上のシェアを手に入れたい。この目的を果たすために、世界市場へのアクセスが維持されるか否かは中国にとって死活問題だ。

中国は米国を含む世界市場を攻略したい。そのために、1日の米中の首脳会談にて中国はトランプ大統領に“手土産=1.2兆ドル程度の輸入拡大”を持参した。

それに対して、トランプ氏は90日間の休戦=交渉期間を認めた。それはトランプ大統領の譲歩だ。トランプの譲歩に関して、米国内では「米中首脳会談は失敗だった」とかなり厳しい見方もある。

それに加えて、世界各国で中国のITデバイス、通信機器などが使われることは、中国の先端分野での覇権強化にとって欠かせない。中国の規格に基づいて情報通信サービスが提供されるようになれば、中国は自国を中心とした勢力圏を整備しやすくなる。

現在、中国政府はIT先端技術振興策である“中国製造2025”に取り組んでいる。同時に、一帯一路(21世紀のシルクロード経済圏構想)を進めて、人民元の流通範囲の拡大にも傾注している。中国がIT分野の競争力を高め市場シェアを獲得するために、世界有数のIT機器企業であるファーウェイは抜きにして語れない。

今回、カナダは米国の要請に応じて、ファーウェイの幹部を逮捕した。

米国とカナダの間には犯罪者を引き渡す条約が結ばれている。ファーウェイの孟副会長が米国に移送されることも考えられる。イランとの取引を理由に、米国がファーウェイに直接、制裁をかける可能性もある。

そうなると、同社が米国製のIT部品を用いることができなくなるかもしれない。これはIT分野における中国の覇権強化を左右することにもなりかねない。

12月11日の米中電話会談の背景には、この展開を恐れた中国の思惑があったはずだ。

中国は米国製自動車への関税引き下げに同意したが、すでにそれは米中首脳会談で決められていた。それ以上は明らかにされていない。ということは、ファーウェイ問題をはじめとするIT分野で中国が米国の理解を得ることがかなり難しいということだろう。

かみ合うはずもない米中の貿易協議

今後の展開を考えると、米国と中国の主張がかみ合うことは考えづらい。基本的に、攻める立場の人間には、守る立場の発想はない。IT分野での覇権強化を目指す中国にとって、米国の安全保障に配慮する考えはないはずだ。

そう考えると、米中の交渉も、かみ合うはずがないと言っても過言ではない。ライトハイザー氏は「交渉の延長はない」と明言している。

米国の安全保障への危機感はかなり強い。11日、中国市場で検索サービスの提供開始を目指しているといわれてきたグーグルは、中国市場への参入は計画していないと姿勢を急転換した。中国から距離を取る米国企業は増えるだろう。

一方、中国は守りを固める米国、および中国製IT製品の利用をやめようとする同盟国に対して、硬軟使い分けつつ事態の打開を目指すはずだ。

すでに、中国ではアップル社製品の不買運動が起きている。中国企業との取引を求めて、中国がわが国などに圧力をかける可能性もある。そうなると、IT分野を中心に米中の通商交渉は一段とこじれるだろう。

日本にとって、米中の貿易戦争は「対岸の火事」ではない。

通商面で米中の衝突懸念が高まると、日本経済には無視できない影響が及ぶ。すでに、スマートフォンの販売不振から中国の景況感は悪化している。

日本の産業用機械業界などでは、中国企業の設備投資先送りなどを受けて業績予想を下方修正する企業が増えてきた。ファーウェイをはじめ中国のIT企業が米国製品にアクセスしづらくなったり、中国で米国製品などの不買運動が激化すれば、日本の景況感は一段と悪化する恐れがある。

わが国は自力で国力を高めることを真剣に考えなければならない。

そのためには、アジア新興国への支援を強化し、わが国の主張を支持する親日国を増やす必要がある。その上で、TPP(環太平洋パートナーシップ)参加国の拡大など多国間の経済連携をわが国が主導することが重要だ。

それが、わが国の発言力を高め、世界経済の安定と成長を支えてきた自由貿易体制の維持・強化と中国の覇権強化を食い止めることにもつながるはずだ。

(法政大学大学院教授 真壁昭夫)

加藤記事

12月1日の米中首脳会談では両首脳とも笑顔だった… 写真:新華社/アフロ

中国と米国の関係は1月1日に向けて修復へ向かう?

「それでも我々は1月1日に向けて中米関係をなんとか修復しようとするだろう」

米国と中国が繰り広げる最近の攻防を眺めながら、両国間で貿易戦争が勃発して(7月6日)約50日がたった盛夏の北京で、中国外交部の局長級幹部が筆者にこう語っていたのを思い出した。

来年の1月1日、米中は国交正常化40周年を迎える。その政治体制や民族性から、儀式を重んじるのが中国共産党や中国人民だと感じさせられてきたが、米中貿易戦争が現実的に勃発してしまい、互いに応酬を繰り広げるなかで事態は構造的に長期化・泥沼化するのだろう。

筆者のそんな考えを伝えると、同幹部は「貿易戦争は米中間の戦略的競争関係の一部にすぎない」という観点から同調しつつも、冒頭のコメントを残してきた。

儀式を重んじるという形式上の動機以外に、政策的な意味合いも込められているように思われる。中国にとって、今年40周年を迎えた改革開放の歴史とは、まさに米国との関係を構築し、発展させる過程にほかならなかった。

その意味で、対米関係の悪化はすなわち改革開放の失策に等しいといえる。

中国外交部のプレスリリースに見る米中首脳会談の「良好な雰囲気」観

中国共産党が改革開放40周年を祝うプロセスには、2019年1月1日に米中国交正常化40周年を良好な雰囲気の下で迎えて初めてピリオドが打たれる──。

習近平国家主席は、記念日からちょうど1ヵ月前にアルゼンチンで実施された米中首脳会談にそういう心境で臨んだのかもしれない。

「米中双方が経済貿易の分野で、いくぶんの意見や立場の相違が存在するのは完全に正常なことである。大切なのは相互に尊重し、平等で互恵的な精神にのっとって適切に摩擦を管理すること、その上で、双方が共に受け入れられる解決の方法を探し当てることである」

習近平は会談でトランプ大統領に対してこう切り出し、「新たなラウンドの改革開放プロセス、および国内市場と人民の需要に基づいて市場を開放し、輸入を拡大し、中米経済貿易関連の問題の緩和に尽力していきたい」と寄り添った。

中国外交部のプレスリリースには、習近平がトランプや同政権を批判、牽制する内容は見られず、かつ両首脳が満面の笑みで楽しそうに握手をしている写真が使われていた。

筆者から見て、この事実こそが、中国側が対中関係を改善させたい立場を米国側、中国国内、そして国際社会に対して訴えたいと現段階で考えている状況証拠である。「良好な中米関係は両国人民の根本的な利益に符合するし、国際社会の普遍的期待でもある」(習近平)。

同リリースが、トランプが習近平に対して「米国は中国の学生が米国に留学に来るのを歓迎する」と語ったことを記載していた事実も、中国当局として貿易戦争が勃発して以来、米国への留学を不安視する自国の若者やその家族をなだめるべく奔走している現状が見受けられるのである。

中国側の前向きなコメントは焦燥感がにじみ出ている

今回の会談を経て、米中両首脳はいったん課税の応酬を棚上げすることで合意し、米国側は90日間の“猶予”を中国側に与えることを通達した。

中国側はこの間に農産物やエネルギーといった分野で米国からの輸入を拡大するなどして、3月1日に第3弾(2000億ドル)の課税率が10%から25%に上げられないように、そして最大規模とされる第4弾(2670億ドル)が実施されないように米国側に歩み寄ろうとするであろう。

王毅国務委員兼外相は会談後記者団に対して「両国首脳は友好的で率直な雰囲気の中で2時間半にわたって深い交流を行った。予定していた時間を大幅に上回った。貿易問題に関する議論は前向きで、建設的だった。今回の会談で得た合意は、今後一定期間における中米関係に方向性を示した」と語った。

国内向けのアピールであろうが、仮に3月1日の段階でトランプ政権が中国側の歩み寄りに満足せず、再び中国製品に対して大々的な課税措置を取ってくるリスクが存在するにもかかわらず、ここまで前向きなコメントを残したあたりに、中国側の焦燥感がにじみ出ているように筆者には見受けられた。

中国側が米国側に歩み寄ろうとしている立場と心境がより鮮明に露呈されていたのが、商務部記者会見における高峰報道官(12月6日、北京)の声明文である。少し長くなるが、重要な根拠だと考えられるため3段落分引用する。

「中米両国の経済貿易問題における利益は高度に重なり合っており、天然的に補完し合う構造的需要を擁している。双方のチームは現在順調に意思疎通を行っており、協力関係も良好である。我々は90日以内に合意に至ることに充分な自信を持っている」

「中国側としてはまずは農産品、エネルギー、自動車などから着手し、双方が合意に至った具体的事項を着実に実施していきたいと考えている。その後、今後90日間において、明確なタイムテーブルとロードマップに基づいて、双方の利益、共同の需要に符合する知的財産権の保護、技術協力、市場開放、および貿易均衡などの課題を巡って協議をし、合意の形成に尽力していきたい」

「中国側としてはこれらの課題を巡って米国側と相互に尊重し、平等で互恵的な協議を行い、両国企業のためにより良いビジネス環境を創造していきたい。これからの90日間で、中米双方はすべての追加課税を取り消すことを最終目標に協議をしていくつもりである」

今年に入って以来、貿易戦争を巡って米国を悪者にし、被害者意識を至るところでむき出しにし、「正義は我にあり」というスタンスで国内外に訴えてきた中国当局から出てきた言葉とはにわかに信じがたかった。

中国はなぜここにきて米国側に歩み寄ろうとしたのか

なぜここにきて、習近平自らがトランプと友好的な会談に臨むことを通じて、中国側は米国側に歩み寄ろうとしたのだろうか。

筆者は習近平の脳裏には3つの懸念が交錯してきたと考えている。本連載でも随時扱ってきたが、ここで端的に総括してみたい。

(1)景気の下振れと市場心理の悪化が懸念される経済への懸念(経済的懸念)

(2)米国との関係悪化が習近平の権力基盤を侵食することへの懸念(政治的懸念)

(3)米中国交正常化40周年を円満に迎えられず、祝えないことへの懸念(外交的懸念)

この3つの懸念から、ここに来て中国共産党指導部として一定の妥協もやむを得ないという立場で、米国側に歩み寄る意思決定をしたというのが筆者の現段階における分析である。

前向きな雰囲気の中で米中首脳の接触が進んでいるまさにそのとき、またしても不安要素が米中関係を襲うことになる。華為技術(ファーウェイ)の創設者・任正非氏の実娘・孟晩舟副会長兼CFOがカナダのバンクーバーの空港で拘束された事件である。

12月8日、楽玉成・外交部副部長(次官級)がカナダ駐中大使を外交部に呼び出し厳重抗議。「米国の要求に応じるという理由で中国国民を拘留し、中国国民の合法的、正当な権益を侵犯した」カナダ当局のやり方を「極めて悪劣」なものとし、「直ちに釈放することを強烈に促す。さもなければそれが必然的に招く深刻な代償、すべての責任をカナダ側が払うことになるだろう」と半ば脅迫に近い表現で圧力をかけた。

2人のカナダ人の拘束は中国側の報復措置か

12月10日、元カナダ外交官を含む2人のカナダ人が中国の国家安全に危害を与えたとしてそれぞれ北京市と遼寧省丹東市の国家安全局によって「法に基づいて強制措置が取られた」(陸慷・中国外交部報道局長、12月13日)。

孟氏拘束に対する報復措置とも取れるタイミングであった。

その後、バンクーバーの裁判所は孟氏の保釈を条件付きで認める決定を下したが、中国で国家安全局によって拘束されている2人のカナダ人の動向を含め、まだまだ予断を許さない状況が続くであろう。

12月14日には中国の盧沙野・駐カナダ大使が現地紙に寄稿し、「今回の事件は単純な司法案件ではなく、たくらみのある政治的行動である。米国が国家権力を動員し、一中国ハイテク企業を政治的に抹殺しようとした」と指摘。

カナダ側が米国の根拠なき要求に屈し、司法の独立を守らなかったと批判した。中国当局は孟氏拘束の背後には米国の影が作用し、「“国家安全”という装いをもって中国企業を抑え込み、中国の発展を阻害するもの」(盧大使)という揺るがない解釈と立場を抱いているようだ。

筆者が眺める限り、官民問わず、中国はますます米国を信用しなくなっている(過去記事参照:『米中貿易戦争が泥沼化、中国はもはや米国を信用していない』)。

カナダが陥っている苦境は日本にとってもひとごとではない

一方で、前述したように、中国として米国との関係を修復しなければならない現状は変わっておらず、中国当局もその方向性で1日1日、そして3月1日に向けて米国側と「落としどころ」を探っていくものと筆者は捉えている。

12月11日午前、米国との経済貿易関係を統括する劉鶴・国務院副総理が米国側のムニューシン財務長官、ライトハイザー通商代表と電話会談し、協商の進め方について意見交換をした。これを受けて、高峰商務部報道官は「中米双方は細かい部分の協商に関して密接な意思疎通を保持し、進展は順調である。我々は米国側が訪中し話し合うことを歓迎するし、訪米して話し合うことにも開放的な態度を保持している」とコメントしている(12月13日、商務部記者会見)。

昨今における中国側の歩み寄る姿勢は、往々にして米国や西側国家に対して強硬的な論調を展開することで知られる「環球時報」が12月10日の社説で「中国は米国側に圧力をかけるけれども、孟晩舟がいるのはカナダの勾留所である。米国が裏でどれだけの作用を働かせているとしても、孟に対して直接的に手を動かしたのはカナダである。問題解決のための主戦場はカナダにほかならない」と主張している点にも如実に反映されている。

昨今の背景、一連の事件を通じて、カナダは米中の間に挟まれる形で実質スケープゴート化していると言っても過言ではない。

同じ米国の同盟国として、米中2大国の狭間で生存・発展空間を見いだしていく状況にあるアジア太平洋国家として、日本にとってもひとごとでは決してないだろう。

カナダが陥っている苦境に目を凝らし、そこから「教訓」をくみ取るべきであることは言うまでもない。

(国際コラムニスト 加藤嘉一)

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『中国・キリスト教弾圧にバチカンの妥協どこまで?迫害の背景に浮かぶ中国共産党の危機感』(12/19日経ビジネスオンライン 福島香織)、『中国・高速列車で頻発する指定席の座席占領 罰金から行政拘留への処罰強化が遂に実現』(12/14日経ビジネスオンライン 北村豊)について

12/19阿波羅新聞網<外媒:内斗加剧 李克强两次演讲不提习 反习势力浮出水面=外国メデイア(WSJ):内部闘争は激化 李克強は2回の講演で習の名を出さず 反習勢力が水面に浮上して来た>12/18改革開放40周年記念大会の習の演説は古色蒼然、何も変わりは無かった。党内エリートと習の不協和音が目につくようになった。李克強は先月シンガポールで講演した時に習の名を出さず、鄧小平の名前を出した。鄧樸方は北京のやり方を批判した。

https://www.aboluowang.com/2018/1219/1220440.html

中国共産党は内部分裂すれば良いのに。ただ、お公家集団の共青団が力技の習を打倒できるかは疑問です。

福島氏の記事で、フランシスコ法王にパウロ二世のような役割を期待しても無駄でしょう。共産主義の恐ろしさを知っていて、中共に擦り寄っている気がします。赤い法王でしょう。何で枢機卿は彼を選んだのかと言う気がします。米国がバチカンに中共に擦り寄るなと警告しないと。

日本企業も中国に擦り寄りすぎです。自由を抑圧、非人道的な共産主義の怖さを経営者が分かっていません。目先の金に転んでいるとしか思えません。強かな中国人がそんな簡単に儲けさせてくれるはずもないのに。学力レベルでなく地頭の良さが問われます。まあ、米国がやがて対中COCOMを発動するでしょうから、その時焦っても遅いでしょう。

北村氏の記事で、“覇座”が中国で一般化していると言うものですが、福島氏の記事にありますように共産主義の非人間性、拝金主義に疲れ切った人は宗教に救いを求めますが、それもできない人間は公衆道徳を無視することで自分の力を誇示しようと思っているのでしょう。愚かな人達です。そういう人達が日本に大量に入って来たらどうなるか?入管法改悪は愚策としか言いようがありません。2年後の見直しで廃案にすべきです。

福島記事

ローマ・カトリック教会の法王庁(バチカン)で10月16日に開かれた世界司教会議に、中国の司教2人が初めて参加した(写真:ロイター/アフロ)

 バチカンは14日までに中国福建省閩東(ミントン)教区の地下教会司教だった郭希錦を同地区の政府公認教会の副司教にした。司教の地位は北京当局の任命した司教、詹思禄に譲られた。郭希錦はバチカンが任命した司教であり、長らく中国当局がその地位を承認してこなかった。地下教会司教として過去何度も拘束、尋問され虐待され、バチカンと中国が司教任命権をめぐる交渉を水面下で行っていた最中の3月にも、地元警察に身柄を拘束されていた。

 バチカンと中国が9月に司教任命権問題で“暫定合意”に至り、中国当局が勝手に任命し、バチカンから破門されていた7人の司教に対して破門を取り消した。これに続き、地下教会の司教を政府公認教会の司教の下につけることに同意したわけで、バチカン側は全面的に中国政府に譲歩し続けているという印象だ。だが、今中国で起こっている非公認教会の弾圧の嵐をみるに、バチカンの妥協は中国を勢いづかせることになりはしないか。バチカンはどこまで妥協するつもりだろう?

 郭希錦はバチカンの判断に従う意思をすでに表明しており、12月14日までに、北京の釣魚台迎賓館にて、バチカンから派遣された代表団とともに詹思禄と面会、譲位式が執り行われた。

 環球時報が14日に報じたところによれば、彼の司教譲位がバチカンと中国の交渉の焦点の一つであったようだ。中国側は2017年以来、なんども郭希錦に司教を譲位するように要求していたという。郭希錦は環球時報に対して、これで地下教会と政府公認教会は合併したと語っている。

 だがこれは本当に中国のキリスト教信者たちにとって喜ばしいことなのだろうか。というのも、今中国で進行しているカトリックを含むキリスト教弾圧は文革以降過去最悪と言われる苛酷さなのだ。

四川省では信者100人以上逮捕

 たとえば四川省成都の秋雨聖約教会が、ほぼ同じ時期に大弾圧にあっている。この教会はカトリックではなく、カルバン派の牧師、王怡が指導者として知られ、2005年に創立。王怡が妻とともに逮捕されたほか、100人以上の信者らが逮捕、拘束された。事件は国際社会も注目している。この一斉拘束の際、非暴力を掲げる信者たちに警察は武器なども使って威嚇しており、まさに羊の群れに踊り込んだ狼の様相であったと、ラジオ・フリーアジア(RFA)は報じていた。

 45歳の王怡は政権転覆罪で起訴される可能性があり、有罪判決がでれば懲役15年の可能性が指摘されている。だが王怡がこれまで法律家として言論人として宗教家として弱者救済に尽力し、中国社会をより良くしようとしてきたことは周知の事実。当初の活躍は、中国のメディアでも好意的に取り上げられ、2004年には中国で最も影響のある公共知識人の一人として「南方人物週刊」に取り上げられていたほどだ。

 9月には北京の錫安(シオン)教会が取り壊されていた。「民政部に登記のないまま、勝手に社会組織を名乗り活動を展開し、社会組織管理秩序を見出し、社会団体登記管理条例、違法民間組織取締り暫定弁法などの規定に違反」しているという理由だ。この教会は2007年に創立された北京最大の家庭教会で、もともと7つの礼拝堂をもち毎週1500人が礼拝に参加していたという。過去、何度も弾圧を受け、潰されかけそうになりながらも熱心な信者たちに守られてきたが、今年に入ってカルト扱いされ、周辺には顔認証監視カメラが設置され、教会内にも盗聴器が仕掛けられたという。

 また警察側は牧師たちを個別に尋問してスパイがいるなどと吹き込んだり、家族が入院中の牧師に対して協力するならば万元単位の入院費を肩代わりしてやるといった買収をしかけたりしていたらしい。4月以来、9月までに7つの礼拝堂のうち6つが閉鎖においこまれ、9月9日の最後の一つの礼拝堂に警察70人が乗り込み、教会や牧師の個人所有物を押収、強制立ち退きを行った。指導牧師の金明日は「教会に物件を貸していた家主が政府から強い圧力を受けて、契約を中止したいと頼んできたので、我々は閉鎖せざるを得ない。だが新しい場所を借りることはもう不可能だろう」と語っていた。

 このほか、今年2月以降、浙江省や河南省の家庭教会や地下教会の弾圧、閉鎖が続いているという。河南省南陽市で10年の歴史をもつ光彩キリスト教会は9月、警察が突然やってきて教会の十字架を撤去、聖書その他の教会の所有物を押収し、絵画や設備の破壊した。河南は500~600万人のキリスト教徒がおり、光彩教会はその信仰の中心地の一つだった。河南では家庭教会だけでなく、政府公認の三自愛国系の教会ですら十字架撤去を強制されている。

背景に中国共産党の統治の危機感

 RFAが秋雨教会の大弾圧後、米国のキリスト教系NGO対華援助協会の責任者である牧師、傅希秋や亡命作家の余傑にインタビューしている。

 傅希秋はこうコメントしている。

 「“習皇帝”の統治下では、キリスト教の中国化、宗教の中国化が叫ばれている。主な目的は共産党がすべての宗教組織および独立傾向の強い宗教団体および個人を絶対的にコントロールすることだ。(2015年の)浙江省の強制十字架取り壊し事件などが起きたあたりから、共産党内部文書で“キリスト教の増長と過熱的発展を抑制する”ことが目的だと通達されている」

 余傑はこれが個別の事件ではなく、習近平政権が始まって以来の政策の重要なステップであり、背景に中国共産党の統治の危機感があると指摘していた。

 「今年に入って秋雨教会、北京の錫安教会の迫害が起きた。これらは都市部の新興教会として中産階級のパワーを集め、広義の人権を含め、信仰の自由を守ろうとしていた。これに中国共産党が恐怖し、慌てたから、こうした弾圧と破壊を行ったのだろう」

 キリスト教の中国における発展は、たしかに目を見張るものがある。2010年の社会科学院のリポートによれば中国のキリスト教徒は2300万人、今年4月に発表された宗教白書によればそれが3800万人以上。10年もみたない時間で65%の増加である。この数字は非公認教会の信者の数字を入れていないので、全体では1億人近いのではないか、という推計もある。

 キリスト教の発展の背景は、傅希秋によれば、“中国共産党の暗黒政治、マルクス主義や無神論思想の破綻”が原因らしい。共産党体制のもと唯物主義、拝金主義がはびこり、人々の道徳や誠実さの水準が地におちたとき、人々が信仰をもとめたのだという。それがある人にとってはキリスト教であり、また別の人にとってはイスラム教であり、チベット仏教や仏教であったということだろう。

 米国の亡命華人作家の余傑は、私が現役の記者であった2003~08年ころ、北京で何度かあって取材したことがある。彼が主宰する北京方舟教会の礼拝に何度かうかがった。信者の多くが中産階級で、社会的地位も高く教養もある金持ちであったが、信仰に入ったきっかけなどを取材していくと、多くの人が、拝金主義や競争社会における精神の疲労、虚しさを訴えていた。人を騙した人も騙された人もいて、救いを欲していた。

バチカンは中国の恐ろしさをわかっていない?

 同じころ、世間では孔子ブームも起きていて、毛沢東時代に批判したおした孔子を中国伝統の文化として再評価し、道徳や礼節を取りもどそうという運動も展開されていたが、余傑によれば、儒教文明の基本は農業社会の価値観にあって、現代の産業化社会には合わなかった、という。都市の知識文化人がこうしてキリスト教に傾倒していたという。あの頃から、確かに家庭教会はさまざまな迫害をうけていたが、中国社会に静かに根を張り、広がっていた。

 宗教は、中産階級の知識人と地方の農村や低層の虐げられた人々を結び付ける絆になりえ、中国社会の不条理や不安・不満の思いを結集させてよりよい社会を作っていこうというポジティブな力に転嫁させる可能性を秘めていたが、それが共産党体制を転覆させかねないパワーになると気づいたため、習近平政権になって急速な宗教の中国化政策がとられたわけだ。宗教を共産党がコントロールできなければ、宗教は共産党を飲み込みかねない。

 キリスト教、カトリックを共産党が支配するためには、まず総本山のバチカンを中国共産党がコントロールできなければならないのだ

バチカンが中国の宗教というものに対する警戒心を十分理解しているかどうかは、わからない。ただバチカンが中国の恐ろしさをわかっていないのではないか、という不安と疑問は、9月以降、信者たちの間で少しずつ広がっている。

 閩東教区の例をうけて、各教区では地下教会は公認教会のもとに下るのが、バチカンの指示であるという解釈を受け入れた寧夏教区の地下教会の神父・王沢義も、公認教会に入ることを公表した。だが同じ教会の同僚や信者たちから「軟弱」「裏切りもの」と批判を浴び、教会から離れた信者もかなりいたという。地下教会が分裂しかかっており、バチカンの9月以降の動きは、中国共産党の宗教の力の淡化、宗教の中国化という狙いに利している、という危機感をもつ信者もいるという。香港教区司教の陳日君は11月突然、隠居宣言を行った。86歳の彼はこれまでバチカンの今の親中路線が危ういと言い続け、これを推し進めているバチカン・ナンバー2枢機卿のピエトロ・パロリンを名指しで批判してきた。

フランシスコ教皇、訪中の可能性も

 だが、フランス宗教紙のインタビューで、彼は今後について、「同じ宗教内で争うことはできない」と語り、修道院にこもって隠居生活を行う、としている。司教としてバチカンの決めたことには逆らえない、ということだろう。中国の宗教の自由のために尽力してきた陳日君の諦観のにじむ言動は、中国の信者の動揺を誘っているという。

 来年末にはフランシスコ教皇が日本を訪問するようだが、中国訪問も俎上にあがっている。教皇自身が中国訪問を強く望んでいるとも聞くので、ひょっとすると同じタイミングで訪中予定が組まれるかもしれない。教皇訪中は遅かれ早かれ実現することだろう。教皇は何を中国訪問に期待しているのだろう。単に世界最大の布教市場への期待だけではあるまい、と思いたい。

 ヒトラーと渡り合ったピウス12世は結果的には、ユダヤ人虐殺を食い止められなかった教皇といった汚名もかぶった。ヨハネ・パウロ2世は旧ソ連や東欧の民主化を後押しし、東西冷戦終結における重要な役割を担った。バチカンは時代の節目節目で国際政治のギアチェンジの役割を担い、おそらく今もそれだけの影響力を持ち得る国家だろう。だからこそ、宗教、信仰とまったく縁のない私までが、バチカンと中国の駆け引きが気になるのである。バチカンの今現在の妥協は長大な駆け引き、戦略の一環であり、最終的にはその影響力を中国の過去40年来最悪の人権侵害、宗教弾圧の救済のため、そして中国が赤い帝国の野望を捨てて、普通の国として生まれ変わるきっかけのために発揮してくれることを切に願う。

北村記事

中国では他人が座るべき指定席を占拠して座り続けるトラブルが社会問題化している(写真はイメージ=PIXTA)

 中国語で“覇”という漢字は、「占領する」とか「横取りする」といった意味を持つ。そこで、中国語辞典で“覇”の付く熟語を調べると、“覇占(力ずくで占領する)”、“覇持(強行に独占する)”などといった言葉が目につくが、最近の中国でたびたび目に付くのが“覇座”という言葉である。“覇座”とは何を意味するのか。中国語の“座”は「座席」を意味するから、“覇座”は「座席占領」となり、列車や飛行機などの交通機関で他人が座るべき指定席を占拠して座り続けることを意味する。

 “中国共産主義青年団北京市委員会”の機関紙「北京青年報」は12月8日付で「“動真格了 高鉄覇座女乗客首次被拘留(まじでやったぜ、高速鉄道で座席占領の女乗客が初めて拘留された)”」と題する記事を掲載した。その概要は以下の通り。

【1】12月6日に遼寧省“大連市”の“公安局”が発表したところによれば、12月3日14時9分、内モンゴル自治区“包頭市”発遼寧省“大連市”行きのK56列車が遼寧省“瀋陽市”の市内にある「蘇家屯駅」を出発した直後に、列車長から「1号車の車両で乗客による“覇座(座席占領)”が発生している」という通報が列車に乗車している“乗警(鉄道警察官)”へ発せられた。

【2】“覇座”を行っていたのは女性乗客の“劉某”(22歳、黒龍江省“甘南県”出身)であり、彼女は瀋陽駅から乗車して“営口市”にある「熊岳城駅」へ向かおうとしていた。瀋陽駅から熊岳城駅までの距離は218kmで、所要時間は約3時間であった。K56列車が蘇家屯駅を発車後に、1号車の座席番号64の指定乗車券を持った“祝某”という乗客が、当該座席に座っていた劉某に対して座席を明け渡すように要求したところ、劉某はこれを拒否し、「座席は早く座った者勝ちだ」と言い放った。列車の乗務員がやって来て劉某の説得を試みたが効果がなかったので、列車長経由で乗車していた鉄道警察官に報告した。

【3】劉某の不当行為に対して、2人の鉄道警察官が劉某の指定席占領という行為は列車の秩序をかき乱すとして何度も通告を行うと同時に、『治安管理処罰法』違反の容疑に当たると警告し、劉某に速やかに座席を明け渡すよう要求した。しかし、劉某は聞く耳を持たず、極めて無礼な態度で要求を拒否しただけでなく、鉄道警察官や周囲の乗客に対して罵声を浴びせる始末だった。劉某に何度警告を行っても効果が無かったので、鉄道警察官は列車の秩序維持を理由に、劉某を強制的に連行し、最寄りの「大石橋駅」にある派出所へ劉某の身柄を引き渡した。鉄道警察官2人が劉某を連行するために、力ずくで座席から引き離そうとした時、劉某は「座席の“搶劫啦!(強奪だ)”」と大声を張り上げて抵抗したという。

【4】派出所に身柄を引き渡された劉某は、“覇座”を行ったことに関して“供認不諱(包み隠さず自供した)”。“大連鉄路公安処(大連鉄道警察署)”は『治安管理処罰法』の関連規定に基づき、劉某に対して行政拘留の処罰を与えた。

初の「行政拘留の処罰」

 上記のニュースが報じられると、人々は鉄道警察が劉某に対して「行政拘留の処罰」を与えたことに喝采を上げたという。それは記事の表題にもあった「“動真格了(まじでやった)”」という言葉が示すように、この種の“覇座”事件において「行政拘留の処罰」が下されたのは劉某が初めてだったからである。

 劉某に適用されたのは『治安管理処罰法』の第23条第1項の規定だと思われるが、その内容は以下の通り。

【第23条第1項】

 下記する5項目の行為のうちの該当するものが一つある場合は、警告あるいは200元(約3300円)以下の罰金。情状が比較的重い場合は、5日以上10日以下の勾留とし、同時に500元(約8250円)以下の罰金を科すこともできる。

 5項目は箇条書きで規定されており、そのうちの第3項目が“覇座”に関連すると思われるが、そこには次のように書かれている。

(3)公共の自動車、電車、汽車、船舶、航空機あるいはその他公共交通機関上の秩序をかき乱す行為

 従い、劉某に下された行政拘留は「5日以上10日以下」ということになるが、具体的に何日間の勾留になったのかは報じられていない。

 なお、“覇座”行為を抑制するため、“広東省人民代表大会常務委員会”は2018年10月9日に『広東省鉄路安全管理条例』を採択し、同条例は12月1日から施行された。同条例には、「鉄道の乗客は乗車券に明記された座席に従って乗車せねばならず、他人の座席を占領してはならない」と明記されている。但し、同条例には“覇座”を行った場合に適用される具体的な罰則規定は記載されていない。

当事者の特定、容易に

 ところで、中国では今年の8月以降に列車の乗客による“覇座”事件が頻発するようになり、それがメディアのニュースによって報じられることにより世論が盛る上がると同時に、“覇座”の当事者が社会から指弾を受けることが多くなっている。その原因はネット社会であり、限られた個人情報から当事者が容易に特定されることにある。

 2018年8月21日、山東省の「済南駅」発「北京南駅」行の列車No.G334に乗った“王新穎”(仮名)という女性が、自分が購入した窓際の指定席(座席F)に座ろうとしたら、何とその席にはすでに赤の他人の男性が座っていた。驚いた王新穎が男性に乗車券を示して自分の席だから座席を空けるように要求したところ、男性は「俺はこの席が良い」と言うばかりで動こうとしない。困り果てた王新穎が列車長に窮状を訴えて呼んでくると、男性は列車長の要求に応じて乗車券を示したが、そこに記載されていたのは1列後ろの窓際の指定席(座席A)であった。列車長が「ここはこちらの女性の指定席だから、座席を空けて、貴方自身の指定席へ移動して欲しい」と要求すると、男性は「座席から立つことができない」と言い出した。

 これを受けた列車長がどこか身体が悪いのかあるいは酒でも飲んでいるのかと尋ねると、男性は「酒なんか飲んでいない」と反発した。さらに、列車長が酒を飲んでいないのに、どうして立てないのかと聞くと、男は「俺にも分からない」と答えた上で、「下車する駅に着いても立てないと思うから、車椅子を用意しておいて欲しい」と述べ、その後に「俺は絶対に俺の席には座らない」と言い放つと、王新穎に向かって「あんたもそこに立っていないで、俺の席に座るか、食堂車へ行けば」と言う始末だった。

 王新穎は大学を卒業したばかりの女性で、「済南西駅」から乗車したが、男性は1つ前の始発駅である「済南駅」から乗車して、彼女の指定席に座ったのだった。男性に対しては列車長のみならず鉄道警察官も自分の指定席に座るように説得を試みたが、らちが明かず、王新穎には“商務車廂(グリーン車)”の席が、男性が彼女の指定席を空けるまでという条件付きで手配されたが、結局彼女はグリーン車に座ったまま終点の北京南駅に到着した。

“覇座男”は誰なのか

 北京に到着した王新穎は、指定席を占拠した不埒(ふらち)な男性に対する怒りを表明するために、彼女が列車長と男性のやり取りを撮影した動画をネット上に投稿したのだった。投稿された動画は大きな反響を呼び、“覇座男(座席占領を行った男)”は誰かという“人肉検索(ネットユーザーが協力して限られた情報から人物を特定すること)”が行われた。

 その結果として判明したのは、“覇座男”は“孫赫(そんかく)”(1985年生まれの33歳、山東省莒南県出身)であり、現在は韓国“圓光大学”の博士課程在学中の人物だった。

 人肉検索で特定された孫赫は、8月22日の夜、自分の態度が極めて悪く、深く反省しているとして、ネット上に王新穎に対する謝罪表明を書き込んだ。謝罪表明の全文は以下の通り。

 ネット上で私が本人だと暴露された高速鉄道座席占領事件に関し、私は悔悟と自責の念を表明します。ここに、私は当事者となった女性と全国の人々に対して衷心よりお詫びします。私は深く反省し、この種の行為が社会のマナーに重く違反し、当事者を深く傷付け、社会に悪い影響を与えたことは、痛恨の極みです。今後はこの種の誤りを再び犯さぬように、さらに修養を積み、人としての素質を高めるよう努力しますので、どうか全国の皆さん、私に自分を改める機会を与えて下さい。

 孫赫は上述のように謝罪表明を行ったが、事態はそれで終わりとはならなかった。その翌々日の8月24日、列車No.G334 を管轄する“中国鉄路済南局集団公司”は、加害者である孫赫に対する処罰を発表し、『治安管理処罰法』第23条第1項の規定に基づき孫赫に200元(約3300円)の罰金を科すと同時に、一定期限内における列車乗車券の購入制限を付加したのだった。

 一方、8月22日早朝には、広東省「深圳駅」発で山東省「青島駅」行の高速鉄道T398の済寧区間で、“無座車票(立ち席乗車券)”を購入した、赤い上衣を着た40歳前後の女性が女子大生の購入した指定席に座り込んで占領するという事件が発生した。自分の指定席に座ろうと思ったら他人が座っているのを見た女子大生は、列車の乗務員を呼んで協力を要請した。乗務員が女性の乗車券を調べると、それは「立ち席乗車券」で、座席に座ることができない乗車券だった。そこで、乗務員が女性に席を空けるよう説得したが、女性は厚顔にも最後まで席から離れず、女子大生は座席指定の乗車券を持ちながら早朝4時から6時までの2時間をずっと立っていることを余儀なくされた。

「ごね得」処罰に喝采

 この女性については、いかなる処罰も与えられなかったようで、関連記事をチェックしても何もない。要するに、“覇座”に関しては、上述した孫赫のように、罰金と一定期間の乗車券購入制限が処罰の限度と考えられ、T398の女性のように何の処罰も受けない「ごね得」が通用することもあったのである。そうした状況に一石を投じたのが、文頭に述べた北京青年報の記事で、「“動真格了(まじでやった)”」と喝采を浴びたように、処罰を「罰金」から一歩踏み出して「行政拘留」まで拡大したことだった。

 ところで、中国ではどうして“覇座(座席占領)”が多発するのか。教育レベルが低いからだというのは、上述した孫赫が韓国の圓光大学博士課程の学生であることを考えると説明がつかない。もっとも、孫赫は人間検索を受けたことにより過去に行った各種の悪事が露見しており、本質的に悪事を平然と行うタイプの人間であることが判明しているので例外と言えるのだが。

 この点について中国メディアが報じている意見は、鉄道の列車長や乗務員、さらには鉄道警察官が“覇座”に対して寛大で、厳しい処罰を行うことなく、200元程度の罰金で済ませて来たことが、「指定席だろうが、誰も座っていない空席に座って悪いか」という意識を持つ人々を増長させたというものである。それは、最悪でも200元の罰金で済むというなら、屁理屈を並べながらも指定席に座っていた方が得だといった感覚を持たせるに至ったということである。誰かが“覇座”で得をしたという話を聞けば、俺も俺もと模倣犯が出て、いつの間にかそれが流行するという中国の伝統的な行動形態なのである。

 “覇座”の処罰にようやく「行政拘留」が導入されたことで、模倣犯の出現率は低下すると思うが、“覇座”をより一層厳しく取締り、厳罰に処すことが改善の鍵だと思われる。中国には“殺鶏給猴看(ニワトリを絞め殺してサルを脅かす)”という成語があり、日本の「一罰百戒」と同様な意味を持つが、1件でも良いから典型的な“覇座”事件に厳しく対処して、メディアを通じて大きく報じ、ごね得は絶対に許されないと人々に示すことが、中国社会の改善には不可欠だと思う。但し、こうした事件は中国だけでなく、日本でも少数とはいえ発生しているのである。

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『ロシアの孤立深めたウクライナ艦船拿捕 強硬策が裏目、米ロ関係も展望開けず』(12/14日経ビジネスオンライン 池田元博)について

12/15 Facebook   中国观察

毎回重要な日がやって来るが、合点がいかない。それはそうで、南京虐殺の数字30万は中共のプロパガンダですから。

12/15ZAKZAK<ファーウェイ逮捕当日に自殺していた習氏“参謀” 中国「千人計画」と関係か 河添恵子氏が緊急寄稿>

https://www.zakzak.co.jp/soc/news/181215/soc1812150005-n1.html

12/15阿波羅新聞網<孟晚舟被捕 华为员工被跳楼?生前遭追杀 多少人被谋杀?=孟晩舟の逮捕 華為職員はビルから突き落とされた? 生前には殺すので追い回された どのくらいの人が謀殺されたか?>華為後継者の逮捕は世論の注目を集めた。華為は雑誌《財富》の世界500位内に入る会社であるが、職員が度々飛び降り自殺している。阿波羅ネットの調査では、普通でない死に方をしたのが40例以上ある。華為は情報封鎖しているが。その中で少なくとも3例は謀殺された痕跡が残っている。この3例は共通して、家庭円満、生活も豊かで何ら自殺するような跡も見えなかった。華為は例外なく情報を封鎖している。華為の職員は海外のメデイアに「社員は奴隷同様で、訳が分からず突然死ぬ。急死もしばしば」と明らかにした。数年来、ネット民は「命が惜しければ華為を離れることだ」と呼びかけている。

https://www.aboluowang.com/2018/1215/1218544.html

深圳の鴻海の富士康(FOXCONN)と同じで自殺が多い。ただ、流石に富士康で謀殺との話は聞かなかったです。華為はスパイ会社と言うのもあるのでしょう。

12/15阿波羅新聞網<加媒爆料:中共国安或正在监视孟晚舟=カナダメデイアが明らかに 中共国家安全部は孟晩舟を監視している>華為の副董事長兼CFOの孟晩舟は裁判所の保釈を受け、夫名義の家に戻って住んでいる。カナダのセキュリテイ会社の24時間監視を受けているが、現地メデイアは中共国家安全部もまた見えないように孟の一挙一動を監視して中共の利益を守ろうとしていると。

https://www.aboluowang.com/2018/1215/1218554.html

中共国家安全部は裁判所の引き渡し命令が出たら、殺すつもりで張っているのでは。でも米国も相応の保護措置を採ると思います。重要被告人且つスパイの証人ですから。

12/15阿波羅新聞網<美国加拿大部长会议:引渡不受政治干扰=米加大臣会議:引き渡しは政治の干渉を受けない>12/14米加外相・防衛相会議がワシントンで開かれ、孟の引き渡し問題も話し合われた。ポンペオは会議の後の記者会見で、「米加両国は会談で、グローバルな問題、反テロ、経済安全、NATO事務、北朝鮮とその他の国への制裁について、継続して協力を強化していくことに同意した。またウクライナの最近の緊張とロシアの脅威についても討論した」と述べた。カナダの外相は「両国の討論の中には孟やカナダ国民の中国での拘留の案件も含まれている。カナダは司法の独立を尊重する。どんな裁判でも政治の干渉は受けない」と述べた。

https://www.aboluowang.com/2018/1215/1218439.html

12/7日経<日ロの平和条約、いま必要か  本社コメンテーター 秋田浩之

戦後、歴代首相の多くが「北方領土問題の解決」を唱え、ロシアに4島の返還を迫ってきた。政治生命を懸け、交渉に臨んだ首相もいたが、ロシアを動かせなかった。このため、日ロはいまだに平和条約を結べていない。

いま、その厚い壁に安倍晋三首相が挑んでいる。側近によると、ただの努力目標ではなく、本気で約3年の任期内に決着させる意志を抱いているようだ。

歴史の難題から逃げず、解決しようとする安倍首相の姿勢は政治指導者として正しいし、敬意に値する。この問題の決着は、父の安倍晋太郎元外相が最後まで精力を尽くした悲願でもある。

そのうえで水を差すようで申し訳ないが、戦後70年以上、日ロに刺さってきた懸案の妥結をいま、急ぐことが賢明なのかどうかについては、疑問を禁じ得ない。

領土交渉をいま妥結させるということは事実上、4島返還をあきらめるのに近い。

安倍首相は歯舞群島と色丹島の引き渡しをうたった1956年の日ソ共同宣言を基礎に交渉する構えだ。まず、この2島の返還を確認し、残る国後、択捉両島でも譲歩を引き出そうというわけだ。これに対し、プーチン大統領は対米戦略上の要所である択捉・国後はおろか、歯舞・色丹の主権を渡すかどうかも明確にしていない。

この隔たりを埋め、短期で妥結するとなれば、落としどころは良くても歯舞・色丹の2島先行返還と考えるべきだろう。これは4島面積の7%にすぎない。

だからといって、4島返還に固執すべきだと言いたいわけではない。もし、平和条約の締結がもたらす国益が、4島面積の約9割よりも大きいのであれば、あり得る選択肢だ。このまま4島返還を訴えても、近い将来、ロシアが応じる兆しはないからだ。

逆に、平和条約を結んでも、失う領土に見合うほどの外交利益を得られないのであれば、不利な条件をのんでまで、手打ちを急ぐ必要はないだろう。

いったい、どちらが正解なのか。日ロ双方への取材を重ねると、残念ながら現実は後者に近いように思う。

そもそも平和条約がなくても、日ロはそれなりに「普通の関係」になっている。56年宣言で外交関係は正常化した。安倍首相とプーチン大統領の会談は通算24回を数え、防衛交流も進んでいる。

そのうえで平和条約を結ぶと、外交上、いったい何を得られるのか。日本政府関係者らによると、安倍政権が期待しているのは、主に2つだ。

第1は、中国をにらんだ戦略協力である。ロシアは内心、強大になる中国を脅威に感じている。領土問題がなくなれば、日ロは外交、安全保障面でさらに連携を深め、中国に向き合いやすくなるというわけだ。

趣旨は分かるが、日ロの外交・安保協力はかなり進んでおり、平和条約によって「どこまで上積みできるのかは疑問だ」(日本政府筋)。両国は外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)を3回開き、軍首脳の往来も増えている。

しかもロシアからみれば経済、外交ともに、日本より中国のほうが大切だ。この問題に詳しいロシアの外交専門家はこう話す。

「強大になる中国は将来、脅威になるかもしれないが、現在は緊密な戦略パートナーだ。ロシアは日本ほどには、中国をけん制する必要性は感じていないし、平和条約を急ぐ理由もない」

第2の期待は、経済面の恩恵である。4島の一部が返ってくれば、その分、日本の排他的経済水域(EEZ)は広がる。漁業や資源開発には確かに恩恵だ。

ただ、平和条約によってロシアの投資環境が一気に改善するわけではない。大がかりなエネルギーやインフラ分野の協力が劇的に広がるとは限らないだろう。

もうひとつ考えなければならないのは、日米関係へのリスクだ。ロシアは歯舞・色丹を引き渡したとしても、米軍が駐留しないという確約を得たがっている。

プーチン大統領の懐刀、パトルシェフ安全保障会議書記が10月上旬に来日した際にも、この問題を改めて持ち出したという。だが、日本が2島への米軍駐留を認めないと約束すれば、米側が反発し、日米に亀裂が生まれてしまう。中ロには好都合だろうが、日本には大きな損失だ。

このような状況を総合すると、2島(先行)返還などで妥協してまで平和条約を急ぐことが、日本外交の収支上、黒字になるとは考えづらいのである。

早期妥結論者からは次のような反論が聞かれる。この機を逃せば、ロシアは交渉をやめ、2島すらも返ってこない。ロシアはさらに中国に接近し、日本の立場は厳しくなる……。確かにこうしたリスクはあるだろう。ただ、これらの主張はち密な分析というより、焦燥感に近いのではないか。

それでも、領土決着を急ぐなら、平和条約の付属文書などで、せめて次のような目的にかなう担保を取りつけたいところだ。

▼尖閣諸島が日本の一部であることをロシアが確認する。

▼核を含めた兵器で日本を脅したり、使用したりしない。

▼歴史問題で、中韓と共闘しない。

元島民の立場を考えれば、解決が早いに越したことはない。問題は、領土問題での譲歩に値する対価を、ロシアから得られるかどうかである。>(以上)

秋田氏の要求をロシアが認めるかどうかです。確かに今のままでもロシアとの関係は悪くはないでしょうが、後になればなるほど解決が遠のくのでは。判断が難しい。ただ安倍首相が歴史に名を残すためだけで平和条約を締結するのであれば止めてほしい。キチンと日本の国益を説明しなくては。

池田氏の記事で、ロシアは掟破りをしたということでしょうか?ウクライナとの条約を一方的に破るのは責められても仕方がありません。こんなことをすれば、欧米ともうまく行かなくなるのは必定。日本の平和条約締結も難しくなるのでは。譬えウクライナ艦船に武器が沢山積んであったとしても航行の自由は守らなくては。そうしなければ、南シナ海での航行の自由もできなくなります。日ソ中立条約を一方的に破棄した歴史と重ね合わせると、中国とロシアは約束が守れない国と言えます。

記事

クリミア半島周辺で11月末、ロシアがウクライナ艦船を銃撃し、拿捕(だほ)する事件が起きた。背景にあるのはクリミアの帰属を巡る対立だ。ロシアはウクライナによる挑発と主張するが、国際世論はウクライナ擁護に傾き、プーチン政権が防戦に追われている。

軍服姿で陣頭指揮に当たるウクライナのポロシェンコ大統領(写真:ロイター/アフロ)

事件が起きたのは11月25日。黒海のオデッサ港からアゾフ海のマリウポリに向かっていたウクライナ海軍の小型艦船2隻とタグボートをロシアの警備艇が追跡。ロシア本土とクリミア半島の間のケルチ海峡周辺で、ロシア側が銃撃し、船舶を拿捕した。

銃撃でウクライナの兵士3人が負傷した。命に別条はないという。ロシア側は船舶を拿捕するとともに、24人のウクライナ人乗組員を拘束した。ロシア連邦保安局(FSB)はウクライナ艦船が停船命令を無視して「領海侵犯」したと主張。対するウクライナのポロシェンコ大統領は「ロシアによる侵略的な軍事攻撃」などと激しく非難している。

ロシアとウクライナは2003年に締結した条約で、アゾフ海を両国の内海とし、すべての艦船の航行の自由を認めている。ウクライナ艦船への攻撃と拿捕はこの条約に違反するうえ、そもそもロシアが2014年春にウクライナ領のクリミア半島を一方的に自国に併合したこと自体が「違法だ」というのが、ポロシェンコ政権の論拠だ。

ロシア警備艇の行為を「軍事攻撃」「危険な侵略」とみなしたポロシェンコ大統領は、ロシアを非難するだけでなく、国内の安全を確保するという理由で矢継ぎ早に緊急対策を打ち出した。まずは「戦時状態」と称する戒厳令の導入だ。大統領は当初は60日の施行を提案したが、議会が期間を30日間に短縮し、対象地域もロシアとの国境地帯などに限定して布告した。

さらに戒厳令の施行期間中、16~60歳のロシア人男性のウクライナ入国を全面禁止する措置まで打ち出した。クリミア併合やウクライナ東部での軍事衝突では、ロシアの武装集団が国内に入って〝暗躍〟した経緯があり、新たな暴動や不穏な動きを阻止するのが目的という。政府は外交官のほか、親族の葬儀といった特別な事情がある場合は入国を認めるとしているが、これにはさすがに行き過ぎといった批判も一部に出ている。

では、ロシアはどう反応しているのか。

ポロシェンコ大統領の選挙キャンペーンに参加したくない

この事件について、プーチン大統領は記者会見の場などで何度か触れているが、とくに興味深いのは12月5日の発言だろう。モスクワで開かれたボランティアを表彰する式典に出席後、記者団からポロシェンコ大統領との会談の可能性とその条件について質問を受けた。大統領の返答は「私は単にポロシェンコ大統領との会談を避けたり、嫌ったりしているわけではない。私は彼の選挙キャンペーンに参加したくないのだ」というものだった。

ウクライナでは2019年3月31日に次期大統領選が予定される。プーチン大統領によれば、ポロシェンコ大統領はまさに大統領選を視野に意図的に危機的状況をつくりだし、その責任を自身ではなくロシアに転嫁し、かつ問題をうまく処理できる能力があると見せかけようとしているのだという。

ロシアの有力紙「ベドモスチ」が報じたキエフ社会学国際問題研究所の世論調査では、次期大統領選の有力候補者の中で、ポロシェンコ大統領の支持率はわずか11.9%に過ぎない。支持率トップのユリア・ティモシェンコ元首相(19.3%)の後じんを拝し、劣勢に立たされているのが実情だ。

ポロシェンコ大統領が事件直後に60日間に及ぶ戒厳令の布告を提案したのも、国民の危機意識をあおって自らの支持率向上につなげたり、次期大統領選そのものの延期を画策したりするのが主たる狙いだとロシア側は強調する。これがプーチン大統領の「私は彼の選挙キャンペーンに参加したくない」という発言につながる。

ロシアはさらに、今回の事件はそもそもウクライナが意図的に引き起こしたとの論陣も張っている。FSB幹部は「ウクライナ艦船は事件の1カ月ほど前からアゾフ海で挑発行為を繰り返していた」と指摘。今回はウクライナ側からケルチ海峡航行の事前通告がなかったうえ、拿捕したウクライナ海軍の艦船を調べたところ、「通常のレベルを超える武器や弾薬を搭載していた」とも主張している。

政権によるこうした宣伝効果もあって、ロシア国内では、事件の責任はウクライナにあるとの認識が幅広く共有されている。政府系の全ロシア世論調査センターの直近の調査では、「ウクライナ政権による計画された挑発行為」とする回答が79%に上った。逆に、ウクライナ政権に紛争状態をつくる意図はなかったと判断する市民はわずか7%だった。

当然、ウクライナとの関係悪化を指摘する声も増えている。民間世論調査会社のレバダ・センターの調査によれば、ウクライナとの関係を「悪い」とみなすロシア市民が直近で60%と、「良い」の28%を大幅に上回った。かつてともにソ連を構成した共和国で、スラブ系住民が主体の兄弟国ともいわれたロシアとウクライナは、2014年のクリミア併合をきっかけに関係が悪化しているが、今回の事件をきっかけに一段と冷え込みそうな雲行きだ。

ロシアはさらに孤立する

事件を「ポロシェンコ大統領の選挙対策」とみなすロシアに対し、ウクライナ側は、国内支持率が低迷気味なプーチン大統領が緊張感をあおって政権への求心力を高めようとしたと反論する。ともに激しい非難合戦を繰り広げているわけだが、事件が両国に与える負の影響を考えると、明らかにロシアに分が悪いようだ。

まずは国際社会の評価。主要7カ国(G7)外相は、事件に対する最大限の懸念を表明するとともに、「ロシアの軍事力の使用は正当化し得ない」とロシアを一方的に非難する声明を発表した。ロシアが拘留したウクライナ乗組員と艦船の解放や、ケルチ海峡での合法的な航行なども求めた。さらに、ロシアによるクリミアの「違法な併合」は「今後も認めない」と改めてクギを刺した。

欧州でロシアと対峙する北大西洋条約機構(NATO)もロシアに対する批判や警戒を強めており、今後は黒海周辺での監視体制を一段と強化する見通しだ。NATO加盟国のリトアニアは、今回の事件に関与したロシア人20人の入国を制限する対ロ制裁措置を発動した。対ロ制裁の動きが欧米を中心にさらに広がる可能性もある。

次に米ロ関係への影響。米国のトランプ大統領はこの事件を理由に、アルゼンチンでの20カ国・地域(G20)首脳会議の際に予定していたプーチン大統領との首脳会談を急きょ中止した。両首脳はもともと、フランスのパリで11月に第1次世界大戦の終戦100年を記念する式典が開かれた際に会談する予定だったが、「式典に集中したい」との仏政府の要請で延期していた。

米ロ間には、2021年に期限切れを迎える新戦略兵器削減条約(新START)や、米国が旧ソ連と結んだ中距離核戦力(INF)廃棄条約の扱いを中心に、核管理をめぐる懸案が山積している。トランプ政権はすでに「ロシアが順守していない」としてINF廃棄条約を破棄する方針を表明。米国は新STARTの延長にも慎重姿勢を崩していない。

プーチン大統領はG20首脳会議閉幕後の記者会見で、米ロ間にはこうした核兵器をめぐる「戦略的安定の問題」があるだけに、本来なら早急に実施すべき首脳会談が行われなかったことは「残念だ」と述べている。一方、米国のポンペオ国務長官はINF廃棄条約について、ロシアが「60日以内」に条約違反を是正しなければ条約破棄に向けた手続きを開始すると表明した。

もともと条約違反を否定するロシアが、米国の要求に従う可能性はほぼ皆無だ。トランプ、プーチン両大統領が参加する国際会議は当面なく、このままでは首脳間で本格的な話し合いが全くないまま、INF廃棄条約の消滅が決まる公算が大きい。米ロは新たな核軍拡競争に突入しかねず、経済が低迷し財政状況も厳しいロシアにとってより重い負担となる。

最後にウクライナとの関係。ロシアは今回の事件をポロシェンコ大統領のネガティブキャンペーンに活用しているが、ウクライナ大統領選でどの候補が勝っても、ここまでこじれた両国関係を修復するのは困難だろう。クリミアの領有権問題に加え、ロシア系住民が多いウクライナ東部の紛争も収拾のメドが立っていない。

ウクライナ東部紛争を巡っては、ドイツとフランスが和平協議の仲介役を務めてきたが、メルケル独首相もマクロン仏大統領もここにきて国内での求心力を急速に失いつつある。強力な仲介役が不在のまま、ロシアとウクライナの紛争はさらに泥沼化しかねない。クリミア併合以降、米欧がロシアに科している経済制裁も解除は望み薄で、むしろ強化される方向に向かうだろう。

今回のウクライナ艦船砲撃・拿捕事件は結局、ロシアの国際的な孤立を一段と深めることになりそうだ。

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