『中国・幼稚園の不衛生な食事で園児に健康被害か 幼児教育のベテラン園長が愛したのはおカネだった』(10/12日経ビジネスオンライン 北村豊)について

10/13看中国<“五眼联盟”联合德日 共同应对北京扩张野心(图)=5アイズ連盟に日独も 北京の拡張野心に共同して対応>5アイズは第二次大戦中、米英加豪新の5か国が枢軸国に対して情報交換した組織。そこに今年初めから日独を加え、7ケ国で北京のグローバルな拡張主義の情報を交換する。ここにはフランスも参加させる。今の所、中国の投資制限、政治活動や政治献金規制の動き。

https://www.secretchina.com/news/gb/2018/10/13/873538.html

9/23<安徽通报幼儿园大米长虫事件 其法人代表被刑拘(图)=安徽省の幼稚園で米の中に虫がいた事件 法人代表が逮捕・拘留>

品質保証期間が切れた酢 後は説明がないため分からず

https://news.toutiaoabc.com/newspark/view.php?app=news&act=view&nid=318874

客の満足度を上げるより、コストを下げることは中国ではよくある話です。自分達の取り分を増やすためには他人がどうなろうと知ったことはないと言うもの。取引で見本は良いものを持ってくるが、納入時になると品質の悪いものを持ってきたりします。

でも、言葉も話せない幼稚園児と思い、よくもまあこんな悪巧みができますね。流石は中国人と言ったところでしょうか?

記事

厨房の悲しい実態に保護者たちは激怒した(写真はイメージ)

9月22日の夜9時頃、安徽省の東南部に位置する“蕪湖市(ぶこし)”で幼稚園児の父母500人以上が集結して抗議活動を展開した。彼らは高速道路の入り口や大橋のたもとで横断幕を打ち振り、11時過ぎには高速道路の料金所へ押しかけて通行する車に大声で訴えを行った。抗議活動は翌23日の早朝3~4時まで続けられたが、解散後に人々は家路に就いた。

抗議活動に参加していた父母たちが掲げていた横断幕には、下記の文言が書かれていた。

安徽省蕪湖市に所在し同一グループに属する「得得貝幼稚園」と「童馨幼稚園」は、遺伝子組み換えの大豆油を使った食品や、消費期限切れでカビが生えた食品を子供たちに食べさせていた。それが子供たちに腫瘍マーカーの異常な数値をもたらした。蕪湖市政府と“鳩江区政府”は我々の抗議する権利を妨げるな。“天理何在(道理はどこにあるのか)”、“公道何在(正義はどこにあるのか)”。

蕪湖市の「得得貝幼稚園」は、子供たちに残飯や遺伝子組み換えの大豆油、蛆(うじ)がわいた食物を食べさせて、子供たちに食中毒を引き起こさせ、祖国の未来に深刻な損害をもたらした。容赦なく厳罰に処せ。

さて、この事件の発端は9月18日に遡る。18日に童馨幼稚園では園児の昼食に“鶏腿(鶏腿肉)”が出された。家に帰った園児から「昼食に僕が好きな鶏の腿肉が出たけど、食べなかった」という話を聞いて何かおかしいと感じた父親が、幼稚園の教諭にその理由を問い合わせたところ、教諭からは「料理酒を多めに入れた所為じゃないですか」との答えがあった。しかし、この園児の父親は居酒屋で働いているので、鶏の腿肉がすでに腐っていて、腐敗臭がしたから子供は食べなかったのではないかと疑問を抱いた。

翌19日、その父親は童馨幼稚園の食堂へ出向いて厨房の衛生状況を調べ、その結果を「冷蔵庫には腐敗臭のする鶏腿肉があり、米はカビが生えて虫が這いずり回っていたし、消費期限切れの酢が使われている」と“蕪湖市食品薬品監督管理局”へ通報すると同時に、インスタントメッセンジャーアプリ“微信(WeChat)”を通じて童馨幼稚園の父母たちへ厨房の悲惨な状況を報告した。

厨房の悲しい実態

一方、当該父親の親戚が同じ鳩江区内にある得得貝幼稚園へ子供を通わせていたので、童馨幼稚園を経営する園長の“梁愛蓮”が、得得貝幼稚園の経営者でもあることが判明した。そこで、同父親は親戚に協力を要請し、9月20日に親戚が子供を得得貝幼稚園へ送った後に、得得貝幼稚園の食堂へ行き、食堂内にある厨房の衛生状況を調べるよう依頼した。親戚が調べたところでは、食堂にはハエが飛び回り、厨房は全体に不潔で、蛆が動いている場所もあり、米には虫が這いずり回り、ジャガイモは発芽してカビが生え、真空包装のソーセージは消費期限切れで変質していたし、レンジの周囲にはゴキブリが走り回っていた。

冷蔵庫の中には数日前の「緑豆粥(かゆ)」が残されていたので、親戚がその場にいた食堂の職員に質問すると、職員は「緑豆粥は豚の餌で、園児に食べさせる物ではない」と答えたが、豚の餌なら冷蔵庫に入れておく必要はない。当該親戚は園長の梁愛蓮に「冷蔵庫内に消費期限切れの食品があるのはなぜなのか」と直接問い合わせたが、梁園長は「食べ物を節約するため」と答えたので、「すえたお粥も節約なのか」と詰問すると、梁園長は何も答えられなかった。親戚から報告を受けた当該父親は得得貝幼稚園の食堂に関しても厨房の非衛生な状況を蕪湖市食品薬品監督管理局へ通報し、併せて親戚の協力を得て、微信(WeChat)経由で得得貝幼稚園の父母たちへ厨房の悲しい実態を報告した。

こうして童馨幼稚園と得得貝幼稚園の父母たちはそれぞれの幼稚園に集まり、子供たちの健康に関する情報交換を行った結果、子供たちに共通する一つの現象が浮かび上がった。

それは頻繁に起こる腹痛であり、体格が劣る子供は下痢をすることだった。父母たちの動きを見て、情勢が悪いと気付いた両幼稚園の食堂に勤務する職員たちは、厨房を含む食堂内を徹底的に掃除して非衛生な状態を全て消し去った。20日午後に蕪湖市の“教育局”から2人の役人が両幼稚園を訪れて証拠取りの調査を行ったが、すでに食堂は徹底的な清掃が終わっており、何の証拠も集められなかった。また、同日に蕪湖市の“衛生局”からも役人が来て両幼稚園で写真を撮影して行ったが、写真では両幼稚園の問題点が何も分からないというのが親たちの見解だった。

9月20日の夜、得得貝幼稚園の親たちの一部は、清掃が終わった厨房で冷蔵庫の上に蠢(うごめ)く数匹の蛆、冷蔵庫内に依然として残っている消費期限切れの食材、聞いたこともないような安価で無名な醤油や大豆油があるのを見て非常に憤った。それは、2つの幼稚園の学費は他の幼稚園に比べて相当に高額であるのに、園児に提供する食事の材料がこのような消費期限切れやカビが生えて変質している物とは一体何事かという怒りだった。怒り狂った彼らは得得貝幼稚園の正門を封鎖し、二日一晩にわたって園長の梁愛蓮を幼稚園に閉じ込めた。最後には地元の派出所が警官を派遣して梁愛蓮を幼稚園から救出した。

9月21日にはポータルサイト“騰訊(Tencent)”傘下の開放プラットフォーム“企鵝号(ペンギン号)”にあるサイト「ハ百里晥江」<注>は、得得貝幼稚園の食堂内にある冷蔵庫上で蠢く蛆、冷蔵庫内の消費期限切れ食品、不潔な調理台やレンジの汚れなどを写真で公開し、中国全土に不衛生な幼稚園の実態を訴えたのだった。

<注> “晥江”は長江が安徽省の沿岸を流れる部分の名称であり、“八百里(400km)”はその距離を意味することから、「八百里晥江」は安徽省を表わしている。

童馨幼稚園の親たちは子供たちの健康を気遣っていたが、9月22日に蕪湖市政府は童馨幼稚園の園児に親同伴で健康診断を受けさせるべく、多数の大型バスを手配した。バスは隣接する江蘇省“南京市”にある“南京市児童医院”へ向かう予定で走り出したが、途中で「南京市児童医院が受け入れてくれない」との理由で省都の“合肥市”へ行き先を変更した。多数の親たちが、合肥行きは幼稚園に有利な結果を出すための陰謀だと抗議し、子供を連れてバスから途中下車した。

9人中8人に「神経芽細胞」の基準超過

そのうちの親9人はそれぞれの子供を連れて当初予定されていた南京市児童医院へ向かい、園児たちに健康診断を受診させた。その結果、腫瘍マーカー検査で9人中8人の園児に「神経芽細胞」の基準超過が認められた。これは同一検査で3回連続して基準超過だと、“腫瘤(腫瘍)”だと確認される深刻な事態である。ガンの潜伏期間は5年と言われるので、現在は問題なくとも、5年後にガンが発症しないという保証はない。また、1人の子供からは胃腸と脾臓のリンパ肥大が発見された。わずか園児9人でこの結果だから、園児全体ではどれだけの人数が健康に異常ありと判定されるか分からない。

9月23日の午後、それまで無言を貫いて来た蕪湖市政府は、急きょメディアに対し本件に関する状況説明会を開催し、次のように報告を行った。すなわち、童馨幼稚園が消費期限切れの米酢と虫が涌いた米を使用していたことは明白であり、食品や食器および炊事用具に対する抜き取り検査の結果は10月7日に公表する。また、童馨幼稚園長の梁愛蓮は9月22日早朝に刑事拘留された。当該幼稚園の園児たちは安徽省内外の名の知れた医院で組織的に身体検査を受けている。一方で、幼稚園児の親たちは幼稚園の門を封鎖したり、道路や橋を封鎖するという違法行為を行っているが、これは法的責任を追及されることになろうと親たちに脅しをかけた。さらに、ネット上での情報発信に対しても厳粛に処理すると述べて、関連情報の拡散に歯止めをかけた。

しかし、園児の親たちは、すでに幼稚園を卒業して小学校へ入学している子供たち、とくに小学1~2年生の健康状態はどうなのか大きな問題であると指摘した。彼らは2つの幼稚園のいずれかで数年を過ごした間に、非衛生的な食事を食べさせられていた可能性があるので、身体検査を行う必要がある小学生は恐らく1000人近い人数に上るものと思われる。さらに、親たちの間で流れている噂では、両幼稚園の責任者である梁愛蓮は地元の役人と親戚関係にあり、幼稚園の食堂で調理をしていた2人も苗字は“梁”なので、梁愛蓮と親戚関係にある可能性は高い。それが事実ならば、蕪湖市政府の調査結果が梁愛蓮に都合よく歪曲される可能性は否定できない。

9月25日には幼稚園児の父母からの告発により、蕪湖市“弋江区(よくこうく)”に梁愛蓮が経営する「江岸明珠幼稚園」があることが判明し、同幼稚園でも不衛生な環境の下で消費期限切れ食材を使用した昼食が調理されて園児に提供されていたことが暴露された。

9月29日の午後、蕪湖市政府は記者会見を開催し、9月19日に発生したことから“9.19事件”と呼ばれる上記の事件に関し報告を行った。その報告に中で、市政府は「9.19事件に関わる幼稚園の食品安全問題は、集団的な“食源性疾患(食品に起因する疾患)”を構成するものでなく、食品安全事故には含まれない」と結論付け、幼稚園を管轄するのは教育部門であり、食品の品質を監督する市場監督管理部門が介入するのは不適切と逃げを打った。

園長は幼児教育一筋の成功者

ところで、問題となった3カ所の幼稚園を経営していた園長の梁愛蓮とはどのような人物なのか。中国メディアが報じた履歴は以下の通り。

【梁愛蓮】
梁愛蓮は蕪湖市では有名な人物で、かつて「蕪湖市民教育先進人」の称号を獲得したことがあり、地元テレビの番組で「蕪湖の優良青年」として取り上げられたこともあったし、彼女が書いた幼児教育の論文は何度も賞を獲得している。テレビが報じたところによれば、梁愛蓮は幼児教育に16年間従事し、4つの幼稚園を開設し、100人以上の職員を擁している。梁愛蓮は、中国の十大教育チェーンの一つである“紅纓教育”の蕪湖地区代表であり、9.19事件が起こった得得貝幼稚園は全国に3000軒以上ある紅纓系列の幼稚園の中で突出し成果を収めている幼稚園である。

もし、この履歴が正しいのであれば、梁愛蓮は幼児教育の専門家であり、自ら4つの幼稚園を経営し、幼児教育で傑出した成果を収めていたことになる。そのような立派な人物が経営していた幼稚園のうちの3カ所で、消費期限切れや不衛生な食材を使って不潔な厨房で園児の昼食を作っていたことになる。恐らくもう1か所の幼稚園も似たり寄ったりだとは思うが、それはさておき、梁愛蓮が園児の親に「冷蔵庫内に消費期限切れの食材があるのはなぜか」と問われた際に、「食べ物を節約するため」と答えたのは笑わせるが、その後の調べで園長や教諭たちは全く問題のない食材で作った昼食を食べていたというから罪は重い。

要するに、幼児教育一筋で成功者となった梁愛蓮でさえも、幼稚園児の健康よりも大事なのは金儲けであり、親にばれず、園児に急な変化が表れなければ、園児に何を食べさせようが構わないという、利己主義と拝金主義が合体した精神構造になっていることなのである。

筆者は1985年から1990年まで北京に家族帯同で駐在し、息子は1989年6月4日に天安門事件(略称:六四事件)が発生する2カ月前の3月末に外国人の子供も入園が許されていた「北京第一幼稚園」を卒園したし、娘は同幼稚園の年中組に在籍していた。古い話で恐縮だが、その経験から言うと、当時北京第一幼稚園の食事は大変に美味しく、子供たちは昼食やおやつを楽しみにしていたし、子供を迎えに行く妻も度々ご相伴に預かり、調理方法などを聞いてきたりなどしていた記憶がある。北京第一幼稚園は中国の表看板である北京市を代表する幼稚園だから予算が潤沢にあったのかもしれないが、次代を背負う子供たちに美味しい物を食べさせようという意欲に溢れていた。

中国で少子化が問題となっているこのご時世に、幼稚園児を食い物にして金儲けを目論み、園児の健康にまで影響を及ぼすとは、許しがたいことだが、その犯人を捕らえてみれば幼児教育の成功者だったとは笑いの種にもならないし、馬鹿馬鹿しくて洒落にもならない。

同様の幼稚園、全土に相当数存在か

話は童馨幼稚園と得得貝幼稚園の父母に戻るが、彼らは9月29日に蕪湖市政府が記者会見で述べた「9.19事件は食品安全事故には含まれない」との結論に対して不満を露わにした。しかし、言論統制が厳しい中国で、政府の結論に納得せずに抗議を継続することは得策ではない。彼らは子供たちが健康に育つことだけを念頭に、抗議を止めて現実を受け入れた。

なお、9月29日付の“鳳凰網(ネット)”「安徽綜合」は、9月25日から童馨幼稚園と得得貝幼稚園は、蕪湖市党委員会、蕪湖市政府および関係部門の協力を受けて体制を一新し、鳩江区教育局から派遣された新しい園長を中心に立て直しを図るとし、この決定については父母たちも了解したと報じた。これで本件は一件落着となるのだと思うが、童馨幼稚園と得得貝幼稚園は梁愛蓮が経営していた民間の幼稚園のはずであるのに、新たな園長が鳩江区教育局から派遣されたというのはどういう意味なのだろうか。梁愛蓮が持っていたはずの経営権は蕪湖市政府によって没収されたということなのか。

上述した9.19事件は安徽省の蕪湖市で発生したが、幼稚園児の言葉がたどたどしいのを良い事に、衛生上問題のある食事を園児に提供している幼稚園は、中国全土に相当数存在するものと考えられる。このため、不衛生な食事を提供されたことにより健康を害する園児たちが多数いる可能性は高いが、明確な証拠がないために、統計もなければ、事件が明るみに出ることもほとんどない。9.19事件は園児の父が子供の一言に異常を感じ取ったことで、実態が明るみに出た稀有な例であったといえる。中国政府が全国の幼稚園に対して適確な行政指導を行うことにより、園児に供する食事の質と衛生環境の改善が促進されることが望まれる。

園児が口にする食事の質と衛生環境の改善が望まれる(写真はイメージ)

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