4/3高島 康司メルマガ『中国よ、何を考えている。AIIBの背後にある新シルクロード経済圏構想』と4/6冷泉彰彦メルマガ『中国投資銀、それでも日本が加盟を求められる理由は「中国はカネがない」』記事について

冷泉彰彦はアメリカ在住でリベラルな立場の人間です。日本人と言うよりはアメリカの国益を優先するタイプです。そういう風に見ると、今回のAIIBへの眼差しはクールです。アメリカの国益に反するからでしょう。分かり易いと言えば分かり易い。でも彼の言う様子見は正しいと言うか、ずっと入ることは必要ないと思っています。軍拡に熱を上げる中国を経済的に支援してどうするのか?宮崎正弘氏に言わせれば、中国国内の在庫処分のために他国へのインフラ投資促進するための銀行という事で、何で日本が中国にとって有利になることをしなければいけないのか訳が分かりません。日本のメデイアは狂っているというか座標軸がずれていて、軍事について全く無理解なため、そこまで頭を巡らすことができません。相手にしないことです。

鈴木氏の記事で見るべきところはカザフにロスチャイルド系銀行が投資していると言ったところです。ロスチャイルドとロックフェラーの争いという事でしょうか?でも「中国ーウクライナ友好協力条約」でウクライナが中国の核の傘に入ることをロシアが認めたというのは俄かには信じ難いです。1.同じ正教会の国で、ベラルーシと東スラブ3兄弟の国と言われている。2.軍事的にもウクライナはヨーロッパへの緩衝地帯。3.地政学的にウクライナが中国と同盟関係になればロシアは封じ込められる。今でもシベリアに中国人の入植が多くて困っているのに。でも米国覇権の延命を図っているというのは正しいでしょう。アメリカも基軸通貨を中国に奪われないためにはいろいろ画策するでしょうから。

高島記事

中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)が世界に衝撃を与えています。一部では「アメリカの世紀」が終わり、中国の新しい秩序が始まると言われるなど、歴史的に大きな転換点となるかもしれません。世界の未来を独自の視点で斬る「未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ」のヤスさんは、その先には「中華経済圏」という野望があると言います。

中華経済圏の出現、新シルクロード経済圏構想

アメリカの圧力にもかかわらず、中国が立ち上げた「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」には多くの国々の参加が殺到し注目されている。50カ国以上が創設メンバーとして参加することが決まり、これからこの組織がアジア全体のインフラ投資のひとつの重要な機軸になることがはっきりした。

当面は参加しないことにした日本も、数カ月後には圧力に押され、参加せざるを得ない状況におかれるだろうとの観測が強い。

新シルクロード経済圏構想

AIIBは、平均成長率が6.6%で世界経済のけん引力となっているアジアのインフラ投資を加速し、さらなる成長を実現するために創設された機関だ。しかしながら、AIIBの創設の背後には、中国による「中華経済圏」とも呼べるような、新しい経済圏の構想があることは意外に知られていない。AIIBとは、この構想を実現するための機関であると見られている。

その「中華経済圏」構築に向けた計画こそ、「新シルクロード経済圏構想」である。これは、中国から中央アジアと中東を通ってヨーロッパまで至る鉄道を付設する陸路のシルクロードと、中国からインド洋を経由してペルシャ湾と紅海まで至る海のシルクロードという2つの交易路を整備する壮大な構想だ。

これが完成すると、中央アジア、中東、そしてヨーロッパのユーラシア全域の貿易が活性化し、この地域で最大規模の中国経済の影響力が、ユーラシア全域にまで及ぶことが期待されている。

すでに一部が完成している鉄道路線

「新シルクロード経済圏構想」は、これから実施が計画されているプロジェクトではない。すでに昨年の11月には、中国東部の工業都市、義烏とスペインのマドリッドを結ぶ貨物路線が開通している。これは、シベリア鉄道よりも長い1万キロの世界最長の鉄道路線である。

さらに、工業都市の重慶からドイツのデュースブルグを結ぶ路線は開通しており、今後、北京とモスクワを結ぶ7000キロの路線や、中国の諸都市をトルコ経由でヨーロッパ各国の諸都市と結ぶ路線も計画されている。

このように「新シルクロード経済圏構想」はすで走りだしており、これから計画が作られるというものではない。AIIBには、この構想の実現に向けて資金を調達する目的があると見て間違いないだろう。その意味ではAIIBは、「中華経済圏」の構築に向けて設立された機関としての目的を有している。

ハブとなるカザフスタン

そして、こうした「新シルクロード経済圏構想」の鉄道網の重要な中継地となっているのが、中央アジアのカザフスタンだ。カザフスタンの首都、アスタナには投資が集中的に集まっており、見たこともないような近代的な都市が出現している。以下のYouTubeで見ることができる。

ちなみにカザフスタンの新都市建設には、ロスチャイルド系の金融機関が支援していると言われている。

もうひとつのハブ、クリミア

さらに、中国とヨーロッパを結ぶ路線のもうひとつのハブが実はクリミアであった。周知のようにウクライナは、2014年2月に親ロシアのヤヌコービッチ政権が抗議運動で打倒され、親欧米の政権が成立した。この政変は自然に発生したものではなく、米ネオコンと軍産複合体、ならびにウクライナの極右勢力が画策したものであったことはよく知られている。

ところがヤヌコービッチ大統領は、政権が打倒される直前、北京で習近平主席と会い、「中国ーウクライナ友好協力条約」を調印していた。これは、中国がクリミアに100億ドルを投じてインフラ整備などを行い、クリミアを「新シルクロード経済構想」のハブとして整備する計画であった。それには、ロシア黒海艦隊の母港、セバストポリに大型港を新たに建設し、それを「新シルクロード経済構想」の鉄道網につなげる計画も含まれていた。

さらに「中国ーウクライナ友好協力条約」には、ウクライナが核の脅威に直面した場合、中国が安全保障を提供するとの一節が含まれていた。これはウクライナが、事実上中国の「核の傘」に入るとも受け取れる条項である。

このように中国とウクライナの関係は、水面下で同盟関係にまで発展しつつあった。そして、中国とウクライナの緊密な関係を、ロシアは肯定的に評価しており、中国に対抗する意思はまったく見せていなかった。むしろロシアは、「新シルクロード経済圏構想」をユーラシアにおける中露同盟の一環として認識していたふしがある。

金融資本の支援

さて、カザフスタンの首都、アスタナの建設のみならず、「新シルクロード経済圏構想」全体が中国単独ではなく、ロスチャイルドのみならず、欧米の名だたる金融資本が積極的に支援していることは、筆者が情報交換している外資系シンクタンクやコンサルティング会社のアナリストたちが、口をそろえて指摘していることである。

ロスチャイルドをはじめとした欧米の金融資本は、成長限界にきたアメリカの覇権の秩序から、これからも高い成長が期待できる中国を中心とした新しい秩序への転換を行う計画だと言われている。もしこれが事実であれば、「新シルクロード経済圏構想」は、まさにこのような意図をもつ欧米の金融資本による新しい秩序を反映した構想と見ることができる。

アラブの春、ウクライナ政変、イスラム国

さて、このように見て行くと奇妙なことに気づかないだろうか? ウクライナ政変によって、「中国ーウクライナ友好協力条約」は現在頓挫した格好になっている。また、ウクライナ東部の親ロシア派とキエフの政府軍との内戦の影響で、クリミアを「新シルクロード経済圏構想」のハブとする構想は進んでいない。

ウクライナ政変は自然に発生したものではなく、米ネオコンと軍産複合体が画策したものであることは、あまたの証拠から明らかだ。とするなら、ウクライナ政変を画策した目的のひとつは、「新シルクロード経済圏構想」という「中華経済圏」形成に向けた動きをつぶし、米国覇権を延命させることにあったのではないだろうか?もちろん、これが目的のすべてではないだろうが、目的にひとつである可能性は高い。

さらに、2010年12月に始まった「アラブの春」は、米国務省の意図で結成されたNGO、「CANVAS」が深く関与し、中東各地の騒乱を指導したことも明らかになっている。

また、最近注目を集めている「イスラム国」の活動には、米軍とイスラエル軍が深く関与し、支援している実態はすでに広く知られるようになっている。

「アラブの春」や「イスラム国」が招いた結果は、中東全域の混乱状態であった。過去の記事に何度も書いているように、これには、中東を小集団に分裂させることで、イスラエルに挑戦する国家を周辺地域から消し去るというオデット・イノンの「大イスラエル化計画」があった。

しかし、混乱している中東の一部の地域には、「新シルクロード経済圏構想」の鉄道路線、ならびに中国からの海路の拠点港となる地域が含まれている。今回の中東の混乱状態で、計画の一部は進まなくなっているに違いない。

このように見ると、「アラブの春」、「ウクライナ政変」、「イスラム国」など米国務省や軍産複合体が関与して仕掛けた一連の出来事は、やはり中国の「新シルクロード経済圏構想」を挫折させて中国の覇権化を押さえ、米国覇権を延命させる目的があったのではないだろうか?

冷泉記事

中国が主導して設立されるアジア・インフラ投資銀行。日本は参加しておりませんが「置いてきぼりをくうのでは?」と心配しております。アメリカ在住の作家・冷泉 彰彦さんは自身のメルマガで読者からの質問に答える形で、「心配無用」と斬っています

アジア・インフラ投資銀行、日本は加盟をしなくても大丈夫?

—中国はアジア・インフラ投資銀行(AIIB)に日本が加盟するように誘っています。

参加すれば中国に屈することになりますし、かといって日本とアメリカだけが「カヤの外」というのも、置いて行かれるようで不安です。どうすべきなのでしょうか?

冷泉 彰彦の回答

余り深刻に考えることはないと思います。

AIIBというのは銀行ですから、カネを貸して戻ってくれば生き延びますし、貸したカネが焦げ付いて戻ってこないようですと、倒れてしまいます。

では、どうして中国は多くの国を誘っているのでしょうか?

それはカネが足りないからだと思います。

覇権を広げるためには子分になる国にカネを融資しなくてはなりません。

ですが、カネが足りないし、万が一の場合に融資が焦げ付いた場合に、自分たちだけ困るのはイヤなわけです。

こういう言い方をすると語弊があるかもしれませんが、下手をすると失敗した「新銀行東京」のような話になる危険性もあります。

またAIIBが世銀やIMFあるいはADBなどと協調して「リスクを広範囲で受け止めれば」安全かというと、例えばリーマンショックやギリシャ危機のように、「カネの凹みが巨大」になると、広く薄く「仲良し同士がお手てつないで」いても、その仲良しグループ全体が穴に吸い込まれてしまうわけです。

そんなわけで、余り深く考えずに、通常の経済行為、投資活動として妙味があれば参加し、危険性が大きければ最初からは入らないでおいて、タイミングを見計らって白馬の騎士のように「後だしジャンケン」で行けば良いのではないでしょうか?

同時に、韓国が入ろうが、欧州が軒並み入ろうが、余り気にしないことです。

高山正之著『アジアの解放、本当は日本軍のお蔭だった!』について

高山氏の話は本で読んでも、講演を聞いても面白いです。快刀乱麻と言うのがピッタリです。いつ読んでも思うことは、白人、特にアメリカ人の残虐さは群を抜いています。そうでなければ原爆投下は絶対できないでしょう。Limited war からAll out warに変わったのも南北戦争からと言われています。要は強姦・略奪・殺人何でもありです。口ではきれいごとを唱えながら、裏では悪いことを平気でできる人達です。選民意識の強い人たちです。ヒトラーを悪く言えません。同類です。しかし、「世界は肚黒い」のは当り前です。日本はこれに中国と朝鮮半島があるのですから大変です。防衛を考えると米国と手を結ぶしかありません。100年後は分かりませんが、現時点と近未来に於いては別な選択肢は採れません。アコギな共産主義の国とは手を結べませんので。

しかし読めば読むほど白人の人種差別はヒドイ。それが表向きは「そんなことはありません」みたいなフリをする訳ですから。中国・韓国も似たり寄ったりです。中華・小中華ですので。東夷西戎南蛮北狄の考えを持っています。福建省は閩南で門の中に虫がいる意味です。倭は漢和辞典では「背が曲がって丈の低い小人の意」とあります。閩より人間扱いしているからまだ良しとしないといけないのかもしれませんが。しかし、こんな国に道徳的に劣っているとは言われたくありません。

他の章も面白いので是非買うか借りるかしてお読みください。

内容

第10章「白人はいつも肚黒い」

【残忍比べ】

毎年八月十五日が巡ってくると日本の新聞は先の戦争を振り返って特集を組むのが一つの形のようになっている。二十世紀はまさに日本の世紀だった。白人が君臨し、そして世界を支配する形を日本が崩したからだ。その流れを止めようとする白人国家と日本の対決が二十世紀の半ばにあった「先の戦争」だった。

そのあとオーウェン•ラティモアの言葉を借りれば白人国家は日本国中を焼き払い、カルタゴと同じに塩を撒いて消滅させたかった。ただローマ時代とは異なるから、そう堂々と民族浄化作戦は取れない。「軍隊も取り上げ無抵抗な農業国に落とす」はずだったのが、気がついたら世界第二位の経済大国に成長していた。先の戦争は何だったのか 十分に振り返って検証する意味はある。

その意味の特集なら分かるが、例えば朝日新聞の「化学兵器廃棄始まる」。日本軍が毒ガス兵器を使った、そのまま遺棄した、と言わんばかりの「日本の大罪」後遺症を取り上げる。コラムでは山ロ瞳の「わが生涯の幸運は戦争に負けたことと憲法九条に尽きる」という言葉をただ意味もなく書く。

日韓併合百年では「日本は朝鮮半島を支配し、言葉や名前も奪った」の見出しをつけた。 「世界の僻地」(黄文雄『近現代史集中講座』)だった半島に文化の火を灯したのは日本だ。 支那にかぶれ、支那語に創氏改名した民族が今度は勝手に日本名を名乗った。そういう検証もしない。一刀両断で日本を「大罪を犯した者」と断ずる。

何が嬉しくて日本を貶めるのか、その心理行動を聞きたいぐらいだが、実はこの謂れない日本非難は朝日新聞だけではない。『ニユーヨーク・夕イムズ』もまた終戦記念日を前に広島原爆についてフイリピンの作家F ・シオニル・ホセに「マニラに進駐してきた日本軍兵士にひっぱたかれた」「マニラを破壊した」と日本軍の残忍さを回顧させ、だから「広島原爆は当然だ」と、朝日新聞と同じ論調で日本の大罪を告発していた。

日本人の名誉のために言えば、マニラを無差別に破壊したのは帰ってきたマッカーサーの部隊だ。日本軍はフイリピン人の家を接収することもせず、市内の競馬場に宿営し、大方は米軍の侵攻前に市外に出ている。

夏が来ればこのフイリピン人作家に再びの出番はあるだろう。そのときのために一つ忠告しておきたい。バターン死の行進の被害者というレスター・テニーの自伝を読んだほうがいい。テニーはM3戦車でバターンに退却中「フィリピン人と日本人の区別がつかない」から通過する村々を片っ端から破壊し、動くものはすべて殺した、つまりべトナムのソンミ村事件と同じことをやったと書いている。ピン夕よりひどいことをした。

あるいは米国が二十世紀初頭、この作家の国に侵攻したときの米上院公聴会の記録も読むがいい。そこには戦争倫理を一切かなぐり捨てた米軍がフィリピン人捕虜に泥水を飲ませる拷問や、毎日、急所を外して一発ずつ銃弾を撃ち込み、苦しませて五日目に殺した処刑記録が山とある。バタンガス、サマールでは住民を皆殺しにし、「低めに見て二十万人は殺した」と公聴会の記録は結ぶ。

『ニユーヨーク•タイムズ』はいくらでも米国に媚びるアジア人作家を抱え、折を見て「日本の大罪」を捏造させる。白人記者も折あるごとにもっと陰湿な「侵略国家•日本」 の告発記事を書く。

【マイク.ホンダとは何者だ】

九○年代、つまり載後半世紀たったころ、米国特派員に出た。そのときに一番驚いたのが、『ニユーヨーク•タイムズ』の陰湿な書き方だった。ごく普通の社説に「朝鮮」という単語が出てくると必ず「日本の柄民地だった( where Japan once colonized))という枕詞をつけていた。別に戦前の話ではなく、今、進行形の北朝鮮の飢餓についての論評だ。 同じように「東南アジア」が出てくれば「かつて日本が残虐行為を働いた(where Japan had conducted atrocities) 」とつける。

オランダは四百年インドネシアを植民地にしながら、学校も病院も作らなかった。フランスはベトナムで学校の代わりに刑務所をつくり、薬の代わりに阿片を売り付けた。彼らはそれを植民地と呼ぶ。日本は朝鮮に学校を作り、病院を置き、鉄道を敷き、電気を通した。それを植民地という一言で日本もまた朝鮮を残忍に搾取したという印象を故意に植え付けようとしていた。

これは『ニユーョーク.・タイムズ』に限らない。『ロサンゼルス・タイムズ』も英紙『インデイペンデント』も同じだ。そしてこういう新聞が一番大きく書き立てるのが、日本軍の従軍慰安婦と南京大虐殺、そして東南アジアでの残虐行為だ。

南京では日本軍は掠奪をほしいままにして六週間にわたって市民を毎日七千人ずつ殺し続け、ニ千人の女を毎晩強姦したことになっている。それなら強姦につきものの日本人の子種を宿した妊娠騒ぎがあっていい。現に韓国兵が出たベトナムでは三万人もの混血児を残しているが、南京に日系混血児は一人もいない。三十万人分の骨も出てこない。 目撃者もなぜか「ニユーヨーク・タイムズ」の記者と米国人教授とオ-ストラリア人の 『マンチエスター・ガーデイアン』紙の記者に限られる。オ-ストラリアといえば米国におべっかを使う元囚人国家だ。

従軍慰安婦は吉田清治の慰安婦強制連行の嘘を参考にして朝日新聞の植村隆記者が捏造した。「日本軍が無辜の朝鮮人女性を強制連行して戦場で将兵相手の慰安婦にした。 女子挺身隊と呼ばれた」と書いた。実際は朝鮮人女衒が置き屋に売った。

それをまたオーストラリアのジャーナリストが増幅し、米下院議員マイク・ホンダが 「日本軍はアジア女性二十万人を性の奴隸にした」ことにして非難決議案まで出した。 この男は創氏改名でホンダを名乗っているようにも見える。

「東南アジアでの掠奪と残虐行為」も新聞では日本の枕詞に使われるのに、まったく真実味に欠ける。前述したようにフイリピンで目を覆う残虐行為を働いたのは米国人だ。ベトナム人を阿片漬けにしたのはフランス人だ。インドネシア人女性を裸にして鞭打ち、 傷口に辛子を塗ったのはオランダ人だ。わずかにシンガボールで日本軍は華僑を殺した。

華僑のリー・クワンユーがそう言い立てるが、彼自身が認めるように日本軍がマレーに上陸すると、華僑は白人のご主人様英国について戦った。インド兵などと同じだ。

しかし英軍が負けると華僑の一部はタイに逃げ、残りは兵装を解いて無辜の市民を装った。いわゆる便衣隊だ。逃亡兵よりあくどい。狩り出されて処刑されるのは戦時法では当たり前だ。日本軍はしかし全員は殺さなかった。リー・クワンユーはじめ多くを見逃してやった。結果的にそれが仇になった。彼らは戦後、被害者面し、あることないこと吹聴してマレー人の海に浮かぶ島シンガポールに居座って支那人の素性を隠し、 マレー語の国歌を歌い、キリスト教とイスラム教の祭日を休日として「シンガポーリアン」を名乗る。虐殺を言い立てる彼らの言葉にはあまりにも嘘が多い。

【支那人みたいなロ本人像】

だいたい東南アジアは欧米列強が長い間、残忍な統治をしてきた現場だから、日本を非難するにはそれらしい事件を捏造しなければならない。知恵がない彼らに代わってそれをやってきたのが朝日新聞御用達の大学教授、林博史みたいな連中だ。

彼はマレーの華僑から「日本軍は赤ん坊を投げ上げ、銃剣で刺した」という話を拾ってきて日本軍の大罪に付け加えた。「赤ん坊を云々」は第一次大戦のおり、ドイツ軍がブリユツセルの産院を襲って妊婦を強姦し乳児室の赤ん坊を放りあげ銃剣で刺したという話と酷似する。

ドイツ軍はまた「将来の敵になるベルギー人の男の子を見つけると片端から手首を切り落とし、銃が持てないようにした」といわれ、それが米国参戦の口実になった。

米国の参戦でドイツは敗れたが、戦後、この残虐行為を検証したら「赤ん坊を銃剣で」も「子供の手首切り落とし」も「英国の作り話」(アーサー・ボンソンビー『戦時の嘘』)だ た。インデイアンを虐殺し、黒人奴隸を昨日まで使っていた米国が人道などちゃんちゃらおかしいが、 おかしいだけあって、参戦のロ実もインチキだったわけだ。

実は湾岸戦争の折にもこの「赤ん坊を銃剣で」話を目撃したという少女が米議会公聴会で証言した。やっぱりイラク軍は獣だと。戦後の検証で少女は在米のクウエート外交官の娘で、証言も作り話と判明した。

しかし嘘と分かっても、それがどうしたみたいに誰も何の反応も示さず、イラク軍の不名誉はそのまま放置された。

いわば定番の嘘といっていい。それを日本兵がマレーでやったという。そういう話を聞けば林博史はまず日本人の名誉のために華僑が嘘を言っていないか、該当する日本の部隊名はどこか、生存者を捜して話を聞くとか、華僑よりバイアスのかかっていないマレー人の目撃者はいなかったかとか、きっちり検証作業をするものだ。個人的な体験で言えば嘘を言わない華僑になど会ったこともない。しかし彼がそういう検証をしたという話は聞かない。

東テイモールは中立国ポルトガルの植民地で住民と日本軍とのトラブルは皆無だったが、ここで日本軍が島民を掠奪し五万人を殺したと早大教授後藤乾一が朝日新聞に書いた。朝日は日本の悪口ならどんな噓でも歓迎した。この話は米タイム誌の年鑑『Time Almanac 2006』に「日本軍の占領期間に五万人の島民が死んだ」と転載された。日本はやっぱり残虐だったと。

しかし島民はポルトガルの圧政下でふんどし一丁の暮らしをしていた。鋸も鎌も反抗の武器になるからと所持も禁止されていた。日本軍が彼らから掠奪するとしていったい何を奪ったというのか。この話は後藤乾一がオーストラリア人外交官ジエームス・ダンに「戦後、島民の人口が減っている」といわれ、それで創作したことがやがて判明する。

しかし宗主国のポルトガルですら人口調査をやっていない。いい加減な豪外交官の言葉に何の根もない。むしろ日本人と島民は友好的で侵入してくる豪軍間課を日本軍と島民が「協力して捕え、彼らの暗号を使って偽情報を出し続けた」(兵卒として進駐していた山下信一元昭和女子大教授)という証言すらある。

日本の悪ロなら何でも大歓迎の『タイム』誌もさすがに後藤論文が全くの虚構と知って二○○七年版ではボツにしている。

『ニユーヨーク・タイムズ』は「東南アジアで日本軍は残虐な行為をした」と半世紀、日本の枕詞にしてきたと前に述べた。ただ枕詞に使うだけで具体的な実例はない。結局、朝日新聞記者や朝日のお雇い学者がそれらしい話を捏造するのを待って、それを米国側が利用してきたという構図が浮き出てくる。

なぜそこまでして「殺戮と掠奪と強姦をほしいままにする」支那人みたいな日本人像を描きたがるのか。

【米軍と支邯人の残忍さ】

日本人にしてみればそういう嘘を並べたがる彼らの感覚が不思議でならない。前述したフイリピン植民地化の折に見せた米軍の行動はまさに残忍の極みをゆく。彼らの戦術は南北戦争当時の北軍将軍ウイリアム•シャーマンのそれを範としている。戦争とは相手の軍を負かすだけでなく銃後を守る兵士の妻子までやっつけ、相手民族を滅ぼすことにあった。

これは約一千万人いたアメリカインデイアン浄化作戦で実施され、彼らの九五%が淘汰された。彼らが共棲していた数千万頭のバイソンも糧道を断つ目的でほぼ淘汰した。 フイリピン平定も同じ。米国の植民地化に抵抗したアギナルド将軍以下の独立義勇軍は一万八干人だったが、米軍が殺したのは公称二十万人、実際は数十万人に及び、その多くはアギナルド軍兵士の家族だった。

米軍の残忍さは圧倒的だ。世界が認めるその残忍な国民が、「いや日本人のほうが凄い」と嘘を並べて謙遜している。それが分からない。

支那もその点では引けを取らない。彼らの残忍さに日本人が初めて遭遇したのは日清戦争だった。牙山で敗れた支那軍は漬走を始めるが、「逃げながら朝鮮人の家々に押し入り、掠奪、強姦、虐殺をほしいままにした」と日本軍と行動していた仏フイガロ紙カレスコー記者が記録している。支那人の残虐さに日本兵は驚いていたと。

金州城では日本軍の三倍の勢力を持った支那軍が攻めてきたが、反撃され死傷者を残して逃げた。入れ替わるように支那人農民が現れ、死者の衣服をはぎ取り、息のあるものは殺して所持品を奪っていった。

土城子の戦いで日本軍斥候を捕らえた支那兵は「日本兵の耳を削ぎ、鼻を削ぎ、さらに顔の皮を剥ぎ、男根を切り落としたうえで、鈍刀で首を切り落とした」と秋山好古の副官が報告している。

その支那人がこれまた根拠なく「日本人は残酷だ」と米国と口裏を合わせる。 彼等は敵が残忍な手法を仕掛けたらもっと残忍な手法で仕返ししてきた。シャーマン将軍は騎兵隊がやられた報復にインデイアンの妻や子を残らず殺させた。蒋介石も毛沢東も残忍にはより残忍で応じたが、ただ日本だけは違った。

いい例が日清戟争の最中に出された第一軍司令官山縣有明の訓辞だ。

「(敵)軍人といえど降る者は殺すベからず。然れどもその詐術(降参したふり)にかかるなかれ。かつ敵国(支那)は古きより極めて残忍の性を有す。誤って生擒(生け捕り) に遭わば必ず残虐にして死に勝る苦痛を受けついには野蛮惨毒の所為をもって殺害せらるるは必然なり。決して生擒する所と成るべからず。むしろ潔くー死を遂げもって日本男児の名誉を全うすべし」

後に東條英機の戦陣訓の一節「生きて虜囚の辱めを受けず」となったとされる訓示だが、徒に死ねと言っているのではない。支那人のような常軌を逸した残忍な民族相手でも日本側は正々堂々と戦え、そういう相手だから手を上げて降伏するな、むしろ死ぬまで戦えといっている。

相手と残忍さを競わない、残虐行為はするなと訓示している。日本軍はこの精神でもっと残忍な米軍とも戦った。こんな宣言をする軍隊は他にない。日本の戦争観がよそのどの国ともまったく違うことの証左だろう。

【掠奪に加わらなかった日本軍】

戦争は自国権益保護という表向きと掠奪と強姦という裏の面があって初めて成立してきた。掠奪強姦は命をかける兵士へのインセンテイブ、当然の報酬だった。それがなければ兵士は動かないとアラビアのロレンスことトーマス・ロレンスが自伝に書いている。 彼はベドウインの兵士を率いてオスマントルコ支配のダマスカス攻略に向かうが、ベドウインはゆく先々で村を襲う。そこで掠奪と強姦を心ゆくまで堪能しない限り動かない。大きな街を襲うと「また二週間は足止めか」と嘆くセリフが繰り返し出てくる。

そのべドウインが信ずるイスラムの教えは戦争中の掠奪は当然のことと規定し、ただ掠奪品は公平に分けろとあるだけだ。

これはキリスト教徒も同じ。十三世紀、十字軍は東方正教会の都コンスタンチノープルを襲って陥落させると「恒例により兵士に三日間の掠奪を認めた」と歴史書にある。 清朝の末期、義和団の乱が起きた。日本のほか英米仏独.露など八カ国の軍隊が出て義和団と清の軍隊に包囲された北京の各国公館を解放した。籠城戦で見せた日本の柴五郎中佐の奮戦はビクトリア女王を感激させ感状をときの林薫公使に伝達している。

戦いが終わった後、八カ国連合軍の総司令官だったドイツのワルデルゼー将軍が北京に入る。国王ウイルヘルム二世に宛てた報告書には「各国軍隊に三日間の掠奪を許可した。そのあと(今度は将兵の)私物とするための掠奪を許した。この破壊と掠奪による支那の損失の詳細な数量は永久に調べがつかないだろう」とある。

支那の歴史教科書にはその掠奪のひどさについて永楽大典(明代の類書=百科事典)の消滅など文化財の喪失に加え、「財務省の金蔵、銀庫、金庫はすべて盗まれ、放火された」とある。

これが二十世紀の入口で起きた。ドイツ人も英国人も喜んで掠奪に加わった。中でもロシア軍はリネゥイツチ将軍自ら掠奪して回った。何より驚きなのは三日間の掠奪が国家のためで、そのあとに兵士の個人的な掠奪が別にあるということだ。それを白人国家は当然のようにやった。

二十一世紀に入ってのイラク戦争のおり、陥落したバグダッドの博物館が掠奪にあってシュメール文化の貴重な文化財が奪われた。盗品の多くはやがて米国の空港や港で発見された。米軍人やジャーナリストが盗んで持ち帰ったものだった。掠奪のDNAが彼らの血にしっかり組みこまれている。

日本の名誉のために言えば、日本軍は北京の掠奪には加わらず、紫禁城を守り、金蔵を押さえたが、これは清王朝の財政を保全する目的だった。日本軍が仕切った区域は治安が行き届き、多くの支那人が白人の暴虐を逃れて避難してきた。

こうした掠奪とほぼ一体なのが強姦になる。支那人と米国人が合作した南京大虐殺も虐殺と掠奪だけあって強姦がないのはおかしいから無理やり「南京の安全地帯で二千人が毎晩強姦された」ことにした。それは彼らの描く戦争の形だからだ。

しかし強姦はそんな付随的行為として描かれるべきものではなく、歴史を見ればむしろ最も有効な征服の手段とされてきた。

【マヤ族の悲劇】

例えばマヤだ。彼らの文化には高度な建築学や天文学が生きていた。しかし現在その片鱗すら生き残っていない。 マヤは今グアテマラ国境のジャングルにいて焼き畑農業を営んでいたが、最近の定住化政策で幾つかの村をつくった。チアパスに近いそんな村でほとんど日本人にしか見えない少女をインタピユーしたことがある。

十六世紀、スペイン人が侵攻し、多くのマヤ族は殺され、女は犯された。彼女の祖先はジャングルに逃げ込み、それから五百年、マヤの血を守った。純粋のマヤ族だった。

女はそんな祖先を「恨む」といった。もし逃げずに祖先がスペイン人に犯されていれば、白人の血が入ったメスチソ(混血児)になれた。「そうだったら堂々と街に降りて、 メキシコシテイのハードロックカフェにもいけたのに」なまじインデイオの純血を保ったためにこんなところで一生を終えるのだと。

黄色くてもいいじゃないかと慰めたが、彼女には慰めにもならなかったようだ。 このときの通訳はかなり白人の血が濃いメスチソだったが、このインタピユーのあとしみじみ「私たち上等なメスチソも」と言った。「赤ん坊が生まれるときはものすごく心配する」。「上等なメスチソ」にも何パーセントかのマヤの血が混じる。それがなんかの拍子に先祖返りみたいに出てくる。「インデイオの血が濃い顔つきだと、いい学校にもいけない。いい就職口もなくなる」。さっき彼女の言ったハードロックカフェは「少しでもインデイオっぽいと入れてくれない」のだと。あの輝かしい文化を持ったマヤは滅 び、その民の末裔はマヤであることに嫌悪さえ見せる。

実はこれに似た話をテへラン特派員時代に聞いたことがあった。支局に出入りしていたタクシー運転手の姉が出産した。助手のマスゥッドが「そうか。何色だった」と即座に聞いた。運転手は嬉しそうに「白だ」と答えた。助手はそこで改めて男の子か女の子を聞いた。

それを糺すと「あなたには答えにくいが、イランはアーリア系民族で国名もそこから来ている。しかしネファベントの戦いでササン朝ペルシャが敗れ、薄黒いアラブ人に支配された」。軽蔑するアラブ人の血が少し人ったという意味だ。そして十三世紀にはフピライの弟フラグが攻め込んでイル・ハン国をつくる。治世は百余年続くが、「モンゴル人はこのとき徹底的にぺルシャ人の血を汚した」。

「血を汚す」という表現が少し引っ掛かったが、要するにアーリア系民族にモンゴロイドの血が混じった。それがたまに出てくる。目の細い黄色い子供が生まれる。メスチソの通訳と同じ。だから赤ん坊が牛まれればまず色を聞くのだという。

実際、そういう例はあるのかと聞くと、頷く。彼等は家族からも差別され、まともな就職口もなければいい結婚もできない。「イランでは最低の職業がパン焼き職人だ。炭を熾した壺でパンを焼く。暑くて辛くて低賃金で知られる。その職人はほとんどが一目でフラグの末裔と分かる」と。

同じイラン人でも征服者の血を巡って嫌悪と差別が生まれる。それが少数の場合は小さな偏見で終わるが、その度合いが大きければ国家としての団結力、求心力にも問題を生むことは容易に想像できる。

ハイチがいい例だ。フランスが黒人奴隷を入れて砂糖とコーヒーのプランテーションをここにつくった。しかしナポレオンの時代に採算が取れなくなり放棄される。それが初の黒人国家として独立した。奴隸出身という虐げられた境遇をばねに強い団結力を誇るのかと思ったら、成立から現在に至るまでハイチ人同士の信じ難いほどの残忍な殺し合いが続いている。

理由は人口の三〇%ほどが白人混血、いわゆるムラートで、彼等は白人の血を誇り、祖国フランスを崇め、フランス語を国語に採用した。フランス人は彼らに教育など便宜も図ってやった。彼等は見た目は同じなのに純粋黒人を見下し、それがもとで対立している。白人の身勝手に団結して抗議し、奴隸植民地の歴史を償わせるという動きは生れようにも生まれてこない。

強姦は掠奪のついでに行うものではない。強姦はその民族の純血性を奪い、それによってマヤのように滅びるかハイチのように永遠の混乱をもたらす破壊力も秘めている。

先の大戦でスラブ人や夕タール人で構成されるソ連軍はエルべ川を渡ってドイツ領に入ると率先して強姦を兵士にやらせた。

アントニー・ビーヴァー『ベルリン終戦日記』にその辺は詳しいが、ドイツ全土で約 二百万人の女性がソ連軍に凌辱された。

よく引用されるが、産院を兼ねた修道院ダーレムハウスでは修道女、妊婦から付き添いの女性まですべてが犯された。第一次大戦のときに英国がデマで流した産院の凌辱そのものをソ連軍は実際にやった。

統計がしっかりしているのはべルリンで、ここでは十三万人が犯され、うち九万ニ千人が市内のニつの病院で手当てを受けた。うちニ万人が不法妊娠していて、多くが中絶手術を受けたが、約ニ千人が出産している。

【日本の純粋さ】

日本に進駐した米軍も最初に要求したのが女だった。性の防波堤として三業地の女性らが文字通り挺身して米国兵の相手をした。

ビルマ、シンガボールでは日本の慰安所をそのまま連合軍が接収して連合軍兵士用に継続利用している。

しかし日本に入った米兵は日本政府に用意させた慰安所だけでは足りなかった。一般の民家に押し入って女を漁った。蒋介石軍の兵士と同じだった。押し入った米兵を論そうとした家人が暴行され、殺されるケースもあった。米軍の占領期間に殺された日本人は二千五百三十六人(調達庁調べ)に上り、その中にはこうした強姦の絡むものが多かったという。

この時期、日本に来たシカゴ・サン紙の特派員マーク・ゲインは『ニッボン日記』の 中で「日本人は女を武器に連合軍の占領統治に抵抗しょうとした」といったくだりがある。これほど尊大で恥を知らないジャーナリストも珍しい。 これが彼らの戦争の本当の姿になる。

しかし日本に限っていえば、彼らとは全く別の戦争を戦っていた。前述したように残忍な報復はしなかったし、日本人は彼らが常とする掠奪も強姦も戦争から排除していた。上海事変から南京に退く蒋介石の軍隊は前述した金州城のときと同じく民家に押し入り奪えるものは奪い、犯し、火を放って逃げた。

南京陥落後、蒋介石軍は長江の上流九江に逃げ、ここに陣を張る様子が石川達三『武漢作戦』に描かれている。彼等は九江の民家を接収し、食糧を勝手に調達し、住民は自分の街で難民にされてしまった。

日本軍がここに迫ると蒋介石軍は長江の堤防を決壊させて街を水浸しにし、井戸にはコレラ菌を撒いて逃げた。防疫と堤防の修理は日本軍がやった。

彼らを追って南京に進軍する日本兵が農家から買った鶏を笑顔で抱えている写真が朝日新聞に載った。南京にある例の三十万人虐殺記念館にこれが長らく「日軍兵士が鶏を掠奪した図」として展示されていた。

彼らにしてみれば掠奪は当然と信じて疑わなかつた。写真を提供した朝日新聞もずっとそれを黙っていた。だが、それが違うと分かってきて、南京事件七十周年に当たる○七年十ニ月にこの写真をこっそり外した。

それほど日本人の行動は彼らの理解の及ばないところにある。

日本は十九世紀末に世界に見参した。そしてハワイ王朝を乗っ取った米国に軍艦を出して抗議し、その翌年には支那と戦ってこれを倒した。そしてその十年後には白人国ロシアを倒し、さらにその十年後の第一次大戦では白人の叡智の象徴である航空機を持つドイツに彼らの三倍の航空兵力で戦いを挑んでやっつけてしまった。 しかも日本が戦う戦争は彼らの常識にない純粋さがあった。さらに衝撃だったのが日本の経営する「植民地」の姿だった。

とくに満洲だ。リットン調査団は英国の元インド総督ビク夕―・リットン、フランスからはアルジエリア統治に関わったアンリ•クローデル植民地軍総監、ドイツからは独領東アフリカ総督ハインリッヒ・シュネーら「搾取する植民地」のベテランが満洲を見た。そして驚いた。国際連盟規約ニ十条に「遅れた地域の民の福利厚生を図るのは(先進国の)神聖な使命だ」とある。しかし現実は後進地域の民の愚民化を進め、米英は支那、マレーシアに、フランスはベトナムに阿片を売り付け、ひたすら搾取してきた。

しかし満洲では肥沃な大地の実りと地下資源を背景に学校が作られ、ユダヤ人スラブ人も含めた多くの民族が日本の指導のもとで自由と豊かさを満喫していた。

植民地搾取のベテランたちは満洲自体が彼ら白人の植民地帝国主義への告発に見えたのだろう。国際連盟への報告書は日本を放り出し、満洲は白人経営でいただきましょうという趣旨で貫かれている。

奴隸をもち、残忍な戦争をし、掠奪と強姦を喜びにしてきた国々にとって掠奪も強姦もしない、奴隸も植民地ももたない日本は煙たいどころか、存在してもらっては困る国に見えた。その伏流を見落とすと、近代史は見えてこない。

日本対白人国家プラス支那という対立構造ができ、先の戦争が起きた。日本を制したのが中でも最も邪悪な米国であり、その米国がいま丸腰日本の保護者となっているのは 歴史の皮肉というより、もはやたちの悪い冗談でしかない。

 

4/4JBプレス 井本省吾『「韓国を助けるな、教えるな、関わるな 古田博司氏に聞く「東アジア3カ国との付き合い方」』記事について

全く古田氏の意見に賛同します。そもそも韓国は悪友にすらなりえない。悪友には良いイメージが残っています。そうではなく韓国は中国同様敵国です。自国の反日活動だけで飽き足らず、世界に嘘とデッチ上げを吹きまくっているではないですか。これを敵と言わないとしたら「敵」の定義は何になるのでしょう?彼らは「歴史を鑑に」近現代史を勉強してほしい。また多数の日本人も歴史を知らないから彼らに手もなく騙されるのです。政治家とメデイアの劣化(メデイアは戦前から劣化していましたが)が甚だしいから、国民を領導(中国では指導者・幹部のことを言います。読み方はling3dao3)することができないでいるのです。

韓国はAIIB参加表明しても中国がまだ認めてないとのこと。裏でTHAADで踏み絵を迫っていると睨みます。配備を止めなければAIIBには入れてやらないよという事でしょう。これで韓国が配備を止め、韓国産MD配備でお茶を濁すと米国は怒るでしょう。在韓米軍は撤退、北の侵攻は中国が抑え、朝鮮半島の属国が進むか?ロシアがそうなると手を拱いているかどうか?古田氏の言う通り「北も南も反中運動」をするようになれば面白いです。彼らの特徴はヤクザのしつこさですから。反日以上のエネルギーをかけてやってほしいです。でも彼らにそんな根性があるかどうか。日米とも優しいが中国にはありませんから。

記事

日韓関係は冷却したまま。中国ともあつれきが絶えず、北朝鮮とは緊張関係が続いている。東アジア3カ国とどう付き合うべきか。左翼・リベラル派の政治家、マスコミ、研究者はもとより、保守派の政治家、外交官、ジャーナリストでも大方は友好関係維持が基本的な考え方だ。極力、対話を続け、譲るところは譲ることが日本の長期的な平和と安全につながる、という意見が多い。

 だが、長年、朝鮮半島の歴史や政治を研究してきた筑波大学大学院教授の古田博司氏は「韓国に対しては『助けない、教えない、関わらない』を『非韓三原則』にして日本への甘えを断ち切ることが肝要」と説く。

 助けても教えても恩を仇で返すのが彼の国の性格で、関わらないのが日本のためになるという。中国、北朝鮮に対してもほぼ同様に接するのが賢明だと主張する。

 「『それでは日本はアジアで孤立する』などと恐れることはない。日本は多くのアジア諸国から支持されている。孤立しているのは東洋的専制国家の東アジア3カ国の方だ。ただ、韓国と手を切る戦略について日本の最大の同盟国である米国を納得させることが肝要だ」

 こう主張する古田教授に、韓国を中心に東アジア3カ国との付き合い方を聞いた。

なぜ「非韓三原則」なのか

古田博司(ふるた・ひろし)氏 筑波大学大学院教授。1953年横浜生まれ。慶応大卒、1980年から6年間、韓国の延世大、漢陽大で日本語講師。帰国後、下関市立大専任講師、筑波大学助教授を経て2000年に筑波大学教授就任。著書に「東アジアの思想風景」(サントリー学芸賞受賞)、「東アジア・イデオロギーを超えて」(読売・吉野作造賞受賞)、「東アジア『反日』トライアングル」、「醜いが、目をそらすな、隣国・韓国!」など。

井本 「非韓三原則」を説く理由からお聞きします。

古田 助けてもロクなことがないから。教えても感謝せず、むしろ「ちゃんと教えない」などと難癖をつけてさらに要求してくる。

 日本は幕末から明治維新にかけて初めて西洋に出会った、とよく言われますが、実は当時、東洋にも初めて出会ったのです。

 何も知らないのに、自分も東洋人だから、東洋のことはよく知っていると思い込んでいた。それが間違いのもとだった。

 明治期の朝鮮は驚くほど遅れた貧しい国家で、針一本作れない。木を丸くする技術もないので樽もクルマの車輪も作れない。染料がないので、衣服はすべて白衣でした。近世でも中世でもなく、古代に近かった。

清国(中国)は大国ではあったが、古代王朝の世界に沈潜していた。ウソ、ごまかし、裏切り、汚職が横行する。それが東洋であり、実は日本は東洋ではなかった。それなのに、東アジアの現実を何も知らず、「日本は東洋の国々と連携して西洋列強に対抗しなければならない」と考えるアジア主義が広がっていました。それは今でも続いていますが。

 戦後は、戦前に中韓に迷惑をかけたという贖罪意識もあって友好第一ということになった。でも、援助しても教えても、反日運動は強まるばかり。プライドが高く、日本を見下しているからです。だから関わらないことが日本にとって一番なんです。

井本 では戦前、韓国を併合したのも間違っていた?

古田 いや、当時は帝国主義の時代でロシアの南下を防ぐために、朝鮮を確保せざるを得ませんでした。朝鮮半島をロシアに取られたら、日本列島まで攻め込まれる危険が大きかった。

井本 日露戦争に勝利した後、韓国を併合せずに独立させていれば韓国は日本に感謝し、その後良好な関係が続いたはずだ、という見方もありますが。

古田 それは当時の朝鮮の経済、社会状態を知らない人の意見です。古代のような貧しい朝鮮は清国の属国として全面依存しており、とても独立できるだけの経済・社会基盤はなかった。朝鮮の国庫は空だったのです。

 で、日本は対ロ防衛のために朝鮮を近代化させる必要があった。莫大な投資をして教育水準を高め、民生を向上させねばならなかった。その負担が大きすぎ、日本の朝鮮経営は大赤字が続きました。

日韓通貨スワップ協定も平昌オリンピック支援も必要なし

井本 後知恵ですが、それならロシアとは戦わず、朝鮮併合もせず、日本海側の防備だけを固めておくという政策もあったのではないか。ロシアに朝鮮を支配されたとしても、ロシアは朝鮮経営に足を取られて疲弊し、日本に攻め込む余力はなかったかもしれません。

古田 当時は帝国主義の時代ですよ。ロシアには奴隷制の歴史もあり、囚人をシベリア送りにする国でした。面倒なことになるなら、朝鮮人を農奴にするだけのことです。朝鮮民族を全滅させる方法を取ることもできた。インカ帝国などはそうして滅びたではないですか。民族の征服、滅亡があちこちで起こっていた時代です。

井本 なるほど。話を元に戻すと、2月に金融危機の際に外貨を融通し合う日韓通貨スワップ協定が終了しましたが、韓国の金融事情には不安があり、イザというときは韓国が協定復活を頼みこんでくる可能性があります。これも助けない方がいいと・・・。

古田 韓国は日本の金融支援に対し感謝しないどころか、韓国の金融危機は日本に原因があったような言い方をする。恩を仇で返し、同情すると、すぐにたかってくる国です。関わらないに越したことはない。

 韓国が通貨協定終了で強気なのは、イザとなれば中国に助けてもらえると考えているからでしょう。中国も今はその構えですが、でも、そうなれば中国が韓国にたかられ、韓国は中国に首根っこを締め上げられる関係になります。だから、こちらは傍観していればいいんです。

井本 2018年冬の平昌(ピョンチャン)オリンピックも経済面、運営面で準備不足と言われ、日本の支援を求めてくるとも予想されています。

古田 助けてはなりません。支援してもオリンピックが円滑に運ばないと、日本のせいにされるのが落ちで、少しも日本のプラスになりません。2002年のサッカー・ワールドカップの日韓共催でも、いろいろ苦い思いをさせられたではありませんか。

井本 慰安婦問題で朴槿恵(パク・クネ)大統領は「日本が誠意を見せなければ首脳会談はできない」と言い続けていますが。

古田 これこそ日本は日韓基本条約で解決した問題だとする従来の毅然とした態度を貫くべきです。どんなに譲歩しても必ず、まだ誠意が足りないと言ってきます。今の韓国は反日が国是で、日本に謝罪を続けさせることが、自らの政権維持につながるからです。

韓国の中国接近は必然

井本 古田さんは雑誌「WiLL」2月号で元外交官でキヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦氏と対談しました。宮家氏は「(韓国が日米韓の枠組みを離れ)中国に寄り過ぎないように牽制する必要がある・・・そのためには(日本は)韓国と付き合っていかなければならない」と強調しています。これに対し、古田さんは「無駄でしょうね」と応じています。

古田 韓国は中国との貿易が最大となり、経済的に弱体化していることもあって中国への経済依存がどんどん強くなっています。地政学的、歴史的な経緯もあって中国にすり寄らざるを得ない状況です。

中韓首脳会談、朴大統領「北朝鮮の非核化で合意」

 また、韓国は民主的な政治体制が崩れ、強権政治になりつつある。独裁体制の北朝鮮と似てきています。

 朴大統領の任期は2018年2月まで。急速に人気が衰えていることから、それ以前に大統領の座を追われる可能性もあるが、いずれしろ、今の情勢では次期大統領は最大野党である新政治民主連合になるでしょう。

 こちらの方が、文在寅(ムン・ジェイン)代表や、朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長など、人材がそろっています。

 2人とも確信犯的な親北朝鮮派です。すると、金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)時代のように北朝鮮に資金援助するようになり、両国はもっと近づいていくでしょう。これに、中国も加わって3国連合になっていく可能性が高い。だから、日本がいくら韓国に接近しようとしても無駄な努力に終わると見ているのです。

井本 北朝鮮が金正日(キム・ジョンイル)氏の元側近で中国と近しかった張成沢(チャン・ソンテク)氏を処刑して以来、中国と北朝鮮の関係は冷却化していますが。

古田 中国は重油の対北朝鮮輸出を止めていますが、石油精製品の輸出は増やしている。そういう馴れ合いがあるんですよ(笑い)。関係が悪化しても中国が北朝鮮を経済的な支配下に置く関係は変わってません。

井本 南北朝鮮が一緒になり、中国が両国を支配するようになったら、強大な専制国家が誕生し、日本の平和と安全保障が危うくなるという見方についてはどうですか。

古田 それほど心配する必要はありません。まず北主導の南北統一はあり得ない。韓国は北朝鮮に従属するなんて関係を認めません。

井本 でも、次期大統領の有力候補は親北派で、韓国民の多くも北朝鮮になびいているのでしょう。

古田 それは1990年代以降、北朝鮮の韓国への思想工作が奏功したこともあって「北朝鮮は抗日戦争の結果、誕生した。歴史的正当性を持っている」と多くの韓国民に思われているからです。戦ったと言っても日本の討伐隊に追われて極東ソ連領に逃げ込むような状況でしたが、戦ったことは間違いない。

 一方の韓国は米軍に解放されたのであって、自ら独立を勝ち取ったわけではない。だから対北朝鮮コンプレックスがある。「北の方が立派なんじゃないか」と。

 しかし、経済も軍事も韓国の方が格段に優位。韓国民は自分たちの方が上だというプライドも強い。だから、韓国が北朝鮮に支配される形の南北統一はあり得ません。

井本 北朝鮮は核兵器やミサイルを持っていますが、朝鮮半島が日本にとって危険な国家に統一されることはないと?

古田 北が核兵器やミサイルを保有していると言っても、それだけのこと。米国と軍事同盟を結んでいる日本に攻め込むなどということは考えられませんね。

中国による朝鮮半島支配は恐るるに足らず

井本 でも、中国が朝鮮半島を飲み込む形で支配すれば、日本への脅威が増すのではないですか。

古田 中国は経済的、政治的に朝鮮半島を支配下に置いておけばいいんです。領土として欲しいわけではない。また、朝鮮が政治的に南北統一されるのはいいけれども、DMZ(38度線・非武装中立地帯)がなくなるのは困るのです。

 朝鮮半島は北東側に険しい山脈がありますが、西側はほとんど平坦な土地で、いわば「廊下」です。中国の遼東半島から平壌(ピョンヤン)、ソウルを通り半島南西部の海岸まで抜ける廊下。だから、朝鮮戦争では一度韓国軍が半島南部まで一気に追い詰められたものの、南から米軍が上陸し「廊下」を伝わって、これまた一気に押し戻した。これに中国があわてて、参戦してきた。

地政学的に言って、朝鮮半島は中国の弱点なのです。歴史的にも北からモンゴルなどに攻め込まれています。弱点を補強するにはDMZを保持し、廊下に壁を作る必要がある。だから、中国は南北統一があっても38度線が残るように、1国2制度のような形を支持する可能性が高い。

 連邦形式にして北、南双方の自治権を残す。この仕組みは北朝鮮、韓国双方にとっても都合がいい。結果として韓国が緩衝地帯となるので、米国にとっても悪くない。だから、中国は「中国優位のもとで南北連合はするけど、1国2制度にして38度線は置いておくという線でどうか」と、米国と交渉するかもしれない。

井本 それは日本にとってもいい?

古田 そうです。第一、中国主導の朝鮮統一が実現したとしても、強大な統一国家にはなり得ません。一緒になったら、朝鮮半島では必ず南北双方で仲違いを起こすとともに、両者で別々に反中国運動が起こります。

 歴史的に朝鮮は中国に従属し、様々な経済援助を受けながらも、いろいろと文句をつけ、難題を吹っかけ、もっと援助を寄越せと注文するなど、ゴタゴタが絶えなかった。中国、北朝鮮、韓国の三つ巴の内部争いが続き、疲弊し、日本に脅威を与える余力などほとんどでてきませんね。

 だから、3国連合を不安視することはない。ほっておけばいいのです。韓国が中国側に行くように積極的に仕向けて一緒にし、その後のゴタゴタで双方を疲れさせるようにするぐらいでちょうどいい。

米国を説得する方法

井本 米国は東アジアの緊張が高まるのを懸念し、「韓国と仲良くしろ。慰安婦問題なども譲歩せよ」と日本に圧力をかけてきています。

古田 日本政府は韓国の問題点を具体的に米国に説明すべきです。

 第1に、韓国は日本の領土(竹島)を奪い、日本を仮想敵国として軍事演習を行っている。第2に、韓国は日本の元首(天皇)を侮辱し、邪悪な対日敵対宣伝行為を全世界的に繰り広げている。

 第3に、日韓基本条約など国際的な基本条約、協定を反古にする韓国の司法に政府が加担し、三権分立を悪用するのみならず、反日の過去訴求法を実施し、自由民主主義に反する国民弾圧を行っている。

 その上でマーク・リッパート駐韓米国大使がソウルで暴徒に襲われ、大けがをした例を示しながら「韓国は法治国家でなく、日米と共通の価値観もない。助けるは必要ない」とはっきり言えばいいんです。米国も最近は自分勝手で一方的に甘えてくる韓国に嫌気が差してきている。軍事予算を削減する必要もあって、駐留韓国軍は早く撤退させたいとも考えています。

 ただ、中韓が結束したら困るとも思っている。だから、「結束してもすぐに仲違いを始めるから心配する必要はない、歴史的にそうだった」と、米国を説得すればいいんです。

井本 先ごろ、外務省はホームページで韓国に関する記述のうち「我が国と自由と民主主義、市場経済等の基本的価値観を共有する」という項を削除しました。

古田 あれは産経新聞の前ソウル支局長を起訴して出国禁止にするなど、およそ民主国家にあるまじき行動があったことなどが原因です。もっとも、あの削除程度では韓国は動じないでしょう。

 ただ、安倍晋三首相が昨年7月に「朝鮮半島有事の際、日本の基地にいる米軍を出動させるには日本の了解が必要」とした発言は、かなり韓国に利いたと思う。韓国はこれまでどんなに日本にひどい態度をとっても、必ず最後は助けにくると、日本に甘えてきた。米国の要求もあり、日本は韓国を助けざるを得ないはずだと。

 安倍首相はこれに対し「常に助けるわけではない、韓国次第だ」と暗黙に歯止めをかけたことになる。適切な発言ですね。

安倍首相の戦後70年談話も米国重視が基本

井本 安倍首相と言えば、夏に発表する戦後70年談話にも、戦争の反省などについて海外の注文がついています。

古田 中韓は何を言っても文句をつけてきます。だから、無視すればいい。問題はやはり米国で、米国が納得する形での談話にする必要があります。基本は日米同盟です。

 今、軍事的にも危ないのは尖閣諸島ですね。あそこは石油ルートの要だし、中国海軍が西太平洋に出るための要衝で、中国が支配しようと狙っている。でも、日米同盟が万全ならば恐れることはない。このため、安倍政権が集団的自衛権の行使容認に踏み切ったことは適切でした。

井本 貿易など中韓との経済的な関係はどうするのですか。

古田 今まで通り、続ければいい。ただし、過去に迷惑をかけたからなどと変な贖罪意識を持って、こちらが損するような技術・金融支援は一切、行わないこと。つけ込まれて要求水準を高めてきますから。双方が納得いくギブ&テイクの取引を淡々と進めることが肝心です。

 

黄文雄・石平著『日本に敗れ世界から排除される中国』について

平松茂雄氏は「尖閣は石油のためでなく、軍事基地を造るため」と言っていたのを思い出しました。東シナ海だけでなく、南シナ海にも軍事基地を造り、核を装備した潜水艦を配置するという事は、尖閣を中国が取ったらそこに同じように核装備した潜水艦を置くつもりでしょう。日本も核の抑止力を持たないとダメでしょう。

中国は人口の力で世界を支配しようとしているのはよく分かります。長野朗の『支那30年』に「アメリカは$の力、ロシアは軍事の力、中国は人の力」で他国に浸透していくと言ったのがあったと思います。人口増大こそが環境問題のキーです。人口が増えれば増えるほど環境に優しくなくなると言われているのに、余分な人口(しかも犯罪者)を他国に押し出し、世界侵略を狙うのは、「流石悪の神髄を誇る中国人」の考えそうなことです。移民1000万人や特定アジア国からの外国人留学生の増加、語学学校や大学の新設も規制すべきです。

内容

P.53~55

黄:私が海上自衛隊関係者から聞いた話では、現在の中国海軍はまだしばらくの間、第 1列島線でも完全に突破するほどの能力は持てないだろうということでした。 となると、結局、日本の海域や南シナ海の弱い部分を突くしかない。

南シナ海で中国は石油掘削を行おうとしていますが、石油関係者の話では、あの辺りはいくら掘っても採算がとれないそうです。断層が多くて、掘ったらすぐに断層にぶつかるからだといいます。

なぜ採算がとれないのに、中国が南シナ海にあれほど力を入れるかというと、核報復能力を得るために、潜水艦による核ミサイルの海底発射のための海底基地をあそこに造るため、という説があります。

軍事専門家に聞いたところでは、中国 は現在、300発以上の核ミサイルを持っていますが、アメリカの空母ロナルド•レーガン1隻あれば10分間でこれらを消滅させることが可能だということです。

そうなると、中国がアメリカに対して核報復能力を持つためには、南シナ海の南方に海底基地を造り、そこから核ミサイルを発射するしかない、ということらしいのです

そのような戦略のもと、まだしばらくのあいだ第1列島線の突破力がない中国は、いちばん弱いところである日本海域と南シナ海への挑戦を繰り返しているということなのでしょう。まず漁船で試して、相手の反応を見ている。小笠原諸島の周辺海域も、第2列島線のウイークポイントとして考えて、試しているのだと思います。

石:彼らも小笠原で試してみて、日本側が全然対応できていないということがわかったでしようね。なにしろ海上呆安庁は、ほとんど中国船を拿捕することができませんでした。あれほど大量の船団だと、海上保安庁の保有する船では数が足りなくて、対応できないそういうことも、中国側は把握したと思いますよ。

P.66~69

黄:たしかに周永康を失脚させた後は、いよいよ習近平はさらに上のキ—マンである曽慶紅を狙うと見られていました。

しかし、まだ曽慶紅までには手が及んでいません。それだけ江沢民派はまだ力が残っているのか、その点についてはどうですか。

石:周永康の次に習近平が失脚を目論んでいた人物として名前が挙がっていたのは、曽慶紅と、同じく江沢民派の重鎮・賈慶林でした。しかし、本命は曽慶紅でしょう。曽慶紅こそ、江沢民派の黒幕であり、もっとも重要な中心人物でしたから。 曽慶紅は江沢民政権時代に党中央組織部長を長く務めており、要するに現在の共産党幹部のほとんどを彼が選別して抜擢したのです。習近平もその1人であったわけです。

それだけに、党中央委員から引退したものの、現在の共産党幹部に対する影響力もまだまだ大きい。だから習近平が本当の権力を握るためにも、周永康の上にいる曽慶紅の追い落としが必要だった。

しかし、これは見事に失敗に終わりました。というのも、それを示す兆候が2つあったのです。

中国では10月1日は建国記念日である「国慶節」です。2014年9月29日、習近平は国慶節を祝う観劇会を主催しました。ここに客を招いて歌劇を鑑賞するわけです。

ところがここになんと江沢民も曽慶紅も招かれ、習近平と並んで観劇したのです。これが1つ目の兆候。

さらに翌30日には、近年にない、恐らく今後も見ることのできない非常に印象的な光景が繰り広げられました。

30日の夜、北京人民大会堂で国慶節前夜祭が開催されましたが、会場の真ん中に大きな円卓が置かれました。そしてそこに座ったのは、習近平を中心としてその左隣には江沢民、右には胡錦濤。さらに:現在の政治局常務委員の7人と胡錦濤政権時代、江沢民政権時代の政治局常務委員たちがずらりと並びました。当然、そこには曽慶紅も賈慶林も含まれています。

彼らがみな同じ円卓に座ったのです。これは暴力団が内部抗争の終わった後に行う手打ち式そっくりです。胡錦濤と江沢民というかつての大親分が出て来て、昔の幹部たちもみんな一堂に会して、現在の親分と杯を交わして手打ちをする。

この席に座ることができなかった唯一の人物が、周永康です。つまり習近平のやりたい放題の粛清は周永康で終わり、それ以上は昔の親分たちも許さない、ということを示した場面なのです。

この光景を見て、習近平による腐敗摘発運動での政敵滑し、権力強化が失敗に終わったと感じました。

しかも四中全会で法治徹底が謳われ、党中央規律検査委員会のやりたい放題にも歯止めが掛けられてしまった。

こうして習近平が掲げた最大の看板である腐敗撲滅運動が、中途半端のまま終わったということなのです。

P.76~77

石:要するに、胡錦濤は退陣直前に次の指導部体制の軍部人事を決めたわけですが、どう考えてもこれはおかしい。本来ならば、次期政権の軍部の人事は、次の総書記に委ねられるべきでしょう。

つまり.胡錦濤は習近平に軍の人事を触らせたくなかった。あるいは軍を自分の人脈で固めたということです。

じつは2014年10月の四中全会では習近平が軍の上層部の人事に手をつけるという噂があったのですが、結局それは流れてしまいました。習近平が総書記に就任してから2年経過した時点で、軍上層部の人事は一切行えていないのです。

ということは、現在の軍上層部は胡錦濤が握っているということなのです。近年、自衛隊へのレーダー照射や米軍機への異常接近といった中国軍の挑発行為が増えていますが、どう考えても習近平が指示したとは思えない案件が多いのです。その背景には、軍を胡錦濤が握っていることがあると思います。

黄:習近平の汚職追放運動に不安を覚えている幹部が嫌がらせのために指示しているという話もありますね。

2014年5月に南シナ海で中国漁船や監視船がベトナムやフィリピンの漁船と衝突したり、油田掘削を勝手に始めたりして、中国とベトナム・フィリピンの関係が悪化しましたが、 これは石油利権を握っていた周永康のグループが起こしたという説が有力です。周永康の汚職摘発を牽制する目的ですね。

そして周永康の失脚が確定した7月末の数日前に、中国側は南シナ海の掘削を撒収させています。周永康一派の負けが確定したため、撤収させたということです。 中国の動きを見るときには、そうした背後の権力闘争を読むことは非常に重要ですね。 先述のとおり、胡錦濤は10年間の政権時代に江沢民派に邪魔をされて、ほとんど何もできませんでした。経済にしても、江沢民時代の高度経済成長のような華々しさはなかった。 それで国内では「失われた10年」などとも言われています。

やはり胡錦濤は悔しかったと思うんですね。その怨念がいま、江沢民派にも向けられているわけですが、それが終われば今度は習近平に向かいかねない。

P.82~83

黄:習近平の汚職追放にはそうした潔さが見えない。というか、誰もが自らの権力強化のためだといラことを知っている。

だから習近平の周辺はいずれ敵だらけになり、孤立することになる。

石:胡錦濤にとって、まさにそれこそ望むところです。習近平が敵をつくればつくるほど、共青団派の天下が近づく。退任前の軍部人事にしても、5年後の党大会を見通した布石、深謀遠慮だったともいえます。

そしてその習近平包囲網はますます狭まっているように思えます。

たとえば2014年9月に習近平がインドを訪問した際、中国国内では人民日報が1面 から3面までを関連記事で埋め尽くすほど、その外交の重要性を論じていました。

ところが、フランスのAFP通信が9月18日に報じたところによると、習主席がインド入りした当日の17日、中国との国境に接するインド北西部ラダック地方で、約1000人の中国軍部隊がインド側(に越境してきて、数日間、中国軍とインド軍とのにらみ合いが続いたというのです。

中国軍の行動は当然ながら、インド側の怒りと強い不信感を買いました。18日に行われた習主席との共同記者会見で、インドのモディ首相が厳しい表情で「国境地域で起きていることに懸念を表明する」とメモを読み上げたとき、習氏の表情は非常に硬くなっていました。

重要な外交日程に合わせて、しかも自分の顔に泥を塗るような指示を習近平がするはずがありません。これは先述の、習近平が軍部を掌握していないことを証明する事案であるとともに、習近 平への包囲網が狭まってきたことの証でもあるでしょう。軍を握っている胡錦濤一派がわざと習近平の面子を潰して、「軍を握っているのは俺たちだぞ」ということを習近平に自覚させる。

こうして、次の党大会に向けて、ますます習近平への嫌がらせが増えていくのではないかと思います。

もっとも、習近平がそれを黙って容認するとも思えないので、次の党大会までの間に反撃が始まる可能性もありますが。

P.144~146

黄:さきほど蔣介石が持ち逃げした紫禁城の文物の話が出ましたが、あれは実は日本軍がいなければ、蔣介石の手には渡らなかったのです。

なぜかというと、1900年の北清事変(義和団の乱に乗じて西大后が万国に宣戦布告。北京の各国公使館が襲われたが、列強が8カ国連合軍を派遣して北京を陥落させた)のときドイツ軍が山の上から紫禁城を砲撃する予定だったのです。それを日本側が説得してやめさせ、日本軍が西の城門を占拠したのです。

連合軍が紫禁城を占領したとき、他国の国々は略奪行為を行いましたが、日本は確保した紫禁城の財物を後にすべて清朝政府に渡しました。

その後の中華民国時代、日中戦争が勃発すると日本軍が華北地方に軍を派遣したため、これを蔣介石は南京へ移送しました。

さらに日本軍の南京攻略の際には、6000個以上の箱を重慶に運ぶ予定でしたが、一部の2000箱くらいしか運べず、約4000箱が南京に残されました。よく知られているように、蔣介石、宋美齢夫妻は「南京を死守する」と宣言して部下たちを安心させると夫妻がまっさきに南京から脱走、何応欽司令官も唐生智将軍も同様に部下を残して競って脱出するという体たらくでした。

それで日本軍が南京を占領した後で、中身を検査したうえで憲兵によって24時間体制で中国人による窃盗から保護したのです。

そして日本の敗戦後、日本軍は中に何が入っているか明細表をつけて、国民党軍に渡したのです。日本軍は指一本も触れていない。だから現在、台湾の故宮博物院に残されている財宝は、すべて日本軍が保護したものなのです。

故宮博物院の文物のみならず、古代中国の国宝級文物や散逸した古典も、日本は保存に努めました(詳しくは拙著『近代中国を つくった日本j〈光文社〉参照)。

石:まさにそういう意味では、中国文化の一番の保護者は、日本人だったということですね。日本人は中国人の泥棒から、中国のために中国の宝物を守り通したという。

しかし、中国人は自らの文化を食い潰して売りさばくだけ。現在の中国にも通じる、非常に象徴的な事例ですね。

P.174~178

黄:文革直後の話ですが、文革による混乱で当時は400万トンの食糧が不足していました。だから中国政府は1人1ロを減らすという減食運動を推進しました。 ところがアメリカの農務省は2013年の中国の食糧輪入量を2200万トンと推計しています。およそ5倍以上に膨らんだわけです。これはオーストラリアの年間小麦生産量に匹敵する量です。

2013年の世界の豚肉消費量は1億700万トンでしたが、中国だけでこの半分を消費しています。このため大豆など家畜飼料の輸入も急増しています。 そうした弱みから、中国はシーレーンの確保に必死になっており、それが領海紛争の一因ともなっています。

中国の伝統的な考え方からすれば、戦争で勝てば相手のすべてのものが自分のものになるという意識です。勝者は敗者を皆殺しにして略奪できる。だから中国史のなかで、戦争の勝利者は必ず略奪や虐殺、強姦をするし、兵士にもそれを推奨します。

戦闘に勝利しても略奪や強姦をしなかったのは、日本軍ぐらいでしょう。しかし中国人にとってはこれが信じられない。だから「日本の侵略」を糾弾するときには「虐殺、略奪、強姦」がセットになるわけです。自分たちが常にやってきたことですから。

それはともかく、最終的には中国は戦争で勝って相手から資源を略奪すればいいと考えている。

石:それが中国がよく持ち出す「生存空間論」ですね。要するに、15億の人民のための 生存空間がなければならない。だから南シナ海を含めて、他国の領土に侵食して、「われわれにとって絶対に欠かせない生存空間だ」と主張する。

このままではいずれ中国および中華民族は滅びるしかない。そうした危機的状況にあって、最終的には「いっそ戦争に打って出るべきだ」という議論が起きるわけです。

黄:「生存空間」というのは、もともとはヒトラーが抱いた概念(レーベンスラウム=生存圏)でしたが、こうした考えが改革開放以後の中国では噴出してきたわけです。

毛沢東時氏にも同様の考えはありました。たとえば毛沢東はべトナムの党指導者に、「タイと四川省は同じくらいの面積なのに、四川の人口は億を超えタイの倍もある。この不公平を是正するには中国軍がタイを解放して四川から移民させるべきだ」と語ったことがあります。

現在の中国は海洋進出に躍起になっていますが、同じ屁理屈を用いています。中国の一人あたりの平均海洋面積は日本やフィリピンに比べると、10分の1しかない、だからこの世は不公平だと。この不公平を是正するために中国は海洋進出しなければならない、少くとも300万平方キロの経済水域と大陸棚を擁するべきだと強引な主張を繰り広げているのです。

しかも「海に出なければ21世紀の中国はない」「公平な世界を必ずつくる」とまで公言し、「平等」に代わる「公平」という中国的価値を全人類に共有させると息巻いています

石:そのように、あくまで独善的な主張を繰り返すのが中国です。その理屈が通るなら、海に面しない内陸国にも領海を与えなくてはならない。

ですから、今後の対外関係において、中国が歩むであろう道には2つあると思います。ひとつは軍事強国化して世界を支配しようとする道、もうひとつは実質的に国が崩壊状態になり個人が難民として拡散し、そのような形で世界を占領する。

いずれのケースでも、漢民族が地球を危機に陥れるでしょう。

黄:なるほど。では、中国国内は実際にどのように変化していくでしょうか。 前の章で、2013年に海外へ脱出した中国人が900万人だったという話をしましたが、現在の海外脱出組は金持ちのほうが多い。極貧の農民は海外どころか国内旅行すらできないでしょうから。

しかし、今後ますます金持ちが資産とともに海外に出てしまうと、中国には貧困層しか残らなくなってしまいます。いままでの過剰投資が過剰投資を呼ぶ循環は不可能になりますから、経済構造は大幅に変わらざるをえない。

だからヒラリー.クリントンは2012年にハーバード大学で講演した際、「中国は20 年後に最貧国に転落する」と演説したと言われています。

20年後といえば、2030年代の初めから半ばにかけてですが、石平さんは、いつごろ中国が最貧国に転落すると思いますか。

中国は2049年に建国100周年を迎えますが、あと35年後のことです。建国100周年を迎えるのは難しいかもしれませんね。

石:時期はよくわかりませんが、間もなく経済そのものが破綻するし、生み出された富はどんどん海外流出するわけだから、それほど時間はかからないでしよう。

私は2049年にまだ中華人民共和国という国、少なくとも現在のような中国が存在しているとは思えないのですよ。

もう1つの可能性は、要するに毛沢東時代に戻ったような中国ですね。毛沢東のような極端な独裁者が、十数億の極貧な国民を束ねていくというそんな中国のイメージです。

P.186

石:第4章で、アフリカには中国から刑務所に入りきらなかった囚人が送られているという話がありましたが、これから中国は刑事犯の輪出大国になるといラことでもありますね。

実際、来日中国人の刑法犯は、外国人犯罪者のなかでもダントツ1位です。2013年 の来日外国人による犯罪は1万5419件、9884人でしたが、そのうち中国人が58 76件、4047人で、ともに全体の約4割を占めています。

しかも年々、巧妙化、凶悪化している。

日本のバ力な政治家が1000万人の移民を受け入れるなどというと、中国は喜んで1000万人の犯罪者を日本に送り込みますよ。

 

2014年12/23『「南京大虐殺は自分たちがやった」と告白した国民党少尉』記事について

昨年の記事ですが、最近Facebookから取った記事です。慰安婦の捏造もそうですが、南京虐殺も捏造です。二十万しかいなかった南京市民をどうして三十万人も殺すことができたのか。証拠は何もありません。下の写真はとても虐殺があったとは思えない様子で、本文にあるように人民を虫けらのように平気で殺す国民党(共産党でも一緒ですが)のデッチ上げです。陳舜臣が日経の「私の履歴書」に書いたように、迫る日本軍を足止めするので蒋介石の命令で、黄河の堤防を花園口という所で切って水浸しにし、百万人も中国人を殺したそうです。(Wiki 「黄河決壊事件」こちらに日本軍が中国人を救出している写真があります)

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BB%84%E6%B2%B3%E6%B1%BA%E5%A3%8A%E4%BA%8B%E4%BB%B6

 それも日本軍のしたことのように中国では教えられていると思います。中国人も自分の頭で考えれば気づくでしょうが、何せ「騙す人が賢い」社会ですから。最も悪いのは戦後の日本人です。戦勝国にオベッカを使い、キチンと反論してこなかったツケが回っています。国民一人ひとりが戦勝国の論理の欺瞞とマスメデイアの刷り込みから解放されないと。

記事

Nanking

 

 

 

 

 

 

 

 

以下は、「月刊中国」主幹、鳴霞氏による貴重な証言。

2012年1月27日に、開国少将というベンネームの作者が、「外祖父が自分の日で見た南京大虐殺」という歴史評論をネット(http://www.kdnet.net)に書き込んだ。

すぐに記事は削除されたのか、現在は閲覧することができない。

その記事は、次のような内容だったという。

「私は小さい頃に、外祖父が抗日戦場から何故逃げ出したのか分からなかった。逃げたことは秘密で、外祖父が死去する前年に、よく雑談の中で何時間も話すようになっていた。外祖父は、妻が早く死去したということだったが、それが逃げた理由ではないだろう。私はある日、やっと外祖父から真相を聞き出した。

彼は四川省の貧農の出身で、小さい頃から武術で鍛えていた。

1928年に四川で国民党に捕らえられて兵士にさせられ、 1937年の南京大虐殺前夜に少尉にさせられて、日本軍の猛烈な攻撃を、首都を守れ・国父を守れというスローガンで防衛するよう命じられた。しかし日本軍の進政を食い止めることなど出来ないので、南京城から撤退した。

部隊は列車を何両か手配して、軍用の荷物と食料を積み込んだ。その時に周囲から、一般の民衆が老人や子供の手を引きながら列車に乗り込んできた。

大勢が列車の屋根にも乗っていた。日本軍は、すぐ近くまで迫っている。このままでは、国民党の兵士たちは逃げることが出来ない。誰かが、日本軍が来たぞと叫び、国民党指揮官は列車に乗り込んだ民衆に列車から降りろと怒鳴った。

誰も従わないので、指揮官は民衆を銃殺しろと命令を出した。兵士たちは民衆を銃殺することなど出来ないので、互いに顔を見合わせていた。指揮官は兵士たちに、もうすぐ日本軍が来るのだから、民衆は日本軍に銃殺されたことにしたら良いのだと言って、一斉射撃を命じた。あたりは血の海となり、兵士の足首まで血が溜まったと言う。ここで約1千人の南京市民は、国民党の兵士たちから銃弾を浴びて死んで行った。

国民党の部隊が必死で逃げた後には死体の山が血の海の中に残され、それは日本軍の残虐行為として転嫁された。外祖父は、こんな部隊に残りたくないので、撤退途中に九江で夜陰に紛れて脱走し、長江を渡り武漢で列車を乗り換え、南の小さな山村に逃げ込んだ。

外祖父の記憶では、他の部隊も同様のことをしてきたという。全ての国民党による民衆大虐殺は、日本軍の残虐行為として転嫁されたのである。外祖父は貧農の出身だが、国民党が貧乏人を虫けらのように扱うことに抵抗があったという。

外祖父は、国民党の軍隊に残っていれば、出世したかもしれない。また抗日戦争で戦死していれば、抗日戦闘英雄烈士との美名で呼ばれたかもしれない。しかし、逃亡する道を選んだ。そして裏切り者という悪名で呼ばれて、経歴を隠し通して逃げ回った。その過去の真実を、外祖父は死ぬ前になって初めて語ったのである。

南京大虐殺は自分自身が犯した罪である。外祖父は恥ずかしくてたまらなかっただろう。

私は反日・反米の青年であり、ネットによく論評を発表していた。

だが、そんな単純な反日・反米の青年たちは利用されているだけなのだ。天国にいる外祖父よ、私を許して下さい」。

 

 

 

 

4/1日経ビジネスオンライン 福島香織『中国主導のアジアインフラ投資銀行の行方 米国とも中国とも対等であるための方策を』記事について

昨日に続きAIIBについての話です。日経でも乗り遅れのイメージを振りまいている気がします。暴力団が運営する国家に丁半博打に参加せよと迫られても普通の感覚を持っていたら参加しないでしょう。日経は中国進出を煽った罪があるのにまた同じように政府に出資させようと誘導している気がします。福島女史も中国で勤務していたので如何に中国は人権抑圧、騙す人間が多いかを皮膚感覚で分かっていると思います。産経以外の記者は伊藤正さん(共同→産経へ移籍)を除いて骨がなく、中国を批判してVISA取消にあうと中国語を活かす場所がなくなり出世に響くと言う理由で見たことも書かずにいます。勿論日中記者交換協定の縛りもありますが。でも福島女史のように産経を辞めてフリーになれば良いのにと思います。他人への批判は声を大にしてしますが、自分に優しく、自分が生きる術として「長いものに巻かれる」卑怯な輩が多いという事です。

AIIBは陳志武氏の言うように中国経済の債務リスクが大きいと思います。それでも50ケ国ほど参加表明した国は何を調べているのでしょうね。借金で何でも造れるなら皆そうするでしょう。返す気がない人たちだから督促しても後は知らん振りするのは必定です。それといざとなると軍事力行使を仄めかすでしょう。暴力団の真骨頂です。

米国の衰退ぶりが世界に知られるようになりました。選んだのはアメリカ国民です。オバマを操って、アメリカを弱体化し、世界に戦乱を導き、戦争で儲けようと考えている人がいるのかもしれません。日本は国民全体がもっと危機感を持つ必要があります。

記事

中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)にしてもシルクロード基金にしても、すでに中国経済の専門家を含むエコノミストの方々が、その本質をいろいろと議論されている。だがAIIBについては日本が参加しないことを、さも判断ミスであるように批判する報道も多かった。確かに、日本企業がアジアインフラ建設におけるチャンスを逃すことになるのでは、という懸念もあるのだろうが、こればかりは、博打と同じで、大儲けになるか大損をこくかは、賽の目を見なければ分かるまい。

 私は胴元が胴元なので、日本は慎重姿勢を維持してよかったのだと思っている。GDPやPPP(購買力平価)に応じた出資を求められるとしたら百数十億ドルくらいは拠出せねばならないわけだから、ちょっと運だめし、という気軽な気持ちの参加ではすまない。そもそも中国は日本が主導するアジア開発銀行(ADB)の最大融資先で今なお最大の融資残高を保有しているのだから、AIIBに参加せずともADBを通じて協力体制を築こうと思えば築ける。それよりもAIIBやシルクロード基金や、その先にある「一帯一路」政策が狙う地政学的意味をもう一度整理しておいた方がいいだろう。

バーバリアンハンドラーが英国の参加をつかむ

 今さら感はあるのだが、AIIBとシルクロード基金の概略について紹介しておく。

 AIIBは2013年10月2日のAPECの席上で、習近平国家主席が提唱。同月24日に中国、インド、シンガポールなど21カ国によって設立が決定された。これは本部が北京に置かれ、初代総裁も中国人で、中国が主導権を握る中国のための投資銀行で、米国が主導する世界銀行や日本が主導的役割を果たすADBに対抗し、既存の国際金融秩序に挑戦する試みだとされた。

 だが、この設立準備の臨時事務局長に選ばれた金立群は、元財政部次官、世界銀行副執行理事、元ADB副総裁、中国国際金融公司(CICC)などを歴任した中国一、二の金融エリートで、しかも柔和で洗練された容姿とは裏腹に、「バーバリアンハンドラー」の異名もある交渉上手。2015年3月12日には、国際金融センター・英国に米国の反対を押し切って参加を決めさせ、これを皮切りにフランス、ドイツ、イタリア、ルクセンブルク、スイス、オーストリア、トルコ、韓国、ブラジル、ロシア、オランダ、グルジア、デンマーク、オーストラリアなどが参加を表明、参加国は40カ国を超えるに至った。

 もちろん、日米にも参加が呼びかけられているが、この原稿執筆時点では、日本は参加に慎重な態度を崩していない。計画では中国の出資が500億ドル、他はGDPかPPPに応じた出資比率で資金を拠出し、およそ1000億ドル規模の法定資本金で2015年末から運用が開始される。本部は北京に設置され、初代総裁は金立群が就任する予定。本部に常駐理事は置かず、総裁と本部が融資先などの最終決定を任されるらしい。

 表向きの設立趣旨は、2020年までに需要が見込まれるアジアのインフラ投資額が毎年7300億ドル(ADB推計)にのぼり、既存の世銀やADBだけでは到底資金不足であるという背景を踏まえ、すでに世界第3位の対外投資国である中国の主導で世銀やADBを補完する形の投資銀行を設立し、アジアの発展と世界経済の活性化に寄与しよう、ということである。もっとも世銀やADBのように貧困救済といった人道的な理念は掲げておらず、はっきりと「中国の対外進出大戦略」の一環としての位置づけを公式に打ち出している。

 要するに、中国の過剰生産に陥っている基礎インフラ設備製造方面、つまり橋梁、トンネル、鉄道などのプロジェクト建設関連企業が国内で行き詰まっているので、各国の資金を借りて国際化を後押ししようという話である。国際金融機関なのだから、その融資を受けたプロジェクトは当然公平な国際入札が行われると誰もが思っているようだが、実際、中国で行われている競争入札が果たして本当にフェアであったかを考えれば推してはかるべしだろう。

シルクロード基金とセットで「一帯一路」推進

 これはAIIBに続いて設立されたシルクロード基金とセットで考えると分かりやすい。シルクロード基金は2014年11月8日にAIIBを補完する形で設立された基金で、中国は400億元を出資。アジア域内の投資者の積極参与が呼びかけられた。

 この基金の目的は、「一帯一路」沿線国の基礎インフラ、資源開発、産業協力に関するプロジェクトへの融資である。シルクロード基金責任有限公司はすでに登記され、会長には人民銀行総裁助理の金琦が就任している。これは設立時、外国から中国版マーシャルプランと呼ばれたが、人民銀行総裁の周小川はこれをプライベートエクイティファンドだと説明した。

 全人代でも博鰲フォーラムでも強く打ち出された中国の外交経済戦略構想「一帯一路」とは、北京から北西部を通りカザフスタン、ウズベキスタン、イラン、ギリシャ、トルコ経由でロシアやヨーロッパにまで繋がるシルクロード経済帯と、南シナ海からインド洋を抜けてケニア、アフリカ大陸に至る海洋ルートの現代版シルクロードをめぐる沿線国との経済共同体構想である。2013年9月、10月に習近平が中央アジアおよび東南アジアを訪問した際に提案した。

 目的は、国内の生産過剰、外為資産過剰をこの地域のインフラ建設に充てることで解消し、同時に資源輸送ルートの安全確保の意味が大きい。また沿海部に集中する工業・インフラ製造業が「外部の敵」に攻撃された場合も、内陸部に核心施設を移転しておけば安心、という発想もある。習近平のスローガンでもある「中国の夢」つまり「中華民族の偉大なる復興」を実現するための地政学的戦略構想であり、中央アジアからヨーロッパ、東南アジアからアフリカに至る一帯を中国の影響力下におき、将来的に米国に対抗できる、あるいはしのぐ大国の夢を実現するための重要な布石である。

この一帯一路構想を実現するためシルクロード基金が創られたが、それだけでは到底足りるわけもないので、欧州勢も参加するAIIBがシルクロード基金に融資し、シルクロード基金が直接投資を行う窓口となる。AIIBとシルクロード基金については人民元決済が優先される計画で、これにより人民元の国際通貨への道も切り開く狙いだ。

 国家発展改革委員会、外交部、商務部が合同で発表した一帯一路構想の説明によれば、民生に関わる交通インフラ建設が優先され、「ヨーロッパまで高速鉄道に座ってゆくのは不可能ではない」とうたっている。2011年に公表されている中国三大国際高速鉄道計画(中央アジア線、汎アジア線、欧州アジア線)のうち、ウルムチから中央アジアを貫いてトルコ経由でドイツまでつなぐ中央アジア線建設は、一帯一路構想の核心プロジェクトの一つだといえる。もちろん、これは中国が日本やドイツやフランスの技術を買い叩いて少し中国仕様にしたものを「中国独自開発」として売り出し中の中国産高速鉄道である。

狙いは金融版中華冊封体制の構築

 こうしてみると、一帯一路、AIIB、シルクロード基金は純粋なビジネス目的というよりは、金融版中華冊封体制の構築ともいえる。同時に米国を向こうにまわした地政学的な覇権争いでもある。南シナ海、中東、中央アジアは軍事上の要衝でもあり、中国が影響力を確立させておきたい地域である。

 中国は主権防衛について、海洋(南シナ海と東シナ海)、宇宙、インターネット、金融に大きな障害があるという言い方をかねてからしているが、一帯一路とAIIBとシルクロード基金は、中国の海洋と国際金融界における主権拡大を同時に狙ったものだともいえる。人民元の国際化など夢物語だと誰もが思っていたが、気が付けば国際決済通貨としては今や5位だ。欧州勢がAIIBに雪崩を打って参加したのは、ユーロにとって強すぎるドルが好ましくないという動機もあるだろう。

 こういう背景があるので、AIIBの融資するプロジェクトがまずシルクロード基金を通じた一帯一路構想だと考えられるし、これは基本的には中国国内で過剰生産に悩む基礎インフラ企業の海外進出を後押しするものであるし、利益よりも政治的意義を優先させるものである。つまり資源輸送ルート確保や軍事的要衝における米国の影響力を排除して中国の影響力を強める目的、人民元の国際化などを優先させるので、プロジェクトに人道的意義(貧困救済など)やビジネスの公平性や環境への配慮を求められてはいない。さらにいえば、中国政府の今の債務の大きさを全く考慮せずに、対外投資を煽る危険性も指摘されている。

米イエール大学の金融学の専門家・陳志武が中国・財経ネットのインタビューに答えてこう語っている。

 「みな“一帯一路”が発展チャンスだと強調しているが、私は債務リスクがより大きいと見ている。一帯一路は中国の過剰生産を輸出できるという点で光明を見出すことはできるが、代価も非常に大きいのだ。まずもう少し冷静になるべきだ」

 「金融危機後、中国の債務は平均して4倍に膨れ上がり、2014年中期の中国の債務負担額はGDPの282%に上る。これらは政府債務、銀行債務、企業債務、家庭債務を含む。これは発展途上国家の平均をはるかに上回り、オーストリアや米国、ドイツ、カナダなどの先進国平均も上回る」

 「省・市レベルの一帯一路関連プロジェクトがすべて批准されれば、104兆元の資金が必要となる。これは中国GDPの1.6倍以上、中国は少なくとも総額でGDPの4倍以上の負債を抱えることになる」

 「2014年の財政収入増加率は減速し23年以来最低を記録。昨年の土地(使用権)譲渡収入が2割ほど大幅減。…現在政府は財政方面の不良債権処理能力はますます落ちており圧力は徐々に増加している。こういう状況下で社会的な総負債額が大幅上昇し続ければ、これら不良債権は容易に金融リスクと経済危機を引き起こすだろう。…」

米国とも中国とも対等に付き合うには

 こういう背景があるので、私は日本がAIIBに参加しなかったのはよかったと思っている。もちろん将来の中国の大国化シナリオを考えれば、擦り寄っておいた方がよかったではないかと言う人もいるだろう。私は現役の北京駐在記者時代から中国が今の体制を維持できない確率は3割位のイメージで取材するのがよい、と思っていた。同時に今は米中G2時代のシナリオも2割くらい頭の片隅においている。だが崩壊するにしろ、大国に化けるにしろ、日本が中国の“冊封体制”に入る選択肢はないと思っている。かつて大陸には巨大な帝国が何度も出現しているが、日本は小国ながらその冊封下に入ってこなかった。歴史の中で日本を支配したのは米国だけである。

 だが、ひょっとして米中G2時代がくるかもしれない、という可能性が頭をかすめるようになったのは言う間でもなく米国の弱体化のせいである。日本の安定は米国の庇護のもとに実現してきたが、将来も同じように米国が頼りになるアニキかといえば、そうでなくなるかもしれない。その時、米国の代わりに中国に擦り寄ろうという意見も出てくるかもしれないが、私は米国とも中国とも対等の国として付き合うには、どうすべきか考えることが今、一番必要だと思っている。

3/30日経ビジネスオンライン 鈴置高史『「AIIB」で中国陣営に飛び込んだ韓国 中国の挑戦に揺らぐ国際秩序を真田幸光教授に聞く』と3/30宮崎正弘『中国のアジアインフラ投資銀行への大いなる疑問 本当の中国の狙いを誤解していないか』記事について

ロシア・台湾も参加を表明しました。日本は菅官房長官が「現時点ではない」と明言しました。正しい選択と思います。中国人の基本的価値観はいつも言ってますように「騙す人が賢く、騙される人はバカ」です。宮崎氏の言うように本当に中国に出資できる金($)があるのかどうか。かなり怪しいのでは。「三重帳簿」が当たり前の国、李克強がいみじくも言ったように中国のデータは殆ど信用できません。各国から出資金を集めて使い込み、監査で蓋を開けてみたら何も残っていなかったという風になるのでは。孔子学院も欧米では閉鎖の動きになっているのは、学院とは名ばかりで中国共産党の政治宣伝、思想刷り込みの道具として使われているからです。

でもヨーロッパの大国が軒並み参加表明したのは、確かに米国の傲慢さに対する不満表明でしょう。それと、オバマであれば怖くないと思われたところに米国の威信の凋落を見ます。英国が情報を中から取るのはどの程度期待できるかどうか。エリザベス女王が国家元首でない李首相と会わされたくらいですから。ただ、ロスチャイルド家は損をさせられるのを嫌うはずですから中国がそう動けば反撃に出るでしょう。ユダヤVS中・露になるかも。

韓国はTHAADも断るかもしれません。オバマには止められる力がないと。韓国産MDなんて当てになりません。そんな技術があるとは思えません。国防総省もそうなれば在韓米軍撤退の動きとなるでしょう。北の侵攻は中国様が抑えてくれると思っているかもしれません。でもロシアが囁くかもしれません。「今がチャンスだ」と。「油も供給するぞ」とも。日本は何が起こっても大丈夫なように準備をしておかないと。

日経記事

雪崩打った米の同盟国

—3月26日、韓国政府がAIIB参加を正式に発表しました。中国は直ちに歓迎の意を表しました。29日現在、40カ国以上が参加を決めています。

真田:中国は「してやったり」と考えているでしょう。2014年10月に北京で設立の覚書に調印した時、参加を表明した21カ国の中に米国の主要な同盟国はありませんでした。米国がAIIBを警戒していたからです。

 ただ今年3月12日に英国が手を挙げると、独、仏、イタリアといった欧州の同盟国も相次ぎ参加を宣言。そして「締め切り」の3月末を目前に、防衛を大きく米国に依存する韓国までが加わったのです。

英国のおかげで滑り込みセーフ

鈴置:2014年5月に中国から勧誘された時、韓国は何の疑いもなく参加するつもりでした。経済面では米国以上に中国との関係が深くなったからです。しかし直後の同年6月に米国が強く制止したので、米中間で板挟みに陥っていました。

 韓国紙によると米国は「友邦としての信認度に影響する」とまで韓国を脅したようです(「ルビコン河で溺れる韓国」参照)。

 ただ、米国の欧州の主要同盟国が雪崩を打ってAIIBになびいたので「もう、参加しても米国から睨まれない」と韓国は判断したのです。

 韓国政府の発表文では「AIIB運営に関する不透明性への疑念が薄れたから」としています(聯合ニュース・日本語版=3月26日=「韓国政府 中国主導投資銀行への参加決定」参照)。が、それは言い訳に過ぎません。

—予想もしなかった英国の参加のおかげで、韓国は米国の怒りを買わずにAIIBに滑り込めた、というわけですね。

「ADB潰し」どころか……

鈴置:韓国各紙の記事からは「思いがけない方向から助け舟が来た!」との、ほっとした空気が伝わってきます。米中どちらの言うことを聞くべきか判断がつかず、韓国政府も先送りしてきましたから。

 さて、真田先生に質問です。そもそもAIIBの本当の狙いは何なのでしょうか。中国はアジアのインフラ開発に資金を提供するのが目的と説明しています。

 でも本音は、米国と日本が主導するアジア開発銀行(ADB)を抑えて、金融面からもアジアを支配することにあると疑う向きが多いのです。

真田:中国の狙いは「ADB潰し」どころか、もっと大きいと思います。私は既存の、米国を中軸とする国際金融体制への挑戦と見ます。

 戦後の国際金融秩序を司ってきたのは3つの国際機関です。復興、開発を担当してきた世界銀行グループ、為替の監督管理、ルール作りを担当する国際通貨基金(IMF)、そして貿易と投資の管理監督を担当する世界貿易機関(WTO=旧GATT)です。

 AIIBはこの3つと当たってくる――競合しそうなのです。インフラ開発も消費も伸びる余地が大きいアジアで、まず自身が主軸となって投融資する形を作る。

 それをテコに自らに都合のいい、為替なり貿易・投資を仕切る国際秩序を作っていく――というのが中国の大戦略と思います。ADBは世銀グループの地域金融機関に過ぎません。

 もちろん米国が主導する秩序はすぐには崩れません。が、それを揺るがす可能性を秘めた、新たな組織が生まれようとしているのです。既存の体制を守る側としては、懸念を持つのが当然です。

ドル支配体制を崩す

—人民元の国際化が狙い、という人もいます。

真田:もちろん人民元の国際化は、米国に対する挑戦の一部です。

鈴置:「AIIBはドル建てで出資し、融資すると中国は言っている。人民元の国際化にはつながらない」と主張する人もいます。

真田:それは国際金融の実務を知らない人の見方です。ドル建てにするかではなく、ドルの決済機能――Reimbursmentと呼びますが、――をどこに置くかがポイントなのです。

 もし中国が決済機能をドルの発券国である米国に置くのなら、人民元のデビューは当面はないと見ていいでしょう。一方、中国に置くのなら、人民元を国際通貨にする布石だな、と読むべきです。

 決済機能を米国に置くということは、日常の取引をすべて米国にモニタリングされる――情報を吸い上げられることを覚悟せねばなりません。さらに、いざという時に米国による資金凍結のリスクを冒すことを意味します。

 反対に中国に決済機能を置いておけば、米国から覗かれないし、資本を“人質”にとられないで済む。中国はAIIBの決済通貨を人民元に切り替えるチャンスを探っている、と考えるべきでしょう。

米国も中国に踏み絵

真田:貿易など実態経済では、人民元が日ごとに使われるようになっています。AIIBの借り手からも「ドルより使い勝手がいい人民元で貸してくれ」と言われる日が来るかもしれません。となれば当然、人民元で預かります――ということになる。

 今は「ドル建てで調達、融資をする」なんて言っても、いつまでもそうとは限らないのです。

鈴置:中国の言うことをそのまま信じるのはあまりにお人好し、ということですね。では米国は、中国に対し「決済機能を米国に置け」と要求するのでしょうか。

真田:そう思います。もちろん裏で、でしょうけれど。この踏み絵を突きつけて中国の真意を探ると思います。

 中国もまだ米国が怖いのかもしれない。それなら米国の要求を受け入れるでしょう。この辺はどちらに転ぶのか、分かりません。

英国の参加は驚き

—話を少し戻します。大方の予想に反し、英国はなぜ参加を決めたのでしょうか。

真田:英国の参加は私にとっても驚きでした。先ほど申し上げた、戦後の国際金融秩序の仕組み――ブレトン・ウッズ(Bretton Woods)体制――は米英が作り、協力して維持してきたからです。

 英国の参加の理由は2つ考えられます。まず、中国の実態経済の拡大に裏打ちされたAIIBはもう、止められない――と判断して「それなら中に入ってチェックしよう」「英国と同様に中国の意図を疑う国と一緒に、必要なら内側からブレーキをかけよう」と考えたと思われます。

 もう1つは、国際金融の分野で米英両国の間に溝ができていて、英国が米国の身勝手な行動に警告を発した、との分析です。

「横暴な米国」への不満

鈴置:米国がそんな無茶をするでしょうか。

真田:もちろん理由なしにはしません。でも現実にはこの人質が結構、モノをいうのです。

 例えば最近、米政府が「マネーロンダリングのチェックが不十分だった」として、欧州や日本の銀行に巨額の罰金を払わせています。これだって人質があってこそ、皆がいやいやでも支払うのです。

 もちろん、英国をはじめとする欧州各国からは「米国の横暴」への批判が高まっていました。現実には完全にマネーロンダリングを防ぐのは難しいからです。

 国際政治の面でもそう言われますが、国際金融でも米欧間に亀裂が広がりつつあると私は見ています。

—その2つの理由、米国との協調と米国に対する牽制、全く方向が反対ですね。

日本の叩頭を待つ中国

真田:ええ、でも現実はこの2つが相まったのではないかと思います。いずれにせよ、英国の決断は米国にとっては寝耳に水だったようです。米国は慌てています。

 3月22日、シーツ(Nathan Sheets)米財務次官が「既存の国際機関とAIIBの協調融資」に言及しました。中国との妥協策を模索し始めた、ということでしょう。

 日本はさらに大慌てです。AIIBに否定的だった米国についていってハシゴを外されかけているからです。麻生太郎財務相が3月20日に「(条件付きで)協議の可能性はある」と言ったのは、その動揺を映しています。

 中国は韓国には参加を積極的に呼び掛けてきました。半面、日本に対しては大声で誘ったりしませんでした。理由は2つと思います。まずは、呼び掛けてもどうせ参加しないだろう、との判断。

 もう1つは日本が困って入りたい、と頼んでくるのを待つ作戦です。その時、中国は「入りたいなら頭を下げて来い」と言えるのです。

 すると、日本国内に「頼りない米国一辺倒の外交政策でいいのか」との声を起こせるわけです。

鈴置:反・安倍勢力からは、もうそうした声が出始めています。

 世界中の民間銀行がドルの決済機能を米国に集中させています。具体的には米銀の口座にドルを預け、他行との取引はこれを通じて行うのです。この方法が一番効率的だからです。

 しかしこのドルは、いざという時は米国から人質に使われる可能性があります。米国政府から国内法を使って口座を凍結されたら終わりなのです。どんな金融機関も、ほぼ間違いなく倒産します。

中印に次ぐ3位目指す

—もともと参加したかった韓国は大喜びのようですね。

鈴置:正式に参加表明する前から、韓国の政府関係者は「中国、インドに次ぐ出資比率を目指す」とメディアに漏らしています。AIIB内での重みを増す作戦です(韓国経済新聞・日本語版=3月24日=「韓国、AIIB持分6%得てこそ実益確保」参照)。

真田:中国は陸路と海路で欧州と連結する「一帯一路」構想を打ち出しています。その資金を提供するのもAIIBの大きな役目です。

 海外建設が得意な韓国は、AIIB加盟で「一帯一路」プロジェクトの受注につなげたいのでしょう。プロジェクトの情報もいち早くとれるようになりますし、AIIBが融資するのなら工事代金も取りはぐれの危険性が大きく低下します。

韓国はAIIB参加に加え、米中双方からもう1つ「踏み絵」を突きつけられていました。終末高高度防衛ミサイル(THAAD=サード)です。これにはどう影響しますか(「米中星取表」参照)。

 

米中星取表~「米中対立案件」で韓国はどちらの要求をのんだか (○は要求をのませた国、―はまだ勝負がつかない案件、△は現時点での優勢を示す。2015年3月29日現在)
案件 米国 中国 状況
日本の集団的自衛権 の行使容認 2014年7月の会談で朴大統領は習近平主席と「各国が憂慮」で意見が一致
米国主導の MDへの参加 中国の威嚇に屈し参加せず。代わりに「韓国型MD」を採用へ
在韓米軍への THAAD配備 韓国国防相は一度は賛成したが、中国の反対で後退
日韓軍事情報保護協定 中国の圧力で署名直前に拒否。米も入り「北朝鮮の核・ミサイル」に限定したうえ覚書に格下げ
米韓合同軍事演習 の中断 中国が公式の場で中断を要求したが、予定通り実施
CICAへの 正式参加(注1) 正式会員として上海会議に参加。朴大統領は習主席に「成功をお祝い」
CICAでの 反米宣言支持 2014年の上海会議では賛同せず。米国の圧力の結果か
AIIBへの 加盟 (注2) 米国の反対で2014年7月の中韓首脳会談では表明を見送ったものの、英国などの参加を見て2015年3月に正式に参加表明
FTAAP (注3) 2014年のAPECで朴大統領「積極的に支持」

(注1)中国はCICA(アジア信頼醸成措置会議)を、米国をアジアから締め出す組織として活用。 (注2)中国はAIIB(アジアインフラ投資銀行)設立をテコに、米国主導の戦後の国際金融体制に揺さぶりをかける。 (注3)米国が主導するTPP(環太平洋経済連携協定)を牽制するため、中国が掲げる。

鈴置:「AIIBでは中国の言うことを聞くことになりそうだから、THAADは米国の言うことを聞こう」――との声が韓国では高まっていました(「『こちらに来るなら3月中』と韓国を急かす中国」参照)。

 「経済は中国頼み、防衛は米国頼み」というわけです。韓国が日本とのスワップを続けなかったのも、まさにその意図からでした(「『人民元圏で生きる決意』を固めた韓国」参照)。

「もっと中国側に来ても大丈夫」

鈴置:でも「AIIBで米国が中国に完敗した」という認識が深まると「経済も防衛も中国」になりかねないと思います。実際、AIIBに参加を宣言しても、韓国は米国から怒られなかった。

 「米国はもう怖くない」との空気がソウルに広がれば、THAADを在韓米軍に配備したいとの米国の希望を、韓国はもっと露骨に無視するようになるかもしれません。

 つまり、防衛も「弱い米国」から「強い中国」に鞍替えするわけです。地政学的に脆弱な場所にある韓国という国は、世界の覇権交代に極めて敏感なのです。

 そんな韓国人の心情を見透かしたように、中国が揺さぶりをかけています。3月27日の環球時報・社説「韓国はバランスをとって良い決断を下した」(中国語)は以下のように主張しました。

  • 英国から韓国までが相次いで米国の主張する国際金融秩序から離れるということは、米国と同盟国の間で義務の範囲が再検討されることを意味する。

 要は「米国の同盟体制にひびを入れることに成功した」という中国の勝利宣言です。そして「もっと中国側に来ても問題はない」と韓国を誘っているわけです。

 韓国のメディアもこの「離米」を呼び掛ける社説を引用しています。朝鮮日報の「中国『韓国は難しいバランスを選択』」(韓国語、3月28日)がそれです。これを読んで心を動かした韓国人もいたことでしょう。

トルコが中国製MD導入

真田:同感です。下手すると、AIIBで米国は日本を道連れに孤立します。それ以前から米国の指導力は落ちていました。例えば、ロシアによるクリミア併合でも弱みを見せた。

 それなのに米国は依然、ロシアにも中国にも強気で対して、AIIBで返り撃ちにあった。欧州との間も政治、金融両面で溝ができている。米国の弱さが明らかになりつつある今、韓国は立ち位置を変える可能性があります。

 こうした情勢の中で3月19日、中国メディアが「トルコが中国のミサイル防衛(MD)システムを購入する」と報じたのが、気になっています。

 トルコは北大西洋条約機構(NATO)の加盟国であり、米国の中東における戦略拠点です。そのトルコが中国のMDを導入する可能性が出てきたのです。韓国が「そのうちに中国は我が国にもMDを売り込みに来る」と考えても不思議ではありません。

鈴置:仮の話ですが、そうなったら韓国はTHAADでの決断を避けるための材料に利用できますね。

 中国製MDと米国のTHAADが、韓国という土俵の上でがっぷり四つになる。するとTHAAD配備問題も米中間の交渉のテーマになるから、自分は板挟みから逃れられる――と多くの韓国人が考えるでしょう。

 韓国には「THAADの配備問題で、米中双方から責め立てられる我々は被害者だ」との意識が根強い。「米中で話し合って決めてほしい」との声がもともとあるのです(「中国の掌の上で踊り出した韓国」参照)。

奇手で「離米従中」を加速

—中国と交渉する前に、米国は韓国に対し疑いを持ちませんか? 裏で中韓が結託しているように見えますから。

鈴置:第3者はそう思います。ただ、韓国は追い詰められています。AIIBの問題は英国のおかげでなんとか切り抜けられた。が、THAADではそうもいかない。わらにもすがる心境です。

 米国から疑われようが中国から苛められなければいい、と韓国人は思うでしょう。「習近平主席がTHAAD配備に反対しているのだぞ」と韓国は言い渡されているのです。

 配備をのんだら、中国から何をされるか分かりません。米国が中国と直接取引してくれれば、中国の怒りは避けることができます。

 そのうちに反米色の濃い左派は「中国に頼もう」と言い出すでしょう。普通の人もそれに乗るかもしれない。

 北朝鮮の核ミサイルを防げるなら、米国製のTHAADでも中国製MDでも同じ、との考え方だってできるからです。そうすれば、経済と防衛の腸ねん転を解消してすっきりできるわけですし。

 要は北京が「中国製MDの韓国配備」という奇手を繰り出せば、AIIBに続きTHAADの問題でも、韓国の「離米従中」を一気に加速させ得るのです。

「混乱がチャンス」の韓国

—韓国は大変ですね。

真田:ええ。でも、日本人が考えるほどではないかもしれません。日本人は「安定」が好きで「混乱」を嫌います。でも、韓国にとっては混乱こそチャンスなのです。

 米中の力関係がシーソーのように揺れれば、その間隙を縫って生存空間を増せる、と韓国人は思うのです。韓国の指導層の中には「もっと荒れろ!」と願っている向きもあると思います。

—混乱が苦手な日本人は、この混乱をどう生き抜けばいいのでしょうか。

真田:以下、唐突に聞こえるでしょうが私の持論です。英国との関係を十二分に深めるのです。英国を通じて欧州との連携も強化できます。

 英国は地力のある国です。日本が及びもつかない情報力と金融力を持っています。AIIBに関してもゲームを動かしました。日本人は英国の力を過小評価しています。

 ありがたいことに英国は王様のいる国で、皇室をいだく日本には親近感を持ってくれている。「新・日英同盟」を組むのです。

「新・日英同盟」のススメ

鈴置:「新・日英同盟」を結ぼう、とは真田先生が『世界の富の99%はハプスブルク家と英国王室が握っている』などで展開されてこられた主張ですね。

真田:米国一辺倒が危ない、といっても日本は中国とは組めない。接近するのさえ難しい。中国の日本敵視策は容易に変わらないからです。そこが韓国とは大きく異なります。

 でも日本だって、今始まった世界秩序の混乱を、変化と飛躍のチャンスと考えればいいのです。いや、そう考えないと生き残っていけないのです。

宮崎記事

 日本の国際情勢分析や論調はいつもおかしいが、今回の中国共産党主導の「アジアインフラ投資銀行」(AIIB)に参加表明しない日本は選択を間違えているという、恐ろしくも正反対の議論が突出しており、ばかばかしいにも程があるという感想を抱く。そのまとめとして本稿を書く。

 第一に、中国が目ざす「アジアインフラ投資銀行」(AIIB)なるものは「国際金融機関」ではなく中国共産党の世界戦略にもとづく「政治工作機関」であるという本質をまったく見ようともしない不思議である。

 第二に、あわよくば米国主導のブレトンウッズ体制(つまり世界銀行・IMF体制)に変わる中国主導の金融秩序構築を模索するものであること。すなわちドル基軸体制に真っ向から挑戦し、人民元基軸体制をアジアに構築しようという壮大な野心から生まれた、きわめて大風呂敷の構想であることである。

 第三に、この銀行を設立することは中国経済のひずみを解決するための出口でもあることだ。

すなわち余剰生産の鉄鋼、セメント、建材、石油副産物などの国内在庫を一斉するための吐き出し機関ともなりうるし、失業対策になやむ中国が諸外国にプロジェクトを持ちかけ、それをファイナンスすることによって大量の中国人失業者を海外へ送り出せるメリットがある。

 この点を吟味する分析が日本ではあまりにも少ない。

 ▼外貨準備世界一のトリック

世界中が幻惑されたのは、中国の外貨準備が世界一という数字のトリックだった。

中国の外貨準備は3兆4830億ドル(14年末)とされるが、ちょっと待った。CIA系シンクタンクの調査ではすでに「不正に外国へ持ち出された外貨」が3兆7800億ドルである。

つまり表向き、あることになっている「外貨準備」、じつは底をついているのである。その証拠に中国は米国債の保有額を減らしている。日本がまもなく世界一の座を復活させるだろう(15年一月末で日中間の差は50億ドルしかない)。

また中国の国家ファンドが保有した筈の日本株式はすでに売り払っているうえ、じつは中国は猛烈に海外から外貨を借りまくっている。外貨準備増加額より外国金融機関からの借り入れ額が上回っている。

こうして不都合なデータを中国は巧妙に伏せていることに特大の注意が必要である。

 ところが、日欧のメディアはアジアインフラ投資銀行に対して過剰な評価をし始めた。

IMFのラガルデ専務理事もADBの中尾武彦相殺も「協力できる可能性はあるかもしれない」などと発言のニュアンスが対立型から様変わり、日本の麻生財務相は「入らないと言っているわけではない」と融資条件や運用方法の透明性を問題視した。

 そう、「透明性」が最大の問題で、理事会に日欧が入り込む隙間のない独裁となるだろうから、融資条件の開示させない段階で加盟するなどというのは政治的発言か何か別の思惑があり、日欧の発言をよくよく吟味すれば「加盟しない」と発言しているのである。

 中国経済分析で世界的に有名なエリザベス・エコノミー女史は「はじめからお手並み拝見で、AIIBはAIIBと割り切って放置すれば良かった。米国の反対声明がかえって、中国の銀行設置に力を与えた」と皮肉る。

 もとより「アジアインフラ投資銀行」に英独仏伊が参加表明したため、豪、デンマークなど合計41ヶ国が参加することとなった(3月30日現在)。

英紙「フィナンシャルタイムズ」は、米国オバマ政権に「失望」が広がっていると報道し(3月19日)、対照的に中国語の媒体は「英国の決断」などとし、同行に加わらない日米に冷淡な分析をしている。中国としては政治的得点になる。

だから日本のマスコミはますますおかしな論調となる。

たとえば日本のイエローパーパー『日刊ゲンダイ』が、日本の立場を徹底的に批判し、中国主導のアジアインフラ投資銀行に参加表明したドイツ、フランス、イタリア、そして英国に先を越され、日本政府が無能ぶりを天下に曝したと報じたことが、中国メディアは嬉しくて仕方がないらしい。同紙が『日本の完敗』と書いたことがよほど気に召したらしいのだ。

▼英国のホントの参加理由はシティ・ルールが守られるのか、どうかだ

もうすこし状況を把握してみよう。

英国の思惑は次の三点に集中している。

第一はMI6をいう情報機関をほこる英国にはそれなりのインテリジェンス戦略から発想される政治的計算がある。

英国にとってAIIBに加盟を表明しないことには情報が得られない。その高度の情報を同盟国である米国に提供できる。

そもそも世界金融を差配しているのはウォール街である。そのウォール街の論理はグローバリズムであり、そのルールを決めているのは英国のシティである。

英米がシティ・ルールを破壊するような行為に中国がでれば、いつまでも協力的態度をつづけるか、どうか。

第二に加盟国となれば、AIIBの規則や条件に英国が(独仏伊豪も)注文や条件を付けられる。つまりシティのルールを尊重してくれるのか、どうか。欧米が警戒するニカラグア運河への投資なども、中国の猪突猛進的融資には激しく反対することになるだろう。

第三が「ウィンブルトン方式」である。

英国はすでに二年前からシティにおける人民元取引をみとめ、同時に中国国債も取引されている。おなじくフランクフルト市場でも。これは「ウィンブルトン方式」と言われ、市場関係者からみれば「貸し会場ビジネス」である。つまり有名なテニスの世界大会を開催し、たとえイギリス選手の活躍がなくとも、集まってくる人々(外国籍の)が落とすカネが魅力であるという意味である。

こうした文脈からいえば英国のアジアインフラ投資銀行に参加表明も、そこにシティとしてのビジネス拡大の可能性を見たからであり、対米非協力への傾斜という政治的思惑は薄い。

ならば独仏など「ユーロ」加盟国の反応はどうか。

ユーロを主導するドイツは、これが人民元市場ではないことを見抜いた。

イタリアとフランスの参加表明はユーロが米ドルよりも強くなれば良いという斜に構えた動機であり、また加盟すれば幾ばくかの情報が取れるという打算に基づく政治的行動だろう。

▼アジアの資金渇望を中国は巧みに衝いた

さて米国は嘗て宮沢政権のおりに、日本が設立を目指したAMF(アジア通貨基金)を構想の段階で横合いから強引に潰したように、中国主導のドル基軸に挑戦するような国際機関の動きには警戒している。

基本的動機は戦後の世界経済を牛耳るブレトンウッズ体制(つまり世界銀行・IMF体制)に中国が挑戦してきたと認識が強かったからである。しかし米国は中国の動きを牽制したが、潰そうとはしなかった。それだけ日本は押さえ込める自信があっても、中国を制御する政治力は、もはや米国にはないということでもある。

繰り返すが中国がアジアインフラ投資銀行を設立する思惑は(1)人民元の拡大と(2)アジアにおける人民元の覇権、(3)中国主導のアジア経済訂正の確立という、金融帝国主義であり、南シナ海での侵略行為によって四面楚歌となった政治状況を、カネを武器に主導権の回復を狙うものである。

インフラ整備の資金調達になやむアセアン諸国ならびにインド経済圏は喉から手が出るほど欲しい資金を中国が供与してくれるのなら政治的行動は抑える。露骨なのはカンボジア、ラオス、タイ、インドネシアなどだ。つまり反中国でまとまりつつあったアセアンの団結への動きを、中国はみごとに攪乱しているのだ。

だが裏側はどうか。

この新銀行は貸し付け条件も金利の策定方法も、審査方法もまったく白紙の状態であり、基本的に銀行のガバナンスを知らない国が国際銀行業務をスムースに展開できるのか、どうかが疑問視されている。

つまり日本が経済制裁をしている北朝鮮への融資を中国が勝手に決めた場合などが早くも想定され、強く懸念される。

アジア諸国の港湾浚渫など整備プロジェクトや鉄道輸送に力点をおいた融資を行うだろうが、それはアジアにおける中国の軍事戦略「真珠の首飾り」を実行するための経済面からの補完手段である。港湾を中国は将来の原潜や空母寄港地として利用する魂胆も見え透いていないか。

▼アジアインフラ投資銀行に参加表明しないのが得策だ

AIIBにはいくつかの致命的欠陥がある。

第一に人民元の拡大を狙う同行の資本金が米ドル建てという不条理に対して納得できる説明はない。

くわえて同行の本店ビルは北京で建設が始まったばかりで、どう最速に見積もっても2017年度ごろに完成である。

第二に資本金振り込みにも至っておらず、拙速の開業があっても2016年、そのころに中国の外貨準備が潤沢のママであろうか?

第三に中国の外貨準備が激しい勢いで減速しており、いずれ資本金振り込みさえ怪しい雲行きとなりそうなことに誰も懸念を表明しないことは面妖というほかはない。

いずれアジアインフラ投資銀行は空中分解か、最初の貸し付けが焦げ付き、増資を繰り返しながらの低空飛行となるだろう。日本は歯牙にもかける必要がないのである。

そして設立まではやくも不協和音が鳴っている。

ロシアは参加表明をしない方向で検討していた事実が浮かんだのである(多維新聞網、3月26日)。

ロシアのセルゲイ・ストルチャク財務副大臣は「ロシアは過去一貫して米国の金融支配に反対し、新しい国際機関の設立を呼びかけてきたので、AIIBの主旨には賛同する。しかしながら、この新組織にロシアが加盟するかどうかは未定である」と記者会見した。

第一に中国主導の度合いは拒否権に象徴されるが、ロシアが中国の風下に立つ積もりはない。

第二に英独仏など西側が加盟すると、ウクライナ問題でロシア制裁中のかれらが、ロシアの要望する融資案件には反対にまわるに違いない。ロシアは原油価格暴落以後、多くのプロジェクトが足踏み状態にあり、資金重要が強いが、逆に英独仏が対ロ融資に反対すれば、ロシアが加盟する意味がない。

第三に大国の政治力は単に金融力でははかれず、ロシアは軍事大国であり、その矜持がある。ロシアと中国の絆は軍事、政治的結びつきが強く、金融面での協力関係はそれほど重要とは言えない。

とはいうもののロシアは現在14の飛行場を建設中のほか、160キロの地下鉄、ハイウェイなど160件のプロジェクトを推進もしくは計画中で、2000億米ドルが必要と見つもられている。

さらにややこしい問題はロシアが一方で期待する「BRICS銀行」にしてもブラジル、インドより、ロシアのGDP成長は遅れており、そもそもロシアとブラジルは原資負担にも追いつけない状況となってしまった。

BRICS行も設立そのものが危ぶまれ始めている。

3/30  Andy Chang 『傍若無人なヒラリー前国務長官』と日経FT『歴史問題を超えて 』記事について

メデイアとは世界各国で腐っている業界と言わざるを得ません。本両記事を読むと記者の傲慢さが窺えます。ヒラリーについては「報道しない自由」をメデイアが発揮していて、日本の報道機関が度々行使するものです。真実の追究、正義の実現から程遠い世界です。「金」が総てで動いているか(他国から金を貰っているのか)、左のイデオロギーで動いているのか、出世のためなのか動機は分かりませんが、複合的なものかも知れません。日米ともに民主党は本当にダメな政党なのに、両国ともメデイアは追及しません。共和党のニクソンの場合、ウオーターゲートであれだけ叩かれ、ボブ・ウッドワードやバーンスタインが持て囃されたのに、今回のヒラリーがメデイアから何も追及されず、無罪放免に成るのはおかしい。米国史上初の女性大統領を作ろうとしているのかもしれませんが。でも女性大統領・首相なんて世界には既に何人も出ています。司法長官が動かない場合は日本で言えば法務大臣の指揮権発動と同じ。その場合日本では大騒ぎになるような気がします。三権分立の侵害とか言って。米国は民主主義の先進国とは言えません。金で動く国です。日米戦争もそうでしたし、ヒラリーは中国人からの違法献金を受けていました。

FT記者は自国の歴史をどう認識しているのか聞いてみたい。植民地をあれだけ持っていて、第二次大戦というキッカケがなければ、植民地の経営を手放すことはなかったのでは。インドが独立したのは1947年8月15日です。2回の大戦によりイギリス経済が衰退し、力で抑えることができなくなったためです。仏・蘭は戦後越・印尼と戦争してやっと独立を認めただけで、道徳的に反省して手放したわけではありません。そんな彼らは歴史において説教できる立場ではないのに、平気でやるわけで厚かましいとしか言いようがありません。基本的には白人優位思想、人種差別があると見て良い。まあ英国も中国に擦り寄るようなご時世ですから(AIIBや女王の元首でない李首相との面談とか)。基本は金で動いている(Follow the money)のでしょう。

Andy記事

どうしてアメリカの大新聞、三大テレビはこんなにもヒラリーに寛容で、ヒラリーの違法行為を報道しないのだろう。ヒラリーのスキャンダルは共和党系とレッテルを貼られたFoxnewsしか報道しない。メディアは知らないのではない、報道しないのである。

ヒラリーの態度を見ればふてぶてしい、数々のスキャンダルは違法を承知でやった、報道されても平気。メディアはなぜか彼女の違法を隠蔽、またはヒラリーを畏怖しているとしか思えない。

過去30年、アメリカはクリントン夫妻の度重なるスキャンダルを断罪できなかった。メディアはヒラリーのスキャンダルを報道せず、彼女が次の大統領になるだろうと報道している。こんなに悪い奴がなぜアメリカでまかり通るのかと不思議に思う。アメリカの政治に正義はなく、メディアも加担しているとしか言えない。

何人も法の上に立つことはできない(Nobody is above the law)と言う。ところがオバマ政権になったらオバマ大統領、ホールダー司法長官、クリントン国務長官、みんな揃って平然と法を犯し、お互いにカバーし合っている。こんな奴らはまさに「外道」である。

この数週間にFoxnewsが報道した違法行為は大まかに分けて三つある。メール送信の違法と隠蔽、ベンガジ事件の隠蔽と調査拒否、そして外国の献金問題である。

  • メールの違法送信問題

ヒラリードットコムと呼ばれる違法行為は、(1)公務に政府規定の公用メールを使わず私用メールを使った。(2)引退後、規定に従わず私用メールの提出をしなかった。(3)印刷したメールの提出と不都合メールの消去の疑惑。(4)個人サーバーを使い、サーバーの提出を拒否。

アメリカ政府の規定では、公務引退後、OF109と呼ぶ公式宣誓書を提出しなければならない。OF109とは政府の役人が引退する際に、公務関係の資料一切を提出し、私有していないと誓った証書である。

国務院のジェン・サキ報道官は3回もこの問題を追及されて、知らない、まだ調査中などとしどろもどろの返答を続けていた。4回目になって遂にヒラリーはOF109宣誓書を提出しなかったと発表した。国務長官が犯した明白な違法行為である。

また、政府側にもOF109に対応するDF1904と呼ぶ証明書があり、引退した公務員が公務関係資料を全部提出したと証明する文書である。

サキ報道官はこの文書が国務院側に存在しないと白状した。つまり国務院側もヒラリーの違法を放縦したのだ。なぜだ?ヒラリーの責任はもちろん、国務院側もヒラリーの違法を放縦した責任を追及されるべきである。オバマ政権は何を隠そうとしているのか。

サキ報道官は、数週間も記者会見でヒラリーの疑惑を追及されていたが、昨25日、国務省からホワイトハウス報道官に転出すると発表した。サキ報道官は事実を知っているからもう我慢できなくなったのだろう。記者会見に加わった記者達も知っているけど報道しない。

  • ベンガジ事件の調査

ベンガジ事件とはリビアのベンガジでアメリカ大使ほか3人がテロ攻撃に逢って死亡した事件である。攻撃が始まってから死亡するまで約8時間、ヒラリーとオバマはホワイトハウスで状況を聞きながら救援隊を派遣しなかった、しかも死亡した後でこれはテロ攻撃でないとウソを言い、テロ攻撃とわかっても「ハリウッドのビデオテープが抗議の原因」と隠蔽工作を続けたのである。

国会のベンガジ事件調査委員会のトレイ・ガウディ(Trey Gaudy)委員長は事件の資料蒐集がなかなか進展せず、オバマ政権の隠蔽工作と不協力に悩んでいるが、ヒラリーの提出した個人メールにはベンガジトリビア関連のメールが空白であるとわかって、ヒラリーに資料の提出を要請したが返答がない。数日前、委員会はヒラリーのサーバーの提出を要請したがこれにも返事はなかった。

ヒラリーがサーバーの提出を拒めば、法的召喚状(Subpoena)で強制提出を求める。召喚状を出してもホールダー司法長官が抑えてしまうと言われている。委員会がこの次に取れる手段はヒラリーの違法嫌疑について特別検察官を要請するが、これもまたホールダー長官に抑えられるだろうと言う。ガウディ委員長はいくら時間がかかっても真相追及は続けるとしている。この事件だけでもヒラリーの大統領立候補は難しいとも言うが平気である。

  • クリントン基金の外国献金問題

クリントン基金はクリントン夫妻と娘チェルシーの3人の名義で設置した基金だが、外国要人の献金がたくさんあり、全部で250億ドル以上、実際には350億以上あるという。

2009年にヒラリーが国務長官になった後、外国人の献金を受けるのは公務員として不可だから、2009年から辞任した2012年までは外国人の献金を受け付けなかったと発表していた。そして2012年の12月に国務長官を辞任した後で再び献金を受けると諸外国要人にメールを出したと説明していた。

ところがそれは事実でなかったのだ。最近になって基金会が白状したところでは、ヒラリーが長官に就任した後も続けて外国献金を受けていたが、献金国と人の名前を消去したと報道された。

報道によると2009年から2012年までの間に受けた外国の献金だけでも3.5億ドル以上と言われる。献金者、献金国の名前を消去したので真相の追及は難しい。国務長官の任期中に外国の献金を受けたら明らかな収賄である。クリントン一家はみんな極悪人だ。慈善基金とは笑止の沙汰である。

国務長官の在任中に外国から献金を受けただけでも違法だが、これに隠蔽工作があったらビル・クリントンを含めみんな有罪である。これでもヒラリーは大統領になれるのか。

  • サーバーの提出とメールの消去

ヒラリーが提出したメール55000通は紙にプリントしたもの、コピーだから本物ではない。しかも彼女は「勝手に」32000通を消去したと白状している。この3万通のメールに公務関係のメールがなかったとどうやって証明するのか。結局は彼女のサーバーを提出するほかはないのだ。

公務関係のメールを消去したら即有罪である。彼女は記者会見で「私有スマホでメール送信しても、受け取った方は公務メールとして政府が保管しているからOK」と言ったが、他人が政府に提出したのと彼女が提出しなかったのは別問題である。しかもヒラリーは受信者の私有スマホに公文書を送信したこともあったとわかった。両側とも違法行為である。

いつまでサーバーの提出を拒むことが出来るか、提出したサーバーも一部消去した証拠があったら大事である。この場合はバックアップ・サーバーを探し出して内容を突き合わせることになる。

何人も法の上に立つことはできない。ヒラリー・クリントンだけが「法外な待遇」を受けている。こんな外道が大統領になれるのか?

◎クリントン前米国務長官、私用サーバーから全メールを削除

AFP=時事 3月28日(土)12時10分配信

【AFP=時事】ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)前米国務長官が在任中の公務に私的な電子メールアカウントを使っていたとして追及されている問題で、前長官の私用サーバーから電子メールのデータが全て削除されていたことが分かった。

メールと携帯、公私で「使い分けるべきだった」 クリントン氏

2012年9月11日にリビア・ベンガジ(Benghazi)で発生し、米国人4人が死亡した米領事館襲撃事件を調査している下院ベンガジ特別委員会(HouseBenghazi Committee)のトレイ・ゴウディ(Trey Gowdy)委員長が27日に発表した声明で明らかにした。

声明は「クリントン前国務長官が自身の電子メールサーバーに保存されていた電子メールを全て、復旧できないような形で消去することを一方的に決めていたことを、前長官の弁護士からわれわれは今日伝えられた」としている。提出済みのメール以外に追加提出できる記録がないことを説明するクリントン氏の弁護士からの書簡で明らかになったという。

ゴウディ委員長はベンガジの米領事館襲撃事件に関するやりとりをはじめ、リビアに関連した内容を含む前長官のメールを全て提出するよう命じ、クリントン氏に対して、メールサーバーを中立な立場の第三者に引き渡すよう正式に要請していた。

クリントン氏がサーバーに保存されていた全てのメールの削除を決めた正確な時期については明らかになっていないが、委員長によると、米国務省がクリントン氏に最初に記録の提出を求めた昨年10月28日以降とみられている。【翻訳編集】 AFPBB News

日経FT記事

1970年、西ドイツのブラント首相はポーランドのワルシャワ・ゲットー(ユダヤ人隔離居住区)蜂起の英雄記念碑の前でひざまずいた。この姿はドイツの懺悔(ざんげ)を示す象徴だった。84年にはミッテラン仏大統領とコール西独首相が70万人以上の兵士が死傷した仏ヴェルダンの追悼式典で手を握り合った。だが、アジアでは第2次世界大戦の終結から70年を経ても、「歴史戦争」を告げるラッパの音はかつてなくけたたましい。

 日本と米国は終戦以来、緊密な同盟国になった。それでも歴史認識は一致できない。安倍晋三首相が真珠湾を訪れオバマ米大統領がお返しに広島を訪れる案が浮上したこともあったが、実現はしなかった。両首脳にとって被害者と加害者のどちらも傷つけずに有意義な発言をするのは不可能だ。

 日米にとって難題ならば他の国にとっては不可能に近い。確かに、フィリピン、オーストラリアなどは日本から被害を受けた歴史を棚上げしている。だが中国と韓国では、怨恨は根深い。

 日中韓3カ国の首脳が過去の敵意を解決しないままにする方が得策だとの屈折した考えを抱いている。中国共産党は旧日本軍を追い出した実績を自らの正統性の根拠にする。韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は反日感情で有権者を味方につけている。安倍氏にとっても軍備増強や憲法解釈の変更に取り組む上で中国が強大で過去を許さないという認識が重要となっている。

 日本には「謝罪疲れ」の兆しがある。歴代首相は何度も謝罪してきたが、日本は戦時中の行為を正しく認めていないという声はまだ多い。歴史を思うままに抹消している中国共産党が、日本に過去の清算を説くという皮肉な構図は相変わらずだ。

 小泉純一郎首相(当時)は2001年に「誤った国策にもとづく植民地支配と侵略を行い計り知れぬ惨害と苦痛を強いたのです。私はわが国の悔恨の歴史を虚心に受け止め、深い反省とともに、謹んで哀悼の意を捧(ささ)げたいと思います」と述べた。

 この談話に誠意があるかどうかを判断するのはもちろん受け手の自由だが、これが謝罪であることは間違いない。だが、戦時中の慰安所の提供にどれほど強制の度合いがあったかなど、日本による歴史の細部へのあら探しや、日本の戦没者を慰霊する靖国神社への首相参拝によって、ことごとく水を差されている。

 緊張を緩和できるのだろうか。テンプル大学日本校のジェフリー・キングストン教授は「日本が一方的に歴史のページをめくることはできない。日本には率直な清算が必要だが、近隣国にも和解の申し出を拒むのではなく受け入れる責務がある」と言う。

 欧州に再び目を転じたい。09年の第1次世界大戦休戦記念日にサルコジ仏大統領は同大戦が「双方に同等の被害をもたらした」と述べ、家族の死に涙を流した悲劇は独仏いずれも変わらないと語った。現在の風潮では中韓政府がこうした心情を表すとは思えない。

 歴史問題を解決できなくても、折り合いをつけることはできる。この点では、安倍氏が過去の謝罪の文言を再検討する意向を示唆していることが助けにならない。安倍首相が1930~40年代の日本の名誉を挽回することにとらわれるのは間違いだ。

 日本の国民に誇りを持たせようとする安倍氏の念願をかなえるのはごく簡単だ。侵略の時代よりもはるかに優れた歴史の折々の時期があるからだ。

 平安時代であろうと江戸時代であろうと、日本は常に文化的にも社会的にも創造力に満ちていた。1950~70年代の日本は、豊かで近代的な社会を築くことでアジアが欧州に少しも引けを取らないと証明した驚くべき時期だ。日本史において、アジアの国や人々に貢献を果たした時期である。これについては実際誰にも異論はないはずだ。

(フィナンシャル・タイムズアジア編集長 David Pilling)

 

戸部良一著『外務省革新派』について

一読して如何に理念外交が国を危うくするかという事と、人事で遇されない私怨が世界情勢を見る目を曇らせたと感じました。しかし、白人の植民地主義を非難するのであれば、「日本は当時どうだったのか」と聞かれたときにキチンと答えられるようにしておかないとダメだと思います。確かに天皇の開戦の詔勅、政府声明を読みますと格調高いですが、やってきたことは外形上欧米列強と同じように見えてしまいます。勿論、日本は欧米の定義するような搾取もせず、投資して持出になり、識字率も上げる努力をしたことなど欧米流の植民地とは違うと言えなくもありません。しかし「植民地の福利厚生を図るのは(白人宗主国の)神聖な使命」というのとどう違うのかをキチンと説明できないと反論されるでしょう。

石原莞爾は満州事変を起こしましたが、満州は元々満州族の土地で漢族とは関係ないとはいえ、後に武藤章の「大本営の不拡大方針」に反して支那まで戦線を拡大した原因を作りました。先が読めなかったというべきか。欧米の植民地主義と同じことをしたのでは道義的に見たら同じように浅ましく見えてしまいます。また、辻政信のようにシンガポールやフィリピンで市民の虐殺を命じた軍人もいます。明治維新から時代を経ておかしな軍人も出てきました。

京都学派の近代の超克も日本のやり方を批判的にとらえることはできませんでした。神風が吹くことを期待していたとしか思えません。霊的な存在も大事にしないといけませんが、科学的な物の見方をすることも同じように大切です。

戸部氏の言う無通告開戦は軍の要請でと言うのは真実ではないでしょうか。外務省が軍の要請に乗ってわざと遅らせと思います。でないと遅らせた岡崎、井口、寺崎が次官にまで昇進できるのかという事ではないかと。「宣戦布告」は必要がないと思っていたのでしょう。

白鳥敏夫の考えは今の馬渕睦夫氏に受け継がれているのでは。ユダヤ人陰謀論は今に始まったことではないという事です。

【天皇の開戦の詔勅】

天佑ヲ保有シ萬世一系ノ皇祚ヲ踐メル大日本帝國天皇ハ昭ニ忠誠勇武ナル汝有衆ニ示ス

朕茲ニ米國及英國ニ対シテ戰ヲ宣ス朕カ陸海將兵ハ全力ヲ奮テ交戰ニ從事シ朕カ百僚有司ハ

勵精職務ヲ奉行シ朕カ衆庶ハ各々其ノ本分ヲ盡シ億兆一心國家ノ總力ヲ擧ケテ征戰ノ目的ヲ

達成スルニ遺算ナカラムコトヲ期セヨ抑々東亞ノ安定ヲ確保シ以テ世界ノ平和ニ寄與スルハ丕顕ナル

皇祖考丕承ナル皇考ノ作述セル遠猷ニシテ朕カ拳々措カサル所而シテ列國トノ交誼ヲ篤クシ萬邦共榮ノ

樂ヲ偕ニスルハ之亦帝國カ常ニ國交ノ要義ト爲ス所ナリ今ヤ不幸ニシテ米英両國ト釁端ヲ開クニ至ル

洵ニ已ムヲ得サルモノアリ豈朕カ志ナラムヤ中華民國政府曩ニ帝國ノ眞意ヲ解セス濫ニ事ヲ構ヘテ

東亞ノ平和ヲ攪亂シ遂ニ帝國ヲシテ干戈ヲ執ルニ至ラシメ茲ニ四年有餘ヲ經タリ幸ニ國民政府更新スルアリ

帝國ハ之ト善隣ノ誼ヲ結ヒ相提携スルニ至レルモ重慶ニ殘存スル政權ハ米英ノ庇蔭ヲ恃ミテ兄弟尚未タ牆ニ

相鬩クヲ悛メス米英両國ハ殘存政權ヲ支援シテ東亞ノ禍亂ヲ助長シ平和ノ美名ニ匿レテ東洋制覇ノ非望ヲ

逞ウセムトス剰ヘ與國ヲ誘ヒ帝國ノ周邊ニ於テ武備ヲ增強シテ我ニ挑戰シ更ニ帝國ノ平和的通商ニ有ラユル

妨害ヲ與ヘ遂ニ經濟斷交ヲ敢テシ帝國ノ生存ニ重大ナル脅威ヲ加フ朕ハ政府ヲシテ事態ヲ平和ノ裡ニ囘復

セシメムトシ隠忍久シキニ彌リタルモ彼ハ毫モ交讓ノ精神ナク徒ニ時局ノ解決ヲ遷延セシメテ此ノ間却ツテ

益々經濟上軍事上ノ脅威ヲ增大シ以テ我ヲ屈從セシメムトス斯ノ如クニシテ推移セムカ東亞安定ニ關スル

帝國積年ノ努力ハ悉ク水泡ニ帰シ帝國ノ存立亦正ニ危殆ニ瀕セリ事既ニ此ニ至ル帝國ハ今ヤ自存自衞ノ爲

蹶然起ツテ一切ノ障礙ヲ破碎スルノ外ナキナリ皇祖皇宗ノ神靈上ニ在リ朕ハ汝有衆ノ忠誠勇武ニ信倚シ祖宗ノ

遺業ヲ恢弘シ速ニ禍根ヲ芟除シテ東亞永遠ノ平和ヲ確立シ以テ帝國ノ光榮ヲ保全セムコトヲ期ス

  御 名 御 璽

【帝國政府聲明】

恭しく宣戦の大勅を奉載し、茲に中外に宣明す。

抑々東亜の安定を確保し、世界平和に貢献するは、帝国不動の国是にして、列国との友誼を敦くし此の国是の完遂を図るは、帝国が以て国交の要義と為す所なり。

然るに殊に中華民国は、我が真意を解せず、徒に外力を恃んで、帝国に挑戦し来たり、支那事変の発生をみるに至りたるが、御稜威(みいつ)の下、皇軍の向ふ所敵なく、既に支那は、重要地点悉く我が手に帰し、同憂具眼の十国民政府を更新して帝国はこれと善隣の諠を結び、友好列国の国民政府を承認するもの已に十一カ国の多きに及び、今や重慶政権は、奥地に残存して無益の交戦を続くるにすぎず。

然れども米英両国は東亜を永久に隷属的地位に置かんとする頑迷なる態度を改むるを欲せず、百方支那事変の終結を妨害し、更に蘭印を使嗾(しそう)し、佛印を脅威し、帝国と泰国との親交を裂かむがため、策動いたらざるなし。乃ち帝国と之等南方諸邦との間に共栄の関係を増進せむとする自然的要求を阻害するに寧日(ねいじつ)なし。その状恰も帝国を敵視し帝国に対する計画的攻撃を実施しつつあるものの如く、ついに無道にも、経済断交の挙に出づるに至れり。

凡そ交戦関係に在らざる国家間における経済断交は、武力に依る挑戦に比すべき敵対行為にして、それ自体黙過し得ざる所とす。然も両国は更に余国誘因して帝国の四辺に武力を増強し、帝国の存立に重大なる脅威を加ふるに至れり。

帝国政府は、太平洋の平和を維持し、以て全人類に戦禍の波及するを防止せんことを顧念し、叙上の如く帝国の存立と東亜の安定とに対する脅威の激甚なるものあるに拘らず、堪忍自重八ヶ月の久しきに亘り、米国との間に外交交渉を重ね、米国とその背後に在る英国並びに此等両国に附和する諸邦の反省を求め、帝国の生存と権威の許す限り、互譲の精神を以て事態の平和的解決に努め、盡(つく)す可きを盡し、為す可きを為したり。然るに米国は、徒に架空の原則を弄して東亜の明々白々たる現実を認めず、その物的勢力を恃みて帝国の真の国力を悟らず、余国とともに露はに武力の脅威を増大し、もって帝国を屈従し得べしとなす。

かくて平和的手段により、米国ならびにその余国に対する関係を調整し、相携へて太平洋の平和を維持せむとする希望と方途とは全く失はれ、東亜の安定と帝国の存立とは、方に危殆に瀕せり、事茲に至る、遂に米国及び英国に対し宣戦の大詔は渙発せられたり。聖旨を奉体して洵(まこと)に恐懼感激に堪へず、我等臣民一億鉄石の団結を以て蹶起勇躍し、国家の総力を挙げて征戦の事に従ひ、以て東亜の禍根を永久に排除し、聖旨に応へ奉るべきの秋なり。

惟ふに世界万邦をして各々その處を得しむるの大詔は、炳(へい)として日星の如し。帝国が日満華三国の提携に依り、共栄の実を挙げ、進んで東亜興隆の基礎を築かむとするの方針は、固より渝(かわ)る所なく、又帝国と志向を同じうする独伊両国と盟約して、世界平和の基調を糾し、新秩序の建設に邁進するの決意は、愈々牢固たるものあり。

而して、今次帝国が南方諸地域に対し、新たに行動を起こすのやむを得ざるに至る。何等その住民に対し敵意を有するものにあらず、只米英の暴政を排除して東亜を明朗本然の姿に復し、相携へて共栄の楽を分たんと祈念するに外ならず、帝国は之等住民が、我が真意を諒解し、帝国と共に、東亜の新天地に新たなる発足を期すべきを信じて疑わざるものなり。

今や皇国の隆替、東亜の興廃は此の一挙に懸かれり。全国民は今次征戦の淵源と使命とに深く思を致し、苟(かりそめに)も驕ることなく、又怠る事なく、克く竭(つく)し、克く耐へ、以て我等祖先の遺風を顕彰し、難儀に逢ふや必ず国家興隆の基を啓きし我等祖先の赫々たる史積を仰ぎ、雄渾深遠なる皇謨(こうぼ)の翼賛に萬遺憾なきを誓ひ、進んで征戦の目的を完遂し、以て聖慮を永遠に安んじ奉らむことを期せざるべからず。

内容

P.67人事の停滞

革新派と呼ばれるようになる外交官たちは、白鳥と同じく、あるいは白鳥の影響を受けて、満洲事変による日本外交の転換の意義を強調し、その転換を推進するために人事の刷新と機構の改革を主張した。機構改革の手始めとされたのが考査部設置の要求であり、人事刷新としては白鳥あるいは彼らの主張に同調的であると見られた外務省幹部(例えば斎藤博) を省の指導的地位(外相あるいは次官)に就けることが目標とされた。

ところで、こうした革新派の要求の背後には、外務省の沈滞した人事への潜在的な不満もあったとされる。特に、一九二〇年代前半に大量採用された外務官僚たちが人事停滞への不満を鬱積させており、それが革新運動に伏在していたと言われる。

P.99人事への不満

重光派閥の支那に対する政策は、その人事行政に於いて分明する所である。対支人事は、しばらく以前より刷新の叫びにつつまれてゐたにも拘らず、その配置は統制本位で形成せられてゐる。無能なる者を上海、南京、北京等の重要ポストに配し、有能を辺境夷撩の郷に閉ぢ込めてゐる。〔前掲「霞ヶ関に於ける重光派閥の役割」〕

川村も、ニ・ニ六事件後に成立した廣田内閣の外相に有田八郎が就任したとき、新外相に期待を表明しつつ、外務省人事の現状を以下のように批判していた。

現在外務全機能を大観するに、徒らに老朽無能、尸位素餐の禄盗人を以つて充満し、大使と云ひ公使と云ふも、只只栄職に齧りつくのみで女郎外交に其の日を過し、老後の為の文化住宅建築費や、鼻たれ小僧、あばずれ娘のぜいたく三昧費の稼ぎ高を数へてヤニ下るサラリーマンの古手ばかりではないか。こんな手合に外交刷新を望むことはまことに百年河清を待つに似たり。〔於曾四郎「有田外交の本質」『南北』一九三六年十一月号〕

P.116

有田は外務省革新派に属したわけではない。ただし、過去に「白鳥騒動」での諍いがありながら、白鳥が有田への敬意を失わなかったのは、有田が往年の革新同志会のリーダーであったことに加え、彼の政策論の中に革新派に近い部分があったからだろう。のちに有田が外相となったとき、川村が彼に対する期待を表明したのも、同じ理由からであったと思

われる。

有田が白鳥の所見に対して異議を唱えたのは、ソ連に関する観察である。アジア大陸においてスラヴ民族と大和民族とが雌雄を争うべき運命にあるとか、ソ連が大国と戦争すれば、内部崩壊を来すことは明瞭であるとか、いま手を打たなければ軍事力を強化したソ連が「赤化の禍害か然らずんば鉄火の侵略か」攻撃に出てくることが必然である、といった見 方に有田は反論を加えた。ソ連の脅威を切迫したものと捉え、性急かつ理不尽にソ連と衝突することは、どの国の支持も得られず、とるべき策ではない、と有田は主張した。

有田は返書の最後で皮肉っている。自分は対ソ開戦の立場をとらないが、もし日本の国内情勢がきわめて険悪で、これを転換する方法として「外征」以外に方法がないとの見地から対ソ方針を決定すべきものとするならば、それはおのずから別問題である、と。有田が白鳥を皮肉ったのは、白鳥が、本国の陸軍部内ではソ連との一戦を不可避とする空気が日を逐って濃厚となりつつあると観察して、自らの対ソ強硬論を陸軍の動向と関連づけていたからである。

P.121~123 支那事変

事変の「本質」

一九三六(昭和十一)年末、白鳥は正式の帰朝命令によりスウエ―デンから帰国した。帰国後、次のポストが決まるまで、彼は活潑な言論活動を展開する。特に翌一九三七年七月に支那事変が勃発すると、事変の「本質」を論じる彼の論考が雑誌等に掲載される機会が増えてゆく。現役の外交官でありながら、政府の外交に対して白鳥は歯に衣着せぬ批判を加える。 そうした彼の言説を肯定的に受け入れる素地が、当時の日本にはあったということになろう (白鳥の著述目録については、表5〔一ニ五~一ニ七頁〕を参照)。

盧溝橋事件直後、白鳥は次のように述べている。「日本の大陸政策は、消極的には西力の不法侵入を防ぐ事であり、積極的には支那四億の人民と共に東洋の倫理道徳に基き、所謂王者の政治を実現して共にその恵沢に浴し人類の文明に貢献する事,」なのだが、中国は「日本を西洋並に侵略者と見、日本の真意を解しないで、夷を以て夷を制し、ロシア、英米の力を借りて対日解決を図らんとする」するから、衝突が起こるのである〔「切迫せる国際危機」『経済マガジン』一九三七年八月号〕。

それからニ力月後、支那事変の「本質」は、白鳥によって以下のように把握されている。

満洲事変と殆ど時を同じうして、日本国内に一つの精神運動、思想運動が台頭したことは、世人周知の通りである。この所謂日本主義運動或は国体明徴の叫びと、満洲事変とは決して関係のない二つの事象ではないのである。表裏密接の関繫を持った不可分の現象であつて、日本民族が漸く自己の真の姿を発見したと云ふことを物語るものである。今回の 日支事変も、この日本民族の思想的覚醒の対外的表現として見なければならない。〔中略〕日本国民が欧米追随の長夜の夢から醒めて、本来の我を見出した時に、内に在っては日本主義運動となり外に向っては大陸政策となり、内外合して「亜細亜に還れ」の絶叫となり、大亜細亜建設の運動となるのである。この一大思想運動が未だ国内戦線の統一をか ち得ないのが今日最大の憂であって、他の半面たる大陸政策のみ.が跛行的に着々と進捗しつつあるのが曩の満州事変であり、今回の日支事変である

元来日支間今日の不和を来したのは根本に於ては思想の衝突である。我は欧米追随の旧套を脱ぎ捨てて、亜細亜に還り、東洋の倫理道徳に基いて東亜の諸民族と新しき理想郷を造らんとして居り、彼は依然として欧米依存の迷夢より醒めず、遠交近攻の誤った政策を弄し、抗日排日の極は容共連蘇の邪道にまで踏み迷って、遂に亜細亜の反逆者となり畢ったのである。之が日支事変の真相ではないか。〔「支那事変の本質」『大亜細亜主義』一九三七年十月号〕

中国が日本の「真意」を誤解し、「以夷制夷」策を弄して欧米列国に追随したがゆえに、事変が勃発し拡大したのだ、と考えるのは当時の一般的理解であったと言ってよい。白鳥の場合は、これに加えて、大陸の軍事行動と国内の思想運動あるいは革新運動との連動が強調された。そこで用いられた「亜細亜に還れ」は、かつて森格とともに白鳥も使ったレトリックであった。白鳥は日本の大陸政策の道義性を主張する。「我が大陸政策はその本質に於ては文化史的使命を持っもので、人類社会改造の企図であり、現代文明の行詰りを打開せんが 為の一念発起」である、と〔「大陸政策の世界史的意義」『改造』一九三七年十月「支那事変臨時増刊号」〕。

P.128~130「支那から軍備を無くせ」

白鳥の支那事変に関する議論が独善的であったことは否めない。だが、その中に見るべきものがなかったわけでもない。例えば、彼は事変の原因が中国側の誤解と抗日政策にあると述べながら、同時に日本の態度をも批判し反省を迫っていた。

従来我々の為し来った所にも過誤はなかったか、支那人をして帝国の公正なる意図を理解せしむる事に何程の努力がなされたか、この点国民として猛省する必要があると考へる。〔中略〕日本としては、亜細亜民族を救ふの天業を自覚し只管この使命の遂行に精進し苟も、西洋流の物質的侵略的臭みがあってはならぬ。〔中略〕今回の北支事変に方って我 朝野の言説は甚だ調子が低い様に思ふ。依然として自衛権だの特殊権益だの、と覇道的ジヤルゴン〔ジャーゴン(専門家の特殊用語)〕を耳にするのは遺憾である。〔前掲「切迫せる国際危機」〕

日本は「領土的物質的の自己本位の解決を求めてはならぬ」。重要なのは日中の精神的提携あり、中国の民生の安定化と向上であるから、中国の「資源や経済提携の問題は重要で はあるが、畢竟枝葉末節である」「日支事変善後策」『大亜細亜主義』一九三八年二月号〕中国の資源の「開発」という言葉は、イギリスがインドを搾取するために設立した「東印度会社を造るやうに聞える」と白鳥は批判する〔座談会「支那事変の将来」『文藝春秋』一九三七年十一月号〕。

もう一つ、支那事変に関する白鳥の議論の中で注目に値するのは、中国から軍備を撤廃せよ、という主張である。白鳥は事変の「抜本的解決」策として、これをかなり早くから提起していた。彼によれば、「生なか支那が近代式軍隊を持つが故に〔中略〕自己の力を過信し、抗日侮日の誤つた政策を採り〔中略〕軍隊あるが故に打たれるのである」。もし中国が軍備を撤廃すれば、「兵力なき国を犯すが如きは日本の武士道が許さぬ」し、他国が中国侵略の暴挙に出るような場合には、日本が自らの意志と必要に基づいてその侵略を排撃するだろう。〔白鳥「歴史的大業を完成せよ」一九三七年七月、『国際日本の地位』所収〕。

さらに、「支那の国民も多年軍閥私兵の横暴に苦しみ抜いたゝめ」、軍備撤廃は「支那国民大多数の歓迎するところであり」、「支那国民の安寧福祉のためにも絶対必要」である。 軍備撤廃によって国民生活の向上、購買力の上昇、国内の安定が実現すれば、市場としての中国の価値が上がり、列国としてもこれを歓迎するに至るだろう、と彼は言う〔「事変も 外交関係」『報知新聞』一九三八年一月一日付、

こうした主張に対して、軍備撤廃は国家の主権独立の尊重と矛盾するのではないか、との当然の反論があり得る。これに対する白鳥の回答は、「日支の関係を従来西洋において発達した国際法の観念並に原則のみを以て律することは不可である」というものであった〔前掲 「日支事変善後策」〕。ここにも仁宮の『綱領』と同種の論理を見ることができるだろう。 日本による権益の拡張を否定し、中国の軍備撤廃を提起する白鳥の主張は、一見したところ道義的であり、また理想主義的であった。現役外交官でありながら政府の方針に拘束されない外交評論家としての白鳥が、一部の日本人に受けた理由はそこにあったのだろう。白鳥にはその名も「支那から軍備を無くせ」〔『経済マガジン』一九三八年二月号〕という論文がある。このタイトルを彼が付けたのか、それとも掲載雑誌の編集部が付けたのかはわからないが、いずれにせよ、この種の主張が何らかの注目を浴びていたことを示すものであったと考られよう。

たが、武力衝突が拡大し激化するなかで、精神的提携を追求し、「領土的物質的の自己本位」を抑制することは甚だ困難であった。軍備撤廃も、実際には日本による中国の軍事的管理に等しいものであったと言ってよい。白鳥自身も、「これがため期せずして日本の支那に対する発言権といふものは殆ど絶大になる」と本音を漏らしている〔「戦争と国民生活座談会」『国民評論』一九三七年十二月号〕。ただし、白鳥がこのとき軍備撤廃論を述べていたことは、以後の歴史の展開を考える上で、暫く記憶にとどめておく必要があろう。

P.258~260日米戦争

南進を媒介にした日中提携

一九四一年の年頭に、『朝日新聞』は数回にわたって「輝く廿七聖紀」と題する識者のインタヴューを掲載した。神武紀元によれば前年がニ六〇〇年であったから、この年、日本は新しい世紀に入ったことになる。インタヴュー特集のトップを飾ったのは白鳥である。記者は「日本は二十六聖紀で世界の水準に達し二十七聖紀で世界の王座を目指して進まねばな らぬ」と前置きし、白鳥のことを次のように描写している。

「僕の意見はいつも半年位先走るやうだ」外務省顧問の白鳥敏夫氏は斯う呟く、低いが信念の籠つた不敵な音声である、過去に於て目まぐるしい国際政局の変動が、時に白鳥さんを革新児にしたり異端者にしたりした、昨秋枢軸の盟ひ成って帝国外交の大本が確立したとき、白鳥さんは今度は時代の予言者と持囃されたものである、霞ヶ関の水先案内として 白鳥さんには半年どころか百年も先をヂッと睨んで貰ひたいのだ〔『朝日』一九四一年一月一日付朝刊〕

外交の実権は松岡の手に握られていたが、ジャーナリズムでは白鳥は時代の寵児であったと言ってよい。「当局からも余り喋つて呉れるなといふ註文を受けて居る」と言いつつ〔「三国同盟と日本」『日本評論』一九四○年十一月号〕、また自分の述べるところは政府の方針や意向ではなく、全くの個人的見解だとしながら、白鳥は言わば縦横無尽に持論を述べまくった。 彼はまず、東亜新秩序を拡大した大東亜新秩序、大東亜共栄圏を論じた。

吾々は目前先づアジア十億の民を解放せよ、生気を与へよといふ。今まで白人の一部がこれを侵して居つた、彼等はひどい搾取をして居つた、これを救はうといふのが吾々の目標である、信念である。〔前掲「三国同盟と日本」〕

日本当面の問題は、最早や支那から白人の勢力を駆逐するといふことだけではなし今 や更に南方へと進んで、従来白人の領土として壟断され、搾取されてゐたこの地方力ら その不当な勢力を駆逐せねばならぬ。〔中略〕いまこそ、これらの地方に於けるアジア伊 族を解放し、土地と人民とをアジアの手に取戻す、絶好の機会でなければならない 〔「三 国同盟と日本の前途」『現代』一九四〇年十二月号〕

日本当面の問題は、最早や支那から白人の勢力を駆逐するといふことだけではない。今や更に南方へと進んで、従来白人の領土として壟断され、搾取されてゐたこの地方から、その不当な勢力を駆逐せねばならぬ。〔中略〕いまこそ、これらの地方に於けるアジア民族を解放し、土地と人民とをアジアの手に取戻す、絶好の機会でなければならない〔「三国同盟と日本の前途」『現代』一九四〇年十二月号〕

白鳥のアジア民族解放論は明快であったが、それが日本盟主論とセットになっていたことにも言及しておくべきだろう。アジアにおいては「他の民族に比して最も優れたる日本民族がその盟主」でなければならず〔前掲「日独伊世界再建の原理」〕、しかも「アジアの独立、アジア諸民族の解放といふ聖業に従事して現に大きな犠牲を払ひ、絶大の努力をしてゐる」日本民族が、「アジア諸民族のうちの最も恵まれたる民族、富裕なる民族となることは極めて至当」であり、「絶大の犠牲に対する当然の報酬である」とされた〔「生産力拡充第一主義」『偕行社記事』ー九四ー年二月号〕。                           

P.264~268

革新派は対米決戦を唱えたわけではない。彼らは、アメリカの強硬姿勢に直面して、またしても妥協を排し、アメリカ以上の強硬態度で対抗することを主張したのである。ただし、ここでも革新派の主張が外務省の方針をリードしたのではなかった。松岡外相は、彼らの発言を封じ込めつつあった。だが、白鳥だけは、おそらくは彼の独断で、「攻撃的なる言論戦 を展開」し続けた。一九四一年、年頭のインタヴューで彼は次のように述べている。

大東亜共栄圏をアメリカは認めることが出来ない、搾取が出来なくなるからだ、欧洲にも新秩序が出来、アジアにも新秩序が出来たのではアメリカの資本主義は没落の外はない〔前掲「輝く廿七聖紀」〕

白鳥にとって、アメリカは新秩序の敵であった。そして三国同盟の対米抑止効果も疑わしくなっていた。

ユダヤ的金融寡頭政治

むろん白鳥もすぐさま日米戦争が不可避になったと見なしたわけではない。一九四一年ニ月段階ではまだ、「私は今日のアメリ力はどうしても戦争に入らぬだらうと考へざるを得ない」と述べている。アメリカは軍備が不足しているし、人種の寄せ集めという弱点を抱え大恐慌の傷も完全には癒えていない。日独伊の同盟に対抗することは不可能で、「日本が敢然起つたならば何も仕切らぬだらうと思ふ」〔「南進に於ける日本の地位」一九四一年二月十三日講演、『戦ひの時代』所収〕。

ただし、白鳥によれば、イギリスがヨーロッパの戦争を始めたとき、それはイギリス国民が望んだからではなく、政治を壟断している少数のユダヤ財閥とそれに連なる支配階級が戟争を欲したからにほかならない。そして、その「本家」はアメリカにある。したがって、アメリ力でも「大多数の国民は勿論反対であるが、ユダヤ的な金権寡頭政治の血迷うた判断か ら国民を引摺つて戦争をやらぬとも限らない」と白烏は憂慮を募らせた〔前掲「南進に於ける日本の地位〕。さらに彼は、「アメリカこそ戦争の煽動者、戦争業者ではあるまいか」と 述べ、「アメリカの支配階級に民衆を引摺るべき好箇の口実を与へぬやう細心の注意を要する」と警告した〔前掲「戦ひの時代」〕。

翌三月、白鳥はその判断と主張をひっくり返し、ついにアメリカの戦争参加は必至であると断定するに至る。「〔アメリカ〕輿論の反戦的傾向を過大に評価してはならない。イギリスにおいては勿論のことアメリ力においても、民主政治•か興論政治であつた時代は過去に属する」。金権寡頭政治に堕してしまったアメリカの支配階級は英仏のそれと一つであり、その意味で「アメリカは初めから戦争に参加してゐると言つても過言ではない」〔「アジアの役割」『読売新聞』一九四一年三月十日付〕。白鳥がアメリカ参戦必至に判断を転換させたキーポイントはナチスドイツの受け売りのように「国際的ユダヤ金融資本主義」を諸悪の根源と したことにあった。

アメリカのヨー口ッパ戦争への参戦が必ずしも日米戦争になるとは限らなかったが、ヨーロッパの戦争とアジアの戦争との結合を論じてきた白鳥からすれば、「アメリカの参戦は、当然日米戦争となる」「「世界戦争と新世界」『イタリア』一九四一年四月創刊号〕ことは論理的必然であった。白鳥はまた次のようにも述べている。

実際に於ては今は寧ろアメリ力が中心となつてこの戦争をやつて居るのであります。〔中略〕アメリカが戦争に入らなければ世界新秩序といふものは出来ない。〔中略〕私から見れば、アメリカこそこの戦争の張本人である。〔中略」もともとこの戦争はヒットラーとユダヤの戦争であります。〔中略」あれ〔日独伊三国同盟〕はアメリカを戦争に入らせるための条約だ。アメリカがどうしても入るだらう。又入らなければ世界の新秩序が出来ない。これはむしろ不可避であり、必然であり、必要であるといふ風に私は見るのであります。〔前掲「枢軸外交の勝利」〕

このように、三国同盟の狙いも逆転した。「日独伊同盟は、アメリカの参戦を阻止する為に結ばれたと云はれる」が、「実際に於ては〔中略〕却ってその参戦を不可避ならしめたとも云へる」とされたのである〔前掲「世界戦争と新世界」〕。 白鳥は、日米衝突を不可避とするに至った経緯を「天意」であるとし、来るべき国難、日米戦争を「天照大神が天の岩戸にお隠れになり天下が真暗になった時」になぞらえた(「興亜奉公日に際し内外時局を語る」一九四一年三月一日ラジオ講演、『戦ひの時代』所収〕。その国難たる戦争はどのようにして決着がつくのか。究極的には、アメリカに「一大社会革命」が起 こる。つまり、「旧秩序の牙城アメリカそのものに、内部から新秩序が盛り上ることによつて、ここに初めて歴史の大転換が完成されるであらう」と白鳥は「予言」した〔前掲「世界戦争と新世界」〕。

はたして、この時点での白鳥の日米戦争不可避論は、どのくらいまともに受け止められたのだろうか。

P.275~276無通告開戦

よく知られているように、一九四一年十二月八日、日本の対米通告は真珠湾攻撃から一時間以上も遅れてしまった。ただし、そのとき日本がアメリカに通告したのは開戦ではない。 交渉打切りである。また、マレー半島では、対米通告が予定されていた時刻より前に、イギリスに対する軍事行動が始まっていた。こうした意味で日本は無通告開戦に踏み切った。それは陸海軍が望んでいたことであった。東郷外相は、自らの所信に反するかたちで陸海軍の要請を受け容れざるを得なかった。だが、それは省内革新派の圧力に屈したものではなかっただろう。東郷は革新派の主張を採用したというよりも、軍事的必要性を掲げる陸海軍の要求を吞まざるを得なかったのである。

革新派は、政策を直接左右するほどの影響力は振るわなかった。けれども、彼らが陸海軍の要求を外交的見地から補強し正当化しようとしたことも軽視すべきではないだろう。一般に革新派の影響が過大に見られるのは、このように無通告開戟手続きや防共協定強化問題などをめぐって、軍と密接に協力したからである。そしてまた、彼らの主張が、旧秩序を否定し新秩序の建設と到来を声高に叫ぶ人々、社会の多数派ではないが声の大きな政治勢力と響き合っていたからであった。

P.280~283「世界維新」

大東亜戦争の後半、白鳥の言論活動は『盟邦評論』を中心として展開される。だが、彼の言説にはもはや見るべきものはなかったと言ってよい。白鳥自身は、誇大妄想狂や神懸かりと言われたり、まだ病気が治らないようだと嘲笑されていることを知りつつ、意に介さない素振りを示した〔「世界維新」対談『国民評論』一九四ニ年六月号〕。

一九四ニ年段階で白鳥は、戦争を「人類最終戦であり、今後永久に地球上から戦争を絶滅するための戦争」、「世界恒久平和、人類共存共栄の地上岩戸開き」、「神を戴くものと、神に反くもの」との戦いであると描写した〔「人類最終戦のために「世界戦争の前途」『現代』一九 四ニ年六月号〕。その戦争の中で「ユダヤ米英の代表する旧秩序の崩壊は世界史の必然として約束されて居る」。建設さるべき新佚序は「神秩序」でなければならず、日本こそ「邪悪暗黒なるユダヤ勢力」から全人類を解放する世界雄新の中心であると白鳥は論じた〔「媾和なき戦争」『イタリア』一九四ニ年十月号〕

彼の議論はもはや外交論ではなかった。摩訶不思議な霊論とも言うべきものであった。 敗色濃厚になった一九四四年には、戦争は、「暗黒と光明、神と悪魔、日本と猶太の決戦」 とされ〔「日本神観の確立」『公論』一九四四年四月号〕、英米金融資本主義だけでなく、ソ連共産主義もユダヤの陰謀によるものと論じられた。白鳥にあっては戦争はあたかも宗教戦争であった。

今度の戦争は本質に於ては日本の八紘一宇の御皇謨とユダヤの金権世界制覇の野望との正面衝突であり、それは邪神エホバの天照大神に対する叛逆であると共に、エホバを戴くユダヤ及びフリーメーソン一味のすめらみことの地上修理固成の天業に対する叛逆行為である。〔「東西戰局の大観」『盟邦評諭』一九四四年七月号〕         

白鳥の日本中心主義は荒唐無稽と言うほかなかった。彼はムー大陸の実在を引き合いに出し、「アメリカの先住民族も中南米のそれも皆日本民族であつたのみならず〔中略〕多くの白色民族なども、本来は日本神族の分れであることがやがて了解されるであらう」と論じ 〔「ニ十世紀の神話」『盟邦評論』一九四四年十一月号〕、「世界最古の文明は日本にあつた。〔中略〕キリストであらうと、釈迦であらうと、何れも彼等の説の根本は日本から出てゐる」と主張した〔「世界の現実とその修理」『盟邦評論』一九四四年二月号〕。

白鳥と波長を合わせた議論を展開していたのは、藤村と同時に外務省を追われた仁宮武夫である。仁宮にとって、戦争は双方が相手の無条件降伏を追求する絶対戦争であった。彼は以下のように論じている。

この戦争は米英からすれば、「相手民族の本質的な強さを破壊しなければ収まらない戦争である。〔中略〕彼等の戦ふ対象は独逸の血でも民族でも無く、ナチス的な強さそのものでありファショ的な抵抗力である。それ故戦争は益々悪虐凄惨!の度を加へる当然性が明瞭であり、同時に彼等の講和は常に政体変革を前提条件とするに至る」。日本の強さは世界無比の国体にあり、したがって米英は日本の国体破壊を狙い、中途半端な妥協による戦争終結に甘んじるはずがない。「かうして大東亜戦争は米英猶太の国体破壊戦争を征伐する戦争であり、世界幕府討滅戦争であり、誠に明々白々たる世界維新戦争である。「自存自衛」とは国民が安穏に生き伸びることではない。日本のいのち世界のいのちをなす国体そのもの、自存自衛であり、大東亜戦争は国体護持の戦争である」〔「聖戦完遂と維新体制の確立」『公論.一九四 年一月号〕。

白鳥と同じく仁宮の議論は「惟神の道」を説き神道的概念と用語をちりばめていたが、連合国側が妥協による講和を求めず、世界の平和と秩序を再び脅かさないよう枢軸諸国の無力化を企図しているとの観察は正確であったと言えるかもしれない。

3/26 日経ビジネスオンライン エコノミスト『ナチスの歴史を巡るドイツとギリシャの確執 賠償問題は日中韓だけではない』記事について

戦後賠償については何回も蒸し返されるのは、譲歩すれば「もっともっと」と脅せば金を出すと相手が思うからです。毅然とした対応が必要です。ドイツもメルケルが日本に来て注文をつけたと報道されましたが(ドイツ政府は否定)、自分の頭の上の蠅もおえずに片腹痛いです。ギリシャがドンドン悪態をつき、ドイツを強請れば、日本が中国と朝鮮半島から如何に何度も過去の謝罪(金で解決せよという意味)を迫られて来たかの痛みが分かるハズです。彼らはそれだけでなく、歴史を改竄・捏造することにより世界に「日本民族は道徳的に劣った民族」と刷り込みを図り、20世紀の日本の統治に対する復讐を図ろうとしています。ドイツはユダヤ人の民族浄化を図ろうとしましたが、日本は戦争をしただけです。これは世界の歴史の中では常にあることで、非難されるいわれはありません。国際法でも認められています。負けたことが一番悪いだけです。少なくとも日本はベルサイユ講和会議で「人種差別撤廃法案」を出しましたが、ウイルソン米国大統領に拒否されました。ドイツとは違います。

日本人はもっと近現代史を勉強しないと、敵の口車に乗せられてしまいます。世界は悪い人間の方が多いのですから。

記事

ドイツとギリシャの指導者たちは建設的と言うにはほど遠い非難の応酬に明け暮れ、ユーロ圏を存続の危険にさらしている。その1例が、ギリシャのヤニス・バルファキス 財務相に関する2013年に撮影されたユーチューブの動画を巡る騒動だ。当時、左寄りの経済学者として知られたバルファキス氏が「ギリシャはデフォルト(債務不履行)すべきだ。あとはドイツが自分で解決しろ」と述べ、中指を突き上げる侮辱的なジェスチャーをする姿が動画に映っている。

 独テレビのトーク番組中で3月15日に放映されたこの映像を、バルファキス氏は改ざんされたものだと主張した。前後の関係が無視されているとはいえ、問題の映像は本物であることをドイツのメディアが証明したことで、騒動が長引く結果となった。ドイツの批評家は怒りに任せ、ギリシャは嘘つきで無礼だと言い放った。

 ここにきてギリシャとその最大の債権国、ドイツの関係は最悪の状況に陥っている。ギリシャの極左政党、急進左派連合(Syriza)党首のアレクシス・チプラス氏が同国の首相に就任した1月以降、両国の関係は悪化の一途をたどっている。ギリシャ救済策の延長交渉に当たるドイツのウォルフガング・ショイブレ財務相 とギリシャのバルファキス財務相が、互いに信頼を失っていることは明らかだ。ショイブレ氏がバルファキス氏を「愚かなほど単純」とこき下ろすと、駐ベルリンのギリシャ大使はドイツ外務省に抗議した。

 ギリシャの国防相は、シリア難民をギリシャからドイツに送り込むと脅しをかけている。その中にテロリストが紛れ込んでいても責任は欧州にあると発言した。さらにギリシャの司法相は、ナチスがギリシャを占領した時に与えた損害の補償の一環として、アテネにあるドイツ語学校、ゲーテ・インスティチュートを差し押さえることもあり得ると示唆している。

第2次世界大戦の過去を反省したドイツ

 中指を立てるジェスチャーをしたかどうかなどは、子供じみた喧嘩として済ませることができるかもしれない。だが、ドイツの資産を差し押さえるという、過去の歴史に基づく威嚇は大きな影響をもたらす。両国に付きまとう暗い記憶を蘇らせるからだ。

 1941年から1944年までナチスはギリシャを占領した。その時の残虐さは、ナチスがスラブ諸国において見せた残虐さ次いで悲惨なものだった。その時以降、ギリシャはドイツに対する損害賠償請求を公式に取り下げたことはない。そしてこの数年、ギリシャが抱えるに至った膨大な債務を巡って激しい論議が戦わされるなか、ギリシャ政府は突如、ドイツに財政上、モラル上の歴史的責務の精算を求め出した。

 ドイツは、その過去について他の国から触れられることを嫌がる。独自の極めて正式な歴史認識方法があるからだ。過去の記憶を思い起こし、そこから学習することは、ドイツの政治的、心理的、物理的アプローチの根幹をなしている。ドイツの議員たちが国政を論じるため連邦議会議事堂に向かう時、目にするのは壁に書かれたキリル文字の落書きだ。1945年にベルリンが陥落した時、同議事堂を占領したロシア赤軍が書いた落書きである。無謀な統治を二度と行わないための静かな警鐘として、ドイツはこの落書きを敢えて残した。ナチスが侵略もしくは占領した国に対して、ドイツの政治家は通常は意識して気を配る。

 仮にロシアによるウクライナ侵攻がなければ、アンゲラ・メルケル独首相は今頃、旧ソ連が対ドイツ戦に勝利した70周年を祝う式典に出席する準備をしていたことだろう。だが実際には、その翌日の5月10日にモスクワにある無名戦士の墓を訪れることになりそうだ 。メルケル首相がドイツを欧州におけるイスラエルの最強の同盟国と呼ぶのは、ドイツがホロコーストに対して紛れもない悔恨の意を表明しなければならないことが、最大の理由である。

戦時補償のあいまいな解決

 しかしながら、ドイツが深い贖罪の意を表し、気配りを見せても限界がある。ギリシャが持ち出した一連の歴史問題と、それらがどのよう扱われているかを詳細に見れば明らかだ。ギリシャの要求は次の3つに分けられる。第1は、ナチス侵攻の犠牲となった国の政府に当然支払うべきと考えられる一般的な賠償金の問題。第2が、犠牲者1人ひとりに対してドイツが負うべき精神的なもしくは法的な責務。そして第3は、占領時代にギリシャがドイツに強要された融資である。この融資はアフリカでの戦争の戦費として使われた。

 1953年のロンドン会議において、ギリシャを含む対独債権国は、西ドイツが抱えていた海外債務のほとんどについて支払いを免除した。この結果、ドイツの「経済の奇跡」が成し遂げられたのだ。その際、賠償問題は将来の平和条約に委ねられた。平和条約は1990年に調印され、東西両ドイツと戦勝国4カ国(米国、英国、フランス、ソ連)がドイツ統一を受け入れた。当時のヘルムート・コール首相 とハンス・デートリッヒ・ゲンシャー外相は、この「2+4カ国合意」を平和条約と呼ぶことを敢えて避けた。このことは、賠償問題は条約締結と同時に明白な形で対処されるべきだったとの提案をそらすのに役立った。一方で、賠償問題は解決済みと見なす動きが広がっていった。

 この時、ギリシャが抗議することはなかった。だが、やがて同国が調印していない条約はギリシャの賠償請求権を消滅させるものではないと主張するようになった。ギリシャ人がしばしば指摘するように、1990年以前は賠償問題を議論するのは時期尚早だと言われていた。なのに、今では、いま議論しても遅すぎると言われてしまう。今月、チプラス首相は議会で、ドイツは賠償金の支払いを回避するために「トリック」を使ったと非難した。ドイツはこれを強く否定した。つい最近、メルケル首相の報道官が繰り返したように、ドイツは賠償問題を「法的にも、政治的にも解決済み」と見なしている。

ドイツは710億ユーロの賠償を支払ってきた

 ドイツは犠牲者個人及びその家族に対する責務についても同様の見解をとっている。西独は戦後、多額の賠償を行ってきた。政府データによれば、賠償額は合計710億ユーロ(約9兆3000億円)に上る。欧州諸国と1960年に交わした合意の一環としてドイツは、ギリシャにおいてナチスの犠牲となった人々に1億1500万ドイツマルク(5750万ユーロ、約74億4000万円)を支払った。

 歴史学者のエーベルハート・ロンドルツ氏によれば、これはアウシュビッツに収容されていた日1日当たり2.50ユーロ(約330円)に相当する。犠牲者とその子孫にとって、これは笑止千万な額だろう。ナチスが1944年にディストモ村で繰り広げた大量殺戮の犠牲となった人々は、ドイツを1997年に個人として初めて訴えた。

 しかしながら2012年に、ハーグの国際司法裁判所はドイツ側に立ち、政府は、海外の裁判所において個人から起こされた訴訟に関しては免責されるとの概念を導入した。この決定にほっとしたのはドイツだけではない。過去においては、外国人にひどい振る舞いをした政府はいくらもある。

戦時融資は賠償とは異なる

 だが1942年にギリシャがドイツに強要された戦時融資については事情が異なる。融資額は4億7600万ライヒマルクで、ギリシャによれば、今日の価値にして推定110億ユーロ(1兆4000億円)に達する。これは、救済策の一部としてギリシャがドイツに負っている支援額650億ユーロ(約8兆5000億円)の約17%に相当する。1960年代、首相を務めたルートヴィヒ・エアハルト 氏は、ドイツは再統一後にこれを返済すると述べた。エアハルト氏は、ドイツ再統一は決して実現しないと考えていたのかもしれない。

第2次世界大戦中にギリシャに強要した戦時融資の返済について検討すべきだと考えるドイツ人も多い。「今やらなければ、いつやるのか」とロンドルツ氏は言う。前例を作ることを避けたいのなら、ドイツは信託や基金に資金を拠出すればよいと同氏は示唆する。中道左派の社会民主党や緑の党に所属する政治家の中には、責任を負い、誠意を示すというドイツの戦後の伝統を貫くべく、返済を主張する者もいる。

 一方、ギリシャが戦争のことを持ち出し、改めて苛立ちを募らせているタイミングを疑いの目で見るドイツ人もいる。2000年ころからドイツのアイデンティティは変わってきたと「ザ・パラドックス・オブ・ジャーマン・パワー」の著者、ハンス・クンナニ 氏は指摘する。ドイツはもはや自らを戦争の加害者とだけ見てはいない、犠牲者としても受け止めている。アウシュビッツの子孫であるだけでなく、英国軍による爆撃で戦火に包まれたドレスデンの子孫でもあるからだ。

ドイツで進むギリシャ不信

 今日の文脈で語れば、それが合理的かどうかはともかく、ドイツ人は自らをユーロ危機の犠牲者だと見ている。クンナニ氏によればドイツ人は、「奴らはドイツからカネを奪う口実として過去を持ち出し、自分たちの過ちの尻拭いをドイツにさせようとしている」と考えている。事実、ドイツ最大のタブロイド紙のビルド紙は、賠償の要求を「脅迫」と呼んでいる。

 こうした環境の悪化は、当然ながら、ユーロ圏の将来を巡る論議のトーンにも影響を及ぼしている。直近の世論調査によると、ドイツ人の82%がギリシャが約束した改革を遂行できるかを疑問視しており、52%がギリシャにユーロから離脱してほしいと望んでいる。関係悪化を懸念して、メルケル首相は3月23日、チプラス首相をベルリンに招いた*。欧州を意図せぬ災難から守るために、メルケル首相は自慢の交渉力を駆使しなければならないだろう。

*:報道によると、メルケル首相とチプラス首相はこの会談で、信頼関係を築くことでは同意したものの、政策面での進展はなかった。